集塵機
【課題】高い移動操作性を維持しつつ、コードのコード収納部に対する巻き付けと巻き戻しを作業性良く行うことができる集塵機を提供すること。
【解決手段】モータ6と該モータ6によって回転駆動される集塵ファン7を備えたヘッド部2と、該ヘッド部2が上面開口部に着脱可能に装着されるタンク3と、コード11を巻き付けて収納するコード収納部12を備えた集塵機1において、持ち運び位置と格納位置を取り得るハンドル17を設け、該ハンドル17が格納位置にあるときに前記コード収納部12の周囲に該ハンドル17が位置しないよう構成する。例えば、ヘッド部2にコード収納部12を設けるとともに、タンク3に伸縮可能なハンドル17を設け、該ハンドル17が格納位置にあるときにその自由端がコード収納部12の下方に位置するよう構成する。
【解決手段】モータ6と該モータ6によって回転駆動される集塵ファン7を備えたヘッド部2と、該ヘッド部2が上面開口部に着脱可能に装着されるタンク3と、コード11を巻き付けて収納するコード収納部12を備えた集塵機1において、持ち運び位置と格納位置を取り得るハンドル17を設け、該ハンドル17が格納位置にあるときに前記コード収納部12の周囲に該ハンドル17が位置しないよう構成する。例えば、ヘッド部2にコード収納部12を設けるとともに、タンク3に伸縮可能なハンドル17を設け、該ハンドル17が格納位置にあるときにその自由端がコード収納部12の下方に位置するよう構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、持ち運び用のハンドルを備えた集塵機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に集塵機は、モータによって回転駆動される集塵ファンによって空気を吸引し、吸引された空気に含まれる粉塵をフィルタで分離してタンク内に回収するものであって、粉塵を溜めるタンクと、該タンクの上面開口部に被着されたヘッド部を備えている。
【0003】
ところで、斯かる集塵機が使用される環境としては、家庭以外に建築現場やリフォーム現場等があり、建築現場等での電動工具による切断、切削、研削等の作業によって周囲に飛散した粉塵を回収する用途に供される比較的大型の集塵機も知られている。このように大型の集塵機は、盗難防止等のために作業終了後に毎日自動車で持ち帰るのが一般的であるが、作業現場によっては駐車場や空きスペース等の問題のために現場近くまで自動車を乗り入れることができない場合も多い。
【0004】
従来の集塵機は、タンクの下端に設けられた複数のキャスタによって床面上を移動することができるが、この移動に際してはヘッド部の上部に設けられた把手を手で押し、キャスタを転がしながら本体を移動させることが行われている。
【0005】
ところが、上述のようにヘッド部の上部に設けられた把手を手で押して集塵機を移動させる作業は、把手の高さが低いために押しづらく、疲労も大きいという問題がある。
【0006】
そこで、集塵機のタンク又はヘッド部にハンドルを設け、このハンドルを操作して楽な姿勢で集塵機を移動させる提案がなされている。
【0007】
即ち、特許文献1には、スライドハンドルをタンク又はヘッド部に上下動可能に設け、集塵機を移動させる場合にはスライドハンドルを押し上げて使用し、不使用時にはスライドハンドルを押し下げ、その下端に被着されたゴム等の弾性体を床面等に押し当ててストッパとして機能させる提案がなされている。
【0008】
又、特許文献2には、伸縮可能な手引きハンドルを掃除機本体に前後方向に回動可能に軸支し、吸引作業を中断及び再開する際に吸込ホースや延長管等を手引きハンドルに対して容易且つ短時間に保持及び取り出すことができるようにした提案がなされている。
【0009】
更に、特許文献3には、本体の走行制御を行う走行制御装置と、本体外に延出可能で且つ格納可能なハンドルと、該ハンドルの格納状態を検知する検知スイッチを有し、検知スイッチの検知結果に基づいて走行制御装置の動作モードを切り換える自走式掃除機が提案されている。
【特許文献1】特開2006−254995号公報
【特許文献2】特開2006−043264号公報
【特許文献3】特許第3019520号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、集塵機にはコードを巻き付けて収納する凹状のコード収納部がヘッド部に設けられているが、特許文献1に提案された構成では、スライドハンドルを押し下げた状態においても該スライドハンドルがコード収納部の高さよりも高い位置にあるため、コードをコード収納部に巻き付けて収納したり、コード収納部に収納されたコードを引き出す際にスライドハンドルが邪魔になり、コードの巻き取りと引き出しを作業性良く行うことができないという問題がある。
【0011】
又、特許文献2,3には、コード収納部とハンドルとの関係については言及されていない。
【0012】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、高い移動操作性を維持しつつ、コードのコード収納部に対する巻き付けと引き出しを作業性良く行うことができる集塵機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、モータと該モータによって回転駆動される集塵ファンを備えたヘッド部と、該ヘッド部が上面開口部に着脱可能に装着されるタンクと、コードを巻き付けて収納するコード収納部を備えた集塵機において、持ち運び位置と格納位置を取り得るハンドルを設け、該ハンドルが格納位置にあるときに前記コード収納部の周囲に該ハンドルが位置しないよう構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ヘッド部に前記コード収納部を設けるとともに、前記タンクに伸縮可能なハンドルを設け、該ハンドルが格納位置にあるときにその自由端が前記コード収納部の下方に位置するようにしたことを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記ハンドルを前記タンクの上部又は下部に回動可能に設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ヘッド部に前記コード収納部を設けるとともに、前記タンクの下部にハンドルを回動可能に設け、該ハンドルを前記タンク内の下部に格納可能としたことを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記ハンドルを伸縮可能としたことを特徴とする。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の発明において、前記ハンドルを前記タンクのホース接続口とは反対側に設けたことを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ヘッド部に前記コード収納部を設けるとともに、前記ヘッド部にハンドルを回動可能に設け、該ハンドルを前記ヘッド部内に格納可能としたことを特徴とする。
【0020】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ヘッド部に前記コード収納部を設けるとともに、前記タンクに可撓性ハンドルを設け、該可撓性ハンドルをタンクの外周に巻き付けて格納することを特徴とする。
【0021】
請求項9記載の発明は、請求項1〜8の何れかに記載の発明において、前記タンクの下端に回転部材を設けたことを特徴とする。
【0022】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明において、前記回転部材を複数設け、少なくともハンドル側の回転部材の軸直角方向の回転を規制したことを特徴とする。
【0023】
請求項11記載の発明は、請求項9又は10記載の発明において、反ハンドル側の回転部材を軸直角方向に回転可能としたことを特徴とする。
【0024】
請求項12記載の発明は、請求項1〜11の何れかに記載の発明において、スイッチパネル及びリモコン受信部を反ハンドル側に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
請求項1記載の発明によれば、集塵機の移動に際してはハンドルを持ち運び位置に位置させ、このハンドルを手で持って押し或は引いて集塵機を楽な姿勢で移動させることができる。そして、集塵機を移動させた後にハンドルを格納位置に戻せば、該ハンドルをコンパクトにして格納することができるが、この格納状態においてコード収納部の周囲にハンドルが位置しないため、コード収納部に対するコードの巻き付け及び巻き戻しにハンドルが邪魔になることがなく、コードを作業性良く巻き付けて収納し、或はコードを作業性良く引き出して電源に差し込むことができる。
【0026】
請求項2記載の発明によれば、集塵機の移動に際してタンクに設けられたハンドルを引き伸ばし、このハンドルを操作して集塵機を楽な姿勢で移動させることができる。そして、ハンドルを縮めてこれを格納すれば、該ハンドルの自由端(上端)がコード収納部の下方に位置するため、コード収納部に対するコードの巻き付け及び巻き戻しにハンドルが邪魔になることがなく、コードを作業性良く巻き付け或は取り出すことができる。
【0027】
請求項3記載の発明によれば、伸縮可能なハンドルをタンクの上部又は下部に回動可能に設けたため、集塵機の移動に際してハンドルを引き伸ばすとともに回動させて操作し易い角度に傾ければ、このハンドルを操作して集塵機を楽な姿勢で移動させることができる。そして、ハンドルを縮めてこれを元の格納位置まで回動させて戻せば、該ハンドルの自由端(上端)がコード収納部の下方に位置するため、コード収納部に対するコードの巻き付け及び巻き戻しにハンドルが邪魔になることがなく、コードを作業性良く巻き付け或は取り出すことができる。
【0028】
請求項4記載の発明によれば、タンクの下部にハンドルを回動可能に設けたため、集塵機の移動に際してハンドルを回動させて操作し易い角度に傾ければ、このハンドルを操作して集塵機を楽な姿勢で移動させることができる。そして、ハンドルを元の格納位置まで回動させてタンク内の下部に収納すれば、コード収納部に対するコードの巻き付け及び巻き戻しにハンドルが邪魔になることがないため、コードを作業性良く巻き付け或は取り出すことができる。
【0029】
請求項5記載の発明によれば、タンクの下部に回動可能且つ格納可能に設けられたハンドルを伸縮可能としたため、集塵機の移動に際してハンドルを引き伸ばすことによって集塵機を一層楽な姿勢で移動させることができる。
【0030】
請求項6記載の発明によれば、ハンドルをタンクのホース接続口とは反対側に設けたため、タンクのホース接続口に接続されたダクトホースとハンドルとが干渉することがなく、これらのダクトホースとハンドルの機能が害されることがない。
【0031】
請求項7記載の発明によれば、ヘッド部にハンドルを回動可能に設け、該ハンドルをヘッド部内に格納可能としたため、集塵機の移動に際してハンドルを回動させて操作し易い角度に傾ければ、このハンドルを操作して集塵機を楽な姿勢で移動させることができる。そして、ハンドルを元の格納位置まで回動させてヘッド部内の下部に収納すれば、コード収納部に対するコードの巻き付け及び巻き戻しにハンドルが邪魔になることがないため、コードを作業性良く巻き付け或は取り出すことができる。
【0032】
請求項8記載の発明によれば、ヘッド部にコード収納部を設けるとともに、タンクにロープ等の可撓性ハンドルを設け、該可撓性ハンドルをタンクの外周に巻き付けて格納するようにしたため、集塵機の移動に際しては、タンクの外周に巻き付けて格納されていた可撓性ハンドルを取り出してこれを引くことによって集塵機を楽な姿勢で移動させることができる。そして、可撓性ハンドルをタンクの外周に巻き付けて格納すれば、コード収納部に対するコードの巻き付け及び巻き戻しに可撓性ハンドルが邪魔になることがないため、コードを作業性良く巻き付け或は取り出すことができる。
【0033】
請求項9記載の発明によれば、タンクの下端にキャスタ等の回転部材を設けたため、集塵機の移動を小さな力でスムーズに行うことができる。
【0034】
請求項10記載の発明によれば、少なくともハンドル側の回転部材の軸直角方向の回転を規制したため、集塵機の移動時の直進性が高められる。
【0035】
請求項11記載の発明によれば、反ハンドル側の回転部材を軸直角方向に回転可能としたため、集塵機の移動時のコーナリング性が高められる。
【0036】
請求項12記載の発明によれば、スイッチパネル及びリモコン受信部を反ハンドル側に設けたため、遠隔操作によってスイッチをON/OFFして集塵機を起動/停止させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0038】
<実施の形態1>
図1は本発明の実施の形態1に係る集塵機の一部を破断して示す側面図、図2は同集塵機の同集塵機の背面図、図3は同集塵機の平面図である。
【0039】
本実施の形態に係る集塵機1は、ヘッド部2の下方にドラム状のタンク3を設け、該タンク3の下面に回転部材である計3つのキャスタ4,5を設けて構成され、これらのキャスタ4,5によって床面上を自由に移動することができる。
【0040】
上記ヘッド部2内には、図1に示すように、中心部にモータ6が縦方向に配置されており、該モータ6から垂直下方に延びる出力軸(モータ軸)6aには集塵ファン7が直結されている。又、ヘッド部2には、モータ6を起動・停止するためのスイッチが設けられたスイッチパネル8と不図示のリモコン受信部及び空気を排出する排出口9が設けられており、頂部には図2に示すように把手10が設けられている。更に、ヘッド部2のタンク3との境である下端部外周には、コード11を巻き付けて収納するための凹状のコード収納部12が形成されている。
【0041】
他方、前記タンク3は有底円筒状に成形されており、その内部にはフィルタ13が収容され、側部にはダクトホース14を接続するためのホース接続口15が設けられている。そして、該タンク3の上面開口部にヘッド部2が着脱可能に装着されており、ヘッド部2は、クランプ16を操作することによってタンク3に対してワンタッチで簡単に着脱される。又、前述のようにタンク3の下部には回転可能な3つのキャスタ4,5が設けられているが、ホース接続口15側(図1の左側)に設けられた1つのキャスタ4は、軸直角方向に回転可能(つまり、水平方向に360°自由に回転可能)に支持され、ホース接続口15とは反対側(図1の右側)に設けられた2つのキャスタ5は、軸直角方向の回転を規制されている。
【0042】
ところで、タンク3のホース接続口15とは反対側には、上下に伸縮可能な逆U字状のハンドル17が設けられている。ここで、ハンドル17は、タンク3に固設された左右一対のパイプ材17aに逆U字状のパイプ材17bを上方から差し込んで構成されており、パイプ材17bはパイプ材17aに対して上下動可能であって、不図示の係止手段によって任意の高さ位置で係止されて固定される。
【0043】
以上のように構成された集塵機1を用いて清掃作業を行う場合には、ハンドル17は図1及び図3に鎖線にて示すように縮められて格納位置にあり、その高さが低く抑えられて自由端(上端)はヘッド部2のコード収納部12の下方に位置している。この状態で、ヘッド部2のコード収納部12に巻き付けられていたコード11を引き出し、その端部に取り付けられた電源プラグを不図示のコンセントに差し込むが、前述のようにハンドル17の自由端(上端)はコード収納部12の下方に位置しているため、コード11の引き出しにハンドル17が邪魔になることがなく、コード11を作業性良く引き出してこれを使用することができる。
【0044】
而して、上記状態で、スイッチパネル8に設けられた起動・停止スイッチをONするか、或は不図示のリモコン装置から発せられた起動信号をヘッド部2に設けられた不図示のリモコン受信部が受信すると、モータ6が起動されて該モータ6の出力軸6aとこれに直結された集塵ファン7が所定の速度で回転し、タンク3内に吸引力(負圧)が発生し、ダクトホース14から粉塵が空気と共にタンク3内に吸引される。
【0045】
そして、タンク3内に空気と共に吸引された粉塵は、タンク3の内周面に沿って旋回しながら一部が自重で落下してタンク3内の底部に溜るが、タンク3内の底部に落下しなかった粉塵は、フィルタ13によって濾過されて空気と分離され、空気のみがフィルタ13を通過して排出口9から外部へと排出され、分離された粉塵はフィルタ13の周面に付着する。
【0046】
以上の清掃作業を繰り返すことによってタンク2内の底部に溜った粉塵を廃棄するときには、クランプ16によるヘッド部2の固定を解除した後、把手10を持ってヘッド部2を上方へ持ち上げてこれをタンク3から取り外し、タンク3ごと横に倒して該タンク3内の底部に溜った粉塵を廃棄する。
【0047】
而して、清掃作業が終了すると、コード11の端部に取り付けられた電源プラグをコンセントから抜き取って該コード11をヘッド部2のコード収納部12に巻き付けて収納するが、このときもハンドル17の自由端(上端)はコード収納部12の下方に位置しているため、コード11の巻き付けにハンドル17が邪魔になることがなく、コード11を作業性良く巻き付けてこれを収納することができる。
【0048】
その後、集塵機1を移動させる場合には、ハンドル17を図1及び図3に実線にて示すようにコード収納部12よりも上方の持ち運び位置まで引き伸ばし、このハンドル17を操作して集塵機1を楽な姿勢で移動させることができる。この場合、タンク3の下端にキャスタ4,5を設けたため、集塵機1の移動を小さな力でスムーズに行うことができる。そして、ハンドル17側の2つのキャスタ5の軸直角方向の回転を規制したため、集塵機1の移動時の直進性が高められる。又、ハンドル17とは反対側の1つのキャスタ4を軸直角方向に回転可能としたため、集塵機1の移動時のコーナリング性が高められる。
【0049】
又、本実施の形態では、ハンドル17をタンク3のホース接続口15とは反対側に設けたため、タンク3のホース接続口15に接続されたダクトホース14とハンドル17とが干渉することがなく、これらのダクトホース14とハンドル17の機能が害されることがない。
【0050】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2を図4に基づいて説明する。
【0051】
図4は本発明の実施の形態2に係る集塵機の側面図であり、本図においては図1〜図3に示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0052】
本実施の形態は、伸縮可能なハンドル17をタンク3の上部に回動支点18を中心として回動可能に設けたことを特徴とし、他の構成は前記実施の形態1に係る集塵機1のそれと同じである。
【0053】
而して、ハンドル17が格納位置にあるときには、該ハンドル17は図4に鎖線にて示すように縮められた状態でタンク3に沿って折り畳まれており、このとき、該ハンドル17はヘッド部2のコード収納部12の下方に位置している。従って、この状態でコード収納部12に巻き付けられたコード11を引き出したり、コード11をコード収納部12に巻き付ける際にハンドル17が邪魔になることがなく、コード11を作業性良く巻き付け或は取り出すことができる。
【0054】
そして、集塵機1を移動させる場合には、格納位置にあるハンドル17を回動支点18を中心として図4の実線位置まで矢印方向に持ち運び位置まで回動させて起立させるとともに、上方へ引き伸ばせば、作業者はハンドル17を操作して集塵機1を楽な姿勢で移動させることができる。
【0055】
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3を図5に基づいて説明する。
【0056】
図5は本発明の実施の形態3に係る集塵機の側面図であり、本図においても図1〜図3に示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0057】
本実施の形態は、伸縮可能なハンドル17をタンク3の下部に回動支点18を中心として回動可能に設けたことを特徴とし、他の構成は前記実施の形態2に係る集塵機1のそれと同じである。
【0058】
而して、ハンドル17が格納位置にあるときには、該ハンドル17は図5に鎖線にて示すように縮められた状態でタンク3に沿って折り畳まれて起立しており、このとき、該ハンドル17の自由端(上端)はヘッド部2のコード収納部12の下方に位置している。従って、この状態でコード収納部12に巻き付けられたコード11を引き出したり、コード11をコード収納部12に巻き付ける際にハンドル17が邪魔になることがなく、コード11を作業性良く巻き付け或は取り出すことができる。
【0059】
そして、集塵機1を移動させる場合には、格納位置にあるハンドル17を回動支点18を中心として図5の実線位置にて示す持ち運び位置まで矢印方向に所定角度だけ回動させて傾けるとともに、上方へ引き伸ばせば、作業者はハンドル17を操作して集塵機1を楽な姿勢で移動させることができる。尚、図示しないが、回動支点18にはハンドル17を任意の角度位置で係止して固定するための係止手段が設けられている。
【0060】
<実施の形態4>
次に、本発明の実施の形態4を図6に基づいて説明する。
【0061】
図6は本発明の実施の形態4に係る集塵機の側面図であり、本図においては図1〜図3に示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0062】
本実施の形態は、ハンドル17をタンク3の下部に回動支点18を中心として回動可能に設けるとともに、該ハンドル17を水平状態として回動支点18と共にタンク3内の下部に格納することができるように構成したことを特徴としており、他の構成は前記実施の形態3に係る集塵機1のそれと同じである。
【0063】
而して、ハンドル17が格納位置にあるときには、該ハンドル17は図6に鎖線にて示すように水平な状態でタンク3内の下部に格納される。このようにハンドル17を使用しない場合には、該ハンドル17をタンク3内の下部に格納するようにしたため、コード収納部12に対するコード11の巻き付け及び巻き戻しにハンドル17が邪魔になることがなく、コード11を作業性良く巻き付け或は取り出すことができる。又、集塵作業中においてもハンドル17が外部に露出することがないため、該ハンドル17が集塵作業の邪魔になることがない。
【0064】
そして、集塵機1を移動させる場合には、図6に鎖線にて示すようにハンドル17をタンク3内下部から水平に引き出した後、これを回動支点18を中心として実線にて示す持ち運び位置まで矢印方向に回動させて操作し易い角度に傾ければ、このハンドル17を操作して集塵機1を楽な姿勢で移動させることができる。尚、図7に示すように、ハンドル17を伸縮可能なものとすれば、集塵機1の移動に際してハンドル17を引き伸ばすことによって集塵機1を一層楽な姿勢で移動させることができる。
【0065】
<実施の形態5>
次に、本発明の実施の形態5を図8に基づいて説明する。
【0066】
図8は本発明の実施の形態5に係る集塵機の側面図であり、本図においては図1〜図3に示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0067】
本実施の形態は、ハンドル17をヘッド部2に回動支点18を中心として回動可能に設けるとともに、該ハンドル17を水平状態として回動支点18と共にヘッド部2内に格納することができるように構成したことを特徴としており、他の構成は前記実施の形態4に係る集塵機のそれと同じである。
【0068】
而して、ハンドル17が格納位置にあるときには、該ハンドル17は図8に鎖線にて示すように水平な状態でヘッド部2内に格納される。このようにハンドル17を使用しない場合には、該ハンドル17をヘッド部2内に格納するようにしたため、コード収納部12に対するコード11の巻き付け及び巻き戻しにハンドル17が邪魔になることがなく、コード11を作業性良く巻き付け或は取り出すことができる。又、集塵作業中においてもハンドル17が外部に露出することがないため、該ハンドル17が集塵作業の邪魔になることがない。
【0069】
そして、集塵機1を移動させる場合には、図8に鎖線にて示すようにハンドル17をヘッド部2から水平に引き出した後、これを回動支点18を中心として矢印方向に実線似て示す持ち運び位置まで回動させて操作し易い角度に傾ければ、このハンドル17を操作して集塵機1を楽な姿勢で移動させることができる。
【0070】
<実施の形態6>
次に、本発明の実施の形態6を図9に基づいて説明する。
【0071】
図9は本発明の実施の形態6に係る集塵機の側面図であり、本図においては図1〜図3に示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0072】
本実施の形態は、タンク3にロープ等の可撓性ハンドル19を設け、該可撓性ハンドル19をタンク3の外周に巻き付けて格納するよう構成したことを特徴としており、可撓性ハンドル19の端部(自由端)には操作用のリング20が取り付けられている。他の構成は図1〜図8に示したものと同じである。
【0073】
而して、本実施の形態では、集塵機1の移動に際しては、タンク3の外周に巻き付けて格納されていた可撓性ハンドル19を取り出し、その端部に取り付けられたリング20を持って可撓性ハンドル19を引くことによって集塵機1を楽な姿勢で移動させることができる。そして、可撓性ハンドル19をタンク3の外周に巻き付けて格納すれば、コード収納部12に対するコード11の巻き付け及び巻き戻しに可撓性ハンドル19が邪魔になることがないため、コード11を作業性良く巻き付け或は取り出すことができる。尚、可撓性ハンドル19をタンク3内に収納する構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施の形態1に係る集塵機の一部を破断して示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る集塵機の背面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る集塵機の平面図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る集塵機の側面図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係る集塵機の側面図である。
【図6】本発明の実施の形態4に係る集塵機の側面図である。
【図7】本発明の実施の形態4に係る集塵機の変形例を示す側面図である。
【図8】本発明の実施の形態5に係る集塵機の側面図である。
【図9】本発明の実施の形態6に係る集塵機の側面図である。
【符号の説明】
【0075】
1 集塵機
2 ヘッド部
3 タンク
4,5 キャスタ(回転部材)
6 モータ
6a モータの出力軸
7 集塵ファン
8 スイッチパネル
9 排出口
10 把手
11 コード
12 コード収納部
13 フィルタ
14 ダクトホース
15 ホース接続口
16 クランプ
17 ハンドル
17a,17b パイプ材
18 回動支点
19 可撓性ハンドル
20 リング
【技術分野】
【0001】
本発明は、持ち運び用のハンドルを備えた集塵機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に集塵機は、モータによって回転駆動される集塵ファンによって空気を吸引し、吸引された空気に含まれる粉塵をフィルタで分離してタンク内に回収するものであって、粉塵を溜めるタンクと、該タンクの上面開口部に被着されたヘッド部を備えている。
【0003】
ところで、斯かる集塵機が使用される環境としては、家庭以外に建築現場やリフォーム現場等があり、建築現場等での電動工具による切断、切削、研削等の作業によって周囲に飛散した粉塵を回収する用途に供される比較的大型の集塵機も知られている。このように大型の集塵機は、盗難防止等のために作業終了後に毎日自動車で持ち帰るのが一般的であるが、作業現場によっては駐車場や空きスペース等の問題のために現場近くまで自動車を乗り入れることができない場合も多い。
【0004】
従来の集塵機は、タンクの下端に設けられた複数のキャスタによって床面上を移動することができるが、この移動に際してはヘッド部の上部に設けられた把手を手で押し、キャスタを転がしながら本体を移動させることが行われている。
【0005】
ところが、上述のようにヘッド部の上部に設けられた把手を手で押して集塵機を移動させる作業は、把手の高さが低いために押しづらく、疲労も大きいという問題がある。
【0006】
そこで、集塵機のタンク又はヘッド部にハンドルを設け、このハンドルを操作して楽な姿勢で集塵機を移動させる提案がなされている。
【0007】
即ち、特許文献1には、スライドハンドルをタンク又はヘッド部に上下動可能に設け、集塵機を移動させる場合にはスライドハンドルを押し上げて使用し、不使用時にはスライドハンドルを押し下げ、その下端に被着されたゴム等の弾性体を床面等に押し当ててストッパとして機能させる提案がなされている。
【0008】
又、特許文献2には、伸縮可能な手引きハンドルを掃除機本体に前後方向に回動可能に軸支し、吸引作業を中断及び再開する際に吸込ホースや延長管等を手引きハンドルに対して容易且つ短時間に保持及び取り出すことができるようにした提案がなされている。
【0009】
更に、特許文献3には、本体の走行制御を行う走行制御装置と、本体外に延出可能で且つ格納可能なハンドルと、該ハンドルの格納状態を検知する検知スイッチを有し、検知スイッチの検知結果に基づいて走行制御装置の動作モードを切り換える自走式掃除機が提案されている。
【特許文献1】特開2006−254995号公報
【特許文献2】特開2006−043264号公報
【特許文献3】特許第3019520号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、集塵機にはコードを巻き付けて収納する凹状のコード収納部がヘッド部に設けられているが、特許文献1に提案された構成では、スライドハンドルを押し下げた状態においても該スライドハンドルがコード収納部の高さよりも高い位置にあるため、コードをコード収納部に巻き付けて収納したり、コード収納部に収納されたコードを引き出す際にスライドハンドルが邪魔になり、コードの巻き取りと引き出しを作業性良く行うことができないという問題がある。
【0011】
又、特許文献2,3には、コード収納部とハンドルとの関係については言及されていない。
【0012】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、高い移動操作性を維持しつつ、コードのコード収納部に対する巻き付けと引き出しを作業性良く行うことができる集塵機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、モータと該モータによって回転駆動される集塵ファンを備えたヘッド部と、該ヘッド部が上面開口部に着脱可能に装着されるタンクと、コードを巻き付けて収納するコード収納部を備えた集塵機において、持ち運び位置と格納位置を取り得るハンドルを設け、該ハンドルが格納位置にあるときに前記コード収納部の周囲に該ハンドルが位置しないよう構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ヘッド部に前記コード収納部を設けるとともに、前記タンクに伸縮可能なハンドルを設け、該ハンドルが格納位置にあるときにその自由端が前記コード収納部の下方に位置するようにしたことを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記ハンドルを前記タンクの上部又は下部に回動可能に設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ヘッド部に前記コード収納部を設けるとともに、前記タンクの下部にハンドルを回動可能に設け、該ハンドルを前記タンク内の下部に格納可能としたことを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記ハンドルを伸縮可能としたことを特徴とする。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の発明において、前記ハンドルを前記タンクのホース接続口とは反対側に設けたことを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ヘッド部に前記コード収納部を設けるとともに、前記ヘッド部にハンドルを回動可能に設け、該ハンドルを前記ヘッド部内に格納可能としたことを特徴とする。
【0020】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ヘッド部に前記コード収納部を設けるとともに、前記タンクに可撓性ハンドルを設け、該可撓性ハンドルをタンクの外周に巻き付けて格納することを特徴とする。
【0021】
請求項9記載の発明は、請求項1〜8の何れかに記載の発明において、前記タンクの下端に回転部材を設けたことを特徴とする。
【0022】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明において、前記回転部材を複数設け、少なくともハンドル側の回転部材の軸直角方向の回転を規制したことを特徴とする。
【0023】
請求項11記載の発明は、請求項9又は10記載の発明において、反ハンドル側の回転部材を軸直角方向に回転可能としたことを特徴とする。
【0024】
請求項12記載の発明は、請求項1〜11の何れかに記載の発明において、スイッチパネル及びリモコン受信部を反ハンドル側に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
請求項1記載の発明によれば、集塵機の移動に際してはハンドルを持ち運び位置に位置させ、このハンドルを手で持って押し或は引いて集塵機を楽な姿勢で移動させることができる。そして、集塵機を移動させた後にハンドルを格納位置に戻せば、該ハンドルをコンパクトにして格納することができるが、この格納状態においてコード収納部の周囲にハンドルが位置しないため、コード収納部に対するコードの巻き付け及び巻き戻しにハンドルが邪魔になることがなく、コードを作業性良く巻き付けて収納し、或はコードを作業性良く引き出して電源に差し込むことができる。
【0026】
請求項2記載の発明によれば、集塵機の移動に際してタンクに設けられたハンドルを引き伸ばし、このハンドルを操作して集塵機を楽な姿勢で移動させることができる。そして、ハンドルを縮めてこれを格納すれば、該ハンドルの自由端(上端)がコード収納部の下方に位置するため、コード収納部に対するコードの巻き付け及び巻き戻しにハンドルが邪魔になることがなく、コードを作業性良く巻き付け或は取り出すことができる。
【0027】
請求項3記載の発明によれば、伸縮可能なハンドルをタンクの上部又は下部に回動可能に設けたため、集塵機の移動に際してハンドルを引き伸ばすとともに回動させて操作し易い角度に傾ければ、このハンドルを操作して集塵機を楽な姿勢で移動させることができる。そして、ハンドルを縮めてこれを元の格納位置まで回動させて戻せば、該ハンドルの自由端(上端)がコード収納部の下方に位置するため、コード収納部に対するコードの巻き付け及び巻き戻しにハンドルが邪魔になることがなく、コードを作業性良く巻き付け或は取り出すことができる。
【0028】
請求項4記載の発明によれば、タンクの下部にハンドルを回動可能に設けたため、集塵機の移動に際してハンドルを回動させて操作し易い角度に傾ければ、このハンドルを操作して集塵機を楽な姿勢で移動させることができる。そして、ハンドルを元の格納位置まで回動させてタンク内の下部に収納すれば、コード収納部に対するコードの巻き付け及び巻き戻しにハンドルが邪魔になることがないため、コードを作業性良く巻き付け或は取り出すことができる。
【0029】
請求項5記載の発明によれば、タンクの下部に回動可能且つ格納可能に設けられたハンドルを伸縮可能としたため、集塵機の移動に際してハンドルを引き伸ばすことによって集塵機を一層楽な姿勢で移動させることができる。
【0030】
請求項6記載の発明によれば、ハンドルをタンクのホース接続口とは反対側に設けたため、タンクのホース接続口に接続されたダクトホースとハンドルとが干渉することがなく、これらのダクトホースとハンドルの機能が害されることがない。
【0031】
請求項7記載の発明によれば、ヘッド部にハンドルを回動可能に設け、該ハンドルをヘッド部内に格納可能としたため、集塵機の移動に際してハンドルを回動させて操作し易い角度に傾ければ、このハンドルを操作して集塵機を楽な姿勢で移動させることができる。そして、ハンドルを元の格納位置まで回動させてヘッド部内の下部に収納すれば、コード収納部に対するコードの巻き付け及び巻き戻しにハンドルが邪魔になることがないため、コードを作業性良く巻き付け或は取り出すことができる。
【0032】
請求項8記載の発明によれば、ヘッド部にコード収納部を設けるとともに、タンクにロープ等の可撓性ハンドルを設け、該可撓性ハンドルをタンクの外周に巻き付けて格納するようにしたため、集塵機の移動に際しては、タンクの外周に巻き付けて格納されていた可撓性ハンドルを取り出してこれを引くことによって集塵機を楽な姿勢で移動させることができる。そして、可撓性ハンドルをタンクの外周に巻き付けて格納すれば、コード収納部に対するコードの巻き付け及び巻き戻しに可撓性ハンドルが邪魔になることがないため、コードを作業性良く巻き付け或は取り出すことができる。
【0033】
請求項9記載の発明によれば、タンクの下端にキャスタ等の回転部材を設けたため、集塵機の移動を小さな力でスムーズに行うことができる。
【0034】
請求項10記載の発明によれば、少なくともハンドル側の回転部材の軸直角方向の回転を規制したため、集塵機の移動時の直進性が高められる。
【0035】
請求項11記載の発明によれば、反ハンドル側の回転部材を軸直角方向に回転可能としたため、集塵機の移動時のコーナリング性が高められる。
【0036】
請求項12記載の発明によれば、スイッチパネル及びリモコン受信部を反ハンドル側に設けたため、遠隔操作によってスイッチをON/OFFして集塵機を起動/停止させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0038】
<実施の形態1>
図1は本発明の実施の形態1に係る集塵機の一部を破断して示す側面図、図2は同集塵機の同集塵機の背面図、図3は同集塵機の平面図である。
【0039】
本実施の形態に係る集塵機1は、ヘッド部2の下方にドラム状のタンク3を設け、該タンク3の下面に回転部材である計3つのキャスタ4,5を設けて構成され、これらのキャスタ4,5によって床面上を自由に移動することができる。
【0040】
上記ヘッド部2内には、図1に示すように、中心部にモータ6が縦方向に配置されており、該モータ6から垂直下方に延びる出力軸(モータ軸)6aには集塵ファン7が直結されている。又、ヘッド部2には、モータ6を起動・停止するためのスイッチが設けられたスイッチパネル8と不図示のリモコン受信部及び空気を排出する排出口9が設けられており、頂部には図2に示すように把手10が設けられている。更に、ヘッド部2のタンク3との境である下端部外周には、コード11を巻き付けて収納するための凹状のコード収納部12が形成されている。
【0041】
他方、前記タンク3は有底円筒状に成形されており、その内部にはフィルタ13が収容され、側部にはダクトホース14を接続するためのホース接続口15が設けられている。そして、該タンク3の上面開口部にヘッド部2が着脱可能に装着されており、ヘッド部2は、クランプ16を操作することによってタンク3に対してワンタッチで簡単に着脱される。又、前述のようにタンク3の下部には回転可能な3つのキャスタ4,5が設けられているが、ホース接続口15側(図1の左側)に設けられた1つのキャスタ4は、軸直角方向に回転可能(つまり、水平方向に360°自由に回転可能)に支持され、ホース接続口15とは反対側(図1の右側)に設けられた2つのキャスタ5は、軸直角方向の回転を規制されている。
【0042】
ところで、タンク3のホース接続口15とは反対側には、上下に伸縮可能な逆U字状のハンドル17が設けられている。ここで、ハンドル17は、タンク3に固設された左右一対のパイプ材17aに逆U字状のパイプ材17bを上方から差し込んで構成されており、パイプ材17bはパイプ材17aに対して上下動可能であって、不図示の係止手段によって任意の高さ位置で係止されて固定される。
【0043】
以上のように構成された集塵機1を用いて清掃作業を行う場合には、ハンドル17は図1及び図3に鎖線にて示すように縮められて格納位置にあり、その高さが低く抑えられて自由端(上端)はヘッド部2のコード収納部12の下方に位置している。この状態で、ヘッド部2のコード収納部12に巻き付けられていたコード11を引き出し、その端部に取り付けられた電源プラグを不図示のコンセントに差し込むが、前述のようにハンドル17の自由端(上端)はコード収納部12の下方に位置しているため、コード11の引き出しにハンドル17が邪魔になることがなく、コード11を作業性良く引き出してこれを使用することができる。
【0044】
而して、上記状態で、スイッチパネル8に設けられた起動・停止スイッチをONするか、或は不図示のリモコン装置から発せられた起動信号をヘッド部2に設けられた不図示のリモコン受信部が受信すると、モータ6が起動されて該モータ6の出力軸6aとこれに直結された集塵ファン7が所定の速度で回転し、タンク3内に吸引力(負圧)が発生し、ダクトホース14から粉塵が空気と共にタンク3内に吸引される。
【0045】
そして、タンク3内に空気と共に吸引された粉塵は、タンク3の内周面に沿って旋回しながら一部が自重で落下してタンク3内の底部に溜るが、タンク3内の底部に落下しなかった粉塵は、フィルタ13によって濾過されて空気と分離され、空気のみがフィルタ13を通過して排出口9から外部へと排出され、分離された粉塵はフィルタ13の周面に付着する。
【0046】
以上の清掃作業を繰り返すことによってタンク2内の底部に溜った粉塵を廃棄するときには、クランプ16によるヘッド部2の固定を解除した後、把手10を持ってヘッド部2を上方へ持ち上げてこれをタンク3から取り外し、タンク3ごと横に倒して該タンク3内の底部に溜った粉塵を廃棄する。
【0047】
而して、清掃作業が終了すると、コード11の端部に取り付けられた電源プラグをコンセントから抜き取って該コード11をヘッド部2のコード収納部12に巻き付けて収納するが、このときもハンドル17の自由端(上端)はコード収納部12の下方に位置しているため、コード11の巻き付けにハンドル17が邪魔になることがなく、コード11を作業性良く巻き付けてこれを収納することができる。
【0048】
その後、集塵機1を移動させる場合には、ハンドル17を図1及び図3に実線にて示すようにコード収納部12よりも上方の持ち運び位置まで引き伸ばし、このハンドル17を操作して集塵機1を楽な姿勢で移動させることができる。この場合、タンク3の下端にキャスタ4,5を設けたため、集塵機1の移動を小さな力でスムーズに行うことができる。そして、ハンドル17側の2つのキャスタ5の軸直角方向の回転を規制したため、集塵機1の移動時の直進性が高められる。又、ハンドル17とは反対側の1つのキャスタ4を軸直角方向に回転可能としたため、集塵機1の移動時のコーナリング性が高められる。
【0049】
又、本実施の形態では、ハンドル17をタンク3のホース接続口15とは反対側に設けたため、タンク3のホース接続口15に接続されたダクトホース14とハンドル17とが干渉することがなく、これらのダクトホース14とハンドル17の機能が害されることがない。
【0050】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2を図4に基づいて説明する。
【0051】
図4は本発明の実施の形態2に係る集塵機の側面図であり、本図においては図1〜図3に示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0052】
本実施の形態は、伸縮可能なハンドル17をタンク3の上部に回動支点18を中心として回動可能に設けたことを特徴とし、他の構成は前記実施の形態1に係る集塵機1のそれと同じである。
【0053】
而して、ハンドル17が格納位置にあるときには、該ハンドル17は図4に鎖線にて示すように縮められた状態でタンク3に沿って折り畳まれており、このとき、該ハンドル17はヘッド部2のコード収納部12の下方に位置している。従って、この状態でコード収納部12に巻き付けられたコード11を引き出したり、コード11をコード収納部12に巻き付ける際にハンドル17が邪魔になることがなく、コード11を作業性良く巻き付け或は取り出すことができる。
【0054】
そして、集塵機1を移動させる場合には、格納位置にあるハンドル17を回動支点18を中心として図4の実線位置まで矢印方向に持ち運び位置まで回動させて起立させるとともに、上方へ引き伸ばせば、作業者はハンドル17を操作して集塵機1を楽な姿勢で移動させることができる。
【0055】
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3を図5に基づいて説明する。
【0056】
図5は本発明の実施の形態3に係る集塵機の側面図であり、本図においても図1〜図3に示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0057】
本実施の形態は、伸縮可能なハンドル17をタンク3の下部に回動支点18を中心として回動可能に設けたことを特徴とし、他の構成は前記実施の形態2に係る集塵機1のそれと同じである。
【0058】
而して、ハンドル17が格納位置にあるときには、該ハンドル17は図5に鎖線にて示すように縮められた状態でタンク3に沿って折り畳まれて起立しており、このとき、該ハンドル17の自由端(上端)はヘッド部2のコード収納部12の下方に位置している。従って、この状態でコード収納部12に巻き付けられたコード11を引き出したり、コード11をコード収納部12に巻き付ける際にハンドル17が邪魔になることがなく、コード11を作業性良く巻き付け或は取り出すことができる。
【0059】
そして、集塵機1を移動させる場合には、格納位置にあるハンドル17を回動支点18を中心として図5の実線位置にて示す持ち運び位置まで矢印方向に所定角度だけ回動させて傾けるとともに、上方へ引き伸ばせば、作業者はハンドル17を操作して集塵機1を楽な姿勢で移動させることができる。尚、図示しないが、回動支点18にはハンドル17を任意の角度位置で係止して固定するための係止手段が設けられている。
【0060】
<実施の形態4>
次に、本発明の実施の形態4を図6に基づいて説明する。
【0061】
図6は本発明の実施の形態4に係る集塵機の側面図であり、本図においては図1〜図3に示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0062】
本実施の形態は、ハンドル17をタンク3の下部に回動支点18を中心として回動可能に設けるとともに、該ハンドル17を水平状態として回動支点18と共にタンク3内の下部に格納することができるように構成したことを特徴としており、他の構成は前記実施の形態3に係る集塵機1のそれと同じである。
【0063】
而して、ハンドル17が格納位置にあるときには、該ハンドル17は図6に鎖線にて示すように水平な状態でタンク3内の下部に格納される。このようにハンドル17を使用しない場合には、該ハンドル17をタンク3内の下部に格納するようにしたため、コード収納部12に対するコード11の巻き付け及び巻き戻しにハンドル17が邪魔になることがなく、コード11を作業性良く巻き付け或は取り出すことができる。又、集塵作業中においてもハンドル17が外部に露出することがないため、該ハンドル17が集塵作業の邪魔になることがない。
【0064】
そして、集塵機1を移動させる場合には、図6に鎖線にて示すようにハンドル17をタンク3内下部から水平に引き出した後、これを回動支点18を中心として実線にて示す持ち運び位置まで矢印方向に回動させて操作し易い角度に傾ければ、このハンドル17を操作して集塵機1を楽な姿勢で移動させることができる。尚、図7に示すように、ハンドル17を伸縮可能なものとすれば、集塵機1の移動に際してハンドル17を引き伸ばすことによって集塵機1を一層楽な姿勢で移動させることができる。
【0065】
<実施の形態5>
次に、本発明の実施の形態5を図8に基づいて説明する。
【0066】
図8は本発明の実施の形態5に係る集塵機の側面図であり、本図においては図1〜図3に示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0067】
本実施の形態は、ハンドル17をヘッド部2に回動支点18を中心として回動可能に設けるとともに、該ハンドル17を水平状態として回動支点18と共にヘッド部2内に格納することができるように構成したことを特徴としており、他の構成は前記実施の形態4に係る集塵機のそれと同じである。
【0068】
而して、ハンドル17が格納位置にあるときには、該ハンドル17は図8に鎖線にて示すように水平な状態でヘッド部2内に格納される。このようにハンドル17を使用しない場合には、該ハンドル17をヘッド部2内に格納するようにしたため、コード収納部12に対するコード11の巻き付け及び巻き戻しにハンドル17が邪魔になることがなく、コード11を作業性良く巻き付け或は取り出すことができる。又、集塵作業中においてもハンドル17が外部に露出することがないため、該ハンドル17が集塵作業の邪魔になることがない。
【0069】
そして、集塵機1を移動させる場合には、図8に鎖線にて示すようにハンドル17をヘッド部2から水平に引き出した後、これを回動支点18を中心として矢印方向に実線似て示す持ち運び位置まで回動させて操作し易い角度に傾ければ、このハンドル17を操作して集塵機1を楽な姿勢で移動させることができる。
【0070】
<実施の形態6>
次に、本発明の実施の形態6を図9に基づいて説明する。
【0071】
図9は本発明の実施の形態6に係る集塵機の側面図であり、本図においては図1〜図3に示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0072】
本実施の形態は、タンク3にロープ等の可撓性ハンドル19を設け、該可撓性ハンドル19をタンク3の外周に巻き付けて格納するよう構成したことを特徴としており、可撓性ハンドル19の端部(自由端)には操作用のリング20が取り付けられている。他の構成は図1〜図8に示したものと同じである。
【0073】
而して、本実施の形態では、集塵機1の移動に際しては、タンク3の外周に巻き付けて格納されていた可撓性ハンドル19を取り出し、その端部に取り付けられたリング20を持って可撓性ハンドル19を引くことによって集塵機1を楽な姿勢で移動させることができる。そして、可撓性ハンドル19をタンク3の外周に巻き付けて格納すれば、コード収納部12に対するコード11の巻き付け及び巻き戻しに可撓性ハンドル19が邪魔になることがないため、コード11を作業性良く巻き付け或は取り出すことができる。尚、可撓性ハンドル19をタンク3内に収納する構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施の形態1に係る集塵機の一部を破断して示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る集塵機の背面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る集塵機の平面図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る集塵機の側面図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係る集塵機の側面図である。
【図6】本発明の実施の形態4に係る集塵機の側面図である。
【図7】本発明の実施の形態4に係る集塵機の変形例を示す側面図である。
【図8】本発明の実施の形態5に係る集塵機の側面図である。
【図9】本発明の実施の形態6に係る集塵機の側面図である。
【符号の説明】
【0075】
1 集塵機
2 ヘッド部
3 タンク
4,5 キャスタ(回転部材)
6 モータ
6a モータの出力軸
7 集塵ファン
8 スイッチパネル
9 排出口
10 把手
11 コード
12 コード収納部
13 フィルタ
14 ダクトホース
15 ホース接続口
16 クランプ
17 ハンドル
17a,17b パイプ材
18 回動支点
19 可撓性ハンドル
20 リング
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと該モータによって回転駆動される集塵ファンを備えたヘッド部と、該ヘッド部が上面開口部に着脱可能に装着されるタンクと、コードを巻き付けて収納するコード収納部を備えた集塵機において、
持ち運び位置と格納位置を取り得るハンドルを設け、該ハンドルが格納位置にあるときに前記コード収納部の周囲に該ハンドルが位置しないよう構成したことを特徴とする集塵機。
【請求項2】
前記ヘッド部に前記コード収納部を設けるとともに、前記タンクに伸縮可能なハンドルを設け、該ハンドルが格納位置にあるときにその自由端が前記コード収納部の下方に位置するようにしたことを特徴とする請求項1記載の集塵機。
【請求項3】
前記ハンドルを前記タンクの上部又は下部に回動可能に設けたことを特徴とする請求項2記載の集塵機。
【請求項4】
前記ヘッド部に前記コード収納部を設けるとともに、前記タンクの下部にハンドルを回動可能に設け、該ハンドルを前記タンク内の下部に格納可能としたことを特徴とする請求項1記載の集塵機。
【請求項5】
前記ハンドルを伸縮可能としたことを特徴とする請求項4記載の集塵機。
【請求項6】
前記ハンドルを前記タンクのホース接続口とは反対側に設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の集塵機。
【請求項7】
前記ヘッド部に前記コード収納部を設けるとともに、前記ヘッド部にハンドルを回動可能に設け、該ハンドルを前記ヘッド部内に格納可能としたことを特徴とする請求項1記載の集塵機。
【請求項8】
前記ヘッド部に前記コード収納部を設けるとともに、前記タンクに可撓性ハンドルを設け、該可撓性ハンドルをタンクの外周に巻き付けて格納することを特徴とする請求項1記載の集塵機。
【請求項9】
前記タンクの下端に回転部材を設けたことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の集塵機。
【請求項10】
前記回転部材を複数設け、少なくともハンドル側の回転部材の軸直角方向の回転を規制したことを特徴とする請求項9記載の集塵機。
【請求項11】
反ハンドル側の回転部材を軸直角方向に回転可能としたことを特徴とする請求項9又は10記載の集塵機。
【請求項12】
スイッチパネル及びリモコン受信部を反ハンドル側に設けたことを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の集塵機。
【請求項1】
モータと該モータによって回転駆動される集塵ファンを備えたヘッド部と、該ヘッド部が上面開口部に着脱可能に装着されるタンクと、コードを巻き付けて収納するコード収納部を備えた集塵機において、
持ち運び位置と格納位置を取り得るハンドルを設け、該ハンドルが格納位置にあるときに前記コード収納部の周囲に該ハンドルが位置しないよう構成したことを特徴とする集塵機。
【請求項2】
前記ヘッド部に前記コード収納部を設けるとともに、前記タンクに伸縮可能なハンドルを設け、該ハンドルが格納位置にあるときにその自由端が前記コード収納部の下方に位置するようにしたことを特徴とする請求項1記載の集塵機。
【請求項3】
前記ハンドルを前記タンクの上部又は下部に回動可能に設けたことを特徴とする請求項2記載の集塵機。
【請求項4】
前記ヘッド部に前記コード収納部を設けるとともに、前記タンクの下部にハンドルを回動可能に設け、該ハンドルを前記タンク内の下部に格納可能としたことを特徴とする請求項1記載の集塵機。
【請求項5】
前記ハンドルを伸縮可能としたことを特徴とする請求項4記載の集塵機。
【請求項6】
前記ハンドルを前記タンクのホース接続口とは反対側に設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の集塵機。
【請求項7】
前記ヘッド部に前記コード収納部を設けるとともに、前記ヘッド部にハンドルを回動可能に設け、該ハンドルを前記ヘッド部内に格納可能としたことを特徴とする請求項1記載の集塵機。
【請求項8】
前記ヘッド部に前記コード収納部を設けるとともに、前記タンクに可撓性ハンドルを設け、該可撓性ハンドルをタンクの外周に巻き付けて格納することを特徴とする請求項1記載の集塵機。
【請求項9】
前記タンクの下端に回転部材を設けたことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の集塵機。
【請求項10】
前記回転部材を複数設け、少なくともハンドル側の回転部材の軸直角方向の回転を規制したことを特徴とする請求項9記載の集塵機。
【請求項11】
反ハンドル側の回転部材を軸直角方向に回転可能としたことを特徴とする請求項9又は10記載の集塵機。
【請求項12】
スイッチパネル及びリモコン受信部を反ハンドル側に設けたことを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の集塵機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2008−284241(P2008−284241A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−133438(P2007−133438)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(000005094)日立工機株式会社 (1,861)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(000005094)日立工機株式会社 (1,861)
【Fターム(参考)】
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