説明

集塵防護カバー

【課題】携帯用切削機のメーカーによりカバー装着部の構成が異なっても対応して着脱自在に装着することができる集塵防護カバーを提供すること。
【解決手段】集塵防護カバー10は、携帯用切削機1のカバー装着部7に着脱自在に装着するものであって、回転刃Kを部分的に覆うカバー体11と、カバー体に形成されたホース接続部60と、カバー取付機構20とを備え、カバー取付機構は、内周曲面22,32をそれぞれ有する一側当接挟持部21及び他側当接挟持部材31と、第1支持部材41及び第2支持部材42と、一側当接挟持部と他側当接挟持部材との間に介在して第1支持部材に挿通されるスリーブ50とを備え、一側当接挟持部がカバー体の側面に一体に設けられ、他側当接挟持部材が前記カバー体から分離して設けられ、内周曲面の少なくとも一方の一部に、凹開口をカバー装着部に向けて形成した凹部25を設け、第2支持部材がネジ部材である構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工具の本体部を作業者が保持しながら切削作業を行うハンディタイプの携帯用切削機に着脱自在に装着され、切削作業で発生する粉塵を集塵する構造を備える集塵防護カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、コンクリート等の被切削部材を切削する場合は、工具の本体部に取り付けた円板状の切削刃(回転刃)を回転させ、作業者が手指で工具の本体部を保持して切削作業を行っている。この切削作業は、被切削部材が石材、コンクリート等であるため、作業中に回転する切削刃により被切削部材から大量に切粉(粉塵)が発生する。そのため、切削作業中に発生する切粉を集塵する構成を備えた切削工具が提案されている(特許文献1〜3参照)。
例えば、特許文献1の電動カッターは、切削刃の防護カバーの一部に集塵ホースを取りつけ、その集塵ホースを外部に設置した電気集塵機等に接続し、切削作業時に発生する粉塵を電気集塵機等によって吸引して回収するものである。
【0003】
また、特許文献2の切削工具では、被切削部材上を移動するベースとホイルカバーとの間に巻きバネ等の弾性部材を配設し、その弾性部材によってベースとホイルカバーが常に離間する方向に付勢することによって、切削開始時に被切削部材の表面とほぼ平行に飛散する粉塵も含めてほとんどの粉塵をホイルカバー内に飛び込ませて集塵効果を高める提案がなされている。
【0004】
さらに、特許文献3の携帯用工具では、カッター本体(工具本体)に内蔵された駆動源と、該駆動源によって回転駆動される回転刃と、この回転刃の外周の一部を覆う保護カバーと、前記回転刃の外周の一部に開口する吸入口から粉塵を吸引して回収する集塵カバーを備えたカッター(携帯用工具)において、前記集塵カバーを前記保護カバーの外周に沿って形成するとともに、少なくともその一部を弾性材で構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−149679号公報
【特許文献2】特開2004−058388号公報
【特許文献3】特開2009−000755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の集塵機能を有する防護カバーを装着して切削作業を行う携帯用切削機では、以下に示すような問題点が存在していた。
従来の携帯用切削機は、防護カバーを本体部に装着する部分について、メーカー自身の構造に対応するように、防護カバーの取付機構が構成されている。したがって、他のメーカーの集塵カバーを異なるメーカーの携帯用切削機に装着して切削作業を行った場合に、振動により外れやすく、工事を行う作業者は、安定した切削作業ができなかった。また、携帯用切削機は、防護カバーを取付ける部分の基本的な構成は似ているが、その取付ける部分の直径や形状、傾斜面あるいは段差の有無等が微妙に異なり、自社以外の集塵カバーを装着して作業できないものも存在した。
【0007】
そこで、本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、携帯用切削機のメーカーが異なることでカバー装着部の構成が異なっても対応して着脱自在に装着することができる集塵防護カバーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る携帯用切削機は、前記課題を解決するため以下のような構成にした。すなわち、集塵防護カバーは、携帯用切削機の本体部側から突出する回転軸の周囲に筒状に設けられたカバー装着部に対して着脱自在に装着して使用され、切削作業時に発生する粉塵を集塵ホースを接続して集塵する集塵防護カバーにおいて、前記回転軸に装着される回転刃を部分的に覆うカバー体と、このカバー体に形成された前記集塵ホースとのホース接続部と、前記カバー装着部に着脱自在に取り付けられるカバー取付機構とを備え、前記カバー取付機構は、前記カバー装着部を一側及び他側から挟持する内周曲面を有する一側当接挟持部及び他側当接挟持部材と、前記一側当接挟持部の両端及び前記他側当接挟持部材の両端とを対向させ、前記カバー装着部に挟持させた状態で支持する第1支持部材及び第2支持部材と、前記一側当接挟持部と前記他側当接挟持部材との間隔を開けるように介在して前記第1支持部材及び前記第2支持部材の一方に挿通される筒状のスリーブとを備え、前記一側当接挟持部が前記カバー体の側面に一体に設けられると共に、前記他側当接挟持部材が前記カバー体から分離して設けられ、前記一側当接挟持部及び前記他側当接挟持部材の一方の内周曲面の一部に、凹開口を前記カバー装着部に向けて形成した凹部が設けられ、前記スリーブを挿通していない第1支持部材及び前記第2支持部材の一方がネジ部材である構成とした(請求項1)。
【0009】
かかる構成により、集塵防護カバーは、本体部のカバー装着部に一側当接挟持部及び他側当接挟持部材の内周曲面を向けて挟持するように配置し、第1支持部材及び第2支持部材により一側当接挟持部及び他側当接挟持部材を近接する方向に締めつける。そうすると、集塵防護カバーは、一側当接挟持部及び他側当接挟持部材の間にスリーブが介在しているので、スリーブがない側の他側当接挟持部材の端部が第1支持部材及び第2支持部材の一方であるネジ部材により一側当接挟持部の端部に近接するように締め付けられることでカバー装着部を一側当接挟持部及び他側当接挟持部材が押圧して挟持する。そして、集塵防護カバーは、一側当接挟持部及び他側当接挟持部材の一方の内周曲面に形成された凹部の凹開口の位置と、一側当接挟持部及び他側当接挟持部材によって締め付けられることでカバー装着部に当接する他側当接挟持部材の内周曲面の部分とが必ず当該カバー装着部に多接点で接触することとなり確実に固定される。なお、スリーブは、一側当接挟持部又は他側当接挟持部材に一体に設けることや、別体で設ける構成としても構わない。
【0010】
また、前記集塵防護カバーにおいて、前記一側当接挟持部及び前記他側当接挟持部材の少なくとも一方の前記内周曲面には、前記本体部側となる周縁を、当該内周曲面よりも小径として前記カバー装着部側に突出させた突出曲面が形成されるように構成した(請求項2)。
かかる構成により、携帯用切削機は、カバー装着部に段差あるいはテーパ面が形成される場合があっても、一側当接挟持部及び他側当接挟持部材の少なくとも一方の内周曲面に形成した突出曲面が、当該段差あるいはテーパ面に係合して振動に対してもより強固に装着することが可能となる。
【0011】
さらに、前記集塵防護カバーにおいて、前記カバー体に一体で形成されている前記一側当接挟持部の内周曲面に、前記凹部が形成されていると共に、前記突出曲面が形成されている構成とした(請求項3)。
かかる構成により、集塵防護カバーは、カバー体と一体で形成されている一側当接挟持部の内周曲面に、凹部及び突出曲面を設けることで、他側当接挟持部材の構成を簡易化して製造し易くなる。
【0012】
そして、前記集塵防護カバーにおいて、前記第1支持部材及び前記第2支持部材をネジ部材である第1ネジ部材及び第2ネジ部材とし、前記他側当接挟持部材は、その曲面の両端にフランジを形成し、前記フランジに前記第1ネジ部材及び前記第2ネジ部材の他側挿通穴を形成し、前記一側当接挟持部は、前記他側挿通穴に対向する位置に前記第1ネジ部材及び前記第2ネジ部材の螺合部を形成するように構成した(請求項4)。
かかる構成により、集塵防護カバーは、他側当接挟持部材のフランジに形成した他側挿通穴に第1ネジ部及び第2ネジ部を挿通して、一側当接挟持部の螺合部にその第1ネジ部及び第2ネジ部をスリーブを介して締め付けることで、本体部のカバー装着部に装着する。
【0013】
また、前記集塵防護カバーにおいて、前記スリーブは、前記一側当接挟持部及び他側当接挟持部材とは別体に形成されると共に、前記一側当接挟持部及び前記他側当接挟持部材が前記カバー装着部に当接して挟持できる長さに設定されている構成としている(請求項5)。
かかる構成により、集塵防護カバーは、一側当接挟持部及び他側当接挟持部材によりカバー装着部に当接して挟持できる長さのスリーブを用いることで、スリーブを挿通していないネジ部材により他側当接挟持部材の端部が一側当接挟持部の端部に近接する方向に締め付けられてカバー装着部に強固に装着することができる。
【0014】
さらに、前記集塵防護カバーにおいて、前記凹部は、前記一側当接挟持部及び他側当接挟持部材のいずれか一方又は両方において複数箇所に形成されている構成としても構わない。
かかる構成により、集塵防護カバーは、内周曲面の曲率がカバー装着部の外周形状と合っていなくても凹部の凹開口の位置がカバー装着部の外周面に多接点で当接して前記一側当接挟持部及び他側当接挟持部材により挟持することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る集塵防護カバーは、以下に示すような優れた効果を奏する。
集塵防護カバーは、カバー取付機構のスリーブが一側当接挟持部及び他側当接挟持部材を離間させた状態で、ネジ部材で他側当接挟持部材の端部を一側当接挟持部の端部に近接するように締め付けて、一側当接挟持部及び他側当接挟持部材により本体部のカバー装着部を挟持することで装着している。したがって、集塵防護カバーは、カバー装着部の形状や大きさがメーカーによってある程度異なる場合であっても、凹部の凹開口の部分とスリーブを支点として一側当接挟持部又は他側当接挟持部材のカバー装着部に当接する位置とによる3点以上の部分が多接点の状態でカバー装着部を押圧し、携帯用切削機のカバー装着部を一側当接挟持部及び他側当接挟持部材により挟持して装着させることが可能となる。
【0016】
集塵防護カバーは、一側当接挟持部及び他側当接挟持部材の少なくとも一方に突出曲面が形成されていることで、カバー装着部に傾斜面あるいは段差が形成されていても、その突出曲面が係合してより確実にカバー装着部に固定される。
集塵防護カバーは、カバー体と一体に形成される一側当接挟持部に凹部及び突出曲面を形成することで、他側当接挟持部材の構成を簡素化でき、製造しやすい構成となる。
集塵防護カバーは、第1支持部材及び第2支持部材をネジ部材で形成することで、他側当接挟持部材及び一側当接挟持部を左右対称に構成することができるので、構造を簡素化できる。
【0017】
集塵防護カバーは、スリーブを一側当接挟持部及び他側当接挟持部材とは別体に形成することで、スリーブの長さを簡単に変えることができ、かつ、構成を簡素化することができる。
集塵防護カバーは、一側当接挟持部及び他側当接挟持部材に形成する凹部を複数備えることで、装着するカバー装着部に確実に当接する部分を増やすことができ、振動に対しても装着状態が緩むことなく挟持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る集塵防護カバーを携帯用切削機に装着し、集塵ホースを接続した状態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る集塵防護カバーの全体を示す分解斜視図である。
【図3】本発明に係る集塵防護カバーを示す平面図である。
【図4】本発明に係る集塵防護カバーのカバー取付機構と携帯用切削機のカバー装着部との装着状態の関係をカバー体の開口側から模式的に示す模式図である。
【図5】本発明に係る集塵防護カバーを装着した携帯用切削機による切削作業の状態について被切削部材側を切欠いて模式的に示す側面図である。
【図6】(a)、(b)は、本発明に係る集塵防護カバーのカバー取付機構を示し、携帯用切削機のカバー装着部の構成が異なる場合において集塵防護カバーの装着状態を模式的に示す模式図である。
【図7】(a)、(b)は、本発明に係る集塵防護カバーのカバー取付機構の他の構成をそれぞれ模式的に示す平面図である。
【図8】本発明に係る集塵防護カバーのカバー取付機構の更に他の構成を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る集塵防護カバーについて、図面を参照して説明する。なお、携帯用切削機は、電源の駆動源及び集塵流路形成手段としてエア吸引装置(例えば集塵機や、掃除機等)を集塵ホースに接続して使用する構成である場合について説明する。
図1に示すように、携帯用切削機1は、回転刃Kを高速で回転させ、作業者が本体部2を手指で持ちながら操作し、石材、コンクリート等の被切削部材W(図5参照)を切削するときに発生する粉塵を回収しながら切削作業をするものである。この携帯用切削機1は、電動モータを内蔵する本体部2と、この本体部2のカバー装着部7に着脱自在に取り付けられる集塵防護カバー10とを備えている。
【0020】
図1及び図2に示すように、本体部2は、その後部側に電源と接続する接続コード3が延出するように設けられており、先端側に内蔵した電動モータ(図示せず)により回転する駆動軸(スピンドル)6と、この駆動軸6の周囲で後記する集塵防護カバー10を支持するためのカバー装着部7と、を備えている。なお、本体部2の側面には、ハンドルを着脱自在に取付けるハンドル接続穴(図示せず)が形成されている。
【0021】
図3及び図4に示すように、カバー装着部7は、駆動軸6の周囲に躯体から筒状に突出するように形成されており、集塵防護カバー10を着脱自在に装着する部分である。このカバー装着部7は、本体部2の駆動軸6に沿って駆動軸6の周囲に筒状に突出して設けられており、駆動軸6に同心円状となるように設置されている。カバー装着部7は、図4では、筒外周側が段差を有するように2段に形成され、先端側(紙面下側)の周面に先端側に向かって径大となるテーパ面が形成されている。なお、カバー装着部7は、各メーカーによりその形状が異なっているのが現状であり、例えば、図6に示すように、筒状に突出する構成は共通しているものの、形状、大きさ等が異なる構成であることが一般的であり異なる構成については後記する。
【0022】
図4に示すように、回転刃Kは、駆動軸6に後記する集塵防護カバー10よりも先に取り付けるか、あるいは、集塵防護カバー10を本体部2に取り付けた後に取り付けることができるように構成されている。回転刃Kは、刃取付部材9を介して駆動軸6に着脱自在に取り付けられている。刃取付部材9は、ホイールワッシャ9a、ブッシュ9b、ホイール止めナット9c、ボルト9dを有している。回転刃Kは、駆動軸6にホイールワッシャ9a、ブッシュ9bを先に駆動軸6に差し込んで取り付けた後に、その駆動軸6に差し込まれる。そして、回転刃Kは、ホイール止めナット9cとブッシュ9bとで挟持されるようにボルト9dにより駆動軸6に固定されることで取り付けられる。刃取付部材9の各構成の外径は、後記する集塵防護カバー10の一側当接挟持部方の一側内周曲面22よりも小さい直径になるように形成されている。なお、刃取付部材9は、一般的に使用されているものであれば、その構成を限定されるものではない。
【0023】
図1及び図2に示すように、集塵防護カバー10は、作業者の手指を保護すると共に、発生する粉塵を集塵するためのものである。集塵防護カバー10は、本体部2のカバー装着部7にカバー取付機構20により挟持されることで装着され、回転刃Kの一部を覆い、かつ、回転刃Kにより被切削部材W(図5参照)を切削するときに発生する粉塵を集塵するためのものである。この集塵防護カバー10は、カバー体11と、このカバー体11の周面板13の所定位置に設けた集塵ホースShのホース接続部60と、本体部2のカバー装着部7に着脱自在に取付けるカバー取付機構20と、を備えている。
【0024】
カバー体11は、作業者の手指等を防護すると共に、発生する粉塵の飛散を抑制するものである。このカバー体11は、例えば、金属材料から形成され、回転刃Kの所定円弧範囲を露出するように回転刃Kを覆って形成されている。カバー体11は、回転刃Kの左右の側面の半円弧部分を覆う側面板(側面)12と、回転刃Kの刃先部分を覆う周面板13とを備え、ここでは、更に、側面板12にそれぞれに開口14が形成されている。
【0025】
図3に示すように、側面板12は、回転刃Kの刃先からカバー装着部7の外周縁までの位置に開口端部15を形成するような大きさに設けられている。ここでは、カバー体11は、側面板12の開口端部15までを、回転刃Kの切込み深さとしている。この回転刃Kの切込み深さは、適宜設定される。
周面板13は、側面板12の周端位置に亘って回転刃Kの刃先を覆うように形成されている。この周面板13と側面板12とで回転刃Kの所定円弧範囲を覆うように構成されている。
【0026】
カバー体11は、周面板13の一部を筒状に突出して集塵ホースShのホース接続部60を形成している。このホース接続部60は、ここでは円筒形状に形成した外周部分に段差を設け、集塵ホースShの直径が異なっても接続できるように構成されている。カバー体11は、接続された集塵ホースShを介して図1で示すエア吸引装置Bcからエアを吸引することで、回転刃Kが回転して切削した被切削部材Wから発生する粉塵を集塵する。また、カバー体11は、ここでは、ホース接続部60及びカバー取付機構20の一側当接挟持部21が金属材料により一体に形成されている。
【0027】
図2から図4に示すように、カバー取付機構20は、カバー装着部7に取り付けられて集塵防護カバー10を本体部2に装着するものである。このカバー取付機構20は、一側当接挟持部21と、他側当接挟持部材31と、第1ネジ部材(第1支持部材)41と、第2ネジ部材(第2支持部材)42と、スリーブ50とを備えている。なお、カバー取付機構20は、はじめに、他側当接挟持部材31と、第1ネジ部材41と、第2ネジ部材42と、スリーブ50がそれぞれ別体として構成されるものとして説明する。
【0028】
図2に示すように、一側当接挟持部21は、カバー体11の側面板12に一体に設けられている。この一側当接挟持部21は、カバー装着部7の一方側から当接して他側当接挟持部材31と共同してカバー装着部7を挟持するものである。一側当接挟持部21は、側面板12から半円環状突出部として肉厚に突出して設けられている。そして、一側当接挟持部21は、肉厚に形成した半円環状突出部の両端面23,23に設けた螺合部24,24と、一側内周曲面22の一部に形成された凹部25と、内周曲面の周縁に設けた突出曲面26とを備えている。
【0029】
図2及び図3に示すように、半円環状突出部の一側内周曲面22は、カバー装着部7の外周面に当接する面であり、ここでは円曲面に形成されている。そして、一側内周曲面22は、その内中央位置に凹部25が形成されている。なお、一側内周曲面22は、図2、図4に示すように、上下方向に亘って3等分した帯状の曲面エリアに形成され、下から傾斜曲面、垂直曲面、突出曲面26とから、ここでは構成されている。一側内周曲面22の傾斜曲面は、下方に径大となる傾斜面に形成されている。また、一側内周曲面22の垂直曲面は、傾斜曲面から突出曲面26までに連続して形成されている。
【0030】
そして、図4に示すように、突出曲面26は、本体部2側となる周縁を一側内周曲面22よりも内側に向かって小径となるように突出して形成されている。この突出曲面26は、ここでは、一側内周曲面22の垂直曲面から段差を介して形成されている。突出曲面26は、カバー装着部7に段差あるいは傾斜面が形成されている場合に、その段差あるいは傾斜面に当接した状態で係合することができるので、切削作業による振動が発生しても装着状態を強固に維持することが可能となる。
【0031】
図2及び図3に示すように、凹部25は、カバー装着部7に確実に当接する部分を形成するためのものである。この凹部25は、一側内周曲面22の両端となる両端面23,23から同じ距離となる位置に凹開口がカバー装着部7に向かって形成され、上下方向に半円環状突出部を貫通するように形成されている。凹部25は、図3に示すように、カバー装着部7の外周面が凹底面25cに接触しない凹深さに形成されている。そして、凹部25は、その開口幅がカバー装着部7の直径に対して1/5以上の長さとなるように、ここでは設定されている。
【0032】
なお、凹部25は、一側当接挟持部21及び他側当接挟持部材31に全部で一箇所のみに形成する場合については、前記したように、開口幅がカバー装着部7の直径に対して1/5以上の長さとなるように設定され、2箇所以上である場合には、カバー装着部7の直径に対して1/20以上であればよい。凹部25が一箇所である場合、1/5以上であるとカバー装着部7の外周面に角部25a,25bがそれぞれ当接する接部ができる。つまり、1/5未満では接点が2箇所となり難い状態となる。また、複数の凹部25を設ける場合には、1/20以上、好ましくは1/10以上であれば、一側内周曲面22(他側内周曲面32)の接触面とは異なる状態を形成して、確実にカバー装着部7の外周面に当接する部分を形成することができる。この凹部25が一側内周曲面22の一部に形成されることで、凹開口の両端となる角部25a、25bがカバー装着部7の外周面に当接する状態となる。なお、凹部25は、特に、一側内周曲面22とカバー装着部7の外周面の曲率半径が異なる場合に、その凹開口の両端となる角部25a、25bが有効に一側内周曲面22とカバー装着部7の外周面に当接して挟持状態を確実にする。また、凹部25は、凹底面25cが形成されるように一側内周曲面22に設けられているが、半円環状突出部の前後方向における厚みを貫通するように凹底面25cがない状態として形成するように構成しても構わない。
【0033】
図2及び図3に示すように、螺合部24,24は、第1ネジ部材41及び第2ネジ部材42をそれぞれ螺合接続させるためのものであり、ここでは雌ネジが穴内に形成されている。そして、螺合部24,24は、図3に示すように、ここでは肉厚部分を貫通するように形成されている。
なお、一側当接挟持部21は、カバー体11と一体となるように形成されることで、カバー体11と別体に形成される場合と比較して製造工程を簡略化できかつ構造が強固になる。
【0034】
つぎに、他側当接挟持部材31について説明する。
図2及び図3に示すように、他側当接挟持部材31は、カバー装着部7の他方から当接して一側当接挟持部21と共同してカバー装着部7を挟持するものである。この他側当接挟持部材31は、カバー体11とは別体となるように、ここでは形成されている。他側当接挟持部材31は、金属板片の両端にフランジ33,33を形成し、そのフランジ33,33の間を湾曲させ他側内周曲面(内周曲面)32が形成されるように構成されている。
【0035】
そして、他側当接挟持部材31は、一側当接挟持部21の一側内周曲面(内周曲面)22と同じ曲率半径となるように他側内周曲面32が形成されている。そして、他側当接挟持部材31のフランジ33,33には、他側挿通穴34,34が形成されている。この他側挿通穴34,34は、一側当接挟持部21の螺合部24,24に対向する位置に形成されている。なお、他側挿通穴34は、第2ネジ部42側の穴径がネジ径よりも大きく、ネジ頭より小さくなるように形成されている。他側当接挟持部材31は、金属板片(あるいはバネ部材)をプレスすることで形成され、第2ネジ部材42により締め付けられることで、カバー装着部7の外周面に当接する方向に弾性変形(あるいは塑性変形)して一側当接挟持部21と共同してカバー装着部7を挟持する。
【0036】
スリーブ50は、図2及び図3に示すように、一側当接挟持部21と他側当接挟持部材31との間に介在して離間させるためのものである。このスリーブ50は、ここでは、一側当接挟持部21あるいは他側当接挟持部材31とは別体で形成された筒状の金属管である。スリーブ50は、一側当接挟持部21と他側当接挟持部材31とがカバー装着部7に当接して挟持できる長さに形成されている(例えば、カバー装着部7の半径よりも小さく)。スリーブ50は、ここでは、第1ネジ部材41が挿通するように一側当接挟持部21の端面23と他側当接挟持部材31のフランジ33に当接して、その第1ネジ部材41により締め付けられることで、端面23及びフランジ33に隙間無く当接した状態で設置される。
【0037】
第1ネジ部材41及び第2ネジ部材42は、一側当接挟持部21と他側当接挟持部材31とを支持してカバー装着部7に一側当接挟持部21及び他側当接挟持部材31を当接させる方向に締め付けて挟持させるものである。第1ネジ部材41及び第2ネジ部材42は、一側当接挟持部21に形成した螺合部24,24に螺合する。なお、第1ネジ部材41及び第2ネジ部材42は、その長さを螺合部24,24の内部に納まるようにすることや、あるいは、その螺合部24,24を貫通する長さであっても構わない。
【0038】
以上説明したようにカバー取付機構20は構成されているので、次のようにして、カバー装着部7に挟持して取り付けられ、集塵防護カバー10を携帯用切削機1の本体部2に装着することができる。
はじめに、集塵防護カバー10は、カバー体11に設けた一側当接挟持部21の一側内周曲面22を、カバー装着部7の外周面の一側に沿わせた状態で保持され、かつ、他側当接挟持部材31の他側内周曲面32を、カバー装着部7の外周面の他側に沿わせた状態で保持される。そして、集塵防護カバー10は、一側当接挟持部21の一端側の螺合部24と他側当接挟持部材31の一端側のフランジに形成した他側挿通穴34に対面させた状態でスリーブが配置され、第1ネジ部材41を他側挿通穴34からスリーブ50及び螺合部24まで挿通させて螺合し締め付けられることで、カバー装着部7に仮止めされる。
【0039】
そして、集塵防護カバー10は、一側当接挟持部21の他端側の螺合部24と他側当接挟持部材31の他端側のフランジに形成した他側挿通穴34とを対面させた状態で、第2ネジ部材42を他側挿通穴34から挿通して螺合部24に螺合して締め付けられる。そうすると、集塵防護カバー10は、他側当接挟持部材31の一端側のフランジ33がスリーブ50により位置が固定された状態で、そのフランジ33を支点として他端側のフランジ33が螺合部24に近づく方向に強制的に移動させられ、カバー装着部7の外周面を押圧するように締め付けられることで、一側当接挟持部21と他側当接挟持部材31とによりカバー装着部7を挟持して装着される。
【0040】
集塵防護カバー10は、他側当接挟持部材31が第2ネジ部材42で締め付けられるときに弾性変形する金属部材で形成されていることが好ましいが、塑性変形する金属部材であっても構わない。つまり、集塵防護カバー10は、スリーブ50が設置され第1ネジ部材で締め付けられることで、一側当接挟持部21と他側当接挟持部材31の一端側の挟持状態を固定する。そして、集塵防護カバー10は、一側当接挟持部21と他側当接挟持部材31の他端側を互いに近接させる方向に第2ネジ部材42により締め付けることで、強制的にカバー装着部7を一側当接挟持部21及び他側当接挟持部材31が押圧して挟持することになる。
【0041】
そして、集塵防護カバー10は、そのカバー取付機構20の一側当接挟持部21に凹部25が形成されていることで、一側当接挟持部21及び他側当接挟持部材31により押圧して挟持されたときに、その凹部25の角部25a、25bがカバー装着部7の外周面を押圧する状態となる。したがって、集塵防護カバー10は、凹部25の角部25a、25bと、一側当接挟持部21及び他側当接挟持部材31の一端側にスリーブ50が介在することで他端側から強制的に締め付けられたときに押圧する一側当接挟持部21の一側内周曲面及び他側当接挟持部材31の他側内周曲面32の部分と、により3点以上の多接点部分が存在することで、強固にカバー装着部7に装着される。
【0042】
集塵防護カバー10は、本体部2に装着されると、携帯用切削機1として、図5に示すように、切削作業を行うことになる。切削作業を行う場合には、携帯用切削機1は、図1に示すように、集塵防護カバー10のホース接続部60に集塵ホースShが接続された状態でその集塵ホースShがエア吸引装置Bcに接続された状態とする。そして、図5に示すように、携帯用切削機1の電源スイッチ(図示せず)をオンにして回転刃Kを回転させ、エア吸引装置Bcからエアの吸引を行っている状態で、コンクリート等の被切削部材Wを切削する。
【0043】
携帯用切削機1により切削作業がはじまると、回転刃Kの回転により被切削部材Wから粉塵が発生する。そして、発生した粉塵は、集塵防護カバー10の集塵ホースSh側から常にエアが吸引されているので、強制的に吸い上げられてカバー体11から集塵ホースShに送られエア吸引装置Bcに集塵される。携帯用切削機1は、回転刃Kを被切削部材Wに切り込ませて、所定の切込み深さまで操作した状態で移動方向に移動させることで、被切削部材Wを切削する。そして、携帯用切削機1は、回転刃Kが被切削部材Wを切削するときに振動が発生しても、集塵防護カバー10がカバー装着部7に強固に装着されているので、集塵防護カバー10の位置がずれたり、外れたりすることなく切削作業を行うことができる。
【0044】
なお、携帯用切削機1は、その本体部2のカバー装着部7の構成が図6(a)、(b)に示すように、メーカーごとに異なる場合がある。つまり、図6(a)に示すように、本体部2に設けられているカバー装着部7Aは、その円筒部分の外周面7aが例えば垂直面に形成されている。このような構成のカバー装着部7Aであっても、集塵防護カバー10は、そのカバー取付機構20の一側当接挟持部21に形成した一側内周曲面22の凹部25(図2参照)及び、スリーブ50を支点として一側当接挟持部21の一側内周曲面22及び他側当接挟持部材31の他側内周曲面の押圧する部分とにより、カバー装着部7Aの外周面7aを3点以上の多接点により強固に締め付けて挟持することができる。
【0045】
また、図6(b)に示すように、本体部2に設けられているカバー装着部7Bは、その円筒部分に段差を備える外周面7bとして構成されている場合がある。このような構成のカバー装着部7Bであっても、集塵防護カバー10は、一側当接挟持部21の一側内周曲面22に設けた突出曲面26を段差の部分に係合できるように配置して、すでに説明したように、一側当接挟持部21の一側内周曲面22及び他側当接挟持部材31の他側内周曲面32によりカバー装着部7Bを3点以上の部分で押圧して挟持することができる。
【0046】
したがって、集塵防護カバー10は、各メーカーにおいて、カバー装着部7(7A,7B)の構成がそれぞれ基本的な構造を維持して、例えば、その外周面の形状に垂直面、傾斜面あるいは段差があっても対応して装着でき、かつ、外周面の幅や、直径が数ミリ単位で変わっても、スリーブ50を支点として強制的に他側当接挟持部材31を第2ネジ部材で締め付けることで挟持することができる。
【0047】
また、集塵防護カバー10は、一側当接挟持部21及び他側当接挟持部材31によりカバー装着部7(7A,7B)を挟持したときに、凹部25と、スリーブ50を介して第2ネジ部材42による締付で発生する一側当接挟持部21の一側内周曲面22及び他側当接挟持部材31の他側内周曲面32の部分とにより、3点以上の多接点部分によってカバー装着部7の外周面に強固に押圧して当接することができる。そのために、集塵防護カバー10は、携帯用切削機1により回転刃Kで被切削部材Wに対して行う切削作業中にずれたり、外れたりすることなく、強固に装着することが可能となる。
なお、集塵防護カバー10は、第1ネジ部材41あるいは第2ネジ部材42のいずれかを緩めることで、カバー装着部7を挟持しているカバー取付機構20の挟持状態を解除して、簡単に取り外すことが可能となる。
【0048】
以上説明した構成の集塵防護カバー10は、例えば、図7(a)、(b)に示すような構成としても構わない。すなわち、図7(a)に示すように、一側当接挟持部21Aの一側内周曲面22A及び他側当接挟持部材31Aの他側内周曲面32Aの少なくとも一方である当該他側内周曲面32Aに凹部35Aを設ける構成であってもよい。このように構成することで、カバー取付機構20Aでは、3点以上の多接点でカバー装着部7の外周面を押圧して、挟持することができる。
【0049】
また、図7(b)に示すように、カバー取付機構20Bは、一側当接挟持部21Bの一側内周曲面22B及び他側当接挟持部材31Bの他側内周曲面32Bの少なくとも一方である一側内周曲面22B及び他側内周曲面32Bにそれぞれ凹部25B1,25B2と、凹部35B1,35B2を設ける構成であっても構わない。このように構成することで、カバー取付機構20Bでは、凹部25B1,25B2と、凹部35B1,35B2のみで8点の位置で確実にカバー装着部7の外周面を押圧して当接することができる。そのため、カバー取付機構20Bでは、一側当接挟持部21Bの一側内周曲面22B及び他側当接挟持部材31Bの他側内周曲面32Bの部分が多接点の状態で、カバー装着部7の外周面を押圧して挟持することができる。
【0050】
さらに、図8に示すように、カバー取付機構20Cは、他側当接挟持部材31が第1支持部材410により、スリーブ50を一側当接挟持部21の端面23に当接させた状態で支持され、かつ、他側当接挟持部材31が仮想線で示す方向に回動自在に設置されるように構成しても構わない。このようなカバー取付機構20Cでは、第1支持部材410はネジ部材ではなく、ピン等の支持部材であって、一側当接挟持部21の端面23に固定されて、スリーブ50の端部と他側当接挟持部材31のフランジ33とが当接した状態とし、他側当接挟持部材31が実線から仮想線のように回動自在に支持されている。
【0051】
このようにカバー取付機構20Cを構成することで、他側当接挟持部材31が一側当接挟持部21に支持されているので、部品の管理が容易となる。そして、カバー取付機構20Cは、カバー装着部7(図3、図7参照)の外周面に3点以上の多接点の部分で確実に当接して挟持することができると共に、多くのメーカーの異なる構成のカバー装着部7(図3、図6参照)に対応して装着することが可能となる。なお、スリーブ50は、端面23あるいはフランジ33に一体に形成されていても構わない。
【0052】
なお、図1から図8で説明した集塵防護カバー10は、つぎのような構成であっても構わない。一側内周曲面22は、ここでは、下方周縁、中央、上方周縁の3段階に区分けするように構成する例を説明したが、下方周縁から中央まで同じ曲率半径の曲面となるように形成することや、下方周縁から上方周縁まで同じ曲率半径の曲面となるように形成する構成であっても構わない。さらに、突出曲面26は、図面では、凹部25以外の内周曲面の上側周縁に形成した構成として説明したが、凹部25を含めた一側内周曲面22に断続的に突出するように構成してよい。
【0053】
また、突出曲面26は、段差を介して形成されるように説明したが、例えば、垂直曲面から徐々に傾斜するように形成したテーパ面の構成であってもよく、一側内周曲面22よりも縮径された状態で内側に突出していればよい。
【0054】
さらに、凹部25は、ここではその形状が矩形凹部となるように形成されているが、凹開口により形成される角部25a,25bが形成できれば、円形凹部、三角凹部等の凹形状には限定されない構成である。
また、スリーブ50は、別体の構成である場合及び一側当接挟持部21あるいは他側当接挟持部材31に一体に形成する場合、円筒に形成される構成として説明したが、第1支持部材が挿通して端面23及びフランジ33の間に介在することができる形状であれば、外形が矩形や、長手方向に溝が連続して形成されている管体であっても構わない。
【0055】
そして、カバー当接部7の直径が数ミリの単位で大きくなるように異なる場合に、フランジ33の他側挿通穴34の大きさにより、カバー取付機構20が対応して装着できるようになる。他側挿通穴34が大きいことで、カバー装着部7の直径が大きくなっても、第2ネジ部42は、他側挿通穴34の範囲でシフトして螺合部24に螺合できるので、同じ目的を果たす各メーカーの製品であれば十分対応することができるものである。
また、一側当接挟持部21の一側内周曲面22及び他側当接挟持部材31の他側内周曲面32は、その曲面形状が円曲面として説明したが円曲面に沿うような曲面であれば円に限定されるものではない。なお、カバー取付機構20において、カバー装着部7の外周面に当接する部分は、接点あるいは接線もしくは接面となる接部である。また、凹部25の角部25a、25bは、鋭角な状態である必要はなく、曲面であっても構わない。つまり、角部25a,25bは、内周曲面22,32と異なる状態であればよい。
【符号の説明】
【0056】
1 携帯用切削機
2 本体部
3 接続コード
6 駆動軸
7、7A、7B カバー装着部
7a、7b 外周面
9 刃取付部材
9a ホイールワッシャ
9b ブッシュ
9c ナット
9d ボルト
10 集塵防護カバー
11 カバー体
12 側面板
13 周面板
14 開口
15 開口端部
20、20A、20B、20C カバー取付機構
21、21A、21B 一側当接挟持部
22、22A、22B 一側内周曲面(内周曲面)
23 端面
24 螺合部
25、25B1 凹部
25a 角部
25c 凹底面
26 突出曲面
31、31A、31B 他側当接挟持部材
32、32A、32B 他側内周曲面(内周曲面)
33 フランジ
34 他側挿通穴
35A、35B1 凹部
41 第1ネジ部材(第1支持部材)
42 第2ネジ部材(第2支持部材)
50 スリーブ
60 ホース接続部
410 第1支持部材
Bc エア吸引装置
K 回転刃
Sh 集塵ホース
W 被切削部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯用切削機の本体部側から突出する駆動軸の周囲に筒状に設けたカバー装着部に対して着脱自在に装着して使用され、切削作業時に発生する粉塵を集塵ホースを接続して集塵する集塵防護カバーにおいて、
前記駆動軸に装着される回転刃を部分的に覆うカバー体と、このカバー体に形成された前記集塵ホースとのホース接続部と、前記カバー装着部に着脱自在に取り付けられるカバー取付機構とを備え、
前記カバー取付機構は、前記カバー装着部を一側及び他側から挟持する内周曲面を有する一側当接挟持部及び他側当接挟持部材と、前記一側当接挟持部の両端及び前記他側当接挟持部材の両端とを対向させ、前記カバー装着部に挟持させた状態で支持する第1支持部材及び第2支持部材と、前記一側当接挟持部と前記他側当接挟持部材との間隔を開けるように介在して前記第1支持部材及び前記第2支持部材の一方に挿通される筒状のスリーブとを備え、
前記一側当接挟持部が前記カバー体の側面に一体に設けられると共に、前記他側当接挟持部材が前記カバー体から分離して設けられ、前記一側当接挟持部及び前記他側当接挟持部材の一方の内周曲面の一部に、凹開口を前記カバー装着部に向けて形成した凹部を設け、
前記スリーブを挿通していない第1支持部材及び前記第2支持部材の一方がネジ部材であることを特徴とする集塵防護カバー。
【請求項2】
前記一側当接挟持部及び前記他側当接挟持部材の少なくとも一方の前記内周曲面には、前記本体部側となる周縁を、当該内周曲面よりも小径として前記カバー装着部側に突出させた突出曲面として形成したことを特徴とする請求項1に記載の集塵防護カバー。
【請求項3】
前記カバー体に一体で形成されている前記一側当接挟持部の内周曲面に、前記凹部が形成されていると共に、前記突出曲面が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の集塵防護カバー。
【請求項4】
前記第1支持部材及び前記第2支持部材をネジ部材である第1ネジ部材及び第2ネジ部材とし、
前記他側当接挟持部材は、その曲面の両端にフランジを形成し、前記フランジに前記第1ネジ部材及び前記第2ネジ部材の他側挿通穴を形成し、
前記一側当接挟持部は、前記他側挿通穴に対向する位置に前記第1ネジ部材及び前記第2ネジ部材の螺合部を形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の集塵防護カバー。
【請求項5】
前記スリーブは、前記一側当接挟持部及び他側当接挟持部材とは別体に形成されると共に、前記一側当接挟持部及び前記他側当接挟持部材が前記カバー装着部に当接して挟持できる長さに設定されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の集塵防護カバー。
【請求項6】
前記凹部は、前記一側当接挟持部及び他側当接挟持部材のいずれか一方又は両方において複数箇所に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の集塵防護カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−903(P2013−903A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130798(P2011−130798)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000142919)株式会社呉英製作所 (21)
【Fターム(参考)】