説明

集水・利水構造を備えたビニルハウス

【課題】ビニルハウスの屋根肩部又は側壁下方部に配置されたシート止め材へ樋部材又は樋受け部材等を取り付けて雨水を集め利水する集水・利水構造を提供する。
【解決手段】ビニルハウスの屋根肩部又は側壁部の棟方向に配置されたシート止め材に沿ってその外側に、ビニルハウスの棟方向に連続する形状の樋部材が配置され、その支持部がシート止め材の止着溝の中へ前記屋根部シート又は側壁部シートよりも内側に入れ込まれ、シート止め線によりシートと共に前記支持部が固定されて成り、シート止め材へシート止め線により止着された屋根部シート又は側壁部シートの下方部が前記樋部材の中へ導かれ、屋根部シート等から流れ落ちる雨水を樋部材で受ける構成とされており、樋部材の流れ勾配の下流部位に雨水の集水手段及び利水手段が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ビニルハウスの屋根部シート及び側壁部シートに降った雨水を利用する集水・利水構造を備えたビニルハウスの技術分野に属し、更に云うと、ビニルハウスの屋根肩部又は側壁下部に配置されたシート止め材へ樋部材又は樋受け部材を取り付けて雨水を集め有効利用する集水・利水構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ビニルハウスの屋根部シートに降った雨水を処理する技術は開示されて公知である。
例えば、特許文献1には、図7に示すように換気用開口70から落下する雨水を受け止める樋体71が、ビニルハウスの構造材72(パイプ材)に支持された吊支装置73により取り付けて屋根部シートへ降り注いだ雨水が前記樋体71を流れる構造が開示されている。
【特許文献1】特開2004−350506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1のように、ビニルハウスの所定箇所に樋体を設置して雨水を処理することも一案であるが、この従来技術は換気用開口70が設けられている大型のビニルハウスにのみ実施できるものでしかない。例えば前記換気用開口70が設けられていない小型のビニルハウス等には実施できない技術である。また樋体71は吊支装置73により取り付けられるものであり、更には線状部材74a、74b、係着部材75、枢着部76等多数の部材を介する必要がある。したがって、ビニルハウスの屋根部の高い位置で、上記樋体71を吊り下げ設置することは非常に面倒であるし、吊り下げる際に樋体71の勾配等を考慮した位置決めには熟練した技術が必要である。のみならず、部材点数が多いためコストも嵩むという問題点がある。
【0004】
更に、上記従来の技術は単に雨水を樋体により排水するのみであり、その雨水を溜めてビニルハウス内の植物に必要な水として供給する等の利水を考慮したものでは無いから甚だもったいない。というのも、ビニルハウスで栽培する各種作物は大量の養水を必要とし、そうした水の運搬、給水に苦労しているからである。
【0005】
本発明の目的は、新設又は既設ビニルハウスのシート止め材の止着溝内へ樋部材又は樋材を取り付けて、同ビニルハウスの屋根等に降った雨水を集水し、作物へ供給することで、水の供給に掛かるコスト及び労力を飛躍的に低減させる集水・利水構造を備えたビニルハウスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る集水・利水構造を備えたビニルハウスは、
ビニルハウスの屋根部シート等へ降った雨水の集水、利水構造を備えたビニルハウスであって、
前記ビニルハウスの屋根肩部又は側壁部の棟方向に配置されたシート止め材に沿ってその外側に、ビニルハウスの棟方向に連続する形状の樋部材が配置され、その支持部が前記シート止め材の止着溝の中へ前記屋根部シート又は側壁部シートよりも内側に入れ込まれ、シート止め線によりシートと共に前記支持部が固定されて成り、シート止め材へシート止め線により止着された屋根部シート又は側壁部シートの下方部が前記樋部材の中へ導かれ、屋根部シート等から流れ落ちる雨水を樋部材で受ける構成とされており、前記樋部材の流れ勾配の下流部位に雨水の集水手段及び利水手段が設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載した集水・利水構造を備えたビニルハウスにおいて、
樋部材は、シート止め材の止着溝へ嵌め込み可能に縦断面を略Z字形状に立ち上げて形成された支持部と、屋根部シート又は側壁部シートから流れ落ちる雨水を受け止める樋本体部とで構成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載した発明に係る集水・利水構造を備えたビニルハウスは、
ビニルハウスの屋根部シート等へ降った雨水の集水・利水構造を備えたビニルハウスであって、
前記ビニルハウスの屋根肩部又は側壁部の棟方向に配置されたシート止め材に沿ってその外側に、一定の間隔を空けて複数の樋受け部材が配置され、その支持部が前記シート止め材の止着溝の中へ前記屋根部シート又は側壁部シートよりも内側に入れ込まれ、シート止め線によりシートと共に前記支持部が固定され、前記複数の樋受け部材の樋受け部へ樋材が載置されており、シート止め材へシート止め線により止着された屋根部シート又は側壁部シートの下方部が前記樋材の中へ導かれ、前記屋根部シート等から流れ落ちる雨水を樋材で受ける構成とされており、前記屋根部シート又は側壁部シートの下方端部は樋受け部材の外側端部に形成されたパイプ支持部に支持されたパイプ材に巻き付けられパッカー等の止着手段により固定されており、前記樋材の流れ勾配の下流部位に雨水の集水手段及び利水手段が設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載した集水・利水構造を備えたビニルハウスにおいて、
樋受け部材は、一側にシート止め材の止着溝へ嵌め込み可能に縦断面を略Z字形状に立ち上げて形成された支持部を備え、中央部が、樋材を載置可能な形状に形成された樋受け部とされ、他側にはパイプを支持可能な半円形状に形成されたパイプ支持部を備えた構成であることを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項3又は4に記載した集水・利水構造を備えたビニルハウスにおいて、
樋受け部材に支持された樋材は樋受け部材とビス止め等の止着手段で固定されていることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1又は3に記載した集水・利水構造を備えたビニルハウスにおいて、
集水手段は、樋部材又は樋材を流れてきた雨水を導く集水処理部材と、同集水処理部材と連結されたホース材と、同ホース材から導かれた雨水を溜める貯水槽とから成り、利水手段は前記ホース材又は貯水槽の雨水をビニルハウス内の作物へ導き給水する散水管で成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1〜6に記載した発明に係る集水・利水構造を備えたビニルハウスは、屋根部シート又は側壁部シートに降った雨水を効率良く集水でき、作物の養水として有効に利用できる。斯くすると、水の供給に掛かるコスト及び労力を飛躍的に低減でき、環境に優しいものとなる。また、新設又は既設ビニルハウスのシート止め材を利用して構築できるので、ビニルハウスの大きさや形状に左右されることなく、一般家庭で使用する小型のビニルハウスであっても容易に実施することができる。
【0013】
特に請求項3〜5に記載した発明によれば、樋部材又は樋材等の長さや形状等を自由に設計、製作又は改造ができ、個人のニーズに合わせた集水・利水構造を実現することができる。樋材は既往のものや、個人で工作したものでも良く、汎用性が高い。また、屋根部シートの端部処理をパッカーにより行えるので、非常に簡易であるし、シートの張りがゆるんだ場合には直ぐに修正することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
ビニルハウス1の屋根部シート40へ降った雨水の集水・利水構造を備えたビニルハウスである。
前記ビニルハウス1の屋根肩部又は側壁部の棟方向に配置されたシート止め材5に沿ってその外側に、ビニルハウス1の棟方向に連続する形状の樋部材6が配置され、その支持部60が前記シート止め材5の止着溝50の中へ、前記屋根部シート40又は側壁部シート41よりも内側に入れ込まれ、シート止め線7によりシート40、41と共に前記支持部60が固定されて成る。シート止め材5へシート止め線7により止着された屋根部シート40又は側壁部シート41の下方部40aが樋部材の中へ導かれ、屋根部シート40等から流れ落ちる雨水を樋部材で受ける構成とし、前記樋部材6の流れ勾配下流部位に雨水の集水手段8及び利水手段9が設けられている。
【実施例1】
【0015】
以下、本発明に係る集水・利水構造を備えたビニルハウスの実施例を図1〜図3に基づいて説明する。
図1は、透光性のシート材をハウス骨組へ定着したビニルハウス1を概念的に示している。このビニルハウス1は、アーチ状構造材2を棟方向に共通な姿勢で一連に多数並設し、これらのアーチ状構造材2の屋根部へ棟パイプ部材3を配置し、図示を省略した連結具により連結して強固なハウス骨組が作られている。同アーチ状構造材2の屋根肩部及び側壁部(以下、同じ)に屋根部シート40及び側壁部シート41を固定するシート止め材5が、棟方向に、やはり図示省略の連結具で取り付けられ、各々に各シート40、41をバネ性で波形状のシート止め線7により止着して張り付けた構成としている。
【0016】
本実施例は、主にビニルハウスの屋根肩部に配置されたシート止め材5と屋根部シート40に実施した例を示すが、側壁部に設置したシート止め材5と側壁部シート41についても同様に実施されることを申し添える。
【0017】
上記構成のビニルハウス1の屋根肩部の棟方向に配置されたシート止め材5に沿ってその外側に、ビニルハウス1の棟方向に連続する形状の樋部材6が配置されている。
前記樋部材6は、具体的には図2A、図2Bに示すように、シート止め材5の止着溝50へ嵌め込み可能に縦断面を略Z字状に立ち上げて形成された支持部60と、樋本体部61とで構成されている。図2Aと図3の樋本体部61は角形断面で、図2Bの樋本体部61は半円断面に形成されている。前記支持部60は、シート止め材5の止着溝50の中へ嵌め込まれるべく、その断面形状が若干くの字形状に湾曲され、止着溝50の上下隅部と密接する構成とされている。また、支持部60の止着溝50の上隅部に当たる先端箇所は、支持力を保持するように、止着溝50の上隅へ突き当たる構成が好ましく、その場合、シート保護の観点からは内側へ折り返す構成とすることがより好ましい。勿論、前記の限りではなく、支持部60の先端が上隅部と密接しない長さに形成して実施することもできる。
【0018】
上記のような樋部材6の支持部60は、前記シート止め材5の止着溝50内へ、前記屋根部シート40(又は側壁部シート41、以下同じ。)よりも内側に入れ込まれ、シート止め線7により屋根部シート40と共に固定される。具体的には、支持部60を前記シート止め材5の止着溝50の中へ嵌め入れた後、シート止め線7で屋根部シート40を同止着溝50内の支持部60の上へ押し込むように挿入し固定する。
【0019】
上記のようにしてシート止め材5へシート止め線7により止着した屋根部シート40の下方部40aは、前記樋部材6の樋本体部61の中へ導き入れ、屋根部シート40から流れ落ちる雨水は樋本体部61で受け止められる構成とされている。屋根部シート40の下方部40aの先端部は、棟方向の所定箇所に配置した両面テープ等の固定手段(図示省略)で固定する。また、前記下方部40aの長さは、樋本体部61の一側面(ビニルハウス側)の範囲内に納まって端部処理を簡便にすることが好ましい。
【0020】
前記樋部材6の流れ勾配の下流部位には、図1に示すように屋根部シート40から流れ落ちた雨水の集水手段8及び利水手段9が設けられている。
前記集水手段8は、樋部材6を流れてきた雨水を受け止めて下方へ導く集水処理部材80(端部処理金具)と、同集水処理部材80と連結されたホース材81、及び同ホース材81で導かれた雨水を溜める貯水槽82から成る。また、利水手段9は、ホース材81の途中から、又は同貯水槽82の雨水をビニルハウス1内の作物へ導き給水する散水管である(請求項6記載の発明)。
【0021】
前記利水手段9は例えば図1に示したように、雨水を散水できる複数の小孔が棟方向に一定の間隔で設けられた散水管とするほかスプリンクラーとして実施してもよい。
前記ホース材81は、外の樋部材6の位置から、ビニルハウス1内へ、側壁部シート41の繋ぎ目を利用して、又はシートに挿入口を設けて同ハウス1内へ導き入れ、前記貯水槽82と接続される。勿論、ビニルハウス1内の広さに制限がある場合には貯水槽82を前記ハウス1の外へ設置し、ホース材81も同ハウス1の外へ設置して実施することもできる。
【0022】
本発明は、単にビニルハウス1の屋根部シート40へ降った雨水を集める機能だけでなく、集めた雨水をビニルハウス1内の作物へ供給して利用するので節水に寄与し、環境に優しい設備となる。
【実施例2】
【0023】
次に、請求項3及び4に記載した発明に係る集水・利水構造を備えたビニルハウスの実施例を図面に基づいて説明する。本実施例2は、上述した実施例1と略同様の技術的思想であるため、重複する部分の説明は省き、その相違点を中心に説明する。
【0024】
実施例2の集水・利水構造は、図4〜図6に示すように、ビニルハウス1の屋根肩部又は側壁部に棟方向に配置されたシート止め材5に沿ってその外側に、棟方向に一定の間隔を空けて樋受け部材11が配置され、その支持部110がシート止め材5の止着溝50の中へ、屋根部シート40(又は側壁部シート41、以下同じ。)よりも内側へ入れ込まれ、シート止め線7により屋根部シート40と共に前記支持部110が固定されている。そして、前記のようにして固定した複数の樋受け部材11の樋受け部111へ樋材12が載置されている。
【0025】
シート止め材5へシート止め線7により止着された屋根部シート40の下方部40aが樋材12の上へ図5A、図5Bのように導かれ、樋材12と共に樋を形成して、屋根部シート40から流れ落ちる雨水を受ける構成とされている。同屋根部シート40の端部は、樋受け部111の外側端部に形成されたパイプ支持材112へ取り付けて支持されたパイプ材13へ巻き付け、パッカー14を嵌めることにより固定されている。
【0026】
上記樋受け部材11は、特に図5A、図5Bに示すように、内側端部にシート止め材5の止着溝50へ嵌め込み可能な略Z字形状に形成された支持部110が設けられ、樋受け部111の外側端部に支持パイプを支持可能な半円形状のパイプ支持部112が設けられている。前記支持部110及び樋受け部111は、上述した樋部材6の支持部60、樋本体部61と略同様の断面形状とされている。
【0027】
前記パイプ支持部112には、シート止め材5へシート止め線7により止着された屋根部シート40の下方部40aが、前記樋材12の上面に沿って溝形状に配置された上で、前記パイプ支持部112に支持されたパイプ材13に巻き付けられ、パッカー14を嵌めて固定されるように、その先端に前記パッカー14の滑り落ちを防止する固定部112aが形成されている。図示例では、前記パイプ支持部112がパイプ13を下方から支持する構成とされているが、この限りではなく、上方から支持する上下対称とする構成として実施しても良い。
【0028】
上記構成の樋受け部材11は、例えば幅が約10〜20cmで、棟方向に例えば約2mの間隔を空けて複数シート止め材5へ嵌め込まれることが好ましい。
【0029】
樋材12は、一般的に販売されている角形断面や半円断面、又はV字形断面の既成樋材でよい。樋受け部材11の樋受け部111の形状が角形断面である場合には、樋材12は角形断面又は半円断面のいずれでも実施できる利点がある。樋材12は、樋受け部材11とビス止め等の止着手段15で強固に固定されている(請求項5記載の発明)。もっとも、図示することは省略したが樋受け部材11の樋受け部111の樋材12の上隅部が当たる箇所に段差の如きストッパーを設けた構成で実施することもできる。
【0030】
樋材12は、図4に示すように、その端部は最も端位置に配置された樋受け部材11よりも長く突き出されており、その突き出した部分に、実施例1のように集水処理部材80を連結し、ホース材81を介して貯水槽82へ雨水を集水し、散水管9によりビニルハウス1内の植物へ水を再利水できる、集水手段8及び利水手段9を備えた構成とする。
【実施例3】
【0031】
上記実施例1及び実施例2では、シート止め材5と樋部材6と樋受け部材11は、それぞれ別々の部材で互いを嵌め合わせる構成としたが、同樋部材6又は樋受け部材11とシート止め材5とを一体的に形成した構成で実施することもできる。
【0032】
本発明は、上記のような構成とされているので、新設又は既設のビニルハウスに等しく実施でき、特に一般家庭において使用される小型のビニルハウスにも好適に実施できる。小型のビニルハウスには通例給水装置が具備されておらず、使用者が家から水を運び、又は水道水をホース等で導いていることが多いからである。本発明はそうした小型のビニルハウスにも好適に実施できる。
【0033】
以上に実施形態を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変形、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のため付言する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る集水・利水構造を備えたビニルハウスの全体構成の概略の一例を示した図である。
【図2】A、Bはシート止め材へ樋部材及び屋根部シート等を入れ込んだ状態を示す拡大側面図である。
【図3】図2Aの斜視図である。
【図4】本発明に係る集水・利水構造を備えたビニルハウスの全体構成の概略の他の実施例を示した図である。
【図5】A、Bはシート止め材へ樋受け部材及び屋根部シート等を入れ込んだ状態を示す拡大側面図である。
【図6】図5の斜視図である。
【図7】従来技術の一例を示した参考図である。
【符号の説明】
【0035】
1 ビニルハウス
2 アーチ状構造材
40 屋根部シート
40a 下方部
41 側壁部シート
5 シート止め材
50 止着溝
6 樋部材
60 支持部
61 樋本体部
7 シート止め線
8 集水手段
9 利水手段
11 樋受け部材
110 支持部
111 樋受け部
112 パイプ支持部
12 樋材
13 パイプ材
14 パッカー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビニルハウスの屋根部シート等へ降った雨水の集水、利水構造を備えたビニルハウスであって、
前記ビニルハウスの屋根肩部又は側壁部の棟方向に配置されたシート止め材に沿ってその外側に、ビニルハウスの棟方向に連続する形状の樋部材が配置され、その支持部が前記シート止め材の止着溝の中へ前記屋根部シート又は側壁部シートよりも内側に入れ込まれ、シート止め線によりシートと共に前記支持部が固定されて成り、シート止め材へシート止め線により止着された屋根部シート又は側壁部シートの下方部が前記樋部材の中へ導かれ、屋根部シート等から流れ落ちる雨水を樋部材で受ける構成とされており、前記樋部材の流れ勾配の下流部位に雨水の集水手段及び利水手段が設けられていることを特徴とする、集水・利水構造を備えたビニルハウス。
【請求項2】
樋部材は、シート止め材の止着溝へ嵌め込み可能に縦断面を略Z字形状に立ち上げて形成された支持部と、屋根部シート又は側壁部シートから流れ落ちる雨水を受け止める樋本体部とで構成されていることを特徴とする、請求項1に記載した集水・利水構造を備えたビニルハウス。
【請求項3】
ビニルハウスの屋根部シート等へ降った雨水の集水・利水構造を備えたビニルハウスであって、
前記ビニルハウスの屋根肩部又は側壁部の棟方向に配置されたシート止め材に沿ってその外側に、一定の間隔を空けて複数の樋受け部材が配置され、その支持部が前記シート止め材の止着溝の中へ前記屋根部シート又は側壁部シートよりも内側に入れ込まれ、シート止め線によりシートと共に前記支持部が固定され、前記複数の樋受け部材の樋受け部へ樋材が載置されており、シート止め材へシート止め線により止着された屋根部シート又は側壁部シートの下方部が前記樋材の中へ導かれ、前記屋根部シート等から流れ落ちる雨水を樋材で受ける構成とされており、前記屋根部シート又は側壁部シートの下方端部は樋受け部材の外側端部に形成されたパイプ支持部に支持されたパイプ材に巻き付けられパッカー等の止着手段により固定されており、前記樋材の流れ勾配の下流部位に雨水の集水手段及び利水手段が設けられていることを特徴とする、集水・利水構造を備えたビニルハウス。
【請求項4】
樋受け部材は、一側にシート止め材の止着溝へ嵌め込み可能に縦断面を略Z字形状に立ち上げて形成された支持部を備え、中央部が、樋材を載置可能な形状に形成された樋受け部とされ、他側にはパイプを支持可能な半円形状に形成されたパイプ支持部を備えた構成であることを特徴とする、請求項3に記載した集水・利水構造を備えたビニルハウス。
【請求項5】
樋受け部材に支持された樋材は樋受け部材とビス止め等の止着手段で固定されていることを特徴とする、請求項3又は4に記載した集水・利水構造を備えたビニルハウス。
【請求項6】
集水手段は、樋部材又は樋材を流れてきた雨水を導く集水処理部材と、同集水処理部材と連結されたホース材と、同ホース材から導かれた雨水を溜める貯水槽とから成り、利水手段は前記ホース材又は貯水槽の雨水をビニルハウス内の作物へ導き給水する散水管で成ることを特徴とする、請求項1又は3に記載した集水・利水構造を備えたビニルハウス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−319102(P2007−319102A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−154128(P2006−154128)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【出願人】(000221568)東都興業株式会社 (57)
【Fターム(参考)】