集電箱
【課題】太陽電池ストリングからの直流電力が開閉器を介してDC/DC変換回路に供給され、出力端子を介して直流電力をパワーコンディショナへ供給する集電箱において、集電箱の小型化と、集電箱を形成するケーシングの小型化と、更に集電箱内の配線のし易さを達成するために、開閉器の配置及び取り付け構造を改良するものである。
【解決手段】DC/DC変換回路エリアの側方に設けた開閉器エリアに、DC/DC変換回路ごとに設けた開閉器のうち、2個の開閉器が横配置で上位置に配置される上段取り付け部と、残りの開閉器が下位置に配置される下段取り付け部を形成した開閉器取り付け台を備え、下段取り付け部に対して上段取り付け部がケーシングの前側方向に張り出した段差状であり、下段取り付け部の開閉器からDC/DC変換回路へ接続するリード線が、上段取り付け部の裏側を潜って配線されること。
【解決手段】DC/DC変換回路エリアの側方に設けた開閉器エリアに、DC/DC変換回路ごとに設けた開閉器のうち、2個の開閉器が横配置で上位置に配置される上段取り付け部と、残りの開閉器が下位置に配置される下段取り付け部を形成した開閉器取り付け台を備え、下段取り付け部に対して上段取り付け部がケーシングの前側方向に張り出した段差状であり、下段取り付け部の開閉器からDC/DC変換回路へ接続するリード線が、上段取り付け部の裏側を潜って配線されること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーコンディショナ(直流電力を交流電力に変換する電力変換装置)に接続される集電箱に関し、特に、太陽電池ストリングとパワーコンディショナとの間に介在して所要の電気処理動作をする集電箱の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
屋根に設置される複数の太陽電池ストリングと、複数の太陽電池ストリングからの配線を一つにまとめてその直流電力をパワーコンディショナに供給する接続箱と、接続箱からの直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナとによって構成される太陽光発電システムにおいて、接続箱が屋外設置の場合の防水構造についての発明が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−295990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特許文献1では、接続箱の筺体が、略箱形のケーシング本体2と、ケーシング本体の前面開口を覆う蓋3で構成され、ケーシング本体内には、4個のパワー基板30とこのパワー基板30に対して垂直配置の4個の制御基板35が横に配置され、一つのパワー基板30と一つの制御基板35からなる一組が、複数の太陽電池モジュールまたは複数の太陽電池セルを直列/並列接続した一つの太陽電池ストリングに対応した構成とし、この一組のパワー基板30と制御基板35によって、一つの太陽電池ストリングに対する昇圧動作などの各種の電気処理及び制御を実行する構成である。
【0005】
この特許文献1では、一つのパワー基板30と制御基板35を一組として、その4組がケーシング本体2内に横配置され、その側方には端子台20が配置され、この端子台20には、一つのパワー基板30と制御基板35の一組ごとに対応するように入力端子22を備える4個の開閉器21が横一列に配置され、更にパワーコンディショナ側に接続される出力端子23を取り付けている。
【0006】
更に、この特許文献1では、これらパワー基板30と制御基板35の4組を覆うように、一つの基板カバー40がケーシング本体2に取り付けられ、また、端子台20を覆うように端子台カバー50がケーシング本体2に取り付けられている。
【0007】
更にまた、この特許文献1では、ケーシング本体2内に配置したパワー基板30に取り付けたIGBTなどの発熱量の大きな高圧駆動のパワー素子が、ヒートシンクのベース板の背面に取り付けられ、このヒートシンクがケーシング本体2内に配置され、ケーシング本体2の上板2bと下板2cに通気孔6と7が形成された構成である。
【0008】
本発明は、特許文献1と同様に、パワーコンディショナに接続される屋外設置式の集電箱であるが、その内部構造が特許文献1とは全く異なる点で新規な発明を提供する。即ち、特許文献1では、ケーシング本体内に、一つのパワー基板30と制御基板35を一組とした4組が横配置される基板配置エリアと、その左側には、入力側となる4個の開閉器21と出力側となる出力端子23が取り付けられる端子台20の配置エリアが形成され、4個の開閉器21が横一列に配置されており、これによって、ケーシング本体2の左右長さが長くなり、それに伴ってケーシング本体の前面開口を覆う蓋3も大きくなり、接続箱全体が大きくなるという問題がある。
【0009】
また、特許文献1では、上記のように、パワー素子を取り付けたヒートシンクがケーシング本体内に配置されており、これによって、ケーシング本体2の厚さが厚くなるという問題がある。
【0010】
本発明は、一つのパワー基板と制御基板を一組として複数組を収容する基板配置エリアの側方には、入力側となる開閉器のうち、横配置の2個の開閉器を上位置とし、残りの開閉器が下位置となるように配置する特定構成で以って、ケーシング本体の左右長さが短くなり、それに伴ってケーシング本体の前面開口を覆う蓋も小さくなり、接続箱全体が小さくできることとなり、上記のような接続箱全体が大きくなるという問題を解決するものである。
【0011】
また、本発明は、一つのパワー基板と制御基板を一組として複数組を収容するDC/DC変換回路エリアの一側方を入力側配置部とし、他側方を出力側配置部とし、入力側配置部には、横配置の2個の開閉器を上位置とし、残りの開閉器が下位置となるように配置し、出力側配置部には出力端子等を配置する特定構成で以って、上記のような問題を解決するものである。
【0012】
更に、本発明は、パワー素子を取り付けたヒートシンクは、ケーシング本体の外に露出状態にケーシング本体に取り付けることにより、ケーシング本体の厚さが厚くなるという問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1発明は、太陽電池ストリングからの直流電力を入力源として所要の電気処理動作によって出力する直流電力を、直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナへ供給する集電箱であって、縦方向配置の裏壁と周囲壁によって表側開口を形成したケーシングと、前記ケーシングの表側開口を密閉するように前記ケーシングに着脱可能に固定される蓋を備え、
前記ケーシング内には、複数の太陽電池ストリングからのそれぞれの直流電力に対応するように構成された複数のDC/DC変換回路を横一列に配置するDC/DC変換回路エリアと、前記DC/DC変換回路ごとに入力回路を開閉する開閉器を配置する開閉器エリアと、前記DC/DC変換回路とパワーコンディショナの入力側を接続する出力端子を収容する出力側エリアが前記DC/DC変換回路エリアの一側方に配置され、
前記開閉器エリアには、前記DC/DC変換回路ごとに設けた開閉器のうち、2個の開閉器が横配置で上位置に配置される上段取り付け部と、残りの開閉器が下位置に配置される下段取り付け部を形成した開閉器取り付け台を備え、前記下段取り付け部に対して前記上段取り付け部が前記ケーシングの前側方向に張り出した段差状であり、
前記下段取り付け部の開閉器から前記DC/DC変換回路へ接続するリード線が、前記上段取り付け部の裏側を潜って配線されることを特徴とする。
【0014】
第2発明は、太陽電池ストリングからの直流電力を入力源として所要の電気処理動作によって出力する直流電力を、直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナへ供給する集電箱であって、縦方向配置の裏壁と周囲壁によって表側開口を形成したケーシングと、前記ケーシングの表側開口を密閉するように前記ケーシングに着脱可能に固定される蓋を備え、
前記ケーシング内には、複数の太陽電池ストリングからのそれぞれの直流電力に対応するように構成された複数のDC/DC変換回路を横一列に配置するDC/DC変換回路エリアと、前記DC/DC変換回路ごとに入力回路を開閉する開閉器8を配置する開閉器エリアと、前記DC/DC変換回路とパワーコンディショナの入力側を接続する出力端子を収容する出力側エリアとを備え、
DC/DC変換回路エリアの一側方に入力側エリアとなる開閉器エリアが配置され、DC/DC変換回路エリアの他側方に出力側エリアが配置され、
前記開閉器エリアには、前記DC/DC変換回路ごとに設けた開閉器のうち、2個の開閉器が横配置で上位置に配置される上段取り付け部と、残りの開閉器が下位置に配置される下段取り付け部を形成した開閉器取り付け台を備え、前記下段取り付け部に対して前記上段取り付け部が前記ケーシングの前側方向に張り出した段差状であり、
前記下段取り付け部の開閉器から前記DC/DC変換回路へ接続するリード線が、前記上段取り付け部の裏側を潜って配線されることを特徴とする。
【0015】
第3発明は、第2発明において、前記出力側エリアには、前記出力端子とノイズフィルタ回路とを配置したことを特徴とする。
【0016】
第4発明は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、前記上段取り付け部の2個の開閉器に対して前記下段取り付け部の開閉器の上下方向位置が横にずれた配置であり、前記下段取り付け部の開閉器の側方が、前記上段取り付け部の2個の開閉器に接続される入力側のリード線の配置エリアとなることを特徴とする。
【0017】
第5発明は、第1発明乃至第4発明のいずれかにおいて、放熱フィンが前記ケーシングの裏壁よりも後方へ突出する状態で前記ケーシングの裏壁の少なくとも一部がヒートシンクで構成され、前記ヒートシンクに前記DC/DC変換回路に取り付けたパワー素子を伝熱状態に取り付けたことを特徴とする。
【0018】
第6発明は、第1発明乃至第5発明のいずれかにおいて、前記周囲壁の内側に配置されて前記ケーシングの表側開口を覆う保護カバーを備え、前記保護カバーに形成した孔を貫通して前記各開閉器の操作レバーが前面側へ突出し、前記保護カバー及び前記操作レバーが前記蓋によって覆われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
第1発明では、開閉器エリアでの開閉器の配置が、上段取り付け部と下段取り付け部に分割した配置となるため、ケーシングの左右長さが短くなり、それに伴ってケーシングの前面開口を覆う蓋も小さくなり、集電箱全体が小さくできることとなる。そして、開閉器取り付け台の段差を利用して、下段取り付け部の開閉器からDC/DC変換回路へ接続するリード線が、上段取り付け部の裏側を潜って配線されることにより、下段取り付け部の開閉器からの配線が上段取り付け部の開閉器によって邪魔されないため、短いリード線でもって配線でき、配線作業もし易くなり、整理された状態での配線となる。
【0020】
第2発明では、開閉器エリアでの開閉器の配置が、上段取り付け部と下段取り付け部に分割した配置となるため、ケーシングの左右長さが短くなり、それに伴ってケーシングの前面開口を覆う蓋も小さくなり、集電箱全体が小さくできることとなる。そして、開閉器取り付け台の段差を利用して、下段取り付け部の開閉器からDC/DC変換回路へ接続するリード線が、上段取り付け部の裏側を潜って配線されることにより、下段取り付け部の開閉器からの配線が上段取り付け部の開閉器によって邪魔されないため、短いリード線でもって配線でき、配線作業もし易くなり、整理された状態での配線となる。そして、入力側となる開閉器と、出力側となる出力端子の配置が、DC/DC変換回路エリアの左右に分割配置となり、配線が短くできる好ましい配置となる。
【0021】
第3発明では、各DC/DC変換回路からパワーコンディショナへの出力からノイズを取り除くノイズフィルタ回路を設ける場合、出力端子と共にノイズフィルタ回路を出力側エリアに配置することにより、入力側となる開閉器と、出力側となる出力端子とノイズフィルタ回路の配置が、DC/DC変換回路エリアの左右に分割配置となり、配線が短くできる好ましい配置となる。
【0022】
第4発明では、上段取り付け部の2個の開閉器に対して下段取り付け部の開閉器の上下方向位置が横にずれた配置であるため、下段取り付け部の開閉器の側方が上段取り付け部の2個の開閉器に接続される入力側のリード線の配置エリアとなり、短いリード線でもって配線もし易くなり、整理された状態での配線となる。
【0023】
第5発明では、パワー素子を取り付けたヒートシンクがケーシングの裏壁の一部を構成するため、ケーシング自体の裏壁が少ない材料となり、且つ、ケーシングの厚さが厚くなるという問題を解決でき、ケーシング自体の小型化ができると共に、集電箱内のパワー素子の発熱が良好となり、動作の安定した集電箱を得ることができる。
【0024】
第6発明は、保護カバーによってケーシングの表側開口を覆うことができ、開閉器のON−OFF操作は表側の蓋を開いた状態で可能となるため、スイッチ操作に支障はなく、且つ、表側の蓋を開いたとき、直ちにDC/DC変換回路などへ人体が触れることが防止され安全を維持できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る集電箱の内部構成を示す分解斜視図である。
【図2】本発明に係る集電箱の下段の1個の開閉器を取り外した状態でのケーシングの内部構成と配線状態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る開閉器エリアの開閉器の配置と配線状態を示す図である。
【図4】本発明に係る開閉器エリアに設けた開閉器取り付け台の斜視図である。
【図5】本発明に係る集電箱のケーシングの内部構成を示す図である。
【図6】本発明に係る集電箱の回路構成図である。
【図7】本発明に係る集電箱の背面側の斜視図である。
【図8】本発明に係る集電箱の正面側の斜視図である。
【図9】本発明に係る集電箱の表側の蓋を外した状態の正面側の斜視図である。
【図10】本発明に係る集電箱を建物の外壁に取り付けた状態の側面図である。
【図11】本発明に係る集電箱内の発熱性電気素子がヒートシンクへ伝熱状態に取り付けられた状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、太陽電池ストリングからの直流電力を入力源として所要の電気処理動作によって出力する直流電力を、直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナへ供給する集電箱であって、縦方向配置の裏壁と周囲壁によって表側開口を形成したケーシングと、前記ケーシングの表側開口を密閉するように前記ケーシングに着脱可能に固定される蓋を備え、
前記ケーシング内には、複数の太陽電池ストリングからのそれぞれの直流電力に対応するように構成された複数のDC/DC変換回路を横一列に配置するDC/DC変換回路エリアと、前記DC/DC変換回路ごとに入力回路を開閉する開閉器を配置する開閉器エリアと、前記DC/DC変換回路とパワーコンディショナの入力側を接続する出力端子を収容する出力側エリアが前記DC/DC変換回路エリアの一側方に配置され、
前記開閉器エリアには、前記DC/DC変換回路ごとに設けた開閉器のうち、2個の開閉器が横配置で上位置に配置される上段取り付け部と、残りの開閉器が下位置に配置される下段取り付け部を形成した開閉器取り付け台を備え、前記下段取り付け部に対して前記上段取り付け部が前記ケーシングの前側方向に張り出した段差状であり、
前記下段取り付け部の開閉器から前記DC/DC変換回路へ接続するリード線が、前記上段取り付け部の裏側を潜って配線される構成であり、以下にその実施例を図に基づき説明する。
【実施例1】
【0027】
本発明に係る集電箱1は、複数の太陽電池モジュール3を電気的接続した太陽電池ストリング2からの直流電力を入力源として所要の電気処理動作によって直流電力を出力するものであり、この直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナ4へ供給するものである。パワーコンディショナ4は、集電箱1から供給される直流電力を交流電力に変換するインバータ回路を備え、商用電力系統GRIDの周波数に相当する所定の低周波数の正弦波の交流電力として、例えば、単相交流200Vの商用電力系統GRIDへ供給する構成である。
【0028】
その場合、特に、本発明では、家屋の屋根の東西南北にそれぞれ1セットの太陽電池発電パネル群を設置する関係にて合計4セットを配置する場合のように、複数セットの太陽電池発電パネル群から供給される直流電力が、DC/DC変換回路を含む集電箱1を介して直流電力を交流電力に変換するインバータ回路を含むパワーコンディショナ4へ供給される場合の集電箱1に関する技術である。この場合、一つの太陽電池発電パネル群に相当するものが、本発明における一つの太陽電池ストリングに相当するものとして説明する。このため、以下の実施例では、上記4セットの太陽電池発電パネル郡は、4個(4セット)の太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dに相当するものとして説明する。
【0029】
太陽電池ストリング2は、図6に示すように、複数の太陽電池モジュール3を電気的に直列/並列接続して構成したものであり、太陽電池モジュール3は、複数の太陽電池セルを電気的に直列/並列接続して構成されている。実施例では、太陽電池ストリング2が4個の太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dで構成され、各太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dは、それぞれ複数の太陽電池モジュール3を電気的に直列/並列接続して構成されており、各太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dには、発電する直流電力を取り出すために、それぞれ2本のリード線R1、R2が接続されている。なお、太陽電池ストリング2Aは、複数の太陽電池ストリングが電気的に直列に接続された構成であってもよく、太陽電池ストリング2B、2C及び2Dについても同様である。
【0030】
集電箱1は、縦方向配置の裏壁5Aと周囲壁5Bによって横長の略矩形状の表側開口5Cを形成した横長の箱形のケーシング5と、このケーシング5の表側開口5Cを密閉するようにケーシング5に着脱可能に固定される箱形の表側の蓋6を備える横長形状である。ケーシング5及び蓋6は、金属性または合成樹脂製である。ケーシング5と蓋6の関係は、蓋6の上端フランジがケーシング5の周囲壁5Bの上部フランジ5Fに係止した状態で、ケーシング5の周囲壁5Bの下部に蓋6の下部フランジをネジ23で固定することにより、蓋6の裏側周囲に設けたパッキン(図示せず)がケーシング5の周囲壁5Bの先端に密着して、ケーシング5内への雨水が進入しない防水状態となり、屋外設置式に適するものとなる。
【0031】
集電箱1は、図10、図11に示すように、建物の外壁等の取り付け壁40に沿って縦方向に取り付けられる屋外設置式である場合と、建物の内壁等の取り付け壁40に沿って縦方向に取り付けられる屋内設置式である場合のいずれにも適用できるものであり、図7に示すように、ケーシング5の裏壁5Aに固定した左右の取り付け補助部材41の上端部が、取り付け壁40に沿って固定した取り付け板42の左右上端部42Aに係止すると共に、各取り付け補助部材41の下端部が取り付け板42の左右下端の保持辺42Bに載置されて支持される状態で取り付けられる。左側の取り付け補助部材41の外側面と、右側の取り付け補助部材41の外側面は、それぞれ対応する取り付け補助部材41、41にネジ44にて固定される化粧カバー43によって覆われている。
【0032】
集電箱1には、太陽電池ストリング2から供給される直流電力を入力源として昇圧動作などの所要の電気処理動作によって所要の直流電力を出力する直流・直流変換回路(DC/DC変換回路という)7と、太陽電池ストリング2からDC/DC変換回路7へ供給される直流電力を開閉する開閉器8と、DC/DC変換回路7から出力される直流電力をパワーコンディショナ4へ供給するための出力端子9が収容されている。
【0033】
本発明では、複数の太陽電池モジュール3を電気的に直列/並列接続して一つの太陽電池ストリング2を構成し、この一つの太陽電池ストリング2に対応して一つのDC/DC変換回路7と一つの開閉器8を備える関係を1セットとして、これの複数セットを備える構成である。実施例では、4個の太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dを備え、これら太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dにそれぞれ対応して、4個のDC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dと、4個の開閉器8A、8B、8C、8Dを備える関係である。
【0034】
このため、図1、図2及び図5に示すように、ケーシング5内には、このDC/DC変換回路の複数が横一列に並列配置されるDC/DC変換回路エリア7Sと、このDC/DC変換回路ごとに入力回路を開閉する開閉器8を配置する開閉器エリア8Sと、前記DC/DC変換回路とパワーコンディショナ4の入力側を接続する出力端子9を収容する出力側エリア9Sとを備え、DC/DC変換回路エリア7Sの一側方に入力側エリアとなる開閉器エリア8Sが配置され、DC/DC変換回路エリア7Sの他側方に出力側エリア9Sが配置されている。
【0035】
具体的には、図1、図2及び図5に示すように、各太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dにそれぞれ対応するDC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dが、並列状態となるように横一列にDC/DC変換回路エリア7Sに配置され、このDC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dごとに入力回路を開閉する開閉器8A、8B、8C、8Dが開閉器エリア8Sに配置され、この開閉器エリア8SがDC/DC変換回路エリア7Sの一側方に設けられている。更に、DC/DC変換回路エリア7Sの他側方には、出力端子9を収容する出力側エリア9Sが配置されている。実施例ではDC/DC変換回路7の出力側にノイズフィルタ回路10を設けているため、ノイズフィルタ回路10は出力側エリア9Sに配置されている。
【0036】
なお、一つの太陽電池モジュール3によって一つの太陽電池ストリングを構成する関係によって構成された複数の太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dを揃え、それぞれの太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dからの直流電力を受けるように、DC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dを備える構成でもよい。
【0037】
このように各太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dにそれぞれ対応して、それぞれ開閉器8A、8B、8C、8D、及びDC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dを設けているが、更に具体的には、図6に示すように、太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dからの直流電力が、それぞれ入力側リード線R1、R2にて開閉器8A、8B、8C、8Dの入力側に接続され、開閉器8A、8B、8C、8Dの出力側は、それぞれリード線R3、R4にてDC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dの入力側に接続され、DC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dの直流出力は、共通のプラス電力のリード線R5とマイナス電力のリード線R6にてノイズフィルタ回路10に接続され、ノイズフィルタ回路10の出力はリード線R7、R8にて出力端子9に接続され、出力端子9にはパワーコンディショナ4の入力ラインR9、R10、R11が接続されている。なお、ノイズフィルタ回路10を設けない場合は、DC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dの直流出力は、共通のリード線R5、R6にて出力端子9に接続される。
【0038】
DC/DC変換回路7は、それぞれ一つの太陽電池ストリングに対応するパワー基板と制御基板を一組として備えており、図示の4組の形態では、DC/DC変換回路7Aは、太陽電池ストリング2Aに対応するパワー基板11Aと制御基板12Aを一組として備え、DC/DC変換回路7Bは、太陽電池ストリング2Bに対応するパワー基板11Bと制御基板12Bを一組として備え、DC/DC変換回路7Cは、太陽電池ストリング2Cに対応するパワー基板11Cと制御基板12Cを一組として備え、DC/DC変換回路7Dは、太陽電池ストリング2Dに対応するパワー基板11Dと制御基板12Dを一組として備える。このように構成された複数の組(実施例では4組)が横一列にケーシング5内のDC/DC変換回路エリア7Sに配置されている。パワー基板11A、11B、11C及び11Dは、ケーシング5の裏壁5Aに略平行に上下方向に略垂直状態に取り付けられ、また、制御基板12A、12B、12C及び12Dは、それぞれ対応するパワー基板11A、11B、11C及び11Dに対して前方に向けて略垂直に配置されている。
【0039】
この構成において、開閉器8A、8B、8C、8Dは、それぞれ対応するDC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dのパワー基板11A、11B、11C、11Dの入力回路をON状態とOFF状態にするために、手動操作によって開閉するものである。
【0040】
パワー基板11A、11B、11C、11Dには、それぞれ昇圧回路用のリアクトルL0とコンデンサC0等が取り付けられ、更に、後述のように発熱の大きなパワー素子とダイオードやその他の回路素子が取り付けられている。また、ノイズフィルタ回路10の基板10Aには、高周波ノイズ防止用のリアクトルL4とコンデンサC4、C5やその他の回路素子が取り付けられている。
【0041】
本発明では、集電箱1の小型化と、ケーシング5の小型化と、更に集電箱1内の配線のし易さを達成するために、開閉器8A、8B、8C、8Dの配置及び取り付け構造に特徴がある。以下これについて説明する。
【0042】
先ず、開閉器エリア8Sには、DC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dごとに設けた開閉器8A、8B、8C、8Dのうち、2個の開閉器(図示では8B、8C)が横並びの配置で上位置に配置される上段取り付け部13Aと、残りの開閉器(図示では8A、8D)が下位置に配置される下段取り付け部13Bを形成した開閉器取り付け台13を備え、下段取り付け部13Bに対して上段取り付け部13Aが、ケーシング5の前側方向に張り出した段差状である。
【0043】
図4に示すように、上段取り付け部13Aには、2個の開閉器8B、8Cが横並び配置となるように、開閉器取り付け孔13Eが間隔を存して形成され、下段取り付け部13Bには、2個の開閉器8A、8Dが横並び配置となるように、開閉器取り付け孔13Fが間隔を存して形成されている。また、段差部13Cには、リード線挿通用の貫通孔及びまたは切り欠き13Dが形成されている。これによって、図2、図3などに示すように、下段取り付け部の開閉器8A、8Dから対応するDC/DC変換回路7A、7Cへ接続するリード線R3、R4が、貫通孔及びまたは切り欠き13Dを通り上段取り付け部13Aの裏側を潜って配線されることとなる。このように開閉器を上下配置しても、上段取り付け部13Aの開閉器8B、8Cと下段取り付け部13Bの開閉器8A、8Dとの間隔を小さくでき、ケーシング5の上下長さがそれによって大きくなることがない。そして、下段取り付け部13Bの開閉器8A、8Dからのリード線R3、R4の配線が、上段取り付け部13Aの裏側を潜って配線されるため、上段取り付け部13Aの開閉器8B、8Cによって邪魔されず、短いリード線でもって配線でき、配線作業もし易くなり、整理された状態での配線となる。
【0044】
また、図3に示すように、上段取り付け部13Aの2個の開閉器8B、8Cに対して、下段取り付け部13Bの開閉器8A、8Dの上下方向位置が横にL1、L2、L3だけずれた配置であり、図2、図3及び図5に示すように、下段取り付け部13Bの開閉器8A、8Dの側方が、上段取り付け部13Aの2個の開閉器8B、8Cに接続される入力側のリード線R1、R2の配置エリアとなっている。これによって、上段取り付け部13Aの2個の開閉器8B、8Cに接続される入力側のリード線R1、R2が短いリード線でもって配線でき、配線作業もし易くなり、整理された状態での配線となる。なお、上段取り付け部13Aの2個の開閉器8B、8Cに接続される入力側のリード線R1、R2を保持する保持具14A、14Bが、下段取り付け部13Bの開閉器8A、8Dの側方に取り付けられている。この保持具14A、14Bは、リード線R1、R2を上方から押し込むことによって左右に開く弾性部材で構成されている。なお、横にずれる寸法L1、L2、L3は同じでもよい。
【0045】
次に、ケーシング5の裏壁5Aの少なくとも一部がヒートシンク15で構成されている。ヒートシンク15はアルミニウム製であり、平板状の基板15Aの裏側に左右並行に配列された上下方向に延びる複数の放熱フィン15Bとから構成され、基板15Aがケーシング5の裏壁5Aに形成した矩形状等の孔からケーシング5内に露出するように、この矩形状等の孔の周縁部で裏壁5Aに、基板15Aの周縁部が液密のシール状態に取り付けられている。これによって、放熱フィン15B間に形成される空気通路を上下方向とする状態で、放熱フィン15Bがケーシング5の裏壁5Aの後方へ長く突出する状態となる。
【0046】
DC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dは、それぞれ対応する制御基板12A、12B、12C、12Dに取り付けた電気回路によって、対応するパワー基板11A、11B、11C、11Dに取り付けたパワー素子としてのスイッチング素子16A、16B、16C、16Dをスイッチング制御することにより、対応する太陽電池モジュール2A、2B、2C、2Dから供給される出力電力の最大点で動作する制御を行うように構成されている。スイッチング素子16A、16B、16C、16Dは、IGBT(Integrated Gate Bipolar Transistor)と称するものなど大電流に対応するものを用いる。
【0047】
このような動作をすることにより、パワー素子としてのスイッチング素子16A、16B、16C、16Dからの発熱は大きくなる。このため、これらパワー素子は発熱性電気素子である。集電箱1は、ケーシング5の表側開口5Cが蓋6で閉じられる構成であり、屋外設置式の場合はケーシング5と蓋6との間がシール材によってシールされ、内部へ水が浸入しないような防水構造である。ここらパワー素子からの発熱が集電箱1内に篭れば、DC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dなどの電気部品が損傷する虞があり、この熱の放散が必要となる。そのため、図11に示すように、ケーシング5の裏壁5Aに形成した孔5Pを通して、パワー素子であるスイッチング素子16A、16B、16C、16Dがヒートシンク15の基板15Aに伝熱状態に取り付けられ、このスイッチング素子16A、16B、16C、16Dの発熱が、ヒートシンク15によって集電箱1の外へ放出されるようにしている。
【0048】
なお、他のパワー素子として、DC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dの動作によって発熱するダイオードがあれば、このダイオードから発する熱もヒートシンク15によって集電箱1の外へ放出されるように、ヒートシンク15の基板15Aにこのダイオードが伝熱状態に取り付けられる。
【0049】
このように、ケーシング5の裏壁5Aの少なくとも一部がヒートシンク15で構成され、ケーシング5の外にヒートシンク15が露出する構成であり、ヒートシンク15にDC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dに取り付けたパワー素子であるスイッチング素子16A、16B、16C、16Dやダイオードを伝熱状態に取り付けたことにより、ケーシング5自体の裏壁5Aが少ない材料となり、且つ、ケーシング5の厚さが厚くなるという問題を解決でき、ケーシング5自体の小型化ができると共に、集電箱1内のパワー素子の発熱が良好となり、動作の安定した集電箱1を得ることができる。
【0050】
また、表側の蓋6を開いたとき、直ちにDC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dなどへ人体が触れることを防止するために、ケーシング5の表側開口5Cが保護カバー17によって覆われている。保護カバー17は、ケーシング5の周囲壁5Bの内側に周囲壁5Bに沿う大きさで以ってケーシング5にネジ止めされている。保護カバー17には、各開閉器8A、8B、8C、8Dの操作レバー8Kが前面側へ突出するための矩形状の孔18が形成されており、表側の蓋6を開いた状態で、操作レバー8Kを操作することにより、各開閉器8A、8B、8C、8DをON−OFFできる。そして、表側の蓋6を閉じることによって、保護カバー17及び操作レバー8Kが蓋6によって覆われる状態となる。
【0051】
太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dと対応する開閉器8A、8B、8C、8Dとを接続するリード線R1、R2は、図10に示すように建物の外壁または内壁等の取り付け壁40に沿って配置する場合は、保護パイプ21で覆われた状態で、ケーシング5の周囲壁5Bの下側壁に形成した孔19に挿通される。また、出力端子9に接続されるパワーコンディショナ4の入力ラインR9、R10、R11も同様に保護パイプで覆われた状態で、ケーシング5の周囲壁5Bの下側壁に形成した孔20に挿通される。なお、リード線R1、R2並びに入力ラインR9、R10、R11を取り付け壁40の中に配線する場合は、ケーシング5の裏壁5Aに形成した孔21にリード線R1、R2を挿通し、また入力ラインR9、R10、R11を孔22に挿通することにより達成される。
【0052】
上記実施例では、太陽電池ストリング2は、4個の太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dとしている。これは、家屋の屋根などに設置する場合の集光発電状態を考慮して、太陽電池ストリング2Aを東側に、太陽電池ストリング2Bを西側に、太陽電池ストリング2Cを南側に、太陽電池ストリング2Dを北側に向けて設置する場合を示しているが、日当たりの悪い北側設置を省く場合は、太陽電池ストリング2Dと、それに対応する開閉器8D及びDC/DC変換回路7Dを省くことにより対処する。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係る集電箱は、上記実施例に示した構成に限定されず、種々の形態のものに適用できるものであり、本発明の技術範囲において種々の形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0054】
1・・・・・集電箱
2・・・・・太陽電池ストリング
2A、2B、2C、2D・・・太陽電池ストリング
2S・・・・ケーシング2の周囲壁
3・・・・・太陽電池モジュール
4・・・・・パワーコンディショナ
5・・・・・ケーシング
5A・・・・ケーシングの裏壁
5B・・・・ケーシングの周囲壁
5C・・・・ケーシングの表側開口
6・・・・・表側の蓋
7・・・・・直流・直流変換回路(DC/DC変換回路という)
7A、7B、7C、7D・・・DC/DC変換回路
7S・・・・DC/DC変換回路エリア
8・・・・・開閉器
8A、8B、8C、8D・・・開閉器
8K・・・・開閉器の操作レバー
8S・・・・開閉器エリア
9・・・・・出力端子
9S・・・・出力側エリア
10・・・・ノイズフィルタ回路
11A、11B、11C、11D・・・パワー基板
12A、12B、12C、12D・・・制御基板
13・・・・開閉器取り付け台
13A・・・上段取り付け部
13B・・・下段取り付け部
14A、14B・・・保持具
15・・・・ヒートシンク
16A、16B、16C、16D・・・スイッチング素子(パワー素子)
17・・・・保護カバー
18・・・・孔
19〜22・・・孔
L0・・・・昇圧回路用リアクトル
C0・・・・昇圧回路用コンデンサ
L4・・・・高周波ノイズ防止用のリアクトル
C4、C5・・・高周波ノイズ防止用のコンデンサ
R1〜R11・・・リード線
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーコンディショナ(直流電力を交流電力に変換する電力変換装置)に接続される集電箱に関し、特に、太陽電池ストリングとパワーコンディショナとの間に介在して所要の電気処理動作をする集電箱の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
屋根に設置される複数の太陽電池ストリングと、複数の太陽電池ストリングからの配線を一つにまとめてその直流電力をパワーコンディショナに供給する接続箱と、接続箱からの直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナとによって構成される太陽光発電システムにおいて、接続箱が屋外設置の場合の防水構造についての発明が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−295990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特許文献1では、接続箱の筺体が、略箱形のケーシング本体2と、ケーシング本体の前面開口を覆う蓋3で構成され、ケーシング本体内には、4個のパワー基板30とこのパワー基板30に対して垂直配置の4個の制御基板35が横に配置され、一つのパワー基板30と一つの制御基板35からなる一組が、複数の太陽電池モジュールまたは複数の太陽電池セルを直列/並列接続した一つの太陽電池ストリングに対応した構成とし、この一組のパワー基板30と制御基板35によって、一つの太陽電池ストリングに対する昇圧動作などの各種の電気処理及び制御を実行する構成である。
【0005】
この特許文献1では、一つのパワー基板30と制御基板35を一組として、その4組がケーシング本体2内に横配置され、その側方には端子台20が配置され、この端子台20には、一つのパワー基板30と制御基板35の一組ごとに対応するように入力端子22を備える4個の開閉器21が横一列に配置され、更にパワーコンディショナ側に接続される出力端子23を取り付けている。
【0006】
更に、この特許文献1では、これらパワー基板30と制御基板35の4組を覆うように、一つの基板カバー40がケーシング本体2に取り付けられ、また、端子台20を覆うように端子台カバー50がケーシング本体2に取り付けられている。
【0007】
更にまた、この特許文献1では、ケーシング本体2内に配置したパワー基板30に取り付けたIGBTなどの発熱量の大きな高圧駆動のパワー素子が、ヒートシンクのベース板の背面に取り付けられ、このヒートシンクがケーシング本体2内に配置され、ケーシング本体2の上板2bと下板2cに通気孔6と7が形成された構成である。
【0008】
本発明は、特許文献1と同様に、パワーコンディショナに接続される屋外設置式の集電箱であるが、その内部構造が特許文献1とは全く異なる点で新規な発明を提供する。即ち、特許文献1では、ケーシング本体内に、一つのパワー基板30と制御基板35を一組とした4組が横配置される基板配置エリアと、その左側には、入力側となる4個の開閉器21と出力側となる出力端子23が取り付けられる端子台20の配置エリアが形成され、4個の開閉器21が横一列に配置されており、これによって、ケーシング本体2の左右長さが長くなり、それに伴ってケーシング本体の前面開口を覆う蓋3も大きくなり、接続箱全体が大きくなるという問題がある。
【0009】
また、特許文献1では、上記のように、パワー素子を取り付けたヒートシンクがケーシング本体内に配置されており、これによって、ケーシング本体2の厚さが厚くなるという問題がある。
【0010】
本発明は、一つのパワー基板と制御基板を一組として複数組を収容する基板配置エリアの側方には、入力側となる開閉器のうち、横配置の2個の開閉器を上位置とし、残りの開閉器が下位置となるように配置する特定構成で以って、ケーシング本体の左右長さが短くなり、それに伴ってケーシング本体の前面開口を覆う蓋も小さくなり、接続箱全体が小さくできることとなり、上記のような接続箱全体が大きくなるという問題を解決するものである。
【0011】
また、本発明は、一つのパワー基板と制御基板を一組として複数組を収容するDC/DC変換回路エリアの一側方を入力側配置部とし、他側方を出力側配置部とし、入力側配置部には、横配置の2個の開閉器を上位置とし、残りの開閉器が下位置となるように配置し、出力側配置部には出力端子等を配置する特定構成で以って、上記のような問題を解決するものである。
【0012】
更に、本発明は、パワー素子を取り付けたヒートシンクは、ケーシング本体の外に露出状態にケーシング本体に取り付けることにより、ケーシング本体の厚さが厚くなるという問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1発明は、太陽電池ストリングからの直流電力を入力源として所要の電気処理動作によって出力する直流電力を、直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナへ供給する集電箱であって、縦方向配置の裏壁と周囲壁によって表側開口を形成したケーシングと、前記ケーシングの表側開口を密閉するように前記ケーシングに着脱可能に固定される蓋を備え、
前記ケーシング内には、複数の太陽電池ストリングからのそれぞれの直流電力に対応するように構成された複数のDC/DC変換回路を横一列に配置するDC/DC変換回路エリアと、前記DC/DC変換回路ごとに入力回路を開閉する開閉器を配置する開閉器エリアと、前記DC/DC変換回路とパワーコンディショナの入力側を接続する出力端子を収容する出力側エリアが前記DC/DC変換回路エリアの一側方に配置され、
前記開閉器エリアには、前記DC/DC変換回路ごとに設けた開閉器のうち、2個の開閉器が横配置で上位置に配置される上段取り付け部と、残りの開閉器が下位置に配置される下段取り付け部を形成した開閉器取り付け台を備え、前記下段取り付け部に対して前記上段取り付け部が前記ケーシングの前側方向に張り出した段差状であり、
前記下段取り付け部の開閉器から前記DC/DC変換回路へ接続するリード線が、前記上段取り付け部の裏側を潜って配線されることを特徴とする。
【0014】
第2発明は、太陽電池ストリングからの直流電力を入力源として所要の電気処理動作によって出力する直流電力を、直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナへ供給する集電箱であって、縦方向配置の裏壁と周囲壁によって表側開口を形成したケーシングと、前記ケーシングの表側開口を密閉するように前記ケーシングに着脱可能に固定される蓋を備え、
前記ケーシング内には、複数の太陽電池ストリングからのそれぞれの直流電力に対応するように構成された複数のDC/DC変換回路を横一列に配置するDC/DC変換回路エリアと、前記DC/DC変換回路ごとに入力回路を開閉する開閉器8を配置する開閉器エリアと、前記DC/DC変換回路とパワーコンディショナの入力側を接続する出力端子を収容する出力側エリアとを備え、
DC/DC変換回路エリアの一側方に入力側エリアとなる開閉器エリアが配置され、DC/DC変換回路エリアの他側方に出力側エリアが配置され、
前記開閉器エリアには、前記DC/DC変換回路ごとに設けた開閉器のうち、2個の開閉器が横配置で上位置に配置される上段取り付け部と、残りの開閉器が下位置に配置される下段取り付け部を形成した開閉器取り付け台を備え、前記下段取り付け部に対して前記上段取り付け部が前記ケーシングの前側方向に張り出した段差状であり、
前記下段取り付け部の開閉器から前記DC/DC変換回路へ接続するリード線が、前記上段取り付け部の裏側を潜って配線されることを特徴とする。
【0015】
第3発明は、第2発明において、前記出力側エリアには、前記出力端子とノイズフィルタ回路とを配置したことを特徴とする。
【0016】
第4発明は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、前記上段取り付け部の2個の開閉器に対して前記下段取り付け部の開閉器の上下方向位置が横にずれた配置であり、前記下段取り付け部の開閉器の側方が、前記上段取り付け部の2個の開閉器に接続される入力側のリード線の配置エリアとなることを特徴とする。
【0017】
第5発明は、第1発明乃至第4発明のいずれかにおいて、放熱フィンが前記ケーシングの裏壁よりも後方へ突出する状態で前記ケーシングの裏壁の少なくとも一部がヒートシンクで構成され、前記ヒートシンクに前記DC/DC変換回路に取り付けたパワー素子を伝熱状態に取り付けたことを特徴とする。
【0018】
第6発明は、第1発明乃至第5発明のいずれかにおいて、前記周囲壁の内側に配置されて前記ケーシングの表側開口を覆う保護カバーを備え、前記保護カバーに形成した孔を貫通して前記各開閉器の操作レバーが前面側へ突出し、前記保護カバー及び前記操作レバーが前記蓋によって覆われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
第1発明では、開閉器エリアでの開閉器の配置が、上段取り付け部と下段取り付け部に分割した配置となるため、ケーシングの左右長さが短くなり、それに伴ってケーシングの前面開口を覆う蓋も小さくなり、集電箱全体が小さくできることとなる。そして、開閉器取り付け台の段差を利用して、下段取り付け部の開閉器からDC/DC変換回路へ接続するリード線が、上段取り付け部の裏側を潜って配線されることにより、下段取り付け部の開閉器からの配線が上段取り付け部の開閉器によって邪魔されないため、短いリード線でもって配線でき、配線作業もし易くなり、整理された状態での配線となる。
【0020】
第2発明では、開閉器エリアでの開閉器の配置が、上段取り付け部と下段取り付け部に分割した配置となるため、ケーシングの左右長さが短くなり、それに伴ってケーシングの前面開口を覆う蓋も小さくなり、集電箱全体が小さくできることとなる。そして、開閉器取り付け台の段差を利用して、下段取り付け部の開閉器からDC/DC変換回路へ接続するリード線が、上段取り付け部の裏側を潜って配線されることにより、下段取り付け部の開閉器からの配線が上段取り付け部の開閉器によって邪魔されないため、短いリード線でもって配線でき、配線作業もし易くなり、整理された状態での配線となる。そして、入力側となる開閉器と、出力側となる出力端子の配置が、DC/DC変換回路エリアの左右に分割配置となり、配線が短くできる好ましい配置となる。
【0021】
第3発明では、各DC/DC変換回路からパワーコンディショナへの出力からノイズを取り除くノイズフィルタ回路を設ける場合、出力端子と共にノイズフィルタ回路を出力側エリアに配置することにより、入力側となる開閉器と、出力側となる出力端子とノイズフィルタ回路の配置が、DC/DC変換回路エリアの左右に分割配置となり、配線が短くできる好ましい配置となる。
【0022】
第4発明では、上段取り付け部の2個の開閉器に対して下段取り付け部の開閉器の上下方向位置が横にずれた配置であるため、下段取り付け部の開閉器の側方が上段取り付け部の2個の開閉器に接続される入力側のリード線の配置エリアとなり、短いリード線でもって配線もし易くなり、整理された状態での配線となる。
【0023】
第5発明では、パワー素子を取り付けたヒートシンクがケーシングの裏壁の一部を構成するため、ケーシング自体の裏壁が少ない材料となり、且つ、ケーシングの厚さが厚くなるという問題を解決でき、ケーシング自体の小型化ができると共に、集電箱内のパワー素子の発熱が良好となり、動作の安定した集電箱を得ることができる。
【0024】
第6発明は、保護カバーによってケーシングの表側開口を覆うことができ、開閉器のON−OFF操作は表側の蓋を開いた状態で可能となるため、スイッチ操作に支障はなく、且つ、表側の蓋を開いたとき、直ちにDC/DC変換回路などへ人体が触れることが防止され安全を維持できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る集電箱の内部構成を示す分解斜視図である。
【図2】本発明に係る集電箱の下段の1個の開閉器を取り外した状態でのケーシングの内部構成と配線状態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る開閉器エリアの開閉器の配置と配線状態を示す図である。
【図4】本発明に係る開閉器エリアに設けた開閉器取り付け台の斜視図である。
【図5】本発明に係る集電箱のケーシングの内部構成を示す図である。
【図6】本発明に係る集電箱の回路構成図である。
【図7】本発明に係る集電箱の背面側の斜視図である。
【図8】本発明に係る集電箱の正面側の斜視図である。
【図9】本発明に係る集電箱の表側の蓋を外した状態の正面側の斜視図である。
【図10】本発明に係る集電箱を建物の外壁に取り付けた状態の側面図である。
【図11】本発明に係る集電箱内の発熱性電気素子がヒートシンクへ伝熱状態に取り付けられた状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、太陽電池ストリングからの直流電力を入力源として所要の電気処理動作によって出力する直流電力を、直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナへ供給する集電箱であって、縦方向配置の裏壁と周囲壁によって表側開口を形成したケーシングと、前記ケーシングの表側開口を密閉するように前記ケーシングに着脱可能に固定される蓋を備え、
前記ケーシング内には、複数の太陽電池ストリングからのそれぞれの直流電力に対応するように構成された複数のDC/DC変換回路を横一列に配置するDC/DC変換回路エリアと、前記DC/DC変換回路ごとに入力回路を開閉する開閉器を配置する開閉器エリアと、前記DC/DC変換回路とパワーコンディショナの入力側を接続する出力端子を収容する出力側エリアが前記DC/DC変換回路エリアの一側方に配置され、
前記開閉器エリアには、前記DC/DC変換回路ごとに設けた開閉器のうち、2個の開閉器が横配置で上位置に配置される上段取り付け部と、残りの開閉器が下位置に配置される下段取り付け部を形成した開閉器取り付け台を備え、前記下段取り付け部に対して前記上段取り付け部が前記ケーシングの前側方向に張り出した段差状であり、
前記下段取り付け部の開閉器から前記DC/DC変換回路へ接続するリード線が、前記上段取り付け部の裏側を潜って配線される構成であり、以下にその実施例を図に基づき説明する。
【実施例1】
【0027】
本発明に係る集電箱1は、複数の太陽電池モジュール3を電気的接続した太陽電池ストリング2からの直流電力を入力源として所要の電気処理動作によって直流電力を出力するものであり、この直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナ4へ供給するものである。パワーコンディショナ4は、集電箱1から供給される直流電力を交流電力に変換するインバータ回路を備え、商用電力系統GRIDの周波数に相当する所定の低周波数の正弦波の交流電力として、例えば、単相交流200Vの商用電力系統GRIDへ供給する構成である。
【0028】
その場合、特に、本発明では、家屋の屋根の東西南北にそれぞれ1セットの太陽電池発電パネル群を設置する関係にて合計4セットを配置する場合のように、複数セットの太陽電池発電パネル群から供給される直流電力が、DC/DC変換回路を含む集電箱1を介して直流電力を交流電力に変換するインバータ回路を含むパワーコンディショナ4へ供給される場合の集電箱1に関する技術である。この場合、一つの太陽電池発電パネル群に相当するものが、本発明における一つの太陽電池ストリングに相当するものとして説明する。このため、以下の実施例では、上記4セットの太陽電池発電パネル郡は、4個(4セット)の太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dに相当するものとして説明する。
【0029】
太陽電池ストリング2は、図6に示すように、複数の太陽電池モジュール3を電気的に直列/並列接続して構成したものであり、太陽電池モジュール3は、複数の太陽電池セルを電気的に直列/並列接続して構成されている。実施例では、太陽電池ストリング2が4個の太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dで構成され、各太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dは、それぞれ複数の太陽電池モジュール3を電気的に直列/並列接続して構成されており、各太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dには、発電する直流電力を取り出すために、それぞれ2本のリード線R1、R2が接続されている。なお、太陽電池ストリング2Aは、複数の太陽電池ストリングが電気的に直列に接続された構成であってもよく、太陽電池ストリング2B、2C及び2Dについても同様である。
【0030】
集電箱1は、縦方向配置の裏壁5Aと周囲壁5Bによって横長の略矩形状の表側開口5Cを形成した横長の箱形のケーシング5と、このケーシング5の表側開口5Cを密閉するようにケーシング5に着脱可能に固定される箱形の表側の蓋6を備える横長形状である。ケーシング5及び蓋6は、金属性または合成樹脂製である。ケーシング5と蓋6の関係は、蓋6の上端フランジがケーシング5の周囲壁5Bの上部フランジ5Fに係止した状態で、ケーシング5の周囲壁5Bの下部に蓋6の下部フランジをネジ23で固定することにより、蓋6の裏側周囲に設けたパッキン(図示せず)がケーシング5の周囲壁5Bの先端に密着して、ケーシング5内への雨水が進入しない防水状態となり、屋外設置式に適するものとなる。
【0031】
集電箱1は、図10、図11に示すように、建物の外壁等の取り付け壁40に沿って縦方向に取り付けられる屋外設置式である場合と、建物の内壁等の取り付け壁40に沿って縦方向に取り付けられる屋内設置式である場合のいずれにも適用できるものであり、図7に示すように、ケーシング5の裏壁5Aに固定した左右の取り付け補助部材41の上端部が、取り付け壁40に沿って固定した取り付け板42の左右上端部42Aに係止すると共に、各取り付け補助部材41の下端部が取り付け板42の左右下端の保持辺42Bに載置されて支持される状態で取り付けられる。左側の取り付け補助部材41の外側面と、右側の取り付け補助部材41の外側面は、それぞれ対応する取り付け補助部材41、41にネジ44にて固定される化粧カバー43によって覆われている。
【0032】
集電箱1には、太陽電池ストリング2から供給される直流電力を入力源として昇圧動作などの所要の電気処理動作によって所要の直流電力を出力する直流・直流変換回路(DC/DC変換回路という)7と、太陽電池ストリング2からDC/DC変換回路7へ供給される直流電力を開閉する開閉器8と、DC/DC変換回路7から出力される直流電力をパワーコンディショナ4へ供給するための出力端子9が収容されている。
【0033】
本発明では、複数の太陽電池モジュール3を電気的に直列/並列接続して一つの太陽電池ストリング2を構成し、この一つの太陽電池ストリング2に対応して一つのDC/DC変換回路7と一つの開閉器8を備える関係を1セットとして、これの複数セットを備える構成である。実施例では、4個の太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dを備え、これら太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dにそれぞれ対応して、4個のDC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dと、4個の開閉器8A、8B、8C、8Dを備える関係である。
【0034】
このため、図1、図2及び図5に示すように、ケーシング5内には、このDC/DC変換回路の複数が横一列に並列配置されるDC/DC変換回路エリア7Sと、このDC/DC変換回路ごとに入力回路を開閉する開閉器8を配置する開閉器エリア8Sと、前記DC/DC変換回路とパワーコンディショナ4の入力側を接続する出力端子9を収容する出力側エリア9Sとを備え、DC/DC変換回路エリア7Sの一側方に入力側エリアとなる開閉器エリア8Sが配置され、DC/DC変換回路エリア7Sの他側方に出力側エリア9Sが配置されている。
【0035】
具体的には、図1、図2及び図5に示すように、各太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dにそれぞれ対応するDC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dが、並列状態となるように横一列にDC/DC変換回路エリア7Sに配置され、このDC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dごとに入力回路を開閉する開閉器8A、8B、8C、8Dが開閉器エリア8Sに配置され、この開閉器エリア8SがDC/DC変換回路エリア7Sの一側方に設けられている。更に、DC/DC変換回路エリア7Sの他側方には、出力端子9を収容する出力側エリア9Sが配置されている。実施例ではDC/DC変換回路7の出力側にノイズフィルタ回路10を設けているため、ノイズフィルタ回路10は出力側エリア9Sに配置されている。
【0036】
なお、一つの太陽電池モジュール3によって一つの太陽電池ストリングを構成する関係によって構成された複数の太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dを揃え、それぞれの太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dからの直流電力を受けるように、DC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dを備える構成でもよい。
【0037】
このように各太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dにそれぞれ対応して、それぞれ開閉器8A、8B、8C、8D、及びDC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dを設けているが、更に具体的には、図6に示すように、太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dからの直流電力が、それぞれ入力側リード線R1、R2にて開閉器8A、8B、8C、8Dの入力側に接続され、開閉器8A、8B、8C、8Dの出力側は、それぞれリード線R3、R4にてDC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dの入力側に接続され、DC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dの直流出力は、共通のプラス電力のリード線R5とマイナス電力のリード線R6にてノイズフィルタ回路10に接続され、ノイズフィルタ回路10の出力はリード線R7、R8にて出力端子9に接続され、出力端子9にはパワーコンディショナ4の入力ラインR9、R10、R11が接続されている。なお、ノイズフィルタ回路10を設けない場合は、DC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dの直流出力は、共通のリード線R5、R6にて出力端子9に接続される。
【0038】
DC/DC変換回路7は、それぞれ一つの太陽電池ストリングに対応するパワー基板と制御基板を一組として備えており、図示の4組の形態では、DC/DC変換回路7Aは、太陽電池ストリング2Aに対応するパワー基板11Aと制御基板12Aを一組として備え、DC/DC変換回路7Bは、太陽電池ストリング2Bに対応するパワー基板11Bと制御基板12Bを一組として備え、DC/DC変換回路7Cは、太陽電池ストリング2Cに対応するパワー基板11Cと制御基板12Cを一組として備え、DC/DC変換回路7Dは、太陽電池ストリング2Dに対応するパワー基板11Dと制御基板12Dを一組として備える。このように構成された複数の組(実施例では4組)が横一列にケーシング5内のDC/DC変換回路エリア7Sに配置されている。パワー基板11A、11B、11C及び11Dは、ケーシング5の裏壁5Aに略平行に上下方向に略垂直状態に取り付けられ、また、制御基板12A、12B、12C及び12Dは、それぞれ対応するパワー基板11A、11B、11C及び11Dに対して前方に向けて略垂直に配置されている。
【0039】
この構成において、開閉器8A、8B、8C、8Dは、それぞれ対応するDC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dのパワー基板11A、11B、11C、11Dの入力回路をON状態とOFF状態にするために、手動操作によって開閉するものである。
【0040】
パワー基板11A、11B、11C、11Dには、それぞれ昇圧回路用のリアクトルL0とコンデンサC0等が取り付けられ、更に、後述のように発熱の大きなパワー素子とダイオードやその他の回路素子が取り付けられている。また、ノイズフィルタ回路10の基板10Aには、高周波ノイズ防止用のリアクトルL4とコンデンサC4、C5やその他の回路素子が取り付けられている。
【0041】
本発明では、集電箱1の小型化と、ケーシング5の小型化と、更に集電箱1内の配線のし易さを達成するために、開閉器8A、8B、8C、8Dの配置及び取り付け構造に特徴がある。以下これについて説明する。
【0042】
先ず、開閉器エリア8Sには、DC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dごとに設けた開閉器8A、8B、8C、8Dのうち、2個の開閉器(図示では8B、8C)が横並びの配置で上位置に配置される上段取り付け部13Aと、残りの開閉器(図示では8A、8D)が下位置に配置される下段取り付け部13Bを形成した開閉器取り付け台13を備え、下段取り付け部13Bに対して上段取り付け部13Aが、ケーシング5の前側方向に張り出した段差状である。
【0043】
図4に示すように、上段取り付け部13Aには、2個の開閉器8B、8Cが横並び配置となるように、開閉器取り付け孔13Eが間隔を存して形成され、下段取り付け部13Bには、2個の開閉器8A、8Dが横並び配置となるように、開閉器取り付け孔13Fが間隔を存して形成されている。また、段差部13Cには、リード線挿通用の貫通孔及びまたは切り欠き13Dが形成されている。これによって、図2、図3などに示すように、下段取り付け部の開閉器8A、8Dから対応するDC/DC変換回路7A、7Cへ接続するリード線R3、R4が、貫通孔及びまたは切り欠き13Dを通り上段取り付け部13Aの裏側を潜って配線されることとなる。このように開閉器を上下配置しても、上段取り付け部13Aの開閉器8B、8Cと下段取り付け部13Bの開閉器8A、8Dとの間隔を小さくでき、ケーシング5の上下長さがそれによって大きくなることがない。そして、下段取り付け部13Bの開閉器8A、8Dからのリード線R3、R4の配線が、上段取り付け部13Aの裏側を潜って配線されるため、上段取り付け部13Aの開閉器8B、8Cによって邪魔されず、短いリード線でもって配線でき、配線作業もし易くなり、整理された状態での配線となる。
【0044】
また、図3に示すように、上段取り付け部13Aの2個の開閉器8B、8Cに対して、下段取り付け部13Bの開閉器8A、8Dの上下方向位置が横にL1、L2、L3だけずれた配置であり、図2、図3及び図5に示すように、下段取り付け部13Bの開閉器8A、8Dの側方が、上段取り付け部13Aの2個の開閉器8B、8Cに接続される入力側のリード線R1、R2の配置エリアとなっている。これによって、上段取り付け部13Aの2個の開閉器8B、8Cに接続される入力側のリード線R1、R2が短いリード線でもって配線でき、配線作業もし易くなり、整理された状態での配線となる。なお、上段取り付け部13Aの2個の開閉器8B、8Cに接続される入力側のリード線R1、R2を保持する保持具14A、14Bが、下段取り付け部13Bの開閉器8A、8Dの側方に取り付けられている。この保持具14A、14Bは、リード線R1、R2を上方から押し込むことによって左右に開く弾性部材で構成されている。なお、横にずれる寸法L1、L2、L3は同じでもよい。
【0045】
次に、ケーシング5の裏壁5Aの少なくとも一部がヒートシンク15で構成されている。ヒートシンク15はアルミニウム製であり、平板状の基板15Aの裏側に左右並行に配列された上下方向に延びる複数の放熱フィン15Bとから構成され、基板15Aがケーシング5の裏壁5Aに形成した矩形状等の孔からケーシング5内に露出するように、この矩形状等の孔の周縁部で裏壁5Aに、基板15Aの周縁部が液密のシール状態に取り付けられている。これによって、放熱フィン15B間に形成される空気通路を上下方向とする状態で、放熱フィン15Bがケーシング5の裏壁5Aの後方へ長く突出する状態となる。
【0046】
DC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dは、それぞれ対応する制御基板12A、12B、12C、12Dに取り付けた電気回路によって、対応するパワー基板11A、11B、11C、11Dに取り付けたパワー素子としてのスイッチング素子16A、16B、16C、16Dをスイッチング制御することにより、対応する太陽電池モジュール2A、2B、2C、2Dから供給される出力電力の最大点で動作する制御を行うように構成されている。スイッチング素子16A、16B、16C、16Dは、IGBT(Integrated Gate Bipolar Transistor)と称するものなど大電流に対応するものを用いる。
【0047】
このような動作をすることにより、パワー素子としてのスイッチング素子16A、16B、16C、16Dからの発熱は大きくなる。このため、これらパワー素子は発熱性電気素子である。集電箱1は、ケーシング5の表側開口5Cが蓋6で閉じられる構成であり、屋外設置式の場合はケーシング5と蓋6との間がシール材によってシールされ、内部へ水が浸入しないような防水構造である。ここらパワー素子からの発熱が集電箱1内に篭れば、DC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dなどの電気部品が損傷する虞があり、この熱の放散が必要となる。そのため、図11に示すように、ケーシング5の裏壁5Aに形成した孔5Pを通して、パワー素子であるスイッチング素子16A、16B、16C、16Dがヒートシンク15の基板15Aに伝熱状態に取り付けられ、このスイッチング素子16A、16B、16C、16Dの発熱が、ヒートシンク15によって集電箱1の外へ放出されるようにしている。
【0048】
なお、他のパワー素子として、DC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dの動作によって発熱するダイオードがあれば、このダイオードから発する熱もヒートシンク15によって集電箱1の外へ放出されるように、ヒートシンク15の基板15Aにこのダイオードが伝熱状態に取り付けられる。
【0049】
このように、ケーシング5の裏壁5Aの少なくとも一部がヒートシンク15で構成され、ケーシング5の外にヒートシンク15が露出する構成であり、ヒートシンク15にDC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dに取り付けたパワー素子であるスイッチング素子16A、16B、16C、16Dやダイオードを伝熱状態に取り付けたことにより、ケーシング5自体の裏壁5Aが少ない材料となり、且つ、ケーシング5の厚さが厚くなるという問題を解決でき、ケーシング5自体の小型化ができると共に、集電箱1内のパワー素子の発熱が良好となり、動作の安定した集電箱1を得ることができる。
【0050】
また、表側の蓋6を開いたとき、直ちにDC/DC変換回路7A、7B、7C、7Dなどへ人体が触れることを防止するために、ケーシング5の表側開口5Cが保護カバー17によって覆われている。保護カバー17は、ケーシング5の周囲壁5Bの内側に周囲壁5Bに沿う大きさで以ってケーシング5にネジ止めされている。保護カバー17には、各開閉器8A、8B、8C、8Dの操作レバー8Kが前面側へ突出するための矩形状の孔18が形成されており、表側の蓋6を開いた状態で、操作レバー8Kを操作することにより、各開閉器8A、8B、8C、8DをON−OFFできる。そして、表側の蓋6を閉じることによって、保護カバー17及び操作レバー8Kが蓋6によって覆われる状態となる。
【0051】
太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dと対応する開閉器8A、8B、8C、8Dとを接続するリード線R1、R2は、図10に示すように建物の外壁または内壁等の取り付け壁40に沿って配置する場合は、保護パイプ21で覆われた状態で、ケーシング5の周囲壁5Bの下側壁に形成した孔19に挿通される。また、出力端子9に接続されるパワーコンディショナ4の入力ラインR9、R10、R11も同様に保護パイプで覆われた状態で、ケーシング5の周囲壁5Bの下側壁に形成した孔20に挿通される。なお、リード線R1、R2並びに入力ラインR9、R10、R11を取り付け壁40の中に配線する場合は、ケーシング5の裏壁5Aに形成した孔21にリード線R1、R2を挿通し、また入力ラインR9、R10、R11を孔22に挿通することにより達成される。
【0052】
上記実施例では、太陽電池ストリング2は、4個の太陽電池ストリング2A、2B、2C、2Dとしている。これは、家屋の屋根などに設置する場合の集光発電状態を考慮して、太陽電池ストリング2Aを東側に、太陽電池ストリング2Bを西側に、太陽電池ストリング2Cを南側に、太陽電池ストリング2Dを北側に向けて設置する場合を示しているが、日当たりの悪い北側設置を省く場合は、太陽電池ストリング2Dと、それに対応する開閉器8D及びDC/DC変換回路7Dを省くことにより対処する。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係る集電箱は、上記実施例に示した構成に限定されず、種々の形態のものに適用できるものであり、本発明の技術範囲において種々の形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0054】
1・・・・・集電箱
2・・・・・太陽電池ストリング
2A、2B、2C、2D・・・太陽電池ストリング
2S・・・・ケーシング2の周囲壁
3・・・・・太陽電池モジュール
4・・・・・パワーコンディショナ
5・・・・・ケーシング
5A・・・・ケーシングの裏壁
5B・・・・ケーシングの周囲壁
5C・・・・ケーシングの表側開口
6・・・・・表側の蓋
7・・・・・直流・直流変換回路(DC/DC変換回路という)
7A、7B、7C、7D・・・DC/DC変換回路
7S・・・・DC/DC変換回路エリア
8・・・・・開閉器
8A、8B、8C、8D・・・開閉器
8K・・・・開閉器の操作レバー
8S・・・・開閉器エリア
9・・・・・出力端子
9S・・・・出力側エリア
10・・・・ノイズフィルタ回路
11A、11B、11C、11D・・・パワー基板
12A、12B、12C、12D・・・制御基板
13・・・・開閉器取り付け台
13A・・・上段取り付け部
13B・・・下段取り付け部
14A、14B・・・保持具
15・・・・ヒートシンク
16A、16B、16C、16D・・・スイッチング素子(パワー素子)
17・・・・保護カバー
18・・・・孔
19〜22・・・孔
L0・・・・昇圧回路用リアクトル
C0・・・・昇圧回路用コンデンサ
L4・・・・高周波ノイズ防止用のリアクトル
C4、C5・・・高周波ノイズ防止用のコンデンサ
R1〜R11・・・リード線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池ストリングからの直流電力を入力源として所要の電気処理動作によって出力する直流電力を、直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナへ供給する集電箱であって、縦方向配置の裏壁と周囲壁によって表側開口を形成したケーシングと、前記ケーシングの表側開口を密閉するように前記ケーシングに着脱可能に固定される蓋を備え、
前記ケーシング内には、複数の太陽電池ストリングからのそれぞれの直流電力に対応するように構成された複数のDC/DC変換回路を横一列に配置するDC/DC変換回路エリアと、前記DC/DC変換回路ごとに入力回路を開閉する開閉器を配置する開閉器エリアと、前記DC/DC変換回路とパワーコンディショナの入力側を接続する出力端子を収容する出力側エリアが前記DC/DC変換回路エリアの一側方に配置され、
前記開閉器エリアには、前記DC/DC変換回路ごとに設けた開閉器のうち、2個の開閉器が横配置で上位置に配置される上段取り付け部と、残りの開閉器が下位置に配置される下段取り付け部を形成した開閉器取り付け台を備え、前記下段取り付け部に対して前記上段取り付け部が前記ケーシングの前側方向に張り出した段差状であり、
前記下段取り付け部の開閉器から前記DC/DC変換回路へ接続するリード線が、前記上段取り付け部の裏側を潜って配線されることを特徴とする集電箱。
【請求項2】
太陽電池ストリングからの直流電力を入力源として所要の電気処理動作によって出力する直流電力を、直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナへ供給する集電箱であって、縦方向配置の裏壁と周囲壁によって表側開口を形成したケーシングと、前記ケーシングの表側開口を密閉するように前記ケーシングに着脱可能に固定される蓋を備え、
前記ケーシング内には、複数の太陽電池ストリングからのそれぞれの直流電力に対応するように構成された複数のDC/DC変換回路を横一列に配置するDC/DC変換回路エリアと、前記DC/DC変換回路ごとに入力回路を開閉する開閉器8を配置する開閉器エリアと、前記DC/DC変換回路とパワーコンディショナの入力側を接続する出力端子を収容する出力側エリアとを備え、
DC/DC変換回路エリアの一側方に入力側エリアとなる開閉器エリアが配置され、DC/DC変換回路エリアの他側方に出力側エリアが配置され、
前記開閉器エリアには、前記DC/DC変換回路ごとに設けた開閉器のうち、2個の開閉器が横配置で上位置に配置される上段取り付け部と、残りの開閉器が下位置に配置される下段取り付け部を形成した開閉器取り付け台を備え、前記下段取り付け部に対して前記上段取り付け部が前記ケーシングの前側方向に張り出した段差状であり、
前記下段取り付け部の開閉器から前記DC/DC変換回路へ接続するリード線が、前記上段取り付け部の裏側を潜って配線されることを特徴とする集電箱。
【請求項3】
前記出力側エリアには、前記出力端子とノイズフィルタ回路とを配置したことを特徴とする請求項2に記載の集電箱。
【請求項4】
前記上段取り付け部の2個の開閉器に対して前記下段取り付け部の開閉器の上下方向位置が横にずれた配置であり、前記下段取り付け部の開閉器の側方が、前記上段取り付け部の2個の開閉器に接続される入力側のリード線の配置エリアとなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の集電箱。
【請求項5】
放熱フィンが前記ケーシングの裏壁よりも後方へ突出する状態で前記ケーシングの裏壁の少なくとも一部がヒートシンクで構成され、前記ヒートシンクに前記DC/DC変換回路に取り付けたパワー素子を伝熱状態に取り付けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の集電箱。
【請求項6】
前記周囲壁の内側に配置されて前記ケーシングの表側開口を覆う保護カバーを備え、前記保護カバーに形成した孔を貫通して前記各開閉器の操作レバーが前面側へ突出し、前記保護カバー及び前記操作レバーが前記蓋によって覆われることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の集電箱。
【請求項1】
太陽電池ストリングからの直流電力を入力源として所要の電気処理動作によって出力する直流電力を、直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナへ供給する集電箱であって、縦方向配置の裏壁と周囲壁によって表側開口を形成したケーシングと、前記ケーシングの表側開口を密閉するように前記ケーシングに着脱可能に固定される蓋を備え、
前記ケーシング内には、複数の太陽電池ストリングからのそれぞれの直流電力に対応するように構成された複数のDC/DC変換回路を横一列に配置するDC/DC変換回路エリアと、前記DC/DC変換回路ごとに入力回路を開閉する開閉器を配置する開閉器エリアと、前記DC/DC変換回路とパワーコンディショナの入力側を接続する出力端子を収容する出力側エリアが前記DC/DC変換回路エリアの一側方に配置され、
前記開閉器エリアには、前記DC/DC変換回路ごとに設けた開閉器のうち、2個の開閉器が横配置で上位置に配置される上段取り付け部と、残りの開閉器が下位置に配置される下段取り付け部を形成した開閉器取り付け台を備え、前記下段取り付け部に対して前記上段取り付け部が前記ケーシングの前側方向に張り出した段差状であり、
前記下段取り付け部の開閉器から前記DC/DC変換回路へ接続するリード線が、前記上段取り付け部の裏側を潜って配線されることを特徴とする集電箱。
【請求項2】
太陽電池ストリングからの直流電力を入力源として所要の電気処理動作によって出力する直流電力を、直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナへ供給する集電箱であって、縦方向配置の裏壁と周囲壁によって表側開口を形成したケーシングと、前記ケーシングの表側開口を密閉するように前記ケーシングに着脱可能に固定される蓋を備え、
前記ケーシング内には、複数の太陽電池ストリングからのそれぞれの直流電力に対応するように構成された複数のDC/DC変換回路を横一列に配置するDC/DC変換回路エリアと、前記DC/DC変換回路ごとに入力回路を開閉する開閉器8を配置する開閉器エリアと、前記DC/DC変換回路とパワーコンディショナの入力側を接続する出力端子を収容する出力側エリアとを備え、
DC/DC変換回路エリアの一側方に入力側エリアとなる開閉器エリアが配置され、DC/DC変換回路エリアの他側方に出力側エリアが配置され、
前記開閉器エリアには、前記DC/DC変換回路ごとに設けた開閉器のうち、2個の開閉器が横配置で上位置に配置される上段取り付け部と、残りの開閉器が下位置に配置される下段取り付け部を形成した開閉器取り付け台を備え、前記下段取り付け部に対して前記上段取り付け部が前記ケーシングの前側方向に張り出した段差状であり、
前記下段取り付け部の開閉器から前記DC/DC変換回路へ接続するリード線が、前記上段取り付け部の裏側を潜って配線されることを特徴とする集電箱。
【請求項3】
前記出力側エリアには、前記出力端子とノイズフィルタ回路とを配置したことを特徴とする請求項2に記載の集電箱。
【請求項4】
前記上段取り付け部の2個の開閉器に対して前記下段取り付け部の開閉器の上下方向位置が横にずれた配置であり、前記下段取り付け部の開閉器の側方が、前記上段取り付け部の2個の開閉器に接続される入力側のリード線の配置エリアとなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の集電箱。
【請求項5】
放熱フィンが前記ケーシングの裏壁よりも後方へ突出する状態で前記ケーシングの裏壁の少なくとも一部がヒートシンクで構成され、前記ヒートシンクに前記DC/DC変換回路に取り付けたパワー素子を伝熱状態に取り付けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の集電箱。
【請求項6】
前記周囲壁の内側に配置されて前記ケーシングの表側開口を覆う保護カバーを備え、前記保護カバーに形成した孔を貫通して前記各開閉器の操作レバーが前面側へ突出し、前記保護カバー及び前記操作レバーが前記蓋によって覆われることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の集電箱。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−244769(P2012−244769A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112539(P2011−112539)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(591052055)島根三洋電機株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(591052055)島根三洋電機株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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