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雌株のみの形質によるジャトロファハイブリッド
説明

雌株のみの形質によるジャトロファハイブリッド

雌株のみ(FO)の花の花序によって特徴付けられるナンヨウアグラギリ(Jatropha curcas)植物を生成することができる。そのような植物は、FO型植物の種子に由来する新たなナンヨウアグラギリハイブリッドの商業的規模の生産を得るために間作に特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2010年1月6日に出願された米国仮出願第61/292,751号の利益を主張するものであり、その全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般的に、ジャトロファ作物(Jatropha crop)の選抜および育種の分野に関する。特に、本発明は、「雌株のみ」(FO)の花で花序を作り出す新規なナンヨウアブラギリ(J.Curcas)植物、新規な「雌株のみ」(FO)の花の形質を有する花序を用いて、新規なナンヨウアブラギリハイブリッドを作り出すための方法論、およびそのようなナンヨウアブラギリハイブリッドから得られる種子および他の生成物に関する。
【0003】
(序論)
本発明は、ジャトロファ植物に関し、それは、トウダイグサ科のナンヨウアブラギリとして植物学的に知られており、一般に「Physic Nut」と呼ばれる。属ジャトロファは、175種類以上の多肉の多年生の木または低木を含む。ナンヨウアブラギリは、ラテンアメリカ起源の耐乾性の多年生の種であり、それは、インド、アフリカ、アジアおよび北アメリカを含む世界の熱帯および亜熱帯の地域の至る所で広まっている。
【0004】
より具体的には、ナンヨウアブラギリは、滑らかな灰色または赤みがかった樹皮を有する、小さな二倍体(2n=22)の木または低木であり、それは、切ると、白っぽい色の、水っぽいラテックを滲み出させる。ナンヨウアブラギリは、典型的には高さ3〜5メーターまで成長するが、好ましい栽培状況下では、それは、8〜10メーターまで成長することができる。ナンヨウアブラギリ植物は、限界耕作地で栽培された時でさえ、活発な成長速度を有しており、50年までの間果実と種子を作り出すことができる。ナンヨウアブラギリの種子は油を生成し、それは、ディーゼル機関およびジェット機の燃料の代替物として加工することができる。
【0005】
非耕種学の(non−agronomic)作物としてのナンヨウアブラギリ植物の組み合わせた特徴は、降雨量の少ない耕作限界の土壌用地で耕作に適応可能であり、および生成された種子の高い油含有量は、作物改良プログラムにおける関心を引き起こしている。
しかしながら、現在まで、制限された文献および関連する遺伝子情報しか、より早い成熟、早期の開花、増加した雌株の開花、増加した果実および種子の数、増加した油収量などの望ましい形質を有するナンヨウアブラギリ植物の開発を助けるために利用可能はない。
【0006】
他の他花受粉された植物については、ハイブリダイゼーションの育種および選抜の工程は、効率的かつ経済的に形質を変更または改善するために使用されている。ハイブリッドにおける最大限の遺伝的均一性と改善された生長力および収量は、2つの異なる親植物の個体群を利用することによって得られ、それは様々な従来方式によって達成することができる。
【0007】
第1の方法は、無性生殖の(生長力のある)繁殖である。この手法によって、植物はすべて、単一の植物に由来し、単一の植物は、それ自体、2つの異なる親植物のハイブリッド・クロス(hybrid cross)の結果、または単に独自の遺伝子選択の結果であり得る。
【0008】
第2の方法は、近交系の(inbred line)種子(有性)繁殖であり、それは均一な植物個体群を生成する。相同染色体対の上のすべての対立形質の組の遺伝子がホモ接合、すなわち同一であるために、近交系は、通常6世代またはそれ以上にわたる自家受粉のプロセスによって得られる。1つの系統における同系交配(ホモ接合)の程度は、1世代当たり50%の割合で近似され、その結果、第6世代までに98.4%の純度(purity)があり、および第7世代までに99.2%の純度がある。その後、隔離における自家受粉、同種異個体間受粉(sibling pollination)またはランダム交配から得られた植物はすべて、本質的に遺伝的に同一であり、それ故、ホモ接合で、外観が均一である。
【0009】
しかしながら、最大の植物収量は同系交配から生じない。生産力(performance)における同系交配プロセスの減少の間、収量と植物の大きさが問題となる(ocur)。同系交配を介する植物の生長力のこの縮小は「近交弱勢」として知られ、それが、均一の近交系が商品作物として通常育てられない理由である。
【0010】
均一の植物の個体群を開発するための第3の方法は、均一の第1世代(F1)ハイブリッド群を生成する2つの近交系のハイブリダイゼーションである。ハイブリッド強勢(hybrid vigo/heterosis)のおかげで、均一性のみならず最大の収量も達成される。以下に詳細に記載されるように、本発明は、第1世代(F1)ナンヨウアブラギリハイブリッドおよび採取された種子を作り出す上記の方法を開発する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書は、「雌株のみ」(FO)ジャトロファ子孫、およびFO形質を備えた植物に由来するハイブリッド植物を作り出すために使用することができる「雌株のみ」(FO)ナンヨウアブラギリ植物に関する。
【0012】
それ故、1つの態様において、本開示は、雌花のみを有する花序によって特徴付けられたナンヨウアブラギリ植物を提供する。好ましい実施形態において、ナンヨウアブラギリ植物によって作り出された花序はほとんどすべて、雌花のみを生じる。
【0013】
別の態様において、本開示は、ハイブリッドのナンヨウアブラギリ種子を作り出すための方法論を提供する。そのような方法論は、(1)一区画内で、表現型Aの第1のナンヨウアブラギリ植物を、表現型B(それは、表現型Aと異なる)の第2のナンヨウアブラギリ植物で間作し、その結果、その区画内の花粉交換が第1と第2の植物に制限される工程、および次に(2)第1の植物から果実を収穫し、それによってF1ハイブリッド(AxB)の種子が第1の植物から得られる工程、を含む。この方法において、表現型Aは、雌株のみを開花させる形質を有し、および表現型Bはそうではない。好ましくは、間作が起こる区画は、他のジャトロファ植物がほとんどない領域に;すなわち、その区画の外側でジャトロファ植物からの花粉が生じる率が最小限である領域にある。
【0014】
さらなる実施形態において、第1の植物はFO形質に関してホモ接合体の系統である。そのような第1の植物は、栄養育種によってクローン的に広がったかもしれない。別の実施形態において、第1および第2の植物は、異なる近交系に由来する。好ましくは、これらの系統は、上記のように、第1と第2の植物が交配されると、結果として生じるF1ハイブリッドの子孫は、どちらの親の系統のものより優れた生産力および種子収量を示すように、遺伝学的に異なっている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、FO形質を有するナンヨウアブラギリ植物、すなわち、植物が、雌株のみの花を有する花序を生じる植物、の近接写真を示す。
【図2】図2は、正常な(野生型)ナンヨウアブラギリ植物の近接写真を示し、植物は、雄花と雌花の両方を有する花序を生じる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、雌花と雄花の両方を有する花序を特徴とする、一般に認識されているナンヨウアブラギリ表現型とは対照的に、雌株のみの花を有する花序の生成を特徴とするナンヨウアブラギリ表現型の選抜および使用に関する。
【0017】
本開示はまた、種子育種を介して商業規模の数の均一なF1ナンヨウアブラギリハイブリッドを得るために、第1のハイブリダイゼーション・パラダイムを提供するという点でも、独特である。この点に関して、ハイブリッドナンヨウアブラギリ種子は、(1)一区画内で、表現型Aの第1のナンヨウアブラギリ植物を、表現型B(それは、表現型Aと異なる)の第2のナンヨウアブラギリ植物で間作し、その結果、その区画内の花粉交換が第1と第2の植物に制限され、および次に(2)第1の種子から果実を収穫し、それによってF1ハイブリッド(AxB)の種子が第1の植物から得られることによって生み出されることができる。表現型Aは、雌株のみを開花させる形質を有し、表現型Bはそうではない。好ましくは、親の系統は、上記のように、第1と第2の植物が交配されると、結果として生じるF1ハイブリッドの子孫は、どちらの親の系統のものより優れた生産力および種子収量を示すように、遺伝学的に異なっている。
【0018】
従って、本明細書に開示のFOナンヨウアブラギリ植物は、バイオ燃料の生成においてまたは生け垣として使用するために、他のナンヨウアブラギリ植物と同じ方法で使用することができる。さらに、FO形質は、本ナンヨウアブラギリに、野生型のナンヨウアブラギリ植物を超える特有の利点を与える。例えば、FO形質は、若枝の栄養系育種に由来するF1ハイブリッド植物を作り出し、および輸送するという人件費および用地費の何分の一かで効率的なF1ハイブリッドの種子の生産を可能にする。さらに、間作の結果生成されたF1ハイブリッド植物は、枝差しに由来するハイブリッド植物とは対照的に、採取されたF1ハイブリッド種子から成長する結果として、よりよい根の成長を保有する。
【0019】
本明細書において使用される用語および句の以下の定義は、本発明を説明するために、およびその実行の際に知識の豊富な読み手を指導するために提供される。別途記載されないならば、本明細書で使用される単語は、慣例的用法に従って理解されるべきである。その説明は、無性および有性の生殖方法に関する従来の技術を言う。
【0020】
培養変種または変種は、同じ種類に属し、構造的特徴および生産力によって、同じ種類内の他の変種と識別され得る、類似した植物の群である。変種の2つの本質的特徴は、同一性と再現性である。同一性は、その変種が認識され、作物種内の他の変種と識別され得るために必要である。特有の特徴は、形態学的な特徴、色だし(color markings)、生理機能、病気の反応または生産量(performance)であり得るが、FO形質はこの文脈において特に重要である。
【0021】
ほとんどの農業の変種は、それ自身、その特徴に関して、または変種を識別するそれらの特徴に関して、純正(pure)である。変種を識別する特徴が子孫で再生されるために、再現性が必要である。単一の遺伝子型または遺伝子型の混合から増やされる個体群は、「株」と呼ばれる。一旦株が優れていると識別されると、それは、「栽培種」または「培養変種」として命名され、増やされ、商業上利用可能とされ得る。
【0022】
それ故、本明細書において、用語「培養変種」および「変種」は、FO形質を含む一定の特質を共有する1つの種(ここでは、ナンヨウアブラギリ)内の一群の植物を指すために同義的に使用され、その特質は、典型的な形態から、およびその種類内の他のあり得る変種から、それらを区別する。少なくとも特有なFO形質を有する限り、本発明の「変種」はまた、主として、次の世代の子孫の間で形質のメンデルの法則の分離に基づいて、変種内の個体間の相当な量の全体的な変化によって特徴づけられ得る。他方で、ナンヨウアブラギリ培養変種が枝差しによって、個々に無性的に再生され得るので、「培養変種」または「変種」はまた、クローンを意味することができ、そのクローンはすべて本質的に遺伝的に同一である。
【0023】
「変種」と区別されるように、「系統」は、数世代の自家受粉によって、一般に(排他的でないが)個体間のより少ない変化を示す植物の一群である。本発明の目的のために、「系統」は、枝差しまたは組織培養の技術を用いて、単一の親植物から無性生殖的に殖やされる植物の群を含めるために十分に広く定義される。
【0024】
FO形質の遺伝の観察されたパターンは、ホモ接合のとき、FO表現型または形質を明示する単一の劣性の遺伝子座と一致する。FO植物が雄花を欠くので、その形質に関して「純粋品種」状態、すなわち子孫の間のその形質のかなりの量の独立分離が観察されない状態、を立証するためには、自家受精は実行不可能である。対照的に、FO形質および野生型に関してヘテロ接合の植物は、両方の性の花を生成し、自家受粉することができる。そのような自家受粉からの子孫は、3つの野生型ごとに1つのFOというおよその比率でFO表現型を再現し、これは、その形質の劣性の性質と一致している。同様に、FO表現型を示す植物は、遺伝構成において類似しているが、FO形質に関してはヘテロ接合である同種異個体間作物によって、授粉することができる。結果として生ずる子孫の中には、FO形質に関して1:1で分離する植物、およびFO形質に関してヘテロ接合であり、かつ野生型の外観を有する植物がある。この状況では、FO形質は純粋品種であると言い、その形質が他の点では遺伝的に同一のバックグラウンドに存在するならば、子孫は、FO形質に関して予想されるようにメンデルの法則の遺伝のパターンに基づいて変化する。
【0025】
子孫(progency)は、親植物の交配に続く世代を示す。本発明における子孫はまた、植物の1群の子孫(offspring or descendants)と考えることができる。
【0026】
遺伝学的にホモ接合の植物の選抜をもたらすために、近交系はいくつかの世代の間、同種異個体間交配または自己受粉によって作り出される。ハイブリッド培養変種は、2つの遺伝的に別の近交系を交配させ、交配によって作り出された種子を回収し、その後、ハイブリッド植物を作るためにこのように作り出された種子を発芽させることによって作り出される。この方法によって作り出されるハイブリッドの種子および植物は、それらの形態学的および生理学的な特徴に関して同一である。このプロセスによって生成されたハイブリッド種子はまた、ハイブリッド強勢(heterosis/hybrid vigor)の結果から利益を得る。
【0027】
雌株のみの(FO)形質は、正常型または野生型のジャトロファ植物の自然発生の突然変異から生じる。本発明において、FO形質を有するナンヨウアブラギリ植物は、同じ花序内の別々の雄雌花の野生型の雌雄同体の花序とは対照的に、(雄しべがほとんど無い)雌花を有するが雄花を有さない花序を作り出す。FO形質を示すナンヨウアブラギリ植物は、事実上雄性不稔で、本発明に従って、ハイブリッド種子の生成の際、親として使用することができる。
【0028】
ハイブリッド種子の生成に典型的には必要とされるかなり大きい数のFO植物は、従来のやり方で、挿し木または組織培養を介する栄養系育種によって得ることができる。あるいは、FO形質にはホモ接合である種子または苗木の選抜は、関連した(linked)分子マーカーを用いて行うことができる。
【0029】
花序(inflorescence)は、植物の茎または軸上の花の配置を指す。野生型の習性の既知のナンヨウアブラギリ植物では、花序は、枝上に末端に形成され、雄花と雌花の両方を生成する。本発明のFOナンヨウアブラギリでは、花序は、枝上で末端に形成され、雌花のみを生成する。
【0030】
間作(interplanting)は、列を変化させた、一緒に混合されて、または別々に並べられて、同じ領域での2つ以上の作物または培養変種を植栽するシステムを示す。本発明によると、2つの親の培養変種は各々、栄養系育種によって単一の親から得られる。間作のシステムは、昆虫が正常な花型からFO花型まで花粉を運ぶことを可能にするために使用され、それにより、発芽時に、FOの親の系統と正常な親の系統のハイブリッドである植物をもたらすFO植物上にジャトロファハイブリッド種子を作り出す。
【0031】
例えば、他の間作する構成も利用されることもあるが、1:2の植栽割合がこの終わりに使用されることができる。野生型のナンヨウアブラギリまたはクローン的に得られた系統の単一の列は、以下に解説されるように、FOナンヨウアブラギリのクローンの培養変種の2つの連続する列に接するように植えられる。
【0032】
【化1】

【0033】
本発明と一致して、異なる植栽スキームはまた、効率的な植物受粉およびハイブリッド種子生成のために使用されてもよい。そのような他のスキームの例証は、それぞれ、FOの1つの列と正常型の1つの列の間で交互にすること(alternating)、FO型の3つの列と正常型の1つの列の間で交互にすること、および1つの列内で隣り合わせでFOと正常型を交替させる列を互い違いにすること(a staggering the rows)を必然的に含むものである。
【0034】
間作は、栄養育種によってハイブリッドを生成するのに必要とされる土地の一画分のみを使用するので、ハイブリッドを生成するために効率的な栽植方式である。例えば、本発明に従って、間作システムを利用することによって、10ヘクタール(ha)の生成プロットは、6,000kgの収量または種子/haを作り出す1ha当たり2,000の植物で(at 2,000 plants per ha yielding 6,000 kg or seed/ha)、約5700万粒のジャトロファハイブリッド種子を一年につき生成する。これは、ハイブリッドジャトロファでは28,500haを植えるのに十分な種子になる。他方では、栄養育種によって、500haの生成プロットは1年当たり1つの植物当たり約60の枝差しを仮定して、5700万のハイブリッドジャトロファ挿し木を生成することが必要とされるだろう。
【0035】
花粉の交換は他家受粉、および野生型の近交系ナンヨウアブラギリ植物によるFO近交系ナンヨウアブラギリ植物の結果として生じる受精を要するプロセスである。花粉の交換は、典型的には昆虫によって引き起こされ、それは野生型の植物からFO近交系の植物まで花粉を運ぶ。
【0036】
FO親または正常か野生型の親のいずれかの能力を超える、生長力および収量を有するハイブリッドを作り出す能力を示すために、改善された混合の能力(Improved Combining Capacity)が、本明細書で使用される。
【0037】
(FO表現型の発生)
FOジャトロファ植物は、国際寄託当局(International Deposit Authority)による種子寄託によって公に入手可能である。具体的には、FOジャトロファ種子は、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(ATCC)、10801 University Boulevard,Manassas,VA 20110−2209で寄託される。FOジャトロファの2500粒の種子が、2010年12月30日にATCCに寄託され、与えられたATCC寄託番号は:PTA−11583である。実施例3において詳述されるように、寄託された種子は、FOの花を有する花序を有するナンヨウアブラギリ植物を作り出すために植えることができ、およびFO形質を示す、生成されたナンヨウアブラギリ植物は、本明細書に記載される方法に従ってFO形質を有するナンヨウアブラギリハイブリッド種子を、再現性よく、かつ予想される通りに生成するために、野生型のナンヨウアブラギリ植物とさらに交配される。
【0038】
他のグループおよび個体とのコミュニケーションによって、野生から得られたナンヨウアブラギリの他の集合(collections)においてFO形質が観察されることを示す。従って、FO形質は、野生群中に存続し、従って、公に入手可能なことが理解される。
【0039】
(FO形質の遺伝のパターン)
正常な植物(野生型の花序)とのFO植物の交配は、雄株の親の遺伝子型に依存して、2つのタイプの子孫の種類をもたらす。第1の子孫の種類は、正常な花序のみを生成する植物からなり、第2の子孫の種類は、約50−50の比率で、FO子孫および正常な子孫の混合を作り出す子孫植物から成る。
【0040】
FO形質に関する遺伝のこのパターンは、劣性の核形質の遺伝のパターンと一致しており、いくつかの正常な植物は、FO対立遺伝子および正常な対立遺伝子に関してヘテロ接合であり、および他の正常な植物は、正常な対立遺伝子に関してホモ接合である。観察された遺伝の観察されたパターンはまた、一種の細胞質雄性不稔であるFO形質と一致している。その状況において、FO型は、核回復対立遺伝子(nuclear restorer allele)を欠き、いくつかの正常型は、核回復遺伝子に関してヘテロ接合であり、他の正常型は、核回復遺伝子に関してホモ接合である。
【実施例】
【0041】
以下の実施例は、上に記載された本発明をさらに説明する。これらの実施例に関連して、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、同様なものまたは類似した結果をもたらす多くの変更が明らかである。従って、この実施例は、本発明に限定してしない。
【0042】
(実施例1.FO形質の発生およびハイブリッド種子生成)
一般的な栽培のための方法およびジャトロファ栽培品種の育種方法は、Achten et al.,Biomass and Bioenergy 32:1063−84(2008)に記載されている。
【0043】
上論されたFO形質を示すナンヨウアブラギリ系は、グアテマラのペテンおよびラ・マケナで開発された。育種プログラムの目的は、増加した雌株の開花、増加した果実および種子の数、および増加した油収量を有する新しいナンヨウアブラギリハイブリッド植物を開発するであった。
【0044】
発明者は、グアテマラのペテンで、制御された育種の改善プログラムにおいて成長した、「雌株のみ(Female Only)」と呼ばれる(2009年にそれを観察した後に)、特許権を付与されていない、所有者の系統種ナンヨウアブラギリを選抜した。ナンヨウアブラギリ「雌株のみ」は、野生型のナンヨウアブラギリからその植物の全変異に基づいて、発明者によって選抜された。特に、「雌株のみ」は、単に雌株のみの(より雄しべが少ない)花を有する花序を生成し、従って、雄花を欠く。
【0045】
ジャトロファ植物の雌花のみが果実と種子を生成する。従って、花序当たりの雌花の数、およびそれに続く雌花1つ当たりの生成された果実のさく果および種子のその後の数は、ジャトロファ植物当たりの潜在的な油の収量に影響を与える。発明者は、この一般的には雌雄同体種からハイブリッド種子を効率的に生成するための育種プログラムにおいて、FOナンヨウアブラギリの「雌株のみ」を使用する可能性を認識した。
【0046】
(実施例2.FOハイブリッド種子の生成)
ハイブリッドの作物および採種のための方法は、公開された米国出願2008−0098492と同様に、米国特許第4,326,358号、第4,527,352号、第4,627,192号、第4,686,319号および第6,018,101号にも記載されている。これらの特許公報のそれぞれの内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0047】
ハイブリッド生成は、雄性配偶子が発生しない女株系を必要とする。いくつかの場合において、除雄の手順は、植物から花粉を取り除き、雌株にするために行なわれる。ハイブリッド種子生成のための女系を確立する別の方法は、生存可能な花粉を生成することができない系を識別することである。
【0048】
「雌株のみ」は、単に雌花を生成し、雄花を欠くので、「雌株のみ」と呼ばれる選抜された、所有者の系統種ナンヨウアブラギリのFO形質が、ハイブリッド種子生成のための女株系を作るために使用された。ナンヨウアブラギリ「雌株のみ」のFO形質は、野生型の開花を含み、および雌花のみを咲かせる系と混合する能力(combining capacity)を向上させた遺伝的背景も有しているナンヨウアブラギリハイブリッド系と間作される雌株のみのハイブリッド系によって、ハイブリッド種子生成を可能とする。
【0049】
例えば、1:2の栽培比率でのハイブリッド種子生成プロットは、他のジャトロファ植物がほとんどない領域に、FOナンヨウアブラギリ近交系植物の2列に接するように植えられた野生型ナンヨウアブラギリ近交系植物の単一の列で配置することができ、その結果、FO系に授粉する昆虫は、野生型ナンヨウアブラギリ近交系からの花粉を得て、FOナンヨウアブラギリ系上に運ぶだけで、ハイブリッドF1種子を生成する。各々の列の間の距離は3メーターであるべきであり、各々の植物間の距離はまた、2メーターであるべきであるが、他の栽植密度もまた適切かもしれない。その後、果実は雌株のみ(FO)の近交系からのみ採取され、FO系から得られた種子は、F1ハイブリッド種子である。採取されたF1ハイブリッド種子は、正常な開花、改善された生長力、増加した果実および種子数、および増加した油収量を示すナンヨウアブラギリ植物を生成する。種子はまた、油処理のための野生型の雄株系から集めることができる。
【0050】
6,000kg/ha/年の種子生成で、10ヘクタールの生成プロットは、60,000kgの種子をもたらし、FO型は各haに植物の2/3を構成するので、その40,000kgはF1ハイブリッド種子であるだろう。約0.7g/種子の平均種子重量で、これは、約5700万粒の種子であり、すなわち、上に言及されたように、1ha当たり2,000のハイブリッドの密度でF1ハイブリッドを28,500ヘクタールに栽培するのに十分な種子である。プロセスが栄養育種によってクローン的に得られたF1ハイブリッドを生成することと比較して、ほんのわずかの用地費と人件費しか含まないので、それ故、ハイブリッドF1種子を生成するために選抜されたFOナンヨウアブラギリ系および野生型ナンヨウアブラギリ系を使用する間作プロセスは、有利である。それはまた、新しいプランテーションにハイブリッド植物を輸送するコストを下げる。種子を出荷することは、ハイブリッドのクローン的に得られた挿し木を出荷するよりずっと費用がかからない。挿し木によるハイブリッドの栄養系育種は、ハイブリッド種子を集めて出荷することと比較して、生成するのに費用がずっとかかり、見込み客に出荷するのに費用がずっとかかる。
【0051】
(実施例3.国際寄託当局による種子寄託)
FO形質を有するナンヨウアブラギリ選抜の種子寄託を、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(ATCC)、10801 University Boulevard,Manassas,VA 20110−2209に寄託した。FO形質を有するナンヨウアブラギリ選抜の2500粒の種子は、2010年12月30日にATCCに寄託し、ATCC特許寄託受託番号PTA−11583を与えられた。寄託された種子は、FO花を有する花序を生成するナンヨウアブラギリ植物を作り出すために植えることができ、FO形質を示す生成されたナンヨウアブラギリは、本明細書に記載された方法に従って、FO形質を有するナンヨウアブラギリハイブリッド種子を、再現性よく、かつ予想される通りに生成するために、野生型ナンヨウアブラギリ植物とさらに交配することができる。
【0052】
(実施例4.FO形質の遺伝的特徴づけ)
無性生殖の挿し木によってFO形質を有するナンヨウアブラギリ選抜の無性育種を、2009年の2月に、グアテマラのペテンで行った。1年目の評価は、FO形質が無性生殖の第一世代を通じて固定され保持されることを実証し、この結果は、無性生殖のその後の世代を通じて伝えられるはずある。
【0053】
与えられたナンヨウアブラギリ登録ファミリー内のFO型のパーセンテージで、グアテマラのペテンおよびラ・マケナの両方における育種の試験の間で、2009年の11月に、良好な一致が観察され、このことは、FO形質は、環境要因ではなく遺伝によって制御されることを支持している。登録ファミリー内の雌株のみの型の数は、約1/4または1/2のいずれかであり、これは、FO形質が本来劣性かもしれないことを示唆する。FO形質に関してヘテロ接合である野生型のナンヨウアブラギリの花の自家受粉から種子が得られる場合、1/4の分離(segregation)が生じるかもしれず、雌株のみのナンヨウアブラギリ花がFO形質に関してヘテロ接合である近隣の野生型ジャトロファ花から花粉を受け取る場合、1/2の分離が生じるかもしれない。
【0054】
ナンヨウアブラギリ内でのFO形質の制御についての遺伝的な基礎がどのようなものであろうとも、これらのデータは、FO形質が、再現性良く、かつ予想されるように、ナンヨウアブラギリの遺伝的背景に遺伝子移入される(introgressed)ことができ、栄養系育種を介して安定して維持することができることを示す。
【0055】
(実施例5.FO形質を示すナンヨウアブラギリの特徴)
FO型ナンヨウアブラギリを、正常なナンヨウアブラギリ植物と同じ幾つかの場所で、かつ同じ環境条件下で育てる。
【0056】
放任授粉させたナンヨウアブラギリ種子を、最初に、一般的な温室条件の下発芽させ、一旦(若芽を有する)種から育てた苗(seedings)が長さ約8〜10インチになったら、発育を停止させた。その後、ナンヨウアブラギリの種から育てた苗を、細流潅漑およびプラスチックの根覆い雑草防除のもと、グアテマラのペテンの栽培畑(field nursing)で栽培した。
【0057】
およそ6,000のナンヨウアブラギリの授粉された種から育てた苗を、グアテマラのアンティグアの栽培場で2008年の暮れおよび2009年の初めに栽培し、その後、2009年の5月に、グアテマラのペテンの畑に移植した。ナンヨウアブラギリ植物の系統的スクリーンを、潜在的に価値のある形質を識別するために行い、この個体群内で、すべて雌株である花を生成するという点で独特のものとして、FO形質は識別された。
【0058】
(実施例6.他のジャトロファ変種におけるFO形質の典型的な用途)
本発明のFOナンヨウアブラギリ植物は、バイオ燃料生成における、または生け垣として使用するために、他のナンヨウアブラギリ植物と同じ方法で使用することができる。しかしながら、FO形質は、本発明のナンヨウアブラギリ植物に、野生型ナンヨウアブラギリ植物を超える特定の利点を与える。例えば、FO形質は、若芽のクローン増殖に由来するF1ハイブリッドを生成し、輸送する、人件費と用地費のほんのわずかで、効率的なF1ハイブリッド種子生成を可能にする。さらに、間作の結果生成されたF1ハイブリッド植物は、枝差しに由来するハイブリッド植物と対照的に、採取されたF1ハイブリッド種子から成長することの結果として、根の成長がより優れている。
【0059】
(実施例7.他のジャトロファ変種へのFO形質の導入)
FO形質を含む、本発明のナンヨウアブラギリ植物の形態的および生理的な特徴は、従来の育種技術によって他のジャトロファ変種へ導入することができる。
【0060】
例えば、本発明のFOナンヨウアブラギリ植物は、野生型のジャトロファの別の種類に近づいて受粉して(in pollination proximity)育てることができ、それによって、FO型と野生型の間で手作業の他家受粉を行い、その後、ハイブリッド種子を採取することを可能とする。
その後、これらのハイブリッド種子から育てられた植物は、FO形質の維持に関して視覚的にスクリーニング/検査することができ、または、自家授粉されることができ、F2子孫は、FO形質および野生型のジャトロファに由来する他の望ましい形質に関してスクリーニングすることができる。
【0061】
こうして、本発明に従って、FO形質を有する植物のクローンを、花粉供給源として、交互の列(1列当たり12−15の植物)で、通常の植物(1列当たり12−15の植物)によって栽培し、それによって、昆虫を媒介としたハイブリダイゼーションを介して通常の量の果実およびハイブリッド種子を生成した。さらに、FO植物の栽植密度を、花粉供給源として、通常の植物の各列に対してFOクローンを2列栽培することによって変化させた。各々の場合において、7か月育てたFOクローン当たりの総種子生成(植物当たり平均25個の果実は、合計3,703粒の種子をもたらした)は、手で授粉された7か月育てたFOで、同じ通常の領域内に同じ年の間得られた種子生成と同じか、またはそれを超えた。
【0062】
これらの結果は、昆虫を媒介としたハイブリダイゼーションによってハイブリッド種子を生成するために混合する雄株と混ぜる大規模栽培においてFO形質を使用することができることを実証する。この手法によって、本発明に従って、FO植物の列から集められた種子は、ハイブリッド種子になる。混合する雄株当たりのFO植物のさらに大きな比率さえも(すなわち、3列のFO//1列の正常、または4列のFO//1列の正常)、本発明に従って、1単位面積当たりさらにより効率的なハイブリッド種子の生成のために使用することができる。
【0063】
本発明のFO ナンヨウアブラギリ植物の提供は、FO形質に由来するFOジャトロファ子孫およびハイブリッド植物の生成を可能にする。上に言及されるように、「子孫(progeny)」の範疇は、本発明の任意のFOナンヨウアブラギリ植物の子孫(offsprings/descendants)である植物を含む。「子孫(progeny)」はまた、子孫のその後の世代、例えば、本明細書で記載された方法論によってFO形質に関して選抜された植物を含む。第一世代子孫は、FOナンヨウアブラギリの親のFO形質を保持することがある。F1子孫は、FO表現型を示さなくても、自己受粉から導き出した子孫の後の世代の一部は、雌株のみの開花表現型を明示し、本明細書に記載のFOナンヨウアブラギリ植物の同じFO形質を有する。
【0064】
無性生殖技術および有性生殖技術からなる群から選択された技術を含む任意の方法論、および本発明のFOナンヨウアブラギリ植物を使用する任意の方法論が、本発明によって熟慮される。従って、本発明は、本発明のFO ナンヨウアブラギリ植物を用いる、限定されないが、栄養育種、自配、戻し交配ハイブリッド生成、勾配などを含む様々な技術の使用を包含する。
【0065】
また、本発明内には、本発明のFOナンヨウアブラギリ植物から得られた子孫またはハイブリッド植物、種子および植物の一部が含まれる。
【0066】
前述は、特定の好ましい実施形態に言及するが、本発明がそのように限定的ではないことは理解されたい。様々な変更がなさ得ること、およびそのような変更は、以下の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内にあることが意図されることが、当業者には明確である。
【0067】
全ての出版物および特許出願は、個々の出版物および特許出願の各々が、その全体が参照として組み込まれることが具体的および個別に示されているのと同じ程度で、参照として本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雌花のみを有する花序によって特徴付けられるナンヨウアブラギリ植物。
【請求項2】
前記植物によって作り出される花序のほとんどすべてが、雌花のみを作り出すことを特徴とする請求項1に記載のナンヨウアブラギリ植物。
【請求項3】
FO形質に関してホモ接合であるナンヨウアブラギリの変種または系統。
【請求項4】
ハイブリッドのナンヨウアブラギリ種子を作り出すための方法であって、前記方法は、
(1)一区画内で、表現型Aの第1のナンヨウアブラギリ植物を、表現型Aと異なる表現型Bの第2のナンヨウアブラギリ植物で間作する工程であって、その結果、前記区画内の花粉交換が、前記第1の植物と前記第2の植物に制限される工程と、およびその後、
(2)前記第1の植物から果実を収穫する工程であって、表現型Aは雌株のみの開花形質を含み、表現型Bは雌株のみの開花形質を含まず、それによってF1ハイブリッド(AxB)の種子が前記第1の植物から得られる工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
前記区画が、他のジャトロファ植物がほとんどない領域であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の植物および前記第2の植物が、異なる近交系に由来することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の植物が前記第2の植物と交配されると、結果として生じるF1ハイブリッドの子孫が、どちらの親の系統のものより優れた生産力および種子収量を示すように、前記第1の植物および前記第2の植物が遺伝学的に異なっていることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の植物が、FO形質に関してホモ接合の系統に由来することを特徴とする請求項5に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−516187(P2013−516187A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548047(P2012−548047)
【出願日】平成22年12月30日(2010.12.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/062525
【国際公開番号】WO2011/084867
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(512176819)エスジー バイオフューエルズ,エルティーディー. (1)
【Fターム(参考)】