説明

雑草生育抑制板

【課題】 樹木や電柱や電柱の支線などの棒状部材の周辺に雑草が生育することを抑制し、簡単に装着することが可能な雑草生育抑制板を提供する。
【解決手段】 地表面に接する電柱7の周囲に配され、可撓性を有する材料からなる螺旋帯状シート3の両端部を重ね合わせた重なり部6を有し、重なり部における一方の縁の径方向に延びる端部a4と他方の縁の径方向に延びる端部b5とのなす角度が45°であり、螺旋帯状シート3の幅が草刈機の回転刃の直径より広く、中心部に穴を有する雑草生育抑制板1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は雑草生育抑制板に関し、特に未舗装箇所に設置された電柱その他の棒状部材周辺の雑草生育の抑制に有用なものである。
【背景技術】
【0002】
現在、未舗装箇所に設置された電柱その他の棒状部材周辺の雑草は草刈機などで刈り取っている。しかし、この除草作業において棒状部材の至近部を刈る際に草刈機の回転刃が棒状部材に接触して棒状部材を破損したり、逆に棒状部材に接触した草刈機の回転刃が破損したりする問題があった。したがって、近年未舗装箇所に設置された電柱その他の棒状部材周辺の雑草の生育を抑制するためのカバーが提案されている(特許文献1参照)。このカバーにより、棒状部材の至近部の雑草の生育を抑制し、草刈機の回転刃を近づける必要が無くなり、棒状部材と草刈機の回転刃の接触が無くなり、草刈機の回転刃及び棒状部材の破損を防止することができる。
【0003】
【特許文献1】特許第2963089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上に述べたカバーでは、カバーの端部同士を締結する必要があり、ボルトやバンド体が必要となり、カバーを多数設置する場合には手間を要する問題があった。
【0005】
本発明は、上述の問題に鑑み、樹木や電柱や電柱の支線などの棒状部材の周辺に雑草が生育することを抑制し、簡単に装着することが可能な雑草生育抑制板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の第1の態様は、地表面に接する棒状部材の周囲に配され、棒状部材の至近部の雑草の生育を抑制して回転刃により棒状部材の周囲の雑草を刈る際に回転刃を棒状部材に接触させずに雑草を刈ることができるようにする雑草生育抑制板であって、螺旋帯状シートの両端部を重ね合わせた重なり部を有し、螺旋帯状シートの径方向の幅が草刈機の回転刃の直径より広いことを特徴とする雑草生育抑制板にある。
【0007】
かかる第1の態様では、簡単な構造により容易且つ短時間で雑草生育抑制板を設置することができる。また、螺旋帯状シートの幅が草刈機の回転刃の直径より広いために、雑草の生育が抑制された棒状部材付近から、雑草の生育している方向に向けて、中心から外側に草刈を行うことが可能となる。したがって、草刈の際に草刈機の回転刃と棒状部材の接触を防止することが可能となる。
【0008】
本発明の第2の態様は、地表面に接する棒状部材の周囲に配され、棒状部材の至近部の雑草の生育を抑制して回転刃により棒状部材の周囲の雑草を刈る際に回転刃を棒状部材に接触させずに雑草を刈ることができるようにする雑草生育抑制板であって、螺旋帯状シートの両端部を重ね合わせた重なり部を有し、重なり部における一方の縁の径方向に延びる端部と他方の縁の径方向に延びる端部とのなす角度が30〜60°であることを特徴とする雑草生育抑制板にある。
【0009】
かかる第2の態様では、簡単な構造によって、重なり部の両端を押し上げる様にして棒状部材の周辺に本発明の雑草生育抑制板を設置することにより、両端部の間から雑草が生育することを容易に防ぐことができる。また、重なり部の一方の端部の縁と他方の端部の縁のなす角度が大きすぎないことから、施工性を低下させずに雑草生育抑制板を設置することができる。
【0010】
本発明の第3の態様は、地表面に接する棒状部材の周囲に配され、棒状部材の至近部の雑草の生育を抑制して回転刃により棒状部材の周囲の雑草を刈る際に回転刃を棒状部材に接触させずに雑草を刈ることができるようにする雑草生育抑制板であって、螺旋帯状シートの両端部を重ね合わせた重なり部を有し、重なり部における一方の縁の径方向に延びる端部と他方の縁の径方向に延びる端部とのなす角度が30〜60°であり、螺旋帯状シートの径方向の幅が草刈機の回転刃の直径より広いことを特徴とする雑草生育抑制板にある。
【0011】
かかる第3の態様では、簡単な構造により、第1の態様及び第2の態様の両者の利点を兼ね備えることができる。
【0012】
本発明の第4の態様は、第1〜3の態様に係る雑草生育抑制板において、螺旋帯状シートが可撓性を有するゴムからなることを特徴とする雑草生育抑制板にある。
【0013】
かかる第4の態様では、ゴムの可撓性によって容易に雑草生育抑制板を設置することができる。
【0014】
本発明の第5の態様は、第1〜3の態様に係る雑草生育抑制板において、螺旋帯状シートが可撓性を有する金属からなることを特徴とする雑草生育抑制板にある。
【0015】
かかる第5の態様では、金属の可撓性によって容易に雑草生育抑制板を設置することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、形状が一体的であり端部の締結も不要であるため、雑草生育抑制板の生産性が向上し、また容易に雑草生育抑制板を設置することが可能となるため、施工性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0018】
図1〜図3は本発明の実施形態に係る雑草生育抑制板の詳細である。
【0019】
図1は、本発明の雑草生育抑制板1の斜視図である。図1に示すように、本発明の雑草生育抑制板1は中心部に円形の穴2を有する螺旋帯状シート3の一方の端部a4が他方側の上側に重なり、重なり部6が設けられた円盤状となっている。螺旋帯状シート3はゴムや金属などの可撓性を有する材料からなっている。
【0020】
図2に、棒状部材である電柱7に取り付けた状態の雑草生育抑制板1の斜視図を示す。雑草生育抑制板1の螺旋帯状シート3の端部a4及び端部b5の重なりを引き離す様に広げ、中心部の穴2に電柱7下端部に位置させ、再び両端部a4及びb5を重ね合わせることにより、電柱7の地表面の周囲に雑草生育抑制板1を設置する。この様に、簡単な構造で扱いが容易なため、瞬時に且つ容易に雑草生育抑制板1の取り付けが可能である。端部a4と他方の端部b5が円盤状の中心部から放射状態とされ、端部a4と端部b5の角度は45°である。なお、端部a4と端部b5の角度は30〜60°であっても良い。
【0021】
端部a4と端部b5の角度が45°であることにより、十分な重なり部の幅が確保され、重なり部から雑草が生え出てしまう虞が少ない。また、着脱時に重なり部6を引き離すように広げる際、重なり部分の幅が広すぎることが無いので、過大な労力を必要としない。この結果、締結部材を使用せずに雑草の生育を抑制することが可能となり、締結に手間がかからず、締結部材も不要となり、雑草生育抑制板1の生産性及び施工性を向上して雑草の生育を抑制することができる。
【0022】
図3は、本発明の雑草生育抑制板1の断面状態概要図である。図3に示す通り、螺旋帯状シート3の径方向の幅は草刈機8の回転刃9の直径より若干大きくなっている。
【0023】
このため、螺旋帯状シート3上に草刈機8の回転刃9を位置させ、草刈機8の回転刃9や電柱7を損傷せずに内側から外側に向けて刈ることが可能となる。また、螺旋帯状シート3の径方向の幅は草刈機8の回転刃9の直径より若干大きい程度なので、回転刃9を螺旋帯状シート3上に位置させることができるシートであるにも拘らず過大な幅になることがなく施工性の低下を防ぐことができる。
【0024】
図4は本発明の雑草生育抑制板1が利用される棒状部材等の例として支線11への適用を示した図である。雑草生育抑制板1の中心部の穴2の径を変更することにより様々な棒状部材等への適用が可能である。適用される棒状部材等の例としては樹木や看板、電灯、道路標識など様々なものが挙げられ、用途は限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の雑草生育抑制板の斜視図である。
【図2】本発明の雑草生育抑制板の電柱への適用例である。
【図3】本発明の雑草生育抑制板の断面状態概要図である。
【図4】本発明の雑草生育抑制板の支線への適用例である。
【符号の説明】
【0026】
1 雑草生育抑制板
2 穴
3 螺旋帯状シート
4 端部a
5 端部b
6 重なり部
7 電柱
8 草刈機
9 回転刃
10 雑草
11 支線



【特許請求の範囲】
【請求項1】
地表面に接する棒状部材の周囲に配され、棒状部材の至近部の雑草の生育を抑制して回転刃により棒状部材の周囲の雑草を刈る際に回転刃を棒状部材に接触させずに雑草を刈ることができるようにする雑草生育抑制板であって、螺旋帯状シートの両端部を重ね合わせた重なり部を有し、螺旋帯状シートの径方向の幅が草刈機の回転刃の直径より広いことを特徴とする雑草生育抑制板。
【請求項2】
地表面に接する棒状部材の周囲に配され、棒状部材の至近部の雑草の生育を抑制して回転刃により棒状部材の周囲の雑草を刈る際に回転刃を棒状部材に接触させずに雑草を刈ることができるようにする雑草生育抑制板であって、螺旋帯状シートの両端部を重ね合わせた重なり部を有し、重なり部における一方の縁の径方向に延びる端部と他方の縁の径方向に延びる端部とのなす角度が30〜60°であることを特徴とする雑草生育抑制板。
【請求項3】
地表面に接する棒状部材の周囲に配され、棒状部材の至近部の雑草の生育を抑制して回転刃により棒状部材の周囲の雑草を刈る際に回転刃を棒状部材に接触させずに雑草を刈ることができるようにする雑草生育抑制板であって、螺旋帯状シートの両端部を重ね合わせた重なり部を有し、重なり部における一方の縁の径方向に延びる端部と他方の縁の径方向に延びる端部とのなす角度が30〜60°であり、螺旋帯状シートの径方向の幅が草刈機の回転刃の直径より広いことを特徴とする雑草生育抑制板。
【請求項4】
請求項1〜3において、螺旋帯状シートが可撓性を有するゴムからなることを特徴とする雑草生育抑制板。
【請求項5】
請求項1〜3において、螺旋帯状シートが可撓性を有する金属からなることを特徴とする雑草生育抑制板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−68469(P2007−68469A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−259394(P2005−259394)
【出願日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】