離調可能な無線周波数タグ
誘導コイルが基板でもよい誘電体層の両側にプレートを有するコンデンサに接続され、基板の第1の面のアンテナとして作用する。コンデンサとコイルは、共振回路を形成する。タグの非活性化のために、回路はタグが共振周波数前後で強電界にさらされると、その導電特性が絶縁状態から導通状態へと変化させるスイッチ構成物にて閉じられた不連続点も含む。スイッチ構成物は、コンデンサプレートを短絡するように配置か、追加のコンデンサプレートを導入か、誘導コイル特性を変化させる。スイッチ構成物は回路へ追加部品(IC)を導入してもよい。タグは多重周波数タグを与えるために順次再同調用に配置されてよい。スイッチ構成物は薄片状の金属を5から75重量%含むインク調合物でよい。スイッチ構成物の応答改善および/またはスイッチ構成物の絶縁状態への逆戻り防止に、スイッチ構成物は脱酸素剤またはイオン種を含んでよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は外部電界によって検知され得る無線周波数(RF)タグに関し、より詳細には、活性化、再同調/離調および/または非活性化され得るRFタグに関する。そのようなタグは、電子商品監視(EAS)に頻繁に使用され、そのような店または図書館の囲まれた区域から認可されていない物品が取り去られるのを検知する。
【0002】
簡単な「1ビット」EAS RFタグは、一般に、誘導要素およびコンデンサ要素を有する同調回路を備える。検知器「ゲート」は、囲まれた区域の出口に配置され、ゲート内のコイルがタグの共振周波数で電界を生成する。タグがゲートを通過すると、電界が乱され、ゲートに取り付けられた回路が、この混乱を検知して信号を生成し、その結果として警報を作動させることができる。実際上、タグの製造ばらつきを許容するために、一般に、ゲートの周波数は、予期される共振周波数の前後の周波数を走査する。
【0003】
囲まれた区域から、認可されて物品を取り去ることができるようにするためには、タグが非活性化される。例えば、支払いがなされていない商品だけが警報器を作動させるように、商品上のタグは、販売場所で非活性化される。そのうえ、例えば継続的な物品の移動またはパスの使用を記録するために、複数の共振周波数で動作することができるタグが必要である。
【背景技術】
【0004】
知られているRF EASタグは、一般に、誘導要素として、一般にアルミニウムまたは銅など金属のアンテナコイルを備えるが、これは誘電体基板を金属で被覆して所望のコイルパターンにエッチングレジストを与え、残った金属をエッチングで除去することにより基板上に形成されたものである。エッチングレジストパターンは、コンデンサの1枚のプレートとして働く、アンテナに電気的に接続された区域も含む。基板の反対側には、第1のプレートと実質的に整合されたコンデンサの第2のプレートが類似の技法によって与えられ、基板の第1の面上の第1のプレートから遠いアンテナの終端と整合された基板の第2の面上のポイントに導電トラックによって接続される。次いで、端部で、またはホールを貫通して、基板の2つの面の間が電気的に接続され、インダクタンス/キャパシタンス回路が完成する。この貫通接続は、半田付けなど従来の任意の手段によってなされ得るが、適切な電気接点を形成するように2つの金属トラックを圧着することにより簡単に成し遂げられ得る。
【0005】
あるいは、可撓性基板の片面上にタグを形成し、次いで、このタグを折り重ねてコンデンサの2つのプレートを整合させるものが米国特許第6,373,387号から知られている。
【0006】
米国特許第4,567,473号は、タグが非活性化されることを可能にする技法を説明しており、一方または両方のコンデンサプレートの区域が穴を空けられるか切れ目を入れられて、誘電体基板内にウィークポイントを形成する。タグを非活性化するために、タグは共振周波数で非常に高い電界にさらされ、このことが、このウィークポイントで誘電体基板に絶縁破壊を起こさせる大電流もたらし、したがってコンデンサをショートさせて回路の共振応答を解消する。そこで、タグは、もはやゲートの低い電界によって検知されず、したがってゲートを通されたとき警報を作動させないであろう。
【0007】
恐らく、弱くするステップの再現性が低いので、ヒューズを形成するこの方法は信頼できないことが知られている。したがって、多くのタグが製作過程で短絡されるか、販売場所で解消しそこなうか、または解消した後で、ある時再活性化する。製造の信頼性は50%しかないかもしれない。
【0008】
米国特許第3,967,161号は、代替構造を説明しており、共振回路の一部が、狭くなるかまたは下に細くなる形状をした可溶性リンクを備え、非活性化する電界にさらされたとき、この部分が溶融して回路を遮断する。米国特許第4,385,524号は、この変形形態を説明しており、可溶性リンクが、グラファイト、カーボンブラック、銀、銅、アルミニウムまたは任意選択で促進剤を含む金などの可溶性リンクによって閉じられた間隙を備える。しかし、そのような構造体では、可溶性リンクが共振回路の一部を形成するのでインピーダンスが共振周波数に影響し、したがって、厳密に制御されなければならない。さらに、可溶性リンクが共振回路の一部を形成するので、回路に直列抵抗を加え、これが共振周波数でのインピーダンスを低下させる。これは、共振応答が不十分になることを明示しており、その結果として所与の電界強度またはゲート隔離でのデバイスの読み取り範囲に影響を及ぼす。可溶性リンクの、製造、保管または稼動におけるばらつきは、抵抗の変動を生じさせることがあり、その結果リンクを溶かすのに必要とされる電界強度が変動する。いくつかの例では、可溶性リンクには機械的損傷を被る傾向があり得て、読み取り範囲が不足するかまたはゲートが可溶性リンクを解除する原因となる。可溶性リンクが、非活性化の前にいずれかの段階で壊れると、デバイスが読み取り不可能になるであろう。
【0009】
タグ内に電子スイッチを与えて回路の共振を変化させることも知られている。例えば、欧州特許第1429301号は、回路内またはコンデンサのプレート間の電界効果トランジスタなど可逆的なスイッチを有するタグを説明している。しかし、そのようなシステムは製造するのが本質的に高くつき、スイッチ自体に加えてメモリ要素をしばしば必要とし、低価格で多量のタグにはふさわしくない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、RF手段によって活性化され得て、安く確実に製造され得る非活性体の代替設計の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、RFタグ内での使用に適する実質的に絶縁のスイッチ構成物を提供する。回路の特性を変更し、その結果としてRFタグの共振周波数を変化させるはずのRF電界にさらされたとき、この構成物はその導電率を十分に変化させることができる。
【0012】
本発明によれば、誘導コイルによって形成された同調回路を備えるRFタグが提供され、このコイルは、基板の第1の面上でアンテナとして作用し、誘導コイルと基板の同じ面上にある第1のコンデンサプレートに電気的に接続される。前記誘導コイルは、第1のコンデンサプレートと実質的に整合されているが誘電体層によって第1のコンデンサプレートから分離される第2のコンデンサプレートに電気的に接続されている。RFタグは、タグが共振周波数またはその前後の周波数の強電界にさらされるとき、その導電特性が絶縁状態から導通状態へと変更され得るスイッチ構成物が与えられている絶縁間隙も同調回路が含むことを特徴とする。好都合には、誘電体層は基板でよく、第2のコンデンサプレートは、基板の第2の面上に配置され、導電トラックおよび基板を貫通する電気接続部によってコイルに接続されてよい。あるいは、第1および第2の導電トラックが基板の同じ面上にあってもよく、例えば上記の米国特許出願で説明されたように、誘電体層は個別の層でよい。
【0013】
(次いで、発明はこの説明によって制限されないが)強電界は、スイッチ構成物の両端に高電位を生成し、その結果として構成物を絶縁状態から導通状態に変換するのに有効であると考えられる。
【0014】
絶縁間隙は、回路上の任意の好都合なポイントに配置されてよい。スイッチ構成物が絶縁状態にあるとき、実質的に同調回路には影響を及ぼさない。しかし、導通状態に変換されたとき、スイッチ構成物が回路の共振を変化させる。この変化は、非活性化された状態または別の共振周波数に対するものであり得る。
【0015】
あるいは、またはさらに、導電率が変化すると、タグの特性を変化させるために、集積回路またはメモリチップなどさらなる電気部品を回路内へ導入することがある。
【0016】
スイッチ構成物に変化をもたらすためにデバイスに与えられるRF信号のエネルギーは、RFタグを非活性化するために一般に使用されるエネルギーと実質的に同じでよい。スイッチ構成物が切り換わる電圧は、利用可能な電圧次第で選択されてよい。
【0017】
任意選択で、回路は、同一かまたは異なるスイッチ構成物を与えられている複数の絶縁間隙を含んでよい。第1の絶縁間隙内のスイッチ構成物が導通状態に変化させられており、第2の共振周波数が実現されているような回路構成であるとき、タグは、第2の共振周波数で動作する従来技術で一般に使用されるものなどの低消費電力RF送信機および検知器で応答させられ得る。
【0018】
好都合には、応答するRF送信機および検知器の電力は、スイッチ構成物内の導電率のさらなる変化をもたらす程大きくないであろう。しかし、第2の共振周波数でより高い電力を印加すると、さらにこのスイッチ構成物の導電率の変化または第2の絶縁間隙内のスイッチ構成物の導電率の変化を誘起し得て、タグを第3の共振周波数へと変換する。このプロセスは、さらなる共振周波数を生成するために繰り返されてよい。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、絶縁間隙は、誘導コイルをバイパスして第1および第2のコンデンサプレートに接続された導電トラックの間にあってよい。スイッチ構成物が絶縁状態にあるとき、実質的に同調回路には影響を及ぼさない。しかし、導通状態に変換されたとき、スイッチ構成物がコンデンサを短絡し、かつ回路の共振を、減衰させるか、再同調または解消する。
【0020】
代替実施形態によれば、スイッチ構成物が1つまたは複数のさらなるコンデンサプレートの間にあってよい。構成物が活性化されるようなときには、1つまたは複数のさらなるコンデンサプレートが回路内に導入され、回路のキャパシタンスを変化させる。1つまたは複数のスイッチ構成物によって第1または第2のコンデンサプレートに結合された複数のコンデンサプレートがあってよい。例えば、第2のコンデンサプレートは、第1のコンデンサプレートの一部だけと整合されてよく、スイッチ構成物によって閉じられた絶縁間隙によって第2のコンデンサプレートから分離された第3のコンデンサプレートが、第1のコンデンサプレートの残りと整合されてよい。あるいは、第3のコンデンサプレートは、さらなるスイッチ構成物によって閉じられた絶縁間隙によって第1のコンデンサプレートから分離された第4のコンデンサプレートと整合されてよい。1つまたは複数のスイッチ構成物を絶縁状態から導通状態へと変化させることは、第1および第2のコンデンサプレートと並列に1つまたは複数の追加プレートを導入することになり、したがって、キャパシタンスが増加してタグ回路の共振周波数が変化することになる。同一かまたは異なるスイッチ構成物によって接続されている一連のコンデンサプレートを使用することによって、1つのタグが構成され得て、これが順次に活性化され得て一連の周波数で共振することが明白であろう。
【0021】
代替実施形態によれば、絶縁間隙が誘導コイル上の2箇所の間にあってよい。導通状態に変換されたとき、スイッチ構成物は、コイルの有効巻数を減らし、したがってコイルのインダクタンスを低下させてタグの共振周波数を変えることになる。あるいは、スイッチ構成物を導通状態へと変換すると存在する有効なコイルの数が増加し、したがってインダクタンスが増加するように、スイッチ構成物は、コイルとさらなる誘導コイルまたは一連の誘導コイルの間にあってよい。例えば、さらなる誘導コイルは、元の誘導コイルの内部または外部のさらなる巻きでよい。
【0022】
本発明の第2の態様では、RFタグが複数の同調回路を備え、前記タグを第1の共振周波数に相当するRF周波数にさらすことにより、1つまたは複数の回路が、第1の共振周波数から第2の共振周波数へと、または非共振状態(例えば減衰された状態)へと変化させられ得る。RFタグは、様々な周波数に同調された個別のインダクタンスコイルおよびコンデンサを各々が有する個々に同調された回路の配列を備えてよい。個々の同調回路は、実質的に同一平面上の配列に配置されるか、積み重ねられるか、または他の任意の好都合な構成でよい。これらの個々のRF回路は、設定周波数で動作する強いRF電界を使用して書き込まれてよい。これらは共振回路のうちのいくつかを非活性化(0)するために使用され得て、また、他のものは活性化された状態(1)で保持され得て、光バーコードに類似した一連の2値の共振データを生成する。これらの配列の次元および読み取り範囲は、特定の用途に適するように作成されることになる。代替配置では、RFタグは、第1のタグの上に絶縁層を与え、次いで、後続のRFタグを与えて層状構造を構築することにより、基板の面上にのみ連続した層に構築され得る。
【0023】
本発明の第3の態様は、これまでに定義されたタグを活性化する方法を与え、この方法は、i)1つまたは複数の回路の共振周波数を選択するステップと、ii)前記回路を、第1の周波数での共振から、第2の周波数での共振へと変化させるかまたは非共振状態へと変化させるステップと、iii)ステップi)とステップii)を繰り返して、前記活性化タグに共振周波数の一意の組合せをもたらすステップと、iv)前記RFタグ内の複数の同調回路に共振を起こさせることができる複数の低消費電力RF信号を伝送するステップと、v)前記の共振周波数の存在を検知するステップとを含む。
【0024】
別の実施形態では、RFタグは、付加的なやり方で新規の周波数へと連続して変化させられ得る。これは、例えばタグ読取装置との相互作用の回数などの情報を提供するか、または不正な変更によりタグが非活性化されたかどうかを検知するために使用され得る。
【0025】
導通と絶縁は相対的な用語であることが理解されるべきである。例えば、導通状態の導電率は、一般的な金属導体と同じくらい高い必要はない。必要なのは、導電率の差が回路のインピーダンスまたは同調を十分に変化させて、検知器ゲートに対する回路の応答を変化させることだけである。場合によっては、共振回路が基本的に誘導−容量(LC)回路のままであるように、導通状態でのスイッチ構成物の抵抗が非常に低いことが好ましいであろう。他の場合には、導通状態の導電率を制御すると、抵抗要素を導入して誘導/容量/抵抗の回路(LCR)を作成し、同調回路の共振を減衰させることになるので好ましいであろう。
【0026】
空気中および結合剤配合物中において、不活性の微粒子として、好ましくは薄片または針状結晶として作成され得るのであれば、原理上は任意の金属が使用され得る。適当な金属は、アルミニウム、銅、鉄、鋼、亜鉛、チタンおよびとりわけニッケルを含む。金属は、一般に、溶剤除去後に硬化されたスイッチ構成物の5%から75%(重量/重量)を構成するべきである。
【0027】
ヒューズ構成物が導通状態で高い抵抗値(低い導電率)を有する場合、金属含有量は、好ましくは硬化されたスイッチ構成物の5%と25%(重量/重量)の間である。金属粒子の総充填が少ないとき、新規の共振周波数でインピーダンスが低い。タグは、読取装置によって検知されないであろう。したがって、さらなるコンデンサプレートを接続するのであれば、タグは、非活性化されているかひどく減衰されていると評され得る。
【0028】
スイッチ構成物内で金属装填が著しく低いとき、RF回路と例えばコンデンサプレートなど電気部品の間に生成された接続は、高抵抗を有することになる。新規の抵抗要素およびコンデンサ要素は、共振に対する電子的ダンパとして働き、電気エネルギーは、代わりに抵抗要素に吸収される。
【0029】
あるいは、金属粒子装填がより高い場合、例えば、質量で、硬化された構成物の25%から75%であると、抵抗は回路に対して重要な要因ではない。したがって、高い金属充填を使用するとき、その効果は、低抵抗の電気接続を生成することである。次いで、タグは、新規の周波数に同調された読取装置によって読まれ得る。
【0030】
最適の金属含有量は、金属の素性および物理的な形に依存し、また、タグを検知し解除するために使用される電界の周波数および強度、ならびにタグの回復が必要か、もし必要なら回復の期間とその程度など他の要因にも依存するであろう。任意の所与の例における理想的な構成物は、型通りの実験によって容易に求められ得る。
【0031】
スイッチ構成物に充填された金属の重量パーセント含有の選定が、構成物が導通状態へと変化させられたときの抵抗を決定するであろう。
【0032】
好ましくは、導電微粒子の寸法は0.1μmから1000μmの範囲であり、より好ましくは、1μmから100μmの範囲であるが、多くの例では、微粒子が球状よりむしろ平面状(すなわちz寸法がx寸法やy寸法より大幅に小さい)か、または針状(z寸法およびy寸法がx寸法より小さい)であり得ることが理解されよう。
【0033】
スイッチ構成物は、被覆されるべき基板上にプリントするのに適している配合物に加えられてよい。
【0034】
本発明の別の態様によれば、高い電位にさらされたとき導電特性が絶縁状態から導通状態へと変化させられ得る本発明による方法を実行するのに適したスイッチ構成物が提供される。したがって、ある電位にさらされたとき導電特性が絶縁状態から導通状態へと変化させられ得るRFタグに適したスイッチ構成物がさらに提供され、スイッチ構成物が結合剤および絶縁表面層を有する複数の導電微粒子を含み、実質的に全ての前記微粒子が隣接した微粒子に接触していて、その結果、絶縁表面層が電気的な電位で破壊されたとき導電経路を生成する。
【0035】
スイッチ構成物は、好都合には、揮発性溶剤および結合剤を含み得る構成物として与えられてよい。適当な揮発性溶剤は、水、アルコール、ケトン、エーテルおよび他の揮発性有機溶剤を含む。適当な結合剤は、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリウレタン、UV硬化可能な単量体および低重合体ならびにホットメルト接着剤などの有機高分子を含む。プリントインクの中に従来使用されている他の適当な結合剤は、当業者には明らかであろう。
【0036】
本発明のこの態様はRFタグに限定されず、2つの回路要素を連結し、その接続路の導電率を、与えられた電界または電圧を印加することによって変化させる必要があるあらゆる電気回路内で使用され得ることが理解されるであろう。
【0037】
このスイッチ構成物は、RFタグ内のコンデンサの特性を変化させることにおいて、従来技術の弱められた絶縁体よりはるかに信頼できることが分かっている。
【0038】
しかし、スイッチ構成物は共振回路の一部を形成する必要がないので、その電気的性質は、共振回路内の可溶性リンクほど重要ではない。
【0039】
導電率の変化は、時間または外部刺激の印加に対して、不変でも可逆的でもよい。従って、以前に使用された「1回限りの」RFタグと異なり、繰り返し活性化および非活性化され得るタグが作成され得る。
【0040】
本発明の一実施形態では、スイッチ構成物は、好ましくは金属または合金の導電微粒子を含むインクなど実質的に非導電の結合剤配合物を含む。しかし、導電微粒子は、メタロイドあるいはグラファイトまたは導電性高分子など他の導電材でよい。好ましくは、微粒子は、薄片または針状など、平らにされた微粒子または細長い微粒子の形をしている。スイッチ構成物の中に、複数のタイプの導電微粒子が存在してよい。
【0041】
スイッチ構成物は、十分に離隔されていれば絶縁構成物を形成する複数の導電微粒子を含んでよい。導電微粒子は、有利には最も外側の表面上に非導電層を有することになり、これは、好都合には酸化物被覆の形をとってよい。
【0042】
導通状態におけるスイッチ構成物の導電率は、金属粒子装填、微粒子の形状、およびスイッチ構成物内の絶縁層の誘電特性に依存する。インク中のこの構成要素の総装填を制限するために、金属薄片を使用するのが好ましい。
【0043】
ほとんどの金属粒子は酸化物被覆を有することになり、スイッチ構成物におけるその濃度次第で、微粒子は互いに接触しないであろうと考えられる(しかし本発明はこの説明によって限定されるものではない)。強いRF電界を与えた時に誘起される電位は、微粒子間の酸化被膜および間隙が克服されて導電経路を与えることを意味するであろう。酸化物を低減する仕組みを改善するために、化学物質還元剤または脱酸素剤が加えられてよい。使用され得る表面絶縁層のさらなる例は、化学的に接合された窒化物または硫化物の層であろう。
【0044】
あるいは、RF電界の作用によって克服され得る他の表面被覆が使用されてもよい。絶縁層は、導電微粒子に、物理的に吸着され得るか、化学的に接合され得るか、または静電気的に引きつけられ得て、例えば単なる例として、そのような絶縁層は、好都合には水酸化物またはハロゲン化物でよい。吸着または被覆された絶縁層の例は、シリカ、有機化合物またはディウェッティング剤である。好ましくは、絶縁表面層は、例えばステアリン酸、オレイン酸などの有機化合物またはディウェッティング剤(一般にリーフィング剤と呼ばれる)である。好都合には、ある薄片または微粉にされた金属粉は、それらの取り扱いを助けるためにディウェッティング剤を与えられてよく、この被覆は、絶縁層に十分な絶縁特性を与えることができる。あるいは、絶縁層を壊すのに必要な電圧を調節するために、さらなる有機化合物またはディウェッティング剤のより厚い層が導電微粒子に与えられてよい。
【0045】
RFタグの場合には、RFタグを非活性化するシステムは、健康上および安全上の問題のために、かなり控え目な電圧しか発生する(回路内に誘起する)ことができない。したがって、絶縁層の厚さは、必要な電圧で壊れて導電経路を形成することができるように選択され得る。RFタグシステム向けの好ましい実施形態では、絶縁表面層の厚さは10ミクロン未満、好ましくは1ミクロン未満であろう。好都合には、数ミクロンの範囲にある導電微粒子については、絶縁表面層は100nm未満でよく、さらに好ましくは50nm未満がよい。
【0046】
そのうえ、スイッチ構成物インクにイオン種が加えられてよく、微粒子間の交差接続を改善するかまたは電気化学的処理を起動する。
【0047】
酸化物絶縁被膜を有する材料を含むスイッチ化合物が、ある期間を超えて空気など酸素を含む環境にあると、絶縁状態に戻り、タグを再活性化することが認められるかもしれない。これは、金属粒子が再度酸化する傾向があるためであると考えられる(しかし本発明はこの説明によって制限されるものではない)。これが生じる速度は、温度、酸素の含有量および減少あるいはインクおよびそれが付いている材料に関連した酸化の化学作用(例えばヒューズインクの中に使用される金属と、金属トラックまたはコンデンサプレートに関連した金属の間で引き起こされた電気化学的腐食)など複数の要因に依存することになる。しかし、結合剤配合物の性質がこの速度に影響を及ぼしやすく、そのため、結合剤の配合を制御することにより、様々な回復時間のヒューズの組成が策定され得る。結合剤は、金属が再度酸化することができないように選択されてよく、インクは、任意選択で、再酸化を防ぐための脱酸素剤または回路内の金属と同じガルヴァーニ電位を有する金属粒子を含んでよく、これは、恐らく再活性化することができない1回使用のデバイスを与えるであろう。
【0048】
あるいは、別の実施形態では、スイッチ構成物を再活性化することができるさらなる構成要素をインク配合物中に与えることは好都合であろう。その一例は、タグが非活性化されると直ちに逆反応が金属を再度酸化させてRFタグの活動を回復することができるように、スイッチ構成物内の金属を再度酸化させることができる構成要素を含むことであろう。
【0049】
スイッチ構成物は、例えばプリント(インクジェット、リソグラフィまたは任意の他の従来プリント方式)または単にタグ上にヒューズ構成物を落とすことなどによる任意の好都合なパターン転写方法によって基板に与えられ得る。好ましくは、スイッチ構成物は、例えば後で蒸着によって取り除かれる揮発性溶剤など硬化可能なインク中に加えられる。適当な溶剤は、水および有機溶剤を含む。
【0050】
スイッチ構成物は、基板向けに設計された適当な結合剤を有する従来のプリントインク構成物へ合体されてよく、そのようなインクで慣例的な顔料を含んでも省略してもよい。あるいは、スイッチ材料は、紫外UV光、電子ビームまたは他のエネルギッシュな媒体のもとで交差結合によって凝固する材料から作られたインク配合物に加えられてもよい。
【0051】
スイッチ構成物またはRFタグは、回路の共振周波数が変化するとき視覚表示器の色または吸収率が変化するように、視覚表示の手段も含むことができる。スイッチ構成物の導電率が変化するとき、表示器の色が変化することができる。スイッチ構成物は分光的に活性の物質または蛍光性化合物を含んでよく、またはこれらの物質で被覆されてもよい。
【0052】
基板は、例えば、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリカーボネート、PETのようなポリエステル、ABSなど構造上の重合体、エポキシ/ガラス繊維複合材料(FR4として知られているものを含む)などのポリマー複合材料、またはセラミックなど任意の適当な剛体または可撓性の誘電体基板でよい。
【0053】
基板および/または絶縁体は、絶縁のスイッチ構成物でよい。スイッチ構成物は、スイッチ構成物の導電率の変化を引き起こすために強いRF電界にさらされたとき、回路が短絡し、したがって非活性化されることになる。これは非常に簡単な1回限りのデバイスを与えることになる。
【0054】
コンデンサプレートおよびアンテナを形成する誘導コイルは、金属板を与えて次に所望のパターンをエッチングするか、または導電性インクをプリントするなどの従来技術によって基板に与えられ得るが、好ましくは、任意選択で電着が後続する無電解めっきによって与えられ、これは、国際特許出願WO02/099162の公報に、より完全に説明されている。
【0055】
結合剤システムにおいて絶縁層のない導電微粒子を使用すると、十分な装填で導電構成物を生じさせるであろう。しかし、物理的な除去以外には構成物の導電性の性質を切り換える手段がない。同様に、伝導性をもたらすには不十分な充填で、絶縁層なしで導電微粒子が使用されると、隣接した導電微粒子間の結合剤の大部分の電気的な絶縁破壊によって、導電微粒子の導電率が変えられ得る。しかし、これは、結合剤を炭化するために非常に顕著なエネルギー量を必要とすることになり、RFタグシステムには適さないであろう。したがって、絶縁層または誘電体層なしの単純な導電微粒子は、大電圧が利用できない電子機器内のスイッチとしては、特に有効ではないであろう。
【0056】
本発明は、同封された図面を参照しながらさらに説明されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
図1aは、被覆を厚くするための電気めっきが後続する、国際特許出願WO02/099162の公報で説明された、無電解のプリンティングによって銅の導電パターンがプリントされたポリプロピレン基板1を備えるタグの第1の表面を示す。
【0058】
このパターンは、アンテナを形成するコイル2を備える。便宜上、コイルのほんの少しの巻きが示されている。実際のタグでは、必要とされるインダクタンス次第でより多くの巻きがあるであろう。コイル2は、表面の外縁部に近いポイント3から中心に向って内側へ巻き、中心で、これも導電パターンの一部を形成しているコンデンサの第1のプレート4に対して電気接点を作成する。第1のプレート4から延びてコイル2または第1のプレート4と離れている第1の表面上のポイント6で終結する第1の延長トラック5も、導電パターンの一部を形成している。
【0059】
図1bは、その上に第2の導電パターンが類似のプロセスによって与えられている同じタグの第2の表面を示す。このさらなる導電パターンは、第1の表面上のポイント3の反対側のポイント3’に始まって筋向かいに内側へ通過し、コンデンサの第1のプレート4の反対側にあってこれと実質的に整合された第2のプレート8に接続する導電トラック7を備える。第2の延長トラック9および10が、第2のプレート8から、第1の表面上のポイント6の反対側にある第2の表面上のポイント6’へと延びる。しかし、この第2の延長トラックは、絶縁間隙11によって分離された2つの部分9および10から成る。
【0060】
無電解めっきおよび/または電気めっきの間中、触媒がホールに入り金属がホールに残されるように、無電解めっきに先立って圧着するかまたはホールを作ることにより、基板1を貫通してポイント3/3’および6/6’で接続がなされ、2つの導電パターンの間に電気接続を与える。
【0061】
図1cは、間隙(覆われている)にわたって液体スイッチ構成物を落とし熱風乾燥を後続させることにより、間隙の端から端までスイッチ化合物12が与えられた後のタグの第2の表面を示す。
【0062】
図2aは、被覆を厚くするための電気めっきが後続する、国際特許出願WO02/099162の公報で説明された、無電解のプリンティングによって銅の導電パターンがプリントされたポリプロピレン基板21を備えるタグの第1の表面を示す。
【0063】
このパターンは、アンテナを形成するコイル22を備える。便宜上、コイルのほんの少しの巻きが示されている。実際のタグでは、必要とされるインダクタンス次第でより多くの巻きがあるであろう。コイル22は、表面の外縁部に近いポイント23から中心に向って内側へ巻き、中心で、これも導電パターンの一部を形成しているコンデンサの第1のプレート24に対して電気接点を作成する。
【0064】
図2bは、その上に第2の導電パターンが類似のプロセスによって与えられている同じタグの第2の表面を示す。このさらなる導電パターンは、第1の表面上のポイント23の反対側のポイント23’に始まって筋向かいに内側へ通過し、コンデンサの第1のプレート24の反対側にあってこれと実質的に整合された第2のプレート28に接続する導電トラック27を備える。
【0065】
無電解めっきおよび/または電気めっきの間中、触媒がホールに入り金属がホールに残されるように、無電解めっきに先立って圧着するかまたはホールを作ることにより、基板21を貫通してポイント23/23’で接続がなされ、2つの導電パターンの間に電気接続を与える。
【0066】
図2cは、実質的にコイル22の全ての巻きにわたって液体スイッチ構成物を落とし熱風乾燥を後続させることにより、間隙の端から端までスイッチ化合物32が与えられた後のタグデバイスの第1の表面を示す。
【0067】
本発明によって非活性化することができるタグを与えるためには、コイル22の全ての巻きにわたってスイッチ構成物23を堆積する必要はなく、2つ以上の巻きにわたるだけでよいことが理解されよう。
【0068】
図3では、2つの曲線は、タグのインピーダンスと周波数の関係を示す。曲線41は、スイッチ構成物が非導通で「活性」状態にあるタグの特性を示し、曲線42は、電界を印加してスイッチ構成物を導通にした後の、非活性化された状態にあるタグの特性を示す。浅黒い両方向矢印43は、一般的な出口ゲートを作動させるのに必要なインピーダンスの近似レベルを示す。活性化したタグが検知ゲートをたやすく作動させるのに十分な最大インピーダンスを有するのに対し、非活性化後は非常に低いレベルへとインピーダンスが低下され、検知ゲートを作動させるのに不十分であることが明白に認識され得る。
【0069】
図4aおよび図4bでは、タグは、基板/絶縁体46のスルーホール45を介してタグの裏側に接続されたインダクタンスコイル41および第1のコンデンサプレート42を備える。スルーホールは、タグ前面のコンデンサプレート42によって整合され部分的に覆われる第2のコンデンサプレート43および母線44に接続される。この第2のコンデンサプレート43の面積および基板の誘電係数が、回路のキャパシタンスを決定し、その結果、誘導子ループ41を有するタグの共振周波数を決定する。第3のコンデンサプレート49は、絶縁間隙50によって第2のコンデンサプレート43から分離されるが、前述のように、絶縁間隙50にわたってスイッチ構成インク51が与えられる。第3のコンデンサプレート49は、タグ前面のコンデンサプレート42によって整合され部分的に覆われる。
【0070】
図5aおよび図5bは、図4aの第2のコンデンサプレート43および第3のコンデンサプレート49と取り替え得るコンデンサプレートの複数の構成を示す。母線(図示せず)に結合される第2のコンデンサプレート43は、間隙50にまたがる第1のスイッチ構成物51によって、第3のコンデンサプレート49に電気的に接続される。隣接したコンデンサプレート43と49の間の優れた連結性を確実にするために、スイッチ構成物51の複数の堆積があってよい。あるいは、間隙50が全てスイッチ構成物で充填されてもよい。そして次に、第3のコンデンサプレート49は、第2のスイッチ構成物53によってさらなる間隙54をわたって第4のコンデンサプレート52に接続され、第4のコンデンサプレート52は、第3のスイッチ構成物によって間隙57をわたって第5のコンデンサプレート55に接続される。第2から第5のコンデンサプレート43、49、52および55は、全て図4aの第1のコンデンサプレート42の反対側に整合されている。
【0071】
図5bは、コンデンサプレートがかなり異なった構成であり得ることを示す。図5bのコンデンサプレートの形状の利点は、新規に追加された各コンデンサプレートの面積を著しく増加または減少させることができ、その結果そのキャパシタンスを著しく増加または減少させることができるということである。他の構成(例えば同心)が使用されてよいことは明白であろう。
【0072】
好都合には、コンデンサプレート42および43、49などが、実質的に、正方形、円形、三角形、または多角形など任意の望ましい形状に作成されてよい。好都合には、形状は、例えば実質的に、正方形、円形、三角形、または多角形など、任意の断面の分離した環形でよい。
【0073】
この回路の使用中は、コンデンサプレート43および42(図4aに示される)は、回路のキャパシタンスおよびインダクタンスによって決定される共振周波数を有する。タグを活性化するために、回路の共振周波数に同調された強いRF周波数(第1のコンデンサプレート42と第2のコンデンサプレート43の相互作用によって形成されたコンデンサの面積によって部分的に定義される)が印加される。これは、スイッチ構成物51の導電率を変化させ、RF回路内に第3のコンデンサプレート49を導入することになる。より大きなコンデンサプレート(43+49)ができると、RFタグを新規の共振周波数に再度同調させることになる。新規の周波数は、プレート43および49の面積を備える新規のより大きなコンデンサプレートと相互作用する第1のコンデンサプレートのキャパシタンスによって決定される。さらに強いRF周波数が新規の共振周波数(コンデンサプレート43+49向け)で印加されると、これはコンデンサプレート52を導入し、タグをもう一度同調し直すことになる。このプロセスは、第5のコンデンサプレート55を活性化するためにもう一度繰り返されてよい。例えば使用者のクレジットを反映するためにチケットおよびパスが調節され得る場合、これは連続非活性化の状況に有用である。好都合には、複数のコンデンサプレートが、このやり方で結合され得る。
【0074】
図6は、実質的に同一平面上の配列内に配置されて各々が変化するコンデンサプレート面積43および49を有する複数の同調回路を有するRFタグを示す。各回路は、当初はコンデンサプレート43だけを使用することになる。各コンデンサプレート43が別個の面積を有するので、各回路は、別個の共振周波数を有することになる。同様に、各コンデンサプレート49は、別個の寸法でよい。したがって、各回路は、その共振周波数で強いRF信号にさらされることにより離調/再同調され得る。したがって、前述のプロセスを使用して、どの回路が離調/再同調されるか選択することが可能である。実質上、これは、活性化状態と非活性化状態で2進データを格納するのに使用され得るRF配列を生成する。このことは、同調された状態と離調された状態に相当し、ある意味で2進法のバーコードと類似しており、したがってシリコンチップデータ記憶の高価な解決策を置換する。
【0075】
図7aは、図4a〜図4bに示されるようにスイッチ構成物51によって電気的に接続される第3のコンデンサプレート49を有するRFタグの周波数に対するインピーダンスの関係を示す。曲線61は、タグの初期インピーダンスの応答を表す。この例のスイッチ構成物は、低い金属装填を有し、このことは導通状態へと変化させられたとき高抵抗値回路を生じさせる。これは実質上減衰された応答をもたらす。曲線62は、ほぼ8MHz±1MHzの帯域幅に同調された市販のEAS非活性化器の非活性化電界に1秒さらしたあとのタグの応答である。このタグは、チェックポイントの読み取りゲートによって読まれ得ないはずであり、したがって非活性化されたと考えられる。
【0076】
図7bは、図7aを作成するのに使用されたものと類似のRFタグの、周波数に対するインピーダンスの関係を示す。この例では、スイッチ構成物は、高い金属装填を有する。スイッチ構成物の導電率の変化は、例えばプレート49(図4a)など、さらなるコンデンサプレートを導入する。曲線71は、タグの初期インピーダンスの応答を表す。図7aで説明されたようにタグを強いRF電界にさらしたあと、曲線72は、インピーダンスが、新規の周波数で、読み取り器によって読まれるのに十分な大きさであることを示す。状態変化が情報を与えるのであれば、これは有効である。
【0077】
図7cは、図7bを作成するのに使用されたものと類似のRFタグの、周波数に対するインピーダンスの関係を示す。タグは、曲線81によって表される初期インピーダンスを有していた。タグはタグの共振周波数と一致しない周波数で強いRF電界にさらされた。タグは非活性化されず、元の共振周波数応答曲線82を保った。したがって、同調回路は、同調された非活性化器の条件の下でのみ状態遷移する。
【0078】
電磁RFタグ、例えばUHFダイポールアンテナの場合には、スイッチ構成物は同じ方法で作動させることができ、アンテナのダイポール長を調節し、したがってその共振周波数を調節する導電要素を加えることができる。これらのデバイスの読み取り可能性およびデータ記憶は本明細書に説明された用途と同じである。
【0079】
本発明で広範囲の効果およびデバイス応答が可能であり、ここで列挙された方式および設計は、電気回路内で発振信号を利用する全てのRFタグおよび他の用途に拡張され得る。また、同じことを、例えば、導体、半導体および絶縁体の多重プリント層を使用して、実質的に基板の1つの表面上に構成されたデバイスに、2つの表面の場合と同様に適用することも可能である。
【実施例1】
【0080】
タグは、図1aから図1cに示される形で構成された。金属トラックは、銅が無電解めっきによって堆積され、電気めっきにより厚くされたものであった。2つの面の回路はポイント3/3’で圧着することにより接続され、接触ホール6/6’は、金属トラックをプリントするのに使用されたプロセスによって貫通めっきされた。
【0081】
スイッチ構成物11は、ふるい寸法−325メッシュ(米国規格メッシュ)、平均粒子径30ミクロン、厚さ0.4ミクロンのニッケル薄片を30重量パーセント含む水性インク(コーツ社のAqualamスクリーンプリントワニス)から調剤されたもので、ノバメット社によって供給された。スイッチ構成物が基板上に落とされ、UV光で硬化された。タグはヒューレットパッカード社の4192A LFインピーダンスアナライザに接続され、7.5MHzから9MHzの周波数範囲にわたって与えられた信号に対するインピーダンス応答がテストされた。生じたパターンは、図3に曲線41で示されている。このタグは、8MHz前後の掃引周波数で動作する標準検知器ゲートで警報を作動させることが判明した。
【0082】
次いで、タグは、「クロスポイント社のXRDA−3」タグ解除器の上を通され、8MHz前後で掃引された高強度電界にさらし、再テストされた。結果は、図3の曲線42に示されている。解除されたタグは、もはや標準検知器ゲートで警報を作動させなかった。
【実施例2】
【0083】
タグは実施例1と同様に構築された。スイッチ構成物11は、実施例1と同じ30重量パーセントのニッケル薄片を含むUV硬化インク(アチスン社のPM025)から調剤された。スイッチ構成物が基板上に落とされ、UV光で硬化された。テストが繰り返され、図3の曲線41に類似のパターンを生成した。このタグは、実施例1の標準検知器ゲートで警報を作動させることが判明した。次いで、タグは、実施例1で使用されたタグ解除器の上を通された。これは、図3の曲線42に類似するパターンをもたらした。解除されたタグは、もはや標準検知器ゲートで警報を作動させなかった。
【実施例3】
【0084】
タグは実施例1と同様に構築された。スイッチ構成物11は、10重量パーセントの実施例1と同じニッケル薄片を含む溶剤含有インク(Sericol社製のPolyplast PY)から調剤された。スイッチ構成物が基板上に落とされ、熱風乾燥で硬化された。テストが繰り返され、図3の曲線41に類似のパターンを生成した。このタグは、実施例1の標準検知器ゲートで警報を作動させることが判明した。次いで、タグは、実施例1で使用されたタグ解除器の上を通された。これは、図3の曲線42に類似するパターンをもたらした。解除されたタグは、もはや標準検知器ゲートで警報を作動させなかった。
【実施例4】
【0085】
タグは実施例1と同様に構築された。スイッチ構成物11は、40重量パーセントの実施例1と同じニッケル薄片を含む溶剤含有インク(Sericol社製のPolyplast PY)から調剤された。スイッチ構成物が基板上に落とされ、熱風乾燥で硬化された。テストが繰り返され、図3の曲線41に類似のパターンを生成した。このタグは、実施例1の標準検知器ゲートで警報を作動させることが判明した。次いで、タグは、実施例1で使用されたタグ解除器の上を通された。これは、図3の曲線42に類似するパターンをもたらした。解除されたタグは、もはや標準検知器ゲートで警報を作動させなかった。
【実施例5】
【0086】
タグは実施例1と同様に構築された。スイッチ構成物11は、ノバメット社によって供給された、ふるい寸法−325メッシュ(米国規格メッシュ)、粒子径40ミクロン、厚さ0.4ミクロンの亜鉛薄片を25重量パーセント含む溶剤含有インク(コーツスクリーン社製のVynafreshビニルワニス)から調剤された。スイッチ構成物が基板上に落とされ、熱風乾燥で硬化された。テストが繰り返され、図3の曲線41に類似のパターンを生成した。このタグは、実施例1の標準検知器ゲートで警報を作動させることが判明した。次いで、タグは、実施例1で使用されたタグ解除器の上を通された。これは、図3の曲線42に類似するパターンをもたらした。解除されたタグは、もはや標準検知器ゲートで警報を作動させなかった。
【実施例6】
【0087】
タグは実施例1と同様に構築された。スイッチ構成物11は、ステアリン酸のミクロン以下の被覆を含むウォルスタンホルムインターナショナル社によって供給された寸法範囲18ミクロンから24ミクロンの銅薄片を40重量パーセント含む溶剤含有インク(コーツスクリーン社製のVynafreshビニルワニス)から調剤された。スイッチ構成物が基板上に落とされ、熱風乾燥で硬化された。テストが繰り返され、図3の曲線41に類似のパターンを生成した。このタグは、実施例1の標準検知器ゲートで警報を作動させることが判明した。次いで、タグは、実施例1で使用されたタグ解除器の上を通された。これは、図3の曲線42に類似するパターンをもたらした。解除されたタグは、もはや標準検知器ゲートで警報を作動させなかった。
【0088】
使用されてもよいリーフィング層を有する他の銅微粒子には、ウォルスタンホルム社の3312という名で知られている14ミクロンおよび10ミクロンの銅があり、他の利用可能な微粒子には、ライニング等級3424、微細ライニング7544、または極微細ライニング6524がある。
【実施例7】
【0089】
タグは実施例1と同様に構築された。スイッチ構成物11は、エイブリィデニソン社によって供給されたブランド名「Metalure(登録商標)」あるいはEternabrite(登録商標) 301のアルミニウム薄片を50重量パーセント含む溶剤含有インク(コーツスクリーン社製のVynafreshビニルワニス)から調剤された。スイッチ構成物が基板上に落とされ、熱風乾燥で硬化された。テストが繰り返され、図3の曲線41に類似のパターンを生成した。このタグは、実施例1の標準検知器ゲートで警報を作動させることが判明した。次いで、タグは、実施例1で使用されたタグ解除器の上を通された。これは、図3の曲線42に類似するパターンをもたらした。解除されたタグは、もはや標準検知器ゲートで警報を作動させなかった。
【実施例8】
【0090】
タグは、図4a〜図4bに示される形で構成された。金属トラックは、銅が無電解めっきによって堆積され、電気めっきにより厚くされたものであった。2つの面の回路は、45で接触ホールにより接続され、この接触ホールは金属トラックをプリントするのに使用されたプロセスによって貫通めっきされた。
【0091】
スイッチ構成物51は、ウォルスタンホルムインターナショナル社によって供給された微細銅薄片の10%充填を使用して作成された低金属を充填されたスイッチ構成物インクを含む。これはユニボンド社によって供給されたウェットポリビニルアルコール接着剤中に入れられた。このインクは、図4aのコンデンサプレート43とさらなるコンデンサプレート49の間の間隙へブラシおよびステンシルを使用して2mm2の面積に塗られ、60℃で10分間乾燥された。
【0092】
タグはヒューレットパッカード社の4192A LFインピーダンスアナライザに接続され、5MHzから13MHzの周波数範囲にわたって与えられた信号に対するインピーダンス応答がテストされた。生じたパターンは、図7aに曲線61で示されている。このタグは、8MHz前後の掃引周波数で動作する標準検知器ゲートで警報を作動させることが判明した。
【0093】
次いで、タグは、「クロスポイント社のXRDA−3」タグ解除器の上を通され、8MHz前後で掃引された高強度電界にさらして再テストされた。結果は、図7aの曲線62で示されている。低金属を充填されたタグは、活性化されたが、第2のコンデンサプレート43と第3のコンデンサプレート49の間に高抵抗値接続をもたらした。これは、効果的に共振周波数での減衰効果をもたらす。タグは解除されたと考えられ、もはや標準検知器ゲートで警報を作動させないであろう。
【実施例9】
【0094】
実施例8に従って、同じ成分を有するさらなるインクが調剤され、30%の微細銅薄片がウェットインクに加えられた以外は同様にタグに与えられた。
【0095】
次いで、タグは、「クロスポイント社のXRDA−3」タグ解除器の上を通され、8MHz前後で掃引された高強度電界にさらし、再テストされた。高金属を充填したインクの存在によって、さらなるコンデンサプレート49を低抵抗で導入することができた。これは、図7bの新規の共振周波数をもたらした。
【0096】
しかし、図7cに示されるように、回路の共振周波数と一致しない強いRF電界にタグがさらされたとき、スイッチ構成物は活性化しない。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1a】コンデンサのプレート間にスイッチ構成物を有する本発明によるタグを示す図である。
【図1b】コンデンサのプレート間にスイッチ構成物を有する本発明によるタグを示す図である。
【図1c】コンデンサのプレート間にスイッチ構成物を有する本発明によるタグを示す図である。
【図2a】実質的にコイルの全ての巻きにまたがったスイッチ構成物を有する本発明によるタグを示す図である。
【図2b】実質的にコイルの全ての巻きにまたがったスイッチ構成物を有する本発明によるタグを示す図である。
【図2c】実質的にコイルの全ての巻きにまたがったスイッチ構成物を有する本発明によるタグを示す図である。
【図3】スイッチ構成物を導通にすることによってタグを「解除する」ために電界を印加する前後で、図1cに示されたタグの周波数対インピーダンス特性を示す図である。
【図4a】第2のコンデンサプレートと第3のコンデンサプレートの間にスイッチ構成物を有する本発明によるタグの1つの面を示す図である。
【図4b】第2のコンデンサプレートと第3のコンデンサプレートの間にスイッチ構成物を有する本発明によるタグの1つの面を示す図である。
【図5a】第1のタグに関して、さらなる可能なタグの構成例を示す図である。
【図5b】第1のタグに関して、さらなる可能なタグの構成例を示す図である。
【図6】RFタグの配列を有する識別タグを示す図である。
【図7a】高い金属充填および低い金属充填での図4aに示されたタグの周波数対インピーダンス特性を示す図である。
【図7b】高い金属充填および低い金属充填での図4aに示されたタグの周波数対インピーダンス特性を示す図である。
【図7c】高い金属充填および低い金属充填での図4aに示されたタグの周波数対インピーダンス特性を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は外部電界によって検知され得る無線周波数(RF)タグに関し、より詳細には、活性化、再同調/離調および/または非活性化され得るRFタグに関する。そのようなタグは、電子商品監視(EAS)に頻繁に使用され、そのような店または図書館の囲まれた区域から認可されていない物品が取り去られるのを検知する。
【0002】
簡単な「1ビット」EAS RFタグは、一般に、誘導要素およびコンデンサ要素を有する同調回路を備える。検知器「ゲート」は、囲まれた区域の出口に配置され、ゲート内のコイルがタグの共振周波数で電界を生成する。タグがゲートを通過すると、電界が乱され、ゲートに取り付けられた回路が、この混乱を検知して信号を生成し、その結果として警報を作動させることができる。実際上、タグの製造ばらつきを許容するために、一般に、ゲートの周波数は、予期される共振周波数の前後の周波数を走査する。
【0003】
囲まれた区域から、認可されて物品を取り去ることができるようにするためには、タグが非活性化される。例えば、支払いがなされていない商品だけが警報器を作動させるように、商品上のタグは、販売場所で非活性化される。そのうえ、例えば継続的な物品の移動またはパスの使用を記録するために、複数の共振周波数で動作することができるタグが必要である。
【背景技術】
【0004】
知られているRF EASタグは、一般に、誘導要素として、一般にアルミニウムまたは銅など金属のアンテナコイルを備えるが、これは誘電体基板を金属で被覆して所望のコイルパターンにエッチングレジストを与え、残った金属をエッチングで除去することにより基板上に形成されたものである。エッチングレジストパターンは、コンデンサの1枚のプレートとして働く、アンテナに電気的に接続された区域も含む。基板の反対側には、第1のプレートと実質的に整合されたコンデンサの第2のプレートが類似の技法によって与えられ、基板の第1の面上の第1のプレートから遠いアンテナの終端と整合された基板の第2の面上のポイントに導電トラックによって接続される。次いで、端部で、またはホールを貫通して、基板の2つの面の間が電気的に接続され、インダクタンス/キャパシタンス回路が完成する。この貫通接続は、半田付けなど従来の任意の手段によってなされ得るが、適切な電気接点を形成するように2つの金属トラックを圧着することにより簡単に成し遂げられ得る。
【0005】
あるいは、可撓性基板の片面上にタグを形成し、次いで、このタグを折り重ねてコンデンサの2つのプレートを整合させるものが米国特許第6,373,387号から知られている。
【0006】
米国特許第4,567,473号は、タグが非活性化されることを可能にする技法を説明しており、一方または両方のコンデンサプレートの区域が穴を空けられるか切れ目を入れられて、誘電体基板内にウィークポイントを形成する。タグを非活性化するために、タグは共振周波数で非常に高い電界にさらされ、このことが、このウィークポイントで誘電体基板に絶縁破壊を起こさせる大電流もたらし、したがってコンデンサをショートさせて回路の共振応答を解消する。そこで、タグは、もはやゲートの低い電界によって検知されず、したがってゲートを通されたとき警報を作動させないであろう。
【0007】
恐らく、弱くするステップの再現性が低いので、ヒューズを形成するこの方法は信頼できないことが知られている。したがって、多くのタグが製作過程で短絡されるか、販売場所で解消しそこなうか、または解消した後で、ある時再活性化する。製造の信頼性は50%しかないかもしれない。
【0008】
米国特許第3,967,161号は、代替構造を説明しており、共振回路の一部が、狭くなるかまたは下に細くなる形状をした可溶性リンクを備え、非活性化する電界にさらされたとき、この部分が溶融して回路を遮断する。米国特許第4,385,524号は、この変形形態を説明しており、可溶性リンクが、グラファイト、カーボンブラック、銀、銅、アルミニウムまたは任意選択で促進剤を含む金などの可溶性リンクによって閉じられた間隙を備える。しかし、そのような構造体では、可溶性リンクが共振回路の一部を形成するのでインピーダンスが共振周波数に影響し、したがって、厳密に制御されなければならない。さらに、可溶性リンクが共振回路の一部を形成するので、回路に直列抵抗を加え、これが共振周波数でのインピーダンスを低下させる。これは、共振応答が不十分になることを明示しており、その結果として所与の電界強度またはゲート隔離でのデバイスの読み取り範囲に影響を及ぼす。可溶性リンクの、製造、保管または稼動におけるばらつきは、抵抗の変動を生じさせることがあり、その結果リンクを溶かすのに必要とされる電界強度が変動する。いくつかの例では、可溶性リンクには機械的損傷を被る傾向があり得て、読み取り範囲が不足するかまたはゲートが可溶性リンクを解除する原因となる。可溶性リンクが、非活性化の前にいずれかの段階で壊れると、デバイスが読み取り不可能になるであろう。
【0009】
タグ内に電子スイッチを与えて回路の共振を変化させることも知られている。例えば、欧州特許第1429301号は、回路内またはコンデンサのプレート間の電界効果トランジスタなど可逆的なスイッチを有するタグを説明している。しかし、そのようなシステムは製造するのが本質的に高くつき、スイッチ自体に加えてメモリ要素をしばしば必要とし、低価格で多量のタグにはふさわしくない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、RF手段によって活性化され得て、安く確実に製造され得る非活性体の代替設計の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、RFタグ内での使用に適する実質的に絶縁のスイッチ構成物を提供する。回路の特性を変更し、その結果としてRFタグの共振周波数を変化させるはずのRF電界にさらされたとき、この構成物はその導電率を十分に変化させることができる。
【0012】
本発明によれば、誘導コイルによって形成された同調回路を備えるRFタグが提供され、このコイルは、基板の第1の面上でアンテナとして作用し、誘導コイルと基板の同じ面上にある第1のコンデンサプレートに電気的に接続される。前記誘導コイルは、第1のコンデンサプレートと実質的に整合されているが誘電体層によって第1のコンデンサプレートから分離される第2のコンデンサプレートに電気的に接続されている。RFタグは、タグが共振周波数またはその前後の周波数の強電界にさらされるとき、その導電特性が絶縁状態から導通状態へと変更され得るスイッチ構成物が与えられている絶縁間隙も同調回路が含むことを特徴とする。好都合には、誘電体層は基板でよく、第2のコンデンサプレートは、基板の第2の面上に配置され、導電トラックおよび基板を貫通する電気接続部によってコイルに接続されてよい。あるいは、第1および第2の導電トラックが基板の同じ面上にあってもよく、例えば上記の米国特許出願で説明されたように、誘電体層は個別の層でよい。
【0013】
(次いで、発明はこの説明によって制限されないが)強電界は、スイッチ構成物の両端に高電位を生成し、その結果として構成物を絶縁状態から導通状態に変換するのに有効であると考えられる。
【0014】
絶縁間隙は、回路上の任意の好都合なポイントに配置されてよい。スイッチ構成物が絶縁状態にあるとき、実質的に同調回路には影響を及ぼさない。しかし、導通状態に変換されたとき、スイッチ構成物が回路の共振を変化させる。この変化は、非活性化された状態または別の共振周波数に対するものであり得る。
【0015】
あるいは、またはさらに、導電率が変化すると、タグの特性を変化させるために、集積回路またはメモリチップなどさらなる電気部品を回路内へ導入することがある。
【0016】
スイッチ構成物に変化をもたらすためにデバイスに与えられるRF信号のエネルギーは、RFタグを非活性化するために一般に使用されるエネルギーと実質的に同じでよい。スイッチ構成物が切り換わる電圧は、利用可能な電圧次第で選択されてよい。
【0017】
任意選択で、回路は、同一かまたは異なるスイッチ構成物を与えられている複数の絶縁間隙を含んでよい。第1の絶縁間隙内のスイッチ構成物が導通状態に変化させられており、第2の共振周波数が実現されているような回路構成であるとき、タグは、第2の共振周波数で動作する従来技術で一般に使用されるものなどの低消費電力RF送信機および検知器で応答させられ得る。
【0018】
好都合には、応答するRF送信機および検知器の電力は、スイッチ構成物内の導電率のさらなる変化をもたらす程大きくないであろう。しかし、第2の共振周波数でより高い電力を印加すると、さらにこのスイッチ構成物の導電率の変化または第2の絶縁間隙内のスイッチ構成物の導電率の変化を誘起し得て、タグを第3の共振周波数へと変換する。このプロセスは、さらなる共振周波数を生成するために繰り返されてよい。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、絶縁間隙は、誘導コイルをバイパスして第1および第2のコンデンサプレートに接続された導電トラックの間にあってよい。スイッチ構成物が絶縁状態にあるとき、実質的に同調回路には影響を及ぼさない。しかし、導通状態に変換されたとき、スイッチ構成物がコンデンサを短絡し、かつ回路の共振を、減衰させるか、再同調または解消する。
【0020】
代替実施形態によれば、スイッチ構成物が1つまたは複数のさらなるコンデンサプレートの間にあってよい。構成物が活性化されるようなときには、1つまたは複数のさらなるコンデンサプレートが回路内に導入され、回路のキャパシタンスを変化させる。1つまたは複数のスイッチ構成物によって第1または第2のコンデンサプレートに結合された複数のコンデンサプレートがあってよい。例えば、第2のコンデンサプレートは、第1のコンデンサプレートの一部だけと整合されてよく、スイッチ構成物によって閉じられた絶縁間隙によって第2のコンデンサプレートから分離された第3のコンデンサプレートが、第1のコンデンサプレートの残りと整合されてよい。あるいは、第3のコンデンサプレートは、さらなるスイッチ構成物によって閉じられた絶縁間隙によって第1のコンデンサプレートから分離された第4のコンデンサプレートと整合されてよい。1つまたは複数のスイッチ構成物を絶縁状態から導通状態へと変化させることは、第1および第2のコンデンサプレートと並列に1つまたは複数の追加プレートを導入することになり、したがって、キャパシタンスが増加してタグ回路の共振周波数が変化することになる。同一かまたは異なるスイッチ構成物によって接続されている一連のコンデンサプレートを使用することによって、1つのタグが構成され得て、これが順次に活性化され得て一連の周波数で共振することが明白であろう。
【0021】
代替実施形態によれば、絶縁間隙が誘導コイル上の2箇所の間にあってよい。導通状態に変換されたとき、スイッチ構成物は、コイルの有効巻数を減らし、したがってコイルのインダクタンスを低下させてタグの共振周波数を変えることになる。あるいは、スイッチ構成物を導通状態へと変換すると存在する有効なコイルの数が増加し、したがってインダクタンスが増加するように、スイッチ構成物は、コイルとさらなる誘導コイルまたは一連の誘導コイルの間にあってよい。例えば、さらなる誘導コイルは、元の誘導コイルの内部または外部のさらなる巻きでよい。
【0022】
本発明の第2の態様では、RFタグが複数の同調回路を備え、前記タグを第1の共振周波数に相当するRF周波数にさらすことにより、1つまたは複数の回路が、第1の共振周波数から第2の共振周波数へと、または非共振状態(例えば減衰された状態)へと変化させられ得る。RFタグは、様々な周波数に同調された個別のインダクタンスコイルおよびコンデンサを各々が有する個々に同調された回路の配列を備えてよい。個々の同調回路は、実質的に同一平面上の配列に配置されるか、積み重ねられるか、または他の任意の好都合な構成でよい。これらの個々のRF回路は、設定周波数で動作する強いRF電界を使用して書き込まれてよい。これらは共振回路のうちのいくつかを非活性化(0)するために使用され得て、また、他のものは活性化された状態(1)で保持され得て、光バーコードに類似した一連の2値の共振データを生成する。これらの配列の次元および読み取り範囲は、特定の用途に適するように作成されることになる。代替配置では、RFタグは、第1のタグの上に絶縁層を与え、次いで、後続のRFタグを与えて層状構造を構築することにより、基板の面上にのみ連続した層に構築され得る。
【0023】
本発明の第3の態様は、これまでに定義されたタグを活性化する方法を与え、この方法は、i)1つまたは複数の回路の共振周波数を選択するステップと、ii)前記回路を、第1の周波数での共振から、第2の周波数での共振へと変化させるかまたは非共振状態へと変化させるステップと、iii)ステップi)とステップii)を繰り返して、前記活性化タグに共振周波数の一意の組合せをもたらすステップと、iv)前記RFタグ内の複数の同調回路に共振を起こさせることができる複数の低消費電力RF信号を伝送するステップと、v)前記の共振周波数の存在を検知するステップとを含む。
【0024】
別の実施形態では、RFタグは、付加的なやり方で新規の周波数へと連続して変化させられ得る。これは、例えばタグ読取装置との相互作用の回数などの情報を提供するか、または不正な変更によりタグが非活性化されたかどうかを検知するために使用され得る。
【0025】
導通と絶縁は相対的な用語であることが理解されるべきである。例えば、導通状態の導電率は、一般的な金属導体と同じくらい高い必要はない。必要なのは、導電率の差が回路のインピーダンスまたは同調を十分に変化させて、検知器ゲートに対する回路の応答を変化させることだけである。場合によっては、共振回路が基本的に誘導−容量(LC)回路のままであるように、導通状態でのスイッチ構成物の抵抗が非常に低いことが好ましいであろう。他の場合には、導通状態の導電率を制御すると、抵抗要素を導入して誘導/容量/抵抗の回路(LCR)を作成し、同調回路の共振を減衰させることになるので好ましいであろう。
【0026】
空気中および結合剤配合物中において、不活性の微粒子として、好ましくは薄片または針状結晶として作成され得るのであれば、原理上は任意の金属が使用され得る。適当な金属は、アルミニウム、銅、鉄、鋼、亜鉛、チタンおよびとりわけニッケルを含む。金属は、一般に、溶剤除去後に硬化されたスイッチ構成物の5%から75%(重量/重量)を構成するべきである。
【0027】
ヒューズ構成物が導通状態で高い抵抗値(低い導電率)を有する場合、金属含有量は、好ましくは硬化されたスイッチ構成物の5%と25%(重量/重量)の間である。金属粒子の総充填が少ないとき、新規の共振周波数でインピーダンスが低い。タグは、読取装置によって検知されないであろう。したがって、さらなるコンデンサプレートを接続するのであれば、タグは、非活性化されているかひどく減衰されていると評され得る。
【0028】
スイッチ構成物内で金属装填が著しく低いとき、RF回路と例えばコンデンサプレートなど電気部品の間に生成された接続は、高抵抗を有することになる。新規の抵抗要素およびコンデンサ要素は、共振に対する電子的ダンパとして働き、電気エネルギーは、代わりに抵抗要素に吸収される。
【0029】
あるいは、金属粒子装填がより高い場合、例えば、質量で、硬化された構成物の25%から75%であると、抵抗は回路に対して重要な要因ではない。したがって、高い金属充填を使用するとき、その効果は、低抵抗の電気接続を生成することである。次いで、タグは、新規の周波数に同調された読取装置によって読まれ得る。
【0030】
最適の金属含有量は、金属の素性および物理的な形に依存し、また、タグを検知し解除するために使用される電界の周波数および強度、ならびにタグの回復が必要か、もし必要なら回復の期間とその程度など他の要因にも依存するであろう。任意の所与の例における理想的な構成物は、型通りの実験によって容易に求められ得る。
【0031】
スイッチ構成物に充填された金属の重量パーセント含有の選定が、構成物が導通状態へと変化させられたときの抵抗を決定するであろう。
【0032】
好ましくは、導電微粒子の寸法は0.1μmから1000μmの範囲であり、より好ましくは、1μmから100μmの範囲であるが、多くの例では、微粒子が球状よりむしろ平面状(すなわちz寸法がx寸法やy寸法より大幅に小さい)か、または針状(z寸法およびy寸法がx寸法より小さい)であり得ることが理解されよう。
【0033】
スイッチ構成物は、被覆されるべき基板上にプリントするのに適している配合物に加えられてよい。
【0034】
本発明の別の態様によれば、高い電位にさらされたとき導電特性が絶縁状態から導通状態へと変化させられ得る本発明による方法を実行するのに適したスイッチ構成物が提供される。したがって、ある電位にさらされたとき導電特性が絶縁状態から導通状態へと変化させられ得るRFタグに適したスイッチ構成物がさらに提供され、スイッチ構成物が結合剤および絶縁表面層を有する複数の導電微粒子を含み、実質的に全ての前記微粒子が隣接した微粒子に接触していて、その結果、絶縁表面層が電気的な電位で破壊されたとき導電経路を生成する。
【0035】
スイッチ構成物は、好都合には、揮発性溶剤および結合剤を含み得る構成物として与えられてよい。適当な揮発性溶剤は、水、アルコール、ケトン、エーテルおよび他の揮発性有機溶剤を含む。適当な結合剤は、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリウレタン、UV硬化可能な単量体および低重合体ならびにホットメルト接着剤などの有機高分子を含む。プリントインクの中に従来使用されている他の適当な結合剤は、当業者には明らかであろう。
【0036】
本発明のこの態様はRFタグに限定されず、2つの回路要素を連結し、その接続路の導電率を、与えられた電界または電圧を印加することによって変化させる必要があるあらゆる電気回路内で使用され得ることが理解されるであろう。
【0037】
このスイッチ構成物は、RFタグ内のコンデンサの特性を変化させることにおいて、従来技術の弱められた絶縁体よりはるかに信頼できることが分かっている。
【0038】
しかし、スイッチ構成物は共振回路の一部を形成する必要がないので、その電気的性質は、共振回路内の可溶性リンクほど重要ではない。
【0039】
導電率の変化は、時間または外部刺激の印加に対して、不変でも可逆的でもよい。従って、以前に使用された「1回限りの」RFタグと異なり、繰り返し活性化および非活性化され得るタグが作成され得る。
【0040】
本発明の一実施形態では、スイッチ構成物は、好ましくは金属または合金の導電微粒子を含むインクなど実質的に非導電の結合剤配合物を含む。しかし、導電微粒子は、メタロイドあるいはグラファイトまたは導電性高分子など他の導電材でよい。好ましくは、微粒子は、薄片または針状など、平らにされた微粒子または細長い微粒子の形をしている。スイッチ構成物の中に、複数のタイプの導電微粒子が存在してよい。
【0041】
スイッチ構成物は、十分に離隔されていれば絶縁構成物を形成する複数の導電微粒子を含んでよい。導電微粒子は、有利には最も外側の表面上に非導電層を有することになり、これは、好都合には酸化物被覆の形をとってよい。
【0042】
導通状態におけるスイッチ構成物の導電率は、金属粒子装填、微粒子の形状、およびスイッチ構成物内の絶縁層の誘電特性に依存する。インク中のこの構成要素の総装填を制限するために、金属薄片を使用するのが好ましい。
【0043】
ほとんどの金属粒子は酸化物被覆を有することになり、スイッチ構成物におけるその濃度次第で、微粒子は互いに接触しないであろうと考えられる(しかし本発明はこの説明によって限定されるものではない)。強いRF電界を与えた時に誘起される電位は、微粒子間の酸化被膜および間隙が克服されて導電経路を与えることを意味するであろう。酸化物を低減する仕組みを改善するために、化学物質還元剤または脱酸素剤が加えられてよい。使用され得る表面絶縁層のさらなる例は、化学的に接合された窒化物または硫化物の層であろう。
【0044】
あるいは、RF電界の作用によって克服され得る他の表面被覆が使用されてもよい。絶縁層は、導電微粒子に、物理的に吸着され得るか、化学的に接合され得るか、または静電気的に引きつけられ得て、例えば単なる例として、そのような絶縁層は、好都合には水酸化物またはハロゲン化物でよい。吸着または被覆された絶縁層の例は、シリカ、有機化合物またはディウェッティング剤である。好ましくは、絶縁表面層は、例えばステアリン酸、オレイン酸などの有機化合物またはディウェッティング剤(一般にリーフィング剤と呼ばれる)である。好都合には、ある薄片または微粉にされた金属粉は、それらの取り扱いを助けるためにディウェッティング剤を与えられてよく、この被覆は、絶縁層に十分な絶縁特性を与えることができる。あるいは、絶縁層を壊すのに必要な電圧を調節するために、さらなる有機化合物またはディウェッティング剤のより厚い層が導電微粒子に与えられてよい。
【0045】
RFタグの場合には、RFタグを非活性化するシステムは、健康上および安全上の問題のために、かなり控え目な電圧しか発生する(回路内に誘起する)ことができない。したがって、絶縁層の厚さは、必要な電圧で壊れて導電経路を形成することができるように選択され得る。RFタグシステム向けの好ましい実施形態では、絶縁表面層の厚さは10ミクロン未満、好ましくは1ミクロン未満であろう。好都合には、数ミクロンの範囲にある導電微粒子については、絶縁表面層は100nm未満でよく、さらに好ましくは50nm未満がよい。
【0046】
そのうえ、スイッチ構成物インクにイオン種が加えられてよく、微粒子間の交差接続を改善するかまたは電気化学的処理を起動する。
【0047】
酸化物絶縁被膜を有する材料を含むスイッチ化合物が、ある期間を超えて空気など酸素を含む環境にあると、絶縁状態に戻り、タグを再活性化することが認められるかもしれない。これは、金属粒子が再度酸化する傾向があるためであると考えられる(しかし本発明はこの説明によって制限されるものではない)。これが生じる速度は、温度、酸素の含有量および減少あるいはインクおよびそれが付いている材料に関連した酸化の化学作用(例えばヒューズインクの中に使用される金属と、金属トラックまたはコンデンサプレートに関連した金属の間で引き起こされた電気化学的腐食)など複数の要因に依存することになる。しかし、結合剤配合物の性質がこの速度に影響を及ぼしやすく、そのため、結合剤の配合を制御することにより、様々な回復時間のヒューズの組成が策定され得る。結合剤は、金属が再度酸化することができないように選択されてよく、インクは、任意選択で、再酸化を防ぐための脱酸素剤または回路内の金属と同じガルヴァーニ電位を有する金属粒子を含んでよく、これは、恐らく再活性化することができない1回使用のデバイスを与えるであろう。
【0048】
あるいは、別の実施形態では、スイッチ構成物を再活性化することができるさらなる構成要素をインク配合物中に与えることは好都合であろう。その一例は、タグが非活性化されると直ちに逆反応が金属を再度酸化させてRFタグの活動を回復することができるように、スイッチ構成物内の金属を再度酸化させることができる構成要素を含むことであろう。
【0049】
スイッチ構成物は、例えばプリント(インクジェット、リソグラフィまたは任意の他の従来プリント方式)または単にタグ上にヒューズ構成物を落とすことなどによる任意の好都合なパターン転写方法によって基板に与えられ得る。好ましくは、スイッチ構成物は、例えば後で蒸着によって取り除かれる揮発性溶剤など硬化可能なインク中に加えられる。適当な溶剤は、水および有機溶剤を含む。
【0050】
スイッチ構成物は、基板向けに設計された適当な結合剤を有する従来のプリントインク構成物へ合体されてよく、そのようなインクで慣例的な顔料を含んでも省略してもよい。あるいは、スイッチ材料は、紫外UV光、電子ビームまたは他のエネルギッシュな媒体のもとで交差結合によって凝固する材料から作られたインク配合物に加えられてもよい。
【0051】
スイッチ構成物またはRFタグは、回路の共振周波数が変化するとき視覚表示器の色または吸収率が変化するように、視覚表示の手段も含むことができる。スイッチ構成物の導電率が変化するとき、表示器の色が変化することができる。スイッチ構成物は分光的に活性の物質または蛍光性化合物を含んでよく、またはこれらの物質で被覆されてもよい。
【0052】
基板は、例えば、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリカーボネート、PETのようなポリエステル、ABSなど構造上の重合体、エポキシ/ガラス繊維複合材料(FR4として知られているものを含む)などのポリマー複合材料、またはセラミックなど任意の適当な剛体または可撓性の誘電体基板でよい。
【0053】
基板および/または絶縁体は、絶縁のスイッチ構成物でよい。スイッチ構成物は、スイッチ構成物の導電率の変化を引き起こすために強いRF電界にさらされたとき、回路が短絡し、したがって非活性化されることになる。これは非常に簡単な1回限りのデバイスを与えることになる。
【0054】
コンデンサプレートおよびアンテナを形成する誘導コイルは、金属板を与えて次に所望のパターンをエッチングするか、または導電性インクをプリントするなどの従来技術によって基板に与えられ得るが、好ましくは、任意選択で電着が後続する無電解めっきによって与えられ、これは、国際特許出願WO02/099162の公報に、より完全に説明されている。
【0055】
結合剤システムにおいて絶縁層のない導電微粒子を使用すると、十分な装填で導電構成物を生じさせるであろう。しかし、物理的な除去以外には構成物の導電性の性質を切り換える手段がない。同様に、伝導性をもたらすには不十分な充填で、絶縁層なしで導電微粒子が使用されると、隣接した導電微粒子間の結合剤の大部分の電気的な絶縁破壊によって、導電微粒子の導電率が変えられ得る。しかし、これは、結合剤を炭化するために非常に顕著なエネルギー量を必要とすることになり、RFタグシステムには適さないであろう。したがって、絶縁層または誘電体層なしの単純な導電微粒子は、大電圧が利用できない電子機器内のスイッチとしては、特に有効ではないであろう。
【0056】
本発明は、同封された図面を参照しながらさらに説明されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
図1aは、被覆を厚くするための電気めっきが後続する、国際特許出願WO02/099162の公報で説明された、無電解のプリンティングによって銅の導電パターンがプリントされたポリプロピレン基板1を備えるタグの第1の表面を示す。
【0058】
このパターンは、アンテナを形成するコイル2を備える。便宜上、コイルのほんの少しの巻きが示されている。実際のタグでは、必要とされるインダクタンス次第でより多くの巻きがあるであろう。コイル2は、表面の外縁部に近いポイント3から中心に向って内側へ巻き、中心で、これも導電パターンの一部を形成しているコンデンサの第1のプレート4に対して電気接点を作成する。第1のプレート4から延びてコイル2または第1のプレート4と離れている第1の表面上のポイント6で終結する第1の延長トラック5も、導電パターンの一部を形成している。
【0059】
図1bは、その上に第2の導電パターンが類似のプロセスによって与えられている同じタグの第2の表面を示す。このさらなる導電パターンは、第1の表面上のポイント3の反対側のポイント3’に始まって筋向かいに内側へ通過し、コンデンサの第1のプレート4の反対側にあってこれと実質的に整合された第2のプレート8に接続する導電トラック7を備える。第2の延長トラック9および10が、第2のプレート8から、第1の表面上のポイント6の反対側にある第2の表面上のポイント6’へと延びる。しかし、この第2の延長トラックは、絶縁間隙11によって分離された2つの部分9および10から成る。
【0060】
無電解めっきおよび/または電気めっきの間中、触媒がホールに入り金属がホールに残されるように、無電解めっきに先立って圧着するかまたはホールを作ることにより、基板1を貫通してポイント3/3’および6/6’で接続がなされ、2つの導電パターンの間に電気接続を与える。
【0061】
図1cは、間隙(覆われている)にわたって液体スイッチ構成物を落とし熱風乾燥を後続させることにより、間隙の端から端までスイッチ化合物12が与えられた後のタグの第2の表面を示す。
【0062】
図2aは、被覆を厚くするための電気めっきが後続する、国際特許出願WO02/099162の公報で説明された、無電解のプリンティングによって銅の導電パターンがプリントされたポリプロピレン基板21を備えるタグの第1の表面を示す。
【0063】
このパターンは、アンテナを形成するコイル22を備える。便宜上、コイルのほんの少しの巻きが示されている。実際のタグでは、必要とされるインダクタンス次第でより多くの巻きがあるであろう。コイル22は、表面の外縁部に近いポイント23から中心に向って内側へ巻き、中心で、これも導電パターンの一部を形成しているコンデンサの第1のプレート24に対して電気接点を作成する。
【0064】
図2bは、その上に第2の導電パターンが類似のプロセスによって与えられている同じタグの第2の表面を示す。このさらなる導電パターンは、第1の表面上のポイント23の反対側のポイント23’に始まって筋向かいに内側へ通過し、コンデンサの第1のプレート24の反対側にあってこれと実質的に整合された第2のプレート28に接続する導電トラック27を備える。
【0065】
無電解めっきおよび/または電気めっきの間中、触媒がホールに入り金属がホールに残されるように、無電解めっきに先立って圧着するかまたはホールを作ることにより、基板21を貫通してポイント23/23’で接続がなされ、2つの導電パターンの間に電気接続を与える。
【0066】
図2cは、実質的にコイル22の全ての巻きにわたって液体スイッチ構成物を落とし熱風乾燥を後続させることにより、間隙の端から端までスイッチ化合物32が与えられた後のタグデバイスの第1の表面を示す。
【0067】
本発明によって非活性化することができるタグを与えるためには、コイル22の全ての巻きにわたってスイッチ構成物23を堆積する必要はなく、2つ以上の巻きにわたるだけでよいことが理解されよう。
【0068】
図3では、2つの曲線は、タグのインピーダンスと周波数の関係を示す。曲線41は、スイッチ構成物が非導通で「活性」状態にあるタグの特性を示し、曲線42は、電界を印加してスイッチ構成物を導通にした後の、非活性化された状態にあるタグの特性を示す。浅黒い両方向矢印43は、一般的な出口ゲートを作動させるのに必要なインピーダンスの近似レベルを示す。活性化したタグが検知ゲートをたやすく作動させるのに十分な最大インピーダンスを有するのに対し、非活性化後は非常に低いレベルへとインピーダンスが低下され、検知ゲートを作動させるのに不十分であることが明白に認識され得る。
【0069】
図4aおよび図4bでは、タグは、基板/絶縁体46のスルーホール45を介してタグの裏側に接続されたインダクタンスコイル41および第1のコンデンサプレート42を備える。スルーホールは、タグ前面のコンデンサプレート42によって整合され部分的に覆われる第2のコンデンサプレート43および母線44に接続される。この第2のコンデンサプレート43の面積および基板の誘電係数が、回路のキャパシタンスを決定し、その結果、誘導子ループ41を有するタグの共振周波数を決定する。第3のコンデンサプレート49は、絶縁間隙50によって第2のコンデンサプレート43から分離されるが、前述のように、絶縁間隙50にわたってスイッチ構成インク51が与えられる。第3のコンデンサプレート49は、タグ前面のコンデンサプレート42によって整合され部分的に覆われる。
【0070】
図5aおよび図5bは、図4aの第2のコンデンサプレート43および第3のコンデンサプレート49と取り替え得るコンデンサプレートの複数の構成を示す。母線(図示せず)に結合される第2のコンデンサプレート43は、間隙50にまたがる第1のスイッチ構成物51によって、第3のコンデンサプレート49に電気的に接続される。隣接したコンデンサプレート43と49の間の優れた連結性を確実にするために、スイッチ構成物51の複数の堆積があってよい。あるいは、間隙50が全てスイッチ構成物で充填されてもよい。そして次に、第3のコンデンサプレート49は、第2のスイッチ構成物53によってさらなる間隙54をわたって第4のコンデンサプレート52に接続され、第4のコンデンサプレート52は、第3のスイッチ構成物によって間隙57をわたって第5のコンデンサプレート55に接続される。第2から第5のコンデンサプレート43、49、52および55は、全て図4aの第1のコンデンサプレート42の反対側に整合されている。
【0071】
図5bは、コンデンサプレートがかなり異なった構成であり得ることを示す。図5bのコンデンサプレートの形状の利点は、新規に追加された各コンデンサプレートの面積を著しく増加または減少させることができ、その結果そのキャパシタンスを著しく増加または減少させることができるということである。他の構成(例えば同心)が使用されてよいことは明白であろう。
【0072】
好都合には、コンデンサプレート42および43、49などが、実質的に、正方形、円形、三角形、または多角形など任意の望ましい形状に作成されてよい。好都合には、形状は、例えば実質的に、正方形、円形、三角形、または多角形など、任意の断面の分離した環形でよい。
【0073】
この回路の使用中は、コンデンサプレート43および42(図4aに示される)は、回路のキャパシタンスおよびインダクタンスによって決定される共振周波数を有する。タグを活性化するために、回路の共振周波数に同調された強いRF周波数(第1のコンデンサプレート42と第2のコンデンサプレート43の相互作用によって形成されたコンデンサの面積によって部分的に定義される)が印加される。これは、スイッチ構成物51の導電率を変化させ、RF回路内に第3のコンデンサプレート49を導入することになる。より大きなコンデンサプレート(43+49)ができると、RFタグを新規の共振周波数に再度同調させることになる。新規の周波数は、プレート43および49の面積を備える新規のより大きなコンデンサプレートと相互作用する第1のコンデンサプレートのキャパシタンスによって決定される。さらに強いRF周波数が新規の共振周波数(コンデンサプレート43+49向け)で印加されると、これはコンデンサプレート52を導入し、タグをもう一度同調し直すことになる。このプロセスは、第5のコンデンサプレート55を活性化するためにもう一度繰り返されてよい。例えば使用者のクレジットを反映するためにチケットおよびパスが調節され得る場合、これは連続非活性化の状況に有用である。好都合には、複数のコンデンサプレートが、このやり方で結合され得る。
【0074】
図6は、実質的に同一平面上の配列内に配置されて各々が変化するコンデンサプレート面積43および49を有する複数の同調回路を有するRFタグを示す。各回路は、当初はコンデンサプレート43だけを使用することになる。各コンデンサプレート43が別個の面積を有するので、各回路は、別個の共振周波数を有することになる。同様に、各コンデンサプレート49は、別個の寸法でよい。したがって、各回路は、その共振周波数で強いRF信号にさらされることにより離調/再同調され得る。したがって、前述のプロセスを使用して、どの回路が離調/再同調されるか選択することが可能である。実質上、これは、活性化状態と非活性化状態で2進データを格納するのに使用され得るRF配列を生成する。このことは、同調された状態と離調された状態に相当し、ある意味で2進法のバーコードと類似しており、したがってシリコンチップデータ記憶の高価な解決策を置換する。
【0075】
図7aは、図4a〜図4bに示されるようにスイッチ構成物51によって電気的に接続される第3のコンデンサプレート49を有するRFタグの周波数に対するインピーダンスの関係を示す。曲線61は、タグの初期インピーダンスの応答を表す。この例のスイッチ構成物は、低い金属装填を有し、このことは導通状態へと変化させられたとき高抵抗値回路を生じさせる。これは実質上減衰された応答をもたらす。曲線62は、ほぼ8MHz±1MHzの帯域幅に同調された市販のEAS非活性化器の非活性化電界に1秒さらしたあとのタグの応答である。このタグは、チェックポイントの読み取りゲートによって読まれ得ないはずであり、したがって非活性化されたと考えられる。
【0076】
図7bは、図7aを作成するのに使用されたものと類似のRFタグの、周波数に対するインピーダンスの関係を示す。この例では、スイッチ構成物は、高い金属装填を有する。スイッチ構成物の導電率の変化は、例えばプレート49(図4a)など、さらなるコンデンサプレートを導入する。曲線71は、タグの初期インピーダンスの応答を表す。図7aで説明されたようにタグを強いRF電界にさらしたあと、曲線72は、インピーダンスが、新規の周波数で、読み取り器によって読まれるのに十分な大きさであることを示す。状態変化が情報を与えるのであれば、これは有効である。
【0077】
図7cは、図7bを作成するのに使用されたものと類似のRFタグの、周波数に対するインピーダンスの関係を示す。タグは、曲線81によって表される初期インピーダンスを有していた。タグはタグの共振周波数と一致しない周波数で強いRF電界にさらされた。タグは非活性化されず、元の共振周波数応答曲線82を保った。したがって、同調回路は、同調された非活性化器の条件の下でのみ状態遷移する。
【0078】
電磁RFタグ、例えばUHFダイポールアンテナの場合には、スイッチ構成物は同じ方法で作動させることができ、アンテナのダイポール長を調節し、したがってその共振周波数を調節する導電要素を加えることができる。これらのデバイスの読み取り可能性およびデータ記憶は本明細書に説明された用途と同じである。
【0079】
本発明で広範囲の効果およびデバイス応答が可能であり、ここで列挙された方式および設計は、電気回路内で発振信号を利用する全てのRFタグおよび他の用途に拡張され得る。また、同じことを、例えば、導体、半導体および絶縁体の多重プリント層を使用して、実質的に基板の1つの表面上に構成されたデバイスに、2つの表面の場合と同様に適用することも可能である。
【実施例1】
【0080】
タグは、図1aから図1cに示される形で構成された。金属トラックは、銅が無電解めっきによって堆積され、電気めっきにより厚くされたものであった。2つの面の回路はポイント3/3’で圧着することにより接続され、接触ホール6/6’は、金属トラックをプリントするのに使用されたプロセスによって貫通めっきされた。
【0081】
スイッチ構成物11は、ふるい寸法−325メッシュ(米国規格メッシュ)、平均粒子径30ミクロン、厚さ0.4ミクロンのニッケル薄片を30重量パーセント含む水性インク(コーツ社のAqualamスクリーンプリントワニス)から調剤されたもので、ノバメット社によって供給された。スイッチ構成物が基板上に落とされ、UV光で硬化された。タグはヒューレットパッカード社の4192A LFインピーダンスアナライザに接続され、7.5MHzから9MHzの周波数範囲にわたって与えられた信号に対するインピーダンス応答がテストされた。生じたパターンは、図3に曲線41で示されている。このタグは、8MHz前後の掃引周波数で動作する標準検知器ゲートで警報を作動させることが判明した。
【0082】
次いで、タグは、「クロスポイント社のXRDA−3」タグ解除器の上を通され、8MHz前後で掃引された高強度電界にさらし、再テストされた。結果は、図3の曲線42に示されている。解除されたタグは、もはや標準検知器ゲートで警報を作動させなかった。
【実施例2】
【0083】
タグは実施例1と同様に構築された。スイッチ構成物11は、実施例1と同じ30重量パーセントのニッケル薄片を含むUV硬化インク(アチスン社のPM025)から調剤された。スイッチ構成物が基板上に落とされ、UV光で硬化された。テストが繰り返され、図3の曲線41に類似のパターンを生成した。このタグは、実施例1の標準検知器ゲートで警報を作動させることが判明した。次いで、タグは、実施例1で使用されたタグ解除器の上を通された。これは、図3の曲線42に類似するパターンをもたらした。解除されたタグは、もはや標準検知器ゲートで警報を作動させなかった。
【実施例3】
【0084】
タグは実施例1と同様に構築された。スイッチ構成物11は、10重量パーセントの実施例1と同じニッケル薄片を含む溶剤含有インク(Sericol社製のPolyplast PY)から調剤された。スイッチ構成物が基板上に落とされ、熱風乾燥で硬化された。テストが繰り返され、図3の曲線41に類似のパターンを生成した。このタグは、実施例1の標準検知器ゲートで警報を作動させることが判明した。次いで、タグは、実施例1で使用されたタグ解除器の上を通された。これは、図3の曲線42に類似するパターンをもたらした。解除されたタグは、もはや標準検知器ゲートで警報を作動させなかった。
【実施例4】
【0085】
タグは実施例1と同様に構築された。スイッチ構成物11は、40重量パーセントの実施例1と同じニッケル薄片を含む溶剤含有インク(Sericol社製のPolyplast PY)から調剤された。スイッチ構成物が基板上に落とされ、熱風乾燥で硬化された。テストが繰り返され、図3の曲線41に類似のパターンを生成した。このタグは、実施例1の標準検知器ゲートで警報を作動させることが判明した。次いで、タグは、実施例1で使用されたタグ解除器の上を通された。これは、図3の曲線42に類似するパターンをもたらした。解除されたタグは、もはや標準検知器ゲートで警報を作動させなかった。
【実施例5】
【0086】
タグは実施例1と同様に構築された。スイッチ構成物11は、ノバメット社によって供給された、ふるい寸法−325メッシュ(米国規格メッシュ)、粒子径40ミクロン、厚さ0.4ミクロンの亜鉛薄片を25重量パーセント含む溶剤含有インク(コーツスクリーン社製のVynafreshビニルワニス)から調剤された。スイッチ構成物が基板上に落とされ、熱風乾燥で硬化された。テストが繰り返され、図3の曲線41に類似のパターンを生成した。このタグは、実施例1の標準検知器ゲートで警報を作動させることが判明した。次いで、タグは、実施例1で使用されたタグ解除器の上を通された。これは、図3の曲線42に類似するパターンをもたらした。解除されたタグは、もはや標準検知器ゲートで警報を作動させなかった。
【実施例6】
【0087】
タグは実施例1と同様に構築された。スイッチ構成物11は、ステアリン酸のミクロン以下の被覆を含むウォルスタンホルムインターナショナル社によって供給された寸法範囲18ミクロンから24ミクロンの銅薄片を40重量パーセント含む溶剤含有インク(コーツスクリーン社製のVynafreshビニルワニス)から調剤された。スイッチ構成物が基板上に落とされ、熱風乾燥で硬化された。テストが繰り返され、図3の曲線41に類似のパターンを生成した。このタグは、実施例1の標準検知器ゲートで警報を作動させることが判明した。次いで、タグは、実施例1で使用されたタグ解除器の上を通された。これは、図3の曲線42に類似するパターンをもたらした。解除されたタグは、もはや標準検知器ゲートで警報を作動させなかった。
【0088】
使用されてもよいリーフィング層を有する他の銅微粒子には、ウォルスタンホルム社の3312という名で知られている14ミクロンおよび10ミクロンの銅があり、他の利用可能な微粒子には、ライニング等級3424、微細ライニング7544、または極微細ライニング6524がある。
【実施例7】
【0089】
タグは実施例1と同様に構築された。スイッチ構成物11は、エイブリィデニソン社によって供給されたブランド名「Metalure(登録商標)」あるいはEternabrite(登録商標) 301のアルミニウム薄片を50重量パーセント含む溶剤含有インク(コーツスクリーン社製のVynafreshビニルワニス)から調剤された。スイッチ構成物が基板上に落とされ、熱風乾燥で硬化された。テストが繰り返され、図3の曲線41に類似のパターンを生成した。このタグは、実施例1の標準検知器ゲートで警報を作動させることが判明した。次いで、タグは、実施例1で使用されたタグ解除器の上を通された。これは、図3の曲線42に類似するパターンをもたらした。解除されたタグは、もはや標準検知器ゲートで警報を作動させなかった。
【実施例8】
【0090】
タグは、図4a〜図4bに示される形で構成された。金属トラックは、銅が無電解めっきによって堆積され、電気めっきにより厚くされたものであった。2つの面の回路は、45で接触ホールにより接続され、この接触ホールは金属トラックをプリントするのに使用されたプロセスによって貫通めっきされた。
【0091】
スイッチ構成物51は、ウォルスタンホルムインターナショナル社によって供給された微細銅薄片の10%充填を使用して作成された低金属を充填されたスイッチ構成物インクを含む。これはユニボンド社によって供給されたウェットポリビニルアルコール接着剤中に入れられた。このインクは、図4aのコンデンサプレート43とさらなるコンデンサプレート49の間の間隙へブラシおよびステンシルを使用して2mm2の面積に塗られ、60℃で10分間乾燥された。
【0092】
タグはヒューレットパッカード社の4192A LFインピーダンスアナライザに接続され、5MHzから13MHzの周波数範囲にわたって与えられた信号に対するインピーダンス応答がテストされた。生じたパターンは、図7aに曲線61で示されている。このタグは、8MHz前後の掃引周波数で動作する標準検知器ゲートで警報を作動させることが判明した。
【0093】
次いで、タグは、「クロスポイント社のXRDA−3」タグ解除器の上を通され、8MHz前後で掃引された高強度電界にさらして再テストされた。結果は、図7aの曲線62で示されている。低金属を充填されたタグは、活性化されたが、第2のコンデンサプレート43と第3のコンデンサプレート49の間に高抵抗値接続をもたらした。これは、効果的に共振周波数での減衰効果をもたらす。タグは解除されたと考えられ、もはや標準検知器ゲートで警報を作動させないであろう。
【実施例9】
【0094】
実施例8に従って、同じ成分を有するさらなるインクが調剤され、30%の微細銅薄片がウェットインクに加えられた以外は同様にタグに与えられた。
【0095】
次いで、タグは、「クロスポイント社のXRDA−3」タグ解除器の上を通され、8MHz前後で掃引された高強度電界にさらし、再テストされた。高金属を充填したインクの存在によって、さらなるコンデンサプレート49を低抵抗で導入することができた。これは、図7bの新規の共振周波数をもたらした。
【0096】
しかし、図7cに示されるように、回路の共振周波数と一致しない強いRF電界にタグがさらされたとき、スイッチ構成物は活性化しない。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1a】コンデンサのプレート間にスイッチ構成物を有する本発明によるタグを示す図である。
【図1b】コンデンサのプレート間にスイッチ構成物を有する本発明によるタグを示す図である。
【図1c】コンデンサのプレート間にスイッチ構成物を有する本発明によるタグを示す図である。
【図2a】実質的にコイルの全ての巻きにまたがったスイッチ構成物を有する本発明によるタグを示す図である。
【図2b】実質的にコイルの全ての巻きにまたがったスイッチ構成物を有する本発明によるタグを示す図である。
【図2c】実質的にコイルの全ての巻きにまたがったスイッチ構成物を有する本発明によるタグを示す図である。
【図3】スイッチ構成物を導通にすることによってタグを「解除する」ために電界を印加する前後で、図1cに示されたタグの周波数対インピーダンス特性を示す図である。
【図4a】第2のコンデンサプレートと第3のコンデンサプレートの間にスイッチ構成物を有する本発明によるタグの1つの面を示す図である。
【図4b】第2のコンデンサプレートと第3のコンデンサプレートの間にスイッチ構成物を有する本発明によるタグの1つの面を示す図である。
【図5a】第1のタグに関して、さらなる可能なタグの構成例を示す図である。
【図5b】第1のタグに関して、さらなる可能なタグの構成例を示す図である。
【図6】RFタグの配列を有する識別タグを示す図である。
【図7a】高い金属充填および低い金属充填での図4aに示されたタグの周波数対インピーダンス特性を示す図である。
【図7b】高い金属充填および低い金属充填での図4aに示されたタグの周波数対インピーダンス特性を示す図である。
【図7c】高い金属充填および低い金属充填での図4aに示されたタグの周波数対インピーダンス特性を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の第1の面上で誘導コイルとして同じ面上にある第1のコンデンサプレートに電気的に接続された誘導コイルを備える同調回路を備えるRFタグであって、前記誘導コイルが、第1のコンデンサプレートと実質的に整合されているが誘電体層によって第1のコンデンサプレートから分離される第2のコンデンサプレートに電気的に接続され、同調回路は、同調回路の共振周波数またはその前後の周波数の強電界にさらされたとき導電特性が絶縁状態から導通状態へと変化できるスイッチ構成物が与えられている絶縁間隙も含むことを特徴とする、RFタグ。
【請求項2】
誘電体層が基板であり、第2のコンデンサプレートが基板の第2の面上に配置される、請求項1に記載のRFタグ。
【請求項3】
スイッチ構成物の導電率の変化が同調回路の共振周波数の変化をもたらす、請求項1に記載のRFタグ。
【請求項4】
絶縁間隙が、第1および第2のコンデンサプレートにそれぞれ接続された導電性トラックの間にある、請求項1から3のいずれか一項に記載のRFタグ。
【請求項5】
絶縁間隙が、第1および第2のコンデンサプレートのいずれかと、少なくとも1つのさらなるコンデンサプレートの間にある、請求項1から3のいずれか一項に記載のRFタグ。
【請求項6】
各々にスイッチ構成物が与えられている相次ぐ絶縁間隙によって分離された複数のコンデンサプレートを有する、請求項5に記載のRFタグ。
【請求項7】
絶縁間隙が、誘導コイルの巻きの間にある、請求項1から3のいずれか一項に記載のRFタグ。
【請求項8】
絶縁間隙が、誘導コイルとさらなる誘導コイルの間にある、請求項1から3のいずれか一項に記載のRFタグ。
【請求項9】
元の誘導コイルの内部または外部にさらに巻きを備える複数のさらなる誘導コイルを有する、請求項8に記載のRFタグ。
【請求項10】
導電率の変化が、少なくとも1つのさらなる電気部品を回路内に導入する、請求項1に記載のRFタグ。
【請求項11】
さらなる電気部品が、集積回路またはメモリチップである、請求項10に記載のRFタグ。
【請求項12】
基板が誘電材料である、請求項1から11のいずれか一項に記載のRFタグ。
【請求項13】
誘電材料が、紙、重合体、高分子複合材料、セラミックまたは硬化されたスイッチ構成物から選択される、請求項12に記載のRFタグ。
【請求項14】
誘電材料がスイッチ構成物である、請求項13に記載のRFタグ。
【請求項15】
ある電位にさらされたとき導電特性が絶縁状態から導通状態へと変化できるRFタグに適するスイッチ構成物であって、結合剤および絶縁表面層を有する複数の導電微粒子を含み、実質的に全ての前記微粒子が隣接した微粒子に接触していて、その結果、絶縁表面層が電気的な電位で破壊されたとき導電経路を生成する、スイッチ構成物。
【請求項16】
絶縁表面層の厚さが1ミクロン未満である、請求項15に記載の構成物。
【請求項17】
絶縁層の厚さが100nm未満である、請求項16に記載の構成物。
【請求項18】
絶縁層の厚さが50nm未満である、請求項17に記載の構成物。
【請求項19】
導電微粒子が、金属、合金およびメタロイド微粒子から選択される、請求項15から18のいずれか一項に記載の構成物。
【請求項20】
金属が、アルミニウム、銅、チタンおよびニッケルから選択される、請求項19に記載の構成物。
【請求項21】
絶縁表面層が、有機高分子、ディウェッティング剤または金属酸化物である、請求項15から20のいずれか一項に記載の構成物。
【請求項22】
絶縁表面層がステアリン酸またはオレイン酸である、請求項21に記載の構成物。
【請求項23】
導電微粒子が、w/wでスイッチ構成物の5%から75%の範囲にある、請求項15から22のいずれか一項に記載の構成物。
【請求項24】
導電微粒子が、高抵抗の導電経路を形成し、w/wでスイッチ構成物の5%から25%の範囲にある、請求項23に記載の構成物。
【請求項25】
導電微粒子が、低抵抗の導電経路を形成し、w/wでスイッチ構成物の25%から75%の範囲にある、請求項23に記載の構成物。
【請求項26】
導電微粒子の直径が、0.1μmから1000μmの範囲にある、請求項15から25のいずれか一項に記載の構成物。
【請求項27】
導電微粒子の直径が、1μmから100μmの範囲にある、請求項26に記載の構成物。
【請求項28】
非導電結合剤が有機高分子である、請求項15から27のいずれか一項に記載の構成物。
【請求項29】
非導電結合剤が、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリウレタン、UV硬化可能な単量体または低重合体、あるいはホットメルト接着剤である、請求項28に記載の構成物。
【請求項30】
スイッチ構成物をプリントするのに適したインク配合物であって、プリント可能なインク、請求項15から29のいずれか一項に記載のスイッチ構成物および任意選択で溶剤を含む、インク配合物。
【請求項31】
揮発性溶剤を含む、請求項30に記載のインク配合物。
【請求項32】
揮発性溶剤が、水、アルコール、ケトンまたはエーテルである、請求項31に記載のインク配合物。
【請求項33】
熱放射によって硬化可能な、請求項30から32のいずれか一項に記載のインク配合物。
【請求項34】
紫外線放射によって硬化可能な、請求項30から32のいずれか一項に記載のインク配合物。
【請求項35】
インクが、顔料または他の分光的に活性の物質をさらに含む、請求項30から34のいずれか一項に記載のインク配合物。
【請求項36】
複数の同調回路を備えるRFタグであって、前記タグを第1の共振周波数に相当するRF周波数にさらすことにより、1つまたは複数の回路が、第1の共振周波数から第2の共振周波数へと、または非共振状態へと変化させられる、RFタグ。
【請求項37】
請求項37で定義されたRFタグを活性化する方法であって、i)1つまたは複数の回路の共振周波数を選択するステップと、ii)前記回路を、第1の周波数での共振から、第2の周波数での共振へと変化させるかまたは非共振状態へと変化させるステップと、iii)ステップi)とステップii)を繰り返して、前記活性化タグに共振周波数の一意の組合せをもたらすステップと、iv)前記RFタグ内の複数の同調回路に共振を起こさせることができる複数の低消費電力RF信号を伝送するステップと、v)前記複数の共振周波数の存在を検知するステップとを含む、方法。
【請求項38】
請求項37による共振周波数の一意の組合せを生成するための方法を使用する、請求項1から14または請求項36のいずれか一項に記載の複数のRFタグを備えるデータ記憶手段。
【請求項39】
実質的に本明細書に記載されたかまたは図示された製品、構成物またはプロセス。
【請求項1】
基板の第1の面上で誘導コイルとして同じ面上にある第1のコンデンサプレートに電気的に接続された誘導コイルを備える同調回路を備えるRFタグであって、前記誘導コイルが、第1のコンデンサプレートと実質的に整合されているが誘電体層によって第1のコンデンサプレートから分離される第2のコンデンサプレートに電気的に接続され、同調回路は、同調回路の共振周波数またはその前後の周波数の強電界にさらされたとき導電特性が絶縁状態から導通状態へと変化できるスイッチ構成物が与えられている絶縁間隙も含むことを特徴とする、RFタグ。
【請求項2】
誘電体層が基板であり、第2のコンデンサプレートが基板の第2の面上に配置される、請求項1に記載のRFタグ。
【請求項3】
スイッチ構成物の導電率の変化が同調回路の共振周波数の変化をもたらす、請求項1に記載のRFタグ。
【請求項4】
絶縁間隙が、第1および第2のコンデンサプレートにそれぞれ接続された導電性トラックの間にある、請求項1から3のいずれか一項に記載のRFタグ。
【請求項5】
絶縁間隙が、第1および第2のコンデンサプレートのいずれかと、少なくとも1つのさらなるコンデンサプレートの間にある、請求項1から3のいずれか一項に記載のRFタグ。
【請求項6】
各々にスイッチ構成物が与えられている相次ぐ絶縁間隙によって分離された複数のコンデンサプレートを有する、請求項5に記載のRFタグ。
【請求項7】
絶縁間隙が、誘導コイルの巻きの間にある、請求項1から3のいずれか一項に記載のRFタグ。
【請求項8】
絶縁間隙が、誘導コイルとさらなる誘導コイルの間にある、請求項1から3のいずれか一項に記載のRFタグ。
【請求項9】
元の誘導コイルの内部または外部にさらに巻きを備える複数のさらなる誘導コイルを有する、請求項8に記載のRFタグ。
【請求項10】
導電率の変化が、少なくとも1つのさらなる電気部品を回路内に導入する、請求項1に記載のRFタグ。
【請求項11】
さらなる電気部品が、集積回路またはメモリチップである、請求項10に記載のRFタグ。
【請求項12】
基板が誘電材料である、請求項1から11のいずれか一項に記載のRFタグ。
【請求項13】
誘電材料が、紙、重合体、高分子複合材料、セラミックまたは硬化されたスイッチ構成物から選択される、請求項12に記載のRFタグ。
【請求項14】
誘電材料がスイッチ構成物である、請求項13に記載のRFタグ。
【請求項15】
ある電位にさらされたとき導電特性が絶縁状態から導通状態へと変化できるRFタグに適するスイッチ構成物であって、結合剤および絶縁表面層を有する複数の導電微粒子を含み、実質的に全ての前記微粒子が隣接した微粒子に接触していて、その結果、絶縁表面層が電気的な電位で破壊されたとき導電経路を生成する、スイッチ構成物。
【請求項16】
絶縁表面層の厚さが1ミクロン未満である、請求項15に記載の構成物。
【請求項17】
絶縁層の厚さが100nm未満である、請求項16に記載の構成物。
【請求項18】
絶縁層の厚さが50nm未満である、請求項17に記載の構成物。
【請求項19】
導電微粒子が、金属、合金およびメタロイド微粒子から選択される、請求項15から18のいずれか一項に記載の構成物。
【請求項20】
金属が、アルミニウム、銅、チタンおよびニッケルから選択される、請求項19に記載の構成物。
【請求項21】
絶縁表面層が、有機高分子、ディウェッティング剤または金属酸化物である、請求項15から20のいずれか一項に記載の構成物。
【請求項22】
絶縁表面層がステアリン酸またはオレイン酸である、請求項21に記載の構成物。
【請求項23】
導電微粒子が、w/wでスイッチ構成物の5%から75%の範囲にある、請求項15から22のいずれか一項に記載の構成物。
【請求項24】
導電微粒子が、高抵抗の導電経路を形成し、w/wでスイッチ構成物の5%から25%の範囲にある、請求項23に記載の構成物。
【請求項25】
導電微粒子が、低抵抗の導電経路を形成し、w/wでスイッチ構成物の25%から75%の範囲にある、請求項23に記載の構成物。
【請求項26】
導電微粒子の直径が、0.1μmから1000μmの範囲にある、請求項15から25のいずれか一項に記載の構成物。
【請求項27】
導電微粒子の直径が、1μmから100μmの範囲にある、請求項26に記載の構成物。
【請求項28】
非導電結合剤が有機高分子である、請求項15から27のいずれか一項に記載の構成物。
【請求項29】
非導電結合剤が、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリウレタン、UV硬化可能な単量体または低重合体、あるいはホットメルト接着剤である、請求項28に記載の構成物。
【請求項30】
スイッチ構成物をプリントするのに適したインク配合物であって、プリント可能なインク、請求項15から29のいずれか一項に記載のスイッチ構成物および任意選択で溶剤を含む、インク配合物。
【請求項31】
揮発性溶剤を含む、請求項30に記載のインク配合物。
【請求項32】
揮発性溶剤が、水、アルコール、ケトンまたはエーテルである、請求項31に記載のインク配合物。
【請求項33】
熱放射によって硬化可能な、請求項30から32のいずれか一項に記載のインク配合物。
【請求項34】
紫外線放射によって硬化可能な、請求項30から32のいずれか一項に記載のインク配合物。
【請求項35】
インクが、顔料または他の分光的に活性の物質をさらに含む、請求項30から34のいずれか一項に記載のインク配合物。
【請求項36】
複数の同調回路を備えるRFタグであって、前記タグを第1の共振周波数に相当するRF周波数にさらすことにより、1つまたは複数の回路が、第1の共振周波数から第2の共振周波数へと、または非共振状態へと変化させられる、RFタグ。
【請求項37】
請求項37で定義されたRFタグを活性化する方法であって、i)1つまたは複数の回路の共振周波数を選択するステップと、ii)前記回路を、第1の周波数での共振から、第2の周波数での共振へと変化させるかまたは非共振状態へと変化させるステップと、iii)ステップi)とステップii)を繰り返して、前記活性化タグに共振周波数の一意の組合せをもたらすステップと、iv)前記RFタグ内の複数の同調回路に共振を起こさせることができる複数の低消費電力RF信号を伝送するステップと、v)前記複数の共振周波数の存在を検知するステップとを含む、方法。
【請求項38】
請求項37による共振周波数の一意の組合せを生成するための方法を使用する、請求項1から14または請求項36のいずれか一項に記載の複数のRFタグを備えるデータ記憶手段。
【請求項39】
実質的に本明細書に記載されたかまたは図示された製品、構成物またはプロセス。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図1b】
【図1c】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【公表番号】特表2008−519347(P2008−519347A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539635(P2007−539635)
【出願日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【国際出願番号】PCT/GB2005/004264
【国際公開番号】WO2006/048663
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(501352882)キネテイツク・リミテツド (93)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【国際出願番号】PCT/GB2005/004264
【国際公開番号】WO2006/048663
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(501352882)キネテイツク・リミテツド (93)
【Fターム(参考)】
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