説明

離隔距離測定装置

【課題】地中に埋設する管路相互の離隔距離の測定作業の容易化および高精度化を図り、測定作業にかかる作業者の負担軽減を図ること。
【解決手段】寸法計測用の指標110aが設けられた第1の測定部材110と、第1の測定部材110の延出方向と直交する他方向に延出し、少なくとも一つが第1の測定部材110に対して相対的に移動可能に当該第1の測定部材110に連結された複数の第2の測定部材120と、を備え、複数の第2の測定部材120の少なくとも一つを第1の測定部材110に対して移動させることによって複数の第2の測定部材120どうしの間隔を変更可能とした離隔距離測定装置100を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地中に埋設される管路相互の離隔距離の測定に用いる離隔距離測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
送電方式には、空中に渡された電線を用いて送電する架空送電方式と、地中に埋設された電線を用いて送電する地中送電方式とが存在する。地中送電方式は、都市など地上における美観を害することなく、また、落雷などによる故障も少なく信頼度の高い送電をおこなうことができる。
【0003】
地中送電に用いる電線は、地中に埋設された管路内に敷設される。この管路は、管路の敷設する位置に穴を掘削し、この掘削穴の中に管路を敷設した後、当該管路を埋設することによって敷設される。具体的には、管路は、たとえば、当該管路を間にして掘削穴の中において対をなす矢板の間のスペースに敷設される。矢板は、掘削穴の中において1.2m程度の距離を空けて対向した状態で配設される。管路は、掘削穴の中(かつ対をなす矢板の間)において、互いに所定の離隔距離を保った状態で複数本敷設される。
【0004】
管路の敷設作業に際しては、管路を地中に埋設する工事の品質管理のため、掘削穴の中に敷設された管路を撮影することによって、管路の敷設状況を記録している。管路の敷設状況の記録に際しては、スタッフと称される測定機器を用いて管路相互の離隔距離を測定し、測定している状態を撮影することによって管路相互の離隔距離がわかるような状態で記録する。
【0005】
管路相互の離隔距離の測定は、管路の長さ方向に沿っておおよそ20mごとにおこなう。管路相互の離隔距離の測定に用いるスタッフは、直線状の板形状または棒形状をなし、長さ方向に沿ってメモリが設けられたいわゆる「ものさし」状の部材によって実現される。スタッフは、管路どうしの離隔距離がわかるように、メモリ側を管路に当てた状態で使用する(図6を参照)。
【0006】
図6は、従来の管路相互の離隔距離の記録状況を示す説明図である。図6に示すように、管路601は、掘削穴602の中に設置された矢板603の間のスペースに敷設される。スタッフ610は、当該スタッフ610を垂直方向に立てた状態で、管路601の側方から当該管路601に突き当てて使用する。これによって、垂直方向における管路相互の離隔距離を測定することができる。また、スタッフ620は、当該スタッフ620を水平方向に寝かせた状態で、矢板603の間のスペースに敷設された管路601上に設置して使用することによって、水平方向における管路相互の離隔距離を測定することができる。
【0007】
また、具体的には、従来、たとえば、等間隔にネジ穴を設けたスケール板と、隙間板を管路の寸法に応じて可変できるようにスケール板にネジ固定され管路を離隔する隙間板とを備えた離隔測定治具を用いて、管路を地中に埋設する前に一時固定し、管路の離隔寸法を測定するようにした技術があった(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
【0008】
また、具体的には、従来、たとえば、1cm間隔の太い写真撮影用線分目盛りの側端部に細線識別マークを設け、さらに該識別マークに隣接して1cm間隔の連続した数値目盛りを設けることによって、施工状況の記録用の写真撮影をおこなう現場において比較的短い距離を正確にかつ手早く実測することができるようにした技術があった(たとえば、下記特許文献2を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−283522号公報
【特許文献2】実用新案登録第2554895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、管路を埋設するスペースを形成する矢板どうしの間隔が狭いため、上述した従来の技術では、管路相互の離隔距離を測定するために作業者が入るスペースを掘削穴の中(矢板の間のスペース)に確保することが難しいという問題があった。このため、上述したスタッフを用いて管路相互の離隔距離を測定する従来の技術では、管路相互の離隔距離を測定する作業者が掘削穴の中(矢板の間のスペース)において不自然な体勢で測定作業をおこなわなくてはならず、当該作業者にかかる負担が大きいという問題があった。
【0011】
また、管路を埋設するスペースを形成する矢板どうしの間隔が狭いため、上述した従来の技術では、掘削穴の中(矢板の間のスペース)において十分な足場を確保することが困難であるという問題があった。このため、上述した従来の技術では、作業者が、掘削穴の中(矢板の間のスペース)に敷設された管路の上に乗り、不安定な体勢で測定作業をおこなわなくてはならず、作業者にかかる負担が大きいという問題があった。また、上述した従来の技術では、このように不安定な体勢で測定作業をおこなうことにより、測定精度が低下し、測定結果に対する信頼性に劣るという問題があった。
【0012】
さらに、管路相互の離隔距離の測定は、管路の長さ方向に沿っておおよそ20mごとにおこなうため測定回数が多い。上述した従来の技術では、不自然かつ不安定な体勢で測定作業をおこなうため、測定回数の増加に比例して作業者に対する負担が一層大きくなるという問題があった。
【0013】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、地中に埋設する管路相互の離隔距離の測定作業の容易化および高精度化を図り、測定作業にかかる作業者の負担軽減を図ることができる離隔距離測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる離隔距離測定装置は、一方向に延出し、当該一方向に沿って寸法計測用の指標が設けられた第1の測定部材と、前記一方向と直交する他方向に延出し、少なくとも一つが前記一方向に沿って前記第1の測定部材に対して相対的に移動可能に、前記第1の測定部材に連結された複数の第2の測定部材と、を備え、前記複数の第2の測定部材どうしの間隔は、当該複数の第2の測定部材の少なくとも一つを前記一方向に沿って前記第1の測定部材に対して相対的に移動させることによって変更可能であることを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる離隔距離測定装置は、上記の発明において、前記複数の第2の測定部材の間で、当該複数の第2の測定部材の移動とは独立して、前記一方向に沿って前記第1の測定部材に対して相対的に移動可能に設けられ、前記他方向における長さが前記複数の第2の測定部材の長さよりも短い補助測定部材を備えたことを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかる離隔距離測定装置は、上記の発明において、前記第1の測定部材および前記第2の測定部材の少なくとも一方に設けられた水準器を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、この発明にかかる離隔距離測定装置は、上記の発明において前記複数の第2の測定部材が、前記第1の測定部材に対して脱離可能に連結されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
この発明にかかる離隔距離測定装置によれば、地中に埋設する管路相互の離隔距離の測定作業の容易化および高精度化を図り、測定作業にかかる作業者の負担軽減を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1−1】この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置の構成を示す説明図(その1)である。
【図1−2】この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置の構成を示す説明図(その1)である。
【図2】この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置の一部を示す説明図である。
【図3】この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置の使用例を示す説明図(その1)である。
【図4】この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置の使用例を示す説明図(その2)である。
【図5】この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置の使用例を示す説明図(その3)である。
【図6】従来の管路相互の離隔距離の記録状況を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる離隔距離測定装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
(離隔距離測定装置の構成)
まず、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置の構成について説明する。図1−1、図1−2および図2は、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置の構成を示す説明図である。図2は、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置の一部を示す説明図である。
【0022】
図1−1においては、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置の断面を示している。より具体的には、図1−1においては、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置を、離隔距離の測定対象となる管路の長手方向に直交する平面に沿って切断した断面を示している。図1−2においては、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置の側面を示している。より具体的には、図1−2においては、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置を、離隔距離の測定対象となる管路の長手方向に直交する方向から見た状態を示している。
【0023】
図1−1、図1−2および図2において、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100は、地中に埋設される管路相互の離隔距離を測定する際に用いる。管路101は、たとえば、地中送電方式による送電に用いる電線を収容するために、地中に埋設される。より具体的には、管路101は、たとえば、地盤面下の土を掘削する、いわゆる根切り工事によってできた掘削孔102の中に設置された管枕103の上に設置される。
【0024】
掘削孔102には、矢板が設けられていてもよい。この場合、管枕103および管路101は、矢板の間に設置される。矢板は、掘削孔102における土壁が崩れないように押さえる土留め用の板状部材であって、たとえば、管枕103および管路101の両脇に設けられる。矢板は、たとえば、木製、鉄筋コンクリート製、鋼製など各種のものを用いることができる。
【0025】
この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100は、第1の測定部材110と、第2の測定部材120と、を備えている。離隔距離測定装置100は、第2の測定部材120を複数(図1においては、2本)備えている。離隔距離測定装置100においては、第1の測定部材110および第2の測定部材120を、それぞれ複数(図1においては、それぞれ2本ずつ)備えていてもよい。
【0026】
第1の測定部材110および第2の測定部材120は、一方向に延出する棒形状あるいは平板形状をなす部材であって、たとえば、プラスチックなどの高分子材料、金属、木、竹など自身の形状を維持できる材料を用いて形成されている。第1の測定部材110および第2の測定部材120を、たとえば、高分子材料や金属などを用いて形成することにより、湿度によって反りや歪みなどの形状変化が生じることを防止することができる。
【0027】
第1の測定部材110には、当該第1の測定部材110の延出方向(長手方向)に沿って寸法計測用の指標110aが設けられている。寸法計測用の指標110aは、長さを示す目盛りであって、たとえば、1mm単位、1cm単位ごとに設けられている。また、寸法計測用の指標110aは、5cm、10cmなど所定間隔ごとに長さを示す数字を含んでいてもよい。
【0028】
第2の測定部材120は、第1の測定部材110と同様に、当該第2の測定部材120の延出方向(長手方向)に沿って設けられた寸法計測用の指標120aを備えている。寸法計測用の指標120aは、長さを示す目盛りであって、たとえば、1mm単位、1cm単位ごとに設けられている。また、寸法計測用の指標120aは、5cm、10cmなど所定間隔ごとに長さを示す数字を含んでいてもよい。
【0029】
第2の測定部材120は、第1の測定部材110の延出方向(一方向)と直交する他方向に延出するように、第1の測定部材110に連結されている。第1の測定部材110と第2の測定部材120とは、連結部材130を介して連結されている。連結部材130は、貫通方向が直交するように配置された2つの貫通孔131、132を備えている。連結部材130は、たとえば、プラスチックなどの高分子材料や金属材料などを用いて形成することができる。
【0030】
連結部材130が備える2つの貫通孔131、132のうち、第1の貫通孔131は、内径が、第1の測定部材110を長さ方向に直交する平面で切断した場合の断面の形状および大きさと略同一となるように開口している。第1の貫通孔131は、当該第1の貫通孔131に挿入された第1の測定部材110を保持する。
【0031】
連結部材130が備える2つの貫通孔131、132のうち、第2の貫通孔132は、内径が、第2の測定部材120を長さ方向に直交する平面で切断した場合の断面の形状および大きさと略同一となるように開口している。第2の貫通孔132は、当該第2の貫通孔132に挿入された第2の測定部材120を保持する。
【0032】
連結部材130は、第1の測定部材110が第1の貫通孔131を貫通する状態で当該第1の測定部材110を保持するとともに、第2の測定部材120が第2の貫通孔132を貫通する状態で当該第2の測定部材120を保持する。これによって、連結部材130は、第1の測定部材110と第2の測定部材120とを互いの延出方向が直交するような状態で連結することができる。
【0033】
複数の第2の測定部材120は、それぞれ、第1の測定部材110に対して脱離可能に連結されている。具体的には、たとえば、連結部材130における第1の貫通孔131から第1の測定部材110を引き抜くことによって、第2の測定部材120を第1の測定部材110から取り外すことができる。これによって、離隔距離測定装置100においては、たとえば、掘削孔102に設置された管路101の本数などの、離隔距離の測定作業をおこなう作業状況に応じて適宜必要な数の第2の測定部材120を取り付けることができる。
【0034】
この場合、第2の測定部材120と連結部材130とは固定されていてもよい。第2の測定部材120と連結部材130とを固定することにより、連結部材130の紛失を防止することができる。あるいは、この場合、第2の測定部材120と連結部材130とは、分離可能に構成されていてもよい。第2の測定部材120と連結部材130とを分離可能に構成することにより、第1の測定部材110と第2の測定部材120と連結部材130とをそれぞれ分離した状態で運搬することができる。
【0035】
これによって、離隔距離測定装置100の運搬に際しての作業者の負担軽減を図ることができる。なお、連結部材130における第2の貫通孔132から第2の測定部材120を引き抜くことによって、第2の測定部材120を第1の測定部材110から取り外すことができるように構成してもよい。
【0036】
この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100は、離隔距離の測定作業に際して、第1の測定部材110に対して、連結部材130を介して第2の測定部材120を必要数取り付けて使用する。離隔距離測定装置100の使用に際しては、たとえば、第1の測定部材110の延出方向が水平方向と平行になり、第2の測定部材120の延出方向が垂直方向と平行になるように設置する。
【0037】
この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100は、第1の測定部材110および第2の測定部材120をそれぞれ複数備えているため、これらを連結する連結部材130を複数備えている。複数の連結部材130のうち、少なくとも一つは、第1の測定部材110の延出方向(一方向)すなわち水平方向に沿って、当該第1の測定部材110に対して移動(スライド移動)可能とされている。
【0038】
これにより、複数の第2の測定部材120のうち、少なくとも一つは、第1の測定部材110の延出方向(一方向)である水平方向に沿って、当該第1の測定部材110に対して移動(スライド移動)可能に連結される。具体的には、たとえば、第1の貫通孔131の開口部分の大きさを、第1の測定部材110の断面の大きさよりも若干大きくすることにより、連結部材130を第1の測定部材110に対して移動(スライド移動)可能とすることができる。
【0039】
この場合、第1の貫通孔131の内周面は、第1の測定部材110の表面に対して所定の摩擦抵抗を生じさせるように、平滑性の低いざらざらした状態とされていてもよい。所定の摩擦抵抗は、外力が加えられていない状態では、第2の測定部材120を保持した状態の連結部材130の第1の測定部材110に対する位置が変化しないような大きさとすることができる。これによって、測定作業中に、第1の測定部材110に対する第2の測定部材120の位置が不用意に変化することを防止することができる。
【0040】
あるいは、この場合、第1の貫通孔131の内周側には、連結部材130に対する第1の測定部材110の移動にともなって回転するローラが設けられていてもよい。この場合、ローラの回転軸は、連結部材130に設けられていることが好ましい。そして、このローラの回転に所定の外力を要する構成としてもよい。
【0041】
これにより、ローラに対して所定の外力以上の外力が加えられていない状況においてはローラが回転せず、第1の測定部材110に対する第2の測定部材120の位置を固定することができる。これによって、測定作業中に、第1の測定部材110に対する第2の測定部材120の位置が不用意に変動することを防止し、測定精度を確保することができる。
【0042】
連結部材130は、第2の測定部材120に対して位置固定されている。これにより、連結部材130と第2の測定部材120との位置関係が固定され、第1の測定部材110に沿って連結部材130を移動(スライド移動)させることによって、当該連結部材130の移動(スライド移動)にともなって第2の測定部材120を第1の測定部材110に沿ってスライド移動させることができる。第2の測定部材120を第1の測定部材110に沿ってスライド移動させることによって、第1の測定部材110と第2の測定部材120との相対的な位置関係が変化する。
【0043】
離隔距離の測定作業に際しては、たとえば、第1の測定部材110の位置を固定した状態で、当該第1の測定部材110に対して第2の測定部材120を移動(スライド移動)させることによって、第1の測定部材110と第2の測定部材120との相対的な位置関係を変化させる。第1の測定部材110と第2の測定部材120との相対的な位置関係は、第2の測定部材120の位置を固定した状態で、当該第2の測定部材120に対して第1の測定部材110を移動(スライド)させることによって変化させるようにしてもよい。
【0044】
複数の連結部材130のうちの一つは、第1の測定部材110に対する位置が固定された状態で、当該第1の測定部材110に連結されている。第1の測定部材110に固定される連結部材130(130a)は、複数ある連結部材130のうち端部に設けられる。これにより、第1の測定部材110と第2の測定部材120との位置関係が固定され、固定された第2の測定部材120(120a)以外の第2の測定部材120は、固定された第2の測定部材120(120a)に対する間隔を広げたり縮めたりするようにして移動(スライド移動)する。
【0045】
第1の測定部材110に設けられた寸法計測用の指標110aが、所定間隔ごとに長さを示す数字を含んでいる場合、第1の測定部材110に固定される連結部材130(130a)は、当該連結部材130(130a)によって第1の測定部材110に対する位置が固定される第2の測定部材120(120a)が、「0(ゼロ)」を示す位置に位置付けられるように第1の測定部材110に取り付けられる。
【0046】
離隔距離測定装置100は、補助測定部材140を備えている。補助測定部材140は、第2の測定部材120の長さよりも短く、複数の第2の測定部材120の間に設けられている。また、補助測定部材140は、複数の第2の測定部材120の移動とは独立して、一方向に沿って第1の測定部材110に対して相対的に移動可能に設けられている。
【0047】
補助測定部材140は、たとえば、第1の測定部材110を長さ方向に直交する平面で切断した場合の断面の形状および大きさと略同一となるように開口する環形状をなす部材によって実現することができる。補助測定部材140は、第1の測定部材110に対して、取り外し可能に設けられていてもよい。
【0048】
補助測定部材140には、当該補助測定部材140の位置を示す指標が設けられている。補助測定部材140の位置を示す指標は、具体的には、たとえば、第1の測定部材110に設けられた寸法計測用の指標110aにおける補助測定部材140の位置を差し示す矢印などのマークによって実現することができる。
【0049】
この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100は、水準器150を備えている。水準器150は、たとえば、気泡管水準器によって実現することができる。気泡管水準器は、アルコールやエーテルなどの液体と、一つの気泡と、が封入されたガラス製の密閉された容器である気泡管を備えている。気泡管には、複数(たとえば2本)の標線(基準線)が設けられている。
【0050】
水準器150を用いた水平度の判断は、水平測定位置に気泡管をあて、この状態における気泡管の中の気泡の位置を確認することによっておこなう。そして、たとえば、気泡管の中の気泡がもっとも内側の標線の間に位置している場合に、水準器150すなわち当該水準器150が設けられた離隔距離測定装置100が水平状態にあると判断することができる。
【0051】
気泡管水準器によって実現される水準器150は、気泡管を保持する所定形状のフレーム(ケース)を備えていてもよい。フレーム(ケース)は、金属材料あるいは樹脂材料などを用いて形成することができる。フレームは、水準器150の設置面の傾斜と気泡管の傾斜とが一致するような形状とされている。水準器150については、公知の各種の技術を用いて容易に実現可能であるため、説明を省略する。
【0052】
水準器150は、たとえば、第1の測定部材110に設けることができる。この場合、水準器150は、離隔距離の測定作業に際して測定対象箇所に設置された状態の離隔距離測定装置100における第1の測定部材110の延出方向が水平方向に平行であるか否かを示す。この場合、第1の測定部材110すなわち離隔距離測定装置100が水平に設置されていれば、気泡管の中の気泡はもっとも内側の標線の間に位置する。
【0053】
また、水準器150は、たとえば、第2の測定部材120に設けてもよい。この場合、水準器150は、気泡管の軸心方向が第2の測定部材120の延出方向に対して直交する状態で設ける。そして、この場合、水準器150は、離隔距離の測定作業に際して測定対象箇所に設置された状態の離隔距離測定装置100における第2の測定部材120の延出方向が垂直方向に平行であるか否かを示す。また、この場合、水準器150が設けられた第2の測定部材120は、第1の測定部材110に固定される連結部材130(130a)に固定されることが好ましい。
【0054】
水準器150は、第1の測定部材110および第2の測定部材120の少なくとも一方に設けられているものに限らず、第1の測定部材110および第2の測定部材120の両方に設けられていてもよい。なお、水準器150は、気泡管水準器によって実現されるものに限らない。水準器150は、気泡管水準器に代えて、たとえば、レーザー水準器などによって実現されるものであってもよい。
【0055】
(離隔距離測定装置100の使用例)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100の使用例について説明する。図3、図4および図5は、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100の使用例を示す説明図である。
【0056】
この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100を用いた管路相互の水平方向における離隔距離の測定作業に際しては、まず、第1の測定部材110に連結部材130を取り付ける。連結部材130は、掘削孔102内に設置された管路101の水平方向における本数と同数(あるいは同数以上)取り付ける。
【0057】
つぎに、第1の測定部材110に取り付けられた連結部材130に、それぞれ、第2の測定部材120を取り付けて、離隔距離測定装置100を組み立てる。このとき、連結部材130どうし、すなわち第2の測定部材120どうしの間隔が、管路101の直径よりも大きくなるように調整して、離隔距離測定装置100を組み立てる。
【0058】
なお、離隔距離測定装置100の組み立てに際しては、第1の測定部材110に取り付けられた連結部材130に第2の測定部材120を取り付ける方法に代えて、第2の測定部材120に取り付けられた連結部材130を、第1の測定部材110に取り付けてもよい。
【0059】
そして、組み立てられた離隔距離測定装置100における第1の測定部材110を、掘削孔102内に設置された管路101の上に設置する。このとき、水準器150を用いて、第1の測定部材110の延出方向が水平方向と平行になるように、第1の測定部材110の姿勢を設置する。また、このとき、第2の測定部材120が、それぞれ一つずつ管路101どうしの間に位置するようにして、離隔距離測定装置100を掘削孔102の中に設置する。
【0060】
組み立てられた離隔距離測定装置100は、第1の測定部材110に対して位置固定された第2の測定部材120が、複数設置された管路101よりも外側に位置付けられるようにして掘削孔102の中に設置する。この状態で、第1の測定部材110に対して、連結部材130を移動(スライド移動)させ、第2の測定部材120どうしの間隔を調整する。
【0061】
このとき、第2の測定部材120が、管路101に対して同じ側から当接するように、連結部材130すなわち第2の測定部材120を移動(スライド移動)させる。具体的には、たとえば、管路101を軸心方向から見た場合に、すべての管路101に対して、各第2の測定部材120が左側から当接するように、連結部材130すなわち第2の測定部材120を移動(スライド移動)させる。
【0062】
管路101どうしの離隔距離(管路相互の離隔距離)は、隣り合う管路101どうしの、一方の管路101の中心から他方の管路101の中心までの距離によってあらわされる。管路101どうしの離隔距離(管路相互の離隔距離)の測定対象となる2本の管路101が同じ直径(外径)である場合、一方の管路101の一端部(たとえば左側の端部)から他方の管路101の一端部(たとえば左側の端部)までの距離は、一方の管路101の中心から他方の管路101の中心までの距離と等しくなる。
【0063】
このため、水平方向における管路101どうしの離隔距離(管路相互の離隔距離)は、各第2の測定部材120を管路101に対してそれぞれ同じ側から当接させることによって確定する第2の測定部材120どうしの間隔によってあらわすことができる。図3においては、符号L300で示す距離が、水平方向における管路101どうしの離隔距離(管路相互の離隔距離)とされる。
【0064】
第1の測定部材110には寸法計測用の指標110aが設けられているため、離隔距離の測定作業をおこなう作業者は、第2の測定部材120を管路101に対して同じ側から当接させた状態であって寸法計測用の指標110aが写る状態で写真を撮影することによって、管路101の敷設状況を記録することができる。
【0065】
管路101どうしの間に形成される空間の寸法は、第2の測定部材120を管路101に対して同じ側から当接させることによって確定する第2の測定部材120どうしの間隔(たとえば、図3における符号L300を参照)と、管路101直径と、に基づいて算出することができる。具体的には、たとえば、第2の測定部材120どうしの間隔が400mmであって、これらの第2の測定部材120どうしの間に設置された管路101の直径が286mm(φ250)である場合は、400−286=114mmと算出することができる。
【0066】
垂直方向に複数段設置された管路101どうしの離隔距離の測定作業に際しては、第1の測定部材110に対して位置固定された第2の測定部材120に、複数の第1の測定部材110を取り付ける。このとき、複数取り付けられる第1の測定部材110のうち、もっとも地表に近い第1の測定部材110(110A)以外の第1の測定部材110(110B)は、少なくとも、複数の第1の測定部材110が取り付けられる第2の測定部材120に固定されていればよく、複数の第2の測定部材120に架け渡されるように取り付けられていなくてもよい。
【0067】
この実施の形態における離隔距離測定装置100においては、もっとも地表に近い第1の測定部材110(110A)以外の第1の測定部材110(110B)は、もっとも地表に近い第1の測定部材110(110A)よりも水平方向における長さが短い。第1の測定部材110(110B)の長さは、当該第1の測定部材110(110B)が取り付けられる第2の測定部材120から、管路101の半径寸法よりも長ければよい。
【0068】
第1の測定部材110(110B)は、当該第1の測定部材110(110B)が、垂直方向においてそれぞれ一つずつ管路101どうしの間に位置するようにして、第2の測定部材120に取り付けられる。垂直方向における管路101どうしの離隔距離(管路相互の離隔距離)は、各第1の測定部材110を管路101に対してそれぞれ同じ側(上側)から当接させることによって確定する第1の測定部材110どうしの間隔によってあらわすことができる。図3においては、符号L310で示す距離が管路101どうしの離隔距離(管路相互の離隔距離)とされる。
【0069】
管路101の敷設状況を記録する際には、補助測定部材140が各管路101の中心位置を示すように、補助測定部材140の位置を調整してもよい(図4を参照)。管路101の直径は既知であるため、具体的には、たとえば、管路101の直径(外径)が286mmである場合は、第2の測定部材120を管路101に当接させた位置から、143mmの位置に補助測定部材140を移動(スライド移動)させる。
【0070】
この場合、第1の測定部材110には寸法計測用の指標110aが設けられているため、容易かつ正確に、管路101の中心位置を示す位置に補助測定部材140を移動(スライド移動)させることができる。図4においては、符号L400で示す距離が管路101どうしの離隔距離(管路相互の離隔距離)とされる。距離L400は、距離L300と等しい。
【0071】
その後、管路101の中心位置を示す位置に補助測定部材140を移動(スライド移動)させた状態で写真を撮影することによって、管路101の敷設状況を記録することができる。このように、補助測定部材140を管路101の中心にあわせた位置に位置させた状態であって寸法計測用の指標110aが写る状態で写真を撮影することによって、管路101の敷設状況を記録することができる。
【0072】
また、補助測定部材140は、垂直方向に複数段の管路101を設置する場合であって、かつ、下段に設置された管路101の直径と上段に設置された管路101の直径とが異なる場合に用いることができる。具体的には、補助測定部材140は、たとえば、図5に示すように、上段に設置された管路101の中心位置を示す位置に移動(スライド移動)させて使用することができる。管枕103は、半円状の切り欠きを備えているため、管枕103の上に管路101を設置することにより下段に設置された管路101の中心と上段に設置された管路101の中心とは一致する。
【0073】
この場合、まず、上述と同様の方法で下段に設置された管路101に対して同じ側から第2の測定部材120を当接させる。これによって、下段に設置された管路相互の離隔距離を、第2の測定部材120どうしの間隔によって測定することができる。図5においては、符号L520で示す距離が、下段に設置された管路101どうしの離隔距離(管路相互の離隔距離)とされる。
【0074】
つぎに、下段に設置された管路101に対して同じ側から当接させた第2の測定部材120どうしの間隔と下段に設置された管路101の直径とに基づいて、下段に設置された管路101の中心位置を特定し、特定された中心位置に補助測定部材140を移動(スライド移動)させる。これによって、上段に設置された管路相互の離隔距離を、補助測定部材140どうしの間隔によって測定することができる。図5においては、符号L510で示す距離が、上段に設置された管路101どうしの離隔距離(管路相互の離隔距離)とされる。そして、この状態で写真を撮影することによって、上段に設置された管路相互の離隔距離L520と、下段に設置された管路相互の離隔距離L510と、をまとめて記録することができる。
【0075】
上記の図6に示すように、従来の管路相互の離隔距離の記録作業に際しては、垂直方向の寸法を示すためのスタッフ610と、水平方向の寸法を示すためのスタッフ620と、が写真に収まるように、各スタッフ610、620を管路101に当接させた状態で保持しておかなくてはならない。このため、従来の離隔距離の記録作業に際しては、各スタッフ610、620を保持するための作業者と、この状態を撮影する作業者と、の2名以上の作業者を要していた。
【0076】
また、従来の離隔距離の測定作業に際しては、各スタッフ610、620を保持する作業者は、狭い掘削孔102の中で、各スタッフ610、620を手で押さえることによって保持していた。このため、各スタッフ610、620が厳密には直交していない場合があり、記録された写真の精度に劣る場合があった。
【0077】
これに対して、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100を用いることにより、第1の測定部材110および第2の測定部材120を手で押さえておくことなく、第1の測定部材110と第2の測定部材120とが直交した状態を維持することができる。これによって、水平方向における管路相互の離隔距離と、垂直方向における管路相互の離隔距離と、を容易かつ正確に測定することができるとともに、敷設状況を容易かつ正確に記録することができる。また、離隔距離測定装置100を手で押さえておく必要がないため、従来の離隔距離の記録作業に際して各スタッフ610、620を保持するための作業者を不要とし、離隔距離の記録作業にかかる作業者の数を減らすことができる。
【0078】
また、従来の離隔距離の測定作業に際しては、掘削孔102の幅が1.2m程度と狭いため、作業者は掘削穴102の中において不自然な体勢で測定作業をおこなったり、十分な足場が確保できずに不安定な状態で測定作業をおこなったりしなくてはならず、当該作業者に大きな負担がかかっていた。さらに、管路相互の離隔距離の測定は、管路の長さ方向に沿っておおよそ20mごとにおこなうため測定回数が多く、測定回数の増加に比例して作業者に対して一層大きな負担がかかっていた。
【0079】
これに対して、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100を用いることにより、離隔距離測定装置100を押さえるために掘削穴102の中に入る必要がないので、管路相互の離隔距離の測定作業にかかる作業者の負担軽減を図ることができる。
【0080】
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100は、一方向に延出し、当該一方向に沿って寸法計測用の指標110aが設けられた第1の測定部材110と、一方向と直交する他方向に延出し、少なくとも一つが一方向に沿って第1の測定部材110に対して相対的に移動可能に、第1の測定部材110に連結された複数の第2の測定部材120と、を備え、複数の第2の測定部材120どうしの間隔は、当該複数の第2の測定部材120の少なくとも一つを一方向に沿って前記第1の測定部材110に対して相対的に移動させることによって変更可能であることを特徴としている。
【0081】
この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100によれば、掘削穴の中に敷設された管路相互の離隔距離の測定に際して、管路と第2の測定部材120とが互い違いになり、かつ、一方向がたとえば水平方向となるようにして第1の測定部材110を管路の上に設置した状態で、複数の第2の測定部材120の少なくとも一つを一方向に沿って第1の測定部材110に対して相対的に移動させて複数の第2の測定部材120を各管路に対して同一方向から各管路に当接させることにより、第1の測定部材110の延出方向(たとえば水平方向)における管路に対する第2の測定部材120の当接位置(以下「当接位置」という)どうしの距離を容易に計測することができる。
【0082】
すなわち、第1の測定部材110には寸法測定用の指標が設けられているため、第2の測定部材120を管路に当接させ、この状態で指標を読み取るだけで、当接位置どうしの距離を容易に計測することができる。また、各管路の直径は事前に判明しているため、当接位置どうしの距離と各管路の直径とに基づいて、第1の測定部材110の延出方向(たとえば水平方向)における、管路101どうしの間に形成される空間の寸法を正確に算出することができる。このように、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100によれば、掘削穴102の中に敷設された管路相互の離隔距離を容易に測定することができる。
【0083】
また、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100によれば、第1の測定部材110と第2の測定部材120とが直交した状態で連結されているため、作業者は第2の測定部材120を管路に当接させるだけで、当接位置どうしの距離を容易かつ高精度に計測することができる。これによって、この発明によれば、掘削穴の中に敷設された管路相互の離隔距離を容易かつ高精度に測定することができる。
【0084】
また、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100によれば、第2の測定部材120を複数備えているため、1回の計測作業において、複数の測定対象箇所における管路相互の離隔距離を容易かつ確実に計測することができる。これによって、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100によれば、地中に埋設する管路相互の離隔距離の測定作業の容易化および高精度化を図り、測定作業にかかる作業者の負担軽減を図ることができる。
【0085】
また、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100は、複数の第2の測定部材120の間で、当該複数の第2の測定部材120の移動とは独立して、前記一方向に沿って前記第1の測定部材110に対して相対的に移動可能に設けられ、前記他方向における長さが前記複数の第2の測定部材120の長さよりも短い補助測定部材140を備えたことを特徴としている。
【0086】
この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100によれば、水平方向および垂直方向において複数敷設された管路相互の離隔距離の測定作業に際して、たとえば、垂直方向における管路の径が異なる場合、複数の第2の測定部材120を各管路に対して同一方向から各管路に当接させることによって第1の測定部材110の直下の管路よりも下側に敷設された管路の当接位置どうしの距離を計測し、補助測定部材140を各管路に対して同一方向から各管路に当接させることによって第1の測定部材110の直下の管路と補助測定部材140との当接位置(以下「第2の当接位置」)どうしの距離を計測することができる。
【0087】
このように、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100によれば、水平方向および垂直方向において径の異なる複数の管路が敷設されている場合にも、当接位置どうしおよび第2の当接位置どうしの距離を容易かつ高精度に計測することができ、掘削穴の中に敷設された管路相互の離隔距離を容易かつ高精度に測定することができる。
【0088】
これによって、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100によれば、地中に埋設する管路相互の離隔距離の測定作業の容易化および高精度化を図り、測定作業にかかる作業者の負担軽減を図ることができる。
【0089】
また、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100は、第1の測定部材110および第2の測定部材120の少なくとも一方に設けられた水準器150を備えたことを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100によれば、離隔距離測定装置100の地面に対する設置状態を目視によって確認することができ、第1の測定部材110および第2の測定部材120が水平方向および垂直方向に延出するように設置することができる。これによって、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100によれば、地中に埋設する管路相互の離隔距離の測定作業における測定精度の一層の向上を図ることができる。
【0090】
また、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100は、複数の第2の測定部材120が、前記の測定部材110に対して脱離可能に連結されていることを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100によれば、第1の測定部材110と第2の測定部材120とに分解することができる。
【0091】
これによって、たとえば、離隔距離測定装置100の運搬時などには第1の測定部材110と第2の測定部材120とに分解することによって、離隔距離測定装置100が占める体積を小さくしたり、分割して運搬したりすることができる。これによって、この発明にかかる実施の形態の離隔距離測定装置100によれば、離隔距離測定装置100の運搬にかかる作業者の負担軽減を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
以上のように、この発明にかかる離隔距離測定装置は、管路相互の離隔距離の測定に用いる離隔距離測定装置に有用であり、特に、地中に埋設される管路相互の離隔距離の測定に用いる離隔距離測定装置に適している。
【符号の説明】
【0093】
100 離隔距離測定装置
101 管路
102 掘削孔
103 管枕
110 第1の測定部材
110a 寸法計測用の指標
120 第2の測定部材
120a 寸法計測用の指標
130 連結部材
131、132 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に延出し、当該一方向に沿って寸法計測用の指標が設けられた第1の測定部材と、
前記一方向と直交する他方向に延出し、少なくとも一つが前記一方向に沿って前記第1の測定部材に対して相対的に移動可能に、前記第1の測定部材に連結された複数の第2の測定部材と、
を備え、
前記複数の第2の測定部材どうしの間隔は、当該複数の第2の測定部材の少なくとも一つを前記一方向に沿って前記第1の測定部材に対して相対的に移動させることによって変更可能であることを特徴とする離隔距離測定装置。
【請求項2】
前記複数の第2の測定部材の間で、当該複数の第2の測定部材の移動とは独立して、前記一方向に沿って前記第1の測定部材に対して相対的に移動可能に設けられ、前記他方向における長さが前記複数の第2の測定部材の長さよりも短い補助測定部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の離隔距離測定装置。
【請求項3】
前記第1の測定部材および前記第2の測定部材の少なくとも一方に設けられた水準器を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の離隔距離測定装置。
【請求項4】
前記複数の第2の測定部材は、前記第1の測定部材に対して脱離可能に連結されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の離隔距離測定装置。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−163498(P2012−163498A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25359(P2011−25359)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】