説明

難燃性塗料組成物及びそれを用いた板状体

【課題】優れた難燃性及び塗工性を有し、被塗工物(基材)の物理的性質を低下させることのない樹脂塗料組成物と、その樹脂塗料組成物を用いた建築板とを提供する。
【解決手段】鱗片状の膨潤性無機化合物と、水膨潤性物質と、ソープフリーのエマルジョン接着剤とが含有されている難燃性塗料組成物。この難燃性塗料組成物を建築用基材1の片面或いは両面に塗工して難燃層としての塗膜層2を形成する難燃性建築板A1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、難燃性塗料組成物及びそれを塗膜層として用いた板状体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、塗料組成物を難燃化するための難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤が広く使われている(例えば特許文献1参照)。しかし、このハロゲン系難燃剤から発生するダイオキシンやフロンの問題があり、環境保護上好ましいとはいえない。
【0003】
また、水酸化アルミニウム等の無機系難燃剤も使われているが、水酸化アルミニウムは塗料及びそれを塗布した基材の物理的性質や耐水性等の低下等が問題となっている。
【0004】
また、建築用無機質板に塗布して難燃層を形成するために、膨潤性無機化合物を必須成分とした難燃化剤も検討されているものの、水溶性高分子等の他の成分との作用により粘度が高くなり過ぎて塗工性が低下するという問題があった。
【0005】
一方、有機系バインダーや補強用繊維等が成分として添加されている建築用無機質板の場合は、その難燃性を維持するために、基材に水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の難燃性物質を添加する方法が考えられている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−186333号公報
【特許文献2】特開2003−191395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、基材全体に水酸化アルミニウム等を添加すると、建築用無機質板全体の重量が増大するとともに、機械的強度が低下するという問題があった。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、優れた難燃性及び塗工性を有し、被塗工物(基材)の物理的性質を低下させることのない樹脂塗料組成物及び該樹脂塗料組成物を用いた板状体を提供しようとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明に係る難燃性塗料組成物は、鱗片状の膨潤性無機化合物と、水膨潤性物質と、ソープフリーのエマルジョン接着剤とが含有されていることを特徴とする。尚、「鱗片状」とは、鱗状の細片であり、平たい粒片をも含む意味で用いる。
【0010】
この請求項1の発明では、難燃性塗料組成物に、鱗片状の膨潤性無機化合物とソープフリーのエマルジョン接着剤とが含有されているので、塗工する被塗装物(例えば建築用基材)の物理的性質や耐水性等の低下を招くことなく、また、環境にも配慮された高い難燃性能を発揮する難燃性塗料組成物が得られる。
【0011】
また、塗料組成物に水膨潤性物質が添加されているので、難燃性塗料組成物としての密着性が向上し、難燃性及び断熱性が安定化する。また、被塗装物表面に難燃性塗料組成物を塗布してその乾燥硬化により塗膜層を形成した場合においても、小クラックが入り難くなり、外観上好ましいだけでなく、塗膜としてのバリアー性能(難燃性能)が安定化する。
【0012】
請求項2の発明では、上記請求項1の発明に係る難燃性塗料組成物において、その膨潤性無機化合物は、解膠剤又は分散剤を用いて湿式で粉砕されて鱗片状のものとされていることを特徴とする。
【0013】
この請求項2の発明では、解膠剤又は分散剤を用いて湿式で粉砕することで、鱗片状の膨潤性無機化合物の粒度分布や形状等が安定し、延いては品質の良い難燃性塗料組成物が得られる。
【0014】
請求項3〜6の発明は難燃性塗料組成物を用いた板状体に係る発明であり、請求項3の発明の板状体は、第1建築用基材の片面或いは両面に第1塗膜層を有する板状体であって、上記第1塗膜層は請求項1又は2の難燃性塗料組成物で形成されていることを特徴とする。
【0015】
この請求項3の発明では、建築用基材の片面又は両面に塗膜層を有し、その塗膜層が上記請求項1又は2の発明に係る難燃性塗料組成物で形成されているので、無塗装の板状体(建築用基材)に比べて、難燃性及び非加熱面への熱伝導率低下に有意な効果を発現した板状体が得られる。
【0016】
請求項4の発明の板状体は、請求項3の板状体を芯材として、その芯材の表裏面にそれぞれ第2建築用基材が貼着されていることを特徴とする。
【0017】
この請求項4の発明では、板状体は、第1建築用基材を有する芯材と、その表裏面にそれぞれ貼着された第2建築用基材との複数層のものであるので、難燃性及び非加熱面への熱伝導率低下に有意な効果を発現した高強度の板状体が得られる。特に、表裏面の第2建築用基材として、芯材の第1建築用基材に比べて高比重の建築用基材を用いると、より一層高強度の板状体が得られる。
【0018】
請求項5の発明の板状体は、請求項4の発明の板状体の表面或いは表裏面に、さらに請求項1又は2の難燃性塗料組成物からなる第2塗膜層が設けられていることを特徴とする。
【0019】
この請求項5の発明では、板状体において難燃性塗料組成物で形成されている塗膜層は、芯材における第1塗膜層と、表面或いは表裏面の第2塗膜層とからなるので、塗膜層の層数が増加した分だけ、熱伝導率の低下に有意な効果をさらに発現させることができる。
【0020】
請求項6の発明の板状体は、請求項5の板状体の表面或いは表裏面に金属板が積層され、芯材としての板状体における第1建築用基材が繊維板であることを特徴とする。
【0021】
この請求項6の発明では、板状体の表面或いは表裏面に金属板が積層されているので、熱伝導率の低下に有意な効果を発現可能な高強度の板状体が得られる。また、金属板により不燃性を高めることができる。
【0022】
さらに、芯材としての板状体の第1建築用基材が木質繊維板やロックウール板等の繊維板であるので、軽量で断熱性も高くなるとともに、燃焼時に有害なガスが発生せず、火災に対する安全性が高くなる。特に、繊維板は、塗膜層が設けられることで被加熱時には炭化が促進されるため、急激な燃焼現象(爆燃現象)が起こり難く、より一層火災時の安全性を高めることができる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、請求項1の発明によると、鱗片状の膨潤性無機化合物と、水膨潤性物質と、ソープフリーのエマルジョン接着剤とを含有させて難燃性塗料組成物としたことにより、塗工する被塗装物の物理的性質や耐水性等の低下をさせることなく、また、環境にも配慮された高い難燃性能を発揮する難燃性塗料組成物が得られる。さらに、水膨潤性物質の添加によって難燃性塗料組成物の密着性を向上させ、その難燃性及び断熱性を安定化することができるともに、被塗装物表面に塗布して塗膜層を形成した場合の外観見映えの向上及びバリアー性能(難燃性能)の安定化を図ることができる。
【0024】
請求項2の発明によると、膨潤性無機化合物は、解膠剤又は分散剤を用いて湿式で粉砕されて鱗片状とされていることにより、請求項1の発明の効果に加え、膨潤性無機化合物の粒度分布や形状等を安定させて、品質の良い難燃性塗料組成物が得られる。
【0025】
請求項3の発明によると、請求項1又は2記載の難燃性塗料組成物により建築用基材の塗膜層を形成したことにより、難燃性及び非加熱面への熱伝導率低下に有意な効果を発現した板状体が得られる。
【0026】
請求項4の発明によると、請求項3の板状体を芯材として、その表裏面にそれぞれ別の建築用基材を貼着したことにより、芯材と表裏面の建築用基材との複数層からなる高強度の板状体が得られ、特に表裏面の建築用基材に芯材よりも高比重のもの用いて、より一層高強度の板状体が得られる。
【0027】
請求項5の発明によると、請求項4の板状体の表面或いは表裏面に、さらに請求項1又は2の難燃性塗料組成物により塗膜層を形成したことにより、難燃性塗料組成物による塗膜層の増加により、熱伝導率の低下により一層有意な効果を発現した板状体が得られる。
【0028】
請求項6の発明によると、請求項5の板状体の表面或いは表裏面に金属板を積層し、芯材としての板状体における建築用基材を繊維板としたことにより、板状体の表面或いは表裏面に積層された金属板により熱伝導率の低下に有意な効果を発現可能な高強度の板状体が得られるとともに、その不燃性を高めることができる。また、芯材の板状体の建築用基材が繊維板であるので、軽量で断熱性も高くなり、燃焼時の有害なガスの発生を回避して火災に対する安全性が高くなる。さらに、繊維板は、塗膜層が設けられることで被加熱時には炭化が促進されるため、急激な燃焼である爆燃現象が起こり難く、より一層火災時の安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、本発明の実施形態1に係る難燃性塗料組成物により表面に塗膜層が形成された難燃性建築板を示す断面図である。
【図2】図2は実施形態2を示す図1相当図である。
【図3】図3は実施形態3を示す図1相当図である。
【図4】図4は実施形態4を示す図1相当図である。
【図5】図5は、実施例1〜3及び比較例についての耐火試験結果を示す図である。
【図6】図6は、実施例4についての耐火試験結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0031】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る難燃性塗料組成物が用いられた板状体A1を示し、この板状体A1は難燃性建築板として用いられる。板状体A1は、基板としての建築用基材1(第1建築用基材)と、その片面である表面に形成された塗膜層2(第1塗膜層)とを有する。この塗膜層2は難燃性塗料組成物により形成され、その難燃性塗料組成物が建築用基材1に塗布されて乾燥固化されたもので、難燃層として機能する。
【0032】
(1)建築用基材
上記建築用基材としては、例えば石膏ボード、ケイカル板、火山性ガラス質複層板、金属板、樹脂板、ロックウール板、インシュレーションボード等、建築用板材であれば適宜選択できる。
【0033】
建築用基材に難燃性塗料組成物を塗布して塗膜層2を形成するときの塗布量は、固形分で30g/mから150g/m程度がよいが、建築用基材の特性や必要な難燃性能等に応じて適宜設計すればよい。
【0034】
尚、塗布方法は特に指定されるものでなく、ロールコーター、フローコーター、スプレー等公知の方法で構わない。また乾燥固化方法は、熱風ドライヤー等公知の方法で行うことができる。
【0035】
難燃層としての塗膜層2は、建築用基材1表面を完全にコーティングさせるように形成される必要はなく、ピン孔加工等を施して意匠性を向上させた建築板にすることもできる。
【0036】
(2)難燃性塗料組成物
上記塗膜層2となる難燃性塗料組成物は、鱗片状の膨潤性無機化合物と、水膨潤性物質と、ソープフリーのエマルジョン接着剤とが含有されているものである。
【0037】
難燃性塗料組成物では、固形分は35重量%以上でかつ60重量%以下、好ましくは40〜55重量%がよい。固形分が35重量%よりも少ないと、必要な難燃性能を得られない一方、60重量%を超えると、均一に塗布することが困難になって難燃性能にバラツキが生じるからである。尚、粘度はフォードカップ4番で20〜60秒の低粘度に調整すると、良好に塗工することができて望ましい。
【0038】
(膨潤性無機化合物)
上記膨潤性無機化合物とは、SiO、MgO、Alを主成分とするものであり、例えば、カオリン族、スメクタイト族、バーミキュライト族、雲母族等の天然の鉱物或いは合成物が挙げられる。特に、膨潤性の高いスメクタイト族のモンモリロナイト、バーミキュライト族、雲母族の膨潤性マイカ等が好ましい。そして、これらは鱗片状(平たい粒片も含む)に粉砕されている。
【0039】
鱗片状に粉砕する方法は特に限定されず、ボールミル粉砕、媒体攪拌型ミル粉砕等が用いられる。膨潤性無機化合物は単独で粉砕してもよいが、解膠剤或いは分散剤、粉砕助剤等を添加して湿式で粉砕するのが品質安定上好ましい。
【0040】
解膠剤或いは分散剤としては、硝酸、酢酸、シュウ酸、塩酸、硫酸等の酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、塩化アルミニウム、シュウ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、硝酸アルミニウム等のアルミニウム塩、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム等のナトリウム塩、界面活性剤等が挙げられる。
【0041】
他にもポリアクリル酸ソーダ、ニトロフミン酸ソーダ、タンニン酸、リグニン酸、リグニンスルホン酸、縮合燐酸塩等でもよい。
【0042】
粉砕助剤としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール等のグリコール類、トリエタノールアミン等のアミン類、パルチミン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸類、アルミニウムアルコキシド類、カーボンブラック、グラファイト等の炭素材料等が挙げられる。
【0043】
これらの解膠剤、分散剤、粉砕助剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせても構わない。
【0044】
鱗片状に粉砕した膨潤性無機化合物は、その中央粒径(メディアン径)が24〜35μmであるとよい。この中央粒径が24μmよりも小さいと、塗料組成物として粘度が大きくなり過ぎ、攪拌分散させ難くなって生産性が低くなる一方、35μmを超えると、難燃性能が低下するからである。
【0045】
また、全体の10%体積量における粒径が8〜12μm以下で全体の90%体積量における粒径が50〜80μm以下であると、塗料粘度が適度に低く抑えられ、塗装適性や機械適性(フローコーター適性)がさらに良好となる。
【0046】
膨潤性無機化合物の添加量は、水100に対して70重量部以下、好ましくは60重量部以下とする。添加量が70重量部を超えると、粘度が大きくなり過ぎ、攪拌分散させ難くなって生産性が低くなるだけでなく、均一に塗布することが困難になって難燃性能や断熱性能にバラツキが生じるからである。
【0047】
(水膨潤性物質)
上記水膨潤性物質とは、難燃性塗料組成物の被塗装物である建築用基材1との密着性を向上させ、難燃性を安定化させるために添加されるものであり、水分を吸収して体積が膨張するものである。例えばベントナイト等の粘土鉱物、でんぷん、高吸収性高分子等が挙げられるが、特に膨潤性の高いナトリウム系ベントナイトが良い。これにより、下地との密着性が向上するとともに、その結果として塗料としてのバリアー性能、難燃性能が安定する。また、塗膜にクラックが入り難くなるので好ましい。
【0048】
水膨潤性物質は、粒度#250(63μm)以上のものが含まれるのが、重量比で5%以下となるように調整することが望ましい。重量比で5%を超えると、塗料内での分散が不均一になり易く、基材への塗布時の塗りムラによる難燃層の割れが発生することがある。
【0049】
水膨潤性物質は、水100に対して20重量部以下、好ましくは18重量部以下が添加される。20重量部を超えると、均一に塗布することが困難になって難燃性能にバラツキが生じるからである。
【0050】
(エマルジョン接着剤)
ソープフリーのエマルジョン接着剤とは、エマルジョン重合時に用いる界面活性剤を反応性界面活性剤としたエマルジョン接着剤である。これにより塗膜の強度を高めることができる。
【0051】
ソープフリーであればエマルジョン接着剤の種類に制限がなく、例えば、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の各種合成樹脂でもよいし、でんぷん、マンナン、アルギン酸塩等の天然高分子材料等の糊剤でもよい。特に、アクリル樹脂が造膜性と硬度、ガス透過性、フィラーの分散安定性のバランスに優れていて好ましい。
【0052】
ソープフリーのエマルジョン接着剤の添加量は、難燃性塗料組成物固形分100に対して接着剤固形分が3以上でかつ30以下(3〜30)、好ましくは5〜25であるとよい。添加量が3よりも少ないと、接着性能が不十分となって塗膜に必要な強度を得られない一方、30を越えると、難燃性を満足できなくなるからである。
【0053】
(その他の添加物)
難燃性塗料組成物には必要に応じて水溶性高分子を添加してもよい。この水溶性高分子は、可燃性ガスの漏洩を防止するために添加されるものであり、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等の合成高分子化合物、カルボキシメチルセルロースやヒドロキシエチルセルロース等の天然の多糖誘導体等が挙げられる。特に、膨潤性無機化合物は、層間に水分を取り込んで膨潤する性質を示すことから、水溶性高分子としてはポリビニルアルコール等のように膨潤性無機化合物の層間に入り込んで複合体を形成し、可燃性ガスの漏洩を防止するガスバリア性を発現するものが好ましい。
【0054】
この水溶性高分子の添加量は、ソープフリーのエマルジョン接着剤との合計が20重量%以下となるようにすることが好ましい。これらの合計が20重量%を越えると、難燃性を満足でき難くなるからである。
【0055】
さらには、一般の塗料に用いられるリン酸系難燃剤を添加して難燃性を高めてもよい。例えば、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等が挙げられ、用途や要求性能に応じて適宜用いることができる。
【0056】
さらに、顔料、分散剤、消泡剤等の種々の添加物を必要に応じて添加しておいてもよい。
【0057】
(3)難燃性塗料組成物の製造方法
難燃性塗料組成物の製造方法としては、まず、水に湿式で粉砕した膨潤性無機化合物を添加して撹拌分散させる。この場合、膨潤性無機化合物は乾燥させて添加してもよいし、粉砕時の泥漿状態のまま添加してもよい。また、適宜分散剤を加えてもよい。
【0058】
次に、水膨潤性物質を加えて十分に攪拌分散させる。こうすることで、塗料の粘性がより良好となる。また、その他のフィラー、増粘剤は適宜加えてもよい。
【0059】
さらに、ソープフリーのエマルジョン接着剤を加えて撹拌分散させる。尚、適宜に分散剤、消泡剤、湿潤剤、防カビ剤、皮張り防止剤、酸化防止剤、防腐剤、着色剤等を加えても構わない。
【0060】
したがって、この実施形態においては、難燃性塗料組成物は、鱗片状の膨潤性無機化合物とソープフリーのエマルジョン接着剤とが含有されているものであるので、この塗料組成物を塗工する被塗装物としての建築用基材1の物理的性質や耐水性等の低下をさせることなく、また、環境にも配慮された高い難燃性能を発揮する難燃性塗料組成物となる。
【0061】
また、上記膨潤性無機化合物は、解膠剤又は分散剤を用いて湿式で粉砕されて鱗片状とされているので、鱗片状の膨潤性無機化合物の粒度分布や形状等が安定し、延いては品質の良い難燃性塗料組成物が得られる。
【0062】
また、塗料組成物に水膨潤性物質が添加されているので、難燃性塗料組成物としての密着性が向上し、難燃性及び断熱性が安定化する。また、建築用基材1(被塗装物)の表面に難燃性塗料組成物を塗布してその乾燥硬化により塗膜層2を形成した場合においても、小クラックが入り難くなり、外観上好ましいだけでなく、塗膜としてのバリアー性能(難燃性能)が安定化する。
【0063】
そして、難燃性建築板としての板状体A1は、建築用基材1の片面に上記難燃性塗料組成物が塗布された難燃層としての塗膜層2を有するものであるので、この塗膜層2のない無塗装の建築板に比べて、難燃性能が高く、或いは難燃性、及び加熱面から非加熱面(裏面)への熱伝導率低下に有意な効果を発現した難燃性建築板となる。
【0064】
尚、この実施形態では、建築用基材1の片面である表面に難燃性塗料組成物を塗工して塗膜層2を形成しているが、建築用基材1の裏面又は両面である表裏面に難燃性塗料組成物を塗膜層を形成してもよい。
【0065】
(実施形態2)
図2は本発明の実施形態2を示し(尚、以下の実施形態では図1と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、上記実施形態1に係る板状体A1に別の建築用基材を積層して複数層の板状体としたものである。
【0066】
すなわち、この実施形態に係る板状体A2も難燃性建築板として用いられるもので、実施形態1の板状体A1は芯材とされ、その建築用基材1は第1建築用基材とされている。
【0067】
そして、この板状体A1からなる芯材の表面に第2建築用基材としての表側建築用基材5が、また裏面に第2建築用基材としての裏用建築用基材6がそれぞれエポキシ接着剤等の接着剤を介して貼着一体化されている。この表面用建築用基材5及び裏用建築用基材6は、上記第1建築用基材1と同様のものを用いてもよく、第1建築用基材1とは異なるものを用いてもよい。その他の構成は実施形態1と同じである。
【0068】
したがって、この実施形態においては、難燃性建築板としての板状体A2は、第1建築用基材1を有する芯材としての板状体A1と、その表裏面にそれぞれ貼着された第2建築用基材としての表裏用建築用基材5,6との複数層のものであるので、高強度のものとなる。特に、表裏用建築用基材5,6として芯材の板状体A1に比べて高比重の建築用基材を用いれば、より一層高強度の板状体A2が得られる。
【0069】
(実施形態3)
図3は実施形態3を示し、上記実施形態2に係る板状体A2に別の塗膜層を設けたものである。
【0070】
すなわち、この実施形態に係る板状体A3も難燃性建築板として用いられるもので、実施形態1の板状体A1は芯材とされ、その建築用基材1は第1建築用基材とされ、塗膜層2は第1塗膜層とされている。
【0071】
そして、実施形態2と同様に、板状体A1からなる芯材の表面に第2建築用基材としての表側建築用基材5が、また裏面に第2建築用基材としての裏用建築用基材6がそれぞれ貼着一体化されている。
【0072】
また、板状体A3の表面(表用建築用基材5の表面)には第2塗膜層7が形成され、この塗膜層7も第1塗膜層2と同じ上記難燃性塗料組成物で形成されている。その他の構成は実施形態1と同じである。
【0073】
したがって、この実施形態においても実施形態2と同様の作用効果が得られる。また、難燃性建築板としての板状体A3に、芯材として板状体A1表面の第1塗膜層2と、表用建築用基材5表面の第2塗膜層2とが形成されているので、実施形態1の板状体A1に比べて塗膜層の層数が増加し、その分、さらに難燃性能が高くなり、或いは難燃性、及び加熱面から非加熱面(裏面)への熱伝導率低下に有意な効果を発現した難燃性建築板となる。
【0074】
尚、この実施形態では、板状体A3の表面(表用建築用基材5表面)のみに、難燃性塗料組成物からなる第2塗膜層7を形成しているが、この表面に加え、板状体A3の裏面(裏用建築用基材6の裏面)にも同様の難燃性塗料組成物からなる第2塗膜層を形成することもできる。
【0075】
(実施形態4)
図4は本発明の実施形態4を示し、上記実施形態3に係る板状体A3の表裏面に金属板を積層したものである。
【0076】
すなわち、この実施形態に係る板状体A4も、難燃性建築板として用いられるもので、実施形態3の構成の板状体A3の表裏面にそれぞれ金属板9,10がエポキシ接着剤等の接着剤を介して積層一体化されている。この金属板9,10の金属は、例えばスチール、ステンレス、アルミ、銅、亜鉛鉄板、ブリキ等が用いられる。また、その金属板9,10の厚さは特定されず、必要に応じて適宜変更できる。
【0077】
また、この実施形態では、芯材としての板状体A1における第1建築用基材1は木質繊維板やロックウール板等の繊維板に限定されている。その他は実施形態3の板状体A3と同じである。
【0078】
この実施形態の場合、板状体A3の表裏面にそれぞれ金属板9,10が積層一体化されているので、熱伝導率の低下に有意な効果を発現可能な高強度の板状体A3が得られる。また、金属板9,10により板状体A3の不燃性を高めることができる。
【0079】
さらに、芯材としての板状体A1の第1建築用基材1が木質繊維板やロックウール板等の繊維板であるので、板状体A3は軽量で断熱性も高くなるとともに、燃焼時に有害なガスが発生せず、火災に対する安全性も高くなる。
【0080】
尚、この実施形態では、板状体A3の表裏面にそれぞれ金属板9,10を積層一体化しているが、金属板は板状体A3の表面のみに積層一体化してもよい。
【0081】
(その他の実施形態)
尚、上記各実施形態では、難燃性塗料組成物による塗膜層2,7が形成される板状体A1〜A4が建築板に用いられる場合の例であるが、この建築板用途以外の板状体であってもよい。
【実施例】
【0082】
次に、具体的に実施した実施例について説明する。
【0083】
(実施例1)
膨潤性無機化合物としての鱗片状のバーミキュライトと、ソープフリーのエマルジョン接着剤としてのアクリル樹脂接着剤と、水膨潤性物質としてのナトリウム系ベントナイトと、解膠剤(分散剤)としてのトリポリリン酸ソーダとを用意した。
【0084】
バーミキュライトに硝酸を添加してボールミル粉砕機で湿式粉砕を行い、中央粒径(メディアン径)が32〜33μm、全体の90%における粒径が71〜74μm、全体の10%における粒径が8〜10μmとなるよう調整した。
【0085】
湿式粉砕された鱗片状のバーミキュライトを水の中に添加して撹拌分散した。添加量は水100重量部に対して40重量部とした。
【0086】
次に、上記ナトリウム系ベントナイトを加えて攪拌分散した。添加量は水100重量部に対して20重量部とした。
【0087】
さらに、上記ソープフリーのアクリル系樹脂接着剤(固形成分50重量%)を加えて難燃性塗料組成物を得た。その添加量は難燃性塗料組成物の固形分100重量部に対して固形分15重量部とし、固形分43%で粘度はフォードカップ4番で42秒の低粘度の難燃性塗料組成物が得られた。
【0088】
そして、厚さ12mmのロックウール単層板を基材とし、上記得られた難燃性塗料組成物を塗布量300g/mで基材の表面(片面)に塗布して乾燥固化させることで、難燃層をなす塗膜層が表面に形成された難燃性建築板(板状体)を得た。
【0089】
この難燃性建築板の裏側に5mmの間隔を空けて厚さ8mmのケイカル板(測定板)を対向配置し、難燃性建築板の表面側(難燃層側)に対し930℃の炎を当てて、その20分後の上記ケイカル板の裏面温度を測定した。
【0090】
(実施例2)
厚さ12mmのロックウール単層板からなる基材の裏面に上記難燃性塗料組成物を塗布量300g/mで塗布して乾燥固化させることで、難燃層をなす塗膜層が裏面に形成された難燃性建築板(板状体)を得た。
【0091】
この難燃性建築板の裏側に5mmの間隔を空けて厚さ8mmのケイカル板(測定板)を対向配置し、難燃性建築板の表面側(難燃層と反対側)に対し930℃の炎を当てて、その20分後の上記ケイカル板の裏面温度を測定した。
【0092】
(実施例3)
厚さ12mmのロックウール単層板からなる基材の表裏両面にそれぞれ上記難燃性塗料組成物を塗布量300g/mで塗布して乾燥固化させることで、難燃層をなす塗膜層難燃層が両面に形成された難燃性建築板(板状体)を得た。
【0093】
この難燃性建築板の裏側に5mmの間隔を空けて厚さ8mmのケイカル板(測定板)を対向配置し、難燃性建築板の表面側に対し930℃の炎を当てて、その20分後の上記ケイカル板の裏面温度を測定した。
【0094】
(比較例)
厚さ12mmのロックウール単層板の裏側に5mmの間隔を空けて厚さ8mmのケイカル板(測定板)を対向配置し、ロックウール単層板自体の表面側に対し930℃の炎を当てて、20分後の上記ケイカル板の裏面温度を測定した。
【0095】
以上の実施例1〜3及び比較例の各測定温度を図5に示す。この図5に示すように、これら実施例1〜3と比較例とを比較したとき、基材の表面、裏面又は表裏両面に難燃層が形成された建築板は、その難燃層のないものに比べて、遮熱効果が認められた。
【0096】
(実施例4)
上記実施例1〜3とは試験方法を変えて難燃性の向上を確認したものである。厚さ12mmで比重0.7の火山性ガラス質複層板を基材とし、その表面に実施例1と同じ難燃性塗料組成物を塗布量250g/mで塗布して乾燥固化させることで、難燃層をなす塗膜層が表面に形成された難燃性建築板(板状体)を得た。
【0097】
この難燃性建築板の表面側(難燃層側)に対し800℃の炎を当てて、難燃性建築板の裏面温度を測定した。その結果、図6(a)に示すように、10分経過以降も温度は安定し、250℃を越えていなかった。
【0098】
これに対し、比較のために、上記火山性ガラス質複層板の表面に上記難燃層を設けていない建築板を用意し、その建築板についても上記と同様に800℃の炎を当てて建築板の裏面温度を測定した。その結果、およそ5分の経過後に400℃を超える温度まで急上昇したため、炎を当てるのを中止した(図6(b)参照)。これらを比較すると、難燃層が有意に働いたことが判る。
【0099】
(実施例5)
厚さ12mmで比重0.23のインシュレーションボード(第1建築用基材)を基材とし、その表面に実施例1と同じ難燃性塗料組成物を塗布量250g/mで塗布して乾燥固化させることで、難燃層をなす塗膜層が表面に形成された難燃性の板状体を得た。そして、この板状体を芯材とし、その表裏面にそれぞれ厚さ12mmで比重0.7の火山性ガラス質複層板(第2建築用基材)をエポキシ接着剤100g/mにて貼着して複層構成の難燃性建築板を得た。
【0100】
この難燃性建築板の表面側(基材の難燃層側)に対し800℃の炎を当てて、難燃性建築板の裏面温度を測定した。その結果、20分経過時点の温度は100℃を越えなかった。
【0101】
(実施例6)
厚さ12mmで比重0.23のインシュレーションボード(第1建築用基材)を基材とし、その表面に実施例1と同じ難燃性塗料組成物を塗布量250g/mで塗布して乾燥固化させることで、難燃層をなす塗膜層(第1塗膜層)が表面に形成された難燃性の板状体を得た。そして、この板状体を芯材とし、その表裏面にそれぞれ厚さ9mmで比重0.23のロックウール単層板(第2建築用基材)をエポキシ接着剤100g/mにて貼着して複層構成の板状体を得た。さらに、その表面に実施例1と同じ難燃性塗料組成物を塗布量250g/mで塗布して乾燥固化させることで、難燃層をなす塗膜層(第2塗膜層)が表面に形成された難燃性建築板を得た。
【0102】
この難燃性建築板の表面側(難燃層側)に対し800℃の炎を当てて、難燃性建築板の裏面温度を測定した。その結果、15分経過時点の温度は100℃を越えなかった。
【0103】
(実施例7)
厚さ12mmで比重0.7の火山性ガラス質複層板を基材とし、その表面に実施例1と同じ難燃性塗料組成物を塗布量250g/mで塗布して乾燥固化させることで、難燃層をなす塗膜層が表面に形成された難燃性の板状体を得た。この板状体の難燃層表面に厚さ0.3mmのスチール製金属板をエポキシ接着剤100g/mにて貼着して2層構成の不燃性建築板を得た。
【0104】
この不燃性建築板の表面側(金属板側)に対し800℃の炎を当てて、不燃性建築板の裏面温度を測定したところ、10分経過の温度は120℃となり、20分経過後は190℃となった。
【0105】
これに対し、比較のために、上記火山性ガラス質複層板の表面に上記難燃層を設けていない金属板のみの建築板を用意し、その建築板についても上記と同様に800℃の炎を当てて建築板の裏面温度を測定した。その結果、10分経過の温度は140℃となり、20分経過後は220℃であった。これらの比較により難燃層が有意に働いたことが判る。
【0106】
(実施例8)
厚さ12mmで比重0.25のインシュレーションボード(第1建築用基材)を基材とし、その表面に実施例1と同じ難燃性塗料組成物を塗布量250g/mで塗布して乾燥固化させることで、難燃層をなす塗膜層が表面に形成された板状体を得た。この板状体を芯材とし、その表裏面にそれぞれ厚さ12mmで比重0.7の火山性ガラス質複層板(第2建築用基材)をエポキシ接着剤100g/mにて貼着して複層構成の板状体を得た。さらに、この複層構成の板状体の表面に実施例1と同じ難燃性塗料組成物を塗布量250g/mで塗布して乾燥固化させることで、難燃層をなす塗膜層が表面に形成された板状体を得た。そして、この板状体の表裏面にそれぞれ厚さ0.3mmのスチール製金属板をエポキシ接着剤100g/mにて貼着して5層構成の難燃性建築板を得た。
【0107】
この難燃性建築板の表面側(難燃層側)に対し800℃の炎を当てて、難燃性建築板の裏面温度を測定した。その結果、温度上昇は緩やかであり、25分経過時点でも100℃を越えていなかった。
【0108】
これに対し、比較のために、上記火山性ガラス質複層板の表面に上記難燃層を設けていない建築板を用意し、その建築板についても上記と同様に800℃の炎を当てて建築板の裏面温度を測定した。その結果、約15分の経過後に300℃を超える温度まで急上昇したため、炎を当てるのを中止した。これらの比較により難燃層が有意に働いたことが判る。
【0109】
(実施例9)
厚さ12mmで比重0.23のロックウール単層板(第1建築用基材)を基材とし、その表面に実施例1と同じ難燃性塗料組成物を塗布量250g/mで塗布して乾燥固化させることで、難燃層をなす塗膜層が表面に形成された板状体を得た。この板状体を芯材とし、その表裏面にそれぞれ厚さ12mmで比重0.7の火山性ガラス質複層板(第2建築用基材)をエポキシ接着剤100g/mにて貼着して複層構成の板状体を得た。さらに、この複層構成の板状体の表面に実施例1と同じ難燃性塗料組成物を塗布量250g/mで塗布して乾燥固化させることで、難燃層をなす塗膜層が表面に形成された板状体を得た。そして、この板状体の表裏面にそれぞれ厚さ0.3mmのスチール製金属板をエポキシ接着剤100g/mにて貼着して5層構成の難燃性建築板を得た。
【0110】
この難燃性建築板の表面側(難燃層側)に対し800℃の炎を当てて、難燃性建築板の裏面温度を測定した。その結果、温度上昇は緩やかであり、25分経過時点でも100℃を越えていなかった。
【0111】
これに対し、比較のために、上記火山性ガラス質複層板の表面に上記難燃層を設けていない建築板を用意し、その建築板についても上記と同様に800℃の炎を当てて建築板の裏面温度を測定した。その結果、約18分経過後に100℃を越え、25分経過後には120℃を超える温度上昇を示した。これらの比較により難燃層が有意に働いたことが判る。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、被塗装物の物理的性質や耐水性等の低下を招来せず、環境にも配慮された高い難燃性能を発揮する難燃性塗料組成物が得られるので、極めて有用で産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0113】
A1,A2,A3,A4 板状体(難燃性建築板)
1 建築用基材(第1建築用基材)
2 塗膜層(第1塗膜層)
5 表用建築用基材(第2建築用基材)
6 裏用建築用基材(第2建築用基材)
7 第2塗膜層
9,10 金属板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鱗片状の膨潤性無機化合物と、水膨潤性物質と、ソープフリーのエマルジョン接着剤とが含有されていることを特徴とする難燃性塗料組成物。
【請求項2】
請求項1において、
膨潤性無機化合物は、解膠剤又は分散剤を用いて湿式で粉砕されて鱗片状のものとされていることを特徴とする難燃性塗料組成物。
【請求項3】
第1建築用基材の片面或いは両面に第1塗膜層を有する板状体であって、
上記第1塗膜層は請求項1又は2の難燃性塗料組成物で形成されていることを特徴とする板状体。
【請求項4】
請求項3の板状体を芯材として、該芯材の表裏面にそれぞれ第2建築用基材が貼着されていることを特徴とする板状体。
【請求項5】
請求項4の板状体の表面或いは表裏面に、さらに請求項1又は2の難燃性塗料組成物からなる第2塗膜層が設けられていることを特徴とする板状体。
【請求項6】
請求項5の板状体の表面或いは表裏面に金属板が積層され、
芯材としての板状体における第1建築用基材が繊維板であることを特徴とする板状体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−68853(P2011−68853A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98003(P2010−98003)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(000204985)大建工業株式会社 (419)
【Fターム(参考)】