説明

難燃性材料および難燃性材料から成るケーブル・シースを有するケーブル

ポリマーおよび単離状態で一方が他方の少なくとも130%の比表面積を有する特徴を有した少なくとも2つの高純度で微細に析出したAl(OH)難燃性フィラーを含んで成る難燃性材料が開示されている。;例えば、第1AL(OH)フィラーが単離状態で4〜8m/g(理想的には6〜8m/g)の比表面積を有し、第2AL(OH)フィラーが単離状態で8〜14m/g(理想的には10〜12m/g)の比表面積を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は難燃性材料および難燃性材料を含んで成るケーブル・シースに関する。
【発明を実施するための形態】
【0002】
ケーブル・シース用の難燃性フィラーとして高純度で微細に析出した三水酸化アルミニウムAl(OH)の使用が知られている。更に、フィラーとしては、アルベマール社製の材料OL−111/LE、OL−107/LE、OL−104/LE、OL−104/AおよびOL−107/Aとして販売されているフィラーを含む商業的に利用できるものである。上記のうち、OL−104/AおよびOL−107/Aはビニル−シラン処理したものである。
【0003】
本発明に従って、ポリマー(又は重合体)および単離(単独又は分離)状態で一方が他方の少なくとも130%の比表面積である特徴を有した少なくとも2つの高純度で微細に析出したAl(OH)難燃性フィラーを含んで成る難燃性材料がある。;例えば、第1AL(OH)フィラーが単離状態で4〜8m/g(理想的には6〜8m/g)の比表面積を有し、第2AL(OH)フィラーが単離状態で8〜14m/g(理想的には10〜12m/g)の比表面積を有する。
【0004】
上記これらの説に縛られるものではなく、より高いフィラーの比表面積と次いで、正の分散および良好な物理的特性が生じる(逆の場合も同じ)ポリマー鎖との物理的相互作用のより高い可能性があると考えられている。しかしながら、燃焼に良好な耐性をもたすために必要な大変高い比表面積により、ポリマー鎖との物理的相互作用が強くなりすぎて、弾力性および冷間曲げ性能を低減させる。発明者は異なる比表面積を有するフィラーの組み合わせを含んで成る材料を使用して、燃焼に対する良好な耐性レベルを保ち(すなわち、のUL VW−1可燃性検査の順守)と共に更に良好な物理的特性(すなわち、10Mpa以上の強度、伸び接近率200%および最先冷間曲げ性能)を維持する予想だにしない相乗効果が生じることに気が付いた。
【0005】
第2AL(OH)フィラーは、単離状態で第1AL(OH)フィラーの比表面積の少なくとも150%の比表面積を有してもよい。更に、第1AL(OH)フィラーはビニル−シラン処理に付されてもよいし、第2AL(OH)フィラーはビニル−シラン処理に付されなくてもよい。これら方法は前述の相乗効果を高めると思われる。
【0006】
第1フィラーと第2フィラーとの比は、好ましくは1:1.27〜1:1.67であり、より好ましくは1:1.37〜1:1.57であり、理想的には1:1.47である。
【0007】
材料中の第1フィラーと第2フィラーとを合わせた量は好ましくは50%〜70%であり、より好ましくは55%〜65%であり、理想的には60%である。
【0008】
第1AL(OH)フィラーは好ましくは上記マーチナル107Aであろう。
【0009】
第2AL(OH)フィラーは好ましくは上記マーチナル111LEであろう。
【0010】
本発明の態様は一例により添付図面を参照して説明されるであろう。
【0011】
本発明に従い、30%低密度ポリエチレン共重合体、24%ビニル−シラン処理済マーチナル社製OL−107/Aおよび36%非処理マーチナル社製OL−111/LEを含んで成る難燃性材料を有するケーブル・シースを含んで成るケーブルが供される。抗酸化物および着色料のような標準物質が残渣を作り上げる。
【0012】
そのような材料は、120〜140℃の間の温度で粒状ポリマーを加熱し、その後インターミキサー(通常市販されている混合装置)を使用してドロドロになったポリマーとまずマーチナル社製OL−107/A混合し、次にマーチナル社製OL−111/LEと混合することで製造されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
難燃性材料であって、
ポリマー;および
少なくとも2つの高純度で微細に析出したAl(OH)難燃性フィラーを含んで成り、
単離状態で一方のフィラーが他方のフィラーの少なくとも130%の比表面積を有する、難燃性材料。
【請求項2】
難燃性材料であって、
ポリマー;および
少なくとも2つの高純度で微細に析出したAl(OH)難燃性フィラーを含んで成り、
第1AL(OH)フィラーが単離状態で4〜8m/gの比表面積を有し、又、第2AL(OH)フィラーが単離状態で8〜14m/gの比表面積を有することを特徴とする、難燃性材料。
【請求項3】
第1AL(OH)フィラーが単離状態で6〜8m/gの比表面積を有する、請求項2に記載の難燃性材料。
【請求項4】
第2AL(OH)フィラーが単離状態で10〜12m/gの比表面積を有する、請求項2又は請求項3に記載の難燃性材料。
【請求項5】
第2AL(OH)フィラーが、単離状態で第1AL(OH)フィラーの比表面積の少なくとも150%の比表面積を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性材料。
【請求項6】
第1AL(OH)フィラーがビニル−シラン処理に付され、第2AL(OH)フィラーがビニル−シラン処理に付されていない、請求項1〜5のいずれかに記載の難燃性材料。
【請求項7】
第1フィラー対第2フィラーの比が1:1.27〜1:1.67である、請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性材料。
【請求項8】
第1フィラー対第2フィラーの比が1:1.37〜1:1.57である、請求項7に記載の難燃性材料。
【請求項9】
第1フィラー対第2フィラーの比が1:1.47である、請求項7に記載の難燃性材料。
【請求項10】
難燃性材料中の第1フィラーと第2フィラとを合わせた量が50%〜70%である、請求項1〜9のいずれかに記載の難燃性材料。
【請求項11】
難燃性材料中の第1フィラーと第2フィラーとを合わせた量が55%〜65%である、請求項10に記載の難燃性材料。
【請求項12】
難燃性材料中の第1フィラーと第2フィラーとを合わせた量が60%である、請求項10に記載の難燃性材料。
【請求項13】
第1フィラーがマーチナル107Aである、請求項1〜12のいずれかに記載の難燃性材料。
【請求項14】
第2フィラーがマーチナル111LEである、請求項1〜13のいずれかに記載の難燃性材料。
【請求項15】
ポリマーが低密度ポリエチレン共重合体又はそのブレンドである、請求項1〜14のいずれかに記載の難燃性材料。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれかに記載の難燃性材料から成るケーブル・シースを有するケーブル。

【公表番号】特表2012−514677(P2012−514677A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544923(P2011−544923)
【出願日】平成22年1月4日(2010.1.4)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050002
【国際公開番号】WO2010/079348
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(501106735)タイコ・エレクトロニクス・ユーケイ・リミテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】TYCO ELECTRONICS UK LIMITED
【Fターム(参考)】