説明

難燃性添加剤組成物およびその使用

改善された難燃性添加剤が、(A)環−臭素化芳香族ジエステルジオールの少なくとも1つのビス(アルカン酸エステル);(B)およそ平均式(RPhO)P=O)を有する液体アルキル化リン酸トリフェニル、式中、各Rは独立して水素原子またはC14アルキル基であり、そしてxは約0.2〜3の範囲の平均数である;および(C)分子中に1、2もしくは3個のリン原子を有し、そのうちの少なくとも1つは脂環式環系の一部であり、そして少なくとも約15重量%のリン含量を有する脂環式リン酸エステルから形成される。これら成分の組み合わせは、種々のポリマーまたは樹脂、特にポリウレタンでの使用に良く適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、難燃性剤としての使用に十分適する新規な添加剤混合物、および種々のポリマーまたは樹脂、特にポリウレタンでのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで臭素およびリン難燃性剤の特定の混合物が、様々な具体的ポリマー物質での使用に記載されてきた。例えば特許文献1;特許文献2;特許文献3および特許文献4を参照にされたい。それらは効果的ではあるものの、難燃性剤として効果的であるだけでなく、良好な保存安定性、ならびに望ましい稠度および粘度のような他の望ましい特性を有する新規な難燃性添加剤の必要性がある。可撓性ポリウレタンフォームの場合、望ましい特性にはスコーチ(scorch)耐性、およびポリウレタン中に過剰な量の難燃剤を使用せずに2000年3月付の技術告示117に説明されているカリフォルニア第117試験手順(California 117 Test Procedure)のような工業的試験表基準を満たす能力を提供する能力も含む。
【参考文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4,746,682号明細書
【特許文献2】米国特許第4,892,892号明細書
【特許文献3】米国特許第5,164,417号明細書
【特許文献4】米国特許第5,728,760号明細書
【発明の開示】
【0004】
発明の簡単な要約
本発明の1つの態様では、本発明は種々のポリマーまたは樹脂に使用するための新規な効果的難燃性添加剤組成物を提供する。そのような組成物は少なくとも以下の成分:
A)環−臭素化芳香族ジエステルジオールの少なくとも1つのビス(アルカン酸エステル);
B)およそ平均式(RPhO)P=O)を有する液体アルキル化リン酸トリフェニル、式中、各Rは独立して水素原子または1〜4の範囲の炭素原子を有するアルキル基であり、そしてxは約0.2〜3の範囲の平均数である;および
C)分子中に1、2もしくは3個のリン原子を有し、そのうちの少なくとも1つは脂環式環系の一部であり、そして少なくとも約15重量%のリン含量を有する少なくとも1つの脂環式リン酸エステル
から形成される液体混合物を含んでなる。
【0005】
本明細書および特許請求の範囲を通して、用語「成分」は単数または複数であっても、指定された物質が液体添加剤混合物の作成、または例えばポリウレタンを作成するための製剤または配合物の作成における材料として使用される前の指定された化学状態であることを示すために使用する。「成分」はそのように使用する場合にその元の化学的状態および/または組成を失ってもよいので、用語「成分」はそのように使用される場合に成分がその元の化学的状態または組成を必ず保持することを示すものではない。
【0006】
また好ましくは添加剤組成物は少なくとも1つのヒンダードアミン酸化防止剤を含む。
【0007】
本発明のポリウレタン組成物はカリフォルニア第117試験手順を通ることができることが分かった。
【0008】
また本発明は、そのような混合物を難燃剤として、ポリマーまたは樹脂、特にポリウレタン、そしてさらに詳細には可撓性ポリウレタンフォーム、高弾性ポリウレタンフォーム、または粘弾性ポリウレタンフォームでの使用、およびそのような添加剤の組み合わせが使用されてきたか、またはそのような添加剤の組み合わせが加えられてきたポリウレタン組成物に関する。
【0009】
本発明のこれらのおよび他の特徴および態様は、以下の説明および添付する特許請求の範囲からさらに明らかとなるだろう。
【0010】
発明のさらに詳細な説明
成分A)
この物質は主に、ジオール部分が無水酢酸もしくはハロゲン化アセチルのような脂肪族アシル化剤によりアシル化された環−臭素化芳香族ジエステルジオールから構成される。換言すると、成分A)は環−臭素化芳香族ジエステルジオールの少なくとも1つのビス(アルカン酸エステル)である。成分A)は式
【0011】
【化1】

【0012】
[式中、Arはアリール基、好ましくはフェニルであり、Brは臭素原子であり、nは1〜4の範囲(好ましくは2〜4、そしてより好ましくは4)であり、AおよびA’は独立してC2−4アルキレンオキシ基(好ましくはC2−3アルキレンオキシ基、そしてさらに一層好ましくはCアルキレンオキシ基であり)、mは1〜4の範囲(好ましくは2)であり、pは1〜2の範囲(好ましくは1)であり、そして各RおよびRは独立して1〜8(好ましくは1〜4、そしてより好ましくはRおよびRの両方が同じであり、そしてさらに一層好ましくは両方ともメチルである)のアルキル基である]
により表すことができる。様々なアシル化された臭素化芳香族ジエステルジオールを使用することができる。典型的にはこれらの化合物はブロモ芳香族1,2−ジカルボン酸または無水物の液体ジオールエステルであり、ここで化合物はアルカン酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸等からおよそノナン酸無水物まで)、またはハロゲン化アルカノイル(塩化アセチル、臭化アセチル、塩化プロピオニル等からおよそ塩化ノナノイルまたは臭化ノナノイルまで)でアシル化された分子あたり1〜4個、そして好ましくは2〜4個の臭素原子を有する。
【0013】
アシル化されて成分A)を形成することができる液体ブロモ芳香族ジオールエステルの非限定的な例には、1,4−ブタンジオールおよびプロピレンオキシドとテトラブロモフタル酸無水物との反応生成物、ジエチレングリコールおよびエチレンオキシドとテトラブロモフタル酸無水物との反応生成物、トリプロピレングリコールおよびエチレンオキシドとトリブロモフタル酸無水物との反応生成物、1,3−ブタンジオールおよびプロピレンオキシドとテトラブロモフタル酸無水物との反応生成物、ジプロピレングリコールおよびエチレンオキシドとジブロモコハク酸無水物との反応生成物、2モルのエチレンオキシドとトリブロモフタル酸無水物との反応生成物および他の類似の化合物を含む。特に芳香族部分が4個の臭素原子を有する場合には、このタイプのさらに好ましい化合物はポリブロモフタル酸または無水物の液体ジオールエステルである。さらに好ましい化合物は、ジエチレングリコールおよびプロピレンオキシドとテトラブロモフタル酸無水物との反応生成物である。そのような化合物およびそのような化合物の他の例の製造法は、例えば198
6年1月14日にBurton J.Sutkerに発効され、そして「Halogenated Polyol−Ester Neutralization Agent」と題された米国特許第4,564,697号に記載されている。SAYTEX(商標)RB−79難燃剤(Albemarle Corporation)、およびPHT4−ジオール(Great LakesChemical Corporation)は、アシル化されて成分A)を形成することができる好適な市販製品を表す。
【0014】
環−臭素化芳香族ジエステルジオールをアシル化するために使用される脂肪族アシル化剤は、カルボン酸無水物、RCO−O−OCR(ここで各Rは1〜約8個(好ましくは1〜約4個)の炭素原子を有するアルキル基である)、またはハロゲン化アシルであるRCOX(ここでRは1〜約8個の炭素原子のアルキル基であり、そしてXは臭素または塩素原子である)ことができる。非限定的例には無水酢酸、無水プロピオン酸、無水ブチル酸、無水イソブチル酸、無水ペンタン酸、ヘキサン酸、無水ヘプタン酸、無水オクタン酸、無水ノナン酸、塩化アセチル、臭化アセチル、塩化プロピオニル、臭化プロピオニル、塩化ブチリル、臭化ブチリル、塩化ペンタノイル、臭化ペンタノイル、塩化ヘキサノイル、臭化ヘキサノイル、塩化ヘプタノイル、臭化ヘプタノイル、塩化オクタノイル、臭化オクタノイル、塩化ノナノイルまたは臭化ノナノイルを含む。無水酢酸、塩化アセチルまたは臭化アセチルの使用が好適である。
【0015】
環−臭素化芳香族ジエステルジオールのアシル化は典型的には約120〜約140℃の範囲の温度で行われる。反応物は通常、化学量論的量の比率で使用されるが、多少過剰なアシル化剤を使用することができる。
【0016】
成分B)
この成分はおよそ平均式(RArO)P=O)を有する液体アルキル化リン酸トリアリールエステルであり、式中、各Rは独立して水素原子または1〜4の範囲の炭素原子を有するアルキル基であり、各Arは独立してアリール基、好ましくはフェニル基であり、そしてxは約0.2〜3の範囲の、そして好ましくは約1〜約2の範囲の平均数であるが、ただし混合物は常温、そして好ましくは10℃でも液体である。アルキル基がCまたはCアルキル基である混合物が好ましく、そしてCアルキル基(典型的にはイソプロピル基)が特に好適である。xの値に依存して、これらの混合物は非アルキル化、単アルキル化、および多アルキル化されたアリール(好ましくはフェニル)基となり得る。用語「アルキル化」とは生成混合物がアルキル化された反応物(例えばフェノール)から形成されなければならないことを意味していない。正しい比率で適切なアルキル置換基を含む天然産物(例えばフェノール)は、POClとの反応によるように、そのような生成混合物の調製に一部または全部で使用することができる。本発明の実施で使用できるアルキル化リン酸トリアリールエステルの液体混合物は、例えば米国特許第2,960,524号、同第3,576,923号、同第4,746,682号および同第5,164,417号明細書を参照にされたい。アルキル化リン酸トリアリールエステルの多くの適切な液体混合物が様々な供給元から市販されている。例えばChemtura CorporationからReophos(商標)35、50および65難燃剤のようなRephosの登録商標で(そして明らかにReophos(商標)NHPも)販売され、ならびにSuprestaからFyrol A710、Syn−O−Ad9585もしくは9578、Syn−O−Ad8484もしくは8475、およびPhosflex 31L/41Lもしくは71Bのような数種の異なる登録商標で販売されている様々な製品、および他の類似製品が候補材料として役立つ。望ましくは使用する混合物は例えば25℃で約4000cps以下の中程度の粘性を有するべきである。
【0017】
成分C)
少なくとも1つの脂環式リン酸エステルが成分C)として役立つ。これらの化合物は分
子中に1、2もしくは3個のリン原子を有し、そのうちの少なくとも1つは脂環式環系の部分である。そのような脂環式リン酸エステルの好適な基は式:
【0018】
【化2】

【0019】
[式中、aは0、1または2であり;bは0、1または2であり;cは1、2または3であり、そしてa+b+cは3であり;RおよびR’は同じかまたは異なり、そしてアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アルクアリール、アルクアリールオキシ、アリアルキル(aryalkyl)、アリールオキシアルコキシまたはアラルコキシであり、ここでこれらの基のアルキル部分はヒドロキシルを含むことができ、そしてアリール部分は1もしくは複数の塩素原子、1もしくは複数の臭素原子、および/または1もしくは複数のヒドロキシル基を含むことができ;Rはアルキル、ヒドロキシアルキルまたはアリールであり;そしてRは1〜4個の炭素原子を有するアルキルである]
により表される。
【0020】
上記式の好適な化合物は、RおよびR’が同じかまたは異なり、そしてヒドロキシルを含むことができるアルキルまたはアルコキシであり;Rはアルキルまたはヒドロキシアルキルであり;そしてRは1〜4個の炭素原子を有するアルキルであるものである。
【0021】
この種の具体的化合物およびそれらの調製法は、例えばAnderson,CamachoおよびKinneyへの米国特許第3,789,091号明細書に記載されている。特に実施例I、Ia、Ic、If、Ig、Ih、Ii(表I、そのカラム7の35〜68行に表されている)、およびIjおよびIk(表I、そのカラム8の1〜10行に表されている)に注目されたい。上記のように好ましくは脂環式リン酸エステルは芳香族環を含まない。また脂環式リン酸エステルは、少なくとも約15重量%、そしてより好ましくは少なくとも約20重量%のリン含量を有することが好ましい。以下の化合物およびその混合物は、特に好適な脂環式リン酸エステルの非限定的例として役立つ:式:
【0022】
【化3】

【0023】
の(5−エチル−2−メチル−2−オキシド−1,3,2−ジオキサホスフィナン−5−イル)メチルメチルメチルホスホネート(a.k.a.ホスホン酸、メチル−、(5−エチル−2−メチル−2−オキシド−1,3,2−ジオキサホスホリナン−5−イル)メチルメチルエステル;CAS No.41203−81−0)、
式:
【0024】
【化4】

【0025】
のビス[(5−エチル−2−メチル−2−オキシド−1,3,2−ジオキサホスフィナン−5−イル)メチル]メチルホスホネート(a.k.a.ホスホン酸、メチル−、ビス[(5−エチル−2−メチル−2−オキシド−1,3,2−ジオキサホスホリナン−5−イル)メチル]エステル;CAS No.42595−45−9)。
【0026】
約65重量%のCAS No,41203−81−0)のホスホネートおよび約19重量%のCAS No,42595−45−9)のホスホネートを含有する難燃剤製品であるAntiblazeCU(Rhodia)、または他の供給元からの類似製品はそのような混合物の具体例である。
【0027】
基材ポリマーまたは樹脂
様々なポリマーまたは樹脂は、A)、B)およびC)の難燃剤の組み合わせを加えるか、ブレンドするか、またはそうではなくポリマーまたは樹脂に予め形成された添加剤としてもしくは個別に、かつ/または1もしくは複数のサブコンビネーションとして導入するいずれかで使用することにより燃焼を抑制する(flame retarded)ことができる。すなわちポリマーは一般に、A)、B)およびC)の難燃剤の組み合わせをその中に使用することにより利益を得ることができる。A)、B)およびC)の難燃剤の組み合わせは、硬質ポリウレタン、硬質ポリウレタンフォーム、可撓性ポリウレタン、可撓性ポリウレタンフォーム、弾性ポリウレタンフォーム、可撓性ポリエーテルポリウレタンフォーム、可撓性ポリエステルポリウレタンフォーム、および反応射出成形ポリウレタンを含むポリウレタンでの使用に特によく適している。A)、B)およびC)の難燃剤の組み合わせが使用に良く適している他のポリマー材料には、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂および合成エラストマーがある。
【0028】
比率
典型的には成分A)、B)およびC)は、重量基準で:
(1)A)対B)の比率が約0.25:1〜約4:1の範囲、そして好ましくは約0.5:1〜約3:1の範囲にあり;そして
(2)B)対C)の比率が約40:1〜約3.5:1の範囲、そして好ましくは約10:1〜約3:1の範囲になるような量で使用される。
【0029】
難燃剤としての使用では、ポリマーまたは樹脂に、あるいは反応射出成形ポリウレタンのようなポリマーの形成に使用する組成配合物に導入する上記比率のA)、B)およびC)の量は、燃焼を抑制する量、すなわちポリマー組成の総重量に基づき典型的には約2〜約25重量%の範囲、好ましくは約5〜約15重量%の範囲の量となるだろう。さらに好ましくは使用されるA)、B)およびC)の量は、燃焼が抑制される特定のポリマーに適用するすべてではなくてもほとんどの品質試験を満たすことができるように、生じる組成
物に十分な難燃性を付与する量である。
【0030】
本発明の可撓性ポリウレタンフォームは、ポリウレタンフォームの形成に使用するポリオールの各100重量部あたり、典型的には約5〜15重量部のA)、約3〜9重量部のB)および約0.2〜2.5重量部のC)を使用して形成される。本発明の好適な可撓性ポリウレタンフォームは、ポリウレタンフォームの形成に使用するポリオールの各100重量部あたり、約6〜10重量部のA)、約5〜7重量部のB)および約0.5〜2重量部のC)を使用して形成される。好ましくはこれらの成分は、ブレンド工程を簡略化し、そしてブレンドの間違いの可能性を最少にするので、本発明の予め形成された液体難燃性添加剤組成物の状態で使用される。しかし所望により、成分A)、B)およびC)は個別に、かつ/または1もしくは複数のサブコンビネーションで、ポリウレタンの形成に使用される混合物に加えることができる。
【0031】
必要あるいは望ましいと考えられる場合にはいつでも、上記の量および比率から逸脱しても許容され、そして本発明の範囲内にある。
【0032】
他の成分
A)、B)およびC)以外の物質は、そのような任意の成分がいかなる実質的状態でも本発明の組成物の特性または性能に悪影響を及ぼさない限り、本発明の組成物に含むことができる。
【0033】
ポリウレタンの場合、好適な成分は好ましくは液体の少なくとも1つのヒンダードアミン酸化防止剤である。液体ヒンダードアミン酸化防止剤の1種は、アルキル環置換基(1もしくは複数)が各々約4〜9個の炭素原子を含む液体アルキル化ジフェニルアミンである。1つのそのような製品は、N−フェニルベンゼンアミン(すなわちジフェニルアミン)反応生成物と2,4,4−トリメチルペンテンとの混合物であるIrganox(商標)5057酸化防止剤(Ciba Specialty Chemicals,Inc)である。同様の製品がGreat Lakes Chemical CorporationからDurad(商標)AX57と名付けられた登録商標で入手可能である。他の適切な液体ヒンダードアミン酸化防止剤成分の非限定的例には、DuradAX55(3級オクチル化およびスチレン化ジフェニルアミンの混合物)、DuradAX59(ノニル化ジフェニルアミン)、およびIrgastab(商標)PUR55(Ciba Specialty Chemicals,Inc)(これはフェニル環上に約6〜9個の炭素原子を有する側鎖を持つジフェニルアミンと、約8〜10個の炭素原子を有するエステル側鎖を持つヒンダードフェノールとの混合物である)がある。また適切であるのは、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ジメチルスクシネート−1−(2−ヒドロキシエチル)4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよびそれらの縮合生成物、ならびに8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオンのようなヒンダードアミン酸化防止剤である。これらは個別に、または互いに組み合わせて、または他のヒンダードアミン酸化防止剤と組み合わせて使用することができる。Irgastab(商標)PUR55の使用が好適である。
【0034】
ポリウレタンの重合化製剤または配合物の形成に使用されるようなさらに他の成分を、本発明の組成物に使用することができる。可撓性ポリウレタンフォームは典型的には2つの液体、イソシアネートとポリオールとの間の化学反応により調製される。ポリオールはポリエーテルまたはポリエステルポリオールである。反応は室温で水、揮発性炭化水素、
含ハロゲン炭素化合物または含ハロゲン炭化水素、あるいはそのような物質の2以上の混合物を初めとする発泡剤の存在下で容易に起こる。反応を行うために使用する触媒には、アミン触媒、スズに基づく触媒、ビスマスに基づく触媒または他の有機金属触媒等を含む。置換シリコーン化合物のような表面活性剤もしばしば重合系の中のセルの均一性を維持するために使用される。ヒンダードフェノール系酸化防止剤、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−パラ−クレゾールおよびメチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)を使用して、酸化分解に対する安定性をさらに援助することができる。使用できるこれらのおよび他の材料、およびそれらが使用される比率および様式は文献に報告されている。例えばHerrington and Hock,Flexible Polyurethane Foams.The Dow Chemical Company,1991,9.25−9.27またはRoegler,M“Slabstock Foams”in Polyurethane Handbook;Oertel,G.,Ed.;Hanser Munich.1985,176−177またはWoods,G.Flexible Polyurethane Foams,Chemistry and
Technology;Applied Science Publishers,London,1982,257−260を参照にされたい。
【0035】
ポリウレタンと関連する本発明の実施において、好適なポリオールにはVoranol(商標)3010ポリオール(The Dow Chemical Company,Midland,MI)、およびPluracol(商標)1718ポリオール(BASF
Corporation,Mt.Olive,NJ)がある。好適なイソシアネートにはMondurTD−80、MondurPF(Bayer Corporation,Pittsburgh,PHRMACEUTICALLY−ACCEPTABLE)およびLuprinateT80(BASF Corporation)がある。
【0036】
ポリウレタンに好適な表面活性剤には、Niax(商標)L−620(OSi Specialities,Greenwich,CT)、TEGOSTAB B8229(Goldschmidt Chemical Corporation,Hopewell,VA)、または典型的な可撓性ポリウレタンスラブ材フォームで使用される任意の多くの他のポリエーテルポリシリコーンコポリマーがある。
【0037】
ポリウレタンフォームの好適な発泡剤には水と塩化メチレン、Freon 11またはアセトンとの組み合わせを、それぞれ約1:2〜2:1の範囲の重量比で含み:水と塩化メチレンが好適な組み合わせである。
【0038】
ポリウレタンに好適な触媒系には、気流および処理の必要性に依存してそれぞれ約0.2〜0.3:1の範囲の重量比で(i)ジメチルエチルアミン、トリエチレンジアミンおよびビス(ジメチルアミノエチル)エーテルと(ii)DABCO(商標)T−16アミンとのブレンドのようなアミン触媒のブレンドの組み合わせを含む。
【0039】
文献には種々のタイプおよび形態のポリウレタン;およびそれらを調製するために使用する成分、比率および条件について詳細な情報が十分に記載されている。例えばEncyclopedia of Polymer Science and Technology,Volume 11,John Wiley & Sons,Copyright
1969,pages 506−563;Encyclopedia of Polymer Science and Technology,Volume 15,John Wiley & Sons,pages 445−479;Flexible Foam,Dow Polyurethanes,Second Edition,Ron Herrington and Kathy Hock,Editors,Copyright 1997 by The Dow Chemical Company;および
米国特許第4,745,133号、同第5,104,910号、同第5,677,361号および同第6,784,218号明細書のような参考文献を参照にすることができる。
【0040】
以下の実施例は具体的説明を目的とし、本発明の包括的範囲を限定することを意図するものではない。
【0041】
実施例1および2は成分A)を調製する方法を具体的に説明する。
【実施例】
【0042】
実施例1
臭素化ジエステルジオールと無水酢酸との反応
SAYTEX(商標)RB−79ジオール難燃剤(1900g;テトラブロモフタル酸無水物とジエチレングリコールおよびプロピレングリコールとの混合エステル;Albemarle Corporation)を、2リットルの反応槽に入れ、そして120℃に加熱した。次いで無水酢酸(701g,6.87モル)を1時間にわたり撹拌しながら加えた。混合物を120〜140℃で3時間加熱した。混合物を35mmHgおよび130℃で、約1時間、わずかにNパージを行いながら真空ストリップした。サンプルを酸価の測定のために採取し、そして価を約3.1と予想した。プロピレンオキシド(25g、0.43モル)を混合物に加え、次いでこれを30分間撹拌し、その後、酸価は約0.6であることが分かった。さらに27g(0.46モル)のプロピレンオキシドを加え、そして混合物を130℃で1時間撹拌した。混合物は分析用のガラス瓶に排出された。混合物の粘度はガラスの毛細管粘度計を使用して25℃で1900cPであると測定され;酸価は0.64であると測定され;そして混合物中の臭素の量は40.1重量%(X線蛍光)であった。
【0043】
実施例2
臭素化ジエステルジオールと無水酢酸との反応
機械的撹拌機、温度制御器付きの温度計、グリコール−冷却(0℃)冷却器、添加漏斗および窒素流アッセンブリーを備えた1リットルの3首ガラス反応槽に、SAYTEX(商標)RB−79ジオール難燃剤(556g;0.885モル;添加前に75℃に加熱して良好な流動にした)を入れ、そして窒素下で75℃にて撹拌した。添加漏斗に無水酢酸(180.5g,1.77モル)を入れ、次いでこれをジオールに20分間にわたり滴下した。添加中、わずかな(8゜)の発熱が認められ、これにより反応温度は83゜に上昇した。この時点で反応混合物の色は明るかった。内容物を95℃に加熱し、そしてその温度で窒素下にて次の4時間撹拌した。ここで装置にはBarrettトラップを取り付けることにより蒸留の準備をし、そして反応温度を130℃に上げて副産物の酢酸を蒸留した。次いで反応混合物を丸底フラスコに注ぎ、そして95℃でロータリーエバポレーター(4〜5トル)で45分間濃縮して、629g(0.883モル、99.8%)の生成物を淡黄色の液体として得た。この生成物の酸価は4.5.1であると測定した。この生成物を再加熱し、次いで反応槽に戻し、次いで300mLのトルエンおよび200mLの水を加えた。物質はトルエンに溶解し、そして底に有機層が形成した。相を加熱し、そして45℃で15分間加熱し、次いで相を分離させた。水性層のpHが4に等しくなったと測定した。45℃で撹拌している間、水性の苛性アルカリ(50%)を水性層のpHが約8になるまで加えた。相を分離させ、次いで下の有機相を取り出し、そして減圧下、90℃で1時間濃縮して(ロータリーエバポレーター、3〜4トル)、579.6g(0.814モル、92.5%)の生成物を淡黄色の液体として得た。この酸価は0.14と測定され、そしてFT−IRスペクトルを記録し、これによりエステルの形成および出発材料のビトロキシル基が全く無いことが確認された。TGAは以下の重量損失プロファイルを示した:162.6℃で5%の損失、194.4℃で10%の損失、339.7℃で50%の損失。
【0044】
実施例3〜6
難燃剤の効果をスクリーニングするために使用したポリウレタン製剤を使用して一群の試験を行った。これらの試験に使用した成分は以下の通りである:
成分A)−テトラブロモフタル酸無水物とジエチレングリコールおよびプロピレングリコールとの、無水酢酸でアシル化した混合エステル(実施例1および2を参照);
成分B)−8.3重量%のリン含量を有するイソプロピル化リン酸フェニル(Antiblaze(商標)519難燃剤:Albemarle Corporation)
成分C)−ホスホン酸、メチル−、(5−エチル−2−メチル−2−オキシド−1,3,2−ジオキサホスホリナン−5−イル)メチルメチルエステルおよびホスホン酸、メチル−、ビス[(5−エチル−2−メチル−2−オキシド−1,3,2−ジオキサホスホリナン−5−イル)メチル]エステルの混合物(CAS41203−81−0とCAS42595−45−9の混合物)(Amgard CU;Rhodia);
成分D)−Irgastab(商標)PUR55(Ciba Specialty Chemicals,Inc)、これはフェニル環上に約6〜9個の炭素原子を有する側鎖を持つジフェニルアミンと、約8〜10個の炭素原子を有するエステル側鎖を持つヒンダードフェノールとの混合物である。
【0045】
カリフォルニア117試験手順(「Cal 117」)の結果を表にまとめる。成分C)を含まない成分A)およびB)(「組成物実施例A」)が使用され、そして同じ試験手順にかけられた組成物に関するCal 117の結果も表に示す。
【0046】
【表1】

【0047】
本明細書または特許請求の範囲のいたるところで、化学名または式により示される成分は単数形または複数形で示しても、化学名または化学物質の種類(例えば別の成分、溶媒等)により示される別の物質と接触するようになる前にそれらが存在する通りであると同定される。もしどのような予備的な化学的変化、変換および/または反応が、生じる混合物または溶液中で起こっても、そのような変化、変換および/または反応が本開示に従い要求される条件下で一緒になる特定の成分の自然な結果であるならば問題ない。すなわち成分は所望の操作の実施または所望の組成物の形成との関係で一緒になる材料と同定される。添付する特許請求の範囲では物質、成分および/または材料を現在形で指しているかもしれないが(「含んでなる」、「である」等)、この指示は本開示に従い1つ以上の他の物質、成分および/または材料と最初に接触、ブレンドまたは混合する直前にそれが存在した通りの物質、成分または材料に対するものである。接触、ブレンドまたは混合操作の過程で物質、成分または材料は化学反応または変換を通してそれらの元の同一性を失う
かもしれないという事実は、本開示および通例の意味での応用、および標準的な化学者に従い行われるならば問題ではない。
【0048】
本明細書の任意の部分で引用されているありとあらゆる特許または公報は、本明細書中で完全に説明されるように、参照により全部を本開示に編入する。
【0049】
本発明はその実施においてかなりの変更が可能である。したがって前記説明は限定を意図せず、そして本発明をこれまでに提示した特定の例に限定するものと解釈すべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも以下の成分:
A)環−臭素化芳香族ジエステルジオールの少なくとも1つのビス(アルカン酸エステル);
B)およそ平均式(RPhO)P=O)を有するアルキル化リン酸トリフェニル、式中、各Rは独立して水素原子または1〜4の範囲の炭素原子を有するアルキル基であり、そしてxは約0.2〜3の範囲の平均数である;および
C)分子中に1、2もしくは3個のリン原子を有し、そのうちの少なくとも1つは脂環式環系の一部であり、そして少なくとも約15重量%のリン含量を有する少なくとも1つの脂環式リン酸エステル
から形成される液体混合物を含んでなる難燃性添加剤組成物。
【請求項2】
A)が芳香族環上に少なくとも2個の臭素を有する少なくとも1つのブロモフタル酸無水物とジエチレングリコールおよびプロピレングリコールとの混合エステルのビス(アルカン酸エステル)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
A)がテトラブロモフタル酸無水物とジエチレングリコールおよびプロピレングリコールとの混合エステルのビス(アルカン酸エステル)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
テトラブロモフタル酸無水物とジエチレングリコールおよびプロピレングリコールとの混合エステルのビス(アルカン酸エステル)が該混合エステルのビス(エタン酸)である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
B)の式のRがイソプロピルである請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記式中のxが約0.8から約1.2の間の平均数である請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
C)のリン含量が少なくとも約20重量%である請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
C)が(i)ホスホン酸、メチル−、(5−エチル−2−メチル−2−オキシド−1,3,2−ジオキサホスホリナン−5−イル)メチルメチルエステル、および(ii)ホスホン酸、メチル−、ビス[(5−エチル−2−メチル−2−オキシド−1,3,2−ジオキサホスホリナン−5−イル)メチル]エステルを含んでなる混合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
A)が芳香族環上に少なくとも2個の臭素を有する少なくとも1つのブロモフタル酸無水物とジエチレングリコールおよびプロピレングリコールとの混合エステルのビス(アルカン酸エステル)であり:B)の式中、Rがイソプロピルであり;そしてC)がホスホン酸、メチル−、(5−エチル−2−メチル−2−オキシド−1,3,2−ジオキサホスホリナン−5−イル)メチルメチルエステルを含んでなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
A)が芳香族環上に4個の臭素原子を有し、B)の式のxが約0.8から約1.2の間の平均数であり、そしてC)がさらにホスホン酸、メチル−、ビス[(5−エチル−2−メチル−2−オキシド−1,3,2−ジオキサホスホリナン−5−イル)メチル]エステルを含んでなる、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
上記組成物がさらに、アルキル環置換基(1もしくは複数)がそれぞれ約4〜9個の炭素原子を含む液体アルキル化ジフェニルアミンを含んでなる、請求項9または10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
上記組成物がさらにフェニル環上に約6〜9個の炭素原子を有する側鎖を持つジフェニルアミン、および約8〜10個の炭素原子を有するエステル側鎖を持つヒンダードフェノールの混合物を含んでなる、請求項9または10のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
A)がテトラブロモフタル酸無水物とジエチレングリコールおよびプロピレングリコールとの混合エステルのビス(エタン酸エステル)である、請求項9または10のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
ポリウレタン、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂および合成エラストマーから選択されるポリマーまたは樹脂;A)環−臭素化芳香族ジエステルジオールの少なくとも1つのビス(アルカン酸エステル);B)およそ平均式(RPhO)P=O)を有するアルキル化リン酸トリフェニル、式中、各Rは独立して水素原子または1〜4の範囲の炭素原子を有するアルキル基であり、そしてxは約0.2〜3の範囲の平均数である;およびC)分子中に1、2もしくは3個のリン原子を有し、そのうちの少なくとも1つは脂環式環系の一部であり、そして少なくとも約15重量%のリン含量を有する少なくとも1つの脂環式リン酸エステルを含んでなる成分から形成され、成分A)、B)およびC)が添加剤混合物の状態で、または個別に、かつ/または1もしくは複数のサブコンビネーションで、該ポリマーもしくは樹脂に、または該組成物の形成に使用される前駆体製剤または配合物に導入される難燃性組成物。
【請求項15】
上記組成物のポリマーまたは樹脂がポリウレタンであり、そしてA)、B)およびC)が添加剤混合物の状態で、または個別に、かつ/または1もしくは複数のサブコンビネーションで、該組成物の形成に使用される前駆体製剤または配合物に導入される請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
上記ポリウレタンが硬質ポリウレタン、硬質ポリウレタンフォーム、可撓性ポリウレタン、可撓性ポリウレタンフォーム、弾性ポリウレタンフォーム、可撓性ポリエーテルポリウレタンフォーム、可撓性ポリエステルポリウレタンフォーム、および反応射出成形ポリウレタンから選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
イソシアネート、ポリオール、表面活性剤および触媒を含んでなる成分から形成される難燃性可撓性ポリウレタン組成物であって、該ポリウレタン組成物を形成するための成分がさらに:
A)環−臭素化芳香族ジエステルジオールの少なくとも1つのビス(アルカン酸エステル);
B)およそ平均式(RPhO)P=O)を有するアルキル化リン酸トリフェニル、式中、各Rは独立して水素原子または1〜4の範囲の炭素原子を有するアルキル基であり、そしてxは約0.2〜3の範囲の平均数である;および
C)分子中に1、2もしくは3個のリン原子を有し、そのうちの少なくとも1つは脂環式環系の一部であり、そして少なくとも約15重量%のリン含量を有する少なくとも1つの脂環式リン酸エステル
を含んでなる上記難燃性可撓性ポリウレタン組成物。
【請求項18】
A)が芳香族環上に少なくとも2個の臭素を有する少なくとも1つのブロモフタル酸無水物とジエチレングリコールおよびプロピレングリコールとの混合エステルのビス(アルカン酸エステル)であり;上記式中のxが約0.8から約1.2の間の平均数であり;そしてC)が上記組成物中に存在し、そしてアルキル環置換基(1もしくは複数)がそれぞれ約4〜9個の炭素原子を含む液体アルキル化ジフェニルアミンを含んでなる、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
A)が芳香族環上に少なくとも2個の臭素を有する少なくとも1つのブロモフタル酸無水物とジエチレングリコールおよびプロピレングリコールとの混合エステルのビス(アルカン酸エステル)であり;ここで上記式中のRがイソプロピルであり;そしてC)が上記組成物中に存在し、そしてアルキル環置換基(1もしくは複数)がそれぞれ約4〜9個の炭素原子を含む液体アルキル化ジフェニルアミンを含んでなる、請求項17に記載の組成物。
【請求項20】
A)がテトラブロモフタル酸無水物とジエチレングリコールおよびプロピレングリコールとの混合エステルのビス(エタン酸エステル)であり;上記式中のRがイソプロピルであり、そして上記式中のxが約0.8から約1.2の間の平均数であり;そしてC)が該組成物中に存在し、フェニル環上に約6〜9個の炭素原子を有する側鎖を持つジフェニルアミン、および約8〜10個の炭素原子を有するエステル側鎖を持つヒンダードフェノールの混合物である、請求項17に記載の組成物。
【請求項21】
難燃性の可撓性ポリウレタン組成物がフォームの状態である請求項17ないし20のいずれかに記載の組成物。
【請求項22】
フォームが2000年3月付の技術告示117に説明されているカリフォルニア第117試験手順を通過できる、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
イソシアネート、ポリオール、表面活性剤および触媒を含んでなる成分から可撓性ポリウレタン組成物を生産する方法であって、この方法が難燃性の可撓性ポリウレタンが生産されるように、重合製剤または配合に:
A)環−臭素化芳香族ジエステルジオールの少なくとも1つのビス(アルカン酸エステル);
B)およそ平均式(RPhO)P=O)を有するアルキル化リン酸トリフェニル、式中、各Rは独立して水素原子または1〜4の範囲の炭素原子を有するアルキル基であり、そしてxは約1〜約2の範囲の平均数である;および
C)分子中に1、2もしくは3個のリン原子を有し、そのうちの少なくとも1つは脂環式環系の一部であり、そして少なくとも約15重量%のリン含量を有する少なくとも1つの脂環式リン酸エステル
をさらに含むことを含んでなる上記方法。
【請求項24】
A)がテトラブロモフタル酸無水物とジエチレングリコールおよびプロピレングリコールとの混合エステルのビス(アルカン酸エステル)であり;B)の式中のxが約0.8から約1.2の間の平均数であり;そしてC)が(i)ホスホン酸、メチル−、(5−エチル−2−メチル−2−オキシド−1,3,2−ジオキサホスホリナン−5−イル)メチルメチルエステル、および(ii)ホスホン酸、メチル−、ビス[(5−エチル−2−メチル−2−オキシド−1,3,2−ジオキサホスホリナン−5−イル)メチル]エステルを含んでなる混合物である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
上記成分がさらに、アルキル環置換基(1もしくは複数)がそれぞれ約4〜9個の炭素原子を含有する液体アルキル化ジフェニルアミンを含んでなる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
上記成分がさらに、フェニル環上に約6〜9個の炭素原子を有する側鎖を持つジフェニルアミン、および約8〜10個の炭素原子を有するエステル側鎖を持つヒンダードフェノールの混合物を含んでなる、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
生産される難燃性の可撓性ポリウレタンがフォームの状態となるように、可撓性ポリウレタン組成物の成分が少なくとも1つの発泡剤を含む、請求項23ないし26のいずれかに記載の方法。

【公表番号】特表2009−532575(P2009−532575A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504425(P2009−504425)
【出願日】平成19年4月3日(2007.4.3)
【国際出願番号】PCT/US2007/065879
【国際公開番号】WO2007/118089
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(594066006)アルベマール・コーポレーシヨン (155)
【Fターム(参考)】