説明

難燃性硫黄及びその製造方法

【課題】
本発明は、消防法等でいう危険物である硫黄に対して、難燃性を付与することによって同法の適用を受けることなく取扱うことができるようにするも、本来の使用目的を阻害することのない、と言う新規の難燃性硫黄及びその製造方法の提供を図ったものである。
【解決手段】
硫黄1の表面全体に珪酸の金属塩類によるコーティング層2を形成して硫黄に対する難燃を付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消防法等でいう危険物である硫黄に対して、難燃性を付与することによって同法の適用を受けることなく、安全に取扱うことができる使用目的に合ったようにした難燃性硫黄及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
所謂硫黄としては、斜方硫黄(黄色)、単斜硫黄(淡黄色)、ゴム状硫黄(褐色)などがあり、比重2.07、融点113〜119℃、沸点445℃とする特性を有し、約360℃で発火して有毒ガス(SO2)を発生するため、一般には危険物と分類されている。 そのため消防法においては、特別に定めた取扱手段を採用することが義務付けられている。
【0003】
硫黄の取扱上の事故例としては、硫黄を船積するための取扱所において、硫黄粉を貯蔵用サイロからベルトコンベアを介して積み出していたところ、当該コンベアベルトの摩擦により発生した静電気のスパークに基づき当該硫黄粉に着火して爆発事故を生じたケースがある。 このように、硫黄の取扱には充分なる注意を払わないと重大事故を生じてしまうことが予想される。
【0004】
そのため、硫黄を取り扱うためには法令上において、取扱所の届出及び監督官庁の許可を要することは勿論であるが、更に、当業者による実務上においても、取扱対象硫黄自体の形態の確認と、これに適した設備の設置に関して充分なる注意を払うことが要求された。 従って、そのために要する管理費用、設備投資は馬鹿にならないものがあり、従業員も消防法で定められた有資格者を要する等、経営上多くのコストを払わざるを得ないというのが実情であつた。
【0005】
ところで、市場で一般的に取扱われている硫黄の形状は、液体硫黄と固体硫黄とに大別される。 多量に硫黄を消費する事業所にあっては、液体硫黄が主流を占めており、これは、融点より少し上では流動性のある黄色の液体であるが、180℃まで上昇させた状態では暗色にして粘調性を有する形態を呈するが、更に300℃程度まで温度を上昇させた場合、再び流動性に富む液体状となり、444.7℃で沸騰する、と言うような特性を備えたものである。 そして、当該液体硫黄は大規模な工場等で取扱われるものであり、本発明にあっては下記する固体硫黄を実施対象とするものである。
【0006】
固体硫黄としては、フレーク状硫黄、ビーズ状硫黄、粉末状硫黄、塊状硫黄、インゴット状硫黄、含湿状(含水状)硫黄とがあるが、大小の相違があるも基本的には何れも固形形態を具えたものである。
【0007】
一般に使用されているフレーク状硫黄は、形状は不均一であるが平均1.5平方センチメートル程度の盤状を呈するものである。 当該フレーク状硫黄は、取扱の最中に粉塵が生じ易く、そのため粉塵爆発を引き起こしてしまう可能性がある。 そのため、一応、その恐れがあると考えておくことが至等だと考える。
【0008】
粉塵爆発を引き起こす恐れが特に強いのは粉末硫黄である。 当該粉硫黄は用途によって異なるが、その粒度は60メッシュから200メッシュ程度のものが主として使用されている。
上記したビーズ状硫黄、塊状硫黄等の他の形態の固形状硫黄においても、発生の確率は少ないも粉塵爆発が生じる危険性が必然的に伴うことを余儀なくされている。 そして、これが可燃物であることは否定できない。
【0009】
ところで、粉塵爆発における粉塵とは、煙より一桁大きい1ミクロンから100ミクロン程度の分子と考えてよいが、これ以上の粗い粒子の場合は燃え出すことはあっても、爆発に至ることはあまり考えられない。
【0010】
従来、このような粉塵爆発を防ぐための手段として、次のような方法が採られていた。
すなわち、微粒硫黄を取扱う業界では、爆発事故を回避するためにオイルを混入した製品、例えばスピンドル油22番(通常マシン油)を200メッシュの粉末硫黄に対して均等に付加し、これにより爆発事故の回避がなされると同時に、危険物規定から除外(法規定から公式に除外)されるようにしたものである。 当該オイルの添加量は対象硫黄に対して重量パーセントで0.5〜1.5%添加することによってその目的は達成される。
【0011】
然し乍、上記したスピンドル油は比較的高価であるばかりでなく、当該油自体が第二石油類に属し危険物として取扱われるものである。 また、硫黄の使用対象製品がゴム製品の場合は、このようなオイル存在は必要であるために、オイル添加の硫黄は好都合であるが、オイルの存在が不要または不適当とする他の製品に於いては、このような形態の硫黄は使用することができない、と言うような問題も生じることとなる。
更に、グリセリン、エチレングリコールも本発明者による実験では有効と認められているが、これらも高価であると共に第4類の第三石油類に属する危険物に該当するものである。
そして、上記した添加物は何れも、燃焼残渣に少量ではあるがカーボンが生じると共に炭酸ガスの発生が認められ、所謂公害上の問題が生じるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上記したような粉塵爆発の問題を解消すると共に、硫黄を難燃化して危険物からの除外された物質化するようにし、しかも、難燃化のための手段が極めて廉価に達成されるようにすることにより、スピンドル油を添加するという従来手段において生じた、コスト高性、添加物自体の危険性を解消すると共に、添加物自体の燃焼に伴う公害物質排出というような問題を解決した、新規の難燃性硫黄及びその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は請求項1に記載のように、硫黄1の表面全体に珪酸の金属塩類によるコーティング層2を形成して成る難燃性硫黄に係る。
そして、請求項2に記載のように、当該硫黄1として、フレーク状硫黄、ビーズ状硫黄、粉末状硫黄、1〜10mmの塊状硫黄、含湿状(含水状)硫黄のような固形形態を具えた硫黄とすることを実施の態様とするものである。
【0014】
本発明に係る方法は請求項3に記載のように、所要硫黄に対して、「珪酸の金属塩類の水溶液」をまぶすことにより、当該硫黄の表面全体に「珪酸の金属塩類」によるコーティング層を形成し、然る後、乾燥処理を施すことを特徴とする難燃性硫黄の製造方法に係る。
【0015】
そして、請求項4に記載のように、「珪酸の金属塩類の水溶液」として、比重1.4程度、粘度145mpa.s(20℃)にして比重の酸化ナトリウム(Na2O)9.44%と、二酸化珪素(SiO)29.00%を主成分としモル比3.17のものを用いることを難燃性硫黄の製造方法の実施の態様とする。
【0016】
更に、請求項5に記載のように、硫黄に対する「珪酸の金属塩類の水溶液」の添加量を、重量比に於いて0.3%〜5%とした難燃性硫黄の製造方法の実施の態様とする。
【0017】
更に、請求項6に記載のように、硫黄として、フレーク状硫黄、ビーズ状硫黄、粉末状硫黄、1〜10mmの塊状硫黄、含湿状(含水状)硫黄のような固形形態を具えた硫黄を用いることを難燃性硫黄の製造方法の実施の態様とする。
【0018】
更に、請求項7に記載のように、「珪酸の金属塩類の水溶液」として、既存の「3号珪酸ソーダ」を用いることを難燃性硫黄の製造方法の実施の態様とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る難燃性硫黄は、請求項1に記載したような構成、すなわち、硫黄1の表面全体に珪酸の金属塩類によるコーティング層2を形成するように構成したから、硫黄1はその表面全体が「珪酸の金属塩類」によって覆われることとなる。
一方、当該「珪酸の金属塩類」は全くの不燃物であるため、硫黄1の発火が阻止され、結局、硫黄に対する難燃性が付与されたことになる。 同時に、当該「珪酸の金属塩類」は消防法で定める危険物には属せず、そして、硫黄自体も上記のような難燃性が付与されるため、同法で定める危険物指定が解除されることとなる。
同時に、硫黄自体が「珪酸の金属塩類」によるコーティングが成されているため、粉塵発生を阻止することとなり、従って、粉塵爆発と言うような重大事故の発生を未然に防止することと成る。
【0020】
そして、上記したような危険物指定の解除に基づき、従来のような危険物として硫黄を取扱っていた場合に要求された、法規制、例えば製造所の設置が、「付近の住宅、学校、病院等の保安対象物に対し、製造所の火災、爆発等の災害の影響を及ぼさないよう、延焼防止、避難等のために確保する保安距離をとる」とする規制、具体的には、同一敷地外にある住居に対しては10メートル以上、劇場、病院、学校のような多数の人を収容する施設からは30メートル以上、重要文化財である建造物とは50メートル以上、高圧ガス等の施設からは20メートル以上夫々離して製造所を設置しなければならないというような法規制は、本発明に係る硫黄の取り扱いに於いては全く適用されず、従って、製造所設置が容易に果されることとなる。
【0021】
同時に、取扱上の容易性・簡易性が図られ、従来のような危険物扱いの場合に生じた例えば熟練した作業員の養成等、管理上のコスト高性が全く解消されることとなる。
【0022】
更に、「珪酸の金属塩類」は硫黄に比して極めて安価なものであるため、難燃性付与目的が極めて低コストで達成される。 そして、従来のように、微粒硫黄を取扱う業界で行っていた、爆発事故を回避するためにスピンドル油を混入していた場合、当該スピンドル油が硫黄に対して高価なものであるばかりでなく、当該スピンドル油自体が危険物扱いであるため、当然危険物規制の適用を受けることとなるが、本発明にあっては上述したようにこのような問題が全く解消される。
【0023】
本発明に係る難燃性硫黄は、請求項2に記載したような構成、すなわち、硫黄1として、フレーク状硫黄、ビーズ状硫黄、粉末状硫黄、1〜10mmの塊状硫黄、含湿状(含水状)硫黄のような固形形態を具えた硫黄とすることを実施の態様とするように、液体状硫黄を除き、固形形態の硫黄すべての硫黄に対応可能とするものである。
【0024】
本発明に係る難燃性硫黄の製造方法は、請求項3に記載したような構成、すなわち、所要硫黄に対して、「珪酸の金属塩類の水溶液」をまぶすことにより、当該硫黄の表面全体に「珪酸の金属塩類」によるコーティング層を形成し、然る後、乾燥処理を施すように構成したから、請求項1に記載の難燃性硫黄の製造が極めて容易に果されることとなる。 そして、得られた硫黄は、前述したように、危険物指定を受けないため、そのための製造所の設置条件の限定性、取扱の簡便性、難燃化のための低コスト性が図られることとなる。
【0025】
本発明に係る難燃性硫黄の製造方法は、請求項4に記載したような構成、すなわち、「珪酸の金属塩類の水溶液」として、比重1.4程度、粘度145mpa.s(20℃)にして比重の酸化ナトリウム(Na2O)9.44%と、二酸化珪素(SiO)29.00%を主成分としモル比3.17のものを用いるように構成することにより、硫黄に対する難燃性付与が極めて良好に達成された。
【0026】
本発明に係る難燃性硫黄の製造方法は、請求項5に記載したような構成、すなわち、硫黄に対する「珪酸の金属塩類の水溶液」の添加量を、重量比に於いて0.3%〜5%とすることにより、当該「珪酸の金属塩類の水溶液」の使用量を最少化され、従って、難燃化処理の低コスト性がより一層図られる。 また、当該添加量が0.3%以下であると、難燃性が充分とは言えず、また、当該添加量が5%以上であると難燃化が強すぎ、硫黄の熱熔融上の阻害性が生じることが実験により確認された。
【0027】
本発明に係る難燃性硫黄の製造方法は、請求項6に記載したような構成、すなわち、硫黄として、フレーク状硫黄、ビーズ状硫黄、粉末状硫黄、1〜10mmの塊状硫黄、含湿状(含水状)硫黄のような固形形態を具えた硫黄を用いることにより、液体状硫黄を除き、固形形態の硫黄すべての硫黄に対応可能とするものである。
【0028】
本発明に係る難燃性硫黄の製造方法は、請求項7に記載したような構成、すなわち、「珪酸の金属塩類の水溶液」として、既存の3号珪酸ソーダを用いることにより、「珪酸の金属塩類の水溶液」を既存のものを購入しての利用が果たされることとなる。 この場合、本発明に係る方法の実施は化学的設備を要せず達成されることとなり、従って、製造所の設備投資を最小限に抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明は、取り扱いが簡易(危険物ではない)にしてかつ安価な物質である珪酸の金属塩類の水溶液を、硫黄のカップリング剤(まぶし剤)として使用するようにしたことを特徴とするものである。
【0030】
そして、本発明に係る硫黄の使用対象としては、これを燃焼してSOガスを発生させて利用するもの、例えば亜硫酸塩類の製造用、及び、小麦粉・干瓢・その他の漂白処理用として用いることを主たる使用目的とするものである。
【0031】
図1は本発明に係る硫黄を表したものである。 同図において、1は硫黄、2は当該硫黄1の表面全体にカップリング剤によるコーティング層を示す。 当該カップリング剤は珪酸の金属塩類の水溶液を用い、これを硫黄粒子に対して重量比1%程度添加すると共にブレンダー攪拌に基づくカップリング作用によりコーティング層2を形成したものである。
【0032】
上記した「珪酸の金属塩類の水溶液」であるが、これは一般で言う「3号珪酸ソーダ」がある。 当該「3号珪酸ソーダ」とは、通常、比重1.4程度、粘度145mpa.s(20℃)にして比重の酸化ナトリウム(Na2O)9.44%と、二酸化珪素(SiO)29.00%を主成分としモル比3.17のものが使用されている。 本発明においてはこのような「3号珪酸ソーダ」を使用することが好ましい。
【0033】
本発明の実施対象とする硫黄であるが、これは、フレーク状硫黄、ビーズ状硫黄、粉末状硫黄、1〜10mmの塊状硫黄、含湿状(含水状)硫黄のように、固形形態を具えた硫黄を実施の対象とするものである。
【0034】
本発明に係る難燃性硫黄の製造方法について説明する。 本発明に係る難燃性硫黄の製造方法であるが、好ましくは、先ず所要の硫黄に対する乾燥処理を予め施しておく。 当該乾燥処理はデシケーター(除湿器)に24時間程度かけることによりその完全乾燥を図る。 然し乍、このような乾燥処理は絶対的要件ではなく、これを省略して実施することができる。
【0035】
然る後、上記完全乾燥処理がなされた硫黄に対して、「珪酸の金属塩類の水溶液」をまぶすことにより、当該硫黄の表面全体に「珪酸の金属塩類」によるコーティング層を形成する。 これは、硫黄に対して重量比で1%程度の「珪酸の金属塩類の水溶液」を添加すると共に、攪拌器にて攪拌し、然る後、自然乾燥に基づく乾燥処理を施すことにより、硫黄は「珪酸の金属塩類」のコーティング層が形成されることとなり、難燃性が付与されることとなる。
【0036】
なお、上記した自然乾燥に代えて、デシケーター等により48時間程度の機械的乾燥処理を施すことにより、その乾燥化を図ることが、本発明方法の実施に際してはより一層好ましい。
【0037】
上記した方法により得られた難燃性硫黄は、後述する実施例に於いて詳述するように、危険物第2類可燃性固体に含まれる「硫黄」に該当せず、本発明に基づく硫黄は消防法で言う危険物から除外されることが確認された。
【実施例1】
【0038】
ビーズ状硫黄をデシケーター(除湿器)内に48時間収容して完全乾燥処理を施した硫黄30gに対して、3号珪酸ソーダを重量比で1%を添加し、ブレンダーにて攪拌して硫黄粒子の表面に当該3号珪酸ソーダによるコーティング層を形成した。
なお、使用した3号珪酸ソーダとしては、比重1.4程度、粘度145mpa.s(20℃)にして比重の酸化ナトリウム(Na2O)9.44%と、二酸化珪素(SiO)29.00%を主成分としモル比3.17のものを使用した。
【0039】
上記のようにして得られたビーズ状硫黄試料2gに対して、室温20℃、湿度57%の実験室内環境において、下記する消防法危険物試験で実施されている着火試験を行ったところ、熔融時間36.5秒、着火156.0秒においてSOガスが発生した。 当該ガスの発生は、沃素・澱粉液に浸漬した綿棒を接近させ、その脱色に基づき確認した。
【0040】
消防法危険物試験においは、3グラム程度の試料を無機質断熱板上に載置し、また、試料が粉末状若しくは粒状の場合は、半球状に堆積させ、これに着火器具の拡散炎(炎の大きさは口を上を向けた状態で70mmとなるように調節したもの)を接触角度は30度炎と試料の接触面積は2平方センチメートルとなるようにして炎を試料に10秒間接触させた後炎を離す。 これにより10秒間接触させて着火しない場合は「不燃」と評価する。火炎を試料に接触させてから試料に着火するまでの時間を測定し、試料が燃焼するか否かを観察する。 試料の燃焼は、有炎燃焼又は無煙燃焼を燃焼という。
そして、着火時間が3秒以下の場合は「第1種可燃性固体」と判定され、着火時間が3秒を超え10秒以下の場合は「第2種可燃性固体」と判定され、10回の繰返し試験の結果が何れも「不燃」または「有効な測定値が得られない」場合は、第2種危険物に該当しないと判定される。
消防法危険物試験においてその試験方法は上記のように認定されている。
【0041】
本発明に係る硫黄は、上記実施例で述べたとおり、着火まで156.0秒を要することが確認され、これにより、本発明に係る硫黄は「第2種危険物に該当しない」と判定されることが確認された。
【実施例2】
【0042】
実施例1で得られた硫黄試料を更にデシケーター(除湿器)に入れ、48時間かけて完全乾燥を図ったものを、試料として2g採取し、これを実施例1と同様の条件下で着火試験を行ったところ、熔融時間36.6秒、着火時間95秒と言う試験結果が確認された。 このように完全乾燥化を図った状態に於いても、前記消防法危険物試験でいう「第2種危険物に該当しない」と判定されることが確認された。
【0043】
以上の結果から、本発明に基づく硫黄は、危険物第2類可燃性固体に含まれる「硫黄」に該当せず、本発明に基づく硫黄は消防法で言う危険物から除外されることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る難燃性硫黄の説明用拡大断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 硫黄
2 コーティング層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硫黄1の表面全体に「珪酸の金属塩類」によるコーティング層2を形成して成る難燃性硫黄。
【請求項2】
硫黄1として、フレーク状硫黄、ビーズ状硫黄、粉末状硫黄、1〜10mmの塊状硫黄、含湿状(含水状)硫黄のような固形形態を具えた硫黄としてなる請求項1に記載の難燃性硫黄。
【請求項3】
所要硫黄に対して、「珪酸の金属塩類の水溶液」をまぶすことにより、当該硫黄の表面全体に「珪酸の金属塩類」によるコーティング層を形成し、然る後、乾燥処理を施すことを特徴とする難燃性硫黄の製造方法。
【請求項4】
「珪酸の金属塩類の水溶液」として、比重1.4程度、粘度145mpa.s(20℃)にして比重の酸化ナトリウム(Na2O)9.44%と、二酸化珪素(SiO)29.00%を主成分としモル比3.17のものを用いて成る請求項3に記載の難燃性硫黄の製造方法。
【請求項5】
硫黄に対する「珪酸の金属塩類の水溶液」の添加量を、重量比に於いて0.3%〜5%としてなる請求項3に記載の難燃性硫黄の製造方法。
【請求項6】
硫黄として、フレーク状硫黄、ビーズ状硫黄、粉末状硫黄、1〜10mmの塊状硫黄、含湿状(含水状)硫黄のような固形形態を具えた硫黄を用いて成る請求項3乃至請求項5の何れかに記載の難燃性硫黄の製造方法。
【請求項7】
「珪酸の金属塩類の水溶液」として、既存の「3号珪酸ソーダ」を用いてなる請求項3乃至請求項6の何れかに記載の難燃性硫黄の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2008−280223(P2008−280223A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127891(P2007−127891)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(507155971)吉田化学工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】