説明

難燃性組成物

【課題】ポリマーに優れた難燃性を付与することができ、環境や人体に悪影響を与えるハロゲン元素やリン元素を含まず安全性が高く、ポリマーの基本的な物性を損なうことなく、良好な成形性を有する難燃性組成物の提供。
【解決手段】カーボネート結合、エステル結合、及びアミド結合の少なくともいずれかを有する熱可塑性樹脂及びエラストマーの少なくともいずれかを含有するポリマーと、尿素と、有機酸アンモニウム塩及び無機酸アンモニウム塩の少なくともいずれかと、を含有し、前記ポリマー100質量部に対し、前記尿素の含有量が20質量部〜70質量部であり、かつ、前記有機酸アンモニウム塩及び無機酸アンモニウム塩の少なくともいずれかの含有量が10質量部〜70質量部である難燃性組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた難燃性を有しており、例えば、各種家電OA製品の部品などに好適に用いられる難燃性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
家電やOA(Office Autmation)機器等の製品に使用されるポリマー等の高分子材料は、米国内において、それぞれの部品ごとにUL規格(Under Writers Laboratories Inc.Standard)があり、UL−94の難燃規格によって定められた難燃性を満たさなければならない。また、最近では米国だけでなく、日本も含めたほとんどの国においても、このUL規格を採用するようになってきており、建築資材や自動車や列車車両にもそれぞれの規格で難燃化を求めている。特に、高分子材料として、代表的な汎用ゴムの1つであるニトリルゴムは、ロケットやミサイルの固体燃料として用いられることが示すとおり、燃焼性が極めて大きいことが知られている。従って、こうしたゴムの難燃化には極めて高い技術が求められる。
【0003】
現在、難燃化の手法としては、概ね以下の3種類の原理が考えられており、用途や高分子材料の種類に応じて、それぞれ使用されている。
第一の手法は、高分子材料にハロゲン系化合物を10質量%〜25質量%程度添加することにより、燃焼炎に対し酸化反応負触媒として働き、燃焼速度を低下させて難燃性を付与するものである。
第二の手法は、高分子材料にシリコーン化合物を数質量%〜十数質量%程度添加するか、又はリン酸系化合物を数質量%〜数十質量%程度添加し、燃焼中に樹脂の表面にシリコーン化合物をブリードさせたり、脱水素反応を樹脂内で起こしたりすることにより、表面にチャー(炭化層)を生成させて、断熱皮膜の形成により燃焼を止めるものである。
第三の手法は、高分子材料100質量部に対し、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の金属水酸化物を80質量部〜150質量部程度添加し、高分子材料の燃焼によってこれらの化合物が分解するときの吸熱反応による冷却、及び生成した水の持つ蒸発潜熱で高分子材料全体を冷却して、燃焼を止めるものである。
【0004】
しかし、前記第一の手法は、廃棄物として燃焼させる場合、十分な酸素量と燃焼温度が与えられないと、ハロゲン化合物によりダイオキシンが発生するという問題がある。
前記第二の手法は、燐酸エステル化合物の場合、燃焼灰に含まれるリン酸による水質汚染などが廃棄プラスチックによって引き起こされるおそれがある。また、シリコーン化合物を大量に添加すると、樹脂本来の物性を変えてしまい、強度が低下するという問題や、コストが高くなるという問題がある。
前記第三の手法は、金属水酸化物は多量の無機塩を添加するため、高分子材料が加水分解するという問題や、機械的特性が極めて脆くなってしまうという問題がある。
【0005】
また、合成樹脂エマルジョン100重量部に対し、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、及びエチレンチオ尿素から選ばれた1種以上の化合物及びメラミンとホルムアルデヒドとの共縮合樹脂で被覆又はマイクロカプセル化したポリリン酸アンモニウムを10重量部〜300重量部の割合で配合した難燃性合成樹脂エマルジョンが、難燃性に優れることが開示されている(特許文献1参照)。
しかし、前記難燃性合成樹脂エマルジョンは、マイクロカプセル化することにより難燃性が向上するものではなく、その難燃性は十分なものではなかった。また、このようにマイクロカプセル化する手法は、コスト的に極めて劣る手法であり、更にマイクロカプセル化の作業自体が著しく環境負荷が大きい作業であるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明者は、先に、熱可塑性樹脂中にタンニン化合物を添加することにより、該タンニン化合物が樹脂の中に生成したラジカルを捕捉するため熱安定効果が高く、難燃剤として極めて有効であることを提案している(特許文献2〜5参照)。
しかし、樹脂の燃焼は、該樹脂が分解することによってガスが発生し、このガスが空気中の酸素と連続反応して燃焼が継続することが知られており、前記タンニン化合物の添加による樹脂の安定性の向上だけでは、十分満足できるレベルの難燃性を付与することは困難であるのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−323170号公報
【特許文献2】特許第3046962号公報
【特許文献3】特許第3046963号公報
【特許文献4】特許第3046964号公報
【特許文献5】特許第3607901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、ポリマーに優れた難燃性を付与することができ、環境や人体に悪影響を与えるハロゲン元素やリン元素を含まず安全性が高く、ポリマーの基本的な物性を損なうことなく、良好な成形性を有する難燃性組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため本発明者が鋭意検討を重ねた結果、カーボネート結合、エステル結合、及びアミド結合の少なくともいずれかを有する熱可塑性樹脂及びエラストマーの少なくともいずれかを含有するポリマーと、尿素と、有機酸アンモニウム塩及び無機酸アンモニウム塩の少なくともいずれかと、を含有し、前記ポリマー100質量部に対し、前記尿素の含有量が20質量部〜70質量部であり、かつ、前記有機酸アンモニウム塩及び無機酸アンモニウム塩の少なくともいずれかの含有量が10質量部〜70質量部である難燃性組成物が、ポリマーに優れた難燃性を付与することができ、環境や人体に悪影響を与えるハロゲン元素やリン元素を含まず安全性が高く、ポリマーの基本的な物性を損なうことなく、良好な成形性を有することを知見し、本発明の完成に至った。
【0010】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> カーボネート結合、エステル結合、及びアミド結合の少なくともいずれかを有する熱可塑性樹脂及びエラストマーの少なくともいずれかを含有するポリマーと、尿素と、有機酸アンモニウム塩及び無機酸アンモニウム塩の少なくともいずれかと、を含有し、前記ポリマー100質量部に対し、前記尿素の含有量が20質量部〜70質量部であり、かつ、前記有機酸アンモニウム塩及び無機酸アンモニウム塩の少なくともいずれかの含有量が10質量部〜70質量部であることを特徴とする難燃性組成物である。
<2> 有機酸アンモニウム塩が、脂肪族有機酸、芳香族有機酸、及びこれらの複合体のいずれかと、アンモニアとからなる塩である前記<1>に記載の難燃性組成物である。
<3> 脂肪族有機酸が多価カルボン酸である前記<2>に記載の難燃性組成物である。
<4> 無機酸アンモニウム塩が、硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、及びチオ硫酸アンモニウムから選択される少なくとも1種である前記<1>から<3>のいずれかに記載の難燃性組成物である。
<5> 少なくとも2種の有機酸アンモニウム塩を含有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の難燃性組成物である。
<6> 少なくとも2種の無機酸アンモニウム塩を含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の難燃性組成物である。
<7> 熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、及びポリ乳酸から選択される少なくとも1種を含有する前記<1>から<6>のいずれかに記載の難燃性組成物である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、尿素やアンモニウム塩を使用することで、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、ポリマーに優れた難燃性を付与することができ、環境や人体に悪影響を与えるハロゲン元素やリン元素を含まず安全性が高く、ポリマーの基本的な物性を損なうことなく、良好な成形性を有する難燃性組成物を提供することができる。
なお、前記尿素や前記アンモニウム塩は、無色透明の化合物であり、ポリマーに対し、着色することが殆どなく、樹脂の持つ外観特性を変化させにくい特徴がある。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(難燃性組成物)
本発明の難燃性組成物は、ポリマーと、尿素と、有機酸アンモニウム塩及び無機酸アンモニウム塩の少なくともいずれかと、を少なくとも含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
以下、尿素、並びに有機酸アンモニウム塩及び無機酸アンモニウム塩の少なくともいずれかを合わせたものを「難燃剤」と称することがある。
【0013】
<ポリマー>
前記ポリマーは、熱可塑性樹脂及びエラストマーの少なくともいずれかを含有する。
前記難燃性組成物の前記ポリマーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0014】
<<熱可塑性樹脂>>
前記熱可塑性樹脂とは、ガラス転移温度及び融点のいずれかまで加熱することによって軟らかくなり、目的とする形に成形可能なポリマーを意味する。
【0015】
前記熱可塑性樹脂は、カーボネート結合、エステル結合、及びアミド結合の少なくともいずれかを有する。このような熱可塑性樹脂を用いると、優れた難燃性が得られる点で好ましい。一方、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)及びポリスチレン(PS)などのカーボネート結合、エステル結合、及びアミド結合を有さない熱可塑性樹脂は、難燃性を得られない。
前記カーボネート結合、エステル結合、及びアミド結合の少なくともいずれかを有する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリ乳酸(PLA)が、高い難燃性を付与できる点、及びフィルム、シート、繊維等の難燃性を要求される用途が多い点で好ましい。なお、これらを含むアロイ・ブレンドと呼ばれる樹脂を使用してもよい。
【0016】
前記熱可塑性樹脂の入手方法としては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記熱可塑性樹脂の市販品としては、例えば、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社、商品名「パンライト」)、ポリブチレンテレフタレート(ポリプラスチック株式会社、商品名「ジュラネックス」)、ポリエチレンテレフタレート(クラレ株式会社、商品名「クラペット」)、ポリアミド樹脂(東レ株式会社、商品名「アミラン」)、ポリ乳酸(三井化学株式会社、商品名「レイシア」)などが挙げられる。
【0017】
また、前記ポリカーボネート樹脂、前記ポリブチレンテレフタレート樹脂、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂、前記ポリアミド樹脂、及び前記ポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂から選択される少なくとも1種を更に含有してもよい。
このような熱可塑性樹脂としては、例えば、PC/ABSアロイ、ABSアロイ、PC/PBTアロイ、PC/PETアロイ、PC/PSアロイなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの熱可塑性樹脂を含有することで、経済性あるいは物性が向上することがある。
【0018】
<<エラストマー>>
前記エラストマーとは、室温でゴム弾性を示す高分子物質をいう。即ち、室温で伸ばすと2倍以上に伸び、外力を取除くと瞬間的にほとんど元の形に戻る高分子物質を意味する。前記エラストマーは、ゴムと、熱可塑性エラストマーとに大別される。
【0019】
−ゴム−
前記ゴムとは、室温において小さな力で大きい変形を起こし、力を除くと急速にほとんど元の形に戻る性質、即ち、ゴム弾性を示す物質、又はこのような物質にすることのできる原料高分子を意味する。
【0020】
前記ゴムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エポキシ化天然ゴム、生天然ゴムラテックス、加硫天然ゴムラテックス、メタクリル酸メチル(MMA)をグラフト共重合した天然ゴムラテックス、ニトリルブタジエンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、クロロプレンゴム、ヒドリンゴム、ネオプレンゴム、エチレンプロピレンゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記ゴムは、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴム(ACM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(ECO)、エポキシ化天然ゴム(変性NR)、エチレンプロピレン(EPDM)が、コスト的及び実用的に使用できる点で特に好ましい。
【0021】
前記ゴムの入手方法としては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記ゴムの市販品としては、例えば、ニトリルブタジエンゴム、(日本ゼオン株式会社製、商品名「ニポール2850」)、アクリルゴム(日本ゼオン株式会社製、商品名「ニポール」)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(デュポン株式会社製、商品名「ハイパロン」)、クロロプレンゴム(昭和電工株式会社製、商品名「ショープレン」)、ヒドリンゴム(ダイソー株式会社製、商品名「エピクロマー」)、エポキシ化天然ゴム(MMG社製(タイ)、商品名「エポキシプレン」)、エチレンプロピレン(JSR株式会社製、商品名「EPR」)などが挙げられる。
【0022】
−熱可塑性エラストマー−
前記熱可塑性エラストマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン系エラストマー(PSE)、エチレン酢酸ビニル系エラストマー(EVM)、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記熱可塑性エラストマーは、スチレン系エラストマー(PSE)、エチレン酢酸ビニル系エラストマー(EVM)が、安価であり、かつ容易に入手できる点で好ましい。
【0023】
前記熱可塑性エラストマーの入手方法としては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記熱可塑性エラストマーの市販品としては、例えば、スチレン系エラストマー(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「タフテック」)、エチレン酢酸ビニル系エラストマー(バイエルホールディング株式会社、商品名「レバプレン」)などが挙げられる。
【0024】
<尿素>
尿素は、ほ乳類動物の尿から発見され「尿素」と命名された。尿素は、畑作や稲作での優良な窒素肥料として、あるいはホルムアルデヒドと共重合され尿素樹脂(ウレア樹脂)用の原材料として大量に合成され、市販されている。
本発明に用いる尿素の入手方法としては、特に制限はなく、ほ乳類動物の尿から精製したものを使用してもよいし、適宜合成したものを使用してもよく、市販品を使用してもよい。これらの中でも、市販品を用いることが簡便であるため好ましい。本願発明において、前記尿素は、精製された純度の高いものでなくてもよいため、コスト的に有利である。
【0025】
前記難燃性組成物中の前記尿素の含有量は、前記ポリマー100質量部に対し、20質量部〜70質量部であるが、30質量部〜50質量部が好ましい。前記尿素の含有量が、20質量部未満であると、難燃性を付与できないことがあり、70質量部を超えると、前記ポリマーの物性が劣化することや、成形加工性が悪くなることがある。
【0026】
<有機酸アンモニウム塩及び/又は無機酸アンモニウム塩>
<<有機酸アンモニウム塩>>
前記有機酸アンモニウム塩は、アンモニアと有機酸との結合によって生じる塩である。
前記有機酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、脂肪族有機酸、芳香族有機酸、及びこれらの複合体のいずれかが好ましい。
【0027】
−脂肪族有機酸−
前記脂肪族有機酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アジピン酸、コハク酸、マロン酸、酒石酸などが挙げられるが、有機酸アンモニウム塩とした場合に潮解性のないものが好ましい。
【0028】
−芳香族有機酸−
前記芳香族有機酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、ベンゼントリカルボン酸などが挙げられる。
【0029】
これらの中でも、前記有機酸アンモニウム塩は、脂肪族有機酸と、アンモニアとからなる塩が好ましく、多価カルボン酸と、アンモニアとからなる塩が、多くのエラストマー、熱可塑性樹脂等のポリマーと相溶性が認められ、特に、熱可塑性ポリエステル系樹脂及びエステル結合と類似結合をもつ熱可塑性カーボネート系樹脂と良好な相溶性が認められる点で好ましい。
【0030】
前記多価カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジカルボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸などが挙げられる。
前記ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、キノリンジカルボン酸、カルボキシ桂皮酸、カルボキシフェニル酢酸、ナフタレンジカルボン酸、フランジカルボン酸などが挙げられる。
前記トリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニトリル三酢酸、ピリジントリカルボン酸、アコニット酸などが挙げられる。
前記テトラカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジオキシビスエチルアミン四酢酸などが挙げられる。
【0031】
なお、前記有機酸としては、ヘテロ環化合物を用いてもよい。前記ヘテロ環化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニコチン酸、フランカルボン酸、チオフェンカルボン酸などが挙げられる。
【0032】
前記有機酸アンモニウム塩は、1種単独で含有されていてもよく、2種以上が含有されていてもよいが、2種以上の有機酸アンモニウム塩が含有されていることが、優れた難燃性が得られる点で好ましい。
【0033】
前記有機酸アンモニウム塩の具体例としては、クエン酸水素アンモニウム、酢酸アンモニウム、アミド硫酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、蓚酸アンモニウム、重蓚酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウム、コハク酸アンモニウムなどが挙げられる。
【0034】
<<無機酸アンモニウム塩>>
前記無機酸アンモニウム塩は、アンモニアと無機酸との結合によって生じる塩である。
前記無機酸アンモニウム塩の具体例としては、硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム、フッ化アンモニウム、塩化アンモニウム、燐酸アンモニウム、メタ燐酸アンモニウムなどが挙げられる。
【0035】
前記無機酸アンモニウム塩は、1種単独で含有されていてもよく、2種以上が含有されていてもよいが、2種以上の無機酸アンモニウム塩が含有されていることが、優れた難燃性が得られる点で好ましい。
また、少なくとも2種の有機酸アンモニウム塩と、少なくとも2種の無機酸アンモニウム塩を含有することが、より優れた難燃性が得られる点で好ましい。
【0036】
前記難燃性組成物中の前記有機酸アンモニウム塩及び無機酸アンモニウム塩の少なくともいずれかの含有量は、前記ポリマー100質量部に対し、10質量部〜70質量部であるが、20質量部〜60質量部が好ましく、40質量部〜50質量部がより好ましい。前記有機酸アンモニウム塩及び無機酸アンモニウム塩の少なくともいずれかの含有量が、10質量部未満であると、難燃性を付与できないことがあり、70質量部を超えると、前記ポリマーの物性が劣化することや、成形加工性が悪くなることがある。
【0037】
<その他の成分>
前記難燃性組成物中の前記その他の成分としては、特に制限はなく、公知の添加剤の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、繊維、鉱物、抗菌剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0038】
−繊維−
前記繊維としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、ウィスカー等の無機繊維;ケブラー繊維等の有機繊維などが挙げられる。
【0039】
−鉱物−
前記鉱物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、タルク、マイカ、ウォラストナイト、クレー、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
【0040】
<難燃性組成物の調製方法>
前記難燃性組成物の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ポリマー中に、前記難燃剤(前記尿素、並びに前記有機酸アンモニウム塩及び無機酸アンモニウム塩の少なくともいずれか)を添加する方法などが挙げられる。
前記難燃剤を前記ポリマー中に添加する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記難燃剤を直接ポリマーに加えてもよいし、対象となるポリマー中に前記難燃剤を予め高濃度に混合した混合物(マスターバッチ)を調製して加えてもよい。
【0041】
<成形方法>
前記難燃性組成物の成形の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、フィルム成形、押出成形、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、トランスファ成形、カレンダ成形、熱成形、流動成形、積層成形等の方法などが挙げられる。
【0042】
<メカニズム>
前記難燃性組成物は、ポリマーの一次構造と、配位結合や水素結合等で結合し、見掛け上架橋反応を起こすことによって、該ポリマーの構成分子がネットワークを構成し、燃焼時の加熱に耐え、発生する可燃性燃焼ガスが低減することで該ポリマーの燃焼を抑制し難燃化できることが推察される。
即ち、ポリマーの燃焼は、該ポリマーが不均一熱分解することにより、低分子化合物が可燃性燃焼ガスとして発生し、前記可燃性燃焼ガスが空気中の酸素と連続反応することによって燃焼が継続するが、前記ポリマー中に、尿素、並びに有機カルボン酸アンモニウム塩及び無機酸アンモニウム塩の少なくともいずれかが付与されることにより、見掛け上、前記ポリマーの分子量がより大きくなるため、熱分解する際に発生する可燃性燃焼ガスが低減し、前記ポリマーの燃焼が効果的に抑制され、難燃性を付与し得るものと推測される。
【0043】
<用途>
本発明の難燃性組成物は、難燃性及び成形性に優れ、各種形状、構造、大きさの成形体とすることができるため、例えば、パソコン、プリンター、テレビ、ステレオ、コピー機、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、ステレオ等の各種家電OA製品の部品として幅広く用いることができる。
【実施例】
【0044】
以下に本発明の実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0045】
(実施例1)
<難燃性組成物の調製>
ポリマーとしてのニトリルブタジエンゴム(NBR)(商品名:ニポール2850、日本ゼオン株式会社製)100質量部に対し、尿素(ナカライテスク株式会社製)45質量部、及びクエン酸アンモニウム(Aq)としてのクエン酸水素二アンモニウム(試薬1級、ナカライテスク株式会社製)45質量部を添加した。これを所定量計量して混練機(Rheocord RC300P(独国製)、HAAKE社製)に投入し、加硫剤として粉末硫黄、酸化亜鉛を所定量添加し、回転数20rpm、30℃で混練し、10分間後に取り出し、実施例1の難燃性組成物を調製し、下記に示す方法で燃焼試験を行った。結果を表1に示す。
【0046】
<<燃焼試験>>
難燃性組成物をニッパなどで粗く切断し、ポリプロピレン製100mL容器に入れ、トルエンを溶剤として約3時間振騰機で溶解した。これをドクターブレードにてポリイミドフィルムに塗布し、面積50mm×200mm程度、ゴム層の厚み0.30mm±0.05mmのシート状の試験片を作製した。
得られた試験片を直径約10mmの筒状にして、UL94の燃焼試験機内で、10mmのメタン炎で5秒間接炎着火した。ガスバーナーを遠ざけた瞬間から炎が消えるまでの時間を燃焼時間として測定した。
なお、この燃焼試験は、難燃性の確認のための試験であり、UL−94試験に全てが準拠しているわけではない。
【0047】
(比較例1)
実施例1の難燃性組成物の調製において、尿素及びクエン酸アンモニウム(Aq)を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の難燃性組成物を調製し、実施例1と同様の方法で燃焼試験を行った。結果を表1に示す。
【0048】
(比較例2〜3)
実施例1の難燃性組成物の調製において、尿素を添加せず、クエン酸アンモニウム(Aq)を下記表1に示す各種アンモニウム塩に変えたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2〜3の難燃性組成物を調製し、実施例1と同様の方法で燃焼試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0049】
(実施例2〜16)
実施例1の難燃性組成物の調製において、クエン酸アンモニウム(Aq)を、下記表1に示す各種アンモニウム塩に変えたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜16の難燃性組成物を調製し、実施例1と同様の方法で燃焼試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0050】
【表1】

【0051】
表1において、アンモニウム塩の略式記号は、下記表2に示す意味を表す。また、各種アンモニウム塩のメーカー名及びグレードも併せて表2に示す。
【0052】
【表2】

【0053】
表1の結果から、ポリマーとしてのニトリルブタジエンゴム(NBR)に、尿素、及び有機アンモニウム塩又は無機アンモニウム塩をそれぞれ添加した実施例1〜16は、尿素及び/又はアンモニウム塩を添加しなかった比較例1〜3に比べて、燃焼時間が大きく減少することが認められ、難燃性を有することがわかった。
【0054】
(実施例17〜24)
実施例1の難燃性組成物の調製において、ポリマーとして、ニトリルブタジエンゴム(NBR)に代えて、下記表3に示す各種ゴム又は熱可塑性エラストマーを用い、クエン酸水素アンモニウム(Aq)の添加量を30質量部に変えたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例17〜24の難燃性組成物を調製し、実施例1と同様の方法で燃焼試験を行った。結果を併せて表3に示す。
【0055】
(比較例4〜11)
実施例17〜24の難燃性組成物の調製において、尿素及びアンモニウム塩を添加しなかったこと以外は、実施例17〜24と同様にして、比較例4〜11の難燃性組成物を調製し、実施例1と同様の方法で燃焼試験を行った。結果を表3に示す。
【0056】
【表3】

【0057】
表3において、ゴム又は熱可塑性エラストマーの略式記号は、下記表4に示す意味を表し、アンモニウム塩の略式記号は表2と同じ意味を表す。また、各ゴム又は熱可塑性エラストマーのメーカー名、商品名、及びグレードも併せて表4に示す。
【0058】
【表4】

【0059】
表3の結果から、基本となるポリマーのゴム又は熱可塑性エラストマーの種類が異なっていても、優れた難燃性を有することがわかった。
【0060】
(実施例25〜29、比較例12〜13)
下記表5に示す熱可塑性樹脂を15g用い、これを100質量部として、尿素(ナカライテスク株式会社製)、及びクエン酸アンモニウム(Aq)(試薬1級、ナカライテスク株式会社製)を下記表5に示す添加量で添加した。これを粗く混ぜ合わせ、実施例25〜29及び比較例12〜13の難燃性組成物を調製し、下記に示す方法で燃焼試験を行った。結果を併せて表5に示す。
【0061】
<<燃焼試験>>
難燃性組成物の上下にポリイミドフィルムを配置し、下記表6に示す熱可塑性樹脂の種類に応じた温度に調節した熱プレス機(ミニプレス・10型、東洋精機株式会社製)を用いて挟み込み、60秒間後にゲージ圧10Mpaの圧力で10秒間プレスした後、取り出して冷却し、直径80mm程度で厚さ0.4mm〜0.6mmの円盤状の難燃性組成物の試験片を作製した。
得られた試験片を垂直に立てガスバーナーで着火し、燃焼状況を観察し、下記基準で評価した。
なお、この燃焼試験は難燃性の確認のための試験であり、UL−94試験に全てが準拠しているわけではない。
〔評価基準〕
○:燃焼時間が15秒間以下
▲:消えそうで消えなかった
△:ゆっくり燃えた
×:全焼及びドリップ炎のいずれかを確認した
【0062】
(比較例14〜18)
実施例25〜29において、尿素及びアンモニウム塩を添加しなかったこと以外は、実施例25〜29と同様の方法で比較例14〜18の難燃性組成物を作製し、実施例25〜29と同様の方法で燃焼試験を行った。結果を表5に示す。
【0063】
(比較例19〜22)
実施例25〜29において、尿素を添加せず、クエン酸アンモニウム塩(Aq)を下記表5に示す種類のアンモニウム塩に変え、表5に示す添加量に変えたこと以外は、実施例25〜29と同様の方法で比較例19〜22の難燃性組成物を作製し、実施例25〜29と同様の方法で燃焼試験を行った。結果を併せて表5に示す。
【0064】
【表5】

【0065】
表5において、熱可塑性樹脂の略式記号は、下記表6に示す意味を表し、アンモニウム塩の略式記号は表2と同じ意味を表す。また、各熱可塑性樹脂のメーカー名、商品名、グレード、及びプレス温度も併せて表6に示す。
【0066】
【表6】

【0067】
表5の結果から、ポリカーボネート、ポリ乳酸、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどに極めて優れた難燃性を与えることができることがわかった。
一方、ABSやPSといったポリマーに難燃性を与えることはできなかった。これは、前記メカニズムの通り、ABSやPSといったポリマーは極性が極めて小さいため、難燃剤とポリマーの構成分子とがネットワークを形成できず、難燃性が得られないことによるものと推察される。
【0068】
(実施例30〜39)
実施例1の難燃性組成物の調製において、ポリマー、尿素、及びアンモニウム塩を、下記表7に示す種類及び添加量に変えたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例30〜39の難燃性組成物を調製し、実施例1と同様の方法で燃焼試験を行った。結果を併せて表7に示す。
なお、表7において、ポリマーの略式記号は表4と同じ意味を表し、アンモニウム塩の略式記号は表2と同じ意味を表す。
【0069】
【表7】

【0070】
表7の結果から、複数種類のアンモニウム塩を組み合わせることによっても効果的な難燃性を付与することができることがわかった。
【0071】
(実施例40〜43)
実施例25〜29の難燃性組成物の調製において、熱可塑性樹脂、尿素、及びアンモニウム塩を、下記表8に示す種類及び添加量に変えたこと以外は、実施例25〜29と同様にして、実施例40〜43の難燃性組成物を調製し、実施例25〜29と同様の方法で燃焼試験を行った。結果を表8に示す。
なお、表8において、熱可塑性樹脂の略式記号は表6と同じ意味を表し、アンモニウム塩の略式記号は表2と同じ意味を表す。
【0072】
【表8】

【0073】
表8の結果から、複数種類のアンモニウム塩を組み合わせることによっても効果的な難燃性を付与することができることがわかった。
【0074】
(実施例44〜48)
実施例1の難燃性組成物の調製において、アンモニウム塩を、下記表9に示す組合せにして用い、尿素及び/又はアンモニウム塩の添加量を、下記表9に示す添加量に変えたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例44〜48の難燃性組成物を調製し、実施例1と同様の方法で燃焼試験を行った。結果を表9に併せて示す。
【0075】
(比較例23〜27)
実施例44〜48の難燃性組成物の調製において、アンモニウム塩の添加量を下記表9に示す添加量に変えたこと以外は、実施例44〜48と同様にして、比較例23〜27の難燃性組成物を調製し、実施例1と同様の方法で燃焼試験を行った。結果を表9に併せて示す。
【0076】
(実施例49〜52)
実施例44〜48の難燃性組成物の調製において、尿素の添加量を下記表9に示す添加量に変えたこと以外は、実施例44〜48と同様にして、実施例49〜52の難燃性組成物を調製し、実施例1と同様の方法で燃焼試験を行った。結果を表9に併せて示す。
【0077】
(比較例28〜31)
実施例44〜48の難燃性組成物の調製において、尿素及びアンモニウム塩の添加量を下記表9に示す添加量に変えたこと以外は、実施例44〜48と同様にして、比較例28〜31の難燃性組成物を調製し、実施例1と同様の方法で燃焼試験を行った。結果を表9に併せて示す。
なお、表9において、ポリマーの略式記号は表4と同じ意味を表し、アンモニウム塩の略式記号は表2と同じ意味を表す。
【0078】
【表9】

表9において、「*」は、試料作製が困難又は不可のため、評価不可であったことを表す。
【0079】
表9の結果から、尿素、並びに有機アンモニウム塩及び無機アンモニウム塩の少なくともいずれかの量が少なすぎると適切な難燃効果が得られず、多すぎるとポリマーの物性が低下することや、成形加工ができなくなることがわかった。従って有機アンモニウム塩及び無機アンモニウム塩の少なくともいずれかを、10質量部〜70質量部、好ましくは20質量部〜60質量部、更に好ましくは40質量部〜50質量部含有し、同時に尿素が20質量部〜70質量部、好ましくは30質量部〜50質量部を含有することで、優れた難燃性が得られることがわかった。
【0080】
表1〜表9の結果から、尿素と、有機アンモニウム塩及び無機アンモニウム塩の少なくともいずれかと、を含有する難燃剤を、カーボネート結合、エステル結合、及びアミド結合の少なくともいずれかを有する熱可塑性樹脂及びエラストマーの少なくともいずれかを含有するポリマーに添加することにより、該ポリマーの難燃性を効果的に抑制できることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の難燃性組成物は、難燃性及び成形性に優れ、各種形状、構造、大きさの成形体とすることができるため、例えば、パソコン、プリンター、テレビ、ステレオ、コピー機、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、ステレオ等の各種家電OA製品の部品として幅広く用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボネート結合、エステル結合、及びアミド結合の少なくともいずれかを有する熱可塑性樹脂及びエラストマーの少なくともいずれかを含有するポリマーと、尿素と、有機酸アンモニウム塩及び無機酸アンモニウム塩の少なくともいずれかと、を含有し、
前記ポリマー100質量部に対し、前記尿素の含有量が20質量部〜70質量部であり、かつ、前記有機酸アンモニウム塩及び無機酸アンモニウム塩の少なくともいずれかの含有量が10質量部〜70質量部であることを特徴とする難燃性組成物。
【請求項2】
有機酸アンモニウム塩が、脂肪族有機酸、芳香族有機酸、及びこれらの複合体のいずれかと、アンモニアとからなる塩である請求項1に記載の難燃性組成物。
【請求項3】
脂肪族有機酸が多価カルボン酸である請求項2に記載の難燃性組成物。
【請求項4】
無機酸アンモニウム塩が、硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、及びチオ硫酸アンモニウムから選択される少なくとも1種である請求項1から3のいずれかに記載の難燃性組成物。
【請求項5】
少なくとも2種の有機酸アンモニウム塩を含有する請求項1から4のいずれかに記載の難燃性組成物。
【請求項6】
少なくとも2種の無機酸アンモニウム塩を含有する請求項1から5のいずれかに記載の難燃性組成物。
【請求項7】
熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、及びポリ乳酸から選択される少なくとも1種を含有する請求項1から6のいずれかに記載の難燃性組成物。

【公開番号】特開2012−188499(P2012−188499A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51680(P2011−51680)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000221937)東北リコー株式会社 (509)
【Fターム(参考)】