説明

難燃性脱臭濾材

【課題】 脱臭粒子層の表面に不織布からなるカバー材が積層一体化した脱臭濾材において、脱臭粒子層に可燃性の樹脂が含まれていても、脱臭濾材全体が難燃性を有する難燃性脱臭濾材を提供する。
【解決手段】 平均粒径が0.147〜1.65mmである脱臭粒子3が60〜95質量%と、前記脱臭粒子3を連結する連結樹脂10、10’が40〜5質量%とからなる脱臭粒子層8の少なくとも片面に、不織布からなるカバー材5が積層一体化されており、前記カバー材5に難燃剤が含まれている難燃性脱臭濾材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱臭粒子層の表面に不織布からなるカバー材が積層一体化した濾材に関し、臭気成分で汚染された流体を濾過して清浄化するための自動車用、家庭用電気製品用、家庭用空気清浄機用および機器用などの生活環境における空調機器に装着して用いる脱臭フィルタとして好適な濾材であって、特に難燃性を必要とされる脱臭濾材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、生活環境での不快な臭気物質の除去や健康を害する物質の除去などには、様々な脱臭濾材が提案されてきた。係る脱臭濾材は、通気性が高くしかも脱臭効率が高いことが要求されており、またプリーツ形状に加工可能な機能も要求されている。このような要求に答えるものとして、本出願人は、特開平11−57467号公報及び特開平11−76747号公報の脱臭濾材、並びに特開2003−342865号公報のガス除去用濾材を提案した。これらの公報には、脱臭粒子層の表面に不織布が積層一体化した濾材が記載されており、特に脱臭粒子層としては、ホットメルト樹脂からなる連結部と樹脂凝集部とで構成されたウエブの一方の表面に、該樹脂凝集部を介して脱臭粒子を固着してなる脱臭粒子層であることが好ましいことが記載されている。
【0003】
近年になり、このような優れた性能を有する脱臭濾材を様々な分野で利用したいとする要求が強く、自動車用、家庭用電気製品用、家庭用空気清浄機用、あるいはOA機器用などの用途では、さらに優れた製品として難燃性が要求されている。そこで、前述の脱臭粒子層の表面に不織布が積層一体化した脱臭濾材を適用した場合、たとえ脱臭粒子が難燃性又は不燃性であったとしても脱臭粒子層に含まれる樹脂や、脱臭粒子層の表面に積層一体化した不織布が可燃性であるため、脱臭濾材全体として難燃性とならないという問題があった。
【0004】
【特許文献1】特開平11−57467号公報
【特許文献2】特開平11−76747号公報
【特許文献3】特開2003−342865号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題を解決し、脱臭粒子層の表面に不織布からなるカバー材が積層一体化した脱臭濾材において、脱臭粒子層に可燃性の樹脂が含まれていても、脱臭濾材全体が難燃性を有する難燃性脱臭濾材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題を解決するための手段は、図1に示すように、平均粒径が0.147〜1.65mmである脱臭粒子3が60〜95質量%と、前記脱臭粒子3を連結する連結樹脂10、10’が40〜5質量%とからなる脱臭粒子層8の少なくとも片面に、不織布からなるカバー材5が積層一体化されており、前記カバー材5に難燃剤が含まれていることを特徴とする難燃性脱臭濾材である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の難燃性脱臭濾材によって、脱臭粒子層の表面にカバー材が積層一体化した脱臭濾材において、脱臭粒子層に可燃性の樹脂が含まれていても、脱臭濾材全体が難燃性を有する難燃性脱臭濾材を提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の難燃性脱臭濾材の形態としては、例えば図1に例示するように、脱臭粒子3が60〜95質量%と、前記脱臭粒子3を連結する連結樹脂10、10’が40〜5質量%とからなる脱臭粒子層8の少なくとも片面に、不織布からなるカバー材5が積層一体化されている難燃性脱臭濾材13がある。この例では、脱臭粒子3が熱接着性の繊維からなる連結樹脂10’によって連結してシート状になった脱臭シート4の片面または両面に連結樹脂10によって不織布からなるカバー材5が貼り合されている。
【0009】
このような構造の脱臭粒子層8を得るには、例えば、通気性を有し且つ熱接着性を有する樹脂成分からなるシート状物に脱臭粒子3を保持しておき、その後、好ましくは加熱処理によって脱臭粒子3を連結する方法によって得ることができる。このような通気性を有するシート状物としては、不織布、織物、膜、ろ紙、スポンジなどの多孔質体などが挙げられ、なかでも不織布は通気性が高いので好ましい。不織布の場合は、低融点を有する成分が一成分からなる接着性繊維、或いは低融点成分を有する二成分以上からなる接着性複合繊維などを含む不織布を適用することができる。なお、本発明では上記シート状物を脱臭粒子を連結する連結樹脂としている。
【0010】
難燃性脱臭濾材の別の形態としては、例えば図2又は図3に例示するように、脱臭粒子3が60〜95質量%と、前記脱臭粒子3を連結する連結樹脂1、1’、10、又は10’が40〜5質量%とからなる脱臭粒子層8の少なくとも片面に、不織布からなるカバー材5が積層一体化されている難燃性脱臭濾材13がある。この例では、脱臭粒子3が連結樹脂1、1’、10、又は10’によって連結してシート状になった脱臭シート4に、不織布からなるカバー材5が積層一体化されている。より具体的には、ホットメルト樹脂からなる連結部1と樹脂凝集部2とで構成されたウエブの一方の表面に、樹脂凝集部2を介して脱臭粒子3が固着されている。
【0011】
難燃性脱臭濾材のさらに別の形態としては、例えば図4に例示するように、脱臭粒子3が60〜95質量%と、前記脱臭粒子3を連結する連結樹脂1、1’、10、又は10’が40〜5質量%とからなる脱臭粒子層8の少なくとも片面に、不織布からなるカバー材5及び5’が積層一体化されている難燃性脱臭濾材13がある。この例では、脱臭粒子3及び3’が連結樹脂1、1’、10、又は10’によって連結してシート状になった脱臭シート4と4’とが積層されており、さらにこの積層物に、不織布からなるカバー材5及び5’が連結樹脂1、1’、10、又は10’によって積層一体化されている。より具体的には、複数の積層単位4で構成され、積層単位4がホットメルト樹脂から成る連結部1と樹脂凝集部2とで構成されたウエブの一方の表面に、樹脂凝集部2を介して脱臭粒子3を固着してなり、該ウエブの他方の表面と、他の積層単位4’を構成する脱臭粒子3’とが樹脂凝集部2”を介して固着している。
【0012】
また、このような構造の難燃性脱臭濾材を得る方法としては、例えば、図4に示すように積層単位4が2層以上である場合は、ホットメルト不織布10の表面に脱臭粒子3を配した後、加熱処理によって該ホットメルト不織布と該脱臭粒子とが接する部分に樹脂凝集部2を形成し、かつ樹脂凝集部2とホットメルト樹脂からなる連結部1とからなるウエブを形成する第一の工程と、該脱臭粒子のうち、該ウエブに固着された脱臭粒子のみを残存せしめて積層単位4を形成する第二の工程と、積層単位4の脱臭粒子3に接してホットメルト不織布10”を積層し、続いて、ホットメルト不織布10”の表面に脱臭粒子3’を配した後、前記第一の工程と前記第二の工程とを順次行う方法がある。なお、ホットメルト不織布10のかわりに、不織布5及び5’にホットメルト不織布を付着させたシートを用いることにより、不織布からなるカバー材5及び5’を積層一体化した難燃性脱臭濾材13とすることができる。
【0013】
難燃性脱臭濾材のさらに別の形態としては、例えば脱臭粒子が熱融着性の連結樹脂で互いに接合されてシート状となった脱臭粒子層の少なくとも片面に、不織布からなるカバー材が積層一体化されている難燃性脱臭濾材がある。このような構造の脱臭粒子層を得るには、例えば、脱臭粒子と熱融着性の樹脂粉末とを混合した後、カバー材に挟持して、加熱処理によって難燃性脱臭濾材とする方法がある。
【0014】
上述の、図2〜図4の形態であれば、特に低圧力損失でしかも脱臭粒子の表面が有効に利用されるので優れた脱臭効率を呈することができる。また、このような構造を有する難燃性脱臭濾材はプリーツ加工がし易く、フィルターの枠体に設置してユニット化する場合、ユニット加工も容易であるので好ましい。
【0015】
本発明に適用される脱臭粒子は、生活環境での不快な臭気物質の除去などに用いる、ガス状物質を吸着したり、ガス状物質を吸着しやすい物質に変化させたりすることのできる固体粒子である。このような脱臭粒子としては、例えば活性炭や、これに酸性ガス又は塩基性ガスなどを除去できる数々の化学成分を付加した添着炭、ゼオライト、種々の化学吸着剤、イオン交換樹脂、光触媒などの触媒などがあり、これらの中から一種又は二種以上を適宜選択することができる。また、このうち例えば活性炭を選択した場合は比表面積が200m/g以上の多孔質のものが好ましく、500m/g以上のものがより好ましい。また、脱臭粒子の粒径は、高効率と低圧損とを共に実現するために平均粒径を0.147mm(100メッシュ)以上1.65mm(10メッシュ)以下とすることが好ましく、平均粒径を0.29mm(50メッシュ)以上0.84mm(20メッシュ)以下とすることがより好ましい。平均粒径が0.147mm(100メッシュ)よりも細かい平均粒径の脱臭粒子を用いると、初期の脱臭効率を高く採れる反面、圧力損失が大きくなってしまうという問題が生じる場合がある。本発明では脱臭粒子に難燃剤が付着などにより含まれていることが可能であるが、脱臭機能を有効に働かすことを考慮すると難燃剤が含まれていないことが好ましい。
【0016】
本発明に適用される脱臭粒子層は、脱臭粒子が60〜95質量%と、脱臭粒子を連結する連結樹脂が40〜5質量%とからなるが、脱臭粒子が70〜92質量%と、脱臭粒子を連結する連結樹脂が30〜8質量%とからなることが好ましく、脱臭粒子が80〜90質量%と、脱臭粒子を連結する連結樹脂が20〜10質量%とからなることがより好ましい。脱臭粒子が60質量%未満の場合、脱臭効率が低下するという問題がある。また、難燃性が低下するという問題がある。また、連結樹脂が5質量%未満の場合、脱臭粒子を充分に連結することができずに、脱臭粒子が脱落するという問題がある。このように、本発明では、脱臭粒子層において脱臭粒子の質量比率が比較的高くなっていることが特徴となっている。また、脱臭粒子層の厚さや質量などは特に限定されるものではないが、形状がシート状となっているものが好ましく、厚さは、0.3mm〜5mmが好ましく、0.5mm〜3mmが更に好ましい。厚さが0.3mmより少ないと、脱臭性能が低下する場合があり、厚さが5mmより多いと、カバー材が破損する場合がある。
【0017】
本発明の難燃性脱臭濾材は、前記脱臭粒子層の少なくとも片面に、不織布からなるカバー材が積層一体化されている。この不織布からなるカバー材は、脱臭粒子を保持し且つプリーツ加工が可能な脱臭粒子層の上流側に貼り合せて使用するカバー材であり、このようなカバー材としては例えば図1〜図4の難燃性脱臭濾材13に例示するように、脱臭粒子層8の片面に積層一体化されるカバー材5がある。また、例えば、脱臭粒子が熱融着性の樹脂で互いに接合されてシート状となった脱臭粒子層の少なくとも片面に積層一体化されるカバー材がある。
【0018】
前記カバー材は不織布からなるが、このような不織布としては、有機質繊維などからなる不織布であれば特に限定されることはなく、例えば繊維長15〜100mmの、捲縮数5〜30個/インチを有する通常ステープル繊維と呼ばれる繊維をカード機などを使用して、繊維ウエブに形成した後、繊維同士を接着や交絡などによって結合する、一般的に乾式法と呼ばれる製法によって得られる不織布がある。また、乾式法に限らずに任意の不織布製法により、例えば湿式法又はスパンボンド法などによって形成される不織布を適用することができる。また、潜在捲縮性の繊維を用いてウエブ又は不織布とした後に、加熱処理によって潜在捲縮性の繊維の捲縮を発現させて得られる不織布であってもよい。また、例えば、スパンボンド法による長繊維からなる不織布であっても、繊維が2成分以上の繊維形成性重合体の樹脂が例えばサイドバイサイド型に形成されており、そのうち少なくとも一成分が加熱により、他の成分より熱収縮することにより、繊維全体が捲縮を発現させて得られる不織布であってもよい。
【0019】
前記不織布を構成する繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系繊維、ポリビニルアルコール繊維および合成パルプなどの合成繊維に限らず、レーヨンなどの半合成繊維、あるいは綿およびパルプ繊維などの天然繊維をあげることができる。また、合成繊維に難燃剤を練り込んだ繊維をあげることができる。また、繊維は実質的にハロゲン元素を含有しない重合体から形成された繊維であることが好ましい。
【0020】
なお、前記カバー材は、熱可塑性合成繊維のみからなる繊維ウエブを部分的に熱接着して得ることも可能であり、また、熱可塑性合成繊維と熱接着性繊維とを含む繊維ウエブか、或いは熱接着性繊維のみの繊維ウエブを加熱処理して繊維同士を接着することによって得ることができる。このような熱接着性繊維としては、例えば他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる単一樹脂成分からなる繊維や、他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる低融点成分を繊維表面に有する複合繊維がある。このような複合繊維には、その横断面形状が例えば、低融点成分を繊維表面に有する芯鞘型やサイドバイサイド型などの複合繊維があり、またその材質は例えば、共重合ポリエステル/ポリエステル、ポリブチレン/ポリエステル、共重合ポリブチレン/ポリエステル、共重合ポリプロピレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリアミド、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエステル、ポリエチレン/ポリエステルなどの繊維形成性重合体の組み合わせからなる複合繊維がある。また、該熱接着性繊維の全体の繊維に占める割合は好ましくは10重量%以上であり、更に好ましくは20重量%以上である。
【0021】
前記カバー材は、捲縮繊維を有する不織布の場合、厚さの大きい不織布となり、繊維組織が密であっても表面濾過とならず、粗塵の保持容量が多くなり目詰まりし難く、脱臭性能が向上するので好ましい。また、前記カバー材は、捲縮繊維を有する不織布の場合、カバー材と脱臭粒子層とを貼り合わせた難燃性脱臭濾材をプリーツ状に折り曲げたときに、プリーツの折り山のRを小さくして鋭角にしても、カバー材の有する捲縮繊維が部分的に伸びることができ、プリーツの折り山部分でカバー材が破れてしまうという危険を防ぐことも可能であり好ましい。
【0022】
前記カバー材は、脱臭粒子を保持し且つプリーツ加工が可能な脱臭粒子層の上流側に貼り合せて使用するカバー材であるので、通風時の脱臭粒子の脱落や折り曲げによる脱臭粒子の脱落を防ぐと共に脱臭粒子層の脱臭効率を維持しながら、通気抵抗を少なくすることが好ましい。このため、前記カバー材の面密度は10g/m以上であることが好ましく、より好ましくは、15〜60g/mであり、更に好ましくは15〜40g/mである。面密度が10g/m未満であると、脱臭粒子の脱落を防ぐことができなくなる場合がある。また、面密度が60g/mを超えると通気抵抗が高くなったり、カバー材と脱臭粒子層とを貼り合わせた難燃性脱臭濾材をプリーツ状に折り曲げたときに、プリーツの折り山のRを小さくして鋭角にすることができなくなる場合がある。
【0023】
また、前記カバー材は面風速0.5m/秒における圧力損失が30Pa以下であることが好ましく、より好ましくは、20Pa以下であり、更に好ましくは15Pa以下である。圧力損失が30Paを超えると、カバー材と脱臭粒子層とを貼り合わせた難燃性脱臭濾材の圧力損失が高くなりすぎて、目的とする脱臭性能を得ることができないばかりか、埃によって目詰まりして目的とする脱臭性能を得ることができなくなる場合がある。
【0024】
また、前記カバー材の厚さは0.1〜1.0mmが好ましく、0.1〜0.5mmがより好ましい。厚さが0.1mm未満であると、カバー材の繊維組織が密となり、そのため表面濾過となり、カバー材による粗塵の粉塵保持容量が少なくなり、脱臭エレメントの目的とする脱臭性能を得ることができなくなる場合がある。また、厚さが0.5mmを超えると、カバー材の濾過効率が低下して、脱臭粒子の層に多くの粗塵が堆積するので、脱臭性能が低下する場合がある。尚、厚さはJIS L1913−1998一般短繊維不織布試験方法6.1A法に準じて測定した値である。
【0025】
また、前記カバー材の引張強度(破断強度)はタテ方向とヨコ方向の平均で2〜100N/5cm幅が好ましく、5〜70N/5cm幅がより好ましく、15〜50N/5cm幅が更に好ましい。引張強度が2N/5cm幅未満であると、カバー材が脱臭粒子の脱落を十分に防ぐことができなかったり、カバー材の使用時に破損する場合がある。引張強度が100N/5cm幅を超えると、カバー材と脱臭粒子層とを貼り合わせた難燃性脱臭濾材をプリーツ状に折り曲げるのが困難であったり、プリーツ状に折り曲げるときに、プリーツの折り山のRを小さくして鋭角にすることができなくなる場合がある。尚、引張強度(破断強度)はJIS L1913−1998一般短繊維不織布試験方法6.3に準じて測定した値である。
【0026】
また、前記カバー材の引張伸度(破断時の伸度)はタテ方向とヨコ方向の平均で3〜30%が好ましく、5〜20%がより好ましく、8〜15%が更に好ましい。引張伸度が3%未満であると、カバー材と脱臭粒子層とを貼り合わせた難燃性脱臭濾材をプリーツ状に折り曲げたときに、プリーツの折り山のRを小さくして鋭角にしようとすると、プリーツの折り山部分でカバー材が破れてしまう場合がある。引張伸度が30%を超えると、カバー材の使用時にカバー材に伸びが生じて、脱臭粒子の脱落を十分に防ぐことができなくなるという場合がある。尚、引張伸度(破断時の伸度)はJIS L1913−1998一般短繊維不織布試験方法6.3に準じて測定した値である。
【0027】
前記カバー材には難燃剤が含まれている。難燃剤としては、特に限定されることなく、無機系の難燃剤及び有機系の難燃剤のいずれも適用可能であり、例えば有機ハロゲン系の難燃剤なども適用できるが、環境に与える影響から考慮して非ハロゲン系難燃剤が好ましい。非ハロゲン系難燃剤としては、無機系の難燃剤及び有機系の難燃剤のいずれも適用可能である。
【0028】
無機系の非ハロゲン系難燃剤としては、例えば水和金属化合物、水和シリケート化合物、リン系化合物、窒素系化合物、硼素系化合物、アンチモン系化合物等を適用することができる。水和金属化合物には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミン酸カルシウム等があり、リン系化合物には赤リン、メタリン酸アルミニウム、リン酸メラミン、リン酸マグネシウム、縮合リン酸アミドがあり、窒素系化合物にはリン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、モリブデン酸アンモニウムがあり、硼素系化合物にはホウ酸亜鉛があり、アンチモン系化合物には酸化アンチモンがあり、その他各種金属酸化物には水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムがあり、その他各種金属硝酸塩、各種金属錯体等を適用することができる。これらのうち特に、難溶性のメタリン酸アルミニウム、リン酸メラミン、リン酸マグネシウム、縮合リン酸アミドなどのリン系難燃剤、あるいは難溶性の水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどが好適である。
【0029】
また、有機系の非ハロゲン系難燃剤としては、例えばNメチロールジメチルホスホノプロピオンアミド、ポリリン酸カルバメート、グアニジン誘導体リン酸塩、環状ホスホン酸エステル、リン酸メラミンなどのリン系難燃剤を適用することができる。
【0030】
本発明では、前記難燃剤がカバー材を構成する不織布に含まれているが、このような態様としては、例えば前記難燃剤がカバー材を構成する繊維自体に、例えば繊維の紡糸時に練り込みによって含まれていることが可能であり、また不織布を結合しているバインダー中に含まれていることも可能であり、あるいは不織布の後加工によって、例えば難燃剤をバインダーなどによって不織布に付着することによって含まれていることも可能である。また、これらの態様が組合わされた態様をとることも可能である。これらの態様のうち、特に不織布の後加工による態様が、多品種の難燃性脱臭濾材を製造する上で効率的な有利性があり好ましい。
【0031】
前記カバー材には前記難燃剤が、カバー材の質量100%に対して、好ましくは、5〜50質量%含まれている。より好ましくは、前記難燃剤が10〜40質量%含まれており、さらに好ましくは、15〜35質量%含まれている。5質量%未満では、難燃性脱臭濾材全体としての難燃性が不十分となる場合があり、50質量%を超えると、難燃剤を不織布に固定することが困難となり、難燃剤が脱落したり、カバー材の強度が不足するなどの問題を生じる場合がある。
【0032】
不織布を結合しているバインダー、あるいは不織布の後加工により付着しているバインダーとしては、アクリル酸エステル系接着剤、SBR系接着剤、NBR系接着剤、尿素樹脂系接着剤、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどをあげることができるが、実質的にハロゲン元素を含まない、アクリル酸エステル系接着剤、SBR系接着剤、NBR系接着剤、尿素樹脂系接着剤などが好ましい。また、これらの接着剤に難燃剤を含有させることが可能である。
【0033】
具体的には、例えばバインダー樹脂液として、粉末状の非ハロゲン系難燃剤を液体中に懸濁させたスラリーと、実質的にハロゲン元素を含有しない接着剤溶液とを混合したバインダー樹脂液を準備する。スラリーは、一般的に、非ハロゲン系難燃剤20〜80質量%と水80〜20質量%とを混合し、分散安定剤を用いて、非ハロゲン系難燃剤を分散させることによって得ることができる。あるいは、液体状の非ハロゲン系難燃剤を液体中に分散させた難燃剤液と実質的にハロゲン元素を含有しない接着剤溶液とを混合したバインダー樹脂液を準備する。これらの場合、非ハロゲン系難燃剤の固形分の比率がバインダー樹脂液の固形分に対して50〜85質量%であることが好ましい。なお、バインダー樹脂液に抗菌剤、抗黴剤または撥水剤などが含まれるようにすることも可能である。
【0034】
次に、バインダー樹脂液は繊維ウエブ、あるいは不織布に、従来公知の浸漬法、スプレー法、泡含浸法などによって付与することができる。その後、熱風乾燥機や赤外線乾燥機等の乾燥機で乾燥することによって、バインダー樹脂で構成繊維相互間が結合された不織布よりなるカバー材、あるいはバインダー樹脂が付着加工されたカバー材が得られるのである。なお、バインダー樹脂液の付与量は、バインダー樹脂液中の固形分が15〜60質量%で、ウエブ又は不織布が75〜40質量%程度になるようにするのが好ましい。
【0035】
前記カバー材は脱臭粒子層の上流側に例えば貼り合せることにより積層一体化が可能であるが、前記カバー材に熱接着性樹脂が付着していると、積層一体化工程でのトラブルが少なくなるので好ましい。このような熱接着性樹脂の付着形態としては、例えばペースト状の熱可塑性樹脂をドット状にプリントしたもの、熱可塑性樹脂のパウダーを散布したもの、或いは熱可塑性樹脂を溶融紡糸して蜘蛛の巣状のホットメルト不織布としたものなどがある。このような熱接着性樹脂の付着量は、面密度で5〜60g/mが好ましく、10〜40g/mが更に好ましい。
【0036】
前記熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、またはポリオレフィン変性樹脂などを、各々、単独または混合して用いることができる。ここで云うポリオレフィン変性樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体、アイオノマー樹脂 (エチレン−メタクリル酸共重合体に金属を付加した感熱性樹脂)などがあげられる。また、前記ホットメルト不織布に利用できるホットメルト樹脂としては、MIが50以上500以下のものを選択するのが好ましい。この好適範囲よりも低いMIの樹脂は、加熱処理時に流動性が低く、熱処理時に、脱臭粒子の固着が不完全となることがある。更に、上記範囲よりも高い樹脂では、加熱処理時の流動性が高く、脱臭粒子の固着が不完全となることがある。なお、前記熱可塑性樹脂に難燃剤が含まれることも可能であるが、優れた接着性を得るためには難燃剤が含まれていないことが好ましい。
【0037】
前記脱臭粒子層の少なくとも上流側に、前記カバー材を積層一体化する方法としては、例えば接着剤を用いる方法や、ホットメルト不織布又はホットメルト樹脂粒子などのホットメルト樹脂を用いて積層一体化する方法などがあり特に限定されない。カバー材と脱臭粒子層とを接着剤やホットメルト樹脂によって積層一体化するには、例えば、カバー材や脱臭粒子層の一方に接着剤やホットメルト樹脂を塗布した後、カバー材と脱臭粒子層とを積層して積層シートとし、この積層シートを加熱加工などにより積層一体化する方法や、予め熱接着性樹脂やホットメルト樹脂が付着したカバー材を作製しておいて、このカバー材と脱臭粒子層とを積層して積層シートとし、この積層シートを加熱加工などにより積層一体化する方法などがある。後者の予め熱接着性樹脂が付着したカバー材を作製しておく方法によれば、生産工程でのトラブルが少なくなる利点があり好ましい。
【0038】
本発明の難燃性脱臭濾材を用いて形成される脱臭エレメントは、前記難燃性脱臭濾材をプリーツ加工し、該難燃性脱臭濾材を枠体に装着することによって得ることができる。このような脱臭エレメントは、図5に例示するように、難燃性脱臭濾材13に、所定のピッチでプリーツ加工を施し、設計に応じた山間隔を保持するために、種々の合成樹脂、紙、または金属材料など周知の材料からなる枠体15に接着固定して、脱臭エレメント11を得ることができる。また、脱臭エレメント11は、プリーツ加工を施した難燃性脱臭濾材13をインサートした射出成型によって得ることもできる。尚、同図及び後述の実施例では、脱臭エレメントの最も一般的な形状を示したに過ぎず、濾過面を構成する形状は、例示した矩形に代えて、円形、三角形、楕円形など、脱臭エレメントを装着する機器に応じた形状とすることができる。なお、前記枠体にカバー材に含まれる難燃剤と同様の難燃剤を含ませて、脱臭エレメント全体としての難燃性を向上させることも好ましい。
【0039】
前記脱臭エレメントは、例えば自動車用途に用いる場合は、脱臭エレメントの寸法は、高さhは50〜300mmが好ましく、幅wは50〜300mmが好ましく、プリーツ深さdは15〜50mmが好ましい。また、この脱臭エレメントの面風速3.0m/秒における圧力損失は200Pa以下が好ましく、150Pa以下が更に好ましい。
【0040】
本発明の難燃性脱臭濾材は、平均粒径が0.147〜1.65mmである脱臭粒子が60〜95質量%と、前記脱臭粒子を連結する連結樹脂が40〜5質量%とからなる脱臭粒子層の少なくとも片面に、不織布からなるカバー材が積層一体化されており、前記カバー材に難燃剤が含まれている。このため、脱臭粒子層に可燃性の樹脂が含まれていても、脱臭濾材全体が難燃性を有することができる。また、その難燃性の度合いは、UL94の燃焼性試験規格HF−1に適合する難燃性を有していることが好ましく、HF−1に適合する難燃性であれば、機器用のフィルタ等として好適に使用することが可能である。
【0041】
以下、本発明の実施例につき説明するが、これは発明の理解を容易とするための好適例に過ぎず、本願発明はこれら実施例の内容に限定されるものではない。
【実施例】
【0042】
(難燃性の試験評価方法)
UL94の燃焼性試験規格に規定される試験方法によって評価を行った。
評価に際しては、各検体について、(1)23±2℃で50±5%RH(湿度)の状態に48時間曝したものと(2)70±1℃の状態に168時間曝したものとの2種類の試験片をそれぞれ5個を準備して、各試験片について、下記の項目について測定して、これらの測定値を総合評価して、各検体がどのクラスに分類されるかを判定した。
A:25mm標線と125mm標線との間の燃焼時間(秒)
ただし、炎が125mm標線まで達しない場合は接炎除去後の有炎燃焼時間(秒)
B:炎が125mm標線まで達しない場合の接炎除去後の有炎燃焼時間と無炎(グロー)燃焼時間の合計(秒)
C:燃焼速度(mm/min)
D:脱脂綿の燃焼の有無
E:燃焼距離(mm)
【0043】
(原材料調整1)
リン系難燃剤液(難溶性のポリリン酸アンモニウムが水に分散した難燃剤液:分散液濃度54%)37部と、アクリル系エマルジョン型接着剤(分散液濃度45%)4.4部と、増粘剤0.4部と、水58.2部とからなるバインダー樹脂液Aを準備した。この樹脂液の濃度は22.36%であり、この樹脂液が乾燥してなる樹脂中に含まれるリン系難燃剤の質量比率は89%である。
【0044】
(原材料調整2)
面密度20g/mのポリエステル繊維からなるスパンボンド不織布Aに、前記バインダー樹脂液Aを含浸した後、乾燥させ面密度27g/mのカバー材Bを得た。このカバー材Bは、スパンボンド不織布の繊維表面に、リン系難燃剤がアクリル系樹脂によって固定されたカバー材であり、カバー材Bには23質量%のリン系難燃剤が含まれていた。
【0045】
(原材料調整3)
熱可塑性ポリアミド系樹脂(190℃におけるメルトインデックス:80)を溶融紡糸して、面密度15g/mの蜘蛛の巣状のホットメルト不織布を形成した後、直ちに前記カバー材Bの上に積層した。ホットメルト不織布は冷却されると同時にカバー材Bに付着して、ホットメルト不織布が付着した面密度42g/mのカバー材Cを得た。
【0046】
(原材料調整4)
熱可塑性ポリアミド系樹脂(190℃におけるメルトインデックス:80)を溶融紡糸して、面密度15g/mの蜘蛛の巣状のホットメルト不織布を形成した後、直ちに前記カバー材Aの上に積層した。ホットメルト不織布は冷却されると同時にカバー材Aに付着して、ホットメルト不織布が付着した面密度35g/mのカバー材Dを得た。したがってこのカバー材Dにはリン系難燃剤は含まれていなかった。
【0047】
(原材料調整5)
熱可塑性ポリアミド系樹脂(190℃におけるメルトインデックス:80)を溶融紡糸して、面密度40g/mの蜘蛛の巣状のホットメルト不織布を形成した後、直ちに面密度30g/mのポリエステル繊維からなるスパンボンド不織布からなるカバー材Bの上に積層した。ホットメルト不織布は冷却されると同時にカバー材Bに付着して、ホットメルト不織布が付着した面密度70g/mのカバー材Eを得た。したがってこのカバー材Eにはリン系難燃剤は含まれていなかった。
【0048】
(実施例1)
図4に例示するように、原材料調整3で準備したホットメルト不織布が付着した面密度42g/mのカバー材Cのホットメルト不織布10の表面に、粒径0.3〜0.5mmに分級した市販の活性炭粒子3を面密度130g/mとなるようにして散布する。続いて、約5Kg/cmの水蒸気処理をカバー材5側(ホットメルト不織布10側)から約7秒間行い、ホットメルト不織布10を可塑化溶融して、ホットメルト樹脂からなる連結部1と樹脂凝集部2とで構成されたウエブに、樹脂凝集部2を介して活性炭粒子3を固着させた。続いて、固着した活性炭粒子以外を除去することにより、活性炭粒子3が、各々の粒径に応じて固着され、しかもカバー材5と接着された1層目の積層単位4を得た。さらに、この状態の積層単位4に面密度20g/mのホットメルト不織布10”を積層し、面密度130g/mとなるようにして活性炭粒子3’散布、水蒸気処理、並びに固着されていない活性炭の除去を経て2層目の積層単位4’を形成した。
次に原材料調整3で準備したホットメルト不織布が付着した面密度42g/mのカバー材Cである5’を、ホットメルト不織布10’側が積層単位4’に接するようにして積層単位4’の上に積層し、約5Kg/cmの水蒸気処理をカバー材5’側(ホットメルト不織布10’側)から約7秒間行い、ホットメルト不織布10’を可塑化溶融して、ホットメルト樹脂からなる連結部1’と樹脂凝集部2’とで構成されたウエブに、樹脂凝集部2’を介して活性炭粒子3’を固着させて難燃性脱臭濾材を得た。
この難燃性脱臭濾材の厚さは1.0mmであり、面密度は364g/mであり、面風速0.5m/秒における圧力損失は75Paであった。また、脱臭粒子層の構成は脱臭粒子が260g/m(83.9質量%)と、脱臭粒子を連結する連結樹脂が50g/m(16.1質量%)とからなるものであった。次に、この難燃性脱臭濾材について、UL94の燃焼性試験規格HF−1に適合するか否かの評価を行った。なお、評価の前にこの難燃性脱臭濾材を(1)23±2℃で50±5%RH(湿度)の状態に48時間曝したものと(2)70±1℃の状態に168時間曝したものとの2種類の試験片をそれぞれ5個を準備した。評価結果を表1に示す。
【0049】
(実施例2)
実施例1において、原材料調整3で準備したホットメルト不織布が付着したカバー材Cのホットメルト不織布10の表面に、活性炭粒子3を面密度160g/mとなるようにして散布したこと、および1層目の積層単位4に面密度20g/mのホットメルト不織布10”を積層し、面密度160g/mとなるようにして活性炭粒子3’散布したこと以外は実施例1と同様にして、厚さが1.2mm、および面密度が424g/mである実施例2の難燃性脱臭濾材を得た。実施例2では、脱臭粒子層の構成は脱臭粒子が320g/m(86.5質量%)と、脱臭粒子を連結する連結樹脂が50g/m(13.5質量%)とからなるものであった。実施例2の評価結果を表1に示す。
【0050】
(比較例1)
実施例1において、原材料調整3で準備したホットメルト不織布が付着した面密度42g/mのカバー材Cのかわりに、原材料調整4で準備したホットメルト不織布が付着した面密度35g/mのカバー材Dを用いたこと以外は実施例1と同様にして、厚さが1.0mm、および面密度が350g/mである比較例1の脱臭濾材を得た。比較例1では、脱臭粒子層の構成は脱臭粒子が260g/m(83.9質量%)と、脱臭粒子を連結する連結樹脂が50g/m(16.1質量%)とからなるものであった。比較例1の評価結果を表1に示す。
【0051】
(比較例2)
実施例1において、原材料調整3で準備したホットメルト不織布が付着した面密度42g/mのカバー材Cのかわりに、原材料調整5で準備したホットメルト不織布が付着した面密度70g/mのカバー材Eを用いたこと、および1層目の積層単位4に面密度40g/mのホットメルト不織布10”を積層したこと以外は実施例1と同様にして、厚さが1.1mm、および面密度が440g/mである比較例2の脱臭濾材を得た。比較例2では、脱臭粒子層の構成は脱臭粒子が260g/m(68.4質量%)と、脱臭粒子を連結する連結樹脂が120g/m(31.6質量%)とからなるものであった。比較例2の評価結果を表1に示す。
【0052】
(表1)

【0053】
表1から明らかなように、実施例1および2は、UL94の燃焼性試験規格HF−1に適合する難燃性を有しており、機器用のフィルタ等として好適な難燃性を有した難燃性脱臭濾材であった。また、カバー材に難燃剤が含まれていない比較例1および2は、UL94の燃焼性試験規格HF−1に適合する難燃性を有しておらず、機器用のフィルタ等として不適な脱臭濾材であった。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】は本発明の難燃性脱臭濾材の一例を示す断面模式図である。
【図2】は本発明の難燃性脱臭濾材の別の一例を示す断面模式図である。
【図3】は本発明の難燃性脱臭濾材の別の一例を示す断面模式図である。
【図4】は本発明の難燃性脱臭濾材の別の一例を示す断面模式図である。
【図5】は本発明の脱臭エレメントの一例および従来技術の説明に具する斜視図である。
【符号の説明】
【0055】
1,1’, 1” 連結部
2,2’ 樹脂凝集部
3,3’ 脱臭粒子
4,4’ 積層単位
5,5’ カバー材
8 脱臭粒子層
10,10’,10” ホットメルト樹脂(ホットメルト不織布)
11 脱臭エレメント
13 難燃性脱臭濾材
15 枠体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒径が0.147〜1.65mmである脱臭粒子が60〜95質量%と、前記脱臭粒子を連結する連結樹脂が40〜5質量%とからなる脱臭粒子層の少なくとも片面に、不織布からなるカバー材が積層一体化されており、前記カバー材に難燃剤が含まれていることを特徴とする難燃性脱臭濾材。
【請求項2】
前記カバー材に難燃剤が5〜50質量%含まれていることを特徴とする請求項1に記載の難燃性脱臭濾材。
【請求項3】
前記カバー材に非ハロゲン系難燃剤が含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の難燃性脱臭濾材。
【請求項4】
前記脱臭粒子および前記連結樹脂には難燃剤が含まれていないことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の難燃性脱臭濾材。
【請求項5】
難燃性がUL94の燃焼性試験規格HF−1に適合する請求項1〜4の何れかに記載の難燃性脱臭濾材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−263490(P2006−263490A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−80904(P2005−80904)
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【出願人】(000229542)日本バイリーン株式会社 (378)
【Fターム(参考)】