説明

難燃透明性共重合ポリエチレンナフタレート組成物

【課題】難燃性や透明性、さらには耐薬品性や表面硬度に優れた新規な難燃透明性ポリエチレンナフタレート樹脂を提供することにある。
【解決手段】環状ホスフィン酸誘導体からなる特定のリン化合物を共重合してなるポリエチレンナフタレート組成物であって、共重合ポリエチレンナフタレートの固有粘度が0.50dL/g以上、共重合ポリエチレンナフタレート組成物中のリン原子含有量が10000〜13000ppmであり、さらに特定のカルボアルコキシホスホン酸誘導体からなるリン化合物を共重合ポリエチレンナフタレートを構成する2価のカルボン酸に対して10〜200mmol%含有する共重合ポリエチレンナフタレート組成物によって解決することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリエチレンナフタレート樹脂を用いた溶融重合によって難燃性や透明性、さらには耐薬品性や表面硬度に優れたポリエステル重合体およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、薄型液晶テレビなどの家電製品にプラスチックを用いる研究開発が精力的に行われており、薄型液晶テレビの枠材においては成形品の難燃性や透明性、さらには耐薬品性や表面硬度が要求される。現在テレビの枠材にはポリカーボネートやアクリル系樹脂が用いられているが、ポリカーボネートは透明性や耐熱性には優れるものの耐薬品性や表面硬度が低く、これらの改善策が提案されている(例えば特許文献1〜3参照。)。アクリル系樹脂は透明性に優れているものの難燃性が低いといった問題がある(例えば特許文献4参照。)。一方で、難燃性を付与するに際して特定のリン化合物を配合したり、共重合する技術や特定の化合物を共重合することによって耐熱性を向上させることについて知られている(例えば、特許文献5〜7参照。)。しかしこれらの物性をすべて満足する樹脂はいまだ開発されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−009285号公報
【特許文献2】特開2001−207049号公報
【特許文献3】特開2010−126594号公報
【特許文献4】特開2002−080548号公報
【特許文献5】特開2000−302851号公報
【特許文献6】特開2005−194499号公報
【特許文献7】特開2001−240660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明では、難燃性や透明性、さらには耐薬品性や表面硬度に優れた新規な難燃透明性共重合ポリエチレンナフタレート組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の構造を有する難燃剤とジオールを共重合したポリエステル樹脂が難燃性や透明性、さらには耐薬品性や表面硬度に優れることを見出し、本発明を解決した。すなわち、本発明は下記式(I)で示されるリン化合物を共重合してなるポリエチレンナフタレート組成物であって、共重合ポリエチレンナフタレートの固有粘度が0.50dL/g以上、共重合ポリエチレンナフタレート組成物中のリン原子含有量が10000〜13000ppmであり、さらに下記式(II)で表されるリン化合物を共重合ポリエチレンナフタレートを構成する2価のカルボン酸に対して10〜200mmol%含有する共重合ポリエチレンナフタレート組成物である。
【0006】
【化1】

【0007】
【化2】

[上記式中、R、R及びRは、同一又は異なって炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、Xは、−CH−又は―CH(Y)を示す(Yは、ベンゼン環を示す)。]
【0008】
詳細には、ポリエチレンナフタレート部分はナフタレンジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体、さらにはエチレングリコールとを無水酢酸カルシウムおよび無水酢酸マグネシウムをもちいてエステル交換反応をせしめ、次いでホスホノ酢酸トリエチルおよび下記式(I)で示される含リン元素化合物を加えた後、チタン化合物を使用して重縮合せしめて得られる共重合ポリエチレンナフタレート組成物であることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明における共重合ポリエチレンナフタレート組成物において、共重合ポリエチレンナフタレート樹脂成形品の難燃性や透明性さらには耐薬品性や表面硬度が良好であることを特徴とする共重合ポリエチレンナフタレート組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に用いられるジカルボン酸成分としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸を主成分とするが、他の1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸が共重合されていても良い。また原料としてこれらのナフタレンジカルボン酸を用いる際には、これらのナフタレンジカルボン酸のエステル形成性誘導体を用いても良い。さらに本発明の共重合ポリエステルの特性を損なわない範囲で、ナフタレンジカルボン酸以外の他のジカルボン酸を併用することができる。例えばテレフタル酸、イソフタル酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、シュウ酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を用いてもよく、目的によって任意に選ぶことができる。本発明の共重合ポリエステルの特性を損なわない範囲とは、全酸成分に対して30モル%以下、好ましくは20モル%以下である。
【0011】
本発明に用いられるジカルボン酸のエステル形成性誘導体としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,7−ナフタレンジカルボンジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル、ジブチルエステル、ジフェニルエステルを主成分とする。しかし、本発明の共重合ポリエステルの特性を損なわない範囲で他のジカルボン酸のエステル形成性誘導体を併用することができる。例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステル、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸の低級アルキルエステル、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、シュウ酸等の脂肪族ジカルボン酸の低級アルキルエステル等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を用いてもよく、目的によって任意に選ぶことができる。低級アルキルエステルとは上述のようにジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル、ジブチルエステル、ジフェニルエステルを表す。本発明の共重合ポリエチレンナフタレートの特性を損なわない範囲とは、全ジカルボン酸のエステル形成性誘導体成分に対して30モル%以下、好ましくは20モル%以下である。
【0012】
本発明に用いられるジカルボン酸の低級アルキルエステルとしてはメチルエステルが主成分であるが、本発明の共重合ポリエステルの特性を損なわない範囲でエチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル等の1種もしくは2種以上を用いてもよく、目的によって任意に選ぶことができる。本発明の共重合ポリエステルの特性を損なわない範囲とは、全ジカルボン酸の低級アルキルエステル形成性誘導体成分に対して30モル%以下、好ましくは20モル%以下である。また、少量のトリメリット酸のような三官能性以上のカルボン酸成分を用いてもよく、無水トリメリット酸のような酸無水物を少量用いてもよい。また、乳酸、グリコール酸のようなヒドロキシカルボン酸またはそのアルキルエステル等を少量用いてもよく、目的によって任意に選ぶことができる。
【0013】
さらに、本発明の難燃透明性共重合ポリエチレンナフタレート組成物において、全酸成分を100モル%としたとき、ナフタレンジカルボン酸を含む芳香族ジカルボン酸が50モル%以上、好ましくは、55モル%以上、より好ましくは60モル%以上共重合することが望ましい。芳香環濃度を高めておくとさらに、難燃化効果が向上し、耐ブロッキング性も向上するからである。これは、ポリエチレンナフタレートが芳香族縮合系樹脂、特に酸素含有縮合系樹脂であるため、これ自体が炭化皮膜形成能力を有しており、自己消化性が発現し、さらにリン含有化合物が共重合されてあるため、これが、燃焼時に固相でリン酸、ポリリン酸となり、脱水剤として作用することによって、炭化皮膜形成が促進されることになるからと考えられる。また、芳香族ジカルボン酸を用いることにより、耐加水分解性が向上し、高温高湿度下での安定性が向上、また、高温下での弾性率が上がり、耐ブロッキング性が向上する。
【0014】
また本発明においては、これら以外の他のジオール成分としてエチレングリコールを用いる。さらに本発明の難燃透明性共重合ポリエチレンナフタレート組成物の特性を損なわない範囲で本発明のポリエステル重合体を構成するジオール成分として、エチレングリコールと、上記式(I)で表される含リン元素化合物とともに、他のジオール成分を併用することができる。このようなジオール成分としては、一般のポリエステルの原料として使用されるジオール、例えば、1,2−プロピレングリコール、トリメチレングリコール(1,3−プロパンジオ−ル)、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチルオクタンジオールなどの直鎖または分岐鎖のある脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,1−シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、2,2−ノルボルナンジメタノール、3−メチル−2,2−ノルボルナンジメタノール、2,3−ノルボルナンジメタノール、2,5−ノルボルナンジメタノール、2,6−ノルボルナンジメタノール、パーヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジメタノール、アダマンタンジメタノール、1,3−ジメチル−5,7−アダマンタンジメタノール、1,3−アダマンタンジオール、1,3−ジメチル−5,7−アダマンタンジオールなどの脂環式ジオール;ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、ナフタレンジオール、キシリレンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物(ビス−2,2−[4−β−ヒドロキシエトキシフェニル]プロパン)、ビスフェノールS、ビスフェノールSのエチレンオキシド付加物(ビス[4−β−ヒドロキシエトキシフェニル]スルホン)またはプロピレンオキシド付加物などの芳香族ジオール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリメチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのエーテルグリコールなどが挙げられる。上記ジオール成分は1種又は2種以上混合して目的によって任意に使用できる。さらに少量のグリセリンのような多価アルコール成分を用いてもよい。また少量のエポキシ化合物を用いてもよい。本発明の難燃透明性ポリエステルの特性を損なわない範囲とは、全ジオール成分に対して30モル%以下、好ましくは20モル%以下である。
【0015】
かかるジオール成分全体の使用量は、前記のナフタレンジカルボン酸もしくはナフタレンジカルボン酸のエステル形成性誘導体に対して1.5モル倍以上2.0モル倍以下であることが必要である。グリコール成分の使用量が1.5モル倍に満たない場合にはエステル化あるいはエステル交換反応が十分に進行せず好ましくない。また、2.0モル倍以上を超える場合にも、理由は定かではないが反応速度が遅くなり、過剰のグリコール成分からの副生成物(たとえばジエチレングリコール)量が大となり好ましくない。
【0016】
本発明においてエステル交換触媒成分として用いられる化合物としては、カルシウム、マンガン、亜鉛、マグネシウム、チタン化合物が挙げられるが、カルシウム・マグネシウムを組み合わせた組成が最も好ましい。カルシウム化合物の添加量は生成難燃透明性ポリエチレンナフタレート樹脂中のカルシウム含有量として、40ppm以下であることが好ましい。また、マグネシウム化合物の添加量は生成難燃透明性ポリエステル樹脂中のマグネシウム含有量として50ppm以下であることが好ましい。
【0017】
また、重合触媒としては種々の金属化合物が用いられるが、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルには三酸化アンチモンなどのようなアンチモン(Sb)化合物が安価でかつ高重合活性を持つことから広く用いられる。しかし、Sb化合物は、その一部が反応中に還元されて金属Sbやその他の異物を生成し、その結果ポリマーの色を黒ずませたり、製造工程を不安定化させたりして成形品の品質を悪化させるといった問題を抱えている。
【0018】
アンチモン化合物以外の重合触媒としては、ゲルマニウム(Ge)化合物、テトラ−n−ブトキシチタンのようなチタン(Ti)化合物が提案されている。Ge化合物は高価であるために、ポリエステルの製造コストが高くなるという問題がある。一方Ti化合物を重合触媒として使用した場合、上記のような金属Sbやその他の異物の生成が抑制され、上述の異物に対する問題は改善される。しかし、チタン化合物を重合触媒として用いた場合、ポリマーが黄色く着色されたり、溶融熱安定性が乏しかったりするといったTi化合物特有の問題がある。そこで、Ti化合物による着色や溶融熱安定性を付与するために特定のリン化合物を加えた(特開2004−175837号公報参照。)。これにより、ポリマーの着色は抑えられ、かつ溶融熱安定性が付与される。この安定剤の添加量は生成する難燃透明性ポリエチレンナフタレート組成物中のリン含有量として60ppm以上であることが好ましい。この安定剤として本願発明の難燃透明性共重合ポリエチレンナフタレート組成物に含有されるリン化合物についてはより詳細に後述する。
【0019】
本発明において重合触媒成分として用いられるチタン化合物としては、下記式(III)で表されるチタン化合物が好ましく採用される。
【0020】
【化3】

[上記式中、R、R、R及びRはそれぞれ同一若しくは異なって、アルキル基又はフェニル基を示し、mは1〜4の整数を示し、かつmが2、3又は4の場合、2個、3個又は4個のR及びRは、それぞれ同一であっても異なっていてもどちらでもよい。]
【0021】
ここで、R〜Rは炭素数1〜6個のアルキル基又はフェニル基が好ましくmは1又は2である化合物が好ましい。更に一般式(III)で表されるチタン化合物としては、具体的にはテトラアルキルチタネートが好ましく、具体的にはテトラエチルチタネート、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−t−ブチルチタネート、テトラフェニルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラベンジルチタネート、テトラフェノキシチタン、オクタアルキルトリチタネート、又はヘキサアルキルジチタネートなどが挙げられ、これらの混合チタネートとして用いても良い。これらのチタン化合物のうち、特にテトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートが好ましく、最も好ましいのはテトラ−n−ブチルチタネートである。チタン化合物の添加量は生成する難燃透明性ポリエチレンナフタレート組成物中のチタン原子含有量として、60ppm以下であることが好ましく、より好ましくは40ppm以下である。生成する難燃透明性ポリエチレンナフタレート組成物中のチタン原子量が60ppmを超える場合は共重合ポリエチレンナフタレート組成物の色調、透明性、および熱安定性が低下するために好ましくない。
【0022】
本発明においては、更に下記式(I)で表される含リン元素化合物を共重合する必要がある。
【0023】
【化4】

【0024】
本発明に用いられる共重合されるリン化合物としては、下記一般式(I)で示したリン酸エステル系の化合物である。難燃性を付与するため、本発明では下記一般式(I)で示したリン系化合物をポリエチレンナフタレートに共重合するが、リン化合物としては、ポリエステルの構成成分であるジカルボン酸かあるいはそのエステル成形性誘導体と反応してポリエステルに共重合できる化合物である。このリン化合物で最も好ましい化合物はポリエステル中の末端かあるいは側鎖にリン化合物を導入できる化合物である。
【0025】
さらに、本発明により得られる難燃透明性共重合ポリエチレンナフタレート組成物のリン原子含有量は難燃性の点から10000ppm以上であることが必要であり、10000〜13000ppmが好ましい。難燃透明性共重合ポリエチレンナフタレート組成物中のリン原子含有量が10000ppm以下であれば難燃性に劣り、13000ppm以上を超える場合には難燃性は得られるものの、反応時の添加量が増えることによって反応性の低下や、さらにはポリマーの融点さらには耐熱性が劣るとともに、透明性や表面硬度の低下も引き起こしたり、得られる成形品の色相やヘイズが悪化するため好ましくない。なおリン原子含有量をこの値の範囲にするためには、共重合ポリエチレンナフタレートの製造の際に、式(I)で表される化合物の残存率から計算される過剰量の(I)を用いることが重要となる。これによって、このリン原子含有量の範囲を達成することができる。リン原子含有量の範囲はより好ましくは11000〜13000ppm、更に好ましくは12000〜13000ppmである。
【0026】
本発明の難燃透明性共重合ポリエチレンナフタレート組成物には、ノンハロゲンで難燃性を付与するためにリン原子を有するモノマーを共重合や変性によって導入し、分子鎖中にリン原子を含むことが必須である。これらの樹脂にリン原子を導入する方法としては一般的な方法が用いられるが、その中でも特に上述のように上記式(I)で示される含リンカルボン酸のジエステル化物を共重合成分として用いる方法が重合反応性等の面より好ましい。また、それ以外にも、アルキル−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキサイド、アルキル−ビス(3−ヒドロキシカルボニルエチル)ホスフィンオキサイド等(いずれもアルキルはメチル、エチル、プロピル、ブチル等)、を用いることも好ましい。
【0027】
上述した安定剤として本願の共重合ポリエチレンナフタレート組成物に含有されるリン化合物としては、下記一般式(II)により表されるリン化合物を用いることが好ましい。
【0028】
【化5】

[上記式中、R、R及びRは、同一又は異なって炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、Xは、−CH−又は―CH(Y)を示す(Yは、ベンゼン環を示す)。]
【0029】
ここで、前記一般式(II)により表されるリン化合物としては、カルボメトキシメタンホスホン酸、カルボエトキシメタンホスホン酸、カルボプロポキシメタンホスホン酸、カルボプトキシメタンホスホン酸、カルボメトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸、カルボエトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸、カルボプロトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸若しくはカルボブトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸のジメチルエステル類、ジエチルエステル類、ジプロピルエステル類又はジブチルエステル類から選ばれることが好ましい。より具体的にはトリメチルホスホノアセテート、トリエチルホスホノアセテート(ホスホノ酢酸トリエチル)、トリプロピルホスホノアセテート、トリブチルホスホノアセテート、カルボエトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸ジメチルエステル、カルボエトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸ジエチルエステルが好ましく選択される。
【0030】
上述のリン化合物は、重合ポリエチレンナフタレートを構成する2価のカルボン酸に対して10〜200mmol%含有することが好ましい。より好ましくは20〜150mmol%、更に好ましくは30〜100mmol%含有することである。またリン元素換算とすると5〜120ミリモル%、好ましくは10〜100ミリモル%、更に好ましくは20〜80ミリモル%の範囲とすることが好ましい。該リン化合物が含有量が微量であるために、当該化合物を含有するとしても当業者であれば、本発明を共重合ポリエチレンナフタレートと称することもあるであろう。該リン化合物が下限値未満であるとポリエステルの色調が低下しやすくなり、また上限値を超えると重合反応が進行しにくくなる為好ましくない。上記のリン化合物は、通常安定剤として使用されるリン化合物に比較して、チタン化合物又はチタン化合物成分(以下「チタン化合物等」と略称する。)との反応が比較的緩やかに進行するので、反応中におけるチタン化合物等の触媒活性持続時間が長く、結果として該チタン化合物のポリエステルへの添加量を少なくすることができ、また、本発明のように触媒に対し多量に安定剤を添加する場合であっても、ポリエステルの熱安定性を損ない難い特性を有している。後述の実施例からも分かるように、このリン化合物が含有することによって、成形時などの溶融安定性が確保され、透明性(ヘイズ値)の向上が達成できていると考えられる。
【0031】
また、本発明の難燃透明性共重合ポリエチレンナフタレート組成物の特性を損なわない範囲において、例えば、オクタアルキルトリチタネートもしくはヘキサアルキルジチタネートなどのテトラアルキルチタネート以外のアルキルチタネート、酢酸チタンやシュウ酸チタンなどのチタンの弱酸塩、酸化チタンなどのチタン酸化物、ジブチルスズオキサイド、メチルフェニルスズオキサイド、テトラエチルスズ、ヘキサエチルジスズオキサイド、シクロヘキサヘキシルジスズオキサイド、ジドデシルスズオキサイド、トリエチルスズハイドロオキサイド、トリフェニルスズハイドロオキサイド、トリイソブチルスズアセテート、ジブチルスズジアセテート、ジフェニルスズジラウレート、モノブチルスズトリクロライド、ジブチルスズジクロライド、トリブチルスズクロライド、ジブチルスズサルファイド、ブチルヒドロキシスズオキサイドなどの有機スズ化合物、塩化カリウム、カリウムミョウバン、ギ酸カリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸水素二カリウム、クエン酸二水素カリウム、グルコン酸カリウム、コハク酸カリウム、酪酸カリウム、シュウ酸二カリウム、シュウ酸水素カリウム、ステアリン酸カリウム、フタル酸カリウム、フタル酸水素カリウム、メタリン酸カリウム、リンゴ酸カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、亜硝酸カリウム、安息香酸カリウム、酒石酸水素カリウム、重蓚酸カリウム、重フタル酸カリウム、重酒石酸カリウム、重硫酸カリウム、硝酸カリウム、酢酸カリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸カリウムナトリウム、炭酸水素カリウム、乳酸カリウム、硫酸カリウム硫酸水素カリウム、塩化ナトリウム、ギ酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸二水素ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、酪酸ナトリウム、シュウ三二ナトリウム、シュウ酸水素ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、フタル酸水素ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酒石酸水素ナトリウム、重シュウ酸ナトリウム、重フタル酸ナトリウム、重酒石酸ナトリウム、、重硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、乳酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、塩化リチウム、ギ酸リチウム、クエン酸三リチウム、クエン酸水素二リチウム、クエン酸二水素リチウム、グルコン酸リチウム、コハク酸リチウム、酪酸リチウム、シュウ酸二リチウム、シュウ酸水素リチウム、ステアリン酸リチウム、フタル酸リチウム、フタル酸水素リチウム、メタリン酸リチウム、リンゴ酸リチウム、リン酸三リチウム、リン酸水素二リチウム、リン酸二水素リチウム、亜硝酸リチウム、安息香酸リチウム、酒石酸水素リチウム、重シュウ酸リチウム、重フタル酸リチウム、重酒石酸リチウム、重硫酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、乳酸リチウム、硫酸リチウム、硫酸水素リチウムなどのアルカリ金属塩、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、コハク酸カルシウム、酪酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、リン酸カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化マグネシウム、ギ酸マグネシウム、コハク酸マグネシウム、酪酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩の1種もしくは2種以上をチタン化合物と組み合わせても良い。
【0032】
更に本発明の共重合ポリエチレンナフタレート組成物を用いる際、難燃剤併用することで共重合ポリエチレンナフタレート組成物の難燃性効果をさらに高めることができる。例えば、トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、トリキシレニルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、キシレニルジフェニルフォスフェート、クレジルビス(2,6−キシレニル)フォスフェート、2−エチルヘキシルフォスフェート、ジメチルメチルフォスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニル)フォスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニル)フォスフェート、ビスフェノールAビス(ジクレジル)フォスフェート、ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルフォスフェート、リン酸アミド、有機ホスフィンオキサイド、赤燐等のリン系難燃剤、ポリリン酸アンモニウム、フォスファゼン、シクロフォスファゼン、トリアジン、メラミンシアヌレート、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、トリグアナミン、シアヌル酸トリアジニル塩、メレム、メラム、トリス(β−シアノエチル)イソシアヌレート、アセトグアナミン、硫酸グアニルメラミン、硫酸メレム、硫酸メラム等の窒素系難燃剤、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、芳香族スルフォンイミド金属塩、ポリスチレンスルフォン酸アルカリ金属塩等の金属塩系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化ジルコニウム、酸化スズ等の水和金属系難燃剤、シリカ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムスズ酸亜鉛等無機系難燃剤、シリコーンパウダー等のシリコン系難燃剤である。リン化合物含有樹脂自身の高い難燃性と難燃剤が持つ難燃機構の複合効果からより高い難燃効果が得られる。
【0033】
本発明により得られる難燃透明性共重合ポリエチレンナフタレートを構成する共重合ポリエチレンナフタレートの固有粘度は機械的強度、成形性の点から0.50dL/g以上であることが必要であり、0.50〜0.70dL/gが好ましい。固有粘度が0.50dL/g未満では機械的強度に劣り、0.70dL/gを超える場合には流動性が低下して成形加工性に劣るので好ましくない。なお固有粘度をこの値の範囲にするためには、共重合ポリエステルの製造の際に、上記式(I)で表される化合物の共重合比率から差し引いて計算されるエチレングリコール量に対して、過剰量のエチレングリコールを用いることが重要となる。また本発明の共重合ポリエチレンナフタレートにおいてはガラス転移温度は80℃以上であることが好ましく、より好ましくは100℃以上である。十分な固有粘度値と上記式(I)で表される化合物の共重合率によって、このガラス転移温度の値の範囲を達成することができる。
【0034】
本発明により得られる難燃透明性共重合ポリエチレンナフタレート組成物の表面硬度は、成形品の物性の点から鉛筆硬度におけるH以上が必要である。表面硬度が鉛筆硬度におけるH未満であれば、成形品の表面にキズが付きやすく光学用途に適さないため好ましくない。なお表面硬度をこの値の範囲にするためには、難燃透明性共重合ポリエチレンナフタレートを製造する際に、式(I)で表される化合物の共重合率によってこの表面硬度の値の範囲を達成することができる。
【実施例】
【0035】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、得られた難燃透明性ポリエステル組成物の諸物性の測定は以下の方法により実施した。
【0036】
1)固有粘度(IV)測定
常法に従って、溶媒であるオルトクロロフェノール中、35℃で測定した。
【0037】
2)ガラス転移温度測定
25℃で24時間減圧乾燥した難燃性ポリエチレンナフタレートを示差走査型熱量計(DSC)を用いて昇温速度10℃/分で昇温しながら測定した。測定試料はアルミニウム製パン(TA Instruments社製)に約10mg計量し、窒素雰囲気下で測定した。
【0038】
3)リン原子濃度測定
重合により得られたポリエステル中のリン原子濃度を蛍光X線(理学製、Rataflex RU200)により測定した。
【0039】
4)難燃性試験
UL94の難燃性試験法に従い難燃性試験を実施した。
【0040】
5)透過率測定
本発明により得られた難燃透明性ポリエステルを3cm角(厚み3mm)の平板に成形し、ヘイズメーターにて確認した。曇り度が11%以下を○とし、12%を超えるものを×とした。
【0041】
6)耐溶剤性の測定
ヘイズ測定用に測定した3cm角(厚み3mm)の平板をアセトン、クロロホルム、クロロベンゼン、m−クレゾールに25℃で48時間浸漬させた。浸漬させた際に外観に変化があったかどうか確認した。全く溶解しなかったものには○、白化するが膨潤しなかったものには□、膨潤したものには△、溶解したものは×とした。
【0042】
7)表面硬度(鉛筆硬度)測定
本発明により得られた難燃透明性ポリエステルを5cm角の平板(厚み3mm)とし、これをJISK5401 により測定した。鉛筆硬度がH以上を○とし、H以下を×とした。
【0043】
[実施例1]
2価ジカルボン酸として、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルを30.3kg、2価ジオールとしてエチレングリコールを15.4kg、エステル交換触媒として無水酢酸カルシウムを2価ジカルボン酸のモル数に対して総量として20ミリモル%、無水酢酸マグネシウムを2価ジカルボン酸のモル数に対して総量として50ミリモル%加え、反応温度が218℃以上となるように昇温しながら180分間エステル交換反応を行った。ついで得られた反応生成物に、重合触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートを2価ジカルボン酸のモル数に対して総量として5ミリモル%、熱安定剤としてホスホノ酢酸トリエチル(以下、TEPAと称することがある)を2価ジカルボン酸のモル数に対して総量として50ミリモル%、難燃剤として上記式(I)で表される化合物(以下、M−Esterと称することがある。)9.0kgを加えて重縮合反応槽に移して重縮合反応を開始した。
重縮合反応は常圧から0.133kPa(1Torr)まで40分掛けて徐々に減圧し、同時に所定の反応温度295まで昇温し、以降は所定の重合温度、0.133kPa(1Torr)の状態を維持して30分間重縮合反応を行った。
重縮合反応開始から180分間が経過した時点で重縮合反応を終了して共重合ポリエステルを抜き出し、固有粘度、ガラス転移温度、難燃性、ヘイズ、耐溶剤性、樹脂の表面硬度(鉛筆硬度)、耐衝撃性を測定し、その結果を表1に示した。
【0044】
[実施例2]
テトラ−n−ブチルチタネートを10ミリモル%に変更した以外は実施例1と同様にして共重合ポリエチレンナフタレートを得た。得られた共重合ポリエステルを抜き出し、固有粘度、ガラス転移温度、難燃性、ヘイズ、樹脂の表面硬度(鉛筆硬度)を測定し、その結果を表1に示した。
【0045】
[比較例1]
M−Esterを添加しない以外は実施例1と同様にしてポリエチレンナフタレートを得た。得られた共重合ポリエステルを抜き出し、固有粘度、ガラス転移温度、難燃性、ヘイズ、樹脂の表面硬度(鉛筆硬度)を測定し、その結果を表1に示した。
【0046】
[比較例2]
M−Esterを4.5kg以外に変更した以外は実施例1と同様にして共重合ポリエステルを得た。得られた共重合ポリエステルを抜き出し、固有粘度、ガラス転移温度、難燃性、ヘイズ、樹脂の表面硬度(鉛筆硬度)を測定し、その結果を表1に示した。
【0047】
[比較例3]
M−Esterを10.0kg以外に変更した以外は実施例1と同様にして共重合ポリエステルを得た。得られた共重合ポリエステルを抜き出し、固有粘度、ガラス転移温度、難燃性、ヘイズ、樹脂の表面硬度(鉛筆硬度)を測定し、その結果を表1に示した。
【0048】
[比較例4]
エチレングリコールを11.5kg以外に変更した以外は実施例1と同様にして共重合ポリエステルを得た。得られた共重合ポリエステルを抜き出し、固有粘度、ガラス転移温度、難燃性、ヘイズ、樹脂の表面硬度(鉛筆硬度)を測定し、その結果を表1に示した。
【0049】
[比較例5]
TEPAを添加しない以外は実施例1と同様にして共重合ポリエステルを得た。得られた共重合ポリエステルを抜き出し、固有粘度、ガラス転移温度、難燃性、ヘイズ、樹脂の表面硬度(鉛筆硬度)を測定し、その結果を表1に示した。
【0050】
[比較例6]
テレフタル酸ジメチル22.9kg、エチレングリコール12.8kg、M−Esterを6.8kg以外に変更した以外は実施例1と同様にして共重合ポリエステルを得た。得られた共重合ポリエステルを抜き出し、固有粘度、ガラス転移温度、難燃性、ヘイズ、樹脂の表面硬度(鉛筆硬度)を測定し、その結果を表1に示した。
【0051】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明における共重合ポリエチレンナフタレート組成物において、共重合ポリエチレンナフタレート樹脂成形品の難燃性や透明性さらには耐薬品性や表面硬度が良好であることを特徴とする共重合ポリエチレンナフタレート組成物を提供することができる。このようなポリエチレンナフタレートが有する高耐熱性のみならず、更に難燃性、透明性、耐薬品性等の物性に優れたポリエチレンナフタレート組成物を提供できることは産業上の意義が極めて大きい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)で示されるリン化合物を共重合してなるポリエチレンナフタレート組成物であって、共重合ポリエチレンナフタレートの固有粘度が0.50dL/g以上、共重合ポリエチレンナフタレート組成物中のリン原子含有量が10000〜13000ppmであり、さらに下記式(II)で表されるリン化合物を共重合ポリエチレンナフタレートを構成する2価のカルボン酸に対して10〜200mmol%含有する共重合ポリエチレンナフタレート組成物。
【化1】

【化2】

[上記式中、R、R及びRは、同一又は異なって炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、Xは、−CH−又は―CH(Y)を示す(Yは、ベンゼン環を示す)。]
【請求項2】
ガラス転移温度が100℃以上である請求項1記載の共重合ポリエチレンナフタレート組成物。
【請求項3】
共重合ポリエチレンナフタレート組成物中のリン原子の含有量が11000〜13000ppmである請求項1または2記載の共重合ポリエチレンナフタレート組成物。
【請求項4】
表面硬度が鉛筆硬度におけるH以上である請求項1〜3のいずれか記載の共重合ポリエチレンナフタレート組成物。

【公開番号】特開2012−180474(P2012−180474A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45182(P2011−45182)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(000003001)帝人株式会社 (1,209)
【Fターム(参考)】