説明

雨天作業用の防水テント

【課題】屋外に設置されている施設としての、例えば、キュービクルについて、その扉を開けた状態で種々の計器作業を実施する際に、キュービクルの扉に簡単に取り付けて、キュービクルの計器が風雨に晒されてしまう事態の発生を防止することができる、雨天作業用の防水テントを提供する。
【解決手段】本発明に係る雨天作業用の防水テントは、屋外に設置されている施設の扉を開いた状態において、磁石を介して防水シートの設置片を計器の上に取り付けると共に、防水シートのフックを扉の上縁に掛け止めして、扉の上縁と前縁に沿うように防水シートを折曲状に配置し、防水シートの第1筒部と特定の第2筒部に斜向棒の両端部を挿入して、防水シートによる天壁を平面状に形成すると共に、特定の第3筒部に起立棒の端部を挿入し、起立棒の先端部を地面に当接させて、防水シートによる前壁を垂設状に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外に設置されている施設としての、例えば、高圧受電盤装置(以下、キュービクルという)について、キュービクルの扉を開けた状態で種々の計器作業を実施する際に、キュービクルの計器が風雨に晒されてしまう事態の発生を防止することができる、雨天作業用の防水テントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
キュービクルは、例えば、遮断器、断路器、計器用変成器、変流器等の装置を内蔵しており、その外周を金属板等で覆って直方体状に形成されている。
【0003】
この様なキュービクルは、発電所、変電所、電力の需要者等において、従来より広く使用されており、キュービクルの扉を開けた状態で、種々の計器作業が実施されている。
【0004】
以下に、PPS需要者において使用されているキュービクルを施設の一例にして、扉を開けた状態で実施されている計器作業の具体的な内容を説明する。
【0005】
従来における電力の供給は、地域毎に、国から許可を受けた電力会社のみが行っていたが、近年における制度改革により、電力の需要者は、新たに電気事業に参入した事業者(特定規模電気事業者)や、他の区域の電力会社から電力を購入することが可能となった。
【0006】
そして、電力会社以外からは、特定規模電気事業者(PPS)から電力を購入できることとなる。この特定規模電気事業者(PPS)から電力を購入している者を、以下、PPS需要者という。
【0007】
PPS需要者は、特定規模電気事業者(PPS)の電力を、電力会社の送電線を介して購入することとなる。その為、電力会社は、同時同量監視業務を行う必要がある。この同時同量監視業務は、特定規模電気事業者(PPS)に対して、電力会社が特定規模電気事業者(PPS)から受電する発電量を、電力会社がPPS需要者に供給する供給量に調整しているか否かを確認する業務である。
【0008】
そして、特定規模電気事業者(PPS)が、電力会社が特定規模電気事業者(PPS)から受電する発電量を、電力会社がPPS需要者に供給する供給量に調整すること(同時同量)を実現するために、電力会社による同時同量支援が行われる。
【0009】
この同時同量支援は、特定規模電気事業者(PPS)が「同時同量」を実現するために、電力会社の自動検針システムを使用して、PPS需要者における使用電力量(計器表示値)を、30分毎に特定規模電気事業者(PPS)に情報提供する業務である。
【0010】
この様に、PPS需要者の自動検針システムを実施することにより、同時同量支援を実現するのであるが、この自動検針システムを実施する以前においては、暫定的な措置として、PPS需要者の計量データを個別に採録しているのが実情である。
【0011】
このPPS需要者の計量データの個別の採録は、まず、図20に示すように、PPS需要者に使用されているキュービクルCにおいて、作業員Sが当該キュービクルCの扉Dを開けて対象となる電力量計器101を確認する。次に、作業員Sは、図21に示すように、所定の工具を用いて蓋箱102を取り外し、電力量計器101を開放して固定箱103の内部を露出させる。次に、作業員Sは、図22に示すように、固定箱103に固定されている端子カバー104を取り外す。
【0012】
そして、作業員Sは、図23に示すように、データ回収用プログラム(暗号化対応)をインストールしているパソコン(PC)を電力量計器101に接続する。具体的には、固定箱103側のDT端子・SG端子から接続端子を外してから、このDT端子・SG端子に、パソコン(PC)側のコード200の端子を接続して、当該電力量計器101における計量データの採録を行うのである。
【0013】
この様に、PPS需要者において使用されているキュービクルCにおいて、電力量計器101における計量データの採録を随時行っているが、この作業がキュービクルCの扉Dを開けた状態で実施されることから、種々の計器が露出した状態となって、風雨に晒されることとなる。
【0014】
そして、屋外に設置されている建築物の扉を利用した簡易型防雨シートとして、例えば、特許文献1に示すものが存在している。
【0015】
この簡易型防雨シートは、図24に示すように、長手方向の長さが屋外用建築物の観音開き扉の開口長よりも若干長めに設定された上面部300と、前記上面部300の幅方向の両側縁部から垂下された側面部301と、前記上面部300の長手方向の一方の縁部から垂下された前面部302とを有するシート本体303を有し、前記屋外用建築物の前記観音開き扉を開いた後に、前記観音開き扉のヒンジ側に前記前面部302が垂下されていない側の前記上面部300の縁部が位置するとともに、前記観音開き扉の外方に前記側面部301がそれぞれ位置するようにして、前記シート本体303を前記観音開き扉を覆うようにして被せ、前記側面部301の補強材として前記観音開き扉を利用するようにしたものである。
【0016】
また、屋外に設置されている建築物の作業テントとして、例えば、特許文献2に示すものが存在している。
【0017】
この作業テントは、図25に示すように、壁面に取り付けられた扉Dが開かれて露出する機器類に対して作業を行う人が使用し、前記壁面に着脱自在で取り付け可能な作業テントであって、装着された取付け時に前記扉Dの周囲の壁面部分で少なくとも前記露出する機器類の露出範囲の下端の高さ以上の部分から前記壁面に垂直方向に所定奥行きに渡って延びたシート400を備え、このシート400が骨組401で支持されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】実用新案登録第3009442号公報
【特許文献2】特開平10−325247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
上記したように、例えば、PPS需要者において使用されているキュービクルCにおいて、電力量計器101における計量データの採録を行っているが、この作業がキュービクルCの扉Dを開けた状態で実施されることから、図20乃至図23に示すように、種々の計器が露出した状態となって風雨に晒されることから、作業の進行が天候の影響を強く受けてしまうという弊害が生じている。
【0020】
即ち、近年における制度改革により、PPS需要者が増加していることから、作業員Sは、PPS需要者において使用されているキュービクルCにおいて、電力量計器101における計量データの採録を効率良く実施しなければならないが、作業の前提として、図20乃至図23に示すように、種々の計器が露出した状態となることから、当該計器が風雨に晒されることとなる。その為、悪天候時に、計量データの採録作業を実施できない事態が生じていたのである。
【0021】
この様な場合、1人の作業員Sが傘を持った状態で、他の作業員Sが計量データの採録作業を実施することも可能であるが、作業に人員を要することとなり、好ましくない。また、1人の作業員Sは、傘を持つためだけに存在することとなり、非常に非効率的である。
【0022】
この他、特許文献1に示す簡易型防雨シートは、観音開き扉にのみ適用が可能であり、例えば、図20乃至図23に示すようなキュービクルCの片開き状の扉Dに適用できない構成となっている。
【0023】
また、特許文献2に示す作業テントは、図25に示すように、シート400が骨組401で支持され、前記骨組401は、シート400の壁面側を支持する第1の部材402と、シート400の壁面に対して離反側を支持する第2の部材403と、一端が前記第1の部材402に接続し、他端が前記第2の部材403に接続し、且つ、前記第2の部材403を前記第1の部材402に対して上下方向に相対的に移動させることの可能な第3の部材404を備えており、骨組401の構成が非常に複雑であり、骨組401自体の製造コストが高くなり易かった。
【0024】
また、骨組401の組み立て作業、組み立てた骨組401へのシート400の取り付け作業という複数の作業工程が必要となり、作業テントの設置に時間を要していた。
【0025】
そこで、本発明は、如上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、屋外に設置されている施設としての、例えば、キュービクルについて、その扉を開けた状態で種々の計器作業を実施する際に、キュービクルの扉に簡単に取り付けて、キュービクルの計器が風雨に晒されてしまう事態の発生を防止することができる、雨天作業用の防水テントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明に係る雨天作業用の防水テントは、略長方形状の防水シートの基端部側の短辺に、磁石を備えている設置片を連設すると共に、防水シートの長手方向における一方の側縁部に、所定の間隔を開けて複数のフックを取り付けて雨天作業用の防水テントを構成し、
防水シートの長手方向における一方の側縁部において、設置片と接合している角部分に、斜向棒の端部を挿入する第1筒部を設け、この第1筒部に対向するように防水シートの長手方向における他方の側縁部に、斜向棒の他端部を挿入する複数の第2筒部を設けると共に、当該第2筒部に連なるように、起立棒の端部を挿入する複数の第3筒部を設けていることで、上述した課題を解決した。
【0027】
また、屋外に設置されている施設の扉を開いた状態において、磁石を介して防水シートの設置片を計器の上に取り付けると共に、防水シートのフックを扉の上縁に掛け止めして、扉の上縁と前縁に沿うように防水シートを折曲状に配置し、
防水シートの第1筒部と特定の第2筒部に斜向棒の両端部を挿入して、防水シートによる天壁を平面状に形成すると共に、特定の第3筒部に起立棒の端部を挿入し、起立棒の先端部を地面に当接させて、防水シートによる前壁を垂設状に形成することで、同じく上述した課題を解決した。
【0028】
さらに、防水シートの長手方向における他方の側縁部に、所定の間隔を開けて複数のフックを取り付けると共に、
防水シートの長手方向における他方の側縁部において、設置片と接合している角部分に、斜向棒の端部を挿入する第1筒部を設け、この第1筒部に対向するように防水シートの長手方向における一方の側縁部に、斜向棒の他端部を挿入する複数の第2筒部を設けると共に、当該第2筒部に連なるように、起立棒の端部を挿入する複数の第3筒部を設けていることで、同じく上述した課題を解決した。
【0029】
また、本発明に係る雨天作業用の防水テントは、矩形状の天壁を構成する防水シートの基端部側の一辺に、磁石を備えている設置片を連設すると共に、天壁を構成する防水シートの先端部側の一辺に、前壁を構成する長方形状の防水シートを連設し、天壁を構成する防水シートの一方の側縁部に、所定の間隔を開けて複数のフックを取り付けて雨天作業用の防水テントを構成し、
天壁を構成する防水シートの一方の側縁部において、設置片と接合している角部分に、斜向棒の端部を挿入する第1筒部を設け、当該角部分に向かい合う天壁の対角部分に、斜向棒の他端部を挿入する第2筒部を設けると共に、当該第2筒部に隣接するように、前壁を構成する長方形状の防水シートに、起立棒の端部を挿入する第3筒部を設けていることで、同じく上述した課題を解決した。
【0030】
加えて、屋外に設置されている施設の扉を開いた状態において、天壁を構成する防水シートの設置片を、磁石を介して計器の上に取り付けると共に、天壁を構成する防水シートのフックを扉の上縁に掛け止めし、扉の上縁と前縁に沿うように防水シートの天壁と前壁を配置し、
天壁の第1筒部と第2筒部に斜向棒の両端部を挿入して、防水シートによる天壁を平面状に形成すると共に、第3筒部に起立棒の端部を挿入し、起立棒の先端部を地面に当接させて、防水シートによる前壁を垂設状に形成することで、同じく上述した課題を解決した。
【0031】
また、天壁を構成する防水シートの他方の側縁部に、所定の間隔を開けて複数のフックを取り付けると共に、
天壁を構成する防水シートの他方の側縁部において、設置片と接合している角部分に、斜向棒の端部を挿入する第1筒部を設け、当該角部分に向かい合う天壁の対角部分に、斜向棒の他端部を挿入する第2筒部を設けると共に、当該第2筒部に隣接するように、前壁を構成する長方形状の防水シートに、起立棒の端部を挿入する第3筒部を設けていることで、同じく上述した課題を解決した。
【0032】
さらに、天壁を構成する防水シートにおいて、一方の側縁部に、側壁を構成する長方形状の防水シートを連設し、前壁を構成する長方形状の防水シートと側壁を構成する防水シートを接合していることで、同じく上述した課題を解決した。
【0033】
また、天壁を構成する防水シートにおいて、他方の側縁部に、出入口用の側壁を構成する長方形状の防水シートを連設していることで、同じく上述した課題を解決した。
【0034】
この他、本発明に係る雨天作業用の防水テントは、矩形状の天壁を構成する防水シートの基端部側の一辺に、磁石を備えている設置片を連設し、天壁を構成する防水シートの先端部側の一辺に、前壁を構成する長方形状の防水シートを連設すると共に、天壁を構成する防水シートの一方の側縁部に、側壁を構成する長方形状の防水シートを連設し、前壁を構成する長方形状の防水シートと側壁を構成する防水シートを接合して雨天作業用の防水テントを構成し、
天壁を構成する防水シートの一方の側縁部において、設置片と接合している角部分に、斜向棒の端部を挿入する第1筒部を設け、当該角部分に向かい合う天壁の対角部分に、斜向棒の他端部を挿入する第2筒部を設けると共に、当該第2筒部に隣接するように、前壁を構成する長方形状の防水シートに、起立棒の端部を挿入する第3筒部を設けていることで、同じく上述した課題を解決した。
【0035】
また、屋外に設置されている施設の扉を開いた状態において、扉を覆うように天壁・側壁・前壁を構成する防水シートを配置し、天壁と側壁を構成する防水シートの連設部分を扉の上縁に宛がった状態で、天壁を構成する防水シートの第1筒部と第2筒部に斜向棒の両端部を挿入して、防水シートによる天壁を平面状に形成すると共に、前壁を構成する防水シートの第3筒部に起立棒の端部を挿入し、起立棒の先端部を地面に当接させて、防水シートによる前壁を垂設状に形成することで、同じく上述した課題を解決した。
【0036】
さらに、本発明に係る雨天作業用の防水テントは、矩形状の天壁を構成する防水シートの基端部側の一辺に、磁石を備えている設置片を連設し、天壁を構成する防水シートの先端部側の一辺に、前壁を構成する長方形状の防水シートを連設すると共に、天壁を構成する防水シートの他方の側縁部に、側壁を構成する長方形状の防水シートを連設し、前壁を構成する長方形状の防水シートと側壁を構成する防水シートを接合して雨天作業用の防水テントを構成し、
天壁を構成する防水シートの他方の側縁部において、設置片と接合している角部分に、斜向棒の端部を挿入する第1筒部を設け、当該角部分に向かい合う天壁の対角部分に、斜向棒の他端部を挿入する第2筒部を設けると共に、当該第2筒部に隣接するように、前壁を構成する長方形状の防水シートに、起立棒の端部を挿入する第3筒部を設けていることで、同じく上述した課題を解決した。
【発明の効果】
【0037】
本発明は、略長方形状の防水シートの基端部側の短辺に、磁石を備えている設置片を連設すると共に、防水シートの長手方向における一方の側縁部に、所定の間隔を開けて複数のフックを取り付けて雨天作業用の防水テントを構成し、防水シートの長手方向における一方の側縁部において、設置片と接合している角部分に、斜向棒の端部を挿入する第1筒部を設け、この第1筒部に対向するように防水シートの長手方向における他方の側縁部に、斜向棒の他端部を挿入する複数の第2筒部を設けると共に、当該第2筒部に連なるように、起立棒の端部を挿入する複数の第3筒部を設けていることから、屋外に設置されている施設としての、例えば、キュービクルについて、その扉を開けた状態で種々の計器作業を実施する際に、キュービクルの扉に防水テントを簡単に取り付けて、キュービクルの計器が風雨に晒されてしまう事態の発生を防止することができる。
【0038】
具体的には、屋外に設置されている施設としての、例えば、キュービクルの扉を開いた状態において、磁石を介して防水シートの設置片を、計器の上に簡単に取り付けることができる。また、防水シートのフックを扉の上縁に掛け止めして、扉の上縁と前縁に沿うように、防水シートを折曲状に配置することができる。
【0039】
そして、防水シートの第1筒部と特定の第2筒部に斜向棒の両端部を挿入して、防水シートによる天壁を平面状に形成すると共に、特定の第3筒部に起立棒の端部を挿入し、起立棒の先端部を地面に当接させて、防水シートによる前壁を垂設状に形成して、防水シートにより計器を覆うことにより、キュービクルの計器が風雨に晒されてしまう事態の発生を防止している。
【0040】
その結果、例えば、PPS需要者において使用されているキュービクルにおいて実施する、電力量計器における計量データの採録作業を、天候の影響を受けることなく円滑に実施することができる。
【0041】
また、従来のように、1人の作業員が傘を持った状態で、他の作業員が計量データの採録作業を実施する必要もなくなるため、計量データの採録作業を効率良く迅速に実施することができる。
【0042】
さらに、防水シートの長手方向における他方の側縁部に、所定の間隔を開けて複数のフックを取り付けると共に、防水シートの長手方向における他方の側縁部において、設置片と接合している角部分に、斜向棒の端部を挿入する第1筒部を設け、この第1筒部に対向するように防水シートの長手方向における一方の側縁部に、斜向棒の他端部を挿入する複数の第2筒部を設けると共に、当該第2筒部に連なるように、起立棒の端部を挿入する複数の第3筒部を設けているときには、右開きの扉と、左開きの扉のいずれにも防水テントを簡単に取り付けて、キュービクルの計器が風雨に晒されてしまう事態の発生を防止することができる。
【0043】
この他、本発明は、矩形状の天壁を構成する防水シートの基端部側の一辺に、磁石を備えている設置片を連設すると共に、天壁を構成する防水シートの先端部側の一辺に、前壁を構成する長方形状の防水シートを連設し、天壁を構成する防水シートの一方の側縁部に、所定の間隔を開けて複数のフックを取り付けて雨天作業用の防水テントを構成し、天壁を構成する防水シートの一方の側縁部において、設置片と接合している角部分に、斜向棒の端部を挿入する第1筒部を設け、当該角部分に向かい合う天壁の対角部分に、斜向棒の他端部を挿入する第2筒部を設けると共に、当該第2筒部に隣接するように、前壁を構成する長方形状の防水シートに、起立棒の端部を挿入する第3筒部を設けていることから、防水シートの構成部材を少なくして、防水シートをシンプルに構成することができる。
【0044】
また、屋外に設置されている施設の扉を開いた状態において、天壁を構成する防水シートの設置片を、磁石を介して計器の上に取り付けると共に、天壁を構成する防水シートのフックを扉の上縁に掛け止めし、扉の上縁と前縁に沿うように防水シートの天壁と前壁を配置し、天壁の第1筒部と第2筒部に斜向棒の両端部を挿入して、防水シートによる天壁を平面状に形成すると共に、第3筒部に起立棒の端部を挿入し、起立棒の先端部を地面に当接させて、防水シートによる前壁を垂設状に形成するので、誰もが簡単に雨天作業用の防水テントを扉に取り付けることができる。
【0045】
さらに、天壁を構成する防水シートの他方の側縁部に、所定の間隔を開けて複数のフックを取り付けると共に、天壁を構成する防水シートの他方の側縁部において、設置片と接合している角部分に、斜向棒の端部を挿入する第1筒部を設け、当該角部分に向かい合う天壁の対角部分に、斜向棒の他端部を挿入する第2筒部を設けると共に、当該第2筒部に隣接するように、前壁を構成する長方形状の防水シートに、起立棒の端部を挿入する第3筒部を設けているときには、右開きの扉と、左開きの扉のいずれにも防水テントを簡単に取り付けて、キュービクルの計器が風雨に晒されてしまう事態の発生を防止することができる。
【0046】
また、天壁を構成する防水シートにおいて、一方の側縁部に、側壁を構成する長方形状の防水シートを連設し、前壁を構成する長方形状の防水シートと側壁を構成する防水シートを接合しているときには、扉に取り付けた防水テントにより、風雨の侵入をより確実に防止することができる。
【0047】
加えて、天壁を構成する防水シートにおいて、他方の側縁部に、出入口用の側壁を構成する長方形状の防水シートを連設しているときにも、風雨の侵入をより確実に防止することができる。
【0048】
また、矩形状の天壁を構成する防水シートの基端部側の一辺に、磁石を備えている設置片を連設し、天壁を構成する防水シートの先端部側の一辺に、前壁を構成する長方形状の防水シートを連設すると共に、天壁を構成する防水シートの一方の側縁部に、側壁を構成する長方形状の防水シートを連設し、前壁を構成する長方形状の防水シートと側壁を構成する防水シートを接合して雨天作業用の防水テントを構成し、天壁を構成する防水シートの一方の側縁部において、設置片と接合している角部分に、斜向棒の端部を挿入する第1筒部を設け、当該角部分に向かい合う天壁の対角部分に、斜向棒の他端部を挿入する第2筒部を設けると共に、当該第2筒部に隣接するように、前壁を構成する長方形状の防水シートに、起立棒の端部を挿入する第3筒部を設けているときには、防水シートの構成部材をより少なくして、防水シートをシンプルに構成することができる。
【0049】
このとき、屋外に設置されている施設の扉を開いた状態において、扉を覆うように天壁・側壁・前壁を構成する防水シートを配置するので、防水シートにより風雨の侵入をより確実に防止することができる。
【0050】
また、天壁と側壁を構成する防水シートの連設部分を扉の上縁に宛がった状態で、天壁を構成する防水シートの第1筒部と第2筒部に斜向棒の両端部を挿入して、防水シートによる天壁を平面状に形成すると共に、前壁を構成する防水シートの第3筒部に起立棒の端部を挿入し、起立棒の先端部を地面に当接させて、防水シートによる前壁を垂設状に形成するので、誰もが簡単に雨天作業用の防水テントを扉に取り付けることができる。
【0051】
さらに、天壁と側壁を構成する防水シートの連設部分を、扉の上縁に宛がった状態を維持することから、強風時においても、扉に取り付けた防水テントが吹き飛ばされるようなことがない。
【0052】
加えて、全体をコンパクトに折り畳むことが可能であるので、作業員による持ち運びも容易である。
【0053】
また、防水シートの構成部材を少なくして、防水シートをシンプルに構成することから、防水テントの製造コストも低く抑えることができる。
【0054】
さらに、矩形状の天壁を構成する防水シートの基端部側の一辺に、磁石を備えている設置片を連設し、天壁を構成する防水シートの先端部側の一辺に、前壁を構成する長方形状の防水シートを連設すると共に、天壁を構成する防水シートの他方の側縁部に、側壁を構成する長方形状の防水シートを連設し、前壁を構成する長方形状の防水シートと側壁を構成する防水シートを接合して雨天作業用の防水テントを構成し、天壁を構成する防水シートの他方の側縁部において、設置片と接合している角部分に、斜向棒の端部を挿入する第1筒部を設け、当該角部分に向かい合う天壁の対角部分に、斜向棒の他端部を挿入する第2筒部を設けると共に、当該第2筒部に隣接するように、前壁を構成する長方形状の防水シートに、起立棒の端部を挿入する第3筒部を設けているときには、右開きの扉と、左開きの扉のいずれにも防水テントを簡単に取り付けて、キュービクルの計器が風雨に晒されてしまう事態の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】第1の実施の形態における雨天作業用の防水テントの構成を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態における雨天作業用の防水テントの、扉への取り付け状態を示す斜視図である。
【図3】第1の実施の形態における雨天作業用の防水テントの使用状態を示す斜視図である。
【図4】第1の実施の形態における雨天作業用の防水テントにおいて、防水シートの長手方向における両方の側縁部に、複数のフックを取り付けている構成を示す斜視図である。
【図5】第2の実施の形態における雨天作業用の防水テントの構成を示す斜視図である。
【図6】第2の実施の形態における雨天作業用の防水テントにおいて、斜向棒と起立棒を取り付ける状態を示す分解斜視図である。
【図7】第2の実施の形態における雨天作業用の防水テントにおいて、斜向棒と起立棒(直立状)を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図8】第2の実施の形態における雨天作業用の防水テントの、扉への取り付け状態を示すもので、(a)は扉の前方に防水テントを配置した状態を示す分解側面図、(b)は防水テントを扉へ取り付けた状態を示す側面図である。
【図9】第2の実施の形態における雨天作業用の防水テントの使用状態を示す斜視図である。
【図10】第2の実施の形態における雨天作業用の防水テントにおいて、斜向棒と起立棒(傾斜状)を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図11】第2の実施の形態における雨天作業用の防水テントの他の使用状態を示す斜視図である。
【図12】第2の実施の形態における雨天作業用の防水テントの他の使用状態を示す斜視図である。
【図13】第2の実施の形態における雨天作業用の防水テントにおいて、天壁を構成する防水シートの両方の側縁部に、複数のフックを取り付けている構成を示す斜視図である。
【図14】第3の実施の形態における雨天作業用の防水テントの構成を示す斜視図である。
【図15】第3の実施の形態における雨天作業用の防水テントにおいて、天壁を構成する防水シートの両方の側縁部に、複数のフックを取り付けている構成を示す斜視図である。
【図16】第3の実施の形態における雨天作業用の防水テントの他の構成を示す斜視図である。
【図17】第3の実施の形態における雨天作業用の防水テントの他の構成を示す斜視図である。
【図18】第4の実施の形態における雨天作業用の防水テントの構成を示す斜視図である。
【図19】第4の実施の形態における雨天作業用の防水テントの使用状態を示す斜視図である。
【図20】キュービクルの扉を開けた状態において、計量データの採録を行う電力量計器を出現させている状態を示す斜視図である。
【図21】作業員が蓋箱を取り外して、固定箱の内部を露出させている状態を示す斜視図である。
【図22】作業員が固定箱に固定されている端子カバーを取り外している状態を示す斜視図である。
【図23】キュービクルの扉を開けた状態において、電力量計器にパソコン(PC)側のコードの端子を接続して、電力量計器における計量データの採録を行っている、従来の採録手法を示す斜視図である。
【図24】特許文献1に示す簡易型防雨シートの構成を示す斜視図である。
【図25】特許文献2に示す建築物の作業テントの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
(第1の実施の形態)
本発明に係る雨天作業用の防水テント1は、図1に示すように、略長方形状の防水シート2の基端部側の短辺に、磁石3を備えている設置片4を連設している。また、防水シート2の長手方向における一方の側縁部に、所定の間隔を開けて複数のフック5を取り付けている。
【0057】
略長方形状の防水シート2は、屋外に設置されている施設としての、例えば、キュービクルCの扉Dの上縁と前縁に沿うことのできる長さを有している。また、略長方形状の防水シート2は、扉Dを開けることにより露出する、電力量計器101等のキュービクルCが備えている様々な計器を充分に覆うことのできる幅を有している。
【0058】
尚、本発明に係る雨天作業用の防水テント1は、屋外に設置されている様々な施設の扉に適用可能であるが、防水テント1をキュービクルCの扉Dに取り付ける場合を一例にして、以下の説明を行う。
【0059】
略長方形状の防水シート2の基端部側の短辺に連設している設置片4は、図1に示すように、横長の長方形状に形成され、所定の間隔を開けて配置された2個の円形の磁石3を備えている。
【0060】
尚、設置片4の形状は、横長の長方形状に限定されることはなく、防水シート2に磁石3を配置できるものであれば、どの様な形状であっても差し支えない。また、磁石3の形状は、防水シート2をキュービクルCの計器の上にしっかりと磁着できるものであれば、どの様な形状であっても差し支えない。さらに、設置片4に配置する磁石3の数も、2個に限定されることはなく、3個以上の磁石3を配置しても良い。また、長尺な板状に形成された単独の磁石3を、設置片4に配置しても良い。
【0061】
防水シート2の長手方向における一方の側縁部に取り付けている複数のフック5は、図1に示すように、防水シート2の設置片4側から、中間部分よりも若干先端部側にかけて、比較的に広い範囲に渡って配置されている。このフック5は、扉Dの上縁に掛け止め可能であれば、どの様な形状であっても差し支えない。
【0062】
また、図1・図3に示すように、防水シート2の長手方向における一方の側縁部において、設置片4と接合している角部分に、斜向棒6の端部を挿入する第1筒部7を設け、この第1筒部7に対向するように、防水シート2の長手方向における他方の側縁部に、斜向棒の他端部を挿入する複数の第2筒部8を設けている。
【0063】
さらに、図1・図3に示すように、防水シート2の長手方向における他方の側縁部において、複数の第2筒部8に連なるように、起立棒9の端部を挿入する複数の第3筒部10を設けている。
【0064】
第1筒部7・第2筒部8・第3筒部10は、いずれも所定の布部材等を縫製して布部材内に内部空間を形成したもので、斜向棒6や起立棒9の端部を挿入して保持できるようになっている。
【0065】
尚、第1筒部7・第2筒部8・第3筒部10は、いずれも、斜向棒6や起立棒9の端部を挿入して保持できるものであれば、どの様な形状であっても差し支えない。例えば、柔軟性を有する素材を用いて、円筒状に形成するものであっても良い。
【0066】
キュービクルCの扉Dへの雨天作業用の防水テント1の取り付けは、まず、図2に示すように、屋外に設置されているキュービクルCの扉Dを開いた状態において、防水シート2の設置片4を、磁石3を介してキュービクルCの計器の上に取り付ける。これと同時に、防水シート2のフック5を扉Dの上縁に掛け止めして、扉Dの上縁と前縁に沿うように防水シート1を折曲状に配置する。
【0067】
尚、図2に示す防水シート2においては、扉Dの上縁に5個のフック5を掛け止めしているが、扉Dの上縁の長さに応じて、掛け止めするフック5の数を適宜調節する。
【0068】
次に、図3に示すように、防水シート2の第1筒部7と、特定の第2筒部8に斜向棒6の両端部を挿入して、防水シート2による天壁部分を平面状に形成する。
【0069】
尚、図3に示す防水シート2においては、斜向棒6の他端部を、3個並設されている第2筒部8において、中間に位置している第2筒部8に挿入しているが、好ましい大きさの天壁部分を形成するために、斜向棒6の端部を挿入する第2筒部8を適宜選択する。
【0070】
斜向棒6は、全体が柔軟性・可撓性を有しており、若干湾曲させたような状態で、その両端部を防水シート2の第1筒部7と特定の第2筒部8に部を挿入し、斜向棒6による所謂突っ張り状態により、天壁部分を平面上に形成している。
【0071】
次に、図3に示すように、特定の第3筒部10に起立棒9の端部を挿入し、起立棒9の先端部を地面に当接させて、防水シート2による前壁部分を垂設状に形成する。
【0072】
尚、図3に示す防水シート2においては、起立棒9の端部を、3個並設されている第3筒部10において、中間に位置している第3筒部10に挿入しているが、好ましい大きさの前壁部分を形成するために、起立棒9の端部を挿入する第3筒部10を適宜選択する。
【0073】
また、図4に示すように、防水シート2の長手方向における他方の側縁部にも、所定の間隔を開けて複数のフック5を取り付けると共に、防水シート2の長手方向における他方の側縁部において、設置片4と接合している角部分に、斜向棒6の端部を挿入する第1筒部7を設け、この第1筒部7に対向するように防水シート1の長手方向における一方の側縁部に、斜向棒6の他端部を挿入する複数の第2筒部8を設けると共に、当該第2筒部8に連なるように、起立棒9の端部を挿入する複数の第3筒部10を設けて雨天作業用の防水テント1を構成しても良い。
【0074】
この様に、防水シート2の長手方向における両方の側縁部にフック5を取り付け、また、防水シート2の両方の側縁部に第1筒部7・第2筒部8・第3筒部10を設けることにより、キュービクルにおける右開きの扉と、左開きの扉のいずれにも防水テント1を簡単に取り付けることができる。
【0075】
また、図1に示す防水シート2において、長手方向における他方の側縁部に複数のフック5を取り付けると共に、防水シート2の他方の側縁部において、設置片4と接合している角部分に、斜向棒6の端部を挿入する第1筒部7を設け、この第1筒部7に対向するように、防水シート2の長手方向における一方の側縁部に、斜向棒6の他端部を挿入する複数の第2筒部8を設けている構成を含むことは勿論である。
【0076】
(第2の実施の形態)
この他、図5に示すように、矩形状の天壁を構成する防水シート2Aの基端部側の一辺に、磁石3を備えている設置片4を連設すると共に、天壁を構成する防水シート2Aの先端部側の一辺に、前壁を構成する長方形状の防水シート2Bを連設し、天壁を構成する防水シート2Aの一方の側縁部に、所定の間隔を開けて複数のフック5を取り付けて雨天作業用の防水テント1を構成しても良い。
【0077】
尚、図5に示す雨天作業用の防水テント1において、図1乃至図4に示す防水テント1と略同一の構成には、同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
【0078】
矩形状の天壁を構成する防水シート2Aは、キュービクルCの扉Dの上縁に沿うことのできる大きさを有している。また、前壁を構成する長方形状の防水シート2Bは、キュービクルCの扉Dの前縁に沿うことのできる大きさを有している。
【0079】
この雨天作業用の防水テント1は、図5・図6に示すように、天壁を構成する防水シート2Aの一方の側縁部において、設置片4と接合している角部分に、斜向棒6の端部を挿入する第1筒部7を設け、当該角部分に向かい合う天壁の対角部分に、斜向棒6の他端部を挿入する第2筒部8を設けている。
【0080】
さらに、図5・図6に示すように、天壁を構成する防水シート2Aの第2筒部8に隣接するように、前壁を構成する長方形状の防水シート2Bに、起立棒9の端部を挿入する第3筒部10を設けている。
【0081】
キュービクルCの扉Dへの雨天作業用の防水テント1の取り付けは、まず、図8(a)(b)・図9に示すように、屋外に設置されているキュービクルCの扉Dを開いた状態において、天壁を構成する防水シート2Aの設置片4を、磁石3を介してキュービクルCの計器の上に取り付ける。これと同時に、天壁を構成する防水シート2Aのフック5を扉Dの上縁に掛け止めし、扉の上縁と前縁に沿うように防水シート2A・2Bを配置する。
【0082】
次に、図6・図7、図9に示すように、天壁を構成する防水シート2Aの第1筒部7と第2筒部8に斜向棒6の両端部を挿入して、防水シート2Aによる天壁を平面状に形成する。また、前壁を構成する防水シート2Bの第3筒部10に起立棒9の端部を挿入し、起立棒9の先端部を地面に当接させて、防水シート2Bによる前壁を垂設状に形成する。
【0083】
尚、図7・図9に示す雨天作業用の防水テント1は、起立棒9が扉Dの前縁に沿う直立状態を維持しているが、これに限定されることはなく、例えば、図10・図11に示すように、起立棒9を傾斜状に配置しても良い。
【0084】
また、図12に示すように、起立棒9を少し短く形成して、防水シート2Aの全体を下方に向けて若干傾かせたときには、天壁を構成する防水シート2Aの上に存在する雨水を、自然に落下させることができる。
【0085】
この他、図11に示す防水テント1において、天壁を構成する防水シート2Aの、フック5が存在していない他方の側縁部における略中央部分に、所定の長さの紐を取り付け、その紐の先端部に重りを付設して、天壁を構成する防水シート2Aに略V字状の凹部を設け、この凹部を介して防水シート2Aの上に存在する雨水を落下させても良い。
【0086】
さらに、図13に示すように、天壁を構成する防水シート2Aの他方の側縁部に、所定の間隔を開けて複数のフック5を取り付けると共に、天壁を構成する防水シート2Aの他方の側縁部において、設置片4と接合している角部分に、斜向棒6の端部を挿入する第1筒部7を設け、当該角部分に向かい合う天壁の対角部分に、斜向棒6の他端部を挿入する第2筒部8を設けると共に、当該第2筒部8に隣接するように、前壁を構成する長方形状の防水シート2Bに、起立棒9の端部を挿入する第3筒部10を設けて雨天作業用の防水テント1を構成しても良い。
【0087】
この様に、天壁を構成する防水シート2Aの両方の側縁部にフック5を取り付け、また、防水シート2Aの両方の側縁部に第1筒部7・第2筒部8を設け、さらに、防水シート2Bの上方に位置している両方の側縁部に第3筒部10を設けることにより、キュービクルCにおける右開きの扉Dと、左開きの扉(D)のいずれにも防水テント1を簡単に取り付けることができる。
【0088】
また、図5に示す天壁を構成する防水シート2Aにおいて、他方の側縁部に複数のフック5を取り付けると共に、防水シート2Aの他方の側縁部において、設置片4と接合している角部分に、斜向棒6の端部を挿入する第1筒部7を設け、この第1筒部7に対向するように、防水シート2の長手方向における一方の側縁部に、斜向棒6の他端部を挿入する複数の第2筒部8を設け、この第2筒部8に隣接するように、前壁を構成する長方形状の防水シート2Bに、起立棒9の端部を挿入する第3筒部10を設けている構成を含むことは勿論である。
【0089】
(第3の実施の形態)
さらに、図14に示すように、天壁を構成する防水シート2Aにおいて、複数のフック5を取り付けている一方の側縁部に、側壁を構成する長方形状の防水シート2Cを連設し、前壁を構成する長方形状の防水シート2Bと側壁を構成する防水シート2Cを、縫製等の手段を用いて接合して雨天作業用の防水テント1を構成しても良い。
【0090】
このとき、図15に示すように、天壁を構成する防水シート2Aの両方の側縁部にフック5を取り付け、また、防水シート2Aの両方の側縁部に第1筒部7・第2筒部8を設け、さらに、防水シート2Bの上方に位置している両方の側縁部に第3筒部10を設けることにより、キュービクルCにおける右開きの扉Dと、左開きの扉(D)のいずれにも防水テント1を簡単に取り付けることができる。
【0091】
また、図16に示すように、天壁を構成する防水シート2Aにおいて、フック5が存在していない他方の側縁部に、出入口用の側壁を構成する長方形状の防水シート2Dを連設して雨天作業用の防水テント1を構成しても良い。
【0092】
このとき、防水シート2Dは、前壁を構成する防水シート2Bと接合していないフリーな状態にしておくことにより、作業員Sの出入りを容易に行うことができる。
【0093】
尚、図17に示すように、側壁を構成する防水シート2Cと、出入口用の側壁を構成する防水シート2Dのいずれも備えるようにして、雨天作業用の防水テント1を構成しても良い。
【0094】
また、図14に示す天壁を構成する防水シート2Aにおいて、他方の側縁部に複数のフック5を取り付けると共に、防水シート2Aの他方の側縁部において、設置片4と接合している角部分に、斜向棒6の端部を挿入する第1筒部7を設け、この第1筒部7に対向するように、防水シート2の長手方向における一方の側縁部に、斜向棒6の他端部を挿入する第2筒部8を設け、この第2筒部8に隣接するように、前壁を構成する長方形状の防水シート2Bに、起立棒9の端部を挿入する第3筒部10を設けている構成を含むことは勿論である。
【0095】
(第4の実施の形態)
加えて、雨天作業用の防水テント1を、図18に示すように、フック5の存在していないタイプに構成しても良い。
【0096】
具体的には、矩形状の天壁を構成する防水シート2Aの基端部側の一辺に、磁石3を備えている設置片4を連設し、天壁を構成する防水シート2Aの先端部側の一辺に、前壁を構成する長方形状の防水シート2Bを連設すると共に、天壁を構成する防水シート2Aの一方の側縁部に、側壁を構成する長方形状の防水シート2Cを連設し、前壁を構成する長方形状の防水シート2Aと側壁を構成する防水シート2Cを、縫製等の手段を用いて接合している。
【0097】
このタイプの防水テント1の取り付けは、まず、図19に示すように、屋外に設置されているキュービクルCの扉Dを開いた状態において、扉Dを覆うように天壁・側壁・前壁を構成する防水シート2A・2C・2Bを配置し、天壁と側壁を構成する防水シート2A・2Cの連設部分を扉Dの上縁に宛がった状態にする。
【0098】
次に、天壁を構成する防水シート2Aの第1筒部7と第2筒部8に斜向棒6の両端部を挿入して、防水シート2Aによる天壁を平面状に形成すると共に、前壁を構成する防水シート2Bの第3筒部10に起立棒9の端部を挿入し、起立棒9の先端部を地面に当接させて、防水シート2Bによる前壁を垂設状に形成する。
【0099】
この他、天壁を構成する防水シート2Aの他方の側縁部に、側壁を構成する長方形状の防水シート2Cを連設し、前壁を構成する長方形状の防水シート2Bと側壁を構成する防水シート2Cを接合して雨天作業用の防水テント1を構成し、天壁を構成する防水シート2Aの他方の側縁部において、設置片4と接合している角部分に、斜向棒6の端部を挿入する第1筒部7を設け、当該角部分に向かい合う天壁の対角部分に、斜向棒6の他端部を挿入する第2筒部8を設けると共に、当該第2筒部8に隣接するように、前壁を構成する長方形状の防水シート2Bに、起立9棒の端部を挿入する第3筒部10を設けても良い。
【0100】
この様に、天壁を構成する防水シート2Aの両方の側縁部に第1筒部7・第2筒部8を設け、さらに、防水シート2Bの上方に位置している両方の側縁部に第3筒部10を設けることにより、キュービクルCにおける右開きの扉Dと、左開きの扉(D)のいずれにも防水テント1を簡単に取り付けることができる。
【0101】
尚、本発明は、前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での改良・変形等は、本発明に全て包含されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、例えば、キュービクルの扉に簡単に取り付けて、キュービクルの計器が風雨に晒されてしまう事態の発生を防止するものであるが、キュービクル以外の、様々な施設の扉にも簡単に取り付けて、施設の構成部材が風雨に晒されてしまう事態の発生を防止するものとして、幅広く利用することができる。
【符号の説明】
【0103】
C…キュービクル
D…扉
S…作業員

1…雨天作業用の防水テント
2…防水シート
2A…天壁を構成する防水シート
2B…前壁を構成する防水シート
2C…側壁を構成する防水シート
2D…出入口用の側壁を構成する防水シート
3…磁石
4…設置片
5…フック
6…斜向棒
7…第1筒部
8…第2筒部
9…起立棒
10…第3筒部

PC…パソコン
101…電力量計器
102…蓋箱
103…固定箱
104…端子カバー

200…パソコン側のコード
300…上面部
301…側面部
303…シート本体
302…前面部
400…シート
401…骨組
402…第1の部材
403…第2の部材
404…第3の部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略長方形状の防水シートの基端部側の短辺に、磁石を備えている設置片を連設すると共に、防水シートの長手方向における一方の側縁部に、所定の間隔を開けて複数のフックを取り付けて雨天作業用の防水テントを構成し、
防水シートの長手方向における一方の側縁部において、設置片と接合している角部分に、斜向棒の端部を挿入する第1筒部を設け、この第1筒部に対向するように防水シートの長手方向における他方の側縁部に、斜向棒の他端部を挿入する複数の第2筒部を設けると共に、当該第2筒部に連なるように、起立棒の端部を挿入する複数の第3筒部を設けている雨天作業用の防水テント。
【請求項2】
屋外に設置されている施設の扉を開いた状態において、磁石を介して防水シートの設置片を計器の上に取り付けると共に、防水シートのフックを扉の上縁に掛け止めして、扉の上縁と前縁に沿うように防水シートを折曲状に配置し、
防水シートの第1筒部と特定の第2筒部に斜向棒の両端部を挿入して、防水シートによる天壁を平面状に形成すると共に、特定の第3筒部に起立棒の端部を挿入し、起立棒の先端部を地面に当接させて、防水シートによる前壁を垂設状に形成する請求項1に記載の雨天作業用の防水テント。
【請求項3】
防水シートの長手方向における他方の側縁部に、所定の間隔を開けて複数のフックを取り付けると共に、
防水シートの長手方向における他方の側縁部において、設置片と接合している角部分に、斜向棒の端部を挿入する第1筒部を設け、この第1筒部に対向するように防水シートの長手方向における一方の側縁部に、斜向棒の他端部を挿入する複数の第2筒部を設けると共に、当該第2筒部に連なるように、起立棒の端部を挿入する複数の第3筒部を設けている請求項1に記載の雨天作業用の防水テント。
【請求項4】
矩形状の天壁を構成する防水シートの基端部側の一辺に、磁石を備えている設置片を連設すると共に、天壁を構成する防水シートの先端部側の一辺に、前壁を構成する長方形状の防水シートを連設し、天壁を構成する防水シートの一方の側縁部に、所定の間隔を開けて複数のフックを取り付けて雨天作業用の防水テントを構成し、
天壁を構成する防水シートの一方の側縁部において、設置片と接合している角部分に、斜向棒の端部を挿入する第1筒部を設け、当該角部分に向かい合う天壁の対角部分に、斜向棒の他端部を挿入する第2筒部を設けると共に、当該第2筒部に隣接するように、前壁を構成する長方形状の防水シートに、起立棒の端部を挿入する第3筒部を設けている雨天作業用の防水テント。
【請求項5】
屋外に設置されている施設の扉を開いた状態において、天壁を構成する防水シートの設置片を、磁石を介して計器の上に取り付けると共に、天壁を構成する防水シートのフックを扉の上縁に掛け止めし、扉の上縁と前縁に沿うように防水シートの天壁と前壁を配置し、
天壁の第1筒部と第2筒部に斜向棒の両端部を挿入して、防水シートによる天壁を平面状に形成すると共に、第3筒部に起立棒の端部を挿入し、起立棒の先端部を地面に当接させて、防水シートによる前壁を垂設状に形成する請求項4に記載のキュービクルの扉を利用した雨天作業用の防水テント。
【請求項6】
天壁を構成する防水シートの他方の側縁部に、所定の間隔を開けて複数のフックを取り付けると共に、
天壁を構成する防水シートの他方の側縁部において、設置片と接合している角部分に、斜向棒の端部を挿入する第1筒部を設け、当該角部分に向かい合う天壁の対角部分に、斜向棒の他端部を挿入する第2筒部を設けると共に、当該第2筒部に隣接するように、前壁を構成する長方形状の防水シートに、起立棒の端部を挿入する第3筒部を設けている請求項4に記載の雨天作業用の防水テント。
【請求項7】
天壁を構成する防水シートにおいて、一方の側縁部に、側壁を構成する長方形状の防水シートを連設し、前壁を構成する長方形状の防水シートと側壁を構成する防水シートを接合している請求項4または6に記載の雨天作業用の防水テント。
【請求項8】
天壁を構成する防水シートにおいて、他方の側縁部に、出入口用の側壁を構成する長方形状の防水シートを連設している請求項4または6に記載の雨天作業用の防水テント。
【請求項9】
矩形状の天壁を構成する防水シートの基端部側の一辺に、磁石を備えている設置片を連設し、天壁を構成する防水シートの先端部側の一辺に、前壁を構成する長方形状の防水シートを連設すると共に、天壁を構成する防水シートの一方の側縁部に、側壁を構成する長方形状の防水シートを連設し、前壁を構成する長方形状の防水シートと側壁を構成する防水シートを接合して雨天作業用の防水テントを構成し、
天壁を構成する防水シートの一方の側縁部において、設置片と接合している角部分に、斜向棒の端部を挿入する第1筒部を設け、当該角部分に向かい合う天壁の対角部分に、斜向棒の他端部を挿入する第2筒部を設けると共に、当該第2筒部に隣接するように、前壁を構成する長方形状の防水シートに、起立棒の端部を挿入する第3筒部を設けている雨天作業用の防水テント。
【請求項10】
屋外に設置されている施設の扉を開いた状態において、扉を覆うように天壁・側壁・前壁を構成する防水シートを配置し、天壁と側壁を構成する防水シートの連設部分を扉の上縁に宛がった状態で、天壁を構成する防水シートの第1筒部と第2筒部に斜向棒の両端部を挿入して、防水シートによる天壁を平面状に形成すると共に、前壁を構成する防水シートの第3筒部に起立棒の端部を挿入し、起立棒の先端部を地面に当接させて、防水シートによる前壁を垂設状に形成する請求項9に記載の雨天作業用の防水テント。
【請求項11】
矩形状の天壁を構成する防水シートの基端部側の一辺に、磁石を備えている設置片を連設し、天壁を構成する防水シートの先端部側の一辺に、前壁を構成する長方形状の防水シートを連設すると共に、天壁を構成する防水シートの他方の側縁部に、側壁を構成する長方形状の防水シートを連設し、前壁を構成する長方形状の防水シートと側壁を構成する防水シートを接合して雨天作業用の防水テントを構成し、
天壁を構成する防水シートの他方の側縁部において、設置片と接合している角部分に、斜向棒の端部を挿入する第1筒部を設け、当該角部分に向かい合う天壁の対角部分に、斜向棒の他端部を挿入する第2筒部を設けると共に、当該第2筒部に隣接するように、前壁を構成する長方形状の防水シートに、起立棒の端部を挿入する第3筒部を設けている雨天作業用の防水テント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−154058(P2012−154058A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12572(P2011−12572)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】