説明

雨樋へのアンテナの取付構造

【課題】取付位置を安定させることができる雨樋へのアンテナの取付構造を提供する。
【解決手段】本発明の雨樋へのアンテナの取付構造は、外壁6に固定された竪樋控え具1と、前記竪樋控え具1に保持された竪樋7と、アンテナ42を有しており且つ竪樋7に沿って取り付けられるアンテナ部材4とを備える。アンテナ部材4は取付部5を有しており、前記竪樋控え具1は、前記アンテナ部材4の前記取付部5が取り付けられる被取付部37を有している

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、竪樋に沿ってアンテナが取り付けられた雨樋へのアンテナの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、竪樋に沿ってアンテナが取り付けられた雨樋へのアンテナの取付構造が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1記載の雨樋へのアンテナの取付構造は、外壁に沿って取り付けられた竪樋と、この竪樋に取り付けられたアンテナとを備えている。このアンテナは、二分割された構造となっている。アンテナは、この二分割された半体同士の間に竪樋を挟み、この状態で半体同士をねじで螺合する。アンテナは、一対の半体で竪樋を両側から挟圧することで、その取り付け位置が保持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平01−168101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところでこの従来の雨樋へのアンテナの取付構造は、上記のように、アンテナが、竪樋を単に両側から挟圧しただけで取付位置が保持されている。このためこの従来の構造では、例えば、アンテナが金属製の場合や、合成樹脂製であっても大きく形成されて重量が重くなった場合等には、アンテナが竪樋の外周面を滑ってずり下がる可能性がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、取付位置を安定させることができる雨樋へのアンテナの取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の雨樋へのアンテナの取付構造は、外壁に固定された竪樋控え具と、前記竪樋控え具に保持された竪樋と、アンテナを有しており且つ竪樋に沿って取り付けられるアンテナ部材とを備え、前記アンテナ部材は取付部を有しており、前記竪樋控え具は、前記アンテナ部材の前記取付部が取り付けられる被取付部を有していることを特徴とする。
【0008】
またこの雨樋へのアンテナの取付構造において、前記竪樋用控え具に設けられた前記被取付部は、上方に開口する開口穴を有しており、前記取付部は、下方に突出して前記開口穴に挿入される突出片を有していることが好ましい。
【0009】
またこの雨樋へのアンテナの取付構造において、前記アンテナ部材の取付部は、上下方向に離間して複数設けられており、この取付部は、上下方向に離間して設けられた前記竪樋控え具のそれぞれの前記被取付部に取り付けられていることが好ましい。
【0010】
またこの雨樋へのアンテナの取付構造において、前記竪樋控え具は、控え具本体と、前記被取付部とが、別体であることが好ましい。
【0011】
またこの雨樋へのアンテナの取付構造において、前記アンテナ部材は、前記竪樋に対し、隙間を介して離間していることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のアンテナの取付構造によれば、取付位置を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態1の雨樋へのアンテナの取付構造の要部斜視図である。
【図2】実施形態1の雨樋へのアンテナの取付構造における竪樋に、アンテナ部材が取り付けられる前の状態の斜視図である。
【図3】図2における水平断面図である。
【図4】実施形態1の雨樋へのアンテナの取付構造のアンテナ部材を背面から見た斜視図である。
【図5】実施形態2の雨樋へのアンテナの取付構造の水平断面図である。
【図6】(a)(b)は、実施形態2の雨樋へのアンテナの取付構造の外壁を省略した斜視図である。
【図7】実施形態2におけるアンテナ収納体へ取付部を取り付ける点を説明する分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
【0015】
本実施形態の雨樋へのアンテナの取付構造(以下、アンテナの取付構造という)は、図3に示されるように、外壁6に取り付けられた竪樋控え具1と、この竪樋控え具1に保持された竪樋7と、この竪樋7に沿って取り付けられたアンテナ部材4とを備えている。なお便宜上、竪樋7から見て外壁6側を後方とし、その反対側を前方として説明する。
【0016】
竪樋控え具1は、竪樋7を外壁6に沿って保持する。竪樋控え具1は、図1に示されるように、控え具本体2と、控え具本体2に取り付けられた被取付部3とを備えている。竪樋控え具1は、控え具本体2と被取付部3とが、別体で構成されており、両者は一体成形されたものではない。言い換えると竪樋控え具1は、被取付部3が、控え具本体2に、後付け的に装着されるものである。
【0017】
控え具本体2は、図2,3に示されるように、竪樋7を保持する樋保持部21と、この樋保持部21の後方から外壁6側に向けて突出した壁固定部24とを備えている。本実施形態の樋保持部21と壁固定部24とは、合成樹脂により成形されており、例えば射出成形や注型成形などにより一体成形されている。
【0018】
なお、この樋保持部21と壁固定部24とは一体成形されていなくてもよい。また例えば、樋保持部21が合成樹脂により成形され、壁固定部24が金属により形成されてもよい。
【0019】
樋保持部21は竪樋7を抱持する。樋保持部21は、竪樋7の外側面に、周方向の略全周に亘って当接することで、竪樋7の前後左右への倒れ止めをする。本実施形態の樋保持部21は、図3に示されるように、壁固定部24が設けられる第1部材22と、この第1部材22に回動自在に連結された第2部材23とを備えている。第2部材23は、平面視略C字状に形成されており、第一端が第1部材22の第一端に回動自在に連結され、第一端部とは反対側の第二端が、第1部材22の第二端に着脱自在に係止される。樋保持部21は、第1部材22と第2部材23とを連結すると、平面視環状に形成される。
【0020】
樋保持部21は、竪樋7の断面形状に合わせて形成される。樋保持部21は、例えば、竪樋7が断面円形の場合、平面視円形状に形成される。また樋保持部21は、例えば、竪樋7が断面略矩形状(略正方形状も含む)の場合、平面視略矩形状に形成される。
【0021】
壁固定部24は、外壁6と樋保持部21とを連結し、これにより樋保持部21を外壁6に固定する。壁固定部24は、外壁6に取り付けるために略T字状に形成されている。この壁固定部24は、図2に示されるように、壁固定部24を外壁6に固定するための固着具を挿通するための固着具挿通孔25が穿設されている。
【0022】
なお壁固定部24は、先端が釘状に形成された釘状部により構成されたものであってもよい(図6参照)。この場合、釘状部は外壁6に直接打入される。
【0023】
本実施形態の樋保持部21は、図1に示されるように、被取付部3を取り付けるための装着部26が設けられている。本実施形態の装着部26は、樋保持部21の前端(つまり、外壁6とは反対側の端部)に設けられている。本実施形態の装着部26は、前記樋保持部21における被取付部3が装着される部位である。装着部26は、例えば、接着剤の塗布面であってもよいし、樋保持部21の厚み方向に貫通した取付孔(図示せず)が穿孔されていてもよい。
【0024】
被取付部3は、樋保持部21の装着部26に固定される。被取付部3は、上方に開口する開口穴31と下方に開口する開口穴32と、上下の開口穴31,32同士を連通する貫通路33とを有している。言い換えると本実施形態の被取付部3は、上下方向に開口する貫通孔により構成されている。また被取付部3は、下方に開口する開口穴32の周縁が、後述のアンテナ部材4の係止片53が係止される被係止部37となっている。
【0025】
被取付部3は、樋保持部21に当接する部位に、樋保持部21の装着部26に固定される取着部34を有している。本実施形態の取着部34は、竪樋7側に突出して樋保持部21の上面に当接する上縁部35と、竪樋7側に突出して樋保持部21の下面に当接する下縁部36とを備えている。また取着部34は、上縁部35と下縁部36との間に位置して樋保持部21の表面に当接する当接面(図示せず)を有している。上縁部35と下縁部36との間の対向間の寸法は、樋保持部21の上下方向の幅と略同じ寸法に形成されている。取着部34は、上縁部35と下縁部36とで、樋保持部21が嵌合して圧接されるよう構成されている。
【0026】
なお取着部34は、樋保持部21に取付孔が設けられている場合、この取付孔に嵌入する嵌合突起(図示せず)が設けられてもよい。
【0027】
被取付部3は、樋保持部21に対し、着脱自在に取り付けられてもよいし、接着剤や溶着などにより固定されもよい。本実施形態の被取付部3は、取着部34の当接面と樋保持部21との接触部分に、接着剤が塗布されて強固に固定される。
【0028】
また被取付部3は、樋保持部21の前端に取り付けられたものでなくてもよく、樋保持部21の前端から周方向にずれた位置に取り付けられていてもよい。例えば、被取付部3は、樋保持部21の前端から左右のいずれかに60°程ずれた箇所に取り付けられてもよい。また、被取付部3は、樋保持部21の周方向に移動自在に設けられていてもよい。
【0029】
アンテナ部材4は、竪樋7に沿って取り付けられている。アンテナ部材4は、テレビ等の電波を送受信可能なアンテナ42を有している。本実施形態のアンテナ部材4は、図2に示されるように、断面半円弧状に形成されている。アンテナ部材4は、上下方向に長く形成されており、その長手方向と竪樋7の長手方向とが、略平行となるよう配置されている。
【0030】
アンテナ部材4は、外形を形成する合成樹脂部41と、この合成樹脂部41の肉厚内に埋設又は合成樹脂部41の竪樋7側の面に積層されたアンテナ42とを備えている。本実施形態のアンテナ42は、金属薄板43により構成されている。金属薄板43は、導電性の縦長矩形状の薄い金属板材又は金属箔により構成される。アンテナ42は、合成樹脂部41に沿った形状となっており、平面視略C字状に湾曲しており、長手方向に一様に形成されている。
【0031】
アンテナ42は、上下方向に複数のスロット44が形成されたスロットアンテナ420により構成されている。アンテナ42は、このスロット44が上下方向に複数並設されており(本実施形態では2箇所)、隣接するスロット44同士がスリット状の細溝45で接続されている。アンテナ42は、各スロット44が周方向の一部に位置している。各スロット44は、金属薄板43の厚み方向に貫通する開口により構成されており、一対の三角形の頂点同士を互いに突き合わせたようなボウタイ形状に形成されている。各スロット44は、上下方向の略中央部分に給電部46を有している。本実施形態の給電部46は、周方向に対向する三角状片47の頂点部分により構成されている。
【0032】
なお給電部46には、同軸ケーブル(図示せず)が電気的に接続される。同軸ケーブルは、中央の線が一方の三角状片47に接続され且つ外側の網線が他方の三角状片47に接続される。同軸ケーブルは、アンテナ42により受信した電波を、室内側のテレビ等に送るための伝送路となる。
【0033】
本実施形態のアンテナ42は、第一の周波数帯(例えば473〜600MHz)の電波を受信する第一の受信部48と、第二の周波数帯(例えば600〜720MHz)の電波を受信する第二の受信部49とを有している。
【0034】
第一の受信部48は、スロット44及び当該スロット44の開口周縁部により構成される。第二の受信部49は、このスロット44に上下方向に隣接する周方向に連続した金属薄板43により構成される。
【0035】
第一の受信部48を構成するスロット44の上下方向の長さは、前記第一の周波数帯内の電波の電気的な半波長の長さに応じて決定される。また、第二の受信部49の周方向の長さは、前記第二の周波数帯内の電波の電気的な半波長の長さに応じて決定される。
【0036】
このアンテナ42は、金属薄板43が非導電性の保護シートで覆われたものであってもよいし、金属薄板43が単独で使用されたものであってもよい。保護シートで覆われたアンテナ42は、金属薄板43に発生する錆を抑制する。
【0037】
アンテナ部材4は、図4に示されるように、竪樋控え具1の被取付部3に取り付けられる取付部5を有している。取付部5は、合成樹脂部41の裏側(アンテナ部材4の竪樋控え具1に対向する側の面)に設けられている。言い換えると取付部5は、アンテナ部材4の裏面に設けられている。
【0038】
取付部5は、図1に示されるように合成樹脂部41の裏面から後方に向けて突設された横片51と、この横片51の後端から下方に向けて突出した突出片52と、この突出片52の下端に設けられた係止片53とを備えている。突出片52は、竪樋控え具1の被取付部3の上方に開口する開口穴31に挿入される。取付部5は、突出片52が、上方に開口する開口穴31に挿入されると、係止片53が、下方に開口する開口穴32の周縁部の被係止部37に係止される。また取付部5は、竪樋控え具1の被取付部3に取り付けられると、横片51が、被取付部3の上端面に当接するよう構成されている。
【0039】
取付部5は、図2に示されるように、上下方向に長いアンテナ部材4の長手方向に離間するよう複数箇所に設けられている(本実施形態では2箇所)。この複数の取付部5は、上下方向の取付ピッチが、外壁6に固定された竪樋控え具1の取付ピッチに対応するよう設けられている。
【0040】
このような構成のアンテナ部材4は、外壁6に沿って取り付けられた竪樋7に沿って設置される。
【0041】
施工者は、竪樋控え具1を、上下方向に所定の寸法離間した状態で外壁6に固定する。このとき施工者は、竪樋控え具1を、竪樋7の中心線上に並ぶよう配置する。次いで、施工者は、竪樋控え具1に竪樋7を保持させる(図2参照)。
【0042】
次に施工者は、アンテナ部材4を竪樋7に沿って設置する。施工者はアンテナ部材4の裏側に設けられた取付部5を、竪樋控え具1の被取付部3に取り付け、これによりアンテナ部材4を設置する。このとき施工者は、アンテナ部材4の取付部5の下方に突出する突出片52を、被取付部3の上方に開口する開口穴31に挿入する。するとアンテナ部材4の自重により、突出片52の下端の係止片53が、竪樋控え具1の下方に開口する開口穴32の周縁部の被係止部37に係止する(図1,3参照)。
【0043】
なお本実施形態のアンテナ部材4は、上下方向に離間して複数箇所に取付部5が設けられているため、施工者は、各取付部5の突出片52を、上下方向に離間した竪樋控え具1のそれぞれの開口穴31に、ほぼ同時に挿入する必要がある。
【0044】
本実施形態のアンテナの取付構造は、アンテナ部材4の取付部5が竪樋控え具1の被取付部3に取り付けられると、アンテナ部材4の取付部5の横片51が、被取付部3の上端面に当接する。これによりアンテナ部材4は、竪樋控え具1に支持される。また本実施形態のアンテナの取付構造は、アンテナ部材4が竪樋控え具1に取り付けられると、アンテナ部材4の竪樋7側の面と竪樋7の外周面とが、一定の隙間を介して離間する。すなわち本実施形態では、取付部5と被取付部3とが、アンテナ42と竪樋7との間に隙間を形成する隙間形成部材を構成する。
【0045】
このような構成の本実施形態のアンテナの取付構造は、アンテナ部材4が、外壁6に固定された竪樋控え具1の被取付部3に取り付けられる構造であるため、アンテナ部材4の取付位置が自重等で下方にずれるのを防ぐことができる。これにより本実施形態のアンテナの取付構造は、アンテナ部材4を安定して取り付けることができる。
【0046】
また本実施形態のアンテナの取付構造は、竪樋控え具1の被取付部3が上方に開口する開口穴31を有しており、アンテナ部材4の取付部5が、下方に突出して前記開口穴31に挿入される突出片52を有している。このため、開口穴31に突出片52を上方から挿入するという簡単な作業で、取付施工を行なうことができる。
【0047】
また本実施形態のアンテナの取付構造は、突出片52の下端に係止片53を有しており、被係止部37と係止片52とが係止しているため、何らかの外力が下方から上方に向けて付与されたとしても、アンテナ部材4は抜け止めされる。これによりアンテナ部材4が落下してしまうのを防ぐことができる。
【0048】
また本実施形態のアンテナの取付構造は、上下方向に離間して設けられた竪樋控え具1のそれぞれの被取付部3に、アンテナ部材4の各取付部5が取り付けられている。このため、アンテナ部材4の取り付け状態が安定し、しかも鉛直状態を保持することができる。これにより、アンテナ部材4が傾いてしまってアンテナ42の受信性能に悪影響が生じる、といったような事態を防ぐことができる。
【0049】
また本実施形態のアンテナの取付構造は、アンテナ部材4が竪樋7に対し、隙間を介して離間しているため、竪樋7内を流下する雨水と、アンテナ42との間に一定の隙間を介在させることができる。これにより、アンテナ42と雨水とが近接することで生じるアンテナ性能への悪影響を防ぐことができる。
【0050】
また本実施形態のアンテナの取付構造は、竪樋控え具1が、控え具本体2と被取付部3とが別体の構造であるため、既存の竪樋控え具1に対して、後付け的に取り付けるようなことが可能となる。つまり本実施形態の竪樋用アンテナ42の取付構造は、新築の建物に対して、適用することも可能であるし、既に建設されたいわゆる中古の建物に対しても適用することが可能である。
【0051】
次に、実施形態2について図5〜7に基づいて説明する。なお、本実施形態は実施形態1と大部分において同じであるため、同じ部分においては同符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0052】
本実施形態の雨樋へのアンテナの取付構造は、アンテナ部材8が箱型に形成された点で、実施形態1とは異なっており、その他の構造は実施形態1とほぼ同じである。
【0053】
本実施形態のアンテナ部材8は、箱型形状のアンテナ収納体81と、アンテナ収納体81の中に収容されたアンテナ82と、このアンテナ収納体81の竪樋7側の面に固定された取付部83とを備えている。
【0054】
アンテナ収納体81は、箱型形状に形成されて、アンテナ82が収容されるアンテナ収容部(図示せず)を内部に有している。アンテナ82は、アンテナ収納体81内に設けられて、テレビ等の電波の送受信を行なう。
【0055】
アンテナ部材8は、アンテナ収納体81の側面に取付部83が設けられている。この取付部83は、図7に示されるように、アンテナ収納体81の側面に、ボルト90及びナット91を介して取り付けられている。取付部83は、アンテナ収納体81に取り付けるための固着部84と、この固着部84から竪樋7側に向けて突出した横片51と、横片51の突出端部から下方に向けて突出した突出片52と、この突出片52の下端に設けられた係止片53とを備えている。なお、横片51と突出片52と係止片53とは、実施形態1と同様の構成であるため、説明は省略する。
【0056】
固着部84は、ボルトを挿通するための固着具挿通孔85が穿設されている。固着部84は、板状に形成されており、アンテナ収納体81の側面に当接される。固着部84は、アンテナ収納体81の側面に当接した状態で、アンテナ収納体81内に配置固定されたナット91に、外方からボルト90が螺合されることで、アンテナ収納体81の側面に固定される。
【0057】
なお、固着部84の固着具挿通孔85に挿通されるボルト90は、アンテナ収納体81の側面にタップ孔を設け、このタップ孔に直接螺合されてもよい。
【0058】
このように本実施形態のアンテナの取付構造は、箱形状のアンテナ部材8を、実施形態1と同様、竪樋控え具1に取り付ける構造であるため、自重等によりアンテナ部材8が下方にずれてしまうのを防ぐことができる。また、下方に突出する突出片52を、上方に開口する開口穴31に挿入して取り付ける構造であるため、施工者は容易に取り付けることができる。
【0059】
また実施形態1,2のアンテナ部材は、断面半円弧状のアンテナ部材4や、箱型形状のアンテナ部材8であったが、本発明の雨樋へのアンテナの取付構造においては、実施形態1,2のアンテナ部材4,8に限定されない。すなわち本発明においては、例えば、市販の壁面設置型のアンテナに、実施形態1,2の取付部5,83を取り付け、このアンテナを被取付部3が設けられた竪樋控え具1に固定してもよい。
【0060】
なお、実施形態1,2のアンテナの取付構造は、控え具本体2と被取付部3とが別体の構造となっていたが、本発明においては、これらは必ずしも別体である必要はない。言い換えると本発明に用いられる竪樋控え具は、被取付部が控え具本体に一体成形されたものであってもよい。
【0061】
また実施形態1,2の雨樋へのアンテナの取付構造は、竪樋7が、断面円形状の丸樋により構成されていたが、本発明のアンテナの取付構造においては、竪樋が、断面多角形の角樋により構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 竪樋控え具
2 控え具本体
21 樋保持部
24 壁固定部
26 装着部
3 被取付部
31 開口穴(上方)
32 開口穴(下方)
33 貫通路
34 取着部
35 上縁部
36 下縁部
37 被係止部
4 アンテナ部材
41 合成樹脂部
42 アンテナ
420 スロットアンテナ
5 取付部
51 横片
52 突出片
53 係止片
6 外壁
7 竪樋


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁に固定された竪樋控え具と、
前記竪樋控え具に保持された竪樋と、
アンテナを有しており且つ竪樋に沿って取り付けられるアンテナ部材と
を備え、
前記アンテナ部材は取付部を有しており、
前記竪樋控え具は、前記アンテナ部材の前記取付部が取り付けられる被取付部を有している
ことを特徴とする雨樋へのアンテナの取付構造。
【請求項2】
前記竪樋控え具に設けられた前記被取付部は、上方に開口する開口穴を有しており、
前記取付部は、下方に突出して前記開口穴に挿入される突出片を有している
ことを特徴とする請求項1記載の雨樋へのアンテナの取付構造。
【請求項3】
前記アンテナ部材の前記取付部は、上下方向に離間して複数設けられており、
この取付部は、上下方向に離間して設けられた前記竪樋控え具のそれぞれの前記被取付部に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の雨樋へのアンテナの取付構造。
【請求項4】
前記竪樋控え具は、控え具本体と、前記被取付部とが、別体である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の雨樋へのアンテナの取付構造。
【請求項5】
前記アンテナ部材は、前記竪樋に対し、隙間を介して離間している
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の雨樋へのアンテナの取付構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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