説明

雨水収集装置および浄水装置と太陽熱温水化装置を一体化させたシステム

【課題】 浄化された雨水は、通常、庭木への散水、洗車、トイレ洗浄などに利用されるか、あるいは、非常用の飲料水へと転用されるが、太陽熱温水器の水源とはされていない。雨水の収集および浄化と同時に、その浄化水の太陽熱による加熱後に得られる温水の入浴湯等への転用が可能な、雨水ならびに太陽熱エネルギーの効率的な活用方法の考案が求められる。また、水道水の供給には多大な費用を要し、かつ、日常生活におけるエネルギー消費のうち、給湯用に供されるエネルギーは相当量を占めている。故に、温水の確保にかかる費用削減と同時に、再生可能な水資源およびエネルギーの活用による自然環境への負荷低減が求められる。
【解決手段】 浄水および加熱エネルギーの自給と効率的な利用のため、雨水収集および浄水化機能と太陽熱エネルギーを活用した温水化機能の各機能を一体化させたシステムを構築する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生可能な水資源およびエネルギーの有効活用による、自然環境に対する負荷を低減するための、雨水収集装置および浄水装置と太陽熱温水化装置を一体化させたシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自然環境への負荷低減の観点から再生可能エネルギーの有効活用が進められ、従来から各種の太陽熱温水器が考案され普及しつつある。また、水資源の枯渇や汚染が懸念されるなか、比較的清浄な雨水を貯留し再利用する方法も考案され普及しつつある。
【0003】
従来から、雨水浄化装置として、細菌除去機能を有するフィルターを内蔵した携行可能なもの(例えば、特許文献1参照。)や、雨水の濾過および殺菌装置を組み込んだ縦樋(例えば、特許文献2参照。)、さらに、濾過、殺菌、消毒および貯留機能を一体化させたシステム(例えば、特許文献3参照。)など、比較的小規模な雨水処理システムが考案されている。また、雨水の濾過、殺菌、ph調整、ミネラル溶出および貯留などの処置を一体化させた概念(例えば、特許文献4参照。)も考案されている。
【特許文献1】 特開2006−051428号 公報
【特許文献2】 特開平11−200572号 公報
【特許文献3】 特開平09−047765号 公報
【特許文献4】 特開平09−234496号 公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記により得られた浄化水は、通常、庭木への散水、洗車、トイレ洗浄などに利用されているか、あるいは、非常用の飲料水へと転用されるが、太陽熱温水器の水源とはされていない。雨水の収集および浄化と同時に、その浄化水の太陽熱による加熱後に得られる温水の入浴湯等への転用が可能な、雨水ならびに太陽熱エネルギーの効率的な活用方法の考案が求められる。
【0005】
また、水道水の供給には、水源確保、汚水浄化、上水道の維持管理などの多大な費用を要しており、かつ、日常生活におけるエネルギー消費のうち、給湯用に供されるエネルギーは相当量を占めている。故に、温水の確保にかかる費用の削減と同時に、再生可能な水資源およびエネルギーの活用による自然環境への負荷低減が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
温水の確保にかかる費用の削減ならびに自然環境に対する負荷低減に資する、浄水および加熱エネルギーの自給と効率的な利用のため、雨水の収集およびその濾過、殺菌ならびに消毒等を行う浄水機能と太陽熱エネルギーを活用した温水化機能を一体化させたシステムを構築する。
【発明の効果】
【0007】
生活者および事業者の光熱水費の支出が軽減されると共に、持続的な低エネルギー消費社会の実現を促すことにより自然環境への負荷が低減される。同時に、温水器等における貯留効果により洪水災害抑止の一助となる。
【実施例】
【0008】
以下、この発明の実施例を図面に従い説明する。図1はこの発明の実施に要する装置の上下位置関係と流水経路を断面的に示した配置図である。
【0009】
雨樋(1a)から収集した雨水を浄水装置(2)において濾過、消毒、殺菌等した後に太陽熱温水器(3)により加熱された温水を浴槽等(4)へ流すために、(1a)から(2)(3)(4)へと順次下って行く、すべての流水工程を重力に依るよう配置する。
【0010】
太陽熱温水器(3)により得られた温水の浴槽等(4)への排水およびその停止は、排水コック(5)において制御し、排水後、新たな雨水の収集により、浄水装置(2)太陽熱温水器(3)等を満水にする。
【0011】
浄水装置(2)の入り口から排水コック(5)の間は常時満水であることを原則とし、浄水装置(2)から溢れた雨水はオーバーフロー管(1b)により流出される。
【0012】
排水後の湯温は、既存の湯沸かし器による加熱、あるいは、水道水との中和により調整することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一体性および高さの位置関係と流水経路を示す断面図
【符号の説明】
【0014】
1a 雨樋
1b オーバーフロー管
2 浄水装置
3 太陽熱温水器
4 浴槽等
5 排水コック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雨樋などから収集した雨水を浄水装置において浄化した後に太陽熱温水器で温め、その温水を浴槽等へ供給する、すなわち雨水収集装置、浄水装置、太陽熱温水化装置を一体化させたシステム。
【請求項2】
使用する水は雨水、温水化エネルギーは太陽熱、水の移動は重力による、すなわちすべての作用を天然のものによりまかなう、請求項1に記載のシステム。

【図1】
image rotate