説明

雰囲気模倣機能を有する飲料調製マシン

本発明は、雰囲気模倣機能を有する飲料調製マシンに関する。提供装置(11、21、17)は、再生に際して既定の雰囲気を作る可視コンテンツを伴うデータを提供し、提供されるデータが、状況を示すコンテキスト情報にリンクされている。取得装置(11、37、60、62、63)は、実際の状況を示す少なくとも1つの実際のコンテキスト情報を取得し、ディスプレイ(10)は、実際の状況に関連する雰囲気を作るために、取得された実際のコンテキスト情報に関連付けられたデータを再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の属する技術分野は、雰囲気模倣機能を有する飲料調製マシンと、メモリ装置上に格納され、飲料調製マシンの制御部によって実行可能なプログラムとに関する。
【0002】
本明細書において、「飲料」は茶、コーヒー、熱い若しくは冷たいチョコレート飲料、ミルク、スープ、ベビーフード又は同様のものなどの任意の液状食品を含むことが意図されている。「カプセル」は、封入容器内に予め小分けにされた任意の飲料原料を含むことが意図されている。ここで、封入容器は、例えばプラスチック製容器、アルミニウム製容器、再利用可能容器及び/又は生分解可能容器、特に密閉容器など、任意の材料からなり、飲料原料を含有する軟らかいポッド若しくは硬いカートリッジを含む任意の形状かつ構造からなる。
【背景技術】
【0003】
ある種の飲料調製マシンでは、抽出され又は溶解される原料を収容するカプセルが用いられる。他の飲料調製マシンの場合、原料は、飲料調製マシン内において蓄えられ、自動的に投入され、あるいは、飲料を調製する際に加えられる。
【0004】
大部分のコーヒーマシンや他の飲料調製マシンは、液体用、通常は水用のポンプを含む注入手段を備えており、そのポンプは、冷水源から、もしくは、実際には、加熱抵抗器、サーモブロック又は同様のものなどの加熱手段によって加熱される水の供給源から液体を圧送する。通常、そのような注入手段は、飲料調製マシンの制御部、典型的には制御器を伴うプリント回路基板を含む制御部によって制御される。
【0005】
そのようなマシンに動作命令を与えたり、マシンからフィードバックを得たりするために、ユーザがマシンと情報をやりとりできるように、例えば以下の参考文献、すなわち、オーストリア国特許第AT410377号明細書、スイス国特許第682798号明細書、独国特許第4429353号明細書、独国特許第20200419号明細書、独国特許出願公開第202006019039号明細書、独国特許出願公開2007008590号明細書、欧州特許第1302138号明細書、欧州特許第1448084号明細書、欧州特許第1676509号明細書、欧州特許出願公開08155851.2号明細書、仏国特許第2624844号明細書、英国特許第2397510号明細書、米国特許第4,377,049号明細書、米国特許第4,458,735号明細書、米国特許第4,554,419号明細書、米国特許第4,767,632号明細書、米国特許第4,954697号明細書、米国特許第5,312,020号明細書、米国特許第5,335,705号明細書、米国特許第5,372,061号明細書、米国特許号明細書5,375,508号明細書、米国特許第5,731,981号明細書、米国特許第5,645,230号明細書、米国特許第5,836,236号明細書、米国特許第5,959,869号明細書、米国特許第6,182,555号明細書、米国特許第6,354,341号明細書、米国特許第6,759,072号明細書、米国特許第2007/0157820号明細書、国際公開第97/25634号、国際公開第99/50172号、国際公開第2004/030435号、国際公開第2004/030438号、国際公開第2006/063645号、国際公開第2006/090183号、国際公開第2007/003062号、国際公開第2007/003990号、国際公開第2008/104751号、国際公開第2008/138710号、国際公開第2008/138820号及び国際公開第2009/016490号で述べられているように、当分野において様々なシステムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在の飲料調製マシンは、増加しつつある様々な機能を提供し、それに応じて、飲料調製マシンの機能に関してますます多くの指示を提供する。例えば、警告灯又はビープ音は通常、顧客に対して故障、原料不足又は同様のことを示すための予報をする。
【0007】
従って、飲料調製マシンは非常に機能的かつ電子的であり、そのことは、むしろ顧客を悩ませている。それ故に、既知の飲料調製マシンは現代の生活様式に適合していないという欠点を持つ。
【0008】
従って、本発明の目的は先行技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の好適な目的は、飲料調製マシンの表示を実際の状況に適合させることを可能にする雰囲気模倣機能を有する飲料調製マシンを提供することにある。より具体的には、本発明の目的は、飲料調製マシン自体の機能を強調するのではなく、むしろ装置の態様が生活様式、雰囲気及び装飾(furnishing)にメリットをもたらすようなマシンを提供することにある。より具体的には、本発明の目的は、特にユーザが自宅で又はより一般的には家庭環境若しくは非公共の環境で飲料を調製するために自身のマシンを使用する場合、生活様式、雰囲気及び装飾にメリットをもたらすようなマシンを提供することにある。
【0010】
第1の態様によれば、本発明は雰囲気模倣機能を有する飲料調製マシンであって、再生に際して既定の雰囲気を作る可視コンテンツを伴うデータを提供する提供装置であり、提供されるデータが、状況を示すコンテキスト情報にリンクされている提供装置と、実際の状況を示す少なくとも1つの実際のコンテキスト情報を取得する取得装置と、実際の状況に関連する雰囲気を作るために、取得された実際のコンテキスト情報に関連付けられたデータを再生するディスプレイとを備える飲料調製マシンに関する。
【0011】
更に本発明は、メモリ装置上に格納され、雰囲気模倣機能を提供する飲料調製マシンの制御部によって実行可能なプログラムに関しており、そのプログラムが実行に際して、再生に際して既定の雰囲気を作る可視コンテンツを伴うデータを提供するステップであり、提供されるデータが、状況を示すコンテキスト情報にリンクされているステップと、実際の状況を示す少なくとも1つの実際のコンテキスト情報を取得するステップと、実際の状況に関連する雰囲気を作るために、取得された実際のコンテキスト情報に関連付けられたデータをディスプレイによって再生するステップとを行うように構成されている。
【0012】
雰囲気模倣機能を提供するこのプログラムは、電子的データ処理のプログラムコード命令を含み、プロセッサ又はコントローラのような処理部によって実行されることが意図される。その結果、本発明は、情報サポータ(support)上のプログラムであって、雰囲気模倣機能を提供するプログラムにも関する。これらのプログラムは、任意のプログラミング言語を使用してもよく、ソースコード形式、オブジェクトコード形式、又はソースコードとオブジェクトコードの間の中間コード形式、そのように部分的にコンパイルされたコード形式、あるいは任意適当な他の形式であってもよい。
【0013】
また、本発明は、飲料マシンによって読み取り可能な情報サポータに関するものでもあり、その情報サポータ上には、上述したようなプログラムの命令が格納される。情報サポータは、そのプログラムを格納することが可能な任意適当なデバイスであってもよい。例えば、そのデバイスは、CD−ROM、USBキー、フラッシュメモリ又はマイクロ電子回路のROMを含む格納手段、あるいはフロッピ又はハードドライブのような磁気格納手段を含んでもよい。
【0014】
更に、情報サポータは電気的信号若しくは光学的信号などの伝送可能なサポータであってもよく、その伝送可能なサポータは、電気的配線若しくは光学的配線によって、無線周波数手段によって、又は任意適当な結合手段によって伝送されることができる。プログラムは、インターネットに接続されるネットワークから特にダウンロードされてもよい。
【0015】
情報サポータは、そのプログラムが組み込まれる集積回路であってもよく、集積回路は、このプログラムを実行するように又はこのプログラムを実行することに使用されるように構成されている。
【0016】
本発明の更なる特徴、利点及び目的は、本発明の実例にすぎない実施形態の以下の詳細な説明と添付の図面によって明らかになるであろう。
【0017】
ここで、概略図を参照しながら本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1a】本発明に係る飲料調製マシンの一斜視図を示す。
【図1b】本発明に係る飲料調製マシンの一斜視図を示す。
【図2a】本発明に係る飲料調製マシンの一斜視図を示す。
【図2b】本発明に係る飲料調製マシンの一斜視図を示す。
【図3】ネットワークに接続されており本発明に係る飲料調製マシンの機能的アーキテクチャを図式的に示すブロック図を示す。
【図4】本発明に係る飲料調製マシンを含むネットワークの機能的アーキテクチャを図式的に示すブロック図を示す。
【図5】ネットワークに接続されており本発明に係る飲料調製マシンの機能的アーキテクチャを図式的に示す別のブロック図を示す。
【図6a】本発明に係る表示画像の一実施形態である。
【図6b】本発明に係る表示画像の一実施形態である。
【図6c】本発明に係る表示画像の一実施形態である。
【図6d】本発明に係る表示画像の一実施形態である。
【図7】本発明に係る方法の処理ステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る飲料調製マシンは、コーヒー、茶又はスープのマシン、特に供給される飲料若しくは液状食品の原料、例えば挽かれたコーヒーなどを収容するカプセルに熱水、冷水又は他の液体を通すことによって飲料若しくは液状食品を供給するマシンとすることができる。
【0020】
例えば、飲料調製マシンは、使用のためにカプセルを収容し使用後にカプセルを排出するように構成される飲料調製部、液体貯蔵部、液体循環回路、加熱器、及びポンプのうちの1つ又は複数を含む原料処理装置と、飲料調製部から排出されるカプセルを座部に導く開口部を有する筺体と、容器であって、その座部に排出されるカプセルをその容器に満杯になるまで収集するための収納空間を形成する空洞部を有する容器とを具備する。この容器は、カプセルを収集するために座部に挿入することが可能であり、収集済みのカプセルを出して空にするために座部から取り外されることが可能である。そのような原料処理装置の例は、国際公開第2009/074550号及び国際公開第2009/130099号に開示されており、これらの開示内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0021】
飲料調製マシンは、国際出願第EP09/058540号に記載されているようなインターフェースを含んでもよく及び/又は欧州特許出願公開09169800.1号明細書に記載されているようなカプセル再注文用のネットワーク内にあってもよい。
【0022】
飲料調製マシンは、ユーザに情報を提供する及び/又はユーザによる入力を受け付けるユーザインターフェーススクリーンを具備してもよい。ユーザインターフェーススクリーンは、タッチセンサ式スクリーンとすることができ及び/又はタッチセンサ式の入力部分を含むことができる。飲料調製マシンは、タッチパッド、1つ若しくは複数のボタン及び/又はスイッチあるいは当分野で周知の同様のデバイスなどのユーザ入力デバイスを有してもよい。ユーザインターフェーススクリーンはタッチペンに反応するものであり得る。
【0023】
タッチペンは、例えばユーザインターフェーススクリーン上に表示される既定のオプションを選択するのに使用されてもよいし、あるいは飲料調製マシンによって格納されて後に再アクセス可能であり得るメモ及びメッセージをユーザインターフェーススクリーン上に書くのに使用されてもよい。従って、ユーザインターフェーススクリーンはポスト・イット(登録商標)の代わりとして使用されてもよい。ここで、ユーザインターフェーススクリーン上に書く際に様々な色を選択することが可能であり得る。
【0024】
本発明によれば、液状食品調製マシン若しくは飲料調製マシンは、ユーザインターフェーススクリーン上に表示可能な遠隔データにアクセスするためのネットワーク及び/又はユーザインターフェーススクリーン経由で取得されるローカルデータを転送するためのネットワーク、特に、ユーザによって要求され得る液状食品若しくは飲料に関連する視覚情報及び/又は音声情報を提供するためのネットワーク、並びに/あるいはユーザインターフェーススクリーンを使用することによって液状食品、飲料原料又はこのマシンに関連するサービスなどの商品を特に遠隔サプライヤから注文するためのネットワークなどの遠隔ネットワークに接続するインターフェースを有する。
【0025】
従って、ユーザは、無くなった若しくは少量レベルの液状食品又は飲料原料を飲料調製マシンを通して直接注文する技術的可能性を与えられ得る。あるいは、ユーザは、特定品目、特にユーザが要求した又は調製若しくは遠隔サプライヤからの注文を飲料調製マシンに要求するつもりである液状食品か飲料に関する最新情報を、飲料調製マシンを通して直接要求する技術的可能性を与えられ得る。
【0026】
更に、ユーザインターフェーススクリーンは、ユーザの措置を要求する飲料調製マシンのパラメータに関する情報をユーザに表示する機能、ローカルに格納され及び/又は遠隔で送られるグラフィック若しくはテキスト要素を表示する機能、メモ帳機能、並びに例えば適当な写真を表示する又は色付きの形状を移動することによって視覚的な雰囲気を作る例えばスクリーンセーバ型の生成器の機能のうちから選択される少なくとも1つの機能を実行するように構成されることができる。
【0027】
視覚効果によって飲料調製マシンの周囲の雰囲気に著しく影響を与えるために、ユーザインターフェーススクリーンは、ユーザが視認可能なマシン部分の多くを占める必要がある。インターフェーススクリーンが小型であり及び/又はマシンのうちユーザが視認可能な部分が欠けていると、最適な雰囲気の効果をもたらさないであろう。
【0028】
一実施形態では、下記のように、かつ図1a及び図1bに示されるように、ユーザインターフェーススクリーンを筺体上に配置することによってユーザインターフェーススクリーンが筺体の多くを占めて表示される。筺体はユーザに対するユーザ指向性を有する。ユーザ指向性は、ユーザインターフェーススクリーンに概ね直交する通常の視野方向をそのユーザが有し、液状食品又は飲料の供給を普通に要求するときにユーザがユーザインターフェーススクリーンの中心部分を遮るように構成されている。このユーザ指向性では、ユーザインターフェーススクリーンは、筐体のうちユーザが視認可能な最も外側の境界によって画定される視認可能な筺体部分でユーザに面するように構成されている。このユーザ指向性では、ユーザインターフェーススクリーンは、ユーザが視認可能な筺体部分の全体又はユーザインターフェーススクリーンの表面の主要部分を実質的に形成する、あるいは、ユーザが区別して視認可能な複数部分の多くを占めておりユーザが視認可能な筺体部分を共に形成している大部分を形成する。
【0029】
更に、液状食品調製マシン若しくは飲料調製マシンは、音響入力装置及び/又は音響出力装置を含んでもよい。その音響装置は、ユーザインターフェーススクリーンと協働するように構成されることができ、特にユーザインターフェーススクリーンと機能的に協働するように構成される音響装置、例えばユーザインターフェーススクリーン上のユーザ入力に反応して旋律的な音響フィードバックを提供する及び/又は音声信号に反応して調和的な視覚フィードバックがユーザインターフェーススクリーン上に生成されるようにユーザインターフェーススクリーンと協働する音響装置などである。その音響装置は、ユーザの口頭命令を受信することができるように及び/又は音声分析によって特定のユーザプロファイルをリンクすることができるように音声認識装置を含んでもよい。
【0030】
例えば、ユーザインターフェーススクリーンは、調製マシンが液状食品若しくは飲料を調製している間に映画、ニュース、天気予報、株式取引情報又は同様の任意のものを表示するように構成されてもよく、これにより、ユーザは、そのような行動に移るために液状食品若しくは飲料が調製されるまで待つ必要はなく、その機能が単なるデータの入力及び/又は出力を著しく越えている快適なインターフェーススクリーンを用いて、それらを最初から行うことができる。
【0031】
そのような液状食品調製マシン若しくは飲料調製マシンは、特に放送進行中のラジオ又はテレビ番組の間に液状食品若しくは飲料を調製するのに便利である。従って、ユーザは普通のテレビ又はラジオ上でそのような番組の進行を追い続ける間に液体食品若しくは飲料を自身で得て、更に飲料調製マシン上でその番組の進行を追い続けてもよい。従って、ユーザは、番組の終了又は広告による休憩を待とうとしないであろう。飲料調製マシンは、IR又は無線遠隔制御装置などの遠隔制御装置、特にラジオ又はテレビと互換性のある遠隔制御装置に反応することが可能な受信機を含んでもよく、これにより、ユーザは液状食品若しくは飲料調製マシンを遠隔から、特にユーザが自身のテレビの前又はラジオの近くに座っている間に始動することができる。当然、液状食品調製マシン若しくは飲料調製マシンは、ユーザが液状食品若しくは飲料を調製している間にユーザが自身のお気に入りの番組の進行を追い続けることができるようにDVD又は他のメディアソースに接続されてもよい。
【0032】
調製マシンは、ユーザインターフェーススクリーンによって大部分が占められている矩形表面とその表面部分より大きい脚部分とを有する本体によって実質的に形成されることができ、これにより本体が脚部分から表面部分まで先細りになっている。本体は、液状食品若しくは飲料で満たされる容器用の支持部材を有するドリップトレイ、カプセル収集器及び貯水器などの液体供給貯蔵部のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0033】
更に、調製マシンは、満たされる容器を収容する部分の上方に配置される液状食品出口又は飲料出口を有してもよく、その出口はユーザインターフェーススクリーンによって隠されていることが好ましい。例えば、その出口はユーザインターフェーススクリーンの後ろに垂直に配置される。実際、その出口の全領域又は実質的な部分はユーザインターフェーススクリーンの後ろに垂直に配置されることができる。
【0034】
従って、ユーザの注意を自然に惹き続ける調製マシン上のユーザインターフェーススクリーン構成を提供することに加えて、調製マシンの出口と、随意的にその出口の下に配置される容器は、ユーザインターフェーススクリーンに関するもの以外で調製マシンの部分及び/又は操作によってユーザの注意をそらすことを避けるようにユーザの視界から隠されてもよい。
【0035】
既に述べたように、本発明はデータ交換ネットワークに接続可能なマシンに関しており、そのマシンは特にカプセル内に予め小分けにされた飲料原料から飲料を調製するように構成される。
【0036】
このため、マシンは有線又は無線接続でそのマシンをデータ交換ネットワークに接続する通信モジュールを具備する。通信モジュールが接続可能なデータ交換ネットワークは、インターネット、イントラネット、GSM(登録商標)ネットワーク、UMTSネットワーク、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)ネットワーク、赤外線(IR)ネットワーク、あるいは飲料調製マシンの通信モジュールと通信するために1つ又は複数の遠隔コンピュータ、サーバ及び端末が接続される同様のネットワークであってもよい。本明細書では、「ネットワーク」という用語は、本発明に係るマシンと少なくとも1つの他の装置とを備えるシステムであって、そのマシン及びその装置が一方向又は双方向通信用の通信リンク経由で互いに接続されるシステムを示すことが意図される。2つ以上の装置に対して接続が設けられる場合、マシンは様々な種類の通信ネットワーク経由で様々な装置に接続されることもできる。
【0037】
原料処理装置を制御せずに、あるいは原料処理装置の制御に関与せずに、通信モジュールは、飲料調製マシンのある特定の状況を監視するように及び特にそのような状況をネットワーク上の遠隔サーバに通信するように飲料調製マシン内で構成されることができる。
【0038】
飲料調製マシンは、飲料調製マシン内の全ての処理を制御する制御部を更に具備する。一実施形態では、制御部は、通信モジュールとデータ通信するように構成されており、そのデータは飲料調製処理、原料処理装置、制御部及び/又は飲料調製設定のうちの少なくとも1つに関する。その場合、この情報は、遠隔サーバに通信され(又は通信されなく)てもよく、一般的な目的、特別な商業上の目的、サービスの目的、修理の目的、又はカウンセリングの目的のために処理されてもよい。
【0039】
さらにより安全な実施形態では、制御部は、通信モジュールと通信することを阻止される。この場合、通信は上述のように一方向でさえもなく存在しない。従って、制御部は、情報要求のための信号でさえも通信モジュールから一切受信しないように構成される。この実施形態では、データ通信経路は、制御部と通信モジュールの間に必要とされない。
【0040】
典型的には、原料処理装置は、この原料処理装置の状況及び/又は飲料調製処理の状況に関するパラメータを測定する1つ又は複数のセンサを備えている。例えば、そのようなセンサは、温度センサ、圧力センサ、流量計、電力センサ、過熱センサ、湯垢センサ、水位センサ、原料認識センサなどのうちの少なくとも1つを含むことができる。通常、そのようなセンサは、制御部に接続される。
【0041】
一実施形態では、通信モジュールは、それらのセンサのうちの少なくとも1つから情報を受信するように構成されることができる。通信モジュールは、センサに直接的に接続されることができ、通常、制御部と平行に接続され、あるいは制御部を通してセンサに間接的に接続されることができ、典型的には制御部による処理の後にセンサに関する情報を通信することができる。
【0042】
通常、制御部は飲料調製ユーザインターフェースに接続されている。ユーザは、このユーザインターフェースを用いて制御部を通して原料処理装置を動作させる。
【0043】
典型的には、通信モジュールは通信ユーザインターフェースに接続されている。ユーザは、このユーザインターフェースを用いて、ネットワークから情報を取り出したり、このユーザインターフェースから情報を取り出したりする。
【0044】
そのようなユーザインターフェースは、当分野で知られているように、スクリーンやタッチスクリーン、ボタン、スイッチ等を含むことができる。
【0045】
制御部は飲料調製ユーザインターフェースに接続され、通信モジュールは通信ユーザインターフェースに接続されていることが好ましい。飲料調製ユーザインターフェース及び通信ユーザインターフェースは並置されている。特に、飲料調製ユーザインターフェースは、通信ユーザインターフェースと同一面にあることができる。飲料調製ユーザインターフェース及び通信ユーザインターフェースは単一のユーザインターフェース画面(Canvas)に配置されることができる。従って、ユーザインターフェースをこのように配置すると、ユーザが制御部及び通信モジュールに対してあらゆるアクセスをすることが可能な単一インターフェースのようなものを実現することができる。
【0046】
制御部及び通信モジュールが、デジタル的に及び/又は物理的に、全体的に又は部分的に、飲料調製マシン内で分離されるのに対して、対応するユーザインターフェースは、明らかに単一のインターフェースとして構成されることができる。従って、ユーザは、単一型又は集中型のインターフェース構成に対面して、自身の注意が飲料調製マシンのあらゆるところに散漫しなくて済む。
【0047】
典型的には、飲料調製マシンは、原料処理装置、制御部、及び通信モジュールを収容するための筺体を含む。通常、この筺体はユーザインターフェースも有する。
【0048】
例えば、通信モジュールは、特定サービスを実行する必要性、飲料調製マシンを修理する必要性、及び飲料調製マシンで処理される特定原料に関する情報のうちの少なくとも1つに関する情報をネットワークから受信し、例えばディスプレイ及び/又はスピーカなどのユーザ通信手段を通して通信するように構成される。飲料調製マシンの動作及び/又は構成要素を監視するように通信モジュールが構成されると、対応する情報は、評価のために及びユーザへの提案を生成するために、例えば通信モジュールを通して、ネットワークの遠隔サーバに通信されることができる。例えば、適切なセンサシステムを用いて、通信モジュールは、原料の消費量を監視してもよく、かつ、原料の在庫が少なくなったときに適時に再注文することを提案してもよく、あるいは、飲料調製マシンに表示するために、処理される原料又は飲料に関する一般的な情報を送信してもよい。原料、例えば配合された原料カプセルなどを再注文することを単に提案する代わりに、このシステムは、原料の在庫が少なくなったときに自動的に再注文するように構成されてもよい。
【0049】
通信モジュールは、例えば湯垢除去処理を行うための又は一般的な保守作業のためのサービス期間を遠隔監視するように構成されることができる。通信モジュールは、診断目的のために、及び/又は、例えば様々な原料の実際に用いられる割合などの、ユーザの好みに関する市場調査を行うために、原料処理装置及び制御部の様々なパラメータを通信することができる。従って、遠隔サーバは、ある特定の原料により供給される飲料の好適な量などを監視することができる。
【0050】
より一般的には、通信モジュールは、ユーザによるこの種のマシンの取扱い、例えばオンラインユーザマニュアル及び/又は飲料レシピの提供などと、飲料調製マシン、付属品、1つ又は複数の処理される原料、あるいは関連する製品に関する広告と、飲料を処理するための1つ又は複数の原料に関する一般的な情報と、そのような飲料若しくは飲料の調製若しくは飲料の消費に関する雰囲気を作るための視覚効果(visualization)及び/又は音楽と、ニュース及び/又は天気予報となどに関する情報をネットワークから受信し、例えばディスプレイ及び/又はスピーカなどのユーザ通信手段を通して通信するよう構成することができる。例えば、適切なユーザインターフェースを伴う通信モジュールは、ネットワークを通して原料を遠隔注文できるように構成されることができる。
【0051】
飲料調製マシンは、カプセルの消費を自動的に監視し、その自動的な監視が顧客所在地の消耗原料カプセルが不足に達していることを示すたびにサプライヤのサーバにカプセル注文を送るように構成されることができ、このカプセルサプライヤのサーバは、このカプセル注文を受けて顧客に供給するカプセルの新しい在庫の出荷を準備するための対応する命令を生成するように構成される。
【0052】
飲料調製マシンは、カプセルの消費を自動的に監視して上記命令を生成するように構成される、サプライヤのサーバにカプセルの消費を自動的に通信するように構成されることができる。
【0053】
飲料調製マシンのカプセル抽出部は、様々な飲料を調製するための様々な種類の原料カプセルを収容するように構成されることができる。例えば、このカプセル抽出部は、家庭内又は家庭外の飲料調製マシン規格のアラビカ種のカプセル、ロブスタ種のカプセル、カネフォラ種のカプセル等、及びそれらの混合物のカプセル、例えばカプセルタイプのものであるネスプレッソ(NESPRESSO:登録商標)カプセルなどから選択される様々な種類のコーヒーカプセルを収容するよう構成される。
【0054】
一実施形態では、飲料調製マシンはカプセル自動認識装置を有する。
【0055】
例えば、カプセル認識システムは、国際公開第02/28241号に記載されている種類のものである。同文献は、センサを通してマシンにより自動的に読み取り可能なマシン解釈可能な特徴を伴うカプセルを用いるコーヒーマシンを開示する。カプセルに設けられるマシン解釈可能な特徴は、色彩、形状、グリフ、テキスト文字列、バーコード、電子透かし、記号、切込み、溝又は穴のうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0056】
例えば、カプセル抽出部は、様々な飲料を調製するための様々な種類の原料カプセルを収容するように構成され、カプセル自動認識装置は、使用されている原料カプセルの種類を識別するように構成される。
【0057】
実際には、様々な種類のカプセルが同じ抽出部において使用される可能性が高い場合、実行される抽出処理数を数えるだけでは残りのカプセルの在庫を導き出すのに不十分である。様々なカプセルの種類に従った分化型管理システムを提供するためにカプセルの種類がマシンによって識別されるべきである。
【0058】
以下では、図1a、図1b、図2a及び図2bを参照して本発明に係る飲料調製マシン1とその飲料調製マシンの基本的な機能を説明する。ここで、図1aは飲料調製マシン1の上面斜視図であり、図1bは底面斜視図であり、図2aは飲料調製マシン1の第1側面の側面図であり、図2bは飲料調製マシン1の第2側面の側面図である。
【0059】
以下では、飲料調製マシン1がコーヒー調製マシンとして説明されるが、本発明は、コーヒー調製マシンに限定されるものではなく、前述したような他のあらゆる種類の飲料調製マシンを含むことに留意されたい。
【0060】
飲料調製マシン1は、コーヒーなどの飲料を注出するために1つ又は複数の飲料原料を処理する装置40を有する。飲料原料を処理する装置40は、当分野で周知のように、ポンプ、加熱器及びコーヒー淹出部を伴う液体循環回路に接続される液体貯蔵部42、好ましくは水貯蔵部を含む。コーヒー淹出部は、飲料調製マシン1の筺体3に枢動可能に取り付けられたハンドル4に接続されることができる。ハンドル4は、挽かれたコーヒーを含むカプセルを導入、抽出及び除去することができるように構成される。抽出後、ハンドル4の再作動後にカプセルは使用済みカプセル収集部に排出される。
【0061】
それに加えて、飲料調製マシン1は予備カップを収容するのに使用され得る上部36を有する。上部36はそのような予備カップを予熱する加熱装置を含んでもよい。そのカップ加熱装置は、抵抗型、特に当分野で周知のような蒸気循環型のカップ加熱装置であってもよく、あるいは他の任意適当な加熱システムであってもよい。また、予備カプセル用の容器が、未使用カプセルを格納するために飲料調製マシン1の上部36上に配置されてもよい。
【0062】
更に、例えば図2bに示されているように、飲料調製マシン1は出口45を有しており、調製された飲料は出口45から出口45の下に配置された容器又はカップ6に注出される。ドリップトレイ装置34は出口45の下に設けられ、例えば欧州特許第1731065号明細書に開示された種類のものである。カップ6を出口45の下に配置する場合、ドリップトレイは、その表面14に位置合わせ装置を含んでもよく、及び/又は注出用の空洞の範囲を定める壁35は、出口45を基準として配置され、カップを位置合わせするための基準として機能することができる。すなわち、これによりカップ6は、壁35に単に押し付けられて出口45の下に適切に配置され得る。また、使用済みカプセル収集部(図中には示されない)が、抽出された使用済みカプセルを収集するために飲料調製マシン1の中央部分に設けられる。
【0063】
飲料調製マシンはスクリーン又はディスプレイ10を更に具備する。好適には、ディスプレイ10はタッチセンサ式スクリーンであり、指で触れることよって及び/又はタッチペン15を用いて操作されてもよい。好適には、タッチペン15は、使用されていないときにディスプレイ10内の対応する凹部16又は飲料調製マシン1の他の任意部分に配置され得る。
【0064】
更に、ディスプレイ10は、例えばディスプレイ10にアクセスすることなく飲料調製マシン1を素早く操作するために、一対のボタン12と関連付けられる。その上、好適な実施形態では、ディスプレイ10は、ディスプレイ10上に表示可能なページ及びメニューをナビゲートするためのタッチセンサ面を含む。
【0065】
ディスプレイ10は、例えば上述したように飲料調製マシンがユーザネットワークに接続可能な場合にネットワーク情報を含む様々な情報及び/又は視覚効果を表示するように構成されてもよい。更に、飲料調製マシン1は、上述したようにスピーカ及び/又はマイクロホンを伴う音響生成装置を含んでもよいし、実際のマルチメディアインタラクティブ装置であってもよい。それによって、飲料調製マシン1は、その雰囲気をもたらすために使用されることができる。
【0066】
更に、ディスプレイ10及び/又は筺体3は、特に、そのような雰囲気を作り出すために様々な色の光を発する一連の穴部31をディスプレイ10及び/又は筺体3の横側部、後側部並びに/あるいは上側部上に、特にディスプレイ10内に有することができる。このために様々なLEDが穴部31内に設けられることができる。
【0067】
先行技術の飲料調製マシンとは異なり、ドリップトレイ34、カプセル用容器及び貯蔵部42をディスプレイ10から離してディスプレイ10の下に移動させて及び/又は飲料調製マシン1の脚部分2におおむね平行に移動させて飲料調製マシン1から取り外すことが可能である。同じことが、ディスプレイ1の向こう側で飲料調製マシン1の背部に好適に設けられる貯蔵部42にあてはまる。その結果として、使用中と使用後に飲料調製マシン1が保守されるとき、例えばドリップトレイ34が空になるとき、ディスプレイは、スクリーン10に対して液状食品又は飲料などの液体を吐出する恐れのある飲料調製マシン1の部分に露出されない。
【0068】
更に、飲料調製マシン1は、コーヒーなどの調製される液状食品又は飲料の原料を含有するカプセルを供給するカプセル入口機構32を有する。カプセル入口機構32は、飲料調製マシンの横側部に設けられることができ又はディスプレイ10内に設けられることができる。好適には、カプセル入口機構32は、カプセル形状又は調製される飲料に関連する他の任意の物体の形状を有し、ディスプレイ10に設けられた凹部である。
【0069】
飲料調製マシンのディスプレイ10は完全に平らな表面を有しておらず、脚部分2に近い一側部は凹部を形成する。従って、ドリップトレイ34のカップサポータ14とともにディスプレイ10の窪んでいる壁35は、出口45から注出される飲料で満たされる位置にカップ6を置くことができる空胴部16を形成する。飲料調製マシン1の液状食品若しくは飲料の外観をあまり強調しないようにするために、空胴部16内のディスプレイ10の壁35は、ディスプレイ10上に表示されるあらゆる物体及び/又は画像が空胴部の壁35に拡がるように通常のディスプレイと同様に使用されることができる。
【0070】
上部36又は飲料調製マシンの他の任意部分には、タッチセンサ22を設けることができ、ユーザは、対応するタッチ操作をタッチセンサ22上で行うことによって飲料調製マシンを制御する及び/又はメニュー機能をナビゲートすることが可能になる。ディスプレイ10が単なる表示装置でありタッチスクリーンではない場合、タッチセンサ22は、ユーザに対して飲料調製マシンの制御をより容易及び直感的にさせるであろう。ディスプレイ10がタッチスクリーンである場合には、ユーザはタッチ操作を行うためにディスプレイ10を使用するかタッチセンサ22を使用するかについて選択することができる。しかしながら、タッチスクリーンを使用する代わりにタッチセンサ22を使用することがディスプレイ10のダメージ又は汚染を避けるのに有利であろう。
【0071】
飲料調製マシン1はカードリーダ/ライタ23を更に具備する。カードリーダ/ライタ23は、カードに対する読み取り及び/又は書き込み操作を実行するためにカードが挿入され得るスロットとすることができるし、カードリーダ/ライタ23は、例えば無線自動識別RFIDカードなどのカードと無線通信可能な無線インターフェースとすることができるし、あるいはこれらの組み合わせとすることができる。
【0072】
カップの充填を調節可能にするために、例えば米国特許第4,458,735号明細書、国際公開第97/25634号及び国際公開第99/50172号に開示される種類の充填レベル制御を伴う自動充填システムが飲料調製マシンに組み込まれてもよい。
【0073】
図3は、ネットワーク511に接続される本発明に係る飲料調製マシンの機能的なブロック図を示す。
【0074】
飲料調製マシン1は、双方向データ通信経路221経由でユーザインターフェース201に接続される制御部21を含む。制御部21は、原料処理装置40に接続され、飲料原料の処理を制御する。典型的には、制御部21は、加熱器及びポンプの電力供給を制御し、例えば、温度センサ、圧力センサ及び流量計などのセンサを通して測定された飲料調製処理パラメータに基づいて電力供給を調節する。さらに、原料処理装置40の構成要素の制御は、当分野で知られているようなカプセル認識システム、例えば電磁的認識システム、機械的認識システム、色認識システム又はバーコード認識システムなどを介して自動認識された原料カプセルの種類に合わせて調節されてもよい。
【0075】
従って、原料処理装置40は、原料処理装置40の状況及び飲料調製処理の状況に関する情報を制御部21に伝達するための一連のセンサを含む。制御部21と飲料調製部40の間の通信は、双方向通信経路421を通して実現される。
【0076】
更に、飲料調製マシン1は、外部ネットワーク511、例えばインターネット又はイントラネットなどと双方向通信するための通信モジュール11を有する。通信モジュール11は、双方向データ通信経路111を通して、好適には上述したディスプレイ10の形式、好適にはタッチスクリーン及び場合により1つ又は複数のボタン12の形式のユーザインターフェース110に接続される。タッチスクリーンの場合にはディスプレイ10は、指で触れることによって、あるいはタッチペン15を用いて操作されることができる。
【0077】
制御部21、通信モジュール11及び原料処理装置40の全ては、飲料調製マシン1の筺体内に収容される。
【0078】
本発明によれば、通信モジュール11は、飲料原料の処理を制御することを持続的に阻止される。換言すると、飲料マシン1の通信モジュール11は、制御部21を通して原料処理装置40に直接的又は間接的に作用することができない、あるいは、飲料調製処理、又は原料処理装置40によって実行される他の処理に影響を及ぼすことができない。
【0079】
制御部21は、飲料調製に関する制御データを通信モジュール11から受け取ることを阻止される。
【0080】
図3のアーキテクチャでは、制御部21は、一方向データ通信経路211を通して通信モジュール11にデータ通信するように構成される。適切な通信を確保するために必要な情報や信号のための要求、例えばデータ送信制御信号などが無い状態では、制御部21は、通信モジュール11からいずれのデータも受信しないことになる。逆に、制御部21から通信モジュール11に転送されるデータは、飲料調製処理、原料処理装置40、制御部21内に格納される飲料調製設定、及び/又は、例えばネットワーク511に遠隔接続されるステーション50であらゆる故障を確認するための制御部21の状況のうちの少なくとも1つに関連することができる。
【0081】
また、通信モジュール11は、飲料調製モジュール40内のセンサに直接接続されることも可能である。同様に、飲料調製モジュール40と通信モジュール11の間の通信は、バス411を通る一方向のものである。しかしながら、制御部21を通して飲料調製モジュール40に関するデータを通信モジュール11に伝えることができる場合、この通信経路は、不要となる可能性がある。通信経路411は、通信経路211が無い場合、例えば、制御部21がネットワーク511に対して強化された保護の恩恵を受けるべき場合に、特に役に立つ。
【0082】
通信モジュール11は、例えば湯垢除去などの特定のサービスを実行する要求、上述の飲料調製マシンを修理する要求、及び、上述の飲料調製マシンで処理される特定原料に関する情報のうちの少なくとも1つに関する情報を前述のネットワークから受信し、ユーザ通信インターフェース、例えばディスプレイ10及び/又はスピーカなどを通して通信するように構成される。そのような情報を通信モジュール11に送信するために、対応する情報は、通信モジュール11によって制御部21及び/又は原料処理装置40からまず集められ、適切な警告に際して伝達前に、その情報、あるいは、通信モジュール11に対するネットワーク511経由の他の情報を処理する及び解析する遠隔サーバ50に送信される。
【0083】
別の実施形態では、制御部21は、通信モジュール11と通信することを一方向でさえも一切阻止される。制御部21と通信モジュール11の間には、データ通信経路は存在しない。
【0084】
安全性は、通信モジュール11が制御部21にも飲料調製モジュール40にも接続されないときに最高レベルに到達する。保護の質は、通信モジュール11が一方向の経路を通じて飲料調製モジュール40のセンサを読み取り可能であるときに少し劣ることになる。安全性は、通信モジュールが制御部21から情報を得ることができるときにより低くなる。ネットワーク511を通して原料処理装置40及び制御部21の機能を乱すことに対する耐性(immunity)を確保するために、通信モジュール11が制御部21又は飲料調製部40のパラメータを変える可能性、特に物理的な可能性は、回避されるべきである。
【0085】
図1a及び図1bに示されているように、飲料調製ユーザインターフェース201は、通信ユーザインターフェース101と同一面にあり、ディスプレイ10、ボタン12、LED若しくは同様のものを含む穴部31、スピーカ、マイクロホン又は同様のものの組み合わせとして組み込まれる。
【0086】
また、飲料調製マシン1用のマスタースイッチも設けられる(図中には示されない)。マスタースイッチは、同じ電源、典型的には主電源によって全て電力が供給される通信モジュール11、制御部21、及び原料処理装置40を含む飲料調製マシンの様々な構成要素に対する電源を接続したり切断したりするように構成される。
【0087】
一般的には、通信モジュール11は、そのような飲料調製マシン1のユーザによる取扱いと、そのような飲料調製マシン1若しくは関連するマシン、付属品、及び/あるいは飲料処理のための1つ又は複数の原料に関する広告と、飲料処理のための1つ又は複数の原料に関する一般的な情報と、前述の飲料若しくは飲料の調製若しくは飲料の消費に関する雰囲気を作るための視覚効果及び/又は音楽と、ニュース及び/又は天気予報とに関する情報をネットワーク511から受信し、例えばディスプレイ10及び/又はスピーカなどのユーザ通信インターフェースを通して通信するように構成されることができる。
【0088】
図4は、ネットワーク機能を有する本発明に係るマシン1を含むネットワークを示している。
【0089】
通信ネットワーク501にはサーバ50も接続され、サーバは例えばカプセルサプライヤと関連付けられることができる。サーバ50は、ユーザ、カプセル、マシン、カプセル消費又は同様の事項に関するデータを含むデータベース51に更に接続されることができる。
【0090】
ユーザ装置70は通信ネットワーク501に接続されることが更にできる。そのようなユーザ装置70は、例えばノートパソコン、PC、携帯電話、PDA、又はネットワーク通信機能を有する他の任意のユーザ装置とすることができる。
【0091】
ユーザは、ユーザ装置70によって例えばデータ、プログラム又は情報を飲料調製マシン1に送信することができる。例えばユーザは新しい若しくは更新されたソフトウェア又はデータを飲料調製マシン1にロードすることができる。また、ユーザは飲料調製マシンの設定を遠隔で変更することもできる。制御モジュール21と通信モジュール11の間で通信する可能性の程度に応じて、ユーザは飲料調製処理を遠隔で開始する、停止する又は変更することもできる。ユーザは、ユーザの個人的なユーザ設定を変更するために、カプセル注文を送信するために、サポート要求又は情報要求を送るために、あるいは同様のことをするために、ユーザ装置70を通してサーバ50にログインすることもできる。
【0092】
図4ではネットワーク501が飲料調製マシン1、サーバ50及びユーザ装置70を接続する単一のネットワークとして図示されているが、様々な装置が1つ又は複数の別々のネットワークを経由して通信することも可能である。あらゆる種類のネットワークが、例えばブルートゥース(登録商標)、赤外線、GSM(登録商標)、UMTS、インターネット又は他の任意の種類の有線若しくは無線通信ネットワークを経由する、公衆又は私的ネットワークを含んでいることが可能である。特に、遠隔測定装置などの中間装置が、送信される対応データを変換するために飲料調製マシン1とネットワーク501の間に設けられることができる。複数の装置、すなわち飲料調製マシン1、サーバ50及びユーザ装置70のうちの2つのそれぞれの間における通信は、一方向又は双方向とすることができる。
【0093】
本発明は、雰囲気模倣機能を有する飲料調製マシンと、飲料調製マシンによって雰囲気を模倣する方法とに関する。
【0094】
本発明に係る飲料調製マシン1の機能的なアーキテクチャを伴う別のブロック図を示す図5を参照して説明されるように、飲料調製マシンは、1つ又は複数の飲料を処理する装置40、随意的に組み込み型LED及び同様のものを伴うディスプレイ10などの前述した構成要素に加えて他の構成要素を具備することもできる。
【0095】
飲料調製マシン1は、制御部21と、好ましくはタッチスクリーンであるディスプレイ10と、通信ネットワーク経由で少なくとも1つの別の装置と通信することを可能にする通信モジュール11とを具備する。
【0096】
また、本発明に係る飲料調製マシン1は格納部17も具備しており、格納部にはデータ、プログラム又は他の任意の種類の情報が格納され得る。格納部17は単一の格納部とすることができるし、あるいは揮発性及び/又は不揮発性メモリのいくつかの格納部分を含むことができる。また、飲料調製マシン1は内部クロック37を含むこともでき、内部クロックは現日付及び/又は現時刻に関する情報を常に提供する。あるいは、現日付及び現時刻の情報を通信ネットワーク501、511経由で外部装置から通信モジュール11を通して受信することもできる。
【0097】
飲料調製マシンは、飲料調製マシンの周囲の静止画像及び/又はビデオシーケンスを取得するカメラ62を更に含んでもよい。カメラ62は固定され得るか、あるいはカメラの向きが変更され得るように飲料調製マシン1に対して移動可能であり得る。カメラ62には、周囲の動きを検出するため及びその結果としてユーザの存在を検出するための動き検出機能が組み込まれている。
【0098】
更にマイクロホン60及び/又はスピーカ61が設けられ得る。マイクロホンは音楽、話し言葉又は任意の種類の音を受信するように単に構成され得る、あるいは、例えば飲料調製マシン1に口頭で命令を入力することが可能であるように、マイクロホンは音声認識にも適合され得る。スピーカ61は、あらゆる種類の音、音楽又は同様のものを出力するように構成される任意の種類の既知のスピーカであり得る。
【0099】
また、飲料調製マシン1は、調製される飲料の種類を好適には符号化されたカプセルを用いて認識するために、飲料調製マシン1に組み込まれた1つ又は複数のセンサ63を具備することもできる。既に記載したように、センサは、この情報を制御部21に送信するように及び/又は通信ネットワーク501、511経由で外部装置に送信する通信モジュール11に直接送信するように構成されることができる。
【0100】
本発明は、可視コンテンツ、あるいは可聴及び可視コンテンツなどの再生されるデータを実際の状況、例えば実際の周辺領域又は調製される飲料の種類に適合させることによって雰囲気模倣機能を提供する。
【0101】
このために、可視コンテンツと、場合によっては更に可聴コンテンツを含むデータが提供され、そのデータは再生に際して既定の雰囲気を作る、すなわち模倣する。ここで、飲料調製マシンのメモリ17にそのようなデータを格納することによって当該データを提供することが好ましいが、外部ネットワーク及び通信モジュール11を通して遠隔装置からそのようなデータを提供することも可能である。
【0102】
提供されるデータは、いずれの場合でもコンテキスト情報にリンクされる。そのコンテキスト情報は状況を示す。雰囲気を模倣するために、実際の状況を示す実際のコンテキスト情報が取得される。この実際のコンテキスト情報は、データがリンクされたコンテキスト情報と比較され、更に、実際のコンテキスト情報にリンクされた1つ又は複数のデータが再生のために選択される。
【0103】
それによって、コンテキストに関連付けられた可聴及び/又は可視データの再生が可能になるので、実際の雰囲気が既定の設定によって強められるか弱められる。
【0104】
ここで、本発明に係るコンテキスト情報は、飲料調製マシン又は他のマシンに関連するパラメータの実際の状況を示さない情報を表すことが意図される。コンテキスト情報は、むしろ飲料調製マシンの基本的な機能以外の状況、例えば周辺領域の音、色合い、明るさ又は同様のもの、現時刻及び現日付又は同様のものなどを表す。従って、コンテキスト情報は、飲料調製マシンの二次的なコンテキストを表すものであって、温度、水位、圧力、淹出処理に関連する任意パラメータなどのマシンパラメータを含む一次的な技術的コンテキストを表すものではない。
【0105】
結果として、既定の雰囲気を作るために再生されるデータは、故障又は原料不足の指示のような飲料調製マシンの状況情報を全く含まず、むしろ画像、グラフィック、音などの他の特徴から導き出されるデータである。
【0106】
図7を参照して本発明の方法をより詳細に説明する。図7は本発明の処理ステップを示すフローチャートである。
【0107】
処理はステップS0で開始する。
【0108】
ステップS1ではデータが提供され、好適には格納部17に格納される。ここで、データが格納部17に既に格納された時点で処理を開始することも勿論可能である。
【0109】
そのようなデータはグラフィカルなデータなどの可視コンテンツを含んでもよい。グラフィカルなデータは静止画像、画像シーケンス、動画像及び/又はテキストあるいはそれらの組み合わせであり得る。グラフィカルなデータはカラーのグラフィカルなデータであることが好ましいが、グレースケール又は白黒のグラフィカルなデータを使用することも可能である。そのようなデータは、音楽、人工音、自然音及び/又はセリフなどの可聴コンテンツを代わりに又は更に含んでもよい。
【0110】
次のステップS2では、まだ行われていない場合、格納されたデータがコンテキスト情報にリンクされる。また、飲料調製マシンに電源を投入する前にこのステップを遂行することもでき、これにより、データが容易に格納されコンテキスト情報にリンクされることに留意されたい。
【0111】
そのコンテキスト情報は、例えばユーザの存在、日付、時刻、周辺領域の色合い、周辺領域の明るさ、周辺領域における音の種類及び/又は調製される飲料の種類のうちの少なくとも1つである。
【0112】
しかしながら、本発明は上述したコンテキスト情報に限定されるものではなく、状況を示す他の任意のコンテキスト情報を含むことができる。しかしながら、コンテキスト情報は飲料調製マシン1自体の機能的な状況を示さない。
【0113】
次のステップS3では、実際の状況を示す少なくとも1つの実際のコンテキスト情報が取得される。
【0114】
実際のコンテキスト情報を取得するために飲料調製マシン1は取得装置を具備しており、その取得装置は以下の構成要素のうちの1つ又は複数を備える。すなわち、現日付、現時刻及び/又はその年の季節を示す内部クロック37、調製される飲料の種類を識別する1つ又は複数のセンサ63、周辺領域や環境の色合い及び/又は明るさを検出するために周辺領域の画像を取得するカメラ62、音声、音及び/又は音楽を検出するマイクロホン60、並びに/あるいは例えば明るさや色合いなどの周囲の雰囲気を検出する他の任意の種類のセンサである。また、カメラ62をユーザの存在を検出するように構成することもできる。また、無線若しくは有線方式で1つ又は複数の外部装置と通信する通信モジュール11が、実際の状況に関する情報を外部装置から取得することもできる。そのような外部装置は、外部格納部、外部クロック、外部センサ、カメラ又は同様のものであってもよい。
【0115】
随意的な次のステップS4では、飲料調製マシン1の設定がチェックされる。例えば、いずれのデータを表示するかを決定するために、取得された実際のコンテキスト情報が用いられるべきかがチェックされる。より具体的には、例えば周辺領域の実際の色合い及び明るさとともに現日付及び現時刻などのように、実際のコンテキスト情報が取得装置の2つ以上の構成要素から取得される場合には、1つのコンテキスト情報のみを使用すべきであって、他のコンテキスト情報を捨て去るべきであるか、いずれのデータを再生するかを決定するために2つ以上のコンテキスト情報を用いるべきであるか、様々なコンテキスト情報のそれぞれについて様々なデータを連続して再生するべきであるか又は同様のことを、設定に応じて決定することができる。また、可聴コンテンツとともに可視コンテンツを同時に再生することも可能である。
【0116】
また、ユーザの存在を検出するときにのみ雰囲気模倣機能を開始することを予め設定することもできる。これらの設定は自動的に設定されることができるし、あるいはユーザが設定を変更することも可能である。
【0117】
次のステップS5では、格納されたデータにリンクされたコンテキスト情報と実際のコンテキスト情報とが比較され、更に、実際の状況に関連する雰囲気を作るために実際のコンテキスト情報にリンクされたそれらのデータが、再生に際して表示される。
【0118】
処理はステップS6で終了する。
【0119】
以下にコンテキスト情報及びそれに対応して再生されるデータのいくつかの例を示す。
【0120】
例えば内部クロック37又は外部クロックが読み取られる場合には、クロックの値に基づいてその日の実際の時間、例えば午前の時間、午後又は晩の時間が判断され得る。従って、その日のその時間に応じて、その日のその時間に対応する雰囲気を作るデータが再生される。例えば、午前には太陽と、黄色又は同様の色などの非常に明るい色とが用いられ、明るくて活気づける表示画像が生成され得る。午後には例えば青色などの暗い色が用いられ得る。ここで、抽象的な画像が表示され得るし、あるいはその日の実際の時間に関連する画像若しくはシンボル、例えば午前には太陽、及び/又は晩には月や星が表示され得る。ディスプレイ10上の可視データの再生に加えて又はその再生に代わって、その日の実際の時間に対応する可聴データもスピーカによって再生され得る。午前には例えば速くて活気づける音楽、あるいは鳥又は同様のものなどの午前中にありふれた任意の種類の音が再生され得る。
【0121】
読み出されたクロック値から特定のデータが決定され、データにリンクされたデータが提供される場合には、ユーザの予定表の対応する記載事項も読み出され得るし、ユーザの予定表の記載事項に対応する雰囲気を作るデータが再生され得る。可視データの場合、これは、例えば特定のイベント、例えば友達若しくは親類の誕生日をユーザに思い出させる画像及び/又はテキストであってもよい。ここで、そのようなグラフィカルなものは自動的に表示され得る。すなわち、例えば誕生日又は同様のことなどの特定のイベントが予定表内で検出されるたびに、対応するテキストが表示される。
【0122】
それに代えて又はそれに加えて、ユーザ若しくは他の任意の人間が特定のテキスト又はポスト・イット(登録商標)のようなものを入力することができ、特定の日にはその特定のテキスト又はポスト・イットのようなものがディスプレイ上に表示される。ディスプレイ上に表示されるグラフィカルなデータに加えて又は代えて、予定表における記載事項に対応する可聴データ若しくは現日付に概ね対応する可聴データを再生することも可能である。クリスマスの時期には、ユーザの予定表における記載事項とは無関係に例えばクリスマスのテーマ曲が再生され得る。
【0123】
クロックから読み取られた値に基づいて1年のうちの特定の月及び/又は季節が判断される場合には、その年のその季節に対応する雰囲気を作るデータが再生され得る。例えば、秋の季節には、黄色、赤色及びオレンジ色などの秋の色を用いたグラフィカルなデータが表示され、並びに/あるいは秋における風景又は他の任意の場所の画像が表示され得る。
【0124】
データは様々な色合い及び/又は明るさにリンクされ得る。この場合、カメラ62若しくは対応するセンサによって飲料調製マシンの周辺領域の画像が撮られ、及び/又は周辺領域の色や明るさなどのパラメータがセンサによって測定され、更に、周辺領域に対応する雰囲気を作るデータが表示される。例えば周辺領域が暗い場合には、かなり暗い色を有するグラフィカルなデータが表示され得る。あるいは、暗い周辺領域に対する対照物を提供するために、この場合には非常に明るい色を表示することもできる。従って、データを用いて実際の雰囲気を強める又は弱めることが可能である(そのことは、設定に応じることもまたできる)。
【0125】
飲料調製マシンは、実際に調製される飲料の種類を任意の種類のパラメータに基づいて識別する1つ又は複数のセンサを更に具備することができる。好適な実施形態では、飲料調製マシン1はカプセル自動認識装置を有する。例えば、カプセル自動認識装置は国際公開第02/28241号に記載されている種類のものである。同文献は、センサを通して飲料調製マシンにより自動的に読み取り可能なマシン解釈可能な特徴を伴うカプセルを用いるコーヒーマシンを開示する。カプセルに設けられるマシン解釈可能な特徴は、色彩、形状、グリフ、テキスト文字列、バーコード、電子透かし、記号、切込み、溝又は穴のうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0126】
データは例えば実際に淹出される飲料に関する可視情報を含み得る。コーヒーの場合には例えば、実際のコーヒーの名前、濃さ、焙煎度合又は他の任意の情報が表示され得る。また、飲料の調製に関する情報を表示することも可能である。例えばコーヒーが現在淹出されている場合には、コーヒー及び牛乳を含む飲料を調製するためにその情報を用いることができ、更に、コーヒーの淹出、牛乳の添加又は同様のことを含む様々なステップを示す指示を表示することができる。
【0127】
また、飲料調製マシン1は、マイクロホン60経由で実際の音及び/又は音声を取得し、検出されたそれらの音に応じて再生されるデータを選択することも可能である。ユーザが例えば既定のメロディをハミングする場合、このメロディを認識することができ、対応する歌を再生することができる。更に、歌のそれぞれのシングルカバー若しくはアルバムカバー又は再生される歌に関係する他の任意の種類の画像をディスプレイ10上に表示することができる。
【0128】
次に、図6aから図6dを参照しながらグラフィカルなデータの様々な例を説明する。
【0129】
図6aでは、表示画像71がその上に抽象的な画像80を伴って示されている。抽象的な画像は、静止画像若しくは動画像又は例えばスクリーンセーバに用いられるような任意の種類の画像シーケンスとすることができ、それによって、画像の色と形状を変更することもできる。そのような画像は、例えば現在の周囲に関する情報が取得された後に表示されることができるので、画像は周囲に適合されることができる。
【0130】
図6bでは、その日の実際の時間に応じたグラフィカルなデータを表示する例が示されている。本例では、その日の実際の時間が晩であり、それに応じて晩又は夜に関連する雰囲気をデータが作る。本例では、メッセージ81、例えば「おやすみなさい」が表示され、対応する画像、例えば星や月82が示され得る。
【0131】
図6cでは、データが特定のデータにリンクされ、ユーザの予定表の記載事項に応じてイベントのリマインダを表示する例が示されている。この例では、日付領域83に実際の日付、例えば6月7日が表示され、ユーザにイベントを思い出させるテキストメッセージ84、例えばユーザの父親の誕生日についてのリマインダが表示される。
【0132】
図6dでは、調製される飲料の種類にグラフィカルなデータがリンクされた例を示す。この特定の例では、コーヒーが調製され、飲料調製マシンが前述のカプセル認識システムを備えるので、実際に調製される飲料に関する情報を示すグラフィカルなデータを飲料調製マシンが表示することができる。コーヒーの名前85、例えば「ロサバヤ」を表示することができ、例えばコーヒーに関する濃さ、焙煎又は同様のことを示す情報86を示すことができ、カプセルの種類を示すアイコン87を示すことができ、場合によっては、現在調製される飲料に関連する他の情報88、本例では例えば現在調製されるコーヒーが新作のコーヒーであるという表示を示すことができる。
【0133】
従って、本発明によれば、実際の状況に関する1つ又は複数のパラメータを取得することができ、実際の雰囲気を強める若しくは弱める雰囲気を作る対応コンテンツをディスプレイ及び/又はスピーカが再生することができるので、非常に精巧に模倣された雰囲気を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雰囲気模倣機能を有する飲料調製マシンであって、
再生に際して既定の雰囲気を作る可視コンテンツを伴うデータを提供する提供装置(11、21、17)であり、提供される前記データが、状況を示すコンテキスト情報にリンクされている提供装置と、
実際の状況を示す少なくとも1つの実際のコンテキスト情報を取得する取得装置(11、37、60、62、63)と、
前記実際の状況に関連する雰囲気を作るために、取得された前記実際のコンテキスト情報に関連付けられたデータを再生するディスプレイ(10)と
を備える飲料調製マシン。
【請求項2】
前記取得装置が、日付及び/又は時刻を提供する内部クロック(37)、周辺領域の画像を取得するカメラ(62)、音及び/又は話し言葉の種類を検出するマイクロホン(60)、並びに/あるいは調製される飲料の種類を識別するセンサ(63)を備える、請求項1に記載の飲料調製マシン。
【請求項3】
前記センサ(63)が、調製される前記飲料を符号化されたカプセルによって識別するように構成されている、請求項2に記載の飲料調製マシン。
【請求項4】
前記提供装置が、前記可視コンテンツを伴う前記データを格納するメモリ(17)を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【請求項5】
前記コンテキスト情報が、ユーザの存在、日付、時刻、周辺領域の色合い、前記周辺領域の明るさ、前記周辺領域における音の種類、及び/又は調製される飲料の種類のうちの少なくとも1つである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【請求項6】
前記提供装置(11、21、17)が、前記可視コンテンツを伴う前記データとしてグラフィカルなデータ、好適には静止画像、画像シーケンス、動画像及び/又はテキストを提供するように構成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【請求項7】
前記提供装置(11、21、17)が、可視及び可聴コンテンツを伴うデータを提供し、前記可聴コンテンツを伴う前記データとして音楽、セリフ、人工音及び/又は自然音を提供するように構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【請求項8】
前記取得装置(11、37、60、62、63)が、
内部クロック(37)を読み取ること、
周辺領域の画像をカメラ(62)によって取得し、前記画像を色合い及び/又は明るさに関して解析すること、
ユーザの存在を前記カメラ(62)によって検出すること、
音及び/又は話し言葉の種類をマイクロホン(60)によって検出すること、並びに/あるいは
調製される飲料の種類をセンサ(63)によって識別すること
のいずれかによって、前記実際のコンテキスト情報を取得するように構成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【請求項9】
前記取得装置(11、21、17)が、一日のうちの様々な時間帯にリンクされたデータを提供するように構成されており、前記時間帯に対応する雰囲気を作るデータが再生される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【請求項10】
前記提供装置(11、21、17)が、ユーザの予定表にリンクされたデータを提供するように構成されており、前記予定表の記載事項に対応する雰囲気を作るデータが再生される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【請求項11】
前記提供装置(11、21、17)が、一年のうちの様々な季節にリンクされたデータを提供するように構成されており、前記季節に対応する雰囲気を作るデータが再生される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【請求項12】
前記提供装置(11、21、17)が、様々な色合い及び/又は様々な明るさの度合にリンクされたデータを提供するように構成されており、周辺領域の実際の前記色合い及び/又は前記明るさによって作られた前記雰囲気を強める若しくは弱める雰囲気を作るグラフィカルなデータが表示される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【請求項13】
前記提供装置(11、21、17)が、様々な種類の音にリンクされたデータを提供するように構成されており、実際の前記音によって作られた前記雰囲気を強める又は弱めるデータが再生される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【請求項14】
前記提供装置(11、21、17)が、様々な種類の飲料にリンクされたデータを提供するように構成されており、調製される前記飲料の前記種類に関する情報を含むデータが再生される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【請求項15】
前記ディスプレイが配置された筺体と、
ユーザの要求に基づいて液状食品又は飲料を容器に供給する装置と
を備え、
前記筺体が、前記液状食品又は前記飲料の供給を前記ユーザが要求するためのユーザ指向性を有しており、
ユーザインターフェーススクリーンに概ね直交する通常の視野方向を前記ユーザが有し、前記液状食品又は前記飲料の前記供給を普通に要求するときに前記ユーザが前記ユーザインターフェーススクリーンの中心部分を遮るように前記ユーザ指向性が構成されており、
前記ユーザインターフェーススクリーンが、前記ユーザ指向性において、前記筐体のうち前記ユーザが視認可能な最も外側の境界によって画定される視認可能な筺体部分で前記ユーザに面するように構成されており、
前記ユーザインターフェーススクリーンが、前記ユーザ指向性において、前記ユーザが視認可能な前記筺体部分の全体又は前記ユーザインターフェーススクリーンの表面の主要部分を実質的に形成する、あるいは前記ユーザが区別して視認可能な複数部分の多くを占めており前記ユーザが視認可能な前記筺体部分を共に形成している表面部分を形成する、
請求項1〜14のいずれか一項に記載の飲料調製マシン。
【請求項16】
メモリ装置上に格納され、雰囲気模倣機能を提供する飲料調製マシン(1)の制御部(21)によって実行可能なプログラムであって、
当該プログラムが実行に際して、
再生に際して既定の雰囲気を作る可視コンテンツを伴うデータを提供するステップ(S1)であり、提供される前記データが、状況を示すコンテキスト情報にリンクされているステップと、
実際の状況を示す少なくとも1つの実際のコンテキスト情報を取得するステップ(S3)と、
前記実際の状況に関連する雰囲気を作るために、取得された前記実際のコンテキスト情報に関連付けられたデータをディスプレイ(10)によって再生するステップ(S5)と
を行うように構成されている、プログラム。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−512698(P2013−512698A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541427(P2012−541427)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068360
【国際公開番号】WO2011/067188
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】