説明

電位型イオンチャネルの調節因子としての二環式誘導体

本明細書において、イオンチャネルアンタゴニストとして有用な二環式誘導体が開示される。それらの組成物は、疼痛関連状態を処置または緩和するために有用である。現在では、本発明の化合物、およびそれらの薬学的に受容可能な組成物は、電位型ナトリウムチャネルおよびカルシウムチャネルの阻害剤として有用であることが見いだされている。これらの化合物は、本明細書中に開示される一般式Iまたはそれらの薬学的に受容可能な塩を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第60/715,980号(2005年9月9日出願)に基づく、米国特許法第119条(e)の下における利益を主張し、上の出願の内容全体は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(本発明の技術分野)
本発明は、イオンチャネルの阻害剤として有用な化合物に関する。本発明は、本発明の化合物を含む薬学的に受容可能な組成物および様々な障害の治療において前記組成物を使用する方法をさらに提供する。
【背景技術】
【0003】
(本発明の背景)
Naチャネルは、ニューロンおよび筋細胞などのすべての興奮性細胞内での活動電位発生の中心である。Naチャネルは、脳、消化管の平滑筋、骨格筋、末梢神経系、脊髄および気道を含む興奮性組織内で重要な役割を果たす。そのようなものとして、Naチャネルは、てんかん(非特許文献1を参照)、疼痛(非特許文献2および非特許文献3を参照)、筋緊張症(非特許文献4および非特許文献5を参照)、運動失調症(非特許文献6を参照)、多発性硬化症(非特許文献7および非特許文献8を参照)、過敏性腸(非特許文献9および非特許文献10を参照)、尿失禁および内臓痛(非特許文献11を参照)、ならびに不安および抑うつなどの数々の精神的機能障害(非特許文献12を参照)などの様々な疾患状態において重要な役割を果たす。
【0004】
電位型Naチャネルは、9種のサブタイプ(NaV1.1〜NaV1.9)からなる遺伝子ファミリーを含んでいる。表Aに示したように、これらのサブタイプは、組織特異的局在および機能的相違を示す(非特許文献13を参照)。この遺伝子ファミリーの3つのメンバー(NaV1.8、1.9、1.5)は、よく知られているNaチャネルブロッカーであるTTXによる遮断に対して耐性であるが、これはこの遺伝子ファミリー内のサブタイプ特異性を証明している。突然変異分析は、グルタミン酸塩387がTTX結合に対する必須残基であると同定した(非特許文献14を参照)。
【0005】
表A(略語:CNS=中枢神経系、PNS=末梢神経系、DRG=後根神経節、TG=三叉神経節):
【0006】
【化20】

【0007】
【化21】

一般に、電位型ナトリウムチャネル(NaV)は、神経系内の興奮性組織内で活動電位の急速上昇工程を開始することに責任を負っており、正常および異所性疼痛感覚を構成およびコード化する電気信号を送信する。NaVチャネルのアンタゴニストはこれらの疼痛シグナルを減衰させることができ、急性、慢性、炎症性、および神経因性疼痛を含むがそれらに限定されない様々な疼痛状態を治療するために有用である。TTX、リドカイン(Mao,J.and L.L.Chen(2000)“Systemic lidocaine for neuropathic pain relief”Pain 87(1):7−17を参照)、ブピバカイン、フェニトイン(Jensen,T.S.(2002)“Anticonvulsants in neuropathic pain:rationale and clinical evidence”Eur J Pain 6(Suppl A):61−8を参照)、ラモトリジン(Rozen,T.D.(2001)“Antiepileptic drugs in the management of cluster headache and trigeminal neuralgia”Headache 41 Suppl 1:S25−32およびJensen,T.S.(2002)“Anticonvulsants in neuropathic pain:rationale and clinical evidence”Eur J Pain 6(Suppl A):61−8を参照)、およびカルバマゼピン(Backonja,M.M.(2002)“Use of anticonvulsants for treatment of neuropathic pain”Neurology 59(5 Suppl 2):S14−7を参照)などの知られているNaVアンタゴニストは、ヒトおよび動物モデルにおける疼痛を緩和させることに有用であることが証明されている。
【0008】
組織損傷もしくは炎症の存在下で発生する痛覚過敏症(有痛性のことに対する極度の感受性)は、少なくとも一部には、傷害の部位を刺激する高閾値一次求心性ニューロンの興奮性の増加を反映している。電位感受性ナトリウムチャネル活性化は、ニューロン活動電位の発生および伝播にとって極めて重要である。NaV電流の変調がニューロン興奮性を制御するために使用される内因性機序であることを指摘する証拠が増え続けている(非特許文献15を参照)。後根神経節(DRG)ニューロン内では、運動学的および薬理学的に別個のいくつかの電位型ナトリウムチャネルが見いだされている。TTX耐性電流はマイクロモル濃度のテトロドトキシンには無感応性であり、他の電位型ナトリウムチャネルに比較すると緩徐な活性化および不活性化動態ならびにより脱分極した活性化閾値を示す。TTX耐性ナトリウム電流は、主として侵害受容に関係する可能性が高い感覚ニューロンの部分母集団に限定される。詳細には、TTX耐性ナトリウム電流は、ほぼ排他的に、小さな細胞体径を有して小さな径の伝導速度の遅い軸索を発生させる、そしてカプサイシンに反応性であるニューロン内で発生する。大量の実験による証拠は、TTX耐性ナトリウムチャネルがC線維上で発現すること、そして脊髄への侵害受容情報の伝達において重要であることを実証している。
【0009】
TTX耐性ナトリウムチャネル(NaV1.8)の特異領域を標的とするアンチセンスオリゴ−デオキシヌクレオチドのクモ膜下投与は、PGE誘導性痛覚過敏の有意な減少を生じさせた(非特許文献16を参照)。より最近には、機能的NaV1.8が欠如するノックアウトマウス系が、Woodらによって生成された。この突然変異は、抗炎症薬であるカラゲナンへの動物の反応を評価する試験において鎮痛作用を有している(非特許文献17を参照)。さらに、これらの動物では、機械的受容および温度受容の両方における欠損が観察された。Nav1.8ノックアウトマウス突然変異体によって証明された痛覚脱失は、侵害受容においてTTX耐性電流が果たす役割についての観察所見と一致している。
【0010】
免疫組織化学的、インサイチューハイブリダイゼーションおよびインビトロ電気生理学的実験は、全部がナトリウムチャネルNaV1.8は後根神経節および三叉神経節の小感覚ニューロンに選択的に局在していることを証明した(非特許文献18を参照)。これらのニューロンの主要な役割は、侵害受容刺激の検出および伝達である。アンチセンスおよび免疫組織化学的証拠はさらに、神経因性疼痛においてNaV1.8が役割を果たすことも支持している(非特許文献19および非特許文献20を参照)。NaV1.8タンパク質は、神経障害に隣接する無傷のC線維に沿ってアップレギュレートされる。アンチセンス処置は、神経に沿ったNaV1.8の再分布を防止し、神経因性疼痛を回復させる。これらを一緒にすると、遺伝子ノックアウトおよびアンチセンスデータは、NaV1.8が炎症性および神経因性疼痛の検出および伝達において役割を果たすことを支持している。
【0011】
神経因性疼痛状態では、Naチャネルの分布およびサブタイプのリモデリングが生じる。傷ついた神経では、NaV1.8およびNaV1.9の発現は大きく減少するが、他方TTX感受性サブユニットであるNaV1.3の発現は5〜10倍アップレギュレートされる(非特許文献21を参照)。NaV1.3の増加における時間経過は、神経傷害に引き続く動物モデルにおける異痛症の出現と平行している。NaV1.3チャネルの生物物理学は、それが活動電位に続く不活性化後に極めて迅速な再プライミングを示すことにおいて特徴的である。これは、傷ついた神経において頻回に見られるように持続性の高発射速度を可能にする(非特許文献22を参照)。NaV1.3は、ヒトの中枢および末梢系において発現する。NaV1.9は、後根神経節および三叉神経節の小感覚ニューロンに選択的に局在しているので、NaV1.8に類似している(非特許文献23を参照)。NaV1.9は、緩徐な不活性化速度および活性化に対する左方移動電位依存性を有する(非特許文献24を参照)。これらの2つの生物物理学的特性は、NaV1.9が侵害受容ニューロンの静止膜電位の確立に役割を果たすことを可能にする。NaV1.9発現細胞の静止膜電位は、大多数の他の末梢および中枢ニューロンについての−65mVに比較して−55〜−50mVの範囲内にある。この持続性の脱分極は、その大部分がNaV1.9チャネルの持続性低レベル活性化に起因する。この脱分極は、侵害受容刺激に反応して活性電位を発射させるための閾値へより容易に到達することを可能にする。NaV1.9チャネルを遮断する化合物は、疼痛刺激を検出するためのセットポイントを確立することに重要な役割を果たす可能性がある。慢性疼痛状態では、神経および神経終末は、刺激が軽度またはない場合でさえ高頻度の活動電位発射を示して、腫脹して過敏性になる可能性がある。これらの病理的神経腫脹は神経腫と呼ばれており、それらにおいて発現する主要NaチャネルはNaV1.8およびNaV1.7である(非特許文献25を参照)。NaV1.6およびNaV1.7は、後根神経節ニューロン内でも発現し、これらの細胞内で見られる小さなTTX感受性成分の一因となる。このためNaV1.7は、特に神経内分泌興奮性においてそれが果たす役割に加えて潜在的疼痛標的となる可能性がある(非特許文献26を参照)。
【0012】
NaV1.1(Sugawara,T.,E.Mazaki−Miyazakiら、(2001)“Nav1.1 mutations cause febrile seizures associated with afebrile partial seizures.”Neurology 57(4):703−5を参照)およびNaV1.2(Sugawara,T.,Y.Tsurubuchiら、(2001)“A missense mutation of the Na channel alpha II subunit gene Na(v)1.2 in a patient with febrile and afebrile seizures causes channel dysfunction”Proc Natl Acad Sci USA 98(11):6384−9を参照)は、熱性痙攣を含むてんかん状態に関連付けられてきた。熱性痙攣に関連するNaV1.1には9つを超える遺伝子突然変異が存在する(Meisler,M.H.,J.A.Kearneyら、(2002)“Mutations of voltage−gated sodium channels in movement disorders and epilepsy”Novartis Found Symp 241:72−81を参照)。
【0013】
NaV1.5に対するアンタゴニストは、心不整脈を治療するために開発かつ使用されてきた。電流に対する大きな非不活性化成分を生成するNaV1.5における遺伝子欠損はヒトにおけるQT延長と関連付けられており、この状態を治療するために経口利用できる局所麻酔薬であるメキシレチン(mexilitine)が使用されてきた(Wang,D.W.,K.Yazawaら、(1997)“Pharmacological targeting of long QT mutant sodium channels.”J Clin Invest 99(7):1714−20を参照)。
【0014】
現在は、数種のNaチャネルブロッカーがてんかん(Moulard,B.and D.Bertrand(2002)“Epilepsy and sodium channel blockers”Expert Opin.Ther.Patents 12(1):85−91を参照);急性(Wiffen,P.,S.Collinsら、(2000)“Anticonvulsant drugs for acute and chronic pain”Cochrane Database Syst Rev 3を参照)、慢性(Wiffen,P.,S.Collinsら、(2000)“Anticonvulsant drugs for acute and chronic pain”Cochrane Database Syst Rev 3、およびGuay,D.R.(2001)“Adjunctive agents in the management of chronic pain”Pharmacotherapy 21(9):1070−81を参照)、炎症性(Gold,M.S.(1999)“Tetrodotoxin−resistant Na currents and inflammatory hyperalgesia.”Proc Natl Acad Sci USA 96(14):7645−9を参照)、および神経因性疼痛(Strichartz,G.R.,Z.Zhouら、(2002)“Therapeutic concentrations of local anaesthetics unveil the potential role of sodium channels in neuropathic pain”Novartis Found Symp 241:189−201およびSandner−Kiesling,A.,G.Rumpold Seitlingerら、(2002)“Lamotrigine monotherapy for control of neuralgia after nerve section”Acta Anaesthesiol Scand 46(10):1261−4を参照);心不整脈(An,R.H.,R.Bangaloreら、(1996)“Lidocaine block of LQT−3 mutant human Na channels”Circ Res 79(1):103−8、およびWang,D.W.,K.Yazawaら、(1997)“Pharmacological targeting of long QT mutant sodium channels”J Clin Invest 99(7):1714−20を参照)を治療するために;神経保護のために(Taylor,C.P.and L.S,Narasimhan(1997)“Sodium channels and therapy of central nervous system diseases”Adv Pharmacol 39:47−98を参照)および麻酔薬として(Strichartz,G.R.,Z.Zhouら、(2002)“Therapeutic concentrations of local anaesthetics unveil the potential role of sodium channels in neuropathic pain.”Novartis Found Symp 241:189−201を参照)使用されている、または臨床試験中である。
【0015】
多数の相違する疼痛適応についてナトリウムチャネルモジュレータを試験するために、臨床有意性を備える様々な動物モデルが開発されてきた。例えば、悪性慢性痛(Kohase,H.ら、 Acta Anaesthesiol Scand.2004;48(3):382−3を参照);大腿骨癌性疼痛(Kohase,H.ら、Acta Anaesthesiol Scand.2004;48(3):382−3を参照);非悪性慢性骨痛(Ciocon,J.O.ら、J Am Geriatr Soc.1994;42(6):593−6を参照);関節リウマチ(Calvino,B.ら、Behav Brain Res.1987;24(1):11−29を参照);変形性関節症(Guzman,R.E.ら、Toxicol Pathol.2003;31(6):619−24を参照);脊髄狭窄(Takenobu,Y.ら、J Neurosci Methods.2001;104(2):191−8を参照);神経因性腰痛(Hines,R.ら、Pain Med.2002;3(4):361−5;Massie,J.B.ら、J Neurosci Methods.2004;137(2):283−9を参照);筋筋膜疼痛症候群(Dalpiaz&Dodds,J Pain Palliat Care Pharmacother.2002;16(1):99−104;Sluka KAら、Muscle Nerve.2001;24(1):37−46を参照);線維筋痛症(Bennet&Tai,Int J Clin Pharmacol Res.1995;15(3):115−9を参照);顎関節痛(Ime H,Ren K,Brain Res Mol Brain Res.1999;67(1):87−97を参照);腹痛を含む慢性内臓痛(Al−Chaer,E.D.ら、Gastroenterology.2000;119(5):1276−85を参照);骨盤/会陰痛(Wesselmannら、Neurosci Lett.1998;246(2):73−6を参照);膵臓の痛み(Vera−Portocarrero,L.B.ら、Anesthesiology.2003;98(2):474−84を参照);IBS痛(Verne,G.N.ら、Pain.2003;105(1−2):223−30;La JHら、World Gastroenterol.2003;9(12):2791−5を参照);慢性頭痛(Willimas&Stark,Cephalalgia.2003;23(10):963−71を参照);片頭痛(Yamamura,H.ら、J Neurophysiol.1999;81(2):479−93を参照);群発性頭痛を含む緊張性頭痛(Costa,A.ら、Cephalalgia.2000;20(2):85−91を参照);ヘルペス後神経痛を含む慢性神経因性疼痛(Attal,N.ら、 Neurology.2004;62(2):218−25;Kim&Chung 1992,Pain 50:355を参照);糖尿病性ニューロパシー(Beidoun Aら、Clin J Pain.2004;20(3):174−8;Courteix,C.ら、 Pain.1993;53(1):81−8を参照);HIV関連性ニューロパシー(Portegies&Rosenberg,Ned Tijdschr Geneeskd.2001;145(15):731−5;Joseph EKら、Pain.2004;107(1−2):147−58;Oh,S.B.ら、J.Neurosci.2001;21(14):5027−35を参照);三叉神経痛(Sato,J.ら、Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod.2004;97(1):18−22;Imamura Yら、Exp Brain Res.1997;116(1):97−103を参照);シャルコー・マリー・ツース(Charcot−Marie Tooth)ニューロパシー(Sereda,M.ら、Neuron.1996;16(5):1049−60を参照);遺伝性感覚神経ニューロパシー(Lee,M.J.ら、Hum Mol.Genet.2003;12(15):1917−25を参照);末梢神経損傷(Attal,N.ら、Neurology.2004;62(2):218−25;Kim&Chung 1992,Pain 50:355;Bennett&Xie,1988,Pain 33:87;Decostered,I.& Woolf,C.J.,2000,Pain 87:149;Shir,Y.& Seltzer,Z.1990;Neurosci Lett 115:62を参照);有痛性神経腫(Nahabedian&Johnson,Ann Plast Surg.2001;46(1):15−22;Devor&Raber,Behav Neural Biol.1983;37(2):276−83を参照);異所性近位および遠位排出(Liu,X.ら、Brain Res.2001;900(1):119−27を参照);神経根症(Devers&Galer,(Clin J Pain.2000;16(3):205−8;Hayashi Nら、Spine.1998;23(8):877−85を参照);化学療法誘発性神経因性疼痛(Aley,K.O.ら、Neuroscience.1996;73(1):259−65を参照);放射線療法誘発性神経因性疼痛;乳房摘出後疼痛(Devers&Galer,Clin J Pain.2000;16(3):205−8を参照);中枢性疼痛(Cahana,A.ら、Anesth Analg.2004;98(6):1581−4を参照)、脊髄損傷疼痛(Hains,B.C.ら、Exp Neurol.2000;164(2):426−37を参照);脳卒中後疼痛;視床痛(LaBuda,C.J.ら、Neurosci Lett.2000;290(1):79−83を参照);複合性局所疼痛症候群(Wallace,M.S.ら、Anesthesiology.2000;92(1):75−83;Xantos Dら、J Pain.2004;5(3 Suppl 2):S1を参照);幻肢痛(phanton pain)(Weber,W.E.,Ned Tijdschr Geneeskd.2001;145(17):813−7;Levitt&Heyback,Pain.1981;10(1):67−73を参照);難治性疼痛(Yokoyama,M.ら、 Can J Anaesth.2002;49(8):810−3を参照);急性疼痛、急性術後疼痛(Koppert,W.ら、Anesth Analg.2004;98(4):1050−5;Brennan,T.J.ら、Pain.1996;64(3):493−501を参照);急性筋骨格疼痛;関節痛(Gotoh,S.ら、Ann Rheum Dis.1993;52(11):817−22を参照);機械的腰痛(Kehl,L.J.ら、Pain.2000;85(3):333−43を参照);頸痛;腱炎;傷害/運動痛(Sesay,M.ら、Can J Anaesth.2002;49(2):137−43を参照);腹痛;腎盂腎炎;虫垂炎;胆嚢炎;腸閉塞;ヘルニアなど含む急性内臓痛(Giambernardino,M.A.ら、Pain.1995;61(3):459−69を参照);心臓痛を含む胸痛(Vergona,R.A.ら、Life Sci.1984;35(18):1877−84を参照);骨盤痛、腎疝痛、陣痛を含む急性分娩疼痛(Segal,S.ら、Anesth Analg.1998;87(4):864−9を参照);帝王切開疼痛;急性炎症、熱傷および外傷痛;子宮内膜症を含む急性間欠痛(Cason,A.M.ら、Horm Behav.2003;44(2):123−31を参照);急性帯状疱疹痛;鎌状赤血球貧血;急性膵炎(Toma,H;Gastroenterology.2000;119(5):1373−81を参照);突発痛;静脈洞炎痛、歯痛を含む口腔顔面痛(Nusstein,J.ら、J Endod.1998;24(7):487−91;Chidiac,J.J.ら、Eur J Pain.2002;6(1):55−67を参照);多発性硬化症(MS)疼痛(Sakurai&Kanazawa,J Neurol Sci.1999;162(2):162−8を参照);抑うつにおける疼痛(Greene B,Curr Med Res Opin.2003;19(4):272−7を参照);ハンセン病疼痛;ベーチェット病疼痛;有痛脂肪症(Devillers&Oranje,Clin Exp Dermatol.1999;24(3):240−1を参照);静脈炎疼痛;ギラン・バレー(Guillain−Barre)症候群疼痛;有痛性の脚および運動性足指;ハグルンド(Haglund)症候群;先端紅痛症(Legroux−Crespel,E.ら、Ann Dermatol Venereol.2003;130(4):429−33を参照);ファブリー(Fabry)病疼痛(Germain,D.P.,J Soc Biol.2002;196(2):183−90を参照);尿失禁を含む膀胱および泌尿器疾患(Berggren,T.ら、J Urol.1993;150(5 Pt 1):1540−3を参照);多動性膀胱(Chuang,Y.C.ら、Urology.2003;61(3):664−70を参照);有痛性膀胱症候群(Yoshimura,N.ら、J.Neurosci.2001;21(21):8690−6を参照);間質性膀胱炎(IC)(Giannakopoulos& Campilomatos,Arch Ital Urol Nefrol Androl.1992;64(4):337−9;Boucher,M.ら、J Urol.2000;164(1):203−8を参照);ならびに前立腺炎(Mayersak,J.S.,Int Surg.1998;83(4):347−9;Keith,I.M.ら、J Urol.2001;166(1):323−8を参照)。
【0016】
電位型カルシウムチャネルは、膜脱分極に反応して開口し、Caが細胞外環境から進入するのを許容する、膜貫通性のマルチサブユニットタンパク質である。カルシウムチャネルは、最初は、チャネルが開口する時間および電位依存性ならびに薬理学的ブロックに対する感受性に基づいて分類された。これらのカテゴリーは低電位活性型(主としてT型)および高電位活性型(L、N、P、QまたはR型)であった。この分類スキームは、表Bに要約した分子サブユニット組成に基づく命名法に取って代わられた(Hockerman G.H.,Peterson B.Z.,Johnson B.D.,Catterall W.A.1997.Annu Rev Pharmacol Toxicol 37:361−96;Striessnig J.1999.Cell Physiol Biochem 9:242−69を参照)。カルシウムチャネルα、αδ、βおよびγを構成する主要な4つのサブユニット型が存在する(例えば、De Waardら、Structural and functional diversity of voltage−activated calcium channels.In Ion Channels,(ed.T.Narahashi)41−87,(Plenum Press,New York,1996)を参照)。αサブユニットは、薬理学的特性の主要決定因子であり、チャネル孔および電位センサを含有している(Hockermanら、1997;Striessnig,1999を参照)。αサブユニットの10のアイソフォームは、以下の表Iに示すように知られている。αδサブユニットは、主として細胞外であるα、および膜貫通δサブユニットの2つのジスルフィド連結サブユニットから構成される。αδ−1、αδ−2、αδ−3およびαδ−4である、αδの4つのアイソフォームが知られている。βサブユニットは、αサブユニットに結合する非グリコシル化細胞質タンパク質である。β〜βと名付けられた、4つのアイソフォームが知られている。γサブユニットは、Ca1およびCa2チャネルの成分として生化学的に単離されている膜貫通タンパク質である。少なくとも8個のアイソフォーム(γ〜γ)が知られている[Kang MG,Campbell KP.2003.J Biol Chem 278:21315−8を参照]。電位型カルシウムチャネルの命名法は、表Iに示したように、αサブユニットの成分に基づいている。αサブユニットの各型は、様々なβ、αδもしくはγサブユニットと関連付けることができるので、各Ca型はサブユニットの多数の相違する組み合わせに対応する。
【0017】
表B
【0018】
【化22】

Ca2電流は、ほぼ排他的に中枢および末梢神経系ならびに神経内分泌細胞内で見いだされ、優勢型のシナプス前電位型カルシウム電流を構成する。シナプス前活動電位はチャネル開口を誘発し、神経伝達物質放出はその後のカルシウム流入に急勾配で依存する。そこで、Ca2チャネルは、神経伝達物質放出を媒介することに中心的な役割を果たす。
【0019】
Ca2.1およびCa2.2は、ペプチド毒素であるω−コノトキシン−MVIICおよびω−コノトキシン−GVIA各々に対する高親和性結合部位を含有しており、これらのペプチドは、各チャネル型の分布および機能を決定するために使用されてきた。Ca2.2は、後根神経節からのニューロンおよび後角の第IおよびII層のニューロンのシナプス前神経終末で高度に発現する(非特許文献27;非特許文献28を参照)。Ca2.2チャネルもまた、脊髄内の二次および三次介在ニューロン間のシナプス前神経終末内で見いだされる。両側の神経伝達は、疼痛情報を脳へ中継する際に極めて重要である。
【0020】
疼痛は、大まかには3種のタイプ:急性、炎症性、および神経因性に分類できる。急性疼痛は、組織損傷を引き起こす可能性がある刺激から組織を安全に守る際に重要な保護機能を果たす。重度の熱的、機械的、または化学的入力は、無視されると組織に重度の損傷を引き起こす可能性を有している。急性疼痛は、悪化しつつある環境から個体を迅速に取り出すために役立つ。急性疼痛は、まさにその本質から、一般には短時間型で強烈である。他方、炎症性疼痛は、遙かに長い期間にわたって持続する場合があり、その強度はより段階的である。炎症は、組織損傷、自己免疫反応、および病原体侵襲を含む多数の理由から発生することがある。炎症性疼痛は、サブスタンスP、ヒスタミン、酸、プロスタグランジン、ブラジキニン、CGRP、サイトカイン、ATP、および神経伝達物質放出からなる「炎症性スープ(inflammatory soup)」によって媒介される。第3クラスの疼痛は神経因性であり、結果として神経タンパク質および回路の再組織化を生じさせ、数年間にわたって持続する慢性疼痛を生成できる病理的な「感作」状態を産生する損傷を含んでいる。このタイプの疼痛は適応する有益性を提供せず、現行療法を用いて治療するのは特に困難である。
【0021】
疼痛、特に神経因性および難治性疼痛は、未だ満たされていない大きな医療的必要がある。数百万という人々が、現行治療薬によっては良好に制御されない重度の疼痛に苦しんでいる。疼痛を治療するために現在使用されている薬物には、NSAIDS、COX2阻害剤、三環式抗うつ薬、および抗痙攣薬が含まれる。神経因性疼痛は、オピオイドが用量に達するまでは良好に反応しないので、特に治療するのが困難であった。ガバペンチンは、神経因性疼痛を治療するために現在好ましい治療薬であるが、本剤は、穏当な有効性を示す患者の60%でしか機能しない。しかしこの薬物は極めて安全性であり、副作用は概して忍容できるが、高用量では鎮静状態が問題となる。
【0022】
神経因性疼痛を治療するための標的としてのCa2.2の妥当性確認は、このチャネルの選択的ペプチドブロッカーであるジコノチド(ω−コノトキシン−MVIIAとしても知られる)を用いた試験によって提供されている(Bowersox SS,Gadbois T,Singh T,Pettus M,Wang YX,Luther RR.1996.J Pharmacol Exp Ther 279:1243−9;Jain KK.2000.Exp.Opin.Invest.Drugs 9:2403−10;Vanegas H,Schaible H.2000.Pain 85:9−18を参照)。ヒトにおいては、ジコノチドのクモ膜下注入は、難治性疼痛、癌性疼痛、オピオイド耐性疼痛、および神経因性疼痛を治療するために有効である。この毒素は、ヒトにおける疼痛を治療するために85%の成功率を有していて、モルヒネより大きな効力を備えている。Ca2.2の経口利用できるアンタゴニストは、クモ膜下注入の必要を伴わずに類似の有効性を有するはずである。Ca2.1およびCa2.3もまた侵害受容経路のニューロン内にあり、これらのチャネルのアンタゴニストは疼痛を治療するために使用できよう。
【0023】
Ca2.1、Ca2.2、またはCa2.3のアンタゴニストは、おそらく過剰なカルシウム流入に関係している中枢神経系の他の病理を治療するためにも有用なはずである。脳虚血および脳卒中には、ニューロンの脱分極に起因する過剰なカルシウム流入が結び付いている。Ca2.2アンタゴニストであるジコノチドは、実験動物を用いて限局性虚血モデルにおいて梗塞サイズを減少させることに有効であり、これは脳卒中を治療するためにCa2.2アンタゴニストを使用できることを示唆している。同様に、ニューロン内への過剰なカルシウム流入を減少させることは、てんかん、外傷性脳損傷、アルツハイマー病、多重梗塞性認知症およびその他のクラスの認知症、筋萎縮性側索硬化症、健忘症、または毒物もしくは他の毒性物質によって誘発されたニューロン損傷を治療するために有用な可能性がある。
【0024】
Ca2.2はさらに、交感神経系のニューロンからの神経伝達物質放出も媒介し、アンタゴニストは、高血圧、心不整脈、狭心症、心筋梗塞、およびうっ血性心不全などの心血管疾患を治療するために使用できよう。
【0025】
あいにくなことに、上述したように、上述した疾患状態に対して現在使用されているナトリウムチャネルブロッカーおよびカルシウムチャネルブロッカーの有効性は、多数の副作用によって広範囲に限定されてきた。これらの副作用には、視覚低下、めまい、悪心、および鎮静、ならびにより強力に生命を脅かす心不整脈および心不全などの様々なCNS障害が含まれる。したがって、好ましくは高い効力および少ない副作用を備える、追加のNaチャネルおよびCaチャネルアンタゴニストを開発する必要が残っている。あいにくなことに、上述したように、上述した疾患状態に対して現在使用されているナトリウムチャネルブロッカーおよびカルシウムチャネルブロッカーの有効性は、多数の副作用によって広範囲に限定されてきた。これらの副作用には、視覚低下、めまい、悪心、および鎮静、ならびにより強力に生命を脅かす心不整脈および心不全などの様々なCNS障害が含まれる。したがって、好ましくは高い効力および少ない副作用を備える、追加のNaチャネルおよびCaチャネルアンタゴニストを開発する必要が残っている。
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【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0026】
(発明の要旨)
現在では、本発明の化合物、およびそれらの薬学的に受容可能な組成物は、電位型ナトリウムチャネルおよびカルシウムチャネルの阻害剤として有用であることが見いだされている。これらの化合物は、一般式I:
【0027】
【化23】

またはそれらの薬学的に受容可能な塩を有する。
【0028】
これらの化合物および薬学的に受容可能な組成物は、急性、慢性、神経因性、もしくは炎症性の疼痛、関節炎、片頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス性神経痛、全身性神経痛、てんかんもしくはてんかん状態、神経変性障害、例えば不安および抑うつなどの精神疾患、筋緊張症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調症、多発性硬化症、過敏性腸症候群、尿失禁、内臓痛、骨関節症性疼痛、ヘルペス後神経痛、糖尿病性ニューロパシー、神経根痛、坐骨神経痛、背痛、頭痛もしくは頸痛、重度もしくは難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突発痛、術後疼痛、または癌性疼痛を含むがそれらに限定されない様々な疾患、障害、もしくは状態を治療するため、またはそれらの重症度を緩和するために有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(本発明の詳細な説明)
1つの実施形態では、本発明は、電位型ナトリウムチャネルおよびカルシウムチャネルの阻害剤として有用である式I:
【0030】
【化24】

の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を提供し、
式中、
XおよびWの1つはNもしくはCHであり、XおよびWのもう1つはCHである;
環Zは、O、S、N、もしくはNHから選択された少なくとも1つの環状ヘテロ原子を有する5〜7員の不飽和もしくは芳香族環であるが、このときZは、Rのzまでの存在で必要に応じて置換される;
zは、0〜4である;
各Rは、R、R、R、R、もしくはRから独立して選択される;
SO基は、第1もしくは第2のいずれかの炭素に結合している;
WおよびXを含有する環は、ハロ、CN、NO、CF、OCF、OR、SR6、S(O)R、SO、NH、N(R、COOR、もしくはC1−C6直鎖状もしくは分枝状アルキリジン鎖から選択された4つまでの置換基で必要に応じて置換されており、このとき前記アルキリジンの2つまでの非隣接メチレン単位は、任意かつ独立して−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR、−NRNRCO−、−NRCO−、−S−、−SO、−SO−、−NR−、−SONR−、NRSO−、もしくは−NRSONR−で置換される;
Qは結合である、またはC1−C6直鎖状もしくは分枝状アルキリジン鎖であるが、このときQの2つまでの非隣接メチレン単位は、任意かつ独立して−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR、−NRNRCO−、−NRCO−、−S−、−SO、−SO−、−NR−、−SONR−、NRSO−、−NRSONR−、またはスピロシクロアルキレン成分で置換される;
は、C1−6脂肪族基、O、S、N、もしくはNHから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和単環式環、またはO、S、N、もしくはNHから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和二環式環系である;
このときRは、R、R、R、R、もしくはRから選択された4つまでの置換基で必要に応じて置換される;
およびRは、独立してRである;
は、オキソ、=NN(R、=NN(R、=NN(R)、R、もしくは(CH−Yである;
nは、0、1、もしくは2である;
Yは、ハロ、CN、NO、CF、OCF、OH、SR、S(O)R、SO、NH、NHR、N(R、NR、COOH、COOR、もしくはORである;または
隣接環原子上の2つのRは、一緒に、1,2−メチレンジオキシもしくは1,2−エチレンジオキシを形成する;
は、水素もしくはC1−C6脂肪族であるが、このとき各Rは、R、R、もしくはRから独立して選択される2つまでの置換基で必要に応じて置換される;
は、R、R、R、もしくはRから独立して選択される3つまでの置換基で必要に応じて置換されたC3−C8脂環式、C6−C10アリール、C3−C8複素環式、もしくはC5−C10ヘテロアリール環である;
は、OR、OR、OC(O)R、OC(O)R、OC(O)OR、OC(O)OR、OC(O)N(R、OC(O)N(R、OC(O)N(R)、OP(O)(OR、OP(O)(OR、OP(O)(OR)(OR)、SR、SR、S(O)R、S(O)R、SO、SO、SON(R、SON(R、SONR、SO、SO、C(O)R、C(O)OR、C(O)R、C(O)OR、C(O)N(R、C(O)N(R、C(O)N(R)、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、N(R、N(R、N(R)、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、NRC(O)N(R、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、NRC(O)N(R、NRSO、NRSO、NRSO、NRSON(R、NRSONR、NRSON(R、NRSONR、NRSON(R、N(OR)R、N(OR)R、N(OR)R、N(OR)R、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R)、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R)、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR、P(O)(OR、もしくはP(O)(OR)(OR)である;
は、3つまでのR置換基で必要に応じて置換されたC3−C8脂環式、C6−C10アリール、C3−C8複素環式、もしくはC5−C10ヘテロアリール環である;
は、HもしくはC1−C6脂肪族であるが、このときRはR置換基で必要に応じて置換される;
は、C3−C8脂環式、C6−C10アリール、C3−C8複素環式、C5−C10ヘテロアリール環であり、各Rは、H、C1−C6脂肪族、もしくは(CH−Z’(式中、mは0〜2である)から独立して選択される2つまでの置換基で必要に応じて置換される;
Z’は、ハロ、CN、NO、C(ハロ)、CH(ハロ)、CH(ハロ)、−OC(ハロ)、−OCH(ハロ)、−OCH(ハロ)、OH、S−(C1−C6)脂肪族、S(O)−(C1−C6)脂肪族、SO−(C1−C6)脂肪族、NH、NH−(C1−C6)脂肪族、N((C1−C6)脂肪族)、N((C1−C6)脂肪族)R、COOH、C(O)O(−(C1−C6)脂肪族)、もしくはO−(C1−C6)脂肪族から選択される;および
は、アセチル、C6−C10アリールスルホニル、もしくはC1−C6アルキルスルホニルである;
ただし、
(i)環Zが必要に応じて置換されたピリジルであり、WがCであり、そしてXがCである場合は、Q−Rは一緒になって必要に応じて置換されたフェニルではない;
(ii)WがCHであり、XがCHである場合は、Q−Rは一緒になってメチルではない、ことを前提とする。
【0031】
また別の実施形態では、本発明は、式II:
【0032】
【化25】

の化合物を提供し、
式中、
環Zは、O、S、N、もしくはNHから選択された少なくとも1つの環状ヘテロ原子を有する5〜7員の不飽和もしくは芳香族環であるが、このときZは、Rのzまでの存在で必要に応じて置換される;
zは、0〜4である;
各Rは、R、R、R、R、もしくはRから独立して選択される;
SO基は、第1もしくは第2のいずれかの炭素に結合している;
NRC(O)基は、第5もしくは第6のいずれかの炭素に結合している;
第5および第6の炭素を含有する環は、ハロ、CN、NO、CF、OCF、OR、SR6、S(O)R、SO、NH、N(R、COOR、もしくはC1−C6直鎖状もしくは分枝状アルキリジン鎖から選択された4つまでの置換基で必要に応じて置換されており、このとき前記アルキリジンの2つまでの非隣接メチレン単位は、任意かつ独立して−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR、−NRNRCO−、−NRCO−、−S−、−SO、−SO−、−NR−、−SONR−、NRSO−、もしくは−NRSONR−で置換される;
Qは結合である、またはC1−C6直鎖状もしくは分枝状アルキリジン鎖であるが、このときQの2つまでの非隣接メチレン単位は、任意かつ独立して−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR、−NRNRCO−、−NRCO−、−S−、−SO、−SO−、−NR−、−SONR−、NRSO−、−NRSONR−、またはスピロシクロアルキレン成分で置換される;
は、C1−6脂肪族基、O、S、N、もしくはNHから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和単環式環、またはO、S、N、もしくはNHから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和二環式環系である;
このときRは、R、R、R、R、もしくはRから選択された4つまでの置換基で必要に応じて置換される;
およびRは、独立してRである;
は、オキソ、=NN(R、=NN(R、=NN(R)、R、もしくは(CH−Yである;
nは、0、1、もしくは2である;
Yは、ハロ、CN、NO、CF、OCF、OH、SR、S(O)R、SO、NH、NHR、N(R、NR、COOH、COOR、もしくはORである;または
隣接環原子上の2つのRは、一緒に、1,2−メチレンジオキシもしくは1,2−エチレンジオキシを形成する;
は、水素もしくはC1−C6脂肪族であるが、このとき各Rは、R、R、もしくはRから独立して選択される2つまでの置換基で必要に応じて置換される;
は、R、R、R、もしくはRから独立して選択される3つまでの置換基で必要に応じて置換されたC3−C8脂環式、C6−C10アリール、C3−C8複素環式、もしくはC5−C10ヘテロアリール環である;
は、OR、OR、OC(O)R、OC(O)R、OC(O)OR、OC(O)OR、OC(O)N(R、OC(O)N(R、OC(O)N(R)、OP(O)(OR、OP(O)(OR、OP(O)(OR)(OR)、SR、SR、S(O)R、S(O)R、SO、SO、SON(R、SON(R、SONR、SO、SO、C(O)R、C(O)OR、C(O)R、C(O)OR、C(O)N(R、C(O)N(R、C(O)N(R)、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、N(R、N(R、N(R)、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、NRC(O)N(R、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、NRC(O)N(R、NRSO、NRSO、NRSO、NRSON(R、NRSONR、NRSON(R、NRSONR、NRSON(R、N(OR)R、N(OR)R、N(OR)R、N(OR)R、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R)、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R)、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR、P(O)(OR、もしくはP(O)(OR)(OR)である;
は、3つまでのR置換基で必要に応じて置換されたC3−C8脂環式、C6−C10アリール、C3−C8複素環式、もしくはC5−C10ヘテロアリール環である;
は、HもしくはC1−C6脂肪族であるが、このときRはR置換基で必要に応じて置換される;
は、C3−C8脂環式、C6−C10アリール、C3−C8複素環式、C5−C10ヘテロアリール環であり、各Rは、H、C1−C6脂肪族、もしくは(CH−Z’(式中、mは0〜2である)から独立して選択される2つまでの置換基で必要に応じて置換される;
Z’は、ハロ、CN、NO、C(ハロ)、CH(ハロ)、CH(ハロ)、−OC(ハロ)、−OCH(ハロ)、−OCH(ハロ)、OH、S−(C1−C6)脂肪族、S(O)−(C1−C6)脂肪族、SO−(C1−C6)脂肪族、NH、NH−(C1−C6)脂肪族、N((C1−C6)脂肪族)、N((C1−C6)脂肪族)R、COOH、C(O)O(−(C1−C6)脂肪族)、もしくはO−(C1−C6)脂肪族から選択される;および
は、アセチル、C6−C10アリールスルホニル、もしくはC1−C6アルキルスルホニルである;
ただし、
(i)Q−Rは、一緒になってメチルもしくはイソプロピルではない;
(ii)環Zは、必要に応じて置換されたイソキサゾリルではない;
(iii)環Zが必要に応じて置換されたピペラジニルである場合は、Rはメチルではない;および
(iv)環Zが必要に応じて置換されたピペラジニルであり、QがOである場合は、Rはベンジルではない、ことを前提とする。
【0033】
本発明のために、化学元素は、Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.によって同定されている。さらに、有機化学の一般原理は、これによりそれらの全内容が参照して本明細書に組み込まれる“Organic Chemistry”,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999,and“March’s Advanced Organic Chemistry”,5th Ed.,Ed.:Smith,M.B.and March,J.,John Wiley&Sons,New York:2001に記載されている。
【0034】
上述したように、本発明の化合物は、一般に上記に例示したような、または本発明の特定のクラス、サブクラス、および種によって例示されるような1つまたは複数の置換基で必要に応じて置換されてよい。語句「必要に応じて置換された」は、語句「置換もしくは未置換」と互換的に使用されることを理解されたい。一般に、用語「置換(された)」は、用語「任意に」が先行しているかどうかにかかわらず、特定の置換基のラジカルでの所定構造内の水素ラジカルの置換を意味する。他に特に規定しない限り、必要に応じて置換された基は、各置換可能な(すなわち、所定の置換基のために利用できる必要な原子価を有する)位置の基で置換基を有していてよく、任意の所定構造内の2つ以上の置換基が規定の基から選択された2つ以上の置換基で置換されてよい場合は、その置換基は各々の位置で同一であっても相違していてもよい。本発明によって企図された置換基の組み合わせは、好ましくは、安定性もしくは化学的に実現可能な化合物の形成を生じさせる組み合わせである。本明細書で使用する用語「安定性」は、本明細書に開示した1つまたは複数の目的のためのそれらの生成、検出、および好ましくはそれらの回収、精製、および使用を可能にする条件を受けさせた場合に実質的に変化しない化合物を意味する。一部の実施形態では、安定性もしくは化学的に実現可能な化合物は、少なくとも1週間にわたり、水分もしくは他の化学的反応性条件の不在下において、40℃以下の温度で保存した場合に実質的に変化しない化合物である。
【0035】
本明細書で使用する用語「脂肪族」もしくは「脂肪族基」は、完全に飽和している、または1つまたは複数の不飽和の単位を含有する直鎖状(すなわち、非分枝状)もしくは分枝状、置換もしくは未置換の炭化水素鎖を意味する。他に特に規定しない限り、脂肪族基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含有している。一部の実施形態では、脂肪族基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含有している。他の実施形態では、脂肪族基は、1〜8個の脂肪族炭素原子を含有している。さらに他の実施形態では、脂肪族基は1〜6個の脂肪族炭素原子を含有しており、そしてさらにまた別の実施形態では、脂肪族炭素は1〜4個の脂肪族炭素原子を含有している。適切な脂肪族基には、限定されないが、直鎖状もしくは分枝状の、置換もしくは未置換のアルキル、アルケニル、アルキニル基が含まれる。用語「脂環式」は、完全に飽和している、または1つまたは複数の不飽和の単位を含有しているが、芳香族ではなく、分子の残りへの単一結合点を有する単環式炭化水素、二環式もしくは三環式炭化水素を意味している。一部の実施形態では、「脂環式」は、完全に飽和している、または1つまたは複数の不飽和単位を含有している、しかし芳香族ではなく、分子の残りへの単一結合点を有する単環式C−C炭化水素もしくは二環式C−C12炭化水素を意味するが、このとき前記二環式環系内の任意の個別環は3〜7員を有する。
【0036】
他に特に規定しない限り、本明細書で使用する用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロ脂環式」、もしくは「複素環式」は、1つまたは複数の環員内の1つまたは複数の環原子が独立して選択されるヘテロ原子である非芳香族の単環式、二環式、もしくは三環式環系を意味する。複素環は飽和していてよい、または1つまたは複数の不飽和結合を含有していてよい。一部の実施形態では、「複素環」、「ヘテロシクリル」、もしくは「複素環式」基は、1つまたは複数の環員が酸素、硫黄、窒素、もしくはリンから独立して選択されるヘテロ原子であり、環系内の各環が3〜7つの環員を含有する3〜14個の環員を有する。
【0037】
用語「ヘテロ原子」は、酸素、硫黄、窒素、リン、もしくはケイ素(窒素、硫黄、リン、もしくはケイ素の任意の酸化形;複素環の任意の塩基性窒素、もしくは置換可能な窒素の四級化形、例えばN(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルにおけるように)、NH(ピロリジニルにおけるように)もしくはNR(N−置換ピロリジニルにおけるように)を含む)を意味する。
【0038】
本明細書で使用する用語「不飽和」は、成分が1つまたは複数の不飽和単位を有することを意味する。
【0039】
本明細書で使用する用語「アルコキシ」、もしくは「チオアルキル」は、以前に規定したように、酸素(「アルコキシ」)もしくは硫黄(「チオアルキル」)原子を通して主炭素鎖に結合しているアルキル基を意味する。
【0040】
「アラルキル」、「アラルコキシ」、もしくは「アリールオキシアルキル」におけるように単独もしくは大きな成分の一部として使用される用語「アリール」は、計5〜14個の環状炭素原子を有する単環式、二環式、もしくは三環式環系を意味するが、このときその系内の少なくとも1つの環は芳香族であり、系内の各環は3〜7個の環状炭素原子を含有している。用語「アリール」は、用語「アリール環」と互換的に使用されてよい。
【0041】
「ヘテロアラルキル」もしくは「ヘテロアリールアルコキシ」におけるように単独もしくは大きな成分の一部として使用される用語「ヘテロアリール」は、計5〜14個の環員を有する単環式、二環式、もしくは三環式環系を意味するが、このときその系内の少なくとも1つの環は芳香族であり、その系内の少なくとも1つの環は1つまたは複数のヘテロ原子を含有しており、系内の各環は3〜7個の環員を含有している。用語「ヘテロアリール」は、用語「ヘテロアリール環」もしくは用語「ヘテロ芳香族」と互換的に使用されてよい。
【0042】
用語「アルキリデン鎖」は、完全に飽和していてよい、または1つまたは複数の不飽和単位を有していてよい、そしてその分子の残りへの2つの結合点を有する直鎖状もしくは分枝状炭素鎖を意味している。
【0043】
用語「スピロシクロアルキレン」は、同一炭素原子からその分子の残りへの2つの結合点を有する脂環式環を意味する。
【0044】
他に規定しない限り、本明細書に示した構造は、例えば、各不斉中心に対するRおよびS構造、(Z)および(E)二重結合異性体、ならびに(Z)および(E)立体配座異性体などの、その構造のすべての異性体(例、エナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何(もしくは立体配座)形を含むこともまた意図されている。このため、本発明の化合物の単一の立体化学異性体ならびにエナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何(もしくは立体配座)異性体の混合物は、本発明の範囲内に含まれる。他に特に規定しない限り、本発明の化合物のすべての互変異性体形は、本発明の範囲内に含まれる。さらに、他に規定しない限り、本明細書に示した構造は、1つまたは複数の同位体濃縮原子の存在下でのみ相違する化合物を含むこともまた意図されている。例えば、ジューテリウムもしくはトリチウムによる水素の置換、または13C−もしくは14C−濃縮炭素による炭素の置換を除いて、本構造を有する化合物は、本発明の範囲内に含まれる。そのような化合物は、例えば生物学的アッセイにおける分析用ツールもしくはプローブとして有用である。
【0045】
1つの実施形態では、XはNであり、WはCHである。または、XはCHであり、WはNである。また別の実施形態では、各XおよびWは、独立してCHである。
【0046】
1つの実施形態では、Zは:
【0047】
【化26】

から選択される必要に応じて置換された環である。
【0048】
本発明の化合物の所定の実施形態では、Zは:
【0049】
【化27】

から選択され、式中、Zは、R、R、もしくはRから選択された2つまでの置換基を有する。
【0050】
他の実施形態では、Zは:
【0051】
【化28】

から選択される。
【0052】
または、Zは、式a−i−aである。
【0053】
他の実施形態では、Zは:
【0054】
【化29】

から選択される。
【0055】
本発明の所定の実施形態では、Zは:
【0056】
【化30】

から選択される。
【0057】
または、Zは:
【0058】
【化31】

から選択される。
【0059】
または、Zは:
【0060】
【化32】

から選択される。
【0061】
所定の実施形態では、Zは:
【0062】
【化33】

から選択される。
【0063】
所定の実施形態では、Zは:
【0064】
【化34】

から選択される。
【0065】
所定の実施形態では、Zは:
【0066】
【化35】

から選択される。
【0067】
他の実施形態では、Zは:
【0068】
【化36】

から選択される。
【0069】
他の実施形態では、Zは:
【0070】
【化37】

から選択される。
【0071】
所定の実施形態では、Zは:
【0072】
【化38】

から選択される。
【0073】
所定の実施形態では、Zは:
【0074】
【化39】

から選択される。
【0075】
他の実施形態では、Zは:
【0076】
【化40】

から選択される。
【0077】
式(I)の1つの実施形態によると、Rはオキソである。または、Rは、=NN(R、=NN(R、もしくは=NN(R)である。また別の実施形態によると、RはRである。
【0078】
1つの実施形態によると、Rは(CH)n−Yである。または、RはYである。
【0079】
典型的なYには、ハロ、CN、NO2、CF、OCF、OH、SH、S(C1−4脂肪族)、S(O)(C1−4脂肪族)、SO(C1−4脂肪族)、NH、NH(C1−4脂肪族)、N(C1−4脂肪族)、NR(C1−4脂肪族)R、COOH、COO(C1−4脂肪族)、もしくはO(C1−4脂肪族)が含まれる。または、隣接環原子上の2つのRは、一緒に、1,2−メチレンジオキシもしくは1,2−エチレンジオキシを形成する。また別の実施形態では、Yは、ハロ、OH、SH、CN、NO、CF、OCF、COOH、もしくはC(O)O(C1−C4アルキル)である。また別の実施形態では、Rは、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、OH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、C(O)NH、NH、NH(C1−4アルキル)、N(C1−4アルキル)、NHC(O)C1−4アルキル、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−モルホリニル、もしくはC(O)C1−4アルキルから選択される。
【0080】
また別の実施形態によると、Rは(CH−Yである。1つの実施形態では、nは0または1である。または、nは2である。1つの実施形態では、Yは、ハロ、CN、NO、CF、OCF3、OR、SR、S(O)R、SO、N(R、NR、もしくはCOORである。また別の実施形態では、Yは、ハロ、OH、SH、CN、NO、CF、OCF、もしくはC(O)O(C1−C4アルキル)である。
【0081】
1つの実施形態では、隣接環原子上の2つのRは、一緒に、1,2−メチレンジオキシもしくは1,2−エチレンジオキシを形成する。
【0082】
式(I)のまた別の好ましい実施形態では、Rは、2つまでのR置換基で必要に応じて置換された直鎖状もしくは分枝状(C1−C6)アルキルまたは(C2−C6)アルケニルもしくはアルキニルである。
【0083】
1つの実施形態では、RはC1−C6脂肪族である。また別の実施形態では、RはC1−C6直鎖状もしくは分枝状アルキルである。また別の実施形態では、RはC1−C4アルキルである。また別の実施形態では、Rは、RもしくはRから独立して選択される2つまでの置換基で必要に応じて置換されている。または、Rは、RもしくはRから独立して選択される2つまでの置換基で必要に応じて置換されている。
【0084】
1つの実施形態では、Rは、R、R、R、もしくはRから独立して選択される3つまでの置換基で必要に応じて置換されたC3−C8脂環式である。典型的な脂環式には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、もしくはシクロヘプチルが含まれる。また別の実施形態では、Rは、R、R、R、もしくはRから独立して選択される3つまでの置換基で必要に応じて置換されたC6−C10アリールである。典型的なアリール環には、フェニルもしくはナフチルが含まれる。また別の実施形態では、Rは、R、R、R、もしくはRから独立して選択される3つまでの置換基で必要に応じて置換されたC3−C8複素環式である。典型的な複素環式環には、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、もしくはチオモルホリニルが含まれる。また別の実施形態では、Rは、R、R、R、もしくはRから独立して選択される3つまでの置換基で必要に応じて置換されたC5−C10ヘテロアリール環である。典型的なヘテロアリール環には、ピリジル、ピラジル、トリアジニル、フラニル、ピロリル、チオフェニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、プリニル、シノリニル、フタラジン、キナゾリニル、キナオキサリニル、ナフチリリニル、もしくはプテリジニルが含まれる。
【0085】
1つの実施形態では、RはORもしくはORから選択される。または、Rは、OC(O)RもしくはOC(O)Rから選択される。また別の実施形態では、Rは、C(O)R、C(O)OR、C(O)R、C(O)OR、C(O)N(R、C(O)N(R、もしくはC(O)N(R)から選択される。さらにまた別の実施形態では、Rは、N(R、N(R、もしくはN(R)から選択される。または、Rは、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、NRC(O)N(R、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、もしくはNRC(O)N(Rから選択される。
【0086】
1つの実施形態では、Rは、3つまでのR置換基で必要に応じて置換されたC3−C8脂環式である。典型的な脂環式には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、もしくはシクロヘプチルが含まれる。また別の実施形態では、Rは、3つまでのR置換基で必要に応じて置換されたC6−C10アリールである。典型的なアリール環には、フェニルもしくはナフチルが含まれる。また別の実施形態では、Rは、3つまでのR置換基で必要に応じて置換されたC3−C8複素環式である。典型的な複素環式環には、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、もしくはチオモルホリニルが含まれる。また別の実施形態では、Rは、3つまでのR置換基で必要に応じて置換されたC5−C10ヘテロアリール環である。典型的なヘテロアリール環には、ピリジル、ピラジル、トリアジニル、フラニル、ピロリル、チオフェニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、プリニル、シノリニル、フタラジン、キナゾリニル、キナオキサリニル、ナフチリジニル、もしくはプテリジニルが含まれる。
【0087】
1つの実施形態では、RはHである。また別の実施形態では、RはC1−C6脂肪族、好ましくはC1−C6アルキルである。または、Rは、R置換基で必要に応じて置換されたC1−C6脂肪族である。
【0088】
1つの実施形態では、Rは、H、C1−C6脂肪族、もしくは(CH−Z’(式中、mは0〜2である)から独立して選択される2つまでの置換基で必要に応じて置換されたC3−C8脂環式である。典型的な脂環式には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、もしくはシクロヘプチルが含まれる。また別の実施形態では、Rは、H、C1−C6脂肪族、もしくは(CH−Z’(式中、mは0〜2である)から独立して選択される2つまでの置換基で必要に応じて置換されたC6−C10アリールである。典型的なアリール環には、フェニルもしくはナフチルが含まれる。または、Rは、H、C1−C6脂肪族、もしくは(CH−Z’(式中、mは0〜2である)から独立して選択される2つまでの置換基で必要に応じて置換されたC3−C8複素環式である。典型的な複素環式環には、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、もしくはチオモルホリニルが含まれる。または、Rは、H、C1−C6脂肪族、もしくは(CH−Z’(式中、mは0〜2である)から独立して選択される2つまでの置換基で必要に応じて置換されたC5−C10ヘテロアリール環である。典型的なヘテロアリール環には、ピリジル、ピラジル、トリアジニル、フラニル、ピロリル、チオフェニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、プリニル、シノリニル、フタラジン、キナゾリニル、キナオキサリニル、ナフチリジニル、もしくはプテリジニルが含まれる。
【0089】
1つの実施形態では、Z’は、ハロ、CN、NO、C(ハロ)、CH(ハロ)、CH(ハロ)、−OC(ハロ)、−OCH(ハロ)、−OCH(ハロ)、OH、S−(C1−C6)脂肪族、S(O)−(C1−C6)脂肪族、SO−(C1−C6)脂肪族、NH、NH−(C1−C6)脂肪族、N((C1−C6)脂肪族)、COOH、C(O)O(−(C1−C6)脂肪族)、もしくはO−(C1−C6)脂肪族から選択される。
【0090】
1つの実施形態では、Qは結合である。
【0091】
また別の実施形態では、Qは、O、S、もしくはNRである。実施形態では、QはOである。または、QはSである。または、QはNRである。または、QはNHもしくはN(C1−C6)アルキルである。
【0092】
また別の実施形態では、QはC1−C6直鎖状もしくは分枝状アルキリジン鎖であるが、このときQの1つまでのメチレン単位は、O、S、NH、もしくはN(C1−C4アルキル)で置換されている。
【0093】
また別の実施形態では、QはC1−C6アルキルであるが、このとき1つのメチレン基はスピロシクロプロピレンなどのスピロシクロアルキレン基で置換されている。
【0094】
また別の実施形態では、Qは−X−(X−:
式中、
は、R、R、もしくはRから独立して選択される2つまでの置換基で必要に応じて置換されたC1−C6脂肪族である;および
pは0もしくは1である;および
は、O、S、もしくはNRである。
【0095】
1つの実施形態では、XはC1−C6アルキルもしくはC2−C6アルキリデンである。または、Xは、RもしくはRで必要に応じて置換されたC1−C6アルキルである。1つの実施形態では、Xは、−CH−、−CH−CH−、−(CH−、−C(Me)−、−CH(Me)−、−C(Me)=CH−、−CH=CH−、−CH(Ph)−、−CH−CH(Me)−、−CH(Et)−、もしくは−CH(i−Pr)−から選択される。
【0096】
所定の実施形態では、XはNHである。または、Xは−N(C1−C4アルキル)−である。
【0097】
1つの実施形態では、pは0である。
【0098】
また別の実施形態では、pは1であり、XはOである。
【0099】
また別の実施形態では、pは1であり、XはSである。
【0100】
また別の実施形態では、pは1であり、XはNRである。好ましくは、Rは水素である。
【0101】
1つの実施形態では、RはC1−6脂肪族基であるが、このときRは、R、R、R、R、もしくはRから選択された4つまでの置換基で必要に応じて置換されている。
【0102】
また別の実施形態では、Rは、O、S、N、もしくはNHから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和、部分不飽和、もしくは芳香族単環式環であるが、このときRは、R、R、R、R、もしくはRから選択された4つまでの置換基で必要に応じて置換されている。1つの実施形態では、Rは、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、OH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、C(O)NH、NH、NH(C1−4アルキル)、N(C1−4アルキル)、NHC(O)C1−4アルキル、もしくはC(O)C1−4アルキルから選択された3つまでの置換基で必要に応じて置換されている。
【0103】
1つの実施形態では、Rは必要に応じて置換されたフェニルであるが、このときRは、R、R、R、R、もしくはRから選択された4つまでの置換基で必要に応じて置換されている。1つの実施形態では、Rは、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、OH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、C(O)NH、NH、NH(C1−4アルキル)、N(C1−4アルキル)、NHC(O)C1−4アルキル、もしくはC(O)C1−4アルキルから選択された3つまでの置換基で必要に応じて置換されたフェニルである。
【0104】
1つの実施形態では、Rは必要に応じて置換されたナフチルであるが、このときRは、R、R、R、R、もしくはRから選択された4つまでの置換基で必要に応じて置換されている。1つの実施形態では、Rは、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、OH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、C(O)NH、NH、NH(C1−4アルキル)、N(C1−4アルキル)、NHC(O)C1−4アルキル、もしくはC(O)C1−4アルキルから選択される5つまでの置換基で必要に応じて置換されたナフチルである。
【0105】
または、Rは必要に応じて置換された3〜8員の脂環式環であるが、このときRは、R、R、R、R、もしくはRから選択された4つまでの置換基で必要に応じて置換されている。1つの実施形態では、Rは、必要に応じて置換されたシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、もしくはシクロヘキシルから選択される。
【0106】
または、Rは、O、S、N、もしくはNHから独立して選択される3つまでのヘテロ原子を含有する必要に応じて置換された5〜6員の単環式の、不飽和、部分不飽和、もしくは芳香族環である。または、Rは、3〜7員の単環式の複素環である。
【0107】
1つの実施形態では、Rは:
【0108】
【化41】

から選択される必要に応じて置換された環である。
【0109】
また別の実施形態では、Rは、環i〜xivもしくはxviのいずれかから選択されるが、このとき前記環は必要に応じて置換されたフェニル環へ縮合している。
【0110】
また別の実施形態では、Rは、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルから選択される必要に応じて置換された環から選択される。
【0111】
また別の実施形態では、Rは:
【0112】
【化42】

から選択される必要に応じて置換された環である。
【0113】
また別の実施形態では、Rは、上記の環xvii〜xxivのいずれか1つであるが、このとき前記環は必要に応じて置換されたフェニル環へ縮合している。
【0114】
また別の実施形態では、Rは、O、S、N、もしくはNHから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和二環式環系であるが、このときRは、R、R、R、R、もしくはRから選択された4つまでの置換基で必要に応じて置換されている。1つの実施形態では、Rは必要に応じて置換されたナフチルである。または、Rは、必要に応じて置換された8〜10員の二環式ヘテロ芳香族環である。または、Rは、必要に応じて置換された8〜10員の二環式複素環である。
【0115】
1つの実施形態では、Rは:
【0116】
【化43】

から選択される必要に応じて置換された環である。
【0117】
また別の実施形態では、Rは:
【0118】
【化44】

から選択される必要に応じて置換された環である。
【0119】
また別の実施形態では、Rは:
【0120】
【化45】

から選択される必要に応じて置換された環である。
【0121】
また別の実施形態では、Rは以下の:
【0122】
【化46】

【0123】
【化47】

【0124】
【化48】

から選択される。
【0125】
1つの実施形態では、Rは、2−フルオロ−フェン−1−イル、フェニル、3−クロロ−フェン−1−イル、4−クロロ−フェン−1−イル、4−tert−ブチル−フェン−1−イル、2,5−ジフルオロ−フェン−1−イル、3,4−ジクロロ−フェン−1−イル、3−クロロ−4−フルオロ−フェン−1−イル、もしくはインドール−1−イルから選択される。
【0126】
1つの実施形態では、本発明は、式I−Aもしくは式I−B:
【0127】
【化49】

の化合物を提供し、式中、環Z、R、W、X、Q、およびRは、上記に規定されたとおりである。
【0128】
式I−Aもしくは式I−Bの1つの実施形態では、WはNであり、XはCHである。式I−Aもしくは式I−Bのまた別の実施形態では、WはCHであり、XはNである。または、各WおよびXは独立してCHである。
【0129】
また別の実施形態では、本発明は、式II−A:
【0130】
【化50】

の化合物を提供し、式中、環Z、R、Q、およびRは、上記に規定されたとおりである。
【0131】
1つの実施形態では、本発明は:
(a)患者;または
(b)生物学的サンプル;
における1つまたは複数のNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9、もしくはCaV2.2活性を阻害する方法であって、式I:
【0132】
【化51】

の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩をこの患者に投与する工程、またはこの生物学的サンプルと接触させる工程を包含する方法を提供し、式中、Z、R、R、W、X、Q、およびRは、上記に規定されたとおりである。
【0133】
1つの実施形態では、本発明は:
(a)患者;または
(b)生物学的サンプル;
における1つまたは複数のNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9、もしくはCaV2.2活性を阻害する方法であって、式II:
【0134】
【化52】

の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩をこの患者に投与する工程、またはこの生物学的サンプルと接触させる工程を包含する方法を提供し式中、Z、R、R、Q、およびRは、上記に規定されたとおりである。
【0135】
また別の実施形態では、本発明は、以下の表1の化合物を提供する。
【0136】
【化53】

【0137】
【化54】

(使用、製剤および投与)
(薬学的に受容可能な組成物)
上記で考察したように、本発明は、電位型ナトリウムイオンチャネルおよび/またはカルシウムチャネルの阻害剤である化合物を提供する。このため本化合物は、急性、慢性、神経因性、もしくは炎症性の疼痛、関節炎、片頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス性神経痛、全身性神経痛、てんかんもしくはてんかん状態、神経変性障害、例えば不安および抑うつなどの精神障害、筋緊張症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調症、多発性硬化症、過敏性腸症候群、および尿失禁を含むがそれらに限定されない疾患、障害、および状態を治療するために有用である。したがって、本発明のまた別の態様では、薬学的に受容可能な組成物が提供されるが、このときこれらの組成物は上記に記載した化合物のいずれかを含んでおり、さらに任意で薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントもしくはビヒクルを含んでいる。所定の実施形態では、これらの組成物は、1つまたは複数の追加の治療薬を任意でさらに含んでいる。
【0138】
本発明の所定の化合物は治療のために遊離形で、または適切な場合はそれらの薬学的に受容可能な誘導体として存在していてよいこともまた理解されるであろう。本発明によると、薬学的に受容可能な誘導体には、薬学的に受容可能な塩、エステル、そのようなエステルの塩、または必要とする患者に投与されると直接的もしくは間接的に、本明細書の他の場所に記載した化合物、またはそれらの代謝産物もしくは残留物を提供することのできる任意の他の付加物もしくは誘導体が含まれるがそれらに限定されない。
【0139】
本明細書で使用する用語「薬学的に受容可能な塩」は、明確な医学的判断の範囲内で、ヒトもしくは下等動物の組織と接触させて使用するために、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを生じさせずに、そして合理的なベネフィット/リスク(有益性/危険性)比と釣り合う塩を意味する。「薬学的に受容可能な塩」は、受容者に投与されると、直接的もしくは間接的のいずれかで、本発明の化合物または阻害的に活性なそれらの代謝産物もしくは残留物を提供することのできる、本発明の化合物の任意の非毒性の塩もしくはエステルの塩を意味する。本明細書で使用する用語「それらの阻害性に活性の代謝産物もしくは残留物」は、それらの代謝産物もしくは残留物もまた電位型ナトリウムイオンチャネルもしくはカルシウムチャネルの阻害剤もあることを意味している。
【0140】
薬学的に受容可能な塩は、当技術分野においてよく知られれている。例えば、S.M.Bergeらは、参照して本明細書に組み込まれるJ.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1−19の中で薬学的に受容可能な塩について詳細に記載している。本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩には、適切な無機および有機の酸および塩基に由来する塩が含まれる。薬学的に受容可能な非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸を用いて、またはイオン交換などの当技術分野において使用される他の方法を用いて形成されるアミノ基の塩である。その他の薬学的に受容可能な塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモエート、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが含まれる。適切な塩基に由来する塩には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよびN(C1−4アルカリ)塩が含まれる。本発明は、本明細書に開示した化合物の任意の塩基性窒素含有基の四級化もまた企図している。水溶性もしくは油溶性または分散性生成物は、そのような四級化によって入手できる。代表的なアルカリもしくはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれる。また別の薬学的に受容可能な塩には、適切な場合は、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩およびアリールスルホン酸塩などの対イオンを用いて生成された非毒性のアンモニウム、第4級アンモニウム、およびアミンカチオンが含まれる。
【0141】
上述したように、本発明の薬学的に受容可能な組成物は、本明細書で使用するように、所望の特定剤形に適合するように、任意およびすべての溶媒、希釈剤、もしくは他の液体ビヒクル、分散液もしくは懸濁剤助剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤もしくは乳化剤、保存料、固体結合剤、潤滑剤などを含むキャリア、アジュバント、もしくはビヒクルを追加して含んでいる。Remington’s Pharmaceutical Sciences,Sixteenth Edition,E.W.Martin(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1980)は、薬学的に受容可能な組成物を調製する際に使用される様々なキャリアおよびそれらを調製するために知られている技術を開示している。任意の望ましくない生物学的作用を生成すること、さもなければ薬学的に受容可能な組成物の任意の他の成分と有害な方法で相互作用することによってなど任意の従来型キャリア媒質が本発明の化合物と不適合である場合を除いて、その使用は、本発明の範囲内に含まれることは企図されている。薬学的に受容可能なキャリアとして機能できる物質の一部の例には、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、例えばヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、例えばリン酸塩などのバッファー物質、グリシン、ソルビン酸、もしくはソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩もしくは硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、羊毛脂、例えばラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖;コーンスターチおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;粉末状トラガント;麦芽;ゼラチン;タルク;例えばカカオ脂および坐剤用ワックスなどの賦形剤;落花生油、綿実油、紅花油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油および大豆油などの油;例えばプロピレングリコールもしくはポリエチレングリコールなどのグリコール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウムよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;発熱物質無含有水;等張食塩液;リンガー(Ringer)液;エチルアルコール、およびリン酸緩衝液、が含まれるがそれらに限定されず、ならびにラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの他の非毒性の適合する潤滑剤、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味料、フレーバー剤および調香剤、保存料および酸化防止剤もまた、配合者の判断によって本組成物中に存在することができる。
【0142】
(化合物および薬学的に受容可能な組成物の使用)
また別の態様では、急性、慢性、神経因性、もしくは炎症性の疼痛、関節炎、片頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス性神経痛、全身性神経痛、てんかんもしくはてんかん状態、神経変性障害、例えば不安および抑うつなどの精神疾患、筋緊張症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調症、多発性硬化症、過敏性腸症候群、尿失禁、内臓痛、骨関節症性疼痛、ヘルペス後神経痛、糖尿病性ニューロパシー、神経根痛、坐骨神経痛、背痛、頭痛もしくは頸痛、重度もしくは難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突発痛、術後疼痛、または癌性疼痛を治療または重症度を緩和するための方法であって、それを必要とする被験者に有効量の化合物、もしくは化合物を含む薬学的に受容可能な組成物を投与する工程を含む方法が提供される。所定の実施形態では、急性、慢性、神経因性、もしくは炎症性の疼痛を治療する、または重症度を緩和するための方法であって、それを必要とする被験者に有効量の化合物または薬学的に受容可能な組成物を投与する工程を含む方法が提供される。所定の他の実施形態では、神経根痛、坐骨痛、背痛、頭痛、もしくは頸痛を治療する、または重症度を緩和するための方法であって、それを必要とする被験者に有効量の化合物または薬学的に受容可能な組成物を投与する工程を含む方法が提供される。さらに他の実施形態では、重度もしくは難治性疼痛、急性疼痛、術後疼痛、背痛、耳鳴もしくは癌性疼痛を治療する、または重症度を緩和するための方法であって、それを必要とする被験者に有効量の化合物または薬学的に受容可能な組成物を投与する工程を含む方法が提供される。
【0143】
本発明の所定の実施形態では、これらの化合物および薬学的に受容可能な組成物の「有効量」は、1つまたは複数の急性、慢性、神経因性、もしくは炎症性の疼痛、関節炎、片頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス性神経痛、全身性神経痛、てんかんもしくはてんかん状態、神経変性障害、例えば不安および抑うつなどの精神疾患、筋緊張症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調症、多発性硬化症、過敏性腸症候群、尿失禁、内臓痛、骨関節症性疼痛、ヘルペス後神経痛、糖尿病性ニューロパシー、神経根痛、坐骨神経痛、背痛、頭痛もしくは頸痛、重度もしくは難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突発痛、術後疼痛、耳鳴または癌性疼痛を治療するため、またはそれらの重症度を緩和するために有効な量である。
【0144】
本発明の方法による化合物および組成物は、1つまたは複数の急性、慢性、神経因性、もしくは炎症性の疼痛、関節炎、片頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス性神経痛、全身性神経痛、てんかんもしくはてんかん状態、神経変性障害、例えば不安および抑うつなどの精神疾患、筋緊張症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調症、多発性硬化症、過敏性腸症候群、尿失禁、内臓痛、骨関節症性疼痛、ヘルペス後神経痛、糖尿病性ニューロパシー、神経根痛、坐骨神経痛、背痛、頭痛もしくは頸痛、重度もしくは難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突発痛、術後疼痛、耳鳴または癌性疼痛を治療するため、またはそれらの重症度を緩和するために有効な任意の量および任意の投与経路を用いて投与することができる。必要とされる正確な量は、被験者毎に、被験者の種、年齢、および全身状態、感染の重症度、特定の作用物質、その投与様式などに依存して変動するであろう。本発明の化合物は、好ましくは容易な投与および用量の一様性のために単位製剤で調製される。本明細書で使用する表現「単位製剤」は、治療対象の患者のために適切な作用物質の物理的個別単位を意味する。しかし、本発明の化合物および組成物の総1日量は、明確な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されることは理解されるであろう。任意の特定の患者もしくは生物のための特定有効用量レベルは、治療される障害およびその障害の重症度;使用される特定化合物の活性;使用される特定組成物;患者の年齢、体重、全身健康状態、性別、および食事;使用される特定化合物の投与時間、投与経路、および排出速度;治療期間;使用される特定化合物と組み合わせて、もしくは同時に使用される薬物を含む様々な因子、ならびに医学分野においてよく知られている同様の因子に依存するであろう。本明細書で使用する用語「患者」は、動物、好ましくは哺乳動物、および最も好ましくはヒトを意味する。
【0145】
本発明の薬学的に受容可能な組成物は、治療される感染の重症度に依存して、ヒトおよび他の動物に、経口、経直腸、非経口、クモ膜下槽内、膣内、腹腔内、局所(散剤、軟膏、もしくは滴剤によるなど)、経口腔的に、口腔もしくは鼻孔スプレーとしてなどによって投与することができる。所定の実施形態では、本発明の化合物は、所望の治療作用を入手するために、1日1または複数回、1日当たり約0.01mg/kg(被験者の体重)〜約50mg/kgおよび好ましくは約1mg/kg〜約25mg/kgの用量レベルで経口もしくは非経口投与することができる。
【0146】
経口投与のための液体製剤には、薬学的に受容可能なエマルジョン、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれるがそれらに限定されない。活性化合物に加えて、液体製剤は、例えば水もしくは他の溶媒などの当技術分野において一般に使用される不活性希釈剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(詳細には、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステルなどの可溶化剤および乳化剤、ならびにそれらの混合物を含有していてよい。不活性希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味料、フレーバー剤、および調香剤などのアジュバントもさらに含むことができる。
【0147】
注射用製剤、例えば無菌の注射用水性もしくは油性懸濁剤は、適切な分散剤もしくは湿潤剤および懸濁化剤を用いて知られている技術によって調製することができる。無菌の注射用製剤は、さらにまた例えば1,3−ブタンジオール中の溶液として、非毒性の非経口的に許容される希釈剤もしくは溶媒中の無菌の注射用溶液、懸濁液もしくはエマルジョンであってよい。特に使用できる、許容されるビヒクルおよび溶媒は、水、リンガー液、米国薬局方および等張性塩化ナトリウム溶液である。さらに、無菌固定油は、従来的には溶媒もしくは懸濁化媒質として使用される。このためには、合成モノもしくはジグリセリドを含む任意のブランドの固定油を使用できる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射製剤中で使用される。
【0148】
注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターを通しての濾過によって、または使用前に無菌水もしくは他の無菌注射用媒質中に溶解もしくは分散させることのできる無菌固体組成物の形状にある殺菌剤を組み込むことによって殺菌することができる。
【0149】
本発明の化合物の作用を延長させるためには、皮下もしくは筋肉内注射からの本化合物の吸収を遅延させるのがしばしば望ましい。これは難水溶性を備える結晶もしくは非晶質材料の液体懸濁液の使用によって遂行できる。そこで本化合物の吸収速度は、順に結晶サイズおよび結晶形に依存する可能性がある溶解速度に依存する。または、非経口投与された化合物形の遅延性吸収は、油ビヒクル中に本化合物を溶解もしくは懸濁させることによって遂行される。注射用デポー製剤は、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中で本化合物のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作製される。化合物対ポリマー比および使用される特定ポリマーの性質に依存して、化合物の放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が含まれる。注射用デポー製剤は、身体組織と適合性のリポソームもしくはマイクロエマルジョン中に本化合物を捕捉することによっても調製される。
【0150】
直腸もしくは膣投与するための組成物は、好ましくは本発明の化合物を周囲温度では固体であるが体温では液体であるために直腸もしくは膣腔内で溶解して本活性化合物を放出するカカオ脂、ポリエチレングリコールもしくは坐剤用ワックスなどの適切な非刺激性賦形剤もしくはキャリアと混合することによって調製できる坐剤である。
【0151】
経口投与するための固体製剤には、カプセル剤、錠剤、ピル剤、散剤、および顆粒剤が含まれる。そのような固体製剤では、本活性化合物は、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1つの不活性の薬学的に受容可能な賦形剤もしくはキャリアおよび/またはa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤もしくは増量剤、b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシアなどの結合剤、c)グリセロールなどの保湿剤、d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、所定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶解遅延剤、f)第4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸着剤、およびi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤およびピル剤の場合には、本製剤は、緩衝剤をさらに含んでいてよい。
【0152】
類似タイプの固体組成物は、ラクトースもしくは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いて軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として使用することもできる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、ピル剤および顆粒剤の固体製剤は、腸溶コーティングおよび製剤処方の分野においてよく知られている他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。それらは任意で乳白剤を含有していてよく、さらにそれらが有効成分だけを、または優先的に所定部分の消化管中に、任意で遅延性方法で放出する組成物であってもよい。使用できる包埋用組成物の例には、ポリマー物質およびワックスが含まれる。類似タイプの固体組成物もまたラクトースもしくは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いて軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として使用することもできる。
【0153】
本活性化合物は、上述したような1つまたは複数の賦形剤を備えるマイクロカプセル化形であってもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、ピル剤および顆粒剤の固体製剤は、腸溶コーティング、放出制御型コーティングおよび製剤処方の分野においてよく知られている他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。そのような固体製剤中では、本活性化合物は、スクロース、ラクトースもしくはデンプンなどの少なくとも1つの不活性希釈剤と混合されてよい。そのような製剤は、通常の実践のように、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば錠剤作製潤滑剤ならびにステアリン酸マグネシウムおよび微結晶セルロースなどの他の錠剤作製助剤をさらに含んでいてよい。カプセル剤、錠剤およびピル剤の場合には、本製剤は、緩衝剤をさらに含んでいてよい。それらは任意で乳白剤を含有していてよく、さらにそれらが有効成分だけを、または優先的に所定部分の消化管中に、任意で遅延性方法で放出する組成物であってもよい。使用できる包埋用組成物の例には、ポリマー物質およびワックスが含まれる。
【0154】
本発明の化合物の局所もしくは経皮投与のための製剤には、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、液剤、スプレー剤、吸入剤もしくはパッチ剤が含まれる。本活性成分は、無菌条件下で薬学的に受容可能なキャリアおよび任意に必要とされる保存料もしくは必要に応じて緩衝剤と混合される。眼科用製剤、点耳剤、および点眼剤もまた、本発明の範囲内に企図されている。さらに、本発明は、身体への化合物の制御型送達を提供する追加の長所を有する経皮的パッチの使用を企図している。そのような製剤は、適正な媒質中に本化合物を溶解もしくは分散させる工程によって調製される。本化合物の皮膚を越える流入を増加させるための吸収強化剤もまた使用できる。この速度は、速度制御膜を提供することによって、またはポリマーマトリックスもしくはゲル中に本化合物を分散させることによって制御できる。
【0155】
一般に上述したように、本発明の化合物は、電位型ナトリウムイオンチャネルもしくはカルシウムチャネル、好ましくはN型カルシウムチャネルの阻害剤として有用である。1つの実施形態では、本発明の化合物および組成物は、NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9、もしくはCaV2.2の1つまたは複数の阻害剤である。そこで任意の特定の理論によって関連付けることを望まなくても、本化合物および組成物は、疾患、状態、もしくは障害を治療する、または重症度を緩和するために、NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9、もしくはCaV2.2の1つまたは複数の活性化または活動亢進がそれらの疾患、状態、もしくは障害に関係している場合は特に有用である。NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9、もしくはCaV2.2の活性化または活動亢進が特定の疾患、状態、もしくは障害と関係している場合は、その疾患、状態、もしくは障害は、「NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8もしくはNaV1.9媒介性疾患、状態、もしくは障害」または「CaV2.2媒介性状態もしくは障害」とも呼ぶことができる。したがって、また別の態様では、本発明は、その疾患状態においてNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9、もしくはCaV2.2の1つまたは複数の活性化または活動亢進が関係している場合の疾患、状態、もしくは障害を治療する、または重症度を緩和するための方法を提供する。
【0156】
NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9、もしくはCaV2.2の阻害剤として本発明において利用される化合物の活性は、本明細書の実施例に概して記載された方法によって、または当業者であれば利用できる方法によってアッセイできる。
【0157】
本発明の化合物および薬学的に受容可能な組成物は、併用療法において使用できる、つまり、本化合物および薬学的に受容可能な組成物は、1つまたは複数の他の所望の治療薬もしくは医学的手技と同時に、先行して、または引き続いて投与することができる。併用レジメンにおいて使用するための療法(治療薬もしくは手技)の特定の組み合わせは、所望の治療薬および/または手技の適合性および達成すべき所望の治療作用を考慮に入れるであろう。使用される療法は同一障害に対して所望の作用を達成する(例、本発明の化合物は同一障害を治療するために使用される他の作用物質と同時に投与できる)ことができる、またはそれらは相違する作用(例、任意の有害作用の制御)を達成する場合があることもまた理解されるであろう。本明細書で使用するように、特定の疾患、もしくは状態を治療または予防するために通常投与される追加の治療薬は、「治療される疾患、もしくは状態のために適切」であると知られている。例えば、代表的な追加の薬には、非オピオイド鎮痛薬(エトドラク、インドメタシン、スリンダク、トルメチンなどのインドール類;Nabumetoneなどのナフチルアルカノン類;Piroxicamなどのオキシカム類;アセトアミノフェンなどのパラ−アミノフェノール誘導体;フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、オキサプロジンなどのプロピオン酸類;ASS(アスピリン)、トリサルチル酸コリンマグネシウム、ジフルニサルなどのサリチル酸塩類;メクロフェナム酸、メフェナム酸などのフェナム酸塩類;およびフェニルブタゾンなどのピラゾール類;またはオピオイド(麻酔薬)アゴニスト類(コデイン、フェンタニル、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン、メタドン、モルヒネ、オキシコドン、オキシモルホン、プロポキシフェン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、デゾシン、ナルブフィン、およびペンタゾシン)が含まれるがそれらに限定されない。さらに、1つまたは複数の本発明の化合物の投与と結び付けて、非薬物鎮痛アプローチを利用できる。例えば、麻酔学的(脊髄内注入、神経遮断)、神経外科(CNS経路の神経麻痺)、神経刺激的(経皮的電気的神経刺激、後索刺激)、理学的(理学療法、矯正器具、ジアテルミー)、もしくは心理学的(認知方法−催眠、バイオフィードバック、もしくは行動論的方法)アプローチもまた利用できる。追加の適切な治療薬もしくはアプローチは、参照して全内容がこれにより組み込まれるThe Merck Manual,Seventeenth Edition,Ed.Mark H.Beers and Robert Berkow,Merck Research Laboratories,1999、および食品医薬品局のウエブサイトwww.fda.govに概して記載されている。
【0158】
本発明の組成物中に存在する追加の治療薬の量は、単独の活性物質としてその治療薬を含む組成物中で通常は投与されるであろう量より少ないであろう。好ましくは、本明細書に開示した組成物中の追加の治療薬の量は、単独の治療有効物質としてその作用物質を含む組成物中に通常存在する量の約50%〜100%の範囲内であろう。
【0159】
本発明の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な組成物は、プロテーゼ、人工弁、人工血管、ステントおよびカテーテルなどの植込み型医療機器をコーティングするための組成物中に組み込むこともできる。したがって、本発明は、また別の態様では、概して上述したクラスおよびサブクラスの本発明の化合物、および前記植込み型器具をコーティングするために適切なキャリアを含む組成物を含んでいる。さらにまた別の態様では、本発明は、概して上述したクラスおよびサブクラスの本発明の化合物、および前記植込み型器具をコーティングするために適切なキャリアを含む組成物を含んでいる。適切なコーティングおよびコーティングされた植込み型器具の一般的調製は、米国特許第6,099,562号;第5,886,026号;および5,304,121号に記載されている。コーティングは、典型的にはヒドロゲルポリマー、ポリメチルジシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸、エチレン酢酸ビニル、およびそれらの混合物などの生体適合性ポリマー物質である。コーティングは、任意で本組成物における制御放出特性を扶養するフルオロシリコン、多糖、ポリエチレングリコール、リン脂質もしくはそれらの組み合わせの適切なトップコートによってさらに被覆されてよい。
【0160】
本発明のまた別の態様は、生物学的サンプルもしくは患者におけるNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9、もしくはCaV2.2活性の1つまたは複数を阻害する方法に関するが、この方法は、式Iの化合物または前記化合物を含む組成物を患者に投与する工程、または前記生物学的サンプルと接触させる工程を含む。本明細書で使用する用語「生物学的サンプル」は、制限なく、細胞培養もしくはそれらの抽出物;哺乳動物から入手した生検材料もしくはそれらの抽出物;および血液、唾液、尿、便、精子、涙、または他の体液もしくはそれらの抽出物を含んでいる。
【0161】
生物学的サンプル中のNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9、もしくはCaV2.2活性の1つまたは複数は、当業者に知られている様々な目的のために有用である。そのような目的の例には、生物学的および病理学的現象におけるナトリウムイオンチャネルの試験;および新規ナトリウムイオンチャネル阻害剤の比較評価が含まれるがそれらに限定されない。
【実施例】
【0162】
5−ホルミルアミノ−ナフタレン−1−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0163】
【化55】

5−ホルミルアミノ−ナフタレン−1−スルホニルクロリド(0.25g、0.93mmol)、2−アミノチアゾール(0.09g、0.93mmol)およびピリジン(1.00mL)を19時間にわたり25℃のN下で攪拌した。この溶液を、3% MeOH/97% CHClを用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製すると、白色固体として5−ホルミルアミノ−ナフタレン−1−スルホン酸チアゾール−2−イルアミドが得られた(150mg、49%)。LC/MS(10−99% CHCN),M/Z:M+1 obs=334.20;t=1.93分。
【0164】
5−アミノ−ナフタレン−1−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0165】
【化56】

5−ホルミルアミノ−ナフタレン−1−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド(350.0mg、1.0mmol)、KOH(168.0mg、3.0mmol)、EtOH(1.0mL)およびHO(0.5mL)の溶液を6時間にわたり60℃で加熱した。この混合液を次に0℃へ冷却し、AcOH(3.0mmol)を用いて中和した。生成した沈降物を濾過し、真空下で乾燥させると淡褐色固体として5−アミノ−ナフタレン−1−スルホン酸チアゾール−2−イルアミドが得られた(280mg、92%)。H NMR(400 MHz,DMSO−d6)δ8.31(d,J=8.5 Hz,1H),8.11(dd,J=7.2,1.0 Hz,1H),7.87(d,J=8.5 Hz,1H),7.45−7.42(m,1H),7.32−7.28(m,1H),7.19(d,J=4.6 Hz,1H),6.77−6.73(m,2H),5.90(s,2H).LC/MS(10−99% CHCN),M/Z:M+1 obs=306.10;t=1.12分。
【0166】
2−インドール−1−イル−N−[5−(チアゾール−2−イルスルファモイル)−ナフタレン−1−イル]−プロピオンアミド
【0167】
【化57】

5−アミノ−ナフタレン−1−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド(50.00mg、0.16mmol)、2−インドール−1−イル−プロピオン酸(30.00mg、0.16mmol)、BOP試薬(71.00mg、0.16mmol)、トリエチルアミン(23.00μL、0.16mmol)およびDMF(0.30mL)を17時間にわたり25℃で攪拌した。この反応液を分取的逆相HPLCを介して精製すると2−(3−クロロ−4−フルオロ−フェノキシ)−N−[5−(チアゾール−2−イルスルファモイル)−ナフタレン−1−イル]−アセトアミドが得られた。LC/MS(10−99% CHCN),M/Z:M+1 obs=477.10;t=3.05分。
【0168】
一般的手法1:
【0169】
【化58】

−78℃のN下で、酸塩化物(0.10mmol)を5−アミノ−ナフタレン−1−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド(30.0mg、0.1mmol)、トリエチルアミン(30.0μL、0.1mmol)およびCHCl(200.0mL)の混合物に加えた。25℃まで加温して一晩攪拌した後、反応混合液を分取的逆相HPLC(10−99% CHCN−HO)によって精製すると所望の生成物が得られた。
【0170】
2−(3−クロロ−4−フルオロ−フェノキシ)−N−[5−(チアゾール−2−イルスルファモイル)−ナフタレン−1−イル]−アセトアミド
【0171】
【化59】

一般的手法1にしたがって合成した。LC/MS(10−99% CHCN),M/Z:M+1 obs=492.3;t=3.08分。
【0172】
3,4−ジクロロ−N−[5−(チアゾール−2−イルスルファモイル)−ナフタレン−1−イル]−ベンズアミド
【0173】
【化60】

一般的手法1にしたがって合成した。LC/MS(10−99% CHCN),M/Z:M+1 obs=478.0;t=3.20分。
【0174】
4−アセトアミドナフタレン−1−スルホン酸
【0175】
【化61】

10mLのMeOH中の4−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(10.0g、44.8mmol)の懸濁液に5N NaOMe(9mL)を加えた。この混合液を完全可溶化するために超音波処理した。溶媒を蒸発させると、白色固体として−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸のナトリウム塩が得られた。この固体を100mLの酢酸無水物中に懸濁させ、2時間半にわたり110℃で加熱した。冷却した混合液にいくらかのMeOHを加え、3×100mLのトルエンを用いて共蒸発させると白色粉末として4−アセトアミドナフタレン−1−スルホン酸のNa塩が得られた。
【0176】
4−アセトアミドナフタレン−1−スルホニルクロリド
【0177】
【化62】

0℃で、4−アセトアミドナフタレン−1−スルホン酸(5g、19mmol)をクロロスルホン酸に緩徐に加えた(25mL)。この混合液を30分かけて室温へ加温させ、次に2時間攪拌した。反応混合液を氷水へ緩徐に加えた後、生成した微細な黄色沈降物を濾過し、水で洗浄し、真空下で乾燥させると4−アセトアミドナフタレン−1−スルホニルクロリド(4.73g、87%)が得られた。LC/MS(10−99% CHCN),M/Z:M+1 obs=284.0;t=3.06分。
【0178】
N−[4−(チアゾール−2−イルスルファモイル)−ナフタレン−1−イル]−アセトアミド
【0179】
【化63】

4−アセトアミドナフタレン−1−スルホニルクロリド(3.69g、2.42mmol)およびピリジン(2mL)の溶液に2−アミノチアゾール(0.24g、2.42mmol)を加えた。この混合液を72時間にわたり室温で攪拌した。シリカゲルクロマトグラフィーによって(最初は残留しているアミンを洗い流すためにCHCl中の2% MeOHを用いて、次にCHCl中の8% MeOHを用いて)精製すると、N−[4−(チアゾール−2−イルスルファモイル)−ナフタレン−1−イル]−アセトアミド(0.48g、57%)が得られた。LC/MS(10−99% CHCN),M/Z:M+1 obs=348.10;t=1.78分。
【0180】
4−アミノ−ナフタレン−1−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0181】
【化64】

N−[4−(チアゾール−2−イルスルファモイル)−ナフタレン−1−イル]−アセトアミド(0.48g、1.38mmol)を0.5MのNaOMe(20mL)中に溶解させ、16時間にわたり70℃で加熱した。溶媒を蒸発させた後、2:1のEtOH:HO混合液(6mL)および数滴のAcOHを加えた。混合液を攪拌しながら、生成した沈降物を濾過し、真空下で乾燥させると4−アミノ−ナフタレン−1−スルホン酸チアゾール−2−イルアミドが得られた(0.31g、73%)。LC/MS(10−99% CHCN),M/Z:M+1 obs=306.0;t=2.04分。
【0182】
一般的手法2:
【0183】
【化65】

CHCl(0.50mL)中の4−アミノ−ナフタレン−1−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド(40mg、0.13mmol)の溶液にトリエチルアミン(20μL、0.13mmol)を加えて−78℃へ冷却した。次に塩化アセチル(0.13mmol)を加え、この混合液を室温へ加温させた。分取的逆相HPLC(10−99% CHCN−HO)によって精製すると所望の生成物が得られた。
【0184】
2−(4−クロロ−フェノキシ)−N−[4−(チアゾール−2−イルスルファモイル)−ナフタレン−1−イル]−アセトアミド
【0185】
【化66】

一般的手法2にしたがって合成した。LC/MS(10−99% CHCN),M/Z:M+1 obs=474.0;t=3.12分。
【0186】
2−フェノキシ−N−[4−(チアゾール−2−イルスルファモイル)−ナフタレン−1−イル]−アセトアミド
【0187】
【化67】

一般的手法2にしたがって合成した。LC/MS(10−99% CHCN),M/Z:M+1 obs=440.2;t=2.93分。
【0188】
2,2,2−トリフルオロ−N−(キノリン−8−イル)アセトアミド
【0189】
【化68】

アミノキノリン(1.0g、6.89mmol)、トリエチルアミン(960.0μL、6.9mmol)およびCHCl(20.0mL)の攪拌溶液に−78℃でトリフルオロ酢酸無水物(960.0μL、6.9mmol)を滴下した。この溶液を30分かけて25℃へ加温するに任せ、その後にシリカゲルクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン:EtOAc)によって精製すると、白色固体として生成物が得られた。LC/MS(10−99% CHCN),M/Z:M+1 obs=241.2;t=3.38分。H NMR(400 MHz,DMSO−d6)δ11.03(s,1H),9.01(dd,J=4.2,1.7 Hz,1H),8.50(dd,J=8.3,1.7 Hz,1H),8.36(dd,J=7.6,1.3 Hz,1H),7.92(dd,J=8.3,1.2 Hz,1H),7.72−7.68(m,2H)。
【0190】
8−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)キノリン−5−スルホニルクロリド
【0191】
【化69】

25℃のN下で、2,2,2−トリフルオロ−N−(キノリン−8−イル)アセトアミド(5.0g、20.8mmol)をクロロスルホン酸(15mL)に加え、次に19時間にわたり80℃で加熱した。この混合液を次に氷水(200mL)へ注入し、次にEtOAc(300mL)を加えた。有機層をシリカゲルの短床に通過させ、次にEtOAc(700mL)を加え、EtOで研和すると、淡褐色の固体として生成物が得られた(2.2g、31%)。H NMR(400 MHz,CDCl3)δ11.02(s,1H),9.19(dd,J=8.8,1.4 Hz,1H),9.05(dd,J=4.2,1.4 Hz,1H),8.84(d,J=8.5 Hz,1H),8.48(d,J=8.5 Hz,1H),7.85(dd,J=8.8,4.2 Hz,1H)。
【0192】
2,2,2−トリフルオロ−N−[5−(チアゾール−2−イルスルファモイル)−キノリン−8−イル]−アセトアミド
【0193】
【化70】

25℃のN下で、8−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)キノリン−5−スルホニルクロリド(500.0mg、1.5mmol)、2−アミノチアゾール(148.0mg、1.5mmol)およびピリジン(500mL)を17時間にわたり攪拌した。この溶液を次にシリカゲルクロマトグラフィー(5% MeOH、95% CHCl)によって精製すると混合物が得られたが、これはHPLCによると85%純粋であった(254nm)。この固体を9:1 ヘキサン:EtOにより研和すると、白色固体として生成物が得られた(200mg、33%)。LC/MS(10−99% CHCN),M/Z:M+1 obs=403.2;t=3.06分。H NMR(400 MHz,DMSO−d6)δ12.91(s,1H),11.14(s,1H),9.14−9.09(m,2H),8.50(d,J=8.1 Hz,1H),8.33(d,J=8.1 Hz,1H),7.92−7.89(m,1H),7.25(d,J=4.6 Hz,1H),6.86(d,J=4.5 Hz,1H)。
【0194】
8−アミノ−キノリン−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0195】
【化71】

2,2,2−トリフルオロ−N−[5−(チアゾール−2−イルスルファモイル)−キノリン−8−イル]−アセトアミド(0.20g、0.49mmol)、KOH(85.0mg、1.5mmol)、EtOH(500mL)およびHO(250mL)の混合液を1時間にわたり25℃で攪拌した。この混合物は15分後に溶液を生成し、この後に沈降物が生成された。最初にHO(1mL)、次にAcOH(85μL、1.5mmol)を加えた。生成した固体を濾過し、真空下で乾燥させると白色固体として生成物が得られた(120mg、80%)。LC/MS(10−99% CHCN),M/Z:M+1 obs=307.3;t=1.73分。H NMR(400 MHz,DMSO−d6)δ8.87(dd,J=8.7,1.6 Hz,1H),8.78(dd,J=4.1,1.6 Hz,1H),7.95(d,J=8.3 Hz,1H),7.65−7.62(m,1H),7.16(d,J=4.6 Hz,1H),6.81−6.73(m,4H)。
【0196】
一般的手法3:
【0197】
【化72】

8−アミノ−キノリン−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド(30.0mg、0.1mmol)、トリエチルアミン(15.0μL、0.10mmol)およびCHCl(200μL)を−78℃へ冷却し、次に酸塩化物(0.1mmol)を加えた。約1時間にわたり室温へ加温した後、分取的逆相HPLC(10−99% CHCN−HO)を使用すると、所望の生成物が得られた。
【0198】
2−フルオロ−N−[5−(チアゾール−2−イルスルファモイル)−キノリン−8−イル]−ベンズアミド
【0199】
【化73】

一般的手法3にしたがって合成した。LC/MS(10−99% CHCN),M/Z:M+1 obs=429.3;t=2.98分。
【0200】
2−(3−クロロ−4−フルオロ−フェノキシ)−N−[5−(チアゾール−2−イルスルファモイル)−キノリン−8−イル]−アセトアミド
【0201】
【化74】

一般的手法3にしたがって合成した。LC/MS(10−99% CHCN),M/Z:M+1 obs=493.1;t=3.13分。H NMR(400 MHz,DMSO−d6)δ12.83(s,1H),10.87(s,1H),9.10−9.05(m,2H),8.70(d,J=8.3 Hz,1H),8.26(d,J=8.3 Hz,1H),7.87−7.84(m,1H),7.44−7.39(m,2H),7.23(d,J=4.6 Hz,1H),7.17−7.13(m,1H),6.82(d,J=4.6 Hz,1H),5.00(s,2H)。
【0202】
2−フェノキシ−N−[5−(チアゾール−2−イルスルファモイル)−キノリン−8−イル]−プロピオンアミド
【0203】
【化75】

一般的手法3にしたがって合成した。LC/MS(10−99% CHCN),M/Z:M+1 obs=455.3;t=3.02分。
【0204】
本発明の化合物についての分析データは、下記の表2に例示した。
【0205】
【化76】

(化合物のNaV阻害特性を検出および測定するためのアッセイ)
(化合物のNaV阻害特性をアッセイするための光学的方法:)
本発明の化合物は、電位型ナトリウムイオンチャネルのアンタゴニストとして有用である。試験化合物のアンタゴニスト特性は、以下のとおりに評価した。対象のNaVを発現する細胞をマイクロタイタープレート内に配置した。インキュベーション期間後、細胞は膜貫通電位に感受性の蛍光色素を用いて染色した。試験化合物をマイクロタイタープレートに加えた。細胞は、化学的または電気的手段のいずれかを用いて刺激して遮断されていないチャネルからのNaV依存性膜電位変化を誘起し、これを膜貫通電位感受性色素を用いて検出および測定した。アンタゴニストは、刺激への膜電位反応の減少として検出された。光学膜電位アッセイには、Gonzalez and Tsien(Gonzalez,J.E.and R.Y.Tsien(1995)“Voltage sensing by fluorescence resonance energy transfer in single cells”Biophys J 69(4):1272−80およびGonzalez,J.E.and R.Y.Tsien(1997)“Improved indicators of cell membrane potential that use fluorescence resonance energy transfer”Chem Biol 4(4):269−77を参照)によって記載された電位感受性FRETセンサーおよび電位/イオンプローブリーダー(VIPR(登録商標))(Gonzalez,J.E.,K.Oadesら、(1999)“Cell−based assays and instrumentation for screening ion−channel targets”Drug Discov Today 4(9):431−439を参照)などの蛍光変化を測定するための機器と組み合わせて利用した。
【0206】
(化学刺激を用いるVIPR(登録商標)光学膜電位アッセイ法)
(細胞の処理および色素負荷)
VIPRについてのアッセイの24時間前に、NaV1.2タイプの電位型NaVを内因性で発現するCHO細胞を、ポリ−リシンを塗布した96ウエルプレート内に1ウエル当たり60,000細胞で播種した。他のサブタイプは、対象のNaVを発現する細胞系において類似様式で実施する。
【0207】
1)アッセイ当日に、媒質を吸引し、細胞は225μLの浴溶液#2(BS#2)を用いて2回洗浄する。
【0208】
2)15μMのCC2−DMPE溶液は、5mMのクマリンストック液を10% Pluronic 127(1:1)と混合し、次にこの混合物を適切な容積のBS#2中に溶解させる。
【0209】
3)浴溶液を96ウエルプレートから取り除き、細胞に80μLのCC2−DMPE溶液を負荷する。プレートを室温の暗所で30分間にわたりインキュベートする。
【0210】
4)細胞をクマリンで染色する間に、BS#2中の15μLのオキソノール溶液を調製する。DiSBAC(3)に加えて、この溶液は0.75mM ABSC1および30μLのベラトリジン(10mM EtOHストック液から調製した、Sigma #V−5754)を含有していなければならない。
【0211】
5)30分後、CC2−DMPEを除去し、細胞は225μLのBS#2を用いて2回洗浄する。以前と同様に、残留容積は40μLでなければならない。
【0212】
6)浴を取り除いた後、細胞に80μLのDiSBAC(3)溶液を負荷し、その後に薬物添加プレートから各ウエルへの所望の試験濃度を達成するためにDMSO中に溶解させた試験化合物を加え、完全に混合する。ウエル内の容積は、およそ121μLでなければならない。次に細胞を20〜30分間にわたりインキュベートする。
【0213】
7)インキュベーションが完了すると、細胞はナトリウム・アドバックプロトコールを用いてVIPR(登録商標)上でアッセイする準備が整う。NaV依存性脱分極を刺激するために、120μLの浴溶液#1を加える。200μLのテトラカインは、NaVチャネルを遮断するためのアンタゴニスト陽性コントロールとして使用した。
【0214】
(VIPR(登録商標)データの分析:)
データは、460nmおよび580nmチャネルで測定したバックグラウンドを減算した発光強度の標準化比として分析して報告する。次にバックグラウンド強度を各アッセイチャネルから減じる。バックグラウンド強度は、同様に処置された細胞が存在していないアッセイウエルから同一期間中に発光強度を測定することによって入手する。時間の関数としての反応は、下記の式を用いて入手された比率として報告する:
R(t)=(強度460nm−バックグラウンド460nm)/(強度580nm−バックグラウンド580nm)。
【0215】
このデータはさらに、初期(R)および最終(R)比を計算することによってさらに減少させられる。これらは、一部もしくは全部の刺激前期間中、および刺激期間中のサンプルポイント中の平均比率値である。次に刺激への反応R=R/Rを計算する。Naアドバック分析時間窓については、ベースライン値は2〜7秒であり、最終反応は15〜24秒でサンプリングする。
【0216】
コントロール反応は、テトラカインなどの所望の特性を備える化合物の存在下(陽性コントロール)、および薬理学的物質の不在下(陰性コントロール)でアッセイを実施することによって入手する。陰性(N)および陽性(P)コントロールへの反応は、上記のように計算する。化合物のアンタゴニスト活性Aは:
【0217】
【化77】

(式中、Rは試験化合物の反応比である)として規定されている。
【0218】
(溶液[mM])
浴溶液#1:NaCl 160、KCl 4.5、CaCl 2、MgCl 1、
HEPES 10、NaOHを用いてpH7.4
浴溶液#2:TMA−Cl 160、CaCl 0.1、MgCl 1、
HEPES 10、KOHを用いてpH7.4(最終K濃度:約5mM)
CC2−DMPE:DMSO中の5mMストック液として調製し、−20℃で保存する。
DiSBAC(3):DMSO中の12mMストック液として調製し、−20℃で保存する。
ABSC1:蒸留したHO中の200mMストック液として調製し、室温で保存する。
【0219】
(細胞培養)
CHO細胞は、10% FBS(ウシ胎児血清、適格;GibcoBRL #16140−071)および1% Pen−Strep(ペニシリン−ストレプトマイシン;GibcoBRL #15140−122)を補給したDMEM(ダルベッコの改変イーグル培地;GibcoBRL #10569−010)中で増殖させる。細胞は、湿度90%および10% CO中の空気抜きキャップ付きフラスコ内で100% コンフルエンスまで増殖させる。細胞は、通常は1:10もしくは1:20でのトリプシン処理によって分裂するので、スケジューリングの必要に依存して、次の分裂まで2〜3日間にわたって増殖させる。
【0220】
(電気刺激を用いるVIPR(登録商標)光学膜電位アッセイ法)
以下は、光学膜電位法#2を用いてNaV1.3阻害活性を測定する方法の例である。他のサブタイプは、対象のNaVを発現する細胞系において類似様式で実施する。
【0221】
NaV1.3を安定性で発現するHEK293細胞を96ウエルマイクロタイタープレート内でプレーティングする。適切なインキュベーション期間後に、細胞は以下のように電位感受性色素CC2−DMPE/DiSBAC2(3)を用いて染色する。
【0222】
(試薬:)
無水DMSO中の、100mg/mLのPluronic F−127(Sigma社、#P2443)
無水DMSO中の10mM DiSBAC(3)(Aurora社、#00−100−010)
無水DMSO中の10mM CC2−DMPE(Aurora社、#00−100−008)
O中の200mM ABSC1
10mM HEPES(Gibco #15630−080)が補給されたハンクス平衡食塩液溶液(Hyclone社、#SH30268.02)。
【0223】
(負荷プロトコール:)
2×CC2−DMPE=20μM CC2−DMPE:10mM CC2−DMPEは、等価容積の10% pluronicと一緒にボルテックスミキサーにかけ、次に10mM HEPESを含有する必要量のHBSS中でボルテックスミキサーにかける。各細胞プレートは、5mLの2×CC2−DMPEを必要とするであろう。10μM 最終染色濃度を生じさせるために、洗浄した細胞を含有するウエルに50μLの2×CC2−DMPEを加える。細胞は室温の暗所で30分にわたり染色する。
【0224】
ABSC1を用いる2×DISBAC(3)=6μM DISBAC(3)および1mM ABSC1:必要量の10mM DISBAC(3)を50mLの円錐管に加え、作製すべき各1mLの溶液について1μLの10% pluronicと混合し、一緒にボルテックスミキサーにかける。2×溶液を作製するために、HBSS/HEPESを加える。最後に、ABSC1を加える。
【0225】
2×のDiSBAC(3)溶液を使用すると、化合物プレートを溶媒和させることができる。化合物プレートは2×薬物濃度で作製することに留意されたい。染色したプレートを再び洗浄し、50μLの残留容積を残す。50μL/ウエルの2×DiSBAC(3)w/ABSC1を加える。室温の暗所で30分にわたり染色する。
【0226】
電気刺激機器および使用方法は、参照して本明細書に組み込まれるPCT/US01/21652のION Channel Assay Methodsに記載されている。この機器は、マイクロタイター・プレート・ハンドラー、同時にクマリンおよびオキソノールの発光を記録しながらクマリン色素を励起するための光学系、電流もしくは電位制御型増幅器、およびウエル内に電極を挿入するための器具を含んでいる。内蔵コンピューター制御下で、この機器は、マイクロタイタープレートのウエル内の細胞へユーザーがプログラムした電気刺激プロトコールを伝える。
【0227】
(試薬)
アッセイバッファー#1
140mM NaCl、4.5mM KCl、2mM CaCl、1mM MgCl、10mM HEPES、10mMグルコース、pH7.40、330mOsm
Pluronicストック液(1000×):無水DMSO中の100mg/mL pluronic 127
オキソノールストック液(3333×):無水DMSO中の10mM DiSBAC(3)
クマリンストック液(1000×):無水DMSO中の10mM CC2−DMPE
ABSC1ストック液(400×):水中の200mM ABSC1
(アッセイプロトコール)
1.アッセイ対象の各ウエル内に電極を挿入する、または使用する。
2.電流制御型増幅器を使用して3秒間にわたり刺激波パルスを送達する。刺激されていない強度を入手するために、2秒間の刺激前記録を実施する。静止状態への緩和を試験するために、5秒間の刺激後記録を実施する。
【0228】
(データ分析)
データは、460nmおよび580nmチャネルで測定したバックグラウンドを減算した発光強度の標準化比として分析して報告する。次にバックグラウンド強度を各アッセイチャネルから減じる。バックグラウンド強度は、同一期間中に、同一に処理されたが細胞の存在していないアッセイウエルから発光強度を測定することによって入手する。時間の関数としての反応は、下記の式を用いて入手された比率として報告する:
R(t)=(強度460nm−バックグラウンド460nm)/(強度580nm−バックグラウンド580nm)。
【0229】
データはさらに、初期(R)および最終(R)比を計算することによってさらに減少させられる。これらは、一部もしくは全部の刺激前期間中、および刺激期間中のサンプルポイント中の平均比率値である。次に刺激への反応R=R/Rを計算する。
【0230】
コントロール反応は、テトラカインなどの所望の特性を備える化合物の存在下(陽性コントロール)、および薬理学的物質の不在下(陰性コントロール)でアッセイを実施することによって入手する。陰性(N)および陽性(P)コントロールへの反応は、上記のように計算する。化合物のアンタゴニスト活性Aは:
【0231】
【化78】

(式中、Rは試験化合物の反応比である)として規定されている。
【0232】
(試験化合物のNaV活性および阻害についての電気生理学的アッセイ)
パッチクランプ電気生理学的検査を使用して後根神経節ニューロンにおけるナトリウムチャネル阻害薬の有効性および選択性を評価した。ラットニューロンは後根神経節から単離し、NGF(50ng/mL)の存在下で2〜10日間にわたり培地中で維持した(培養培地は、B27、グルタミンおよび抗生物質を補給したNeurobasalAから構成した)。より径の小さいニューロン(侵害受容器、径8〜120□m)は視覚的に同定され、増幅器(Axon Instruments社)へ接続した先の細いガラス電極を用いて試験されている。「電位クランプ」モードを使用して、−60mVで細胞を保持している化合物のIC50が評価されている。さらに、「電流クランプ」モードを使用して、電流注入に反応した活動電位生成を遮断する際の化合物の有効性が試験されている。これらの実験の結果は、本化合物の有効性プロフィールの定義に寄与している。
【0233】
(DRGニューロンにおける電位クランプアッセイ)
TTX耐性ナトリウム電流は、パッチクランプ技術の全細胞変形を用いてDRG細胞体から記録した。記録は、Axopatch 200B増幅器(Axon Instruments社)を使用して厚肉ホウケイ酸ガラス電極(WPI社;抵抗3〜4MΩ)を用いて室温(約22℃)で行った。全細胞構成を樹立させた後、記録を開始する前に約15分間をかけてピペット液を細胞内で平衡させた。電流を2〜5kHzで低域濾波し、10kHzでデジタルサンプリングした。直列抵抗は60〜70%補正し、実験を通して継続的に監視した。細胞内ピペット溶液および外部記録溶液間の液界電位(−7mV)は、データ分析において説明されなかった。試験溶液は、重力駆動式灌流システム(SF−77;Warner Instruments社)を用いて細胞に適用した。
【0234】
用量反応関係は、実験特異的保持電位から60秒毎に1回、+10mVの試験電位へ細胞を繰返し脱分極させる工程によって電位クランプモードにおいて決定した。ブロッキング作用は、次の試験濃度へ進行する前にプラトーにさせた。
【0235】
(溶液)
細胞内溶液(単位:mM):Cs−F(130)、NaCl(10)、MgCl(1)、EGTA(1.5)、CaCl(0.1)、HEPES(10)、グルコース(2)、pH=7.42、290mOsm.
細胞外溶液(単位:mM):NaCl(138)、CaCl(1.26)、KCl(5.33)、KHPO(0.44)、MgCl(0.5)、MgSO(0.41)、NaHCO(4)、NaHPO(0.3)、グルコース(5.6)、HEPES(10)、CdCl(0.4)、NiCl(0.1)、TTX(0.25×10−3)。
【0236】
(化合物のNaVチャネル阻害活性についての電流クランプアッセイ)
細胞は、MultiClamp 700A増幅器(Axon Inst社)を用いて全細胞構成で電流クランプした。ホウケイ酸ガラス製ピペット(4〜5MΩ)に(単位:mM)150 K−グルコン酸塩、10 NaCl、0.1 EGTA、10 HEPES、2 MgCl、(KOHを用いてpH7.34へ緩衝した)を充填した。細胞は、(単位:mM):140 NaCl、3 KCl、1 MgCl、1 CaCl、および10 HEPES)中に浸漬した。ピペット電位は、シール形成の前にゼロにした;獲得中には液間電位を補正しなかった。記録は室温で実施した。
【0237】
選択した化合物についての活性データは、下記の表3に例示した。
【0238】
【化79】

「+++」は、5μM未満の活性を意味する。「++」は、5μM〜20μMの活性を意味する。「+」は、20μMを超える活性を意味する。
【0239】
本明細書に記載した実施形態の多数の修飾および変更は、当業者には明白であろうように、本発明の範囲から逸脱せずに行うことができる。本明細書に記載した特定の実施形態は、実施例としてのみ提供されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩であって、
式中、
XおよびWの1つはNもしくはCHであり、XおよびWのもう1つはCHであり;
環Zは、O、S、N、もしくはNHから選択される少なくとも1つの環状ヘテロ原子を有する5〜7員の不飽和もしくは芳香族環であるが、ここでZは、Rのzまでの存在で必要に応じて置換され;
zは、0〜4であり;
各Rは、R、R、R、R、もしくはRから独立して選択され;
該SO基は、第1もしくは第2のいずれかの炭素に結合され;
WおよびXを含む該環は、ハロ、CN、NO、CF、OCF、OR、SR6、S(O)R、SO、NH、N(R、COOR、もしくはC1−C6直鎖状もしくは分枝状アルキリジン鎖から選択される4つまでの置換基で必要に応じて置換され、ここで該アルキリジンの2つまでの非隣接メチレン単位は、必要に応じてかつ独立して−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR、−NRNRCO−、−NRCO−、−S−、−SO、−SO−、−NR−、−SONR−、NRSO−、もしくは−NRSONR−で置換され;
Qは結合であるか、またはC1−C6直鎖状もしくは分枝状アルキリジン鎖であるが、ここでQの2つまでの非隣接メチレン単位は、必要に応じてかつ独立して−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR、−NRNRCO−、−NRCO−、−S−、−SO、−SO−、−NR−、−SONR−、NRSO−、−NRSONR−、またはスピロシクロアルキレン成分で置換され;
は、C1−6脂肪族基、O、S、N、もしくはNHから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和環、部分不飽和環、もしくは完全不飽和単環式環、またはO、S、N、もしくはNHから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和、もしくは完全不飽和二環式環系であり;
ここでRは、R、R、R、R、もしくはRから選択された4つまでの置換基で必要に応じて置換され;
およびRは、独立してRであり;
は、オキソ、=NN(R、=NN(R、=NN(R)、R、もしくは(CH−Yであり;
nは、0、1、もしくは2であり;
Yは、ハロ、CN、NO、CF、OCF、OH、SR、S(O)R、SO、NH、NHR、N(R、NR、COOH、COOR、もしくはORであるか;または
隣接環原子上の2つのRは、一緒に、1,2−メチレンジオキシもしくは1,2−エチレンジオキシを形成し;
は、水素もしくはC1−C6脂肪族であるが、ここで各Rは、R、R、もしくはRから独立して選択される2つまでの置換基で必要に応じて置換され;
は、R、R、R、もしくはRから独立して選択される3つまでの置換基で必要に応じて置換されるC3−C8脂環式、C6−C10アリール、C3−C8複素環式、もしくはC5−C10ヘテロアリール環であり;
は、OR、OR、OC(O)R、OC(O)R、OC(O)OR、OC(O)OR、OC(O)N(R、OC(O)N(R、OC(O)N(R)、OP(O)(OR、OP(O)(OR、OP(O)(OR)(OR)、SR、SR、S(O)R、S(O)R、SO、SO、SON(R、SON(R、SONR、SO、SO、C(O)R、C(O)OR、C(O)R、C(O)OR、C(O)N(R、C(O)N(R、C(O)N(R)、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、N(R、N(R、N(R)、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、NRC(O)N(R、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、NRC(O)N(R、NRSO、NRSO、NRSO、NRSON(R、NRSONR、NRSON(R、NRSONR、NRSON(R、N(OR)R、N(OR)R、N(OR)R、N(OR)R、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R)、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R)、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR、P(O)(OR、もしくはP(O)(OR)(OR)であり;
は、3つまでのR置換基で必要に応じて置換されるC3−C8脂環式、C6−C10アリール、C3−C8複素環式、もしくはC5−C10ヘテロアリール環であり;
は、HもしくはC1−C6脂肪族であるが、ここでRはR置換基で必要に応じて置換され;
は、C3−C8脂環式、C6−C10アリール、C3−C8複素環式、もしくはC5−C10ヘテロアリール環であり、各Rは、H、C1−C6脂肪族、もしくは(CH−Z’(式中、mは0〜2である)から独立して選択される2つまでの置換基で必要に応じて置換され;
Z’は、ハロ、CN、NO、C(ハロ)、CH(ハロ)、CH(ハロ)、−OC(ハロ)、−OCH(ハロ)、−OCH(ハロ)、OH、S−(C1−C6)脂肪族、S(O)−(C1−C6)脂肪族、SO−(C1−C6)脂肪族、NH、NH−(C1−C6)脂肪族、N((C1−C6)脂肪族)、N((C1−C6)脂肪族)R、COOH、C(O)O(−(C1−C6)脂肪族)、もしくはO−(C1−C6)脂肪族から選択され;そして
は、アセチル、C6−C10アリールスルホニル、もしくはC1−C6アルキルスルホニルである;
ただし、
(i)環Zが必要に応じて置換されたピリジルであり、WがCであり、そしてXがCHである場合は、Q−Rは一緒になって必要に応じて置換されたフェニルではない;
(ii)WがCHであり、XがCHである場合は、Q−Rは一緒になってメチルではない、ことを前提とする、化合物。
【請求項2】
Zは:
【化2】

【化3】

から選択される必要に応じて置換された環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Zは:
【化4】

から選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Zは0〜2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
各Rは、R、R、またはRから独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
各Rは、水素、ハロ、OR、C1−C6脂肪族、またはC3−C8脂環式、C6−C10アリール、C3−C8複素環式、もしくはC5−C10ヘテロアリール環から独立して選択される必要に応じて置換された基から独立して選択され;ここで該脂環式、該アリール、該複素環式もしくは該ヘテロアリールは、R、R、R、もしくはRから独立して選択される3つまでの置換基で必要に応じて置換される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
各Rは、水素、ハロ、O(C1−C6アルキル)、C1−C6アルキル、C3−C8シクロアルキル、もしくはフェニルから独立して選択される、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
XはNであり、WはCHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
XはCHであり、WはNである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
各XおよびWは独立してCHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
は水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
は水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
Qは、結合、またはC1−C6直鎖状もしくは分枝状アルキリデン鎖から選択され、ここで該アルキリデンの2つまでのメチレン単位は、O、S、OCO、NH、N(C1−C4アルキル)、またはスピロシクロアルキレン基で独立して置換される、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
Qは、−X−(X−であり:
式中、
は、結合、またはR、R、もしくはRから独立して選択される2つまでの置換基で必要に応じて置換されるC1−C6脂肪族であり;
pは0もしくは1であり;そして
は、O、S、もしくはNRである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
は、結合、C1−C6アルキル、もしくはC2−C6アルキリデンであり、該アルキルおよびアルキリデンはRまたはRで独立してかつ必要に応じて置換される、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
は、結合、−CH−、−CH−CH−、−(CH−、−C(Me)−、−CH(Me)−、−C(Me)=CH−、−CH=CH−、−CH(Ph)−、−CH−CH(Me)−、−CH(Et)−、もしくは−CH(i−Pr)−から選択される、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
は、必要に応じて置換されたC1−6脂肪族である、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
は、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、OH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、C(O)NH、NH、NH(C1−4アルキル)、N(C1−4アルキル)、NHC(O)C1−4アルキル、もしくはC(O)C1−4アルキルから独立して選択される3つまでの置換基で必要に応じて置換される、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
は、必要に応じて置換されたフェニルもしくはナフチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
は、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、OH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、C(O)NH、NH、NH(C1−4アルキル)、N(C1−4アルキル)、NHC(O)C1−4アルキル、もしくはC(O)C1−4アルキルから選択される3つまでの置換基で必要に応じて置換される、請求項17に記載の化合物。
【請求項21】
は:
【化5】

【化6】

から選択される、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
は、必要に応じて置換された3〜8員の脂環式環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、もしくはシクロヘキシルから選択される必要に応じて置換された環である、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
は、O、S、N、もしくはNHから独立して選択される3つまでのヘテロ原子を含む必要に応じて置換された5〜6員の単環式環、不飽和環、部分的不飽和環、もしくは芳香族環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
は:
【化7】

から選択される必要に応じて置換された環である、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
は、必要に応じて置換されたフェニル環に必要に応じて縮合される、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
は、必要に応じて置換された8〜10員の二環式環、複素環式環もしくはヘテロ芳香族環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項28】
は:
【化8】

から選択される必要に応じて置換された環である、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
は、2−フルオロ−フェン−1−イル、フェニル、3−クロロ−フェン−1−イル、4−クロロ−フェン−1−イル、4−tert−ブチル−フェン−1−イル、2,5−ジフルオロ−フェン−1−イル、3,4−ジクロロ−フェン−1−イル、3−クロロ−4−フルオロ−フェン−1−イル、もしくはインドール−1−イルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項30】
前記化合物は、式I−A、または式I−B:
【化9】

から選択され、
式中、Z、R、R、W、X、Q、およびRは、上記に規定されたとおりである、請求項1に記載の化合物。
【請求項31】
XはNであり、WはCHである、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
XはCHであり、WはNである、請求項30に記載の化合物。
【請求項33】
各XおよびWは独立してCHである、請求項30に記載の化合物。
【請求項34】
式II:
【化10】

の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩であって、
式中、
環Zは、O、S、N、もしくはNHから選択される少なくとも1つの環状ヘテロ原子を有する5〜7員の不飽和環もしくは芳香族環であるが、ここでZは、Rのzまでの存在で必要に応じて置換され;
zは、0〜4であり;
各Rは、R、R、R、R、もしくはRから独立して選択され;
該SO基は、第1もしくは第2のいずれかの炭素に結合され;
NRC(O)基は、第5もしくは第6のいずれかの炭素に結合され;
第5および第6の炭素を含む環は、ハロ、CN、NO、CF、OCF、OR、SR6、S(O)R、SO、NH、N(R、COOR、もしくはC1−C6直鎖状もしくは分枝状アルキリジン鎖から選択される4つまでの置換基で必要に応じて置換され、ここで該アルキリジンの2つまでの非隣接メチレン単位は、必要に応じてかつ独立して−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR、−NRNRCO−、−NRCO−、−S−、−SO、−SO−、−NR−、−SONR−、NRSO−、もしくは−NRSONR−で置換され;
Qは結合であるか、またはC1−C6直鎖状もしくは分枝状アルキリジン鎖であるが、ここでQの2つまでの非隣接メチレン単位は、任意かつ独立して−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR、−NRNRCO−、−NRCO−、−S−、−SO、−SO−、−NR−、−SONR−、NRSO−、−NRSONR−、またはスピロシクロアルキレン成分で置換され;
は、C1−6脂肪族基、O、S、N、もしくはNHから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和環、部分不飽和環、もしくは完全不飽和単環式環、またはO、S、N、もしくはNHから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和環、部分不飽和環、もしくは完全不飽和二環式環系であり;
ここでRは、R、R、R、R、もしくはRから選択された4つまでの置換基で必要に応じて置換され;
およびRは、独立してRであり;
は、オキソ、=NN(R、=NN(R、=NN(R)、R、もしくは(CH−Yであり;
nは、0、1、もしくは2であり;
Yは、ハロ、CN、NO、CF、OCF、OH、SR、S(O)R、SO、NH、NHR、N(R、NR、COOH、COOR、もしくはORであるか;または
隣接環原子上の2つのRは、一緒に、1,2−メチレンジオキシもしくは1,2−エチレンジオキシを形成し;
は、水素もしくはC1−C6脂肪族であるが、ここで各Rは、R、R、もしくはRから独立して選択される2つまでの置換基で必要に応じて置換され;
は、R、R、R、もしくはRから独立して選択される3つまでの置換基で必要に応じて置換されるC3−C8脂環式環、C6−C10アリール環、C3−C8複素環式環、もしくはC5−C10ヘテロアリール環であり;
は、OR、OR、OC(O)R、OC(O)R、OC(O)OR、OC(O)OR、OC(O)N(R、OC(O)N(R、OC(O)N(R)、OP(O)(OR、OP(O)(OR、OP(O)(OR)(OR)、SR、SR、S(O)R、S(O)R、SO、SO、SON(R、SON(R、SONR、SO、SO、C(O)R、C(O)OR、C(O)R、C(O)OR、C(O)N(R、C(O)N(R、C(O)N(R)、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、N(R、N(R、N(R)、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、NRC(O)N(R、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、NRC(O)N(R、NRSO、NRSO、NRSO、NRSON(R、NRSONR、NRSON(R、NRSONR、NRSON(R、N(OR)R、N(OR)R、N(OR)R、N(OR)R、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R)、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R)、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR、P(O)(OR、もしくはP(O)(OR)(OR)であり;
は、3つまでのR置換基で必要に応じて置換されるC3−C8脂環式環、C6−C10アリール環、C3−C8複素環式環、もしくはC5−C10ヘテロアリール環であり;
は、HもしくはC1−C6脂肪族であるが、ここでRはR置換基で必要に応じて置換され;
は、C3−C8脂環式環、C6−C10アリール環、C3−C8複素環式環、C5−C10ヘテロアリール環であり、各Rは、H、C1−C6脂肪族、もしくは(CH−Z’(式中、mは0〜2である)から独立して選択される2つまでの置換基で必要に応じて置換され;
Z’は、ハロ、CN、NO、C(ハロ)、CH(ハロ)、CH(ハロ)、−OC(ハロ)、−OCH(ハロ)、−OCH(ハロ)、OH、S−(C1−C6)脂肪族、S(O)−(C1−C6)脂肪族、SO−(C1−C6)脂肪族、NH、NH−(C1−C6)脂肪族、N((C1−C6)脂肪族)、N((C1−C6)脂肪族)R、COOH、C(O)O(−(C1−C6)脂肪族)、もしくはO−(C1−C6)脂肪族から選択され;そして
は、アセチル、C6−C10アリールスルホニル、もしくはC1−C6アルキルスルホニルである;
ただし、
(i)Q−Rは、一緒になってメチルもしくはイソプロピルではない;
(ii)環Zは、必要に応じて置換されたイソキサゾリルではない;
(iii)環Zが必要に応じて置換されたピペラジニルである場合は、Rはメチルではない;および
(iv)環Zが必要に応じて置換されたピペラジニルであり、QがOである場合は、Rはベンジルではないことを前提とする、の化合物。
【請求項35】
Zは:
【化11】

から選択される必要に応じて置換された環である、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
Zは:
【化12】

から選択される、請求項34に記載の化合物。
【請求項37】
Zは0〜2である、請求項34に記載の化合物。
【請求項38】
各Rは、R、R、またはRから独立して選択される、請求項34に記載の化合物。
【請求項39】
各Rは、水素、ハロ、OR、C1−C6脂肪族、またはC3−C8脂環式環、C6−C10アリール環、C3−C8複素環式環、もしくはC5−C10ヘテロアリール環から独立して選択される必要に応じて置換される基から選択され;ここで該脂環式、該アリール、該複素環式もしくは該ヘテロアリールは、R、R、R、もしくはRから独立して選択される3つまでの置換基で必要に応じて置換される、請求項34に記載の化合物。
【請求項40】
各Rは、水素、ハロ、O(C1−C6アルキル)、C1−C6アルキル、C3−C8シクロアルキル、もしくはフェニルから独立して選択される、請求項39に記載の化合物。
【請求項41】
は水素である、請求項34に記載の化合物。
【請求項42】
は水素である、請求項34に記載の化合物。
【請求項43】
Qは、結合、またはC1−C6直鎖状もしくは分枝状アルキリデン鎖から選択され、ここで該アルキリデンの2つまでのメチレン単位は、O、S、OCO、NH、N(C1−C4アルキル)、またはスピロシクロアルキレン基で独立して置換される、請求項34に記載の化合物。
【請求項44】
Qは−X−(X−であって、
式中、
は、結合、またはR、R、もしくはRから独立して選択される2つまでの置換基で必要に応じて置換されるC1−C6脂肪族であり;
pは0もしくは1であり;そして
は、O、S、もしくはNRである、請求項34に記載の化合物。
【請求項45】
は、結合、C1−C6アルキル、もしくはC2−C6アルキリデンであり、該アルキルおよびアルキリデンはRまたはRで独立してかつ必要に応じて置換される、請求項44に記載の化合物。
【請求項46】
は、結合、−CH−、−CH−CH−、−(CH−、−C(Me)−、−CH(Me)−、−C(Me)=CH−、−CH=CH−、−CH(Ph)−、−CH−CH(Me)−、−CH(Et)−、もしくは−CH(i−Pr)−から選択される、請求項45に記載の化合物。
【請求項47】
は、必要に応じて置換されたC1−6脂肪族である、請求項34に記載の化合物。
【請求項48】
は、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、OH、C1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C1−C4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、C(O)NH、NH、NH(C1−4アルキル)、N(C1−4アルキル)、NHC(O)C1−4アルキル、もしくはC(O)C1−4アルキルから独立して選択される3つまでの置換基で必要に応じて置換される、請求項47に記載の化合物。
【請求項49】
は、必要に応じて置換されたフェニルもしくはナフチルである、請求項34に記載の化合物。
【請求項50】
は、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、OH、C1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、C1−C4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、C(O)NH、NH、NH(C1−4アルキル)、N(C1−4アルキル)、NHC(O)C1−4アルキル、もしくはC(O)C1−4アルキルから独立して選択される3つまでの置換基で必要に応じて置換される、請求項46に記載の化合物。
【請求項51】
は:
【化13】

【化14】

から選択される、請求項46に記載の化合物。
【請求項52】
は、必要に応じて置換された3〜8員の脂環式環である、請求項34に記載の化合物。
【請求項53】
は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、もしくはシクロヘキシルから必要に応じて置換された環である、請求項52に記載の化合物。
【請求項54】
は、O、S、N、もしくはNHから独立して選択される3つまでのヘテロ原子を含む必要に応じて置換された5〜6員の単環式環の、不飽和環、部分不飽和環、もしくは芳香族環である、請求項34に記載の化合物。
【請求項55】
は:
【化15】

から選択される必要に応じて置換された環である、請求項54に記載の化合物。
【請求項56】
は、必要に応じて置換されたフェニル環に必要に応じて縮合される、請求項55に記載の化合物。
【請求項57】
は、必要に応じて置換された8〜10員の二環式環、複素環式環もしくはヘテロ芳香族環である、請求項34に記載の化合物。
【請求項58】
は:
【化16】

から選択される必要に応じて置換された環である、請求項57に記載の化合物。
【請求項59】
は、2−フルオロ−フェン−1−イル、フェニル、3−クロロ−フェン−1−イル、4−クロロ−フェン−1−イル、4−tert−ブチル−フェン−1−イル、2,5−ジフルオロ−フェン−1−イル、3,4−ジクロロ−フェン−1−イル、3−クロロ−4−フルオロ−フェン−1−イル、もしくはインドール−1−イルから選択される、請求項34に記載の化合物。
【請求項60】
前記化合物は、式II−A:
【化17】

を有し、
式中、Z、R、R、Q、およびRは、上記に規定されたとおりである、請求項34に記載の化合物。
【請求項61】
表1から選択される化合物。
【請求項62】
請求項1、34および61のいずれか一項に記載の化合物、および薬学的に受容可能なキャリア、アジュバント、またはビヒクルを含む薬学的組成物。
【請求項63】
(a)患者;または
(b)生物学的サンプル;
において1つ以上のNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9、もしくはCaV2.2活性を阻害する方法であって、式I:
【化18】

の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を該患者に投与する工程、または該生物学的サンプルと接触させる工程を包含し、
式中、
XおよびWの1つはNもしくはCHであり、XおよびWのもう1つはCHであり;
環Zは、O、S、N、もしくはNHから選択される少なくとも1つの環状ヘテロ原子を有する5〜7員の不飽和環もしくは芳香族環であるが、ここでZは、Rのzまでの存在で必要に応じて置換され;
zは、0〜4であり;
各Rは、R、R、R、R、もしくはRから独立して選択され;
該SO基は、第1もしくは第2のいずれかの炭素に結合され;
WおよびXを含む環は、ハロ、CN、NO、CF、OCF、OR、SR6、S(O)R、SO、NH、N(R、COOR、もしくはC1−C6直鎖状もしくは分枝状アルキリジン鎖から選択される4つまでの置換基で必要に応じて置換され、ここで該アルキリジンの2つまでの非隣接メチレン単位は、必要に応じてかつ独立して−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR、−NRNRCO−、−NRCO−、−S−、−SO、−SO−、−NR−、−SONR−、NRSO−、もしくは−NRSONR−で置換され;
Qは結合であるか、またはC1−C6直鎖状もしくは分枝状アルキリジン鎖であるが、ここでQの2つまでの非隣接メチレン単位は、必要に応じてかつ独立して−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR、−NRNRCO−、−NRCO−、−S−、−SO、−SO−、−NR−、−SONR−、NRSO−、−NRSONR−、またはスピロシクロアルキレン成分で置換され;
は、C1−6脂肪族基、O、S、N、もしくはNHから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和環、部分不飽和環、もしくは完全不飽和単環式環、またはO、S、N、もしくはNHから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和環、部分不飽和環、もしくは完全不飽和二環式環系であり;
ここでRは、R、R、R、R、もしくはRから選択された4つまでの置換基で必要に応じて置換され;
およびRは、独立してRであり;
は、オキソ、=NN(R、=NN(R、=NN(R)、R、もしくは(CH−Yであり;
nは、0、1、もしくは2であり;
Yは、ハロ、CN、NO、CF、OCF、OH、SR、S(O)R、SO、NH、NHR、N(R、NR、COOH、COOR、もしくはORであるか;または
隣接環原子上の2つのRは、一緒になって、1,2−メチレンジオキシもしくは1,2−エチレンジオキシを形成し;
は、水素もしくはC1−C6脂肪族であるが、ここで各Rは、R、R、もしくはRから独立して選択される2つまでの置換基で必要に応じて置換され;
は、R、R、R、もしくはRから独立して選択される3つまでの置換基で必要に応じて置換されるC3−C8脂環式環、C6−C10アリール環、C3−C8複素環式環、もしくはC5−C10ヘテロアリール環であり;
は、OR、OR、OC(O)R、OC(O)R、OC(O)OR、OC(O)OR、OC(O)N(R、OC(O)N(R、OC(O)N(R)、OP(O)(OR、OP(O)(OR、OP(O)(OR)(OR)、SR、SR、S(O)R、S(O)R、SO、SO、SON(R、SON(R、SONR、SO、SO、C(O)R、C(O)OR、C(O)R、C(O)OR、C(O)N(R、C(O)N(R、C(O)N(R)、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、N(R、N(R、N(R)、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、NRC(O)N(R、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、NRC(O)N(R、NRSO、NRSO、NRSO、NRSON(R、NRSONR、NRSON(R、NRSONR、NRSON(R、N(OR)R、N(OR)R、N(OR)R、N(OR)R、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R)、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R)、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR、P(O)(OR、もしくはP(O)(OR)(OR)である;
は、3つまでのR置換基で必要に応じて置換されたC3−C8脂環式環、C6−C10アリール環、C3−C8複素環式環、もしくはC5−C10ヘテロアリール環であり;
は、HもしくはC1−C6脂肪族であるが、ここでRはR置換基で必要に応じて置換され;
は、C3−C8脂環式環、C6−C10アリール環、C3−C8複素環式環、C5−C10ヘテロアリール環であり、各Rは、H、C1−C6脂肪族、もしくは(CH−Z’(式中、mは0〜2である)から独立して選択される2つまでの置換基で必要に応じて置換され;
Z’は、ハロ、CN、NO、C(ハロ)、CH(ハロ)、CH(ハロ)、−OC(ハロ)、−OCH(ハロ)、−OCH(ハロ)、OH、S−(C1−C6)脂肪族、S(O)−(C1−C6)脂肪族、SO−(C1−C6)脂肪族、NH、NH−(C1−C6)脂肪族、N((C1−C6)脂肪族)、N((C1−C6)脂肪族)R、COOH、C(O)O(−(C1−C6)脂肪族)、もしくはO−(C1−C6)脂肪族から選択され;そして
は、アセチル、C6−C10アリールスルホニル、もしくはC1−C6アルキルスルホニルである、方法。
【請求項64】
前記化合物は、式I−A、または式I−Bを有する、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
(a)患者;または
(b)生物学的サンプル;
において1つ以上のNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9、もしくはCaV2.2活性を阻害する方法であって、式II:
【化19】

の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を該患者に投与する工程、または該生物学的サンプルと接触させる工程を包含し、
式中、
環Zは、O、S、N、もしくはNHから選択された少なくとも1つの環状ヘテロ原子を有する5〜7員の不飽和環もしくは芳香族環であるが、ここでZは、Rのzまでの存在で必要に応じて置換され;
zは、0〜4であり;
各Rは、R、R、R、R、もしくはRから独立して選択され;
該SO基は、第1もしくは第2のいずれかの炭素に結合され;
NRC(O)基は、第5もしくは第6のいずれかの炭素に結合され;
第5および第6の炭素を含有する環は、ハロ、CN、NO、CF、OCF、OR、SR6、S(O)R、SO、NH、N(R、COOR、もしくはC1−C6直鎖状もしくは分枝状アルキリジン鎖から選択された4つまでの置換基で必要に応じて置換され、ここで該アルキリジンの2つまでの非隣接メチレン単位は、任意かつ独立して−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR、−NRNRCO−、−NRCO−、−S−、−SO、−SO−、−NR−、−SONR−、NRSO−、もしくは−NRSONR−で置換され;
Qは結合であるか、またはC1−C6直鎖状もしくは分枝状アルキリジン鎖であるが、ここでQの2つまでの非隣接メチレン単位は、任意かつ独立して−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR、−NRNRCO−、−NRCO−、−S−、−SO、−SO−、−NR−、−SONR−、NRSO−、−NRSONR−、またはスピロシクロアルキレン成分で置換され;
は、C1−6脂肪族基、O、S、N、もしくはNHから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和環、部分不飽和環、もしくは完全不飽和単環式環、またはO、S、N、もしくはNHから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和環、部分不飽和環、もしくは完全不飽和二環式環系である;
ここでRは、R、R、R、R、もしくはRから選択される4つまでの置換基で必要に応じて置換され;
およびRは、独立してRであり;
は、オキソ、=NN(R、=NN(R、=NN(R)、R、もしくは(CH−Yであり;
nは、0、1、もしくは2であり;
Yは、ハロ、CN、NO、CF、OCF、OH、SR、S(O)R、SO、NH、NHR、N(R、NR、COOH、COOR、もしくはORであるか;または
隣接環原子上の2つのRは、一緒に、1,2−メチレンジオキシもしくは1,2−エチレンジオキシを形成し;
は、水素もしくはC1−C6脂肪族であるが、ここで各Rは、R、R、もしくはRから独立して選択される2つまでの置換基で必要に応じて置換され;
は、R、R、R、もしくはRから独立して選択される3つまでの置換基で必要に応じて置換されるC3−C8脂環式環、C6−C10アリール環、C3−C8複素環式環、もしくはC5−C10ヘテロアリール環である;
は、OR、OR、OC(O)R、OC(O)R、OC(O)OR、OC(O)OR、OC(O)N(R、OC(O)N(R、OC(O)N(R)、OP(O)(OR、OP(O)(OR、OP(O)(OR)(OR)、SR、SR、S(O)R、S(O)R、SO、SO、SON(R、SON(R、SONR、SO、SO、C(O)R、C(O)OR、C(O)R、C(O)OR、C(O)N(R、C(O)N(R、C(O)N(R)、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、N(R、N(R、N(R)、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、NRC(O)N(R、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、NRC(O)N(R、NRSO、NRSO、NRSO、NRSON(R、NRSONR、NRSON(R、NRSONR、NRSON(R、N(OR)R、N(OR)R、N(OR)R、N(OR)R、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R)、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R)、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR、P(O)(OR、もしくはP(O)(OR)(OR)であり;
は、3つまでのR置換基で必要に応じて置換されたC3−C8脂環式環、C6−C10アリール環、C3−C8複素環式環、もしくはC5−C10ヘテロアリール環であり;
は、HもしくはC1−C6脂肪族であるが、ここでRはR置換基で必要に応じて置換され;
は、C3−C8脂環式環、C6−C10アリール環、C3−C8複素環式環、C5−C10ヘテロアリール環であり、各Rは、H、C1−C6脂肪族、もしくは(CH−Z’(式中、mは0〜2である)から独立して選択される2つまでの置換基で必要に応じて置換され;
Z’は、ハロ、CN、NO、C(ハロ)、CH(ハロ)、CH(ハロ)、−OC(ハロ)、−OCH(ハロ)、−OCH(ハロ)、OH、S−(C1−C6)脂肪族、S(O)−(C1−C6)脂肪族、SO−(C1−C6)脂肪族、NH、NH−(C1−C6)脂肪族、N((C1−C6)脂肪族)、N((C1−C6)脂肪族)R、COOH、C(O)O(−(C1−C6)脂肪族)、もしくはO−(C1−C6)脂肪族から選択され;そして
は、アセチル、C6−C10アリールスルホニル、もしくはC1−C6アルキルスルホニルである、方法。
【請求項66】
前記化合物は、式II−Aを有する、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
急性、慢性、神経因性、もしくは炎症性の疼痛、関節炎、片頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス性神経痛、全身性神経痛、てんかんもしくはてんかん状態、神経変性障害、例えば不安および抑うつなどの精神疾患、筋緊張症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調症、多発性硬化症、過敏性腸症候群、尿失禁、内臓痛、骨関節症性疼痛、ヘルペス後神経痛、糖尿病性ニューロパシー、神経根痛、坐骨神経痛、背痛、頭痛もしくは頸痛、重度もしくは難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突発痛、術後疼痛、脳卒中、双極性障害または癌性疼痛から選択される疾患、障害、もしくは状態を処置する方法、またはそれらの重症度を緩和するための方法であって、該患者に有効量の式I、式I−A、式I−B、式II、式II−Aの化合物、または請求項62に記載の組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項68】
前記化合物は、請求項1、34および61のいずれか一項に記載されている、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記疾患、状態、もしくは障害は、電位型ナトリウムチャネルの活性化または活動亢進に関係する、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
前記疾患、状態、もしくは障害は、神経根痛、坐骨神経痛、背痛、頭痛、頸痛、またはニューロパシーである、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記疾患、状態、もしくは障害は、重度もしくは難治性の痛み、急性疼痛、術後疼痛、背痛、または癌性疼痛である、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記疾患、状態、もしくは障害は、電位型カルシウムチャネルの活性化または活動亢進に関係する、請求項67に記載の方法。
【請求項73】
前記疾患、状態、もしくは障害は、急性、慢性、神経因性、炎症性疼痛、または炎症性突発痛である、請求項72に記載の方法。

【公表番号】特表2009−507851(P2009−507851A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−530198(P2008−530198)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/034857
【国際公開番号】WO2007/030618
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】