説明

電力ケーブルコネクタ

【課題】オスコネクタの端子板が、メスコネクタの端子挿入孔の入口からコネクタシール部位までの内壁面に接触することにより損傷を与えることを防止して、シール性能に優れた電力ケーブルコネクタを提供することである。
【解決手段】コネクタ10は、端子挿入孔16を有するメスコネクタ12及び端子挿入孔16に挿入されるプラグ部15を有するオスコネクタ11から構成される。プラグ部15は、その端部に端子板17と、外周面上に端子挿入孔16の内壁面上のコネクタシール部位19に押し付けられるフランジ部18と、をそれぞれ有する。メスコネクタ12は、端子挿入孔16の入口からコネクタシール部位19までの内壁面を保護するスライドリング20を備えており、スライドリング20は、プラグ部15が端子挿入孔16に挿入される際に、フランジ部18又はツメ部21に押進されてコネクタシール部位19を開放する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力ケーブルコネクタに係り、特にインバータ等に接続される可撓性が低く且つ端子板の大きな電力ケーブルのコネクタなどに好適なシール性能に優れたモータ駆動車両用の電力ケーブルコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車等のモータ駆動車両には、インバータなどの大電流を使用する装置が搭載されている。インバータは、プリント配線基板が水に濡れるとショートを起こす恐れがあるため、防水ケース内に格納されてエンジンルームに設置されている。インバータには、モータジェネレータに繋がる電力ケーブルを接続する必要があるため、防水ケースには外部と内部とを連通する貫通孔が設けられている。防水ケースの貫通孔にはメスコネクタが設置されており、電力ケーブルはケーブル先端部に設けられたオスコネクタのプラグ部をメスコネクタの端子挿入孔に嵌め込むことによりインバータに接続される。具体的には、プラグ部の端部に電力ケーブルと接続された金属製の端子板があり、この端子板がメスコネクタの端子係止部に挿入されてインバータに接続されている。
【0003】
コネクタのシールは、嵌め込まれたプラグ部の外周面上に設けられたゴム等からなるフランジ部が、端子挿入孔の内壁面に押し付けられることによりなされている。フランジ部とフランジ部が押し付けられる端子挿入孔の内壁面であるコネクタシール部位とは、隙間なく密着しており、これによりコネクタ内部の高いシール性を確保することができる。しかし、電力ケーブルは可撓性が低く且つ端子部が大きいため、プラグ部を端子挿入孔に嵌め込む際に、端子板がコネクタシール部位を含む端子挿入孔の内壁面に接触して損傷を与えるおそれがある。コネクタシール部位が損傷するとフランジ部との間に隙間が形成されるだけでなく、プラグ部が端子挿入孔に嵌め込まれる際に、フランジ部がその損傷部に引っ掛かりフランジ部も損傷を受ける場合がある。従って、このような場合には、コネクタのシール性能が低下するという問題が発生する。
【0004】
フランジ部の損傷を防止してシール性能を確保する防水コネクタが特許文献1に開示されている。特許文献1の防水コネクタは、複数の端子挿入孔と、この複数の端子挿入孔の隣接間をそれぞれ区画する複数の共用壁部と、複数の端子挿入孔の開口縁にそれぞれ設けられて端子の端子挿入孔への挿入を案内するテーパ面とを備え、隣接した端子挿入孔のテーパ面の最大径部が共用壁部上で少なくとも接している防水コネクタであって、共用壁部上の隣接した端子挿入孔のテーパ面同士が接している部分に形成されて端子の挿入時にフランジ部の損傷を防止する損傷防止部を備えたものである。
【0005】
【特許文献1】特開2002−75520号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の防水コネクタでは、オスコネクタの端子板がコネクタシール部位に接触して損傷を与えることを防止することはできない。また、プラグ部が端子挿入孔に嵌め込まれる際に、フランジ部がその損傷部に引っ掛かることによるフランジ部の損傷も防止することができない。
【0007】
本発明の目的は、オスコネクタの端子板がメスコネクタのコネクタシール部位を含む端子挿入孔の内壁面に接触することにより損傷を与えることを防止して、シール性能に優れた電力ケーブルコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電力ケーブルコネクタは、端子挿入孔を有するメスコネクタと、端子挿入孔に挿入されるプラグ部を有し電力ケーブルを内蔵するオスコネクタと、から構成され、プラグ部は、その端部に電力ケーブルと接続された端子板と、外周面上にフランジ部と、をそれぞれ有し、フランジ部は、端子挿入孔の内壁面上のコネクタシール部位に押し付けられてコネクタの内部をシールする電力ケーブルコネクタにおいて、メスコネクタは、コネクタシール部位を保護するスライドリングを備え、スライドリングは、プラグ部が端子挿入孔に挿入される際に、コネクタシール部位から移動してそのシール部位を開放することを特徴とする。
【0009】
また、スライドリングは、端子挿入孔の入口からコネクタシール部位までの内壁面を保護することが好ましい。
【0010】
また、メスコネクタの端子挿入孔は、端子挿入孔の入口から所定距離までの第一内径部と、第一内径部よりもコネクタの内部側に形成され、且つ第一内径部よりも内径の小さい第二内径部とから構成され、スライドリングは、第一内径部の内壁面に当接して配置されることが好ましい。
【0011】
また、プラグ部の外周面上に設けられたフランジ部が、プラグ部が端子挿入孔に挿入される際にスライドリングを押進することが好ましい。
【0012】
また、オスコネクタは、プラグ部の端子板とフランジ部との間の外周面上に、プラグ部が端子挿入孔に挿入される際にスライドリングを押進するツメ部を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る電力ケーブルコネクタによれば、メスコネクタがコネクタシール部位を保護するスライドリングを備えているので、コネクタシール部位にオスコネクタの端子板が接触して損傷を与えることを防止することができる。
【0014】
また、スライドリングは、プラグ部が端子挿入孔に挿入される際に、コネクタシール部位から移動してそのシール部位を開放するので、フランジ部はスライドリングによって保護されたコネクタシール部位に隙間なく密着することができ、優れたシール性能を確保することができる。
【0015】
さらに、スライドリングが、端子挿入孔の入口からコネクタシール部位までの内壁面を保護すれば、オスコネクタの端子板がメスコネクタの端子挿入孔の入口からコネクタシール部位までの内壁面に接触して損傷を与えることを防止して、端子挿入孔の内壁面の損傷に起因するフランジ部の損傷を高度に防止することができる。
【0016】
また、メスコネクタの端子挿入孔は、端子挿入孔の入口から所定距離までの第一内径部と、第一内径部よりもコネクタの内部側に形成され、且つ第一内径部よりも内径の小さい第二内径部とから構成され、スライドリングは、第一内径部の内壁面に当接して配置されるので、スライドリングの移動を制限して、スライドリングがコネクタの内部側に入り過ぎることを防止することができる。
【0017】
また、オスコネクタは、プラグ部の端子板とフランジ部との間の外周面上に、プラグ部が端子挿入孔に挿入される際にスライドリングを押進するツメ部を有するので、スライドリングの移動がよりスムーズになる。
【0018】
上記のように、電力ケーブルは可撓性が低く且つ端子部が大きいため、プラグ部を端子挿入孔に嵌め込む作業は、細心の注意が払われ慎重且つ時間を掛けて行われていたが、本発明に係る電力ケーブルコネクタによれば、端子板がコネクタシール部を含む端子挿入孔の内壁面に接触するおそれがないので作業の負荷を大幅に軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。図1は、オスコネクタ及びメスコネクタから構成される電力ケーブルコネクタの構成を示す模式図であり、非接続状態を示している。図2は、図1においてオスコネクタがメスコネクタに嵌め込まれた接続状態を示す模式図である。なお、両図ともにメスコネクタを断面図で示している。
【0020】
図1に示すように、電力ケーブルコネクタ10(以下、コネクタ10と称する)は、オスコネクタ11と、オスコネクタ11が嵌め込まれるメスコネクタ12とから構成されている。メスコネクタ12は、モータ駆動車両のインバータを格納した防水ケース13に設置されており、オスコネクタ11は、モータジェネレータと?がった電力ケーブル14の端部に設置されている。以下においては、コネクタ10は、防水ケース13に格納された図示しないインバータと、同じく図示しないモータジェネレータに繋がった電力ケーブル14とを接続するものとして説明するが、これに限定されるものではなく、モータ駆動車両等に搭載される各種電子機器と、電力ケーブルとの接続などに適用することができる。
【0021】
防水ケース13に格納されている図示しないインバータは、車両の駆動源であるモータジェネレータに供給する電流量を調整する装置である。従って、電力ケーブル14には、大電流が流れることになるので、可撓性の低い太いケーブルが使用される。即ち、電力ケーブル14は、大電流の漏電を防止して高い安全性を確保するために、銅線の周りに厚い絶縁層が形成されており、ケーブルが太くて可撓性の低いものとなる。
【0022】
オスコネクタ11は、メスコネクタ12に挿入されて、電力ケーブル14とインバータとの接続を行う。具体的には、オスコネクタ11のプラグ部15がメスコネクタ12の端子挿入孔16に嵌め込まれることにより接続される。プラグ部15とは、オスコネクタ11の一部であって端子挿入孔16に嵌め込まれる部分であり、一般的にプラスチック材料から構成されている。図2に示すように、オスコネクタ11は、その大部分がプラグ部15から構成されているが、オスコネクタ11の形状としては、このような形状に限定されるものではなく、種々の公知の形状を適用することができる。また、プラグ部15の形状としては、円筒形状や四角柱形状など公知の形状を適用することができる。以下においては、プラグ部15の形状は、円筒形状のものとして説明する。なお、プラグ部15は、メスコネクタ12の端子挿入孔16に嵌め込まれるため、その直径は端子挿入孔16の内径よりも小さくなるように設定されている。
【0023】
オスコネクタ11は、電力ケーブル14を内蔵し、その電力ケーブル14と接続された端子板17を備えている。図1に示すように、プラグ部15の端部に金属材料から構成される端子板17が設けられており、他方の端部には、電力ケーブル14が埋め込まれている。そして、図示しないプラグ部15の内部で、電力ケーブル14の銅線と端子板17とが接続されている。端子板17は、インバータと繋がった図示しない端子係止部に挿入されて、メスコネクタ12を介してインバータに接続される。なお、端子板17は、上記のように、そのサイズは大きく、プラグ部15と同等の長さを有している。
【0024】
プラグ部15には、その外周面上に、プラグ部15と一体接合されて全周方向に均等に突出したフランジ部18が設けられている。フランジ部18は、一般的にゴム材料から構成され、メスコネクタ12の端子挿入孔16の内壁面に押し付けられて密着し、コネクタ10の内部をシールする機能を有する。即ち、プラグ部15の直径は、端子挿入孔16の内径よりも小さいので、その隙間を塞ぐ必要があり、この隙間を塞ぐのがフランジ部18である。
【0025】
図2に示すように、フランジ部18は、コネクタシール部位19に押し付けられてその隙間を塞いでいる。ここでコネクタシール部位19とは、フランジ部18が押し付けられて密着する端子挿入孔16の内壁面上の特定の位置であって、端子板17の長さやフランジ部18の位置などによってその位置が決定される。なお、フランジ部18を含む部分のプラグ部15の直径は、端子挿入孔16の内径よりもやや大きめに設計されており、フランジ部18は、その形状を変形させてコネクタシール部位19に隙間なく強力に密着している。
【0026】
メスコネクタ12は、図1に示すように、防水ケース13の壁部に設置されている。図1に示す防水ケース13の形状は、メスコネクタ12の形状に合わせて加工されているが、メスコネクタ12が設置される防水ケース13の形状としては特に限定されるものではない。メスコネクタ12は、上述のように、オスコネクタ11のプラグ部15が挿入される端子挿入孔16を備えている。端子挿入孔16の内部側には、図示しない端子係止部があり、そこにプラグ部15の先端にある端子板17が挿入される。なお、端子挿入孔16の内壁面は、一般的にプラスチック材料から構成されている。
【0027】
図1に示すように、端子挿入孔16には、スライドリング20が設置されている。このスライドリング20は、コネクタシール部位19を保護する機能を有する。具体的には、スライドリング20は、オスコネクタ11をメスコネクタ12に嵌め込む際に、コネクタシール部位19に端子板17が接触することを防止して損傷を防止するために設けられている。なお、フランジ部18の損傷を高度に防止するために、スライドリング20は、端子挿入孔16の入口からコネクタシール部位19までの内壁面を保護することがさらに好ましい。この場合には、図1に示すように、端子挿入孔16の入口からコネクタシール部位19までの内壁面をカバーするようにスライドリング20が設置される。以下では、スライドリング20は、端子挿入孔16の入口からコネクタシール部位19までの内壁面を保護するものとして説明する。
【0028】
スライドリング20は、リング形状であって貫通孔を有しており、その貫通孔の内径、即ちスライドリング20の内径は、プラグ部15が挿入できるようにプラグ部15の直径よりも大きくなるように設計されている。スライドリング20の外径は、端子挿入孔16の内径と同程度であり、スライドリング20の外周部は端子挿入孔16の内壁面に当接している。プラグ部15が嵌め込まれる際に、端子板17がコネクタシール部位19を通過するまでは動くことがないように、スライドリング20の外径としては、端子挿入孔16の内径よりもやや大きめであることが好ましい。なお、スライドリング20は、端子挿入孔16の内壁面を傷つけないように、プラスチック材料やゴム材料などから構成されることが好ましい。
【0029】
上述のように、スライドリング20は、端子挿入孔16の入口からコネクタシール部位19までの端子挿入孔16の内壁面を保護する。そして、プラグ部15が端子挿入孔16に挿入される際に、コネクタシール部位19から移動してコネクタシール部位19を開放する。スライドリング20の移動は、図2に示すように、フランジ部18によって押進されることにより行われる。即ち、フランジ部18は、プラグ部15が端子挿入孔16に嵌め込まれる際に、端子挿入孔16の入口から導入されてスライドリング20を押進し、スライドリング20によって保護されていた端子挿入孔16の内壁面に接触しながら内部側に移動して最終的にコネクタシール部位19に密着する。従って、オスコネクタ11のフランジ部18は、スライドリング20によって保護されたコネクタシール部位19に隙間なく密着することができ、優れたシール性能を確保することができる。また、端子挿入孔16の入口からコネクタシール部位19までの端子挿入孔16の内壁面には損傷が存在しないので、その部分を通過するフランジ部18が損傷を受けることがない。
【0030】
端子挿入孔16は、図1等に示すように、入口から中央付近にかかる端子挿入孔16の内径が大きな第一内径部22と、中央付近からコネクタの内部側にかかる第一内径部22よりも内径の小さい第二内径部23とから構成することができる。この二段構造により、スライドリング20の移動を可能にし、且つスライドリング20がコネクタ10の内部側に入り込み過ぎないように、上記のスライドリング20の移動を制限することができる。即ち、スライドリング20の外径は、上述のように、端子挿入孔16の内径、具体的には、第一内径部22の内径と同程度であり、スライドリング20の外周部は端子挿入孔16の第一内径部22の内壁面に当接している。従って、誤ってプラグ部15の先端でスライドリング20が押進された場合などにおいても、スライドリング20が第二内径部23に侵入することはない。なお、第一内径部22と第二内径部23とは連続して形成されることが好ましく、第一内径部22は、端子挿入孔16の入口から所定距離の間に形成することができる。ここで所定距離とは、少なくとも、スライドリング20が移動してコネクタシール部位19を開放できる距離であることが要求され、具体的には、上記のように、端子挿入孔16の中央付近であることが好ましい。
【0031】
オスコネクタ11には、図3に示すように、プラグ部15の端子板17とフランジ部18との間の外周面上に、スライドリング20を押進するツメ部21を設けることができる。ツメ部21を含む部分のプラグ部15の直径は、端子挿入孔16よりも小さく且つスライドリング20の内径よりも大きくなるように設定される。従って、ツメ部21によりスライドリング20を移動させることができ、その移動をさらにスムーズに行うことができる。なお、ツメ部21の構成材料としては、スライドリング20の移動をスムーズに行い且つ端子挿入孔16の内壁面を傷つけない等の観点から、フランジ部18の構成材料よりも剛性の高いプラスチックやゴムであることが好ましい。
【0032】
以上のように、コネクタ10によれば、スライドリング20によって、プラグ部15が嵌め込まれる際に、オスコネクタ11の端子板17が、メスコネクタ12の端子挿入孔16の入口からコネクタシール部位19までの内壁面に接触して損傷を与えることを防止することができる。また、スライドリング20は、端子板17がコネクタシール部位19を通過した後に、フランジ部18又はツメ部21によって押進されてコネクタシール部位19を開放するので、スライドリング20によって保護されたコネクタシール部位19に隙間なく密着することができ、優れたシール性能を確保することができる。
【0033】
プラグ部15を端子挿入孔16に嵌め込む作業は、電力ケーブル14の可撓性が低く且つ端子板17が大きいため、細心の注意が払われ慎重且つ時間を掛けて行われていたが、コネクタ10によれば端子板17がメスコネクタ12の端子挿入孔16の入口からコネクタシール部位19までの内壁面に接触するおそれがないので作業の負荷を大幅に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】オスコネクタ及びメスコネクタから構成されるモータ駆動車用の電力ケーブルコネクタの構成を示す模式図であり、非接続状態を示す図である。
【図2】図1においてオスコネクタがメスコネクタに嵌め込まれた接続状態を示す模式図である。
【図3】図2においてプラグ部にツメ部を備えるオスコネクタを適用した様子を示す模式図である。
【符号の説明】
【0035】
10 モータ駆動車用の電力ケーブルコネクタ、11 オスコネクタ、12 メスコネクタ、13 防水ケース、14 電力ケーブル、15 プラグ部、16 端子挿入孔、17 端子板、18 フランジ部、19 コネクタシール部位、20 スライドリング、21 ツメ部、22 第一内径部、23 第二内径部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子挿入孔を有するメスコネクタと、端子挿入孔に挿入されるプラグ部を有し電力ケーブルを内蔵するオスコネクタと、から構成され、プラグ部は、その端部に電力ケーブルと接続された端子板と、外周面上にフランジ部と、をそれぞれ有し、フランジ部は、端子挿入孔の内壁面上のコネクタシール部位に押し付けられてコネクタの内部をシールする電力ケーブルコネクタにおいて、
メスコネクタは、コネクタシール部位を保護するスライドリングを備え、
スライドリングは、プラグ部が端子挿入孔に挿入される際に、コネクタシール部位から移動してそのシール部位を開放することを特徴とする電力ケーブルコネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載の電力ケーブルコネクタにおいて、
スライドリングは、端子挿入孔の入口からコネクタシール部位までの内壁面を保護することを特徴とする電力ケーブルコネクタ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電力ケーブルコネクタにおいて、
メスコネクタの端子挿入孔は、端子挿入孔の入口から所定距離までの第一内径部と、第一内径部よりもコネクタの内部側に形成され、且つ第一内径部よりも内径の小さい第二内径部とから構成され、
スライドリングは、第一内径部の内壁面に当接して配置されることを特徴とする電力ケーブルコネクタ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1に記載の電力ケーブルコネクタにおいて、
プラグ部の外周面上に設けられたフランジ部が、プラグ部が端子挿入孔に挿入される際にスライドリングを押進することを特徴とする電力ケーブルコネクタ。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1に記載の電力ケーブルコネクタにおいて、
オスコネクタは、プラグ部の端子板とフランジ部との間の外周面上に、プラグ部が端子挿入孔に挿入される際にスライドリングを押進するツメ部を有することを特徴とする電力ケーブルコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−230968(P2009−230968A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−73313(P2008−73313)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】