説明

電力ユニットの冷却装置

【課題】熱交換器による放熱量を正確に制御できること。
【解決手段】電力を発生する発電部が電力ユニットに備えられ、この発電部からの水蒸気及び空気を冷却する熱交換器43と、この熱交換器43への冷却風を発生する冷却ファン44と、熱交換器43と冷却ファン44を連結して冷却風を案内する排出ダクト52とを有する電力ユニットの冷却装置50において、排出ダクト52は樹脂にて構成されると共に、金属製の支持枠46に取り付けられて支持され、熱交換器43及び冷却ファン44は、排出ダクト52の両側に設けられた流入開口部59、排出開口部60にそれぞれ取り付けられて、この排出ダクト52を介して支持枠体46に支持されたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力ユニットの冷却装置に係り、特に発電部を備えた電力ユニットにおいて、熱交換器及び冷却ファンを有する電力ユニットの冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在販売されているハンドル型電動車椅子車両は、電動モータを駆動するための電力がバッテリから供給されるものがほとんどであるが、近年、燃料電池にて発生した電力を電動モータへ供給する燃料電池搭載型の車両が開発されている。
【0003】
燃料電池は、電気化学反応により電力を発生するが、この反応に伴い発熱するため、燃料電池からは、高温の水蒸気を含んだ排ガスが排出されることになる。一方、特にダイレクトメタノール型燃料電池システムでは、燃料となるメタノールは希釈されて燃料電池へ供給されるが、この希釈用に上記排ガス中の水が利用される。
【0004】
そこで、燃料電池からの排ガス(空気、水蒸気など)を熱交換器内に流動させ、この熱交換器へ冷却ファンから冷却風を送風させる冷却装置を備えたダイレクトメタノール型燃料電池システムを有する小型電動車両が特許文献1に開示されている。この冷却装置により排ガス中の水蒸気が凝縮されて水が生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−74201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に記載の冷却装置では、熱交換器が、車体フレームに固着された金属製の支持部材に直接取り付けられているので、この支持部材を介して熱交換器の熱が放熱され、または熱交換器へ熱が吸熱されてしまう。このため、熱交換器の放熱量を冷却ファンの作動による冷却風量によって正確に制御できず、希釈用の水が生成され過ぎて溢水したり、生成水が不足して燃料の希釈が不適切となり燃料電池システムが停止してしまう恐れがある。
【0007】
また、冷却ファンからの冷却風が熱交換器の全面に均一に当たらない場合があり、この場合には、熱交換器の冷却効率が低下してしまい、熱交換器を大型化しなければ冷却性能を確保できない恐れがある。
【0008】
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、熱交換器による放熱量を正確に制御できる電力ユニットの冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、電力を発生する発電部が電力ユニットに備えられ、この発電部からの流体を冷却する熱交換器と、この熱交換器への冷却風を発生する冷却ファンと、前記熱交換器と前記冷却ファンを連結して冷却風を案内するダクトと、を有する電力ユニットの冷却装置において、前記ダクトは樹脂にて構成されると共に、金属製の支持枠体に取り付けられて支持され、前記熱交換器及び前記冷却ファンは、前記ダクトの両側に設けられた開口部に取り付けられ、このダクトを介して前記支持枠体に支持されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、熱交換器は、熱伝導率の高い金属製の支持枠体に接触するのではなく、熱伝導率の低い樹脂製のダクトに接触し、このダクトを介して前記支持枠体に支持される。このため、熱交換器が支持枠体から熱的に絶縁されることになるので、この熱交換器による放熱量を、冷却ファンの作動による冷却風量によって正確に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る電力ユニットの冷却装置における一実施形態が適用された燃料電池搭載電動車両を示す全体側面図。
【図2】図1の車体カバー内部の動力室における電力ユニットを示す斜視図。
【図3】図2の電力ユニットにおける一部(冷却装置)を拡大して示す斜視図。
【図4】図3の冷却装置を示す正面図。
【図5】図3の冷却装置を示す平面図。
【図6】図3の冷却装置を示す水平断面図。
【図7】燃料電池システムのシステム構成を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る電力ユニットの冷却装置における一実施形態が適用された燃料電池搭載電動車両を示す全体側面図である。
【0014】
図1に示す燃料電池搭載電動車両としてのハンドル型電動車椅子車両10は、車両の前端部に左右一対の前輪11が、車両の後端部に左右一対の後輪12がそれぞれ設けられ、車両前部に、運転者用の足載せ部としての低床の足載せフロア13が、車両後部に運転シート14がそれぞれ設置され、この運転シート14の下方に、車体カバー15で覆われた空間に電力ユニット16(図2)を収容した動力室17が設けられて構成される。
【0015】
図1に示す足載せフロア13は、運転シート14に着座した一人の運転者が足を揃えて置くことが可能になるようにフラット形状に形成されている。また、運転シート14は、背もたれ付きの椅子型に構成される。
【0016】
電力ユニット16は、図2に示すように、燃料電池システム18及び二次電池19を有するハイブリッド型に構成される。この電力ユニット16は、燃料電池システム18にて発生した電力(電気エネルギー)と、この電力を蓄電した二次電池19からの電力を、電動モータを具備した駆動ユニット20(図1)へ供給して後輪12を駆動する。
【0017】
上述のハンドル型電動車椅子車両10の車体フレーム21はプラットフォーム型の車体フレームであり、車幅方向に左右一対配置されたメインフレーム22と、このメインフレーム22間に架設される複数本のビーム部材23(図2)とを有して構成される。また、メインフレーム22の中央前側には、足載せフロア13用のフロア部材24が、この一対のメインフレーム22間に架設される。更に、メインフレーム22の後部には、湾曲形状に形成されたシートパイプ25が跨設され、このシートパイプ25の中央頂部に、運転シート14を支持するシートポスト26が取り付けられている。
【0018】
このように構成された車体フレーム21の前端部に前輪11が、図1に示すように、前輪懸架装置(不図示)、及びステアリングポスト27を備えるステアリング機構によって左右に操舵可能に枢支される。ステアリングポスト27は、運転者の足元を覆うレッグシールド28内を上方へ向かって延び、その上端部に操向ハンドル29が回転一体に設けられる。前輪11は、ステアリングポスト27を介して操向ハンドル29により左右に操舵される。
【0019】
車体フレーム21の後端部に設けられたピボットブラケット30に、駆動ユニット20の前端部が上下方向にスイング自在に枢着されると共に、この駆動ユニット20は、クッションユニット31によって車体フレーム21のシートパイプ25に弾性的に支持される。この駆動ユニット20は、電動モータ及びギアケース(共に図示せず)を備える。
【0020】
さて、運転シート14の下方に配置された動力室17の電力ユニット16(図2)は燃料電池システム18を有するが、この燃料電池システム18はダイレクトメタノール型燃料電池システムである。ダイレクトメタノール型燃料電池システムは、メタノールを燃料として、発電部としての燃料電池(ダイレクトメタノール型燃料電池)の負極へ直接投入して電気エネルギーを発生させるものである。
【0021】
このダイレクトメタノール型燃料電池システムを、図7を用いて説明する。燃料電池としてのセルスタック32の負極に燃料を、正極に空気(酸素)をそれぞれ供給することにより、当該セルスタック32において電気化学反応が行われて電力が発生すると共に、負極に二酸化炭素が、正極に水が生ずる。
【0022】
燃料系については、燃料タンク33に貯溜された燃料(例えばメタノール54%水溶液)は、燃料ポンプ34によって循環タンク35へ供給され、この循環タンク35内で水により最適濃度(例えばメタノール3%水溶液)まで希釈される。この希釈された燃料は、燃料フィルタ(不図示)にて不純物が除去された後に、循環ポンプ37によってセルスタック32の負極へ送り込まれる。
【0023】
セルスタック32の出力特性は燃料濃度に大きく影響されるため、循環タンク35内の燃料濃度(メタノール水溶液濃度)が監視され、この濃度情報に基づき水ポンプ38及び燃料ポンプ34の駆動が制御されて、水タンク39から水が、燃料タンク33から燃料が循環タンク35内へそれぞれ供給されて、この循環タンク35内の燃料濃度が最適濃度になるように調整される。
【0024】
また、セルスタック32の負極出口から排出された未反応燃料と、電気化学反応により発生した二酸化炭素等は、金属イオン吸着フィルタ40を経て循環タンク35へ導かれ、未反応燃料は燃料として再利用され、二酸化炭素は水タンク39へ導入される。金属イオン吸着フィルタ40は未反応燃料(メタノール水溶液)中の金属イオンを吸着して除去し、これによりセルスタック32の発電効率の低下を防止する。
【0025】
空気系については、エアフィルタ41にて空気中の不純物が除去され、コンプレッサ42にてセルスタック32の正極へ空気(酸素)が圧送される。セルスタック32の正極出口からは、未反応の空気と、電気化学反応により生成された水とが排出される。
【0026】
ここで、セルスタック32の最適運転温度は70℃〜80℃程度と比較的高温であるため、生成水の多くは水蒸気の状態となっている。循環タンク35にて燃料(メタノール)を希釈するためには、生成水を水の状態にして水タンク39に貯溜する必要がある。そこで、セルスタック32の正極出口の未反応空気と水蒸気を熱交換器43へ導入し、この熱交換器43へ冷却ファン44の作動で冷却風を導くことにより、これらの未反応空気および水蒸気を冷却し、水蒸気を凝集させて生成水の回収率を高めている。この回収した生成水が、上述の如く燃料の希釈に利用される。
【0027】
熱交換器43により冷却された未反応空気及び水蒸気と、水タンク39に排出された二酸化炭素は、水タンク39内で混合され、排気フィルタ45により有害成分が除去された後に大気中へ排出される。
【0028】
上述のような構成の燃料電池システム18を含む電力ユニット16の構成部品のレイアウトを以下に説明する。
【0029】
図1及び図2に示すように、電力ユニット16では、動力室17において、シートパイプ25を境にして車両進行方向の前側に上述の燃料電池システム18が配置され、後側に二次電池19と、データロガー47と、燃料電池システム18を制御する燃料電池システムコントローラ48とが配置されている。データロガー47には、車両運転時における燃料電池システム18の状態に関するデータが格納されている。
【0030】
燃料電池システム18では、動力室17の前側下部にセルスタック32、循環タンク35、金属イオン吸着フィルタ40及び水タンク39(図2には不図示)等が配置される。更に、燃料電池システム18では、動力室17の前側上部に、エアフィルタ41、コンプレッサ42、排気フィルタ45、循環ポンプ37、水ポンプ38及び冷却装置50(つまり熱交換器43、冷却ファン44、吸入ダクト51、排出ダクト52(共に後述))等が配置されている。これら動力室17の前側上部に配置されるコンプレッサ42、排気フィルタ45及び冷却装置50等の機器は、車体フレーム21に取り付けられた支持枠体46によりこの車体フレーム21に支持される。
【0031】
一方、図1に示すように、燃料タンク33は、レッグシールド28内のステアリングポスト27の前方空間に配置され、車両前後方向の寸法が小さく、車両上下及び左右方向の寸法が大きな板形状に構成されている。符号49は、この燃料タンク33への燃料供給口である。
【0032】
前記冷却装置50は、前述の如く、セルスタック32(図7)の正極から排出された空気及び水蒸気を冷却し、水蒸気を凝縮して水として回収するものであり、図3〜図5に示すように、熱交換器43、冷却ファン44、吸入ダクト51及び排出ダクト52を有して構成される。ここで、図1に示すように、車体カバー15には、運転者用の足載せフロア13側の前壁53に冷却風取入口55が、車両幅方向の側壁54に冷却風排出口56がそれぞれ形成されている。
【0033】
図3〜図5に示す前記熱交換器43は、セルスタック32から排出された水蒸気及び空気を内部に流す間に、冷却ファン44の作動による冷却風(図3、図5、図6に矢印Aで示す)を用いて冷却するものである。また、前記冷却ファン44は、上記冷却風を発生するものである。
【0034】
前記吸入ダクト51は、合成樹脂製で箱形状に形成され、車両前方側に吸入開口部57が形成され、車両幅方向の一側に流出開口部58が形成される。吸入開口部57が車体カバー15の冷却風取入口55に、流出開口部58が熱交換器43にそれぞれ対向して配置される。従って、冷却ファン44の作動により、外気が車体カバー15の冷却風取入口55から冷却風として取り込まれ、図6に示すように、吸入ダクト51内を吸入開口部57から流出開口部58へ向かって直交する方向に流れる。
【0035】
図3〜図5に示すように、前記排出ダクト52は、合成樹脂製で箱形状に形成され、車両幅方向の一方の片側に第1開口部としての流入開口部59が、他方の片側に第2開口部としての排出開口部60がそれぞれ形成される。排出ダクト52の底面側には結合部61が設けられ、この結合部61が、金属製の前記支持枠体46にボルト等を用いて取り付けられることで、排出ダクト52が支持枠体46に固定して支持される。そして、この排出ダクト52の流入開口部59に熱交換器43が、排出開口部60に冷却ファン44が、それぞれボルト等で固定されて取り付けられる。従って、これらの熱交換器43及び冷却ファン44は、合成樹脂製の排出ダクト52を介して金属製の支持枠体46に支持される。
【0036】
この取り付け状態で、排出ダクト52は熱交換器43と冷却ファン44とを連結し、冷却ファン44は、車体カバー15の冷却風排出口56(図1)に対応して配置される。従って、冷却風44の作動により、吸入ダクト51から熱交換器43内へ流れて熱交換により温度上昇した冷却風は、熱交換器43から排出ダクト52に案内されて冷却ファン44へ向かって流れ、車体カバー15の冷却風排出口56から車両側方へ排出される。
【0037】
排出ダクト52の流入開口部59は、熱交換器43の側面形状に対応して長方形状に形成される。また、排出ダクト52の排出開口部60は、冷却ファン44の側面形状に対応して正方形状または円形状に形成される。従って、流入開口部59は、排出開口部60よりも大きな開口部面積に構成される。更に、図6に示すように、排出ダクト52の内部には、流入開口部59から排出開口部60へ向かって延びる複数枚の仕切り板62A、62B、62Cが、流入開口部59と排出開口部60の全領域に、所定間隔(例えば略等間隔)で配設される。これらの仕切り板62A、62B、62Cは、排出ダクト52の鉛直方向に沿って延在して立設される。
【0038】
これらの仕切り板62A、62B、62Cと排出ダクト52の側壁とによって、排出ダクト52内の空間は、熱交換器43から冷却ファン44へ向かう複数の流路63A、63B、63C、63Dに分割される。これらの流路63A〜63Dの流路断面積は、例えば略同一に形成される。このように排出ダクト52内に複数枚の仕切り板62A、62B、62Cが設けられて、排出ダクト52内に流路63A、63B、63C、63Dが形成されることにより、各流路63A〜63Dを流れる冷却風の流れが整流化される。と同時に、熱交換器43において、冷却ファン44に対向しないで外れた部分A2(図5)からも、冷却ファン44に対向した部分A1(図5)と同様に、これらの部分A1、A2を流れた冷却風が冷却ファン44に同様に案内されて吸引される。
【0039】
以上のように構成されたことから、本実施の形態によれば、次の効果(1)〜(4)を奏する。
【0040】
(1)合成樹脂製の排出ダクト52が金属製の支持枠体46に取り付けられて支持され、熱交換器43及び7冷却ファン44がこの排出ダクト52に取り付けられ、この排出ダクト52を介して支持枠体46に支持されている。このように、熱交換器43は、熱伝導率の高い金属製の支持枠体46に接触するのではなく、熱伝導率の低い樹脂製の排出ダクト52に接触し、この排出ダクト52を介して支持枠体46に支持される。このため、熱交換器43が支持枠体46から熱的に絶縁されることになるので、この熱交換器43による放熱量を、冷却ファン44の作動による冷却風量のみによって正確に制御できる。従って、ダイレクトメタノール型の燃料電池システム18においては、熱交換器43にて凝縮されて燃料(メタノール)の希釈用に使用される生成水の凝縮量を正確に制御できるので、生成水の不足による燃料電池システム18の停止や、過剰による水タンク39からの溢水を防止できる。
【0041】
(2)排出ダクト52内には、熱交換器43側の流入開口部59から冷却ファン44側の排出開口部60へ向かって延びる複数枚の仕切り板62A、62B、62Cが、流入開口部59、排出開口部60のそれぞれの全領域に所定間隔で形成されて、流路63A、63B、63C、63Dが排出ダクト52内に形成されている。このため、冷却ファン44の作動により、熱交換器43内を流れた冷却風は、これらの各流路63A〜63Dを通って同様に冷却ファン44に吸引される。この結果、冷却風の流路断面積が長方形状である熱交換器43の全体へ均一に冷却風を供給できるので、熱交換器43の冷却効率が向上し、この熱交換器43を小型化できる。
【0042】
(3)排出ダクト52内に形成される仕切り板62A、62B、62Cが排出ダクト52の鉛直方向に延在して設けられている。従って、これらの仕切り板62A〜62Cが補強メンバーとなるので、排出ダクト52の剛性を高めることができ、この排出ダクト52の耐久性を向上させることができる。
【0043】
(4)車体カバー15には、足載せフロア13側の前壁53に冷却風取入口55が、側壁54に冷却風排出口56がそれぞれ開口されたので、熱交換器43を通過して温度上昇した冷却風が冷却風排出口56を通って車両側方へ排出される。従って、温度上昇した冷却風が運転者に直接当たらないので、運転者に不快感を生じさせることがない。また、車体カバー15の冷却風排出口56に対応して冷却ファン44が車両側方に配置されたので、この冷却ファン44の騒音が運転者に直接伝達されることを防止できる。
【0044】
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0045】
例えば、本実施の形態では、燃料電池システム18がダイレクトメタノール型燃料電池システムの場合を述べたが、他の燃料電池システム、例えばメタノール改質型燃料電池システムに適用してもよい。また、本実施の形態では、車両がハンドル型電動車椅子車両10の場合を述べたが、他の燃料電池搭載電動車両に適用してもよい。
【符号の説明】
【0046】
10 ハンドル型電動車椅子車両(燃料電池搭載電動車両)
13 足載せフロア(足載せ部)
14 運転シート
15 車体カバー
16 電力ユニット
18 燃料電池システム
32 セルスタック(発電部)
43 熱交換器
44 冷却ファン
50 冷却装置
52 排出ダクト
53 前壁
54 側壁
55 冷却風取入口
56 冷却風排出口
59 流入開口部
60 排出開口部
61 結合部
62A、62B、62C 仕切り板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を発生する発電部が電力ユニットに備えられ、
この発電部からの流体を冷却する熱交換器と、この熱交換器への冷却風を発生する冷却ファンと、前記熱交換器と前記冷却ファンを連結して冷却風を案内するダクトと、を有する電力ユニットの冷却装置において、
前記ダクトは樹脂にて構成されると共に、金属製の支持枠体に取り付けられて支持され、
前記熱交換器及び前記冷却ファンは、前記ダクトの両側に設けられた開口部に取り付けられ、このダクトを介して前記支持枠体に支持されたことを特徴とする電力ユニットの冷却装置。
【請求項2】
前記ダクトは、熱交換器側の第1開口部が、冷却ファン側の第2開口部よりも大きな面積に形成され、このダクト内には、前記第1開口部から前記第2開口部へ延びる仕切り板が、前記第1開口部と前記第2開口部のそれぞれの全領域に複数枚、所定間隔に配設されたことを特徴とする請求項1に記載の電力ユニットの冷却装置。
【請求項3】
前記仕切り板は、ダクトの鉛直方向に延在して設けられたことを特徴とする請求項2に記載の電力ユニットの冷却装置。
【請求項4】
前記電力ユニットは、一人の運転者が着座する運転シートの下方で車体カバーに囲まれた空間内に収納され、前記発電部が発電した電力により走行可能な電動車両に搭載されたものであることを特徴とする請求項1に記載の電力ユニットの冷却装置。
【請求項5】
前記発電部がダイレクトメタノール型燃料電池であることを特徴とする請求項4に記載の電力ユニットの冷却装置。
【請求項6】
前記車体カバーには、運転者の足載せ部側の前壁に冷却風取入口が、車両幅方向の側壁に冷却風排出口がそれぞれ形成されたことを特徴とする請求項4に記載の電力ユニットの冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−25861(P2011−25861A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175139(P2009−175139)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】