説明

電力使用量抑制システム

【課題】 事前に電力使用量を抑え、計画停電を回避できる電力使用量抑制システムを提供することである。
【解決手段】 電力供給量監視装置3は電力会社1の電力供給量を監視する。電力使用量監視装置5は電力会社1のサービスエリア内の電力使用量を監視する。サーバ7は、電力供給量と電力使用量との関係が所定条件を満足したときに、ネットワーク9を介して、携帯端末13に電源オフ命令を送信する。電源制御器15は、電源オフ命令を受信した携帯端末13の指示を受けて、電力会社1が供給する電力を使用する家庭電化製品17の電源をオフにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力会社のサービスエリア内の電力使用量を抑制する電力使用量抑制システム及びその関連技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のモバイル型電源制御ユニットは、携帯電話への着信を検出し、着信信号を負荷側機器に伝達して、その電源のON/OFFを制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−159998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この電源制御ユニットは、電力会社の電力供給量や電力使用量に応じてON/OFFを制御するものではない。
【0005】
ところで、震災等の天災により、原子力発電所等の発電所が被害を受け、電力需要が電力供給能力を上回る事態が発生しうる。電力会社は、電力需要が電力供給能力を上回ると予想すると、送電の停止を予告した上で停電を行うこともある(計画停電)。
【0006】
このような計画停電は、電力利用者に極度の節電を強いる場合もあり、負担が大きい。特に、工場等への影響は、一般家庭に比べればはるかに大きくなり、経済への影響が甚大となる場合もある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、事前に電力使用量を抑え、計画停電を回避できる電力使用量抑制システム及びその関連技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点によると、電力使用量抑制システムは、電力会社の電力供給量を監視する電力供給監視手段と、前記電力会社のサービスエリア内の電力使用量を監視する電力使用監視手段と、前記電力供給量と前記電力使用量との関係が所定条件を満足したときに、ネットワークを介して、携帯端末に所定の情報を送信する制御手段と、前記所定の情報を受信した前記携帯端末の指示を受けて、前記電力会社が供給する電力を使用する電子機器の電源をオフにする電源制御手段と、を備える。
【0009】
この構成によれば、電力供給量と電力使用量との関係が所定条件を満足したときに、つまり、電力供給量及び電力使用量に応じて、携帯端末及び電源制御手段を介して、電子機器の電源がオフにされる。このため、計画停電の条件を満足する前に、電力使用量を抑え、計画停電を回避できる。
【0010】
本発明の第2の観点によると、電力使用量抑制システムは、電力会社のサービスエリア内の電力使用量を監視する電力使用監視手段と、前記電力会社の電力供給能力と前記電力使用量との関係が所定条件を満足したときに、ネットワークを介して、携帯端末に所定の情報を送信する制御手段と、前記所定の情報を受信した前記携帯端末の指示を受けて、前記電力会社が供給する電力を使用する電子機器の電源をオフにする電源制御手段と、を備える。
【0011】
この構成によれば、電力供給能力と電力使用量との関係が所定条件を満足したときに、つまり、電力供給能力及び電力使用量に応じて、携帯端末及び電源制御手段を介して、電子機器の電源がオフにされる。このため、計画停電の条件を満足する前に、電力使用量を抑え、計画停電を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態による電力使用量抑制システムの全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付してその説明を援用する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態による電力使用量抑制システムの全体構成を示す図である。図1を参照して、この電力使用量抑制システムは、電力供給量監視装置3、電力使用量監視装置5、サーバ7、及び、電源制御器15を備える。
【0015】
電力供給量監視装置3、電力使用量監視装置5、およびサーバ7は、電力会社1に配置される。もちろん、これらの配置場所は、限定されず、任意の場所に配置してよいし、また、別々の場所に配置してもよい。
【0016】
電力供給量監視装置3は、電力会社1の電力供給量を監視し、監視結果(電力供給量)をサーバ7に与える。電力使用量監視装置5は、電力会社1のサービスエリア内の電力使用量を監視し、監視結果(電力使用量)をサーバ7に与える。
【0017】
サーバ7は、電力供給量と電力使用量との関係が所定条件を満足したときに、ネットワーク9を介して、携帯端末13に電源オフ命令を送信する。携帯端末13は、例えば、携帯電話、スマートフォン、及び、PDA等である。ネットワーク9は、携帯電話網、インターネット、及びLAN等を含む。
【0018】
上記所定条件は、計画停電を回避するように経験的に定められる。例えば、上記所定条件は、電力会社1が計画停電を実施する際の条件等に基づき、経験的に定められる。電力会社1が計画停電を実施する際の条件は、例えば、電力会社1の電力供給能力及び予想電力使用量等に基づき定められる。
【0019】
携帯端末13は、電源オフ命令を受けて、電源制御器15に対して、電源オフ信号を家庭電化製品17に与えるよう指示する。家庭電化製品17は、電子機器の一例であり、例えば、個人宅11に配置されたエアコン等であり、特に限定されるものではない。
【0020】
携帯端末13に接続された電源制御器15は、電源オフ命令を受信した携帯端末13の指示を受けて、電力会社1が供給する電力を使用する家庭電化製品17に、電源オフ信号を与え、家庭電化製品17の電源をオフにする。電源制御器15は、例えば、家庭電化製品17を操作する赤外線リモコンが出力する電源オフ信号と同じ電源オフ信号を家庭電化製品17へ送信する。また、例えば、携帯端末13が有する赤外線リモコン機能により、電源制御器15を実現することもできる。
【0021】
さて、以上のように、本実施の形態によれば、電力供給量と電力使用量との関係が所定条件を満足したときに、つまり、電力供給量及び電力使用量に応じて、携帯端末13及び電源制御器15を介して、家庭電化製品17の電源がオフにされる。このため、計画停電の条件を満足する前に、電力使用量を抑え、計画停電を回避できる。
【0022】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば、以下のような変形も可能である。
【0023】
サーバ7は、電力会社1の電力供給能力と電力使用量との関係が所定条件を満足したときに、ネットワーク9を介して、携帯端末13に電源オフ命令を送信することもできる。
【符号の説明】
【0024】
1…電力会社、3…電力供給量監視装置、5…電力使用量監視装置、7…サーバ、9…ネットワーク、11…個人宅、13…携帯端末、15…電源制御器、17…家庭電化製品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力会社の電力供給量を監視する電力供給監視手段と、
前記電力会社のサービスエリア内の電力使用量を監視する電力使用監視手段と、
前記電力供給量と前記電力使用量との関係が所定条件を満足したときに、ネットワークを介して、携帯端末に所定の情報を送信する制御手段と、
前記所定の情報を受信した前記携帯端末の指示を受けて、前記電力会社が供給する電力を使用する電子機器の電源をオフにする電源制御手段と、を備える電力使用量抑制システム。
【請求項2】
電力会社のサービスエリア内の電力使用量を監視する電力使用監視手段と、
前記電力会社の電力供給能力と前記電力使用量との関係が所定条件を満足したときに、ネットワークを介して、携帯端末に所定の情報を送信する制御手段と、
前記所定の情報を受信した前記携帯端末の指示を受けて、前記電力会社が供給する電力を使用する電子機器の電源をオフにする電源制御手段と、を備える電力使用量抑制システム。

【図1】
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