説明

電力供給システム

【課題】停電等の非常時において、系統電源とは別の供給電源から電力を供給する電力供給システムを提供することを目的とする。
【解決手段】系統電源1から複数の機器3a〜3c,4a〜4cおよび複数の回路20A〜20Cに電力を供給するための分電盤10Aを介して前記系統電源1に接続され、前記複数の機器および前記複数の回路に電力を供給するための非常時分電盤10Bと、前記非常時分電盤10Bに接続されている、前記系統電源1とは別の供給電源2,6と、前記非常時分電盤10Bに接続されている前記系統電源1と別の供給電源とのいずれかの電源を選択する制御手段30と、を備え、前記制御手段30は、停電または電力使用制限の非常時には非常時分電盤10Bに接続されている前記別の供給電源を選択し、この選択された前記別の供給電源2,6から前記機器および前記回路に電力を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、系統電源(商用電源)の供給事業者が供給する電力を購入するだけではなく、需要者側においてエネルギーの創出や蓄積を行う技術が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、発電機器、蓄電機器、蓄熱機器、水素貯蔵機器を含む分散エネルギー機器を用い、エネルギーの需要および供給の実績に基づいて、エネルギーの需要および供給を予測し、予測値に基づいて分散エネルギー機器を制御する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−312798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、停電等の非常時において、系統電源とは別の供給電源(発電機器、蓄電機器等)から電力を供給する構成については提案されていなかった。
【0006】
本発明は、停電等の非常時において、系統電源とは別の供給電源から電力を供給する電力供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題の少なくとも一つを解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば、図1、図2に示すように、
系統電源1に接続され、この系統電源1から複数の機器3a〜3c,4a〜4cおよび複数の回路20A〜20Cに電力を供給するための分電盤10Aと、
この分電盤10Aを介して前記系統電源1に接続され、前記複数の機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記複数の回路20A〜20Cに電力を供給するための非常時分電盤10Bと、
前記非常時分電盤10Bに接続されている、前記系統電源1とは別の供給電源2,6と、
前記非常時分電盤10Bにそれぞれ接続されている前記系統電源1と別の供給電源2,6とのいずれかの電源を選択する制御手段30と、
を備え、
前記複数の回路20A〜20Cは、前記複数の機器3a〜3c,4a〜4cにそれぞれ対応して接続されており、各回路20A〜20Cからこの回路20A〜20Cに対応する前記機器3a〜3c,4a〜4cに電力が供給され、
前記制御手段30は、停電または電力使用制限の非常時には前記非常時分電盤10Bを制御して非常時分電盤10Bに接続されている前記別の供給電源2,6を選択し、この選択された前記別の供給電源2,6から前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに電力を供給する
ことを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、前記制御手段30が、停電または電力使用制限の非常時には非常時分電盤10Bに接続されている前記別の供給電源2,6を選択し、この選択された前記別の供給電源2,6から前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに電力を供給するので、停電または電力使用制限の非常時において、系統電源1とは別の供給電源2,6から電力を供給する電力供給システム100を提供することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、例えば、図1、図2に示すように、
請求項1に記載の電力供給システム100において、
前記非常時において、前記非常時分電盤に、前記別の供給電源を選択するための指示を与えるための表示操作モニター7を更に備え、
前記非常時には、前記別の供給電源2,6または前記表示操作モニター7用の内部電源33から、前記表示操作モニター7に電力が供給され、前記表示操作モニター7の表示操作を可能にする
ことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、前記非常時には、前記別の供給電源2,6または前記表示操作モニター7用の内部電源33から、前記表示操作モニター7に電力を供給し、前記表示操作モニター7の表示操作を可能にするので、系統電源1からの電力の供給が停止しても、制御手段30は非常時分電盤10Bを制御することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、例えば、図1、図2に示すように、
請求項2に記載の電力供給システム100において、
前記表示操作モニター7は、前記非常時に使用が予想される前記機器3a〜3c,4a〜4cに対応する電力消費量およびこの機器3a〜3c,4a〜4cに電力を供給する前記回路20A〜20Cに対応する電力消費量を予め記憶している記憶手段35と、表示部7aとを更に有し、
前記非常時に、前記表示操作モニター7は、前記記憶手段35から読み出した非常時に使用が予想される前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに対応する電力消費量、および、前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cの優先順位を選択可能に前記表示部7aに表示し、前記制御手段30は、選択された前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cの優先順位を前記記憶手段35に記憶する
ことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、前記非常時に、前記表示操作モニター7は、前記記憶手段35から読み出した非常時に使用が予想される前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに対応する電力消費量、および、前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cの優先順位を選択可能に前記表示操作モニター7の表示部7aに表示し、前記制御手段30は、選択された機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cの優先順位を前記記憶手段35に記憶できるので、非常時において必要な前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cの電力消費量を考慮してユーザが優先順位を選択し、この選択された機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cの優先順位を記憶手段35に記憶させることが可能になる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、例えば、図1、図2に示すように、
請求項3に記載の電力供給システム100において、
前記表示操作モニター7は、前記別の供給電源2,6から供給可能な電力を求め、前記記憶手段35から読み出した非常時に使用が予想される前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに対応する電力消費量から当該機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cの予測される電力消費量を自動的に求める演算手段32を更に有し、
前記非常時に、ユーザにより使用したい前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cが選択された場合、前記表示操作モニター7は、前記演算手段32により求められた前記供給可能な電力と前記選択された前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに対応する予測された電力消費量とを前記表示部7aに表示する
ことを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、前記非常時に、ユーザにより使用したい前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cが選択された場合、前記表示操作モニター7は、前記演算手段32により求められた前記供給可能な電力と前記選択された前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに対応する予測された電力消費量とを前記表示部7aに表示するので、前記供給可能な電力と、前記選択された前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに対応する予測された電力消費量とを対比可能に表示できる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、例えば、図1、図2に示すように、
請求項4に記載の電力供給システム100において、
前記非常時分電盤10Bは、非常時には、前記系統電源1から前記別の供給電源2,6に切り替える切替手段10B1〜10B3を更に有し、
前記切替手段10B1〜10B3は、前記選択された前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに対応する予測された電力消費量および前記優先順位に従って、前記系統電源1から前記別の供給電源2,6に切り替え、前記別の供給電源2,6から前記選択された機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに電力を供給する
ことを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、前記切替手段10B1〜10B3は、前記選択された前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに対応する予測された電力消費量および前記優先順位に従って、前記系統電源1から前記別の供給電源2,6に切り替え、前記別の供給電源2,6から前記選択された機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに電力を供給するので、非常時において必要な前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに優先的に電力を供給することが可能になる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、例えば、図1、図2に示すように、
請求項4または5に記載の電力供給システム100において、
前記演算手段32は、前記選択された機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cの電力消費量と前記別の供給電源2,6から供給可能な電力量とから、前記別の供給電源2,6から前記選択された機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cへ電力を継続的に供給可能な継続時間を求め、
前記表示操作モニター7は、前記別の供給電源2,6から、前記選択された機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cへ電力を継続的に供給する継続時間を前記表示部7aに表示する
ことを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、前記表示操作モニター7は、前記別の供給電源2,6から、前記選択された機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cへ電力を継続的に供給する継続時間を前記表示部7aに表示するので、ユーザは、継続時間を容易に知ることができ、節電等の対策を講じることができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、例えば、図1、図2に示すように、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の電力供給システム100において、
前記別の供給電源は、蓄電装置6を含む複数の供給電源2,6であり、これらの供給電源2,6のうち一つが太陽光発電装置2aまたはガスを用いたガス発電装置2bであり、
前記制御手段30は、この発電装置の発電電力に余剰電力が生じた場合には、この余剰電力を前記発電装置から前記蓄電装置6へ供給する
ことを特徴とする。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、前記制御手段30は、この発電装置の発電電力に余剰電力が生じた場合には、この余剰電力を前記発電装置から前記蓄電装置6へ供給するので、非常時においても蓄電が可能となる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、例えば、図1、図2に示すように、
請求項7に記載の電力供給システム100において、
前記制御手段30は、前記太陽光発電装置2aから供給可能な電力が不安定または不足すると判断した場合には、前記優先順位の低い機器3a〜3c,4a〜4cおよび回路20A〜20Cへの電力供給を停止する
ことを特徴とする。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、前記制御手段30は、前記太陽光発電装置2aから供給可能な電力が不安定または不足すると判断した場合には、前記優先順位の低い機器3a〜3c,4a〜4cおよび回路20A〜20Cへの電力供給を停止するので、優先順位の高い機器3a〜3c,4a〜4cおよび回路20A〜20Cへの電力供給を継続することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、停電等の非常時において、系統電源とは別の供給電源から電力を供給する電力供給システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る電力供給システムを示す図であり、回路構成を示す概略図である。
【図2】同、表示操作モニターに係る機能ブロック図の一例を示す図である。
【図3】同、フローチャートを示す図である。
【図4】同、表示操作モニターの画面の一例を示す図である。
【図5】同、表示操作モニターの画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0026】
<実施の形態>
図1において、電力供給システム100は、系統電源1に接続され、この系統電源1から複数の照明器具3a〜3c,炊飯器4a,冷蔵庫4b,テレビ(TV)4cおよび複数の回路20A〜20Cに電力を供給するための分電盤10Aと、この分電盤10Aを介して前記系統電源1に接続され、前記系統電源1から前記複数の照明器具3a〜3c,炊飯器4a,冷蔵庫4b,テレビ4cおよび前記複数の回路20A〜20Cとに電力を供給するための非常時分電盤10Bを備えている。複数の照明器具3a〜3c,炊飯器4a,冷蔵庫4b,テレビ4cは、本発明の「複数の機器」に相当する。更に、電力供給システム100は、前記非常時分電盤10Bに接続されている、前記系統電源1とは別の供給電源である発電装置2および蓄電装置6と、系統電源1または別の供給電源である発電装置2および蓄電装置6から供給可能な電力および電力量の表示、および、複数の機器3a〜3c,4a〜4cへの電力供給の制御等を行う表示操作モニター7とを備えている。発電装置2は太陽光発電装置2aおよびガス発電装置2bであり、蓄電装置6は蓄電池6aおよびプラグインハイブリッド車(PHV)または電気自動車(EV)等の充放電可能な車両6bである。
【0027】
前記非常時分電盤10Bは、建物内に通常設置されている分電盤10Aに接続され、分電盤10Aを介して系統電源1から電力が供給され、この電力が前記非常時分電盤10Bから前記複数の機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記複数の回路20A〜20Cへの配線を介して前記複数の機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記複数の回路20A〜20Cに供給される。
【0028】
前記非常時分電盤10Bは、系統電源1および別の供給電源(発電装置2および蓄電装置6)のいずれか一方に電力の供給元を切替える切替スイッチ(切替SW)10B1〜10B3と、別の供給電源(発電装置2および蓄電装置6)からの漏電を遮断する漏電遮断器21を有している。切替スイッチ10B1〜10B3は、本発明の「切替手段」に相当する。漏電遮断器21は、太陽光発電装置2a、ガス発電装置2b、蓄電池6a、車両6bの各々に接続して設けられている。漏電遮断器21は、漏電を検知すると、太陽光発電装置2a、ガス発電装置2b、蓄電池6a、車両6bの各々からの電力の供給を遮断する。
【0029】
(表示操作モニター)
前記表示操作モニター7は、図2に示すように、タッチパネル式の各種操作を行う操作部34と、この操作部34と一体に構成されている、供給可能な電力および電力量等を表示する表示部7aと、非常時分電盤10Bに接続されている前記系統電源1と別の供給電源2,6とのいずれかの電源を選択するために切替スイッチ10B1〜10B3等を制御する制御手段30と、外部ネットワークと通信を行う通信手段31、各種演算を行う演算手段32と、内部電源33と、計時手段37とを備えている。
【0030】
ユーザは、表示操作モニター7の操作部34を操作して、前記制御手段30に各種指示を与える。停電または電力使用制限の非常時には、前記別の供給電源2,6または前記表示操作モニター7用の内部電源33から、前記表示操作モニター7に電力が供給され、前記表示操作モニター7の表示操作を可能にする。
前記表示操作モニター7および制御部30への電力の供給については、例えば、非常時前、即ち、通常時において、表示操作モニター7に前記別の供給電源2,6から電力が供給されている場合は、非常時においても引き続き表示操作モニター7に電力を供給することで前記制御手段30への電力供給が可能である。また、通常時において表示操作モニター7に電力が供給されていない場合は、前記表示操作モニター7用の内部電源33が、UPS(無停電電源装置)として機能し、表示操作モニター7に電力が供給することで前記制御手段30への電力供給が可能である。なお、前記別の供給電源2,6として、UPS(無停電電源装置)機能を有するものを用いてもよい。なお、制御手段30を表示操作モニターの外部に設けてもよい。
電力使用制限は、例えば、大口需要家(契約電力500キロワット以上)の使用最大電力を限る措置であり、所定の期間の平日の昼間に「昨年の同じ期間・時間帯の使用最大電力から15%減らした値」を上限に制限するといった電気事業法に定められている措置である。
また、非常時においては、系統電源1からの電力供給が停止しても、前記別の供給電源2,6または前記表示操作モニター7用の内部電源33から電力が供給され、切替スイッチ10B1〜10B3の切替操作が可能となり、前記太陽光発電装置2a、ガス発電装置2b、蓄電池6a、車両6bのうち少なくとも一つの別の供給電源を選択可能である。
【0031】
前記制御手段30は、通常時において、切替スイッチ10B1が系統電源1から台所用配線25Aへの回路20Aを形成し、切替スイッチ10B2が系統電源1から台所用配線25Bへの回路20Bを形成し、切替スイッチ10B3が系統電源1から居間用配線25Cへの回路20Cを形成するように、各切替スイッチ10B1〜10B3を系統電源1側へ切替制御する。
【0032】
また、前記制御手段30は、前記非常時には非常時分電盤10Bに接続されている前記太陽光発電装置2a、ガス発電装置2b、蓄電池6a、車両6bのうち少なくとも一つの別の供給電源を選択し、この選択された前記別の供給電源から複数の照明器具3a〜3c,炊飯器4a,冷蔵庫4b,テレビ(TV)4cおよび前記回路20A〜20Cに電力を供給することができる。
【0033】
前記制御手段30は、非常時において、切替スイッチ10B1が前記選択された少なくとも一つの別の供給電源から台所用配線25Aへの回路20Aを形成し、切替スイッチ10B2は前記選択された少なくとも一つの別の供給電源から台所用配線25Bへの回路20Bを形成し、切替スイッチ10B3は前記選択された少なくとも一つの別の供給電源から居間用配線25Cへの回路20Cを形成するように、各切替スイッチ10B1〜10B3を前記別の供給電源2,6側に切替制御する。
【0034】
また、図2に示すように、制御手段30は、家庭内負荷(照明器具3a〜3c、炊飯器4a,冷蔵庫4b,テレビ4c)の消費電力量を、第3電力量検出手段15aから第5電力量検出手段15cによってそれぞれ検出された消費電力量に基づいて、系統電力、発電電力、蓄電電力ごとに監視し、表示部7aに表示させる。なお、第3電力量検出手段15aから第5電力量検出手段15cは、電力の検出も可能であり、検出した電力量と電力を制御手段30に送信する。
また、制御手段30は、前記車両6bの走行体の充電および放電による消費電力量を、第6電力量検出手段16によって検出された消費電力量に基づいて、監視し、系統電力、発電電力、蓄電電力ごとに表示部7aに表示させる。なお、第6電力量検出手段16は、電力の検出も可能であり、検出した電力量と電力を制御手段30に送信する。
【0035】
また、制御手段30は、第1電力量検出手段11によって検出された消費電力量に基づいて系統電力全体の消費電力量、第2電力量検出手段12a,12bによって検出された消費電力量に基づいて発電電力全体の消費電力量、蓄電池6aに内蔵された電力量計6cによって検出された消費電力量に基づいて蓄電電力全体の消費電力量を監視し、それぞれ表示部7aに表示させる。なお、第1電力量検出手段11と第2電力量検出手段12a,12bは、電力の検出も可能であり、検出した電力量と電力を制御手段30に送信する。
【0036】
また、制御手段30は、前記家庭内負荷による電力量の消費に加えて、蓄電池6aに、系統電力や発電電力で充電される場合、系統電力や発電電力がどの程度利用(充電)されたかを、蓄電池6aに設けられている電力量計6cにより検出する。そして、この検出した電力量が表示部7aに表示される。なお、電力量計6cは、電力の検出も可能であり、検出した電力量と電力を制御手段30に送信する。同様に、制御手段30は、車両6bの充電による電力量の消費に加えて、車両6bに、系統電力や発電電力で充電される場合、系統電力や発電電力がどの程度利用(充電)されたかを、第6電力量検出手段16により検出する。そして、この検出した電力量が表示部7aに表示される。
【0037】
系統電源1は電力会社からの交流電力を供給するもので、分電盤10Aに設けられた第1電力量検出手段11に接続されている。この第1電力量検出手段11によって、外部の系統電力の電力量を検出可能となっている。この第1電力量検出手段11は表示操作モニター7に接続されおり、この表示操作モニター7の表示画面に第1電力量検出手段11によって検出された系統電力の電力量が表示可能である。制御手段30は、系統電源1からの供給電力が低下または停止し停電になると判断したとき、太陽光発電装置2a、ガス発電装置2b、蓄電池6a、車両6bの電力を監視し、これらの供給電源のうち電力供給が可能な供給電源からの電流を必要に応じて直流電流から交流電力に変換して、その電力を複数の機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記複数の回路20A〜20Cに供給することができる。
【0038】
太陽光発電装置2aは、太陽光のエネルギーを直接的に直流電力に変換する自家発電装置であり、非常時分電盤10Bに設けられた第2電力量検出手段12aに接続されている。また、ガス発電装置2bは、直流電流および交流電流を供給することができ、非常時分電盤10Bに設けられた第2電力量検出手段12bに接続されている。この第2電力量検出手段12a,12bによって、太陽光発電装置2aおよびガス発電装置2bによる発電電力の電力量を検出可能となっている。この第2電力量検出手段12a,12bは表示操作モニター7に接続されおり、この表示操作モニター7の表示部7aに第2電力量検出手段12a,12bによって検出された発電電力の電力量が表示可能である。
【0039】
記憶手段35は、前記非常時に使用が予想される前記機器3a〜3c,4a〜4cに対応する電力消費量およびこの機器3a〜3c,4a〜4cに電力を供給する前記回路20A〜20Cに対応する電力消費量を予め記憶している。前記非常時に、前記表示操作モニター7の制御手段30は、前記記憶手段35から非常時に使用が予想される前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに対応する電力消費量を読み出し、読み出した電力消費量に関する前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cの優先順位を選択可能に前記表示操作モニター7の表示部7aに表示させ、ユーザにより前記操作部34を用いて選択された機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cの優先順位を前記記憶手段35に記憶する。
また、記憶手段35は、前記非常時に供給可能な電力情報を表示するために、系統電源1とは別の供給電源として、太陽光発電装置2a、ガス発電装置2b、蓄電池6a、車両6bについての名称等の情報が予め記憶されている。制御手段30は、非常時に、記憶手段32から太陽光発電装置2a、ガス発電装置、2b蓄電池6a、車両6bの名称を読み出し、各供給電源の供給可能な電力情報に対応付けて、表示部7aに表示させる。
【0040】
(夜間停電時)
例えば、地震により夜間に停電になり、太陽光発電装置2aからの電力が供給できず、ガスが遮断されガス発電装置2bからの電力も供給できず、車両6bから供給可能な電力もない状態で、蓄電池6aが満充電である場合を想定する。この場合、図4に示すように、蓄電池2aからの供給可能な電力が1500wであるとする。
また、各機器の電力消費量について、照明器具3aが86wであり、照明器具3bが66wであり、照明器具3cが110wであるとし、炊飯器4aが640wであり、冷蔵庫4bが50wであり、テレビ4cが260wであるとする。
この場合、各回路の電力消費量について、回路20Aが726W(86w+640w)であり、回路20Bが116w(66w+50w)であり、回路20Cが370w(110w+260w)である。記憶手段35は、これらの非常時に使用が予想される機器および回路に対応する電力消費量を予め記憶している。なお、これらの電力消費量の記憶方法については、ユーザが操作部34を操作して、予め記憶手段35に記憶してもよいし、ID、パスワードを用いた認証機能を利用して、外部ネットワークから通信手段31を介して外部端末から電力供給システム100にアクセスし、予め記憶手段35に前記電力消費量を記憶してもよい。
【0041】
制御手段30は、非常時に、これらの予め記憶した電力消費量を前記記憶手段35から読み出し、非常時モード画面として優先順位を選択可能に前記表示操作モニター7の表示部7aに表示させ、ユーザが優先順位を選択可能に表示する。例えば、ユーザが、(1)回路20B、(2)冷蔵庫4b(コンセント25B1)、(3)照明器具3b、(4)回路20A、(5)炊飯器4a(コンセント25A1)、(6)照明器具3a、(7)回路20C,(8)テレビ4c(コンセント25C1)、(9)照明器具3c、の順にタッチパネル式の表示部7aを押して選択すると、図4に示すように、この順序で画面上に表示され、決定ボタン7cを押すと、優先順位として記憶手段35に記憶される。
【0042】
前記表示操作モニター7の演算手段32は、制御手段30で監視されている前記別の供給電源(発電装置2,蓄電装置6)の電力情報に基づき、前記別の供給電源(発電装置2,蓄電装置6)から供給可能な電力(例えば、蓄電池6aの最大電力1500w)を求め、前記記憶手段35から読み出した非常時に使用が予想される前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cにそれぞれに対応する電力消費量から当該機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cの予測される電力消費量(例えば、1212w)を自動的に求める。
【0043】
また、前記非常時に、ユーザにより使用したい前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cの少なくとも一つが選択された場合、前記表示操作モニター7の制御手段30は、前記演算手段32により求められた前記供給可能な電力と前記選択された前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cの少なくも一つに対応する予測された電力消費量とを前記表示部7aに表示させる。
【0044】
例えば、ユーザが、供給可能な電力(蓄電池6aの最大電力1500w)を参照しながら、(1)回路20B(116w),(2)冷蔵庫4b(コンセント25B1)、(3)照明器具3b、(4)回路20A、(5)炊飯器4a(コンセント25A1)を順に選択し、決定ボタン7cを押した場合には、図5に示すように、これらの電力消費量が前記供給可能な電力(最大1500w)とともに、前記表示部7aに表示される。次にユーザが実行ボタン7dを押すと、制御手段30は、選択された回路に接続された切替スイッチを系統電源1から別の供給電源2,6側に切り替え、蓄電池6aから選択された機器への電力の供給が可能になる。また、戻るボタン7eを押すと、図4に示す使用する機器及び回路の優先順位を選択・決定する選択画面に切り替わる。
なお、選択されていない回路に対応する機器については、機器が選択されていても、系統電源1から別の供給電源2,6側に切替スイッチによる切り替えが行われないため、別の供給電源2,6から、前記選択された機器に電力が供給されない。
【0045】
このように、非常時において、制御手段30は、前記切替スイッチ10B2、10B1を、前記選択された前記機器4b,3b,4aおよび前記回路20B,20Aに対応する予測された電力消費量(756w)および前記優先順位に従って、前記系統電源1から前記蓄電装置6aに切り替え、前記蓄電装置6aから前記機器4b,3b,4a及び前記回路20B,20Aに電力を供給することができる。
【0046】
また、前記演算手段32は、前記選択された前記機器4b,3b,4a及び前記回路20B,20Aの電力消費量と前記蓄電池6aから供給可能な電力量とから、前記蓄電池6aから前記選択された機器4b,3b,4a及び前記回路20B,20Aへ電力を継続的に供給可能な継続時間を求め、前記表示操作モニター7は、前記蓄電池6aから、前記選択された前記機器4b,3b,4a及び前記回路20B,20Aへ電力を継続的に供給する継続時間を表示部7aに表示する。
【0047】
例えば、図5に示すように、蓄電池6aにより、供給可能な電力量が9200whであり、選択された機器の総電力消費量が756wである場合、継続時間は、9200whを756wで除して、例えば、小数点以下を切り捨てた12時間(h)を継続時間として求める。制御手段30は、この継続時間(12時間)を前記表示部7aに表示させる。
【0048】
なお、表示された機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cの全部を選択する場合には、全部選択ボタン7bを押すと、機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cが選択状態になり、決定ボタン7cを押すことで、全部の機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cが図5に示す確認画面に表示される。
【0049】
(電力使用制限時)
また、電力使用制限時においては、選択されていない回路については、機器が選択されていなくても、系統電源1側に切替スイッチが回路を形成しているため、系統電源1から機器に電力が供給される。この場合、演算手段32は全体の電力消費量に対する選択された機器および回路に対応する電力消費量の割合を求め、制御手段30はこの割合を系統電源1の使用電力削減量として前記表示部7aに表示する。上記の例では、演算手段32は全体の電力消費量が1212wであり、選択された機器および回路に対応する電力消費量が756wである。演算手段32は、756wを1212wで除して、例えば、小数点以下を切り捨てた62%を系統使用電力削減割合として求める。制御手段30は、この系統使用電力削減割合(62%)と系統電源1の使用電力削減量(756w)を前記表示部7aに表示させる。
【0050】
(ガスの供給が可能な停電時)
また、ガスの供給が可能になり、ガス発電装置2bが使用できる場合は、ガスの供給が停止されるかまたはガス発電装置2bが故障するまでが継続時間となり、演算により求めることができないため、継続時間を表示しないで、ガス発電装置2bが駆動中である旨とその最大使用電力(w)が表示される。
【0051】
(日中の停電時)
また、夜が明けて朝になり、太陽光発電装置2aが使用できる場合は、制御手段30は、蓄電装置6の電力より優先的に太陽光発電装置2aからの電力を前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに供給する。また、制御手段30は、太陽光発電装置2aからの電力が不足し、かつ、この不足分について蓄電装置6から電力供給が可能である場合に、蓄電装置6から不足分の電力で補うように、蓄電装置6を制御する。蓄電装置6からの電力供給が可能である場合とは、例えば、蓄電装置6に満充電時の30%以上の電力量(wh)が残っているとき電力供給が可能であると制御手段30が判断する。蓄電装置6が満充電時の10%以下の電力量(wh)になったときは、表示部7aに「蓄電装置の電力量が残り10%以下になりました。」と表示し、ユーザに通知する。
【0052】
(余剰電力発生時)
また、蓄電装置6を含む複数の供給電源のうち一つが太陽光発電装置2aまたはガスを用いたガス発電装置2bであり、前記制御手段30は、この発電装置の発電電力に余剰電力が生じた場合には、この余剰電力を前記発電装置から前記蓄電装置6へ供給する。
【0053】
例えば、選択された機器の総電力消費量が756wであり、太陽光発電装置2aの発電電力が2000wである場合、1244wの余剰電力が生じる。この余剰電力を前記太陽光発電装置2aから前記蓄電装置6へ供給し、蓄電する。この余剰電力を夜間に使用することにより、非常時においても、最低限の電力を確保することができる。
【0054】
(供給電力が不安定または不足するとき)
また、前記制御手段30は、前記太陽光発電装置2aから供給可能な電力が不安定または不足すると判断した場合には、図5に示す例では前記優先順位の低いテレビ4cおよび回路20Cへの電力供給を停止する。
【0055】
例えば、前記太陽光発電装置2aから供給可能な電力が不安定な場合として、日が出たり、曇ったりの繰り返しで発電電力が一定でない場合がある。この場合は、制御手段30は、前記太陽光発電装置2aからの発電電力を監視し、電力の変化が一定時間(例えば、1時間)内の平均値に対して、発電電力が上下10%以上変化した場合に不安定であると判断する。
また、前記太陽光発電装置2aから供給可能な電力が不足する場合として、日没に近づいてきたと判断した場合がある。この場合は、制御手段30は、前記太陽光発電装置2aからの発電電力を監視に加えて、計時手段37による時刻情報を参照し、この時刻情報と継続的に低下する発電電力の変化により、電力が一定電力(例えば、800w)以下になった場合に不足すると判断する。
【0056】
(電力供給システム100の動作例)
次に、図3を参照して、停電発生時における電力供給システム100の動作例について説明する。
【0057】
停電になる(ステップS1)と、制御手段30は、表示部7aの画面を、図4に示す非常時モード画面へ自動的に切り替える(ステップS2)。なお、表示操作モニター7への電力は、例えば、UPS機能を有する内部電源により供給される。
非常時モード画面では、図4に示すように、制御手段30は、記憶手段35に予め記憶された太陽光発電装置2a、ガス発電装置2b、蓄電池6a、車両6bの名称を読み出し、これらの名称と、第2電力量検出手段12a、第2電力量検出手段12b、電力量計6c、第6電力量検出手段16のそれぞれで検出された供給可能な電力と対応付けて表示部7aに表示させる(ステップS3)。図4に示すように、太陽光発電装置2aが0w、ガス発電装置2bが0w、蓄電池6aが1500w、車両6bが0wであり、ユーザは最大1500wの電力が蓄電池6aから供給可能であることを認識できる。
【0058】
ユーザは、図4に示す複数の機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記複数の回路20A〜20Cから、使用したい機器および回路を選択する(ステップS4)。全部選択ボタンを押すと複数の機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記複数の回路20A〜20Cが選択される。ここでは、ユーザが、(1)回路20B、(2)冷蔵庫4b(コンセント25B1)、(3)照明器具3b、(4)回路20A、(5)炊飯器4a(コンセント25A1)の表示領域を順に押して選択し、決定ボタン7cを押すと、図5に示すように、使用可能な機器4b,3b,4aおよび前記回路20B,20Aが、使用可能な機器および回路として前記表示部7aに表示される(ステップS5)。なお、図4に示す画面はタッチパネル式の表示部7aであり、表示部7aは操作部34と一体に構成されている。
【0059】
図5に示す画面において、ユーザが、選択した使用可能な機器4b,3b,4aおよび前記回路20B,20Aの電力消費量および継続時間等を確認した後、実行ボタン7dを押すと、制御手段30は、切替スイッチ10B2,10B1を系統電源1側から蓄電池6a側に切り替え、蓄電池6aから台所用配線25Bに接続された冷蔵庫4bと照明器具3bへの非常時用の回路20Bが形成され,かつ、蓄電池6aから台所用配線25Bに接続された炊飯器4aへの非常時用の回路20Cが形成される(ステップS6)。
【0060】
その後、ユーザは、各機器を運転し、使用することができる。また、表示操作モニター7の表示部7aに表示されるメッセージを参照して、使用する機器および回路の変更も可能である(ステップS7)。例えば、天気のよい昼間においては、太陽光発電装置2aから電力が供給できるため、制御手段30は、蓄電池6aから太陽光発電装置2aへ供給装置を自動的に変更して選択し、さらに、余剰電力がある場合には、例えば、表示部7aに、「太陽光発電による余剰電力があります。現在、蓄電池6aに余剰電力を蓄電中ですが、この蓄電の代わりに、テレビの使用が可能です。」とメッセージを表示する。ユーザは、テレビ4cを使用したいときは、図5に示す戻るボタン7eを押し、図4に示すテレビ4cと回路20Cを押して選択した後、決定ボタン7cを押すと、図5のリストにテレビ4cと回路20Cが表示され、実行ボタン7dを押すことにより、テレビ4cが使用可能になる(ステップS8、S5〜S7)。また、系統電源1からの電力供給が再開し、非常時モードを解除したい場合は、ユーザが図5に示す解除ボタン7fを押すと、制御手段30は、非常時モードを解除し、切替スイッチ10B1〜10B3のすべてを系統電源1に切り替え、通常モードの表示状態に表示部7aの画面を切り替える(ステップS9)。通常モードの表示では、前記複数の機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cの実際の電力消費量が、第3電力検出手段から第5電力検出手段により検出され、図4に示すような表またはグラフ形式等で、表示部7aに表示される。
【0061】
本実施の形態によれば、前記制御手段30が、停電または電力使用制限の非常時には非常時分電盤10Bに接続されている前記別の供給電源2,6を選択し、この選択された前記別の供給電源2,6から前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに電力を供給するので、停電または電力使用制限の非常時において、系統電源1とは別の供給電源2,6から電力を供給する電力供給システム100を提供することができる。
【0062】
また、前記非常時には、前記別の供給電源2,6または前記表示操作モニター7用の内部電源33から、前記表示操作モニター7に電力を供給し、前記表示操作モニター7の表示操作を可能にするので、系統電源1からの電力の供給が停止しても、制御手段30は非常時電源盤10Bを制御することができる。
【0063】
また、前記非常時に、前記表示操作モニター7は、前記記憶手段35から読み出した非常時に使用が予想される前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに対応する電力消費量、および、前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cの優先順位を選択可能に前記表示操作モニター7の表示部7aに表示し、前記制御手段30は、選択された機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cの優先順位を前記記憶手段35に記憶できるので、非常時において必要な前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cの電力消費量を考慮してユーザが優先順位を選択し、この選択された機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cの優先順位を記憶手段35に記憶させることが可能になる。
【0064】
また、前記非常時に、ユーザにより使用したい前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cが選択された場合、前記表示操作モニター7は、前記演算手段32により求められた前記供給可能な電力と前記選択された前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに対応する予測された電力消費量とを前記表示部7aに表示するので、前記供給可能な電力と、前記選択された前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに対応する予測された電力消費量とを対比可能に表示できる。
【0065】
また、前記切替スイッチ10B1〜10B3は、前記選択された前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに対応する予測された電力消費量および前記優先順位に従って、前記系統電源1から前記別の供給電源2,6に切り替え、前記別の供給電源2,6から前記選択された機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに電力を供給するので、非常時において必要な前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに優先的に電力を供給することが可能になる。
【0066】
また、前記表示操作モニター7は、前記別の供給電源2,6から、前記選択された前記機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cに対応する使用が予想された機器3a〜3c,4a〜4cおよび前記回路20A〜20Cへ電力を継続的に供給する継続時間を表示部7aに表示するので、ユーザは、継続時間を容易に知ることができ、節電等の対策を講じることができる。
【0067】
また、前記制御手段30は、この発電装置の発電電力に余剰電力が生じた場合には、この余剰電力を前記発電装置から前記蓄電装置6へ供給するので、非常時においても蓄電が可能となる。
【0068】
また、前記制御手段30は、前記太陽光発電装置2aから供給可能な電力が不安定または不足すると判断した場合には、前記優先順位の低い機器3a〜3c,4a〜4cおよび回路20A〜20Cへの電力供給を停止するので、優先順位の高い機器3a〜3c,4a〜4cおよび回路20A〜20Cへの電力供給を継続することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 系統電源
2,6 供給電源
2a 太陽光発電装置
2b ガス発電装置
3a〜3c,4a〜4c 機器
7 表示操作モニター
10A 分電盤
10B 非常時分電盤
10B1〜10B3 切替スイッチ(切替手段)
20A〜20C 回路
30 制御手段
32 演算手段
33 内部電源
35 記憶手段
100 電力供給システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
系統電源に接続され、この系統電源から複数の機器および複数の回路に電力を供給するための分電盤と、
この分電盤を介して前記系統電源に接続され、前記複数の機器および前記複数の回路に電力を供給するための非常時分電盤と、
前記非常時分電盤に接続されている、前記系統電源とは別の供給電源と、
前記非常時分電盤にそれぞれ接続されている前記系統電源と別の供給電源とのいずれかの電源を選択する制御手段と、
を備え、
前記複数の回路は、前記複数の機器にそれぞれ対応して接続されており、各回路からこの回路に対応する前記機器に電力が供給され、
前記制御手段は、停電または電力使用制限の非常時には前記非常時分電盤に接続されている前記別の供給電源を選択し、この選択された前記別の供給電源から前記機器および前記回路に電力を供給する
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電力供給システムにおいて、
前記非常時において、前記非常時分電盤に、前記別の供給電源を選択するための指示を与えるための表示操作モニターを更に備え、
前記非常時には、前記別の供給電源または前記表示操作モニター用の内部電源から、前記表示操作モニターに電力が供給され、前記表示操作モニターの表示操作を可能にする
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項3】
請求項2に記載の電力供給システムにおいて、
前記表示操作モニターは、前記非常時に使用が予想される前記機器に対応する電力消費量およびこの機器に電力を供給する前記回路に対応する電力消費量を予め記憶している記憶手段と、表示部とを更に有し、
前記非常時に、前記表示操作モニターは、前記記憶手段から読み出した非常時に使用が予想される前記機器および前記回路に対応する電力消費量、および、前記機器および前記回路の優先順位を選択可能に前記表示部に表示し、前記制御手段は、選択された機器および前記回路の優先順位を前記記憶手段に記憶する
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項4】
請求項3に記載の電力供給システムにおいて、
前記表示操作モニターは、前記別の供給電源から供給可能な電力を求め、前記記憶手段から読み出した非常時に使用が予想される前記機器および前記回路に対応する電力消費量から当該機器および前記回路の予測される電力消費量を自動的に求める演算手段を更に有し、
前記非常時に、ユーザにより使用したい前記機器および前記回路が選択された場合、前記表示操作モニターは、前記演算手段により求められた前記供給可能な電力と前記選択された前記機器および前記回路に対応する予測された電力消費量とを表示部に表示する
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項5】
請求項4に記載の電力供給システムにおいて、
前記非常時分電盤は、非常時には、前記系統電源から前記別の供給電源に切り替える切替手段を更に有し、
前記切替手段は、前記選択された前記機器および前記回路に対応する予測された電力消費量および前記優先順位に従って、前記系統電源から前記別の供給電源に切り替え、前記別の供給電源から前記選択された機器および前記回路に電力を供給する
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項6】
請求項4または5に記載の電力供給システムにおいて、
前記演算手段は、前記選択された機器および前記回路の電力消費量と前記別の供給電源から供給可能な電力量とから、前記別の供給電源から前記選択された機器および前記回路へ電力を継続的に供給可能な継続時間を求め、
前記表示操作モニターは、前記別の供給電源から、前記選択された前記機器および前記回路に電力を継続的に供給する継続時間を前記表示部に表示する
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の電力供給システムにおいて、
前記別の供給電源は、蓄電装置を含む複数の供給電源であり、これらの供給電源のうち一つが太陽光発電装置またはガスを用いたガス発電装置であり、
前記制御手段は、この発電装置の発電電力に余剰電力が生じた場合には、この余剰電力を前記発電装置から前記蓄電装置へ供給する
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項8】
請求項7に記載の電力供給システムにおいて、
前記制御手段は、前記太陽光発電装置から供給可能な電力が不安定または不足すると判断した場合には、前記優先順位の低い機器および回路への電力供給を停止する
ことを特徴とする電力供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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