説明

電力供給制御方法および装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電力を消費する建築物等への電力供給を制御する電力供給制御方法および装置に関し、特に、無線通信を用いることにより電気工事なしで、かつ建築物等の敷地内に立ち入ることなく適正に電力供給を制御することができるようにした電力供給制御方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電力を消費する建築物等への電力会社からの電力の供給は、電力会社と契約を結んだ正当な利用者が所有または賃貸している建築物等に対してのみ行われなければならない。このため、例えば、電力の利用者が転居した場合には、転居元の建築物等への電力供給を停止すると同時に、転居先の建築物等への電力供給を開始する必要がある。
【0003】また、電力の利用者が電気料金を支払わない場合には、この電気料金を支払わない電力利用者に対する電力供給を停止し、電気料金の支払い後はこの停止した電力供給を再開する必要もある。
【0004】従来、上記建築物等への電力供給の停止、開始を制御する方法としては、図20に示すように、配電線1と対象建築物等への引込線2とを電気工事により直接接続または分離することにより行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような構成によると、電力供給の停止、開始の度に対象建築物等への引込線2と配電線1との接続地点に工事要員を派遣し、引込線2と配電線1とを接続または分離する電気工事を行う必要があり、非常に手間がかかるという問題があった。
【0006】また、上記電気工事を行わずに、電力供給の停止、開始を行う方法としては、対象建築物等に配設され、当該対象建築物等の屋内配線4と上記引込線2との間に設けられたブレーカ3をオン、オフする方法もあるが、この場合は電力を供給する電力会社とは無関係な人でも容易にブレーカ3をオン、オフして電力供給の停止、開始をすることができるため、電力を不正に利用される虞があるという問題があった。
【0007】また、電力利用者に当該対象建築物等の敷地内に立ち入ることを拒否された場合は、ブレーカ3のオン、オフの操作が行えないという問題があった。
【0008】そこで、この発明は、電気工事なしで、かつ建築物等の敷地内に立ち入ることなく適正に電力供給を制御することができるようにした電力供給制御方法および装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、電力供給源となる引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続、分離を制御する電力供給制御システムにおいて、上記引込線と上記屋内配線との間に設けられ、上記引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続または分離を制御する電力接続分離手段と、上記電力接続分離手段から離間して配設され、上記電力接続分離手段に対して上記電力の供給の開始または停止を無線で指示する無線携帯端末と、上記電力接続分離手段の電力供給状態をモニタして供給状態モニタ信号として出力する電力供給状態モニタ手段と、上記電力供給状態モニタ手段から出力された供給状態モニタ信号に基づいて、上記無線携帯端末から指示された電力供給状態に制御できたか否かを判断し、その判断結果を上記無線携帯端末に送信する判断結果送信手段と、を具備することを特徴とする。
【0010】 また、請求項2に係る発明は、電力供給源となる引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続、分離を制御する電力供給制御システムにおいて、上記引込線と上記屋内配線との間に設けられ、上記引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続または分離を制御する電力接続分離手段と、上記電力接続分離手段から離間して配設され、上記電力接続分離手段に対して移動体通信端末の基地局を含む通信網を介して上記電力の供給の開始または停止を指示する中央制御装置と、上記電力接続分離手段の電力供給状態をモニタして供給状態モニタ信号として出力する電力供給状態モニタ手段と、上記電力供給状態モニタ手段から出力された供給状態モニタ信号に基づいて、上記中央制御装置から指示された電力供給状態に制御できたか否かを判断し、その判断結果を上記中央制御装置に送信する判断結果送信手段と、を具備することを特徴とする。
【0011】 また、請求項3に係る発明は、電力供給源となる引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続、分離を制御する電力供給制御装置において、上記引込線と上記屋内配線との間に設けられ、上記引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続または分離を制御する電力接続分離手段と、無線携帯端末または中央制御装置からの上記電力の供給の開始または停止を要求する要求信号を受信する受信手段と、上記電力接続分離手段の電力供給状態をモニタして供給状態モニタ信号として出力する電力供給状態モニタ手段と、上記電力供給状態モニタ手段から出力された供給状態モニタ信号に基づいて、上記要求信号受信手段で受信した要求信号の通りの電力供給状態に制御できたか否かを判断し、その判断結果を上記無線携帯端末または中央制御装置に送信する判断結果送信手段と、を具備することを特徴とする。
【0012】 また、請求項4に係る発明は、電力供給源となる引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続、分離を制御する電力供給制御方法において、上記引込線と上記屋内配線との間に上記引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続または分離を制御する電力接続分離手段と、上記電力接続分離手段の電力供給状態をモニタして供給状態モニタ信号として出力する電力供給状態モニタ手段と、を設けるとともに、上記電力接続分離手段に対して上記電力接続分離手段から離間した無線携帯端末により上記電力の供給の開始または停止を無線で指示し、上記電力接続分離手段は、上記無線携帯端末からの電力の供給の開始または停止の指示に対応して上記引込線と上記屋内配線との間の接続または分離を制御し、上記電力供給状態モニタ手段から出力された供給状態モニタ信号に基づいて、上記無線携帯端末から指示された電力供給状態に制御できたか否かを判断し、その判断結果を上記無線携帯端末に送信することを特徴とする。
【0013】 また、請求項5に係る発明は、電力供給源となる引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続、分離を制御する電力供給制御方法において、上記引込線と上記屋内配線との間に上記引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続または分離を制御する電力接続分離手段と、上記電力接続分離手段の電力供給状態をモニタして供給状態モニタ信号として出力する電力供給状態モニタ手段と、を設けるとともに、上記電力接続分離手段に対して中央制御装置から移動通信端末の基地局を含む通信網を介して上記電力の供給の開始または停止を指示し、上記電力接続分離手段は、上記中央制御装置からの電力の供給の開始または停止の指示に対応して上記引込線と上記屋内配線との間の接続または分離を制御し、上記電力供給状態モニタ手段から出力された供給状態モニタ信号に基づいて、上記中央制御装置から指示された電力供給状態に制御できたか否かを判断し、その判断結果を上記中央制御装置に送信することを特徴とする。
【0014】 また、請求項6に係る発明は、電力供給源となる引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続、分離を制御する電力供給制御方法において、上記引込線と上記屋内配線との間に上記引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続または分離を制御する電力接続分離手段を設けるとともに、上記電力接続分離手段に対して上記電力接続分離手段から離間した無線携帯端末により上記電力の供給の開始または停止を無線で指示し、上記電力接続分離手段は、上記無線携帯端末からの電力の供給の開始または停止の指示に対応して上記引込線と上記屋内配線との間の接続または分離を制御し、上記無線携帯端末からの電力の供給の分離の指示があると上記引込線と上記屋内配線との間を周期的に分離し、上記無線携帯端末からの電力の供給の開始の指示があると上記引込線と上記屋内配線との間を接続するとともに上記周期的分離を禁止することを特徴とする。
【0015】 また、請求項7に係る発明は、電力供給源となる引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続、分離を制御する電力供給制御方法において、上記引込線と上記屋内配線との間に上記引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続または分離を制御する電力接続分離手段を設けるとともに、上記電力接続分離手段に対して中央制御装置から移動通信端末の基地局を含む通信網を介して上記電力の供給の開始または停止を指示し、上記電力接続分離手段は、上記中央制御装置から電力の供給の開始または停止の指示に対応して上記引込線と上記屋内配線との間の接続または分離を制御し、上記中央制御装置からの電力の供給の分離の指示があると上記引込線と上記屋内配線との間を周期的に分離し、上記無線携帯端末からの電力の供給の開始の指示があると上記引込線と上記屋内配線との間を接続するとともに上記周期的分離を禁止することを特徴とする。
【0016】 また、請求項8に係る発明は、電力供給源となる引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続、分離を制御する電力供給制御装置において、上記引込線と上記屋内配線との間に設けられ、上記引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続または分離を制御する電力接続分離手段と、上記電力接続分離手段から離間して配設され、上記電力接続分離手段に対して上記電力の供給の開始または停止を無線で指示する無線携帯端末と、を具備し、上記電力接続分離手段は、上記引込線と上記屋内配線との間を接続、分離するブレーカ手段と、上記無線携帯端末との間で無線信号の送受を行う無線送受信手段と、所定の時間を計時し、該所定の時間以内にリセット信号が入力されない場合は上記ブレーカ手段に対して上記引込線と上記屋内配線との間を分離するブレーカオフ信号を上記所定の時間の周期で送出するタイマ手段と、上記無線送受信手段により上記無線携帯端末からの上記電力の供給の開始を指示する供給開始信号を受信した場合は、上記ブレーカ手段に対して上記引込線と上記屋内配線との間を接続するブレーカオン信号を送出するとともに、上記タイマ手段に対して上記所定の時間より短い周期で上記リセット信号を送出し、上記無線送受信手段により上記無線携帯端末からの上記電力の供給の停止を指示する供給停止信号を受信した場合は、上記タイマ手段に対する上記リセット信号の送出を禁止する制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係わる電力供給制御方法および装置の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0030】図1は、この発明に係わる電力供給制御方法および装置を適用して構成した電力供給制御システムの一実施形態の概略構成を示したものである。なお、図1R>1において、図20に示した従来の構成と同一の部分には説明の便宜上同一の符号を付する。
【0031】図1に示す実施形態は、対象建築物等へ電力を供給する引込線2と該対象建築物等の屋内配線4との間に電力接続分離制御装置5を配設し、この電力接続分離制御装置5による引込線2と屋内配線4との接続または分離をこの電力接続分離制御装置5から遠隔した携帯端末(PDA)6からの無線通信により制御するように構成される。
【0032】ここで、携帯端末6は、この対象建築物等への電力供給を管理する電力会社等の作業員が携帯し、無線通信により電力接続分離制御装置5との間で制御信号の送受を行い、電力接続分離制御装置5に対して電力供給の開始または停止を指示する。
【0033】電力接続分離制御装置5は、携帯端末6から電力供給の開始が指示されると、引込線2と屋内配線4とを接続するように制御し、携帯端末6から電力供給の停止が指示されると、引込線2と屋内配線4とを分離するように制御する。
【0034】ここで、携帯端末6および電力接続分離制御装置5にはそれぞれ異なる識別符号が予め付与されており、携帯端末6および電力接続分離制御装置5は、この識別符号に基づき上記制御信号の送受を行う。
【0035】このような構成によると、電気工事なしで、かつ建築物等の敷地内に立ち入ることなく対象建築物等に対する電力供給を適確に制御することができる。
【0036】図2は、図1に示した電力接続分離制御装置5の詳細構成をブロック図で示したものである。図2において、この電力接続分離制御装置5は、ブレーカ7、ウォッチドックタイマ(WDT)8、制御部9、アンテナ10、無線送受信部11を具備して構成される。
【0037】ここで、ブレーカ7は、引込線2と屋内配線4との間に接続され、引込線2と屋内配線4との間の接続または分離を制御する。
【0038】このブレーカ7は、ブレーカON信号とブレーカOFF信号との2つの入力を持ち、ブレーカON信号が入力されると、引込線2と屋内配線4とを接続し、ブレーカOFF信号が入力されると、引込線2と屋内配線4とを分離する。
【0039】ウォッチドックタイマ8は、時刻0から時刻T(例えば、60秒)までの経過時間を計測し、この経過時間が時刻Tに達してタイムアウトすると、ブレーカ7に対してブレーカOFF信号を出力し、再び時刻0から経過時間の計測を開始し、この動作を繰り返すものである。
【0040】また、ウォッチドックタイマ8は、制御部9からWDTリセット信号を入力すると、経過時間の計測をリセットし、再び時刻0から経過時間の計測を開始する。
【0041】制御部9は、1)ウォッチドックタイマ8へのWDTリセット信号の出力2)ブレーカ7へのブレーカON信号の出力3)無線送受信部11への制御信号の出力4)無線送受信部11からの制御信号の入力等の制御を行う。
【0042】例えば、制御部9により、この電力接続分離制御装置5により電力供給中に制御する場合は、制御部9からウォッチドックタイマ8へウォッチドックタイマ8がタイムアウトするのに要する時間より短い時間間隔(例えば、50秒)で周期的にWDTリセット信号を出力する。この場合、ウォッチドックタイマ8はタイムアウトする前にリセットされ、タイムアウトすることはないので、ブレーカ7へはブレーカOFF信号が出力されることはない。すなわち、ブレーカ7は引込線2と屋内配線4とを接続状態に制御する。
【0043】また、制御部9により、この電力接続分離制御装置5により電力停止中に制御する場合は、制御部9からウォッチドックタイマ8へ出力されるWDTリセット信号を停止する。これにより、ウォッチドックタイマ8からは時刻Tの周期で周期的にブレーカ7へブレーカOFF信号が出力され、これにより、ブレーカ7は引込線2と屋内配線4とを分離状態に制御する。
【0044】無線送受信部11は、制御部9からの制御信号を入力するとこの制御信号を所定の方式で変調してアンテナ10から送出する。
【0045】また、無線送受信部11は、アンテナ10から携帯端末6からの制御信号を受信すると、この受信した制御信号を所定の方式で復調して制御部9に出力する。
【0046】図3は、図1に示した携帯端末6の詳細構成をブロック図で示したものである。図3において、この携帯端末6は、制御部12、アンテナ13、無線送受信部14、入力部15、表示部16を具備して構成される。
【0047】ここで、制御部12は、この携帯端末6全体の動作を制御するものである。
【0048】また、無線送受信部14は、アンテナ13を介して電力接続分離制御装置5との間の制御信号の送受を制御するもの、入力部15は、キーボード、マイク等を具備し、作業者が電力供給の開始、停止の指示を入力するもの、表示部16は、ディスプレイ、スピーカ等を具備し、作業者が入力部15を介して入力した実行結果を表示するものである。
【0049】図4は、携帯端末6と電力接続分離制御装置5との間で送受される制御信号のフォーマットの一例を示したものである。
【0050】携帯端末6と電力接続分離制御装置5との間で送受される制御信号には、図4に示すように、送信先識別符号、送信元識別符号、制御信号種別が含まれている。
【0051】ここで、制御信号種別は、この実施形態では、1)供給開始要求2)供給停止要求3)供給開始応答4)供給停止応答が用いられる。
【0052】図5は、この実施形態の電力供給開始時における制御信号通信シーケンスを示したものである。
【0053】この実施形態において、携帯端末6から電力接続分離制御装置5に対して電力供給開始を指示する場合は、まず、携帯端末6から電力接続分離制御装置5に対して供給開始要求信号を出力する。電力接続分離制御装置5では、この携帯端末6からの供給開始要求信号を受信すると、供給開始応答信号を携帯端末6に返送し、後に詳述する電力供給の開始制御を実行する。
【0054】図6は、この実施形態の電力供給停止時における制御信号通信シーケンスを示したものである。
【0055】この実施形態において、携帯端末6から電力接続分離制御装置5に対して電力供給停止を指示する場合は、まず、携帯端末6から電力接続分離制御装置5に対して供給停止要求信号を出力する。電力接続分離制御装置5では、この携帯端末6からの供給停止要求信号を受信すると、供給停止応答信号を携帯端末6に返送し、後に詳述する電力供給の停止制御を実行する。
【0056】図7は、電力供給開始時における電力接続分離制御装置5および携帯端末6における処理をフローチャートで示したものである。
【0057】入力待ち状態(ステップ711)にある携帯端末6を用いて作業者がその入力部15から電力供給開始の指示を入力すると、携帯端末6の制御部12はこれを認識して、無線送受信部14、アンテナ13を介して供給開始要求信号を送信する(ステップ712)。
【0058】電力供給停止状態(ステップ701)にある電力接続分離制御装置5がこの携帯端末6から送信された供給開始要求信号をそのアンテナ10、無線送受信部11を介して受信すると(ステップ702)、電力接続分離制御装置5の制御部9はこれを認識して、まず、供給開始応答信号を無線送受信部11、アンテナ10を介して携帯端末6に送信する(ステップ703)。
【0059】そして、制御部9からウォッチドックタイマ8に対するWDTリセット信号の定期的出力を開始するとともに(ステップ704)、ブレーカ7に対してブレーカON信号を出力する(ステップ705)。
【0060】これにより、ブレーカ7は、引込線2と屋内配線4とを接続し、電力供給状態になる(ステップ706)。
【0061】すなわち、制御部9がブレーカ7に対してブレーカON信号を出力し、ブレーカ7が引込線2と屋内配線4とを接続した状態になった後は、制御部9からウォッチドックタイマ8に対してウォッチドックタイマ8がタイムアウトするのに要する時間より短い時間間隔で周期的にWDTリセット信号が出力されるので、ウォッチドックタイマ8はタイムアウトする前にリセットされ、タイムアウトすることはないので、ブレーカ7へはブレーカOFF信号が出力されることはなく、ブレーカ7は、引込線2と屋内配線4とを接続する電力供給状態に制御される。
【0062】一方、携帯端末6は、電力接続分離制御装置5からの供給開始応答信号を受信すると(ステップ713)、その表示部16に電力供給開始完了を表示し(ステップ714)、入力待ち状態(ステップ711)に戻る。
【0063】図8は、電力供給停止時における電力接続分離制御装置5および携帯端末6における処理をフローチャートで示したものである。
【0064】入力待ち状態(ステップ811)にある携帯端末6を用いて作業者がその入力部15から電力供給停止の指示を入力すると、携帯端末6の制御部12はこれを認識して、無線送受信部14、アンテナ13を介して供給停止要求信号を送信する(ステップ812)。
【0065】電力供給状態(ステップ801)にある電力接続分離制御装置5がこの携帯端末6から送信された供給停止要求信号をそのアンテナ10、無線送受信部11を介して受信すると(ステップ802)、電力接続分離制御装置5の制御部9はこれを認識して、まず、供給停止応答信号を無線送受信部11、アンテナ10を介して携帯端末6に送信する(ステップ803)。
【0066】そして、制御部9からウォッチドックタイマ8に対して定期的に出力されていたWDTリセット信号の出力を停止する(ステップ804)。
【0067】これにより、ブレーカ7は、引込線2と屋内配線4とを分離し、電力供給停止状態になる(ステップ805)。
【0068】すなわち、制御部9からブレーカ7に対して定期的に出力されていたWDTリセット信号の出力が停止されると、ウォッチドックタイマ8は時刻Tの周期で周期的にタイムアウトし、このタイムアウトの度にウォッチドックタイマ8からブレーカ7に対してブレーカOFF信号が出力され、これにより、ブレーカ7は引込線2と屋内配線4とを分離状態に制御する。
【0069】なお、この状態で、例えば、ブレーカ7を手動でオンにしても、ブレーカ7はウォッチドックタイマ8からの定期的なブレーカOFF信号によりオフにされるので、ブレーカ7を引込線2と屋内配線4との接続状態に制御することはできない。
【0070】一方、携帯端末6は、電力接続分離制御装置5からの供給停止応答信号を受信すると(ステップ813)、その表示部16に電力供給停止終了を表示し(ステップ814)、入力待ち状態(ステップ811)に戻る。
【0071】図9は、この発明に係わる電力供給制御方法および装置を適用して構成した電力供給制御システムの他の実施形態の概略構成を示したものである。
【0072】この実施形態では、電力供給の開始または停止の指示を携帯端末に代えて携帯電話、PHS(パーソナルハンディホンシステム)等の移動通信端末の基地局を含む通信網に接続された中央制御装置から行うようにしたものである。
【0073】すなわち、図9に示す実施形態は、対象建築物等へ電力を供給する引込線2と該対象建築物等の屋内配線4との間に電力接続分離制御装置5を配設し、この電力接続分離制御装置5による引込線2と屋内配線4との接続または分離をこの電力接続分離制御装置5から遠隔した中央制御装置19から電話網18、移動通信網基地局17を介する無線通信により制御するように構成される。
【0074】ここで、中央制御装置19は、例えば、この対象建築物等への電力供給を管理する電力会社等に配設され、電話網18、移動通信網基地局17を介する無線通信により電力接続分離制御装置5との間で制御信号の送受を行い、電力接続分離制御装置5に対して電力供給の開始または停止を指示する。
【0075】電力接続分離制御装置5は、中央制御装置19から電力供給の開始が指示されると、これ電話網18、移動通信網基地局17を介して受信し、引込線2と屋内配線4とを接続するように制御し、中央制御装置19から電力供給の停止が指示されると、これを電話網18、移動通信網基地局17を介して受信し、引込線2と屋内配線4とを分離するように制御する。
【0076】ここで、中央制御装置19および電力接続分離制御装置5にはそれぞれ異なる識別符号が予め付与されており、中央制御装置19および電力接続分離制御装置5は、この識別符号に基づき上記制御信号の送受を行う。
【0077】このような構成によっても、電気工事なしで、かつ建築物等の敷地内に立ち入ることなく対象建築物等に対する電力供給を適確に制御することができる。
【0078】図10は、図9に示した中央制御装置19の詳細構成をブロック図で示したものである。図10において、この中央制御装置19は、制御部20、送受信部21、入力部22、表示部23を具備して構成される。
【0079】ここで、制御部20は、この中央制御装置19全体の動作を制御するものである。
【0080】また、送受信部21は、移動通信端末の基地局を含む通信網に電話回線を介して接続され、電力接続分離制御装置5との間の制御信号の送受を制御するもの、入力部22は、キーボード、マイク等を具備し、電力供給の開始、停止の指示を入力するもの、表示部23は、ディスプレイ、スピーカ等を具備し、入力部22を介して入力した実行結果を表示するものである。
【0081】なお、この実施形態において、電力接続分離制御装置5の詳細構成は、図2で説明したものと同一のものを用いることができ、また中央制御装置19と電力接続分離制御装置5との間で送受される制御信号のフォーマットも図4で説明したものと同一のものを用いることができるので、その説明は省略し、電力接続分離制御装置5の詳細構成は図2を参照する。
【0082】図11は、この実施形態の電力供給開始時における制御信号通信シーケンスを示したものである。
【0083】この実施形態において、中央制御装置19から電力接続分離制御装置5に対して電力供給開始を指示する場合は、まず、中央制御装置19から供給開始要求信号を出力する。電力接続分離制御装置5では、この中央制御装置19からの供給開始要求信号を電話網18、移動通信網基地局17を介して受信すると、供給開始応答信号を移動通信網基地局17、電話網18を介して中央制御装置19に返送し、後に詳述する電力供給の開始制御を実行する。
【0084】図12は、この実施形態の電力供給停止時における制御信号通信シーケンスを示したものである。
【0085】この実施形態において、中央制御装置19から電力接続分離制御装置5に対して電力供給停止を指示する場合は、まず、中央制御装置19から供給停止要求信号を出力する。電力接続分離制御装置5では、この中央制御装置19からの供給停止要求信号を電話網18、移動通信網基地局17を介して受信すると、供給停止応答信号を移動通信網基地局17、電話網18を介して中央制御装置19に返送し、後に詳述する電力供給の停止制御を実行する。
【0086】図13は、電力供給開始時における電力接続分離制御装置5および中央制御装置19における処理をフローチャートで示したものである。なお、このフローチャートの処理は、図7に示したフローチャートにおいて携帯端末6が中央制御装置19に代わっただけで基本的には同一である。
【0087】すなわち、入力待ち状態(ステップ1311)にある中央制御装置19の入力部22から電力供給開始の指示を入力すると、中央制御装置19の制御部20はこれを認識して、送受信部21を介して供給開始要求信号を送信する(ステップ1312)。
【0088】電力供給停止状態(ステップ1301)にある電力接続分離制御装置5がこの中央制御装置19から送信された供給開始要求信号をそのアンテナ10、無線送受信部11を介して受信すると(ステップ1302)、電力接続分離制御装置5の制御部9はこれを認識して、まず、供給開始応答信号を無線送受信部11、アンテナ10を介して中央制御装置19に送信する(ステップ1303)。
【0089】そして、制御部9からウォッチドックタイマ8に対するWDTリセット信号の定期的出力を開始するとともに(ステップ1304)、ブレーカ7に対してブレーカON信号を出力する(ステップ1305)。
【0090】これにより、ブレーカ7は、引込線2と屋内配線4とを接続し、電力供給状態になる(ステップ1306)。
【0091】一方、中央制御装置19は、電力接続分離制御装置5からの供給開始応答信号を受信すると(ステップ1313)、その表示部23に電力供給開始完了を表示し(ステップ1314)、入力待ち状態(ステップ1311)に戻る。
【0092】図14は、電力供給停止時における電力接続分離制御装置5および中央制御装置19における処理をフローチャートで示したものである。なお、このフローチャートの処理は、図8に示したフローチャートにおいて携帯端末6が中央制御装置19に代わっただけで基本的には同一である。
【0093】すなわち、入力待ち状態(ステップ1411)にある中央制御装置19の入力部22から電力供給停止の指示を入力すると、中央制御装置19の制御部20はこれを認識して、送受信部21を介して供給停止要求信号を送信する(ステップ1412)。
【0094】電力供給状態(ステップ1401)にある電力接続分離制御装置5がこの中央制御装置19から送信された供給停止要求信号をそのアンテナ10、無線送受信部11を介して受信すると(ステップ1402)、電力接続分離制御装置5の制御部9はこれを認識して、まず、供給停止応答信号を無線送受信部11、アンテナ10を介して中央制御装置19に送信する(ステップ1403)。
【0095】そして、制御部9からウォッチドックタイマ8に対して定期的に出力されていたWDTリセット信号の出力を停止する(ステップ1404)。
【0096】これにより、ブレーカ7は、引込線2と屋内配線4とを分離し、電力供給停止状態になる(ステップ1405)。
【0097】一方、中央制御装置19は、電力接続分離制御装置5からの供給停止応答信号を受信すると(ステップ1413)、その表示部23に電力供給停止終了を表示し(ステップ1414)、入力待ち状態(ステップ1411)に戻る。
【0098】図15は、この発明に係わる電力供給制御方法および装置を適用して構成した電力供給制御システムにおける電力接続分離制御装置5の他の実施形態を示したものである。なお、この実施形態におけるシステム構成は、図1または図9に示したものと同一のものを用いることができる。
【0099】この実施形態においては、電力接続分離制御装置5に電力供給状態モニタ部24を設け、この電力供給状態モニタ部24でモニタしたこの電力接続分離制御装置5の電力供給状態を供給状態モニタ信号として制御部9に出力するように構成し、制御部9は、この電力接続分離制御装置5において携帯端末6または中央制御装置19からの指示に対応した処理がなされなかった場合はこれを異常として携帯端末6または中央制御装置19に通知するように構成されている。他の構成は図2に示したものと同一である。
【0100】なお、この実施形態では、図4に示した制御信号のフォーマットの制御信号種別として、1)供給開始要求2)供給停止要求3)供給開始応答4)供給停止応答に加えて5)異常供給中6)異常停止中が用いられている。
【0101】図16は、この実施形態の電力供給開始時において、異常が発生した場合における制御信号通信シーケンスを示したものである。
【0102】携帯端末6または中央制御装置19から電力接続分離制御装置5に対して電力供給開始を指示する場合は、まず、携帯端末6または中央制御装置19から供給開始要求信号を出力する。
【0103】電力接続分離制御装置5では、この携帯端末6または中央制御装置19からの供給開始要求信号を受信すると、電力供給開始を制御するが、ここでブレーカ7を電力供給状態に正常に制御できたときは、図5または図11のシーケンスと同様に供給開始応答を携帯端末6または中央制御装置19へ返送するが、ブレーカ7を電力供給状態に制御できなかったときは、すなわち電力供給状態への制御に失敗した場合は、電力接続分離制御装置5が電力異常停止中にあるとして異常停止中信号を携帯端末6または中央制御装置19に返送する。
【0104】図17は、この実施形態の電力供給停止時において、異常が発生した場合における制御信号通信シーケンスを示したものである。
【0105】携帯端末6または中央制御装置19から電力接続分離制御装置5に対して電力供給停止を指示する場合は、まず、携帯端末6または中央制御装置19から供給停止要求信号を出力する。
【0106】電力接続分離制御装置5では、この携帯端末6または中央制御装置19からの供給停止要求信号を受信すると、電力供給停止を制御するが、ここでブレーカ7を電力停止状態に正常に制御できたときは、図6または図12のシーケンスと同様に供給停止応答を携帯端末6または中央制御装置19へ返送するが、ブレーカ7を電力停止状態に制御できなかったときは、すなわち電力停止状態への制御に失敗した場合は、電力接続分離制御装置5が異常電力供給中にあるとして異常供給信号を携帯端末6または中央制御装置19に返送する。
【0107】図18は、この実施形態の電力供給開始時における電力接続分離制御装置5および携帯端末6または中央制御装置19における処理をフローチャートで示したものである。
【0108】入力待ち状態(ステップ1811)にある携帯端末6または中央制御装置19から電力供給開始の指示を入力すると、携帯端末6または中央制御装置19は供給開始要求信号を送信する(ステップ1812)。
【0109】電力供給停止状態(ステップ1801)にある電力接続分離制御装置5がこの携帯端末6または中央制御装置19から送信された供給開始要求信号を受信すると(ステップ1802)、ウォッチドックタイマ8に対するWDTリセット信号の定期的出力を開始するとともに(ステップ1803)、ブレーカ7に対してブレーカON信号を出力する(ステップ1804)。
【0110】そして、電力供給状態モニタ部24からの供給モニタ信号がONか、すなわちブレーカ7が引込線2と屋内配線4との接続状態に制御されたを調べる(ステップ1805)。
【0111】ここで、電力供給状態モニタ部24からの供給モニタ信号がONでない、すなわちブレーカ7が引込線2と屋内配線4とを分離状態に制御している場合は(ステップ1805でN)、携帯端末6または中央制御装置19に対して異常停止中信号を送信し、その後、ウォッチドックタイマ8に対するWDTリセット信号の出力を停止して(ステップ1807)、ステップ1801に戻る。
【0112】また、ステップ1805において、電力供給状態モニタ部24からの供給モニタ信号がON、すなわちブレーカ7が引込線2と屋内配線4との接続状態に制御されていると判断された場合は(ステップ1805でY)、携帯端末6または中央制御装置19に対して供給開始応答信号を送信し(ステップ1808)、電力供給状態になる(ステップ1809)。
【0113】一方、携帯端末6または中央制御装置19は、電力接続分離制御装置5から供給開始応答信号を受信したかを監視し(ステップ1813)、供給開始応答信号を受信した場合は(ステップ1813でY)、電力供給開始完了を表示部に表示し(ステップ1814)、供給開始応答信号を受信しない場合は、すなわち異常停止中信号を受信した場合は(ステップ1813でN)、電力供給開始失敗を表示部に表示し、入力待ち状態(ステップ1811)に戻る。
【0114】図19は、この実施形態の電力供給停止時における電力接続分離制御装置5および携帯端末6または中央制御装置19における処理をフローチャートで示したものである。
【0115】入力待ち状態(ステップ1911)にある携帯端末6または中央制御装置19から電力供給停止の指示を入力すると、携帯端末6または中央制御装置19は供給停止要求信号を送信する(ステップ1912)。
【0116】電力供給状態(ステップ1901)にある電力接続分離制御装置5がこの携帯端末6または中央制御装置19から送信された供給停止要求信号を受信すると(ステップ1902)、ウォッチドックタイマ8に対するWDTリセット信号の定期的出力を停止する(ステップ1903)。
【0117】そして、そしてウォッチドックタイマ8のタイムアウトを待ち(ステップ1904)、次に、電力供給状態モニタ部24からの供給モニタ信号がONか、すなわちブレーカ7が引込線2と屋内配線4との接続状態に制御されたを調べる(ステップ1905)。
【0118】ここで、電力供給状態モニタ部24からの供給モニタ信号がON、すなわちブレーカ7が引込線2と屋内配線4との接続状態に制御されている場合は(ステップ1905でY)、携帯端末6または中央制御装置19に対して異常供給中信号を送信し、その後、ウォッチドックタイマ8に対するWDTリセット信号の定期的出力を開始し(ステップ1907)、ステップ1901に戻る。
【0119】また、ステップ1905において、電力供給状態モニタ部24からの供給モニタ信号がONでない、すなわちブレーカ7が引込線2と屋内配線4とを分離状態に制御していると判断した場合は(ステップ1905でN)、携帯端末6または中央制御装置19に対して供給停止応答信号を送信し(ステップ1908)、電力停止状態になる(ステップ1909)。
【0120】一方、携帯端末6または中央制御装置19は、電力接続分離制御装置5から供給停止応答信号を受信したかを監視し(ステップ1913)、供給停止応答信号を受信した場合は(ステップ1913でY)、電力供給停止完了を表示部に表示し(ステップ1914)、供給停止応答信号を受信しない場合は、すなわち異常停止中信号を受信した場合は(ステップ1913でN)、電力供給停止失敗を表示部に表示し、入力待ち状態(ステップ1911)に戻る。
【0121】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、引込線と屋内配線との間に引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続または分離を制御する電力接続分離制御部を設けるとともに、電力接続分離制御部に対して無線携帯端末または中央制御装置から無線信号により電力供給の開始または停止を指示し、電力接続分離制御部は、これに応答して引込線と屋内配線との間の接続または分離を制御するように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0122】1)電気工事なしで建築物等への電力供給の開始、停止制御を行うことができる。
【0123】2)建築物等の敷地内に立ち入らなくても電力供給の開始、停止制御を行うことができる。
【0124】また、電力供給の停止中は定期的にブレーカをオフにする信号を発生するウォッチドックタイマの導入により、電力を不正に利用されるのを防ぐことができる。
【0125】また、電力供給状態モニタ部の導入により、電力接続分離制御装置の異常発生を遠隔地で検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる電力供給制御方法および装置を適用して構成した電力供給制御システムの一実施形態の概略構成を示したシステム構成図。
【図2】図1に示した電力接続分離制御装置の詳細構成を示すブロック図。
【図3】図1に示した携帯端末の詳細構成を示すブロック図。
【図4】携帯端末と電力接続分離制御装置との間で送受される制御信号のフォーマットの一例を示す図。
【図5】図1に示す実施形態の電力供給開始時における制御信号通信シーケンスを示したシーケンス図。
【図6】図1に示す実施形態の電力供給停止時における制御信号通信シーケンスを示したシーケンス図。
【図7】図1に示す実施形態の電力供給開始時における電力接続分離制御装置および携帯端末の処理を示すフローチャート。
【図8】図1に示す実施形態の電力供給停止時における電力接続分離制御装置および携帯端末の処理を示すフローチャート。
【図9】この発明に係わる電力供給制御方法および装置を適用して構成した電力供給制御システムの他の実施形態の概略構成を示したシステム構成図。
【図10】図9に示した中央制御装置の詳細構成を示すブロック図。
【図11】図9に示す実施形態の電力供給開始時における制御信号通信シーケンスを示したシーケンス図。
【図12】図9に示す実施形態の電力供給停止時における制御信号通信シーケンスを示したシーケンス図。
【図13】図9に示す実施形態の電力供給開始時における電力接続分離制御装置および中央制御装置の処理を示すフローチャート。
【図14】図9に示す実施形態の電力供給停止時における電力接続分離制御装置および中央制御装置の処理を示すフローチャート。
【図15】この発明に係わる電力供給制御方法および装置を適用して構成した電力供給制御システムにおける電力接続分離制御装置の他の実施形態を示したブロック図。
【図16】図15に示す実施形態の異常が発生した場合の電力供給開始時における制御信号通信シーケンスを示したシーケンス図。
【図17】図15に示す実施形態の異常が発生した場合の電力供給停止時における制御信号通信シーケンスを示したシーケンス図。
【図18】図15に示す実施形態の電力供給開始時における電力接続分離制御装置および携帯端末または中央制御装置の処理を示すフローチャート。
【図19】図9に示す実施形態の電力供給停止時における電力接続分離制御装置および携帯端末または中央制御装置の処理を示すフローチャート。
【図20】従来の電力供給制御方法を説明するための図。
【符号の説明】
2 引込線
4 屋内配線
5 電力接続分離制御装置
6 携帯端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】 電力供給源となる引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続、分離を制御する電力供給制御システムにおいて、上記引込線と上記屋内配線との間に設けられ、上記引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続または分離を制御する電力接続分離手段と、上記電力接続分離手段から離間して配設され、上記電力接続分離手段に対して上記電力の供給の開始または停止を無線で指示する無線携帯端末と、上記電力接続分離手段の電力供給状態をモニタして供給状態モニタ信号として出力する電力供給状態モニタ手段と、上記電力供給状態モニタ手段から出力された供給状態モニタ信号に基づいて、上記無線携帯端末から指示された電力供給状態に制御できたか否かを判断し、その判断結果を上記無線携帯端末に送信する判断結果送信手段と、を具備することを特徴とする電力供給制御システム。
【請求項2】 電力供給源となる引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続、分離を制御する電力供給制御システムにおいて、上記引込線と上記屋内配線との間に設けられ、上記引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続または分離を制御する電力接続分離手段と、上記電力接続分離手段から離間して配設され、上記電力接続分離手段に対して移動体通信端末の基地局を含む通信網を介して上記電力の供給の開始または停止を指示する中央制御装置と、上記電力接続分離手段の電力供給状態をモニタして供給状態モニタ信号として出力する電力供給状態モニタ手段と、上記電力供給状態モニタ手段から出力された供給状態モニタ信号に基づいて、上記中央制御装置から指示された電力供給状態に制御できたか否かを判断し、その判断結果を上記中央制御装置に送信する判断結果送信手段と、を具備することを特徴とする電力供給制御システム。
【請求項3】 電力供給源となる引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続、分離を制御する電力供給制御装置において、上記引込線と上記屋内配線との間に設けられ、上記引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続または分離を制御する電力接続分離手段と、無線携帯端末または中央制御装置からの上記電力の供給の開始または停止を要求する要求信号を受信する要求信号受信手段と、上記電力接続分離手段の電力供給状態をモニタして供給状態モニタ信号として出力する電力供給状態モニタ手段と、上記電力供給状態モニタ手段から出力された供給状態モニタ信号に基づいて、上記要求信号受信手段で受信した要求信号の通りの電力供給状態に制御できたか否かを判断し、その判断結果を上記無線携帯端末または中央制御装置に送信する判断結果送信手段と、を具備することを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項4】 電力供給源となる引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続、分離を制御する電力供給制御方法において、上記引込線と上記屋内配線との間に上記引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続または分離を制御する電力接続分離手段と、上記電力接続分離手段の電力供給状態をモニタして供給状態モニタ信号として出力する電力供給状態モニタ手段と、を設けるとともに、上記電力接続分離手段に対して上記電力接続分離手段から離間した無線携帯端末により上記電力の供給の開始または停止を無線で指示し、上記電力接続分離手段は、上記無線携帯端末からの電力の供給の開始または停止の指示に対応して上記引込線と上記屋内配線との間の接続または分離を制御し、上記電力供給状態モニタ手段から出力された供給状態モニタ信号に基づいて、上記無線携帯端末から指示された電力供給状態に制御できたか否かを判断し、その判断結果を上記無線携帯端末に送信することを特徴とする電力供給制御方法。
【請求項5】 電力供給源となる引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続、分離を制御する電力供給制御方法において、上記引込線と上記屋内配線との間に上記引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続または分離を制御する電力接続分離手段と、上記電力接続分離手段の電力供給状態をモニタして供給状態モニタ信号として出力する電力供給状態モニタ手段と、を設けるとともに、上記電力接続分離手段に対して中央制御装置から移動通信端末の基地局を含む通信網を介して上記電力の供給の開始または停止を指示し、上記電力接続分離手段は、上記中央制御装置からの電力の供給の開始または停止の指示に対応して上記引込線と上記屋内配線との間の接続または分離を制御し、上記電力供給状態モニタ手段から出力された供給状態モニタ信号に基づいて、上記中央制御装置から指示された電力供給状態に制御できたか否かを判断し、その判断結果を上記中央制御装置に送信することを特徴とする電力供給制御方法。
【請求項6】 電力供給源となる引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続、分離を制御する電力供給制御方法において、上記引込線と上記屋内配線との間に上記引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続または分離を制御する電力接続分離手段を設けるとともに、上記電力接続分離手段に対して上記電力接続分離手段から離間した無線携帯端末により上記電力の供給の開始または停止を無線で指示し、上記電力接続分離手段は、上記無線携帯端末からの電力の供給の開始または停止の指示に対応して上記引込線と上記屋内配線との間の接続または分離を制御し、上記無線携帯端末からの電力の供給の分離の指示があると上記引込線と上記屋内配線との間を周期的に分離し、上記無線携帯端末からの電力の供給の開始の指示があると上記引込線と上記屋内配線との間を接続するとともに上記周期的分離を禁止することを特徴とする電力供給制御方法。
【請求項7】 電力供給源となる引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続、分離を制御する電力供給制御方法において、上記引込線と上記屋内配線との間に上記引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続または分離を制御する電力接続分離手段を設けるとともに、上記電力接続分離手段に対して中央制御装置から移動通信端末の基地局を含む通信網を介して上記電力の供給の開始または停止を指示し、上記電力接続分離手段は、上記中央制御装置から電力の供給の開始または停止の指示に対応して上記引込線と上記屋内配線との間の接続または分離を制御し、上記中央制御装置からの電力の供給の分離の指示があると上記引込線と上記屋内配線との間を周期的に分離し、上記無線携帯端末からの電力の供給の開始の指示があると上記引込線と上記屋内配線との間を接続するとともに上記周期的分離を禁止することを特徴とする電力供給制御方法。
【請求項8】 電力供給源となる引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続、分離を制御する電力供給制御装置において、上記引込線と上記屋内配線との間に設けられ、上記引込線から屋内配線に対して供給する電力の接続または分離を制御する電力接続分離手段と、上記電力接続分離手段から離間して配設され、上記電力接続分離手段に対して上記電力の供給の開始または停止を無線で指示する無線携帯端末と、を具備し、上記電力接続分離手段は、上記引込線と上記屋内配線との間を接続、分離するブレーカ手段と、上記無線携帯端末との間で無線信号の送受を行う無線送受信手段と、所定の時間を計時し、該所定の時間以内にリセット信号が入力されない場合は上記ブレーカ手段に対して上記引込線と上記屋内配線との間を分離するブレーカオフ信号を上記所定の時間の周期で送出するタイマ手段と、上記無線送受信手段により上記無線携帯端末からの上記電力の供給の開始を指示する供給開始信号を受信した場合は、上記ブレーカ手段に対して上記引込線と上記屋内配線との間を接続するブレーカオン信号を送出するとともに、上記タイマ手段に対して上記所定の時間より短い周期で上記リセット信号を送出し、上記無線送受信手段により上記無線携帯端末からの上記電力の供給の停止を指示する供給停止信号を受信した場合は、上記タイマ手段に対する上記リセット信号の送出を禁止する制御手段と、を具備することを特徴とする電力供給制御装置。

【図1】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図2】
image rotate


【図7】
image rotate


【図11】
image rotate


【図12】
image rotate


【図9】
image rotate


【図10】
image rotate


【図16】
image rotate


【図8】
image rotate


【図17】
image rotate


【図20】
image rotate


【図13】
image rotate


【図14】
image rotate


【図15】
image rotate


【図18】
image rotate


【図19】
image rotate


【特許番号】特許第3487323号(P3487323)
【登録日】平成15年10月31日(2003.10.31)
【発行日】平成16年1月19日(2004.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−253465
【出願日】平成8年9月25日(1996.9.25)
【公開番号】特開平10−108389
【公開日】平成10年4月24日(1998.4.24)
【審査請求日】平成13年3月5日(2001.3.5)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【参考文献】
【文献】特開 平10−70855(JP,A)
【文献】特開 平10−112944(JP,A)