説明

電力供給制御装置、画像処理装置、電力供給制御プログラム

【課題】移動体検出手段で検出される移動体が、装置の被動作部を使用する意志があるか否かに関わらず、必要最小限の電力供給制御を実行する。
【解決手段】不確かな人の検出があったときにUIタッチパネル216を優先して電力供給し、キー操作等があれば、ウォームアップモード、続いてスタンバイモードへと遷移させ、装置を使用可能状態とすると共に、第1の所定時間が経過しても何ら使用の兆候がない場合に、まず、UIタッチパネル216へメッセージを表示し、その後、第2の所定時間が経過してもまだ使用の兆候がない場合、不確かな人の検出があったときは、第2の所定時間による判定をN回繰り返し、N値が予め定めた回数を超えたとき、或いは、人の検出がなくなった時点で、アウェイクモードから再びスピープモードへ遷移させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給制御装置、画像処理装置、電力供給制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、必要最小限の電力とすることを目的として、省エネルギーモード時に駆動が必要な人体検知センサを時分割駆動にして、人体を検出したら時分割の周期を短くするなどして、時分割駆動による人体検知センサの平均電力を省エネすることが記載されている。
【0003】
特許文献2には、画像処理装置に人感センサを設置して、当該画像処理装置に近づいてきた人を検出して、画像処理装置の電源を立上げて、消費電力の低減と利便性の両立を実現することが提案されている。
【0004】
より詳しくは、人感センサとして、2点に設置された距離検出手段を採用し、人体の移動方向が所定のエリアに向かっているかどうかを判断し、その判断結果に基づいて、画像形成装置本体を制御しており、人感センサによる人体の接近の際、画像形成装置に近づいてきて、操作することなく素通りするといった事象(単なる歩行者)に対して、前記立上げが実行される場合を含んでいる。
【0005】
また、特許文献3には、人を検出したときにユーザーインターフェイス(UI)に電力を供給し、人を検出しなくなったらUIへの電力供給を遮断することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】

【特許文献1】特開2002−071833号公報
【特許文献2】特開平05−045471号公報
【特許文献3】特開2002−006686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、移動体検出手段で検出される移動体が、装置の被動作部を使用する意志があるか否かに関わらず、必要最小限の電力供給制御を実行することができる電力供給制御装置、画像処理装置、電力供給制御プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、商用電力電源部から電力の供給を受けて動作する被動作部を対象として、消費電力が異なる複数の電力供給状態、及び前記商用電力電源部から電力の供給を受けない、或いは予め定めた電力以下であり電力供給を行うか否かの判別制御に必要な電力の供給を受ける電力非供給状態の間で状態を遷移させる電力供給状態遷移制御手段と、前記被動作部に対して使用する使用者を含み、予め設定された領域内で、移動体が移動している状態を検出する移動体検出手段と、前記移動体検出手段により前記移動体の移動を検出した場合に、前記被動作部の内、使用者が操作して指示を受け付けるための操作系被動作部を優先して電力供給状態へ遷移させるように指示する電力供給状態遷移指示手段と、予め定められた期間中に前記操作系被動作部に対する操作があったか否かを判別する操作状態判別手段と、前記操作状態判別手段により前記操作があったことが判別されている間は前記操作系被動作部に対する電力供給を継続すると共に、当該操作が他の被動作部の実行指示のための操作であった場合には少なくとも実行指示に関与する被動作部を選択して電力を供給する電力供給先選択手段と、前記操作状態判別手段において、予め定められた期間中に前記操作系被動作部に対する操作がなかった場合、当該予め定められた期間の経過時において前記移動体検出手段により移動体が移動している状態の未検出を条件として、前記操作系被動作部への電力供給を遮断する電力非供給状態に遷移させるように指示する電力非供給状態遷移指示手段と、を有している。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記操作状態判別手段による判別期間中は、前記移動体検出手段の検出結果に基づく電力供給状態遷移制御を禁止する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記移動体検出手段が、予め定められた検出領域内で、前記移動体が移動しているときと静止しているときとで異なる二値信号を出力する焦電型センサである。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記請求項1〜請求項3の何れか1項記載の発明において、前記移動体検出手段による検出領域が、前記操作系被動作部を基準として、360°の各方向毎に検出可能な位置の集合である境界線の内側であり、
前記境界線の前記操作系被動作部からの距離を、前記移動体が予め定めた移動速度で前記境界線での検出時から当該移動体により前記操作系被動作部が操作されるまでの間に、当該操作系被動作部への電力供給が完了し得る距離以上に設定する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の発明において、前記操作系被動作部までの距離が最も近い位置、或いは、前記使用者の検出回数履歴に基づいて、予め定めた境界通過回数頻度を超える位置を、特定の境界線の位置として設定する。
【0013】
請求項6に記載の発明は、前記請求項1〜請求項5の何れか1項記載の発明において、前記電力非供給状態が前記移動体検出手段に関わる制御系にのみ電力を供給するスリープモードを備え、かつ、前記電力供給状態が、前記スリープモードから被動作部を立ち上げるための準備段階であるウォームアップモード、前記被動作部に対して定常時よりも下げて電力を供給しておくスタンバイモード、被動作部に対して前記定常時の電力を供給するランニングモードを備えており、前記スリープモードから前記ウォームアップモードの間には、前記操作系被動作部を優先して電力供給状態とするアウェイクモードが設定されており、前記電力供給状態遷移指示手段による遷移指示は、前記スリープモードからアウェイクモードへの遷移として制御される。
【0014】
請求項7に記載の発明は、前記請求項1〜請求項6の何れか1項記載の電力供給制御装置を備え、前記被動作部が、前記操作系被動作部としてのユーザーインターフェイス部、原稿画像から画像を読み取る画像読取部、画像情報に基づいて記録用紙に画像を形成する画像形成部、予め相互に定められた通信手順の下で画像を送信先へ送信するファクシミリ通信制御部の少なくとも1つを含んでおり、前記画像読取部、前記画像形成部、前記ファクシミリ通信制御部が、前記ユーザーインターフェイス部の操作又は外部通信受付による使用者からの指示に対して、相互に連携しあって当該画像処理機能を実行する画像処理装置である。
【0015】
請求項8に記載の発明は、コンピュータを、前記請求項1〜請求項6の何れか1項記載の電力供給制御装置として実行させる電力供給制御プログラムである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1、請求項7、請求項8記載の発明によれば、移動体検出手段で検出される移動体が、装置の被動作部を使用する意志があるか否かに関わらず、必要最小限の電力供給制御を実行することができる。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、同時期における相互の異なる遷移指示等の誤動作を回避することができる。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、移動体の有無ではなく移動状態での検出ができる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、電力供給を使用者の操作に対して遅滞なく行うことができる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、必要最小限の検出範囲を設定することができる。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、モード単位で遷移指示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施の形態に係る画像処理装置を含む通信回線網接続図である。
【図2】本実施の形態に係る画像処理装置の概略図である。
【図3】本実施の形態に係る画像処理装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態に係るメインコントローラと電源装置の制御系を機能別に概略図である。
【図5】画像処理装置における、各モード状態と、当該モード状態の移行の契機となる事象を示したタイミングチャートである。
【図6】本実施の形態にかかり、画像処理装置及びその周辺示す平面図である。
【図7】人感センサによるスリープモード時監視制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】画像処理装置のモード毎の、人感センサへの電力供給パターン例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1に示される如く、本実施の形態に係る画像処理装置10は、インターネット等のネットワーク通信回線網20に接続されている。図1では、2台の画像処理装置10が接続されているが、この数は限定されるものではなく、1台でもよいし、3台以上であってもよい。
【0024】
また、このネットワーク通信回線網20には、情報端末機器としての複数のPC(パーソナルコンピュータ)21が接続されている。図1では、2台のPC21が接続されているが、この数は限定されるものではなく、1台でもよいし、3台以上であってもよい。また、情報端末機器としては、PC21に限定されるものではなく、さらには有線接続である必要もない。すなわち、無線によって情報を送受信する通信回線網であってもよい。
【0025】
図1に示される如く、画像処理装置10では、PC21から当該画像処理装置10に対して、遠隔で、例えばデータを転送して画像形成(プリント)指示操作を行なう場合、或いは使用者(ユーザー)が画像処理装置10の前に立ち、各種操作によって、例えば、複写(コピー)、スキャン(画像読取)、ファクシミリ送受信等の処理を指示する場合がある。
【0026】
図2には、本実施の形態に係る画像処理装置10が示されている。画像処理装置10は、記録用紙に画像を形成する画像形成部240と、原稿画像を読み取る画像読取部238と、ファクシミリ通信制御回路236を備えている。画像処理装置10は、メインコントローラ200を備えており、画像形成部240、画像読取部238、ファクシミリ通信制御回路236を制御して、画像読取部238で読み取った原稿画像の画像データを一次的に記憶したり、読み取った画像データを画像形成部240又はファクシミリ通信制御回路236へ送出したりする。
【0027】
メインコントローラ200にはインターネット等のネットワーク通信回線網20が接続され、ファクシミリ通信制御回路236には電話回線網22が接続されている。メインコントローラ200は、例えば、ネットワーク通信回線網20を介してホストコンピュータと接続され、画像データを受信したり、ファクシミリ通信制御回路236を介して電話回線網22を用いてファクシミリ受信及びファクシミリ送信を実行する役目を有している。
【0028】
画像読取部238は、原稿を位置決めする原稿台と、原稿台に置かれた原稿の画像を走査して光を照射する走査駆動系と、走査駆動系の走査により反射又は透過する光を受光して電気信号に変換するCCD等の光電変換素子と、が設けられている。
【0029】
画像形成部240は、感光体を備え、感光体の周囲には、感光体を一様に帯電する帯電装置と、画像データに基づいて光ビームを走査する走査露光部と、前記走査露光部によって走査露光されることで形成された静電潜像を現像する画像現像部と、顕像化された感光体上の画像を記録用紙へ転写する転写部と、転写後の感光体の表面をクリーニングするクリーニング部と、が設けられている。また、記録用紙の搬送経路上には、転写後の記録用紙上の画像を定着する定着部を備えている。
【0030】
画像処理装置10には、入力電源線244の先端にコンセント245が取り付けられており、壁面Wまで配線された商用電源242の配線プレート243に、当該コンセント245を差し込むことで、画像処理装置10は、商用電源242から、電力の供給を受けるようになっている。
【0031】
(制御系ハード構成)
図3は、画像処理装置10の制御系のハード構成の概略図である。
【0032】
ネットワーク回線網20は、メインコントローラ200に接続されている。メインコントローラ200には、それぞれ、データバスやコントロールバス等のバス33A〜33Dを介して、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240、UIタッチパネル216が接続されている。すなわち、このメインコントローラ200が主体となって、画像処理装置10の各処理部が制御されるようになっている。
【0033】
また、画像処理装置10は、電源装置202を備えており、メインコントローラ200とはバス33Eで接続されている。電源装置202は、商用電源242から電力の供給を受けている。電源装置202では、メインコントローラ200、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240、UIタッチパネル216のそれぞれに対して独立して電力を供給する電力供給線35A〜35Dが設けられている。このため、メインコントローラ200では、各処理部(デバイス)に対して個別に電力供給(電力供給モード)、或いは電力供給遮断(スリープモード)し、所謂部分節電制御を可能としている。
【0034】
また、メインコントローラ200には、人感センサ28が接続されており、画像処理装置10の周囲の人の有無を監視している。この人感センサ28については後述する。
【0035】
(部分節電構成を主体とした機能ブロック図)
図4は、前記メインコントローラ200によって制御される処理部(「デバイス」、「モジュール」等と称する場合もある)、並びにメインコントローラ200、並びに各デバイスへ電源を供給するための電源装置202の電源ラインを主体とした概略構成図である。本実施の形態では、画像処理装置10が処理部単位で電力供給又は非供給が可能でとなっている(部分節電)。
【0036】
[メインコントローラ200]
図4に示される如く、メインコントローラ200は、CPU204、RAM206、ROM208、I/O(入出力部)210、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス212を有している。I/O210には、UI制御回路214を介してUIタッチパネル216が接続されている。また、I/O210には、ハードディスク(HDD)218が接続されている。ROM208やハードディスク218等に記録されているプログラムに基づいて、CPU204が動作することによって、メインコントローラ200の機能を実現する。なお、該プログラムを格納した記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをインストールし、これに基づいてCPU204が動作することにより画像処理機能を実現してもよい。
【0037】
I/O210には、タイマ回路220、通信回線I/F222が接続されている。さらに、I/O210には、ファクシミリ通信制御回路(モデム)236、画像読取部238、画像形成部240の各デバイスに接続されている。
【0038】
なお、前記タイマ回路220は、前記ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240を節電状態(電源非供給状態)とするための契機として、初期設定時間の計時を行うものである。
【0039】
メインコントローラ200及び各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)は、電源装置202から電源が供給される(図4の点線参照)。なお、図4では、電源線を1本の線(点線)で示しているが、実際には2本〜3本の配線である。
【0040】
[電源装置202]
図4に示される如く、商用電源242から引き込まれた入力電源線244は、メインスイッチ246に接続されている。メインスイッチ246がオンされることで、第1の電源部248及び第2の電源部250へ電力供給が可能となる。
【0041】
第1の電源部248は、制御用電源生成部248Aを備え、メインコントローラ200の電源供給制御回路252に接続されている。電源供給制御回路252は、メインコントローラ200に電源供給すると共に、I/O210に接続され、メインコントローラ200の制御プログラムに従って、前記各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)への電源供給線を導通/非導通させるためのスイッチング制御を行う。
【0042】
一方、第2の電源部250へ接続される電源線254には、第1のサブ電源スイッチ256(以下、「SW−1」という場合がある。)が介在されている。このSW−1は、前記電源供給制御回路252で、オン・オフが制御されるようになっている。
【0043】
また、第2の電源部250は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を備えている。24V電源部250H(LVPS2)は主としてモーター等で使用される電源である。
【0044】
第2の電源部250の24V電源部250H(LVPS2)及び5V電源部250L(LVPS1)は、選択的に、画像読取部電源供給部258、画像形成部電源供給部260、ファクシミリ通信制御回路電源供給部264、UIタッチパネル電源供給部266に接続されている。
【0045】
画像読取部電源供給部258は、24V電源部250H(LVPS2)を入力源として、第2のサブ電源スイッチ268(以下、「SW−2」という場合がある。)を介して、画像読取部238に接続されている。
【0046】
画像形成部電源供給部260は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を入力源として、第3のサブ電源スイッチ270(以下、「SW−3」という場合がある。)を介して、画像形成部240に接続されている。
【0047】
ファクシミリ通信制御回路電源供給部264は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を入力源として、第5のサブ電源スイッチ274(以下、「SW−5」という場合がある。)を介して、ファクシミリ通信制御回路236及び画像形成部240に接続されている。
【0048】
UIタッチパネル電源供給部266は、5V電源部250L(LVPS1)と24V電源部250H(LVPS2)を入力源として、第6のサブ電源スイッチ276(以下、「SW−6」という場合がある。)を介して、UIタッチパネル216に接続されている。
【0049】
前記第2のサブ電源スイッチ268、第3のサブ電源スイッチ270、第5のサブ電源スイッチ274、第6のサブ電源スイッチ276は、それぞれ前記第1のサブ電源スイッチ256と同様に、メインコントローラ200の電源供給制御回路252からの電源供給選択信号に基づいて、オン・オフ制御される。図示していないが、24V電源部250Hと5V電源部250Lが供給されるスイッチや配線は、2系統で構成されている。また電源スイッチ268〜276は電源装置202でなく、電源供給先の各デバイス内に配置されても良い。
【0050】
上記構成では、機能別に各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)を選択した電源を供給し、指示された機能に不要なデバイスへの電源を供給しないため、必要最小限の電力で済む。
【0051】
(監視制御)
ここで、本実施の形態のメインコントローラ200は、必要最小限の電力消費となるように、部分的にその機能を停止させる場合がある。或いは、メインコントローラ200の大部分を含め、電力の供給を停止させる場合がある。これらを総称して「スリープモード(節電モード)」という場合がある。
【0052】
スリープモードは、例えば、画像処理が終了した時点でタイマを起動させることで移行可能である。すなわち、前記タイマが起動してから所定時間をカウントすることで電力供給を停止させている。なお、所定時間が経過するまでに、何らかの操作(ハードキーの操作等)があれば、当然、スリープモードへのタイマカウントは中止され、次の画像処理終了時からタイマが起動される。
【0053】
一方、上記スリープモード中において、常に電力を供給を受ける素子として、節電中監視制御部24がI/O210に接続されている。この節電中監視制御部24は、例えば、ASICと称される、自身で動作プログラムが格納され、当該動作プログラムで処理されるCPU,RAM,ROM等を備えたICチップ等で構成することができる。
【0054】
ところで、前記節電中の監視において、例えば、通信回線検出部からプリント要求などが来たり、FAX回線検出部からFAX受信要求が来ることで、節電中であったデバイスに対して、節電中監視制御部24では、第1のサブ電源スイッチ256、第2のサブ電源スイッチ268、第3のサブ電源スイッチ270、第5のサブ電源スイッチ274、第6のサブ電源スイッチ276を制御することで、電力を供給を行なうことが前提である。
【0055】
また、メインコントローラ200のI/O210には、節電解除ボタン26が接続されており、節電中に使用者がこの節電解除ボタン26を操作することで、節電が解除可能となっている。
【0056】
ここで、スリープモードで監視するためには、節電中監視制御部24以外に、節電解除ボタン26や各検出部には節電中に必要最小限の電力を供給しておくことが好ましい。すなわち、電力非供給状態であるスリープモードであっても、予め定めた電力以下(例えば、0.5W以下)であり電力供給を行うか否かの判別制御に必要な電力の供給を受ける場合がある。
【0057】
なお、スリープモードの特定の期間(図5に示すアウェイクモード(awk))において、UIタッチパネル216等の入力系を主体とした必要最小限の電力供給を含む。
【0058】
ところで、スリープモード時に使用者が画像処理装置10の前に立ち、その後に節電解除ボタン26を操作して、電力供給を再開した場合、画像処理装置10が立ち上がるまでに時間を要する場合があった。
【0059】
そこで、本実施の形態では、前記節電中監視制御部24に、人感センサ28を設置すると共に、スリープモードでは、使用者が節電解除ボタンを押す前に人感センサで検知して早期に電力供給を再開して、使用者が早く使えるようにした。なお、節電解除ボタン26と人感センサ28とを併用しているが、人感センサ28のみで全ての監視を行うことも可能である。
【0060】
人感センサ28は、検出部28Aと回路基板部28Bとを備えており、回路基板部28Bは、検出部28Aで検出した信号の感度を調整したり、出力信号を生成する。
【0061】
なお、人感センサ28は、「人感」としているが、これは、本実施の形態に則した固有名詞であり、少なくとも人が感知(検出)できればよく、言い換えれば、人以外の移動体の感知(検出)も含むものである。従って、以下において、人感センサの検出対象を「人」に言及する場合があるが、将来的には、人に代わって実行するロボット等も感知対象範囲である。なお、逆に、人と特定して感知できる特殊センサが存在する場合は、当該特殊センサを適用可能である。
【0062】
人感センサ28の仕様は、画像処理装置10の周囲において、人の動きを検出するものである。この場合、焦電素子の焦電効果を用いた赤外線センサ等が代表的である(焦電型センサ)。本実施の形態では、人感センサ28として焦電型センサを適用している。
【0063】
この人感センサ28に適用された焦電素子の焦電効果を用いたセンサの最大の特徴は、検出領域が広いことである。また、人の動きを感知するため、検出領域内であって、人が静止していると、人の存在を検出しない。例えば、人の移動時にハイレベル信号が出力されている場合、検出範囲内の人が静止すると、当該信号がローレベル信号になるものである。
【0064】
なお、人感センサ28として、以下に示す機能をそれぞれ達成することが可能であれば、人感センサ28として、焦電型センサに限定されるものではない。
【0065】
上記構成の人感センサ28の適用形態は、画像処理装置10の状態(モード)によって設定する必要がある。
【0066】
図5は、画像処理装置10における、各モード状態と、当該モード状態の移行の契機となる事象を示したタイミングチャートである。
【0067】
画像処理装置10は、処理がなされていないと動作状態は、スリープモードとなり、本実施の形態では、節電中監視制御部24にのみ電力が供給されている。
【0068】
ここで、立ち上げ契機(立ち上げトリガの検出、或いは操作部の操作入力(キー入力))があると、動作状態はウォームアップモードへ遷移する。
【0069】
なお、立ち上げトリガとは、操作者による節電解除操作、人感センサ28による検出結果に基づく信号や情報等がある。
【0070】
ウォームアップモードは画像処理装置10を迅速に処理可能状態にもっていくため、各モードの内最大の電力消費量となるが、例えば、定着部におけるヒータとしてIHヒータを利用することによって、ハロゲンランプを用いたヒータよりもウォームアップモード時間は、比較的短い時間とされている。
【0071】
ウォームアップモードによる暖機運転が終了すると、画像処理装置10はスタンバイモードに遷移するようになっている。
【0072】
スタンバイモードは、文字通り「事に備えて準備が完了している」モードであり、画像処理装置10においては、画像処理の動作が即実行できる状態となっている。
【0073】
このため、キー入力としてジョブ実行操作があると、画像処理装置10の動作状態は、ランニングモードに遷移し、指示されたジョブに基づく画像処理が実行されるようになっている。
【0074】
画像処理が終了すると(連続した複数のジョブが待機している場合は、その連続したジョブの全てが終了したとき)、画像処理装置10の動作状態はスタンバイモードへ遷移する。このスタンバイモード中にジョブ実行指示があれば、再度ランニングモードへ遷移し、立ち下げトリガの検出がある、或いは予め定めた時間が経過したとき、スリープモードへ遷移するようになっている。
【0075】
なお、立ち下げトリガとは、人感センサ28による検出結果に基づく信号や情報等がある。
【0076】
また、画像処理装置10における実際の動作におけるモード状態の遷移が、全てこのタイミングチャートのとおり時系列で進行するものではない。例えば、ウォームアップモード後のスタンバイモードで処理が中止され、スリープモードへ移行する場合もある。
【0077】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0078】
上記の如く画像処理装置10は、スリープモード、ウォームアップモード、ランニングモードの間を相互に遷移しており、各モード毎に電力供給量が異なっている。
【0079】
本実施の形態の画像処理装置10では、予め定められた条件が揃うと、スリープモードへ移行する。このスリープモードでは、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240の各デバイスのみならず、節電中監視制御部24を除くメインコントローラ200、並びにUIタッチパネル216に対しても電力供給を遮断する。この場合、メインコントローラ200に接続されている節電解除ボタン26の機能も停止されることが好ましい。このため、周囲から画像処理装置10を見ると、完全にメイン電源スイッチが切られている状態と同等の状態となる。すなわち、スリープモードが確実に実行されていることが、周囲から確認可能な状態となる(「見える化」の実現)。
【0080】
ここで、本実施の形態では、人感センサ28を適用し、立ち上げトリガ「スリープモードからウォームアップモードへの遷移制御を行っている。
【0081】
人感センサ28は、画像処理装置10の周囲において、検出領域(以下、「第1の領域F」という)としている。例えば、人感センサ28の検出領域は、画像処理装置10が設置されている場所の環境にもよるが、目安として2〜3m程度である(図6の第1の領域F(far)参照)。
【0082】
人感センサ28の仕様は、人の動きを検出するものであり、焦電素子の焦電効果を用いた赤外線センサ等が代表的である。
【0083】
この人感センサ28の最大の特徴は、検出領域が広いことである(前記2〜3m、又はそれ以上が可能)。また、人の動きを感知するため、検出領域内であって、人が静止していると、人の存在を検出しない。例えば、人の移動時にハイレベル信号が出力されている場合、検出範囲内の人が静止すると、当該信号がローレベル信号になるものである。
【0084】
本実施の形態における「静止」とは、スチルカメラ等で撮影した静止画のように完全静止も当然含まれるが、例えば、人が画像処理装置10の前に操作を目的として立ち止まることを含むものとする。従って、予め定めた範囲の微動(呼吸に伴う動き等)や、手足、首等を動かすといった場合を静止の範疇とする。
【0085】
但し、人が画像処理装置10の前で、例えば画像形成や画像読取等の処理を待つ間、その場でストレッチ運動等を行うと、人感センサ28では、人の存在を検出する場合もある。
【0086】
従って、前記「静止」を定義して人感センサ28の感度を調整するのではなく、感度は、比較的おおまか、かつ標準的に調整し、当該人感センサ28の検出状態に依存するようにしてもよい。すなわち、人感センサ28が二値信号の内の1つ(例えば、ハイレベル信号)を出力しているときは人が動いていることを示し、人感センサ28の検出領域内に人が存在し、かつ二値信号の内の他の1つ(例えば、ローレベル信号)が出力された場合を静止とすればよい。
【0087】
ところで、人(移動体)と画像処理装置10との関係は、大きく分けて3形態あり、第1の形態は、人が画像処理装置10に対して、使用目的で操作可能位置まで近づいてくる形態(図6のA線矢視の動向(Aパターン)参照)、第2の形態は、人が処理装置を使用目的ではないが、操作可能位置まで近づいてくる形態(図6のB線矢視の動向(Bパターン)参照)、第3の形態は、人が処理装置の操作可能位置まで近づかないが、第1の形態、第2の形態に移行する可能性のある距離まできている形態(図6のC線矢視の動向(Cパターン)参照)。
【0088】
節電中監視制御部24では、前記人感センサ28の検出信号に基づく、上記3種類を含み、少なくとも、人感センサ28による人(移動体)検知時に、まず、メインコントローラ200におけるUIタッチパネル216への電力供給を実行する。なお、節電解除ボタン26を含むコピー実行等を指示するハードキー等の入力系を含めてもよい。この状態は、依然としてスリープモードと定義してもよいし、節電中監視制御部24のみの電力供給よりも電力供給量が増加するので、アウェイクモード「awk」(目覚めモード)として定義してもよい(図5の遷移図における、スリープモード範囲の括弧[ ]内参照)。
【0089】
その後、UIタッチパネル216(又はハードキー等)による操作状況に基づいて、再度スリープモードへ遷移するか、ウォームアップモードへ遷移するかを判別するようにしている。
【0090】
以下、図7のフローチャートに従い、人感センサ28による人(移動体)検知から、モード遷移指示までの電力供給制御の流れを説明する。
【0091】
図7に示される如く、ステップ100では、後述するスリープモードへの遷移の際に利用される回数値Nをクリア(0)し、次いで、ステップ102では、人感センサ28で移動体(使用者)を検知したか否かが判断される。ステップ102で、否定判定された場合はこのルーチンは終了する。なお、スリープモード中は基本的に他の処理は行っていないので、直ちにステップ100へ戻ることになる。
【0092】
前記ステップ102で肯定判定されると、ステップ104へ移行し、画像処理装置10の動作状態を、図5に示すスリープモード(slp)からアウェイクモード(awk)モードへ遷移する。この遷移は、基本的には依然としてスリープモードではあるが、UIタッチパネル216に電力が供給され、起動した状態である。なお、用語の定義として、アウェイクモードは、少なくともUIタッチパネル216に電力が供給されるので、電力供給状態の範疇としてもよいし、このときのUIタッチパネル216の用途が、予め定めた電力以下であり電力供給を行うか否かの判別制御であると言うこともできるので、この場合は、「判別制御に必要な電力の供給を受ける電力非供給状態」の範疇としてもよい。
【0093】
次のステップ106では、節電中監視制御部24での人感センサ28による監視体制を「無効」とし、ステップ108へ移行する。これは、例えば、使用者が画像処理装置10の前で立ち止まり、静止すると、人感センサ28の出力がなくなり、使用者が去ったと判断される可能性があるからである(図8参照)。
【0094】
ステップ108では装置の使用兆候があったか否かが判断される。すなわち、例えば、UIタッチパネル216を用いたキー入力(操作)があったか、画像読取部238のプラテンの開閉動作があった、ADF(オートフィーダー)で原稿を検知したか等であり、否定判定されると、ステップ110へ移行して予め設定した第1の所定時間が経過したか否かが判断される。このステップ110で否定判定されると、ステップ108へ戻り、ステップ108、110を繰り返す。
【0095】
上記ステップ108、110の繰り返し中、ステップ108で肯定判定、すなわち、キー入力(操作)等、使用兆候があったと判定されると、ステップ112へ移行する。ステップ112では、ジョブ実行の指示(例えば、スタートキーの操作等)があったか否かが判断され、否定判定された場合は、ステップ116へ移行し、肯定判定された場合は、ステップ122へ移行する。
【0096】
また、ステップ110で肯定判定、すなわち、第1の所定時間が経過してもキー入力(操作)等がないと判定されると、ステップ114へ移行して、UIタッチパネル216へメッセージ(例えば「キー操作をして下さい」等)を表示し、ステップ116へ移行する。
【0097】
これにより、仮に、画像処理装置10の前に使用者がいれば、キー操作を迅速に行う契機となり得る。なお、メッセージ内容は、上記に限らず、使用者にキー操作を促すメッセージであれば限定されるものではなく、視覚以外の五感(例えば、聴覚や触覚)を通じて報知してもよい。
【0098】
次のステップ116では、前述と同様に、装置の使用兆候があったか否かが判断され、否定判定されると、ステップ118へ移行して予め設定した第2の所定時間が経過したか否かが判断される。このステップ118で否定判定されると、ステップ116へ戻り、ステップ116、118を繰り返す。
【0099】
なお、第1の所定時間と第2の所定時間の間に相関関係はないが、例えば、第1の所定時間は移動体(使用者)が近づいている可能性があるので比較的に長い時間に設定し、第2の所定時間はメッセージをみれば直ちに操作するであろうと予測できるので比較的短い時間に設定する、といった目的に応じた時間の設定が可能である。
【0100】
上記ステップ116、118の繰り返し中、ステップ116で肯定判定、すなわち、キー入力(操作)等があったと判定されるとステップ120へ移行する。
【0101】
ステップ120では、ジョブ実行の指示(例えば、スタートキーの操作等)があったか否かが判断され、否定判定された場合は、ステップ116へ移行し、肯定判定された場合は、ステップ122へ移行する。このステップ122には、前記ステップ112で肯定あ判定された場合も移行する。
【0102】
ステップ122では、立ち上げトリガを出力し、このルーチンは終了する。これにより、画像処理装置10の動作状態はウォームアップモード(wup)へ遷移し、ウォームアップが完了すると、スタンバイモード(stb)となる。
【0103】
また、ステップ118で肯定判定、すなわち、第2の所定時間が経過してもキー入力(操作)がないと判定されるとステップ124へ移行して、節電中監視制御部24での人感センサ28による監視体制を「有効」として、(図8参照)ステップ126へ移行する。
【0104】
ステップ126では、有効となった人感センサ28によって移動体(人)を検出したか否かが判断され、この時点で否定判定された場合は、ステップ132へ移行する。
【0105】
また、ステップ126で肯定判定された場合は、ステップ128へ移行して、UIタッチパネル216等の操作がないものの、人がいる気配があるため、回数値Nをインクリメント(N←N+1)して、ステップ130へ移行する。ステップ130では、回数値N(N値)が予め定めた回数を超えたか否かが判断され、否定判定された場合は、ステップ116へ戻り、上記工程を繰り返す。また、ステップ130で肯定判定された場合は、ステップ132へ移行する。
【0106】
ステップ132では、アウェイクモードからスリープモード(slp)へ遷移させて、このルーチンは終了する。
【0107】
すなわち、不確かな人の検出があったときにUIタッチパネル216を優先して起動(電力供給)し、キー操作等があれば、ウォームアップモード(wup)、続いてスタンバイモード(stb)へと遷移させ、装置を使用可能状態とすると共に、その反面、第1の所定時間が経過しても何ら使用の兆候がない場合に、まず、UIタッチパネル216へメッセージ(例えば、「キー操作をして下さい」等)を表示し、その後、第2の所定時間が経過してもまだ使用の兆候がない場合、不確かな人の検出があったときは、第2の所定時間による判定をN回繰り返し、N値が予め定めた回数を超えたとき、或いは、人の検出がなくなった時点で、アウェイクモード(awk)から再びスリープモード(slp)へ遷移させるようにした。
【符号の説明】
【0108】
W 壁面
10 画像処理装置
20 ネットワーク通信回線網
21 PC
22 電話回線網
24 節電中監視制御部
26 節電解除ボタン
28 人感センサ
200 メインコントローラ
204 CPU
206 RAM
208 ROM
210 I/O(入出力部)
212 バス
214 UI制御回路
216 UIタッチパネル
218 ハードディスク
220 タイマ回路
222 通信回線I/F
236 ファクシミリ通信制御回路
238 画像読取部
240 画像形成部
242 商用電源
243 配線プレート
244 入力電源線
245 コンセント
246 メインスイッチ
248 第1の電源部
250 第2の電源部
248A 制御用電源生成部
252 電源供給制御回路(電力供給制御手段)
254 電源線
256 第1のサブ電源スイッチ(「SW−1」)
250H 24V電源部(LVPS2)
250L 5V電源部(LVPS1)
258 画像読取機能電源供給部
260 画像形成機能電源供給部
264 ファクシミリ受信機能電源供給部
266 ファクシミリ送信機能電源供給部
268 第2のサブ電源スイッチ(「SW−2」)
270 第3のサブ電源スイッチ(「SW−3」)
274 第5のサブ電源スイッチ(「SW−5」)
276 第6のサブ電源スイッチ(「SW−6」)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電力電源部から電力の供給を受けて動作する被動作部を対象として、消費電力が異なる複数の電力供給状態、及び前記商用電力電源部から電力の供給を受けない、或いは予め定めた電力以下であり電力供給を行うか否かの判別制御に必要な電力の供給を受ける電力非供給状態の間で状態を遷移させる電力供給状態遷移制御手段と、
前記被動作部に対して使用する使用者を含み、予め設定された領域内で、移動体が移動している状態を検出する移動体検出手段と、
前記移動体検出手段により前記移動体の移動を検出した場合に、前記被動作部の内、使用者が操作して指示を受け付けるための操作系被動作部を優先して電力供給状態へ遷移させるように指示する電力供給状態遷移指示手段と、
予め定められた期間中に前記操作系被動作部に対する操作があったか否かを判別する操作状態判別手段と、
前記操作状態判別手段により前記操作があったことが判別されている間は前記操作系被動作部に対する電力供給を継続すると共に、当該操作が他の被動作部の実行指示のための操作であった場合には少なくとも実行指示に関与する被動作部を選択して電力を供給する電力供給先選択手段と、
前記操作状態判別手段において、予め定められた期間中に前記操作系被動作部に対する操作がなかった場合、当該予め定められた期間の経過時において前記移動体検出手段により移動体が移動している状態の未検出を条件として、前記操作系被動作部への電力供給を遮断する電力非供給状態に遷移させるように指示する電力非供給状態遷移指示手段と、
を有する電力供給制御装置。
【請求項2】
前記操作状態判別手段による判別期間中は、前記移動体検出手段の検出結果に基づく電力供給状態遷移制御を禁止する請求項1記載の電力供給制御装置。
【請求項3】
前記移動体検出手段が、予め定められた検出領域内で、前記移動体が移動しているときと静止しているときとで異なる二値信号を出力する焦電型センサである請求項1又は請求項2記載の電力供給制御装置。
【請求項4】
前記移動体検出手段による検出領域が、前記操作系被動作部を基準として、360°の各方向毎に検出可能な位置の集合である境界線の内側であり、
前記境界線の前記操作系被動作部からの距離を、前記移動体が予め定めた移動速度で前記境界線での検出時から当該移動体により前記操作系被動作部が操作されるまでの間に、当該操作系被動作部への電力供給が完了し得る距離以上に設定する請求項1〜請求項3の何れか1項記載の電力供給制御装置。
【請求項5】
前記操作系被動作部までの距離が最も近い位置、或いは、前記使用者の検出回数履歴に基づいて、予め定めた境界通過回数頻度を超える位置を、特定の境界線の位置として設定する請求項4記載の電力供給制御装置。
【請求項6】
前記電力非供給状態が前記移動体検出手段に関わる制御系にのみ電力を供給するスリープモードを備え、かつ、前記電力供給状態が、前記スリープモードから被動作部を立ち上げるための準備段階であるウォームアップモード、前記被動作部に対して定常時よりも下げて電力を供給しておくスタンバイモード、被動作部に対して前記定常時の電力を供給するランニングモードを備えており、
前記スリープモードから前記ウォームアップモードの間には、前記操作系被動作部を優先して電力供給状態とするアウェイクモードが設定されており、
前記電力供給状態遷移指示手段による遷移指示は、前記スリープモードからアウェイクモードへの遷移として制御される請求項1〜請求項5の何れか1項記載の電力供給制御装置。
【請求項7】
前記請求項1〜請求項6の何れか1項記載の電力供給制御装置を備え、前記被動作部が、前記操作系被動作部としてのユーザーインターフェイス部、原稿画像から画像を読み取る画像読取部、画像情報に基づいて記録用紙に画像を形成する画像形成部、予め相互に定められた通信手順の下で画像を送信先へ送信するファクシミリ通信制御部の少なくとも1つを含んでおり、前記画像読取部、前記画像形成部、前記ファクシミリ通信制御部が、前記ユーザーインターフェイス部の操作又は外部通信受付による使用者からの指示に対して、相互に連携しあって当該画像処理機能を実行する画像処理装置。
【請求項8】
コンピュータを、前記請求項1〜請求項6の何れか1項記載の電力供給制御装置として実行させる電力供給制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−203132(P2012−203132A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66420(P2011−66420)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【特許番号】特許第5045834号(P5045834)
【特許公報発行日】平成24年10月10日(2012.10.10)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】