説明

電力供給制御装置、画像処理装置、電力供給制御プログラム

【課題】省エネ性及び利便性の向上を目的とした処理部の電力供給制御のための情報発信元となり得る移動体検出手段の節電効率を高め、装置全体として省エネ性及び利便性の向上を図る。
【解決手段】第2の人感センサ30は常時、電力供給を受けておらず、第1の人感センサ28が管轄する第1の領域Fに移動体が進入した時点で電力が供給されて動作を開始し、その後、この第2の人感センサ30が管轄する第2の領域Nに移動体が進入した時点でスリープモードからスタンバイモードへの立ち上げを指示する。すなわち、検出領域の異なる2つの人感センサ(第1の人感センサ28と第2の人感センサ30)が互いに連携しあって、必要最小限の電力供給を受けるようになっている。一方、第2の人感センサ30の電力供給の遮断に関しては、前記第1の人感センサ28の移動体検出状況に加え、前記節電中監視制御部24に設けられたタイマ機能が併用される(センサタイマ)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給制御装置、画像処理装置、電力供給制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電力供給対象の機器(処理部)に対する電力供給制御を自動化する手段の1つとして、タイマ制御がある。
【0003】
特許文献1には、定着装置の使用からの所定時間が経過すると自動的に節電状態に移行する第1のタイマと、複合装置の操作又は外部からアクセスされたときの動作終了からの所定時間が経過すると自動的に電源オフ状態に移行する第2のタイマと、を持って制御することが提案されている。
【0004】
特許文献2では、複写機能、プリンタ機能及びファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を備えた処理部を有し、選択された機能毎に処理部に対してオートシャット時間を設定可能とすることが提案されている。
【0005】
特許文献3には、定着装置の使用を伴う第1の動作群に含まれる動作の終了から第1の所定時間が経過すると自動的に定着装置を節電する第1の節電状態にする第1のオート節電、操作表示部を操作する第2の動作群の動作の終了から第2の節電状態にする第2のオート節電を有し、それぞれ第1、第2の対応する動作群での動作でのみ解除することが提案されている。
【0006】
電力供給対象の機器に対する電力供給制御を自動化する手段の他の1つとして、人感センサ制御がある。
【0007】
特許文献4には、画像処理装置に人感センサを設置して、当該画像処理装置に近づいてきた人を検出して、画像処理装置の電源を立上げて、消費電力の低減と利便性の両立を実現することが提案されている。
【0008】
より詳しくは、人感センサとして、2点に設置された距離検出手段を採用し、人体の移動方向が所定のエリアに向かっているかどうかを判断し、その判断結果に基づいて、画像形成装置本体を制御しており、人感センサによる人体の接近の際、画像形成装置に近づいてきて、操作することなく素通りするといった事象(単なる歩行者)に対して、前記立上げが実行される場合を含んでいる。
【0009】
特許文献5には、人感検知により人がいないと判断した場合にUI(ユーザーインターフェイス)の表示を消すことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平2003−163769号公報
【特許文献2】特開平06−006496号公報
【特許文献3】特開2003−163771号公報
【特許文献4】特開平05−045471号公報
【特許文献5】特開2002−006686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、省エネ性及び利便性の向上を目的とした処理部の電力供給制御のための情報発信元となり得る移動体検出手段の節電効率を高め、装置全体として省エネ性及び利便性の向上を図ることができる電力供給制御装置、画像処理装置、電力供給制御プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明は、電源部から電力の供給を受けて動作することで予め定められた処理を実行する処理部と、前記処理部を基準とした周囲を検出領域として設置され前記処理部を使用する使用者を含む移動体が存在しているか否かを検出する複数の移動体検出手段と、を対象として、前記電源部から電力を受ける電力供給状態、或いは前記電源部から電力の供給を受けない電力遮断状態に遷移させる電力供給状態遷移制御手段と、前記複数の移動体検出手段の内、前記移動体の検出可能領域臨界が前記処理部から最も遠い位置となる遠隔移動体検出手段から、前記移動体の検出可能領域臨界が前記処理部から最も近い位置となる近接移動体検出手段まで、連携して電力供給を受ける順序を設定すると共に、前記遠隔移動体検出手段の電力供給状態を常に前記電力供給状態に設定する初期設定手段と、前記遠隔移動体検出手段によって前記移動体を検出した場合に、前記初期設定手段によって連携し合うように設定された下流側の移動体検出手段を対象として電力供給を指示すると共に、前記近接移動体検出手段によって前記移動体を検出した場合に、前記処理部を対象として電力供給を指示する電力供給指示手段と、前記遠隔移動体検出手段以外の移動体検出手段が対象とされ、前記電力供給指示手段による指示によって電力供給を受けた時点で計時が起動する計時手段と、前記指示手段による指示によって電力供給を受けた移動体検出手段が、前記移動体を検出するまでに前記計時手段の計時値が予め定めた設定値に到達した場合に、当該移動体検出手段へ電力供給遮断を指示する電力供給遮断指示手段と、を有している。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記計時手段が、前記電力供給を受けた移動体検出手段により前記移動体を検出した時点で計時動作を中止し、前記移動体を検出しなくなった時点で前記計時動作を、計時値をリセットして、或いは計時値をリセットせず再起動する。
【0014】
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記計時手段が、前記処理部への電力供給がなされているときは動作せず、前記処理部への電力供給が遮断されているときに動作する。
【0015】
請求項4に記載の発明は、電源部から電力の供給を受けて動作することで予め定められた処理を実行する処理部と、前記処理部を基準とした周囲を検出領域として設置され前記処理部を使用する使用者を含む移動体が存在しているか否かを検出する複数の移動体検出手段と、を対象として、前記電源部から電力を受ける電力供給状態、或いは前記電源部から電力の供給を受けない電力遮断状態に遷移させる電力供給状態遷移制御手段と、前記複数の移動体検出手段の内、前記移動体の検出可能領域臨界が前記処理部から最も遠い位置となる遠隔移動体検出手段から、前記移動体の検出可能領域臨界が前記処理部から最も近い位置となる近接移動体検出手段まで、連携して電力供給を受ける順序を設定すると共に、前記遠隔移動体検出手段の電力供給状態を常に前記電力供給状態に設定する初期設定手段と、前記遠隔移動体検出手段によって前記移動体を検出した場合に、前記初期設定手段によって連携し合うように設定された下流側の移動体検出手段を対象として電力供給を指示すると共に、前記近接移動体検出手段によって前記移動体を検出した場合に、前記処理部を対象として電力供給を指示する電力供給指示手段と、上流側の移動体検出手段が前記移動体を検出しなくなった時点で、当該上流側の移動体検出手段と連携して電力供給を受けた下流側の移動体検出手段の電力供給遮断を指示する電力供給遮断指示手段と、を有している。
【0016】
請求項5に記載の発明は、前記請求項1〜請求項4の何れか1項記載の発明において、前記複数の移動体検出手段の移動体検出領域が、相互に広い領域が狭い領域を含むように設定されている。
【0017】
請求項6に記載の発明は、前記請求項1〜請求項5の何れか1項記載の発明において、前記遠隔移動体検出手段が、相対的に広範囲を検出領域とする焦電型センサであり、前記近接移動体検出手段が相対的に狭範囲を検出領域とする反射型センサである。
【0018】

請求項7に記載の発明は、前記請求項1〜請求項6の何れか1項記載の発明において、前記移動体の検出可能領域臨界が前記処理部から最も遠い位置となる遠隔移動体検出手段が、少なくとも移動体監視中は常時電力が供給されており、この遠隔移動体検出手段で移動体を検出した場合に、前記移動体の検出可能領域臨界が前記処理部から最も近い位置となる近接移動体検出手段を対象として電力を供給する場合がある。
【0019】
請求項8に記載の発明は、前記請求項1〜請求項7の何れか1項記載の発明において、前記処理部が、機能別に設けられたデバイスと、各デバイスを制御する制御部を備え、前記電力遮断状態が前記制御部にのみ電力を供給するスリープモードであり、かつ、前記電力供給状態が、前記スリープモードから被動作部を立ち上げるための準備段階であるウォームアップモード、前記被動作部に対して定常時よりも下げて電力を供給しておくスタンバイモード、前記デバイスに対して前記定常時の電力を供給するランニングモードであり、前記電力供給指示手段によって、前記スリープモードから前記ウォームアップモードを介して前記スタンバイモードへ遷移するときの立ち上げが指示され、予め定められた期間、前記処理部の処理が実行されない場合に前記スリープモードへの立ち下げが指示される。
【0020】
請求項9に記載の発明は、前記請求項1〜請求項8の何れか1項記載の電力供給制御装置を備え、前記処理部が、原稿画像から画像を読み取る画像読取部、画像情報に基づいて記録用紙に画像を形成する画像形成部、予め相互に定められた通信手順の下で画像を送信先へ送信するファクシミリ通信制御部、使用者との情報の受付報知を行うユーザーインターフェイス部、使用者を識別するための使用者識別装置の少なくとも1つを含んでおり、使用者からの指示に基づいて、相互に連携しあって画像処理を実行すると共に、前記複数の移動体検出手段が、前記ユーザーインターフェイス部又は使用者識別装置の設置位置を基準として、移動体検出領域が徐々に拡大するように設けられた画像処理装置である。
【0021】
請求項10に記載の発明は、コンピュータを、前記請求項1〜請求項8の何れか1項記載の電力供給制御装置として実行させる電力供給制御プログラムである。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に記載の発明によれば、省エネ性及び利便性の向上を目的とした処理部の電力供給制御のための情報発信元となり得る移動体検出手段の節電効率を高め、装置全体として省エネ性及び利便性の向上を図ることができる。
【0023】
請求項2に記載の発明によれば、移動体検出と計時動作とを相互に連携し合うことができる。
【0024】
請求項3に記載の発明によれば、処理部への電力供給中に、計時動作による電力遮断指示を回避することができる。
【0025】
請求項4に記載の発明によれば、省エネ性及び利便性の向上を目的とした処理部の電力供給制御のための情報発信元となり得る移動体検出手段の節電効率を高め、装置全体として省エネ性及び利便性の向上を図ることができる。
【0026】
請求項5に記載の発明によれば、移動体の検出漏れを防止することができる。
【0027】
請求項6に記載の発明によれば、仕様の異なるセンサを各領域の適材適所に配置することができる。
【0028】
請求項7に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、必要最小限の簡便な構造とすることができる。
【0029】
請求項8に記載の発明によれば、モード単位で遷移指示することができる。
【0030】
請求項9記載の発明によれば、省エネ性及び利便性の向上を目的とした処理部の電力供給制御のための情報発信元となり得る移動体検出手段の節電効率を高め、装置全体として省エネ性及び利便性の向上を図ることができる。
【0031】
請求項10記載の発明によれば、省エネ性及び利便性の向上を目的とした処理部の電力供給制御のための情報発信元となり得る移動体検出手段の節電効率を高め、装置全体として省エネ性及び利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本実施の形態に係る画像処理装置を含む通信回線網接続図である。
【図2】本実施の形態に係る画像処理装置の概略図である。
【図3】本実施の形態に係る画像処理装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態に係るメインコントローラと電源装置の制御系を機能別に概略図である。
【図5】画像処理装置における、各モード状態と、当該モード状態の移行の契機となる事象を示したタイミングチャートである。
【図6】本実施の形態にかかり、画像処理装置及びその周辺示す平面図である。
【図7】本実施の形態に係る第2の人感センサ電力供給開始時制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】本実施の形態に係る第2の人感センサ電力供給解除時制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】本実施の形態に係り、第2の人感センサの電力供給制御に基づく、動作を一例を示すタイミングチャートである。
【図10】図9の第1の変形例に係り、第2の人感センサの電力供給制御に基づく動作を一例を示すタイミングチャートである。
【図11】図9の第2の変形例に係り、第2の人感センサの電力供給制御に基づく動作を一例を示すタイミングチャートである。
【図12】図9の第3の変形例に係り、第2の人感センサの電力供給制御に基づく動作を一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1に示される如く、本実施の形態に係る画像処理装置10は、インターネット等のネットワーク通信回線網20に接続されている。図1では、2台の画像処理装置10が接続されているが、この数は限定されるものではなく、1台でもよいし、3台以上であってもよい。
【0034】
また、このネットワーク通信回線網20には、情報端末機器としての複数のPC(パーソナルコンピュータ)21が接続されている。図1では、2台のPC21が接続されているが、この数は限定されるものではなく、1台でもよいし、3台以上であってもよい。また、情報端末機器としては、PC21に限定されるものではなく、さらには有線接続である必要もない。すなわち、無線によって情報を送受信する通信回線網であってもよい。
【0035】
図1に示される如く、画像処理装置10では、PC21から当該画像処理装置10に対して、遠隔で、例えばデータを転送して画像形成(プリント)指示操作を行なう場合、或いは使用者(ユーザー)が画像処理装置10の前に立ち、各種操作によって、例えば、複写(コピー)、スキャン(画像読取)、ファクシミリ送受信等の処理を指示する場合がある。
【0036】
図2には、本実施の形態に係る画像処理装置10が示されている。画像処理装置10は、記録用紙に画像を形成する画像形成部240と、原稿画像を読み取る画像読取部238と、ファクシミリ通信制御回路236を備えている。画像処理装置10は、メインコントローラ200を備えており、画像形成部240、画像読取部238、ファクシミリ通信制御回路236を制御して、画像読取部238で読み取った原稿画像の画像データを一次的に記憶したり、読み取った画像データを画像形成部240又はファクシミリ通信制御回路236へ送出したりする。
【0037】
メインコントローラ200にはインターネット等のネットワーク通信回線網20が接続され、ファクシミリ通信制御回路236には電話回線網22が接続されている。メインコントローラ200は、例えば、ネットワーク通信回線網20を介してホストコンピュータと接続され、画像データを受信したり、ファクシミリ通信制御回路236を介して電話回線網22を用いてファクシミリ受信及びファクシミリ送信を実行する役目を有している。
【0038】
画像読取部238は、原稿を位置決めする原稿台と、原稿台に置かれた原稿の画像を走査して光を照射する走査駆動系と、走査駆動系の走査により反射又は透過する光を受光して電気信号に変換するCCD等の光電変換素子と、が設けられている。
【0039】
画像形成部240は、感光体を備え、感光体の周囲には、感光体を一様に帯電する帯電装置と、画像データに基づいて光ビームを走査する走査露光部と、前記走査露光部によって走査露光されることで形成された静電潜像を現像する画像現像部と、現像化された感光体上の画像を記録用紙へ転写する転写部と、転写後の感光体の表面をクリーニングするクリーニング部と、が設けられている。また、記録用紙の搬送経路上には、転写後の記録用紙上の画像を定着する定着部を備えている。
【0040】
画像処理装置10には、入力電源線244の先端にコンセント245が取り付けられており、壁面Wまで配線された商用電源242の配線プレート243に、当該コンセント245を差し込むことで、画像処理装置10は、商用電源242から、電力の供給を受けるようになっている。
【0041】
(制御系ハード構成)
図3は、画像処理装置10の制御系のハード構成の概略図である。
【0042】
ネットワーク回線網20は、メインコントローラ200に接続されている。メインコントローラ200には、それぞれ、データバスやコントロールバス等のバス33A〜33Dを介して、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240、UIタッチパネル216が接続されている。すなわち、このメインコントローラ200が主体となって、画像処理装置10の各処理部が制御されるようになっている。なお、UIタイッチパネル216には、UIタッチパネル用バックライト部(図4参照)が取り付けられている場合がある。
【0043】
また、画像処理装置10は、電源装置202を備えており、メインコントローラ200とはバス33Eで接続されている。電源装置202は、商用電源242から電力の供給を受けている。電源装置202では、メインコントローラ200、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240、UIタッチパネル216のそれぞれに対して独立して電力を供給する電力供給線35A〜35Dが設けられている。このため、メインコントローラ200では、各処理部(デバイス)に対して個別に電力供給(電力供給モード)、或いは電力供給遮断(スリープモード)し、所謂部分節電制御を可能としている。
【0044】
また、メインコントローラ200には、2個の第1の人感センサ28、第2の人感センサ30が接続されており、画像処理装置10の周囲の人の有無を監視している。この第1の人感センサ28、第2の人感センサ30については後述する。
【0045】
(部分節電構成を主体とした機能ブロック図)
図4は、前記メインコントローラ200によって制御される処理部(「デバイス」、「モジュール」等と称する場合もある)、並びにメインコントローラ200、並びに各デバイスへ電源を供給するための電源装置202の電源ラインを主体とした概略構成図である。本実施の形態では、画像処理装置10が処理部単位で電力供給又は非供給が可能でとなっている(部分節電)。
【0046】
なお、処理部単位の部分節電は一例であり、処理部をいくつかのグループに分類しグループ単位で節電の制御を行ってもよいし、処理部を一括して節電の制御を行ってもよい。
【0047】
[メインコントローラ200]
図4に示される如く、メインコントローラ200は、CPU204、RAM206、ROM208、I/O(入出力部)210、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス212を有している。I/O210には、UI制御回路214を介してUIタッチパネル216(バックライト部216BLを含む)が接続されている。また、I/O210には、ハードディスク(HDD)218が接続されている。ROM208やハードディスク218等に記録されているプログラムに基づいて、CPU204が動作することによって、メインコントローラ200の機能を実現する。なお、該プログラムを格納した記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをインストールし、これに基づいてCPU204が動作することにより画像処理機能を実現してもよい。
【0048】
I/O210には、タイマ回路220、通信回線I/F222が接続されている。さらに、I/O210には、ファクシミリ通信制御回路(モデム)236、画像読取部238、画像形成部240の各デバイスに接続されている。
【0049】
なお、前記タイマ回路220は、前記ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240を節電状態(電源非供給状態)とするための契機として、初期設定時間の計時を行うものである(以下、「システムタイマ」という場合がある)。
【0050】
メインコントローラ200及び各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)は、電源装置202から電源が供給される(図4の点線参照)。なお、図4では、電源線を1本の線(点線)で示しているが、実際には2本〜3本の配線である。
【0051】
[電源装置202]
図4に示される如く、商用電源242から引き込まれた入力電源線244は、メインスイッチ246に接続されている。メインスイッチ246がオンされることで、第1の電源部248及び第2の電源部250へ電力供給が可能となる。
【0052】
第1の電源部248は、制御用電源生成部248Aを備え、メインコントローラ200の電源供給制御回路252に接続されている。電源供給制御回路252は、メインコントローラ200に電源供給すると共に、I/O210に接続され、メインコントローラ200の制御プログラムに従って、前記各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)への電源供給線を導通/非導通させるためのスイッチング制御を行う。
【0053】
一方、第2の電源部250へ接続される電源線254には、第1のサブ電源スイッチ256(以下、「SW−1」という場合がある。)が介在されている。このSW−1は、前記電源供給制御回路252で、オン・オフが制御されるようになっている。
【0054】
また、第2の電源部250は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を備えている。24V電源部250H(LVPS2)は主としてモーター等で使用される電源である。
【0055】
第2の電源部250の24V電源部250H(LVPS2)及び5V電源部250L(LVPS1)は、選択的に、画像読取部電源供給部258、画像形成部電源供給部260、ファクシミリ通信制御回路電源供給部264、UIタッチパネル電源供給部266に接続されている。
【0056】
画像読取部電源供給部258は、24V電源部250H(LVPS2)を入力源として、第2のサブ電源スイッチ268(以下、「SW−2」という場合がある。)を介して、画像読取部238に接続されている。
【0057】
画像形成部電源供給部260は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を入力源として、第3のサブ電源スイッチ270(以下、「SW−3」という場合がある。)を介して、画像形成部240に接続されている。
【0058】
ファクシミリ通信制御回路電源供給部264は、24V電源部250H(LVPS2)と5V電源部250L(LVPS1)を入力源として、第4のサブ電源スイッチ274(以下、「SW−4」という場合がある。)を介して、ファクシミリ通信制御回路236及び画像形成部240に接続されている。
【0059】
UIタッチパネル電源供給部266は、5V電源部250L(LVPS1)と24V電源部250H(LVPS2)を入力源として、第5のサブ電源スイッチ276(以下、「SW−5」という場合がある。)を介して、UIタッチパネル216(バックライト部216BLを含む)に接続されている。なお、UIタッチパネル216の本来の機能(バックライト部216BLを除く機能)へは、節電中監視制御部24から電源を供給可能としてもよい。
【0060】
前記第2のサブ電源スイッチ268、第3のサブ電源スイッチ270、第4のサブ電源スイッチ274、第5のサブ電源スイッチ276は、それぞれ前記第1のサブ電源スイッチ256と同様に、メインコントローラ200の電源供給制御回路252からの電源供給選択信号に基づいて、オン・オフ制御される。図示していないが、24V電源部250Hと5V電源部250Lが供給されるスイッチや配線は、2系統で構成されている。また電源スイッチ268〜276は電源装置202でなく、電源供給先の各デバイス内に配置されても良い。
【0061】
上記構成では、機能別に各デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)を選択した電源を供給し、指示された機能に不要なデバイスへの電源を供給しないため、必要最小限の電力で済む。
【0062】
(監視制御)
ここで、本実施の形態のメインコントローラ200は、必要最小限の電力消費となるように、部分的にその機能を停止させる場合がある。或いは、メインコントローラ200の大部分を含め、電力の供給を停止させる場合がある。これらを総称して「スリープモード(節電モード)」という場合がある(図5参照)。
【0063】
スリープモードは、例えば、画像処理が終了した時点でシステムタイマを起動させることで移行可能である。すなわち、前記システムタイマが起動してから所定時間経過することで電力供給を停止させている。なお、所定時間が経過するまでに、何らかの操作(ハードキーの操作等)があれば、当然、スリープモードへのタイマカウントは中止され、次の画像処理終了時からシステムタイマが起動される。
【0064】
一方、上記スリープモード中において、常に電力の供給を受ける素子として、節電中監視制御部24がI/O210に接続されている。この節電中監視制御部24は、例えば、ASICと称される、自身で動作プログラムが格納され、当該動作プログラムで処理されるCPU,RAM,ROM等を備えたICチップ等で構成することができる。
【0065】
ところで、前記節電中の監視において、例えば、通信回線検出部からプリント要求などが来たり、FAX回線検出部からFAX受信要求が来ることで、節電中であったデバイスに対して、節電中監視制御部24では、電源供給制御回路252を介して、第1のサブ電源スイッチ256、第2のサブ電源スイッチ268、第3のサブ電源スイッチ270、第4のサブ電源スイッチ274、第5のサブ電源スイッチ276を制御することで、電力を供給を行なうことが前提である。
【0066】
また、メインコントローラ200のI/O210には、節電制御ボタン26(単に、「節電ボタン26」という場合がある。)が接続されており、節電中に使用者がこの節電制御ボタン26を操作することで、節電が解除可能となっている。なお、この節電制御ボタン26には、処理部に電力が供給されているときに操作されることで、当該処理部の電力供給を強制的に遮断し、節電状態にする機能を持たせてもよい。
【0067】
ここで、スリープモードで監視するためには、節電中監視制御部24以外に、節電制御ボタン26や各検出部には節電中に必要最小限の電力を供給しておくことが好ましい。すなわち、電力非供給状態であるスリープモードであっても、予め定めた電力以下(例えば、0.5W以下)であり電力供給を行うか否かの判別制御に必要な電力の供給を受ける場合がある。
【0068】
なお、スリープモードの特定の期間(図5に示すアウェイクモード(awk)において、UIタッチパネル216やICカードリーダー217等の入力系を主体とした必要最小限の電力供給を含む(バックライト部216BLを除く、或いは照度を通常よりも減らすことが好ましい)。
【0069】
ところで、スリープモード時に使用者が画像処理装置10の前に立ち、その後に節電制御ボタン26を操作して、電力供給を再開した場合、画像処理装置10が立ち上がるまでに時間を要する場合があった。
【0070】
そこで、本実施の形態では、前記節電中監視制御部24に、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30を設置すると共に、スリープモードでは、使用者が節電解除ボタンを押す前に人感センサで検知して早期に電力供給を再開して、使用者が早く使えるようにした。なお、節電制御ボタン26と第1の人感センサ28、第2の人感センサ30とを併用しているが、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30のみで全ての監視を行うことも可能である。
【0071】
第1の人感センサ28、第2の人感センサ30は、検出部28A、30Aと回路基板部28B、30Bとを備えており、回路基板部28B,30Bは、検出部28A、30Aで検出した信号の感度を調整したり、出力信号を生成する。
【0072】
なお、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30は、「人感」としているが、これは、本実施の形態に則した固有名詞であり、少なくとも人が感知(検出)できればよく、言い換えれば、人以外の移動体の感知(検出)も含むものである。従って、以下において、人感センサの検出対象を「人」に言及する場合があるが、将来的には、人に代わって実行するロボット等も感知対象範囲である。なお、逆に、人と特定して感知できる特殊センサが存在する場合は、当該特殊センサを適用可能である。以下では、移動体、人、使用者等は、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30が検出する対象として同義として扱い、必要に応じて区別することとする。
【0073】
本実施の形態に係る第1の人感センサ28の仕様は、画像処理装置10の周囲において、移動体の動きを検出するものである。この場合、焦電素子の焦電効果を用いた赤外線センサ等が代表的である(焦電型センサ)。本実施の形態では、第1の人感センサ28として焦電型センサを適用している。
【0074】
この第1の人感センサ28に適用された焦電素子の焦電効果を用いたセンサの最大の特徴は、検出領域が広いことである。また、移動体の動きを感知するため、検出領域内であって、人が静止していると、人の存在を検出しない。例えば、人の移動時にハイレベル信号が出力されている場合、検出範囲内の人が静止すると、当該信号がローレベル信号になるものである。
【0075】
なお、本実施の形態における「静止」とは、スチルカメラ等で撮影した静止画のように完全静止も当然含まれるが、例えば、人が画像処理装置10の前に操作を目的として立ち止まることを含むものとする。従って、予め定めた範囲の微動(呼吸に伴う動き等)や、手足、首等を動かすといった場合を静止の範疇とする。
【0076】
但し、人が画像処理装置10の前で、例えば画像形成や画像読取等の処理を待つ間、その場でストレッチ運動等を行うと、人感センサ28では、人の存在を検出する場合もある。
【0077】
従って、当該「静止」を定義して第1の人感センサ28の感度を調整するのではなく、感度は、比較的おおまか、かつ標準的に調整し、当該第1の人感センサ28の検出状態に依存するようにしてもよい。すなわち、第1の人感センサ28が二値信号の内の1つ(例えば、ハイレベル信号)を出力しているときは人が動いていることを示し、第2の第1の人感センサ28の検出領域内に人が存在し、かつ二値信号の内の他の1つ(例えば、ローレベル信号)が出力された場合を静止とすればよい。
【0078】
一方、本実施の形態に係る第2の人感センサ30の仕様は、移動体の有無(存在・不存在)を検出するものが適用されている。この第2の人感センサ30に適用されるセンサは、投光部と受光部とを備えた反射型センサ等が代表的である(反射型センサ)。なお、投光部と受光部とが分離された形態であってもよい。
【0079】
この第2の人感センサ30に適用された反射型センサ等の最大の特徴は、受光部に入る光を遮断する/しないによって移動体の有無を確実に検出することである。また、投光部から投光される光量等により、受光部へ入射する光量に制限があるため、比較的近距離が検出領域である。
【0080】
なお、第1の人感センサ28、第2の人感センサ30として、以下に示す機能をそれぞれ達成することが可能であれば、第1の人感センサ28として焦電型センサや、第2の人感センサ30として反射型センサに限定されるものではない。
【0081】
ここで、本実施の形態では、第1の人感センサ28と第2の人感センサ30により、最大検出範囲(例えば、図1の領域M)を2つの領域(図6の第1の領域Fと第2の領域N)を設定した。
【0082】
相対的に遠い検出領域である図6の第1の領域F(単に、「領域F」という場合がある)は、第1の人感センサ28による検出領域であり、遠隔移動体検出手段としての機能を有する。また、相対的に近い検出領域である図6の第2の領域N(単に、「領域N」という場合がある)は、第2の人感センサ30による検出領域であり、近接移動体検出手段としての機能を有する。
【0083】
第1の人感センサ28の検出領域(図6の第1の領域F参照)は、画像処理装置10が設置されている場所の環境にもよるが、目安として2〜3m程度である。一方、第2の人感センサ30の検出領域(図6の第2の領域N)参照)は、画像処理装置10のUIタッチパネル216やハードキーの操作が可能な範囲であり、目安として0〜0.5m程度である。
【0084】
ところで、本実施の形態では、第2の人感センサ30は、常時、電力供給を受けていない構成としている。第2の人感センサ30は、第1の人感センサ28が管轄する図6の第1の領域Fに移動体(使用者)が進入した時点で電力が供給されて動作を開始し、その後、この第2の人感センサ30が管轄する図6の第2の領域Nに移動体(使用者)が進入した時点でスリープモードからスタンバイモードへの立ち上げを指示する構成となっている。
【0085】
すなわち、検出領域の異なる2つの人感センサ(第1の人感センサ28と第2の人感センサ30)が互いに連携しあって、必要最小限の電力供給を受けるようになっている。
【0086】
一方、第2の人感センサ30の電力供給の遮断に関しては、前記第1の人感センサ28の移動体検出状況に加え、前記節電中監視制御部24に設けられたタイマ機能が併用されるようになっている。このタイマ機能は、前述したシステムタイマと区別するため、「センサタイマ」という場合がある。
【0087】
センサタイマは、節電中監視制御部24の機能の1つである。すなわち、制御系は当然動作クロックを備えており、このクロック信号からタイマを生成してもよいし、一定時間毎処理毎にカウントするカウンタプログラムを生成してもよい。
【0088】
図6に示される如く、移動体(使用者)と画像処理装置10との関係は、大きく分けて3形態あり、第1の形態は、人が画像処理装置10に対して、使用目的で操作可能位置まで近づいてくる形態(図6のA線矢視の動向(Aパターン)参照)、第2の形態は、人が処理装置を使用目的ではないが、操作可能位置まで近づいてくる形態(図6のB線矢視の動向(Bパターン)参照)、第3の形態は、人が処理装置の操作可能位置まで近づかないが、第1の形態、第2の形態に移行する可能性のある距離まできている形態(図6のC線矢視の動向(Cパターン)参照)。
【0089】
本実施の形態では、第1の人感センサ28による検出情報、並びに第1の人感センサ28による検出情報とセンサタイマの計時情報に基づいて、前記動向(図6に示すAパターン〜Cパターンを基本とする人の移動形態)に即した第2の人感センサ30の電力供給時期及び電力供給遮断時期を制御している。
【0090】
以下、本実施の形態の作用を説明する。
【0091】
(画像処理装置10(デバイス)の電力供給制御のモード遷移)
まず、図5に基づき、画像処理装置10における、各モード状態と、当該モード状態の移行の契機となる事象を示したタイミングチャートを示す。
【0092】
画像処理装置10は、処理がなされていないと動作状態は、スリープモードとなり、本実施の形態では、節電中監視制御部24にのみ電力が供給されている。
【0093】
ここで、立ち上げ契機(立ち上げトリガの検出、或いはUIタッチパネル216等の操作入力(キー入力))があると、動作状態はウォームアップモードへ遷移する。
【0094】
なお、この立ち上げトリガ契機後は、依然としてスリープモードと定義し、UIタッチパネル216のみを起動するようにしてもよいし、或いは、UIタッチパネル216の起動によって、節電中監視制御部24のみの電力供給よりも電力供給量が増加するので、アウェイクモード「awk」(目覚めモード)として定義してもよい(図5の遷移図における、スリープモード範囲の括弧[ ]内参照)。このアウェイクモードでUIタッチパネル216等の操作入力(キー入力))があると、動作状態はウォームアップモードへ遷移する。
【0095】
前記立ち上げトリガとは、主として、第2の人感センサ30による検出結果に基づく信号や情報等がある。なお、操作者による節電解除操作も立ち上げトリガとしてもよい。
【0096】
ウォームアップモードは画像処理装置10を迅速に処理可能状態にもっていくため、各モードの内最大の電力消費量となるが、例えば、定着部におけるヒータとしてIHヒータを利用することによって、ハロゲンランプを用いたヒータよりもウォームアップモード時間は、比較的短い時間とされている。
【0097】
ウォームアップモードによる暖機運転が終了すると、画像処理装置10はスタンバイモードに遷移するようになっている。
【0098】
スタンバイモードは、文字通り「事に備えて準備が完了している」モードであり、画像処理装置10においては、画像処理の動作が即実行できる状態となっている。
【0099】
このため、キー入力としてジョブ実行操作があると、画像処理装置10の動作状態は、ランニングモードに遷移し、指示されたジョブに基づく画像処理が実行されるようになっている。
【0100】
画像処理が終了すると(連続した複数のジョブが待機している場合は、その連続したジョブの全てが終了したとき)、待機トリガによって画像処理装置10の動作状態はスタンバイモードへ遷移する。なお、画像処理後、システムタイマによる計時を開始し、予め定めた時間経過した後に待機トリガを出力し、スタンバイモードへ遷移するようにしてもよい。
【0101】
このスタンバイモード中にジョブ実行指示があれば、再度ランニングモードへ遷移し、立ち下げトリガの検出がある、或いは予め定めた時間が経過したとき、スリープモードへ遷移するようになっている。
【0102】
なお、立ち下げトリガとは、第2の人感センサ30による検出結果に基づく信号や情報等がある。なお、システムタイマを併用してもよい。
【0103】
また、画像処理装置10における実際の動作におけるモード状態の遷移が、全てこのタイミングチャートのとおり時系列で進行するものではない。例えば、ウォームアップモード後のスタンバイモードで処理が中止され、スリープモードへ移行する場合もある。
【0104】
ここで、電力の供給を受けて動作する各デバイスは、図5におけるスリープモードからアウェイクモード、ウォームアップモードを経てスタンバイモードへ遷移することで、それぞれの処理を即時に実行可能となる。
【0105】
このように、本実施の形態の画像処理装置10は、モードの間を相互に遷移しており、各モード毎に電力供給量が異なっている。
【0106】
本実施の形態の画像処理装置10では、予め定められた条件(例えば、人感センサ30による移動体(使用者)立ち去り情報、或いはシステムタイマのタイムアップによる立ち下げトリガ出力)が揃うと、スリープモードへ移行する。このスリープモードでは、ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240の各デバイスのみならず、節電中監視制御部24を除くメインコントローラ200、並びにUIタッチパネル216に対しても電力供給を遮断する。この場合、メインコントローラ200に接続されている節電制御ボタン26の機能も停止されることが好ましい。このため、周囲から画像処理装置10を見ると、メイン電源スイッチが切られている状態とほぼ同等の状態となる。すなわち、スリープモードが確実に実行されていることが、周囲から確認可能な状態となる(「見える化」の実現)。
【0107】
(人感センサを対象とする節電)
本実施の形態では、第1の人感センサ28と第2の人感センサ30とを相互に連携し、検出系への電力供給制御を実行している。具体的には、第2の人感センサ30の電力供給制御を行っており、デバイスに対する電力供給制御に加え、さらなる省エネ性向上を確立した。
【0108】
すなわち、図5のスリープモード中は、第1の人感センサ28には電力が供給されているが、第2の人感センサ30には電力が供給されておらず、図6に示す第1の領域Fへの移動体(使用者)の進入を監視するようにした。
【0109】
例えば、画像処理装置10のデバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)に関しては、第1の人感センサ28及び第2の人感センサ30に基づき、省エネ性及び利便性という二律背反の目的を相互に考慮し、適正なモード遷移(特に、スリープモードからの立ち上げ、並びにスリープモードへの立ち下げ)を行っている。この場合、第1の人感センサ28及び第2の人感センサ30等の検出系については、常時、電力が供給される前提となっている。
【0110】
これに対して、本実施の形態では、常時、電力供給されている第1の人感センサ28による検出情報に基づいて第2の人感センサ30への電力供給時期を制御し、第1の人感センサ28による検出情報とセンサタイマによる計時情報の双方の情報に基づいて第2の人感センサ30への電力供給遮断時期を制御している。
【0111】
以下、図7及び図8のフローチャートに従い、第1の人感センサ28と第2の人感センサ30との連携による、検出系の電力供給制御ルーチンを説明する。
【0112】
図7は、第2の人感センサ電力供給開始時における制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0113】
ステップ100では、第1の人感センサ28で移動体(使用者)を検出したか否かが判断され、否定判定されると、ステップ102へ移行して、第2の人感センサ30がオン、すなわち、電力が供給されているか否かが判断される。このステップ102で否定判定された場合は、ステップ100へ戻り、ステップ100又はステップ102で肯定判定されるまで、ステップ100及びステップ102を繰り返す。
【0114】
ステップ100で肯定判定されると、ステップ104へ移行して第2の人感センサ30をオン、すなわち、電力の供給を開始し、次いでステップ106へ移行してセンサタイマをリセットスタートし、ステップ108へ移行する。
【0115】
また、前記ステップ102で肯定判定されると、既に、第2の人感センサ30に電力が供給されている状態であるので、ステップ108へ移行する。
【0116】
ステップ108では、第2の人感センサ30で移動体(使用者)を検出したか否かが判断され、否定判定されると、ステップ110へ移行してセンサタイマがタイムアップしているか否かが判断される。このステップ110で否定判定されると、ステップ108へ戻り、ステップ108又はステップ110で肯定判定されるまで、ステップ108及びステップ110を繰り返す。
【0117】
前記ステップ110で肯定判定されると、ステップ112へ移行して、センサタイマをストップし、次いでステップ114へ移行して、第2の人感センサ30をオフ、すなわち電力の供給を遮断して、ステップ100へ戻り、上記工程を繰り返す。
【0118】
また、ステップ108で肯定判定されると、ステップ116へ移行して、メインコントローラ200(図4参照)に対して立ち上げトリガを出力し、ステップ118へ移行する。この立ち上げトリガにより、画像処理装置10の必要最小限の一部に対して、電力が供給されスリープモードからアウェイクモード(又は、スタンバイモード)へ遷移する。その後は、使用者にUIタッチパネル216の操作等に基づいて、必要なデバイスを立ち上げ、ジョブ実行キー入力等によって、ランニングモードへ遷移し、画像処理が実行可能となる。
【0119】
ステップ118では、前記ステップ106でスタートさせたセンサタイマがタイムアップしたか否かが判断される。このステップ118で否定判定された場合は、ステップ120へ移行して、システムタイマの動作が開始されているか否かが判断され、否定判定されると、ステップ118へ戻り、ステップ118又はステップ120で肯定判定されるまで、ステップ118及びステップ120を繰り返す。
【0120】
ステップ118で肯定判定されると、ステップ122へ移行してセンサタイマをストップし、次いでステップ124へ移行して第2の人感センサ30をオフ、すなわち、電力供給を遮断して、このルーチンは終了する。また、ステップ120で肯定判定された場合は、待機トリガによってスタンバイモードに遷移していると判断し、このルーチンは終了する。
【0121】
以上が、画像処理装置10のモードがスリープモードにあり、第2の人感センサ30に電力が供給されていない状態から電力を供給することを主体とした制御の流れである。基本的に、第2の人感センサ30は、第1の人感センサ28が管轄する第1の領域Fに移動体(使用者)が進入しないかぎり電力は供給されないので、デバイスの節電に加え、さらに省エネ効果を高めることになる。
【0122】
図8は、第2の人感センサ電力供給遮断時における制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0123】
ステップ126では、システムタイマが動作を開始しているか否かが判断され、否定判定された場合は、システムがスタンバイモードから再度キー入力操作等があり、ランニングモードへ遷移したと判断し、このルーチンは終了する。
【0124】
また、ステップ126で肯定判定されると、ステップ128へ移行して、第2の人感センサ30をオン、すなわち、電力供給を開始し、次いでステップ130で第2の人感センサ30で移動体(使用者)を検出したか否かが判断される。
【0125】
このステップ130で、移動体(使用者)を検出し続けている間は、装置に対峙した使用者がUIタッチパネル216でキー操作等を行っていると判断し、当該使用者を検出しなくなるまで待機する。
【0126】
ステップ130で否定判定、すなわち、移動体(使用者)を検出しないと判断された場合は、ステップ132へ移行して、センサタイマをリセットスタートし、ステップ134へ移行する。
【0127】
ステップ134では、第1の人感センサ28で移動体(使用者)を検出したか否かが判断される。このステップ134で肯定判定されると、ステップ136へ移行して第2の人感センサ30で移動体(使用者)を検出したか否かを判断し、肯定判定されると、ステップ138へ移行してセンサタイマをストップし、ステップ130へ戻る。また、ステップ136で否定判定された場合は、ステップ134へ戻る。すなわち、第1の人感センサ28が管轄する第1の領域Fに移動体(使用者)が存在することが認められている場合は、直ちに第2の人感センサ30が管轄する第2の領域Nに移動体(使用者)が進入する可能性があるため、第1の人感センサ28で移動体(使用者)を検出している間は、第2の人感センサ30での検出も併用する。
【0128】
一方、ステップ134で否定判定されると、ステップ140へ移行してセンサタイマがタイムアップしたか否かが判断され、否定判定された場合はステップ134へ戻る。
【0129】
また、ステップ140で肯定判定されると、ステップ142へ移行して、センサタイマをストップし、次いでステップ144へ移行して第2の人感センサ30をオフ、すなわち、電力供給を遮断し、ステップ146へ移行する。ステップ146では、立ち下げトリガを出力して、このルーチンは終了する。
【0130】
以上が、画像処理装置10のモードがスタンバイモードにあり、第2の人感センサ30に電力が供給されている状態から電力の供給を遮断することを主体とした制御の流れである。基本的に、センサタイマを併用することで、第2の人感センサ30の電力供給遮断時期を適正とし、移動体(使用者)の装置への接近を見落とすことが防止しつつ、デバイスの節電に加え、さらに省エネ効果を高めることになる。
【0131】
(動作例1)
図9は、図7及び図8のフローチャートに基づく、動作を一例を示すタイミングチャートである。なお、タイミングチャートに合わせて、画像処理装置10を平面視した状態での移動体(使用者)の相対位置関係を示す。なお、移動体は使用者であり、三角形部分が使用者の鼻を示しており、平面視することで使用者の向きがわかる図示形態としている。例えば、図9の最も左側の移動体は画像処理装置10側に向いていることを示し、図9の最も右側の移動体は画像処理装置10に背を向けていることを示す。
【0132】
この図9の動作例は、図7及び図8のフローチャートに点線と括弧付き数字で示す一連の流れとして示している。
【0133】
まず、画像処理装置10は、スリープモードであり、第2の人感センサ30には電力が供給されておらず、第1の人感センサ28の第1の領域Fのみで監視をしている状態である(図7、図9の(1)参照)。移動体(使用者)が画像処理装置10に接近しているが、第1の領域Fの範囲外であるため、画像処理装置10は何ら関与していない。
【0134】
次に、移動体(使用者)が第1の領域Fに進入すると(図7、図9の(2)参照)、これを第1の人感センサ28で検出し、この時点で第2の人感センサ30に電力を供給し、次いでセンサタイマを起動する。この時点で、第2の領域Nが確立される。
【0135】
センサタイマの動作中に、移動体(使用者)が第2の領域Nに進入すると、立ち上げトリガが出力され、この立ち上げトリガに基づいて、例えば、画像処理装置10はアウェイクモードへ遷移し、UIタッチパネル216(図4参照)に電力が供給される(図7、図9の(3)参照)。
【0136】
画像処理装置10がスリープモード以外のモードに遷移しているとき、センサタイマがタイムアップになると、第2の人感センサ30への電力供給が遮断する(図7、図9の(4)参照)。
【0137】
ここまでは、図7のフローチャートにおける第2の人感センサ電力供給開始時の制御に即した動作となる。
【0138】
次に、画像処理装置10がスリープモード以外のモード中、スタンバイモードへ遷移すると、システムタイマが起動する。このシステムタイマは、画像処理装置10をスリープモードへ遷移するきっかけの1つとして機能する。
【0139】
このシステムタイマの起動時、移動体(使用者)が依然として画像処理装置10に対峙している場合は、現状が維持される(図8、図9の(5)参照)。
【0140】
一方、移動体(使用者)が画像処理装置10から離れ始め、第2の領域Nから逸脱すると、センサタイマが起動する(図8、図9の(6)参照)。
【0141】
さらに、移動体(使用者)が、画像処理装置10から離れ(図8、図9の(7)参照)、第1の領域Fからも逸脱し(図8、図9の(8)参照)、その後、センサタイマがタイムアップすると、第2の人感センサ30への電力供給を遮断し((図8、図9の(9)参照)、立ち下げトリガを出力する。
【0142】
例えば、画像処理装置10では、この立ち下げトリガとシステムタイマのタイムアップとの併用で、スリープモードへ遷移させることになる。
【0143】
(第1の変形例)
図10は、本実施の形態(図9)の第1の変形例を示したものである。
【0144】
この第1の変形例では、画像処理装置10がスリープモード以外のモードであるとき、第2の人感センサ30への電力を供給し続けている。
【0145】
第2の人感センサ30の消費電力は、デバイスの消費電力に比べて極めて小さく、移動体(使用者)の状態を監視することを優先することが主体となる。
【0146】
(第2の変形例)
図11は、本実施の形態の(図9)の第2の変形例を示したものである。
【0147】
この第2の変形例では、画像処理装置10がスリープモード以外のモードであるとき、第2の人感センサ30への電力を供給し続けることを全体としている。
【0148】
さらに、この前提に加え、第1の人感センサ28で移動体(使用者)を検出しなくなったら、センサタイマを起動する。直ちに、第2の領域Nへの進入の可能性が低いため、第2の人感センサ30への電力供給を遮断して、第2の人感センサ30の状態を監視するプログラムによる制御負担を軽減する。
【0149】
(第3の変形例)
図12は、本実施の形態の(図9)の第3の変形例を示したものである。
【0150】
この第3の変形例では、画像処理装置10がスリープモードであるとき、第1の人感センサ28で移動体(使用者)を検出している間は、タイマセンサを起動しない。第1の領域Fに移動体(使用者)が存在していても、その移動体(使用者)が静止している場合を想定したものである。この場合、早期に第2の領域Nに進入する可能性があるため、第2の人感センサ30は電力を供給しおくことが誤検出(ここでは、検出しなければならないのに検出しない誤検出)防止につながる。
【0151】
なお、本実施の形態では、2個の人感センサ(第1の人感センサ28と第2の人感センサ30)を用い、第1の人感センサ28で移動体(使用者)を検出したら第2の人感センサ30に電力を供給するという連携動作を構築したが、人感センサは3個以上設けてもよい。例えば、三重円(楕円)の検出領域を設定した場合、最も広い検出領域は常時監視しておき、移動体を検出した時点で次に広い検出領域の人感センサに電力を供給し、さらにこの人感センサで移動体を検出した時点で最も狭い検出領域の人感センサに電力を供給する。なお、中間に位置する人感センサは互いに重ならない領域を検出領域としてもよい。
【0152】
また、本実施の形態では、メインコントローラ200のROM208やHDD218、或いは節電中監視制御部24等へ電力供給制御を実行するプログラムを記憶するようにしたが、電力供給制御実行プログラムをメインコントローラ200において読み書きが可能な記録媒体に記憶してもよい。
【0153】
なお、上記実施の形態では、移動体の検出可能領域臨界が処理部から最も遠い位置となる遠隔移動体検出手段として第1の人感センサ28(焦電型センサ)、移動体の検出可能領域臨界が処理部から最も近い位置となる近接移動体検出手段として第2の人感センサ30(反射型センサ)を用い、第1の人感センサ28で移動体を検出したとき直接、第2の人感センサ30に電力を供給するようにした。
【0154】
これに対して、複数の人感センサが備えられ、時系列ではなく、何らかの契機により複数の人感センサに対して同時に電力が供給されるようにしてもよい。また、単一の人感センサを備えた場合においても同様に、何らかの契機により人感センサに対して電力が供給されるようにしてもよい。なお、何らかの契機とは、人感センサ以外のセンサ(床の信号を検出する振動センサ、空気の流れを検出する流動センサ、温度センサ、湿度センサ等)で検出した場合等を言う。なお、振動センサ、流動センサ、温度センサ、湿度センサ等の一部は、人感センサとして定義される場合もある。また、人感センサとして、所謂「移動体を感じる」のではなく、例えば、撮像素子による撮像情報の解析によって「人として認証し得る」センサも含む。
【符号の説明】
【0155】
W 壁面
10 画像処理装置
20 ネットワーク通信回線網
21 PC
22 電話回線網
24 節電中監視制御部
26 節電制御ボタン
28 第1の人感センサ
30 第2の人感センサ
200 メインコントローラ
204 CPU
206 RAM
208 ROM
210 I/O(入出力部)
212 バス
214 UI制御回路
216 UIタッチパネル
217 ICカードリーダー
218 ハードディスク
220 タイマ回路
222 通信回線I/F
236 ファクシミリ通信制御回路
238 画像読取部
240 画像形成部
242 商用電源
243 配線プレート
244 入力電源線
245 コンセント
246 メインスイッチ
248 第1の電源部
250 第2の電源部
248A 制御用電源生成部
252 電源供給制御回路
254 電源線
256 第1のサブ電源スイッチ(「SW−1」)
250H 24V電源部(LVPS2)
250L 5V電源部(LVPS1)
258 画像読取部電源供給部
260 画像形成部電源供給部
266 ファクシミリ通信制御回路電源供給部
268 第2のサブ電源スイッチ(「SW−2」)
270 第3のサブ電源スイッチ(「SW−3」)
274 第4のサブ電源スイッチ(「SW−4」)
276 第6のサブ電源スイッチ(「SW−5」)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源部から電力の供給を受けて動作することで予め定められた処理を実行する処理部と、前記処理部を基準とした周囲を検出領域として設置され前記処理部を使用する使用者を含む移動体が存在しているか否かを検出する複数の移動体検出手段と、を対象として、前記電源部から電力を受ける電力供給状態、或いは前記電源部から電力の供給を受けない電力遮断状態に遷移させる電力供給状態遷移制御手段と、
前記複数の移動体検出手段の内、前記移動体の検出可能領域臨界が前記処理部から最も遠い位置となる遠隔移動体検出手段から、前記移動体の検出可能領域臨界が前記処理部から最も近い位置となる近接移動体検出手段まで、連携して電力供給を受ける順序を設定すると共に、前記遠隔移動体検出手段の電力供給状態を常に前記電力供給状態に設定する初期設定手段と、
前記遠隔移動体検出手段によって前記移動体を検出した場合に、前記初期設定手段によって連携し合うように設定された下流側の移動体検出手段を対象として電力供給を指示すると共に、前記近接移動体検出手段によって前記移動体を検出した場合に、前記処理部を対象として電力供給を指示する電力供給指示手段と、
前記遠隔移動体検出手段以外の移動体検出手段が対象とされ、前記電力供給指示手段による指示によって電力供給を受けた時点で計時が起動する計時手段と、
前記指示手段による指示によって電力供給を受けた移動体検出手段が、前記移動体を検出するまでに前記計時手段の計時値が予め定めた設定値に到達した場合に、当該移動体検出手段へ電力供給遮断を指示する電力供給遮断指示手段と、
を有する電力供給制御装置。
【請求項2】
前記計時手段が、
前記電力供給を受けた移動体検出手段により前記移動体を検出した時点で計時動作を中止し、前記移動体を検出しなくなった時点で前記計時動作を、計時値をリセットして、或いは計時値をリセットせず再起動する請求項1記載の電力供給制御装置。
【請求項3】
前記計時手段が、
前記処理部への電力供給がなされているときは動作せず、前記処理部への電力供給が遮断されているときに動作する請求項1又は請求項2記載の電力供給制御装置。
【請求項4】
電源部から電力の供給を受けて動作することで予め定められた処理を実行する処理部と、前記処理部を基準とした周囲を検出領域として設置され前記処理部を使用する使用者を含む移動体が存在しているか否かを検出する複数の移動体検出手段と、を対象として、前記電源部から電力を受ける電力供給状態、或いは前記電源部から電力の供給を受けない電力遮断状態に遷移させる電力供給状態遷移制御手段と、
前記複数の移動体検出手段の内、前記移動体の検出可能領域臨界が前記処理部から最も遠い位置となる遠隔移動体検出手段から、前記移動体の検出可能領域臨界が前記処理部から最も近い位置となる近接移動体検出手段まで、連携して電力供給を受ける順序を設定すると共に、前記遠隔移動体検出手段の電力供給状態を常に前記電力供給状態に設定する初期設定手段と、
前記遠隔移動体検出手段によって前記移動体を検出した場合に、前記初期設定手段によって連携し合うように設定された下流側の移動体検出手段を対象として電力供給を指示すると共に、前記近接移動体検出手段によって前記移動体を検出した場合に、前記処理部を対象として電力供給を指示する電力供給指示手段と、
上流側の移動体検出手段が前記移動体を検出しなくなった時点で、当該上流側の移動体検出手段と連携して電力供給を受けた下流側の移動体検出手段の電力供給遮断を指示する電力供給遮断指示手段と、
を有する電力供給制御装置。
【請求項5】
前記複数の移動体検出手段の移動体検出領域が、相互に広い領域が狭い領域を含むように設定されている請求項1〜請求項4の何れか1項記載の電力供給制御装置。
【請求項6】
前記遠隔移動体検出手段が、相対的に広範囲を検出領域とする焦電型センサであり、前記近接移動体検出手段が相対的に狭範囲を検出領域とする反射型センサである請求項1〜請求項5の何れか1項記載の電力供給制御装置。
【請求項7】
前記移動体の検出可能領域臨界が前記処理部から最も遠い位置となる遠隔移動体検出手段が、少なくとも移動体監視中は常時電力が供給されており、この遠隔移動体検出手段で移動体を検出した場合に、前記移動体の検出可能領域臨界が前記処理部から最も近い位置となる近接移動体検出手段を対象として電力を供給する場合がある請求項1〜請求項6の何れか1項記載の電力供給制御装置。
【請求項8】
前記処理部が、機能別に設けられたデバイスと、各デバイスを制御する制御部を備え、
前記電力遮断状態が前記制御部にのみ電力を供給するスリープモードであり、かつ、前記電力供給状態が、前記スリープモードから被動作部を立ち上げるための準備段階であるウォームアップモード、前記被動作部に対して定常時よりも下げて電力を供給しておくスタンバイモード、前記デバイスに対して前記定常時の電力を供給するランニングモードであり、
前記電力供給指示手段によって、前記スリープモードから前記ウォームアップモードを介して前記スタンバイモードへ遷移するときの立ち上げが指示され、予め定められた期間、前記処理部の処理が実行されない場合に前記スリープモードへの立ち下げが指示される請求項1〜請求項7の何れか1項記載の電力供給制御装置。
【請求項9】
前記請求項1〜請求項8の何れか1項記載の電力供給制御装置を備え、前記処理部が、原稿画像から画像を読み取る画像読取部、画像情報に基づいて記録用紙に画像を形成する画像形成部、予め相互に定められた通信手順の下で画像を送信先へ送信するファクシミリ通信制御部、使用者との情報の受付報知を行うユーザーインターフェイス部、使用者を識別するための使用者識別装置の少なくとも1つを含んでおり、使用者からの指示に基づいて、相互に連携しあって画像処理を実行すると共に、
前記複数の移動体検出手段が、前記ユーザーインターフェイス部又は使用者識別装置の設置位置を基準として、移動体検出領域が徐々に拡大するように設けられた画像処理装置。
【請求項10】
コンピュータを、前記請求項1〜請求項7の何れか1項記載の電力供給制御装置として実行させる電力供給制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−256234(P2012−256234A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129358(P2011−129358)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】