電力供給制御装置
【課題】車両が備える電圧変換手段の個数を減らして部品コストを削減できる電力供給制御装置を提供する。
【解決手段】バッテリ9又はオルタネータ7の出力電圧を検出する電圧検出手段(制御部10)、エンジンの状態を取得する状態取得手段(制御部10)、出力電圧を昇圧及び降圧する電圧変換手段20、複数の車載機器への電力供給を、出力電圧と電圧変換手段20により変換された電圧との何れかに切り替える切替手段30、出力電圧値とエンジンの状態とに基づいて、切替手段30を切り替える指示を出力する制御手段(制御部10)を備える電力供給制御装置。
切替手段30は、電力供給先をV1より高い電圧が与えられるべき第1車載機器群と、その他の第2車載機器群とに切り替え、制御手段は、電圧変換手段20に対し降圧指示又は昇圧指示を出力し、切替手段30に対し第1車載機器群及び第2車載機器群の切り替え指示を出力するように構成してある。
【解決手段】バッテリ9又はオルタネータ7の出力電圧を検出する電圧検出手段(制御部10)、エンジンの状態を取得する状態取得手段(制御部10)、出力電圧を昇圧及び降圧する電圧変換手段20、複数の車載機器への電力供給を、出力電圧と電圧変換手段20により変換された電圧との何れかに切り替える切替手段30、出力電圧値とエンジンの状態とに基づいて、切替手段30を切り替える指示を出力する制御手段(制御部10)を備える電力供給制御装置。
切替手段30は、電力供給先をV1より高い電圧が与えられるべき第1車載機器群と、その他の第2車載機器群とに切り替え、制御手段は、電圧変換手段20に対し降圧指示又は昇圧指示を出力し、切替手段30に対し第1車載機器群及び第2車載機器群の切り替え指示を出力するように構成してある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両が備える各種の電気機器に供給する電力を制御する電力供給制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両が備える各種の電気機器には、バッテリ及びオルタネータを電源として電力が供給される。車両がアイドルストップから始動するときは、電気機器への電力はバッテリが供給する。この時、クランキングによりバッテリの出力電圧が、電気機器の駆動電圧を下回ると、ナビゲーションシステムのメモリが消える等の不具合が発生する。そこで、アイドルストップから始動するときは、ナビゲーションシステム等の常時所定電圧以上の電力の供給が必要な電気機器に対して、バッテリの出力電圧を昇圧して供給する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、エンジンが駆動しているときは、オルタネータの出力電圧が、電気機器の駆動電圧を上回るため、オルタネータの出力電圧を降圧して電気機器に電力を供給することにより、電力の消費を低減する。例えば、特許文献2には、燃料ポンプのモータへ印加する電圧を細かくPWM制御することにより、燃費を向上させる自動車用燃料ポンプモータ制御回路が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−92564号公報
【特許文献2】特開平10−266920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2に記載されたようなバッテリ又はオルタネータの出力電圧の変換は、昇圧用及び降圧用の何れも電圧変換手段を用いながら、その対象となる電気機器が異なるため、それぞれ別個に電圧変換手段を設ける必要があるという問題がある。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、車両が備える電圧変換手段の個数を減らして部品コストを削減できる電力供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電力供給制御装置は、車両が備えるバッテリ又はオルタネータの出力電圧を検出する電圧検出手段、前記車両が備えるエンジンの状態を取得する状態取得手段、前記出力電圧を昇圧及び降圧する電圧変換手段、前記車両に備えられる複数の車載機器のそれぞれへの電力供給を、前記出力電圧、及び、前記電圧変換手段により変換された電圧の何れかに切り替える切替手段、並びに、前記電圧検出手段が検出した出力電圧値と前記状態取得手段が取得したエンジンの状態とに基づいて、前記切替手段を切り替える指示を出力する制御手段を備える電力供給制御装置において、
前記切替手段は、電力供給先をV1より高い電圧が与えられるべき第1車載機器群と、その他の第2車載機器群とに切り替え、前記制御手段は、前記電圧変換手段に対し、降圧する指示又は昇圧する指示を出力し、前記切替手段に対し、第1車載機器群及び第2車載機器群の切り替え指示を出力するように構成してあることを特徴とする。
【0008】
これにより、一つの電圧変換手段が昇圧に加えて降圧を実行するため、車両が備える電圧変換手段の個数を減らして部品コストを削減することができる。
【0009】
本発明に係る電力供給制御装置は、前記制御手段は、前記エンジンが回転中であることを前記状態取得手段が取得し、前記電圧検出手段が検出した出力電圧が、V2(>V1)より高い場合に、前記電圧変換手段に対し、前記出力電圧をV2に降圧する指示を出力し、前記切替手段に対し、前記第2車載機器群への電力供給を前記電圧変換手段が変換した電圧に切り替える指示を出力するように構成してあることを特徴とする。
【0010】
これにより、エンジンの回転中にオルタネータが発電することにより高くなる出力電圧をV2に降圧し電力の消費を低減することを、出力電圧の昇圧を行う電圧変換手段により実現するので、車両が備える電圧変換手段の個数を減らして部品コストを削減することができる。
【0011】
本発明に係る電力供給制御装置は、前記制御手段は、前記エンジンがアイドルストップからの始動中であることを前記状態取得手段が取得し、前記電圧検出手段が検出した出力電圧が、V3(V2>V3>V1)より低い場合に、前記電圧変換手段に対し、前記出力電圧をV4(V4≧V3)に昇圧する指示を出力し、前記切替手段に対し、前記第1車載機器群への電力供給を前記電圧変換手段により変換された電圧に切り替える指示を出力するように構成してあることを特徴とする。
【0012】
これにより、一つの電圧変換手段の機能をエンジンの回転中は降圧に切り替え、アイドルストップ中は昇圧に切り替えるので、車両が備える電圧変換手段の個数を減らして部品コストを削減することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、車両が備える電圧変換手段の個数を減らして部品コストを削減できる電力供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る電力供給制御装置の実施の形態を備える車両の電力供給システムの概略構成を模式的に示す模式図である。
【図2】図1に示す電圧変換分配ボックス1の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る電力供給制御装置の動作の例を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る電力供給制御装置の動作の例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る電力供給制御装置の実施の形態を図面に基づいて詳述する。
【0016】
図1は、本発明に係る電力供給制御装置の実施の形態を備える車両の電力供給システムの概略構成を模式的に示す模式図である。図1に示す車両の電力供給システムは、電圧変換分配ボックス1、バッテリ9、オルタネータ7、ヘッドランプ51a、ヘッドランプ51b、燃料ポンプのモータ51c、及び、複数の電子制御装置(以下、「ECU」という。)52a,52b,52c,・・・(以下、一つのECU52aについて説明する)、を備える。
【0017】
電圧変換分配ボックス1へは、バッテリ9及びオルタネータ7からの出力電圧が印加される。電圧変換分配ボックス1により印加された電圧は変圧され、又は、そのまま、ECU52a、ヘッドランプ51a,51b、及び、モータ51cに印加される。電圧変換分配ボックス1の詳細は、後に説明する。
【0018】
オルタネータ7は、図示しないエンジンの駆動により発電する。バッテリ9は、オルタネータ7により発電された電力を蓄電し、蓄電した電力を電圧変換分配ボックス1に供給する。
【0019】
ヘッドランプ51a及び51bは、車両の前方を照射する。モータ51cは、燃料を図示しないエンジンに供給する燃料ポンプを駆動する。これらの電気機器は、所定の機能を実行するために所定電圧値以上の電圧が必要であるが、一旦電圧の印加が中断されたとしても、再び所定値以上の電圧を印加すれば、再度、中断前の機能を実現する。例えば、ヘッドランプ51aの印加電圧が、電圧値V2より低くなると、ヘッドランプ51aが減光、又は、消灯する。しかし再び電圧値V2以上を印加すれば、元の明るさで点灯する。また、ヘッドランプ51aは、オルタネータ7の出力電圧より低い電圧値V2で、十分機能を果たすことができる。
【0020】
そこで、ヘッドランプ51aのような車載機器は、車両状態に応じて、印加する電圧をV2に降圧することができる。以下、これらの車載機器を「省電力負荷」(第2車載機器群)という。
【0021】
ECU52aは、車載機器毎に設けられ車載機器を制御する。この車載機器は、例えば、カーナビゲーションシステム、速度を示すメータ(表示器)及び燃料の残量を示すメータ(表示器)等である。ECU52aは、カーナビゲーションシステム等の電気機器に設けられ、メモリに記憶されている情報を保持するために、所定電圧値V1以上の電圧を必要とする。以下、所定電圧値V1以上の電力供給が必要な装置を「安定電圧負荷」(第1車載機器群)という。
【0022】
図2は、図1に示す電圧変換分配ボックス1の構成例を示すブロック図である。図1に示した電圧変換分配ボックス1は、オルタネータ7、バッテリ9、及び、ヘッドランプ51a、ヘッドランプ51b、燃料ポンプのモータ51c(以下、「省電力負荷群」51という。)、及び、複数のECU52a,52b,52c,・・・(以下、「安定電圧負荷群」52という。)、に加えて、エンジンECU61、及び、アイドルストップECU62に接続されている。
【0023】
図2には、さらに、エンジン6、及び、スタータ8を示している。エンジン6は、オルタネータ7と連動するように連結され、スタータ8と図示しないクラッチにより連結されている。スタータ8は、バッテリ9の出力電圧を印加され、エンジン6を始動する
【0024】
電圧変換分配ボックス1は、制御部10、電圧変換部20、切替回路30、ヒューズ41、及び、ヒューズ42を備える。バッテリ9の正極は、ヒューズ41を通じて、電圧変換部20の入力端子及び切替回路30の入力端子に接続されている。オルタネータ7の出力端子は、ヒューズ42を通じて電圧変換部20の入力端子及び切替回路30の入力端子に接続されている。
【0025】
電圧変換部20の出力端子は、切替回路30を通じて、省電力負荷群51、及び、安定電圧負荷群52に接続されている。
【0026】
切替回路30は、スイッチ31、スイッチ32、及び、スイッチ33を備える。スイッチ31、スイッチ32、及び、スイッチ33は、何れもc接点スイッチである。スイッチ31は、COM端子、端子31a、及び、端子31bを有し、スイッチ32は、COM端子、端子32a、及び、端子32bを有し、スイッチ33は、COM端子、端子331、及び、端子332を有する。
【0027】
電圧変換部20の出力端子は、スイッチ33のCOM端子に接続されている。スイッチ33の端子331は、スイッチ31の端子31aに接続されている。スイッチ31の端子31bは、ヒューズ41を通じてバッテリ9の正極に接続され、ヒューズ42を通じてオルタネータ7の出力端子に接続されている。スイッチ31のCOM端子は、省電力負荷群51の正極に接続されている。
【0028】
スイッチ33の端子332は、スイッチ32の端子32aに接続されている。スイッチ32の端子32bは、ヒューズ41を通じてバッテリ9の正極に接続され、ヒューズ42を通じてオルタネータ7の出力端子に接続されている。スイッチ32のCOM端子は、安定電圧負荷群52の正極に接続されている。
【0029】
制御部10は、車載LANに接続されている。制御部10は、エンジンECU61から送信されるエンジン回転数を含むエンジンの状態の信号を車載LANを介して取得する。制御部10は、アイドルストップECU62から出力されるアイドルストップに係る情報を車載LANを介して取得する。制御部10は、ヒューズ41を介したバッテリ9の正極端子と、ヒューズ42を介したオルタネータ7の出力端子との共通接続部節点Aの電圧値VAを取得する。
【0030】
エンジンECU61は、エンジン6を駆動制御する。エンジンECU61は、エンジン6の回転数を含むエンジン6の状態の信号を、車載LANを介して制御部10に送信する。アイドルストップECU62は、アイドルストップの許可、及び、アイドルストップからのエンジン6の始動を制御する。アイドルストップECU62は、アイドルストップからエンジン6を始動するための信号を車載LANを介して制御部10及びエンジンECU61に出力する。
【0031】
以下に、このような構成の電力供給制御装置の動作を、図3のフローチャートを参照しながら説明する。スイッチ31、スイッチ32、及び、スイッチ33は、それぞれ、端子31b、端子32b、及び、端子331側に接続してある。
【0032】
先ず、制御部10が、車両状態を取得する(ステップS10)。制御部10は、車載LANを介して受信した車速信号、ブレーキ信号、アイドルストップ許可信号、エンジン回転数の信号、及び、アイドルストップからエンジンを始動する信号に基づいて、車両状態を判定し取得する。
【0033】
制御部10は、アイドルストップからエンジンを始動する信号を受信した場合(ステップS11:YES)には、節点Aの電圧値VAを取得する(ステップS12)。続いて、取得した電圧値VAが、V3未満か否かを判定する(ステップS13)。V3は、安定電圧負荷群52の所定機能を実現するのに必要な最低電圧V1に基づき、V1より余裕分高く設定されている。
【0034】
電圧値VAがV3未満ではない場合(ステップS13:NO)は、ステップS12に戻って処理を繰り返す。
【0035】
一方、電圧値VAがV3未満の場合(ステップS13:YES)は、スイッチ31,32,33を、それぞれ、端子31b、端子32a、及び、端子332に切り替え、バッテリ9の出力電圧(VA)をV4に昇圧して電力供給する(ステップS14)。V4は、V3以上の所定値である。すなわち、制御部10は、電圧変換部20に対し、バッテリ9の出力電圧(VA)をV4に昇圧する指示を出力し、切替回路30のスイッチ31,32,33を切り替える。これにより、電圧変換部20によりV4に昇圧された電圧が安定電圧負荷群52に印加される。
【0036】
制御部10は、続いて、再び、節点Aの電圧値VAを取得し(ステップS15)、取得した電圧値VAが、V3以上か否かを判定する(ステップS16)。電圧値VAがV3以上ではない場合(ステップS16:NO)は、ステップS14に戻って処理を繰り返す。一方、電圧値VAがV3以上の場合は、ステップS10に戻って処理を繰り返す。
【0037】
制御部10は、ステップS11で、アイドルストップからの始動開始状態ではない場合(ステップS11:NO)は、車両が走行中か否かを判定する(ステップS21)。車両が走行中か否かの判定は、車載LANを介して受信した車速信号、及び、エンジン回転数を示す信号等に基づいて行う。制御部10は、車両が走行中の場合(ステップS21:YES)は、節点Aの電圧値VAを取得する(ステップS22)。
【0038】
制御部10は、続いて、取得した電圧値VAがV2(>V1)を超えているか否かを判定する(ステップS23)。V2は、省電力負荷群51の消費電力を抑制するために定められた駆動電圧値である。
【0039】
電圧値VAがV2を超えている場合(ステップS23:YES)には、スイッチ31,32,及び、33を、それぞれ、端子31a、端子32b、及び、端子331に切り替え、オルタネータ9の出力電圧値(VA)をV2に降圧して省電力負荷群51に印加する(ステップS24)。すなわち、制御部10は、電圧変換部20に対し、オルタネータ9の出力電圧値(VA)をV2に降圧する指示を出力し、切替回路30の、スイッチ31,32,及び,33を切り替える。制御部10の指示により、電圧変換部20は、オルタネータ9の出力電圧値(VA)をV2に変換する。
【0040】
制御部10は、ステップS23で、電圧値VAがV2を超えていない場合(ステップS23:NO)、又は、ステップS24の処理の後、ステップS10に戻って処理を繰り返す。
【0041】
制御部10は、また、ステップS21で、車両が走行中ではない場合(ステップS21:NO)は、スイッチ31及びスイッチ32を、それぞれ、端子31b、及び、端子32bに切り替え(ステップS31)、その後、ステップ10に戻って処理を繰り返す。すなわち、制御部10は、切替回路30の、スイッチ31及びスイッチ32を切り替える。これにより、省電力負荷群51及び安定電圧負荷群52に対し、バッテリ9及び/又はオルタネータ7からの出力電圧値(VA)が印加される。
【0042】
図4は、この電力供給制御装置により制御される電力供給の例を示すタイミングチャートである。期間TAでは、イグニッションキーがオンになり、エンジンが始動する。期間TAでは、制御部10の制御により、省電力負荷群51及び安定電圧負荷群52に対し、バッテリ9の電圧が印加される。すなわち、図3のステップS31の処理が行われる。
【0043】
期間TBでは、エンジンが回転し、車両が走行中である。期間TBでは、オルタネータ7が発電している。そこで、節点Aの電圧値VAがV2を超えた場合に、オルタネータ7の出力電圧(VA)をV2に降圧して、省電力負荷群51に印加する。すなわち、図3のステップS21からステップS24の処理が行われる。
【0044】
期間TBで車両が停止すると、アイドルストップが開始され、アイドルストップが行われた後、期間TCで、アイドルストップからのエンジンの始動が行われる。期間TBのうち、アイドルストップ中は、節点Aには、バッテリ9からの出力電圧が印加されている。すなわち、図3のステップS31の処理が行われている。
【0045】
期間TCにおいて、アイドルストップからのエンジン9の始動が開始されると、クランキングにより節点Aの電圧値VAがV3を下回るため、安定電圧負荷群52に対し、バッテリ9の出力電圧(VA)をV4に昇圧した電圧を印加する。すなわち、図3のステップS11からステップS16の処理が実行される。
【0046】
期間TCに続く期間TB2では、アイドルストップからのエンジンの始動が終了し、再び車両が走行中になる。すなわち、図3のステップS21からステップS24の処理が繰り返される。
【0047】
以上の処理により、電圧変換部20は、車両の走行中には降圧を行い、アイドルストップからのエンジンの始動の際には、昇圧を行う。電圧変換部20が、異なる時間において、昇圧と降圧とに機能を切り替え、電力供給先を切り替えるため、部品点数を削減することができる。
【0048】
以上、発明を実施するための形態について説明」行ったが、本発明は、この発明を実施するための形態で述べた実施形態に限定されるものではない。本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 電圧変換分配ボックス
7 オルタネータ
8 スタータ
9 バッテリ
10 制御部(制御手段、状態取得手段、電圧検出手段)
20 電圧変換部(電圧変換手段)
30 切替回路(切替手段)
31、32、33 スイッチ
41、42 ヒューズ
51 省電力負荷群(第2車載機器群)
51a、51b ヘッドランプ
51c モータ
52 安定電圧負荷群(第1車載機器群)
52a、52b、52c ECU
61 エンジンECU
62 アイドルストップECU
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両が備える各種の電気機器に供給する電力を制御する電力供給制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両が備える各種の電気機器には、バッテリ及びオルタネータを電源として電力が供給される。車両がアイドルストップから始動するときは、電気機器への電力はバッテリが供給する。この時、クランキングによりバッテリの出力電圧が、電気機器の駆動電圧を下回ると、ナビゲーションシステムのメモリが消える等の不具合が発生する。そこで、アイドルストップから始動するときは、ナビゲーションシステム等の常時所定電圧以上の電力の供給が必要な電気機器に対して、バッテリの出力電圧を昇圧して供給する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、エンジンが駆動しているときは、オルタネータの出力電圧が、電気機器の駆動電圧を上回るため、オルタネータの出力電圧を降圧して電気機器に電力を供給することにより、電力の消費を低減する。例えば、特許文献2には、燃料ポンプのモータへ印加する電圧を細かくPWM制御することにより、燃費を向上させる自動車用燃料ポンプモータ制御回路が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−92564号公報
【特許文献2】特開平10−266920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2に記載されたようなバッテリ又はオルタネータの出力電圧の変換は、昇圧用及び降圧用の何れも電圧変換手段を用いながら、その対象となる電気機器が異なるため、それぞれ別個に電圧変換手段を設ける必要があるという問題がある。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、車両が備える電圧変換手段の個数を減らして部品コストを削減できる電力供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電力供給制御装置は、車両が備えるバッテリ又はオルタネータの出力電圧を検出する電圧検出手段、前記車両が備えるエンジンの状態を取得する状態取得手段、前記出力電圧を昇圧及び降圧する電圧変換手段、前記車両に備えられる複数の車載機器のそれぞれへの電力供給を、前記出力電圧、及び、前記電圧変換手段により変換された電圧の何れかに切り替える切替手段、並びに、前記電圧検出手段が検出した出力電圧値と前記状態取得手段が取得したエンジンの状態とに基づいて、前記切替手段を切り替える指示を出力する制御手段を備える電力供給制御装置において、
前記切替手段は、電力供給先をV1より高い電圧が与えられるべき第1車載機器群と、その他の第2車載機器群とに切り替え、前記制御手段は、前記電圧変換手段に対し、降圧する指示又は昇圧する指示を出力し、前記切替手段に対し、第1車載機器群及び第2車載機器群の切り替え指示を出力するように構成してあることを特徴とする。
【0008】
これにより、一つの電圧変換手段が昇圧に加えて降圧を実行するため、車両が備える電圧変換手段の個数を減らして部品コストを削減することができる。
【0009】
本発明に係る電力供給制御装置は、前記制御手段は、前記エンジンが回転中であることを前記状態取得手段が取得し、前記電圧検出手段が検出した出力電圧が、V2(>V1)より高い場合に、前記電圧変換手段に対し、前記出力電圧をV2に降圧する指示を出力し、前記切替手段に対し、前記第2車載機器群への電力供給を前記電圧変換手段が変換した電圧に切り替える指示を出力するように構成してあることを特徴とする。
【0010】
これにより、エンジンの回転中にオルタネータが発電することにより高くなる出力電圧をV2に降圧し電力の消費を低減することを、出力電圧の昇圧を行う電圧変換手段により実現するので、車両が備える電圧変換手段の個数を減らして部品コストを削減することができる。
【0011】
本発明に係る電力供給制御装置は、前記制御手段は、前記エンジンがアイドルストップからの始動中であることを前記状態取得手段が取得し、前記電圧検出手段が検出した出力電圧が、V3(V2>V3>V1)より低い場合に、前記電圧変換手段に対し、前記出力電圧をV4(V4≧V3)に昇圧する指示を出力し、前記切替手段に対し、前記第1車載機器群への電力供給を前記電圧変換手段により変換された電圧に切り替える指示を出力するように構成してあることを特徴とする。
【0012】
これにより、一つの電圧変換手段の機能をエンジンの回転中は降圧に切り替え、アイドルストップ中は昇圧に切り替えるので、車両が備える電圧変換手段の個数を減らして部品コストを削減することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、車両が備える電圧変換手段の個数を減らして部品コストを削減できる電力供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る電力供給制御装置の実施の形態を備える車両の電力供給システムの概略構成を模式的に示す模式図である。
【図2】図1に示す電圧変換分配ボックス1の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る電力供給制御装置の動作の例を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る電力供給制御装置の動作の例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る電力供給制御装置の実施の形態を図面に基づいて詳述する。
【0016】
図1は、本発明に係る電力供給制御装置の実施の形態を備える車両の電力供給システムの概略構成を模式的に示す模式図である。図1に示す車両の電力供給システムは、電圧変換分配ボックス1、バッテリ9、オルタネータ7、ヘッドランプ51a、ヘッドランプ51b、燃料ポンプのモータ51c、及び、複数の電子制御装置(以下、「ECU」という。)52a,52b,52c,・・・(以下、一つのECU52aについて説明する)、を備える。
【0017】
電圧変換分配ボックス1へは、バッテリ9及びオルタネータ7からの出力電圧が印加される。電圧変換分配ボックス1により印加された電圧は変圧され、又は、そのまま、ECU52a、ヘッドランプ51a,51b、及び、モータ51cに印加される。電圧変換分配ボックス1の詳細は、後に説明する。
【0018】
オルタネータ7は、図示しないエンジンの駆動により発電する。バッテリ9は、オルタネータ7により発電された電力を蓄電し、蓄電した電力を電圧変換分配ボックス1に供給する。
【0019】
ヘッドランプ51a及び51bは、車両の前方を照射する。モータ51cは、燃料を図示しないエンジンに供給する燃料ポンプを駆動する。これらの電気機器は、所定の機能を実行するために所定電圧値以上の電圧が必要であるが、一旦電圧の印加が中断されたとしても、再び所定値以上の電圧を印加すれば、再度、中断前の機能を実現する。例えば、ヘッドランプ51aの印加電圧が、電圧値V2より低くなると、ヘッドランプ51aが減光、又は、消灯する。しかし再び電圧値V2以上を印加すれば、元の明るさで点灯する。また、ヘッドランプ51aは、オルタネータ7の出力電圧より低い電圧値V2で、十分機能を果たすことができる。
【0020】
そこで、ヘッドランプ51aのような車載機器は、車両状態に応じて、印加する電圧をV2に降圧することができる。以下、これらの車載機器を「省電力負荷」(第2車載機器群)という。
【0021】
ECU52aは、車載機器毎に設けられ車載機器を制御する。この車載機器は、例えば、カーナビゲーションシステム、速度を示すメータ(表示器)及び燃料の残量を示すメータ(表示器)等である。ECU52aは、カーナビゲーションシステム等の電気機器に設けられ、メモリに記憶されている情報を保持するために、所定電圧値V1以上の電圧を必要とする。以下、所定電圧値V1以上の電力供給が必要な装置を「安定電圧負荷」(第1車載機器群)という。
【0022】
図2は、図1に示す電圧変換分配ボックス1の構成例を示すブロック図である。図1に示した電圧変換分配ボックス1は、オルタネータ7、バッテリ9、及び、ヘッドランプ51a、ヘッドランプ51b、燃料ポンプのモータ51c(以下、「省電力負荷群」51という。)、及び、複数のECU52a,52b,52c,・・・(以下、「安定電圧負荷群」52という。)、に加えて、エンジンECU61、及び、アイドルストップECU62に接続されている。
【0023】
図2には、さらに、エンジン6、及び、スタータ8を示している。エンジン6は、オルタネータ7と連動するように連結され、スタータ8と図示しないクラッチにより連結されている。スタータ8は、バッテリ9の出力電圧を印加され、エンジン6を始動する
【0024】
電圧変換分配ボックス1は、制御部10、電圧変換部20、切替回路30、ヒューズ41、及び、ヒューズ42を備える。バッテリ9の正極は、ヒューズ41を通じて、電圧変換部20の入力端子及び切替回路30の入力端子に接続されている。オルタネータ7の出力端子は、ヒューズ42を通じて電圧変換部20の入力端子及び切替回路30の入力端子に接続されている。
【0025】
電圧変換部20の出力端子は、切替回路30を通じて、省電力負荷群51、及び、安定電圧負荷群52に接続されている。
【0026】
切替回路30は、スイッチ31、スイッチ32、及び、スイッチ33を備える。スイッチ31、スイッチ32、及び、スイッチ33は、何れもc接点スイッチである。スイッチ31は、COM端子、端子31a、及び、端子31bを有し、スイッチ32は、COM端子、端子32a、及び、端子32bを有し、スイッチ33は、COM端子、端子331、及び、端子332を有する。
【0027】
電圧変換部20の出力端子は、スイッチ33のCOM端子に接続されている。スイッチ33の端子331は、スイッチ31の端子31aに接続されている。スイッチ31の端子31bは、ヒューズ41を通じてバッテリ9の正極に接続され、ヒューズ42を通じてオルタネータ7の出力端子に接続されている。スイッチ31のCOM端子は、省電力負荷群51の正極に接続されている。
【0028】
スイッチ33の端子332は、スイッチ32の端子32aに接続されている。スイッチ32の端子32bは、ヒューズ41を通じてバッテリ9の正極に接続され、ヒューズ42を通じてオルタネータ7の出力端子に接続されている。スイッチ32のCOM端子は、安定電圧負荷群52の正極に接続されている。
【0029】
制御部10は、車載LANに接続されている。制御部10は、エンジンECU61から送信されるエンジン回転数を含むエンジンの状態の信号を車載LANを介して取得する。制御部10は、アイドルストップECU62から出力されるアイドルストップに係る情報を車載LANを介して取得する。制御部10は、ヒューズ41を介したバッテリ9の正極端子と、ヒューズ42を介したオルタネータ7の出力端子との共通接続部節点Aの電圧値VAを取得する。
【0030】
エンジンECU61は、エンジン6を駆動制御する。エンジンECU61は、エンジン6の回転数を含むエンジン6の状態の信号を、車載LANを介して制御部10に送信する。アイドルストップECU62は、アイドルストップの許可、及び、アイドルストップからのエンジン6の始動を制御する。アイドルストップECU62は、アイドルストップからエンジン6を始動するための信号を車載LANを介して制御部10及びエンジンECU61に出力する。
【0031】
以下に、このような構成の電力供給制御装置の動作を、図3のフローチャートを参照しながら説明する。スイッチ31、スイッチ32、及び、スイッチ33は、それぞれ、端子31b、端子32b、及び、端子331側に接続してある。
【0032】
先ず、制御部10が、車両状態を取得する(ステップS10)。制御部10は、車載LANを介して受信した車速信号、ブレーキ信号、アイドルストップ許可信号、エンジン回転数の信号、及び、アイドルストップからエンジンを始動する信号に基づいて、車両状態を判定し取得する。
【0033】
制御部10は、アイドルストップからエンジンを始動する信号を受信した場合(ステップS11:YES)には、節点Aの電圧値VAを取得する(ステップS12)。続いて、取得した電圧値VAが、V3未満か否かを判定する(ステップS13)。V3は、安定電圧負荷群52の所定機能を実現するのに必要な最低電圧V1に基づき、V1より余裕分高く設定されている。
【0034】
電圧値VAがV3未満ではない場合(ステップS13:NO)は、ステップS12に戻って処理を繰り返す。
【0035】
一方、電圧値VAがV3未満の場合(ステップS13:YES)は、スイッチ31,32,33を、それぞれ、端子31b、端子32a、及び、端子332に切り替え、バッテリ9の出力電圧(VA)をV4に昇圧して電力供給する(ステップS14)。V4は、V3以上の所定値である。すなわち、制御部10は、電圧変換部20に対し、バッテリ9の出力電圧(VA)をV4に昇圧する指示を出力し、切替回路30のスイッチ31,32,33を切り替える。これにより、電圧変換部20によりV4に昇圧された電圧が安定電圧負荷群52に印加される。
【0036】
制御部10は、続いて、再び、節点Aの電圧値VAを取得し(ステップS15)、取得した電圧値VAが、V3以上か否かを判定する(ステップS16)。電圧値VAがV3以上ではない場合(ステップS16:NO)は、ステップS14に戻って処理を繰り返す。一方、電圧値VAがV3以上の場合は、ステップS10に戻って処理を繰り返す。
【0037】
制御部10は、ステップS11で、アイドルストップからの始動開始状態ではない場合(ステップS11:NO)は、車両が走行中か否かを判定する(ステップS21)。車両が走行中か否かの判定は、車載LANを介して受信した車速信号、及び、エンジン回転数を示す信号等に基づいて行う。制御部10は、車両が走行中の場合(ステップS21:YES)は、節点Aの電圧値VAを取得する(ステップS22)。
【0038】
制御部10は、続いて、取得した電圧値VAがV2(>V1)を超えているか否かを判定する(ステップS23)。V2は、省電力負荷群51の消費電力を抑制するために定められた駆動電圧値である。
【0039】
電圧値VAがV2を超えている場合(ステップS23:YES)には、スイッチ31,32,及び、33を、それぞれ、端子31a、端子32b、及び、端子331に切り替え、オルタネータ9の出力電圧値(VA)をV2に降圧して省電力負荷群51に印加する(ステップS24)。すなわち、制御部10は、電圧変換部20に対し、オルタネータ9の出力電圧値(VA)をV2に降圧する指示を出力し、切替回路30の、スイッチ31,32,及び,33を切り替える。制御部10の指示により、電圧変換部20は、オルタネータ9の出力電圧値(VA)をV2に変換する。
【0040】
制御部10は、ステップS23で、電圧値VAがV2を超えていない場合(ステップS23:NO)、又は、ステップS24の処理の後、ステップS10に戻って処理を繰り返す。
【0041】
制御部10は、また、ステップS21で、車両が走行中ではない場合(ステップS21:NO)は、スイッチ31及びスイッチ32を、それぞれ、端子31b、及び、端子32bに切り替え(ステップS31)、その後、ステップ10に戻って処理を繰り返す。すなわち、制御部10は、切替回路30の、スイッチ31及びスイッチ32を切り替える。これにより、省電力負荷群51及び安定電圧負荷群52に対し、バッテリ9及び/又はオルタネータ7からの出力電圧値(VA)が印加される。
【0042】
図4は、この電力供給制御装置により制御される電力供給の例を示すタイミングチャートである。期間TAでは、イグニッションキーがオンになり、エンジンが始動する。期間TAでは、制御部10の制御により、省電力負荷群51及び安定電圧負荷群52に対し、バッテリ9の電圧が印加される。すなわち、図3のステップS31の処理が行われる。
【0043】
期間TBでは、エンジンが回転し、車両が走行中である。期間TBでは、オルタネータ7が発電している。そこで、節点Aの電圧値VAがV2を超えた場合に、オルタネータ7の出力電圧(VA)をV2に降圧して、省電力負荷群51に印加する。すなわち、図3のステップS21からステップS24の処理が行われる。
【0044】
期間TBで車両が停止すると、アイドルストップが開始され、アイドルストップが行われた後、期間TCで、アイドルストップからのエンジンの始動が行われる。期間TBのうち、アイドルストップ中は、節点Aには、バッテリ9からの出力電圧が印加されている。すなわち、図3のステップS31の処理が行われている。
【0045】
期間TCにおいて、アイドルストップからのエンジン9の始動が開始されると、クランキングにより節点Aの電圧値VAがV3を下回るため、安定電圧負荷群52に対し、バッテリ9の出力電圧(VA)をV4に昇圧した電圧を印加する。すなわち、図3のステップS11からステップS16の処理が実行される。
【0046】
期間TCに続く期間TB2では、アイドルストップからのエンジンの始動が終了し、再び車両が走行中になる。すなわち、図3のステップS21からステップS24の処理が繰り返される。
【0047】
以上の処理により、電圧変換部20は、車両の走行中には降圧を行い、アイドルストップからのエンジンの始動の際には、昇圧を行う。電圧変換部20が、異なる時間において、昇圧と降圧とに機能を切り替え、電力供給先を切り替えるため、部品点数を削減することができる。
【0048】
以上、発明を実施するための形態について説明」行ったが、本発明は、この発明を実施するための形態で述べた実施形態に限定されるものではない。本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 電圧変換分配ボックス
7 オルタネータ
8 スタータ
9 バッテリ
10 制御部(制御手段、状態取得手段、電圧検出手段)
20 電圧変換部(電圧変換手段)
30 切替回路(切替手段)
31、32、33 スイッチ
41、42 ヒューズ
51 省電力負荷群(第2車載機器群)
51a、51b ヘッドランプ
51c モータ
52 安定電圧負荷群(第1車載機器群)
52a、52b、52c ECU
61 エンジンECU
62 アイドルストップECU
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が備えるバッテリ又はオルタネータの出力電圧を検出する電圧検出手段、前記車両が備えるエンジンの状態を取得する状態取得手段、前記出力電圧を昇圧及び降圧する電圧変換手段、前記車両に備えられる複数の車載機器のそれぞれへの電力供給を、前記出力電圧、及び、前記電圧変換手段により変換された電圧の何れかに切り替える切替手段、並びに、前記電圧検出手段が検出した出力電圧値と前記状態取得手段が取得したエンジンの状態とに基づいて、前記切替手段を切り替える指示を出力する制御手段を備える電力供給制御装置において、
前記切替手段は、電力供給先をV1より高い電圧が与えられるべき第1車載機器群と、その他の第2車載機器群とに切り替え、
前記制御手段は、前記電圧変換手段に対し、降圧する指示又は昇圧する指示を出力し、前記切替手段に対し、第1車載機器群及び第2車載機器群の切り替え指示を出力するように構成してあることを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記エンジンが回転中であることを前記状態取得手段が取得し、前記電圧検出手段が検出した出力電圧が、V2(>V1)より高い場合に、前記電圧変換手段に対し、前記出力電圧をV2に降圧する指示を出力し、前記切替手段に対し、前記第2車載機器群への電力供給を前記電圧変換手段が変換した電圧に切り替える指示を出力するように構成してあることを特徴とする請求項1に記載の電力供給制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記エンジンがアイドルストップからの始動中であることを前記状態取得手段が取得し、前記電圧検出手段が検出した出力電圧が、V3(V2>V3>V1)より低い場合に、前記電圧変換手段に対し、前記出力電圧をV4(V4≧V3)に昇圧する指示を出力し、前記切替手段に対し、前記第1車載機器群への電力供給を前記電圧変換手段により変換された電圧に切り替える指示を出力するように構成してあることを特徴とする請求項2に記載の電力供給制御装置。
【請求項1】
車両が備えるバッテリ又はオルタネータの出力電圧を検出する電圧検出手段、前記車両が備えるエンジンの状態を取得する状態取得手段、前記出力電圧を昇圧及び降圧する電圧変換手段、前記車両に備えられる複数の車載機器のそれぞれへの電力供給を、前記出力電圧、及び、前記電圧変換手段により変換された電圧の何れかに切り替える切替手段、並びに、前記電圧検出手段が検出した出力電圧値と前記状態取得手段が取得したエンジンの状態とに基づいて、前記切替手段を切り替える指示を出力する制御手段を備える電力供給制御装置において、
前記切替手段は、電力供給先をV1より高い電圧が与えられるべき第1車載機器群と、その他の第2車載機器群とに切り替え、
前記制御手段は、前記電圧変換手段に対し、降圧する指示又は昇圧する指示を出力し、前記切替手段に対し、第1車載機器群及び第2車載機器群の切り替え指示を出力するように構成してあることを特徴とする電力供給制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記エンジンが回転中であることを前記状態取得手段が取得し、前記電圧検出手段が検出した出力電圧が、V2(>V1)より高い場合に、前記電圧変換手段に対し、前記出力電圧をV2に降圧する指示を出力し、前記切替手段に対し、前記第2車載機器群への電力供給を前記電圧変換手段が変換した電圧に切り替える指示を出力するように構成してあることを特徴とする請求項1に記載の電力供給制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記エンジンがアイドルストップからの始動中であることを前記状態取得手段が取得し、前記電圧検出手段が検出した出力電圧が、V3(V2>V3>V1)より低い場合に、前記電圧変換手段に対し、前記出力電圧をV4(V4≧V3)に昇圧する指示を出力し、前記切替手段に対し、前記第1車載機器群への電力供給を前記電圧変換手段により変換された電圧に切り替える指示を出力するように構成してあることを特徴とする請求項2に記載の電力供給制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2013−56625(P2013−56625A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196250(P2011−196250)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
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