電力供給装置、液晶モジュールおよび電力供給装置の制御方法
【課題】液晶モジュールの内部回路の温度上昇を抑制すると共に、表示品質を維持しつつ、液晶モジュールのコストを低減する。
【解決手段】液晶モジュール1におけるソースドライバ3に電力を供給する電力供給装置10において、ソースドライバ3に供給する電流の電流値が所定の検出閾値を超えている場合、ソースドライバ3に供給する出力電圧の電圧値を降下して、ソースドライバ3に電力を供給する。
【解決手段】液晶モジュール1におけるソースドライバ3に電力を供給する電力供給装置10において、ソースドライバ3に供給する電流の電流値が所定の検出閾値を超えている場合、ソースドライバ3に供給する出力電圧の電圧値を降下して、ソースドライバ3に電力を供給する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶モジュールにおけるソースドライバに電力を供給する電力供給装置、液晶モジュールおよび電力供給方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、動画像の表示品質を向上させるため、液晶モジュールの2倍速駆動や4倍速駆動を実現している。また、今後は、画素数が4000×2000級の「4k×2k」ディスプレイや画素数が8000×4000級の「8k×4k」ディスプレイの開発が進み、液晶パネルの高精細化が進む。
【0003】
このような液晶モジュールでは、液晶ドライバ、特にソースドライバの処理負荷およびソースドライバが駆動するパネル負荷の増加、並びに、ソースドライバの員数の増加により、液晶モジュールの内部回路の消費電力が増加する。消費電力の損失分は熱エネルギーに変換されるため、消費電力の増加と共に、液晶モジュールの温度も上昇する。液晶モジュールの温度の上昇により、液晶モジュールの内部回路の信頼性が低下する。
【0004】
ここで、従来のアナログ電源回路を有する液晶モジュールの構成を図17に示し、液晶モジュールの温度上昇の具体的例を説明する。図17に示すように、液晶モジュール101は、液晶パネル102、ソースドライバ103、ゲートドライバ104、ゲートドライバ用VGon電源回路105、ゲートドライバ用VGoff電源回路106およびソースドライバ用AVDD電源回路107を備える。なお、図17に示すように、液晶モジュール101は、ゲートドライバ104をK個有し、ソースドライバ103をL個有するものとする(KおよびLは任意の自然数)。
【0005】
図17に示すように、ソースドライバ用AVDD電源回路107は、L個のソースドライバ103に対して電源を供給する。液晶モジュール101が2倍速駆動または4倍速駆動を行うと、各ソースドライバ出力の遷移回数が2倍または4倍となる。すなわち、パネル負荷の充放電回数が増えるため、ソースドライバ103の消費電力は2倍または4倍となり、ソースドライバ103の温度上昇が飛躍的に大きくなる。
【0006】
このように、ソースドライバ103の温度が上昇し、自身の熱でドライバIC(Integrated Circuit)やTCP(Tape Carrier Package)等が破損する場合がある。
【0007】
従来、ソースドライバの破壊を防ぐため、ソースドライバICに放熱シートを貼付することにより、シャーシに熱を逃がすなどの放熱対策を採用している。
【0008】
また、ソースドライバの温度上昇を抑制するために、ソースドライバの消費電力を抑える技術も開発されている。例えば、特許文献1には、ソースドライバが出力する電圧信号の振幅が最大となる表示データを検出し、当該表示データを表示するために最小限必要な電圧を出力するように、ソースドライバの出力電圧を可変する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−175028号公報(1999年7月2日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のように、2倍速駆動もしくは4倍速駆動で処理する液晶モジュールまたは高精細な液晶パネルを有する液晶モジュールでは、動作時にソースドライバ等の温度が非常に高温になるため、上記の放熱対策によって温度上昇を抑制する場合、放熱シート等のコストが非常に大きくなるという問題がある。
【0011】
また、特許文献1に記載の技術を用いて、最小限必要な電圧を出力するようソースドライバを制御したとしても、2倍速駆動もしくは4倍速駆動で処理する液晶モジュールまたは高精細な液晶パネルを有する液晶モジュールでは、最大駆動電圧に対応する表示データの表示処理による温度上昇によって、ソースドライバが破壊される場合があるという問題がある。
【0012】
そこで、液晶モジュールの温度上昇の抑制、つまり、液晶モジュールの内部回路の消費電力を低減するために、ソースドライバに供給する電源電圧を恒久的に低下させることも考えられる。上記電源電圧を恒久的に下げてしまうと、輝度の仕様を満たさない虞があり、単純に電源電圧を下げるだけでは上述の問題を解決することができない。
【0013】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、液晶モジュールの内部回路の温度上昇を抑制すると共に、表示品質を維持しつつ、液晶モジュールのコストを低減する電力供給装置、液晶モジュールおよび電力供給装置の制御方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る電力供給装置は、上記課題を解決するために、液晶モジュールにおけるソースドライバに電力を供給する電力供給装置であって、上記ソースドライバに供給する電流の電流値が所定の検出閾値を超えているか否かを検出し、上記電流値が上記検出閾値を超えている間、アクティブレベルの検出信号を生成し、一方、上記電流値が上記検出閾値を下回っている間、非アクティブレベルの検出信号を生成する電流検出手段と、上記電流検出手段の生成した検出信号がアクティブレベルの期間、上記ソースドライバに供給する出力電圧の電圧値を降下させる電圧降下手段とを備えることを特徴としている。
【0015】
また、本発明に係る電力供給装置の制御方法は、上記課題を解決するために、液晶モジュールにおけるソースドライバに電力を供給する電力供給装置の制御方法であって、上記ソースドライバに供給する電流の電流値が所定の検出閾値を超えているか否かを判定する電流値判定ステップと、上記電流値判定ステップにおいて上記電流値が上記検出閾値を超えていると判定された場合、上記ソースドライバに供給する出力電圧の電圧値を降下させる電圧降下ステップとを含むことを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、電力供給装置は、上記ソースドライバに供給する電流の電流値が所定の検出閾値を超えている場合、上記ソースドライバに供給する出力電圧の電圧値を降下させて、上記ソースドライバに電力を供給する。このとき、ソースドライバは、降下した出力電圧に基づいて、液晶パネルを駆動する。
【0017】
ここで、上記検出閾値を、白ベタ画像表示時などのソースドライバの消費電力が非常に大きくなるときに流れる電流値とする。この場合、電力供給装置が、電流値が検出閾値を超えている場合に出力電圧の電圧値を降下させることにより、ソースドライバが液晶パネルに印加する電圧が低下する。そのため、白ベタ画像表示時等におけるソースドライバの消費電力を抑制することができる。ソースドライバの消費電力を抑制することにより、ソースドライバ等の液晶モジュールの内部回路の温度上昇を抑制することができる。なお、ソースドライバが液晶パネルに印加する電圧が低下するため、輝度も低下するが、白ベタ画像表示等においてはユーザの視聴に対する影響は軽微である。
【0018】
よって、ソースドライバの電源電圧を供給電流量に応じて変化させることにより、液晶モジュールの内部回路の温度上昇を抑制すると共に、表示品質を維持しつつ、液晶モジュールのコストを低減するという効果を奏する。また、液晶モジュールの内部回路の温度上昇を抑制することができるため、熱による内部回路の破損を防止することができ、液晶モジュールの製品としての信頼性を向上させることができる。
【0019】
また、本発明に係る電力供給装置は、ある時点において、自身が生成した出力維持信号の出力レベルが非アクティブレベルであり、かつ、上記検出信号が非アクティブレベルからアクティブレベルに遷移した場合、当該ある時点から所定の出力維持時間の期間、出力レベルがアクティブレベルとなる出力維持信号を生成する出力維持手段をさらに備え、
上記電圧降下手段は、上記検出信号および上記出力維持信号の何れかがアクティブレベルの期間、上記ソースドライバに供給する出力電圧の電圧値を降下させることが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、上記電圧降下手段は、電圧を降下させてない状態において、上記ソースドライバに供給する電流の電流値が所定の検出閾値を超えた場合、少なくとも上記出力維持時間の期間、上記ソースドライバに供給する出力電圧の電圧値を降下した状態を維持する。
【0021】
そのため、上記ソースドライバに供給する電流の電流値が上記検出閾値近傍で変動する場合、または、当該電流値が周期的に変化する場合等であっても、上記電圧降下手段は、上記ソースドライバに供給する出力電圧の電圧値を頻繁に降下したり、上昇させたりすることがない。よって、ソースドライバの電源電圧を供給電流量に応じて変化させることにより、フリッカ表示が発生することを防ぐことができる。
【0022】
また、本発明に係る液晶モジュールは、上記電力供給装置と、上記電力供給装置から電力を受給するソースドライバとを備えることが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、上記液晶モジュールは、上記電力供給装置と同様の効果を奏する。
【0024】
また、上記液晶モジュールを備えるテレビジョン受像機も本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明に係る電力供給装置は、上記ソースドライバに供給する電流の電流値が所定の検出閾値を超えているか否かを検出し、上記電流値が上記検出閾値を超えている間、アクティブレベルの検出信号を生成し、一方、上記電流値が上記検出閾値を下回っている間、非アクティブレベルの検出信号を生成する電流検出手段と、上記電流検出手段の生成した検出信号がアクティブレベルの期間、上記ソースドライバに供給する出力電圧の電圧値を降下させる電圧降下手段とを備えている構成である。
【0026】
また、本発明に係る電力供給装置の制御方法は、上記ソースドライバに供給する電流の電流値が所定の検出閾値を超えているか否かを判定する電流値判定ステップと、上記電流値判定ステップにおいて上記電流値が上記検出閾値を超えていると判定された場合、上記ソースドライバに供給する出力電圧の電圧値を降下させる電圧降下ステップとを含む。
【0027】
したがって、ソースドライバの電源電圧を供給電流量に応じて変化させることにより、液晶モジュールの内部回路の温度上昇を抑制すると共に、表示品質を維持しつつ、液晶モジュールのコストを低減するという効果を奏する。また、液晶モジュールの内部回路の温度上昇を抑制することができるため、熱による内部回路の破損を防止することができ、液晶モジュールの製品としての信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すものであり、液晶モジュールの要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記液晶モジュールに含まれるソースドライバが液晶パネルに印加する電圧と、液晶パネルが出力する階調値との対応関係の一例を示す図である。
【図3】上記液晶パネルが出力する階調値と、上記液晶パネルが出力する輝度値との対応関係の一例を示す図である。
【図4】上記液晶パネルが白ベタ画像を表示する際に、上記ソースドライバが液晶パネルに印加する電圧の出力波形の一例を示す図である。
【図5】上記液晶モジュールに含まれる電流検出回路の出力波形の一例を示す図である。
【図6】上記電流検出回路の具体的な構成の一例を示す図である。
【図7】上記電流検出回路の具体的な構成の他の一例を示す図である。
【図8】上記液晶モジュールに含まれる電圧切替制御回路の具体的な構成の一例を示す図である。
【図9】上記電圧切替制御回路の具体的な構成の他の一例を示す図である。
【図10】上記液晶モジュールに含まれるソースドライバ用電力供給装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施形態を示すものであり、液晶モジュールの要部構成を示すブロック図である。
【図12】上記液晶モジュールに含まれるタイマ回路の具体的な構成の一例を示す図である。
【図13】第1の実施形態に係る液晶モジュールに含まれる電流検出回路の出力波形の一例を示す図である。
【図14】上記タイマ回路の出力波形の一例を示す図である。
【図15】上記タイマ回路の出力波形の他の一例を示す図である。
【図16】第2の実施形態に係る液晶モジュールに含まれるソースドライバ用電力供給装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】従来技術を示すものであり、液晶モジュールの要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<本発明の概要>
ノーマリーブラック方式の液晶パネルでは、白ベタ画像表示時にソースドライバが液晶パネルに印加する電圧が最大となる。すなわち、ノーマリーブラック方式の液晶パネルでは、白ベタ画像表示時に消費電力が最大になり、ソースドライバ等の温度上昇も最大となる。2倍速駆動もしくは4倍速駆動で処理する液晶モジュールまたは高精細な液晶パネルを有する液晶モジュールでは、白ベタ画像表示時に、ソースドライバ等が熱により破壊される虞がある。
【0030】
テレビ放送等の一般的な映像では、白ベタ画像が長時間連続するケースは少ないと考えられる。また、白ベタ画像を表示する場合、多少輝度を低下させて表示したとしても映像の表示品質にほとんど影響がないと考えられる。
【0031】
そこで、本発明では、恒久的にソースドライバに供給する電圧(ソース電圧)を下げることはせずに、発熱が問題となる白ベタ画像表示時などに限定してソース電圧を下げることとする。具体的には、ソースドライバ用電源ラインに白ベタ画像の表示データに相当する電流が流れたことを検出する電流検出回路を挿入し、電圧切替制御回路が電流検出回路の出力に基づいて、ソースドライバ用電源回路の出力電圧を降下させる。
【0032】
このように、ソースドライバの電源電圧を供給電流量に応じて変化させることにより、液晶モジュールの内部回路の温度上昇を抑制すると共に、表示品質を維持しつつ、液晶モジュールのコストを低減することができる。また、液晶モジュールの内部回路の温度上昇を抑制することができるため、熱による内部回路の破損を防止することができ、液晶モジュールの製品としての信頼性を向上させることができる。
【0033】
以下に、本発明の液晶モジュールの具体的な実施形態を図面に基づいて説明する。なお、現在一般的な液晶表示装置に採用されている液晶パネルはノーマリーブラック方式であるため、以下では、液晶モジュールが有する液晶パネルはノーマリーブラック方式であるとするがこれに限るものではない。液晶モジュールが有する液晶パネルはノーマリーホワイト方式であってもよい。
【0034】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について図1から図10に基づいて説明すると以下の通りである。
【0035】
〔液晶モジュールの構成〕
第1の実施形態に係る液晶モジュールの構成を図1に基づいて説明する。図示のように、液晶モジュール1は、液晶パネル2、ソースドライバ3、ゲートドライバ4、ゲートドライバ用VGon電源回路5、ゲートドライバ用VGoff電源回路6およびソースドライバ用電力供給装置10を備える。液晶モジュール1は、その他、光源(バックライト)等の部材を備えていてよいが、発明の特徴とは関係が無いため説明を省略する。
【0036】
なお、本発明に係る液晶モジュールは、例えば、テレビジョン受像機等の表示装置に搭載されるものである。
【0037】
液晶パネル2は、液晶分子が透明電極を有するガラス基板には挟まれているものである。液晶パネル2は、透明電極に印加された電圧によって液晶分子の向きを変えて、光の透過率を制御して画像を表示するものである。
【0038】
液晶パネル2のガラス基板上に、走査線(ゲート線)およびデータ線(ソース線)が縦横の2次元的に配線されており、走査線とデータ線との交点に透明電極が配置されている。また、ガラス基板上には、透明電極に対応するサブ画素が格子状に配置されている。
【0039】
本実施形態における液晶パネル2は、アクティブマトリクス駆動方式により動作するものであり、各画素に薄膜トランジスタ(TFT)等のアクティブ素子が設けられている。つまり、走査線から印加された電圧によりアクティブ素子が「ON」状態となり、データ線に印加された電圧に応じた電荷が蓄積される。
【0040】
ただし、液晶パネル2は上記のものに限るものではない。液晶パネル2は、後述のように、データ線から印加される電圧に応じて、表示する画像の階調値が変化するものであればどのようなものであってもよい。
【0041】
ソースドライバ3は、液晶パネル2を駆動する回路またはICであり、ソースドライバ用電力供給装置10から供給される電力に基づいて、データ線を通じてサブ画素に電圧を印加するものである。具体的には、ソースドライバ3は、不図示のタイミングコントローラの指示に従って、外部から受信した映像信号に応じて階調化した電圧を各データ線に印加する。
【0042】
液晶モジュール1は、ソースドライバ3を1または複数備えており、図1に示す例では、液晶モジュール1がソースドライバ3をM(Mは任意の自然数)個備えている。また、ソースドライバ3は、1または複数のデータ線と接続されている。
【0043】
ゲートドライバ4は、液晶パネル2を駆動する回路またはICであり、ゲートドライバ用VGon電源回路5およびゲートドライバ用VGoff電源回路6から供給される電力に基づいて、走査線を走査するものである。具体的には、ゲートドライバ4は、不図示のタイミングコントローラの指示に従って、ゲートドライバ用VGon電源回路5から供給される電力に基づいて、走査線を通じてアクティブ素子に電圧を印加して「ON」状態にしたり、ゲートドライバ用VGoff電源回路6から供給される電力に基づいて、走査線を通じてアクティブ素子に電圧を印加して「OFF」状態にしたりするものである。
【0044】
液晶モジュール1は、ゲートドライバ4を1または複数備えており、図1に示す例では、液晶モジュール1がゲートドライバ4をN(Nは任意の自然数)個備えている。また、ゲートドライバ4は、1または複数の走査線と接続されている。
【0045】
ゲートドライバ用VGon電源回路5は、アクティブ素子を「ON」状態にするための電力をゲートドライバ4に供給するものである。
【0046】
ゲートドライバ用VGoff電源回路6は、アクティブ素子を「OFF」状態にするための電力をゲートドライバ4に供給するものである。
【0047】
ソースドライバ用電力供給装置10は、設定したソースドライバ駆動電圧でソースドライバ3に電力を供給するものである。ここで、ソースドライバ用電力供給装置10が設定したソースドライバ駆動電圧の電圧値をAVDD(単位はボルト(V))とする。すなわち、ソースドライバ用電力供給装置10の出力電圧の電圧値をAVDDとする。初期設定では、AVDDは15.6Vとする。AVDDの値は、任意の値でよく、液晶パネル2、ソースドライバ3等の特性に基づいて適宜設定することができる。
【0048】
(ソースドライバ用電力供給装置が供給する電流量と、液晶パネルが表示する画像との関係について)
次に、ソースドライバ用電力供給装置10が供給する電流量が、液晶パネル2が表示する画像(映像)によって変化するメカニズムを図2〜図4に基づいて説明する。ここでは、上述のように、液晶パネル2がノーマリーブラック方式であり、ソースドライバ3がドット反転駆動方式で電圧を印加するものとする。また、ソースドライバ用電力供給装置10の出力電圧AVDDは、初期設定値の15.6Vであるとする。
【0049】
ソースドライバ3は液晶パネル2内に作り込まれた画素電極に電荷を供給して充電する。ソースドライバ3が画素電極に印加する電圧Vlcと、液晶パネル2が出力(表示)する階調値との対応関係例を図2に示す。図2では、縦軸を電圧値(V)とし、横軸を階調値とする。図2に示すように、ソースドライバ3が画素電極に印加する電圧Vlcと中間電圧HVDDとの差分の絶対値が大きいほど、階調値が上がる。
【0050】
ここで、図2に示すVH0およびVL0は階調値「0」に対応する電圧値であり、VH255およびVL255は階調値「255」に対応する電圧値である。
【0051】
なお、ソースドライバ3は、図示しない制御回路より供給される映像信号の各階調値(デジタル値)を参照し、ソースドライバ用電力供給装置10が出力する電圧値の範囲内で各階調値に応じた電圧値(アナログ値)を設定する。
【0052】
具体的には、ソースドライバ3は、基準電圧VREFを変数とする関数であって、階調値と電圧値との関係を示す関数に基づいて、基準電圧VREFに対応するVL255〜VH255の電圧値を出力するDAコンバータとしての機能を有する。また、ソースドライバ3は、上記関数の代わりに、基準電圧VREFごとに定められた、階調値と電圧値との関係を示すテーブル等を用いて、基準電圧VREFに対応するVL255〜VH255の電圧値を特定する機能を有するものと表現してもよい。例えば、ソースドライバ3は、基準電圧VREFの97%の値をVH255として出力し、基準電圧VREFの1%の値をVL255として出力し、VREFと正の相関を有するVL255〜VH255の各電圧値を出力する構成とすることができる。
【0053】
ここで、階調電圧の基準電圧VREFは、外付けのDAC−ICまたは抵抗分圧回路等の基準電圧生成回路(不図示)が、ソースドライバ用電力供給装置10の出力電圧AVDDに基づいて生成するものである。基準電圧生成回路は、入力されるAVDDの電圧値が下がると、生成する基準電圧VREFの電圧値を下げる。
【0054】
すなわち、ソースドライバ用電力供給装置10の出力電圧AVDDと、ソースドライバ3の出力電圧Vlc(VL255〜VH255)とは、間接的に依存しており、ソースドライバ用電力供給装置10の出力電圧AVDDの電圧降下と同調して、ソースドライバ3の出力電圧Vlc(VL255〜VH255)の電圧値も降下する。
【0055】
なお、階調電圧の基準電圧VREFをソースドライバ3の電源電圧(ソースドライバ用電力供給装置10の供給電圧)から降圧レギュレータを用いて生成する場合、ソースドライバ用電力供給装置10と同様に、降圧レギュレータに電圧切替制御回路を設けることが好ましい。このことにより、ソースドライバ3に供給される電源電圧の降下に連動して階調電圧を下げることができ、階調異常を抑えることができる。
【0056】
また、液晶パネル2が出力する階調値が上がると共に、液晶パネル2の出力する輝度値も上昇する。この両者の対応関係例を図3に示す。図3では、縦軸を輝度値とし、横軸を階調値とする。
【0057】
ここで、液晶パネル2に白ベタ画像を表示させる場合、ソースドライバ3は、全ての画素(絵素)のキャパシタに対して階調値255に対応する電圧値VH255およびVL255を交互に印加する。このときのソースドライバ3が液晶パネル2に印加する電圧値Vlcの波形例を図4に示す。
【0058】
このように、全ての画素の画素電極に対して、中間電圧HVDDに対して最大電圧差となるVL255およびVH255で充放電を繰り返した場合、ソースドライバ3の消費電力が最大となる。ソースドライバ3が液晶パネル2に供給する電力が増大するということは、その電力をソースドライバ3に供給するソースドライバ用電力供給装置10から出力される電流が増加することを意味する。換言すると、ソースドライバ用電力供給装置10の供給電流の増加に応じて、ソースドライバ3の消費電力も増加する。
【0059】
そのため、ソースドライバ用電力供給装置10が供給する電流の電流値を検出し、供給電流が所定値以上であれば、ソースドライバ用電力供給装置10の出力電圧AVDDを下げることにより、ソースドライバ用電力供給装置10の出力電圧AVDDに連動するVH255を下げることができる。よって、ソースドライバ3の消費電力を下げることができる。
【0060】
〔ソースドライバ用電力供給装置の構成〕
次に、ソースドライバ用電力供給装置の詳細な構成および機能について説明する。ソースドライバ用電力供給装置10は、図1に示すように、ソースドライバ用AVDD電源回路7、電流検出回路(電流検出手段)8および電圧切替制御回路(電圧降下手段)9を備える。
【0061】
ソースドライバ用AVDD電源回路7は、液晶モジュール1に入力される入力電圧VINから、所定の電圧を生成し、生成した電圧でソースドライバ3に電流を供給するものである。なお、本実施形態では、ソースドライバ用AVDD電源回路7は、電圧値を15.6Vとして電圧を生成するものとする。
【0062】
電流検出回路8は、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が所定の電流値(検出閾値)以上であるか否かを検出し、その検出結果に基づいて出力信号のレベルを遷移させるものである。電流検出回路8は、ソースドライバ用AVDD電源回路7とソースドライバ3との間の経路上に配置されている。また、電流検出回路8の出力信号は、電圧切替制御回路9に入力される。ここで、電流検出回路8の出力信号を検出回路出力信号(検出信号)と称する。
【0063】
電流検出回路8の出力波形を図5に基づいて説明する。図5は、電流検出回路8の出力波形の一例を示す図である。図5に示すように、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が検出レベル(検出閾値)を超えると、電流検出回路8の出力レベルがHighレベルからLowレベルに遷移する。また、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が検出レベル(検出閾値)を下回ると、電流検出回路8の出力レベルがLowレベルからHighレベルに遷移する。
【0064】
なお、図5に示す例では、電流検出回路8は、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が検出レベル(検出閾値)を超えたときに、出力レベルをHighレベルからLowレベルに遷移させているが、これに限るものではない。電流検出回路8は、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が検出レベル(検出閾値)を超えたときに、出力レベルをLowレベルからHighレベルに遷移させてもよい。
【0065】
また、検出閾値は、液晶パネル2やソースドライバ3等の液晶モジュール1の特性に基づいて、ソースドライバ3等が発熱によって破損しない程度の電流値に適宜設定すればよい。
【0066】
電流検出回路8の具体的な構成を図6および図7に基づいて説明する。図6および図7は、電流検出回路8の具体的な構成の一例を示す図である。
【0067】
まず、図6に示す例では、電流検出回路8は、抵抗器21および比較器22から構成される。抵抗器21は、ソースドライバ用AVDD電源回路7とソースドライバ3との間の経路上に配置されている。比較器22の2つの入力端子は、それぞれ、抵抗器21の両端に接続されており、抵抗器21の両端の電位差が比較器22の入力値となる。比較器22の出力端子は、電圧切替制御回路9と接続している。比較器22は、入力値が所定の検出閾値を超えると、出力レベルをアクティブレベルに遷移して出力する。
【0068】
具体的には、抵抗器21を流れる電流が大きくなると、抵抗器21の両端の電位差が大きくなる。抵抗器21にある一定以上の電流が流れると、比較器22への入力値が検出閾値を超え、比較器22が出力レベルをアクティブレベルに遷移して出力する。
【0069】
次に、図7に示す例では、電流検出回路8は、抵抗器23、比較器24、抵抗器25および抵抗器26から構成される。抵抗器23は、ソースドライバ用AVDD電源回路7とソースドライバ3との間の経路上に配置されている。抵抗器25は、一端がAVDDより高い電圧である基準電圧を出力する電源(不図示)と接続されており、他端は抵抗器26と接続されている。抵抗器26は、一端が抵抗器25と接続されており、他端はグランドに接地されている。比較器24の入力端子の一端は、抵抗器23のソースドライバ3側の端子と接続されている。また、比較器24の入力端子の他端は、抵抗器25と抵抗器26との間に接続されており、基準電圧を抵抗分圧した電圧値が入力される。比較器24は、抵抗器23のソースドライバ3側の電位が、抵抗器25と抵抗器26との間の電位を下回ると、出力レベルをアクティブレベルに遷移して出力する。
【0070】
ここで、基準電圧を抵抗分圧した電圧値(抵抗器25と抵抗器26との間の電位)を、AVDDより低い値になるように基準電圧の電圧値並びに抵抗器25および26の抵抗値を適宜設定する。
【0071】
このとき、抵抗器23に流れる電流が少ない場合は、抵抗器23のソースドライバ3側の電位が、抵抗器25と抵抗器26との間の電位を上回っているため、比較器24は出力レベルを非アクティブレベルのまま出力する。一方、抵抗器23に流れる電流が増加し、ある一定以上の電流が流れた場合、抵抗器23のソースドライバ3側の電位が、抵抗器25と抵抗器26との間の電位を下回り、比較器24は出力レベルをアクティブレベルに遷移して出力する。
【0072】
電圧切替制御回路9は、電流検出回路8から入力された検出回路出力信号(切替信号)に基づいて、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧の電圧値を制御するものである。具体的には、電圧切替制御回路9は、電流検出回路8からアクティブレベルの検出回路出力信号を受信すると、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧を低下させる。また、電圧切替制御回路9は、電流検出回路8から非アクティブレベルの検出回路出力信号を受信すると、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧を上昇させる(元の電圧値に戻す)。
【0073】
なお、電圧切替制御回路9に入力される信号を切替信号と称する。すなわち、第1の実施形態においては、検出回路出力信号が切替信号である。
【0074】
電圧切替制御回路9の具体的な構成を図8および図9に基づいて説明する。図8および図9は、電圧切替制御回路9の具体的な構成の一例を示す図である。図8および図9では、電圧の切り替え方法として、ソースドライバ用AVDD電源回路7に対するフィードバック電圧を変化させる方法を示す。
【0075】
まず、図8に示す例では、電圧切替制御回路9は、抵抗器31、32および33と、切替スイッチ34から構成される。抵抗器31は、一端がソースドライバ用AVDD電源回路7の出力端子に接続されており、他端が抵抗器32および抵抗器33と接続されている。抵抗器32は、一端が抵抗器31および抵抗器33と接続されており、他端がグランドに接地されている。抵抗器33は、一端が抵抗器31および抵抗器32と接続されており、他端が切替スイッチ34に接続されている。なお、抵抗器31、32および33の抵抗値を、それぞれ、R1、R2、R3とする。
【0076】
切替スイッチ34は、一端が抵抗器33と接続さており、他端がグランドに接地されている。また、抵抗器31と、抵抗器32と、抵抗器33との間には、ソースドライバ用AVDD電源回路7のフィードバック入力端子が接続されている。なお、切替スイッチ34は、ここでは、切替信号がアクティブレベルの場合に切断し(スイッチをOFFにし)、切替信号が非アクティブレベルの場合に導通する(スイッチをONにする)ものとする。
【0077】
ここで、電圧切替制御回路9からソースドライバ用AVDD電源回路7に入力されるフィードバック電圧をVFBとすると、電圧切替制御回路9にアクティブレベルの切替信号が入力されると、ソースドライバ用AVDD電源回路7が出力する電圧AVDD(on)は、
AVDD=VFB*(R1+R2)/R2=AVDD(on) (式1)
上記(式1)となる。
【0078】
一方、電圧切替制御回路9に非アクティブレベルの切替信号が入力された場合、抵抗器32および33の合成抵抗値Rpは、
Rp=R2*R3/(R2+R3) (式2)
上記(式2)となる。このとき、ソースドライバ用AVDD電源回路7が出力する電圧AVDD(off)は、
AVDD=VFB*(R1+Rp)/Rp=AVDD(off) (式3)
上記(式3)となる。
【0079】
このとき、AVDD(on)<AVDD(off)となる。そのため、電圧切替制御回路9が生成したフィードバック電圧VFBをソースドライバ用AVDD電源回路7へ入力することにより、電圧切替制御回路9は、アクティブレベルの切替信号を受信すると、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧を初期値(AVDD(off))からAVDD(on)に降下させることができる。
【0080】
次に、切替スイッチ34の代わりに、NチャネルのFET(Field-Effect Transistor)35をスイッチとして用いた例を図9に示す。この場合、FET35のゲート端子に閾値を超える電圧が印加されるとスイッチがオンし、GNDレベルの電圧が印加されるとスイッチはオフする。すなわち、切替スイッチ34と同様に、FET35は、切替信号がアクティブレベルの場合に切断し(スイッチをOFFにし)、切替信号が非アクティブレベルの場合に導通する(スイッチをONにする)。
【0081】
〔ソースドライバ用電力供給装置の処理〕
次に、ソースドライバ用電力供給装置10が実行する処理について図10に基づいて説明する。図10は、ソースドライバ用電力供給装置10が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0082】
図10に示すように、電流検出回路8は、ソースドライバ用AVDD電源回路7からソースドライバ3に供給される電流の電流値が検出閾値を超えているか否かを検出する(S1)。ここで、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が検出閾値を超えている場合(S1でYES)、電流検出回路8は出力レベルをアクティブレベルとして電圧切替制御回路9に検出回路出力信号を出力する。
【0083】
電圧切替制御回路9は、電流検出回路8からアクティブレベルの検出回路出力信号を受信すると、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧の電圧値を低下させる(S2)。これにより、ソースドライバ用電力供給装置10は、初期値より所定の値低下した電圧値を出力電圧として、ソースドライバ3に電力を供給する。
【0084】
一方、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が検出閾値を超えていない場合(S1でNO)、電流検出回路8は出力レベルを非アクティブレベルとして電圧切替制御回路9に検出回路出力信号を出力する。
【0085】
ここで、電圧切替制御回路9がソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧の電圧値を低下させていた場合(S3でYES)、電圧切替制御回路9は、電流検出回路8から受信した非アクティブレベルの検出回路出力信号に基づいて、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧を上昇させる、すなわち、元の電圧値に戻す。これにより、ソースドライバ用電力供給装置10は、初期設定の電圧値を出力電圧として、ソースドライバ3に電力を供給する。
【0086】
なお、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が検出閾値を超えておらず(S1でNO)、電圧切替制御回路9がソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧の電圧値を低下させていない場合(S3でNO)、電圧切替制御回路9は、電流検出回路8から非アクティブレベルの検出回路出力信号を受信して、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧の電圧値を初期値のまま維持する。
【0087】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について図11から図16に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記の第1の実施形態において示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0088】
第1の実施形態に係る液晶モジュール1では、電流値が検出閾値を超えているか否かに応じて出力電圧を上下しているため、電流値が検出閾値近傍で変動する場合、または、電流値が周期的に変化する場合などでは、出力電圧の降下、上昇が頻繁に発生する可能性がある。この場合、画面がチカチカする、いわゆるフリッカ表示となり、ユーザーに不快感をもたらすことになる。
【0089】
そこで、第2の実施形態に係る液晶モジュールは、このような事態を回避するために、一旦出力電圧を降下した場合は一定期間その状態を維持する。具体的には、第2の実施形態に係る液晶モジュール1aは、第1の実施形態に係る液晶モジュール1のソースドライバ用電力供給装置10に代えて、ソースドライバ用電力供給装置10aを備える。第2の実施形態に係る液晶モジュールは、その他の構成は、第1の実施形態に係る液晶モジュール1と同じである。
【0090】
ソースドライバ用電力供給装置10aを備えることにより、フリッカを発生させないようにすることができる。以下、ソースドライバ用電力供給装置10aの構成および機能について詳細に説明する。
【0091】
〔ソースドライバ用電力供給装置の構成〕
ソースドライバ用電力供給装置10aは、図11に示すように、ソースドライバ用AVDD電源回路7、電流検出回路8a、電圧切替制御回路9aおよびタイマ回路(出力維持手段)11を備える。
【0092】
電流検出回路8aは、タイマ回路11に検出回路出力信号を出力する点が第1の実施形態の電流検出回路8と異なるだけであり、その他の機能および処理は第1の実施形態の電流検出回路8と同じである。
【0093】
電圧切替制御回路9aは、タイマ回路11からタイマ回路出力信号(切替信号)を受信する点が第1の実施形態の電圧切替制御回路9と異なるだけであり、その他の機能および処理は第1の実施形態の電圧切替制御回路9と同じである。なお、第2の実施形態においては、タイマ回路出力信号が切替信号である。
【0094】
タイマ回路11は、現時点で、自身が生成するカウンタ出力信号の出力レベルが非アクティブレベルの場合に、非アクティブレベルからアクティブレベルに遷移する検出回路出力信号を電流検出回路8aから受信した場合、所定の出力維持時間Tの期間、出力レベルがアクティブレベルとなるカウンタ出力信号を生成するものである。また、タイマ回路11は、電流検出回路8aから受信した検出回路出力信号と、生成したカウンタ出力信号との論理積を取ってタイマ回路出力信号(出力維持信号)を生成し、生成したタイマ回路出力信号を電圧切替制御回路9aに出力する。
【0095】
タイマ回路11の具体的な構成を図12に基づいて説明する。図12は、タイマ回路11の具体的な構成の一例を示す図である。図12に示すように、タイマ回路11は、発振器41、カウンタ42およびAND回路43から構成される。
【0096】
発振器41は、所定の周波数の出力信号を生成し、カウンタ42に出力するものである。
【0097】
カウンタ42は、現時点で、自身が出力するカウンタ出力信号の出力レベルが非アクティブレベルの場合に、非アクティブレベルからアクティブレベルに遷移する検出回路出力信号を電流検出回路8aから受信した場合、アクティブレベルのカウンタ出力信号を出力するものである。また、カウンタ42は、発振器41からの入力に基づいて、アクティブレベルのカウンタ出力信号を出力してから、出力維持時間Tを計測し、出力維持時間Tの期間、アクティブレベルの出力を維持し、出力維持時間Tが経過すると、出力レベルを遷移し、非アクティブレベルのカウンタ出力信号を出力する。また、カウンタ42は、生成したカウンタ出力信号をAND回路43に出力する。
【0098】
AND回路43は、電流検出回路8aから受信した検出回路出力信号と、カウンタ42が生成したカウンタ出力信号との論理積を取ってタイマ回路出力信号を生成し、生成したタイマ回路出力信号を電圧切替制御回路9aに出力する。すなわち、AND回路43は、検出回路出力信号またはカウンタ出力信号の何れかの出力レベルがアクティブレベルの場合、アクティブレベルのタイマ回路出力信号を出力し、検出回路出力信号およびカウンタ出力信号の出力レベルが非アクティブレベルの場合に、非アクティブレベルのタイマ回路出力信号を出力する。
【0099】
次に、タイマ回路11の出力波形を図13〜図15に基づいて説明する。図13は、第1の実施形態に係る液晶モジュール1の電流検出回路8の出力波形の一例を示す図である。また、図14および図15は、タイマ回路11の出力波形の一例を示す図である。
【0100】
図13に示すように、第1の実施形態に係る液晶モジュール1では、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が検出レベル(検出閾値)を超える度に、電流検出回路8の出力レベルがHighレベルからLowレベルに遷移し、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が検出レベル(検出閾値)を下回る度に、電流検出回路8の出力レベルがLowレベルからHighレベルに遷移する。
【0101】
このように、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が頻繁に検出レベルを上下した場合、電流検出回路8の出力も頻繁に遷移するため、ソースドライバ用電力供給装置10の出力電圧が頻繁に変化する。ソースドライバ3へ供給される出力電圧が頻繁に変化することにより、液晶パネル2が出力する輝度も頻繁に変化するため、ユーザーには画面がちらついているように見える。
【0102】
一方、図14に示すように、第2の実施形態に係る液晶モジュール1aでは、カウンタ42が電流検出回路8の出力の最初の立ち上がり時から出力維持時間Tの期間、アクティブレベルのカウンタ出力信号を出力するため、タイマ回路11が電圧切替制御回路9aに、電流検出回路8の出力の最初の立ち上がり時から出力維持時間Tの期間アクティブレベルとなるタイマ回路出力信号を出力する。
【0103】
よって、第2の実施形態に係る液晶モジュール1aでは、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が頻繁に検出レベルを上下することにより、電流検出回路8の出力が頻繁に遷移した場合であっても、電流検出回路8の出力の最初の立ち上がり時から、少なくとも出力維持時間Tの期間、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧の電圧降下が維持されるため、フリッカ表示の発生を抑制することができる。
【0104】
また、AND回路43が検出回路出力信号およびカウンタ出力信号の論理積をタイマ回路出力信号としているため、図15に示すように、出力維持時間T経過時に電流検出回路8の出力がアクティブレベルであれば、出力維持時間T経過後における電流検出回路8の出力の立ち下がり時まで、タイマ回路出力信号の出力レベルがアクティブレベルに維持される。
【0105】
〔ソースドライバ用電力供給装置の処理〕
次に、ソースドライバ用電力供給装置10aが実行する処理について図16に基づいて説明する。図16は、ソースドライバ用電力供給装置10aが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0106】
図16に示すように、電流検出回路8は、ソースドライバ用AVDD電源回路7からソースドライバ3に供給される電流の電流値が検出閾値を超えているか否かを検出する(S11)。ここで、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が検出閾値を超えている場合(S11でYES)、電流検出回路8は、出力電流が検出閾値を超えている期間、出力レベルをアクティブレベルとしてタイマ回路11に検出回路出力信号を生成する(S12)。一方、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が検出閾値を超えていない場合(S11でNO)、電流検出回路8は、出力電流が検出閾値を超えていない期間、出力レベルを非アクティブレベルとしてタイマ回路11に検出回路出力信号を生成する(S13)。電流検出回路8は、生成した検出回路出力信号をタイマ回路11のカウンタ42に出力する。
【0107】
カウンタ42は、電流検出回路8からアクティブレベルの検出回路出力信号を受信すると、自身が出力するカウンタ出力信号の出力レベルが非アクティブレベルであり、かつ、受信した検出回路出力信号が現時点で非アクティブレベルからアクティブレベルに遷移するものであるか否かを判定する(S14)。カウンタ42は、カウンタ出力信号が非アクティブレベルであり、かつ、検出回路出力信号が現時点で非アクティブレベルからアクティブレベルに遷移するものである場合(S14でYES)、現時点より出力維持時間Tの期間、アクティブレベルとするカウンタ出力信号を生成する(S15)。カウンタ42は、生成したカウンタ出力信号をAND回路43に出力する。
【0108】
AND回路43は、検出回路出力信号またはカウンタ出力信号の何れかの出力レベルがアクティブレベルか否かを判定する(S16)。AND回路43は、検出回路出力信号またはカウンタ出力信号の何れかの出力レベルがアクティブレベルの場合(S16でYES)、アクティブレベルのタイマ回路出力信号を電圧切替制御回路9aに出力する。
【0109】
電圧切替制御回路9aは、AND回路43からアクティブレベルのタイマ回路出力信号(切替信号)を受信すると、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧の電圧値を低下させた電圧降下状態にする(S17)。すなわち、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧の電圧値が初期値である初期状態の場合、電圧切替制御回路9aは、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧の電圧値を低下させる。また、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧が電圧降下状態であれば、電圧降下状態を維持する。
【0110】
ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧を電圧降下状態とすることにより、ソースドライバ用電力供給装置10は、初期値より所定の値低下した電圧値を出力電圧として、ソースドライバ3に電力を供給する。
【0111】
一方、AND回路43は、検出回路出力信号およびカウンタ出力信号の出力レベルが非アクティブレベルの場合に(S16でNO)、非アクティブレベルのタイマ回路出力信号を電圧切替制御回路9aに出力する。
【0112】
電圧切替制御回路9aは、AND回路43から非アクティブレベルのタイマ回路出力信号(切替信号)を受信すると、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧を初期状態にする(S18)。すなわち、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧が初期状態の場合、電圧切替制御回路9aは、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧を初期状態のまま維持する。また、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧が電圧降下状態であれば、出力電圧の電圧値を上昇させて初期値に戻す。
【0113】
これにより、ソースドライバ用電力供給装置10は、初期設定の電圧値を出力電圧として、ソースドライバ3に電力を供給する。
【0114】
<補足>
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、液晶モジュールにおけるソースドライバに電力を供給する電力供給装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0116】
1、1a 液晶モジュール
2 液晶パネル
3 ソースドライバ
4 ゲートドライバ
5 ゲートドライバ用VGon電源回路
6 ゲートドライバ用VGoff電源回路
7 ソースドライバ用AVDD電源回路
8、8a 電流検出回路(電流検出手段)
9、9a 電圧切替制御回路(電圧降下手段)
10、10a ソースドライバ用電力供給装置
11 タイマ回路(出力維持手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶モジュールにおけるソースドライバに電力を供給する電力供給装置、液晶モジュールおよび電力供給方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、動画像の表示品質を向上させるため、液晶モジュールの2倍速駆動や4倍速駆動を実現している。また、今後は、画素数が4000×2000級の「4k×2k」ディスプレイや画素数が8000×4000級の「8k×4k」ディスプレイの開発が進み、液晶パネルの高精細化が進む。
【0003】
このような液晶モジュールでは、液晶ドライバ、特にソースドライバの処理負荷およびソースドライバが駆動するパネル負荷の増加、並びに、ソースドライバの員数の増加により、液晶モジュールの内部回路の消費電力が増加する。消費電力の損失分は熱エネルギーに変換されるため、消費電力の増加と共に、液晶モジュールの温度も上昇する。液晶モジュールの温度の上昇により、液晶モジュールの内部回路の信頼性が低下する。
【0004】
ここで、従来のアナログ電源回路を有する液晶モジュールの構成を図17に示し、液晶モジュールの温度上昇の具体的例を説明する。図17に示すように、液晶モジュール101は、液晶パネル102、ソースドライバ103、ゲートドライバ104、ゲートドライバ用VGon電源回路105、ゲートドライバ用VGoff電源回路106およびソースドライバ用AVDD電源回路107を備える。なお、図17に示すように、液晶モジュール101は、ゲートドライバ104をK個有し、ソースドライバ103をL個有するものとする(KおよびLは任意の自然数)。
【0005】
図17に示すように、ソースドライバ用AVDD電源回路107は、L個のソースドライバ103に対して電源を供給する。液晶モジュール101が2倍速駆動または4倍速駆動を行うと、各ソースドライバ出力の遷移回数が2倍または4倍となる。すなわち、パネル負荷の充放電回数が増えるため、ソースドライバ103の消費電力は2倍または4倍となり、ソースドライバ103の温度上昇が飛躍的に大きくなる。
【0006】
このように、ソースドライバ103の温度が上昇し、自身の熱でドライバIC(Integrated Circuit)やTCP(Tape Carrier Package)等が破損する場合がある。
【0007】
従来、ソースドライバの破壊を防ぐため、ソースドライバICに放熱シートを貼付することにより、シャーシに熱を逃がすなどの放熱対策を採用している。
【0008】
また、ソースドライバの温度上昇を抑制するために、ソースドライバの消費電力を抑える技術も開発されている。例えば、特許文献1には、ソースドライバが出力する電圧信号の振幅が最大となる表示データを検出し、当該表示データを表示するために最小限必要な電圧を出力するように、ソースドライバの出力電圧を可変する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−175028号公報(1999年7月2日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のように、2倍速駆動もしくは4倍速駆動で処理する液晶モジュールまたは高精細な液晶パネルを有する液晶モジュールでは、動作時にソースドライバ等の温度が非常に高温になるため、上記の放熱対策によって温度上昇を抑制する場合、放熱シート等のコストが非常に大きくなるという問題がある。
【0011】
また、特許文献1に記載の技術を用いて、最小限必要な電圧を出力するようソースドライバを制御したとしても、2倍速駆動もしくは4倍速駆動で処理する液晶モジュールまたは高精細な液晶パネルを有する液晶モジュールでは、最大駆動電圧に対応する表示データの表示処理による温度上昇によって、ソースドライバが破壊される場合があるという問題がある。
【0012】
そこで、液晶モジュールの温度上昇の抑制、つまり、液晶モジュールの内部回路の消費電力を低減するために、ソースドライバに供給する電源電圧を恒久的に低下させることも考えられる。上記電源電圧を恒久的に下げてしまうと、輝度の仕様を満たさない虞があり、単純に電源電圧を下げるだけでは上述の問題を解決することができない。
【0013】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、液晶モジュールの内部回路の温度上昇を抑制すると共に、表示品質を維持しつつ、液晶モジュールのコストを低減する電力供給装置、液晶モジュールおよび電力供給装置の制御方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る電力供給装置は、上記課題を解決するために、液晶モジュールにおけるソースドライバに電力を供給する電力供給装置であって、上記ソースドライバに供給する電流の電流値が所定の検出閾値を超えているか否かを検出し、上記電流値が上記検出閾値を超えている間、アクティブレベルの検出信号を生成し、一方、上記電流値が上記検出閾値を下回っている間、非アクティブレベルの検出信号を生成する電流検出手段と、上記電流検出手段の生成した検出信号がアクティブレベルの期間、上記ソースドライバに供給する出力電圧の電圧値を降下させる電圧降下手段とを備えることを特徴としている。
【0015】
また、本発明に係る電力供給装置の制御方法は、上記課題を解決するために、液晶モジュールにおけるソースドライバに電力を供給する電力供給装置の制御方法であって、上記ソースドライバに供給する電流の電流値が所定の検出閾値を超えているか否かを判定する電流値判定ステップと、上記電流値判定ステップにおいて上記電流値が上記検出閾値を超えていると判定された場合、上記ソースドライバに供給する出力電圧の電圧値を降下させる電圧降下ステップとを含むことを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、電力供給装置は、上記ソースドライバに供給する電流の電流値が所定の検出閾値を超えている場合、上記ソースドライバに供給する出力電圧の電圧値を降下させて、上記ソースドライバに電力を供給する。このとき、ソースドライバは、降下した出力電圧に基づいて、液晶パネルを駆動する。
【0017】
ここで、上記検出閾値を、白ベタ画像表示時などのソースドライバの消費電力が非常に大きくなるときに流れる電流値とする。この場合、電力供給装置が、電流値が検出閾値を超えている場合に出力電圧の電圧値を降下させることにより、ソースドライバが液晶パネルに印加する電圧が低下する。そのため、白ベタ画像表示時等におけるソースドライバの消費電力を抑制することができる。ソースドライバの消費電力を抑制することにより、ソースドライバ等の液晶モジュールの内部回路の温度上昇を抑制することができる。なお、ソースドライバが液晶パネルに印加する電圧が低下するため、輝度も低下するが、白ベタ画像表示等においてはユーザの視聴に対する影響は軽微である。
【0018】
よって、ソースドライバの電源電圧を供給電流量に応じて変化させることにより、液晶モジュールの内部回路の温度上昇を抑制すると共に、表示品質を維持しつつ、液晶モジュールのコストを低減するという効果を奏する。また、液晶モジュールの内部回路の温度上昇を抑制することができるため、熱による内部回路の破損を防止することができ、液晶モジュールの製品としての信頼性を向上させることができる。
【0019】
また、本発明に係る電力供給装置は、ある時点において、自身が生成した出力維持信号の出力レベルが非アクティブレベルであり、かつ、上記検出信号が非アクティブレベルからアクティブレベルに遷移した場合、当該ある時点から所定の出力維持時間の期間、出力レベルがアクティブレベルとなる出力維持信号を生成する出力維持手段をさらに備え、
上記電圧降下手段は、上記検出信号および上記出力維持信号の何れかがアクティブレベルの期間、上記ソースドライバに供給する出力電圧の電圧値を降下させることが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、上記電圧降下手段は、電圧を降下させてない状態において、上記ソースドライバに供給する電流の電流値が所定の検出閾値を超えた場合、少なくとも上記出力維持時間の期間、上記ソースドライバに供給する出力電圧の電圧値を降下した状態を維持する。
【0021】
そのため、上記ソースドライバに供給する電流の電流値が上記検出閾値近傍で変動する場合、または、当該電流値が周期的に変化する場合等であっても、上記電圧降下手段は、上記ソースドライバに供給する出力電圧の電圧値を頻繁に降下したり、上昇させたりすることがない。よって、ソースドライバの電源電圧を供給電流量に応じて変化させることにより、フリッカ表示が発生することを防ぐことができる。
【0022】
また、本発明に係る液晶モジュールは、上記電力供給装置と、上記電力供給装置から電力を受給するソースドライバとを備えることが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、上記液晶モジュールは、上記電力供給装置と同様の効果を奏する。
【0024】
また、上記液晶モジュールを備えるテレビジョン受像機も本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明に係る電力供給装置は、上記ソースドライバに供給する電流の電流値が所定の検出閾値を超えているか否かを検出し、上記電流値が上記検出閾値を超えている間、アクティブレベルの検出信号を生成し、一方、上記電流値が上記検出閾値を下回っている間、非アクティブレベルの検出信号を生成する電流検出手段と、上記電流検出手段の生成した検出信号がアクティブレベルの期間、上記ソースドライバに供給する出力電圧の電圧値を降下させる電圧降下手段とを備えている構成である。
【0026】
また、本発明に係る電力供給装置の制御方法は、上記ソースドライバに供給する電流の電流値が所定の検出閾値を超えているか否かを判定する電流値判定ステップと、上記電流値判定ステップにおいて上記電流値が上記検出閾値を超えていると判定された場合、上記ソースドライバに供給する出力電圧の電圧値を降下させる電圧降下ステップとを含む。
【0027】
したがって、ソースドライバの電源電圧を供給電流量に応じて変化させることにより、液晶モジュールの内部回路の温度上昇を抑制すると共に、表示品質を維持しつつ、液晶モジュールのコストを低減するという効果を奏する。また、液晶モジュールの内部回路の温度上昇を抑制することができるため、熱による内部回路の破損を防止することができ、液晶モジュールの製品としての信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すものであり、液晶モジュールの要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記液晶モジュールに含まれるソースドライバが液晶パネルに印加する電圧と、液晶パネルが出力する階調値との対応関係の一例を示す図である。
【図3】上記液晶パネルが出力する階調値と、上記液晶パネルが出力する輝度値との対応関係の一例を示す図である。
【図4】上記液晶パネルが白ベタ画像を表示する際に、上記ソースドライバが液晶パネルに印加する電圧の出力波形の一例を示す図である。
【図5】上記液晶モジュールに含まれる電流検出回路の出力波形の一例を示す図である。
【図6】上記電流検出回路の具体的な構成の一例を示す図である。
【図7】上記電流検出回路の具体的な構成の他の一例を示す図である。
【図8】上記液晶モジュールに含まれる電圧切替制御回路の具体的な構成の一例を示す図である。
【図9】上記電圧切替制御回路の具体的な構成の他の一例を示す図である。
【図10】上記液晶モジュールに含まれるソースドライバ用電力供給装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施形態を示すものであり、液晶モジュールの要部構成を示すブロック図である。
【図12】上記液晶モジュールに含まれるタイマ回路の具体的な構成の一例を示す図である。
【図13】第1の実施形態に係る液晶モジュールに含まれる電流検出回路の出力波形の一例を示す図である。
【図14】上記タイマ回路の出力波形の一例を示す図である。
【図15】上記タイマ回路の出力波形の他の一例を示す図である。
【図16】第2の実施形態に係る液晶モジュールに含まれるソースドライバ用電力供給装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】従来技術を示すものであり、液晶モジュールの要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<本発明の概要>
ノーマリーブラック方式の液晶パネルでは、白ベタ画像表示時にソースドライバが液晶パネルに印加する電圧が最大となる。すなわち、ノーマリーブラック方式の液晶パネルでは、白ベタ画像表示時に消費電力が最大になり、ソースドライバ等の温度上昇も最大となる。2倍速駆動もしくは4倍速駆動で処理する液晶モジュールまたは高精細な液晶パネルを有する液晶モジュールでは、白ベタ画像表示時に、ソースドライバ等が熱により破壊される虞がある。
【0030】
テレビ放送等の一般的な映像では、白ベタ画像が長時間連続するケースは少ないと考えられる。また、白ベタ画像を表示する場合、多少輝度を低下させて表示したとしても映像の表示品質にほとんど影響がないと考えられる。
【0031】
そこで、本発明では、恒久的にソースドライバに供給する電圧(ソース電圧)を下げることはせずに、発熱が問題となる白ベタ画像表示時などに限定してソース電圧を下げることとする。具体的には、ソースドライバ用電源ラインに白ベタ画像の表示データに相当する電流が流れたことを検出する電流検出回路を挿入し、電圧切替制御回路が電流検出回路の出力に基づいて、ソースドライバ用電源回路の出力電圧を降下させる。
【0032】
このように、ソースドライバの電源電圧を供給電流量に応じて変化させることにより、液晶モジュールの内部回路の温度上昇を抑制すると共に、表示品質を維持しつつ、液晶モジュールのコストを低減することができる。また、液晶モジュールの内部回路の温度上昇を抑制することができるため、熱による内部回路の破損を防止することができ、液晶モジュールの製品としての信頼性を向上させることができる。
【0033】
以下に、本発明の液晶モジュールの具体的な実施形態を図面に基づいて説明する。なお、現在一般的な液晶表示装置に採用されている液晶パネルはノーマリーブラック方式であるため、以下では、液晶モジュールが有する液晶パネルはノーマリーブラック方式であるとするがこれに限るものではない。液晶モジュールが有する液晶パネルはノーマリーホワイト方式であってもよい。
【0034】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について図1から図10に基づいて説明すると以下の通りである。
【0035】
〔液晶モジュールの構成〕
第1の実施形態に係る液晶モジュールの構成を図1に基づいて説明する。図示のように、液晶モジュール1は、液晶パネル2、ソースドライバ3、ゲートドライバ4、ゲートドライバ用VGon電源回路5、ゲートドライバ用VGoff電源回路6およびソースドライバ用電力供給装置10を備える。液晶モジュール1は、その他、光源(バックライト)等の部材を備えていてよいが、発明の特徴とは関係が無いため説明を省略する。
【0036】
なお、本発明に係る液晶モジュールは、例えば、テレビジョン受像機等の表示装置に搭載されるものである。
【0037】
液晶パネル2は、液晶分子が透明電極を有するガラス基板には挟まれているものである。液晶パネル2は、透明電極に印加された電圧によって液晶分子の向きを変えて、光の透過率を制御して画像を表示するものである。
【0038】
液晶パネル2のガラス基板上に、走査線(ゲート線)およびデータ線(ソース線)が縦横の2次元的に配線されており、走査線とデータ線との交点に透明電極が配置されている。また、ガラス基板上には、透明電極に対応するサブ画素が格子状に配置されている。
【0039】
本実施形態における液晶パネル2は、アクティブマトリクス駆動方式により動作するものであり、各画素に薄膜トランジスタ(TFT)等のアクティブ素子が設けられている。つまり、走査線から印加された電圧によりアクティブ素子が「ON」状態となり、データ線に印加された電圧に応じた電荷が蓄積される。
【0040】
ただし、液晶パネル2は上記のものに限るものではない。液晶パネル2は、後述のように、データ線から印加される電圧に応じて、表示する画像の階調値が変化するものであればどのようなものであってもよい。
【0041】
ソースドライバ3は、液晶パネル2を駆動する回路またはICであり、ソースドライバ用電力供給装置10から供給される電力に基づいて、データ線を通じてサブ画素に電圧を印加するものである。具体的には、ソースドライバ3は、不図示のタイミングコントローラの指示に従って、外部から受信した映像信号に応じて階調化した電圧を各データ線に印加する。
【0042】
液晶モジュール1は、ソースドライバ3を1または複数備えており、図1に示す例では、液晶モジュール1がソースドライバ3をM(Mは任意の自然数)個備えている。また、ソースドライバ3は、1または複数のデータ線と接続されている。
【0043】
ゲートドライバ4は、液晶パネル2を駆動する回路またはICであり、ゲートドライバ用VGon電源回路5およびゲートドライバ用VGoff電源回路6から供給される電力に基づいて、走査線を走査するものである。具体的には、ゲートドライバ4は、不図示のタイミングコントローラの指示に従って、ゲートドライバ用VGon電源回路5から供給される電力に基づいて、走査線を通じてアクティブ素子に電圧を印加して「ON」状態にしたり、ゲートドライバ用VGoff電源回路6から供給される電力に基づいて、走査線を通じてアクティブ素子に電圧を印加して「OFF」状態にしたりするものである。
【0044】
液晶モジュール1は、ゲートドライバ4を1または複数備えており、図1に示す例では、液晶モジュール1がゲートドライバ4をN(Nは任意の自然数)個備えている。また、ゲートドライバ4は、1または複数の走査線と接続されている。
【0045】
ゲートドライバ用VGon電源回路5は、アクティブ素子を「ON」状態にするための電力をゲートドライバ4に供給するものである。
【0046】
ゲートドライバ用VGoff電源回路6は、アクティブ素子を「OFF」状態にするための電力をゲートドライバ4に供給するものである。
【0047】
ソースドライバ用電力供給装置10は、設定したソースドライバ駆動電圧でソースドライバ3に電力を供給するものである。ここで、ソースドライバ用電力供給装置10が設定したソースドライバ駆動電圧の電圧値をAVDD(単位はボルト(V))とする。すなわち、ソースドライバ用電力供給装置10の出力電圧の電圧値をAVDDとする。初期設定では、AVDDは15.6Vとする。AVDDの値は、任意の値でよく、液晶パネル2、ソースドライバ3等の特性に基づいて適宜設定することができる。
【0048】
(ソースドライバ用電力供給装置が供給する電流量と、液晶パネルが表示する画像との関係について)
次に、ソースドライバ用電力供給装置10が供給する電流量が、液晶パネル2が表示する画像(映像)によって変化するメカニズムを図2〜図4に基づいて説明する。ここでは、上述のように、液晶パネル2がノーマリーブラック方式であり、ソースドライバ3がドット反転駆動方式で電圧を印加するものとする。また、ソースドライバ用電力供給装置10の出力電圧AVDDは、初期設定値の15.6Vであるとする。
【0049】
ソースドライバ3は液晶パネル2内に作り込まれた画素電極に電荷を供給して充電する。ソースドライバ3が画素電極に印加する電圧Vlcと、液晶パネル2が出力(表示)する階調値との対応関係例を図2に示す。図2では、縦軸を電圧値(V)とし、横軸を階調値とする。図2に示すように、ソースドライバ3が画素電極に印加する電圧Vlcと中間電圧HVDDとの差分の絶対値が大きいほど、階調値が上がる。
【0050】
ここで、図2に示すVH0およびVL0は階調値「0」に対応する電圧値であり、VH255およびVL255は階調値「255」に対応する電圧値である。
【0051】
なお、ソースドライバ3は、図示しない制御回路より供給される映像信号の各階調値(デジタル値)を参照し、ソースドライバ用電力供給装置10が出力する電圧値の範囲内で各階調値に応じた電圧値(アナログ値)を設定する。
【0052】
具体的には、ソースドライバ3は、基準電圧VREFを変数とする関数であって、階調値と電圧値との関係を示す関数に基づいて、基準電圧VREFに対応するVL255〜VH255の電圧値を出力するDAコンバータとしての機能を有する。また、ソースドライバ3は、上記関数の代わりに、基準電圧VREFごとに定められた、階調値と電圧値との関係を示すテーブル等を用いて、基準電圧VREFに対応するVL255〜VH255の電圧値を特定する機能を有するものと表現してもよい。例えば、ソースドライバ3は、基準電圧VREFの97%の値をVH255として出力し、基準電圧VREFの1%の値をVL255として出力し、VREFと正の相関を有するVL255〜VH255の各電圧値を出力する構成とすることができる。
【0053】
ここで、階調電圧の基準電圧VREFは、外付けのDAC−ICまたは抵抗分圧回路等の基準電圧生成回路(不図示)が、ソースドライバ用電力供給装置10の出力電圧AVDDに基づいて生成するものである。基準電圧生成回路は、入力されるAVDDの電圧値が下がると、生成する基準電圧VREFの電圧値を下げる。
【0054】
すなわち、ソースドライバ用電力供給装置10の出力電圧AVDDと、ソースドライバ3の出力電圧Vlc(VL255〜VH255)とは、間接的に依存しており、ソースドライバ用電力供給装置10の出力電圧AVDDの電圧降下と同調して、ソースドライバ3の出力電圧Vlc(VL255〜VH255)の電圧値も降下する。
【0055】
なお、階調電圧の基準電圧VREFをソースドライバ3の電源電圧(ソースドライバ用電力供給装置10の供給電圧)から降圧レギュレータを用いて生成する場合、ソースドライバ用電力供給装置10と同様に、降圧レギュレータに電圧切替制御回路を設けることが好ましい。このことにより、ソースドライバ3に供給される電源電圧の降下に連動して階調電圧を下げることができ、階調異常を抑えることができる。
【0056】
また、液晶パネル2が出力する階調値が上がると共に、液晶パネル2の出力する輝度値も上昇する。この両者の対応関係例を図3に示す。図3では、縦軸を輝度値とし、横軸を階調値とする。
【0057】
ここで、液晶パネル2に白ベタ画像を表示させる場合、ソースドライバ3は、全ての画素(絵素)のキャパシタに対して階調値255に対応する電圧値VH255およびVL255を交互に印加する。このときのソースドライバ3が液晶パネル2に印加する電圧値Vlcの波形例を図4に示す。
【0058】
このように、全ての画素の画素電極に対して、中間電圧HVDDに対して最大電圧差となるVL255およびVH255で充放電を繰り返した場合、ソースドライバ3の消費電力が最大となる。ソースドライバ3が液晶パネル2に供給する電力が増大するということは、その電力をソースドライバ3に供給するソースドライバ用電力供給装置10から出力される電流が増加することを意味する。換言すると、ソースドライバ用電力供給装置10の供給電流の増加に応じて、ソースドライバ3の消費電力も増加する。
【0059】
そのため、ソースドライバ用電力供給装置10が供給する電流の電流値を検出し、供給電流が所定値以上であれば、ソースドライバ用電力供給装置10の出力電圧AVDDを下げることにより、ソースドライバ用電力供給装置10の出力電圧AVDDに連動するVH255を下げることができる。よって、ソースドライバ3の消費電力を下げることができる。
【0060】
〔ソースドライバ用電力供給装置の構成〕
次に、ソースドライバ用電力供給装置の詳細な構成および機能について説明する。ソースドライバ用電力供給装置10は、図1に示すように、ソースドライバ用AVDD電源回路7、電流検出回路(電流検出手段)8および電圧切替制御回路(電圧降下手段)9を備える。
【0061】
ソースドライバ用AVDD電源回路7は、液晶モジュール1に入力される入力電圧VINから、所定の電圧を生成し、生成した電圧でソースドライバ3に電流を供給するものである。なお、本実施形態では、ソースドライバ用AVDD電源回路7は、電圧値を15.6Vとして電圧を生成するものとする。
【0062】
電流検出回路8は、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が所定の電流値(検出閾値)以上であるか否かを検出し、その検出結果に基づいて出力信号のレベルを遷移させるものである。電流検出回路8は、ソースドライバ用AVDD電源回路7とソースドライバ3との間の経路上に配置されている。また、電流検出回路8の出力信号は、電圧切替制御回路9に入力される。ここで、電流検出回路8の出力信号を検出回路出力信号(検出信号)と称する。
【0063】
電流検出回路8の出力波形を図5に基づいて説明する。図5は、電流検出回路8の出力波形の一例を示す図である。図5に示すように、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が検出レベル(検出閾値)を超えると、電流検出回路8の出力レベルがHighレベルからLowレベルに遷移する。また、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が検出レベル(検出閾値)を下回ると、電流検出回路8の出力レベルがLowレベルからHighレベルに遷移する。
【0064】
なお、図5に示す例では、電流検出回路8は、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が検出レベル(検出閾値)を超えたときに、出力レベルをHighレベルからLowレベルに遷移させているが、これに限るものではない。電流検出回路8は、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が検出レベル(検出閾値)を超えたときに、出力レベルをLowレベルからHighレベルに遷移させてもよい。
【0065】
また、検出閾値は、液晶パネル2やソースドライバ3等の液晶モジュール1の特性に基づいて、ソースドライバ3等が発熱によって破損しない程度の電流値に適宜設定すればよい。
【0066】
電流検出回路8の具体的な構成を図6および図7に基づいて説明する。図6および図7は、電流検出回路8の具体的な構成の一例を示す図である。
【0067】
まず、図6に示す例では、電流検出回路8は、抵抗器21および比較器22から構成される。抵抗器21は、ソースドライバ用AVDD電源回路7とソースドライバ3との間の経路上に配置されている。比較器22の2つの入力端子は、それぞれ、抵抗器21の両端に接続されており、抵抗器21の両端の電位差が比較器22の入力値となる。比較器22の出力端子は、電圧切替制御回路9と接続している。比較器22は、入力値が所定の検出閾値を超えると、出力レベルをアクティブレベルに遷移して出力する。
【0068】
具体的には、抵抗器21を流れる電流が大きくなると、抵抗器21の両端の電位差が大きくなる。抵抗器21にある一定以上の電流が流れると、比較器22への入力値が検出閾値を超え、比較器22が出力レベルをアクティブレベルに遷移して出力する。
【0069】
次に、図7に示す例では、電流検出回路8は、抵抗器23、比較器24、抵抗器25および抵抗器26から構成される。抵抗器23は、ソースドライバ用AVDD電源回路7とソースドライバ3との間の経路上に配置されている。抵抗器25は、一端がAVDDより高い電圧である基準電圧を出力する電源(不図示)と接続されており、他端は抵抗器26と接続されている。抵抗器26は、一端が抵抗器25と接続されており、他端はグランドに接地されている。比較器24の入力端子の一端は、抵抗器23のソースドライバ3側の端子と接続されている。また、比較器24の入力端子の他端は、抵抗器25と抵抗器26との間に接続されており、基準電圧を抵抗分圧した電圧値が入力される。比較器24は、抵抗器23のソースドライバ3側の電位が、抵抗器25と抵抗器26との間の電位を下回ると、出力レベルをアクティブレベルに遷移して出力する。
【0070】
ここで、基準電圧を抵抗分圧した電圧値(抵抗器25と抵抗器26との間の電位)を、AVDDより低い値になるように基準電圧の電圧値並びに抵抗器25および26の抵抗値を適宜設定する。
【0071】
このとき、抵抗器23に流れる電流が少ない場合は、抵抗器23のソースドライバ3側の電位が、抵抗器25と抵抗器26との間の電位を上回っているため、比較器24は出力レベルを非アクティブレベルのまま出力する。一方、抵抗器23に流れる電流が増加し、ある一定以上の電流が流れた場合、抵抗器23のソースドライバ3側の電位が、抵抗器25と抵抗器26との間の電位を下回り、比較器24は出力レベルをアクティブレベルに遷移して出力する。
【0072】
電圧切替制御回路9は、電流検出回路8から入力された検出回路出力信号(切替信号)に基づいて、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧の電圧値を制御するものである。具体的には、電圧切替制御回路9は、電流検出回路8からアクティブレベルの検出回路出力信号を受信すると、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧を低下させる。また、電圧切替制御回路9は、電流検出回路8から非アクティブレベルの検出回路出力信号を受信すると、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧を上昇させる(元の電圧値に戻す)。
【0073】
なお、電圧切替制御回路9に入力される信号を切替信号と称する。すなわち、第1の実施形態においては、検出回路出力信号が切替信号である。
【0074】
電圧切替制御回路9の具体的な構成を図8および図9に基づいて説明する。図8および図9は、電圧切替制御回路9の具体的な構成の一例を示す図である。図8および図9では、電圧の切り替え方法として、ソースドライバ用AVDD電源回路7に対するフィードバック電圧を変化させる方法を示す。
【0075】
まず、図8に示す例では、電圧切替制御回路9は、抵抗器31、32および33と、切替スイッチ34から構成される。抵抗器31は、一端がソースドライバ用AVDD電源回路7の出力端子に接続されており、他端が抵抗器32および抵抗器33と接続されている。抵抗器32は、一端が抵抗器31および抵抗器33と接続されており、他端がグランドに接地されている。抵抗器33は、一端が抵抗器31および抵抗器32と接続されており、他端が切替スイッチ34に接続されている。なお、抵抗器31、32および33の抵抗値を、それぞれ、R1、R2、R3とする。
【0076】
切替スイッチ34は、一端が抵抗器33と接続さており、他端がグランドに接地されている。また、抵抗器31と、抵抗器32と、抵抗器33との間には、ソースドライバ用AVDD電源回路7のフィードバック入力端子が接続されている。なお、切替スイッチ34は、ここでは、切替信号がアクティブレベルの場合に切断し(スイッチをOFFにし)、切替信号が非アクティブレベルの場合に導通する(スイッチをONにする)ものとする。
【0077】
ここで、電圧切替制御回路9からソースドライバ用AVDD電源回路7に入力されるフィードバック電圧をVFBとすると、電圧切替制御回路9にアクティブレベルの切替信号が入力されると、ソースドライバ用AVDD電源回路7が出力する電圧AVDD(on)は、
AVDD=VFB*(R1+R2)/R2=AVDD(on) (式1)
上記(式1)となる。
【0078】
一方、電圧切替制御回路9に非アクティブレベルの切替信号が入力された場合、抵抗器32および33の合成抵抗値Rpは、
Rp=R2*R3/(R2+R3) (式2)
上記(式2)となる。このとき、ソースドライバ用AVDD電源回路7が出力する電圧AVDD(off)は、
AVDD=VFB*(R1+Rp)/Rp=AVDD(off) (式3)
上記(式3)となる。
【0079】
このとき、AVDD(on)<AVDD(off)となる。そのため、電圧切替制御回路9が生成したフィードバック電圧VFBをソースドライバ用AVDD電源回路7へ入力することにより、電圧切替制御回路9は、アクティブレベルの切替信号を受信すると、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧を初期値(AVDD(off))からAVDD(on)に降下させることができる。
【0080】
次に、切替スイッチ34の代わりに、NチャネルのFET(Field-Effect Transistor)35をスイッチとして用いた例を図9に示す。この場合、FET35のゲート端子に閾値を超える電圧が印加されるとスイッチがオンし、GNDレベルの電圧が印加されるとスイッチはオフする。すなわち、切替スイッチ34と同様に、FET35は、切替信号がアクティブレベルの場合に切断し(スイッチをOFFにし)、切替信号が非アクティブレベルの場合に導通する(スイッチをONにする)。
【0081】
〔ソースドライバ用電力供給装置の処理〕
次に、ソースドライバ用電力供給装置10が実行する処理について図10に基づいて説明する。図10は、ソースドライバ用電力供給装置10が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0082】
図10に示すように、電流検出回路8は、ソースドライバ用AVDD電源回路7からソースドライバ3に供給される電流の電流値が検出閾値を超えているか否かを検出する(S1)。ここで、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が検出閾値を超えている場合(S1でYES)、電流検出回路8は出力レベルをアクティブレベルとして電圧切替制御回路9に検出回路出力信号を出力する。
【0083】
電圧切替制御回路9は、電流検出回路8からアクティブレベルの検出回路出力信号を受信すると、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧の電圧値を低下させる(S2)。これにより、ソースドライバ用電力供給装置10は、初期値より所定の値低下した電圧値を出力電圧として、ソースドライバ3に電力を供給する。
【0084】
一方、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が検出閾値を超えていない場合(S1でNO)、電流検出回路8は出力レベルを非アクティブレベルとして電圧切替制御回路9に検出回路出力信号を出力する。
【0085】
ここで、電圧切替制御回路9がソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧の電圧値を低下させていた場合(S3でYES)、電圧切替制御回路9は、電流検出回路8から受信した非アクティブレベルの検出回路出力信号に基づいて、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧を上昇させる、すなわち、元の電圧値に戻す。これにより、ソースドライバ用電力供給装置10は、初期設定の電圧値を出力電圧として、ソースドライバ3に電力を供給する。
【0086】
なお、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が検出閾値を超えておらず(S1でNO)、電圧切替制御回路9がソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧の電圧値を低下させていない場合(S3でNO)、電圧切替制御回路9は、電流検出回路8から非アクティブレベルの検出回路出力信号を受信して、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧の電圧値を初期値のまま維持する。
【0087】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について図11から図16に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記の第1の実施形態において示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0088】
第1の実施形態に係る液晶モジュール1では、電流値が検出閾値を超えているか否かに応じて出力電圧を上下しているため、電流値が検出閾値近傍で変動する場合、または、電流値が周期的に変化する場合などでは、出力電圧の降下、上昇が頻繁に発生する可能性がある。この場合、画面がチカチカする、いわゆるフリッカ表示となり、ユーザーに不快感をもたらすことになる。
【0089】
そこで、第2の実施形態に係る液晶モジュールは、このような事態を回避するために、一旦出力電圧を降下した場合は一定期間その状態を維持する。具体的には、第2の実施形態に係る液晶モジュール1aは、第1の実施形態に係る液晶モジュール1のソースドライバ用電力供給装置10に代えて、ソースドライバ用電力供給装置10aを備える。第2の実施形態に係る液晶モジュールは、その他の構成は、第1の実施形態に係る液晶モジュール1と同じである。
【0090】
ソースドライバ用電力供給装置10aを備えることにより、フリッカを発生させないようにすることができる。以下、ソースドライバ用電力供給装置10aの構成および機能について詳細に説明する。
【0091】
〔ソースドライバ用電力供給装置の構成〕
ソースドライバ用電力供給装置10aは、図11に示すように、ソースドライバ用AVDD電源回路7、電流検出回路8a、電圧切替制御回路9aおよびタイマ回路(出力維持手段)11を備える。
【0092】
電流検出回路8aは、タイマ回路11に検出回路出力信号を出力する点が第1の実施形態の電流検出回路8と異なるだけであり、その他の機能および処理は第1の実施形態の電流検出回路8と同じである。
【0093】
電圧切替制御回路9aは、タイマ回路11からタイマ回路出力信号(切替信号)を受信する点が第1の実施形態の電圧切替制御回路9と異なるだけであり、その他の機能および処理は第1の実施形態の電圧切替制御回路9と同じである。なお、第2の実施形態においては、タイマ回路出力信号が切替信号である。
【0094】
タイマ回路11は、現時点で、自身が生成するカウンタ出力信号の出力レベルが非アクティブレベルの場合に、非アクティブレベルからアクティブレベルに遷移する検出回路出力信号を電流検出回路8aから受信した場合、所定の出力維持時間Tの期間、出力レベルがアクティブレベルとなるカウンタ出力信号を生成するものである。また、タイマ回路11は、電流検出回路8aから受信した検出回路出力信号と、生成したカウンタ出力信号との論理積を取ってタイマ回路出力信号(出力維持信号)を生成し、生成したタイマ回路出力信号を電圧切替制御回路9aに出力する。
【0095】
タイマ回路11の具体的な構成を図12に基づいて説明する。図12は、タイマ回路11の具体的な構成の一例を示す図である。図12に示すように、タイマ回路11は、発振器41、カウンタ42およびAND回路43から構成される。
【0096】
発振器41は、所定の周波数の出力信号を生成し、カウンタ42に出力するものである。
【0097】
カウンタ42は、現時点で、自身が出力するカウンタ出力信号の出力レベルが非アクティブレベルの場合に、非アクティブレベルからアクティブレベルに遷移する検出回路出力信号を電流検出回路8aから受信した場合、アクティブレベルのカウンタ出力信号を出力するものである。また、カウンタ42は、発振器41からの入力に基づいて、アクティブレベルのカウンタ出力信号を出力してから、出力維持時間Tを計測し、出力維持時間Tの期間、アクティブレベルの出力を維持し、出力維持時間Tが経過すると、出力レベルを遷移し、非アクティブレベルのカウンタ出力信号を出力する。また、カウンタ42は、生成したカウンタ出力信号をAND回路43に出力する。
【0098】
AND回路43は、電流検出回路8aから受信した検出回路出力信号と、カウンタ42が生成したカウンタ出力信号との論理積を取ってタイマ回路出力信号を生成し、生成したタイマ回路出力信号を電圧切替制御回路9aに出力する。すなわち、AND回路43は、検出回路出力信号またはカウンタ出力信号の何れかの出力レベルがアクティブレベルの場合、アクティブレベルのタイマ回路出力信号を出力し、検出回路出力信号およびカウンタ出力信号の出力レベルが非アクティブレベルの場合に、非アクティブレベルのタイマ回路出力信号を出力する。
【0099】
次に、タイマ回路11の出力波形を図13〜図15に基づいて説明する。図13は、第1の実施形態に係る液晶モジュール1の電流検出回路8の出力波形の一例を示す図である。また、図14および図15は、タイマ回路11の出力波形の一例を示す図である。
【0100】
図13に示すように、第1の実施形態に係る液晶モジュール1では、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が検出レベル(検出閾値)を超える度に、電流検出回路8の出力レベルがHighレベルからLowレベルに遷移し、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が検出レベル(検出閾値)を下回る度に、電流検出回路8の出力レベルがLowレベルからHighレベルに遷移する。
【0101】
このように、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が頻繁に検出レベルを上下した場合、電流検出回路8の出力も頻繁に遷移するため、ソースドライバ用電力供給装置10の出力電圧が頻繁に変化する。ソースドライバ3へ供給される出力電圧が頻繁に変化することにより、液晶パネル2が出力する輝度も頻繁に変化するため、ユーザーには画面がちらついているように見える。
【0102】
一方、図14に示すように、第2の実施形態に係る液晶モジュール1aでは、カウンタ42が電流検出回路8の出力の最初の立ち上がり時から出力維持時間Tの期間、アクティブレベルのカウンタ出力信号を出力するため、タイマ回路11が電圧切替制御回路9aに、電流検出回路8の出力の最初の立ち上がり時から出力維持時間Tの期間アクティブレベルとなるタイマ回路出力信号を出力する。
【0103】
よって、第2の実施形態に係る液晶モジュール1aでは、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が頻繁に検出レベルを上下することにより、電流検出回路8の出力が頻繁に遷移した場合であっても、電流検出回路8の出力の最初の立ち上がり時から、少なくとも出力維持時間Tの期間、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧の電圧降下が維持されるため、フリッカ表示の発生を抑制することができる。
【0104】
また、AND回路43が検出回路出力信号およびカウンタ出力信号の論理積をタイマ回路出力信号としているため、図15に示すように、出力維持時間T経過時に電流検出回路8の出力がアクティブレベルであれば、出力維持時間T経過後における電流検出回路8の出力の立ち下がり時まで、タイマ回路出力信号の出力レベルがアクティブレベルに維持される。
【0105】
〔ソースドライバ用電力供給装置の処理〕
次に、ソースドライバ用電力供給装置10aが実行する処理について図16に基づいて説明する。図16は、ソースドライバ用電力供給装置10aが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0106】
図16に示すように、電流検出回路8は、ソースドライバ用AVDD電源回路7からソースドライバ3に供給される電流の電流値が検出閾値を超えているか否かを検出する(S11)。ここで、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が検出閾値を超えている場合(S11でYES)、電流検出回路8は、出力電流が検出閾値を超えている期間、出力レベルをアクティブレベルとしてタイマ回路11に検出回路出力信号を生成する(S12)。一方、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電流が検出閾値を超えていない場合(S11でNO)、電流検出回路8は、出力電流が検出閾値を超えていない期間、出力レベルを非アクティブレベルとしてタイマ回路11に検出回路出力信号を生成する(S13)。電流検出回路8は、生成した検出回路出力信号をタイマ回路11のカウンタ42に出力する。
【0107】
カウンタ42は、電流検出回路8からアクティブレベルの検出回路出力信号を受信すると、自身が出力するカウンタ出力信号の出力レベルが非アクティブレベルであり、かつ、受信した検出回路出力信号が現時点で非アクティブレベルからアクティブレベルに遷移するものであるか否かを判定する(S14)。カウンタ42は、カウンタ出力信号が非アクティブレベルであり、かつ、検出回路出力信号が現時点で非アクティブレベルからアクティブレベルに遷移するものである場合(S14でYES)、現時点より出力維持時間Tの期間、アクティブレベルとするカウンタ出力信号を生成する(S15)。カウンタ42は、生成したカウンタ出力信号をAND回路43に出力する。
【0108】
AND回路43は、検出回路出力信号またはカウンタ出力信号の何れかの出力レベルがアクティブレベルか否かを判定する(S16)。AND回路43は、検出回路出力信号またはカウンタ出力信号の何れかの出力レベルがアクティブレベルの場合(S16でYES)、アクティブレベルのタイマ回路出力信号を電圧切替制御回路9aに出力する。
【0109】
電圧切替制御回路9aは、AND回路43からアクティブレベルのタイマ回路出力信号(切替信号)を受信すると、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧の電圧値を低下させた電圧降下状態にする(S17)。すなわち、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧の電圧値が初期値である初期状態の場合、電圧切替制御回路9aは、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧の電圧値を低下させる。また、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧が電圧降下状態であれば、電圧降下状態を維持する。
【0110】
ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧を電圧降下状態とすることにより、ソースドライバ用電力供給装置10は、初期値より所定の値低下した電圧値を出力電圧として、ソースドライバ3に電力を供給する。
【0111】
一方、AND回路43は、検出回路出力信号およびカウンタ出力信号の出力レベルが非アクティブレベルの場合に(S16でNO)、非アクティブレベルのタイマ回路出力信号を電圧切替制御回路9aに出力する。
【0112】
電圧切替制御回路9aは、AND回路43から非アクティブレベルのタイマ回路出力信号(切替信号)を受信すると、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧を初期状態にする(S18)。すなわち、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧が初期状態の場合、電圧切替制御回路9aは、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧を初期状態のまま維持する。また、ソースドライバ用AVDD電源回路7の出力電圧が電圧降下状態であれば、出力電圧の電圧値を上昇させて初期値に戻す。
【0113】
これにより、ソースドライバ用電力供給装置10は、初期設定の電圧値を出力電圧として、ソースドライバ3に電力を供給する。
【0114】
<補足>
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、液晶モジュールにおけるソースドライバに電力を供給する電力供給装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0116】
1、1a 液晶モジュール
2 液晶パネル
3 ソースドライバ
4 ゲートドライバ
5 ゲートドライバ用VGon電源回路
6 ゲートドライバ用VGoff電源回路
7 ソースドライバ用AVDD電源回路
8、8a 電流検出回路(電流検出手段)
9、9a 電圧切替制御回路(電圧降下手段)
10、10a ソースドライバ用電力供給装置
11 タイマ回路(出力維持手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶モジュールにおけるソースドライバに電力を供給する電力供給装置であって、
上記ソースドライバに供給する電流の電流値が所定の検出閾値を超えているか否かを検出し、上記電流値が上記検出閾値を超えている間、アクティブレベルの検出信号を生成し、一方、上記電流値が上記検出閾値を下回っている間、非アクティブレベルの検出信号を生成する電流検出手段と、
上記電流検出手段の生成した検出信号がアクティブレベルの期間、上記ソースドライバに供給する出力電圧の電圧値を降下させる電圧降下手段とを備えることを特徴とする電力供給装置。
【請求項2】
ある時点において、自身が生成した出力維持信号の出力レベルが非アクティブレベルであり、かつ、上記検出信号が非アクティブレベルからアクティブレベルに遷移した場合、当該ある時点から所定の出力維持時間の期間、出力レベルがアクティブレベルとなる出力維持信号を生成する出力維持手段をさらに備え、
上記電圧降下手段は、上記検出信号および上記出力維持信号の何れかがアクティブレベルの期間、上記ソースドライバに供給する出力電圧の電圧値を降下させることを特徴とする請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項3】
上記請求項1または2に記載の電力供給装置と、
上記電力供給装置から電力を受給するソースドライバとを備えることを特徴とする液晶モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載の液晶モジュールを備えていることを特徴とするテレビジョン受像機。
【請求項5】
液晶モジュールにおけるソースドライバに電力を供給する電力供給装置の制御方法であって、
上記ソースドライバに供給する電流の電流値が所定の検出閾値を超えているか否かを判定する電流値判定ステップと、
上記電流値判定ステップにおいて上記電流値が上記検出閾値を超えていると判定された場合、上記ソースドライバに供給する出力電圧の電圧値を降下させる電圧降下ステップとを含むことを特徴とする電力供給装置の制御方法。
【請求項1】
液晶モジュールにおけるソースドライバに電力を供給する電力供給装置であって、
上記ソースドライバに供給する電流の電流値が所定の検出閾値を超えているか否かを検出し、上記電流値が上記検出閾値を超えている間、アクティブレベルの検出信号を生成し、一方、上記電流値が上記検出閾値を下回っている間、非アクティブレベルの検出信号を生成する電流検出手段と、
上記電流検出手段の生成した検出信号がアクティブレベルの期間、上記ソースドライバに供給する出力電圧の電圧値を降下させる電圧降下手段とを備えることを特徴とする電力供給装置。
【請求項2】
ある時点において、自身が生成した出力維持信号の出力レベルが非アクティブレベルであり、かつ、上記検出信号が非アクティブレベルからアクティブレベルに遷移した場合、当該ある時点から所定の出力維持時間の期間、出力レベルがアクティブレベルとなる出力維持信号を生成する出力維持手段をさらに備え、
上記電圧降下手段は、上記検出信号および上記出力維持信号の何れかがアクティブレベルの期間、上記ソースドライバに供給する出力電圧の電圧値を降下させることを特徴とする請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項3】
上記請求項1または2に記載の電力供給装置と、
上記電力供給装置から電力を受給するソースドライバとを備えることを特徴とする液晶モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載の液晶モジュールを備えていることを特徴とするテレビジョン受像機。
【請求項5】
液晶モジュールにおけるソースドライバに電力を供給する電力供給装置の制御方法であって、
上記ソースドライバに供給する電流の電流値が所定の検出閾値を超えているか否かを判定する電流値判定ステップと、
上記電流値判定ステップにおいて上記電流値が上記検出閾値を超えていると判定された場合、上記ソースドライバに供給する出力電圧の電圧値を降下させる電圧降下ステップとを含むことを特徴とする電力供給装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−104926(P2013−104926A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246918(P2011−246918)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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