説明

電力制御支援プログラム、電力制御支援装置および電力制御支援方法

【課題】電力消費源の消費電力が予測通りとなる度合いに応じて蓄電池の放電量を算出すること。
【解決手段】電力制御支援装置101は、複数の異なる計測期間の同一の時間帯における電力消費源の消費電力に基づく計測期間ごとの予測消費電力を取得する。電力制御支援装置101は、取得した計測期間ごとの予測消費電力のうちのいずれかの予測消費電力が、商用電源から供給する該時間帯における最大電力の目標値より大きいか否かを判定する。電力制御支援装置101は、いずれかの予測消費電力が目標値より大きい場合、該予測消費電力と目標値との差分と、電力消費源の消費電力が該予測消費電力となる確度とに基づいて、制御対象期間の該時間帯における蓄電池102の放電量を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力制御支援プログラム、電力制御支援装置および電力制御支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電力負荷のピークを抑制するための取り組みが行われている。電力負荷のピークを抑制することにより、電力の供給側は、安定的に電力を供給しやすくなるとともに、過剰な発電設備にかかるコストを抑制することができる。また、電力の需要側において蓄電装置を用意し、電力負荷が大きくなる時間帯に蓄電装置から放電を行うことにより、商用電源から供給する電力のピーク値を抑制することが行われている。
【0003】
関連する先行技術として、例えば、需要電力の変化に応じて商用電源から供給する電力を制御する制御方法がある(以下、「従来技術1」)。従来技術1は、実際の需要電力の推移のデータと、需要電力の予測データとを用いて、直近の単位期間における実際の需要電力と予測の需要電力との乖離度合いを算出する。そして、従来技術1は、算出した乖離度合いに応じ、商用電源から供給する最大電力の目標値である平準化目標値の補正量を算出し、補正量で補正された平準化目標値の電力を商用電源から供給するように給電装置を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−229238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術によれば、依然として電力負荷のピークを抑制することが難しいという問題がある。例えば、上述した従来技術1によれば、電力の使用状況の時間帯ごとのばらつきが大きくなると需要電力の予測が困難なものとなり、電力負荷のピークを抑制することが難しくなる。
【0006】
本発明は、電力消費源の消費電力が予測通りとなる度合いに応じて蓄電池の放電量を算出することができる電力制御支援プログラム、電力制御支援装置および電力制御支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一側面によれば、複数の異なる計測期間の同一の時間帯における電力消費源の消費電力に基づく計測期間ごとの予測消費電力と、制御対象期間の前記電力消費源の消費電力が予測消費電力となる前記計測期間ごとの予測消費電力の確度とを取得し、取得した前記計測期間ごとの予測消費電力のうちのいずれかの予測消費電力が、商用電源から供給する前記時間帯における最大電力の目標値より大きいか否かを判定し、判定した予測消費電力が前記目標値より大きい場合、前記判定した予測消費電力と前記目標値との差分と、前記判定した予測消費電力の確度とに基づいて、電気を充放電する蓄電池の前記制御対象期間の前記時間帯における前記電力消費源への放電量を算出し、算出した前記時間帯における前記電力消費源への放電量を出力する電力制御支援プログラム、電力制御支援装置および電力制御支援方法が提案される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一側面によれば、電力消費源の消費電力が予測通りとなる度合いに応じて蓄電池の放電量を算出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施の形態にかかる電力制御支援方法の一実施例を示す説明図である。
【図2】図2は、電力制御支援システム200のシステム構成例を示す説明図である。
【図3】図3は、電力制御支援装置101のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図4】図4は、実績データテーブル400の記憶内容の一例を示す説明図である。
【図5】図5は、予測消費電力テーブル500の記憶内容の一例を示す説明図である。
【図6】図6は、確率テーブル600の記憶内容の一例を示す説明図である。
【図7】図7は、電力制御支援装置101の機能的構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、実績データの分類例を示す説明図である。
【図9】図9は、制御計画テーブル900の記憶内容の変遷例を示す説明図である。
【図10】図10は、蓄電池102の放電量Bout(t)の集中例を示す説明図である。
【図11】図11は、蓄電量テーブルの記憶内容の変遷例を示す説明図である。
【図12】図12は、目標値を変更した場合の制御計画テーブル900の記憶内容の一例を示す説明図である。
【図13】図13は、目標値を変更した場合の蓄電量テーブル1100の記憶内容の一例を示す説明図である。
【図14】図14は、制御計画表の具体例を示す説明図である。
【図15】図15は、蓄電池102の充放電の制御結果の一例を示す説明図である。
【図16】図16は、電力制御支援装置101の電力制御支援処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】図17は、予測消費電力算出処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図18】図18は、制御計画作成処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
【図19】図19は、制御計画作成処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
【図20】図20は、電力制御支援装置101の制御計画評価処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
【図21】図21は、電力制御支援装置101の制御計画評価処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる電力制御支援プログラム、電力制御支援装置および電力制御支援方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(電力制御支援方法の一実施例)
図1は、実施の形態にかかる電力制御支援方法の一実施例を示す説明図である。図1において、電力制御支援装置101は、電力消費源に対する蓄電池102の充放電の制御を支援するコンピュータである。ここで、電力消費源とは、電力制御対象となる1以上の制御対象装置である。
【0012】
制御対象装置は、例えば、ノートPC(Personal Computer)、電気自動車、UPS(Uninterruptible Power Supply)などである。すなわち、電力消費源は、例えば、家庭、オフィス、ビル、工場などに備えられている制御対象装置の集合である。また、都市、地域、発電所、電力会社などの単位で制御対象装置の集合を電力消費源としてもよい。
【0013】
蓄電池102は、電気を充放電する装置である。蓄電池102は、例えば、制御対象装置の各々が有する蓄電池であってもよく、また、複数の制御対象装置に対して電気を充放電する蓄電池であってもよい。さらに、制御対象装置の各々が有する蓄電池を集約したものを蓄電池102として扱うことにしてもよい。
【0014】
図1において、時間を表す横軸と消費電力を表す縦軸とからなる座標系にグラフ110,120が示されている。消費電力の単位は、[Wh]である。ここで、グラフ110,120は、9時から17時の各時間帯における電力消費源の予測消費電力を表している。グラフ110,120は、複数の異なる計測期間の各時間帯における電力消費源の実際の消費電力を表す実績データに基づいて作成された予測曲線1,2である。
【0015】
グラフ110,120には、各時間帯の電力消費源の消費電力が予測消費電力にしたがって推移する確からしさを表す確度が付与されている。具体的には、グラフ110には、グラフ110が表す各時間帯の予測消費電力にしたがって電力消費源の消費電力が推移する確率「60[%]」が付与されている。また、グラフ120には、グラフ120が表す各時間帯の予測消費電力にしたがって電力消費源の消費電力が推移する確率「40[%]」が付与されている。
【0016】
電力負荷が大きくなる時間帯に蓄電池102から電力消費源に対して放電を行うことにより、商用電源から供給する電力負荷のピークを抑制することができる。商用電源とは、電力会社などから受電した電力を電力消費源や蓄電池102に供給する設備である。
【0017】
ところが、グラフ110,120に示すように、実績データの計測期間が異なると電力の使用状況が異なり、電力消費源の時間帯ごとの消費電力のばらつきが大きくなる場合がある。例えば、グラフ110は、10時の時間帯に予測消費電力のピークがきているが、グラフ120は、15時の時間帯に予測消費電力のピークがきている。
【0018】
すなわち、電力消費源の消費電力のばらつきが大きくなる様々な要因を考慮して高精度な需要予測を行うことは難しい場合がある。また、電力消費源の消費電力のばらつきが大きくなる要因に合わせて複数の予測を行って、電力消費源の消費電力が高くなるすべての時間帯に放電し続けることは効率的ではない。
【0019】
そこで、本実施の形態では、電力制御支援装置101は、電力消費源の消費電力が予測通りとなる度合いを表す確度付きの複数の予測曲線を用いて、予測消費電力が目標値より高くなる時間帯における蓄電池102の放電量を確度に応じて求める。これにより、消費電力の予測が外れた場合のリスクを低減しつつ、電力負荷のピークを抑制する制御計画を立案する。
【0020】
以下、電力制御支援装置101の電力制御支援処理例について説明する。
【0021】
(1)電力制御支援装置101は、複数の異なる計測期間の同一の時間帯における電力消費源の消費電力に基づく計測期間ごとの予測消費電力を取得する。また、電力制御支援装置101は、制御対象期間の電力消費源の消費電力が予測消費電力となる計測期間ごとの予測消費電力の確度を取得する。
【0022】
ここで、同一の時間帯とは、計測期間に含まれる複数の時間帯のうちのいずれかの時間帯である。また、制御対象期間とは、電力消費源に対する蓄電池102の充放電を制御する期間である。ここでは、同一の時間帯の一例として、10時の時間帯を例に挙げて説明する。
【0023】
この場合、電力制御支援装置101は、10時の時間帯におけるグラフ110,120ごとの予測消費電力「15[Wh],12[Wh]」を取得する。また、電力制御支援装置101は、制御対象期間の電力消費源の消費電力が予測消費電力となるグラフ110,120ごとの確率「60[%],40[%]」を取得する。
【0024】
(2)電力制御支援装置101は、取得した計測期間ごとの予測消費電力のうちのいずれかの予測消費電力が、商用電源から供給する該時間帯における最大電力の目標値より大きいか否かを判定する。商用電源から供給する各時間帯における最大電力の目標値は、例えば、予め設定されている。
【0025】
ここでは、商用電源から供給する各時間帯における最大電力の目標値を「10[Wh]」とする。この場合、電力制御支援装置101は、10時の時間帯におけるグラフ110,120ごとの予測消費電力「15[Wh],12[Wh]」がともに目標値より大きいと判定する。
【0026】
(3)電力制御支援装置101は、いずれかの予測消費電力が目標値より大きい場合、蓄電池102の制御対象期間の該時間帯における電力消費源への放電量を算出する。具体的には、例えば、電力制御支援装置101は、目標値より大きい予測消費電力と目標値との差分と、電力消費源の消費電力が該予測消費電力となる確度とに基づいて、電力消費源への放電量を算出する。
【0027】
より具体的には、例えば、電力制御支援装置101は、目標値より大きいグラフ110の予測消費電力「15[Wh]」と目標値「10[Wh]」との差分「5[Wh]」を算出する。そして、電力制御支援装置101は、算出した差分「5[Wh]」にグラフ110の確率「0.6=60[%]」を乗算することにより、電力消費源への放電量「3[Wh]」を算出する。
【0028】
また、電力制御支援装置101は、目標値より大きいグラフ120の予測消費電力「12[Wh]」と目標値「10[Wh]」との差分「2[Wh]」を算出する。そして、電力制御支援装置101は、算出した差分「2[Wh]」にグラフ120の確率「0.4=40[%]」を乗算することにより、電力消費源への放電量「0.8[Wh]」を算出する。
【0029】
そして、電力制御支援装置101は、算出した電力消費源への放電量「3[Wh]」および放電量「0.8[Wh]」を足し合わせることにより、蓄電池102の制御対象期間の10時の時間帯における電力消費源への放電量を算出する。ここでは、制御対象期間の10時の時間帯における電力消費源への放電量は「3.8[Wh]」となる。
【0030】
(4)電力制御支援装置101は、算出した該時間帯における電力消費源への放電量を出力する。上述した例では、電力制御支援装置101は、制御対象期間の10時の時間帯における電力消費源への放電量「3.8[Wh]」を表す情報を出力する。
【0031】
このように、電力制御支援装置101によれば、電力消費源の消費電力が目標値より高くなると予測される時間帯における蓄電池102の放電量を算出することができる。これにより、算出された該時間帯における蓄電池102の放電量をもとに蓄電池102の充放電の制御計画を立てることが可能となり、該時間帯における電力消費源の消費電力を削減して、電力負荷のピークを抑制することができる。
【0032】
また、電力制御支援装置101によれば、電力消費源の実際の消費電力が予測通りとなる度合いを表す確率付きの複数の予測曲線(例えば、予測曲線1,2)を用いて蓄電池102の放電量を算出することができる。これにより、複数の予測曲線のピーク時間帯がばらつく場合であっても、各予測曲線の確率に応じて蓄電池102の放電量を割り振ることができ、予測が外れた場合のリスクを低減しつつ電力負荷のピークを抑制することができる。
【0033】
(電力制御支援システム200のシステム構成例)
つぎに、実施の形態にかかる電力制御支援システム200のシステム構成について説明する。図2は、電力制御支援システム200のシステム構成例を示す説明図である。図2において、電力制御支援システム200は、電力制御支援装置101と、複数の制御対象装置201と、を含む。
【0034】
電力制御支援システム200において、電力制御支援装置101および制御対象装置201は、有線または無線のネットワーク210を介して通信可能に接続されている。ネットワーク210は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。
【0035】
ここで、電力制御支援装置101は、制御対象装置201に対するバッテリ202の充放電の制御を支援する。制御対象装置201は、電力を消費する電力消費源である。制御対象装置201は、電気を充放電するバッテリ202を有する。制御対象装置201は、例えば、オフィス、ビル、工場などの従業員が使用するノートPCである。
【0036】
商用電源203は、電力会社などの電力供給側から受電した電力を制御対象装置201や蓄電池102に供給する設備である。蓄電池102は、例えば、各制御対象装置201が有するバッテリ202を集約したものに相当する。ただし、蓄電池102は、複数の制御対象装置201に対して電気を充放電する蓄電装置であってもよい。
【0037】
また、電力制御支援装置101は、各制御対象装置201の消費電力を表す情報を収集する。具体的には、例えば、電力制御支援装置101は、定期的または不定期に予め設定された時間帯ごとの各制御対象装置201の消費電力を表す実績データを各制御対象装置201から取得する。また、電力制御支援装置101は、商用電源203からの電力を各制御対象装置201に供給する分電盤(不図示)から全制御対象装置201の消費電力を表す実績データを取得することにしてもよい。
【0038】
また、電力制御支援装置101は、各制御対象装置201が有するバッテリ202の情報を収集する。バッテリ202の情報とは、例えば、バッテリ202の蓄電残量、最大蓄電容量、単位時間当たりの最大放電量および単位時間当たりの最大充電量などである。具体的には、例えば、電力制御支援装置101は、定期的または不定期にバッテリ202の情報を制御対象装置201から取得する。
【0039】
(電力制御支援装置101のハードウェア構成例)
図3は、電力制御支援装置101のハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、電力制御支援装置101は、CPU(Central Processing Unit)301と、ROM(Read‐Only Memory)302と、RAM(Random Access Memory)303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、I/F(Interface)308と、ディスプレイ309と、キーボード310と、マウス311と、を有している。また、各構成部はバス300によってそれぞれ接続されている。
【0040】
ここで、CPU301は、電力制御支援装置101の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0041】
光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク307に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
【0042】
ディスプレイ309は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ309は、例えば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0043】
I/F308は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他の装置に接続される。そして、I/F308は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、他の装置からのデータの入出力を制御する。I/F308には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0044】
キーボード310は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力を行う。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス311は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などを行う。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
【0045】
なお、図2に示した制御対象装置201は、上述した電力制御支援装置101と同様のハードウェア構成により実現することができる。また、電力制御支援装置101は、上述した構成部のうち、例えば、光ディスクドライブ306、光ディスク307、ディスプレイ309、キーボード310、マウス311などを有しないことにしてもよい。
【0046】
(実績データテーブル400の記憶内容)
つぎに、図4を用いて、複数の異なる計測期間における各時間帯の電力消費源の消費電力を表す実績データを記憶する実績データテーブル400について説明する。実績データテーブル400は、例えば、図3に示したRAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置により実現される。
【0047】
図4は、実績データテーブル400の記憶内容の一例を示す説明図である。図4において、実績データテーブル400は、日付1〜日付6ごとの各時間帯における電力消費源の消費電力を表す実績データ400−1〜400−6を記憶している。電力消費源は、例えば、図2に示した複数の制御対象装置201である。また、消費電力の単位は、[Wh]である。
【0048】
ここで、日付1〜日付5は、電力消費源の消費電力が計測された複数の異なる計測期間である。日付6は、電力消費源に対する蓄電池102の充放電を制御する制御対象期間である。時刻は、1日のうちの1時間単位の時間帯を表している。例えば、時刻1は、1日のうちの1時の時間帯、すなわち、1時00分〜1時59分を表している。
【0049】
実績データ400−1を例に挙げると、電力消費源の日付1の時刻1の消費電力『0[Wh]』、時刻2の消費電力『0[Wh]』、時刻3の消費電力『8[Wh]』、時刻4の消費電力『8[Wh]』が示されている。また、時刻5の消費電力『8[Wh]』、時刻6の消費電力『16[Wh]』、時刻7の消費電力『14[Wh]』、時刻8の消費電力『0[Wh]』が示されている。
【0050】
(予測消費電力テーブル500の記憶内容)
つぎに、図5を用いて、複数の異なる計測期間の同一の時間帯における電力消費源の消費電力に基づく各時間帯の予測消費電力を記憶する予測消費電力テーブル500について説明する。予測消費電力テーブル500は、例えば、図3に示したRAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置により実現される。
【0051】
図5は、予測消費電力テーブル500の記憶内容の一例を示す説明図である。図5において、予測消費電力テーブル500は、1日のうちの3時から8時の各時間帯の予測消費電力情報500−1〜500−6を記憶している。具体的には、予測消費電力情報500−1〜500−6は、各時間帯における予測曲線ごとの電力消費源の予測消費電力を示している。
【0052】
ここで、予測曲線とは、電力消費源の実際の消費電力に基づく各時間帯における電力消費源の予測消費電力を表す曲線である。予測曲線は、例えば、図1に示したグラフ110,120である。なお、図中、L1,L2は、予測曲線を識別する識別子である。
【0053】
予測消費電力情報500−1を例に挙げると、時刻3の予測曲線L1の電力消費源の予測消費電力『9[Wh]』と、時刻3の予測曲線L2の電力消費源の予測消費電力『12[Wh]』とを示している。予測消費電力情報500−1〜500−6は、例えば、図4に示した実績データテーブル400を参照して作成することができる。
【0054】
(確率テーブル600の記憶内容)
つぎに、図6を用いて、制御対象期間の電力消費源の消費電力が予測消費電力となる予測曲線ごとの確率を記憶する確率テーブル600について説明する。確率テーブル600は、例えば、図3に示したRAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置により実現される。
【0055】
図6は、確率テーブル600の記憶内容の一例を示す説明図である。図6において、確率テーブル600は、予測曲線L1,L2ごとの確率情報600−1,600−2を記憶している。具体的には、確率情報600−1,600−2は、制御対象期間の電力消費源の消費電力が予測消費電力となる予測曲線L1,L2ごとの確率を示している。
【0056】
確率情報600−1,600−2は、例えば、図4に示した実績データテーブル400を参照して作成することができる。なお、図6の例では、予測曲線L1,L2ごとに確率が設定されることにしたが、例えば、各予測曲線L1,L2の時間帯ごとに確率が設定されていてもよい。
【0057】
(電力制御支援装置101の機能的構成例)
図7は、電力制御支援装置101の機能的構成を示すブロック図である。図7において、電力制御支援装置101は、取得部701と、分類部702と、第1の算出部703と、判定部704と、第2の算出部705と、第3の算出部706と、変更部707と、出力部708と、を含む構成である。取得部701〜出力部708は制御部となる機能であり、具体的には、例えば、図3に示したROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、I/F308により、その機能を実現する。また、各機能部の処理結果は、例えば、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置に記憶される。
【0058】
取得部701は、複数の異なる計測期間における時間帯ごとの電力消費源の消費電力を表す実績データを計測期間ごとに取得する機能を有する。ここで、計測期間とは、電力消費源の消費電力が計測された過去の期間である。期間とは、ある時点から他の時点に至るまでの間である。期間は、例えば、1時間、1日、1週間、1ヶ月、1年などである。
【0059】
時間帯とは、ある時刻と他の時刻との間の時間である。時間帯は、例えば、1日のうちのある時刻と他の時刻との間の一定の時間である。また、時間帯は、日をまたいで設定してもよい。例えば、時間帯は、1ヶ月のうちのある日から他の日までの時間であってもよく、また、1年のうちのある日から他の日までの時間であってもよい。
【0060】
具体的には、例えば、取得部701が、複数の異なる計測期間である日付1〜日付5における時間帯ごとの制御対象装置201の消費電力を収集することにより、図4に示した実績データ400−1〜400−5を取得することにしてもよい。また、取得部701が、図3に示したキーボード310やマウス311を用いたユーザの操作入力により、実績データ400−1〜400−5を取得することにしてもよい。
【0061】
また、取得部701は、制御対象期間における時間帯ごとの電力消費源の消費電力を表す実績データを取得する機能を有する。具体的には、例えば、取得部701が、制御対象期間となる当日当時までの制御対象装置201の消費電力を収集することにより、図4に示した実績データ400−6を取得することにしてもよい。
【0062】
また、取得部701が、キーボード310やマウス311を用いたユーザの操作入力により、実績データ400−6を取得することにしてもよい。取得された実績データ(例えば、実績データ400−1〜400−6)は、例えば、図4に示した実績データテーブル400に記憶される。
【0063】
また、取得部701は、蓄電池102の情報を取得する機能を有する。ここで、蓄電池102の情報とは、例えば、蓄電池102の蓄電残量、最大蓄電容量、単位時間当たりの最大放電量および単位時間当たりの最大充電量などである。
【0064】
具体的には、例えば、取得部701が、ユーザの操作入力により、蓄電池102の最大蓄電容量、単位時間当たりの最大放電量および単位時間当たりの最大充電量を表す情報を取得することにしてもよい。また、取得部701が、例えば、各制御対象装置201のバッテリ202の蓄電残量を各制御対象装置201から収集して足し合わせることにより、各制御対象装置201のバッテリ202を集約した蓄電池102の蓄電残量を取得することにしてもよい。なお、蓄電池102が複数の制御対象装置201に電気を充放電する装置の場合、取得部701が、蓄電池102から蓄電残量を取得してもよい。
【0065】
分類部702は、取得された計測期間ごとの実績データを分類する機能を有する。具体的には、例えば、分類部702が、計測期間における複数の時間帯のうちの電力消費源の消費電力が最大となる時間帯に基づいて、取得された計測期間ごとの実績データをn個の集合に分類する。
【0066】
ここで、nは、2以上の自然数である。nは、例えば、予め設定されてROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置に記憶されている。なお、分類部702の分類処理の具体例については、図8を用いて後述する。
【0067】
以下の説明では、電力消費源の消費電力が最大となる時間帯を「ピーク時間帯」と表記する場合がある。また、分類された実績データのn個の集合を「クラスタC1〜Cn」と表記する場合がある。また、クラスタC1〜Cnのうちの任意のクラスタを「クラスタCi」と表記する場合がある(n=1,2,…,n)。また、計測期間における複数の時間帯のうちの任意の時間帯を「時間帯t」と表記する場合がある。
【0068】
第1の算出部703は、分類されたクラスタCiごとに、クラスタCiに含まれる実績データの各時間帯tにおける電力消費源の消費電力に基づいて、各時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力を算出する機能を有する。具体的には、例えば、第1の算出部703が、クラスタCiに含まれる実績データの時間帯tにおける電力消費源の消費電力の平均値を求めることにより、クラスタCiの時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力を算出することにしてもよい。
【0069】
算出されたクラスタCiの各時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力は、例えば、図5に示した予測消費電力テーブル500に記憶される。具体的には、例えば、クラスタCiの時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力は、クラスタCiに対応する予測曲線Liが表す時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力として記憶される。
【0070】
以下の説明では、クラスタCiに対応する予測曲線Liが表す時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力を「予測消費電力Li(t)」と表記する場合がある。
【0071】
また、第1の算出部703は、計測期間ごとの実績データの数に対するクラスタCiに含まれる実績データの数に基づいて、制御対象期間の電力消費源の消費電力が予測消費電力となるクラスタCiごとの予測消費電力の確度を算出する機能を有する。ここで、クラスタCiの予測消費電力の確度は、制御対象期間の電力消費源の消費電力が該予測消費電力となる確からしさを表す度合いである。
【0072】
クラスタCiの予測消費電力の確度は、例えば、制御対象期間の電力消費源の消費電力が、クラスタCiに対応する予測曲線Liにしたがって推移する確率Piである。具体的には、例えば、第1の算出部703が、計測期間ごとの実績データの総数に対するクラスタCiに含まれる実績データの数の割合を確率Piとして算出することにしてもよい。
【0073】
算出されたクラスタCiに対応する予測曲線Liの確率Piは、例えば、図6に示した確率テーブル600に記憶される。なお、クラスタCiの時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力Li(t)および確率Piを算出する第1の算出部703の算出処理の具体例については、図8を用いて後述する。
【0074】
判定部704は、計測期間ごとの時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力のうちのいずれかの予測消費電力が、商用電源203(図2参照)から供給する時間帯tにおける最大電力の目標値dより大きいか否かを判定する機能を有する。
【0075】
ここで、計測期間ごとの時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力は、計測期間の時間帯tにおける電力消費源の消費電力に基づく計測期間ごとの予測消費電力である。具体的には、例えば、計測期間ごとの時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力は、クラスタCiに対応する予測曲線Liの時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力Li(t)である。
【0076】
また、目標値dは、例えば、商用電源203からの電力の供給量が目標値dを上回ると蓄電池102から放電するべきと判断する指標となる値である。目標値dの初期値は、例えば、予め設定されてROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置に記憶されている。
【0077】
具体的には、例えば、判定部704が、予測消費電力テーブル500を参照して、クラスタCiに対応する予測曲線Liの時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力Li(t)が目標値dより大きいか否かを判定することにしてもよい。なお、判定部704の判定処理の具体例については、図9を用いて後述する。
【0078】
第2の算出部705は、計測期間ごとの時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力のうちのいずれかの予測消費電力が目標値dより大きい場合、蓄電池102の制御対象期間の時間帯tにおける電力消費源への放電量を算出する機能を有する。以下の説明では、蓄電池102の制御対象期間の時間帯tにおける電力消費源への放電量を「放電量Bout(t)」と表記する場合がある。
【0079】
具体的には、例えば、第2の算出部705が、予測消費電力Li(t)と目標値dとの差分と、時間帯tにおける電力消費源の消費電力が予測消費電力Li(t)となる確率Piとに基づいて、電力消費源への放電量Bout(t)を算出する。この予測消費電力Li(t)は、時間帯tにおける予測消費電力L1(t)〜Ln(t)のうちの目標値dより大きいいずれかの予測消費電力である。確率Piは、例えば、確率テーブル600から特定することができる。
【0080】
また、第2の算出部705は、計測期間ごとの時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力が目標値d以下の場合、蓄電池102の制御対象期間の時間帯tにおける電力消費源からの充電量を算出する機能を有する。以下の説明では、蓄電池102の制御対象期間の時間帯tにおける電力消費源からの充電量を「充電量Bin(t)」と表記する場合がある。
【0081】
具体的には、例えば、第2の算出部705が、予測消費電力Li(t)と目標値dとの差分に基づいて、電力消費源からの充電量Bin(t)を算出する。この予測消費電力Li(t)は、時間帯tにおける予測消費電力L1(t)〜Ln(t)のうちのいずれかの予測消費電力である。
【0082】
算出された時間帯tにおける放電量Bout(t)または充電量Bin(t)は、例えば、後述する図9に示す制御計画テーブル900に記憶される。なお、放電量Bout(t)および充電量Bin(t)を算出する第2の算出部705の算出処理の具体例については、図9を用いて後述する。
【0083】
第3の算出部706は、制御対象期間の時間帯tにおける蓄電池102の蓄電残量と、第2の算出部705によって算出された算出結果とに基づいて、時間帯tにおける蓄電池102の蓄電量R(t)を算出する機能を有する。以下の説明では、時間帯tにおける蓄電池102の蓄電量を「蓄電量R(t)」と表記する場合がある。
【0084】
具体的には、例えば、第3の算出部706が、制御対象期間の時間帯tにおける蓄電池102の蓄電残量と、蓄電池102の放電量Bout(t)とを足し合わせることにより、蓄電池102の蓄電量R(t)を算出する。また、第3の算出部706が、制御対象期間の時間帯tにおける蓄電池102の蓄電残量と、蓄電池102の充電量Bin(t)とを足し合わせることにより、蓄電池102の蓄電量R(t)を算出する。
【0085】
変更部707は、算出された蓄電池102の蓄電量R(t)が、蓄電池102の蓄電残量の下限量を表す閾値Rl未満の場合、目標値dの値を、該値より大きい値に変更する機能を有する。ここで、閾値Rlは、蓄電池102の蓄電残量が閾値Rlを下回ると、蓄電池102から放電しないほうが好ましい、あるいは、放電できなくなる値に設定される。閾値Rlは、例えば、予め設定されてROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置に記憶されている。
【0086】
具体的には、例えば、変更部707が、蓄電池102の蓄電量R(t)が閾値Rl未満の場合、目標値dの値に定数αを乗算することにより、目標値dを変更することにしてもよい。ここで、定数αは、1より大きい値であり、例えば、「α=1.1」である。これにより、商用電源203から供給する時間帯tにおける最大電力の目標値dを引き上げることができる。
【0087】
また、変更部707は、計測期間に含まれる複数の時間帯の各々の時間帯における蓄電池102の蓄電量のうちの最小の蓄電量が閾値Rhより大きい場合、目標値dの値を、該値より小さい値に変更する機能を有する。ここで、閾値Rhは、閾値Rlより許容値Rdだけ大きい値であり、蓄電池102の蓄電残量が閾値Rhを上回ると、蓄電池102から放電したほうが好ましい値に設定される。すなわち、閾値Rhは「Rh=Rl+Rd」である。許容値Rdは、例えば、予め設定されてROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置に記憶されている。
【0088】
具体的には、例えば、変更部707が、蓄電池102の最小の蓄電量が閾値Rhより大きい場合、目標値dの値に定数βを乗算することにより、目標値dを変更することにしてもよい。ここで、定数βは、1より小さい値であり、例えば、「β=0.9」である。これにより、商用電源203から供給する時間帯tにおける最大電力の目標値dを引き下げることができる。なお、変更部707の変更処理の具体例については、図11を用いて後述する。
【0089】
また、変更部707によって目標値dが変更された場合、判定部704は、時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力Li(t)が、変更された変更後の目標値dより大きいか否かを判定することにしてもよい。これにより、変更後の目標値dを用いて、時間帯tにおける蓄電池102の蓄電量R(t)を求めることができる。
【0090】
出力部708は、第2の算出部705によって算出された算出結果を出力する機能を有する。算出された時間帯tにおける放電量Bout(t)または充電量Bin(t)は、時間帯tにおける電力消費源に対する蓄電池102の充放電の制御を支援する制御計画となる。具体的には、例えば、出力部708が、後述の図14に示す制御計画表1400を出力することにしてもよい。
【0091】
出力部708の出力形式としては、例えば、ディスプレイ309への表示、プリンタ(不図示)への印刷出力、I/F308による外部のコンピュータへの送信がある。また、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶領域に記憶することとしてもよい。
【0092】
また、上述した説明では、時間帯tにおける電力消費源の実際の消費電力に基づいて、時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力を算出する場合について説明したが、これに限らない。例えば、電力制御支援装置101は、複数の異なる計測期間の各時間帯における電力消費源の消費電力に基づく計測期間ごとの予測消費電力を取得することにしてもよい。
【0093】
また、上述した説明では、時間帯tにおける電力消費源の実際の消費電力に基づいて、時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力Li(t)および確率Piを算出する場合について説明したが、これに限らない。例えば、電力制御支援装置101は、予測曲線Liごとの時間帯tの予測消費電力Li(t)および確率Piを取得することにしてもよい。
【0094】
具体的には、例えば、取得部701が、ユーザの操作入力により、または、外部のコンピュータから、予測消費電力情報500−1〜500−6(図5参照)および確率情報600−1,600−2(図6参照)を取得することにしてもよい。この場合、電力制御支援装置101は、例えば、上述した機能部のうちの分類部702および第1の算出部703を有さないことにしてもよい。
【0095】
(予測消費電力Li(t)および確率Piの算出処理)
つぎに、図4に示した実績データ400−1〜400−5に基づいて、時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力Li(t)および確率Piを算出する算出処理の具体例について説明する。まず、図8を用いて、実績データ400−1〜400−5を2個(n=2)のクラスタC1,C2に分類する分類部702の分類処理の具体例について説明する。
【0096】
以下の説明では、複数の異なる計測期間を「日付1〜日付m」と表記し、日付1〜日付mのうちの任意の日付を「日付j」と表記する場合がある(j=1,2,…,m)。また、日付jの任意の時間帯を「時間帯t(j)」と表記し、日付jに含まれる複数の時間帯のうちの電力消費源の消費電力が最大となる時間帯を「ピーク時間帯tp(j)」と表記する場合がある。
【0097】
図8は、実績データの分類例を示す説明図である。図8において、日付1〜日付5ごとの時刻1〜時刻8の各時間帯における電力消費源の実際の消費電力を示す実績データ400−1〜400−5が示されている。
【0098】
まず、分類部702は、実績データ400−1〜400−5を参照して、日付jごとに、時刻1〜時刻8の複数の時間帯のうちの電力消費源の消費電力が最大となるピーク時間帯tp(j)を特定する。ここでは、日付1のピーク時間帯tp(1)は、時刻6の時間帯である。日付2のピーク時間帯tp(2)は、時刻7の時間帯である。日付3のピーク時間帯tp(3)は、時刻3の時間帯である。日付4のピーク時間帯tp(4)は、時刻4の時間帯である。日付5のピーク時間帯tp(5)は、時刻3の時間帯である。
【0099】
つぎに、分類部702は、各日付jのピーク時間帯tp(j)に基づいて、実績データ400−1〜400−5をクラスタC1,C2に分類する。具体的には、例えば、分類部702が、電力消費源の消費電力が最大となる時間帯が同一の実績データ同士で分類する。この結果、実績データ400−1〜400−5が2個のクラスタC1,C2に分類された場合、分類部702の分類処理を終了する。
【0100】
一方、2個のクラスタC1,C2に分類されなかった場合、分類部702が、電力消費源の消費電力が最大となる時間帯の差が所定値Q以内となる実績データ同士で分類する。所定値Qの初期値は、例えば、「Q=1」である。この結果、実績データ400−1〜400−5が2個のクラスタC1,C2に分類された場合、分類部702の分類処理を終了する。
【0101】
一方、2個のクラスタC1,C2に分類されなかった場合、分類部702が、所定値Qをインクリメントして、電力消費源の消費電力が最大となる時間帯の差が所定値Q以内となる実績データ同士で分類する。分類部702は、例えば、実績データ400−1〜400−5が2個のクラスタC1,C2に分類されるまで、上述した処理を繰り返す。
【0102】
図8の例では、電力消費源の消費電力が最大となる時間帯の差が所定値Q(Q=1)以内となる実績データ同士で分類された結果、実績データ400−1〜400−5が2個のクラスタC1,C2に分類されている。具体的には、クラスタC1には、実績データ400−1,400−2が含まれている。クラスタC2には、実績データ400−3〜400−5が含まれている。
【0103】
これにより、電力消費源の消費電力が最大となるピーク時間帯tp(j)を重視したクラスタリングを行うことができる。なお、実績データを分類する個数nは、例えば、ユーザが、日付jごとの実績データを確認して、ピーク時間帯tp(j)の傾向を判断して設定することにしてもよい。実績データ400−1〜400−5の例では、ピーク時間帯tp(j)が、時刻3および時刻6の時間帯付近にかたまるため、ユーザが個数nを「n=2」と設定する。
【0104】
つぎに、クラスタCiの各時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力Li(t)を算出する第1の算出部703の算出処理の具体例について説明する。
【0105】
まず、第1の算出部703は、クラスタCiに含まれる日付jの実測データと、制御対象期間の実測データとの類似度S(j)を算出する。制御対象期間の実測データは、当日当時までの電力消費源の実際の消費電力を表すものであり、例えば、図4に示した実測データ400−6である。
【0106】
具体的には、例えば、第1の算出部703が、類似度S(j)として、クラスタCiに含まれる日付jの実測データと、制御対象期間の実測データとのユークリッド距離K(j)を算出することにしてもよい。この場合、ユークリッド距離K(j)の値が小さいほど、制御対象期間の実測データとの類似度合いが高いことになる。
【0107】
ここで、実際の消費電力が計測されている制御対象期間の各時間帯を軸とし、各時間帯の消費電力を各軸の座標値とする。例えば、クラスタC1に含まれる日付1の実測データ400−1と、制御対象期間の実測データ400−6とのユークリッド距離K(1)は『{(0−0)2+(0−0)21/2=0』となる。例えば、クラスタC2に含まれる日付5の実測データ400−5と、制御対象期間の実測データ400−6とのユークリッド距離K(5)は『{(0−2)2+(0−2)21/2≒2.8』となる。
【0108】
つぎに、第1の算出部703は、クラスタCiに含まれる実績データの中から、制御対象期間の実測データとの類似度S(j)が閾値以上の実績データを選択する。具体的には、例えば、第1の算出部703が、ユークリッド距離K(j)が閾値V未満の実績データを選択する。また、第1の算出部703が、クラスタCiに含まれる実績データのうちのユークリッド距離が低いほうからW個の実績データを選択することにしてもよい。
【0109】
ここで、閾値Vを「V=1」とする。この場合、第1の算出部703は、クラスタC1に含まれる実績データ400−1,400−2の中から、ユークリッド距離K(j)が閾値V未満の実績データ400−1,400−2を選択する(K(1)=K(2)=0)。また、第1の算出部703は、クラスタC2に含まれる実績データ400−3〜400−5の中から、ユークリッド距離K(j)が閾値V未満の実績データ400−3,400−4を選択する(K(3)=K(4)=0、K(5)≒2.8)。
【0110】
これにより、クラスタCiに含まれる実績データの中から、制御対象期間の実測データとの類似度合いが低い実績データを除外することができる。なお、閾値Vおよび個数Wは、例えば、予め設定されてROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置に記憶されている。
【0111】
つぎに、第1の算出部703は、クラスタCiごとに、選択した実績データに基づいて、クラスタCiの時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力Li(t)を算出する。具体的には、例えば、第1の算出部703が、クラスタCiの選択した実績データの時間帯tにおける電力消費源の消費電力の平均を求めることにより、電力消費源の予測消費電力Li(t)を算出することにしてもよい。
【0112】
クラスタC1の時刻3の時間帯を例に挙げると、第1の算出部703が、実績データ400−1,400−2の時刻3の時間帯における電力消費源の消費電力の平均を求めることにより、電力消費源の予測消費電力『L1(3)=9』を算出する。
【0113】
また、クラスタC2の時刻3の時間帯を例に挙げると、第1の算出部703が、実績データ400−3,400−4の時刻3の時間帯における電力消費源の消費電力の平均を求めることにより、電力消費源の予測消費電力『L2(3)=12』を算出する。算出された予測消費電力Li(t)は、例えば、予測消費電力テーブル500に記憶される。
【0114】
つぎに、第1の算出部703は、クラスタCiごとに、制御対象期間の電力消費源の消費電力が予測消費電力Li(t)となる確率Piを算出する。具体的には、例えば、第1の算出部703が、クラスタC1〜Cnの中から選択された実績データの総数に対する、クラスタCiの中から選択された実績データの数の割合を確率Piとして算出する。
【0115】
ここで、クラスタC1,C2の中から選択された実績データは、実績データ400−1〜400−4であり、総数は「4」である。また、クラスタC1の中から選択された実績データの数は「2」である。クラスタC2の中から選択された実績データの数は「2」である。
【0116】
このため、第1の算出部703が、クラスタC1,C2の中から選択された実績データの総数「4」に対する、クラスタC1の中から選択された実績データの数「2」の割合を確率P1として算出する。ここでは、確率P1は『P1=0.5』となる。
【0117】
また、第1の算出部703が、クラスタC1,C2の中から選択された実績データの総数「4」に対する、クラスタC2の中から選択された実績データの数「2」の割合を確率P2として算出する。ここでは、確率P2は『P2=0.5』となる。算出された確率Piは、例えば、確率テーブル600に記憶される。
【0118】
このように、第1の算出部703は、クラスタCiに含まれる実績データに基づいて、制御対象期間の時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力Li(t)を算出することができる。また、第1の算出部703は、日付1〜日付mの実績データの総数に対するクラスタCiに含まれる実績データの数に基づいて、クラスタCiに対応する予測曲線Liの確率Piを算出することができる。
【0119】
また、電力制御支援装置101は、日付1〜日付mの実績データをピーク時間帯tp(1)〜tp(m)に基づいてクラスタC1〜Cnに分類することにより、例えば、判定部704、第2の算出部705の処理にかかる計算量を削減することができる。また、電力制御支援装置101は、クラスタC1〜Cnに分類することにより、計測期間ごとの時間帯tにおける電力消費源の消費電力のノイズを低減させることができる。
【0120】
(放電量Bout(t)および充電量Bin(t)の算出処理)
つぎに、図5に示した予測消費電力情報500−1〜500−6および図6に示した確率情報600−1,600−2に基づいて、時間帯tにおける蓄電池102の放電量Bout(t)および充電量Bin(t)を算出する算出処理の具体例について説明する。
【0121】
図9は、制御計画テーブル900の記憶内容の変遷例を示す説明図である。図9において、制御計画テーブル900は、時刻、予測曲線L1、予測曲線L2、目標値d、充電量Binおよび放電量Boutのフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、時刻3から時刻8の各時間帯の制御計画情報900−1〜900−6がレコードとして記憶される。
【0122】
ここで、予測曲線L1は、クラスタC1に対応する予測曲線である。予測曲線L2は、クラスタC2に対応する予測曲線である。目標値dは、商用電源203から供給する各時間帯における最大電力の目標値である。充電量Binは、各時間帯における蓄電池102の充電量である。放電量Boutは、各時間帯における蓄電池102の放電量である。
【0123】
なお、以下の説明では、蓄電池102の単位時間当たりの最大充電量Dinを「Din=3[Wh]」とし、蓄電池102の単位時間当たりの最大放電量Doutを「Dout=3[Wh]」とする。
【0124】
図9の(9−1)において、予測消費電力情報500−1〜500−6に基づく各予測曲線L1,L2の時刻3から時刻8の各時間帯における電力消費源の予測消費電力が設定されている。また、商用電源203から供給する各時間帯における最大電力の目標値d「d=11[wh]」が設定されている。
【0125】
判定部704は、予測曲線L1,L2の各時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力L1(t),L2(t)のうちのいずれかの予測消費電力が、目標値dより大きいか否かを判定する。例えば、時刻3の時間帯における電力消費源の予測消費電力L2(3)が目標値dより大きいと判定される。
【0126】
この場合、第2の算出部705は、例えば、下記式(1)を用いて、時刻3の時間帯における蓄電池102の放電量Bout(3)を算出することができる。ただし、Bout(t)は、時間帯tにおける蓄電池102の放電量である。Li(t)は、予測曲線Liの時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力である。dは、商用電源203から供給する時間帯tにおける最大電力の目標値である。Piは、電力消費源の消費電力が予測曲線Liにしたがって推移する確率、すなわち、時間帯tにおける電力消費源の消費電力が予測消費電力Li(t)となる確率である。
【0127】
Bout(t)={Li(t)−d}×Pi ・・・(1)
【0128】
具体的には、例えば、まず、第2の算出部705が、予測消費電力L2(3)と目標値dとの差分を算出する。ここでの差分は、『L2(3)−d=12−11=1』となる。そして、第2の算出部705は、確率テーブル600を参照して、算出した差分に、予測曲線L2の確率P2を乗算することにより、時刻3の時間帯における蓄電池102の放電量Bout(3)を算出する。放電量Bout(3)は、『Bout(3)=1×0.5=0.5』となる。
【0129】
また、時刻4、時刻6および時刻7の各時間帯における電力消費源の予測消費電力L2(4),L1(6),L1(7)が目標値dより大きいため、同様に、時刻4、時刻6および時刻7の各時間帯における蓄電池102の放電量Bout(4),Bout(6),Bout(7)が算出される。
【0130】
この結果、図9の(9−2)において、時刻3、時刻4、時刻6および時刻7の各時間帯における蓄電池102の放電量Bout(3),Bout(4),Bout(6),Bout(7)が設定されている。なお、放電量Bout(t)が蓄電池102の単位時間当たりの最大放電量Doutを超えている場合、放電量Bout(t)は『Bout(t)=Dout』となる。
【0131】
また、第2の算出部705は、予測消費電力L1(t),L2(t)のいずれも目標値d以下の場合、蓄電池102の充電量Bin(t)を算出する。例えば、時刻5の時間帯における電力消費源の予測消費電力L1(5),L2(5)のいずれも目標値d以下と判定される。
【0132】
この場合、第2の算出部705は、例えば、各予測消費電力L1(5),L2(5)と目標値dとの差分のうちの最小の差分を、時刻5の時間帯における蓄電池102の充電量Bin(5)として算出することにしてもよい。ここで、予測消費電力L1(5)と目標値dとの差分は『2』である。また、予測消費電力L2(5)と目標値dとの差分は『3』である。このため、充電量Bin(5)は、『充電量Bin(5)=2』となる。
【0133】
また、時刻8の時間帯における電力消費源の予測消費電力L1(8),L2(8)のいずれも目標値d以下のため、同様に、時刻8の各時間帯における蓄電池102の充電量Bin(8)が算出される。この結果、図9の(9−3)において、時刻5および時刻8の各時間帯における蓄電池102の充電量Bin(5),Bin(8)が設定されている。
【0134】
なお、充電量Bin(t)が蓄電池102の単位時間当たりの最大充電量Dinを超えている場合、充電量Bin(t)は『Bin(t)=Din』となる。ここでは、充電量Bin(8)は『Bin(8)=11』であり、蓄電池102の単位時間当たりの最大充電量Dinを超えているため、充電量Bin(8)は『Bin(8)=Din=3[Wh]』となる。
【0135】
また、図9の例では、時間帯tにおける目標値dより大きい予測消費電力が一つの場合について説明したが、目標値dより大きい予測消費電力が複数存在する場合がある。
【0136】
<目標値dより大きい予測消費電力が複数存在する場合>
ここで、時間帯tにおける目標値dより大きい予測消費電力が複数存在する場合の蓄電池102の放電量Bout(t)を算出する算出処理について説明する。ここでは、一例として、時間帯tにおける予測消費電力L1(t)および予測消費電力L2(t)が目標値dより大きい場合を例に挙げて説明する。
【0137】
この場合、第2の算出部705は、例えば、下記式(2)を用いて、目標値dより大きい予測消費電力L1(t)および予測消費電力L2(t)の各々についての蓄電池102の放電量X1(t)および放電量X2(t)を算出することができる。ただし、Xi(t)は、目標値dより大きい各々の予測消費電力Li(t)についての時間帯tにおける蓄電池102の放電量である。
【0138】
Xi(t)={Li(t)−d}×Pi ・・・(2)
【0139】
そして、第2の算出部705は、算出した放電量X1(t)および放電量X2(t)を足し合わせることにより、時間帯tにおける蓄電池102の放電量Bout(t)を算出することにしてもよい。これにより、時間帯tにおける目標値dより大きい複数の予測消費電力を考慮して、時間帯tにおける蓄電池102の放電量Bout(t)を算出することができる。
【0140】
一方、目標値dより大きい予測消費電力Li(t)が複数存在する時間帯tが、各予測曲線Liのピーク時間帯tp(i)ではない場合、時間帯tに蓄電池102の放電量Bout(t)が集中してしまう場合がある。
【0141】
図10は、蓄電池102の放電量Bout(t)の集中例を示す説明図である。図10において、予測曲線Laは、クラスタCaの各時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力を表す曲線である。予測曲線Lbは、クラスタCbの各時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力を表す曲線である。
【0142】
ここで、予測曲線Laのピーク時間帯tp(a)は、時刻2の時間帯である。また、予測曲線Lbのピーク時間帯tp(b)は、時刻4の時間帯である。また、時刻3の時間帯における予測曲線Laの予測消費電力La(t)および予測曲線Lbの予測消費電力Lb(t)が目標値dよりも大きくなっている。
【0143】
すなわち、目標値dより大きい予測消費電力が複数存在する時刻3の時間帯は、各予測曲線La,Lbのピーク時間帯ではない。この場合、上記式(2)を用いて蓄電池102の放電量Bout(3)を求めると、グラフ1010に示すように、時刻3の時間帯に蓄電池102の放電量Bout(3)がピーク時間帯と同様に多くなってしまう。
【0144】
そこで、第2の算出部705は、時間帯tにおける目標値dより大きい複数の予測消費電力のうちの最大の予測消費電力Li(t)を用いて、時間帯tにおける蓄電池102の放電量Bout(t)を算出することにしてもよい。具体的には、例えば、第2の算出部705が、最大の予測消費電力Li(t)、目標値dおよび確率Piを上記式(1)に代入することにより、時間帯tにおける蓄電池102の放電量Bout(t)を算出する。
【0145】
これにより、グラフ1020に示すように、目標値dより大きい予測消費電力が複数存在する時刻3の時間帯における放電量Bout(3)を抑えることができる。この結果、例えば、ピーク時間帯ではない時間帯での蓄電池102の放電量を削減して、ピーク時間帯での蓄電池102の放電量を多く確保することができる。
【0146】
また、各予測曲線Liにおいて、制御対象期間のピーク時間帯tp(i)付近で電力消費源の実際の消費電力が目標値dを一定量F下回っている場合、一定時間Tの猶予後、ピーク時間帯tp(i)における確率Piを「0」または低くすることにしてもよい。これにより、予測曲線Liのピーク時間帯tp(i)における蓄電池102の放電量を抑えることができ、蓄電池102の蓄電量を他の予測曲線のピーク時間帯に回して放電効果を高めることができる。
【0147】
なお、ピーク時間帯tp(i)付近とは、ピーク時間帯tp(i)以前の所定期間である。例えば、ピーク時間帯tp(i)が時刻5の時間帯の場合、時刻3および時刻4の時間帯をピーク時間帯tp(i)付近としてもよい。また、一定量Fおよび一定時間Tは、任意に設定可能である。
【0148】
(目標値dの変更処理)
つぎに、図11を用いて、商用電源203から供給する時間帯tにおける最大電力の目標値dを変更する変更部707の変更処理の具体例について説明する。なお、変更前の目標値dは「d=11」である。また、蓄電池102の最大蓄電容量Ruを「Ru=6」とする。
【0149】
図11は、蓄電量テーブルの記憶内容の変遷例を示す説明図である。図11において、蓄電量テーブル1100は、時刻、制御値Bおよび蓄電量Rのフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、各時間帯tにおける蓄電池102の蓄電量情報がレコードとして記憶される。
【0150】
ここで、制御値Bは、各時間帯tにおける蓄電池102の充電量または放電量を表している。具体的には、制御値B(t)は「B(t)=Bin(t)−Bout(t)」である。蓄電量Rは、各時間帯tの開始時点、すなわち、時間帯(t−1)の終了時点における蓄電池102の蓄電量R(t)を表している。
【0151】
図11の(11−1)において、時刻3から時刻8の各時間帯の制御値B(3)〜B(8)が設定されている。制御値B(3)〜B(8)は、図9に示した制御計画テーブル900の時刻3から時刻8の各時間帯の充電量Binおよび放電量Boutに対応している。また、3時の時間帯の開始時点、すなわち、2時の時間帯の終了時点における蓄電池102の蓄電量R(2)が設定されている。
【0152】
第3の算出部706は、時間帯(t−1)における蓄電池102の蓄電量R(t−1)と、蓄電池102の制御値B(t−1)とを足し合わせることにより、時間帯tにおける蓄電池102の蓄電量R(t)を算出する。
【0153】
例えば、第3の算出部706が、時刻3の時間帯における蓄電池102の蓄電量R(3)と、蓄電池102の制御値B(3)とを足し合わせることにより、時刻4の時間帯における蓄電池102の蓄電量R(4)を算出する。ここでは、蓄電量R(4)は『R(4)=R(3)+B(3)=5.5』となる。
【0154】
図11の(11−2)において、時刻4から時刻9の各時間帯における蓄電池102の蓄電量R(4)〜R(9)が設定されている。ここで、時刻9は、制御終了時点である。また、蓄電量R(t)が蓄電池102の最大蓄電容量Ruを超えている場合、蓄電量R(t)は『R(t)=Ru』となる。例えば、時刻6の時間帯における蓄電池102の蓄電量R(6)は、『R(6)=R(5)+B(5)=7』となるが、最大蓄電容量Ruを超えているため、蓄電量R(6)は『R(6)=Ru=6』となる。
【0155】
変更部707は、算出された蓄電池102の蓄電量R(4)〜R(9)のうち、蓄電池102の蓄電残量の下限量を表す閾値Rl未満の蓄電量R(t)があるか否かを判断する。ここでは、閾値Rlを「Rl=0」とする。この場合、変更部707は、蓄電池102の蓄電量R(4)〜R(9)のうち閾値Rl未満の蓄電量R(t)がないと判断する。
【0156】
また、変更部707は、算出された蓄電池102の蓄電量R(4)〜R(9)のうちの最小の蓄電量Rminが閾値Rhより大きいか否かを判断する。ここでは、許容値Rdを「Rd=1」とし、閾値Rhを「Rh=Rl+Rd=1」とする。また、蓄電量R(4)〜R(9)のうちの最小の蓄電量Rminは「Rmin=R(8)=2」である。
【0157】
このため、変更部707は、蓄電量Rminが閾値Rhより大きいと判断する。この場合、蓄電池102の蓄電量Rminに余裕があるため、変更部707は、目標値dの値を、該値より小さい値に変更する。具体的には、例えば、変更部707が、目標値dの値「11」を値「10」に変更する。
【0158】
このように、蓄電池102の蓄電量Rminに余裕がある場合は、商用電源203から供給する最大電力の目標値dを引き下げることができる。これにより、時間帯tにおける蓄電池102の放電量R(t)を増やして、商用電源203からの電力供給量を抑制するとともに、蓄電池102に蓄電されている電気を効率的に使用することができるようになる。
【0159】
また、蓄電池102の蓄電量Rminに余裕がない場合は、商用電源203から供給する最大電力の目標値dを引き上げることができる。これにより、時間帯tにおける蓄電池102の放電量R(t)を減らして、蓄電池102に蓄電されている電気が枯渇してしまうことを防ぐことができるようになる。
【0160】
ここで、目標値dを「d=11」から「d=10」に変更した場合の制御計画テーブル900および蓄電量テーブル1100の記憶内容について説明する。
【0161】
図12は、目標値を変更した場合の制御計画テーブル900の記憶内容の一例を示す説明図である。また、図13は、目標値を変更した場合の蓄電量テーブル1100の記憶内容の一例を示す説明図である。
【0162】
図12に示すように、目標値dが「11」から「10」に変更された結果、時刻3,時刻4,時刻6,時刻7の各時間帯における蓄電池102の放電量Bout(3),Bout(4),Bout(6),Bout(7)が、図9に示した例に比べて増えている。また、時刻5の時間帯における蓄電池102の充電量Bin(5)が、図9に示した例に比べて減っている。
【0163】
この結果、図13に示すように、蓄電池102の蓄電量R(4)〜R(9)のうちの最小の蓄電量Rminが閾値Rhより小さくなっている。具体的には、蓄電量R(4)〜R(9)のうちの最小の蓄電量R(8)は「R(8)=0」であり、蓄電量R(8)が閾値Rhより小さくなっている(Rh=1)。
【0164】
(制御計画表の具体例)
つぎに、図12に示した制御計画テーブル900の記憶内容に基づく制御計画表の具体例について説明する。図14は、制御計画表の具体例を示す説明図である。図14において、制御計画表1400には、時刻3から時刻8の各時間帯における制御値が示されている。
【0165】
ここで、制御値は、各時間帯における蓄電池102の充電量または放電量を表している。ここでは、制御値B(t)は「B(t)=Bin(t)−Bout(t)」である。すなわち、制御値がプラスの場合、蓄電池102の充電量を表しており、制御値がマイナスの場合、蓄電池102の放電量を表している。
【0166】
制御計画表1400によれば、電力消費源に対する蓄電池102の充放電の制御を支援することができる。具体的には、制御計画表1400に基づいて時刻3〜時刻8の各時間帯の蓄電池102の充放電を制御することにより、消費電力の予測が外れた場合のリスクを低減しつつ、電力負荷のピークを抑制することができる。
【0167】
(蓄電池102の充放電の制御結果)
つぎに、図14に示した制御計画表1400に基づいて、電力消費源に対する蓄電池102の充放電を制御した場合の制御結果の一例について説明する。
【0168】
図15は、蓄電池102の充放電の制御結果の一例を示す説明図である。図15において、予測曲線L1は、時刻3から時刻8の各時間帯における電力消費源の予測消費電力L1(3)〜L1(8)を表す曲線である。予測曲線L2は、時刻3から時刻8の各時間帯における電力消費源の予測消費電力L2(3)〜L2(8)を表す曲線である。
【0169】
グラフ1510は、蓄電池102の充放電を制御しなかった場合の時刻3から時刻8の各時間帯における電力消費源の負荷電力を表している。負荷電力とは、電力消費源の実際の消費電力、または、電力消費源に供給された電力を表している。グラフ1520は、制御計画表1400に基づいて、電力消費源に対する蓄電池102の充放電を制御した場合の制御実績を表している。
【0170】
グラフ1510のピーク時間帯は3時の時間帯である。また、グラフ1510の3時の時間帯の負荷電力、すなわち、ピークの消費電力は10[Wh]である。一方、グラフ1520のピーク時間帯は3時および5時の時間帯である。また、グラフ1520の3時および5時の時間帯の制御実績、すなわち、ピークの消費電力は9[Wh]である。
【0171】
このように、制御計画表1400に基づいて、電力消費源に対する蓄電池102の充放電を制御することにより、蓄電池102の充放電を制御しない場合に比べて、電力消費源のピークの消費電力を1[Wh]抑えることができる。
【0172】
(電力制御支援装置101の電力制御支援処理手順)
つぎに、電力制御支援装置101の電力制御支援処理手順について説明する。図16は、電力制御支援装置101の電力制御支援処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0173】
図16のフローチャートにおいて、まず、電力制御支援装置101は、電力消費源の消費電力を表す実績データを取得したか否かを判断する(ステップS1601)。この実績データは、複数の異なる計測期間の実績データおよび制御対象期間の実績データである。
【0174】
ここで、電力制御支援装置101は、実績データを取得するのを待つ(ステップS1601:No)。そして、電力制御支援装置101は、実績データを取得した場合(ステップS1601:Yes)、電力消費源の予測消費電力を算出する予測消費電力算出処理を実行する(ステップS1602)。
【0175】
つぎに、電力制御支援装置101は、電力消費源に対する蓄電池102の充放電の制御計画表を作成する制御計画作成処理を実行する(ステップS1603)。そして、電力制御支援装置101は、作成した制御計画表を出力して(ステップS1604)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0176】
これにより、電力消費源に対する蓄電池102の充放電を制御するための制御計画表を出力することができる。
【0177】
<予測消費電力算出処理手順>
つぎに、図16のステップS1602に示した予測消費電力算出処理の具体的な処理手順について説明する。ただし、複数の異なる計測期間を「日付1〜日付m」とし、日付1〜日付mのうちの任意の日付を「日付j」と表記する(j=1,2,…,m)。
【0178】
図17は、予測消費電力算出処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図17のフローチャートにおいて、まず、電力制御支援装置101は、各日付jの実績データに基づいて、各日付jのピーク時間帯tp(j)を特定する(ステップS1701)。
【0179】
つぎに、電力制御支援装置101は、各日付jのピーク時間帯tp(j)に基づいて、日付1〜日付mの実績データ群をクラスタC1〜Cnに分類する(ステップS1702)。そして、電力制御支援装置101は、クラスタCiの「i」を「i=1」として(ステップS1703)、クラスタC1〜Cnの中からクラスタCiを選択する(ステップS1704)。
【0180】
つぎに、電力制御支援装置101は、クラスタCiに含まれる日付jの実測データと、制御対象期間の実測データとの類似度S(j)を算出する(ステップS1705)。そして、電力制御支援装置101は、クラスタCiに含まれる実績データの中から、類似度が閾値以上の実績データを選択する(ステップS1706)。
【0181】
つぎに、電力制御支援装置101は、選択した実績データに基づいて、クラスタCiに対応する予測曲線Liの各時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力Li(t)を算出する(ステップS1707)。そして、電力制御支援装置101は、クラスタCiの「i」をインクリメントして(ステップS1708)、「i」が「n」より大きくなったか否かを判断する(ステップS1709)。
【0182】
ここで、「i」が「n」以下の場合(ステップS1709:No)、ステップS1704に戻る。一方、「i」が「n」より大きくなった場合(ステップS1709:Yes)、電力制御支援装置101は、制御対象期間の電力消費源の消費電力が各クラスタCiの予測消費電力Li(t)となる確率Piを算出して(ステップS1710)、予測消費電力算出処理を呼び出したステップへ戻る。
【0183】
これにより、制御対象期間の時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力Li(t)を算出することができる。また、クラスタCiに対応する予測曲線Liの確率Piを算出することができる。
【0184】
<制御計画作成処理手順>
つぎに、図16のステップS1603に示した制御計画作成処理の具体的な処理手順について説明する。ただし、制御対象期間の制御開始時刻の時間帯を「時間帯t0」と表記する。制御対象期間の制御終了時刻の時間帯を「時間帯tend」と表記する。
【0185】
図18および図19は、制御計画作成処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図18のフローチャートにおいて、まず、電力制御支援装置101は、時間帯tの「t」を「t=t0」、時間帯tにおける蓄電池102の充電量Bin(t)を「Bin(t)=0」、時間帯tにおける蓄電池102の放電量Bout(t)を「Bout(t)=0」とする(ステップS1801)。
【0186】
つぎに、電力制御支援装置101は、時間帯tにおける予測消費電力Li(t)が目標値dより大きくなる予測曲線Liがあるか否かを判断する(ステップS1802)。ここで、目標値dより大きくなる予測曲線Liがある場合(ステップS1802:Yes)、電力制御支援装置101は、予測曲線Liの「i」を「i=1」とする(ステップS1803)。
【0187】
そして、電力制御支援装置101は、予測曲線L1〜Lnの中から予測曲線Liを選択して(ステップS1804)、予測消費電力Li(t)が目標値dより大きいか否かを判断する(ステップS1805)。ここで、予測消費電力Li(t)が目標値d以下の場合(ステップS1805:No)、ステップS1808に移行する。
【0188】
一方、予測消費電力Li(t)が目標値dより大きい場合(ステップS1805:Yes)、電力制御支援装置101は、上記式(2)を用いて、時間帯tにおける蓄電池102の放電量Xi(t)を算出する(ステップS1806)。そして、電力制御支援装置101は、時間帯tにおける蓄電池102の放電量Bout(t)に放電量Xi(t)を加算する(ステップS1807)。
【0189】
つぎに、電力制御支援装置101は、予測曲線Liの「i」をインクリメントして(ステップS1808)、「i」が「n」より大きくなったか否かを判断する(ステップS1809)。ここで、「i」が「n」以下の場合(ステップS1809:No)、ステップS1804に戻る。
【0190】
一方、「i」が「n」より大きくなった場合(ステップS1809:Yes)、電力制御支援装置101は、時間帯tにおける蓄電池102の放電量Bout(t)が、蓄電池102の単位時間当たりの最大放電量Doutより大きいか否かを判断する(ステップS1810)。
【0191】
ここで、蓄電池102の放電量Bout(t)が最大放電量Dout以下の場合(ステップS1810:No)、ステップS1812に移行する。一方、蓄電池102の放電量Bout(t)が最大放電量Doutより大きい場合(ステップS1810:Yes)、電力制御支援装置101は、蓄電池102の放電量Bout(t)を最大放電量Doutとする(ステップS1811)。
【0192】
つぎに、電力制御支援装置101は、時間帯tにおける蓄電池102の充電量Bin(t)を「Bin(t)=0」として(ステップS1812)、下記式(3)を用いて、時間帯tにおける制御値B(t)を算出する(ステップS1813)。
【0193】
B(t)=Bin(t)−Bout(t) ・・・(3)
【0194】
そして、電力制御支援装置101は、時間帯tにおける制御値B(t)を制御計画表に登録して(ステップS1814)、時間帯tが時間帯tendか否かを判断する(ステップS1815)。ここで、時間帯tが時間帯tendではない場合(ステップS1815:No)、電力制御支援装置101は、時間帯tの「t」をインクリメントして(ステップS1816)、ステップS1802に戻る。
【0195】
一方、時間帯tが時間帯tendの場合(ステップS1815:Yes)、制御計画作成処理を呼び出したステップへ戻る。また、ステップS1802において、目標値dより大きくなる予測曲線Liがない場合(ステップS1802:No)、図19に示すステップS1901に移行する。
【0196】
図19のフローチャートにおいて、まず、電力制御支援装置101は、時間帯tにおける蓄電池102の放電力Bout(t)を「Bout(t)=0」として(ステップS1901)、予測曲線Liの「i」を「i=1」とする(ステップS1902)。
【0197】
そして、電力制御支援装置101は、予測曲線L1〜Lnの中から予測曲線Liを選択して(ステップS1903)、下記式(4)を用いて、蓄電池102の充電量Yi(t)を算出する(ステップS1904)。
【0198】
Yi(t)=d−Li(t) ・・・(4)
【0199】
つぎに、電力制御支援装置101は、予測曲線Liの「i」をインクリメントして(ステップS1905)、「i」が「n」より大きくなったか否かを判断する(ステップS1906)。ここで、「i」が「n」以下の場合(ステップS1906:No)、ステップS1903に戻る。
【0200】
一方、「i」が「n」より大きくなった場合(ステップS1906:Yes)、電力制御支援装置101は、充電量Y1(t)〜Yn(t)のうちの最小の充電量Ymin(t)を特定する(ステップS1907)。そして、電力制御支援装置101は、時間帯tにおける蓄電池102の充電量Bin(t)を充電量Ymin(t)とする(ステップS1908)。
【0201】
つぎに、電力制御支援装置101は、時間帯tにおける蓄電池102の充電量Bin(t)が、蓄電池102の単位時間当たりの最大充電量Dinより大きいか否かを判断する(ステップS1909)。ここで、蓄電池102の充電量Bin(t)が最大充電量Din以下の場合(ステップS1909:No)、図18に示したステップS1813に移行する。
【0202】
一方、蓄電池102の充電量Bin(t)が最大充電量Dinより大きい場合(ステップS1909:Yes)、電力制御支援装置101は、蓄電池102の充電量Bin(t)を最大充電量Dinとして(ステップS1910)、図18に示したステップS1813に移行する。
【0203】
これにより、電力消費源の消費電力が目標値dを超えると予測される時間帯tにおける蓄電池102の放電量Bout(t)を制御して電力消費源のピーク電力を抑制する制御計画を立てることができる。また、電力消費源の消費電力が目標値dを超えないと予測される時間帯tにおける蓄電池102の充電量Bin(t)を制御して、他の時間帯における放電に備えて蓄電池102の放電効果を高める制御計画を立てることができる。
【0204】
(電力制御支援装置101の制御計画評価処理手順)
つぎに、電力制御支援装置101の制御計画評価処理手順について説明する。図20および図21は、電力制御支援装置101の制御計画評価処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0205】
図20のフローチャートにおいて、まず、電力制御支援装置101は、蓄電池102の充放電を制御する制御計画表および制御対象期間の制御開始時刻における蓄電池102の蓄電残量を取得したか否かを判断する(ステップS2001)。ここで、電力制御支援装置101は、制御計画表および蓄電池102の蓄電残量を取得するのを待つ(ステップS2001:No)。
【0206】
そして、電力制御支援装置101は、制御計画表および蓄電池102の蓄電残量を取得した場合(ステップS2001:Yes)、蓄電池102の蓄電残量を蓄電量R(t)とする(ステップS2002)。つぎに、電力制御支援装置101は、時間帯tの「t」を「t=t0」として(ステップS2003)、蓄電池102の最小蓄電量Rminを「Rmin=R(t)」とする(ステップS2004)。
【0207】
そして、電力制御支援装置101は、時間帯tの「t」をインクリメントして(ステップS2005)、時間帯tが時間帯(tend+1)となったか否かを判断する(ステップS2006)。ここで、時間帯tが時間帯(tend+1)ではない場合(ステップS2006:No)、電力制御支援装置101は、下記式(5)を用いて、制御計画表を参照することにより、蓄電池102の蓄電量R(t)を算出する(ステップS2007)。
【0208】
R(t)=R(t−1)+B(t−1) ・・・(5)
【0209】
そして、電力制御支援装置101は、蓄電池102の蓄電量R(t)が蓄電池102の最大蓄電容量Ruより大きいか否かを判断する(ステップS2008)。ここで、蓄電池102の蓄電量R(t)が最大蓄電容量Ru以下の場合(ステップS2008:No)、ステップS2011に移行する。
【0210】
一方、蓄電池102の蓄電量R(t)が最大蓄電容量Ruより大きい場合(ステップS2008:Yes)、電力制御支援装置101は、下記式(6)を用いて、時間帯(t−1)における制御値B(t−1)を修正する(ステップS2009)。
【0211】
B(t−1)=Ru−R(t) ・・・(6)
【0212】
そして、電力制御支援装置101は、蓄電池102の蓄電量R(t)を最大蓄電容量Ruとする(ステップS2010)。つぎに、電力制御支援装置101は、蓄電池102の蓄電量R(t)が最小蓄電量Rminより小さいか否かを判断する(ステップS2011)。
【0213】
ここで、蓄電池102の蓄電量R(t)が最小蓄電量Rminより小さい場合(ステップS2011:Yes)、ステップS2004に戻る。一方、蓄電池102の蓄電量R(t)が最小蓄電量Rmin以上の場合(ステップS2011:No)、ステップS2005に戻る。
【0214】
また、ステップS2006において、時間帯tが時間帯tendとなった場合(ステップS2006:Yes)、図21に示すステップS2101に移行する。
【0215】
図21のフローチャートにおいて、まず、電力制御支援装置101は、蓄電池102の最小蓄電量Rminが閾値Rlより小さいか否かを判断する(ステップS2101)。ここで、蓄電池102の最小蓄電量Rminが閾値Rl以上の場合(ステップS2101:No)、電力制御支援装置101は、蓄電池102の最小蓄電量Rminが閾値Rhより大きいか否かを判断する(ステップS2102)。
【0216】
ここで、蓄電池102の最小蓄電量Rminが閾値Rh以下の場合(ステップS2102:No)、電力制御支援装置101は、制御計画表を出力して(ステップS2103)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。なお、ステップS2009において制御値B(t−1)が修正されている場合は、制御値B(t−1)が修正された修正後の制御計画表が出力される。
【0217】
また、ステップS2101において、蓄電池102の最小蓄電量Rminが閾値Rlより小さい場合(ステップS2101:Yes)、電力制御支援装置101は、目標値dの値を、該値より大きい値に変更して(ステップS2104)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0218】
また、ステップS2102において、蓄電池102の最小蓄電量Rminが閾値Rhより大きい場合(ステップS2102:Yes)、電力制御支援装置101は、目標値dの値を、該値より小さい値に変更して(ステップS2105)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0219】
これにより、蓄電池102の蓄電量Rminに余裕がある場合は、商用電源203から供給する最大電力の目標値dを引き下げることができる。また、蓄電池102の蓄電量Rminに余裕がない場合は、商用電源203から供給する最大電力の目標値dを引き上げることができる。
【0220】
また、蓄電池102の蓄電量R(t)が最大蓄電容量Ruを超えたら充電しないように制御計画表の制御値B(t−1)を修正することができる。また、ステップS2104またはステップS2105において目標値dが変更された場合、図16に示した電力制御支援処理を再実行することにしてもよい。これにより、変更後の目標値dを用いて、蓄電池102の充放電を制御する制御計画表を作成することができる。
【0221】
以上説明したように、実施の形態にかかる電力制御支援装置101によれば、電力消費源の消費電力が最大となるピーク時間帯に基づいて、日付1〜日付mの各時間帯における電力消費源の消費電力を表す実測データをクラスタC1〜Cnに分類することができる。これにより、電力消費源の消費電力が最大となるピーク時間帯を重視したクラスタリングを行うことができる。
【0222】
また、電力制御支援装置101によれば、クラスタCiに含まれる実績データに基づいて、制御対象期間の時間帯tにおける電力消費源の予測消費電力Li(t)を算出することができる。また、電力制御支援装置101によれば、日付1〜日付mの実績データの総数に対するクラスタCiに含まれる実績データの数に基づいて、制御対象期間の電力消費源の消費電力が、クラスタCiに対応する予測曲線Liにしたがって推移する確率Piを算出することができる。
【0223】
また、電力制御支援装置101によれば、クラスタCiに含まれる日付jの実測データと、制御対象期間の実測データとの類似度S(j)を算出することができる。これにより、クラスタCiに含まれる実測データのうちの制御対象期間の実測データとの類似度合いが高い実績データに基づいて、電力消費源の予測消費電力Li(t)を算出することができる。
【0224】
また、電力制御支援装置101によれば、予測消費電力Li(t)が目標値dより大きい場合、予測消費電力Li(t)と目標値dとの差分に確率Piを乗算することにより、時間帯tにおける蓄電池102の放電量Bout(t)を算出することができる。
【0225】
これにより、電力消費源の消費電力が目標値dを超えると予測される時間帯tにおける蓄電池102の放電量Bout(t)を制御して電力消費源のピーク電力を抑制する制御計画を立てることができる。また、電力消費源の消費電力が予測消費電力Li(t)となる確率Piを考慮して放電量Bout(t)を算出することにより、予測が外れた場合のリスクを低減させることができる。
【0226】
また、電力制御支援装置101によれば、予測消費電力L1(t)〜Ln(t)が目標値d以下の場合、各予測消費電力L1(t)〜Ln(t)と目標値dとの差分のうちの最小の差分に基づいて、時間帯tにおける蓄電池102の充電量Bin(t)を算出することができる。これにより、電力消費源の消費電力が目標値dを超えないと予測される時間帯tにおける蓄電池102の充電量Bin(t)を制御して、他の時間帯における放電に備えて蓄電池102の放電効果を高める制御計画を立てることができる。
【0227】
また、電力制御支援装置101によれば、時間帯tに目標値dより大きい予測消費電力が複数存在する場合、各予測消費電力L1(t)〜Ln(t)について前記式(2)により算出したX1(t)〜Xn(t)の最大値を求めることにより、蓄電池102の放電量Bout(t)を算出することができる。これにより、時間帯tにおける蓄電池102の放電量Bout(t)を抑えることができる。例えば、ピーク時間帯ではない時間帯での蓄電池102の放電量を削減して、ピーク時間帯での蓄電池102の放電量を多く確保することができる。
【0228】
また、電力制御支援装置101によれば、蓄電池102の蓄電量R(t)が閾値Rl未満の場合、目標値dの値を、該値より大きい値に変更することができる。これにより、商用電源203から供給する時間帯tにおける最大電力の目標値dを引き上げることができ、時間帯tにおいて蓄電池102の蓄電量R(t)が下限量を下回らないような制御計画を立てることができる。
【0229】
また、電力制御支援装置101によれば、蓄電池102の蓄電量R(t)が閾値Rhより大きい場合、目標値dの値を、該値より小さい値に変更することができる。これにより、商用電源203から供給する時間帯tにおける最大電力の目標値dを引き下げることができ、蓄電池102に蓄電されている電気を効率的に使用することができる制御計画を立てることができる。
【0230】
これらのことから、本実施の形態にかかる電力制御支援プログラム、電力制御支援装置および電力制御支援方法によれば、電力消費源の消費電力の予測が外れた場合のリスクを低減しつつ、電力負荷のピークを抑制する制御計画を立案することができる。
【0231】
なお、本実施の形態で説明した電力制御支援方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本電力制御支援プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本電力制御支援プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【0232】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0233】
(付記1)コンピュータに、
複数の異なる計測期間の同一の時間帯における電力消費源の消費電力に基づく計測期間ごとの予測消費電力と、制御対象期間の前記電力消費源の消費電力が予測消費電力となる前記計測期間ごとの予測消費電力の確度とを取得し、
取得した前記計測期間ごとの予測消費電力のうちのいずれかの予測消費電力が、商用電源から供給する前記時間帯における最大電力の目標値より大きいか否かを判定し、
前記判定した予測消費電力が前記目標値より大きい場合、前記判定した予測消費電力と前記目標値との差分と、前記判定した予測消費電力の確度とに基づいて、電気を充放電する蓄電池の前記制御対象期間の前記時間帯における前記電力消費源への放電量を算出し、
算出した前記時間帯における前記電力消費源への放電量を出力する、
処理を実行させることを特徴とする電力制御支援プログラム。
【0234】
(付記2)前記算出する処理は、
前記計測期間ごとの予測消費電力が前記目標値以下の場合、前記計測期間ごとの予測消費電力のうちのいずれかの予測消費電力と前記目標値との差分に基づいて、前記蓄電池の前記制御対象期間の前記時間帯における前記電力消費源からの充電量を算出し、
前記出力する処理は、
算出した前記時間帯における前記電力消費源からの充電量を出力することを特徴とする付記1に記載の電力制御支援プログラム。
【0235】
(付記3)前記算出する処理は、
前記目標値より大きい予測消費電力が複数存在する場合、前記目標値より大きい複数の予測消費電力それぞれについて予測消費電力と前記目標値との差分および確度に基づいて放電量を算出し、算出した放電量のうち最大の放電量を前記電力消費源への放電量とすることを特徴とする付記1または2に記載の電力制御プログラム。
【0236】
(付記4)前記算出する処理は、
前記計測期間ごとの予測消費電力が前記目標値以下の場合、前記計測期間ごとの予測消費電力と前記目標値との差分のうちの最小の差分に基づいて、前記電力消費源からの充電量を算出することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の電力制御プログラム。
【0237】
(付記5)前記コンピュータに、
前記制御対象期間の前記時間帯における前記蓄電池の蓄電残量と、算出した算出結果とに基づいて、前記時間帯における前記蓄電池の蓄電量を算出し、
算出した前記蓄電池の蓄電量が、前記蓄電池の蓄電残量の下限量を表す第1の閾値未満の場合、前記目標値の値を、当該値より大きい値に変更する、処理を実行させ、
前記判定する処理は、
前記いずれかの予測消費電力が、変更した変更後の前記目標値より大きいか否かを判定することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の電力制御プログラム。
【0238】
(付記6)前記蓄電池の蓄電量を算出する処理は、
前記計測期間における複数の時間帯の各々の時間帯における前記蓄電池の蓄電量を算出し、
前記変更する処理は、
算出した前記各々の時間帯における前記蓄電池の蓄電量のうちの最小の蓄電量が、前記第1の閾値より大きい第2の閾値より大きい場合、前記目標値の値を、当該値より小さい値に変更することを特徴とする付記5に記載の電力制御プログラム。
【0239】
(付記7)前記コンピュータに、
前記計測期間に含まれる複数の時間帯の時間帯ごとの前記電力消費源の消費電力を表す実績データを前記計測期間ごとに取得し、
前記複数の時間帯のうちの前記電力消費源の消費電力が最大となる時間帯に基づいて、取得した前記計測期間ごとの実績データを分類し、
分類した実績データの集合ごとに、前記集合に含まれる実績データの前記時間帯における前記電力消費源の消費電力に基づいて、前記時間帯における前記電力消費源の予測消費電力を算出する、処理を実行させ、
前記判定する処理は、
算出した前記集合ごとの前記時間帯における前記電力消費源の予測消費電力のうちのいずれかの予測消費電力が、前記目標値より大きいか否かを判定することを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の電力制御プログラム。
【0240】
(付記8)前記コンピュータに、
前記計測期間ごとの実績データの数に対する前記集合に含まれる実績データの数に基づいて、前記制御対象期間の前記電力消費源の消費電力が予測消費電力となる前記集合ごとの予測消費電力の確度を算出する処理を実行させ、
前記算出する処理は、
前記いずれかの予測消費電力が前記目標値より大きい場合、前記いずれかの予測消費電力と前記目標値との差分と、算出した前記いずれかの予測消費電力となる確度とに基づいて、前記電力消費源への放電量を算出することを特徴とする付記7に記載の電力制御プログラム。
【0241】
(付記9)複数の異なる計測期間の同一の時間帯における電力消費源の消費電力に基づく計測期間ごとの予測消費電力と、制御対象期間の前記電力消費源の消費電力が予測消費電力となる前記計測期間ごとの予測消費電力の確度とを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記計測期間ごとの予測消費電力のうちのいずれかの予測消費電力が、商用電源から供給する前記時間帯における最大電力の目標値より大きいか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって判定された予測消費電力が前記目標値より大きい場合、前記判定された予測消費電力と前記目標値との差分と、前記判定された予測消費電力の確度とに基づいて、電気を充放電する蓄電池の前記制御対象期間の前記時間帯における前記電力消費源への放電量を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記時間帯における前記電力消費源への放電量を出力する出力部と、
を有することを特徴とする電力制御支援装置。
【0242】
(付記10)コンピュータが、
複数の異なる計測期間の同一の時間帯における電力消費源の消費電力に基づく計測期間ごとの予測消費電力と、制御対象期間の前記電力消費源の消費電力が予測消費電力となる前記計測期間ごとの予測消費電力の確度とを取得し、
取得した前記計測期間ごとの予測消費電力のうちのいずれかの予測消費電力が、商用電源から供給する前記時間帯における最大電力の目標値より大きいか否かを判定し、
前記判定した予測消費電力が前記目標値より大きい場合、前記判定した予測消費電力と前記目標値との差分と、前記判定した予測消費電力の確度とに基づいて、電気を充放電する蓄電池の前記制御対象期間の前記時間帯における前記電力消費源への放電量を算出し、
算出した前記時間帯における前記電力消費源への放電量を出力する、
処理を実行することを特徴とする電力制御支援方法。
【符号の説明】
【0243】
101 電力制御支援装置
102 蓄電池
201 制御対象装置
701 取得部
702 分類部
703 第1の算出部
704 判定部
705 第2の算出部
706 第3の算出部
707 変更部
708 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
複数の異なる計測期間の同一の時間帯における電力消費源の消費電力に基づく計測期間ごとの予測消費電力と、制御対象期間の前記電力消費源の消費電力が予測消費電力となる前記計測期間ごとの予測消費電力の確度とを取得し、
取得した前記計測期間ごとの予測消費電力のうちのいずれかの予測消費電力が、商用電源から供給する前記時間帯における最大電力の目標値より大きいか否かを判定し、
前記判定した予測消費電力が前記目標値より大きい場合、前記判定した予測消費電力と前記目標値との差分と、前記判定した予測消費電力の確度とに基づいて、電気を充放電する蓄電池の前記制御対象期間の前記時間帯における前記電力消費源への放電量を算出し、
算出した前記時間帯における前記電力消費源への放電量を出力する、
処理を実行させることを特徴とする電力制御支援プログラム。
【請求項2】
前記算出する処理は、
前記計測期間ごとの予測消費電力が前記目標値以下の場合、前記計測期間ごとの予測消費電力のうちのいずれかの予測消費電力と前記目標値との差分に基づいて、前記蓄電池の前記制御対象期間の前記時間帯における前記電力消費源からの充電量を算出し、
前記出力する処理は、
算出した前記時間帯における前記電力消費源からの充電量を出力することを特徴とする請求項1に記載の電力制御支援プログラム。
【請求項3】
前記算出する処理は、
前記目標値より大きい予測消費電力が複数存在する場合、前記目標値より大きい複数の予測消費電力それぞれについて予測消費電力と前記目標値との差分および確度に基づいて放電量を算出し、算出した放電量のうち最大の放電量を前記電力消費源への放電量とすることを特徴とする請求項1または2に記載の電力制御プログラム。
【請求項4】
前記算出する処理は、
前記計測期間ごとの予測消費電力が前記目標値以下の場合、前記計測期間ごとの予測消費電力と前記目標値との差分のうちの最小の差分に基づいて、前記電力消費源からの充電量を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の電力制御プログラム。
【請求項5】
前記コンピュータに、
前記制御対象期間の前記時間帯における前記蓄電池の蓄電残量と、算出した算出結果とに基づいて、前記時間帯における前記蓄電池の蓄電量を算出し、
算出した前記蓄電池の蓄電量が、前記蓄電池の蓄電残量の下限量を表す第1の閾値未満の場合、前記目標値の値を、当該値より大きい値に変更する、処理を実行させ、
前記判定する処理は、
前記いずれかの予測消費電力が、変更した変更後の前記目標値より大きいか否かを判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の電力制御プログラム。
【請求項6】
前記蓄電池の蓄電量を算出する処理は、
前記計測期間における複数の時間帯の各々の時間帯における前記蓄電池の蓄電量を算出し、
前記変更する処理は、
算出した前記各々の時間帯における前記蓄電池の蓄電量のうちの最小の蓄電量が、前記第1の閾値より大きい第2の閾値より大きい場合、前記目標値の値を、当該値より小さい値に変更することを特徴とする請求項5に記載の電力制御プログラム。
【請求項7】
複数の異なる計測期間の同一の時間帯における電力消費源の消費電力に基づく計測期間ごとの予測消費電力と、制御対象期間の前記電力消費源の消費電力が予測消費電力となる前記計測期間ごとの予測消費電力の確度とを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記計測期間ごとの予測消費電力のうちのいずれかの予測消費電力が、商用電源から供給する前記時間帯における最大電力の目標値より大きいか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって判定された予測消費電力が前記目標値より大きい場合、前記判定された予測消費電力と前記目標値との差分と、前記判定された予測消費電力の確度とに基づいて、電気を充放電する蓄電池の前記制御対象期間の前記時間帯における前記電力消費源への放電量を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記時間帯における前記電力消費源への放電量を出力する出力部と、
を有することを特徴とする電力制御支援装置。
【請求項8】
コンピュータが、
複数の異なる計測期間の同一の時間帯における電力消費源の消費電力に基づく計測期間ごとの予測消費電力と、制御対象期間の前記電力消費源の消費電力が予測消費電力となる前記計測期間ごとの予測消費電力の確度とを取得し、
取得した前記計測期間ごとの予測消費電力のうちのいずれかの予測消費電力が、商用電源から供給する前記時間帯における最大電力の目標値より大きいか否かを判定し、
前記判定した予測消費電力が前記目標値より大きい場合、前記判定した予測消費電力と前記目標値との差分と、前記判定した予測消費電力の確度とに基づいて、電気を充放電する蓄電池の前記制御対象期間の前記時間帯における前記電力消費源への放電量を算出し、
算出した前記時間帯における前記電力消費源への放電量を出力する、
処理を実行することを特徴とする電力制御支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−115927(P2013−115927A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260120(P2011−260120)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】