説明

電力制御装置、電力供給システム、電力制御方法およびプログラム

【課題】電力系統に異常が生じた場合に、太陽光発電装置からが配電線を通じて電気機器に電力を供給すること。
【解決手段】電力制御装置は、電力を消費する電気機器へ電力を供給する配電線と電力系統との間に設けられた第1開閉器と、電力系統と連系する太陽光発電装置と、電力系統と太陽光発電装置との連係点との間に設けられた第2開閉器と、太陽光発電装置と配電線との間に設けられた第3開閉器と、電力系統の異常が検出された場合に、第1開閉器を開いて配電線を電力系統から解列させるとともに第2開閉器を開いて太陽光発電装置を電力系統から解列させ、第3開閉器を閉じて配電線と太陽光発電装置とを接続して、太陽光発電装置から配電線へ電力を供給する制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力制御装置、電力供給システム、電力制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電装置および蓄電装置を備えるシステムが知られている(例えば、特許文献1−4参照。)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特許第3759151号明細書
[特許文献2]特開2010−233362号公報
[特許文献3]特開2003−116224号公報
[特許文献4]特開2006−230161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
太陽光発電装置を電力系統から切り離すことで配電線から切り離されてしまうと、太陽光発電装置から配電線を通じて電気機器に電力を供給することができない。このため、例えば停電時等のように電力系統に異常が生じた場合に、太陽光発電装置からが配電線を通じて電気機器に電力を供給できないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、電力制御装置は、電力を消費する電気機器へ電力を供給する配電線と電力系統との間に設けられた第1開閉器と、電力系統と連系する太陽光発電装置と、電力系統と太陽光発電装置との連係点との間に設けられた第2開閉器と、太陽光発電装置と配電線との間に設けられた第3開閉器と、電力系統の異常が検出された場合に、第1開閉器を開いて配電線を電力系統から解列させるとともに第2開閉器を開いて太陽光発電装置を電力系統から解列させ、第3開閉器を閉じて配電線と太陽光発電装置とを接続して、太陽光発電装置から配電線へ電力を供給する制御部とを備える。
【0005】
本発明の第2の態様においては、電力制御方法は、電力系統の異常が検出された場合に、電力を消費する電気機器へ電力を供給する配電線と電力系統との間に設けられた第1開閉器を開いて、配電線を電力系統から解列させるとともに、電力系統と連系する太陽光発電装置と、電力系統と太陽光発電装置との連係点との間に設けられた第2開閉器を開いて、太陽光発電装置を電力系統から解列させる段階と、太陽光発電装置と配電線との間に設けられた第3開閉器を閉じて配電線と太陽光発電装置とを接続して、太陽光発電装置から配電線へ電力を供給する段階とを備える。
【0006】
本発明の第3の態様においては、プログラムは、コンピュータに、電力を消費する電気機器へ電力を供給する配電線と電力系統との間に設けられた第1開閉器と、電力系統と連系する太陽光発電装置と、電力系統と太陽光発電装置との連係点との間に設けられた第2開閉器と、太陽光発電装置と配電線との間に設けられた第3開閉器とを制御する制御部として機能させ、制御部は、電力系統の異常が検出された場合に、第1開閉器を開いて配電線を電力系統から解列させるとともに第2開閉器を開いて太陽光発電装置を電力系統から解列させ、第3開閉器を閉じて配電線と太陽光発電装置とを接続して、太陽光発電装置から配電線へ電力を供給する。
【0007】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】電力供給システム10の全体構成の一例を示す。
【図2】分電部50および切替部26の機能ブロックの一例を、単線結線で示す。
【図3】非停電時における電気機器80への電力供給状態を模式的に示す。
【図4】停電時における電気機器80への電力供給状態を模式的に示す。
【図5】停電を検出した場合の処理フローの一例を示す。
【図6】停電時における電力制御フローの一例を示す。
【図7】非停電時における電力制御結果の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
図1は、電力供給システム10の全体構成の一例を示す。電力供給システム10は、蓄電システム20、モニタ装置28、太陽光発電装置30、燃料電池システム40、分電部50、電気機器80a〜d、積算電力量計110aおよび110b、幹線120、配電線130、コンセント140、給電線150、給電線160、ガスボンベ170、給湯器180、および、建物190を備える。
【0011】
太陽光発電装置30および燃料電池システム40は、建物190における自家発電システムとして機能する。電力供給システム10は、自家発電システムで発電された余剰の電力を、幹線120を通じて電力系統へ逆潮流する。また、自家発電システムで不足する電力を、幹線120を通じて電力系統から受け取る。幹線120を通じて受け取った電力は、分電部50を経て電力供給システム10において消費される。積算電力量計110aは、電力系統へ逆潮流した電力量を計測する。積算電力量計110bは、電力系統から受け取った電力量を計測する。
【0012】
分電部50は、幹線120を通じて電力系統から電力を受け取る。また、分電部50は、蓄電システム20、太陽光発電装置30および燃料電池システム40からも電力を受け取る。分電部50は、電力系統、蓄電システム20、太陽光発電装置30および燃料電池システム40から供給される電力を切り替えて、配電線130へ供給する。なお、本図では配電線130が一本の線で示されているが、配電線130は複数備えられてよい。
【0013】
太陽光発電装置30は、太陽電池モジュール32および太陽電池モジュール(PV)用のパワーコンディショナ34を有する。太陽電池モジュール32は、太陽光により電力を発生する。パワーコンディショナ34は、太陽電池モジュール32で発生した直流電力を交流電力に変換して、給電線150を通じて分電部50に供給する。パワーコンディショナ34から供給された電力は、分電部50において幹線120および配電線130へ供給され得る。太陽光発電装置30の発電により生じた余剰の電力は、電力系統へ逆潮流する。例えば、余剰の電力を電力系統へ全て逆潮流してよい。また、余剰の電力で蓄電池22を充電し、蓄電池22が満充電になった後に、電力系統へ逆潮流してもよい。すなわち、太陽光発電装置30は、連系運転を行う。
【0014】
蓄電システム20は、蓄電池22から分電部50へ電力を供給する。蓄電システム20は、蓄電池22、制御部24および切替部26を有する。蓄電池22は、電力を貯蔵する電力貯蔵装置の一例である。蓄電池22としては、リチウムイオン二次電池等の化学電池を例示することができる。制御部24は、切替部26を制御して、蓄電池22からの電力を幹線120へ供給するか、配電線130へ供給するかを切り替える。
【0015】
燃料電池システム40は、燃料電池ユニット46および貯湯槽48を有する。燃料電池ユニット46は、燃料電池42および燃料電池(FC)用のパワーコンディショナ44を含む。燃料電池システム40は、熱電併給システムの一例であり、燃料電池42は、熱電併給装置の一例である。
【0016】
燃料電池42は、燃料電池モジュールおよび改質器等を含んでよい。燃料電池42は、ガスボンベ170に蓄積された都市ガス、プロパンガス等の原料ガスを改質器で改質して水素ガスを生成して、生成した水素ガスを燃料として燃料電池モジュールで発電する。燃料電池モジュールで発電することにより生じた熱は、燃料電池モジュールを冷却する冷却水を介して貯湯槽48に供給される。貯湯槽48は、燃料電池モジュールから供給された熱で加温された温水を貯湯する。貯湯槽48に貯湯された温水は、給湯器180に供給される。給湯器180は、建物190における温水需要に供給する。給湯器180としては、浴槽への湯張りを行う自動湯張り装置等を含む。
【0017】
燃料電池システム40が発電することにより得られた電力は、給電線160を通じて分電部50に供給される。具体的には、燃料電池モジュールが発電することにより得られた直流電力は、パワーコンディショナ44で交流電力に変換されて、給電線160を通じて分電部50に供給される。
【0018】
配電線130は、分電部50から供給された電力を、電気機器80a〜dに供給する。具体的には、配電線130は、建物190に設けられたコンセント140aおよび140bに接続される。コンセント140aおよびコンセント140bを、符号の添え字を省略してコンセント140と総称する場合がある。なお、説明を分かり易くすることを目的として、ここでは2つのコンセント140しか記載していないが、建物190は3以上のコンセント140を有してよい。配電線130は、分電部50から供給された電力を電気機器80a〜dへ供給する。配電線130およびコンセント140は、例えば建物190を建造する際に内部設備工事によって設けられたものである。
【0019】
電気機器80a〜dは、配電線130を通じて供給される電力を消費して動作する。電気機器80a〜dを、符号の添え字を省略して電気機器80と総称する場合がある。なお、説明を分かり易くすることを目的として、ここでは4つの電気機器80を記載したが、電力供給システム10は1以上の電気機器80を有してよい。
【0020】
電気機器80aおよび電気機器80bは、例えば建物190の内部設備工事によって建物190に組み込まれて配電線130に接続される。電気機器80aは、例えば照明装置であり、建物190の内部空間の明るさを制御する。電気機器80bは、例えば建物190に組み込まれた空調装置であり、建物190の内部空間の温度を調節する。空調装置としては、床暖房等の暖房装置、クーラー等の冷房装置、エア・コンディショナ等を例示することができる。電気機器80cおよび電気機器80eは、コンセント140を介して配電線130から供給される電力を消費して動作する。このような電気機器80としては、テレビ、冷蔵庫、洗濯機等、種々の家電機器を例示することができる。
【0021】
電力供給システム10における電力供給は、制御部24によって直接的または間接的に制御される。例えば、制御部24は、停電等、電力系統に異常を検出した場合に、分電部50を制御して、幹線120と配電線130とを遮断する。そして、制御部24は、分電部50を制御して、給電線150を幹線120から解列させ、配電線130に接続する。このため、停電時等においても、太陽光発電装置30が発電した電力を、組み込みの電気機器80へ提供できる。また、太陽光発電装置30が発電した電力を、コンセント140を通じて他の電気機器80に提供することができる。このため、ユーザは、太陽光発電装置30が有する、停電等の電力系統に異常が検出された場合に切り替わる非常用の専用コンセント等に電気機器80をつなぎ替える必要がない。
【0022】
モニタ装置28は、電力供給システム10における電力供給に関する情報を制御部24から取得して、液晶パネル等の表示デバイスに表示する。モニタ装置28は、例えば電力使用量、蓄電池22の残存容量、蓄電池22からの放電量、売電電力量、買電電力量、計画停電情報等を例示することができる。また、モニタ装置28は、蓄電システム20を制御するためのユーザ指示を受け付けて、ユーザ指示を制御部24に供給する。制御部24は、ユーザ指示に基づいて、電力供給システム10における電力供給を制御する。モニタ装置28は、ユーザインタフェース機能を有してよい。例えば、表示デバイスはタッチパネルとして組み込まれており、モニタ装置28はタッチパネルを通じてユーザ指示を取得してよい。例えば、ユーザ指示としては、計画停電情報等を例示することができる。計画停電情報は、停電の開始時刻および修了時刻等を含んでよい。制御部24は、計画停電情報に基づき、停電が開始する時刻より前に、自立運転に切り替える等の制御を行ってよい。また、制御部24は、計画停電情報に基づき、停電が開始する時刻より前に蓄電池22が満充電になるように、蓄電池22の充電を制御してよい。例えば、制御部24は、昼間時間において蓄電池22が満充電にない場合には、停電が開始する時刻より前に蓄電池22が満充電になるように、蓄電池22の充電を制御してよい。また、モニタ装置28は、自家発電システムにおいて生じた余剰電力を蓄電池22に蓄電させるべき旨のユーザ指示を受け付けてよい。余剰電力を蓄電池22に蓄電させるべき旨のユーザ指示をモニタ装置28が受け付けた場合、制御部24は、余剰電力の少なくとも一部で蓄電池22を充電する。蓄電池22が満充電になった場合には、制御部24は、余剰電力を電力系統へ全て逆潮流させる。
【0023】
図2は、分電部50および切替部26の機能ブロックの一例を、単線結線で模式的に示す。分電部50は、幹線120に接続された電流制限器230、漏電遮断器240、電源切替部200、および、配電線用遮断器290a〜cを有する。配電線用遮断器290a〜cを、符号の添え字を省略して配電線用遮断器290と総称する場合がある。なお、説明を分かり易くすることを目的として、ここでは3つの配電線用遮断器290を有するとしたが、分電部50は1以上の配電線用遮断器290を有してよい。
【0024】
電源切替部200は、第1開閉器201、第2開閉器202、第3開閉器203、および、第4開閉器204を含む。切替部26は、蓄電池22に接続されるAC/DCコンバータ208、第5開閉器205、および、トランス209を含む。
【0025】
電力系統からの電力は、電流制限器230および漏電遮断器240を介して系統側電路250に提供される。また、自家発電システムからの電力は、系統側電路250、漏電遮断器240および電流制限器230を介して電力系統へ逆潮流される。電流制限器230は、例えば分電盤に設けられたサービスブレーカである。電流制限器230は、家庭等で契約された契約電流を超えた電流が幹線120を通じて流れた場合に、電力供給を遮断する。漏電遮断器240は、例えば分電盤に設けられ、電気配線や電気機器等における漏電を検知した場合に、電力供給を遮断する。
【0026】
系統側電路250は、第1開閉器201の電力系統側の端子に接続される。第1開閉器201の配電線130側の端子は、配電線側電路280に接続される。第1開閉器201は、系統側電路250と配電線側電路280との間で、電路の遮断および接続を制御する。具体的には、第1開閉器201が閉じている場合、系統側電路250は配電線側電路280に接続される。第1開閉器201が開いている場合、系統側電路250は配電線側電路280から遮断される。
【0027】
配電線側電路280は、複数の配電線130に分岐して接続される。複数の配電線130は、例えば建物190内の対応する部屋への送電に供される。例えば、複数の配電線130は、建物190の複数の居室のうちの対応する居室に設けられたコンセント140に接続される。
【0028】
複数の配電線用遮断器290のそれぞれの一端には、配電線側電路280が接続される。配電線側電路280のそれぞれの他端には、対応する配電線130に接続される。配電線用遮断器290は、例えば分電盤に設けられる。配電線用遮断器290は、例えば1以上の配電線130に対応して設けられ、予め定められた許容電流を超える電流が流れた場合に電路を遮断する。
【0029】
なお、本図では単線結線で説明したが、一例として配電線側電路280までは単相3線式で電力が供給される。複数の配電線130の一部の配電線は、200Vの交流電力を供給する配電線であってよい。また、複数の配電線130の他の配電線は、100Vの交流電力を供給する配電線であってよい。
【0030】
第2開閉器202は、電力系統とパワーコンディショナ34との間に設けられる。第2開閉器202の電力系統側の端子は、系統側電路250に接続される。第2開閉器202のパワーコンディショナ34側の端子は、給電線150に接続される。第2開閉器202は、系統側電路250と給電線150との間で、電路の遮断および接続を制御する。具体的には、第2開閉器202が閉じている場合、系統側電路250は給電線150に接続される。第2開閉器202が開いている場合、系統側電路250は給電線150から遮断される。
【0031】
このように、系統側電路250は、電力系統と太陽光発電装置30との連係点を含む。そして、連系点より配電線130側に、第1開閉器201が設けられる。
【0032】
第3開閉器203は、パワーコンディショナ34と配電線130との間に設けられる。第3開閉器203の配電線130側の端子は、配電線側電路280に接続される。第3開閉器203のパワーコンディショナ34側の端子は、給電線150から分岐された分岐線210に接続される。第3開閉器203は、配電線側電路280と給電線150との間で、電路の遮断および接続を制御する。具体的には、第3開閉器203が閉じている場合、配電線側電路280は給電線150に接続される。第3開閉器203が開いている場合、配電線側電路280は給電線150から遮断される。このように、第3開閉器203は、第1開閉器201よりも配電線130側の配電線側電路280に接続される。
【0033】
第4開閉器204は、配電線130とトランス209との間に設けられる。第4開閉器204の配電線130側の端子は、配電線側電路280に接続される。第4開閉器204は、配電線側電路280とトランス209との間で、電路の遮断および接続を制御する。具体的には、第4開閉器204が閉じている場合、配電線側電路280はトランス209に接続される。第4開閉器204が開いている場合、配電線側電路280はトランス209から遮断される。このように、第4開閉器204は、第1開閉器201よりも配電線130側の配電線側電路280に接続される。
【0034】
第5開閉器205は、電力系統とAC/DCコンバータ208の交流側との間に設けられる。第5開閉器205の電力系統側の端子は、系統側電路250に接続される。第5開閉器205は、系統側電路250とAC/DCコンバータ208の交流側との間で、電路の遮断および接続を制御する。具体的には、第5開閉器205が閉じている場合、系統側電路250はAC/DCコンバータ208の交流側に接続される。第5開閉器205が開いている場合、系統側電路250はAC/DCコンバータ208の交流側から遮断される。また、AC/DCコンバータ208の交流側は、トランス209に接続される。
【0035】
AC/DCコンバータ208の直流側は、蓄電池22に接続される。AC/DCコンバータ208は、蓄電池22を放電することで得られた直流電力を交流電力に変換して、第5開閉器205に提供する。第5開閉器205が閉じている場合、当該交流電力は第5開閉器205を介して系統側電路250へ供給される。なお、AC/DCコンバータ208は、双方向のAC/DCコンバータ208であり、蓄電池22から充電する場合には、AC/DCコンバータ208の交流側に入力された交流電力を直流電力に変換して蓄電池22に供給する。
【0036】
配電線側電路280は、燃料電池用のパワーコンディショナ44からの電力を供給する給電線160に接続される。すなわち、配電線側電路280は、第1開閉器201より配電線130側に接続される。
【0037】
以上に説明したように、第1開閉器201は、電力を消費する電気機器80へ電力を供給する配電線130と電力系統との間に設けられる。また、第2開閉器202は、電力系統と連系する太陽光発電装置30と、電力系統と太陽光発電装置30との連係点との間に設けられる。第3開閉器203は、太陽光発電装置30と配電線130との間に設けられる。また、第4開閉器204は、配電線130と蓄電池22との間に設けられる。また、第5開閉器205は、電力系統と蓄電池22との間に設けられる。
【0038】
なお、電力供給システム10においては、配電線側電路280までの交流電力は、一例として単相3線式で配電される。また、系統側電路250、給電線160、給電線150のそれぞれの電力を示す情報は、検出器220で検出されて、制御部24に供給される。例えば、系統側電路250の周波数、電圧および電流を示す情報が、制御部24に供給される。
【0039】
制御部24は、各検出器220で検出された情報に基づいて、切替部26および電源切替部200を制御する。例えば、制御部24は、系統側電路250で検出された周波数の時間変動、電圧の時間変動等に基づいて、停電が生じたか否かを判断する。制御部24は、停電が生じたと判断された場合に、自家発電システムおよび蓄電システム20を電力系統から解列させ、電力供給システム10の制御を連系運転モードから自立運転モードに切り替えるとともに、自家発電システムおよび蓄電システム20を配電線130に接続する。
【0040】
具体的には、連系運転モードにおいては、制御部24は、第1開閉器201、第2開閉器202および第5開閉器205を閉にする。また、連系運転モードにおいては、制御部24は、第3開閉器203および第4開閉器204を開にする。連系運転モードにおける電力供給状態については図3に関連して説明する。
【0041】
連系運転モードで運転している場合において、停電が生じたときには、制御部24は、第1開閉器201、第2開閉器202および第5開閉器205を開にして、第3開閉器203および第4開閉器204を閉にする。これにより、太陽光発電装置30、蓄電システム20および燃料電池システム40を電力系統から解列しつつ、建物190に設けられた配電線130を介して電力を供給することができる。このように、制御部24は、電力系統の異常が検出された場合に、第1開閉器201を開いて配電線130を電力系統から解列させるとともに第2開閉器202を開いて太陽光発電装置30を電力系統から解列させ、第3開閉器203を閉じて配電線130と太陽光発電装置30とを接続する。また、制御部24は、電力系統の異常が検出された場合に、第5開閉器205を開けて蓄電池22を電力系統から解列させ、第4開閉器204を閉じて配電線130と蓄電池22とを接続する。このように、停電が生じた場合、制御部24は、第4開閉器204および第3開閉器203を閉じることで、パワーコンディショナ34から分岐線210を介して配電線側電路280へ電力を供給させる。
【0042】
具体的には、停電が生じた場合、第2開閉器202および第5開閉器205だけでなく第1開閉器201を開くことで電線側電路280が電力系統から解列されるが、第4開閉器204を閉じることで、蓄電池22の出力が配電線側電路280に接続されて配電線側電路280の電圧が規定値(例えば、200V)に上昇する。制御部24は、第3開閉器203を閉じることにより、出力先の電路の電圧が既定値になったことをパワーコンディショナ34が分岐線210を介して検出できるようにする。パワーコンディショナ34は、出力先の電路の電圧が既定値になったことを検出すると出力先の電路が正常状態になったと判断し、電力の供給を開始する。これにより、制御部24は、太陽光発電装置30から配電線130へ電力を供給させる。
【0043】
図3は、非停電時における電気機器80への電力供給状態の一例を模式的に示す。非停電時においては、電力供給システム10は連系運転モードで制御される。
【0044】
連系運転モードにおいては、電気機器80が必要とする電力に比べて自家発電システムから供給できる電力に余剰が生じた場合には、余剰分の電力を電力系統に逆潮流させることができる。また、制御部24は、必要に応じて電力系統からの電力で蓄電池22を充電させる。例えば、深夜電力で蓄電池22を充電させる。また、制御部24は、例えば深夜電力以外の時間帯において、自家発電システムから供給する電力が不足する場合に、蓄電池22を放電させる。自家発電システムおよび蓄電池22から供給できる合計の電力が、電気機器80が必要とする電力に比べて不足することを条件として、電力系統から不足分の電力を取得してもよい。
【0045】
図4は、停電時における電気機器80への電力供給状態を模式的に示す。停電時には、第1開閉器201、第2開閉器202および第5開閉器205によって自家発電システムおよび蓄電システム20が電力系統から解列される。また、第3開閉器203および第4開閉器204により、太陽光発電装置30および蓄電システム20が配電線側電路280に接続される。
【0046】
このため、蓄電システム20、太陽光発電装置30および燃料電池システム40から、配電線130やコンセント140を介して電気機器80へ電力を供給できる。したがって、非停電時に使用している配電線130やコンセント140を介して電力を供給することができる。このため、太陽光発電装置30が有する、停電等の電力系統に異常が検出された場合に切り替わる非常用の専用コンセント等に電気機器80をつなぎ替える必要がない。
【0047】
図5は、停電を検出した場合の処理フローの一例を示す。本フローは、停電を検出した場合に開始される。本フローの処理は、主として制御部24が主体となって実行する。
【0048】
本フローが開始すると、ステップS502において、制御部24は、第1開閉器201、第2開閉器202、および、第5開閉器205を開ける。これにより、制御部24は、配電線130、燃料電池システム40および蓄電システム20を電力系統から解列させる。続いて、ステップS504において、制御部24は第3開閉器203および第4開閉器204を閉じる。これにより、太陽光発電装置30および蓄電システム20を配電線側電路280に接続することができる。
【0049】
続いて、ステップS506において、停電時の電力制御を行う。ステップS506の処理については、図6に関連して説明する。続いて、ステップS507において、制御部24は、復電したか否かを判断する。例えば、制御部24は、系統側電路250の周波数の変動、電圧の変動等に基づいて、復電したか否かを判断する。ステップS507で復電していないと判断された場合は、ステップS506に処理を移行する。
【0050】
ステップS507の判断で復電したと判断された場合は、制御部24は、第3開閉器203および第4開閉器204を開ける(ステップS508)。そして、制御部24は、第1開閉器201、第2開閉器202および第5開閉器205を閉じることにより、太陽光発電装置30および蓄電システム20を系統側電路250に接続して(ステップS510)、処理を終了する。このように、制御部24は、電力系統の異常が検出された後に当該異常が解消された場合に、第3開閉器203および第4開閉器204を開き、第1開閉器201、第2開閉器202および第5開閉器205を閉じる。
【0051】
図6は、停電時における電力制御フローの一例を示す。本電力制御フローは、図5のステップS506における詳細な処理フローとして適用できる。
【0052】
本フローが開始すると、ステップS602において、制御部24は、太陽光発電装置30および燃料電池システム40からの発電電力が余剰であるか否かを判断する。例えば、制御部24は、給電線150および給電線160で検出された電圧等の情報に基づいて、発電電力が余剰であるか否かを判断する。
【0053】
発電電力が余剰であると判断された場合、制御部24は、蓄電池22が満充電状態にあるか否かを判断する(ステップS604)。例えば、蓄電池22の直流の出力電圧等に基づいて、蓄電池22が満充電状態にあるか否かを判断する。満充電状態にないと判断された場合、制御部24は、蓄電池22を充電する(ステップS606)。
【0054】
ステップS604において、蓄電池22が満充電であると判断された場合、パワーコンディショナ34およびパワーコンディショナ44の少なくとも一方の制御により、太陽光発電装置30および燃料電池システム40から供給される合計の電力が、電気機器80により必要とされる電力に適合するように調節される(ステップS612)。
【0055】
ステップS602において、太陽光発電装置30および燃料電池システム40からの発電電力が余剰でないと判断された場合、制御部24は、蓄電池22の残存容量の有無を判断する(ステップS622)。例えば、制御部24は、蓄電池22の直流の出力電圧等に基づいて残存容量を推定し、残存容量の推定値が予め定められた基準値以上である場合に、蓄電池22の残存容量があると判断する。制御部24は、残存容量の推定値が当該基準値より小さい場合に、蓄電池22の残存容量がないと判断する。
【0056】
ステップS622において、蓄電池22の残存容量があると判断された場合、制御部24は、電気機器80が必要とする電力に対する不足分の電力を、蓄電池22を放電させることにより供給させる(ステップS624)。蓄電池22の残存容量がない場合、太陽光発電装置30および燃料電池システム40から供給される合計の電力を、電気機器80により必要とされる電力に適合させるべく、燃料電池システム40が発電する電力を増加させる(ステップS632)。ステップS606、ステップS612、ステップS632の処理が完了すると、本フローを終了する。
【0057】
このように、制御部24は、電力系統に異常が検出された場合に、太陽光発電装置30が発電し電気機器80により消費されない余剰の電力を、蓄電池22に供給して蓄電させる。具体的には、制御部24は、電力系統に異常が検出された場合に、太陽光発電装置30の発電電力が電気機器80の消費電力と比較して不足することを条件として、不足分の電力を蓄電池22から配電線130へ供給させる。
【0058】
図7は、非停電時における電力制御結果の一例を概略的に示す。ここで、時間帯別電灯契約によって、昼間時間よりも夜間時間において電力量料金単価が安く設定されているとする。本例では、一日のうちの7時から23時までを昼間時間する。また、0時から7時までと23時から24時までとを夜間時間とする。夜間時間は、いわゆる深夜電力の時間帯の一例である。
【0059】
電力供給システム10では、夜間時間に電力系統からの電力を積極的に利用して、蓄電池22を充電する。具体的には、制御部24は、23時になると、蓄電池22の充電を開始させる。例えば、制御部24は、翌朝7時までに蓄電池22が満充電になるよう、蓄電池22の充電を制御する。また、燃料電池システム40は、翌朝の給湯需要が少なくとも満たされるように、夜間時間内の予め定められた時間から運転が開始されるようプリセットされる。燃料電池システム40は、夜間時間における電気機器80の消費電力を考慮して、比較的に低い出力で運転される。
【0060】
電力供給システム10では、夜間時間において、蓄電池22の充電電力および電気機器80の消費電力は、主として電力系統からの電力で賄われる。すなわち、夜間時間において、太陽光発電装置30における発電電力が実質的になく、燃料電池システム40が運転されていない時間帯では、蓄電池22の充電電力および電気機器80の消費電力の全てを、電力系統からの電力で賄う。燃料電池システム40が運転されている時間帯では、蓄電池22の充電電力および電気機器80の消費電力の合計の電力から、燃料電池システム40から供給される電力を差し引いた分の電力を、電力系統から賄う。
【0061】
夜間時間においても、例えば太陽が昇るにつれて太陽光発電装置30における発電電力が上昇する。太陽光発電装置30から実質的に電力が供給される場合、蓄電池22の充電電力および電気機器80の消費電力の合計の電力から、太陽光発電装置30および燃料電池システム40から供給される合計の電力を差し引いた分の電力を、電力系統から賄う。夜間時間において、蓄電池22の充電電力および電気機器80の消費電力の合計の電力に対して余剰の電力が生じた場合は、余剰分の電力が売電される。
【0062】
このように、制御部24は、異常が検出されていない深夜電力の時間帯において、電力系統からの深夜電力で蓄電池22を充電する。制御部24は、異常が検出されていない深夜電力の時間帯において、電気機器80が消費する電力の少なくとも一部を深夜電力から供給しつつ深夜電力で蓄電池22を充電する。
【0063】
7時になると、昼間時間における比較的に高い電力量料金単価を考慮して、電力系統から電力が供給されないようにすべく、制御部24は蓄電池22の充電を停止させ、燃料電池システム40および太陽光発電装置30の発電電力が不足した場合に蓄電池22から放電させるように待機させる。
【0064】
昼間時間においては、日中の電力需要だけでなく、夕方以降の浴槽への湯張りに要する給湯需要を考慮して、燃料電池システム40は、昼間時間の時刻等に応じて予め定められた出力で運転するようプリセットされる。昼間時間においては、電気機器80が必要とする電力に対して、太陽光発電装置30および燃料電池システム40の合計の発電電力に余剰が生じた場合、余剰分の電力は売電される。日中において太陽光発電装置30の発電電力が増加すると、売電電力も増加する。昼間時間においては比較的に高い単価で売電することが期待でき、経済的なメリットが大きい。
【0065】
このように、制御部24は、電力系統に異常が検出されていない深夜電力の時間帯以外の時間帯において、太陽光発電装置30および燃料電池が発電する電力が不足する場合に、不足する電力を蓄電池22から供給する。特に、制御部24は、電力系統に異常が検出されていない深夜電力の時間帯以外の時間帯において、太陽光発電装置30および燃料電池システム40が発電する電力が余剰である場合に、余剰の電力を太陽光発電装置30から電力系統に逆潮流させる。昼間の時間帯において余剰電力が生じた場合でも、蓄電池22を充電せずに売電をすることで、経済的なメリットを極大化することができる。ただし、モニタ装置28によって、深夜電力による蓄電池22の充電を解除し、余剰電力を蓄電池22に充電することも可能とする。
【0066】
夕刻になり太陽光発電装置30の発電電力が低下すると、電気機器80が必要とする電力は、主として燃料電池システム40の発電電力および蓄電システム20からの放電によって供給される。23時になると、制御部24は蓄電池22からの放電を停止させ、電力系統の電力による蓄電池22の充電を開始させる。
【0067】
このように、制御部24は、異常が検出されていない深夜電力の時間帯以外の時間帯において、電気機器80が消費する電力の少なくとも一部を太陽光発電装置30から供給する。また、制御部24は、異常が検出されていない深夜電力の時間帯以外の時間帯において、配電線130に接続された池燃料電池システム40から、電気機器80が消費する電力の一部を供給する。
【0068】
電力供給システム10によれば、停電時においても、蓄電システム20、太陽光発電装置30および燃料電池システム40から、配電線130を介して電力を供給することができる。非停電時においては、夜間時間における電力量料金単価および日中における電力の売電単価を考慮して、一日におけるトータルのコストが最適化されるように各部を制御することで、トータルのコストを削減することができる。
【0069】
なお、電力供給システム10の機能を説明するにあたり、分電部50が、分電盤の一部としての電流制限器230等の機能と、電源切替部200の機能とを有するとした。しかし、電源切替部200の機能を分かり易く説明することを目的として、分電部50の機能ブロックとして電源切替部200の機能を記載したのであって、電源切替部200の機能が分電盤に組み込まれるべきことを意味するものではない。電源切替部200の機能の少なくとも一部は、任意の装置に内蔵させることもできる。また、電源切替部200の機能の少なくとも一部を、任意の装置に付帯した装置として実現することもできる。例えば、電源切替部200の少なくとも一部の機能をパワーコンディショナ34に内蔵することができる。また、電源切替部200の少なくとも一部の機能をパワーコンディショナ34に付帯した切替装置として実現することもできる。また、当該切替装置を、パワーコンディショナ34、太陽電池モジュール32とともに太陽光発電システムとして実現することもできる。また、電源切替部200の一部の機能を蓄電システム20に内蔵できる。また、電源切替部200の一部の機能を蓄電システム20に付帯する切替装置として実現することもできる。制御部24の機能についても同様であり、切替装置に組み込むこともできるし、パワーコンディショナ34、蓄電システム20内の種々の装置に内蔵することができる。
【0070】
上記の説明において、制御部24の動作として説明した処理は、プロセッサがプログラムに従ってコンピュータが有する各ハードウェアを制御することにより実現することができる。すなわち、本実施形態の電力供給システム10に関連して説明した制御部24の処理は、プロセッサがプログラムに従って動作して各ハードウェアを制御することにより、プロセッサ、メモリ等を含む各ハードウェアとプログラムとが協働して動作することにより実現することができる。コンピュータは、上述した処理の実行を制御するプログラムをロードして、読み込んだプログラムに従って動作して、当該処理を実行してよい。コンピュータは、当該プログラムを記憶しているコンピュータ読取可能な記録媒体から当該プログラムをロードすることができる。
【0071】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0072】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0073】
10 電力供給システム、20 蓄電システム、22 蓄電池、24 制御部、26 切替部、28 モニタ装置、30 太陽光発電装置、32 太陽電池モジュール、34 パワーコンディショナ、40 燃料電池システム、42 燃料電池、44 パワーコンディショナ、46 燃料電池ユニット、48 貯湯槽、50 分電部、80 電気機器、110 積算電力量計、120 幹線、130 配電線、140 コンセント、150 給電線、160 給電線、170 ガスボンベ、180 給湯器、190 建物、200 電源切替部、201 第1開閉器、202 第2開閉器、203 第3開閉器、204 第4開閉器、205 第5開閉器、208 AC/DCコンバータ、209 トランス、210 分岐線、220 検出器、230 電流制限器、240 漏電遮断器、250 系統側電路、280 配電線側電路、290 配電線用遮断器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を消費する電気機器へ電力を供給する配電線と電力系統との間に設けられた第1開閉器と、
前記電力系統と連系する太陽光発電装置と、前記電力系統と前記太陽光発電装置との連係点との間に設けられた第2開閉器と、
前記太陽光発電装置と前記配電線との間に設けられた第3開閉器と、
前記電力系統の異常が検出された場合に、前記第1開閉器を開いて前記配電線を前記電力系統から解列させるとともに前記第2開閉器を開いて前記太陽光発電装置を前記電力系統から解列させ、前記第3開閉器を閉じて前記配電線と前記太陽光発電装置とを接続して、前記太陽光発電装置から前記配電線へ電力を供給する制御部と
を備える電力制御装置。
【請求項2】
前記配電線と蓄電池との間に設けられた第4開閉器と、
前記電力系統と前記蓄電池との間に設けられた第5開閉器と
をさらに備え、
前記制御部は、前記異常が検出された場合に、前記第5開閉器を開けて前記蓄電池を前記電力系統から解列させ、前記第4開閉器を閉じて前記配電線と前記蓄電池とを接続する
請求項1に記載の電力制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記異常が検出されている間、前記太陽光発電装置が発電し前記電気機器により消費されない余剰の電力を、前記蓄電池に供給して蓄電させる
請求項2に記載の電力制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記異常が検出されている間、前記太陽光発電装置の発電電力が前記電気機器の消費電力と比較して不足することを条件として、不足分の電力を前記蓄電池から前記配電線へ供給させる
請求項3に記載の電力制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記異常が検出された後に前記異常が解消された場合に、前記第3開閉器および前記第4開閉器を開き、前記第1開閉器、前記第2開閉器および前記第5開閉器を閉じる
請求項2から4のいずれか一項に記載の電力制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記異常が検出されていない深夜電力の時間帯において、前記電力系統からの深夜電力で前記蓄電池を充電する
請求項2から5のいずれか一項に記載の電力制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記異常が検出されていない前記深夜電力の時間帯において、前記電気機器が消費する電力の少なくとも一部を前記深夜電力から供給しつつ前記深夜電力で前記蓄電池を充電する
請求項6に記載の電力制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記異常が検出されていない前記深夜電力の時間帯以外の時間帯において、前記配電線に接続された燃料電池から、前記電気機器が消費する電力の一部を供給する
請求項6または7に記載の電力制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記異常が検出されていない前記深夜電力の時間帯以外の時間帯において、前記太陽光発電装置および前記燃料電池が発電する電力が不足する場合に、不足する電力を前記蓄電池から供給する
請求項8に記載の電力制御装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記異常が検出されていない前記深夜電力の時間帯以外の時間帯において、前記太陽光発電装置および前記燃料電池が発電する電力が余剰である場合に、余剰の電力を前記太陽光発電装置から前記電力系統に逆潮流させる
請求項9に記載の電力制御装置。
【請求項11】
前記太陽光発電装置と、
前記蓄電池と、
請求項2から10のいずれか一項に記載の電力制御装置と
を備える電力供給システム。
【請求項12】
電力系統の異常が検出された場合に、電力を消費する電気機器へ電力を供給する配電線と電力系統との間に設けられた第1開閉器を開いて、前記配電線を前記電力系統から解列させるとともに、前記電力系統と連系する太陽光発電装置と、前記電力系統と前記太陽光発電装置との連係点との間に設けられた第2開閉器を開いて、前記太陽光発電装置を前記電力系統から解列させる段階と、
前記太陽光発電装置と前記配電線との間に設けられた第3開閉器を閉じて前記配電線と前記太陽光発電装置とを接続して、前記太陽光発電装置から前記配電線へ電力を供給する段階と
を備える電力制御方法。
【請求項13】
コンピュータに、
電力を消費する電気機器へ電力を供給する配電線と電力系統との間に設けられた第1開閉器と、前記電力系統と連系する太陽光発電装置と、前記電力系統と前記太陽光発電装置との連係点との間に設けられた第2開閉器と、前記太陽光発電装置と前記配電線との間に設けられた第3開閉器とを制御する制御部
として機能させ、
前記制御部は、前記電力系統の異常が検出された場合に、前記第1開閉器を開いて前記配電線を前記電力系統から解列させるとともに前記第2開閉器を開いて前記太陽光発電装置を前記電力系統から解列させ、前記第3開閉器を閉じて前記配電線と前記太陽光発電装置とを接続して、前記太陽光発電装置から前記配電線へ電力を供給する
プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−90436(P2013−90436A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228661(P2011−228661)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【特許番号】特許第5118244号(P5118244)
【特許公報発行日】平成25年1月16日(2013.1.16)
【出願人】(595073650)伊藤忠エネクス株式会社 (3)
【Fターム(参考)】