説明

電力変換回路の駆動回路

【課題】パワースイッチング素子Swに過度の電流が流れた場合に、これに対処するまでにタイムラグが生じること。
【解決手段】パワースイッチング素子Swのゲート及びエミッタ間には、パワースイッチング素子Swのゲート電圧をクランプするクランプ回路として、ツェナーダイオード78及びスイッチング素子76の直列接続体が接続されている。パワースイッチング素子Swのオフ状態からオン状態への切替開始時点から規定期間に渡って、スイッチング素子76をオン操作する。これにより、パワースイッチング素子Swの上記オン状態への切替開始時点から規定期間に渡ってツェナーダイオード78によってパワースイッチング素子Swのゲート電圧が制限される。この規定期間は、ミラー期間の終了時以前に終了するように設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換回路の備える電圧制御形のスイッチング素子をオン・オフ駆動する電力変換回路の駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の駆動回路としては、例えば下記特許文献1に見られるように、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)のエミッタ及びゲート間に、ゲートの電圧を所定電圧にクランプするためのツェナーダイオードとトランジスタとを接続し、IGBTのコレクタ電流が規定値以上となる場合にトランジスタをオン状態とするものも提案されている。これにより、IGBTのコレクタ電流が、その信頼性の低下を招きかねない値となる場合に、ゲートの電圧を低下させることができ、ひいてはコレクタ電流を制限することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3558324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、IGBTのコレクタ電流が規定値以上となってから、実際にトランジスタをオンすることでツェナーダイオードによるゲート電圧のクランプ処理がなされるまでにはタイムラグが生じる。ここで、クランプ処理がなされるまでの時間を短縮する場合には、ノイズによって実際には規定値以上の電流が流れていないにもかかわらず規定値以上の電流が流れたとしてトランジスタがオン操作される誤動作が生じ易くなる。一方、IGBTとして、クランプ処理がなされるまでの期間に過度の電流が流れてもその信頼性が低下しない素子を選択する場合には、IGBTの素子サイズが大きくなる等の問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電力変換回路の備える電圧制御形のスイッチング素子に過度の電流が流れる事態の発生をより適切に抑制することのできる電力変換回路の駆動回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
【0007】
請求項1記載の発明は、電力変換回路の備える電圧制御形のスイッチング素子の入力端子及び出力端子間を流れる電流の検出値を入力とし、該電流が規定値以上となることで前記スイッチング素子をオン状態に維持しつつも前記スイッチング素子の導通制御端子に印加される電圧を基準電圧に制限する制限手段を備える電力変換回路の駆動回路において、前記制限手段は、前記スイッチング素子のオフ状態からオン状態への切替の開始時点からの長さが定められた規定期間に渡って、前記導通制御端子に印加される電圧を基準電圧に制限する機能を備えることを特徴とする。
【0008】
上記発明では、規定期間に渡って導通制御端子に印加される電圧が基準電圧に制限されるために、スイッチング素子がオン状態に切り替えられることでスイッチング素子に流れる電流が過大となることを好適に抑制することができる。そして、スイッチング素子に実際に規定値以上の電流が流れる場合には、上記規定期間が経過した後であっても、電流の検出値の入力に基づき、導通制御端子の電圧を基準電圧に制限することができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記規定期間を、前記オン状態への切替の開始時点からミラー期間の完了時以前の時点までの期間とすることを特徴とする。
【0010】
スイッチング素子をオフ状態からオン状態へと切り替える際、通常、導通制御端子の電圧は、一旦上昇した後、一定値でほとんど変化しないミラー期間を経て、再度上昇する。そして、ミラー期間における導通制御端子の電圧は、スイッチング素子に過度の電流が流れないなら、さほど高い値とはならない。このため、ミラー期間の終了までに規定期間が終了するようにすることで、スイッチング素子に過度の電流が流れない状況下、導通制御端子の電圧が基準電圧を超える事態を好適に回避することができる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記規定期間は、前記電流の検出値に応答して前記制限手段が前記基準電圧への制限を開始するまでに要する時間以上の長さを有することを特徴とする。
【0012】
上記発明では、スイッチング素子を流れる電流が規定値以上となる場合には、規定期間内に、スイッチング素子を流れる電流の検出値の入力に基づく導通制御端子の電圧制限が開始される。このため、スイッチング素子のオン状態への切替の開始時点から上記規定期間の終了時点を越える時点まで継続して導通制御端子の電圧を制限することができる。このため、スイッチング素子を流れる電流を、基準電圧によって定まる最大電流に制限することができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記制限手段は、前記導通制御端子及び前記出力端子間に備えられるツェナーダイオードと、前記導通制御端子及び前記出力端子間を接続する経路であって且つ前記ツェナーダイオードを備える電気経路を開閉する手段と、前記スイッチング素子のオン操作指令を入力とし、前記電気経路を開閉する手段を前記規定期間に渡って閉状態とする手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明において、前記制限手段は、前記スイッチング素子を流れる電流の検出値を入力とし、該検出値と閾値との比較に基づき前記電流が前記規定値以上となるか否かを判断する判断手段と、前記スイッチング素子の導通制御端子の電圧の検出値を入力とし、前記電流の検出値が前記導通制御端子の電圧に依存することで前記判断手段による前記比較に及ぼされる影響を除去する除去手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
スイッチング素子を流れる電流を検出する手段を、スイッチング素子を実際に流れる電流やその一部を直接検出対象とする代わりに、これと相関を有する量を検出する手段によって構成する場合、電流の検出値が導通制御端子の電圧に依存する傾向がある。そして、この場合、電流の検出値と閾値との比較結果は、スイッチング素子の導通制御端子に印加される電圧に依存して変動しえる。この点、上記発明では、検出値が導通制御端子に印加される電圧に依存して変動することによる上記比較結果の変動を除去することで、スイッチング素子を流れる電流が規定値以上となったか否かを高精度に判断することができる。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記電力変換回路は、高電位側スイッチング素子及び低電位側スイッチング素子の直列接続体を備え、前記導通制御端子に前記制限手段が接続されるスイッチング素子は、前記高電位側スイッチング素子及び前記低電位側スイッチング素子の少なくとも一方であることを特徴とする。
【0017】
上記発明では、高電位側スイッチング素子及び低電位側スイッチング素子が直列接続されるために、これらを貫通する電流が流れる異常時には、スイッチング素子の入力端子及び出力端子間を流れる電流を制限することが望まれる。このため、規制手段を備えることのメリットが特に大きい。
【0018】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記高電位側スイッチング素子及び前記低電位側スイッチング素子の入力端子及び出力端子間には、それぞれフリーホイールダイオードが接続されており、前記高電位側スイッチング素子及び前記低電位側スイッチング素子は、交互にオン操作が指令される相補信号によってオン・オフが指令されるものであり、前記制限手段が接続されたスイッチング素子に対応するフリーホイールダイオードに電流が流れると判断される場合、前記制限手段による制限を無効化する無効化手段を更に備えることを特徴とする。
【0019】
上記のように相補信号によってオン・オフが指令される場合、フリーホイールダイオードに電流が流れる際に制限手段による基準電圧への制限処理がなされることで無駄な電力消費が特に大きくなりやすい。これは、フリーホイールダイオードに電流が流れる場合には、導通制御端子の電圧が迅速に基準電圧を上回ると考えられるからである。上記発明では、この点に鑑み、無効化手段を備えることで、制限手段による電力の浪費を好適に抑制することができる。
【0020】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記スイッチング素子と前記フリーホイールダイオードとは、同一半導体基板に併設されるものであり、前記フリーホイールダイオードに電流が流れると判断される場合、前記スイッチング素子の導通制御端子への電圧印加を停止する停止手段を更に備え、前記無効化手段は、前記停止手段によって構成されることを特徴とする。
【0021】
スイッチング素子とフリーホイールダイオードとが同一半導体基板に併設される場合、フリーホイールダイオードに電流が流れているときにこれに逆並列に接続されるパワースイッチング素子をオン状態とする場合には、フリーホイールダイオードの電力損失が増大する。上記発明では、この点に鑑み、停止手段を備えることで導通損失を低減することができる。
【0022】
更に、上記無効化手段を停止手段によって構成することで、部品点数の増加を抑制することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施形態にかかるシステム構成図。
【図2】同実施形態にかかるIGBT及びフリーホイールダイオードの構成を示す断面図及び側面図。
【図3】同実施形態にかかるドライブユニットの回路構成を示す回路図。
【図4】同実施形態にかかる過電流からの保護態様を例示するタイムチャート。
【図5】センス端子の出力電流によるシャント抵抗の電圧降下量とコレクタ電流との関係を示す図。
【図6】第2の実施形態にかかるドライブユニットの回路構成を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる電力変換回路の駆動回路をハイブリッド車に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0025】
図1に、本実施形態のシステム構成を示す。図示されるように、車載主機としてのモータジェネレータ10は、インバータIV及びコンバータCVを介して高圧バッテリ12に接続されている。インバータIVは、高電位側のパワースイッチング素子Swp及び低電位側のパワースイッチング素子Swnの直列接続体が3つ並列接続されて構成されている。そして、これら各パワースイッチング素子Swp,Swnの接続点が、モータジェネレータ10の各相にそれぞれ接続されている。また、コンバータCVは、コンデンサCと、高電位側のパワースイッチング素子Swp及び低電位側のパワースイッチング素子Swnの直列接続体と、これらパワースイッチング素子Swp,Swnの接続点と高圧バッテリ12とを接続するリアクトルLとを備えている。
【0026】
上記高電位側のパワースイッチング素子Swp及び低電位側のパワースイッチング素子Swnのそれぞれの入出力端子間(コレクタ及びエミッタ間)には、高電位側のフリーホイールダイオードFDp及び低電位側のフリーホイールダイオードFDnのカソード及びアノードが接続されている。
【0027】
上記インバータIVを構成するパワースイッチング素子Swp,Swnの導通制御端子(ゲート)には、いずれもドライブユニットDUが接続されている。これにより、パワースイッチング素子Swp,Swnは、ドライブユニットDUを介して、低圧バッテリ14を電源とする制御装置16によって駆動される。制御装置16は、図示しない各種センサの検出値等に基づき、インバータIVのU相、V相、及びW相のそれぞれについてのパワースイッチング素子Swpを操作する操作信号gup,gvp,gwpと、パワースイッチング素子Swnを操作する操作信号gun,gvn,gwnとを生成し出力する。また、コンバータCVのパワースイッチング素子Swp、Swnを操作する操作信号gcp,gcnを生成し出力する。これにより、パワースイッチング素子Swp,Swnは、ドライブユニットDUを介して制御装置16により操作される。これら高電位側の操作信号gup,gvp,gwp、gcpのそれぞれと、低電位側の操作信号gun,gvn,gwn、gcnのそれぞれとは、高電位側のスイッチング素子Swpと低電位側のスイッチング素子Swnとを互いに相補的に駆動するものである。すなわち、いずれか一方の操作信号がオン状態とするための信号である期間、他方の操作信号がオフ状態とするための信号となる。
【0028】
なお、インバータIVやコンバータCVを備える高圧システムと、制御装置16を備える低圧システムとは、図示しないフォトカプラ等の絶縁手段によって絶縁されており、上記操作信号は、絶縁手段を介して高圧システムに出力される。
【0029】
上記パワースイッチング素子Swp,Swnは、いずれも、入力端子及び出力端子が一義に定義されており、出力端子から入力端子への電流の流通を阻止するスイッチング素子である。詳しくは、これらは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)にて構成されている。また、パワースイッチング素子Swp,Swnは、その入力端子及び出力端子間に流れる電流やフリーホイールダイオードFDp、FDnに流れる電流と相関を有する微少電流を出力するセンス端子STを備えている。センス端子STのこの機能は、IGBTとして、ダイオード内蔵型のものを用いるために実現されるものである。すなわち、本実施形態では、高電位側のパワースイッチング素子Swp及び高電位側のフリーホイールダイオードFDpは互いに同一の半導体基板に隣接して形成されており、低電位側のパワースイッチング素子Swn及び低電位側のフリーホイールダイオードFDnは互いに同一の半導体基板に隣接して形成されている。
【0030】
図2(a)に、本実施形態にかかるパワースイッチング素子Swp(Swn)及びフリーホイールダイオードFDp(FDn)の断面構成を示す。なお、以下では、パワースイッチング素子Swp、Swnを総括する場合、パワースイッチング素子Swと記載し、フリーホイールダイオードFDp,FDnを総括する場合、フリーホイールダイオードFDと記載する。
【0031】
図示されるように、半導体基板20には、IGBT領域とダイオード領域とが併設されて形成されている。半導体基板20の主面側から裏面側へと伸びる領域は、導電型がN型であるN型領域22となっている。また、半導体基板20の主面側の表層部には、導電型がP型のP型領域24が形成されており、P型領域24内に、上記N型領域22よりも濃い濃度のN型の導電型を有するN型領域26が形成されている。そして、これらP型領域24及びN型領域26には、IGBTのエミッタ端子E及びダイオードのアノード端子が接続されている。また、上記P型領域24及びN型領域26上には、ゲート酸化膜28を介してゲート電極30が形成されている。
【0032】
一方、半導体基板20の裏面側の表層部には、上記N型領域22よりも濃度の濃いN型領域36とP型領域34とが併設されている。ここで、P型領域34は、IGBTのコレクタ領域を構成し、N型領域36は、ダイオードのカソード領域を構成する。なお、これらP型領域34及びN型領域36と上記N型領域22との間には、N型領域22よりも濃度の薄いN型領域32が形成されている。
【0033】
図2(b)は、上記半導体基板20の主面側を模式的に示した平面図である。図示されるように、主面側の大部分は、エミッタ領域であり、これよりも小さい領域として、ゲート領域やセンス電極38が形成されている。ここで、実際のセンス電極38の面積は、エミッタ領域の面積の数千分の1程度とされており、これにより、IGBTやフリーホイールダイオードに流れる電流と相関を有しつつも極微小な電流を出力することが可能となっている。
【0034】
図3に、上記ドライブユニットDUの回路構成を示す。
【0035】
図示されるように、電源40は、PチャネルMOSトランジスタ(充電用スイッチング素子42)と、ゲートの充電速度を調節するための充電用抵抗体44とを介して、パワースイッチング素子Swのゲートに接続されている。パワースイッチング素子Swのゲートは、ゲートの放電速度を調節するための放電用抵抗体46及び、NチャネルMOSトランジスタ(放電用スイッチング素子48)を介して、パワースイッチング素子SwのエミッタEに接続されている。
【0036】
駆動制御回路50は、図示しないフォトカプラ等の絶縁手段を介して、ドライブユニットDUに入力される上記操作信号g(操作信号gup,gun,gvp,gvn,gwp,gwn,gcp,gcnの総括表記)に基づき、充電用スイッチング素子42及び放電用スイッチング素子48を相補的にオン・オフすることでパワースイッチング素子Swを駆動する。すなわち、操作信号gが論理「H」となることで、パワースイッチング素子Swをオン状態とする旨が指示される場合、充電用スイッチング素子42をオンして且つ放電用スイッチング素子48をオフすることで、パワースイッチング素子Swのゲートに正の電荷を充電する。また、操作信号gが論理「L」となることで、パワースイッチング素子Swをオフ状態とする旨が指示される場合、充電用スイッチング素子42をオフして且つ放電用スイッチング素子48をオンすることで、パワースイッチング素子Swのゲートから正の電荷を放電させる。
【0037】
パワースイッチング素子SwのエミッタE及びセンス端子ST間には、シャント抵抗52が接続されている。センス端子STから出力された微少電流によるシャント抵抗52の電圧降下量は、反転増幅回路54にて電圧変換された後、コンパレータ56の反転入力端子に印加される。ここで、反転増幅回路54は、パワースイッチング素子Swに電流が流れるか、フリーホイールダイオードFDに電流が流れるかにかかわらず、コンパレータ56の反転入力端子に印加される電圧の極性を固定するためのものである。ここでは、反転増幅回路54として、オペアンプの非反転入力端子に、パワースイッチング素子Swのエミッタ電位基準で正の電圧が印加されたものを例示している。反転増幅回路54の出力電圧は、入力される電圧が小さいほど(負で絶対値が大きいほど)大きい値となる。
【0038】
コンパレータ56の非反転入力端子には、基準電源58の電圧VthLが印加されている。ここで、基準電源58は、パワースイッチング素子Swのエミッタの電位よりも高電位の電圧を上記非反転入力端子に印加するためのものである。これにより、フリーホイールダイオードFDに流れる電流が規定値以上となることで、コンパレータ56から駆動制御回路50に、パワースイッチング素子Swのゲートへの電圧印加を強制的に停止するための停止信号SDが出力される。そして、駆動制御回路50では、停止信号SDが入力される場合、操作信号gの値にかかわらず、パワースイッチング素子Swをオフ状態とする。これは、フリーホイールダイオードFDに電流が流れる際にパワースイッチング素子Swのゲートに電圧が印加されることでフリーホイールダイオードFDの電力損失が増大することに鑑みたものである。すなわち、フリーホイールダイオードFDに電流が流れる際にパワースイッチング素子Swを強制的にオフとすることで、フリーホイールダイオードFDの電力損失を低減することができる。
【0039】
また、上記反転増幅回路54の出力信号は、コンパレータ60の反転入力端子の入力信号ともなる。コンパレータ60の非反転入力端子には、基準電源62の基準電圧VthHが印加されている。これにより、パワースイッチング素子Swに流れる電流が閾値以上となることで、コンパレータ60の出力が論理「L」から論理「H」に反転する。コンパレータ60からの論理「H」の信号は、ディレイ64に取り込まれる。ディレイ64は、入力信号が所定時間に渡って論理「H」となることで、パワースイッチング素子Swを強制的にオフ状態とすべく、論理「H」の信号をソフト遮断用スイッチング素子66のゲートに出力するとともに、停止信号AEを駆動制御回路50に出力するものである。ここで、停止信号AEは、駆動制御回路50による充電用スイッチング素子42及び放電用スイッチング素子48の駆動を停止させるための信号である。
【0040】
上記ソフト遮断用スイッチング素子66は、その一方の端子がパワースイッチング素子SwのエミッタEに接続されており、他方の端子が、ソフト遮断用抵抗体68、放電用抵抗体46を介して、パワースイッチング素子Swのゲートに接続される。これにより、パワースイッチング素子Swに流れる電流が閾値以上となる状態が所定時間以上継続することで、ソフト遮断用スイッチング素子66がオンとされ、ソフト遮断用抵抗体68及び放電用抵抗体46を介して、パワースイッチング素子Swのゲートの電荷が放電される。ここで、ソフト遮断用抵抗体68は、放電経路の抵抗値を高抵抗とするためのものである。これは、コレクタ電流が過大である状況下にあっては、パワースイッチング素子Swをオン状態からオフ状態へと切り替える速度、換言すればコレクタ及びエミッタ間の遮断速度を大きくすると、サージが過大となるおそれがあることに鑑みたものである。このため、コレクタ電流が閾値以上となると判断される状況下にあっては、放電用抵抗体46及び放電用スイッチング素子48を備える放電経路よりも抵抗値の大きい経路によってパワースイッチング素子Swのゲートを放電させる。
【0041】
こうしたパワースイッチング素子Swの駆動制限手段として、本実施形態では、上記ソフト遮断処理を行う手段に加えて、パワースイッチング素子Swのゲート電圧をゼロよりも大きい基準電圧に制限する手段を備える。これは、NチャネルMOSトランジスタ(スイッチング素子76)とツェナーダイオード78との直列接続体を、パワースイッチング素子Swのコレクタ及びエミッタ間に備えて構成されている。これにより、スイッチング素子76がオン操作されることで、パワースイッチング素子Swのゲート電圧を、ツェナーダイオード78のブレークダウン電圧(クランプ電圧)に制限することができる。
【0042】
上記スイッチング素子76は、基本的には、コンパレータ60の出力に基づき、パワースイッチング素子Swを流れる電流が閾値以上となる場合にオン操作されるものである。ただし、本実施形態では、パワースイッチング素子Swのオフ状態からオン状態への切替の開始時点からの長さが定められた規定期間に渡って、上記スイッチング素子76をオン操作することで、ゲート電圧を制限する処理のためにも用いる。これは、以下の回路構成によって実現される。
【0043】
上記駆動制御回路50の出力するスイッチング素子42の駆動信号は、フィルタ70に入力される。フィルタ70は、上記規定期間によって規定される時間に応じた遅延時間を有するものである。なお、この時間は、上記ディレイ64によって定まる時間と比較して短いものとなっている。特に本実施形態では、この規定期間によって定まる時間を、パワースイッチング素子Swのオフ状態からオン状態への切替の開始時点からミラー期間が終了するまでの時間以内の時間とする。このフィルタ70は、例えば1次遅れフィルタ等によって構成される。
【0044】
上記フィルタ70の出力とコンパレータ60の出力との論理和信号がOR回路72によって生成される。また、インバータ69による上記駆動信号の論理反転信号とOR回路72の出力信号との論理積信号がAND回路74によって生成される。そして、このAND回路74の出力信号がスイッチング素子76の導通制御端子(ゲート)に印加される。
【0045】
図4に、上記回路によるゲート電圧の制限処理の態様を示す。詳しくは、図4(a)に、操作信号gの推移を示し、図4(b)に、ゲート電圧Vgeの推移を示し、図4(c)に、パワースイッチング素子Swを流れる電流(コレクタ電流Ic)の推移を示し、図4(d)に、上記ツェナーダイオード78を備えるクランプ回路の動作態様の推移を示す。
【0046】
ここで、ケースAは、パワースイッチング素子Swに過度の電流が流れない正常時を示している。この場合、パワースイッチング素子Swをオン操作する指令が出されることで、ゲート電圧が上昇し、ミラー期間の完了(時刻t1)以前にクランプ回路がオフ状態に切り替えられる。ここで、ミラー期間におけるゲート電圧は、クランプ回路によるクランプ電圧Vcr(ツェナーダイオード78のブレークダウン電圧)以下となるため、クランプ回路の動作の有無は、パワースイッチング素子Swのゲート電圧の上昇に影響を及ぼさない。また、ツェナーダイオード78に電流が流れず、これによる電力消費もない。
【0047】
これに対し、ケースBは、例えば一対のパワースイッチング素子Swp,Swnに貫通電流が流れる等、パワースイッチング素子Swに過度の電流が流れる異常時を示す。この場合、パワースイッチング素子Swを流れる電流が大きいほどゲート電圧が高くなるため、ミラー期間における電圧もクランプ電圧Vcrにてクランプされる。これにより、パワースイッチング素子Swを流れる電流は、クランプ電圧Vcrによって制限されることとなる。そして、パワースイッチング素子Swを流れる電流が上記基準電圧VthHによって定まる閾値Ith以上であるために、上記フィルタ70によって定まる期間の経過後も、ゲート電圧はクランプ電圧Vcrに制限される。
【0048】
一方、ケースCは、クランプ回路を、コンパレータ60の出力信号のみによって駆動する従来例を示す。この場合、パワースイッチング素子Swに過度の電流が流れることで、パワースイッチング素子Swのゲート電圧も一旦クランプ電圧Vcrを上回って上昇する。その後、パワースイッチング素子Swを流れる電流が閾値Ith以上となることがコンパレータ60によって検知され、これに基づきクランプ回路が駆動されることで、ゲート電圧がクランプ電圧Vcrに制限され、パワースイッチング素子Swを流れる電流も制限されることとなる。
【0049】
このように本実施形態では、パワースイッチング素子Swのオフ状態からオン状態への切り替え開始時点から規定期間に渡ってクランプ回路を駆動することで、オン状態への切替に伴ってパワースイッチング素子Swに過度の電流が流れることを好適に回避することができる。これに対し、こうした構成を有しないケースCの場合には、パワースイッチング素子Swに過度の電流が流れるため、これに耐え得る定格のものを用いる必要が生じ、ひいてはパワースイッチング素子Swの大型化を招く。特に、パワースイッチング素子Swのオン状態時の電力損失を低減する観点からゲート電圧を高くする要求が生じる一方、この要求に従うと、クランプ回路が過電流に応じて動作するまでの期間におけるパワースイッチング素子Swを流れる電流が非常に大きくなり易い。このため、パワースイッチング素子Swの電力損失を低減する要求に従うほど、パワースイッチング素子Swが大型化しやすくなる。
【0050】
なお、クランプ回路が過電流に応じて動作するまでの所要時間を短くすることも考えられるが、この場合、回路を非常に高速なものとする必要が生じる。
【0051】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
【0052】
(1)パワースイッチング素子Swのオフ状態からオン状態への切替の開始時点からの長さが定められた規定期間に渡って、ゲートに印加される電圧をクランプ電圧Vcrに制限した。これにより、パワースイッチング素子Swがオン状態に切り替えられることでパワースイッチング素子Swに流れる電流が過大となることを好適に抑制することができる。
【0053】
(2)規定期間を、オン状態への切替の開始時点からミラー期間の完了以前の時点までの期間とした。これにより、パワースイッチング素子Swに過度の電流が流れない状況下、ゲート電圧がクランプ電圧Vcrを超える事態を好適に回避することができる。
【0054】
(3)規定期間の長さを、パワースイッチング素子Swを流れる電流の検出値に応答してクランプ電圧Vcrへの制限を開始するまでに要する時間(コンパレータ60の出力信号に基づきスイッチング素子76が操作可能となるまでの時間)以上の長さとした。これにより、パワースイッチング素子Swのオン状態への切替の開始時点から上記規定期間の終了時点を越える時点まで継続してゲート電圧を制限することができる。
【0055】
(4)パワースイッチング素子Swp及びパワースイッチング素子Swnが直列に接続される構成とした。この場合、これらを貫通する電流が流れる異常時には、パワースイッチング素子Swを流れる電流が特に大きくなり易いため、パワースイッチング素子のオン操作に際してクランプ回路を起動するメリットが特に大きい。
【0056】
(5)フリーホイールダイオードFDに電流が流れると判断される場合、パワースイッチング素子Swのゲートへの電圧印加を停止した。これにより、フリーホイールダイオードFDの電力損失を低減することができる。また、フリーホイールダイオードFDに電流が流れる場合には、パワースイッチング素子Swのゲート電圧が迅速にクランプ電圧Vcrを上回る。このため、パワースイッチング素子Swのゲートへの電圧印加を停止しない場合には、クランプ回路によって電力が浪費されると考えられる。この点、本実施形態では、フリーホイールダイオードFDに電流が流れると判断される場合に、パワースイッチング素子Swのゲートへの電圧印加を停止することで、こうした事態を回避することもできる。
【0057】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0058】
本実施形態では、パワースイッチング素子Swを閾値以上の電流が流れるか否かの判断を行うべくシャント抵抗52による電圧降下量と比較する基準電圧VthHを、パワースイッチング素子Swのゲート電圧に応じて可変設定する。これは、図5に示すように、センス端子STから出力される微少電流には、パワースイッチング素子Swのゲート電圧Vge依存性があることによる。すなわち、微少電流のゲート電圧依存性により、電圧降下量と固定値との比較に基づきパワースイッチング素子Swを閾値以上の電流が流れるか否かを判断する場合には、判断誤差が生じ得る。こうした事態を回避すべく、電圧降下量との比較対象となる基準電圧VthHを可変設定することで、上記判断に際し微少電流のゲート電圧依存性を補償する。
【0059】
図6に、本実施形態にかかるドライブユニットDUの回路構成を示す。なお、図6において、先の図3に示した部材に対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
【0060】
図示されるように、基準電源62は、パワースイッチング素子Swのゲート電圧を入力として、基準電圧VrefHを可変設定する。詳しくは、ゲート電圧が高いほど基準電圧VrefHを大きくする。
【0061】
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記各効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
【0062】
(6)センス端子STの出力する微少電流に応じた電圧降下量との比較対象である基準電圧VthHを、ゲート電圧に応じて可変設定した。これにより、微少電流がゲート電圧に依存して変動することに起因してパワースイッチング素子Swを流れる電流と閾値との比較結果が変動することを回避することができる。
【0063】
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
【0064】
・パワースイッチング素子Swを流れる電流の検出値と閾値との比較に基づきパワースイッチング素子Swを流れる電流が規定値以上であるか否かを判断するに際し、上記検出値のゲート電圧依存性を除去する手法としては、上記第2の実施形態で例示したように、ゲート電圧に応じて閾値を可変設定するものに限らない。例えば、シャント抵抗(シャント抵抗52)の抵抗値をゲート電圧に応じて可変設定する等、検出値を補正するものであってもよい。
【0065】
・上記各実施形態では、ツェナーダイオード78のアノード側にスイッチング素子76を接続したが、カソード側に接続してもよい。
【0066】
・パワースイッチング素子Swをオン状態に維持しつつもパワースイッチング素子Swの導通制御端子に印加される電圧を基準電圧に制限する制限手段としては、ツェナーダイオード78及びスイッチング素子76を備えて構成されるものに限らない。例えば、ツェナーダイオード78に代えて、パワースイッチング素子Swのゲート側をアノードとする複数のダイオードの直列接続体を用いてもよい。
【0067】
・上記各実施形態では、パワースイッチング素子Swのゲートと電源40との電気経路を開閉するためのスイッチング素子42の駆動信号を、フィルタ70に入力したがこれに限らない。例えば、駆動制御回路50に入力される操作信号gであってもよい。
【0068】
・上記各実施形態では、高電位側のパワースイッチング素子Swp及び低電位側のパワースイッチング素子Swnを相補的に駆動することとしたが、これに限らない。フリーホイールダイオードFDに電流が流れる際には、これに逆並列に接続されるパワースイッチング素子Swの操作信号をオフ指令に対応したものとするなら、ツェナーダイオード78による電力消費のみならず、パワースイッチング素子Swのゲートの充電による電力消費をも回避することができる。
【0069】
・上記各実施形態では、反転増幅回路54の出力をコンパレータ60の反転入力端子に印加したが、これに限らない。例えば、シャント抵抗52とセンス端子STとの接続点の電圧を、コンパレータ60の非反転入力端子に印加し、反転入力端子に基準電圧を印加するようにしてもよい。
【0070】
・フリーホイールダイオードFDに電流が流れる場合に、ツェナーダイオード78によるパワースイッチング素子Swのゲート電圧のクランプ処理を無効化する無効化手段としては、上記各実施形態で例示したものに限らない。例えば、パワースイッチング素子SwとフリーホイールダイオードFDとが別チップにて構成されて且つ、フリーホイールダイオードFDに電流が流れると判断される場合にパワースイッチング素子Swのゲートへの電圧印加を停止する停止手段を備えない場合であっても、無効化手段を備えることは、ツェナーダイオード78による無駄な電力消費を回避する上で有効である。もっとも、この場合であっても、無効化手段を、パワースイッチング素子Swのゲートへの電圧印加を停止する停止手段として構成することは、パワースイッチング素子Swのゲートの充電による無駄な電力消費を回避するうえで有効である。
【0071】
・パワースイッチング素子Swを流れる電流を検出する手段としては、センス端子STの出力する微少電流によるシャント抵抗での電圧降下量を検出するものに限らない。例えばパワースイッチング素子Swの入力端子及び出力端子間の電圧を検出するものであってもよい。この場合、検出される電圧がパワースイッチング素子Swの入力端子及び出力端子間を流れる電流と相関を有するパラメータとなる。ただし、この場合であっても、検出される電圧は、パワースイッチング素子Swのゲートに印加される電圧に依存して変化するものとなるため、上記第2の実施形態のように、パワースイッチング素子Swを規定値以上の電流が流れているか否かの判断に際して、この電圧依存性を除去する処理を行うことは有効である。
【0072】
・ドライブユニットDUの構成としては、上記各実施形態で例示したものに限らない。例えば、充電用抵抗体44と放電用抵抗体46とを同一としてもよい。また、ソフト遮断処理のための電気経路を、放電用抵抗体46を迂回する経路としてもよい。
【0073】
・電力変換回路としては、上記インバータIVや、ブーストコンバータとしてのコンバータCVに限らない。例えば、高圧バッテリ12の電圧を降圧して低圧バッテリ14に印加する降圧コンバータであってもよい。
【0074】
・電力変換回路としては、ハイブリッド車に搭載されるものに限らず、例えば電気自動車に搭載されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0075】
60…コンパレータ(制限手段の一実施形態の構成要素)、76…スイッチング素子(制限手段の一実施形態の構成要素)、78…ツェナーダイオード(制限手段の一実施形態の構成要素)、Sw…パワースイッチング素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換回路の備える電圧制御形のスイッチング素子の入力端子及び出力端子間を流れる電流の検出値を入力とし、該電流が規定値以上となることで前記スイッチング素子をオン状態に維持しつつも前記スイッチング素子の導通制御端子に印加される電圧を基準電圧に制限する制限手段を備える電力変換回路の駆動回路において、
前記制限手段は、前記スイッチング素子のオフ状態からオン状態への切替の開始時点からの長さが定められた規定期間に渡って、前記導通制御端子に印加される電圧を基準電圧に制限する機能を備えることを特徴とする電力変換回路の駆動回路。
【請求項2】
前記規定期間を、前記オン状態への切替の開始時点からミラー期間の完了時以前の時点までの期間とすることを特徴とする請求項1記載の電力変換回路の駆動回路。
【請求項3】
前記規定期間は、前記電流の検出値に応答して前記制限手段が前記基準電圧への制限を開始するまでに要する時間以上の長さを有することを特徴とする請求項1又は2記載の電力変換回路の駆動回路。
【請求項4】
前記制限手段は、前記導通制御端子及び前記出力端子間に備えられるツェナーダイオードと、前記導通制御端子及び前記出力端子間を接続する経路であって且つ前記ツェナーダイオードを備える電気経路を開閉する手段と、前記スイッチング素子のオン操作指令を入力とし、前記電気経路を開閉する手段を前記規定期間に渡って閉状態とする手段とを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力変換回路の駆動回路。
【請求項5】
前記制限手段は、前記スイッチング素子を流れる電流の検出値を入力とし、該検出値と閾値との比較に基づき前記電流が前記規定値以上となるか否かを判断する判断手段と、前記スイッチング素子の導通制御端子の電圧の検出値を入力とし、前記電流の検出値が前記導通制御端子の電圧に依存することで前記判断手段による前記比較に及ぼされる影響を除去する除去手段とを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力変換回路の駆動回路。
【請求項6】
前記電力変換回路は、高電位側スイッチング素子及び低電位側スイッチング素子の直列接続体を備え、
前記導通制御端子に前記制限手段が接続されるスイッチング素子は、前記高電位側スイッチング素子及び前記低電位側スイッチング素子の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力変換回路の駆動回路。
【請求項7】
前記高電位側スイッチング素子及び前記低電位側スイッチング素子の入力端子及び出力端子間には、それぞれフリーホイールダイオードが接続されており、
前記高電位側スイッチング素子及び前記低電位側スイッチング素子は、交互にオン操作が指令される相補信号によってオン・オフが指令されるものであり、
前記制限手段が接続されたスイッチング素子に対応するフリーホイールダイオードに電流が流れると判断される場合、前記制限手段による制限を無効化する無効化手段を更に備えることを特徴とする請求項6記載の電力変換回路の駆動回路。
【請求項8】
前記スイッチング素子と前記フリーホイールダイオードとは、同一半導体基板に併設されるものであり、
前記フリーホイールダイオードに電流が流れると判断される場合、前記スイッチング素子の導通制御端子への電圧印加を停止する停止手段を更に備え、
前記無効化手段は、前記停止手段によって構成されることを特徴とする請求項7記載の電力変換回路の駆動回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−246251(P2010−246251A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−91668(P2009−91668)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】