説明

電力変換装置およびその製造方法

【課題】この発明は、金属配線部材とヒートシンクとの間に介装される絶縁樹脂層の厚みを高精度に管理できるようにし、要求される電気絶縁性と熱伝導性を安定して確保することができる電力変換装置およびその製造方法を得る。
【解決手段】半導体素子3が表面に搭載された金属配線部材4、金属配線部材4の裏面を露出させて、金属配線部材4および半導体素子3を埋設するモールド樹脂5、およびモールド樹脂5から延出する入出力端子7,9を有するパワーモジュール2と、金属配線部材4の露出面に対向して配設されるヒートシンク11と、モールド樹脂4の金属配線部材4の露出面の外側部位とヒートシンク11との間に挟持されて、金属配線部材4の露出面とヒートシンク11との間に所定の隙間を形成する樹脂厚み規制部材13と、金属配線部材4の露出面を覆うようにパワーモジュール2とヒートシンク11との間に充填された絶縁樹脂層12と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体素子をモールド樹脂で封止してなるパワーモジュールおよび半導体素子での発熱を放熱するヒートシンクを備えた電力変換装置およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のパワーモジュールは、半導体素子が配線部材の搭載面に半田などにより接合されて搭載され、配線部材の搭載面と反対側の面が絶縁樹脂層によりヒートシンクに固着されて構成されていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−243877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のパワーモジュールにおいては、半導体素子での発熱が配線部材からヒートシンクに伝達され、ヒートシンクから放熱されるとともに、半導体素子の動作中に電位が配線部材に発生するので、絶縁樹脂層には、電気絶縁性とともに、熱伝導性が要求される。しかし、絶縁樹脂層は、厚みが厚くなると、電気絶縁性が向上するが、熱伝導性が低下し、厚みが薄くなると、熱伝導性が向上するが、電気絶縁性が低下する。そこで、要求される電気絶縁性と熱伝導性を確保するには、絶縁樹脂層の厚みを高精度に管理する必要がある。
【0005】
しかしながら、従来のパワーモジュールでは、配線部材とヒートシンクとの間に介装されている絶縁樹脂層の厚みを規制する部材がないので、絶縁樹脂層の厚みを高精度に管理することができず、要求される電気絶縁性と熱伝導性を安定して確保できなくなるという課題があった。
【0006】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、半導体素子が搭載された金属配線部材の露出面を取り囲むモールド樹脂の部位とヒートシンクとの間に厚み規制部を設けて、金属配線部材とヒートシンクとの間に介装される絶縁樹脂層の厚みを高精度に管理できるようにし、要求される電気絶縁性と熱伝導性を安定して確保することができる電力変換装置およびその製造方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による電力変換装置は、金属配線部材、該金属配線部材の表面にろう付けされて搭載された半導体素子、該金属配線部材の裏面を露出させて、該金属配線部材および該半導体素子を埋設するモールド樹脂、および該モールド樹脂から延出する入出力端子を有するパワーモジュールと、上記金属配線部材の上記モールド樹脂からの露出面に対向して配設されるヒートシンクと、上記モールド樹脂の上記金属配線部材の露出面の外側部位と上記ヒートシンクとの間に挟持されて、該金属配線部材の露出面と該ヒートシンクとの間に所定の隙間を形成する樹脂厚み規制部材と、上記金属配線部材の露出面を覆うように上記パワーモジュールと上記ヒートシンクとの間に充填された絶縁樹脂層と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、樹脂厚み規制部材がモールド樹脂の金属配線部材の露出面の外側部位とヒートシンクとの間に挟持されて、金属配線部材の露出面とヒートシンクとの間に所定の隙間を形成されている。そこで、金属配線部材の露出面を覆うようにパワーモジュールとヒートシンクとの間に充填された絶縁樹脂層の厚みが、樹脂厚み規制部材により形成された所定の隙間に一致する。これにより、樹脂厚み規制部材の厚みを高精度に作製することで、パワーモジュールとヒートシンクとの間に充填された絶縁樹脂層の厚みを高精度に管理でき、絶縁樹脂層に要求される電気絶縁性と熱伝導性を安定して確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1に係る電力変換装置の構造を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る電力変換装置における伝熱経路を説明する断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る電力変換装置を示す上面図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る電力変換装置の製造方法を示すフロー図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る電力変換装置の製造方法を示す工程断面図である。
【図6】この発明の実施の形態2に係る電力変換装置における要部断面図である。
【図7】図6のVII−VII矢視断面図である。
【図8】この発明の実施の形態3に係る電力変換装置を示す断面図である。
【図9】この発明の実施の形態4に係る電力変換装置における要部断面図である。
【図10】この発明の実施の形態5に係る電力変換装置における要部断面図である。
【図11】この発明の実施の形態6に係る電力変換装置における要部断面図である。
【図12】この発明の実施の形態7に係る電力変換装置の構成を説明する図である。
【図13】この発明の実施の形態8に係る電力変換装置を示す要部断面図である。
【図14】図13のXIV−XIV矢視断面図である。
【図15】この発明の実施の形態9に係る電力変換装置を示す断面図である。
【図16】この発明の実施の形態1に係る電力変換装置における金属配線部材に抜きだれが発生した状態を示す要部断面図である。
【図17】この発明の実施の形態9に係る電力変換装置における金属配線部材に抜きだれが発生した状態を示す要部断面図である。
【図18】この発明の実施の形態10に係る電力変換装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の電力変換装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る電力変換装置の構造を示す断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る電力変換装置における伝熱経路を説明する断面図、図3はこの発明の実施の形態1に係る電力変換装置を示す上面図である。
【0012】
図1において、電力変換装置1は、パワーモジュール2と、パワーモジュール2で発生する熱を放熱するヒートシンク11と、パワーモジュール2とヒートシンク11との間に介装され、両者を固着する絶縁樹脂層12と、絶縁樹脂層12の厚みを規制する樹脂厚み規制部材13と、を備えている。
【0013】
パワーモジュール2は、半導体素子3と、半導体素子3が表面、すなわち素子搭載面に搭載される金属配線部材4と、金属配線部材4の裏面を露出するように、半導体素子3および金属配線部材4を埋設するモールド樹脂5と、を備えている。
【0014】
半導体素子3は金属配線部材4の素子搭載面に半田を用いてろう付け(以下、半田付けとする)され、入出力端子7の一端が半導体素子3の上面に半田付けされている。これにより、半導体素子3の下面に形成された導電パターン(図示せず)が半田層6を介して金属配線部材4に電気的に接続され、半導体素子3の上面に形成された導電パターン(図示せず)が半田層8を介して入出力端子7に電気的に接続されている。入出力端子9の一端が半田層10を介して金属配線部材4に電気的に接続されている。そして、入出力端子7,9の他端側がモールド樹脂5から延出されている。なお、半導体素子3は、例えばインバータやコンバータなどの電力変換素子を構成するように接続されている。
【0015】
半導体素子3には、例えば、IGBT、MOS−FET、Diodeなどのパワー半導体素子が用いられる。
モールド樹脂5は、例えば、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂が用いられ、シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素などの無機充填剤が添加され、金属配線部材4の熱膨張係数に略一致するように構成されている。
【0016】
パワーモジュール2は、半導体素子3が金属配線部材4に搭載され、入出力端子7,9が接続された状態で、インサートモールド成形されて作製される。
【0017】
半導体素子3で発生した熱は、図2に矢印で示されるように、半田層6から金属配線部材4に伝達され、金属配線部材4内を厚さ方向に伝わるとともに、平面方向に拡散する。この平面方向の熱の拡散により、金属配線部材4の裏面側ほど、より広い面積で熱を伝えることができるので、金属配線部材4は、熱を拡散することができる面積および厚みが必要であることがわかる。また、金属配線部材4は、半導体素子3に通電する電極としても機能する。そこで、金属配線部材4は、良熱伝導性、かつ良電気伝導性を有する金属であればよく、例えば銅、アルミニウムなどが用いられる。なお、金属配線部材4としてアルミニウムを用いる場合には、半田付け性を考慮してニッケルメッキを施すことが好ましい。
【0018】
ヒートシンク11は、パワーモジュール2より大形の所定厚みを有する矩形平板状の基部11aと、それぞれ薄肉の矩形平板状に形成され、基部11aの裏面に直角に立設されて所定ピッチで平行に配列された複数の放熱フィン11bと、を備えている。ヒートシンク11は、良熱伝導性を有する金属であればよく、例えば銅、アルミニウムなどが用いられる。ヒートシンク11は、押し出し成形や鍛造により作製される。なお、金属配線部材4とヒートシンク11が異なる金属材料で作製された場合には、両者の熱膨張係数差に起因する熱応力が発生し、絶縁樹脂層12が剥離しやすくなることから、同じ金属材料で作製することが好ましい。
【0019】
樹脂厚み規制部材13は、図1および図3に示されるように、外形がモールド樹脂5より大形であり、内形がモールド樹脂5より小形であって、金属配線部材4のモールド樹脂5からの露出面を取り囲む所定厚みHを有する枠状体に形成され、ヒートシンク11の基部11aの表面に配設されている。樹脂厚み規制部材13は、絶縁性樹脂やセラミックスなどの電気絶縁性材料を用いて作製される。樹脂厚み規制部材13の厚みHは、絶縁樹脂層12に要求される電気絶縁性と熱伝導性とを実現できるように設定される。
【0020】
絶縁樹脂層12は、例えば、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂が用いられ、シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素などの無機充填物が添加されている。絶縁樹脂層12は、金属配線部材4のモールド樹脂5からの露出面を内包するように配設された樹脂厚み規制部材13と、パワーモジュール2と、基部11aとにより構成される空間内に充填、硬化され、金属配線部材4およびモールド樹脂5、すなわちパワーモジュール2をヒートシンク11の基部11aに固着している。
【0021】
このように構成された電力変換装置1では、入出力端子7,9の一方から給電された電力が所定の電力に変換されて入出力端子7,9の他方から出力されるように動作する。
【0022】
この実施の形態1によれば、樹脂厚み規制部材13が、金属配線部材4の露出面を取り囲むように、モールド樹脂5とヒートシンク11の基部11aとの間に介装されているので、絶縁樹脂層12を樹脂厚み規制部材13とパワーモジュール2と基部11aとにより構成される空間内に充填することで、絶縁樹脂層12の厚みが樹脂厚み規制部材13の厚みとなる。そこで、樹脂厚み規制部材13の厚みを高精度に管理するだけで、絶縁樹脂層12の厚みを安定して高精度に管理できるので、要求される電気絶縁性と熱伝導性を安定して確保できる。これにより、半導体素子3が許容温度を超えるような事態や絶縁樹脂層12が絶縁破壊するような事態が未然に回避され、優れた絶縁性能が得られる。
【0023】
電気絶縁性を有する絶縁樹脂層12が金属配線部材4のモールド樹脂5からの露出面を覆うようにパワーモジュール2とヒートシンク11との間に介装されている。そこで、金属配線部材4とヒートシンク11との間の沿面距離は、図1に示されるように、金属配線部材4の外側に延在する絶縁樹脂層12の部分の距離Lと絶縁樹脂層12の厚みHとの総和となる。一方、特許文献1に記載の従来のパワーモジュールでは、絶縁樹脂層が配線部材と同じ形状となっており、配線部材とヒートシンクとの間の沿面距離は絶縁樹脂層の厚みのみとなる。したがって、実施の形態1によれば、金属配線部材4とヒートシンク11との間の沿面距離が従来のパワーモジュールに比べて長くなり、金属配線部材4とヒートシンク11との電気的な短絡が確実に阻止される。
【0024】
絶縁樹脂層12が樹脂厚み規制部材13とパワーモジュール2と基部11aとにより構成される空間内に充填硬化されているので、絶縁樹脂層12と外部雰囲気との接触が抑えられる。そこで、熱硬化性樹脂を用いた絶縁樹脂層12の吸湿に起因する絶縁性の低下が抑制され、絶縁樹脂層12による電気絶縁性を長期的に確保することができる。
【0025】
つぎに、電力変換装置1の製造方法について図4および図5を参照しつつ説明する。図4はこの発明の実施の形態1に係る電力変換装置の製造方法を示すフロー図、図5はこの発明の実施の形態1に係る電力変換装置の製造方法を示す工程断面図である。なお、図4では、ステップ100〜ステップ106をS100〜S106としている。
【0026】
まず、パワーモジュール2を周知の製法により作製する(ステップ100)。また、ヒートシンク11および樹脂厚み規制部材13を周知の製法により作製する(ステップ101)。さらに、未硬化の絶縁樹脂材12aを周知の製法により作製する(ステップ102)。この未硬化の絶縁樹脂材12aは、樹脂厚み規制部材13の枠内の容積と同等の容積を有し、厚みが樹脂厚み規制部材13の厚みより厚く、外形が樹脂厚み規制部材13の内形と同等もしくは小さい平板状に作製される。
ついで、ヒートシンク11の表面に樹脂厚み規制部材13を配設し(ステップ103)、未硬化の絶縁樹脂材12aを樹脂厚み規制部材13内に配置する(ステップ104)。
【0027】
ついで、図5の(a)に示されるように、未硬化の絶縁樹脂材12aが樹脂厚み規制部材13内に配置されたヒートシンク11にパワーモジュール2を重ねて真空式ヒータプレス装置100の容器101内にセットする(ステップ105)。このとき、パワーモジュール2は、金属配線部材4のモールド樹脂5からの露出面が樹脂厚み規制部材13内に位置するように、金属配線部材4の露出面を絶縁樹脂層12に向けて配置される。
【0028】
ついで、真空ポンプ102を用いて容器101内を減圧する。そして、図5の(b)に示されるように、減圧下、ヒータ103により加熱しつつ、加圧治具104によりパワーモジュール2を加圧してヒートシンク11に押し付ける(ステップ106)。これにより、未硬化の絶縁樹脂材12aが軟化して押し潰され、パワーモジュール2のモールド樹脂5が樹脂厚み規制部材13に当接する。未硬化の絶縁樹脂材12aは、樹脂厚み規制部材13とパワーモジュール2と基部11aとにより構成される空間内に充填される。その後、未硬化の絶縁樹脂材12aが硬化し、パワーモジュール2がヒートシンク11に固着される。未硬化の絶縁樹脂材12aの硬化完了後、減圧、加熱および加圧をやめ、電力変換装置1が得られる。
【0029】
この実施の形態1によれば、ヒートシンク11の基部11aの表面に樹脂厚み規制部材13および未硬化の絶縁樹脂材12aを配設し、加熱しつつパワーモジュール2により未硬化の絶縁樹脂材12aを基部11a側に加圧することで、未硬化の絶縁樹脂材12aは軟化して押し潰され、樹脂厚み規制部材13とパワーモジュール2と基部11aとにより構成される空間内に充填される。そして、パワーモジュール2は、樹脂厚み規制部材13に当接して、それ以上の基部11a側の移動が阻止されるので、当該空間内に充填された硬化した絶縁樹脂層12の厚みは樹脂厚み規制部材13の厚みとなる。したがって、硬化した絶縁樹脂層12の厚みを高精度に管理でき、要求される電気絶縁性と熱伝導性を安定して確保することができる。
【0030】
未硬化の絶縁樹脂材12aは、樹脂厚み規制部材13内に配置され、硬化前の軟化した状態で加圧されるので、高圧が未硬化の絶縁樹脂材12aに印加され、未硬化の絶縁樹脂材12a内のボイドが押し潰されて小さくなる。このように、未硬化の絶縁樹脂材12aが硬化して得られる絶縁樹脂層12内のボイドサイズを小さくできるので、パッショエンの法則からわかるように、高い絶縁性能を実現できる。
【0031】
未硬化の絶縁樹脂材12aが減圧雰囲気中で加圧されるので、未硬化の絶縁樹脂材12aは押し潰されて平面方向に延ばされる。そこで、未硬化の絶縁樹脂材12a内のボイドは平面方向に樹脂厚み規制部材13側に移動し、減圧雰囲気中に放出される。これにより、未硬化の絶縁樹脂材12aが硬化して得られる絶縁樹脂層12内のボイドが少なくなり、高い絶縁性能を実現できる。
【0032】
なお、上記実施の形態1では、樹脂厚み規制部材13が金属配線部材4のモールド樹脂5からの露出面を取り囲むように配設されているものとしているが、樹脂厚み規制部材を枠状体に作製する必要はなく、例えば、所定厚みの島状体を、金属配線部材4のモールド樹脂5からの露出面の外側に、当該露出面を取り囲むように、複数箇所に配設してもよい。この場合、パワーモジュール2とヒートシンク11との間に配置される未硬化の絶縁樹脂材12aの容積を管理すれば、絶縁樹脂材12aをパワーモジュール2とヒートシンク11との間に隙間なく充填できるとともに、加圧による絶縁樹脂材12aのはみ出しを抑制できる。
【0033】
また、上記実施の形態1では、樹脂厚み規制部材13を電気絶縁性材料により作製するものとしているが、樹脂厚み規制部材は、電気絶縁性材料に限定されず、例えばヒートシンク11と同じ金属材料で作製してもよい。
【0034】
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2に係る電力変換装置における要部断面図、図7は図6のVII−VII矢視断面図である。
【0035】
図6および図7において、樹脂厚み規制部材13Aは、枠状体の一辺の上面に枠状体の内外を連通する連通溝14が凹設され、下面を基部11aの表面に向けて配設されている。そして、電力変換装置1Aでは、連通溝14の上部開口がモールド樹脂5により塞口され、樹脂厚み規制部材13Aとパワーモジュール2と基部11aとにより構成される空間と外部とを連通する貫通穴が形成され、当該空間に充填された絶縁樹脂層12の余剰分がその貫通穴内に入り込んでいる。
なお、実施の形態2における他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0036】
この実施の形態2においても、電力変換装置1Aは、上記実施の形態1と同様に製造される。そこで、加熱しつつ加圧する未硬化の絶縁樹脂材12aの硬化工程中に発生するパワーモジュール2およびヒートシンク11の圧力の面内分布により、樹脂厚み規制部材13Aとパワーモジュール2と基部11aとにより構成される空間内におけるパワーモジュール2と基部11aとの隙間が増減する。これにより、当該空間の容積が増減する。
【0037】
電力変換装置1Aでは、軟化して押し潰されて当該空間内に充填された未硬化の絶縁樹脂材12aは、当該空間の容積の増減に伴い、当該空間から貫通穴(連通溝14)内に入り込み、あるいは貫通穴から当該空間内に戻される。このように、この貫通穴が絶縁樹脂層体積増減吸収部として機能し、未硬化の絶縁樹脂材12aの硬化工程における当該空間の容積の増減に起因して発生する絶縁樹脂層12の厚みの増加や不足を防止できる。
【0038】
樹脂厚み規制部材13内に配置される未硬化の絶縁樹脂材12aを当該空間の容積より僅かに大きい容積に作製すれば、未硬化の絶縁樹脂材12aの余剰分が貫通穴内に入り込み、未硬化の絶縁樹脂材12aが当該空間内に隙間なく充填される。したがって、未硬化の絶縁樹脂材12aが硬化して得られる絶縁樹脂層12は、当該空間内に隙間なく充填され、優れた電気絶縁性と熱伝導性が得られる。また、絶縁樹脂層12と外部雰囲気との接触も最小限に抑えることができ、絶縁樹脂層12の吸湿に起因する絶縁性の低下を抑えることができる。
【0039】
連通溝14が樹脂厚み規制部材13Aの上面、すなわちパワーモジュール2側に形成されているので、未硬化の絶縁樹脂材12aの連通溝14へのはみ出し量が少なくなり、未硬化の絶縁樹脂材12aを樹脂厚み規制部材13Aとパワーモジュール2と基部11aとにより構成される空間に隙間なく充填できる。つまり、軟化した絶縁樹脂材12aは、押し潰されて樹脂厚み規制部材13A側に拡散する。このとき、絶縁樹脂材12aは、ヒートシンク11の基部11aの表面側が金属配線部材4側に先行して平面方向に拡散するので、樹脂厚み規制部材13Aに到達した絶縁樹脂材12aは樹脂厚み規制部材13Aの基部11a側からモールド樹脂5側に盛り上がり、当該空間内に隙間なく充填され、絶縁樹脂材12aの余剰分が連通溝14にはみ出す。
【0040】
一方、連通溝14が樹脂厚み規制部材13Aの下面、すなわち基部11a側に形成されていると、樹脂厚み規制部材13Aに到達した絶縁樹脂材12aは、連通溝14からはみ出るとともに、樹脂厚み規制部材13Aの基部11a側からモールド樹脂5側に盛り上がることになる。したがって、この連通溝14からのはみ出る量を考慮して、樹脂厚み規制部材13A内に配置される未硬化の絶縁樹脂材12aの容積を大きくする必要がある。このように、樹脂厚み規制部材13A内に配置される未硬化の絶縁樹脂材12aの使用量を削減する観点から、連通溝14は樹脂厚み規制部材13Aの上面に形成することが好ましい。もちろん、連通溝14からのはみ出る量を考慮して、樹脂厚み規制部材13A内に配置される未硬化の絶縁樹脂材12aの容積を大きくできるのであれば、樹脂厚み規制部材13Aの上面や上下面間に連通溝14を形成してもかまわない。
【0041】
実施の形態3.
図8はこの発明の実施の形態3に係る電力変換装置を示す断面図である。
【0042】
図8において、樹脂厚み規制部材13Bは、外形がモールド樹脂5より大形であり、内形がモールド樹脂5より小形であって、金属配線部材4のモールド樹脂5からの露出面を取り囲む所定厚みを有する枠状体13aと、枠状体13aの相対する二辺の上面のモールド樹脂5の外側の部位に立設された端子台13bと、を備えている。そして、入出力端子7,9は、端子台13bにより外部端子15a,15bに電気的に接続されている。
なお、実施の形態3における他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0043】
この実施の形態3による電力変換装置1Bでは、端子台13bが樹脂厚み規制部材13Bに一体に形成されているので、入出力端子7,9を外部端子15a,15bに接続する端子台を新たに用意する必要がなく、部品点数が削減でき、組立性が向上できるとともに、低コスト化が図られる。
【0044】
実施の形態4.
図9はこの発明の実施の形態4に係る電力変換装置における要部断面図である。
【0045】
図9において、モールド樹脂5Aは、金属配線部材4の露出面側の面の外周縁部に所定高さの枠状に延出する突起部16を備えている。この突起部16は半導体素子3が搭載された金属配線部材4をインサートモールド成形する際に、モールド樹脂5Aに一体に成形される。すなわち、パワーモジュール2Aの成形時に、突起部16が同時に成形される。
なお、実施の形態4における他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0046】
この実施の形態4における電力変換装置1Cでは、絶縁樹脂層12がモールド樹脂5A、金属配線部材4、およびヒートシンク11により構成される空間内に充填硬化されている。そして、当該空間における金属配線部材4とヒートシンク11との間の間隔は突起部16の延出高さにより規定される。すなわち、突起部16が樹脂厚み規制部材として機能する。
【0047】
そこで、この実施の形態4においても、上記実施の形態1と同様に効果が得られる。
この実施の形態4によれば、樹脂厚み規制部材として機能する突起部16がモールド樹脂5Aに一体に形成されているので、樹脂厚み規制部材を新たに用意する必要がなく、部品点数が削減でき、組立性が向上できるとともに、低コスト化が図られる。
【0048】
実施の形態5.
図10はこの発明の実施の形態5に係る電力変換装置における要部断面図である。
【0049】
図10において、ヒートシンク11Aは、基部11aの表面に外周縁部を枠状に残して所定深さで凹設された凹部17を備えている。凹部17は、例えば、押し出し成形により作製されたヒートシンクの基部11aの表面に切削加工などを施して形成される。
なお、実施の形態5における他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0050】
この実施の形態5における電力変換装置1Dでは、絶縁樹脂層12がモールド樹脂5、金属配線部材4、およびヒートシンク11Aにより構成される空間内に充填硬化されている。そして、当該空間における金属配線部材4とヒートシンク11Aの凹部17の底面との間の間隔は凹部17の深さにより規定される。すなわち、基部11aの表面の外周縁部に枠状に残った枠状部が樹脂厚み規制部材として機能する。なお、基部11aに凹部17を凹設することは、樹脂厚み規制部材を基部11aの表面の外周縁部に枠状に突設することを意味する。
【0051】
そこで、この実施の形態5においても、上記実施の形態1と同様に効果が得られる。
この実施の形態5によれば、樹脂厚み規制部材として機能する枠状体がヒートシンク11Aの基部11aの表面の外周縁部に一体に形成されているので、樹脂厚み規制部材を新たに用意する必要がなく、部品点数が削減でき、組立性が向上できるとともに、低コスト化が図られる。
【0052】
実施の形態6.
図11はこの発明の実施の形態6に係る電力変換装置における要部断面図である。
【0053】
図11において、ヒートシンク11Bは、基部11aの表面の外周縁部に所定高さの枠状に延出する突起部18を備えている。突起部18は、例えば、押し出し成形により作製されたヒートシンクの基部11aの表面に切削加工などを施して形成される。
なお、実施の形態6における他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0054】
この実施の形態6における電力変換装置1Eでは、絶縁樹脂層12がモールド樹脂5、金属配線部材4、およびヒートシンク11Bにより構成される空間内に充填硬化されている。そして、当該空間における金属配線部材4とヒートシンク11Bの基部11aとの間の間隔は突起部18の延出高さにより規定される。すなわち、突起部18が樹脂厚み規制部材として機能する。
【0055】
そこで、この実施の形態6においても、上記実施の形態1と同様に効果が得られる。
この実施の形態6によれば、樹脂厚み規制部材として機能する突起部18がヒートシンク11Aの基部11aの表面の外周縁部に一体に形成されているので、樹脂厚み規制部材を新たに用意する必要がなく、部品点数が削減でき、組立性が向上できるとともに、低コスト化が図られる。
【0056】
なお、上記実施の形態5,6では、ヒートシンク11A,11Bを押し出し成形により作製した後、基部11aの表面に切削加工を施して凹部17や突起部18を形成するものとしているが、ヒートシンク11A,11Bは鍛造により作製してもよい。この場合、凹部17や突起部18が鍛造により同時に形成されるので、基部11aの表面への切削加工が不要となり、低コスト化が図られる。
【0057】
実施の形態7.
図12はこの発明の実施の形態7に係る電力変換装置の構成を説明する図であり、図12の(a)は要部断面図、図12の(b)は要部背面図である。
【0058】
図12において、ヒートシンク11Cは、矩形平板状の基部11aと、それぞれ円柱状に作製され、基部11aの裏面に直角に延設されて格子状に配列された放熱フィン11cと、基部11aに表面に凹設された凹部17と、を備えている。
なお、実施の形態7における他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0059】
この実施の形態7における電力変換装置1Fでは、絶縁樹脂層12がモールド樹脂5、金属配線部材4、およびヒートシンク11Cにより構成される空間内に充填硬化されている。そして、当該空間における金属配線部材4とヒートシンク11Cの基部11aとの間の間隔は凹部17の深さにより規定される。すなわち、基部11aの表面の外周縁部に枠状に残った枠状部が樹脂厚み規制部材として機能する。
【0060】
そこで、この実施の形態7においても、上記実施の形態1と同様に効果が得られる。
ここで、ヒートシンク11Cを鍛造により作製すれば、凹部17が鍛造により同時に形成されるので、基部11aの表面への切削加工が不要となり、低コスト化が図られる。
【0061】
実施の形態8.
図13はこの発明の実施の形態8に係る電力変換装置を示す要部断面図、図14は図13のXIV−XIV矢視断面図である。
【0062】
図13および図14において、ヒートシンク11Dは、所定の厚肉の矩形平板状に作製され、凹部17が表面に凹設された基部20と、それぞれ薄肉の矩形平板状に作製され、所定の間隔を確保して厚み方向に多層に積層され、互いにろう付けされて一体化され、積層方向を基部20の裏面と直交するように基部20の裏面にろう付けされている複数の放熱フィン21と、を備えている。放熱フィン21間および放熱フィン21と基部20との間のろう付け部22は、図14に示されるように、格子状に配列されている。
なお、実施の形態8における他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0063】
この実施の形態8における電力変換装置1Gでは、絶縁樹脂層12がモールド樹脂5、金属配線部材4、およびヒートシンク11Cにより構成される空間内に充填硬化されている。そして、当該空間における金属配線部材4とヒートシンク11Dの基部20との間の間隔は凹部17の深さにより規定される。すなわち、基部20の表面の外周縁部に枠状に残った枠状部が樹脂厚み規制部材として機能する。
【0064】
そこで、この実施の形態8においても、上記実施の形態1と同様に効果が得られる。
この実施の形態8によれば、薄肉の矩形平板状の放熱フィン21が、厚み方向に多層に重ねられ、ろう付けされて一体化され、積層方向を基部20の裏面と直交するように基部20の裏面に接合されている。そこで、絶縁樹脂層12の硬化工程において、パワーモジュール2を介してヒートシンク11Dに作用する荷重は、放熱フィン21の積層方向に作用するので、絶縁樹脂層12の硬化工程中に、放熱フィン21が曲がるような事態が回避される。
ヒートシンク11Dが基部20と放熱フィン21とを接合して作製されているので、基部20と放熱フィン21とのそれぞれを最適な方法で製造することができ、基部20と放熱フィン21の寸法精度を高めることができる。
【0065】
実施の形態9.
図15はこの発明の実施の形態9に係る電力変換装置を示す断面図、図16はこの発明の実施の形態1に係る電力変換装置における金属配線部材に抜きだれが発生した状態を示す要部断面図、図17はこの発明の実施の形態9に係る電力変換装置における金属配線部材に抜きだれが発生した状態を示す要部断面図である。
【0066】
図15において、金属配線部材4Aは、その裏面の周縁部をH’だけ凹ませて半導体素子3の搭載領域の下部を取り囲むように形成された枠状の薄肉部4aを有している。パワーモジュール2Bは、金属配線部材4Aの裏面を露出するようにインサートモールド成形されている。樹脂厚み規制部材13Cは、金属配線部材4Aとヒートシンク11との間に介装される絶縁樹脂層12に要求される厚みHと金属配線部材4Aの周縁部の凹み量H’との総和(H+H’)の厚みを有する枠状体に作製されている。絶縁樹脂層12は、パワーモジュール2B、樹脂厚み規制部材13Cおよびヒートシンク11により構成された空間内に充填硬化されている。
【0067】
この実施の形態9における電力変換装置1Hでは、絶縁樹脂層12が、パワーモジュール2B、樹脂厚み規制部材13Cおよびヒートシンク11により構成された空間内に充填硬化され、金属配線部材4Aとヒートシンク11との間の絶縁樹脂層12の厚みが樹脂厚み規制部材13Cにより規定される。
したがって、この実施の形態9においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0068】
この実施の形態9によれば、金属配線部材4Aとヒートシンク11との間の沿面距離は、金属配線部材4Aの外側に延在する絶縁樹脂層12の部分の距離Lと樹脂厚み規制部材13Cの厚み(H+H’)との総和となり、金属配線部材4とヒートシンク11との間の電気的絶縁性、すなわち絶縁性能が一層高められる。
【0069】
この実施の形態9では、薄肉部4aが金属配線部材4Aの周縁部に形成されているので、放熱性に寄与する半導体素子3の搭載領域下部の金属配線部材4Aの部分の厚みが十分に確保されている。そこで、薄肉部4aを形成することに起因する金属配線部材4Aの放熱性の悪化が抑えられる。
【0070】
ここで、この実施の形態9による絶縁樹脂層12の剥離抑制効果を実施の形態1と対比して説明する。
【0071】
実施の形態1,9では、ヒートシンク11が放熱フィン11bを備えており、空気により冷却する方式となっているが、ヒートシンク11に冷媒流路を形成し、冷媒により冷却する方式としてもよい。この場合、冷媒に対する耐腐食性を確保するために、ヒートシンク11にはアルミニウムが用いられるのが一般的である。一方、金属配線部材4,4Aには、熱伝導性および電気伝導性の観点から、銅が用いられるのが一般的である。このように、金属配線部材4,4Aとヒートシンク11とが異なる金属材料で作製されている場合には、両者の熱膨張係数差による熱応力が絶縁樹脂層12に作用する。そして、熱応力により絶縁樹脂層12に発生する歪みは、絶縁樹脂層12の周縁ほど大きくなる。
【0072】
実施の形態1では、絶縁樹脂層12が均一、かつ薄い厚さとなっているので、絶縁樹脂層12が熱応力を吸収しきれず、最悪の場合には、絶縁樹脂層12の周縁部が剥離する。この絶縁樹脂層12の剥離が周縁部から伸展して金属配線部材4に到達すると、金属配線部材4とヒートシンク11との間で放電する可能性がある。
【0073】
また、図16に示されるように、金属配線部材4がプレスで打ち抜かれて作製された場合、その抜きだれAが金属配線部材4の周縁部に形成されると、パワーモジュール2の成形時に、モールド樹脂5が抜きだれAの部位に染み込み、薄いモールド樹脂層が形成される。このような抜きだれAの部位に薄いモールド樹脂層が形成されたパワーモジュール2を用いて電力変換装置1を作製した場合には、上述の熱応力により、抜きだれAの部位の薄いモールド樹脂層から剥離し、そこから絶縁樹脂層12の剥離が伸展する。
【0074】
この実施の形態9では、薄肉部4aが金属配線部材4Aの周縁部に形成されているので、熱応力による歪みの影響が最も大きな絶縁樹脂層12の周縁部が厚くなっている。そこで、絶縁樹脂層12の周縁部が熱応力を効果的に吸収し、歪みの発生が抑えられる。これにより、熱応力に起因する絶縁樹脂層12の周縁部の剥離の発生が抑制される。また、図17に示されるように、抜きだれAが薄肉部4aに形成されていても、熱応力に起因する抜きだれAの部位の薄いモールド樹脂層の剥離の発生が抑制される。
【0075】
なお、上記実施の形態9では、薄肉部4aが金属配線部材4Aの周縁部に枠状に形成されているものとしているが、熱応力に起因する絶縁樹脂層12の剥離を抑制する観点からは、薄肉部を金属配線部材の周縁部に枠状に形成する必要はなく、熱応力による歪みの影響が大きい金属配線部材の四隅に形成すればよい。この場合、熱応力を効果的に吸収できるとともに、薄肉部を形成することに起因する金属配線部材の放熱性の悪化を最小限に抑えることができる。
【0076】
実施の形態10.
図18はこの発明の実施の形態10に係る電力変換装置を示す断面図である。
【0077】
図18において、沿面距離増大用溝19が、モールド樹脂5Bの裏面に、樹脂厚み規制部材13の内側で、かつ金属配線部材4の露出面を取り囲むように枠状に所定深さに凹設されている。この沿面距離増大用溝19は、パワーモジュール2Cの成形時に、モールド樹脂5Bに同時に成形される。絶縁樹脂層12は、パワーモジュール2C、樹脂厚み規制部材13およびヒートシンク11により構成された空間内に充填硬化されている。
【0078】
この実施の形態10における電力変換装置1Iでは、絶縁樹脂層12が、パワーモジュール2C、樹脂厚み規制部材13およびヒートシンク11により構成された空間内に充填硬化され、金属配線部材4とヒートシンク11との間の絶縁樹脂層12の厚みが樹脂厚み規制部材13により規定される。
したがって、この実施の形態10においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0079】
この実施の形態10では、絶縁樹脂層12が金属配線部材4の露出面を取り囲む沿面距離増大用溝19内に充填されているので、金属配線部材4とヒートシンク11との間の沿面距離が増大し、小型、かつ優れた絶縁性能の電力変換装置1Iが得られる。
【符号の説明】
【0080】
2,2A,2B,2C パワーモジュール、3 半導体素子、4,4A 金属配線部材、5,5A,5B モールド樹脂、7,9 入出力端子、11,11A,11B,11C,11D ヒートシンク、12 絶縁樹脂層、12a 未硬化の絶縁樹脂材、13,13A,13B,13C,16,18 樹脂厚み規制部材、14 連通溝(連通穴)、19 沿面距離増大用溝、20 基部、21 放熱フィン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属配線部材、該金属配線部材の表面にろう付けされて搭載された半導体素子、該金属配線部材の裏面を露出させて、該金属配線部材および該半導体素子を埋設するモールド樹脂、および該モールド樹脂から延出する入出力端子を有するパワーモジュールと、
上記金属配線部材の上記モールド樹脂からの露出面に対向して配設されるヒートシンクと、
上記モールド樹脂の上記金属配線部材の露出面の外側部位と上記ヒートシンクとの間に挟持されて、該金属配線部材の露出面と該ヒートシンクとの間に所定の隙間を形成する樹脂厚み規制部材と、
上記金属配線部材の露出面を覆うように上記パワーモジュールと上記ヒートシンクとの間に充填された絶縁樹脂層と、を備えたことを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
上記樹脂厚み規制部材は、上記金属配線部材の露出面を取り囲む枠状に形成され、
上記絶縁樹脂層が、上記パワーモジュール、上記樹脂厚み規制部材、および上記ヒートシンクにより形成される空間内に充填されていることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
【請求項3】
上記樹脂厚み規制部材は、上記金属配線部材の露出面を取り囲む枠体に構成され、上記モールド樹脂と上記ヒートシンクとの間に介装されていることを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。
【請求項4】
上記樹脂厚み規制部材は、電気絶縁性材料により作製され、端子台が一体に形成されており、
上記入出力端子が、上記端子台に保持されていることを特徴とする請求項3記載の電力変換装置。
【請求項5】
上記樹脂厚み規制部材は、上記モールド樹脂の上記金属配線部材の露出面の外周側を該金属配線部材の露出面を取り囲む枠状に突設させて構成されていることを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。
【請求項6】
上記樹脂厚み規制部材は、上記ヒートシンクの上記金属配線部材の露出面に対向する面を該金属配線部材の露出面を取り囲む枠状に突設させて構成されていることを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。
【請求項7】
上記空間と外部とを連通する連通穴が上記樹脂厚み規制部材に形成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
上記金属配線部材の上記半導体素子の搭載領域の下部を取り囲む薄肉部が該金属配線部材の周縁部を全周にわたって表面側に凹ませて形成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項9】
薄肉部が上記金属配線部材の周縁部の角部のみを表面側に凹ませて形成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項10】
沿面距離増大用溝が、上記モールド樹脂の上記ヒートシンクと相対する面に、上記樹脂厚み規制部材の内側に、かつ上記金属配線部材の露出面を取り囲むように凹設され、
上記絶縁樹脂層が、上記沿面距離増大用溝内に充填されていることを特徴とする請求項2乃至請求項9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項11】
上記ヒートシンクは、表面を上記金属配線部材の露出面に向けて配置される基部と、上記基部の裏面に接合された複数の放熱フィンと、から構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項12】
上記複数の放熱フィンは、それぞれ平板状に作製され、所定の隙間を確保して厚み方向に積層され、互いにろう付けされて一体化され、その積層方向を上記基部の裏面と直交させるように該基部の裏面に接合されていることを特徴とする請求項11記載の電力変換装置。
【請求項13】
上記金属配線部材と上記ヒートシンクとが同じ金属材料により作製されていることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項14】
金属配線部材、該金属配線部材の表面にろう付けされて搭載された半導体素子、該金属配線部材の裏面を露出させて、該金属配線部材および該半導体素子を埋設するモールド樹脂、および該モールド樹脂から延出する入出力端子を有するパワーモジュールと、上記金属配線部材の上記モールド樹脂からの露出面に対向して配設されるヒートシンクと、上記モールド樹脂の上記金属配線部材の露出面の外側部位と上記ヒートシンクとの間に挟持されて、該金属配線部材の露出面と該ヒートシンクとの間に所定の隙間を形成する樹脂厚み規制部材と、上記金属配線部材の露出面を覆うように上記パワーモジュールと上記ヒートシンクとの間に充填、硬化された絶縁樹脂層と、を備えた電力変換装置の製造方法であって、
上記パワーモジュールと上記ヒートシンクとを上記樹脂厚み規制部材および該樹脂厚み規制部材内に配置された未硬化の絶縁樹脂材を介在させて重ね合わせて容器内に配置する工程と、
上記容器内を減圧する工程と、
減圧下、加熱しながら上記パワーモジュールを上記ヒートシンク側に加圧して、上記未硬化の絶縁樹脂材を押し潰しながら上記モールド樹脂を上記樹脂厚み規制部材を介して上記ヒートシンクに押し付け、該未硬化の絶縁樹脂材を該パワーモジュールと該ヒートシンクとの間に充填する工程と、
減圧下、加熱と上記パワーモジュールへの加圧を維持して、該パワーモジュールと上記ヒートシンクとの間に充填された上記未硬化の絶縁樹脂材を硬化させる工程と、を備えている電力変換装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−110181(P2013−110181A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252264(P2011−252264)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】