説明

電力変換装置のスイッチモジュール

【課題】スイッチング素子毎の出力経路における寄生インダクタンスの影響を小さくし、出力電力の安定化に寄与できる電力変換装置のスイッチモジュールを提供する。
【解決手段】配線構造体21の出力用プレート25,26において、各スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4b毎の出力端子(エミッタ端子te又はコレクタ端子tc)からインバータ回路11の出力端子部25g,26gまでの電力伝達距離L1〜L4が等しくなるように、即ちスイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4b毎の出力経路のインダクタンスが同等となるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体スイッチング素子と金属プレート配線とを用いて構成される電力変換装置のスイッチモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インバータ等の電力変換装置において、複数の半導体スイッチング素子を用いるブリッジ回路をモジュール化して構成したものがある。
例えば特許文献1に開示の半導体装置(スイッチモジュール)では、三相インバータ回路のブリッジ回路が6個の半導体スイッチング素子を用いてモジュール化されている。具体的には、ケース中央部に3本のバスバーが平行に配置され、その両側にスイッチング素子が3個ずつ配置されている。そして、各スイッチング素子の出力端子と各バスバーの半田付け端子は、ケースに装着されるプリント基板にそれぞれ接続され、このプリント基板のパターンを介して各スイッチング素子の出力端子がそれに対応するバスバーと電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−135170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、インバータ回路(ブリッジ回路)では、上アーム及び下アームにそれぞれ3個のスイッチング素子が配置され、各組毎(各相毎)で上アームの所定のスイッチング素子と下アームの所定のスイッチング素子とが対で動作する。この場合、対で動作する上アームのスイッチング素子と下アームのスイッチング素子とが同一のバスバーに接続されるが、それぞれのスイッチング素子の出力端子とバスバーとの接続点(合流点)までの配線距離が不等であると、各組毎で寄生インダクタンス値が異なり、各組の出力電圧がアンバランスとなる等の問題が生じる。また、このことは三相インバータ回路のみならず、単相インバータ回路であっても同様な問題が生じる。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、スイッチング素子毎の出力経路における寄生インダクタンスの影響を小さくし、出力電力の安定化に寄与することができる電力変換装置のスイッチモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数のスイッチング素子を用いたブリッジ回路にて構成され、各スイッチング素子のスイッチング動作により直流電力を高周波交流電力に変換する電力変換装置において、前記各スイッチング素子の端子を複数のプレート配線よりなる配線構造体に接続して構成された電力変換装置のスイッチモジュールであって、前記ブリッジ回路の上下アームに配置される各スイッチング素子の出力端子と、前記ブリッジ回路の出力ノードとの間を接続する前記配線構造体のプレート配線において、前記各スイッチング素子毎の前記出力ノードまでの電力伝達距離を等しく設定して構成されたことをその要旨とする。
【0007】
この発明では、ブリッジ回路の各スイッチング素子の出力端子と該回路の出力ノードとの間を接続する配線構造体のプレート配線において、各スイッチング素子毎の出力ノードまでの電力伝達距離が等しくなるように、スイッチモジュールが構成される。これにより、スイッチング素子毎の出力経路のインダクタンスが同等となるため、各スイッチング素子同士の出力電流・電圧の伝達差が極めて小さく、ブリッジ回路から出力される高周波交流電力が歪みの小さい安定したものとなる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電力変換装置のスイッチモジュールにおいて、前記配線構造体のプレート配線としてプラス側及びマイナス側電源用バスバーが用いられ、各電源用バスバーを介して前記ブリッジ回路に前記直流電力を入力するものであり、前記各電源用バスバーは、自身を流れる主たる電流の向きが互いに逆向きとなるように構成されたことをその要旨とする。
【0009】
この発明では、配線構造体のプレート配線として用いられ、ブリッジ回路に直流電力を入力するためのプラス側及びマイナス側電源用バスバーは、自身を流れる主たる電流の向きが互いに逆向きとなるように構成される。これにより、各電源用バスバーで発生する磁界が互いに打ち消すように作用し、放射磁界の低減とともに、電源用バスバーのインダクタンスの低減に貢献できる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電力変換装置のスイッチモジュールにおいて、前記プラス側及びマイナス側電源用バスバーには、平面同士で対向して寄生キャパシタンスを形成する平板部が備えられたことをその要旨とする。
【0011】
この発明では、プラス側及びマイナス側電源用バスバーに備えられる平板部にて寄生キャパシタンスが形成されることから、そのキャパシタンス効果で電源用バスバーのインダクタンスの低減に貢献できる。また、平板部にて放熱面積が拡大するため、電源用バスバーにおける放熱効果が向上する。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の電力変換装置のスイッチモジュールにおいて、前記配線構造体のプレート配線として制御入力用プレートが用いられ、該制御入力用プレートを介して前記スイッチング素子の制御端子に制御信号を入力するものであり、前記制御入力用プレートは、自身の信号伝達経路が前記各電源用バスバーの主たる電流の流れに対して交差するように構成されたことをその要旨とする。
【0013】
この発明では、配線構造体のプレート配線として用いられ、スイッチング素子の制御端子に制御信号を入力するための制御入力用プレートは、自身の信号伝達経路が各電源用バスバーの主たる電流の流れに対して交差するように構成される。これにより、比較的大となり得る電源用バスバーでの放射磁界の制御信号側に与える影響が低減され、誤動作等の問題が未然に防止される。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力変換装置のスイッチモジュールにおいて、前記ブリッジ回路の各アームに配置されるスイッチング素子は、それぞれ2つのスイッチング素子が並列接続されてなるものであり、アーム毎に対をなす各スイッチング素子の出力端子と前記出力ノードとの間の電力伝達距離を等しく設定して構成されたことをその要旨とする。
【0015】
この発明では、ブリッジ回路の各アームに配置されるスイッチング素子は、それぞれ2つのスイッチング素子が並列接続されて構成され、アーム毎に対をなす各スイッチング素子の出力端子と出力ノードとの間の電力伝達距離が等しく設定される。これにより、個々のアーム毎において並列接続されるスイッチング素子同士においても出力経路のインダクタンスが同等となるため、各スイッチング素子同士の出力電流・電圧の伝達差が極めて小さく、ブリッジ回路からの出力電力の安定化に貢献できる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の電力変換装置のスイッチモジュールにおいて、前記アーム毎に対をなす各スイッチング素子は、前記配線構造体を挟んだ両側に並設されたことをその要旨とする。
【0017】
この発明では、アーム毎に対をなす各スイッチング素子は、配線構造体を挟んだ両側に配置され、互いに対向するように並設されるため、配線構造体のプレート配線を同一形状や対称形状というような単純な形状に形成可能となり、コンパクト化に貢献できる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項4及び5に従属の請求項6に記載の電力変換装置のスイッチモジュールにおいて、前記アーム毎に対をなす各スイッチング素子の制御端子間を接続するための前記制御入力用プレートは、前記アーム毎に設けられるものであって、それぞれ同形状に形成されたことをその要旨とする。
【0019】
この発明では、アーム毎に対をなす各スイッチング素子の制御端子間を接続するための制御入力用プレートは、アーム毎に設けられ、それぞれ同形状に形成される。これにより、制御入力用プレートが1品番となり、部品管理や組立が行い易い。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の電力変換装置のスイッチモジュールにおいて、前記制御入力用プレートは、点対称形状に形成されたことをその要旨とする。
この発明では、制御入力用プレートは点対称形状に形成されるため、180度回転させても組み立て可能で、組み立ての煩雑性が軽減される。
【0021】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電力変換装置のスイッチモジュールにおいて、前記配線構造体のプレート配線として前記出力ノードを有する出力用プレートが用いられ、前記上下アームの各スイッチング素子の出力端子が接続されて前記出力ノードから前記高周波交流電力を出力するものであり、前記出力用プレートは、前記上下アーム毎に設けられるものであって、それぞれ同形状に形成されたことをその要旨とする。
【0022】
この発明では、配線構造体のプレート配線として用いられ、出力ノードから高周波交流電力を出力するための出力用プレートは、上下アーム毎に設けられ、それぞれ同形状に形成される。これにより、出力用プレートが1品番となり、部品管理や組立が行い易い。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、スイッチング素子毎の出力経路における寄生インダクタンスの影響を小さくし、出力電力の安定化に寄与することができる電力変換装置のスイッチモジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態におけるDC−DCコンバータの回路図である。
【図2】インバータ回路に用いるスイッチモジュールの回路図である。
【図3】スイッチモジュールの構成を説明するための斜視図である。
【図4】スイッチモジュールに用いる配線構造体の構成を説明するための分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示す本実施形態のDC−DCコンバータ10は、平滑コンデンサCa、インバータ回路11、絶縁トランス12、共振コンデンサCx、整流回路13、及びフィルタ回路14を備えている。
【0026】
絶縁トランス12の一次側には、インバータ回路11が備えられている。インバータ回路11は、本実施形態ではIGBTよりなる半導体スイッチング素子SW1〜SW4を4組用いたフルブリッジ回路にて構成される。各スイッチング素子SW1〜SW4(後述の各スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4b)には、逆接ダイオードD1〜D4及びコンデンサC1〜C4を内蔵したものが用いられている。そして、インバータ回路11は、平滑コンデンサCaを介して入力される直流電力を制御回路15の制御に基づく各スイッチング素子SW1〜SW4のスイッチング動作にて高周波交流電力に変換し、変換した高周波交流電力を絶縁トランス12の一次側コイル12aに供給する。絶縁トランス12は、一次側コイル12aに供給された高周波交流電力を二次側コイル12bにて所定電圧に変換する。
【0027】
絶縁トランス12の二次側では、その二次側コイル12bに共振コンデンサCxが直列に接続されており、その後段には整流回路13が備えられている。整流回路13は、4個のダイオードD5〜D8を用いたフルブリッジ回路にて構成される。整流回路13の後段には、フィルタ回路14が備えられている。フィルタ回路14は、平滑リアクトルLb及び平滑コンデンサCbで構成される。フィルタ回路14は、平滑リアクトルLb及び平滑コンデンサCbにて整流回路13を経た直流電力の平滑化を行い、平滑化後の直流電力を負荷側に出力する。
【0028】
次に、本実施形態のインバータ回路11についての具体的な構成を説明する。
本実施形態のインバータ回路11は単相インバータ回路であり、図2にその具体的構成を示すように、スイッチング素子SW1〜SW4の1組毎(各アーム毎)に2個ずつが並列接続された合計8個のスイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4bのブリッジ回路にて構成されている。そして、各スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4bは、これらの電気的接続を図る配線構造体21とともに、スイッチモジュール20としてモジュール化されて構成されている。
【0029】
図3及び図4に示すように、スイッチモジュール20を構成する配線構造体21として、基板22、2つの電源用バスバー23,24、2つの出力用プレート25,26、及び4つの制御入力用プレート27〜30が用いられている。配線構造体21は、基板22の上面にプラス側電源用バスバー23が、その上面にマイナス側電源用バスバー24が順に載置され、マイナス側電源用バスバー24の上面には2つの出力用プレート25,26が並べて載置され、各出力用プレート25,26の上面には制御入力用プレート27〜30がそれぞれ2つずつ載置されてなる。
【0030】
プラス側電源用バスバー23は、略長方形板状の基板22の長手方向長さよりも若干長く該基板22の幅(短手方向長さ)の約1/3程度の細長長方形状をなす直線配線部23aと、該直線配線部23aの側辺から延出され基板22の長手方向長さより若干短く該基板22の幅と同程度の長方形状をなす平板部23bとを有している。直線配線部23aの長手方向両端部には、それぞれ接続端子部23c,23dが立設されている。接続端子部23c,23dは、雄ネジにて構成されている。
【0031】
平板部23bの一方側の長辺(図4において手前側の辺)からは2つの接続端子23e,23fが該直線配線部23aの延びる方向と直交する方向に延出され、直線配線部23aの他方側の長辺(図4において奥側の辺)からは2つの接続端子23g,23hが該直線配線部23aの延びる方向と直交する方向に延出されている。プラス側電源用バスバー23には、合計4つの接続端子23e〜23hが備えられている。プラス側電源用バスバー23は、直線配線部23aが基板22の一方の長辺側に寄せて配置され、平板部23bが基板22と大部分で重なるように配置されている。接続端子23e〜23hは、基板22から幅方向外側に突出する。
【0032】
マイナス側電源用バスバー24は、後述する自身の接続端子24e〜24h以外、プラス側電源用バスバー23と線対称形状に形成されている。具体的には、マイナス側電源用バスバー24は、基板22の長手方向長さよりも若干長く該基板22の幅の約1/3程度の細長長方形状をなす直線配線部24aと、該直線配線部24aの側辺から延出され基板22の長手方向長さより若干短く該基板22の幅と同程度の長方形状をなす平板部24bとを有している。直線配線部24aの長手方向両端部には、それぞれ接続端子部24c,24dが立設されている。接続端子部24c,24dは、雄ネジにて構成されている。
【0033】
直線配線部24aの一方側の長辺(図4において手前側の辺)からは2つの接続端子24e,24fが該直線配線部24aの延びる方向と直交する方向に延出され、平板部24bの他方側の長辺(図4において奥側の辺)からは2つの接続端子24g,24hが該直線配線部24aの延びる方向と直交する方向に延出されている。マイナス側電源用バスバー24においても、合計4つの接続端子24e〜24hが備えられている。マイナス側電源用バスバー24は、直線配線部24aが基板22の他方の長辺側に寄せて配置され、平板部24bがプラス側電源用バスバー23の平板部23bと重なるように配置されている。接続端子24e〜24hは基板22から幅方向外側に突出するとともに、プラス側電源用バスバー23の接続端子23e〜23hとは所定間隔を有して配置される。
【0034】
出力用プレート25,26は、自身の接続端子25a〜25d,26a〜26dと接続端子部25e,26eを有する突出部25f,26fとを除いた本体部分が、基板22の幅と同程度で、マイナス側電源用バスバー24の平板部24b(プラス側電源用バスバー23の平板部23b)の半分の面積より若干小さい略正方形状に形成されている。出力用プレート25,26は、接続端子部25e,26eを有する突出部25f,26f以外、同形状をなしている。
【0035】
出力用プレート25,26は、対向する一対の辺において、4つの角部近傍からそれぞれ接続端子25a〜25d,26a〜26dが延出されている。出力用プレート25,26は、マイナス側電源用バスバー24の平板部24b上においてその長手方向端部にそれぞれ寄せて配置され、接続端子25a〜25d,26a〜26dは、基板22から幅方向外側に突出する。接続端子25a〜25d,26a〜26dは、プラス側電源用バスバー23及びマイナス側電源用バスバー24の対応する接続端子23e〜23h,24e〜24hと近接しながらも、所定間隔を有して重ならないように配置される。
【0036】
出力用プレート25,26の中心部には、それぞれ出力端子部25g,26gが立設されている。出力端子部25g,26gは、雄ネジにて構成されている。また、出力用プレート25,26がマイナス側電源用バスバー24に対する配置状態で、各出力用プレート25,26の互いに対向する辺とは反対側の辺の中央から外側に突出する突出部25f,26fが形成されている。各突出部25f,26fには、それぞれ接続端子部25e,26eが立設されている。接続端子部25e,26eは、雄ネジにて構成されている。
【0037】
制御入力用プレート27〜30は、自身の接続端子27a,27b〜30a,30bを除く部分が基板22の幅と同程度で、出力用プレート25,26の半分の面積より若干小さい横長形状に形成されている。接続端子27a,27b〜30a,30bは、基板22から幅方向外側に突出するとともに、プラス側電源用バスバー23、マイナス側電源用バスバー24及び出力用プレート25,26の対応する接続端子23e〜23h,24e〜24h,25a〜25d,26a〜26dと近接しながらも、所定間隔を有して重ならないように配置される。これら制御入力用プレート27〜30は、各出力用プレート25,26上にそれぞれ2つずつ各プレート25,26の出力端子部25g,26gを非接触で挟むようにして、自身の長手方向が基板22の幅方向に沿うように配置される。制御入力用プレート27〜30の中心部には、それぞれ入力端子部27c〜30cが立設されている。入力端子部27c〜30cは、雄型のファストン(平型)端子にて構成されている。このような制御入力用プレート27〜30は、互いに同形状に形成されている。つまり、制御入力用プレート27〜30は、1品番で構成されている。しかも、制御入力用プレート27〜30は点対称形状をなしているため、180度回転させても組み立て可能で、組み立ての煩雑性が軽減されている。
【0038】
因みに、本実施形態では、基板22、プラス側電源用バスバー23、マイナス側電源用バスバー24、出力用プレート25,26、及び制御入力用プレート27〜30は、積層方向に隣接するもの同士が例えば両面貼着シート(図示略)で固定されて配線構造体21が組み立てられている。また、電源用バスバー23,24、出力用プレート25,26及び制御入力用プレート27〜30は、絶縁性樹脂のコーティングがなされており、積載した際の互いの絶縁性が確保されている。
【0039】
ここで、スイッチモジュール20を構成する8個のスイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4bを、第1スイッチング素子SW1a,SW1b、第2スイッチング素子SW2a,SW2b、第3スイッチング素子SW3a,SW3b、第4スイッチング素子SW4a,SW4bとし、インバータ回路11(ブリッジ回路)の上アームには第1スイッチング素子SW1a,SW1b及び第2スイッチング素子SW2a,SW2bが、下アームには第3スイッチング素子SW3a,SW3b及び第4スイッチング素子SW4a,SW4bが配置されるものとする。この場合、第1スイッチング素子SW1a,SW1bと第4スイッチング素子SW4a,SW4bとが対で動作し、第2スイッチング素子SW2a,SW2bと第3スイッチング素子SW3a,SW3bとが対で動作する。
【0040】
配線構造体21の長手方向一方側から第1スイッチング素子SW1a,SW1b、第3スイッチング素子SW3a,SW3b、第2スイッチング素子SW2a,SW2b、第4スイッチング素子SW4a,SW4bの順に配置され、更にこの配線構造体21を挟んだ両側に第1スイッチング素子SW1a,SW1bが別れて配置され、第3スイッチング素子SW3a,SW3b、第2スイッチング素子SW2a,SW2b、第4スイッチング素子SW4a,SW4bも同様にそれぞれ別れて配置される。そして、第1〜第4スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4bに備えられる各ゲート端子tg、コレクタ端子tc及びエミッタ端子teは、配線構造体21の対応する接続端子23e〜23h,24e〜24h,25a〜25d,26a〜26d,27a,27b〜30a,30bにそれぞれ接続される。
【0041】
尚、第1〜第4スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4bは、同一の素子(IGBT)にて構成されている。第1〜第4スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4bは、その本体部分が略正方形板状をなし、その一辺において一方側からゲート端子tg、コレクタ端子tc、エミッタ端子teがこの順に並んで備えられている。第1〜第4スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4bは、その扁平方向が配線構造体21の基板22等の平面方向に沿って配置される。そして、基板22の幅方向両側に分かれて配置される第1〜第4スイッチング素子SW1a〜SW4aと第1〜第4スイッチング素子SW1b〜SW4bとは、端子tg,tc,te側が対向するように配置され、配線構造体21の対応する接続端子23e〜23h,24e〜24h,25a〜25d,26a〜26d,27a,27b〜30a,30bにそれぞれ下方から上方に向けて嵌挿されて半田等にて接合される。
【0042】
具体的な端子の接続態様について、第1スイッチング素子SW1aは、コレクタ端子tcがプラス側電源用バスバー23の接続端子23eに接続され、エミッタ端子teが出力用プレート25の接続端子25aに接続され、ゲート端子tgが制御入力用プレート27の接続端子27aに接続される。また、第1スイッチング素子SW1bは、コレクタ端子tcがプラス側電源用バスバー23の接続端子23gに接続され、エミッタ端子teが出力用プレート25の接続端子25cに接続され、ゲート端子tgが制御入力用プレート27の接続端子27bに接続される。
【0043】
第3スイッチング素子SW3aは、コレクタ端子tcが出力用プレート25の接続端子25bに接続され、エミッタ端子teがマイナス側電源用バスバー24の接続端子24eに接続され、ゲート端子tgが制御入力用プレート28の接続端子28aに接続される。また、第3スイッチング素子SW3bは、コレクタ端子tcが出力用プレート25の接続端子25dに接続され、エミッタ端子teがマイナス側電源用バスバー24の接続端子24gに接続され、ゲート端子tgが制御入力用プレート28の接続端子28bに接続される。
【0044】
第2スイッチング素子SW2aは、コレクタ端子tcがプラス側電源用バスバー23の接続端子23fに接続され、エミッタ端子teが出力用プレート26の接続端子26aに接続され、ゲート端子tgが制御入力用プレート29の接続端子29aに接続される。また、第2スイッチング素子SW2bは、コレクタ端子tcがプラス側電源用バスバー23の接続端子23hに接続され、エミッタ端子teが出力用プレート26の接続端子26cに接続され、ゲート端子tgが制御入力用プレート29の接続端子29bに接続される。
【0045】
第4スイッチング素子SW4aは、コレクタ端子tcが出力用プレート26の接続端子26bに接続され、エミッタ端子teがマイナス側電源用バスバー24の接続端子24fに接続され、ゲート端子tgが制御入力用プレート30の接続端子30aに接続される。また、第4スイッチング素子SW4bは、コレクタ端子tcが出力用プレート26の接続端子26dに接続され、エミッタ端子teがマイナス側電源用バスバー24の接続端子24hに接続され、ゲート端子tgが制御入力用プレート30の接続端子30bに接続される。
【0046】
また、プラス側電源用バスバー23の接続端子部23cは、インバータ回路11(絶縁トランス12の一次側)のプラス側電源線(図示略)に接続され、マイナス側電源用バスバー24の接続端子部24cは、そのマイナス側電源線(図示略)に接続される。出力用プレート25,26の出力端子部25g,26gは、絶縁トランス12の一次側コイル12aに接続される。制御入力用プレート27〜30の入力端子部27c〜30cは、制御回路15に接続される。電源用バスバー23,24の接続端子部23d,24d及び出力用プレート25,26の接続端子部25e,26eについては、オプションとなる素子等との接続に用いられ、本実施形態では電源用バスバー23,24の接続端子部23d,24d間に平滑コンデンサCaが接続され、出力用プレート25,26の接続端子部25e,26eは使用しない。
【0047】
次に、上記構成のスイッチモジュール20を用いるインバータ回路11の動作を説明する。
インバータ回路11への直流電力の入力は、電源用バスバー23,24の接続端子部23c,24cを通じて行われる。直流電力が入力されると、プラス側電源用バスバー23を介して上アームの第1及び第2スイッチング素子SW1a,SW1b,SW2a,SW2bの各コレクタ端子tcがプラス電位とされ、マイナス側電源用バスバー24を介して下アームの第3及び第4スイッチング素子SW3a,SW3b,SW4a,SW4bの各エミッタ端子teがマイナス電位(グランド電位)とされる。
【0048】
制御回路15からの制御信号は、制御入力用プレート27〜30の入力端子部27c〜30cから入力され、第1〜第4スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4bのゲート端子tgに入力される。制御信号に基づいて、第1及び第4スイッチング素子SW1a,SW1b,SW4a,SW4bと、第2及び第3スイッチング素子SW2a,SW2b,SW3a,SW3bとが交互にスイッチング動作し、入力される直流電力が高周波交流電力に変換される。
【0049】
そして、変換された高周波交流電力は、第1スイッチング素子SW1a,SW1bのエミッタ端子teと第3スイッチング素子SW3a,SW3bのコレクタ端子tcとが接続される出力用プレート25と、第2スイッチング素子SW2a,SW2bのエミッタ端子teと第4スイッチング素子SW4a,SW4bのコレクタ端子tcとが接続される出力用プレート26とを通じ、それらの各出力端子部25g,26gから後段の回路に出力されるようになっている。
【0050】
このようなインバータ回路11のスイッチング動作の際、電源用バスバー23,24においては、電源用バスバー23,24の直線配線部23a,24aは互いに平行をなすため、これらに流れる主たる電流の向きが逆向きとなり、電源用バスバー23,24で発生する磁界が互いに打ち消すように作用する。そのため、放射磁界の低減とともに、電源用バスバー23,24のインダクタンスが低減される。
【0051】
また、電源用バスバー23,24の互いの平板部23b,24bが平面同士で所定距離を以て対向することから、寄生キャパシタンスが形成されてキャパシタンス効果が期待でき、電源用バスバー23,24のインダクタンスの更なる低減に貢献する。また、このような平板部23b,24bを設けることで、電源用バスバー23,24の放熱効果が向上する。尚、この場合、平板部23b,24bの平面と直交する方向に主として放熱されることから、平板部23bの平面(下面)と対向する基板22にヒートシンク(図示略)を取り付けることで、効率良く放熱することが可能である。基板22の四隅に形成された貫通孔22aは、そのヒートシンクや他部材との取り付けに用いられる。
【0052】
制御入力用プレート27〜30においては、大きな電流が流れる電源用バスバー23,24(直線配線部23a,24a)、即ち電源用バスバー23,24の主たる電流の流れに対し、制御入力用プレート27〜30の信号伝達経路は略垂直に交差するように構成されているため、比較的大となり得る電源用バスバー23,24での放射磁界の制御信号側に与える影響が低減され、誤動作等の問題が未然に防止されている。
【0053】
出力用プレート25,26においては、図3に示すように、各アームにおける並列接続のスイッチング素子SW1a,SW1bのエミッタ端子teから出力端子部25gまでの各距離L1は、等しい距離に設定されている。尚、図3では図が煩雑になるのを防止するために距離L1を直線的に示したが、距離L1は2点間の実際の電力伝達経路(出力経路)である。同様に、スイッチング素子SW2a,SW2bのエミッタ端子teから出力端子部26gまでの各距離L2も等しく、スイッチング素子SW3a,SW3bのコレクタ端子tcから出力端子部25gまでの各距離L3も等しく、スイッチング素子SW4a,SW4bのコレクタ端子tcから出力端子部26gまでの各距離L4も等しく設定されている。更に、第1〜第4スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4b間の出力端子部25g,26gまでの距離L1〜L4についても等しく設定されている。つまり、スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4bの個々の出力端子から出力用プレート25,26の出力端子部25g,26gまでの間の出力経路のインダクタンスが同等となるように構成されている。
【0054】
これにより、各スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4b同士の出力電流・電圧の伝達差が極めて小さくなるため、発生する高周波交流電力の歪みが小さい。結果、インバータ回路11から出力される高周波交流電力が安定し、ひいてはDC−DCコンバータ10の出力電力の安定化に寄与するものとなる。
【0055】
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)配線構造体21の出力用プレート25,26において、各スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4b毎の出力端子(エミッタ端子te又はコレクタ端子tc)からインバータ回路11の出力端子部25g,26g(出力ノード)までの電力伝達距離L1〜L4が等しくなるように構成されている。これにより、スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4b毎の出力経路のインダクタンスが同等となるため、各スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4b同士の出力電流・電圧の伝達差が極めて小さく、インバータ回路11(ブリッジ回路)から出力される高周波交流電力を歪みの小さい安定したものとでき、DC−DCコンバータ10の出力電力の安定化を図ることができる。
【0056】
(2)プラス側及びマイナス側電源用バスバー23,24は、自身を流れる主たる電流の向きが互いに逆向きとなるように構成されている。これにより、各電源用バスバー23,24で発生する磁界が互いに打ち消すように作用し、放射磁界の低減とともに、電源用バスバー23,24のインダクタンスの低減に貢献することができる。
【0057】
(3)プラス側及びマイナス側電源用バスバー23,24に備えられる平板部23b,24bにて寄生キャパシタンスが形成されることから、そのキャパシタンス効果で電源用バスバー23,24のインダクタンスの低減に貢献することができる。また、平板部23b,24bにて放熱面積が拡大するため、電源用バスバー23,24における放熱効果を向上することができる。
【0058】
(4)制御入力用プレート27〜30は、自身の信号伝達経路が各電源用バスバー23,24の主たる電流の流れに対して交差するように構成されている。これにより、比較的大となり得る電源用バスバー23,24での放射磁界の制御信号側に与える影響を低減でき、誤動作等の問題を未然に防止することができる。
【0059】
(5)インバータ回路11(ブリッジ回路)の各アームに配置されるスイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4bは、それぞれ2つの素子が並列接続されて構成されている。そして、アーム毎に対をなす各スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4bの出力端子(エミッタ端子te又はコレクタ端子tc)とインバータ回路11の出力端子部25g,26g(出力ノード)との間の電力伝達距離L1同士、L2同士、L3同士、L4同士がそれぞれ等しく設定されている。これにより、個々のアーム毎において並列接続されるスイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4b同士においても出力経路のインダクタンスが同等となるため、各スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4b同士の出力電流・電圧の伝達差が極めて小さく、インバータ回路11(ブリッジ回路)の出力電力の安定化に貢献することができる。
【0060】
(6)アーム毎に対をなす各スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4bは、配線構造体21を挟んだ両側に配置され、互いに対向するように並設されるため、配線構造体21の電源用バスバー23,24、出力用プレート25,26、制御入力用プレート27〜30といった各種プレート配線を同一形状や対称形状というような単純な形状に形成可能となり、配線構造体21、スイッチモジュール20のコンパクト化に貢献することができる。
【0061】
(7)アーム毎に対をなす各スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4bのゲート端子tg(制御端子)間を接続するための制御入力用プレート27〜30は、それぞれ同形状に形成されている。これにより、制御入力用プレート27〜30が1品番となり、部品管理や組立が行い易い。
【0062】
(8)制御入力用プレート27〜30は点対称形状をなしているため、180度回転させても組み立て可能で、組み立ての煩雑性を軽減することができる。
(9)出力用プレート25,26は、特に出力経路を含む部分がそれぞれ同形状に形成されている。これにより、出力用プレート25,26の相互間での電流バランスの向上に寄与することができる。
【0063】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、配線構造体21の電源用バスバー23,24、出力用プレート25,26、制御入力用プレート27〜30の形状、配置、固定手法等を適宜変更してもよい。
【0064】
例えば配置について、基板22側から順に、プラス側電源用バスバー23、マイナス側電源用バスバー24、出力用プレート25,26、制御入力用プレート27〜30の順に積層配置したが、積層順はこれに限らず、適宜変更してもよい。
【0065】
また固定手法について、両面貼着シートでこれらを互いに固定したが、例えば接着剤や樹脂モールド等を用いて固定してもよい。
また形状について、電源用バスバー23,24に平板部23b,24bを設けたが、省略してもよい。
【0066】
また、オプション素子の接続に用いられる電源用バスバー23,24の接続端子部23d,24dや出力用プレート25,26の接続端子部25e,26e自身、及びそれに係る部分を省略してもよい。このようにすれば、出力用プレート25,26については同形状にて形成できる。
【0067】
また、制御入力用プレート27〜30を同形状且つ点対称形状としたが、これらの形状を採用しない形状としてもよい。
また、端子部23c,23d,24c,24d,25e,26e,25g,26gを雄ネジ、端子部27c〜30cを雄型ファストン端子としたが、端子形状はこれ以外の形状を採用してもよい。
【0068】
・上記実施形態では、スイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4bにIGBTを用いたが、IGBT以外、例えばMOSトランジスタ、バイポーラトランジスタを用いてもよい。
【0069】
・上記実施形態では、インバータ回路11(ブリッジ回路)の各アーム毎にスイッチング素子SW1a,SW1b〜SW4a,SW4bを2個ずつ並列接続して構成したが、各アームのスイッチング素子は1個であってもよい。
【0070】
・上記実施形態では、インバータ回路11を単相インバータ回路としたが、三相インバータ回路であってもよい。この場合、例えば配線構造体21においては、電源用バスバー23,24を長手方向に延長し、出力用プレートを1つ、制御入力用プレートを2つ、スイッチング素子を2組(4個)追加すれば、三相インバータ回路についても同様に構成可能である。
【0071】
・上記実施形態では、絶縁型DC−DCコンバータ10のインバータ回路11に適用したが、その他の装置に用いるインバータ回路に適用してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
【0072】
(イ) 複数のスイッチング素子を用いたブリッジ回路にて構成され、各スイッチング素子のスイッチング動作により直流電力を高周波交流電力に変換する電力変換装置において、前記各スイッチング素子の端子を複数のプレート配線よりなる配線構造体に接続して構成された電力変換装置のスイッチモジュールに用いるその配線構造体であって、
前記ブリッジ回路の上下アームに配置される各スイッチング素子の出力端子と、前記ブリッジ回路の出力ノードとの間を接続する前記プレート配線において、前記各スイッチング素子毎の前記出力ノードまでの電力伝達距離が等しくなるように構成されたことを特徴とする電力変換装置のスイッチモジュールに用いる配線構造体。
【0073】
このような配線構造体に対し、スイッチング素子を接続してスイッチモジュールを構成することで、スイッチング素子毎の出力経路における寄生インダクタンスの影響が小さく、電力変換装置の出力電力の安定化に寄与できる。
【符号の説明】
【0074】
11 インバータ回路(ブリッジ回路)
20 スイッチモジュール
21 配線構造体
23 プラス側電源用バスバー(プレート配線)
24 マイナス側電源用バスバー(プレート配線)
23b,24b 平板部
25,26 出力用プレート(プレート配線)
25g,26g 出力端子部(出力ノード)
27〜30 制御入力用プレート(プレート配線)
SW1〜SW4 スイッチング素子
SW1a,SW1b〜SW4a,SW4b スイッチング素子
tc コレクタ端子(出力端子)
te エミッタ端子(出力端子)
tg ゲート端子(制御端子)
L1〜L4 距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスイッチング素子を用いたブリッジ回路にて構成され、各スイッチング素子のスイッチング動作により直流電力を高周波交流電力に変換する電力変換装置において、前記各スイッチング素子の端子を複数のプレート配線よりなる配線構造体に接続して構成された電力変換装置のスイッチモジュールであって、
前記ブリッジ回路の上下アームに配置される各スイッチング素子の出力端子と、前記ブリッジ回路の出力ノードとの間を接続する前記配線構造体のプレート配線において、前記各スイッチング素子毎の前記出力ノードまでの電力伝達距離を等しく設定して構成されたことを特徴とする電力変換装置のスイッチモジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の電力変換装置のスイッチモジュールにおいて、
前記配線構造体のプレート配線としてプラス側及びマイナス側電源用バスバーが用いられ、各電源用バスバーを介して前記ブリッジ回路に前記直流電力を入力するものであり、
前記各電源用バスバーは、自身を流れる主たる電流の向きが互いに逆向きとなるように構成されたことを特徴とする電力変換装置のスイッチモジュール。
【請求項3】
請求項2に記載の電力変換装置のスイッチモジュールにおいて、
前記プラス側及びマイナス側電源用バスバーには、平面同士で対向して寄生キャパシタンスを形成する平板部が備えられたことを特徴とする電力変換装置のスイッチモジュール。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の電力変換装置のスイッチモジュールにおいて、
前記配線構造体のプレート配線として制御入力用プレートが用いられ、該制御入力用プレートを介して前記スイッチング素子の制御端子に制御信号を入力するものであり、
前記制御入力用プレートは、自身の信号伝達経路が前記各電源用バスバーの主たる電流の流れに対して交差するように構成されたことを特徴とする電力変換装置のスイッチモジュール。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力変換装置のスイッチモジュールにおいて、
前記ブリッジ回路の各アームに配置されるスイッチング素子は、それぞれ2つのスイッチング素子が並列接続されてなるものであり、アーム毎に対をなす各スイッチング素子の出力端子と前記出力ノードとの間の電力伝達距離を等しく設定して構成されたことを特徴とする電力変換装置のスイッチモジュール。
【請求項6】
請求項5に記載の電力変換装置のスイッチモジュールにおいて、
前記アーム毎に対をなす各スイッチング素子は、前記配線構造体を挟んだ両側に配置され、互いに対向するように並設されたことを特徴とする電力変換装置のスイッチモジュール。
【請求項7】
請求項4及び5に従属の請求項6に記載の電力変換装置のスイッチモジュールにおいて、
前記アーム毎に対をなす各スイッチング素子の制御端子間を接続するための前記制御入力用プレートは、前記アーム毎に設けられるものであって、それぞれ同形状に形成されたことを特徴とする電力変換装置のスイッチモジュール。
【請求項8】
請求項7に記載の電力変換装置のスイッチモジュールにおいて、
前記制御入力用プレートは、点対称形状に形成されたことを特徴とする電力変換装置のスイッチモジュール。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の電力変換装置のスイッチモジュールにおいて、
前記配線構造体のプレート配線として前記出力ノードを有する出力用プレートが用いられ、前記上下アームの各スイッチング素子の出力端子が接続されて前記出力ノードから前記高周波交流電力を出力するものであり、
前記出力用プレートは、前記上下アーム毎に設けられるものであって、それぞれ同形状に形成されたことを特徴とする電力変換装置のスイッチモジュール。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate