電力変換装置
【課題】 半導体素子の直列構成を中心的な構成とし、変圧器を使用することなく高電圧及び多出力レベルを扱える電力変換器を提供する。
【解決手段】 高電圧を扱うため、電圧形変換器のレグ1を複数の半導体素子101〜112の直列接続で構成する。経済性に考慮し同一定格の半導体素子を用いる。また、直流回路2も高電圧となるので、直流コンデンサの直列接続で構成する。この構成において、レグ1を構成する半導体素子相互間の接続点と、各直流コンデンサ201〜206相互の接続点が、レグ1を構成する半導体素子と同じ電圧定格を有する半導体素子から構成されるスイッチ41〜44により接続される。直流回路2の直列接続されたコンデンサの数に応じたレベル数の出力電圧が出力端子Uに発生される。
【解決手段】 高電圧を扱うため、電圧形変換器のレグ1を複数の半導体素子101〜112の直列接続で構成する。経済性に考慮し同一定格の半導体素子を用いる。また、直流回路2も高電圧となるので、直流コンデンサの直列接続で構成する。この構成において、レグ1を構成する半導体素子相互間の接続点と、各直流コンデンサ201〜206相互の接続点が、レグ1を構成する半導体素子と同じ電圧定格を有する半導体素子から構成されるスイッチ41〜44により接続される。直流回路2の直列接続されたコンデンサの数に応じたレベル数の出力電圧が出力端子Uに発生される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高電圧の電力を変換するモーター駆動用インバータや周波数変換装置などに適用される電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、3レベルの電圧を出力する変換装置として、ダイオードクランプ回路を用いた変換装置、中性点スイッチを用いた変換装置は、論文等で開示されている。これら回路の基本構成を図13、14に示す。
【0003】
まず、従来技術の動作を図13を用いて説明する。
【0004】
図13は、電力変換器の1相分の構成を示すものであり、単相出力ではこの構成を1組(ハーフブリッジ単相出力回路)あるいは2組(フルブリッジ単相出力回路)用い、三相出力では3組用いる。Uは電力変換器の交流出力であり、レグ1内の半導体101〜104のオンオフにより、直流回路2により維持される直流電圧+E、0、−Eの3つのレベルの電圧が出力される。その電圧ステップの幅をPWM制御により調整し、所望の周波数・電圧の交流電圧を負荷に与える。
【0005】
U相に+Eの電圧を出力する場合は、半導体素子101、102をオンする。0電圧を出力するには、半導体素子102、103をオンする。この状態では、ダイオードクランプ回路3を通じて、直流中性点Cと交流出力端子Uとが接続する。−Eの電圧を出力する場合は、半導体素子103、104をオンする。このようにして、3つのレベルの電圧が出力される。
【0006】
次に、他の従来技術を図14を用いて説明する。
【0007】
図14は、電力変換器の1相分の構成を示すものであり、単相出力では上記同様にこの構成を1組(ハーフブリッジ単相出力回路)あるいは2組(フルブリッジ単相出力回路)用い、三相出力では3組用いる。動作は、図13の例とほぼ同様であるが、0電圧を出力するには、中性点スイッチ6をオンすることで、直流中性点Cと交流出力端子Uとを接続する点が異なる。従来技術を示す図13の構成では、中性点スイッチをダイオード301、302とトランジスタ102、103をそれぞれ直列した回路を並列接続して構成しているが、図14のようにダイオードとトランジスタを逆並列接続した構成6A、6Bを直列接続しても、同じ機能が実現される。一般的なIGBT素子は、トランジスタとダイオードが逆並列接続されているので、それを用いてスイッチを構成するのが実用的である。したがって図14では、IGBTを互いに逆方向に向けて直列接続することでスイッチを構成した例を示した。
【0008】
これらの技術に用いられる半導体素子として、実用的に使われるのは自励式(自己消弧可能な)IGBT素子などであり、経済的に入手できる半導体素子の電圧定格は、千V程度のものが多く、これらの技術は、数百V程度の出力の電力変換器に適用されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】“A New Neutral-Point-Clamped PWM Inverter”, Akira Nabae他、IEEE Transaction on Industry Applications, Vol. IA-17, No.5 September/October 1981 pp.518-523
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
省エネ及びCO2削減などのため、ポンプやファンの電動機をインバータで可変速駆動する技術が広く用いられている。しかし、それらのインバータは、先に説明した理由から定格電圧が数百V程度のものが大半であり、大規模なプラントなどで用いられる高電圧電動機は、複数の低電圧インバータを変圧器を介して直列接続した構成のインバータを適用している。しかし、このような構成では、変圧器を必要とすることから、重量や寸法が大きくなり、据付場所などの制約が大きいなどの問題があった。
【0011】
実施形態は上記課題を解決するため、半導体素子の直列構成を中心的な構成とし、変圧器を使用することなく高電圧及び多出力レベルを扱える電力変換器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する手段の一例は下記のとおりである。
【0013】
高電圧を扱うため、電圧形変換器のレグを複数の半導体素子の直列接続で構成する。経済性に考慮し同一定格の半導体素子を用いる。また、直流回路も高電圧となるので、直流コンデンサの直列接続で構成する。この構成において、レグを構成する半導体素子相互間の接続点と、直流コンデンサ相互間の接続点を、レグを構成する半導体素子と同じ定格を有する半導体素子から構成されるスイッチにより接続する構成とする。直流回路の直列接続されたコンデンサの数に応じたレベル数の出力電圧が発生される。
【0014】
すなわち、実施形態に係る電力変換装置は、ダイオードとスイッチング素子の逆並列接続からなる回路要素が半導体素子として構成され、複数の同一電圧定格のコンデンサが2n個(nは自然数)直列接続された直流回路と、複数の同一電圧定格の半導体素子を4n個直列に接続した直列回路であって、正及び負の母線により前記直流回路と並列に接続されたレグと、前記正及び負の直流母線からそれぞれ数えてk番目(kは自然数)と(k+1)番目のコンデンサの相互接続点と、k番目と(k+1)番目の半導体素子の相互接続点との間に直列に接続されるk個の半導体素子で構成されたスイッチと、レグの中点から正および負の母線側に共にn番目と(n+1)番目の半導体素子の相互接続点の間に直列接続された同一方向及び偶数個のダイオードを含み、前記偶数個のダイオードの中点が前記直流回路の中性点に接続されたダイオードクランプ回路とを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係る電圧形自励式の電力変換装置の構成を示す図である。
【図2】第2実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図3】第3実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図4】第4実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図5】第5実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図6】第6実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図7】第7実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図8】第8実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図9】第9実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図10】第10実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図11】第11実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図12】第12実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図13】従来の電力変換装置の構成を示す図である。
【図14】従来の電力変換装置の他の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態の構成及び作用を図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
[第1実施形態]
図1は第1実施形態に係る電圧形自励式の電力変換装置の構成を示す図である。図1は直流コンデンサを6つ直列接続した構成を示す。
【0018】
直流電圧が全体では、+3E、−3Eと高い電圧になるため、その電圧に見合うよう半導体素子の直列数を定める。各コンデンサの容量及び定格電圧は同一で、「E」はコンデンサの定格電圧を示す。図1では、スイッチング素子(IGBT等)及びダイオードを逆並列接続した12個の半導体素子101〜112を直列して、レグ1を構成する。本明細書では、このスイッチング素子及びダイオードを逆並列接続した回路要素を半導体素子と呼ぶ。ダイオードクランプ回路3を構成するダイオードも電圧に合わせ直列構成としている。電圧定格の高いダイオードを1つで構成しても良い。
【0019】
レグ1、ダイオードクランプ回路3を用いることで、従来と同様、交流出力端子Uに、+3E、0、−3Eの3つの電圧レベルを出力可能である。しかし、負荷から見ると、レグのスイッチングに伴う電圧レベルの変化が3Eと大きくなり、ケーブルでの反射による電圧サージなどが発生することがある。つまり出力電圧波形と、負荷を反射した電圧波形が重畳して過電圧が発生し、負荷にとってはストレスが大きくなるおそれがある。
【0020】
そこで図1においては、半導体素子101と102との接続点A、直流コンデンサ201と202との接続点Bの間をスイッチ41で接続し、半導体素子102と103との接続点C’、直流コンデンサ202と203との接続点Dの間をスイッチ42で接続し、半導体素子110と111との接続点E’、直流コンデンサ204と205との接続点Fの間をスイッチ43で接続し、半導体素子111と112との接続点G、直流コンデンサ205と206との接続点Hの間をスイッチ44で接続する。このような構成とすることで、直流コンデンサ電圧Eの+2E、+E、−E、−2Eが、交流出力端子Uに発生でき、+3E、+2E、+E、0、−E、−2E、−3Eという7レベルの電圧を出力できる。これにより、スイッチングに伴う電圧変化はEとなるので、負荷の電圧ストレスは小さくなる。
【0021】
7レベルの電圧の出力は、次のように行う。+3Eの出力は、半導体素子101〜106を全てオンし、他の半導体素子をオフする(以下、冗長な説明を避けるため、オンする半導体素子またはスイッチのみを示し、他の半導体素子またはスイッチをオフする記載は省略する)。+2Eの出力は、スイッチ41と半導体素子102〜106をオンする。+Eの出力は、スイッチ42と半導体素子103〜106をオンする。0の出力は、半導体素子104〜109をオンしダイオードクランプ回路3経由で中性点Cと交流出力端子Uを接続する。−Eの出力は、スイッチ43と半導体素子107〜110をオンする。−2Eの出力は、半導体素子107〜111とスイッチ44をオンする。−3Eの出力は、半導体素子107〜112を全てオンする。尚、以上のようなスイッチングのシーケンスはルックアップテーブル等で行い、パルス幅はPWM等を用いて決定される。
【0022】
ここで、スイッチ41〜44は、レグとの接続点を適宜選定することで、レグを構成する半導体素子と同じ電圧定格の半導体素子、かつ一方向性の半導体素子で構成することができる。つまり、例えば+3Eを出力している場合、スイッチ41のコレクタ電位は+3E、エミッタ電位は+2Eであるので、スイッチ41の端子間には電圧Eがかかる。ここで、レグを構成する半導体素子は、電圧Eを扱えるものが用いられているので、同じ半導体素子が適用できる。次に、+Eを出力している場合は、スイッチ41のエミッタ電位は+2Eで、交流出力端子Uは+Eであり、スイッチ41と半導体素子102にて+Eの電圧を背負う。0を出力している場合は、スイッチ41のエミッタ電位は+2Eで、交流出力端子Uは0であり、スイッチ41と半導体素子102、103にて+2Eの電圧を背負う。いずれも半導体素子1つあたりの電圧はE以下である。スイッチ42〜44についても同様である。
【0023】
また、別の観点から言えば、図1に示した接続構成とすることで、レグを構成する半導体素子の直列数を有効に活用、すなわち高耐圧及び多レベル出力を実現できる。
【0024】
図1では、半導体素子1つで、対応する直流コンデンサ電圧Eを扱えるものとして、直列数を12個で説明した。直流コンデンサ電圧を2つの半導体素子の直列構成で扱うなど、直列数が更に増加しても、同様である。また図1では、直流電圧レベルを7で説明したが、同様な考えで更に高電圧多レベルの電力変換装置を実現できる。
【0025】
以上のように本実施形態に係る電力変換装置は、ダイオードとスイッチング素子の逆並列接続からなる回路要素が半導体素子とし、複数の同一電圧定格のコンデンサ201〜206が2n個(図1ではn=3)直列接続された直流回路2と、複数の同一電圧定格の半導体素子を4n個直列に接続した直列回路であって、正及び負の母線により前記直流回路と並列に接続されたレグ1と、前記正及び負の直流母線P、Nから数えてk番目(kは自然数)と(k+1)番目のコンデンサの相互接続点と、k番目と(k+1)番目の半導体素子の相互接続点との間に直列に接続されるk個の半導体素子で構成されたスイッチ41〜44と、レグの中点から正および負の母線側に共にn番目と(n+1)番目の半導体素子の相互接続点の間に直列接続された同一方向及び偶数個のダイオード301〜306を含み、前記偶数個のダイオードの中点が前記直流回路の中性点Cに接続されたダイオードクランプ回路3とを具備する。
【0026】
(効果)
本実施形態によれば、電力変換器の扱う電圧を高くするだけではなく、出力電圧レベルを増加させることができ、より滑らかな電圧出力が可能な電力変換装置を提供できる。
【0027】
[第2実施形態]
(構成)
図2は第2実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。本実施形態は、図1のダイオードクランプ回路3の代わりに、中性点スイッチ6を用いた構成である。
【0028】
中性点スイッチ6は、従来は異なり、扱う直流電圧が高くなるので、スイッチ61、62の直列接続から構成されている。また、スイッチ61、62は夫々、半導体素子61A、61Bおよび62A、62Bから構成されている。これらの半導体素子は、レグを構成する半導体素子と同じ電圧定格の半導体素子を適用できる。
【0029】
(作用)
図2では、直流コンデンサを4つ直列接続した構成を示す。直流電圧が全体では、+2E、−2Eと高い電圧になるため、その電圧に見合うよう半導体素子の直列数を定める。図2では、101〜108の8つの半導体素子を直列して、レグ1を構成する。半導体素子101と102との接続点I、直流コンデンサ201と202との接続点Jの間をスイッチ41で接続し、半導体素子107と108との接続点K、直流コンデンサ203と204との接続点Lの間をスイッチ42で接続する。+2Eの出力は、半導体素子101〜104を全てオンする。+Eの出力は、スイッチ41と半導体素子102〜104をオンする。0の出力は、中性点スイッチ6をオンにする。−Eの出力は、半導体素子105〜107とスイッチ42をオンする。−2Eの出力は、半導体素子105〜108を全てオンする。
【0030】
図2に示す箇所にスイッチを接続することで、スイッチ41、42のように、一方向性半導体素子でスイッチを構成でき、またレグを構成する半導体素子の直列数を有効に活用できる。
【0031】
以上のように本実施形態に係る電力変換装置は、ダイオードとスイッチング素子の逆並列接続からなる回路要素が半導体素子とし、複数の同一電圧定格のコンデンサ201〜204が2n個(nは自然数)直列接続された直流回路2と、複数の同一電圧定格の半導体素子101〜108を4n個直列に接続した直列回路であって、正及び負の母線により前記直流回路と並列に接続されたレグ1と、前記直流回路2の中性点とレグ中点の間に接続され、2n個の同一電圧定格の半導体素子が直列接続された中性点スイッチ6と、前記正及び負の直流母線P、Nから数えてk番目(本例ではk=1)と(k+1)番目のコンデンサの相互接続点と、k番目と(k+1)番目の半導体素子の相互接続点との間に直列に接続されるk個の半導体素子で構成されたコンデンサ・レグ間スイッチ41、42とを具備する。
【0032】
(効果)
第2実施形態によれば、電力変換器の扱う電圧を高くするだけではなく、出力電圧レベルを増加させることができ、より滑らかな電圧出力が可能な電力変換装置を提供できる。
【0033】
また、図2では中性点スイッチ61、62をIGBTの逆直列接続で構成する例を示したが、逆方向阻止ができる半導体素子(例えばIGBTとダイオードの直列回路)を、電流方向を逆にして並列に接続しても良いし、またダイオードブリッジとIGBTとの組合せで構成するなど、他の等価な回路構成としてもかまわない。
【0034】
[第3実施形態]
(構成)
図3は第3実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。本実施形態は、図1のダイオードクランプ回路の代わりに、中性点スイッチ6を用いた他の構成である。
【0035】
中性点スイッチ6は、前述の図12の構成とは異なり、扱う直流電圧が高くなるので、スイッチ61、62、63の直列接続から構成されている。スイッチの構成は図2と同様である。
【0036】
(作用)
図3において、交流電圧出力端子Uに0を出力する場合は、中性点スイッチ6をオンすることが図1の場合と異なるが、その他の動作と作用は図1の回路と同様である。
【0037】
図3に示す箇所にスイッチ41、44を接続することで、一方向性半導体素子でスイッチを構成でき、またレグを構成する半導体素子の直列数を有効に活用できることは、図1の例と同様である。
【0038】
(効果)
第3実施形態によれば、図1の実施形態と同様、電力変換器の扱う電圧を更に高くするだけではなく、出力電圧レベルを増加させることができ、より滑らかな電圧出力が可能な電力変換装置を提供できる。
【0039】
尚、図2、図3では、直流電圧レベルを5レベル、7レベルで説明したが、同様な考えで、更に高電圧多レベルの電力変換装置を実現できる。
【0040】
[第4実施形態]
(構成)
図4は第4実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【0041】
高電圧を扱うため、前述した図14の電圧形変換器のレグおよび中性点スイッチを複数の半導体素子の直列接続で構成する。経済性に考慮し、定格電圧および定格電流が全て同一の半導体素子を用いる。また、直流回路も高電圧となるので、直流コンデンサの直列接続で構成する。また、この構成において、レグを構成する半導体素子相互の接続点M、Nと、中性点スイッチ相互の接続点Oを、コンデンサ7、8でそれぞれ接続する。
【0042】
(作用)
作用を図4を用いて説明する。
【0043】
図4では、直流コンデンサを4つ直列接続した構成を示す。
【0044】
直流電圧が全体では、+2E、−2Eと高い電圧になるため、その電圧に見合うよう半導体素子の直列数を定める。図4では、101〜108の8つの半導体素子を直列して、レグ1を構成する。中性点スイッチ6を構成するスイッチも電圧に合わせ直列構成としている。スイッチの構成は、図2と同様である。
【0045】
レグ1、中性点スイッチ6を用いることで、従来例と同様、交流出力端子Uに、+2E、0、−2Eの3つの電圧レベルを出力可能である。しかし、負荷から見ると、レグのスイッチングに伴う電圧レベルの変化が2Eと大きくなり、ケーブルでの反射による電圧サージなど負荷にとってはストレスが大きくなるおそれがある。
【0046】
そこで図4においては、半導体素子101と102との接続点M、中性点スイッチ61と62との接続点Oの間をコンデンサ7で接続し、半導体素子107と108との接続点N’、中性点スイッチ61と62との接続点Oの間をコンデンサ8で接続する。このような構成とし、コンデンサ7、8の電圧をEとすることで、直流コンデンサ電圧Eあるいは−Eが、交流出力端子Uに発生でき、+2E、+E、0、−E、−2Eという5レベルの電圧が出力できる。これにより、スイッチングに伴う電圧変化はEとなるので、負荷の電圧ストレスは小さくなる。尚、コンデンサ7の電圧+Eおよびコンデンサ8の電圧−Eは、装置起動時に充電するものとする。
【0047】
5レベルの電圧出力は、次のように行う。
【0048】
+2Eの出力は、半導体素子101〜104を全てオンする。+Eの出力は2通りある。すなわち、中性点スイッチ61と半導体素子102、103、104をオンする。あるいは、半導体素子101と中性点スイッチ62をオンする。0の出力は、中性点スイッチ61、62を両方オンする。−Eの出力は2通りある。すなわち、中性点スイッチ61と半導体素子105、106、107をオンする。あるいは、半導体素子108と中性点スイッチ62をオンする。+2Eの出力は、半導体素子105〜108を全てオンする。
【0049】
また、図4に示す点M、N、Oにコンデンサを接続することで、レグを構成する半導体素子の直列数を有効に活用できる。例えば、−2Eを出力している場合、交流出力端子Uの電位は−2Eである。このとき、コンデンサ7を接続している点Mの電位は+Eであり、その電位差は3Eとなるが、その2点間には半導体素子102、103、104の3つが直列されている。半導体素子1つで電圧Eを扱えるので、3つの直列により3Eの電圧を扱うことができ問題ない。
【0050】
図4では、半導体素子の直列数を8個で説明したが、直列数が更に増加しても同様である。
【0051】
以上のように本実施形態に係る電力変換装置は、ダイオードとスイッチング素子の逆並列接続からなる回路要素が半導体素子とし、複数の同一電圧定格の直流コンデンサ201〜204が2n個(nは自然数)直列接続された直流回路2と、複数の同一電圧定格の半導体素子101〜108を4n個直列に接続した直列回路であって、正及び負の母線P、Nにより前記直流回路と並列に接続されたレグ1と、前記直流回路2の中性点とレグ中点の間に接続され、2n個の同一電圧定格の半導体素子が直列接続された中性点スイッチ6と、前記レグの正の母線Pからk番目(kは自然数)とk+1番目の半導体素子相互の接続点と前記中性点スイッチ6を構成する半導体素子相互の接続点との間に接続されたレグ・スイッチ間第1コンデンサ7と、前記レグ1の負の母線Nからk番目とk+1番目の半導体素子相互の接続点と前記中性点スイッチ6を構成する半導体素子相互の前記接続点との間に接続されたレグ・スイッチ間第2コンデンサ8とを具備する。
【0052】
(効果)
第4実施形態によれば、他の実施例と同様、電力変換器の扱う電圧を高くするだけではなく、出力電圧レベルを増加させることができ、より滑らかな電圧出力が可能な電力変換装置を提供できる。
【0053】
[第5実施形態]
(構成)
図5は第5実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。本実施形態は図4と同様であるが、コンデンサのレグ側接続点が異なる構成である。
【0054】
コンデンサ7は半導体素子102と103の接続点P’と中性点スイッチ61と62の接続点Oの間、コンデンサ8は半導体素子106と107の接続点Qと中性点スイッチ61と62の接続点Oの間に接続される。
【0055】
(作用)
このような構成としても、図4と同じ作用が実現できる。
【0056】
(効果)
また、このような構成としても、図4と同じ効果が得られる。
【0057】
[第6実施形態]
(構成)
図6は第6実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。本実施形態は図5と同様であるが、中性点スイッチ62の代わりに、ダイオードクランプ回路3を設けている点が異なる構成である。
【0058】
(作用)
このような構成としても、図5と同じ作用が実現できる。
【0059】
(実施例の効果)
また、この構成としても、図5と同じ効果が得られる。
【0060】
[第7実施形態]
(構成)
図7は第7実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。本実施形態は図4と同様であるが、直流コンデンサを6つ用いており、更に扱う直流電圧が高くなるので、中性点スイッチ6はスイッチ61、62、63の直列接続から構成されている。スイッチの構成は図2と同様である。
【0061】
コンデンサ9、10および11、12は扱う電圧を2Eとするため、2直列したものである。コンデンサ9、10は半導体素子101と102の接続点Rと中性点スイッチ61と62の接続点Sの間、コンデンサ7は半導体素子102と103の接続点Tと中性点スイッチ62と63の接続点U’の間、コンデンサ8は半導体素子110と111の接続点Vと中性点スイッチ62と63の接続点U’の間、コンデンサ11、12は半導体素子111と112の接続点Wと中性点スイッチ61と62の接続点Sの間に接続される。
【0062】
この構成を用いれば、+3E、+2E、+E、0、−E、−2E、−3Eの7レベルの出力が可能となる。図7に示した接続構成により、図5の場合と同様にレグを構成する半導体素子の直列数を有効に活用できる。
【0063】
(作用)
図7において、出力レベルが7レベルとなっている点が図4の場合と異なるが、その他の動作と作用は図4の回路と同様である。
【0064】
(効果)
本実施形態によれば、図3の実施形態と同様、電力変換器の扱う電圧を更に高くするだけではなく、出力電圧レベルを増加させることができ、より滑らかな電圧出力が可能な電力変換装置を提供できる。
【0065】
[第8実施形態)
(構成)
図8は第8実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。本実施形態の構成は図6と同様であるが、コンデンサのレグ側接続点が異なる構成である。
【0066】
コンデンサ9、10は半導体素子102と103の接続点Tと中性点スイッチ61と62の接続点Sの間、コンデンサ7は半導体素子104と105の接続点Xと中性点スイッチ62と63の接続点U’の間に接続される。コンデンサ8は半導体素子108と109の接続点Yと中性点スイッチ62と63の接続点U’の間、コンデンサ11、12は半導体素子110と111の接続点Vと中性点スイッチ61と62の接続点Sの間に接続される。
【0067】
(作用)
このよな構成としても、図7と同じ作用が実現できる。
【0068】
尚、コンデンサのレグ側の接続は、複数のコンデンサ相互間で重複しない限り、図6、図7に示した接続以外の接続構成でも良い。
【0069】
つまり本実施形態に係る電力変換装置は、中性点スイッチ6が2n(nは自然数)個の同一電流電圧定格(同一定格)の半導体素子の直列接続から構成され、レグが複数の同一定格の半導体素子を4n個の直列接続で構成されている場合、直流中性点Cから数えて第2k番目と第(2k+1)番目の半導体素子の相互接続点に、コンデンサの第1の端子を接続した場合、レグ1の正・負の直流母線から数えて第k番目と第(k+1)番目の半導体素子相互接続点(図7)、またはレグ1の正・負の直流母線から数えて第2k番目と第(2k+1)番目の半導体素子相互接続点(図8)との間にコンデンサの第2の端子が接続される。
【0070】
(効果)
図8のような構成としても、図7と同じ効果が得られる。
【0071】
[第9実施形態]
(構成)
図9は第9実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。本実施形態は図4と同様であるが、1つのパッケージに2つの半導体素子が同一方向に直列接続された組を収納した構造のものを適用する場合に有利な構成を示したものである。
【0072】
この例では中性点スイッチ6は図2などとは異なり、直列半導体構成64、65がそれぞれ、同一方向の2つの半導体素子の直列接続で構成され、直列半導体構成64、65を互いに逆方向で直列接続した構成である点が異なる。直列半導体構成64、65はそれぞれ、半導体素子641と642の直列接続および半導体素子651と652の直列接続から構成される。レグ1も中性点スイッチと同様、2つの半導体素子を直列した直列半導体構成を用いて構成できる。
【0073】
図9の構成で、図4と同様な動作を行うためには、コンデンサ7の中性点スイッチ側端子を、半導体素子641と642の接続点aに接続する。コンデンサ8の中性点スイッチ側端子を、半導体素子651と652の接続点bに接続する。
【0074】
図9に示した接続構成とすることで、レグと中性点スイッチを、同じ構成の半導体素子で構成することができる。
【0075】
(作用)
図9において、+2E、0、−2Eを出力する場合は、図4と同様な制御をすれば良い。
【0076】
しかし、+Eを出力する場合は、中性点スイッチの中の半導体642と102〜104オンするか、あるいは半導体素子101と半導体素子641、651、652をオンする。また、−Eを出力する場合、半導体素子641、642、651と半導体素子105をオンするか、あるいは半導体素子106〜108と半導体素子652をオンする。
【0077】
(効果)
本実施形態によれば、図4の実施例と同様な効果が得られるとともに、レグと中性点を同一構成の半導体素子で構成でき、より経済的な電力変換装置を提供できる。
【0078】
[第10実施形態]
(構成)
図10は第10実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。本実施形態は図9と同様の構成であるが、コンデンサのレグ側接続点が異なる。
【0079】
コンデンサ7は半導体素子102と103の接続点c’と中性点スイッチ641と642の接続点aの間、コンデンサ8は半導体素子106と107の接続点dと中性点スイッチ651と652の接続点bの間に接続される。
【0080】
(作用)
このような構成としても、図9と同じ作用が実現できる。
【0081】
尚、コンデンサのレグ側の接続は、複数のコンデンサ相互間で重複しない限り、図9、図10に示した以外の他の接続の組合せでも良い。
【0082】
(効果)
このような構成としても、図9と同じ効果が得られる。
【0083】
尚、図4〜10では直流電圧レベルを5レベル、7レベルで説明したが、同様な考えで更に高電圧の電力変換装置を実現できる。
【0084】
[第11実施形態]
(構成)
図11は第11実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。本実施形態はレグを構成する半導体素子相互の接続点と、中性点スイッチ相互の接続点をコンデンサで接続する。図11では、直流コンデンサを4つ直列接続した構成を示す。
【0085】
(作用)
直流電圧が全体では、+2E、−2Eと高い電圧になるため、その電圧に見合うよう半導体素子の直列数を定める。図11では、101〜108の8つの半導体素子を直列して、レグ1を構成する。図11に示す位置にスイッチ41、42を設け直列コンデンサ2とレグ1間を接続する。更にコンデンサ7、8を設け、スイッチ41、42とレグ1を接続する。
【0086】
レグ1、スイッチ41、42を用いることで、従来例と同様、交流出力端子Uに、+2E、0、−2Eの3つの電圧レベルを出力可能である。コンデンサ7、8の電圧を起動時にEに充電することで、+Eの出力は、半導体素子101、412、103、104をオンする。または、半導体素子411、102、103、104をオンする。同様に−Eの出力は、108、422、106、105、または、421、107、106、105をオンする。これにより、直流コンデンサ電圧Eあるいは−Eが、交流出力端子Uに発生され、+2E、+E、0、−E、−2Eという5レベルの電圧を出力できる。
【0087】
以上のように本実施形態に係る電力変換装置は、ダイオードとスイッチング素子の逆並列接続からなる回路要素が半導体素子とし、複数の同一電圧定格の直流コンデンサ201〜204が2n個(nは自然数)直列接続された直流回路2と、複数の同一電圧定格の半導体素子101〜108を4n個直列に接続した直列回路であって、正及び負の母線P、Nにより前記直流回路2と並列に接続されたレグ1と、前記直流回路2の中性点Cと、前記レグの正の母線Pからk番目(kは自然数)とk+1番目の半導体素子相互の接続点fとの間に接続され、半導体素子がn個直列に接続された第1スイッチ41と、前記第1スイッチ41の半導体素子相互接続点gと、前記レグの正の母線Pからk番目とk―1番目の半導体素子相互の接続点eとの間に接続された第1コンデンサ7と、前記直流回路の中性点Cと、前記レグの負の母線Nからk番目とk+1番目の半導体素子相互の接続点hとの間に接続され、半導体素子がn個直列に接続された第2スイッチ42と、前記第2スイッチ42の半導体素子相互接続点iと、前記レグの負の母線Nからk番目とk―1番目の半導体素子相互の接続点jとの間に接続された第2コンデンサ8とを具備する。
【0088】
(効果)
本実施形態によれば、他の実施形態と同様、電力変換器の扱う電圧を高くするだけではなく、出力電圧レベルを増加させることができ、より滑らかな電圧出力が可能な電力変換装置を提供できる。
【0089】
[第12実施形態]
(構成)
図12は第12実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。本実施形態は、図11と同様の構成であるが、直流コンデンサを6つ用い、更に扱う直流電圧が高くなるので、レグ1の半導体素子を12個直列としている。スイッチ41、42は半導体素子411、412、413、421、422、423から構成されている。更にコンデンサ7、8を設け、スイッチ41、42とレグ1を接続する。
【0090】
この構成を用いれば、+3E、+2E、+E、0、−E、−2E、−3Eの7レベルの出力が可能となる。
【0091】
(作用)
レグ1、スイッチ41、42を用いることで、交流出力端子Uに、+3E、0、−3Eの3つの電圧レベルを出力可能である。コンデンサ7、8の電圧をEとすることで、+2Eの出力は、半導体素子101、102、413、104、105、106をオンする。+Eの出力は、半導体素子411、412、103、104、105、106をオンする。同様に−Eの出力は、半導体素子421、422、110、109、108、107を、−2Eの出力は、半導体素子112、111、423、109、108、107をオンする。これにより、交流出力端子Uに、+3E、+2E、+E、0、−E、−2E、−3Eという7レベルの電圧が出力できる。
【0092】
(実施例の効果)
本発明によれば、図11の実施例と同様、電力変換器の扱う電圧を更に高くするだけではなく、出力電圧レベルを増加させることができ、より滑らかな電圧出力が可能な電力変換装置を提供できる。尚、図12の例では半導体素子の直列数を12個で説明したが、直列数が更に増加しても、同様である。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0094】
1…レグ、2…直流回路、3…ダイオードクランプ回路、6…中性点スイッチ、141〜44…スイッチ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、高電圧の電力を変換するモーター駆動用インバータや周波数変換装置などに適用される電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、3レベルの電圧を出力する変換装置として、ダイオードクランプ回路を用いた変換装置、中性点スイッチを用いた変換装置は、論文等で開示されている。これら回路の基本構成を図13、14に示す。
【0003】
まず、従来技術の動作を図13を用いて説明する。
【0004】
図13は、電力変換器の1相分の構成を示すものであり、単相出力ではこの構成を1組(ハーフブリッジ単相出力回路)あるいは2組(フルブリッジ単相出力回路)用い、三相出力では3組用いる。Uは電力変換器の交流出力であり、レグ1内の半導体101〜104のオンオフにより、直流回路2により維持される直流電圧+E、0、−Eの3つのレベルの電圧が出力される。その電圧ステップの幅をPWM制御により調整し、所望の周波数・電圧の交流電圧を負荷に与える。
【0005】
U相に+Eの電圧を出力する場合は、半導体素子101、102をオンする。0電圧を出力するには、半導体素子102、103をオンする。この状態では、ダイオードクランプ回路3を通じて、直流中性点Cと交流出力端子Uとが接続する。−Eの電圧を出力する場合は、半導体素子103、104をオンする。このようにして、3つのレベルの電圧が出力される。
【0006】
次に、他の従来技術を図14を用いて説明する。
【0007】
図14は、電力変換器の1相分の構成を示すものであり、単相出力では上記同様にこの構成を1組(ハーフブリッジ単相出力回路)あるいは2組(フルブリッジ単相出力回路)用い、三相出力では3組用いる。動作は、図13の例とほぼ同様であるが、0電圧を出力するには、中性点スイッチ6をオンすることで、直流中性点Cと交流出力端子Uとを接続する点が異なる。従来技術を示す図13の構成では、中性点スイッチをダイオード301、302とトランジスタ102、103をそれぞれ直列した回路を並列接続して構成しているが、図14のようにダイオードとトランジスタを逆並列接続した構成6A、6Bを直列接続しても、同じ機能が実現される。一般的なIGBT素子は、トランジスタとダイオードが逆並列接続されているので、それを用いてスイッチを構成するのが実用的である。したがって図14では、IGBTを互いに逆方向に向けて直列接続することでスイッチを構成した例を示した。
【0008】
これらの技術に用いられる半導体素子として、実用的に使われるのは自励式(自己消弧可能な)IGBT素子などであり、経済的に入手できる半導体素子の電圧定格は、千V程度のものが多く、これらの技術は、数百V程度の出力の電力変換器に適用されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】“A New Neutral-Point-Clamped PWM Inverter”, Akira Nabae他、IEEE Transaction on Industry Applications, Vol. IA-17, No.5 September/October 1981 pp.518-523
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
省エネ及びCO2削減などのため、ポンプやファンの電動機をインバータで可変速駆動する技術が広く用いられている。しかし、それらのインバータは、先に説明した理由から定格電圧が数百V程度のものが大半であり、大規模なプラントなどで用いられる高電圧電動機は、複数の低電圧インバータを変圧器を介して直列接続した構成のインバータを適用している。しかし、このような構成では、変圧器を必要とすることから、重量や寸法が大きくなり、据付場所などの制約が大きいなどの問題があった。
【0011】
実施形態は上記課題を解決するため、半導体素子の直列構成を中心的な構成とし、変圧器を使用することなく高電圧及び多出力レベルを扱える電力変換器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する手段の一例は下記のとおりである。
【0013】
高電圧を扱うため、電圧形変換器のレグを複数の半導体素子の直列接続で構成する。経済性に考慮し同一定格の半導体素子を用いる。また、直流回路も高電圧となるので、直流コンデンサの直列接続で構成する。この構成において、レグを構成する半導体素子相互間の接続点と、直流コンデンサ相互間の接続点を、レグを構成する半導体素子と同じ定格を有する半導体素子から構成されるスイッチにより接続する構成とする。直流回路の直列接続されたコンデンサの数に応じたレベル数の出力電圧が発生される。
【0014】
すなわち、実施形態に係る電力変換装置は、ダイオードとスイッチング素子の逆並列接続からなる回路要素が半導体素子として構成され、複数の同一電圧定格のコンデンサが2n個(nは自然数)直列接続された直流回路と、複数の同一電圧定格の半導体素子を4n個直列に接続した直列回路であって、正及び負の母線により前記直流回路と並列に接続されたレグと、前記正及び負の直流母線からそれぞれ数えてk番目(kは自然数)と(k+1)番目のコンデンサの相互接続点と、k番目と(k+1)番目の半導体素子の相互接続点との間に直列に接続されるk個の半導体素子で構成されたスイッチと、レグの中点から正および負の母線側に共にn番目と(n+1)番目の半導体素子の相互接続点の間に直列接続された同一方向及び偶数個のダイオードを含み、前記偶数個のダイオードの中点が前記直流回路の中性点に接続されたダイオードクランプ回路とを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係る電圧形自励式の電力変換装置の構成を示す図である。
【図2】第2実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図3】第3実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図4】第4実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図5】第5実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図6】第6実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図7】第7実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図8】第8実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図9】第9実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図10】第10実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図11】第11実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図12】第12実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図13】従来の電力変換装置の構成を示す図である。
【図14】従来の電力変換装置の他の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態の構成及び作用を図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
[第1実施形態]
図1は第1実施形態に係る電圧形自励式の電力変換装置の構成を示す図である。図1は直流コンデンサを6つ直列接続した構成を示す。
【0018】
直流電圧が全体では、+3E、−3Eと高い電圧になるため、その電圧に見合うよう半導体素子の直列数を定める。各コンデンサの容量及び定格電圧は同一で、「E」はコンデンサの定格電圧を示す。図1では、スイッチング素子(IGBT等)及びダイオードを逆並列接続した12個の半導体素子101〜112を直列して、レグ1を構成する。本明細書では、このスイッチング素子及びダイオードを逆並列接続した回路要素を半導体素子と呼ぶ。ダイオードクランプ回路3を構成するダイオードも電圧に合わせ直列構成としている。電圧定格の高いダイオードを1つで構成しても良い。
【0019】
レグ1、ダイオードクランプ回路3を用いることで、従来と同様、交流出力端子Uに、+3E、0、−3Eの3つの電圧レベルを出力可能である。しかし、負荷から見ると、レグのスイッチングに伴う電圧レベルの変化が3Eと大きくなり、ケーブルでの反射による電圧サージなどが発生することがある。つまり出力電圧波形と、負荷を反射した電圧波形が重畳して過電圧が発生し、負荷にとってはストレスが大きくなるおそれがある。
【0020】
そこで図1においては、半導体素子101と102との接続点A、直流コンデンサ201と202との接続点Bの間をスイッチ41で接続し、半導体素子102と103との接続点C’、直流コンデンサ202と203との接続点Dの間をスイッチ42で接続し、半導体素子110と111との接続点E’、直流コンデンサ204と205との接続点Fの間をスイッチ43で接続し、半導体素子111と112との接続点G、直流コンデンサ205と206との接続点Hの間をスイッチ44で接続する。このような構成とすることで、直流コンデンサ電圧Eの+2E、+E、−E、−2Eが、交流出力端子Uに発生でき、+3E、+2E、+E、0、−E、−2E、−3Eという7レベルの電圧を出力できる。これにより、スイッチングに伴う電圧変化はEとなるので、負荷の電圧ストレスは小さくなる。
【0021】
7レベルの電圧の出力は、次のように行う。+3Eの出力は、半導体素子101〜106を全てオンし、他の半導体素子をオフする(以下、冗長な説明を避けるため、オンする半導体素子またはスイッチのみを示し、他の半導体素子またはスイッチをオフする記載は省略する)。+2Eの出力は、スイッチ41と半導体素子102〜106をオンする。+Eの出力は、スイッチ42と半導体素子103〜106をオンする。0の出力は、半導体素子104〜109をオンしダイオードクランプ回路3経由で中性点Cと交流出力端子Uを接続する。−Eの出力は、スイッチ43と半導体素子107〜110をオンする。−2Eの出力は、半導体素子107〜111とスイッチ44をオンする。−3Eの出力は、半導体素子107〜112を全てオンする。尚、以上のようなスイッチングのシーケンスはルックアップテーブル等で行い、パルス幅はPWM等を用いて決定される。
【0022】
ここで、スイッチ41〜44は、レグとの接続点を適宜選定することで、レグを構成する半導体素子と同じ電圧定格の半導体素子、かつ一方向性の半導体素子で構成することができる。つまり、例えば+3Eを出力している場合、スイッチ41のコレクタ電位は+3E、エミッタ電位は+2Eであるので、スイッチ41の端子間には電圧Eがかかる。ここで、レグを構成する半導体素子は、電圧Eを扱えるものが用いられているので、同じ半導体素子が適用できる。次に、+Eを出力している場合は、スイッチ41のエミッタ電位は+2Eで、交流出力端子Uは+Eであり、スイッチ41と半導体素子102にて+Eの電圧を背負う。0を出力している場合は、スイッチ41のエミッタ電位は+2Eで、交流出力端子Uは0であり、スイッチ41と半導体素子102、103にて+2Eの電圧を背負う。いずれも半導体素子1つあたりの電圧はE以下である。スイッチ42〜44についても同様である。
【0023】
また、別の観点から言えば、図1に示した接続構成とすることで、レグを構成する半導体素子の直列数を有効に活用、すなわち高耐圧及び多レベル出力を実現できる。
【0024】
図1では、半導体素子1つで、対応する直流コンデンサ電圧Eを扱えるものとして、直列数を12個で説明した。直流コンデンサ電圧を2つの半導体素子の直列構成で扱うなど、直列数が更に増加しても、同様である。また図1では、直流電圧レベルを7で説明したが、同様な考えで更に高電圧多レベルの電力変換装置を実現できる。
【0025】
以上のように本実施形態に係る電力変換装置は、ダイオードとスイッチング素子の逆並列接続からなる回路要素が半導体素子とし、複数の同一電圧定格のコンデンサ201〜206が2n個(図1ではn=3)直列接続された直流回路2と、複数の同一電圧定格の半導体素子を4n個直列に接続した直列回路であって、正及び負の母線により前記直流回路と並列に接続されたレグ1と、前記正及び負の直流母線P、Nから数えてk番目(kは自然数)と(k+1)番目のコンデンサの相互接続点と、k番目と(k+1)番目の半導体素子の相互接続点との間に直列に接続されるk個の半導体素子で構成されたスイッチ41〜44と、レグの中点から正および負の母線側に共にn番目と(n+1)番目の半導体素子の相互接続点の間に直列接続された同一方向及び偶数個のダイオード301〜306を含み、前記偶数個のダイオードの中点が前記直流回路の中性点Cに接続されたダイオードクランプ回路3とを具備する。
【0026】
(効果)
本実施形態によれば、電力変換器の扱う電圧を高くするだけではなく、出力電圧レベルを増加させることができ、より滑らかな電圧出力が可能な電力変換装置を提供できる。
【0027】
[第2実施形態]
(構成)
図2は第2実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。本実施形態は、図1のダイオードクランプ回路3の代わりに、中性点スイッチ6を用いた構成である。
【0028】
中性点スイッチ6は、従来は異なり、扱う直流電圧が高くなるので、スイッチ61、62の直列接続から構成されている。また、スイッチ61、62は夫々、半導体素子61A、61Bおよび62A、62Bから構成されている。これらの半導体素子は、レグを構成する半導体素子と同じ電圧定格の半導体素子を適用できる。
【0029】
(作用)
図2では、直流コンデンサを4つ直列接続した構成を示す。直流電圧が全体では、+2E、−2Eと高い電圧になるため、その電圧に見合うよう半導体素子の直列数を定める。図2では、101〜108の8つの半導体素子を直列して、レグ1を構成する。半導体素子101と102との接続点I、直流コンデンサ201と202との接続点Jの間をスイッチ41で接続し、半導体素子107と108との接続点K、直流コンデンサ203と204との接続点Lの間をスイッチ42で接続する。+2Eの出力は、半導体素子101〜104を全てオンする。+Eの出力は、スイッチ41と半導体素子102〜104をオンする。0の出力は、中性点スイッチ6をオンにする。−Eの出力は、半導体素子105〜107とスイッチ42をオンする。−2Eの出力は、半導体素子105〜108を全てオンする。
【0030】
図2に示す箇所にスイッチを接続することで、スイッチ41、42のように、一方向性半導体素子でスイッチを構成でき、またレグを構成する半導体素子の直列数を有効に活用できる。
【0031】
以上のように本実施形態に係る電力変換装置は、ダイオードとスイッチング素子の逆並列接続からなる回路要素が半導体素子とし、複数の同一電圧定格のコンデンサ201〜204が2n個(nは自然数)直列接続された直流回路2と、複数の同一電圧定格の半導体素子101〜108を4n個直列に接続した直列回路であって、正及び負の母線により前記直流回路と並列に接続されたレグ1と、前記直流回路2の中性点とレグ中点の間に接続され、2n個の同一電圧定格の半導体素子が直列接続された中性点スイッチ6と、前記正及び負の直流母線P、Nから数えてk番目(本例ではk=1)と(k+1)番目のコンデンサの相互接続点と、k番目と(k+1)番目の半導体素子の相互接続点との間に直列に接続されるk個の半導体素子で構成されたコンデンサ・レグ間スイッチ41、42とを具備する。
【0032】
(効果)
第2実施形態によれば、電力変換器の扱う電圧を高くするだけではなく、出力電圧レベルを増加させることができ、より滑らかな電圧出力が可能な電力変換装置を提供できる。
【0033】
また、図2では中性点スイッチ61、62をIGBTの逆直列接続で構成する例を示したが、逆方向阻止ができる半導体素子(例えばIGBTとダイオードの直列回路)を、電流方向を逆にして並列に接続しても良いし、またダイオードブリッジとIGBTとの組合せで構成するなど、他の等価な回路構成としてもかまわない。
【0034】
[第3実施形態]
(構成)
図3は第3実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。本実施形態は、図1のダイオードクランプ回路の代わりに、中性点スイッチ6を用いた他の構成である。
【0035】
中性点スイッチ6は、前述の図12の構成とは異なり、扱う直流電圧が高くなるので、スイッチ61、62、63の直列接続から構成されている。スイッチの構成は図2と同様である。
【0036】
(作用)
図3において、交流電圧出力端子Uに0を出力する場合は、中性点スイッチ6をオンすることが図1の場合と異なるが、その他の動作と作用は図1の回路と同様である。
【0037】
図3に示す箇所にスイッチ41、44を接続することで、一方向性半導体素子でスイッチを構成でき、またレグを構成する半導体素子の直列数を有効に活用できることは、図1の例と同様である。
【0038】
(効果)
第3実施形態によれば、図1の実施形態と同様、電力変換器の扱う電圧を更に高くするだけではなく、出力電圧レベルを増加させることができ、より滑らかな電圧出力が可能な電力変換装置を提供できる。
【0039】
尚、図2、図3では、直流電圧レベルを5レベル、7レベルで説明したが、同様な考えで、更に高電圧多レベルの電力変換装置を実現できる。
【0040】
[第4実施形態]
(構成)
図4は第4実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【0041】
高電圧を扱うため、前述した図14の電圧形変換器のレグおよび中性点スイッチを複数の半導体素子の直列接続で構成する。経済性に考慮し、定格電圧および定格電流が全て同一の半導体素子を用いる。また、直流回路も高電圧となるので、直流コンデンサの直列接続で構成する。また、この構成において、レグを構成する半導体素子相互の接続点M、Nと、中性点スイッチ相互の接続点Oを、コンデンサ7、8でそれぞれ接続する。
【0042】
(作用)
作用を図4を用いて説明する。
【0043】
図4では、直流コンデンサを4つ直列接続した構成を示す。
【0044】
直流電圧が全体では、+2E、−2Eと高い電圧になるため、その電圧に見合うよう半導体素子の直列数を定める。図4では、101〜108の8つの半導体素子を直列して、レグ1を構成する。中性点スイッチ6を構成するスイッチも電圧に合わせ直列構成としている。スイッチの構成は、図2と同様である。
【0045】
レグ1、中性点スイッチ6を用いることで、従来例と同様、交流出力端子Uに、+2E、0、−2Eの3つの電圧レベルを出力可能である。しかし、負荷から見ると、レグのスイッチングに伴う電圧レベルの変化が2Eと大きくなり、ケーブルでの反射による電圧サージなど負荷にとってはストレスが大きくなるおそれがある。
【0046】
そこで図4においては、半導体素子101と102との接続点M、中性点スイッチ61と62との接続点Oの間をコンデンサ7で接続し、半導体素子107と108との接続点N’、中性点スイッチ61と62との接続点Oの間をコンデンサ8で接続する。このような構成とし、コンデンサ7、8の電圧をEとすることで、直流コンデンサ電圧Eあるいは−Eが、交流出力端子Uに発生でき、+2E、+E、0、−E、−2Eという5レベルの電圧が出力できる。これにより、スイッチングに伴う電圧変化はEとなるので、負荷の電圧ストレスは小さくなる。尚、コンデンサ7の電圧+Eおよびコンデンサ8の電圧−Eは、装置起動時に充電するものとする。
【0047】
5レベルの電圧出力は、次のように行う。
【0048】
+2Eの出力は、半導体素子101〜104を全てオンする。+Eの出力は2通りある。すなわち、中性点スイッチ61と半導体素子102、103、104をオンする。あるいは、半導体素子101と中性点スイッチ62をオンする。0の出力は、中性点スイッチ61、62を両方オンする。−Eの出力は2通りある。すなわち、中性点スイッチ61と半導体素子105、106、107をオンする。あるいは、半導体素子108と中性点スイッチ62をオンする。+2Eの出力は、半導体素子105〜108を全てオンする。
【0049】
また、図4に示す点M、N、Oにコンデンサを接続することで、レグを構成する半導体素子の直列数を有効に活用できる。例えば、−2Eを出力している場合、交流出力端子Uの電位は−2Eである。このとき、コンデンサ7を接続している点Mの電位は+Eであり、その電位差は3Eとなるが、その2点間には半導体素子102、103、104の3つが直列されている。半導体素子1つで電圧Eを扱えるので、3つの直列により3Eの電圧を扱うことができ問題ない。
【0050】
図4では、半導体素子の直列数を8個で説明したが、直列数が更に増加しても同様である。
【0051】
以上のように本実施形態に係る電力変換装置は、ダイオードとスイッチング素子の逆並列接続からなる回路要素が半導体素子とし、複数の同一電圧定格の直流コンデンサ201〜204が2n個(nは自然数)直列接続された直流回路2と、複数の同一電圧定格の半導体素子101〜108を4n個直列に接続した直列回路であって、正及び負の母線P、Nにより前記直流回路と並列に接続されたレグ1と、前記直流回路2の中性点とレグ中点の間に接続され、2n個の同一電圧定格の半導体素子が直列接続された中性点スイッチ6と、前記レグの正の母線Pからk番目(kは自然数)とk+1番目の半導体素子相互の接続点と前記中性点スイッチ6を構成する半導体素子相互の接続点との間に接続されたレグ・スイッチ間第1コンデンサ7と、前記レグ1の負の母線Nからk番目とk+1番目の半導体素子相互の接続点と前記中性点スイッチ6を構成する半導体素子相互の前記接続点との間に接続されたレグ・スイッチ間第2コンデンサ8とを具備する。
【0052】
(効果)
第4実施形態によれば、他の実施例と同様、電力変換器の扱う電圧を高くするだけではなく、出力電圧レベルを増加させることができ、より滑らかな電圧出力が可能な電力変換装置を提供できる。
【0053】
[第5実施形態]
(構成)
図5は第5実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。本実施形態は図4と同様であるが、コンデンサのレグ側接続点が異なる構成である。
【0054】
コンデンサ7は半導体素子102と103の接続点P’と中性点スイッチ61と62の接続点Oの間、コンデンサ8は半導体素子106と107の接続点Qと中性点スイッチ61と62の接続点Oの間に接続される。
【0055】
(作用)
このような構成としても、図4と同じ作用が実現できる。
【0056】
(効果)
また、このような構成としても、図4と同じ効果が得られる。
【0057】
[第6実施形態]
(構成)
図6は第6実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。本実施形態は図5と同様であるが、中性点スイッチ62の代わりに、ダイオードクランプ回路3を設けている点が異なる構成である。
【0058】
(作用)
このような構成としても、図5と同じ作用が実現できる。
【0059】
(実施例の効果)
また、この構成としても、図5と同じ効果が得られる。
【0060】
[第7実施形態]
(構成)
図7は第7実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。本実施形態は図4と同様であるが、直流コンデンサを6つ用いており、更に扱う直流電圧が高くなるので、中性点スイッチ6はスイッチ61、62、63の直列接続から構成されている。スイッチの構成は図2と同様である。
【0061】
コンデンサ9、10および11、12は扱う電圧を2Eとするため、2直列したものである。コンデンサ9、10は半導体素子101と102の接続点Rと中性点スイッチ61と62の接続点Sの間、コンデンサ7は半導体素子102と103の接続点Tと中性点スイッチ62と63の接続点U’の間、コンデンサ8は半導体素子110と111の接続点Vと中性点スイッチ62と63の接続点U’の間、コンデンサ11、12は半導体素子111と112の接続点Wと中性点スイッチ61と62の接続点Sの間に接続される。
【0062】
この構成を用いれば、+3E、+2E、+E、0、−E、−2E、−3Eの7レベルの出力が可能となる。図7に示した接続構成により、図5の場合と同様にレグを構成する半導体素子の直列数を有効に活用できる。
【0063】
(作用)
図7において、出力レベルが7レベルとなっている点が図4の場合と異なるが、その他の動作と作用は図4の回路と同様である。
【0064】
(効果)
本実施形態によれば、図3の実施形態と同様、電力変換器の扱う電圧を更に高くするだけではなく、出力電圧レベルを増加させることができ、より滑らかな電圧出力が可能な電力変換装置を提供できる。
【0065】
[第8実施形態)
(構成)
図8は第8実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。本実施形態の構成は図6と同様であるが、コンデンサのレグ側接続点が異なる構成である。
【0066】
コンデンサ9、10は半導体素子102と103の接続点Tと中性点スイッチ61と62の接続点Sの間、コンデンサ7は半導体素子104と105の接続点Xと中性点スイッチ62と63の接続点U’の間に接続される。コンデンサ8は半導体素子108と109の接続点Yと中性点スイッチ62と63の接続点U’の間、コンデンサ11、12は半導体素子110と111の接続点Vと中性点スイッチ61と62の接続点Sの間に接続される。
【0067】
(作用)
このよな構成としても、図7と同じ作用が実現できる。
【0068】
尚、コンデンサのレグ側の接続は、複数のコンデンサ相互間で重複しない限り、図6、図7に示した接続以外の接続構成でも良い。
【0069】
つまり本実施形態に係る電力変換装置は、中性点スイッチ6が2n(nは自然数)個の同一電流電圧定格(同一定格)の半導体素子の直列接続から構成され、レグが複数の同一定格の半導体素子を4n個の直列接続で構成されている場合、直流中性点Cから数えて第2k番目と第(2k+1)番目の半導体素子の相互接続点に、コンデンサの第1の端子を接続した場合、レグ1の正・負の直流母線から数えて第k番目と第(k+1)番目の半導体素子相互接続点(図7)、またはレグ1の正・負の直流母線から数えて第2k番目と第(2k+1)番目の半導体素子相互接続点(図8)との間にコンデンサの第2の端子が接続される。
【0070】
(効果)
図8のような構成としても、図7と同じ効果が得られる。
【0071】
[第9実施形態]
(構成)
図9は第9実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。本実施形態は図4と同様であるが、1つのパッケージに2つの半導体素子が同一方向に直列接続された組を収納した構造のものを適用する場合に有利な構成を示したものである。
【0072】
この例では中性点スイッチ6は図2などとは異なり、直列半導体構成64、65がそれぞれ、同一方向の2つの半導体素子の直列接続で構成され、直列半導体構成64、65を互いに逆方向で直列接続した構成である点が異なる。直列半導体構成64、65はそれぞれ、半導体素子641と642の直列接続および半導体素子651と652の直列接続から構成される。レグ1も中性点スイッチと同様、2つの半導体素子を直列した直列半導体構成を用いて構成できる。
【0073】
図9の構成で、図4と同様な動作を行うためには、コンデンサ7の中性点スイッチ側端子を、半導体素子641と642の接続点aに接続する。コンデンサ8の中性点スイッチ側端子を、半導体素子651と652の接続点bに接続する。
【0074】
図9に示した接続構成とすることで、レグと中性点スイッチを、同じ構成の半導体素子で構成することができる。
【0075】
(作用)
図9において、+2E、0、−2Eを出力する場合は、図4と同様な制御をすれば良い。
【0076】
しかし、+Eを出力する場合は、中性点スイッチの中の半導体642と102〜104オンするか、あるいは半導体素子101と半導体素子641、651、652をオンする。また、−Eを出力する場合、半導体素子641、642、651と半導体素子105をオンするか、あるいは半導体素子106〜108と半導体素子652をオンする。
【0077】
(効果)
本実施形態によれば、図4の実施例と同様な効果が得られるとともに、レグと中性点を同一構成の半導体素子で構成でき、より経済的な電力変換装置を提供できる。
【0078】
[第10実施形態]
(構成)
図10は第10実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。本実施形態は図9と同様の構成であるが、コンデンサのレグ側接続点が異なる。
【0079】
コンデンサ7は半導体素子102と103の接続点c’と中性点スイッチ641と642の接続点aの間、コンデンサ8は半導体素子106と107の接続点dと中性点スイッチ651と652の接続点bの間に接続される。
【0080】
(作用)
このような構成としても、図9と同じ作用が実現できる。
【0081】
尚、コンデンサのレグ側の接続は、複数のコンデンサ相互間で重複しない限り、図9、図10に示した以外の他の接続の組合せでも良い。
【0082】
(効果)
このような構成としても、図9と同じ効果が得られる。
【0083】
尚、図4〜10では直流電圧レベルを5レベル、7レベルで説明したが、同様な考えで更に高電圧の電力変換装置を実現できる。
【0084】
[第11実施形態]
(構成)
図11は第11実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。本実施形態はレグを構成する半導体素子相互の接続点と、中性点スイッチ相互の接続点をコンデンサで接続する。図11では、直流コンデンサを4つ直列接続した構成を示す。
【0085】
(作用)
直流電圧が全体では、+2E、−2Eと高い電圧になるため、その電圧に見合うよう半導体素子の直列数を定める。図11では、101〜108の8つの半導体素子を直列して、レグ1を構成する。図11に示す位置にスイッチ41、42を設け直列コンデンサ2とレグ1間を接続する。更にコンデンサ7、8を設け、スイッチ41、42とレグ1を接続する。
【0086】
レグ1、スイッチ41、42を用いることで、従来例と同様、交流出力端子Uに、+2E、0、−2Eの3つの電圧レベルを出力可能である。コンデンサ7、8の電圧を起動時にEに充電することで、+Eの出力は、半導体素子101、412、103、104をオンする。または、半導体素子411、102、103、104をオンする。同様に−Eの出力は、108、422、106、105、または、421、107、106、105をオンする。これにより、直流コンデンサ電圧Eあるいは−Eが、交流出力端子Uに発生され、+2E、+E、0、−E、−2Eという5レベルの電圧を出力できる。
【0087】
以上のように本実施形態に係る電力変換装置は、ダイオードとスイッチング素子の逆並列接続からなる回路要素が半導体素子とし、複数の同一電圧定格の直流コンデンサ201〜204が2n個(nは自然数)直列接続された直流回路2と、複数の同一電圧定格の半導体素子101〜108を4n個直列に接続した直列回路であって、正及び負の母線P、Nにより前記直流回路2と並列に接続されたレグ1と、前記直流回路2の中性点Cと、前記レグの正の母線Pからk番目(kは自然数)とk+1番目の半導体素子相互の接続点fとの間に接続され、半導体素子がn個直列に接続された第1スイッチ41と、前記第1スイッチ41の半導体素子相互接続点gと、前記レグの正の母線Pからk番目とk―1番目の半導体素子相互の接続点eとの間に接続された第1コンデンサ7と、前記直流回路の中性点Cと、前記レグの負の母線Nからk番目とk+1番目の半導体素子相互の接続点hとの間に接続され、半導体素子がn個直列に接続された第2スイッチ42と、前記第2スイッチ42の半導体素子相互接続点iと、前記レグの負の母線Nからk番目とk―1番目の半導体素子相互の接続点jとの間に接続された第2コンデンサ8とを具備する。
【0088】
(効果)
本実施形態によれば、他の実施形態と同様、電力変換器の扱う電圧を高くするだけではなく、出力電圧レベルを増加させることができ、より滑らかな電圧出力が可能な電力変換装置を提供できる。
【0089】
[第12実施形態]
(構成)
図12は第12実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。本実施形態は、図11と同様の構成であるが、直流コンデンサを6つ用い、更に扱う直流電圧が高くなるので、レグ1の半導体素子を12個直列としている。スイッチ41、42は半導体素子411、412、413、421、422、423から構成されている。更にコンデンサ7、8を設け、スイッチ41、42とレグ1を接続する。
【0090】
この構成を用いれば、+3E、+2E、+E、0、−E、−2E、−3Eの7レベルの出力が可能となる。
【0091】
(作用)
レグ1、スイッチ41、42を用いることで、交流出力端子Uに、+3E、0、−3Eの3つの電圧レベルを出力可能である。コンデンサ7、8の電圧をEとすることで、+2Eの出力は、半導体素子101、102、413、104、105、106をオンする。+Eの出力は、半導体素子411、412、103、104、105、106をオンする。同様に−Eの出力は、半導体素子421、422、110、109、108、107を、−2Eの出力は、半導体素子112、111、423、109、108、107をオンする。これにより、交流出力端子Uに、+3E、+2E、+E、0、−E、−2E、−3Eという7レベルの電圧が出力できる。
【0092】
(実施例の効果)
本発明によれば、図11の実施例と同様、電力変換器の扱う電圧を更に高くするだけではなく、出力電圧レベルを増加させることができ、より滑らかな電圧出力が可能な電力変換装置を提供できる。尚、図12の例では半導体素子の直列数を12個で説明したが、直列数が更に増加しても、同様である。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0094】
1…レグ、2…直流回路、3…ダイオードクランプ回路、6…中性点スイッチ、141〜44…スイッチ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイオードとスイッチング素子の逆並列接続からなる回路要素が半導体素子として構成され、
複数の同一電圧定格のコンデンサが2n個(nは自然数)直列接続された直流回路と、
複数の同一電圧定格の半導体素子を4n個直列に接続した直列回路であって、正及び負の母線により前記直流回路と並列に接続されたレグと、
前記正及び負の直流母線からそれぞれ数えてk番目(kは自然数)と(k+1)番目のコンデンサの相互接続点と、k番目と(k+1)番目の半導体素子の相互接続点との間に直列に接続されるk個の半導体素子で構成されたスイッチと、
レグの中点から正および負の母線側に共にn番目と(n+1)番目の半導体素子の相互接続点の間に直列接続された同一方向及び偶数個のダイオードを含み、前記偶数個のダイオードの中点が前記直流回路の中性点に接続されたダイオードクランプ回路と、
を具備することを特徴とする電圧形自励式の電力変換装置。
【請求項2】
前記レグ及びスイッチを構成する半導体素子は互いに同一電圧定格であって、各半導体素子としてIGBTを含む一方向性半導体素子が用いられることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
【請求項3】
ダイオードとスイッチング素子の逆並列接続からなる回路要素が半導体素子として構成され、
複数の同一電圧定格のコンデンサが2n個(nは自然数)直列接続された直流回路と、
複数の同一電圧定格の半導体素子を4n個直列に接続した直列回路であって、正及び負の母線により前記直流回路と並列に接続されたレグと、
前記直流回路の中性点とレグ中点の間に接続され、2n個の同一電圧定格の半導体素子が直列接続された中性点スイッチと、
前記正及び負の直流母線からそれぞれ数えてk番目(kは自然数)と(k+1)番目のコンデンサの相互接続点と、k番目と(k+1)番目の半導体素子の相互接続点との間に直列に接続されるk個の半導体素子で構成されたコンデンサ・レグ間スイッチと、
を具備することを特徴とする電圧形自励式の電力変換装置。
【請求項4】
前記レグ、中性点スイッチ及びコンデンサ・レグ間スイッチを構成する半導体素子は互いに同一電圧定格であって、各半導体素子としてIGBTを含む一方向性半導体素子が用いられることを特徴とする請求項3記載の電力変換装置。
【請求項5】
ダイオードとスイッチング素子の逆並列接続からなる回路要素が半導体素子として構成され、
複数の同一電圧定格の直流コンデンサが2n個(nは自然数)直列接続された直流回路と、
複数の同一電圧定格の半導体素子を4n個直列に接続した直列回路であって、正及び負の母線により前記直流回路と並列に接続されたレグと、
前記直流回路の中性点とレグ中点の間に接続され、2n個の同一電圧定格の半導体素子が直列接続された中性点スイッチと、
前記レグの正及び負の母線から共にk番目(kは自然数)とk+1番目の半導体素子相互の接続点と、前記中性点スイッチを構成する半導体素子相互の接続点との間に接続されたレグ・スイッチ間第1及び第2コンデンサと、
を具備することを特徴とする電圧形自励式の電力変換装置。
【請求項6】
前記中性点スイッチは、互いに異なる方向の2つの半導体素子の直列回路が1以上直列に接続され、前記第1及び第2コンデンサの前記中性点スイッチ側接続点が同一であることを特徴とする請求項5記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記中性点スイッチは、互いに同一方向の2つの半導体素子の直列回路が1以上直列に接続され、前記第1及び第2コンデンサの前記中性点スイッチ側接続点が、互いに異なることを特徴とする請求項5記載の電力変換装置。
【請求項8】
ダイオードとスイッチング素子の逆並列接続からなる回路要素が半導体素子として構成され、
複数の同一電圧定格の直流コンデンサが2n個(nは自然数)直列接続された直流回路と、
複数の同一電圧定格の半導体素子を4n個直列に接続した直列回路であって、正及び負の母線により前記直流回路と並列に接続されたレグと、
前記直流回路の中性点と、前記レグの正の母線から数えてk番目(kは自然数)とk+1番目の半導体素子相互の接続点との間に接続され、半導体素子がn個直列に接続された第1スイッチと、
前記第1スイッチの半導体素子相互接続点と、前記レグの正の母線からk番目とk―1番目の半導体素子相互の接続点との間に接続された第1コンデンサと、
前記直流回路の中性点と、前記レグの負の母線から数えてk番目とk+1番目の半導体素子相互の接続点との間に接続され、半導体素子がn個直列に接続された第2スイッチと、
前記第2スイッチの半導体素子相互接続点と、前記レグの負の母線からk番目とk―1番目の半導体素子相互の接続点との間に接続された第2コンデンサと、
を具備することを特徴とする電圧形自励式の電力変換装置。
【請求項1】
ダイオードとスイッチング素子の逆並列接続からなる回路要素が半導体素子として構成され、
複数の同一電圧定格のコンデンサが2n個(nは自然数)直列接続された直流回路と、
複数の同一電圧定格の半導体素子を4n個直列に接続した直列回路であって、正及び負の母線により前記直流回路と並列に接続されたレグと、
前記正及び負の直流母線からそれぞれ数えてk番目(kは自然数)と(k+1)番目のコンデンサの相互接続点と、k番目と(k+1)番目の半導体素子の相互接続点との間に直列に接続されるk個の半導体素子で構成されたスイッチと、
レグの中点から正および負の母線側に共にn番目と(n+1)番目の半導体素子の相互接続点の間に直列接続された同一方向及び偶数個のダイオードを含み、前記偶数個のダイオードの中点が前記直流回路の中性点に接続されたダイオードクランプ回路と、
を具備することを特徴とする電圧形自励式の電力変換装置。
【請求項2】
前記レグ及びスイッチを構成する半導体素子は互いに同一電圧定格であって、各半導体素子としてIGBTを含む一方向性半導体素子が用いられることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
【請求項3】
ダイオードとスイッチング素子の逆並列接続からなる回路要素が半導体素子として構成され、
複数の同一電圧定格のコンデンサが2n個(nは自然数)直列接続された直流回路と、
複数の同一電圧定格の半導体素子を4n個直列に接続した直列回路であって、正及び負の母線により前記直流回路と並列に接続されたレグと、
前記直流回路の中性点とレグ中点の間に接続され、2n個の同一電圧定格の半導体素子が直列接続された中性点スイッチと、
前記正及び負の直流母線からそれぞれ数えてk番目(kは自然数)と(k+1)番目のコンデンサの相互接続点と、k番目と(k+1)番目の半導体素子の相互接続点との間に直列に接続されるk個の半導体素子で構成されたコンデンサ・レグ間スイッチと、
を具備することを特徴とする電圧形自励式の電力変換装置。
【請求項4】
前記レグ、中性点スイッチ及びコンデンサ・レグ間スイッチを構成する半導体素子は互いに同一電圧定格であって、各半導体素子としてIGBTを含む一方向性半導体素子が用いられることを特徴とする請求項3記載の電力変換装置。
【請求項5】
ダイオードとスイッチング素子の逆並列接続からなる回路要素が半導体素子として構成され、
複数の同一電圧定格の直流コンデンサが2n個(nは自然数)直列接続された直流回路と、
複数の同一電圧定格の半導体素子を4n個直列に接続した直列回路であって、正及び負の母線により前記直流回路と並列に接続されたレグと、
前記直流回路の中性点とレグ中点の間に接続され、2n個の同一電圧定格の半導体素子が直列接続された中性点スイッチと、
前記レグの正及び負の母線から共にk番目(kは自然数)とk+1番目の半導体素子相互の接続点と、前記中性点スイッチを構成する半導体素子相互の接続点との間に接続されたレグ・スイッチ間第1及び第2コンデンサと、
を具備することを特徴とする電圧形自励式の電力変換装置。
【請求項6】
前記中性点スイッチは、互いに異なる方向の2つの半導体素子の直列回路が1以上直列に接続され、前記第1及び第2コンデンサの前記中性点スイッチ側接続点が同一であることを特徴とする請求項5記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記中性点スイッチは、互いに同一方向の2つの半導体素子の直列回路が1以上直列に接続され、前記第1及び第2コンデンサの前記中性点スイッチ側接続点が、互いに異なることを特徴とする請求項5記載の電力変換装置。
【請求項8】
ダイオードとスイッチング素子の逆並列接続からなる回路要素が半導体素子として構成され、
複数の同一電圧定格の直流コンデンサが2n個(nは自然数)直列接続された直流回路と、
複数の同一電圧定格の半導体素子を4n個直列に接続した直列回路であって、正及び負の母線により前記直流回路と並列に接続されたレグと、
前記直流回路の中性点と、前記レグの正の母線から数えてk番目(kは自然数)とk+1番目の半導体素子相互の接続点との間に接続され、半導体素子がn個直列に接続された第1スイッチと、
前記第1スイッチの半導体素子相互接続点と、前記レグの正の母線からk番目とk―1番目の半導体素子相互の接続点との間に接続された第1コンデンサと、
前記直流回路の中性点と、前記レグの負の母線から数えてk番目とk+1番目の半導体素子相互の接続点との間に接続され、半導体素子がn個直列に接続された第2スイッチと、
前記第2スイッチの半導体素子相互接続点と、前記レグの負の母線からk番目とk―1番目の半導体素子相互の接続点との間に接続された第2コンデンサと、
を具備することを特徴とする電圧形自励式の電力変換装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−78204(P2013−78204A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216541(P2011−216541)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】
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