説明

電力計測装置、電力計測方法およびプログラム

【課題】電圧計測装置の回路規模を削減しつつ、計測対象の電気機器の変更や負荷変動に追従可能な電力計測装置、電力計測方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】ゼロクロス検出部11は、電気機器の電圧が負から正に基準電位を横切る正クロス点、または、正から負に基準電位を横切る負クロス点を検出する。電流計測部13は、電気機器の瞬時電流値を計測する。電圧値生成部12は、所定の波高値の正弦波の基準点を正クロス点または負クロス点にあてはめて、時間軸を調節した正弦波から、瞬時電圧値を生成する。電力算出部15は、電圧値生成部12で生成した瞬時電圧値と同時刻の瞬時電流値とを乗算し、乗算した値を隣り合う正クロス点または負クロス点の間の時間にわたって平均して、電力値を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力計測装置、電力計測方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
交流電源に接続される電気機器で消費される電力の計測は、一般的には、例えば特許文献1、4または5に挙げられているような電子式電力計のように、時間とともに変化する電流、電圧を計測し、そこから瞬時電力を計算することで行われる。このため、電力計には、交流電源ラインに接続する電流計測回路と電圧計測回路の双方が必要である。
【0003】
交流電源に接続される電気機器では、瞬間の電力は電圧の位相に従って変動するので、一般に電源電圧の1周期にわたって平均して電力を算出する。電源電圧の周期程度の短時間で電力を計測する場合には、電源電圧の1周期の時間を知る必要がある。例えば、特許文献1の電子式電力計では、交流電圧の一周期分を交流電圧のゼロクロスにより検出する。
【0004】
特許文献3の電力量計測装置では、予め計測対象となる電気機器の電圧計測を行い、所定の基準交流電源との位相差を電力計内に記憶しておく。電力計測時には、基準交流電源の電圧を記憶された位相差分だけシフトさせた電圧と、計測した電流とから電力を算出することで、電力計内から電圧計測回路を省き、回路規模を削減している。また、特許文献2の電力監視システムでは、予め、ブレーカー単位で力率を計測、記憶しておく。電力計測時には、計測した電流と、ブレーカー毎に決められている定格電圧、および、記憶された力率とから電力を算出することで、電力計内から電圧計測回路を省き、回路規模を削減している。
【0005】
なお、電流を計測する方法として、例えば特許文献6に、コイルで検知した誘導電圧信号を積分して電流の瞬時値を求めることが記載されている。特許文献6のコイル用電流センサ回路では、所定値ずつ異なる初期値をもつ複数の積分手段により誘導電圧信号を積分し、所定時間毎に大きな初期値の積分手段から順に切り換えて出力を行うことにより、オフセット成分を被計測信号のN倍の周期をもつ周期的な波形に変換する。その他、特許文献7には、電圧波形のゼロクロス信号のH、Lの反転の周期が正常範囲から外れたときに停電と判断することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−338148号公報
【特許文献2】特開2008−089436号公報
【特許文献3】特開2009−168586号公報
【特許文献4】特開2009−222433号公報
【特許文献5】特開2009−288218号公報
【特許文献6】特開2010−008340号公報
【特許文献7】特開2010−237120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1または5のように、電力計には一般的に、交流電源ラインに接続する電流計測回路と電圧計測回路の双方が必要となり、回路規模が大きくなるという問題がある。
【0008】
特許文献2または特許文献3の電力計は、どちらも、予め計測した位相差や力率に基づいて電力を計算するため、計測対象の電気機器が変更された場合、もしくは、同一機器であっても、動作状態が変わることにより力率に変化があった場合に正しく電力を算出することができなくなるという問題点がある。さらに、特許文献3の電力計の場合は、基準交流電源に変動があった場合、そこから位相シフトにより生成する電圧も変動することになるため、正しく電力を算出することができなくなるという問題点がある。
【0009】
本発明は上述のような事情に鑑みてなされたもので、電圧計測装置の回路規模を削減しつつ、計測対象の電気機器の変更や負荷変動に追従可能な電力計測装置、電力計測方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の観点に係る電力計測装置は、
電気機器の電圧が負から正に基準電位を横切る正クロス点、または、正から負に基準電位を横切る負クロス点を検出するクロス点検出手段と、
前記電気機器の瞬時電流値を計測する電流計測手段と、
所定の波高値の正弦波の基準点を前記正クロス点または前記負クロス点にあてはめて、時間軸を調節した正弦波から、瞬時電圧値を生成する電圧値生成手段と、
前記電圧値生成手段で生成した瞬時電圧値と同時刻の前記瞬時電流値とを乗算し、該乗算した値を隣り合う前記正クロス点または前記負クロス点の間の時間にわたって平均して、電力値を算出する電力算出手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の観点に係る電力計測方法は、
電気機器の電力を計測する装置が行う電力計測方法であって、
前記電気機器の電圧が負から正に基準電位を横切る正クロス点、または、正から負に基準電位を横切る負クロス点を検出するクロス点検出ステップと、
前記電気機器の瞬時電流値を計測する電流計測ステップと、
所定の波高値の正弦波の基準点を前記正クロス点または前記負クロス点にあてはめて、時間軸を調節した正弦波から、瞬時電圧値を生成する電圧値生成ステップと、
前記電圧値生成ステップで生成した瞬時電圧値と同時刻の前記瞬時電流値とを乗算し、該乗算した値を隣り合う前記正クロス点または前記負クロス点の間の時間にわたって平均して、電力値を算出する電力算出ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、コンピュータに
電気機器の電圧が負から正に基準電位を横切る正クロス点、または、正から負に基準電位を横切る負クロス点を検出するクロス点検出ステップと、
前記電気機器の瞬時電流値を計測する電流計測ステップと、
所定の波高値の正弦波の基準点を前記正クロス点または前記負クロス点にあてはめて、時間軸を調節した正弦波から、瞬時電圧値を生成する電圧値生成ステップと、
前記電圧値生成ステップで生成した瞬時電圧値と同時刻の前記瞬時電流値とを乗算し、該乗算した値を隣り合う前記正クロス点または前記負クロス点の間の時間にわたって平均して、電力値を算出する電力算出ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電力計測装置は、電圧計測回路の代わりに、電圧計測回路より規模の小さいゼロクロス検出回路を用いるように構成されているため、電圧計測のための回路規模を削減することができ、かつ、電圧波形のゼロクロス点を検出するように構成されているため、計測対象の電気機器の変更や負荷変動があった場合でも、電流と電圧の位相差を正確に把握し、正しい電力を算出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電力計測装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1のゼロクロス検出を行うための構成の一例を示す図である。
【図3】電圧波形からゼロクロス点を検出し、電力を算出する動作の一例を説明する図である。
【図4】実施の形態1の電力計測の動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態2に係る電圧波形を生成する動作の一例を説明する図である。
【図6】実施の形態2の電力計測の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態3に係る電力計測装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】実施の形態3の波高値変更の動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態に係る電力計測装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電力計測装置の構成例を示すブロック図である。電力計測装置は、交流電源1と電気機器2の間の電力線に接続される。電力計測装置10は、ゼロクロス検出部11、電圧値生成部12、電流計測部13、電力算出部15および出力部16を備える。
【0017】
ゼロクロス検出部11は、電力線のそれぞれに接続される。ゼロクロス検出部11は、電力線の電圧が負から正に基準電位(典型的には中立電位0V)を横切る正クロス点、または、正から負に基準電位を横切る負クロス点を検出する。
【0018】
電圧値生成部12は、所定の波高値を有する正弦波のデータを保持している。ゼロクロス点検出部で検出した隣り合う正クロス点(または負クロス点)に、保持している正弦波の基準点をあてはめて、正弦波の時間軸を調節して正弦波の電圧波形(計算式)を生成する。ゼロクロス検出の基準電位が中立電位0Vの場合は、正弦波の基準点は、0ラジアンと2πラジアン(またはπラジアン)の点である。
【0019】
一方、電流計測部13は、電力線に流れる電流を計測する。電流計測部13は、例えば、電流センサ14によって電力線を流れる電流で発生する磁界を検出して、電流を計測する。電流計測部13は、例えば、クランプ式の電流センサやシャント抵抗を用いて実現することができる。
【0020】
電圧値生成部12は、ゼロクロス点と生成した正弦波から、電流計測するタイミングに合わせて、その時点の電圧値(瞬時電圧値)を生成して、電力算出部15に供給する。電力算出部15は、電流計測部13で計測された瞬時電流値と、電圧値生成部12から供給される瞬時電圧値を乗じて、瞬時電力値を算出する。
【0021】
電力算出部15は、瞬時電力値を電圧の1周期にわたって平均して、電力値を算出する。電圧の1周期は、隣り合う2つの正クロス点(または負クロス点)の間の時間で与えられる。電力算出部15は、算出した電力値を出力部16に送る。出力部16は、別の表示装置または記憶装置などに電力値を送信する。あるいは、出力部16が表示装置を備え、電力値を表示してもよい。
【0022】
図2は、実施の形態1のゼロクロス検出を行うための構成の一例を示す図である。ゼロクロス検出部11は、例えば図2に示されるように、一般によく知られた電子回路である、コンパレータ31と立ち上がりエッジ検出回路32を組み合わせて実現することができる。図2の接続が正クロス点を検出する場合、電力線からコンパレータ31に繋ぐ線を入れ替えれば負クロス点を検出することになる。ゼロクロス検出部11は、電圧を検出することなく、正クロス点または負クロス点を検出する。
【0023】
図3は、電圧波形からゼロクロス点を検出し、電力を算出する動作の一例を説明する図である。交流電源1の電圧波形は、例えば、図3の電圧波形401に示されるような正弦波形をしている。電圧波形401を図2のコンパレータ31に入力として与えると、電圧波形401において、電圧が正の値をとっている区間については、コンパレータ31の出力は正である。電圧波形401で電圧が負の値をとっている区間については、コンパレータ31の出力は負となる(図3のコンパレータ出力402)。
【0024】
次に、コンパレータ31の出力(コンパレータ出力402)を立ち上がりエッジ検出回路32の入力として与えると、コンパレータ出力波形の立ち上がりエッジの部分でパルスが出力される(図3のエッジ検出出力403)。以上のような動作によって出力されるエッジ検出出力403のパルスは、交流電源1(コンパレータ31の+端子に接続される線)の電圧が負の値から正の値に変わる瞬間に対応している。図2の構成では、正クロス点をエッジ検出出力403のパルスで検出する。隣り合うパルスの間隔は、電圧波形の周期Tである。
【0025】
エッジ検出出力403のパルスに、所定の波高値の正弦波の基準点を合わせて時間軸を調節すれば、図3の電圧波形401のような電圧波形を生成できる。所定の波高値は交流電源の電圧に合わせて予め設定された値である。電力計測装置10は電圧を計測していないが、正クロス点または負クロス点と所定の波高値の正弦波から、交流電源の電圧波形401に近似する電圧波形(計算式)を生成することができる。
【0026】
電流計測部13は、例えば所定のサンプリング周期で電流によって発生する誘導磁界を検出し、電流値を生成する。例えば、電流は、図3の下から2段目の電流406で示すような波形である。実際には、サンプリング周期の離散値で検出される。
【0027】
電圧値生成部12は、電流計測部13のサンプリング周期に合わせて、正クロス点(または負クロス点)からそのサンプリングまでの時間に相当する時点における電圧波形の値を、瞬時電圧値として生成する。電圧値生成部12は、数1に示す式に従い瞬時電圧値Vを計算する。
【数1】

ここでVは、予め電力計測装置10に設定された交流電源1の電圧の実効値(以下、実効電圧という)で、例えば、100Vといった値となる。Δtはサンプリング周期、nは正クロス点からのサンプリング数、Tは交流電圧の周期である。一般に交流電源の公称電圧は、電圧の実効値で与えられるので、慣例に従って数1のように実効値Vで表している。実質的には所定の波高値が与えられているのと等価である。瞬時電圧値を計算するときに実効電圧(実効値)から波高値に換算してもよいし、予め波高値で設定してもよい。
【0028】
次に、電力算出部15は、計測された瞬時電流値と計算された瞬時電圧値とから、瞬間電力量を計算し積算する。具体的には、例えば、計測された電流値がI、計算された電圧がVの場合は、V×I×Δtで瞬間電力量が算出できる。図3の最下段に、電力波形407を模式的に示す。図3の電力波形407は、その上の電圧波形401と電流406に対応している。瞬間電力量は、サンプリング周期Δtの幅で、そのときの電力波形の値の高さの矩形の領域の面積に符号をつけた値で表される。
【0029】
電力算出部15は、電源電圧の1周期分の瞬間電力量を積算すると、積算した1周期の電力量を周期Tで除して、1周期の平均電力を計算する。電力算出部15は、計算した平均電力を、その周期の電力の値として、出力部16に送る。
【0030】
一般に、特に商用電力の場合には、電源の電圧と波形は安定しており、電圧は主に配電の経路で決まる。電気機器の電力を決定する因子は、電流と電圧との位相差および電流波形が支配的である。電圧が誤差範囲を超えて変化するのは、停電、瞬時電圧低下、配電系統へ規定以上の負荷(大電流消費)を接続した場合、漏電または落雷などである。配電系統に大電流が流れた場合は、その系統を保護するブレーカによって遮断される。よって、電気機器の通常の使用では、電流と電圧との位相差および電流波形を計測すれば、電圧の誤差範囲で電力を計測することができる。電気機器を接続するときに、電源電圧を計測して電圧波形を計算する元になる波高値を設定すれば、さらに正確である。
【0031】
なお、本実施の形態では、交流電源として、単相2線式の交流電源を想定して説明した。本実施の形態1の電力計測装置10は、単相3線式、あるいは、3相3線式の交流電源の場合であっても、同様の手順で電力計測を行うことが可能である。
【0032】
図4は、実施の形態1の電力計測の動作の一例を示すフローチャートである。電力計測装置10は動作を開始すると、まず、ゼロクロス検出部11は、前述のようにコンパレータ出力の立ち上がりエッジ検出で、交流電源1の電圧波形の最初の正クロス点(図3の正クロス点404。以下、第1の正クロス点と記載する)を検出する(ステップS10)。ゼロクロス検出部11は、ステップ201と同様の動作手順により、次の正クロス点(図3の正クロス点405。以下、第2の正クロス点と記載する)の検出を行う(ステップS11)。第1の正クロス点と第2の正クロス点は隣り合っており、その間隔が周期Tである。
【0033】
電圧値生成部12は、検出された第1および第2の正クロス点間の経過時間(周期T)を算出する(ステップS12)。電圧値生成部12は、所定の波高値の正弦波の時間軸を正クロス点と周期Tに合わせて調節して、正弦波の電圧波形(計算式)を生成する(ステップS13)。
【0034】
電力算出部15は、周期電力量を0に初期設定する(ステップS14)。そして、ゼロクロス検出部11は、ステップ201と同様の動作手順により、次のゼロクロス点の検出を行う(ステップS15)。以降、正クロス点の検出時刻から周期Tが経過する間に、一定時間間隔(以下の説明ではΔtとする)で、図4のステップS16からステップS19の処理を繰り返す。
【0035】
まず、電流計測部13は前述したように電流値Iを計測する(ステップS16)。電力算出部15は、算出した周期T、および、時間間隔Δtを用いて、数1に示す式に従い電圧値Vを計算する(ステップS17)。ここで、nはループカウンタで、電力算出部15が、ステップS16からステップS19までの処理を繰り返し実行する際の回数を保持しており、例えば、最初はn=0で、ステップS16からステップS19までの処理を1回完了する毎にn=1、n=2、...といったように、カウントアップされる。
【0036】
次に、電力算出部15は、ステップS16で計測された電流値とステップS17で計算された電圧値とから、瞬間電力量を計算し、周期電力量に積算する(ステップS18)。以上で述べたS16からステップS18までの処理を、ループカウンタnを増やしながら、1周期終了するまで繰り返す(ステップS19;NO)。
【0037】
電力算出部15は、1周期の処理が終了すると(ステップS19;YES)、周期電力量を周期Tで除して1周期の平均電力を算出し、計算結果を出力部16に送信する(ステップS20)。
【0038】
以上で述べた処理の終了後は、再び、ステップS14に戻り、周期電力量の初期設定から処理を繰り返す。なお、ステップS14に戻る際、ループカウンタnを0にリセットする。
【0039】
以上、実施の形態1では、ゼロクロス検出部11は、交流電源1の電圧波形が負の値から正の値に変わる正クロス点を検出する場合を説明した。電力計測装置10は、電圧が正の値から負の値に変わる負クロス点を検出してもよい。あるいは、正クロス点と負クロス点の両方を検出するようにしてもよい。
【0040】
また、図4のステップS19の処理では、ステップS16からステップS19の処理を行うループの繰り返し回数を、電圧波形の1周期の期間で判定しているが、N周期の期間(Nは1以上の整数値)、あるいは、M秒間(Mは正の実数値)で判定するようにしてもよい。
【0041】
また、出力部16は、受け取った平均電力をそのまま表示するだけでなく、累積して電力量として表示してもよい。あるいはさらに、公知の算出式に従って、電力量を電気料金やCO排出量に変換して表示するようにしてもよい。
【0042】
実施の形態1では、周期Tは図4のステップS10からステップS12の処理で、電力計測時に動的に算出するとしているが、実効電圧Vと同様に、予め、本実施の形態の電力計測装置10内に設定しておいてもよい。
【0043】
また、実施の形態1では、周期Tを、電力計測開始時に求めた値を以後の処理で使い続けているが、電力算出処理を一定回数実行する毎に、あるいは、一定時間毎に、あるいは、ランダムなタイミングで、図4のステップS10からステップS12の処理を再実行して、求め直すようにしてもよい。
【0044】
本実施の形態の電力計測装置10は、電圧計測回路の代わりに、電圧計測回路より規模の小さいゼロクロス検出回路を用いて電力を算出するように構成されているため、電力計測装置10の回路規模をより小さくすることができるという効果がある。
【0045】
さらに、電圧波形のゼロクロス点を検出して電力を算出するように構成されているため、計測対象の電気機器の変更や負荷変動があった場合でも、電流と電圧の位相差を正確に把握し、正しい電力を算出することができるという効果もある。
【0046】
(実施の形態2)
実施の形態2の電力計測装置10は、正クロス点と負クロス点の両方を検出する。そして、所定の波高値の正弦波を正クロス点と負クロス点の間隔に合わせて時間軸と直流電圧分を調節して、瞬時電圧値を生成する。
【0047】
図5は、本発明の実施の形態2に係る電圧波形を生成する動作の一例を説明する図である。実施の形態2の電力計測装置10では、ゼロクロス点検出部は、正クロス点と負クロス点の両方を検出する。例えば、図2のコンパレータ回路を2系統備えて、+端子と−端子を互いに逆に接続すれば、一方は正クロス点、他方は負クロス点を検出できる。あるいは、立ち上がりエッジ検出回路32を2つ備えて、一方にはコンパレータの出力をそのまま入力し、他方にはコンパレータの出力を反転させて入力することによって、一方は正クロス点、他方は負クロス点を検出できる。
【0048】
電圧値生成部12は、所定の波高値の正弦波が、正クロス点および負クロス点の両方に合うように、時間軸と直流電圧分を調節する。例えば図5に示すように、正クロス点から次の負クロス点までの時間と、負クロス点から次の正クロス点までの時間が異なる場合、まず、隣り合う正クロス点(または負クロス点)の間の時間が、正弦波の周期Tになるように、正弦波の時間軸(周期T)を調節する。ついで、正クロス点から次の負クロス点までの時間に電圧波形の正の区間が等しくなるように、電圧の直流成分を決める。すなわち、正弦波を電圧方向(図5で上下方向)にシフトする。そして、シフトした電圧波形の電圧が負から正に0Vを横切る点が正クロス点に一致するように、位相を合わせる。
【0049】
電圧値生成部12は、所定の正弦波を上述のように調節して生成した電圧波形をもとに、電流計測部13で電流を計測するタイミングに合わせて、そのタイミングの電圧値を生成する。電流計測部13は実施の形態1と同様に瞬時電流値を計測する。この場合、直流成分も含めて電流を計測できることが望ましい。
【0050】
電力算出部15は、実施の形態1と同様に、瞬時電流値と瞬時電圧値から、瞬時電力値を算出し、電圧の1周期の電力値を平均して、電力を算出する。瞬間電力量を1周期分積算して、周期Tで除して、電力値を算出してもよいことは、実施の形態と同様である。
【0051】
図6は、実施の形態2の電力計測の動作の一例を示すフローチャートである。実施の形態2の電力計測装置10では、まず、ゼロクロス検出部11は、実施の形態1と同様にコンパレータ出力の立ち上がりエッジ検出で、交流電源1の電圧波形の最初の正クロス点(以下、第1の正クロス点と記載する)を検出する(ステップS21)。ゼロクロス点検出部は、前述のように正クロス点に続く負クロス点を検出する(ステップS22)。ゼロクロス検出部11は、ステップ201と同様の動作手順により、次の正クロス点(以下、第2の正クロス点と記載する)の検出を行う(ステップS23)。第1の正クロス点と第2の正クロス点は隣り合っており、その間隔が周期Tである。
【0052】
電圧値生成部12は、検出された第1および第2の正クロス点間の経過時間(周期T)を算出する(ステップS24)。電圧値生成部12は、所定の波高値の正弦波が、正クロス点および負クロス点の両方に合うように、時間軸と直流電圧分を調節して、正弦波の電圧波形(計算式)を生成する(ステップS25)。以下、ステップS26からステップS32の周期電力量の初期設定から平均電力を算出して出力するまでの動作は、図4のステップS14からステップS20と同様である。
【0053】
実施の形態2の電力計測装置10によれば、電源電圧に直流成分が含まれる場合でも、交流電圧が正弦波であれば、電圧を計測することなく、電力を計測することができる。
【0054】
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3に係る電力計測装置の構成例を示すブロック図である。実施の形態3では、正弦波の波高値を変更設定する手段を備える。実施の形態3の電力計測装置10は、実施の形態1の構成に加えて、入力部17および波高値設定部18を備える。
【0055】
入力部17は、交流電源の実効電圧または波高値の入力を受け付ける。入力部17は、テンキーで数値を入力できるようにしてもよいし、増減を指示するスイッチと表示装置で構成してもよい。また、ディスプレイとタッチパネルで構成してもよい。
【0056】
波高値設定部18は、正弦波の波高値(または実効値)を、入力部17で入力された実効電圧または波高値に合わせて変更し、その値を記憶する。電圧値生成部12は、波高値設定部18で変更して記憶された波高値(または実効値)を用いて、瞬時電圧値を生成する。その他の構成および動作は、実施の形態1または2と同様である。
【0057】
図8は、実施の形態3の波高値変更の動作の一例を示すフローチャートである。入力部17は、波高値(または実効電圧)の入力を待ち受ける(ステップS41、ステップS42;NO)。波高値(または実効電圧)の入力があれば(ステップS42;YES)、波高値設定部18は、入力された波高値(または実効電圧)に合わせて、正弦波の波高値(または実効値)を変更して記憶する(ステップS43)。そして、ステップに戻って、入力の待ち受けから繰り返す。
【0058】
一般の電力供給においては、変圧器を交換したり、変圧器からの距離や変圧器に接続される系統の変更など、配電系統の変化によって、電気機器に供給される電源電圧が変わる場合がある。実施の形態3の電力計測装置10によれば、電源電圧が変わっても、それに合わせて瞬時電圧値を生成する正弦波の波高値を設定できる。その結果、より正確に電気機器の電力を計測できる。
【0059】
図9は、本発明の実施の形態に係る電力計測装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。電力計測装置10は、図9に示すように、制御部21、主記憶部22、外部記憶部23、操作部24、表示部25、入出力部26、および送受信部27を備える。主記憶部22、外部記憶部23、操作部24、表示部25、入出力部26、および送受信部27は、いずれも内部バス20を介して制御部21に接続されている。
【0060】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、外部記憶部23に記憶されている制御プログラム19に従って、電力を計測するための処理を実行する。
【0061】
主記憶部22はRAM(Random-Access Memory)等から構成され、外部記憶部23に記憶されている制御プログラム19をロードし、制御部21の作業領域として用いられる。
【0062】
外部記憶部23は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等の不揮発性メモリから構成され、電力計測装置10の処理を制御部21に行わせるためのプログラムをあらかじめ記憶し、また、制御部21の指示に従って、このプログラムが記憶するデータを制御部21に供給し、制御部21から供給されたデータを記憶する。
【0063】
操作部24はキーボード、スイッチおよびタッチパネルなどのポインティングデバイス等と、キーボード、スイッチおよびポインティングデバイス等を内部バス20に接続するインタフェース装置から構成されている。操作部24によって、波高値または実効電圧の入力を受け付ける。
【0064】
表示部25は、CRT(Cathode Ray Tube)またはLCD(Liquid Crystal Display)などから構成され、電力や電力量を出力する画面を表示する。また、波高値または実効電圧の設定値を表示する。
【0065】
入出力部26は、シリアルインタフェースまたはパラレルインタフェースから構成されている。入出力部26にゼロクロス点検出のための電力線、および、電流センサ14などが接続される。入出力部26は、ゼロクロス点を検出する回路、例えばコンパレータ31およびエッジ検出回路を含む。また、電流センサ14の出力をAD変換する回路を含む。
【0066】
電力計測装置10は、外部の装置に計測した電力および電力量を通信する場合、送受信部(図示せず)を備える。送受信部は、ネットワークに接続する網終端装置または無線通信装置、およびそれらと接続するシリアルインタフェースまたはLAN(Local Area Network)インタフェースから構成されている。送受信部は、ネットワークを介して、外部の端末またはサーバなどに接続する。
【0067】
図1および図7に示す電力計測装置10のゼロクロス検出部11、電圧値生成部12、電流計測部13および電力算出部15、出力部16、入力部17および波高値設定部18の処理は、制御プログラム19が、制御部21、主記憶部22、外部記憶部23、操作部24、表示部25および入出力部26などを資源として用いて処理することによって実行する。
【0068】
その他、前記のハードウエア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
【0069】
制御部21、主記憶部22、外部記憶部23、操作部24、表示部25、入出力部26および内部バス20などから構成される電力計測処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。たとえば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する電力計測装置10を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバが有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで電力計測装置10を構成してもよい。
【0070】
また、電力計測装置10の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0071】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS, Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0072】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0073】
(付記1)
電気機器の電圧が負から正に基準電位を横切る正クロス点、または、正から負に基準電位を横切る負クロス点を検出するクロス点検出手段と、
前記電気機器の瞬時電流値を計測する電流計測手段と、
所定の波高値の正弦波の基準点を前記正クロス点または前記負クロス点にあてはめて、時間軸を調節した正弦波から、瞬時電圧値を生成する電圧値生成手段と、
前記電圧値生成手段で生成した瞬時電圧値と同時刻の前記瞬時電流値とを乗算し、該乗算した値を隣り合う前記正クロス点または前記負クロス点の間の時間にわたって平均して、電力値を算出する電力算出手段と、
を備えることを特徴とする電力計測装置。
【0074】
(付記2)
前記クロス点検出手段は、前記正クロス点および前記負クロス点を検出し、
前記電圧値生成手段は、前記所定の波高値の正弦波を前記正クロス点と前記負クロス点の間隔に合わせて時間軸と直流電圧分を調節して、瞬時電圧値を生成する、
ことを特徴とする付記1に記載の電力計測装置。
【0075】
(付記3)
前記クロス点検出手段は、コンパレータとエッジ検出回路とから構成されることを特徴とする付記1または2に記載の電力計測装置。
【0076】
(付記4)
前記電力算出手段で算出した電力値から、前記電気機器の電力量を算出する電力量算出手段を備えることを特徴とする付記1ないし3のいずれかに記載の電力計測装置。
【0077】
(付記5)
前記正弦波の波高値を入力する入力手段と、
前記所定の波高値を前記入力手段で入力された波高値に変更する手段を備える、
ことを特徴とする付記1ないし4のいずれかに記載の電力計測装置。
【0078】
(付記6)
電気機器の電力を計測する装置が行う電力計測方法であって、
前記電気機器の電圧が負から正に基準電位を横切る正クロス点、または、正から負に基準電位を横切る負クロス点を検出するクロス点検出ステップと、
前記電気機器の瞬時電流値を計測する電流計測ステップと、
所定の波高値の正弦波の基準点を前記正クロス点または前記負クロス点にあてはめて、時間軸を調節した正弦波から、瞬時電圧値を生成する電圧値生成ステップと、
前記電圧値生成ステップで生成した瞬時電圧値と同時刻の前記瞬時電流値とを乗算し、該乗算した値を隣り合う前記正クロス点または前記負クロス点の間の時間にわたって平均して、電力値を算出する電力算出ステップと、
を備えることを特徴とする電力計測方法。
【0079】
(付記7)
前記クロス点検出ステップは、前記正クロス点および前記負クロス点を検出し、
前記電圧値生成ステップは、前記所定の波高値の正弦波を前記正クロス点と前記負クロス点の間隔に合わせて時間軸と直流電圧分を調節して、瞬時電圧値を生成する、
ことを特徴とする付記6に記載の電力計測方法。
【0080】
(付記8)
前記電力算出ステップで算出した電力値から、前記電気機器の電力量を算出する電力量算出手段を備えることを特徴とする付記6または7に記載の電力計測方法。
【0081】
(付記9)
前記正弦波の波高値を入力する入力ステップと、
前記所定の波高値を前記入力ステップで入力された波高値に変更するステップを備える、
ことを特徴とする付記6ないし8のいずれかに記載の電力計測方法。
【0082】
(付記10)
コンピュータに
電気機器の電圧が負から正に基準電位を横切る正クロス点、または、正から負に基準電位を横切る負クロス点を検出するクロス点検出ステップと、
前記電気機器の瞬時電流値を計測する電流計測ステップと、
所定の波高値の正弦波の基準点を前記正クロス点または前記負クロス点にあてはめて、時間軸を調節した正弦波から、瞬時電圧値を生成する電圧値生成ステップと、
前記電圧値生成ステップで生成した瞬時電圧値と同時刻の前記瞬時電流値とを乗算し、該乗算した値を隣り合う前記正クロス点または前記負クロス点の間の時間にわたって平均して、電力値を算出する電力算出ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、電圧計測部の回路規模を削減しつつ、計測対象の変更や負荷変動に追従可能な電力計測装置を実現するといった分野に応用することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 交流電源
2 電気機器
10 電力計測装置
11 ゼロクロス検出部
12 電圧値生成部
13 電流計測部
14 電流センサ
15 電力算出部
16 出力部
17 入力部
18 波高値設定部
20 内部バス
21 制御部
22 主記憶部
23 外部記憶部
24 操作部
25 表示部
26 入出力部
29 制御プログラム
31 コンパレータ
32 立ち上がりエッジ検出回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器の電圧が負から正に基準電位を横切る正クロス点、または、正から負に基準電位を横切る負クロス点を検出するクロス点検出手段と、
前記電気機器の瞬時電流値を計測する電流計測手段と、
所定の波高値の正弦波の基準点を前記正クロス点または前記負クロス点にあてはめて、時間軸を調節した正弦波から、瞬時電圧値を生成する電圧値生成手段と、
前記電圧値生成手段で生成した瞬時電圧値と同時刻の前記瞬時電流値とを乗算し、該乗算した値を隣り合う前記正クロス点または前記負クロス点の間の時間にわたって平均して、電力値を算出する電力算出手段と、
を備えることを特徴とする電力計測装置。
【請求項2】
前記クロス点検出手段は、前記正クロス点および前記負クロス点を検出し、
前記電圧値生成手段は、前記所定の波高値の正弦波を前記正クロス点と前記負クロス点の間隔に合わせて時間軸と直流電圧分を調節して、瞬時電圧値を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力計測装置。
【請求項3】
前記クロス点検出手段は、コンパレータとエッジ検出回路とから構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の電力計測装置。
【請求項4】
前記電力算出手段で算出した電力値から、前記電気機器の電力量を算出する電力量算出手段を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電力計測装置。
【請求項5】
前記正弦波の波高値を入力する入力手段と、
前記所定の波高値を前記入力手段で入力された波高値に変更する手段を備える、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電力計測装置。
【請求項6】
電気機器の電力を計測する装置が行う電力計測方法であって、
前記電気機器の電圧が負から正に基準電位を横切る正クロス点、または、正から負に基準電位を横切る負クロス点を検出するクロス点検出ステップと、
前記電気機器の瞬時電流値を計測する電流計測ステップと、
所定の波高値の正弦波の基準点を前記正クロス点または前記負クロス点にあてはめて、時間軸を調節した正弦波から、瞬時電圧値を生成する電圧値生成ステップと、
前記電圧値生成ステップで生成した瞬時電圧値と同時刻の前記瞬時電流値とを乗算し、該乗算した値を隣り合う前記正クロス点または前記負クロス点の間の時間にわたって平均して、電力値を算出する電力算出ステップと、
を備えることを特徴とする電力計測方法。
【請求項7】
前記クロス点検出ステップは、前記正クロス点および前記負クロス点を検出し、
前記電圧値生成ステップは、前記所定の波高値の正弦波を前記正クロス点と前記負クロス点の間隔に合わせて時間軸と直流電圧分を調節して、瞬時電圧値を生成する、
ことを特徴とする請求項6に記載の電力計測方法。
【請求項8】
前記電力算出ステップで算出した電力値から、前記電気機器の電力量を算出する電力量算出手段を備えることを特徴とする請求項6または7に記載の電力計測方法。
【請求項9】
前記正弦波の波高値を入力する入力ステップと、
前記所定の波高値を前記入力ステップで入力された波高値に変更するステップを備える、
ことを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の電力計測方法。
【請求項10】
コンピュータに
電気機器の電圧が負から正に基準電位を横切る正クロス点、または、正から負に基準電位を横切る負クロス点を検出するクロス点検出ステップと、
前記電気機器の瞬時電流値を計測する電流計測ステップと、
所定の波高値の正弦波の基準点を前記正クロス点または前記負クロス点にあてはめて、時間軸を調節した正弦波から、瞬時電圧値を生成する電圧値生成ステップと、
前記電圧値生成ステップで生成した瞬時電圧値と同時刻の前記瞬時電流値とを乗算し、該乗算した値を隣り合う前記正クロス点または前記負クロス点の間の時間にわたって平均して、電力値を算出する電力算出ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−154743(P2012−154743A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13286(P2011−13286)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)