説明

電力量測定装置

【課題】利用者情報の新規登録および更新、電気料金の自動引落し手続、および給電の開始停止作業についての負担を一挙に軽減できるようにすること。
【解決手段】電力の需要家に利用者IDと利用者情報とを記憶するキャッシュカードを提供しておき、給電停止中の電力量測定装置101にキャッシュカードをリードさせた場合には給電を開始し、給電開始に関与したキャッシュカードをもう一度その電力量測定装置101にリードさせた場合には給電を停止するようにし(給電の開始停止作業の自動化)、キャッシュカードのリードによって得た需要家の利用者IDと利用者情報とを電力事業者のコンピュータに送信し、電力事業者の側で、利用者情報の新規登録および更新、電気料金の自動引落しを容易に行なうことができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引込線側と屋内配線側との間に介在して電力使用量を測定する機能を有する電力量測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力事業者が電力の需要家に提供する電力は、一般的に、電柱から引込線によって電力需要化の家屋や事業所等の建物に導かれ、建物内に用意された屋内配線を介して負荷に供給される。電力事業者は、需要家の電気使用量を測定するために、その者の建物に電力量測定装置を設置している。電力量測定装置は、引込線と屋内配線とをそれぞれ接続するための端子部を備えている。端子部は、需要家が手を触れることなきよう、端子カバーで密閉されて封印されている。
【0003】
賃貸用の集合住宅やオフィスビルでは、比較的頻繁に居住者が入れ替わる。居住者の入れ替わりに際して、前の居住者が立ち退くときには給電を停止し、次の居住者が入居するときには給電を開始する作業が必要となる。このような給電の停止および開始の作業は、電力事業者側の作業員が現場に赴き、電力量測定装置の端子部の封印を解いて端子カバーを開き、引込線側と屋内配線側との接続を断続することによって行なわれるのが一般的である。
【0004】
これに対して、特許文献1には、需要家に対する給電の開始および停止を遠隔操作によって実現可能にした発明が記載されている。また、特許文献2には、電力量測定装置にカードリーダを備え付け、給電許可データを記憶するICカードをカードリーダに挿入することで給電を開始させ、ICカードをカードリーダから抜き出すことで給電を停止するようにした発明が記載されている。これらの特許文献1、2に記載された発明によれば、給電の開始および停止に必要な作業負担を軽減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−266981公報
【特許文献2】特開2007−278980公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ある建物における居住者の入れ替わりは、居住者である需要家の転居によって発生する。需要家が転居する場合、前述した給電の開始作業および停止作業のみならず、電力事業者のデータベース等に対する利用者情報の新規登録または更新が必要となる。また、全ての需要家に必須というわけではないが、電気料金の自動引落し手続も、転居に伴い再手続が求められる。
【0007】
これに対して、利用者情報の新規登録および更新は、需要家が電力事業者に電話で転居前後の住所等を伝え、電力事業者のオペレータがこれをコンピュータ入力することによって行なわれる。このため、人手が必要となり、しかも誤入力の可能性も否定できない。
【0008】
また、電気料金の自動引落し手続は、需要家に申請書の作成を強いることになり、しかも銀行での手続が必要となることから開始までに時間がかかる。
【0009】
さらに、特許文献1、2に記載された発明は、給電の開始作業および停止作業のための作業負担を軽減するという点で優れているものの、このような作業は、転居に際して必要な事柄の一翼を担っているに過ぎない。
【0010】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、利用者情報の新規登録および更新、電気料金の自動引落し手続、および給電の開始停止作業についての負担を一挙に軽減できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、引込線側と屋内配線側との間に介在して電力使用量を測定する機能を有する電力量測定装置おいて、切断信号と接続信号とに応じて前記引込線側から前記屋内配線側への給電を断続する断路器と、通信回線網を介して外部のコンピュータとデータ通信を実行する外部通信装置と、電力の需要家を識別する識別情報とその者の名前および銀行口座の情報を含む利用者情報とを記録する記録媒体から識別情報および利用者情報を読み取るデータ読取装置と、識別情報と利用者情報とを記憶して登録するメモリと、前記データ読取装置が前記記録媒体から情報を読み取った場合、前記メモリに識別情報が登録されていないことを条件に、前記外部通信装置を用いて電力事業者の前記コンピュータに前記読み取った識別情報および利用者情報と共に給電開始の宣言を送信し、前記読み取った識別情報を前記メモリに登録し、前記断路器に対して接続信号を出力する給電開始処理を実行する開始手段と、前記データ読取装置が前記記録媒体から情報を読み取った場合、前記メモリに前記読み取った識別情報と同一の識別情報が登録されていることを条件に、前記外部通信装置を用いて電力事業者の前記コンピュータに前記読み取った識別情報と共に給電停止の宣言を送信し、前記メモリから識別情報および利用者情報を消去し、前記断路器に対して切断信号を出力する給電停止処理を実行する停止手段と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電力の需要家を識別する識別情報と利用者情報(その者の名前および銀行口座の情報を含む)とを記録する記録媒体を需要家に提供しておけば、その需要家が転居した場合、転居前の建物の電力量測定装置が備えるデータ読取装置で記録媒体の情報を読み取らせるだけで給電の停止を行なうことができ、転居後の建物の電力量測定装置が備えるデータ読取装置で記録媒体の情報を読み取らせるだけで給電の開始を行なうことができる。また、転居後の建物の電力量測定装置が備えるデータ読取装置で記録媒体の情報を読み取らせると、読み取った識別情報および利用者情報を電力事業者のコンピュータに送信することができるので、電力事業者のコンピュータにて利用者情報の更新を行なうことができる。さらに、需要家に提供する記録媒体にキャッシュカードのような決済機能を持たせておけば、電力事業者のコンピュータに送信する利用者情報に銀行口座の情報が含まれていることから、電気料金の自動引落しも行なうことができる。したがって、本発明によれば、電力の需要家が転居するに際して、利用者情報の更新、電気料金の自動引落し手続、および給電の開始停止作業についての負担を一挙に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の一形態として、電力量測定装置と検針端末とを示す模式図。
【図2】実施の一形態として、電力量測定装置における各部の電気的接続を示すブロック図。
【図3】実施の一形態として、メモリが有している電力使用量のデータのための記憶領域を示す模式図。
【図4】実施の一形態として、メモリが有している需要家に関する情報のための記憶領域を示す模式図。
【図5】実施の一形態として、プロセッサが実行する処理の流れの概略を示すフローチャート。
【図6】図5に示すフローチャート中の利用処理の流れを示すフローチャート。
【図7】図5に示すフローチャート中の検針処理の流れを示すフローチャート。
【図8】図5に示すフローチャート中の決済処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の一形態を図面に基づいて説明する。図1は、電力量測定装置101と検針端末201とを示す模式図である。
【0015】
電力量測定装置101は、その正面上部に表示器102を備えている。表示器102は、例えばアクリル板で成型された透光性を有する保護カバー103で覆われている。電力量測定装置101の正面下部左側には、カード差込口104が配置されている。カード差込口104は、例えばアクリル板で成型された透光性を有する保護カバー105で覆われている。保護カバー105は、その上縁をヒンジ106によって回転自在に取り付けられ、図示しないコイルスプリングによって、カード差込口104を外部から閉鎖する方向に向けて付勢されている。この付勢力に抗して保護カバー105を跳ね上げれば、カード差込口104が外部に開放され、カードを差し込むことができる。電力量測定装置101の正面下部右側には、テンキー107が配置されている。テンキー107は、例えばアクリル板で成型された透光性を有する保護カバー108で覆われている。保護カバー108は、その右縁をヒンジ109によって回転自在に取り付けられ、図示しないコイルスプリングによって、テンキー107を外部から閉鎖する方向に向けて付勢されている。この付勢力に抗して保護カバー108を右開きすれば、テンキー107が外部に開放され、その押下操作が可能となる。
【0016】
検針端末201は、人の手による把持が可能な平べったい形状のハウジング202の上面にタッチパネル付きディスプレイ203を備え、先端部にプリンタ204を備えている。プリンタ204は、電力量測定装置101の検針時に、請求伝票Mを印字し、発行口205より発行する。検針端末201は、その後端部にカード差込口206を備え、検針用カード301の差し込みを受け付ける。検針用カード301は、一例として、接点同士を物理的に接続させてデータ送受信を行なう方式(接触通信方式)のICカードであり、そのICチップ(図示しない)に検針IDを記憶している。検針IDは、検針用カード301のカード種別を示す識別情報である。検針用カード301のICチップは、データを書き込むことができる記憶領域を備え、この記憶領域には電力使用量の累計値(使用量)と当月分のみの電力使用量の値(当月使用量)とが書き込まれる。これらの使用量および当月使用量を検針用カード301のICチップに書き込むのは、電力量測定装置101である。
【0017】
検針端末201は、カードリーダ(図示せず)を内蔵している。カードリーダは、カード差込口206に挿入された検針用カード301のICチップと接触通信方式のデータ通信を行ない、検針用カード301のICチップからデータを読み取る。このときに読み取るデータは、検針用カード301のICチップが記憶している電力の使用量および当月使用量である。
【0018】
なお、検針端末201が内蔵するカードリーダおよび検針用カード301として接触通信方式の一例を例示したが、近距離無線通信によってデータ送受信する方式(無線通信方式)を採用してもよい。あるいは、磁気ストライプとICチップとの併用方式であってもよい。この場合、検針用カード301は、検針IDを磁気ストライプに記録し、ICチップが有する記憶領域に電力の使用量および当月使用量を書き込み自在に記憶する。
【0019】
図2は、電力量測定装置101における各部の電気的接続を示すブロック図である。電力量測定装置101は、各種演算処理を実行して各部を集中的に制御するプロセッサ151を有している。プロセッサ151には、メモリ152が接続されている。メモリ152は、制御プログラム等のデータを格納するEEPROM(図示せず)や、可変データを書き換え自在に記憶してワークエリアとして使用されるRAM(図示せず)等からなる。
【0020】
電力量測定装置101は、電力使用量を測定するための計測装置153を有している。計測装置153は、I/O154を介してプロセッサ151に接続され、プロセッサ151からの指令に応じて測定結果を返す。
【0021】
前述した表示器102は、I/O155を介してプロセッサ151に接続されている。プロセッサ151は、表示器102を駆動制御し、電力使用量の累計値と当月分のみの電力使用量の値とを表示させる。
【0022】
前述したテンキー107も、I/O156を介してプロセッサ151に接続されている。テンキー107は、後述するデビットカードを使用するに際して暗証番号を入力するために用いられる。プロセッサ151は、テンキー107によって入力された暗証番号を認識し、照合処理を実行する(図8のステップS408参照)。
【0023】
電力量測定装置101は、カードリーダ157を備えている。このカードリーダ157は、一例として、カード差込口104に差し込まれたカードに搭載されているICチップ(図示せず)に対してデータ送受信を行なう通信装置として構成されている。この場合、カードリーダ157は、カード差込口104に差し込まれたカードに対して、接点同士を物理的に接続させてデータ送受信を行なう方式(接触通信方式)であっても、近距離無線通信によってデータ送受信する方式(無線通信方式)であってもよく、あるいは、接触通信方式と無線通信方式との併用方式であってもよい。また、別の一例として、カードリーダ157は、カード差込口104に差し込まれたカードに設けられた磁気ストライプから情報を読み取る構造を兼備していてもよい。カードリーダ157は、I/O158を介してプロセッサ151に接続され、プロセッサ151からの指令によって、カードから読み取ったデータをメモリ152に送信し、指令されたデータをカードに書き込む。
【0024】
ここで、本実施の形態では、各種情報を記録する記録媒体としてカード形態のものの使用を前提としているので、カードリーダ157を設けている。これに対して、記録媒体は必ずしもカード形態である必要はない。例えば、記録媒体が携帯電話(図示せず)に搭載されたRFID用のICチップであれば、カードリーダ157に替えて近距離無線通信用の通信装置(図示せず)を設ける必要がある。このように、本実施の形態におけるカードリーダ157は、記録媒体の形態に適合させて選定されているハードウェアであるに過ぎない。このことは、検針端末201が内蔵するカードリーダ(図示せず)についても同様である。
【0025】
電力量測定装置101は、断路器としてのブレーカ159を備えている。ブレーカ159は、I/O160を介してプロセッサ151に接続され、プロセッサ151から切断信号と接続信号とを受信する。ブレーカ159は、切断信号または接続信号を受信すると、電力量測定装置101に接続している引込線側(図示せず)から屋内配線側(図示せず)への給電を断続する。いうまでもなく、切断信号の受信に応じて給電を断ち、接続信号の受信に応じて給電を回復させる。
【0026】
電力量測定装置101は、外部通信装置161を備えている。外部通信装置161は、通信回線網(図示せず)を介して外部のコンピュータ(図示せず)との間でのデータ通信を実行する。外部のコンピュータは、一例として、電力事業者のコンピュータであり、別の一例として、デビットカードの認証機関のコンピュータである。
【0027】
図3は、メモリ152が有している電力使用量のデータのための記憶領域152Aを示す模式図である。記憶領域152Aには、電力使用量の累計値である「使用量」のカウント値と、当月分のみの電力使用量の値である「当月使用量」のカウント値とを記録させることができる。これらのカウント値は、計測装置153がプロセッサ151に返す測定結果の値に応じて更新される。つまり、計測装置153は、電柱からの引込線と屋内配線とを介して需要家の負荷に供給される電力量を測定し、測定結果を出力する。プロセッサ151は、計測装置153の出力に基づいて、メモリ152の記憶領域152A中の「使用量」と「当月使用量」とのカウント値を更新する。この場合、カウント値は、ある位、例えば小数点一位や小数点二位の位毎にインクリメントされる。この場合のインクリメント値は、「使用量」と「当月使用量」とで同一の値をとる。これに対して、「当月使用量」は、検針時および給電停止時にクリアされる(図6のステップS212、図7のステップS303参照)。その結果、「当月使用量」の値は、前回の検針時または給電停止時から今回の検針時までの間の当月分の電力使用量の値を示すことになる。
【0028】
図4は、メモリ152が有している需要家に関する情報のための記憶領域152Bを示す模式図である。記憶領域152Bには、電力の需要家を識別する識別情報としての利用者IDに対応させて、利用者情報を登録することができる。利用者情報は、需要家の名前(氏名または名称)および銀行口座の情報(銀行口座番号と口座名義)からなる。
【0029】
図示しないが、メモリ152は、記憶領域152Aおよび記憶領域152Bに記憶する情報の他に、電力量測定装置101の識別コードである機器ID、キャッシュカードの識別コードである利用ID、検針用カード301の識別コードである検針ID、プリペイドカードの識別コードであるプリペイドID、およびデビットカードの識別コードであるデビットIDを記憶している。機器IDは、個々の電力量測定装置101に一意に割り振られた識別コードであり、個々の電力量測定装置101のそれぞれを識別する。これに対して、利用ID、検針ID、プリペイドID、およびデビットIDは、個々のキャッシュカード、検針用カード301、プリペイドカード、およびデビットカードを識別するための一意の識別コードではなく、キャッシュカードであること、検針用カード301であること、プリペイドカードであること、そしてデビットカードであることというカード種別を識別するための属性コードである。
【0030】
本実施の形態において、カードリーダ157が読み取ることができるカード(記録媒体)は、電力事業者が発行するキャッシュカード(図示せず)、電力事業者が検針のために用いる検針用カード301、電力事業者が発行するプリペイドカード(図示せず)、それにデビットカード(図示せず)の四種類である。
【0031】
キャッシュカードは、利用IDを記憶する他、その所持者である需要家を識別する識別情報として、利用者IDを記憶している。キッシュカードは、また、その所持者である需要家の名前(氏名または名称)および銀行口座の情報(銀行口座番号と口座名義)も記憶している。このようなキャッシュカードは、キャッシュカードに記録されている銀行口座の情報によって特定される銀行口座から電気料金を自動引落しするという電力事業者と需要家との契約の下、電力事業者によって発行されるカードである。
【0032】
検針用カード301については先に説明した。
【0033】
プリペイドカードは、プリペイドIDを記憶している。このようなプリペイドカードは、プリペイドカードにチャージされている金額から電気料金を自動引落しするという電力事業者と需要家との契約の下、電力事業者によって発行されるカードである。需要家は、電力事業者からプリペイドカードを購入することができ、その際、その購入金額に応じた金額がプリペイドカードにチャージされている。
【0034】
デビットカードは、一般的なデビットカードである。デビットカードは、デビットカードであることを示すデビットIDを記憶している。
【0035】
したがって、プロセッサ151は、メモリ152が記憶するカード種別を識別するための属性コードを参照することで、カードリーダ157が読み取ったカードの種別を判定することができる。この際、カードが記憶するカード種別を識別するためのID(利用ID、検針ID、プリペイドID、デビットID)が参照されることは言うまでもない。
【0036】
図5は、プロセッサ151が実行する処理の流れの概略を示すフローチャートである。プロセッサ151は、カードリーダ157によるカード読み取りを判定すると(ステップS101のYES)、カード種別を判定する(ステップS102)。その判定の結果、利用IDであれば(ステップS103のYES)、読み取ったカードはキャッシュカードなので、利用処理を実行する(ステップS105)。また、検針IDであれば(ステップS104のYES)、読み取ったカードは検針用カード301なので、検針処理を実行する(ステップS106)。利用IDでも検針IDでもなければ(ステップS103のNO、ステップS104のNO)、読み取ったカードはプリペイドカードまたはデビットカードなので、決済処理を実行する(ステップS107)。
【0037】
なお、本実施の形態では、キャッシュカードであろうと検針用カード301であろうとプリペイドカードであろうとデビットカードであろうと、カードをカード差込口104に指しっ放しにはしない。カード差込口104に差し込んだカードを所期の目的達成後に引き抜くべきことは、一例として、表示器102にインストラクションで示される。別の一例として、カードリーダ157を自動ローディング方式とし、カード差込口104に差し込まれたカードを自動で排出するようにしてもよい。
【0038】
図6は、図5に示すフローチャート中の利用処理(図5のステップS105)の流れを示すフローチャートである。利用処理において、需要家に対する給電の開始および停止のための処理が実行される。給電の開始および停止は、電力事業者が需要家に提供するキャッシュカードに基づいて行なわれる。このため、キャッシュカードの記録内容である需要家の名前(氏名または名称)および銀行口座の情報(銀行口座番号と口座名義)に変更があれば、その変更も、利用処理において行なわれる。以下、図5に示すフローチャートに沿って説明する。
【0039】
まず、プロセッサ151による処理内容を説明する前に、給電停止中と給電中とにおける電力量測定装置101の状態を確認する。電力量測定装置101は、給電停止中、ブレーカ159をオフにし、引込線側(図示せず)から屋内配線側(図示せず)への給電を遮断している。この際、電力量測定装置101は、メモリ152の記憶領域152Bに、利用者IDも利用者情報も登録していない。これに対して、電力量測定装置101は、給電中、ブレーカ159をオンにし、引込線側(図示せず)から屋内配線側(図示せず)への給電を回復している。この際、電力量測定装置101は、メモリ152の記憶領域152Bに、利用者IDおよび利用者情報を登録している。
【0040】
そこで、プロセッサ151は、カード読み取りに基づき実行される利用処理として、まず、メモリ152に利用者IDが登録されているかどうかを判定する(ステップS201)。この判定の結果、メモリ152に利用者IDが登録されていなければ(ステップS201のNO)、電力量測定装置101が給電停止中なので、電力事業者に要求される利用者情報の新規登録または更新のための処理と、給電回復のための処理とを実行する。
【0041】
つまり、プロセッサ151は、外部通信装置161を用いて、電力事業者の営業所に設置されているコンピュータに向けて、利用者情報の新規登録または更新のための情報をデータ送信する(ステップS202)。このとき営業所のコンピュータにデータ送信する情報は、図5のステップS101でカード読み取りを判定したキャッシュカードに記録されている利用者IDおよび利用者情報(需要家の名前および銀行口座の情報)、並びに、機器IDを含む利用開始コマンド(給電開始の宣言)である。図示しないが、営業所のコンピュータは、電力量測定装置101からデータ受信した情報をデータベース(図示せず)に登録する。このデータベースは、機器IDに、電力量測定装置101が設置されている建物の住所をリンク付けしている。そこで、営業所のコンピュータは、電力量測定装置101からデータ受信した情報をデータベースに登録すれば、電力量測定装置101が設置されている建物あるいは建物内の部屋と需要家とを対応付けて管理することができる。ここに、電力事業者に要求される利用者情報の新規登録または更新が果たされる。
【0042】
営業所のコンピュータは、電力量測定装置101から情報をデータ受信すると、送信元の電力量測定装置101に向けて受信確認を返す。そこで、プロセッサ151は、受信確認をデータ受信すると(ステップS203のYES)、給電開始のための処理を開始する(ステップS204)。つまり、図5のステップS101でカード読み取りを判定したキャッシュカードに記録されている利用者IDおよび利用者情報(需要家の名前および銀行口座の情報)をメモリ152の記憶領域152Bに登録する。そして、ブレーカ159をオンにし、電力量測定装置101に接続している引込線側(図示せず)から屋内配線側(図示せず)への給電を回復させる。
【0043】
プロセッサ151は、メモリ152に利用者IDが登録されていると判定した場合(ステップS201のYES)、利用者IDの同一性を確認する(ステップS205)。つまり、図5のステップS101でカード読み取りを判定したキャッシュカードに記録されている利用者IDとメモリ152に登録されている利用者IDとの一致不一致を判定する(ステップS205)。本実施の形態では、ある需要家に給電している場合、他の者の電力利用を拒絶する。このため、ステップS205で不一致を判定したならば(ステップS205のNO)、エラー処理となる。これに対して、ステップS205で一致を判定した場合には(ステップS205のYES)、今度は利用者情報の一致不一致を判定する(ステップS206)。
【0044】
ステップS206で利用者情報の不一致を判定した場合というのは(ステップS206のNO)、現在給電を受けている需要家と同一の需要家であるが、電力事業者がその者に提供したキャッシュカードに登録されている需要家の名前(氏名または名称)か、銀行口座の情報(銀行口座番号と口座名義)かのいずれか一方または両方が相違している場合である。これは、需要家が名前を変えたか、銀行口座の情報を変えたことに伴い、電力事業者がその需要家にキャッシュカードを再発行した場合に発生する。そこで、このような場合、プロセッサ151は、外部通信装置161を用いて、電力事業者の営業所に設置されているコンピュータに向けて、利用者情報の変更のための情報をデータ送信する(ステップS207)。このとき営業所のコンピュータにデータ送信する情報は、図5のステップS101でカード読み取りを判定したキャッシュカードに記録されている利用者IDおよび利用者情報(需要家の名前および銀行口座の情報)、並びに、機器IDを含む変更コマンド(変更の宣言)である。この場合にも、営業所のコンピュータは、電力量測定装置101からデータ受信した情報をデータベース(図示せず)に登録する。これにより、営業所のコンピュータは、利用者IDで管理される需要家について、その者の名前が変わったか、銀行口座の情報が変わったという事実を管理することができる。ここに、電力事業者に要求される利用者情報の更新が果たされる。
【0045】
営業所のコンピュータは、電力量測定装置101から情報をデータ受信すると、送信元の電力量測定装置101に向けて受信確認を返す。そこで、プロセッサ151は、受信確認をデータ受信すると(ステップS208のYES)、電力量測定装置101における利用者情報の変更処理を開始する(ステップS209)。つまり、メモリ152の記憶領域152Bに記憶している利用者情報を、図5のステップS101でカード読み取りを判定したキャッシュカードに記録されている利用者情報(需要家の名前および銀行口座の情報)に書き換える。
【0046】
本実施の形態では、給電停止中の電力量測定装置101のカード差込口104にキャッシュカードを差し込むことで給電が開始し、同じキャッシュカードを再びカード差込口104に差し込むことで給電を停止させる。あるいは、利用者情報に変更が生じてキャッシュカードを再発行してもらった場合、その再発行されたキャッシュカードをカード差込口104に差し込めば、利用者情報の変更処理を行なう。この場合には、再発行後のキャッシュカードを再びカード差込口104に差し込むことで給電を停止させる。
【0047】
そこで、プロセッサ151は、ステップS206で利用者情報の一致を判定すると(ステップS206のYES)、給電停止の処理を実行する。つまり、プロセッサ151は、外部通信装置161を用いて、電力事業者の営業所に設置されているコンピュータに向けて、給電停止のための情報をデータ送信する(ステップS210)。このとき営業所のコンピュータにデータ送信する情報は、図5のステップS101でカード読み取りを判定したキャッシュカードに記録されている利用者ID、および、機器IDを含む利用停止コマンド(給電停止の宣言)である。この場合にも、営業所のコンピュータは、電力量測定装置101からデータ受信した情報をデータベース(図示せず)に登録する。これにより、営業所のコンピュータは、利用者IDで管理される需要家について、給電の停止を管理することができる。ここに、電力事業者に要求される利用者情報の更新が果たされる。
【0048】
営業所のコンピュータは、電力量測定装置101から情報をデータ受信すると、送信元の電力量測定装置101に向けて受信確認を返す。そこで、プロセッサ151は、受信確認をデータ受信すると(ステップS211のYES)、給電停止のための処理を開始する(ステップS212)。つまり、メモリ152の記憶領域152Bに記憶している利用者IDおよび利用者情報(需要家の名前および銀行口座の情報)をクリアし、メモリ152の記憶領域152Aに記憶している当月使用量のカウント値をクリアする(0に戻す)。そして、ブレーカ159をオフにし、電力量測定装置101に接続している引込線側(図示せず)から屋内配線側(図示せず)への給電を停止させる。
【0049】
図7は、図5に示すフローチャート中の検針処理(図5のステップS106)の流れを示すフローチャートである。本実施の形態は、電力事業者側の検針員が、個々の電力量測定装置101の設置場所に赴き、検針を行なうことを前提としている。この際、検針員が所持する検針端末201には、需要家の利用者情報を利用者IDで管理するデータベースから、検針を行なう電力量測定装置101に対応付けられた各種の情報をダウンロードしておく。このような事前準備の下、実際の検針は、検針用カード301を電力量測定装置101のカード差込口104に差し込むことによって行なわれる。プロセッサ151は、検針用カード301がカード差込口104に差し込まれると、カード読み取りを判定し(図5のステップS101のYES)、検針IDを判定し(図5のステップS104のYES)、検針処理を実行する(図5のステップS106、図7)。
【0050】
プロセッサ151は、検針処理として、まず、メモリ152の記憶領域152Bに利用者IDが登録されているかどうかを確認する(ステップS301)。登録ありを確認すると(ステップS301のYES)、カードリーダ157を用いて、メモリ152の記憶領域152Bに登録されている利用者IDと共に、記憶領域152Aが記憶している「使用量」および「当月使用量」のカウント値を検針用カード301のICチップ(図示せず)に書き込む。そして、メモリ152の記憶領域152Bに記憶されている「当月使用量」のカウント値をクリアし、処理を終了する。こうして、検針用カード301には、電力量測定装置101の電力使用量の累計値(「使用量」)と、当月分のみの電力使用量の値(「当月使用量」)とが記録される。
【0051】
これに対して、プロセッサ151は、メモリ152の記憶領域152Bに利用者IDが登録されていなければ(ステップS301のNO)、不使用である旨を表示器102に表示し(ステップS304)、処理を終了する。
【0052】
検針員は、利用者IDと共に電力使用量の値が書き込まれた検針用カード301を検針端末201のカード差込口206に差し込む。すると、検針用カード301に書き込まれた情報が検針端末201に移され、個々の電力量測定装置101について、利用者ID、住所、電力使用量の累計値、および電力の当月使用量についてのデータが得られる。そこで、これを検針端末201から無線によって営業所のコンピュータに送信するか、あるいは営業所に戻って別の手法で営業所のコンピュータに入力する。こうして、検針作業を完了することができる。
【0053】
プロセッサ151は、検針処理に際して、電力使用量の値を検針用カード301に書き込んだ後、電力量測定装置101のメモリ152の記憶領域152Bに記憶されている「当月使用量」のカウント値をクリアする(ステップS303)。これによって、記憶領域152Bに記憶されている「当月使用量」に、前回の検針時から今回の検針時までの当月分の値をとらせることが可能となる。そこで、一例として、営業所のコンピュータでは、今回検針して得た電力量測定装置101の電力使用量の累計値(「使用量」)から前回の検針で得た電力使用量の累計値(「使用量」)を引いた値が、今回検針して得た当月分のみの電力使用量の値(「当月使用量」)と一致しているかどうかを検算する。これにより、故障や不測の事態の発生を早期に発見することが可能となる。
【0054】
図8は、図5に示すフローチャート中の決済処理(図5のステップS107)の流れを示すフローチャートである。まず、決済処理の流れを説明する前に、その背景について説明する。前述したように、キャッシュカードは、キャッシュカードに記録されている銀行口座の情報によって特定される銀行口座から電気料金を自動引落しするという電力事業者と需要家との契約の下、電力事業者によって発行されるカードである。したがって、電力事業者は、キャッシュカードを電力量測定装置101のカード差込口104に差し込んで開始された電力供給に対する電気料金を、キャッシュカードから取得した銀行口座の情報によって特定される銀行口座から引き落とすことができる。
【0055】
これに対して、キャッシュカードによる銀行引落しは、キャッシュカードによって特定される銀行口座に課金される電気料金以上の金額が預金されていて始めて可能となる。ところが、各種の事情により、預金金額がショートしてしまい、キャッシュカードによる銀行引落しを果たせない可能性がある。このようなことが三ヶ月程度続くと、電力事業者は、その需要家に対する電力供給を一時的に停止する。本実施の形態では、電力事業者のコンピュータから、通信回線網(図示せず)を介して、対象となる電力量測定装置101に向けて切断命令を送信する。プロセッサ151は、外部通信装置161を介して切断命令を受信すると、ブレーカ159に切断信号を入力する。これにより、ブレーカ159は、電力量測定装置101に接続している引込線側(図示せず)から屋内配線側(図示せず)への給電を遮断する。
【0056】
このような電気料金滞納に伴う給電停止を解除する場合、従来は、需要家からの電気料金支払いを確認した後、給電を回復するようにしている。ところが、従来手法によれば、電気料金の支払いから給電回復まで、ある程度のタイムラグが発生してしまう。そこで、本実施の形態では、そのようなタイムラグの発生なしに給電を回復する手立てとして、決済処理(図5のステップS107、図8)を実行する。
【0057】
プロセッサ151は、決済処理として、図5のステップS101でカード読み取りを判定したカードがプリペイドカードなのかデビットカードなのかを判定する。つまり、そのカードに登録されているのが、プリペイドIDなのか、デビットIDなのかを判定する(ステップS401、ステップS402)。いずれでもなければ、エラー処理を実行する(ステップS403)。
【0058】
プロセッサ151は、プリペイドIDを判定すると(ステップS401のYES)、外部通信装置161を用いて、そのプリペイドカードにチャージされているプリペイド金額と給電回復要請とを含むプリペイド情報を電力事業者のコンピュータ(図示せず)に送信する。電力事業者のコンピュータは、受信したプリペイド情報に含まれているプリペイド金額が、対象となる需要家が支払いを滞納している電気料金の金額以上であることを確認すると、プリペイドカードから引き落すべき金額を含む決済情報を電力量測定装置101に返す。プロセッサ151は、決済情報を受信すると(ステップS405のYES)、回復決済処理を実行する(ステップS406)。ここでの回復決済処理というのは、プリペイドカードから決済情報に含まれている金額を引き落し、ブレーカ159をオンにして給電を回復する処理である。
【0059】
プロセッサ151は、デビットIDを判定すると(ステップS402のYES)、暗証番号の入力処理を実行する(ステップS407)。この処理は、デビットカードの使用を欲する需要家に、テンキー107による暗証番号の入力を許容する処理である。プロセッサ151は、暗証番号が入力されたならば、照合処理に移る(ステップS408)。この処理は、デビットカードに登録されている暗証番号と入力された暗証番号とを照合する処理である。プロセッサ151は、暗証番号の照合がとれたならば、外部通信装置161を用いて、デビット決済する旨の宣言と給電回復要請とを含むデビット情報を電力事業者のコンピュータ(図示せず)に送信する(ステップS409)。電力事業者のコンピュータは、対象となる需要家が支払いを滞納している電気料金の金額を含む決済情報を電力量測定装置101に返す。プロセッサ151は、決済情報を受信すると(ステップS410のYES)、回復決済処理を実行する(ステップS411)。ここでの回復決済処理というのは、デビット決済をし、これが承認された場合にブレーカ159をオンにして給電を回復する処理である。デビット決済は、外部通信装置161を用いて、デビットカードの承認機関のコンピュータにデビットカードによる決済情報を送信する処理である。給電の回復は、決済機関によってデビット決済が承認されたことを待って行なう。プロセッサ151は、デビット決済が承認されなければ、給電の回復を行なわないことは勿論のこと、外部通信装置161を用いて、その旨を電力事業者のコンピュータに送信する。
【0060】
以上説明したように、本実施の形態によれば、電力の需要家を識別する利用者IDと利用者情報(その者の名前および銀行口座の情報)とを記録するキャッシュカードを需要家に提供しておき、その需要家が転居した場合、転居前の建物の電力量測定装置101が備えるカードリーダ157でキャッシュカードの情報を読み取らせるだけで給電の停止を行なうことができるようにする。また、転居後の建物の電力量測定装置101が備えるカードリーダ157でキャッシュカードの情報を読み取らせるだけで給電の開始を行なうことができるようにする。また、転居後の建物の電力量測定装置101が備えるカードリーダ157でキャッシュカードの情報を読み取らせると、電力事業者のコンピュータに読み取った利用者IDおよび利用者情報を送信することができるので、電力事業者のコンピュータにて利用者情報の更新を行なうことができる。さらに、電力事業者のコンピュータに送信する利用者情報には銀行口座の情報を含ませているので、電気料金の自動引落しも行なうことができる。これは、キャッシュカードが決済機能を持つことを前提とする。したがって、本実施の形態によれば、電力の需要家が転居するに際して、利用者情報の更新、電気料金の自動引落し手続、および給電の開始停止作業についての負担を一挙に軽減することができる。
【0061】
また、本実施の形態によれば、給電が開始した後、需要家の名称または銀行口座の情報を含む利用者情報に変更が発生した場合、変更後の利用者情報が登録されているキャッシュカードの情報をカードリーダ157で読み取らせるだけで、そのような利用者情報の変更処理を行なうことができる。したがって、給電を停止することなく、しかも容易に利用者情報の変更を完了することができる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、キャッシュカードの情報を読み取るカードリーダ157で検針用カード301の情報を読み取るだけで、検針用カード301に電力使用量のデータを書き込むことができ、このデータを検針端末201に移すことができる。したがって、ハードウェア資源の共通化や操作手順の共通化を図ることができる。
【0063】
さらに、本実施の形態によれば、電力使用量の累積値に加えて当月のみの電気使用量の値が表示器102に表示される。これにより、需要家にとっても検針員にとっても、電力使用量の把握が容易になる。
【符号の説明】
【0064】
101 電力量測定装置
102 表示器
152 メモリ
157 カードリーダ(データ読取装置、通信装置)
159 ブレーカ(断路器)
161 外部通信装置
301 検針用カード(記録媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引込線側と屋内配線側との間に介在して電力使用量を測定する機能を有する電力量測定装置おいて、
切断信号と接続信号とに応じて前記引込線側から前記屋内配線側への給電を断続する断路器と、
通信回線網を介して外部のコンピュータとデータ通信を実行する外部通信装置と、
電力の需要家を識別する識別情報とその者の名前および銀行口座の情報を含む利用者情報とを記録する記録媒体から識別情報および利用者情報を読み取るデータ読取装置と、
識別情報と利用者情報とを記憶して登録するメモリと、
前記データ読取装置が前記記録媒体から情報を読み取った場合、前記メモリに識別情報が登録されていないことを条件に、前記外部通信装置を用いて電力事業者の前記コンピュータに前記読み取った識別情報および利用者情報と共に給電開始の宣言を送信し、前記読み取った識別情報を前記メモリに登録し、前記断路器に対して接続信号を出力する給電開始処理を実行する開始手段と、
前記データ読取装置が前記記録媒体から情報を読み取った場合、前記メモリに前記読み取った識別情報と同一の識別情報が登録されていることを条件に、前記外部通信装置を用いて電力事業者の前記コンピュータに前記読み取った識別情報と共に給電停止の宣言を送信し、前記メモリから識別情報および利用者情報を消去し、前記断路器に対して切断信号を出力する給電停止処理を実行する停止手段と、
を備える、ことを特徴とする電力量測定装置。
【請求項2】
前記読み取った識別情報を前記メモリに登録するに際して、前記読み取った利用者情報も前記メモリに登録する手段と、
前記メモリに前記読み取った識別情報と同一の識別情報が登録されている場合、前記メモリに登録されている利用者情報が前記読み取った利用者情報と同一である同一状態か非同一である非同一状態かを判定する手段と、
前記同一状態を判定した場合には前記給電停止処理を実行し、前記非同一状態を判定した場合には前記外部通信装置を用いて電力事業者の前記コンピュータに前記読み取った識別情報および利用者情報と共に変更の宣言を送信して前記メモリの登録内容を前記読み取った利用者情報に書き換える変更処理を実行する手段と、
を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の電力量測定装置。
【請求項3】
前記データ読取装置が前記記録媒体から情報を読み取った場合、当該読み取った情報に基づいて前記記録媒体が需要家用のものか検針用のものかを判定する手段と、
前記記録媒体が需要家のものであると判定した場合には前記処理のうちいずれか一の処理を実行し、前記記録媒体が検針用のものであると判定した場合には当該記録媒体に用意されている書き込み自在の記憶領域に電力使用量のデータを書き込む検針処理を実行する手段と、
を備える、ことを特徴とする請求項1または2に記載の電力量測定装置。
【請求項4】
前記検針処理は、前記記録媒体に搭載されているICチップとデータ送受信を行なう通信装置によって前記ICチップが有している前記記憶領域に電力使用量のデータを書き込む、
ことを特徴とする請求項3に記載の電力量測定装置。
【請求項5】
表示器に当月の電力使用量を表示する手段と、
前記検針処理の度に前記表示器に表示する当月の電力使用量を0に戻す手段と、
を備える、ことを特徴とする請求項3または4に記載の電力量測定装置。
【請求項6】
前記外部通信装置を介して電力事業者の前記コンピュータから受信した切断命令に応じて、前記断路器に切断信号を与える手段と、
前記データ読取装置が決済可能な記録媒体から情報を読み取った場合、前記外部通信装置を用いて電力事業者の前記コンピュータに前記メモリに登録されている識別情報を送信し、当該コンピュータから滞納金額の情報を受信する手段と、
前記受信した滞納金額分の金銭を前記決済可能な記録媒体から決済し、前記断路器に接続信号を与える手段と、
を備える、ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一に記載の電力量測定装置。
【請求項7】
前記データ読取装置は、カード型の前記記録媒体から情報を読み取るカードリーダである、ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一に記載の電力量測定装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−257250(P2011−257250A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131543(P2010−131543)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】