説明

電力量管理システムおよび画像形成装置

【課題】可能な限り不公平感の生じない消費電力量の管理を行うことができる電力量管理システムを提供すること。
【解決手段】画像形成装置である複写機は、「ウォームアップ」終了時、「プロセス立ち上げ」終了時、「画像形成」終了時、「スタンバイ」終了時等のステータス終了時毎に、そのステータスの間に複写機で消費された電力量を当該ステータスと対応付けて管理装置へ通知する。管理装置は、ステータス「画像形成」と対応付けられた電力量については、IDコードで特定される部門の「部門消費電力量」として累計する。一方、「画像形成」以外のステータスと対応付けられた電力量については、全て共同負担電力量として累計する。そして、管理装置は、共同負担電力量として累計された電力量を各部門に分配する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンターなどの画像形成装置のための電力量管理システム、および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境破壊の問題や経費節減に鑑み、省エネルギー対策が種々の分野で講じられているが、複写機やプリンターなどの画像形成装置の分野もその例外ではない。企業などにおいて複写機は複数の部門間で共有されることが多いため、部門毎に消費電力量を管理することにより、当該複写機で消費される総電力量を抑制するといったことが行われている。
【0003】
例えば、所定期間(例えば、一箇月)における部門毎の消費電力量の上限を設け、当該上限を超える使用を制限したり、あるいは、部門毎に消費電力量を集計し、消費電力量分の電気代を当該部門の経費として計上することにより無駄な使用を抑制したりするといったことがなされている。
各部門の消費電力量を管理するに際し、特許文献1では、ある部門がコピーをする場合、ウォームアップ/復帰モードからラン(run)モードを経てスタンバイモードが終了するまでの間の消費電力量をそのコピーにおける消費電力量とし、これを部門毎に累計するといったことがなされている(特許文献1の段落[0035]、図5)。
【0004】
これによれば、部門毎に消費電力量が累計できるため、上述した使用の制限や、部門毎のコピー(電気代)経費の計上が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−245401号公報
【特許文献2】特開2002−292977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、同じ量のコピーであっても、それを実行するタイミングによって当該コピーに対して計上される消費電力量が異なってしまう場合がある。例えば、複写機の電源投入後直ぐに、コピーを実行した場合は、ウォームアップに多くの時間を要し、あるコピーの終了直後に別のコピーを実行した場合には、ウォームアップが不要か、したとしても極めて短時間になってしまう。このような場合には、同じコピー量であるにもかかわらず、ウォームアップに要する時間の差に応じて消費電力量が異なってしまう。
【0007】
このため、例えば、午前中の早い時間や残業時間中などの複写機があまり頻繁に使用されない時間帯に当該複写機を利用する機会の多い部門に対する消費電力量の方が、複写機が頻繁に使用される時間帯に当該複写機を利用する機会の多い部門に対する消費電力量よりも多くなり勝ちとなり、部門間で不公平感が生じてしまう。
本発明は、上記した課題に鑑み、可能な限り不公平感の生じない消費電力量の管理を行うことができる電力量管理システム、および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る電力量管理システムは、少なくとも一の画像形成装置と、当該画像形成装置と通信可能に接続され、当該画像形成装置における消費電力量を管理する管理装置とからなる電力量管理システムであって、前記画像形成装置は、グループ分けされた各使用者から受け付けた画像形成ジョブを実行する画像形成装置であり、画像形成ジョブを発行した使用者の属するグループを特定する情報を取得する取得手段と、当該画像形成ジョブの実行中に消費された電力量を、当該ジョブを発行した使用者のグループ毎に前記管理装置に通知する第1の通知手段と、画像形成ジョブの実行中以外のときに消費された電力量を前記管理装置に通知する第2の通知手段と、を有し、前記管理装置は、前記第1の通知手段により通知される電力量を前記グループ毎に累計する第1の累計手段と、前記第2の通知手段により通知される電力量を累計する第2の累計手段と、前記第2の累計手段により累計された電力量を前記各グループに分配する分配手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、前記画像形成装置は、記録シート収納部から記録シートを給紙し、当該記録シートに画像を形成した後、排紙部へ排出する画像形成装置であって、前記第1の通知手段が通知する電力量は、受け付けた画像形成ジョブにおける1枚目の記録シートの給紙開始から最終の記録シートの前記排紙部への排出までの間に当該画像形成装置で消費された電力量であることを特徴とする。
【0010】
さらに、前記第1の通知手段が通知する電力量には、前記画像形成ジョブの中断中に消費された電力量が含まれないことを特徴とする。
また、前記分配手段は、前記第2の累計手段により累計された電力量を前記各グループに均等に分配することを特徴とする。
あるいは、前記分配手段は、前記第1の累計手段で累計されたグループ毎の電力量の割合に応じて、前記第2の累計手段により累計された電力量を前記各グループに分配することを特徴とする。
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、グループ分けされた各使用者から受け付けた画像形成ジョブを実行すると共に、前記グループ毎に、消費した電力量を管理する画像形成装置であって、画像形成ジョブを発行した使用者の属するグループを特定する情報を取得する取得手段と、当該画像形成ジョブの実行中に消費された電力量を、当該ジョブを発行した使用者のグループ毎に累計する第1の累計手段と、画像形成ジョブの実行中以外のときに消費された電力量を累計する第2の累計手段と、前記第2の累計手段により累計された電力量を各グループに分配する分配手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、前記画像形成装置は、記録シート収納部から記録シートを給紙し、当該記録シートに画像を形成した後、排紙部へ排出する画像形成装置であって、前記第1の累計手段が累計する電力量は、受け付けた画像形成ジョブにおける1枚目の記録シートの給紙開始から最終の記録シートの前記排紙部への排出までの間に当該画像形成装置で消費された電力量であることを特徴とする。
【0013】
さらに、前記第1の累計手段が累計する電力量には、前記画像形成ジョブの中断中に消費された電力量が含まれないことを特徴とする。
また、前記分配手段は、前記第2の累計手段により累計された電力量を前記各グループに均等に分配することを特徴とする。
あるいは、前記分配手段は、前記第1の累計手段で累計されたグループ毎の電力量の割合に応じて、前記第2の累計手段により累計された電力量を前記各グループに分配することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
上記の構成からなる電力量管理システムによれば、画像形成ジョブの実行中に消費された電力量が、当該ジョブを発行した使用者のグループ毎に第1の累計手段により累計され、画像形成ジョブの実行中以外のときに消費された電力量が第2の累計手段によって累計され、当該第2の累計手段によって累計された電力量が各グループに分配される。
これにより、画像形成ジョブの実行中に消費された電力量は、グループ毎に累計される一方、画像形成ジョブの実行のタイミングによっては、例えば、ウォームアップ中の消費電力量のように発生したりしなかったり、あるいは、その大きさが変動する電力量が、一括して累計された上で、各グループに分配されるため、上記した不公平感を低減することができる。
【0015】
上記の構成からなる画像形成装置によれば、画像形成ジョブの実行中に消費された電力量が、当該ジョブを発行した使用者のグループ毎に第1の累計手段により累計され、画像形成ジョブの実行中以外のときに消費された電力量が第2の累計手段によって累計され、当該第2の累計手段によって累計された電力量が各グループに分配されるため、上述した電力量管理システムと同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】電力量管理システムの概略構成を示す図である。
【図2】上記電力量管理システムを構成する複写機の概略構成を示す図である。
【図3】上記複写機が備える操作パネルの平面図である。
【図4】上記複写機が備える制御ユニットの概略構成を示す図である。
【図5】(a)は、上記制御ユニットのCPU内部に設けられたステータスフラグを示す図であり、(b)は、上記制御ユニットのRAMに設けられたステータス名格納部を示す図である。
【図6】(a)は、管理装置の機能ブロック図の一部であり、(b)は、管理装置の記憶部に設けられた消費電力量管理テーブルであり、(c)は同記憶部に設けられた共同負担電力量格納部であり、(d)は同記憶部に設けられたIDコード格納部である。
【図7】ジョブ受付処理等の内容を示したフローチャートである。
【図8】消費電力量通知処理の内容を示したフローチャートである。
【図9】電力量累計処理の内容を示したフローチャートである。
【図10】ジョブ実行可否判定処理の内容を示したフローチャートである。
【図11】複写機と管理装置との間のやりとりの一例を示したシーケンス図である。
【図12】管理テーブル等更新処理の内容を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る電力量管理システムの実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施の形態では、電力量の管理対象とする画像形成装置について、タンデム型のカラーデジタル複写機(以下、単に「複写機」という。)を例にとって説明する。
電力量管理システム1は、図1に示すように、複数の複写機2と管理装置3を有し、複写機2と管理装置3とがLAN5を介して相互に通信可能に接続されて構成されている。
<複写機>
[全体構成]
図2は、実施の形態に係る複写機2の全体の概略構成を示す図である。同図に示すように複写機2は、大きく分けて原稿画像を読み取るイメージリーダー部4と、読み取った画像を記録シート上にプリントして再現するプリンター部6とから構成されている。
【0018】
イメージリーダー部4は自動原稿搬送装置8を有している。自動原稿搬送装置8は、原稿トレイ10にセットされた原稿を1枚ずつ原稿ガラス板(不図示)へと搬送する公知のものである。
また、イメージリーダー部4は、自動原稿搬送装置8によって原稿ガラス板の所定位置に搬送された原稿の画像をスキャナの移動によって読み取る公知のものであって、スキャナに設置された露光ランプの照射により得られた原稿画像を、CCDカラーイメージセンサー(以下、単に「CCDセンサー」という)により電気信号に変換した後、さらにA/D変換して、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の多値デジタル信号からなる画像データを得る。
【0019】
イメージリーダー部4で得られた各色成分毎の画像データは、制御ユニット12において各種のデータ処理を受け、更にシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)の各再現色の画像データに変換される(以下、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各再現色をY、M、C、Kと表し、各再現色に関連する構成部分の番号にこのY、M、C、Kを添字として付加する)。
【0020】
当該画像データは、制御ユニット12内の画像メモリ80(図4参照)に再現色ごとに格納され、記録シートの供給と同期して後述するタイミングで走査ラインごと読み出されて対応するLEDアレイ14Y,14M,14C,14Kの駆動信号となる。
プリンター部6は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、転写ベルト16と、転写ベルト16を張架する駆動ローラー18、従動ローラー20、バックアップローラー22、転写ベルト16に対向して転写ベルト16の走行方向に沿って所定間隔で配置されたY、M、C、Kの各色の作像部24Y,24M,24C,24Kと、記録シートを給送する給紙部26と、定着部28とからなる。
【0021】
各作像部24Y,…,24Kは、像担持体である感光体ドラム30Y,30M,30C,30Kと当該感光体ドラム表面を露光走査するためのLEDアレイ14Y,…,14Kの外に、公知の帯電チャージャ、現像器、クリーナ(いずれも符号不記入)、および1次転写ローラー32Y,…,32Kなどからなる。
給紙部26は、記録シートを収納する給紙カセット34と、この記録シートを給紙カセット34から繰り出すためのピックアップローラー36、後述する2次転写ローラー38に送り出すタイミングをとるためのレジストローラー40などからなる。
【0022】
各感光体ドラム30Y,…,30Kは、LEDアレイ14Y,…,14Kによる露光を受ける前にクリーナで表面の残存トナーが除去された後、帯電チャージャにより一様に帯電されており、このように一様に帯電した状態で上記レーザ光による露光を受けると、感光体ドラム30Y,…,30Kの表面に静電潜像が形成される。
各静電潜像は、それぞれ各色の現像器により現像され、これにより感光体ドラム30Y,…,30K表面にY,M,C,Kのトナー像が形成され、各転写位置において転写ベルト16の裏面側に配設された1次転写ローラー32Y,…,32Kの静電的作用により、転写ベルト16の表面上に順次転写されていく。
【0023】
この際、各色の作像動作は、そのトナー像が、走行する転写ベルト16の同じ位置に重ね合わせて転写されるようにすべく、上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
一方、給紙部26からは、上記した転写ベルト16への作像タイミングに合わせて、給紙カセット34から記録シートが給紙され、2次転写ローラー38とバックアップローラー22とが対向する位置(以下、「2次転写位置」と言う。)へと搬送される。
【0024】
当該2次転写位置において、2次転写ローラー38の静電的作用により、転写ベルト16上のトナー像が記録シートへ再転写(2次転写)される。
トナー像が転写された記録シートは、さらに、定着部28にまで搬送される。定着部28の定着ローラー42は内部ヒータを備え、記録シートは、ここで高熱で加圧され、その表面のトナー粒子がシート表面に融着して定着された後、排紙ローラー44によって排紙部である排紙トレイ46上に排出される。
【0025】
また、記録シートの搬送方向における、ピックアップローラー36の下流側直後には、給紙カセット34からの記録シートの給紙開始を検出するため、記録シートの先端を検出するためのセンサー48が設けられている。さらに、排紙ローラー44の上流側直前には、記録シートが排紙トレイ46へ排出されるのを検出するため、記録シートの後端を検出するためのセンサー50が設けられている。
【0026】
なお、複写機2は電源ユニット52を介して商用電源より電力の供給を受けており、電源ユニット52には複写機2で消費される電力量を測定するための電力量計54(図4)が備えられている。電力量計54は、いわゆる積算電力計であり、複写機2で消費される電力量を計測して表示する。なお。電力量計54は、後述する所定のタイミングでリセットされ、リセット時からの消費電力量を計測する。
【0027】
さらに複写機2は、蓄電池56を有しており、電源ユニット52の主電源スイッチ(不図示)がオフされた状態でも、制御ユニット12は蓄電池56から電力が供給されて、駆動可能となっている。
[操作パネル]
複写機2上面の操作しやすい位置には、操作パネル58が設けられている。
【0028】
図3は、操作パネル58の正面図である。液晶タッチパネル60は、動作モードや紙詰まりや用紙切れのメッセージを表示し、また、メッセージに応じて動作モードを設定するためのタッチキーを兼ねている。テンキー62は、コピー枚数を設定するキーである。クリアキー64はコピー枚数を1にリセットするキーである。スタートキー66は、コピーを開始させるキーである。ストップキー68は、コピー動作を停止するキーである。パネルリセットキー70は、濃度やコピー倍率等のコピー条件を標準値に戻すキーである。
【0029】
IDキー72は、コピー開始前にテンキー62で入力される4桁のIDコード(暗証番号)を確定するためのキーである。複写機2は、複数の部門で共用されるため、部門毎の電力量管理をおこなう目的で、各部門にIDコードが付与されている。IDコードは、対応する部門に所属する者(使用者)のみに開示されており、複写機2は、コピーしようとする使用者が、自身の属する部門のIDコードを入力してからでないと、コピー(ジョブ)を受け付けないようになっている。
【0030】
まず使用者が、テンキー62でIDコードを入力し、IDキー72を押下すると、入力されたIDコードがバッファメモリ(不図示)に格納される。その後、使用者がコピースタートキー66を押下すると、コピー動作が開始されると共に、バッファメモリ内のIDコードが後述するRAM78(図4)のIDコード格納領域(不図示)に記憶される。RAM78に記憶されたIDコードは、コピースタートキー66の押下によって開始されたジョブの実行が終了すると、消去されるようになっている。したがって、前記IDコード格納領域を参照することで、いずれかの部門のジョブが実行中であるか否かの判定と、実行されている場合に、どの部門のジョブなのかを特定することができる。
【0031】
なお、IDコードは、使用者の属する部門を表す部門Noと対応づけられて、後述する不揮発性メモリ82(図4)に格納されている。
[制御ユニット]
図4に、制御ユニット12の構成を示す。制御ユニット12は、CPU74、ROM76、RAM78等を備えている。CPU74は、ROM76、RAM78、画像メモリ80、および不揮発性メモリ82と接続されている。ROM76には、CPU74が実行するプログラムが格納されている。また、RAM78は作業用メモリである。画像メモリ80は、イメージリーダー部4が読み取った原稿の画像データやネットワークIF部84から入力された画像データを一時的に格納するメモリである。
【0032】
なお、ネットワークに接続されている複数の複写機2の各々は、その識別No.(以下、「複写機No.」と言う。)で識別され、当該ネットワークを介して他の機器と通信する際には、必ず複写機No.によって、送信元を明らかにするようになっている。
画像メモリ80は十分な容量を有し、複数毎の原稿の画像データを記憶することができる。不揮発性メモリ82はバックアップ用である。
【0033】
CPU74は、電源を切る際に、RAM78に記憶されているコピー条件、および画像メモリ80に記憶されている画像データといった画像形成に関するデータを、バックアップ用の不揮発性メモリ82に転送して記憶させる。CPU74は、次の電源投入時に不揮発性メモリ82に記憶されているデータを参照して、電源が切られる直前の状態を再現する(レジューム機能)。
【0034】
イメージリーダー部4、プリンター部6、および操作パネル58は、それぞれCPUを備えている。CPU74は、イメージリーダー部4、プリンター部6、操作パネル58、電源ユニット52、およびネットワークIF部84のそれぞれとシリアル通信をおこない、これらが協調して動作するように制御する。なお、イメージリーダー部4、プリンター部6、操作パネル58はそれぞれ専用のCPUを備えている。また、電源ユニット52は、前述のように、電力量計54を備えており、CPU74からの指示により電力量を示すカウンタ(不図示)をリセットしたり、CPU74からの要求に応じて前記カウンタが示す現在値を通知したりする。
【0035】
上述したように、CPU74は、イメージリーダー部4その他の各部を統括的に制御する関係上、複写機2の状態(ステータス)を常に把握している。CPU74は、その内部に、現時点がどのステータスであるかを示すフラグをステータスの種類に応じた個数分有している。
図5(a)に、上記フラグ86A〜86Hを示す。フラグ86A〜86Hは、ウォームアップ、プロセス立ち上げ、…、中断のステータス毎に設けられており、CPU74は、ステータスが切り換わる度に、切換え前のステータスに対応するフラグをリセットし、切換え後のステータスに対応するフラグをセットする。図5(a)に示す例では、ステータス「画像形成」に対応するフラグ86Dがセットされており、複写機2は、画像形成中(画像形成状態)、すなわち、画像形成ジョブ実行中であることを示している。
【0036】
ここで、各ステータスについて、以下に説明する。
「ウォームアップ」は、定着ローラー42(図2)を定着可能な設定温度(定着温度)まで昇温させている状態である。
「プロセス立ち上げ」は、感光体ドラム30Y,30M,30C,30K(図2)が設定速度で安定に回転するまで回転駆動している状態である。
【0037】
「画像安定化」は、転写ベルト16(図2)上に形成される各色トナー像の相対的な位置ずれを補正すること等を目的とし、転写ベルト16に各色毎にトナーパッチを形成して、これを検出し、検出結果に基づいて、感光体ドラム30Y,30M,30C,30Kの露光走査のタイミングなどを補正する処理等をしている状態である。
「画像形成」は、受け付けた画像形成ジョブを実行している状態である。ここで、画像形成ジョブの実行中とは、受け付けた画像形成ジョブにおける1枚目の記録シートの給紙開始から最終の記録シートの排紙トレイ46への排出までの間をいう。具体的には、1枚目の記録シートの先端がセンサー48(図1)で検出された時点から最終の記録シートの後端がセンサー50で検出された時点までの間を画像形成ジョブの実行中としている。
【0038】
なお、1枚目の記録シートの給紙開始から最終の記録シートの排紙トレイ46への排出までの間に、後述する中断要因により当該ジョブの実行が中断された場合には、当該中断中は、「画像形成」状態には含まないこととしても構わない。
「プロセス立ち下げ」は、感光体ドラム30Y,30M,30C,30K(図2)の劣化を防止するために、感光体ドラム30Y,…,30Kの表面を除電し、帯電チャージャ等の電源をOFFし、感光体ドラム30Y,…,30Kの回転を停止させるまでの一連の処理をしている状態である。
【0039】
「スタンバイ」は、省電力を目的とし、定着ローラー42を定着温度よりも少し低い温度に維持して待機している状態である。
「低電力モード」は、制御ユニット12にのみ電力が供給され、定着部28や液晶タッチパネル60のバックライト(不図示)等への給電が遮断された状態であって、画像形成ジョブの受付けのみが可能な状態である。「低電力モード」が、主電源スイッチがオンされた状態では、最も消費電力の少ない状態である。
【0040】
「中断」は、記録シート搬送中に生じる紙詰まり(いわゆる、ジャム)やトナー切れなどの要因により、画像形成が途中で止まっている状態である。すなわち、画像形成ジョブの中断中の状態である。
また、RAM78には、フラグ86A〜86Hの上記切り換えに際し、切り替え後のフラグ(新たにセットされたフラグ)に対応するステータス名を格納するステータス名格納領域88が設けられている。ステータス名格納領域88の書き換えは、フラグ86A〜86Hの切り替えと同時に行うのではなく、後述するように、フラグ切り換え後、ステータス名格納領域88に格納されているステータス名(すなわち、フラグ切り換え前のステータス名)を管理装置3(図1)に送信した後に行う。
<管理装置>
管理装置3(図1)として、例えば、パーソナルコンピューターが用いられる。
【0041】
図6(a)に、管理装置3の機能ブロック図の一部を示す。
管理装置3は、CPU90と記憶部92とを有する。CPU90には、入力IF部94を介して、入力手段であるキーボード、マウスが接続されている。また、CPU90は、ネットワークIF部96を介して、LANに接続され、複写機2と通信可能となっている。
【0042】
図6(b)に、記憶部92に設けられた消費電力量管理テーブル98(以下、単に「管理テーブル98」と言う。)を示す。
管理テーブル98は、複写機2で消費される電力量を管理するためのテーブルであって、前記部門No毎に、IDコード、上限電力量、部門消費電力量、部門負担電力量を格納するテーブルである。
【0043】
上限電力は、所定の期間(本例では、一月)において、対応する部門No.の部門に割り当てられる電力量[Wh]である。
部門消費電力量は、複写機2のステータスが「画像形成」の間に、すなわち画像形成ジョブの実行中に、複写機2で消費される電力量[Wh]である。
部門負担電力量は、複写機2のステータスが「画像形成」以外の間に、複写機2で消費された電力量を、後述する割合で各部門に分配し、分配した電力量を前記部門消費電力量に加えた電力量[Wh]である。
【0044】
記憶部92には、また、図6(c)に示す共同負担電力量格納部100が設けられている。共同負担電力量格納部100には、複写機2のステータスが「画像形成」以外のときに、複写機2で消費された電力量の累計が格納される。
記憶部92には、さらに、図6(d)に示すIDコード格納部102が設けられている。IDコード格納部102は、複写機2を識別する前記複写機No.と対応付けてIDコードを格納するようになっている。IDコード格納部102には、複写機2から送信されるIDコードが、対応する複写機No.の欄に一時的に格納される。
【0045】
続いて、複写機2と管理装置3で実行される各種の処理を図7〜図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
<ジョブ受付処理等>
図7は、複写機2の制御ユニット12のCPU74で実行されるジョブ受付処理等のプログラムについてフローチャートである。
【0046】
CPU74は、操作パネル58を介してIDコードを受け付けると(ステップS1でYes)、すなわち、画像形成ジョブを発行する使用者の属するグループを特定する情報であるIDコードを取得する取得手段である操作パネル58を介して当該IDコードを取得すると、取得したIDコードが登録されているか否か(ステップS2)、すなわち、取得したIDコードが不揮発性メモリ82に格納されているか否かをチェックする。
【0047】
登録されていなければ(ステップS2でNo)、液晶タッチパネル60に「登録されていません。」と言った旨の表示をして(ステップS3)、プログラムを終了する。
一方、登録されている場合には(ステップS2でYes)、スタートキー66の押下を待つ(ステップS4)。
スタートキー66が押下されると(ステップS4でYes)、受け付けたIDコードを複写機No.と対応付けて管理装置3へ送信し(ステップS5)、当該IDコードが付与された部門に属する使用者に対するコピー可否の通知が管理装置3からなされるのを待つ(ステップS6)。なお、管理装置3においてなされるコピー可否の判定については後述する。
【0048】
そして、不許可通知がなされた場合は(ステップS7でNo)、液晶タッチパネル60に「割当電力量を超えているため、使用できません」といった旨の不許可表示をして(ステップS8)、プログラムを終了する。
一方、許可通知がなされると、画像形成ジョブを実行し(ステップS9)、当該ジョブの終了(ステップS10でYes)と共に、プログラムを終了する。
<消費電力量通知処理>
図8は、複写機2の制御ユニット12のCPU74で実行される消費電力量通知処理のプログラムについてのフローチャートである。
【0049】
複写機2の主電源スイッチがONされると(ステップS11でYes)、CPU74は電力量計54のカウンタをリセットし(ステップS12)、ステータスフラグをセットする(ステップS13)と共に、ステータス名をステータス名格納部88(図5(b))に格納する。通常、この場面では、「ウォームアップ」フラグ86A(図5(a))がセットされ、ステータス名格納部88には「ウォームアップ」が格納される。
【0050】
CPU74は、ステータスが切り換わると、すなわち、セットされるステータスフラグ86A〜86Hを切り換えると(ステップS15でYes)、ステータス名格納部88に格納されているステータス名とそのときに電力量計54のカウンタで示される電力量とを複写機No.と対応付けて、管理装置3に通知する(ステップS16)。通知されるステータス名は、(ステータス名格納部88のステータス名は更新されていないので)フラグ切り換え前のステータスを表し、通知される電力量は、当該ステータスの間に複写機2が消費した電力量となる。
【0051】
ステータス名と電力量とを通知すると(ステップS16)、CPU74は、電力量計54のカウンタをリセットする(ステップS17)と共に、ステータス切り換え後のステータス名をステータス名格納部88に上書きで格納する(更新する。)。
上記ステップS16〜S18の処理を、主電源スイッチがOFFされない(ステップS19でNo)間、ステータスが切り換わる度に実行する。
【0052】
主電源スイッチがOFFされると(ステップS19でYes)、そのときにステータス名格納部88に格納されているステータス名と電力量計54のカウンタで示される電力量とを複写機No.と対応付けて、管理装置3に通知し(ステップS20)、プログラムを終了する。ステップS20の処理はステップS16の処理と同様である。なお、当該処理をする際には、CPU74には、蓄電池56から電力が供給される。
【0053】
上記の処理によれば、複写機2のステータスが切り換わる度に、切り換わる前のステータスの間に消費された電力量が当該ステータス名と対応付けられて、管理装置3に通知されることとなる。
この場合に、操作パネル58で受け付けたIDコードに対応する部門に許可された画像形成ジョブの実行中にステータスは「画像形成」になるため、ステータス名「画像形成」と対応付けて通知される電力量は、当該部門毎に管理装置3に通知されることとなる。
<電力量累計処理>
図9は、管理装置3のCPU90(図6(a))で実行される電力量累計処理のプログラムについてのフローチャートである。
【0054】
なお、図9、図10、図12で示すフローチャートをその内容とするプログラムは、CPU90のメインルーチン(不図示)の1周期に1回起動されるサブルーチンである。
CPU90は、複写機2からステータス名と電力量を受信すると(ステップS21でYes)、受信したステータス(名)が「画像形成」か、それ以外かの判断を行う(ステップS22)。
【0055】
「画像形成」の場合は(ステップS22でYes)、対応する複写機No.のIDコード格納部102(図6(d))に格納されているIDコードを参照し、管理テーブル98(図6(d))の当該IDコードに対応する「部門消費電力量」欄に格納されている電力量に受信した電力量を加算して、当該「部門消費電力量」欄を更新する(ステップS23)。これにより、画像形成ジョブの実行中に消費された電力量が、当該ジョブを発行した使用者の属する部門毎に累計されることとなる。
【0056】
一方、受信したステータス(名)が「画像形成」以外の場合は(ステップS22でNo)、共同負担電力量格納部100(図6(c))に格納されている電力量に受信した電力量を加算して、共同負担電力量格納部100の電力量を更新する(ステップS24)。これにより、画像形成ジョブの実行中以外のときに消費された電力量が累計されることとなる。
<ジョブ実行可否判定処理>
図10は、管理装置3のCPU90(図6(a))で実行されるジョブ実行可否判定処理のプログラムについてのフローチャートである。
【0057】
CPU90は、複写機2からIDコードを受信すると、IDコード格納部102(図6(d))の複写機No.に対応するIDコード格納欄に、受信したIDコードを上書きで格納した(ステップS32)後、部門負担電力量を演算する(ステップS33)。
部門負担電力量は、以下のようにして求める。
先ず、共同負担電力量格納部100(図6(c))に格納されている電力量を、管理テーブル98に登録されている部門の数で除する(等分する)。除して得られた電力量を「個別負担電力量」と言うこととする。そして、個別負担電力量に各部門の部門消費電力量を加えて得た電力量を、部門負担電力量として、管理テーブル98において対応する部門の「部門負担電力量」に上書きで格納する。
【0058】
上記のようにして部門負担電力量が求まると(ステップS33)、管理テーブル98(図6(b))を参照し、IDコード格納部102(図6(d))の送信元の複写機No.に対応するにIDコード格納欄に格納されているIDコードに対応する部門の部門負担電力量と上限電力量とを比較する(ステップS34)。
その結果、部門負担電力量が上限電力量未満の場合は(ステップS34でYes)、当該部門に属する使用者によるコピー(画像形成ジョブ)の実行を許可すべく、送信元の複写機2に許可通知を送信する(ステップS35)。
【0059】
一方、部門負担電力量が上限電力量以上になっている場合は(ステップS34でNo)、当該部門に属する使用者によるコピー(画像形成ジョブ)の実行を制限すべく、送信元の複写機2に不許可通知を送信する(ステップS36)。
<消費電力量管理処理の一例>
図7〜図10を用いて説明した処理によってなされる、複写機2と管理装置3との間のやりとりの一例について、図11に示すシーケンス図を参照しながら説明する。なお、ここでは、複写機No.の送信については逐一言及しないこととする。
【0060】
複写機2で受け付けられたIDコードが管理装置3へ送信されると(図7、ステップS5)、管理装置3は、これにより送信元の複写機3によってこれからコピー(画像形成)をしようとする部門を特定する(図10、ステップS31,32)。
管理装置3は、当該部門に対するジョブ実行可否判定をし(図10、ステップS33,34)、その結果を、前記IDコード送信元の複写機2へ返信する(図10、ステップS35またはS36)。図11に示すのは、実行許可通知が送信された場合である(図10、ステップS35)。
【0061】
複写機2は、自機のステータス(図5(a))が切り換わる度に(図8、ステップS15)、切り替え前のステータス名と前回切換時から今回切換時までの間に自機で消費された電力量とを対応付けて、管理装置3へ送信する(図8、ステップS16)。
図11に示す例では、ウォームアップ終了時、プロセス立ち上げ終了時、画像形成終了時、スタンバイモード終了時の各々で、そのステータスの間に消費された電力量が管理装置3へ送信されている。
【0062】
これを受けた管理装置3は、ステータス「画像形成」と対応付けられた電力量については、管理テーブル98(図6(b))における、上記ジョブの実行を許可した部門に対応する「部門消費電力量」に累計する(図9、ステップS23)。
「画像形成」以外のステータスと対応付けられた電力量については、全て共同負担電力量格納部100(図6(c))に累計する(図9、ステップS24)。
【0063】
なお、図11に示す例ではないが、画像形成ジョブが中断された場合には、中断中に消費された電力量は、ステータス「中断」と対応付けられて複写機2から管理装置3へ送信されるため、当該電力量は、共同負担電力量として累計される。画像形成ジョブの中断が1回であると、当該画像形成ジョブ実行中に消費された電力量は、当該中断前後に2回に分けてなされることとなる。
【0064】
以上、本実施の形態に係る電力量管理システム1によれば、複写機2は、先ず、IDコードの送信により、複写機2を使用する使用者の属する部門を特定した後、複写機2において画像形成ジョブの実行中に消費された電力量は、ステータス「画像形成」と対応付けて、管理装置3に通知する。また、画像形成ジョブの実行中以外のときに消費された電力量は、「画像形成」以外のステータスと対応付けて、管理装置3に通知する。
【0065】
管理装置3は、ステータス「画像形成」と対応付けて送信される電力量を、前記IDコードで特定される部門毎に累計すると共に、「画像形成」以外のステータスと対応付けて送信される電力量を、共同負担電力量として累計する。
そして、共同負担電力量として累計された電力量は、各部門に分配され、分配後の各部門における消費電力量(部門負担電力量)に基づいて、各部門の複写機の使用が制限されることになる。
<管理テーブル等更新処理>
図12は、管理装置3のCPU90(図6(a))で実行される管理テーブル等更新処理のプログラムについてのフローチャートである。
【0066】
本実施の形態においては、上記したように電力量管理は月単位でおこなっており、当該管理テーブル等更新処理は、月末が経過した時点で、管理テーブル98等の更新を目的とする処理である。なお、管理期間は月単位に限らず、日単位や週単位あるいは年単位など、任意の期間に設定し得ることは言うまでもない。
先ず、CPU90は、現在の日時を確認し(ステップS41)、確認した日時が月締めの日時(例えば、月の末日の午後12時00分)か否かを判定し(ステップS42)、月締めの日時でない場合には(ステップS42でNo)、ステップS43〜S45をスキップしてリターンする。
【0067】
一方、月締めの日時であった場合には、ステップS43へ進み、管理テーブル98の格納内容を別途保存した(ステップS43)後、管理テーブル98の更新を行う(ステップS44)。すなわち、全部門の部門消費電力量と部門負担電力量とを「0」にリセットする。
ステップS44に続いて、共同負担電力量格納部100を「0」にリセットして(ステップS45)、リターンする。
【0068】
なお、ステップS43で管理テーブル98の内容を別途保存するのは、以下の目的のためである。すなわち、管理期間終了時の部門負担電力量に応じ、当該部門負担電力量分の電気代を対応する部門の経費として計上する課金処理のためである。なお、別途保存した管理テーブルの内容は、管理装置3として用いているパソコンのモニターを介して閲覧することができる。
【0069】
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上記の形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下の形態とすることもできる。
(1)複写機の使用者をグループである部門に分けたが、グループは部門に限らないことは言うまでもなく、複写機の共同使用形態に応じて適宜決定されるものである。また、IDコードが付与されるグループの構成員は、複数に限らず1人でも構わない。この場合には、当該個人にIDコードが付与されるに等しいことから、使用者毎の管理(個人管理)が可能になる。
(2)上記実施の形態では、共同負担電力量格納部100(図6(c))に格納されている電力量を、各部門に均等に分配したが、これに限らず、部門消費電力量の割合に応じて分配することとしても構わない。
【0070】
すなわち、分配する電力量を以下のよう決定しても構わない。
部門No.1、No.2、No.3、…、No.n(nは、正の整数)で特定される各部門の部門消費電力量をそれぞれ、L1、L2、L3、…、Lnとし、共同負担電力量をMとした場合に、
各部門に分配する個別負担電力量P1、P2、P3、…、Pnの各々を、
P1=M×{L1/(L1+L2+L3+…+Ln)}
P2=M×{L2/(L1+L2+L3+…+Ln)}
P3=M×{L3/(L1+L2+L3+…+Ln)}

Pn=M×{Ln/(L1+L2+L3+…+Ln)}
とする。
【0071】
この場合、部門No.1、No.2、No.3、…、No.nの部門負担電力量D1、D2、D3、…、Dnの各々は、
D1=L1+P1
D2=L2+P2
D3=L3+P3

Dn=Ln+Pn
となる。
(3)上記実施の形態では、複写機2から管理装置3へ、ステータス「画像形成」と対応つけて通知される電力量がどの部門に対応するかを、これに先立って送信されるIDコードによって特定したが、これに限らず、ステータス「画像形成」と電力量とを当該IDコードと対応付けて通知することとしても構わない。
(4)上記実施の形態では、管理装置3を複数の複写機(図1の図示例では、3台)とネットワークを介して接続し、これら複写機における消費電力量の管理をしたが、管理装置3と接続される複写機(管理対象となる複写機)の台数は1台でも構わない。
(5)上記実施の形態では、管理装置を複写機とは別個に設けたが、これに限らず、複写機に内蔵させる構成としても構わない。すなわち、CPU90(図6(a))に相当するCPUを制御ユニット12(図4)に追加し、管理テーブル98、共同負担電力量格納部100、IDコード格納部102を不揮発性メモリ82に設ける。そして、図9、図10、図12のフローチャートに対応するプログラムをROM76に格納し、必要に応じて当該プログラムを実行することとする。
【0072】
この場合に、管理装置を内蔵した当該複写機と管理装置を有しない他の複写機とをネットワークを介して接続し、管理装置を内蔵した複写機によって、前記他の複写機の消費電力量の管理も一括して行うようにしても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明に係る電力量管理システムは、例えば、共同で使用される複写機のユーザー毎の消費電力量の管理に好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 電力量管理システム
2 カラーデジタル複写機
3 管理装置
52 電力量計
58 操作パネル
74 CPU
90 CPU
98 消費電力量管理テーブル
100 共同負担電力量格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一の画像形成装置と、当該画像形成装置と通信可能に接続され、当該画像形成装置における消費電力量を管理する管理装置とからなる電力量管理システムであって、
前記画像形成装置は、グループ分けされた各使用者から受け付けた画像形成ジョブを実行する画像形成装置であり、
画像形成ジョブを発行した使用者の属するグループを特定する情報を取得する取得手段と、
当該画像形成ジョブの実行中に消費された電力量を、当該ジョブを発行した使用者のグループ毎に前記管理装置に通知する第1の通知手段と、
画像形成ジョブの実行中以外のときに消費された電力量を前記管理装置に通知する第2の通知手段と、
を有し、
前記管理装置は、
前記第1の通知手段により通知される電力量を前記グループ毎に累計する第1の累計手段と、
前記第2の通知手段により通知される電力量を累計する第2の累計手段と、
前記第2の累計手段により累計された電力量を前記各グループに分配する分配手段と、
を有することを特徴とする電力量管理システム。
【請求項2】
前記画像形成装置は、記録シート収納部から記録シートを給紙し、当該記録シートに画像を形成した後、排紙部へ排出する画像形成装置であって、
前記第1の通知手段が通知する電力量は、受け付けた画像形成ジョブにおける1枚目の記録シートの給紙開始から最終の記録シートの前記排紙部への排出までの間に当該画像形成装置で消費された電力量であることを特徴とする請求項1に記載の電力量管理システム。
【請求項3】
前記第1の通知手段が通知する電力量には、前記画像形成ジョブの中断中に消費された電力量が含まれないことを特徴とする請求項2に記載の電力量管理システム。
【請求項4】
前記分配手段は、前記第2の累計手段により累計された電力量を前記各グループに均等に分配することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力量管理システム。
【請求項5】
前記分配手段は、前記第1の累計手段で累計されたグループ毎の電力量の割合に応じて、前記第2の累計手段により累計された電力量を前記各グループに分配することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力量管理システム。
【請求項6】
グループ分けされた各使用者から受け付けた画像形成ジョブを実行すると共に、前記グループ毎に、消費した電力量を管理する画像形成装置であって、
画像形成ジョブを発行した使用者の属するグループを特定する情報を取得する取得手段と、
当該画像形成ジョブの実行中に消費された電力量を、当該ジョブを発行した使用者のグループ毎に累計する第1の累計手段と、
画像形成ジョブの実行中以外のときに消費された電力量を累計する第2の累計手段と、
前記第2の累計手段により累計された電力量を各グループに分配する分配手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成装置は、記録シート収納部から記録シートを給紙し、当該記録シートに画像を形成した後、排紙部へ排出する画像形成装置であって、
前記第1の累計手段が累計する電力量は、受け付けた画像形成ジョブにおける1枚目の記録シートの給紙開始から最終の記録シートの前記排紙部への排出までの間に当該画像形成装置で消費された電力量であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1の累計手段が累計する電力量には、前記画像形成ジョブの中断中に消費された電力量が含まれないことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記分配手段は、前記第2の累計手段により累計された電力量を前記各グループに均等に分配することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記分配手段は、前記第1の累計手段で累計されたグループ毎の電力量の割合に応じて、前記第2の累計手段により累計された電力量を前記各グループに分配することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−90092(P2013−90092A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227948(P2011−227948)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】