電力量表示装置、電力量表示システム、電力量表示方法、制御プログラムおよび記録媒体
【課題】生産施設において、生産性および製品の品質を確保しながら、生産設備の消費電力量を低減することを容易にする。
【解決手段】生産設備3の消費電力量、生産設備3が供給した生産数、および、生産設備3の環境状態を示す設備物理量をそれぞれ取得して、それらの履歴を同一画面上に表示させるとともに、表示内容を所定の周期で更新する。
【解決手段】生産設備3の消費電力量、生産設備3が供給した生産数、および、生産設備3の環境状態を示す設備物理量をそれぞれ取得して、それらの履歴を同一画面上に表示させるとともに、表示内容を所定の周期で更新する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産設備の消費電力量を表示する電力量表示装置、電力量表示システム、電力量表示方法、制御プログラムおよび記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭や企業等において、経済的や環境的な観点から電力を消費する電気機器毎に電力量を計測し、個々の電気機器で実際に消費されている電力量を容易に把握できるようにして省電力化を図ることが行われている。それに伴い、省電力化を実行するために、電気機器の消費電力量を計測してユーザに通知する様々な電力量計測システムが開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、電気機器の消費電力量と、電気機器が使用される環境の指標となる物理量とを計測し、同じ期間に計測した消費電力量および物理量を同時にグラフ表示する電力量計測システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−59072号公報(2011年3月24日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、工場等の製品を生産する生産施設では、生産性および製品の品質を確保しながら、消費電力量を下げなければならない。特許文献1では、エアコンディショナ等の電気機器を想定しており、製品を生産する生産設備を想定していない。そのため、特許文献1に記載の電力量計測システムが通知する物理量は、単に電気機器の外部環境を示すデータであり、電気機器の生産性および電気機器がもたらす物の品質に関連するデータではない。よって、生産施設に特許文献1の技術を適用しても、生産性および製品の品質を確保しながら、消費電力量を下げることは困難である。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、生産施設において、生産性および製品の品質を確保しながら、生産設備の消費電力量を低減することを容易にする電力量表示装置、電力量表示システム、電力量表示方法、制御プログラムおよび記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電力量表示装置は、上記課題を解決するために、生産設備の消費電力量を表示する電力量表示装置であって、上記生産設備の消費電力量を示す消費電力量データ、上記生産設備が供給した生産数を示す生産数データ、および、上記生産設備の環境状態を示す設備物理量を示す設備物理量データをそれぞれ取得するデータ取得手段と、上記データ取得手段が取得した上記消費電力量データ、生産数データおよび設備物理量データが示す消費電力量、生産数および設備物理量の履歴を同一画面上に表示させるとともに、表示内容を所定の周期で更新する表示制御手段とを備えることを特徴としている。
【0008】
本発明に係る電力量表示方法は、上記課題を解決するために、生産設備の消費電力量を表示する電力量表示方法であって、上記生産設備の消費電力量を示す消費電力量データ、上記生産設備が供給した生産数を示す生産数データ、および、上記生産設備の環境状態を示す設備物理量を示す設備物理量データをそれぞれ取得するデータ取得ステップと、上記データ取得ステップにおいて取得された上記消費電力量データ、生産数データおよび設備物理量データが示す消費電力量、生産数および設備物理量の履歴を同一画面上に表示させるとともに、表示内容を所定の周期で更新する表示制御ステップとを含むことを特徴としている。
【0009】
上記の構成によれば、上記表示制御手段は、上記データ取得手段が取得した上記消費電力量データ、生産数データおよび設備物理量データが示す消費電力量、生産数および設備物理量の履歴を同一画面上に表示させるとともに、表示内容を所定の周期で更新する。そのため、ユーザは、表示が更新されるたびに、その時点での消費電力量、生産数および設備物理量の値および変化を同時に確認することができる。よって、ユーザは、表示されている情報に基づいて、生産性および品質を維持すると共に省電力化を図るための行動を表示された時点でとることができるという効果を奏する。
【0010】
ここで、例えば、上記表示制御手段が表示を更新する更新周期が、上記消費電力量、生産数および設備物理量を計測する計測周期と同期している場合、ユーザは、現在の生産設備の消費電力量、生産数および設備物理量の値および変化を同時に確認することができる。そのため、ユーザは、現在の生産設備の消費電力量、生産数および設備物理量に基づいて、生産性および品質を維持すると共に省電力化を図るための行動をリアルタイムでとることができる。
【0011】
また、本発明に係る電力量表示装置は、上記表示制御手段が表示を更新する更新周期は、上記生産設備が実行する一工程にかかる時間である工程時間の自然数倍の時間であることが好ましい。
【0012】
上記の構成によれば、上記表示制御手段は、消費電力量、生産数および設備物理量を工程時間の自然数倍の時間ごとに更新して表示する。そのため、上記電力量表示装置は、上記電力量表示装置の負荷を抑制しながら、ユーザが現在の状態に応じて生産性および品質を維持すると共に省電力化を図るための行動をとるために十分な情報を提供することができる。
【0013】
また、本発明に係る電力量表示装置は、上記データ取得手段は、消費電力量の目標値および設備物理量の適正範囲が規定されている管理値情報を取得し、
上記表示制御手段は、上記データ取得手段が取得した上記管理値情報に基づいて、上記消費電力量、生産数および設備物理量と共に、消費電力量の目標値および設備物理量の適正範囲を同一画面上に表示することが好ましい。
【0014】
上記の構成によれば、上記表示制御手段は、上記消費電力量、生産数および設備物理量と共に、消費電力量の目標値および設備物理量の適正範囲を同一画面上に表示する。そのため、ユーザは、表示されている時点または過去の消費電力量が目標値に到達しているか否か、表示されている時点または過去の設備物理量が適正範囲内であるか否か等を確認することができる。よって、ユーザは、生産性および品質を維持すると共に省電力化を図るために、具体的にどのような行動をとればいいか等を判断することができる。
【0015】
また、本発明に係る電力量表示装置は、上記生産設備は、生産施設内に複数設置されており、ユーザからの操作指示を受け付ける入力手段と、上記表示制御手段は、上記入力手段に入力されたユーザの指示信号に基づいて、或る生産設備の消費電力量、生産数および設備物理量と、1または複数の生産設備から成るラインの消費電力量、生産数および設備物理量と、生産施設内の全生産設備の消費電力量、生産数および設備物理量とを切り替えて表示することが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、上記表示制御手段は、ユーザの指示に基づいて、表示する消費電力量、生産数および設備物理量の単位を、生産設備単位、ライン単位、生産施設単位に切り替えて表示する。よって、ユーザが生産設備単位、ライン単位、生産施設単位の消費電力量、生産数および設備物理量を容易に確認することができる。
【0017】
また、本発明に係る電力量表示システムは、生産設備の消費電力量を表示する電力量表示システムであって、請求項3に記載の電力量表示装置と、上記消費電力量データ、生産数データおよび設備物理量データを収集して、上記電力量表示装置に送信するデータ収集装置とを含み、上記データ収集装置は、上記管理値情報を設定する管理値設定手段と、上記管理値設定手段が設定した上記管理値情報を上記電力量表示装置に送信するデータ送信手段とを備えることが好ましい。
【0018】
また、本発明に係る電力量表示システムは、上記データ収集装置は、さらに、上記生産設備が供給した生産物の品質の程度を示す品質レベルを示す品質データを収集し、上記管理値設定手段は、過去に収集した消費電力量データ、設備物理量データおよび品質データに基づいて、上記管理値情報を生成することが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、上記管理値設定手段は、過去に収集した消費電力量データ、設備物理量データおよび品質データに基づいて、上記管理値情報を生成する。例えば、上記管理値設定手段は、過去のデータにおいて、生産物の品質がある程度以上であったときの最低消費電力量に基づいて、消費電力量の目標値を設定する。また、例えば、そのため、生産物の品質がある程度以上であったときの設備物理量の上限値および下限値に基づいて、設備物理量の適正範囲を設定する。よって、上記管理値設定手段は、自動的に最適な目標値および適正範囲等の管理値を設定することができる。
【0020】
また、本発明に係る電力量表示システムは、上記電力量表示装置は、ユーザからの操作指示を受け付ける入力手段と、上記入力手段に入力されたユーザの指示信号を送信する信号送信手段とをさらに備え、上記データ収集装置の上記管理値設定手段は、受信したユーザの指示信号に従って、上記管理値情報を設定することが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、上記管理値設定手段は、上記ユーザの指示信号に基づいて、上記管理値情報を設定する。そのため、ユーザが最適な目標値および適正範囲等の管理値を判断して管理値情報を設定することができる。
【0022】
また、本発明に係る電力量表示システムは、上記管理値設定手段は、現在設定されている管理値情報に基づいて、新たな管理値情報を設定することが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、上記管理値設定手段は、現在設定されている管理値情報に基づいて、新たな管理値情報を設定する。そのため、上記管理値設定手段は、現在の状態に基づいて、容易に最適な管理値情報を設定することができる。
【0024】
また、本発明に係る電力量表示システムは、上記管理値設定手段が、過去に収集した消費電力量データのうち所定の参照期間の消費電力量データに対して所定の演算を行うことによって上記管理値情報を生成することが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、所定の参照期間の消費電力量データに対して所定の演算が行われることによって管理値情報が生成される。よって、ユーザが管理値を設定する手間を省いた上で、過去のデータに基づいた的確な管理値を設定することが可能となる。
【0026】
また、本発明に係る電力量表示システムは、上記参照期間が、ユーザによって選択された期間であることが好ましい。
【0027】
上記の構成によれば、管理値情報の演算の根拠となる上記参照期間が、ユーザによって選択された期間となる。よって、例えば参照期間を前月としたり、前年の同月としたり、過去の特定の期間としたりすることが可能となる。よって、各生産現場における生産状況に応じて適切な参照期間を設定して、管理値情報を設定することができる。
【0028】
また、本発明に係る電力量表示システムは、上記管理値情報が、1日における所定の時分毎に設定されていることが好ましい。
【0029】
上記の構成によれば、管理値情報が、1日における所定の時分毎に設定されているので、時間帯ごとに管理値情報を設定することができる。また、所定の時分毎に管理値情報が設定される場合、ユーザが全てを個別に設定することは非常に手間がかかる作業となる。これに対して、上記の構成によれば、所定の参照期間の消費電力量データに対して所定の演算が行われることによって管理値情報が生成されるので、ユーザの手間を大幅に削減することができる。
【0030】
また、本発明に係る電力量表示システムは、上記管理値設定手段が、上記参照期間のうち、ユーザによって指定された特定の種別の日の消費電力量データに対して所定の演算を行い、上記特定の種別の日として、特定の曜日、生産設備稼働日、および、生産設備非稼働日の少なくともいずれか1つが指定されることが好ましい。
【0031】
上記の構成によれば、上記参照期間のうち、特定の種別の日の消費電力量データに基づいて管理値情報を設定することができる。よって、曜日によって生産状況が変化する場合にも適切に管理値情報を設定することができる。また、生産設備稼働日、および、生産設備非稼働日を区別して、過去の実績から管理値情報を設定することが可能となる。
【0032】
また、本発明に係る電力量表示システムは、上記電力量表示装置と、上記データ収集装置とが一体の装置であってもよい。この場合、例えばPC1台で上記電力量表示装置の機能と、上記データ収集装置の機能とを実現することができる。
【0033】
なお、上記電力量表示装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記電力量表示装置の各手段として動作させることにより、上記電力量表示装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0034】
以上のように、本発明に係る電力量表示装置は、上記生産設備の消費電力量を示す消費電力量データ、上記生産設備が供給した生産数を示す生産数データ、および、上記生産設備の環境状態を示す設備物理量を示す設備物理量データをそれぞれ取得するデータ取得手段と、上記データ取得手段が取得した上記消費電力量データ、生産数データおよび設備物理量データが示す消費電力量、生産数および設備物理量の履歴を同一画面上に表示させるとともに、表示内容を所定の周期で更新する表示制御手段とを備えている構成である。
【0035】
また、本発明に係る電力量表示方法は、上記生産設備の消費電力量を示す消費電力量データ、上記生産設備が供給した生産数を示す生産数データ、および、上記生産設備の環境状態を示す設備物理量を示す設備物理量データをそれぞれ取得するデータ取得ステップと、上記データ取得ステップにおいて取得された上記消費電力量データ、生産数データおよび設備物理量データが示す消費電力量、生産数および設備物理量の履歴を同一画面上に表示させるとともに、表示内容を所定の周期で更新する表示制御ステップとを含む。
【0036】
そのため、ユーザは、表示が更新されるたびに、その時点での消費電力量、生産数および設備物理量の値および変化を同時に確認することができる。よって、ユーザは、表示されている情報に基づいて、生産性および品質を維持すると共に省電力化を図るための行動を表示された時点でとることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、端末の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記端末を含む電力量表示システムの概要の一例を示す図である。
【図3】上記電力量表示システムに含まれるデータ収集保持装置の要部構成を示すブロック図である。
【図4】工場全体の消費電力量等を日単位で示す電力量表示画面の一例を示す図である。
【図5】工場全体の消費電力量等を月単位で示す電力量表示画面の一例を示す図である。
【図6】ICパッケージ内の生産設備の消費電力量等を示す電力量表示画面の一例を示す図である。
【図7】管理値の設定時に表示される管理値設定画面の一例を示す図である。
【図8】上記データ収集保持装置のデータ収集処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】上記データ収集保持装置のデータ送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】上記端末の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】管理値設定部が管理値演算を行う際の各種パラメータを設定するパラメータ設定画面の一例を示す図である。
【図12】上記データ収集保持装置の別の構成例の要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の一実施形態について図1から図10に基づいて説明すると以下の通りである。
【0039】
〔電力量管理システムの構成〕
まず、図2に基づいて、本実施形態に係る電力量表示システムについて説明する。図2は、本実施形態に係る電力量表示システム8の概要の一例を示す図である。図2に示すように、電力量表示システム8は、事務所6内に設置されているデータ収集保持装置(データ収集装置)1および事務所端末2a、並びに、工場7内に設置されている工場端末2b、生産設備3a〜3cおよびデータ計測装置4a〜4cを含む。
【0040】
データ収集保持装置1は、工場7内の生産設備3a〜3cの消費電力量等を示すデータを収集して保持するものである。データ収集保持装置1は、有線通信手段または無線通信手段によって、事務所端末2a、工場端末2bおよびデータ計測装置4a〜4cと接続している。データ収集保持装置1は、例えば、サーバ等の情報処理装置である。データ収集保持装置1の詳細な構成および機能は後述する。
【0041】
事務所端末2aは、データ収集保持装置1が収集した生産設備3a〜3cの消費電力量等を事務所6のユーザに通知するためのものである。事務所端末2aは、少なくともデータを受信して、受信したデータが示す内容をユーザに通知する機能を備えていればよい。
【0042】
工場端末2bは、データ収集保持装置1が収集した生産設備3a〜3cの消費電力量等を工場7のユーザに通知するためのものである。工場端末2bは、事務所端末2aと同じ機能を備えている。以下では、事務所端末2aおよび工場端末2bを区別しない場合、事務所端末2aおよび工場端末2bを総称して端末(電力量表示装置)2と称する。
【0043】
端末2は、例えば、PC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の端末またはデジタルテレビ、ディスプレイ等の表示装置などである。端末2の詳細な構成および機能は後述する。
【0044】
生産設備3a〜3cは、電気によって動作するものであって、製品の生産活動に直接関係する設備である。生産設備3a〜3cは、例えば、機械・装置類、治工具類、運搬・貯蔵施設等であり、1または複数の電気機器から成るものである。以下では、生産設備3a〜3cをそれぞれ区別しない場合、生産設備3a〜3cを総称して生産設備3と称する。
【0045】
また、換言すると、製品の生産工程を機能的に分割し、生産設備3は、その分割された一工程を実行するものである。生産設備3を1または複数含む機能的な集合をラインと称する。つまり、製品の生産工程は、1または複数のラインから成る。なお、製品の生産工程の分割単位は任意でよい。
【0046】
また、ここでは、生産、加工、運搬等の生産設備3が実行する一工程により供給される物を生産物と称する。生産物とは、完成品である製品、製品の一部を構成する部品、および、製品または部品を生産するために使用する物等を含むものである。また、生産設備3が供給した生産物の個数を生産数と称する。また、生産設備3が実行する一工程にかかる時間を工程時間と称する。工程時間は、例えば、数秒〜数時間などであり、生産設備3によって様々である。
【0047】
データ計測装置4a〜4cは、生産設備3a〜3cの消費電力量、並びに、生産設備3a〜3cの生産性および/または生産設備3a〜3cが供給した生産物の品質に関連する物理量である設備関連物理量等をそれぞれ計測するものである。データ計測装置4a〜4cは、計測した消費電力量を示す消費電力量データ71と、計測した設備関連物理量を示す設備関連データ72とを生成する。以下では、データ計測装置4a〜4cをそれぞれ区別しない場合、データ計測装置4a〜4cを総称してデータ計測装置4と称する。
【0048】
データ計測装置4は、例えば、設備関連データ72として、生産物を検知する生産物検知部を含み、生産設備3が供給した生産数を計測し、単位時間当たりに計測した生産数示す生産数データ81を生成するものである。
【0049】
また、データ計測装置4は、例えば、設備関連データ72として、生産設備3の環境状態を示す物理量である設備物理量を検出する各種センサを含み、当該設備物理量を計測し、設備物理量の時系列データである設備物理量データ82を生成するものである。具体的には、生産設備3がクリーンブースの場合、データ計測装置4が検出する物理量は、例えば、クリーンブース内のパーティクル量、温湿度、エアー流量、露点、静電気(電圧)、差圧等である。その他、データ計測装置4が検出する物理量として、生産設備3が使用する水もしくはガスの流量、または生産設備3の動作時に発生する熱量等であってもよい。
【0050】
また、データ計測装置4は、例えば、設備関連データ72として、生産設備3が供給した生産物の品質を特定する品質特定部を含み、生産設備3が供給した生産物の品質を特定し、生産物の品質の程度を示す品質レベルを示す品質データ83を生成するものである。具体的には、例えば、データ計測装置4は、所定の条件下で生産物に流れる電流を測定し、電流値と生産物の品質レベルとが対応付けられた品質テーブルを参照して、生産物の品質レベルを特定する。データ計測装置4は、その他、一般的な品質試験により得られた定量的および定性的な評価に基づいて品質レベルを特定してもよい。
【0051】
データ計測装置4は、設備関連データ72として、生産数データ81、設備物理量データ82および品質データ83のうちの少なくとも1つのデータを生成するものである。また、データ計測装置4は、消費電力量データ71および設備関連データ72を少なくとも生成するものである。なお、データ計測装置4は、消費電力量データ71、設備関連データ72以外に、生産設備3の外部環境の状態を示す物理量である環境物理量を示す環境物理量データ73を生成してもよい。ここで、環境物理量とは、生産設備3の外部の温度(気温、室温等)、湿度、エアー流量等である。
【0052】
ここで、データ計測装置4は、生産設備3毎に、消費電力量データ71、設備関連データ72および環境物理量データ73等の測定データ70を生成する。なお、データ計測装置4が計測する時間間隔(計測周期)は、秒単位、分単位、時間単位、日単位、月単位、年単位等、任意であってよい。本実施形態では、データ計測装置4は、各データを1分毎に計測するものとする。ただし、これに限るものではなく、データ計測装置4は、データ毎に、計測する時間間隔を変更してもよい。
【0053】
なお、図2に示す電力量表示システム8は、3つの生産設備3a〜3cを含んでいるがこれに限るものではない。電力量表示システム8は、1つ以上の生産設備3を含んでいればよい。また、図2に示す電力量表示システム8では、生産設備3a〜3cとデータ計測装置4a〜4cとが1対1で対応しているが、これに限るものではない。生産設備3a〜3cとデータ計測装置4a〜4cとが1対多、多対1または多対多で対応していてもよい。
【0054】
また、データ収集保持装置1が事務所6内に設置されているが、これに限るものではない。例えば、工場7内に設置されていてもよいし、事務所6および工場7以外の場所に設置されていてもよい。さらに、データ収集保持装置1と端末2とが一体の装置であってもよい。つまり、端末2がデータ収集保持装置1の機能を備えていてもよい。
【0055】
〔データ収集保持装置の構成〕
次に、図3に基づいて、本実施形態に係るデータ収集保持装置1について説明する。図3は、データ収集保持装置1の要部構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、データ収集保持装置1は、制御部11、記憶部12および通信部13を備えている。なお、データ収集保持装置1は、操作部、表示部、音声入力部、音声出力部等の部材を備えていてもよい。
【0056】
通信部13は、無線通信手段または有線通信手段によって、端末2およびデータ計測装置4等の他の装置と通信を行い、制御部11の指示に従って、データのやりとりを行うものである。
【0057】
制御部11は、記憶部12から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、データ収集保持装置1が備える各部を統括的に制御するものである。
【0058】
本実施形態では、制御部11は、機能ブロックとして、データ収集部21、データ加工部22、データ送信部(データ送信手段)23および管理値設定部(管理値設定手段)24を備える構成である。これらの制御部11の各機能ブロック(21〜25)は、CPU(central processing unit)が、ROM(read only memory)等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM(random access memory)等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0059】
データ収集部21は、各データ計測装置4から、各データ計測装置4が生成した各生産設備3に対応付けられている消費電力量データ71、設備関連データ72および環境物理量データ73等の測定データ70をそれぞれ収集するものである。データ収集部21は、収集した測定データ70をデータ送信部23に出力すると共に、記憶部12に履歴データ31として測定データ70を格納する。また、データ収集部21は、収集した測定データ70をデータ加工部22に出力してもよい。
【0060】
データ加工部22は、受信した測定データ70に基づいて新たなデータ(加工データ90)を生成するものである。データ加工部22は、生成した加工データ90をデータ送信部23に出力すると共に、記憶部12に履歴データ31として加工データ90を格納する。
【0061】
具体的には、データ加工部22は、消費電力量データ71に基づいて、各生産設備3の消費電力量の累積を示す累積消費電力量データ91を生成する。また、データ加工部22は、生産数データ81に基づいて、各生産設備3の生産数の累積を示す累積生産数データ92を生成する。また、データ加工部22は、消費電力量データ71および生産数データ81に基づいて、消費電力量を生産数で除算した、各生産設備3の原単位の消費電力量を示す原単位電力量データ93を生成する。
【0062】
また、データ加工部22は、ラインを構成する1または複数の生産設備3の測定データ70を合算、平均もしくは抽出して、ライン単位の消費電力量データ71L、設備関連データ72L、環境物理量データ73L、累積消費電力量データ91L、累積生産数データ92Lおよび原単位電力量データ93Lを生成する。また、データ加工部22は、ライン単位だけではなく、フロア単位(階層単位、部屋単位等)の消費電力量データ71F、設備関連データ72F、環境物理量データ73F、累積消費電力量データ91F、累積生産数データ92Fおよび原単位電力量データ93F、並びに、工場7に含まれる全生産設備3単位の消費電力量データ71A、設備関連データ72A、環境物理量データ73A、累積消費電力量データ91A、累積生産数データ92Aおよび原単位電力量データ93Aを生成してもよい。
【0063】
管理値設定部24は、生産設備3毎に、消費電力量の目標値および適正範囲、並びに、設備物理量および環境物理量の適正範囲を設定し、設定した目標値および適正範囲を管理値設定テーブル(管理値情報)32として記憶部12に格納するものである。なお、以下では、管理値設定部24が設定する目標値および適正範囲を総称して、管理値と称する。
【0064】
ここで、消費電力量の目標値とは、省エネルギー化が達成できたか否かを判定するための指標である。すなわち、生産設備3の消費電力量が目標値を下回った場合、省エネルギー化を達成できたものとする。また、消費電力量の適正範囲とは、消費電力量が適正な値であるか否かを判定するための指標である。すなわち、消費電力量が適正範囲内であれば、生産設備3が正常に稼動または非稼動している状態であると考えられる。
【0065】
また、設備物理量および環境物理量の適正範囲とは、設備物理量および環境物理量が適正な値であるか否かを判定するための指標である。すなわち、設備物理量および環境物理量が適正範囲内であれば、生産設備3の環境状態および生産設備の外部の環境が正常であると考えられる。
【0066】
管理値設定部24は、通信部13を介して端末2からの管理値設定信号を受信し、受信した管理値設定信号に基づいて管理値を設定してもよい。具体的には、管理値設定部24は、端末2のユーザが指定した値を管理値として設定する。
【0067】
また、管理値設定部24は、現在設定されている管理値に基づいて新たな管理値を設定してもよい。具体的には、管理値設定部24は、現在設定されている消費電力量の目標値の90%の値を、新たな目標値として設定してもよい。
【0068】
また、管理値設定部24は、記憶部12から履歴データ31を読み出し、履歴データ31に基づいて管理値を設定してもよい。例えば、品質データ83の示す品質レベルおよび生産数データ81の示す生産数が所定値以上の場合において、対応する消費電力量データ71の示す消費電力量のうち、最小の消費電力量を目標値として設定する。また、例えば、品質データ83の示す品質レベルおよび生産数データ81の示す生産数が所定値以上の場合において、対応する設備物理量データ82の示す設備物理量の最小値から最大値の範囲を適正範囲として設定する。
【0069】
また、管理値設定部24は、生産設備3の稼働日/非稼働日または曜日毎の管理値をそれぞれ設定してもよい。また、管理値設定部24は、日間、月間、年間等の消費電力量の目標値を設定してもよい。
【0070】
データ送信部23は、データ収集部21から測定データ70と、データ加工部22から加工データ90とを受信し、受信した測定データ70および加工データ90を、通信部13を介して端末2に送信するものである。また、データ送信部23は、記憶部12から管理値設定テーブル32を読み出し、読み出した管理値設定テーブル32を通信部13を介して端末2に送信する。また、データ送信部23は、記憶部12から履歴データ31を読み出し、読み出した履歴データ31を通信部13を介して端末2に送信する。
【0071】
記憶部12は、制御部11が参照するプログラムやデータ等を格納するものであり、例えば、上記の履歴データ31および管理値設定テーブル32等を格納している。
【0072】
なお、データ収集保持装置1は、データ計測装置4の計測周期と同期してデータを収集し、収集したデータの加工およびデータの送信等をリアルタイムで実行する。
【0073】
〔端末の構成〕
次に、図1に基づいて、本実施形態に係る端末2について説明する。図1は、端末2の要部構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、端末2は、制御部41、記憶部42、通信部43、表示部44および操作部(入力手段)45を備えている。なお、端末2は、音声入力部、音声出力部等の部材を備えていてもよい。
【0074】
通信部43は、無線通信手段または有線通信手段によって、データ収集保持装置1等の他の装置と通信を行い、制御部41の指示に従って、データのやりとりを行うものである。
【0075】
表示部44は、制御部41の指示に従って画像を表示するものである。表示部44は、制御部41の指示に従って画像を表示するものであればよく、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどを適用することが可能である。
【0076】
操作部45は、ユーザが端末2に指示信号を入力し、端末2を操作するためのものである。操作部45は、キーボード、マウス、キーパッド、操作ボタンなどの入力機器等で構成されているものであってもよい。また、操作部45と表示部44とが一体となっているタッチパネルであってもよい。また、操作部45は、端末2と別体のリモートコントローラ等の遠隔制御装置であってもよい。
【0077】
制御部41は、記憶部42から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、端末2が備える各部を統括的に制御するものである。
【0078】
本実施形態では、制御部41は、機能ブロックとして、データ取得部(データ取得手段)51、表示制御部(表示制御手段)52および指示信号送信部(信号送信手段)53を備える構成である。これらの制御部41の各機能ブロック(51〜53)は、CPUが、ROM等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0079】
データ取得部51は、データ収集保持装置1から、通信部43を介して、測定データ70および加工データ90を所定の周期で取得するものである。データ取得部51は、少なくとも消費電力量データ71、生産数データ81および設備物理量データ82を取得する。ここで、データ取得部51が各データを取得する周期を取得周期と称する。
【0080】
データ取得部51は、各データの計測周期に合わせて、各データを取得してもよい。つまり、各データの取得周期は計測周期であってもよい。また、データ取得部51は、生産設備3が実行する一工程にかかる時間である工程時間または当該工程時間の自然数倍の時間に合わせて、当該生産設備3の各データを取得してもよい。
【0081】
また、データ取得部51は、通信部43を介して、管理値設定テーブル32を取得してもよい。また、データ取得部51は、通信部43を介して、データ収集保持装置1が保持している履歴データ31を、通信部43を介して取得してもよい。
【0082】
表示制御部52は、データ取得部51が取得した各データ(測定データ70、加工データ90および履歴データ31)をグラフにして、リアルタイムで表示部44に表示するものである。表示制御部52は、少なくとも消費電力量データ71、生産数データ81および設備物理量データ82が示す消費電力量、生産数および設備物理量のグラフをそれぞれ同時に表示部44に表示する。換言すると、表示制御部52は、消費電力量、生産数および設備物理量の履歴を同一画面上に表示させるとともに、表示内容を所定の周期で更新するものである。ここで、表示制御部52が表示を更新する周期を更新周期と称する。
【0083】
なお、表示制御部52が表示を更新する更新周期は、上記計測周期であってもよいし、生産設備3が実行する一工程にかかる時間である工程時間の自然数倍の時間であってもよい。
【0084】
また、表示制御部52は、データ取得部51が取得した管理値設定テーブル32に基づいて、消費電力量の目標値を消費電力量のグラフ上に重ねて表示すると共に、設備物理量の適正範囲を設備物理量のグラフ上に重ねて表示する。
【0085】
また、表示制御部52は、ユーザが操作部45を操作して表示している対象(生産設備3単位、ライン単位または工場7単位)を切り替えると、上記入力手段に入力されたユーザの指示信号に基づいて、或る生産設備の消費電力量、生産数および設備物理量、1または複数の生産設備から成るラインの消費電力量、生産数および設備物理量、または、生産施設内の全生産設備の消費電力量、生産数および設備物理量に切り替えて表示する。
【0086】
また、表示制御部52は、ユーザが操作部45を操作して表示している消費電力量等のグラフの時間軸(日単位、月単位または年単位)を切り替えると、上記入力手段に入力されたユーザの指示信号に基づいて、表示するグラフの時間軸を日単位、月単位または年単位に切り替えて表示する。
【0087】
指示信号送信部53は、ユーザが操作部45を操作して管理値を設定すると、ユーザの指定した管理値を示す管理値設定信号を操作部45から取得し、取得した管理値設定信号を、通信部43を介してデータ収集保持装置1に送信する。
【0088】
なお、図示していないが、端末2は、データ収集保持装置1が備えるデータ加工部22を備えていてもよい。すなわち、端末2が取得した測定データ70から新たなデータ(加工データ90)を生成してもよい。
【0089】
〔表示画面例〕
次に、端末2の表示部44に表示される生産設備3の消費電力量等を示す電力量表示画面例を図4〜6に基づいて説明する。ここでは、工場7には3つのライン「クリーンルーム」、「SMT」、「ICパッケージ」が設置されており、各ラインは、1または複数の生産設備3で構成されているものとする。
【0090】
まず、工場7全体の消費電力量等を示す電力量表示画面例について図4に基づいて説明する。図4は、工場7全体の消費電力量等を示す電力量表示画面101の一例を示す図である。
【0091】
図4に示すように、電力量表示画面101は、3つの領域を有する。すなわち、電力量表示画面101は、第1データ表示領域111と、第2データ表示領域112と、生産設備配置表示領域113とを含む。第1データ表示領域111には、各データのグラフが表示される。また、第2データ表示領域112には、消費電力量等が数値で表示される。また、生産設備配置表示領域113には、工場7内の生産設備3の配置図が表示される。
【0092】
図4に示す例では、第1データ表示領域111には、3つのグラフが表示される。具体的には、工場7内の全生産設備3の消費電力量の合計を示すグラフ124と、工場7内の全生産設備3の消費電力量の累計および工場7内のラインまたは各生産設備の生産数の累計を示すグラフ125と、工場7内のラインまたは各生産設備のパーティクル量を示すグラフ126とが表示される。
【0093】
また、グラフ124,125,126には、それぞれ管理値も描画される。具体的には、グラフ124には、工場7内の全生産設備3の消費電力量の合計の目標値が描画される。また、グラフ125には、工場7内の全生産設備3の消費電力量の累計の目標値が描画される。また、グラフ126には、工場7内の各生産設備のパーティクル量の適正範囲(上限値)が描画される。
【0094】
また、図4に示す例では、第1データ表示領域111内にある時間軸変更タブがあり、現在「本日」タブ121が選択されている。そのため、各グラフ124、125、126は、それぞれ1日単位のデータが描画されている。すなわち、グラフ124では、本日の0時〜24時までの工場7内の全生産設備3の消費電力量の合計等が描画されている。また、グラフ125では、本日の0時〜24時までの工場7内の全生産設備3の消費電力量の累計等が描画されている。また、グラフ126では、本日の0時〜24時までの工場7内の各生産設備のパーティクル量が描画されている。
【0095】
図4に示す画面の状態から「今月」タブ122または「本年度」タブ123を選択することにより、第1データ表示領域111内のグラフの時間軸の単位を変更することができる。
【0096】
また、図4に示す例では、第2データ表示領域112には、現在の消費電力量、過去の消費電力量、消費電力量の目標値および目標値に対する効率が表示される。具体的には、今日の使用電力量(消費電力量)、昨日の使用電力量、1日間(24時間)の消費電力量の目標値および本日の目標値に対する現在の効率が表示される。ここで、効率とは、消費電力量の目標値に対する現在の消費電力量の割合である。つまり、効率が100%より値が小さくなればなるほど省エネルギー化が達成できていることを示し、効率が100%より大きい値であれば、目標が達成できていないことを示す。
【0097】
なお、図4に示す例では、第2データ表示領域112には、消費電力量の電力値(kwh)が描画されていると共に、電力量を電気料金に換算した金額(円)が併記されている。また、第2データ表示領域112に描画される消費電力量等の時間単位は、第1データ表示領域111と連動するものとする。図4に示す例では、「本日」タブ121が選択されているため、第2データ表示領域112でも、日単位の消費電力量が表示される。
【0098】
なお、第2データ表示領域112に原単位の消費電力量を表示してもよい。また、電気料金の代わりに、電力量を二酸化炭素の排出量に換算した値を表示してもよい。また、消費電力量の目標値より現在の消費電力量(実績値)が少なければ、目標値と実績値との差分値(余分量)を表示してもよい。
【0099】
また、図4に示す例では、生産設備配置表示領域113には、工場7全体のラインおよび生産設備3の配置図が表示される。また、生産設備配置表示領域113には、配置図上に、各ラインおよび各生産設備3の状態を示すアイコン(例えば、アイコン132)が描画されている。また、生産設備配置表示領域113内に、当該アイコンの凡例を説明する判例表示領域131が含まれる。
【0100】
各ラインおよび各生産設備3の状態を示すアイコンは、円形であり、4つの領域に分割されている。各領域は、それぞれ、消費電力量、パーティクル量、エアー流量、温湿度の値が適正範囲内であるか否かを示すものである。ここでは、消費電力量、パーティクル量、エアー流量、温湿度の値が適正範囲内であるか否かを色で示すものとする。具体的には、領域が青色であれば、各値が正常値であることを示す。また、領域が黄色であれば、各値は適正範囲内であるが、適正範囲の臨界値に近いことを示す。また、領域が赤色であれば、各値が適正範囲外であり、異常値であることを示す。また、領域が灰色であれば、当該値を計測するセンサーが設置されていないことを示す。なお、「適正範囲の臨界値に近い」とは、例えば、適正範囲の上限値または下限値の80%以上100%未満の範囲として規定してもよい。
【0101】
図4に示す例では、アイコン134が付加されている生産設備3の消費電力量の値が異常であることを示す。
【0102】
また、生産設備配置表示領域113には、画面に表示する対象を、工場、フロア(部屋)、ラインまたは生産設備に変更するための表示対象変更タブが表示されている。図4に示す例では、表示対象を各ラインに変更するための表示対象変更タブ141、142、143が表示されている。
【0103】
例えば、表示対象変更タブ141をユーザが選択すると、生産設備配置表示領域113に、クリーンルーム内の配置図が拡大して表示される。また、第1データ表示領域111および第2データ表示領域112には、クリーンルームまたはクリーンルーム内の生産設備3の消費電力量等が表示される。なお、表示対象変更タブを選択する代わりに、配置図上のラインまたは生産設備3を選択することによって、表示対象を変更してもよい。
【0104】
次に、図4に示す電力量表示画面が表示されている状態から、「今月」タブ122を選択したときに表示される電力量表示画面例を図5に基づいて説明する。図5は、工場7全体の消費電力量等を月単位で示す電力量表示画面102の一例を示す図である。
【0105】
図5に示すように、第1データ表示領域111に表示されているグラフ151、152、153は、それぞれ一月単位のデータが描画されている。すなわち、グラフ151では、今月の1日〜31日(末日)までの工場7内の全生産設備3の消費電力量の合計等が描画されている。また、グラフ152では、今月の1日〜31日(末日)までの工場7内の全生産設備3の消費電力量の累計等が描画されている。また、グラフ153では、今月の1日〜31日(末日)までの工場7内の各生産設備のパーティクル量が描画されている。
【0106】
また、「今月」タブ122が選択されているため、第1データ表示領域111に連動して、第2データ表示領域112に表示される消費電力量も月単位で表示される。具体的には、今月の使用電力量(消費電力量)、先月の使用電力量、一月間の消費電力量の目標値および今月の目標値に対する現在の達成率が表示される。
【0107】
次に、図4に示す電力量表示画面が表示されている状態から、表示対象変更タブ143(「ICパッケージ」ライン)を選択したときに表示される電力量表示画面例を図6に基づいて説明する。図6は、ICパッケージ内の生産設備の消費電力量等を示す電力量表示画面103の一例を示す図である。
【0108】
図6に示すように、生産設備配置表示領域113には、ICパッケージ内の各生産設備3の配置図が拡大して表示される。また、ICパッケージのライン全体の状態を示すアイコンと各生産設備の状態を示すアイコンとが表示される。また、このとき、表示対象変更タブとして、工場全体表示に戻るための表示対象変更タブ144が表示される。
【0109】
また、図6に示す例では、第1データ表示領域111に、5つのグラフが表示される。具体的には、ICパッケージ内の全生産設備3の消費電力量の合計を示すグラフ161と、ICパッケージ内の全生産設備3の消費電力量の累計およびICパッケージの生産数の累計を示すグラフ162と、ICパッケージ内の各生産設備のパーティクル量を示すグラフ163と、ICパッケージ内の各生産設備の温湿度を示すグラフ164と、ICパッケージ内の各生産設備のエアー流量を示すグラフ165とが表示される。
【0110】
また、図6に示す例では、第2データ表示領域112に、今日のICパッケージ全体の使用電力量(消費電力量)、昨日のICパッケージ全体の使用電力量、1日間(24時間)のICパッケージ全体の消費電力量の目標値およびICパッケージ全体における本日の目標値に対する現在の達成率が表示される。なお、ここでは、消費電力量が原単位で表示されている、つまり、ICパッケージ全体の消費電力量をICパッケージの生産数で除算した値が表示されている。
【0111】
次に、図7に基づいて、ユーザが管理値を設定する際に表示部44に表示される管理値設定画面例について説明する。図7は、管理値の設定時に表示される管理値設定画面の一例を示す図である。
【0112】
図7に示す管理値設定画面は、生産設備「DB2」の消費電力量の目標値を設定するためのものである。領域201には、生産設備「DB2」の月別の年間の消費電力量の実績値と目標値とが表示されている。また、領域202には、10分毎の消費電力量の実績値と目標値とが表示されている。なお、領域201および202において、「現設定」が現在設定されている消費電力量の目標値であり、「新設定」が新たに設定する目標値である。
【0113】
領域201および202における「新設定」に値を入力することによって、ユーザは新たな目標値を設定することができる。また、領域203および204に表示されているように、現在設定されている目標値または過去の実績値に基づいて、新たな目標値を設定することもできる。具体的には、図示の例では、現在設定されている目標値または過去の実績値に対する割合を入力することにより、新たな目標値を設定することもできる。
【0114】
〔管理値設定処理の別の例〕
図7に示す例では、1日における各時分(10分毎)に対して、現在の管理値または過去1ヶ月の実績を参照して、特定の演算を行うことによって新しい管理値を自動設定することが可能となっている。これに対して、管理値設定部24が行う管理値演算の設定処理をより詳細に行うことを可能とする例について以下に説明する。
【0115】
図11は、管理値設定部24が管理値演算を行う際の各種パラメータを設定するパラメータ設定画面の一例を示している。このパラメータ設定画面は、例えば図7に示す管理値設定画面において、パラメータ設定画面呼び出しボタンを設けておき、このボタンがユーザによって押されることによって呼び出されるようになっていてもよい。
【0116】
図11に示すように、パラメータ設定画面には、パラメータとして、管理値演算対象月、参照期間、対象日種別、演算種別、および補正量に関する設定状態が表示されている。なお、パラメータとしては、これらに限定されるものではなく、また、これらが全て必須であるわけではない。
【0117】
管理値演算対象月は、管理値演算が行われる対象期間としての月を設定するパラメータを示している。なお、この例では、管理値演算が行われる対象期間を月単位で指定するようになっているが、日単位で期間を指定するようになっていてもよい。すなわち、管理演算が行われる対象期間の開始年月日および終了年月日が指定されるようになっていてもよい。
【0118】
参照期間は、管理値演算が行われる際に、過去の実績として参照とする期間を設定するパラメータを示している。すなわち、管理値設定部24は、記憶部12に記憶されている履歴データ31の中から、この参照期間に含まれるデータを読み出すことによって管理演算を行う。
【0119】
参照期間の選択肢としては、「前月」、「前年同月」、および、「指定期間」が挙げられるが、これらに限定されるものではない。「前月」は、管理値演算対象月の前月を参照期間とする場合である。この場合、前月の実績との比較に基づいて管理値演算を行うことができる。「前年同月」は、管理値演算対象月の1年前の同じ月を参照期間とする場合である。例えば消費電力量の場合、季節によって数値が変動する傾向があるので、「前年同月」を選択することによって、季節に応じた管理値を設定することが可能となる。「指定期間」は、参照期間を開始年月日および終了年月日によって指定する場合である。例えば生産計画などに基づき、過去の特定の期間において特定の生産を行った場合に、その特定の期間における実績に応じた管理値を設定することが可能となる。よって、FA(Factory Automation)の現場における目標値管理の適用範囲を広くすることができる。なお、参照期間を、特定の年月や特定の週などで指定するようになっていてもよい。
【0120】
対象日種別は、参照期間のうち、実際に実績を参照する日の種別を指定するパラメータを示している。対象日種別としては、「同じ曜日」、および「平日/休日」が挙げられるが、これらに限定されるものではない。「同じ曜日」は、管理値演算対象月の各日において、参照期間のうちの同じ曜日の実績に基づいて管理値演算を行う場合である。例えば曜日によって生産状況が変化する場合、この「同じ曜日」を選択することによって、各曜日に応じた管理値を設定することが可能となる。「平日/休日」は、管理値演算対象月の各日において、平日であれば参照期間のうちの平日の実績に基づいて管理値演算を行い、休日であれば参照期間のうちの休日の実績に基づいて管理値演算を行う場合である。例えば平日か休日かによって生産状況が変化する場合、この「平日/休日」を選択することが好ましいことになる。なお、「平日」「休日」は、暦で規定される日でもよいし、「平日」が「生産設備稼働日」、休日が「生産設備非稼働日」であってもよい。
【0121】
演算種別は、過去の実績データに対して行う演算の種別を特定するパラメータを示している。演算種別としては、「平均値」、「最大値」、および「最小値」が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0122】
補正量は、参照期間の履歴に基づいて、演算種別に従って演算を行った結果の値に対して行う補正量を指定するパラメータを示している。補正量としては、「変更割合」および「オフセット」が挙げられるが、これに限定されるものではない。「変更割合」は、演算結果の値に対してどの程度の割合を管理値として設定するかを指定する場合である。例えば「変更割合」を90%と指定した場合、演算結果の値に対して90%の値を管理値として設定することになる。「オフセット」は、演算結果の値に対して、所定の値をプラスする、もしくはマイナスするかを指定する場合である。例えば「オフセット」を−0.01kwhとした場合、演算結果の値から0.01kwhをマイナスした値を管理値として設定することになる。
【0123】
以上の各種パラメータが指定された後に、ユーザによって「設定」ボタンが押されると、管理値設定部24は、指定された各種パラメータに基づいて管理値演算を行い、演算結果を管理値設定テーブル32として記憶部12に格納する。
【0124】
以上の処理は、例えば、翌月分の処理を前月末などに行うようにしてもよい。また、図11に示す例では、管理値演算対象月を特定の月としているが、これを期間とてしてもよい。この場合、例えば管理値演算対象を1年間とすれば、前年度分の履歴データに基づいて、1年分の管理値演算をまとめて実行することも可能である。
【0125】
なお、図11に示す例では、管理値演算の対象として消費電力量の目標値の場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、設備物理量および環境物理量の適正範囲についても同様の管理値演算を行うようにしてもよい。
【0126】
以上の管理値演算によれば、管理値の設定が自動化されるので、ユーザは日々のエネルギー消費量の管理だけをすればよく、ユーザの管理の手間を大幅に削減することができる。また、目標値算出のための対象期間を任意に、相対的に指定できるので、季節変動や日々の勤務時間など、様々な変動モデルに対応することが可能となる。よって、管理値の自動設定の適用範囲を広くすることができる。
【0127】
〔データ収集保持装置および端末の処理の流れ〕
次に、データ収集保持装置1および端末2の処理の流れについて図8〜図10に基づいて説明する。まず、データ収集保持装置1の処理の流れについて図8および図9に基づいて説明する。図8は、データ収集保持装置1のデータ収集処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、図9は、データ収集保持装置1のデータ送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0128】
図8に示すように、データ収集保持装置1のデータ収集部21は、各データ計測装置4から、測定データ70を計測周期に合わせて収集する(S1)。次に、データ加工部22は、収集した測定データ70から新たなデータ(加工データ90)を生成する(S2)。
【0129】
データ収集部21は、収集した測定データ70を記憶部12に履歴データ31として格納し、データ加工部22は、生成した加工データ90を記憶部12に履歴データ31として格納する(S3)。そして、所定の計測周期が経過するのを待ち(S4)、再び、各データ計測装置4から測定データ70を収集する。
【0130】
一方、図9に示すように、データ収集保持装置1は、データ収集処理を実行している間、端末2からのデータを要求する信号を待つ(S11)。データ収集保持装置1は、端末2からデータを要求する信号を受信すると、データ送信部23は、収集した測定データ70および当該測定データ70から生成した加工データ90を端末2に送信する(S12)。
【0131】
なお、データ収集保持装置1は、端末2から履歴データ31または管理値設定テーブル32を要求する信号を受信すると、要求に応じて、履歴データ31または管理値設定テーブル32を端末2に送信する。また、データ収集保持装置1は、管理値設定テーブル32を更新した場合、更新後の管理値設定テーブル32を端末2に送信してもよい。
【0132】
次に、端末2の処理の流れについて図10に基づいて説明する。図10は、端末2の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0133】
図10に示すように、端末2のデータ取得部51は、データ収集保持装置1から測定データ70および加工データ90を所定の取得周期で取得する(S21)。表示制御部52は、取得した測定データ70および加工データ90に基づいて、電力量表示画面を作成する(S22)。次に、表示制御部52は、作成した電力量表示画面を表示部44に表示する(S23)。そして、所定の更新周期が経過するのを待ち(S24)、再び、データ収集保持装置1から測定データ70および加工データ90を取得して、表示を更新する。
【0134】
このように、端末2は、取得した消費電力量データ、生産数データおよび設備物理量データが示す消費電力量、生産数および設備物理量の履歴を同一画面上に表示させるとともに、表示内容を所定の周期で更新する。そのため、ユーザは、表示が更新されるたびに、その時点での消費電力量、生産数および設備物理量の値および変化を同時に確認することができる。よって、ユーザは、表示されている情報に基づいて、生産性および品質を維持すると共に省電力化を図るための行動を表示された時点でとることができる。
【0135】
ここで、例えば、端末2が表示を更新する更新周期が、消費電力量、生産数および設備物理量を計測する計測周期と同期している場合、ユーザは、現在の生産設備の消費電力量、生産数および設備物理量の値および変化を同時に確認することができる。そのため、ユーザは、現在の生産設備の消費電力量、生産数および設備物理量に基づいて、生産性および品質を維持すると共に省電力化を図るための行動をリアルタイムでとることができる。
【0136】
また、端末2が設備物理量の現在および過去の値を表示するため、ユーザは、設備物理量の値および変化に基づいて、生産設備の環境状態(例えば、クリーンルーム内のパーティクル量等)の改善を図るための行動をとることができる。
【0137】
〔管理値判定処理〕
上記の例では、端末2において、表示制御部52は、データ取得部51が取得した管理値設定テーブル32に基づいて、消費電力量の目標値を消費電力量のグラフ上に重ねて表示すると共に、設備物理量の適正範囲を設備物理量のグラフ上に重ねて表示するようになっている。ユーザは、このグラフを確認することによって、消費電力量が目標値を超えたことや、設備物理量が適正範囲から外れたことなどを認識する。
【0138】
これに対して、消費電力量が目標値を超えた場合、もしくは、設備物理量または環境物理量が適正範囲から外れた場合に、警報が発せられてユーザにその旨が通知されるようにしてもよい。図12は、この警報処理が行われるデータ収集保持装置1の構成を示している。同図に示すように、制御部11は、図3に示す構成に加えて、管理値判定部25を備えている。
【0139】
管理値判定部25は、データ収集部21から測定データ70と、データ加工部22から加工データ90とを受信するとともに、記憶部12から管理値設定テーブル32を読み出す。そして、管理値判定部25は、測定データ70および加工データ90と、管理値設定テーブル32とを比較し、消費電力量が目標値を超えたか否か、もしくは、設備物理量または環境物理量が適正範囲から外れたか否かを判定する。なお、管理値判定部25は、消費電力量、設備物理量、および環境物理量の少なくともいずれか1つを監視するようになっていればよい。また、管理値判定部25は、必要に応じて、測定データ70および加工データ90のいずれか1つを受信するようになっていてもよい。
【0140】
管理値判定部25は、消費電力量が目標値を超えた、もしくは、設備物理量または環境物理量が適正範囲から外れたと判定した場合、その旨をデータ送信部23に送信する。この場合、データ送信部23は、消費電力量が目標値を超えた、もしくは、設備物理量または環境物理量が適正範囲から外れたことを警報情報として通信部13を介して端末2に送信する。
【0141】
一方、管理値判定部25は、消費電力量が目標値を超えていない、ならびに、設備物理量および環境物理量が適正範囲から外れていない、と判定した場合、測定データ70および加工データ90をそのままデータ送信部23に送信する。
【0142】
端末2は、データ収集保持装置1から通信部43を介して警報情報を受信すると、制御部41の表示制御部52が、表示部44に警報情報に基づく警報表示を行う。この警報表示としては、例えば、消費電力量が目標値を超えた、もしくは、設備物理量または環境物理量が適正範囲から外れたことを表示画面上に目立つように点滅表示させる、などが挙げられる。また、この警報表示と合わせて、警報を示す音声が出力されるようになっていてもよい。
【0143】
なお、通常時においては、データ収集保持装置1は、端末2からデータを要求する信号を受信したときに、データ送信部23が、測定データ70および加工データ90を端末2に送信するが、警報時には、管理値判定部25が警報判定したときに、データ送信部23が警報情報を端末2に送信するようにしてもよい。この場合、警報処理をより早く行うことが可能となる。
【0144】
〔補足〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0145】
最後に、データ収集保持装置1および端末2の各ブロック、特に制御部11および制御部41は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0146】
すなわち、データ収集保持装置1および端末2は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるデータ収集保持装置1および端末2の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、データ収集保持装置1および端末2にそれぞれ供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0147】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM(登録商標)/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0148】
また、データ収集保持装置1および端末2をそれぞれ通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明は、工場等の生産設備の省エネルギー化を図るために使用する、生産設備の消費電力量を表示する電力量表示装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0150】
1 データ収集保持装置(データ収集装置)
2 端末(電力量表示装置)
3 生産設備
4 データ計測装置
8 電力量表示システム
21 データ収集部
22 データ加工部
23 データ送信部(データ送信手段)
24 管理値設定部(管理値設定手段)
31 履歴データ
32 管理値設定テーブル(管理値情報)
44 表示部
45 操作部(入力手段)
51 データ取得部(データ取得手段)
52 表示制御部(表示制御手段)
53 指示信号送信部(信号送信手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産設備の消費電力量を表示する電力量表示装置、電力量表示システム、電力量表示方法、制御プログラムおよび記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭や企業等において、経済的や環境的な観点から電力を消費する電気機器毎に電力量を計測し、個々の電気機器で実際に消費されている電力量を容易に把握できるようにして省電力化を図ることが行われている。それに伴い、省電力化を実行するために、電気機器の消費電力量を計測してユーザに通知する様々な電力量計測システムが開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、電気機器の消費電力量と、電気機器が使用される環境の指標となる物理量とを計測し、同じ期間に計測した消費電力量および物理量を同時にグラフ表示する電力量計測システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−59072号公報(2011年3月24日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、工場等の製品を生産する生産施設では、生産性および製品の品質を確保しながら、消費電力量を下げなければならない。特許文献1では、エアコンディショナ等の電気機器を想定しており、製品を生産する生産設備を想定していない。そのため、特許文献1に記載の電力量計測システムが通知する物理量は、単に電気機器の外部環境を示すデータであり、電気機器の生産性および電気機器がもたらす物の品質に関連するデータではない。よって、生産施設に特許文献1の技術を適用しても、生産性および製品の品質を確保しながら、消費電力量を下げることは困難である。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、生産施設において、生産性および製品の品質を確保しながら、生産設備の消費電力量を低減することを容易にする電力量表示装置、電力量表示システム、電力量表示方法、制御プログラムおよび記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電力量表示装置は、上記課題を解決するために、生産設備の消費電力量を表示する電力量表示装置であって、上記生産設備の消費電力量を示す消費電力量データ、上記生産設備が供給した生産数を示す生産数データ、および、上記生産設備の環境状態を示す設備物理量を示す設備物理量データをそれぞれ取得するデータ取得手段と、上記データ取得手段が取得した上記消費電力量データ、生産数データおよび設備物理量データが示す消費電力量、生産数および設備物理量の履歴を同一画面上に表示させるとともに、表示内容を所定の周期で更新する表示制御手段とを備えることを特徴としている。
【0008】
本発明に係る電力量表示方法は、上記課題を解決するために、生産設備の消費電力量を表示する電力量表示方法であって、上記生産設備の消費電力量を示す消費電力量データ、上記生産設備が供給した生産数を示す生産数データ、および、上記生産設備の環境状態を示す設備物理量を示す設備物理量データをそれぞれ取得するデータ取得ステップと、上記データ取得ステップにおいて取得された上記消費電力量データ、生産数データおよび設備物理量データが示す消費電力量、生産数および設備物理量の履歴を同一画面上に表示させるとともに、表示内容を所定の周期で更新する表示制御ステップとを含むことを特徴としている。
【0009】
上記の構成によれば、上記表示制御手段は、上記データ取得手段が取得した上記消費電力量データ、生産数データおよび設備物理量データが示す消費電力量、生産数および設備物理量の履歴を同一画面上に表示させるとともに、表示内容を所定の周期で更新する。そのため、ユーザは、表示が更新されるたびに、その時点での消費電力量、生産数および設備物理量の値および変化を同時に確認することができる。よって、ユーザは、表示されている情報に基づいて、生産性および品質を維持すると共に省電力化を図るための行動を表示された時点でとることができるという効果を奏する。
【0010】
ここで、例えば、上記表示制御手段が表示を更新する更新周期が、上記消費電力量、生産数および設備物理量を計測する計測周期と同期している場合、ユーザは、現在の生産設備の消費電力量、生産数および設備物理量の値および変化を同時に確認することができる。そのため、ユーザは、現在の生産設備の消費電力量、生産数および設備物理量に基づいて、生産性および品質を維持すると共に省電力化を図るための行動をリアルタイムでとることができる。
【0011】
また、本発明に係る電力量表示装置は、上記表示制御手段が表示を更新する更新周期は、上記生産設備が実行する一工程にかかる時間である工程時間の自然数倍の時間であることが好ましい。
【0012】
上記の構成によれば、上記表示制御手段は、消費電力量、生産数および設備物理量を工程時間の自然数倍の時間ごとに更新して表示する。そのため、上記電力量表示装置は、上記電力量表示装置の負荷を抑制しながら、ユーザが現在の状態に応じて生産性および品質を維持すると共に省電力化を図るための行動をとるために十分な情報を提供することができる。
【0013】
また、本発明に係る電力量表示装置は、上記データ取得手段は、消費電力量の目標値および設備物理量の適正範囲が規定されている管理値情報を取得し、
上記表示制御手段は、上記データ取得手段が取得した上記管理値情報に基づいて、上記消費電力量、生産数および設備物理量と共に、消費電力量の目標値および設備物理量の適正範囲を同一画面上に表示することが好ましい。
【0014】
上記の構成によれば、上記表示制御手段は、上記消費電力量、生産数および設備物理量と共に、消費電力量の目標値および設備物理量の適正範囲を同一画面上に表示する。そのため、ユーザは、表示されている時点または過去の消費電力量が目標値に到達しているか否か、表示されている時点または過去の設備物理量が適正範囲内であるか否か等を確認することができる。よって、ユーザは、生産性および品質を維持すると共に省電力化を図るために、具体的にどのような行動をとればいいか等を判断することができる。
【0015】
また、本発明に係る電力量表示装置は、上記生産設備は、生産施設内に複数設置されており、ユーザからの操作指示を受け付ける入力手段と、上記表示制御手段は、上記入力手段に入力されたユーザの指示信号に基づいて、或る生産設備の消費電力量、生産数および設備物理量と、1または複数の生産設備から成るラインの消費電力量、生産数および設備物理量と、生産施設内の全生産設備の消費電力量、生産数および設備物理量とを切り替えて表示することが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、上記表示制御手段は、ユーザの指示に基づいて、表示する消費電力量、生産数および設備物理量の単位を、生産設備単位、ライン単位、生産施設単位に切り替えて表示する。よって、ユーザが生産設備単位、ライン単位、生産施設単位の消費電力量、生産数および設備物理量を容易に確認することができる。
【0017】
また、本発明に係る電力量表示システムは、生産設備の消費電力量を表示する電力量表示システムであって、請求項3に記載の電力量表示装置と、上記消費電力量データ、生産数データおよび設備物理量データを収集して、上記電力量表示装置に送信するデータ収集装置とを含み、上記データ収集装置は、上記管理値情報を設定する管理値設定手段と、上記管理値設定手段が設定した上記管理値情報を上記電力量表示装置に送信するデータ送信手段とを備えることが好ましい。
【0018】
また、本発明に係る電力量表示システムは、上記データ収集装置は、さらに、上記生産設備が供給した生産物の品質の程度を示す品質レベルを示す品質データを収集し、上記管理値設定手段は、過去に収集した消費電力量データ、設備物理量データおよび品質データに基づいて、上記管理値情報を生成することが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、上記管理値設定手段は、過去に収集した消費電力量データ、設備物理量データおよび品質データに基づいて、上記管理値情報を生成する。例えば、上記管理値設定手段は、過去のデータにおいて、生産物の品質がある程度以上であったときの最低消費電力量に基づいて、消費電力量の目標値を設定する。また、例えば、そのため、生産物の品質がある程度以上であったときの設備物理量の上限値および下限値に基づいて、設備物理量の適正範囲を設定する。よって、上記管理値設定手段は、自動的に最適な目標値および適正範囲等の管理値を設定することができる。
【0020】
また、本発明に係る電力量表示システムは、上記電力量表示装置は、ユーザからの操作指示を受け付ける入力手段と、上記入力手段に入力されたユーザの指示信号を送信する信号送信手段とをさらに備え、上記データ収集装置の上記管理値設定手段は、受信したユーザの指示信号に従って、上記管理値情報を設定することが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、上記管理値設定手段は、上記ユーザの指示信号に基づいて、上記管理値情報を設定する。そのため、ユーザが最適な目標値および適正範囲等の管理値を判断して管理値情報を設定することができる。
【0022】
また、本発明に係る電力量表示システムは、上記管理値設定手段は、現在設定されている管理値情報に基づいて、新たな管理値情報を設定することが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、上記管理値設定手段は、現在設定されている管理値情報に基づいて、新たな管理値情報を設定する。そのため、上記管理値設定手段は、現在の状態に基づいて、容易に最適な管理値情報を設定することができる。
【0024】
また、本発明に係る電力量表示システムは、上記管理値設定手段が、過去に収集した消費電力量データのうち所定の参照期間の消費電力量データに対して所定の演算を行うことによって上記管理値情報を生成することが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、所定の参照期間の消費電力量データに対して所定の演算が行われることによって管理値情報が生成される。よって、ユーザが管理値を設定する手間を省いた上で、過去のデータに基づいた的確な管理値を設定することが可能となる。
【0026】
また、本発明に係る電力量表示システムは、上記参照期間が、ユーザによって選択された期間であることが好ましい。
【0027】
上記の構成によれば、管理値情報の演算の根拠となる上記参照期間が、ユーザによって選択された期間となる。よって、例えば参照期間を前月としたり、前年の同月としたり、過去の特定の期間としたりすることが可能となる。よって、各生産現場における生産状況に応じて適切な参照期間を設定して、管理値情報を設定することができる。
【0028】
また、本発明に係る電力量表示システムは、上記管理値情報が、1日における所定の時分毎に設定されていることが好ましい。
【0029】
上記の構成によれば、管理値情報が、1日における所定の時分毎に設定されているので、時間帯ごとに管理値情報を設定することができる。また、所定の時分毎に管理値情報が設定される場合、ユーザが全てを個別に設定することは非常に手間がかかる作業となる。これに対して、上記の構成によれば、所定の参照期間の消費電力量データに対して所定の演算が行われることによって管理値情報が生成されるので、ユーザの手間を大幅に削減することができる。
【0030】
また、本発明に係る電力量表示システムは、上記管理値設定手段が、上記参照期間のうち、ユーザによって指定された特定の種別の日の消費電力量データに対して所定の演算を行い、上記特定の種別の日として、特定の曜日、生産設備稼働日、および、生産設備非稼働日の少なくともいずれか1つが指定されることが好ましい。
【0031】
上記の構成によれば、上記参照期間のうち、特定の種別の日の消費電力量データに基づいて管理値情報を設定することができる。よって、曜日によって生産状況が変化する場合にも適切に管理値情報を設定することができる。また、生産設備稼働日、および、生産設備非稼働日を区別して、過去の実績から管理値情報を設定することが可能となる。
【0032】
また、本発明に係る電力量表示システムは、上記電力量表示装置と、上記データ収集装置とが一体の装置であってもよい。この場合、例えばPC1台で上記電力量表示装置の機能と、上記データ収集装置の機能とを実現することができる。
【0033】
なお、上記電力量表示装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記電力量表示装置の各手段として動作させることにより、上記電力量表示装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0034】
以上のように、本発明に係る電力量表示装置は、上記生産設備の消費電力量を示す消費電力量データ、上記生産設備が供給した生産数を示す生産数データ、および、上記生産設備の環境状態を示す設備物理量を示す設備物理量データをそれぞれ取得するデータ取得手段と、上記データ取得手段が取得した上記消費電力量データ、生産数データおよび設備物理量データが示す消費電力量、生産数および設備物理量の履歴を同一画面上に表示させるとともに、表示内容を所定の周期で更新する表示制御手段とを備えている構成である。
【0035】
また、本発明に係る電力量表示方法は、上記生産設備の消費電力量を示す消費電力量データ、上記生産設備が供給した生産数を示す生産数データ、および、上記生産設備の環境状態を示す設備物理量を示す設備物理量データをそれぞれ取得するデータ取得ステップと、上記データ取得ステップにおいて取得された上記消費電力量データ、生産数データおよび設備物理量データが示す消費電力量、生産数および設備物理量の履歴を同一画面上に表示させるとともに、表示内容を所定の周期で更新する表示制御ステップとを含む。
【0036】
そのため、ユーザは、表示が更新されるたびに、その時点での消費電力量、生産数および設備物理量の値および変化を同時に確認することができる。よって、ユーザは、表示されている情報に基づいて、生産性および品質を維持すると共に省電力化を図るための行動を表示された時点でとることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、端末の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記端末を含む電力量表示システムの概要の一例を示す図である。
【図3】上記電力量表示システムに含まれるデータ収集保持装置の要部構成を示すブロック図である。
【図4】工場全体の消費電力量等を日単位で示す電力量表示画面の一例を示す図である。
【図5】工場全体の消費電力量等を月単位で示す電力量表示画面の一例を示す図である。
【図6】ICパッケージ内の生産設備の消費電力量等を示す電力量表示画面の一例を示す図である。
【図7】管理値の設定時に表示される管理値設定画面の一例を示す図である。
【図8】上記データ収集保持装置のデータ収集処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】上記データ収集保持装置のデータ送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】上記端末の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】管理値設定部が管理値演算を行う際の各種パラメータを設定するパラメータ設定画面の一例を示す図である。
【図12】上記データ収集保持装置の別の構成例の要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の一実施形態について図1から図10に基づいて説明すると以下の通りである。
【0039】
〔電力量管理システムの構成〕
まず、図2に基づいて、本実施形態に係る電力量表示システムについて説明する。図2は、本実施形態に係る電力量表示システム8の概要の一例を示す図である。図2に示すように、電力量表示システム8は、事務所6内に設置されているデータ収集保持装置(データ収集装置)1および事務所端末2a、並びに、工場7内に設置されている工場端末2b、生産設備3a〜3cおよびデータ計測装置4a〜4cを含む。
【0040】
データ収集保持装置1は、工場7内の生産設備3a〜3cの消費電力量等を示すデータを収集して保持するものである。データ収集保持装置1は、有線通信手段または無線通信手段によって、事務所端末2a、工場端末2bおよびデータ計測装置4a〜4cと接続している。データ収集保持装置1は、例えば、サーバ等の情報処理装置である。データ収集保持装置1の詳細な構成および機能は後述する。
【0041】
事務所端末2aは、データ収集保持装置1が収集した生産設備3a〜3cの消費電力量等を事務所6のユーザに通知するためのものである。事務所端末2aは、少なくともデータを受信して、受信したデータが示す内容をユーザに通知する機能を備えていればよい。
【0042】
工場端末2bは、データ収集保持装置1が収集した生産設備3a〜3cの消費電力量等を工場7のユーザに通知するためのものである。工場端末2bは、事務所端末2aと同じ機能を備えている。以下では、事務所端末2aおよび工場端末2bを区別しない場合、事務所端末2aおよび工場端末2bを総称して端末(電力量表示装置)2と称する。
【0043】
端末2は、例えば、PC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の端末またはデジタルテレビ、ディスプレイ等の表示装置などである。端末2の詳細な構成および機能は後述する。
【0044】
生産設備3a〜3cは、電気によって動作するものであって、製品の生産活動に直接関係する設備である。生産設備3a〜3cは、例えば、機械・装置類、治工具類、運搬・貯蔵施設等であり、1または複数の電気機器から成るものである。以下では、生産設備3a〜3cをそれぞれ区別しない場合、生産設備3a〜3cを総称して生産設備3と称する。
【0045】
また、換言すると、製品の生産工程を機能的に分割し、生産設備3は、その分割された一工程を実行するものである。生産設備3を1または複数含む機能的な集合をラインと称する。つまり、製品の生産工程は、1または複数のラインから成る。なお、製品の生産工程の分割単位は任意でよい。
【0046】
また、ここでは、生産、加工、運搬等の生産設備3が実行する一工程により供給される物を生産物と称する。生産物とは、完成品である製品、製品の一部を構成する部品、および、製品または部品を生産するために使用する物等を含むものである。また、生産設備3が供給した生産物の個数を生産数と称する。また、生産設備3が実行する一工程にかかる時間を工程時間と称する。工程時間は、例えば、数秒〜数時間などであり、生産設備3によって様々である。
【0047】
データ計測装置4a〜4cは、生産設備3a〜3cの消費電力量、並びに、生産設備3a〜3cの生産性および/または生産設備3a〜3cが供給した生産物の品質に関連する物理量である設備関連物理量等をそれぞれ計測するものである。データ計測装置4a〜4cは、計測した消費電力量を示す消費電力量データ71と、計測した設備関連物理量を示す設備関連データ72とを生成する。以下では、データ計測装置4a〜4cをそれぞれ区別しない場合、データ計測装置4a〜4cを総称してデータ計測装置4と称する。
【0048】
データ計測装置4は、例えば、設備関連データ72として、生産物を検知する生産物検知部を含み、生産設備3が供給した生産数を計測し、単位時間当たりに計測した生産数示す生産数データ81を生成するものである。
【0049】
また、データ計測装置4は、例えば、設備関連データ72として、生産設備3の環境状態を示す物理量である設備物理量を検出する各種センサを含み、当該設備物理量を計測し、設備物理量の時系列データである設備物理量データ82を生成するものである。具体的には、生産設備3がクリーンブースの場合、データ計測装置4が検出する物理量は、例えば、クリーンブース内のパーティクル量、温湿度、エアー流量、露点、静電気(電圧)、差圧等である。その他、データ計測装置4が検出する物理量として、生産設備3が使用する水もしくはガスの流量、または生産設備3の動作時に発生する熱量等であってもよい。
【0050】
また、データ計測装置4は、例えば、設備関連データ72として、生産設備3が供給した生産物の品質を特定する品質特定部を含み、生産設備3が供給した生産物の品質を特定し、生産物の品質の程度を示す品質レベルを示す品質データ83を生成するものである。具体的には、例えば、データ計測装置4は、所定の条件下で生産物に流れる電流を測定し、電流値と生産物の品質レベルとが対応付けられた品質テーブルを参照して、生産物の品質レベルを特定する。データ計測装置4は、その他、一般的な品質試験により得られた定量的および定性的な評価に基づいて品質レベルを特定してもよい。
【0051】
データ計測装置4は、設備関連データ72として、生産数データ81、設備物理量データ82および品質データ83のうちの少なくとも1つのデータを生成するものである。また、データ計測装置4は、消費電力量データ71および設備関連データ72を少なくとも生成するものである。なお、データ計測装置4は、消費電力量データ71、設備関連データ72以外に、生産設備3の外部環境の状態を示す物理量である環境物理量を示す環境物理量データ73を生成してもよい。ここで、環境物理量とは、生産設備3の外部の温度(気温、室温等)、湿度、エアー流量等である。
【0052】
ここで、データ計測装置4は、生産設備3毎に、消費電力量データ71、設備関連データ72および環境物理量データ73等の測定データ70を生成する。なお、データ計測装置4が計測する時間間隔(計測周期)は、秒単位、分単位、時間単位、日単位、月単位、年単位等、任意であってよい。本実施形態では、データ計測装置4は、各データを1分毎に計測するものとする。ただし、これに限るものではなく、データ計測装置4は、データ毎に、計測する時間間隔を変更してもよい。
【0053】
なお、図2に示す電力量表示システム8は、3つの生産設備3a〜3cを含んでいるがこれに限るものではない。電力量表示システム8は、1つ以上の生産設備3を含んでいればよい。また、図2に示す電力量表示システム8では、生産設備3a〜3cとデータ計測装置4a〜4cとが1対1で対応しているが、これに限るものではない。生産設備3a〜3cとデータ計測装置4a〜4cとが1対多、多対1または多対多で対応していてもよい。
【0054】
また、データ収集保持装置1が事務所6内に設置されているが、これに限るものではない。例えば、工場7内に設置されていてもよいし、事務所6および工場7以外の場所に設置されていてもよい。さらに、データ収集保持装置1と端末2とが一体の装置であってもよい。つまり、端末2がデータ収集保持装置1の機能を備えていてもよい。
【0055】
〔データ収集保持装置の構成〕
次に、図3に基づいて、本実施形態に係るデータ収集保持装置1について説明する。図3は、データ収集保持装置1の要部構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、データ収集保持装置1は、制御部11、記憶部12および通信部13を備えている。なお、データ収集保持装置1は、操作部、表示部、音声入力部、音声出力部等の部材を備えていてもよい。
【0056】
通信部13は、無線通信手段または有線通信手段によって、端末2およびデータ計測装置4等の他の装置と通信を行い、制御部11の指示に従って、データのやりとりを行うものである。
【0057】
制御部11は、記憶部12から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、データ収集保持装置1が備える各部を統括的に制御するものである。
【0058】
本実施形態では、制御部11は、機能ブロックとして、データ収集部21、データ加工部22、データ送信部(データ送信手段)23および管理値設定部(管理値設定手段)24を備える構成である。これらの制御部11の各機能ブロック(21〜25)は、CPU(central processing unit)が、ROM(read only memory)等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM(random access memory)等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0059】
データ収集部21は、各データ計測装置4から、各データ計測装置4が生成した各生産設備3に対応付けられている消費電力量データ71、設備関連データ72および環境物理量データ73等の測定データ70をそれぞれ収集するものである。データ収集部21は、収集した測定データ70をデータ送信部23に出力すると共に、記憶部12に履歴データ31として測定データ70を格納する。また、データ収集部21は、収集した測定データ70をデータ加工部22に出力してもよい。
【0060】
データ加工部22は、受信した測定データ70に基づいて新たなデータ(加工データ90)を生成するものである。データ加工部22は、生成した加工データ90をデータ送信部23に出力すると共に、記憶部12に履歴データ31として加工データ90を格納する。
【0061】
具体的には、データ加工部22は、消費電力量データ71に基づいて、各生産設備3の消費電力量の累積を示す累積消費電力量データ91を生成する。また、データ加工部22は、生産数データ81に基づいて、各生産設備3の生産数の累積を示す累積生産数データ92を生成する。また、データ加工部22は、消費電力量データ71および生産数データ81に基づいて、消費電力量を生産数で除算した、各生産設備3の原単位の消費電力量を示す原単位電力量データ93を生成する。
【0062】
また、データ加工部22は、ラインを構成する1または複数の生産設備3の測定データ70を合算、平均もしくは抽出して、ライン単位の消費電力量データ71L、設備関連データ72L、環境物理量データ73L、累積消費電力量データ91L、累積生産数データ92Lおよび原単位電力量データ93Lを生成する。また、データ加工部22は、ライン単位だけではなく、フロア単位(階層単位、部屋単位等)の消費電力量データ71F、設備関連データ72F、環境物理量データ73F、累積消費電力量データ91F、累積生産数データ92Fおよび原単位電力量データ93F、並びに、工場7に含まれる全生産設備3単位の消費電力量データ71A、設備関連データ72A、環境物理量データ73A、累積消費電力量データ91A、累積生産数データ92Aおよび原単位電力量データ93Aを生成してもよい。
【0063】
管理値設定部24は、生産設備3毎に、消費電力量の目標値および適正範囲、並びに、設備物理量および環境物理量の適正範囲を設定し、設定した目標値および適正範囲を管理値設定テーブル(管理値情報)32として記憶部12に格納するものである。なお、以下では、管理値設定部24が設定する目標値および適正範囲を総称して、管理値と称する。
【0064】
ここで、消費電力量の目標値とは、省エネルギー化が達成できたか否かを判定するための指標である。すなわち、生産設備3の消費電力量が目標値を下回った場合、省エネルギー化を達成できたものとする。また、消費電力量の適正範囲とは、消費電力量が適正な値であるか否かを判定するための指標である。すなわち、消費電力量が適正範囲内であれば、生産設備3が正常に稼動または非稼動している状態であると考えられる。
【0065】
また、設備物理量および環境物理量の適正範囲とは、設備物理量および環境物理量が適正な値であるか否かを判定するための指標である。すなわち、設備物理量および環境物理量が適正範囲内であれば、生産設備3の環境状態および生産設備の外部の環境が正常であると考えられる。
【0066】
管理値設定部24は、通信部13を介して端末2からの管理値設定信号を受信し、受信した管理値設定信号に基づいて管理値を設定してもよい。具体的には、管理値設定部24は、端末2のユーザが指定した値を管理値として設定する。
【0067】
また、管理値設定部24は、現在設定されている管理値に基づいて新たな管理値を設定してもよい。具体的には、管理値設定部24は、現在設定されている消費電力量の目標値の90%の値を、新たな目標値として設定してもよい。
【0068】
また、管理値設定部24は、記憶部12から履歴データ31を読み出し、履歴データ31に基づいて管理値を設定してもよい。例えば、品質データ83の示す品質レベルおよび生産数データ81の示す生産数が所定値以上の場合において、対応する消費電力量データ71の示す消費電力量のうち、最小の消費電力量を目標値として設定する。また、例えば、品質データ83の示す品質レベルおよび生産数データ81の示す生産数が所定値以上の場合において、対応する設備物理量データ82の示す設備物理量の最小値から最大値の範囲を適正範囲として設定する。
【0069】
また、管理値設定部24は、生産設備3の稼働日/非稼働日または曜日毎の管理値をそれぞれ設定してもよい。また、管理値設定部24は、日間、月間、年間等の消費電力量の目標値を設定してもよい。
【0070】
データ送信部23は、データ収集部21から測定データ70と、データ加工部22から加工データ90とを受信し、受信した測定データ70および加工データ90を、通信部13を介して端末2に送信するものである。また、データ送信部23は、記憶部12から管理値設定テーブル32を読み出し、読み出した管理値設定テーブル32を通信部13を介して端末2に送信する。また、データ送信部23は、記憶部12から履歴データ31を読み出し、読み出した履歴データ31を通信部13を介して端末2に送信する。
【0071】
記憶部12は、制御部11が参照するプログラムやデータ等を格納するものであり、例えば、上記の履歴データ31および管理値設定テーブル32等を格納している。
【0072】
なお、データ収集保持装置1は、データ計測装置4の計測周期と同期してデータを収集し、収集したデータの加工およびデータの送信等をリアルタイムで実行する。
【0073】
〔端末の構成〕
次に、図1に基づいて、本実施形態に係る端末2について説明する。図1は、端末2の要部構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、端末2は、制御部41、記憶部42、通信部43、表示部44および操作部(入力手段)45を備えている。なお、端末2は、音声入力部、音声出力部等の部材を備えていてもよい。
【0074】
通信部43は、無線通信手段または有線通信手段によって、データ収集保持装置1等の他の装置と通信を行い、制御部41の指示に従って、データのやりとりを行うものである。
【0075】
表示部44は、制御部41の指示に従って画像を表示するものである。表示部44は、制御部41の指示に従って画像を表示するものであればよく、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどを適用することが可能である。
【0076】
操作部45は、ユーザが端末2に指示信号を入力し、端末2を操作するためのものである。操作部45は、キーボード、マウス、キーパッド、操作ボタンなどの入力機器等で構成されているものであってもよい。また、操作部45と表示部44とが一体となっているタッチパネルであってもよい。また、操作部45は、端末2と別体のリモートコントローラ等の遠隔制御装置であってもよい。
【0077】
制御部41は、記憶部42から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、端末2が備える各部を統括的に制御するものである。
【0078】
本実施形態では、制御部41は、機能ブロックとして、データ取得部(データ取得手段)51、表示制御部(表示制御手段)52および指示信号送信部(信号送信手段)53を備える構成である。これらの制御部41の各機能ブロック(51〜53)は、CPUが、ROM等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0079】
データ取得部51は、データ収集保持装置1から、通信部43を介して、測定データ70および加工データ90を所定の周期で取得するものである。データ取得部51は、少なくとも消費電力量データ71、生産数データ81および設備物理量データ82を取得する。ここで、データ取得部51が各データを取得する周期を取得周期と称する。
【0080】
データ取得部51は、各データの計測周期に合わせて、各データを取得してもよい。つまり、各データの取得周期は計測周期であってもよい。また、データ取得部51は、生産設備3が実行する一工程にかかる時間である工程時間または当該工程時間の自然数倍の時間に合わせて、当該生産設備3の各データを取得してもよい。
【0081】
また、データ取得部51は、通信部43を介して、管理値設定テーブル32を取得してもよい。また、データ取得部51は、通信部43を介して、データ収集保持装置1が保持している履歴データ31を、通信部43を介して取得してもよい。
【0082】
表示制御部52は、データ取得部51が取得した各データ(測定データ70、加工データ90および履歴データ31)をグラフにして、リアルタイムで表示部44に表示するものである。表示制御部52は、少なくとも消費電力量データ71、生産数データ81および設備物理量データ82が示す消費電力量、生産数および設備物理量のグラフをそれぞれ同時に表示部44に表示する。換言すると、表示制御部52は、消費電力量、生産数および設備物理量の履歴を同一画面上に表示させるとともに、表示内容を所定の周期で更新するものである。ここで、表示制御部52が表示を更新する周期を更新周期と称する。
【0083】
なお、表示制御部52が表示を更新する更新周期は、上記計測周期であってもよいし、生産設備3が実行する一工程にかかる時間である工程時間の自然数倍の時間であってもよい。
【0084】
また、表示制御部52は、データ取得部51が取得した管理値設定テーブル32に基づいて、消費電力量の目標値を消費電力量のグラフ上に重ねて表示すると共に、設備物理量の適正範囲を設備物理量のグラフ上に重ねて表示する。
【0085】
また、表示制御部52は、ユーザが操作部45を操作して表示している対象(生産設備3単位、ライン単位または工場7単位)を切り替えると、上記入力手段に入力されたユーザの指示信号に基づいて、或る生産設備の消費電力量、生産数および設備物理量、1または複数の生産設備から成るラインの消費電力量、生産数および設備物理量、または、生産施設内の全生産設備の消費電力量、生産数および設備物理量に切り替えて表示する。
【0086】
また、表示制御部52は、ユーザが操作部45を操作して表示している消費電力量等のグラフの時間軸(日単位、月単位または年単位)を切り替えると、上記入力手段に入力されたユーザの指示信号に基づいて、表示するグラフの時間軸を日単位、月単位または年単位に切り替えて表示する。
【0087】
指示信号送信部53は、ユーザが操作部45を操作して管理値を設定すると、ユーザの指定した管理値を示す管理値設定信号を操作部45から取得し、取得した管理値設定信号を、通信部43を介してデータ収集保持装置1に送信する。
【0088】
なお、図示していないが、端末2は、データ収集保持装置1が備えるデータ加工部22を備えていてもよい。すなわち、端末2が取得した測定データ70から新たなデータ(加工データ90)を生成してもよい。
【0089】
〔表示画面例〕
次に、端末2の表示部44に表示される生産設備3の消費電力量等を示す電力量表示画面例を図4〜6に基づいて説明する。ここでは、工場7には3つのライン「クリーンルーム」、「SMT」、「ICパッケージ」が設置されており、各ラインは、1または複数の生産設備3で構成されているものとする。
【0090】
まず、工場7全体の消費電力量等を示す電力量表示画面例について図4に基づいて説明する。図4は、工場7全体の消費電力量等を示す電力量表示画面101の一例を示す図である。
【0091】
図4に示すように、電力量表示画面101は、3つの領域を有する。すなわち、電力量表示画面101は、第1データ表示領域111と、第2データ表示領域112と、生産設備配置表示領域113とを含む。第1データ表示領域111には、各データのグラフが表示される。また、第2データ表示領域112には、消費電力量等が数値で表示される。また、生産設備配置表示領域113には、工場7内の生産設備3の配置図が表示される。
【0092】
図4に示す例では、第1データ表示領域111には、3つのグラフが表示される。具体的には、工場7内の全生産設備3の消費電力量の合計を示すグラフ124と、工場7内の全生産設備3の消費電力量の累計および工場7内のラインまたは各生産設備の生産数の累計を示すグラフ125と、工場7内のラインまたは各生産設備のパーティクル量を示すグラフ126とが表示される。
【0093】
また、グラフ124,125,126には、それぞれ管理値も描画される。具体的には、グラフ124には、工場7内の全生産設備3の消費電力量の合計の目標値が描画される。また、グラフ125には、工場7内の全生産設備3の消費電力量の累計の目標値が描画される。また、グラフ126には、工場7内の各生産設備のパーティクル量の適正範囲(上限値)が描画される。
【0094】
また、図4に示す例では、第1データ表示領域111内にある時間軸変更タブがあり、現在「本日」タブ121が選択されている。そのため、各グラフ124、125、126は、それぞれ1日単位のデータが描画されている。すなわち、グラフ124では、本日の0時〜24時までの工場7内の全生産設備3の消費電力量の合計等が描画されている。また、グラフ125では、本日の0時〜24時までの工場7内の全生産設備3の消費電力量の累計等が描画されている。また、グラフ126では、本日の0時〜24時までの工場7内の各生産設備のパーティクル量が描画されている。
【0095】
図4に示す画面の状態から「今月」タブ122または「本年度」タブ123を選択することにより、第1データ表示領域111内のグラフの時間軸の単位を変更することができる。
【0096】
また、図4に示す例では、第2データ表示領域112には、現在の消費電力量、過去の消費電力量、消費電力量の目標値および目標値に対する効率が表示される。具体的には、今日の使用電力量(消費電力量)、昨日の使用電力量、1日間(24時間)の消費電力量の目標値および本日の目標値に対する現在の効率が表示される。ここで、効率とは、消費電力量の目標値に対する現在の消費電力量の割合である。つまり、効率が100%より値が小さくなればなるほど省エネルギー化が達成できていることを示し、効率が100%より大きい値であれば、目標が達成できていないことを示す。
【0097】
なお、図4に示す例では、第2データ表示領域112には、消費電力量の電力値(kwh)が描画されていると共に、電力量を電気料金に換算した金額(円)が併記されている。また、第2データ表示領域112に描画される消費電力量等の時間単位は、第1データ表示領域111と連動するものとする。図4に示す例では、「本日」タブ121が選択されているため、第2データ表示領域112でも、日単位の消費電力量が表示される。
【0098】
なお、第2データ表示領域112に原単位の消費電力量を表示してもよい。また、電気料金の代わりに、電力量を二酸化炭素の排出量に換算した値を表示してもよい。また、消費電力量の目標値より現在の消費電力量(実績値)が少なければ、目標値と実績値との差分値(余分量)を表示してもよい。
【0099】
また、図4に示す例では、生産設備配置表示領域113には、工場7全体のラインおよび生産設備3の配置図が表示される。また、生産設備配置表示領域113には、配置図上に、各ラインおよび各生産設備3の状態を示すアイコン(例えば、アイコン132)が描画されている。また、生産設備配置表示領域113内に、当該アイコンの凡例を説明する判例表示領域131が含まれる。
【0100】
各ラインおよび各生産設備3の状態を示すアイコンは、円形であり、4つの領域に分割されている。各領域は、それぞれ、消費電力量、パーティクル量、エアー流量、温湿度の値が適正範囲内であるか否かを示すものである。ここでは、消費電力量、パーティクル量、エアー流量、温湿度の値が適正範囲内であるか否かを色で示すものとする。具体的には、領域が青色であれば、各値が正常値であることを示す。また、領域が黄色であれば、各値は適正範囲内であるが、適正範囲の臨界値に近いことを示す。また、領域が赤色であれば、各値が適正範囲外であり、異常値であることを示す。また、領域が灰色であれば、当該値を計測するセンサーが設置されていないことを示す。なお、「適正範囲の臨界値に近い」とは、例えば、適正範囲の上限値または下限値の80%以上100%未満の範囲として規定してもよい。
【0101】
図4に示す例では、アイコン134が付加されている生産設備3の消費電力量の値が異常であることを示す。
【0102】
また、生産設備配置表示領域113には、画面に表示する対象を、工場、フロア(部屋)、ラインまたは生産設備に変更するための表示対象変更タブが表示されている。図4に示す例では、表示対象を各ラインに変更するための表示対象変更タブ141、142、143が表示されている。
【0103】
例えば、表示対象変更タブ141をユーザが選択すると、生産設備配置表示領域113に、クリーンルーム内の配置図が拡大して表示される。また、第1データ表示領域111および第2データ表示領域112には、クリーンルームまたはクリーンルーム内の生産設備3の消費電力量等が表示される。なお、表示対象変更タブを選択する代わりに、配置図上のラインまたは生産設備3を選択することによって、表示対象を変更してもよい。
【0104】
次に、図4に示す電力量表示画面が表示されている状態から、「今月」タブ122を選択したときに表示される電力量表示画面例を図5に基づいて説明する。図5は、工場7全体の消費電力量等を月単位で示す電力量表示画面102の一例を示す図である。
【0105】
図5に示すように、第1データ表示領域111に表示されているグラフ151、152、153は、それぞれ一月単位のデータが描画されている。すなわち、グラフ151では、今月の1日〜31日(末日)までの工場7内の全生産設備3の消費電力量の合計等が描画されている。また、グラフ152では、今月の1日〜31日(末日)までの工場7内の全生産設備3の消費電力量の累計等が描画されている。また、グラフ153では、今月の1日〜31日(末日)までの工場7内の各生産設備のパーティクル量が描画されている。
【0106】
また、「今月」タブ122が選択されているため、第1データ表示領域111に連動して、第2データ表示領域112に表示される消費電力量も月単位で表示される。具体的には、今月の使用電力量(消費電力量)、先月の使用電力量、一月間の消費電力量の目標値および今月の目標値に対する現在の達成率が表示される。
【0107】
次に、図4に示す電力量表示画面が表示されている状態から、表示対象変更タブ143(「ICパッケージ」ライン)を選択したときに表示される電力量表示画面例を図6に基づいて説明する。図6は、ICパッケージ内の生産設備の消費電力量等を示す電力量表示画面103の一例を示す図である。
【0108】
図6に示すように、生産設備配置表示領域113には、ICパッケージ内の各生産設備3の配置図が拡大して表示される。また、ICパッケージのライン全体の状態を示すアイコンと各生産設備の状態を示すアイコンとが表示される。また、このとき、表示対象変更タブとして、工場全体表示に戻るための表示対象変更タブ144が表示される。
【0109】
また、図6に示す例では、第1データ表示領域111に、5つのグラフが表示される。具体的には、ICパッケージ内の全生産設備3の消費電力量の合計を示すグラフ161と、ICパッケージ内の全生産設備3の消費電力量の累計およびICパッケージの生産数の累計を示すグラフ162と、ICパッケージ内の各生産設備のパーティクル量を示すグラフ163と、ICパッケージ内の各生産設備の温湿度を示すグラフ164と、ICパッケージ内の各生産設備のエアー流量を示すグラフ165とが表示される。
【0110】
また、図6に示す例では、第2データ表示領域112に、今日のICパッケージ全体の使用電力量(消費電力量)、昨日のICパッケージ全体の使用電力量、1日間(24時間)のICパッケージ全体の消費電力量の目標値およびICパッケージ全体における本日の目標値に対する現在の達成率が表示される。なお、ここでは、消費電力量が原単位で表示されている、つまり、ICパッケージ全体の消費電力量をICパッケージの生産数で除算した値が表示されている。
【0111】
次に、図7に基づいて、ユーザが管理値を設定する際に表示部44に表示される管理値設定画面例について説明する。図7は、管理値の設定時に表示される管理値設定画面の一例を示す図である。
【0112】
図7に示す管理値設定画面は、生産設備「DB2」の消費電力量の目標値を設定するためのものである。領域201には、生産設備「DB2」の月別の年間の消費電力量の実績値と目標値とが表示されている。また、領域202には、10分毎の消費電力量の実績値と目標値とが表示されている。なお、領域201および202において、「現設定」が現在設定されている消費電力量の目標値であり、「新設定」が新たに設定する目標値である。
【0113】
領域201および202における「新設定」に値を入力することによって、ユーザは新たな目標値を設定することができる。また、領域203および204に表示されているように、現在設定されている目標値または過去の実績値に基づいて、新たな目標値を設定することもできる。具体的には、図示の例では、現在設定されている目標値または過去の実績値に対する割合を入力することにより、新たな目標値を設定することもできる。
【0114】
〔管理値設定処理の別の例〕
図7に示す例では、1日における各時分(10分毎)に対して、現在の管理値または過去1ヶ月の実績を参照して、特定の演算を行うことによって新しい管理値を自動設定することが可能となっている。これに対して、管理値設定部24が行う管理値演算の設定処理をより詳細に行うことを可能とする例について以下に説明する。
【0115】
図11は、管理値設定部24が管理値演算を行う際の各種パラメータを設定するパラメータ設定画面の一例を示している。このパラメータ設定画面は、例えば図7に示す管理値設定画面において、パラメータ設定画面呼び出しボタンを設けておき、このボタンがユーザによって押されることによって呼び出されるようになっていてもよい。
【0116】
図11に示すように、パラメータ設定画面には、パラメータとして、管理値演算対象月、参照期間、対象日種別、演算種別、および補正量に関する設定状態が表示されている。なお、パラメータとしては、これらに限定されるものではなく、また、これらが全て必須であるわけではない。
【0117】
管理値演算対象月は、管理値演算が行われる対象期間としての月を設定するパラメータを示している。なお、この例では、管理値演算が行われる対象期間を月単位で指定するようになっているが、日単位で期間を指定するようになっていてもよい。すなわち、管理演算が行われる対象期間の開始年月日および終了年月日が指定されるようになっていてもよい。
【0118】
参照期間は、管理値演算が行われる際に、過去の実績として参照とする期間を設定するパラメータを示している。すなわち、管理値設定部24は、記憶部12に記憶されている履歴データ31の中から、この参照期間に含まれるデータを読み出すことによって管理演算を行う。
【0119】
参照期間の選択肢としては、「前月」、「前年同月」、および、「指定期間」が挙げられるが、これらに限定されるものではない。「前月」は、管理値演算対象月の前月を参照期間とする場合である。この場合、前月の実績との比較に基づいて管理値演算を行うことができる。「前年同月」は、管理値演算対象月の1年前の同じ月を参照期間とする場合である。例えば消費電力量の場合、季節によって数値が変動する傾向があるので、「前年同月」を選択することによって、季節に応じた管理値を設定することが可能となる。「指定期間」は、参照期間を開始年月日および終了年月日によって指定する場合である。例えば生産計画などに基づき、過去の特定の期間において特定の生産を行った場合に、その特定の期間における実績に応じた管理値を設定することが可能となる。よって、FA(Factory Automation)の現場における目標値管理の適用範囲を広くすることができる。なお、参照期間を、特定の年月や特定の週などで指定するようになっていてもよい。
【0120】
対象日種別は、参照期間のうち、実際に実績を参照する日の種別を指定するパラメータを示している。対象日種別としては、「同じ曜日」、および「平日/休日」が挙げられるが、これらに限定されるものではない。「同じ曜日」は、管理値演算対象月の各日において、参照期間のうちの同じ曜日の実績に基づいて管理値演算を行う場合である。例えば曜日によって生産状況が変化する場合、この「同じ曜日」を選択することによって、各曜日に応じた管理値を設定することが可能となる。「平日/休日」は、管理値演算対象月の各日において、平日であれば参照期間のうちの平日の実績に基づいて管理値演算を行い、休日であれば参照期間のうちの休日の実績に基づいて管理値演算を行う場合である。例えば平日か休日かによって生産状況が変化する場合、この「平日/休日」を選択することが好ましいことになる。なお、「平日」「休日」は、暦で規定される日でもよいし、「平日」が「生産設備稼働日」、休日が「生産設備非稼働日」であってもよい。
【0121】
演算種別は、過去の実績データに対して行う演算の種別を特定するパラメータを示している。演算種別としては、「平均値」、「最大値」、および「最小値」が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0122】
補正量は、参照期間の履歴に基づいて、演算種別に従って演算を行った結果の値に対して行う補正量を指定するパラメータを示している。補正量としては、「変更割合」および「オフセット」が挙げられるが、これに限定されるものではない。「変更割合」は、演算結果の値に対してどの程度の割合を管理値として設定するかを指定する場合である。例えば「変更割合」を90%と指定した場合、演算結果の値に対して90%の値を管理値として設定することになる。「オフセット」は、演算結果の値に対して、所定の値をプラスする、もしくはマイナスするかを指定する場合である。例えば「オフセット」を−0.01kwhとした場合、演算結果の値から0.01kwhをマイナスした値を管理値として設定することになる。
【0123】
以上の各種パラメータが指定された後に、ユーザによって「設定」ボタンが押されると、管理値設定部24は、指定された各種パラメータに基づいて管理値演算を行い、演算結果を管理値設定テーブル32として記憶部12に格納する。
【0124】
以上の処理は、例えば、翌月分の処理を前月末などに行うようにしてもよい。また、図11に示す例では、管理値演算対象月を特定の月としているが、これを期間とてしてもよい。この場合、例えば管理値演算対象を1年間とすれば、前年度分の履歴データに基づいて、1年分の管理値演算をまとめて実行することも可能である。
【0125】
なお、図11に示す例では、管理値演算の対象として消費電力量の目標値の場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、設備物理量および環境物理量の適正範囲についても同様の管理値演算を行うようにしてもよい。
【0126】
以上の管理値演算によれば、管理値の設定が自動化されるので、ユーザは日々のエネルギー消費量の管理だけをすればよく、ユーザの管理の手間を大幅に削減することができる。また、目標値算出のための対象期間を任意に、相対的に指定できるので、季節変動や日々の勤務時間など、様々な変動モデルに対応することが可能となる。よって、管理値の自動設定の適用範囲を広くすることができる。
【0127】
〔データ収集保持装置および端末の処理の流れ〕
次に、データ収集保持装置1および端末2の処理の流れについて図8〜図10に基づいて説明する。まず、データ収集保持装置1の処理の流れについて図8および図9に基づいて説明する。図8は、データ収集保持装置1のデータ収集処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、図9は、データ収集保持装置1のデータ送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0128】
図8に示すように、データ収集保持装置1のデータ収集部21は、各データ計測装置4から、測定データ70を計測周期に合わせて収集する(S1)。次に、データ加工部22は、収集した測定データ70から新たなデータ(加工データ90)を生成する(S2)。
【0129】
データ収集部21は、収集した測定データ70を記憶部12に履歴データ31として格納し、データ加工部22は、生成した加工データ90を記憶部12に履歴データ31として格納する(S3)。そして、所定の計測周期が経過するのを待ち(S4)、再び、各データ計測装置4から測定データ70を収集する。
【0130】
一方、図9に示すように、データ収集保持装置1は、データ収集処理を実行している間、端末2からのデータを要求する信号を待つ(S11)。データ収集保持装置1は、端末2からデータを要求する信号を受信すると、データ送信部23は、収集した測定データ70および当該測定データ70から生成した加工データ90を端末2に送信する(S12)。
【0131】
なお、データ収集保持装置1は、端末2から履歴データ31または管理値設定テーブル32を要求する信号を受信すると、要求に応じて、履歴データ31または管理値設定テーブル32を端末2に送信する。また、データ収集保持装置1は、管理値設定テーブル32を更新した場合、更新後の管理値設定テーブル32を端末2に送信してもよい。
【0132】
次に、端末2の処理の流れについて図10に基づいて説明する。図10は、端末2の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0133】
図10に示すように、端末2のデータ取得部51は、データ収集保持装置1から測定データ70および加工データ90を所定の取得周期で取得する(S21)。表示制御部52は、取得した測定データ70および加工データ90に基づいて、電力量表示画面を作成する(S22)。次に、表示制御部52は、作成した電力量表示画面を表示部44に表示する(S23)。そして、所定の更新周期が経過するのを待ち(S24)、再び、データ収集保持装置1から測定データ70および加工データ90を取得して、表示を更新する。
【0134】
このように、端末2は、取得した消費電力量データ、生産数データおよび設備物理量データが示す消費電力量、生産数および設備物理量の履歴を同一画面上に表示させるとともに、表示内容を所定の周期で更新する。そのため、ユーザは、表示が更新されるたびに、その時点での消費電力量、生産数および設備物理量の値および変化を同時に確認することができる。よって、ユーザは、表示されている情報に基づいて、生産性および品質を維持すると共に省電力化を図るための行動を表示された時点でとることができる。
【0135】
ここで、例えば、端末2が表示を更新する更新周期が、消費電力量、生産数および設備物理量を計測する計測周期と同期している場合、ユーザは、現在の生産設備の消費電力量、生産数および設備物理量の値および変化を同時に確認することができる。そのため、ユーザは、現在の生産設備の消費電力量、生産数および設備物理量に基づいて、生産性および品質を維持すると共に省電力化を図るための行動をリアルタイムでとることができる。
【0136】
また、端末2が設備物理量の現在および過去の値を表示するため、ユーザは、設備物理量の値および変化に基づいて、生産設備の環境状態(例えば、クリーンルーム内のパーティクル量等)の改善を図るための行動をとることができる。
【0137】
〔管理値判定処理〕
上記の例では、端末2において、表示制御部52は、データ取得部51が取得した管理値設定テーブル32に基づいて、消費電力量の目標値を消費電力量のグラフ上に重ねて表示すると共に、設備物理量の適正範囲を設備物理量のグラフ上に重ねて表示するようになっている。ユーザは、このグラフを確認することによって、消費電力量が目標値を超えたことや、設備物理量が適正範囲から外れたことなどを認識する。
【0138】
これに対して、消費電力量が目標値を超えた場合、もしくは、設備物理量または環境物理量が適正範囲から外れた場合に、警報が発せられてユーザにその旨が通知されるようにしてもよい。図12は、この警報処理が行われるデータ収集保持装置1の構成を示している。同図に示すように、制御部11は、図3に示す構成に加えて、管理値判定部25を備えている。
【0139】
管理値判定部25は、データ収集部21から測定データ70と、データ加工部22から加工データ90とを受信するとともに、記憶部12から管理値設定テーブル32を読み出す。そして、管理値判定部25は、測定データ70および加工データ90と、管理値設定テーブル32とを比較し、消費電力量が目標値を超えたか否か、もしくは、設備物理量または環境物理量が適正範囲から外れたか否かを判定する。なお、管理値判定部25は、消費電力量、設備物理量、および環境物理量の少なくともいずれか1つを監視するようになっていればよい。また、管理値判定部25は、必要に応じて、測定データ70および加工データ90のいずれか1つを受信するようになっていてもよい。
【0140】
管理値判定部25は、消費電力量が目標値を超えた、もしくは、設備物理量または環境物理量が適正範囲から外れたと判定した場合、その旨をデータ送信部23に送信する。この場合、データ送信部23は、消費電力量が目標値を超えた、もしくは、設備物理量または環境物理量が適正範囲から外れたことを警報情報として通信部13を介して端末2に送信する。
【0141】
一方、管理値判定部25は、消費電力量が目標値を超えていない、ならびに、設備物理量および環境物理量が適正範囲から外れていない、と判定した場合、測定データ70および加工データ90をそのままデータ送信部23に送信する。
【0142】
端末2は、データ収集保持装置1から通信部43を介して警報情報を受信すると、制御部41の表示制御部52が、表示部44に警報情報に基づく警報表示を行う。この警報表示としては、例えば、消費電力量が目標値を超えた、もしくは、設備物理量または環境物理量が適正範囲から外れたことを表示画面上に目立つように点滅表示させる、などが挙げられる。また、この警報表示と合わせて、警報を示す音声が出力されるようになっていてもよい。
【0143】
なお、通常時においては、データ収集保持装置1は、端末2からデータを要求する信号を受信したときに、データ送信部23が、測定データ70および加工データ90を端末2に送信するが、警報時には、管理値判定部25が警報判定したときに、データ送信部23が警報情報を端末2に送信するようにしてもよい。この場合、警報処理をより早く行うことが可能となる。
【0144】
〔補足〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0145】
最後に、データ収集保持装置1および端末2の各ブロック、特に制御部11および制御部41は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0146】
すなわち、データ収集保持装置1および端末2は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるデータ収集保持装置1および端末2の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、データ収集保持装置1および端末2にそれぞれ供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0147】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM(登録商標)/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0148】
また、データ収集保持装置1および端末2をそれぞれ通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明は、工場等の生産設備の省エネルギー化を図るために使用する、生産設備の消費電力量を表示する電力量表示装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0150】
1 データ収集保持装置(データ収集装置)
2 端末(電力量表示装置)
3 生産設備
4 データ計測装置
8 電力量表示システム
21 データ収集部
22 データ加工部
23 データ送信部(データ送信手段)
24 管理値設定部(管理値設定手段)
31 履歴データ
32 管理値設定テーブル(管理値情報)
44 表示部
45 操作部(入力手段)
51 データ取得部(データ取得手段)
52 表示制御部(表示制御手段)
53 指示信号送信部(信号送信手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産設備の消費電力量を表示する電力量表示装置であって、
上記生産設備の消費電力量を示す消費電力量データ、上記生産設備が供給した生産数を示す生産数データ、および、上記生産設備の環境状態を示す設備物理量を示す設備物理量データをそれぞれ取得するデータ取得手段と、
上記データ取得手段が取得した上記消費電力量データ、生産数データおよび設備物理量データが示す消費電力量、生産数および設備物理量の履歴を同一画面上に表示させるとともに、表示内容を所定の周期で更新する表示制御手段とを備えることを特徴とする電力量表示装置。
【請求項2】
上記表示制御手段が表示を更新する更新周期は、上記生産設備が実行する一工程にかかる時間である工程時間の自然数倍の時間であることを特徴とする請求項1に記載の電力量表示装置。
【請求項3】
上記データ取得手段は、消費電力量の目標値および設備物理量の適正範囲が規定されている管理値情報を取得し、
上記表示制御手段は、上記データ取得手段が取得した上記管理値情報に基づいて、上記消費電力量、生産数および設備物理量と共に、消費電力量の目標値および設備物理量の適正範囲を同一画面上に表示することを特徴とする請求項1または2に記載の電力量表示装置。
【請求項4】
上記生産設備は、生産施設内に複数設置されており、
ユーザからの操作指示を受け付ける入力手段と、
上記表示制御手段は、上記入力手段に入力されたユーザの指示信号に基づいて、或る生産設備の消費電力量、生産数および設備物理量と、1または複数の生産設備から成るラインの消費電力量、生産数および設備物理量と、上記生産施設内の全生産設備の消費電力量、生産数および設備物理量とを切り替えて表示することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電力量表示装置。
【請求項5】
生産設備の消費電力量を表示する電力量表示システムであって、
請求項3に記載の電力量表示装置と、
上記消費電力量データ、生産数データおよび設備物理量データを収集して、上記電力量表示装置に送信するデータ収集装置とを含み、
上記データ収集装置は、上記管理値情報を設定する管理値設定手段と、上記管理値設定手段が設定した上記管理値情報を上記電力量表示装置に送信するデータ送信手段とを備えることを特徴とする電力量表示システム。
【請求項6】
上記データ収集装置は、さらに、上記生産設備が供給した生産物の品質の程度を示す品質レベルを示す品質データを収集し、
上記管理値設定手段は、過去に収集した消費電力量データ、設備物理量データおよび品質データに基づいて、上記管理値情報を生成することを特徴とする請求項5に記載の電力量表示システム。
【請求項7】
上記電力量表示装置は、ユーザからの操作指示を受け付ける入力手段と、上記入力手段に入力されたユーザの指示信号を送信する信号送信手段とをさらに備え、
上記データ収集装置の上記管理値設定手段は、受信したユーザの指示信号に従って、上記管理値情報を設定することを特徴とする請求項5に記載の電力量表示システム。
【請求項8】
上記管理値設定手段は、現在設定されている管理値情報に基づいて、新たな管理値情報を設定することを特徴とする請求項5に記載の電力量表示システム。
【請求項9】
上記管理値設定手段が、過去に収集した消費電力量データのうち所定の参照期間の消費電力量データに対して所定の演算を行うことによって上記管理値情報を生成することを特徴とする請求項5記載の電力量表示システム。
【請求項10】
上記参照期間が、ユーザによって選択された期間であることを特徴とする請求項9記載の電力量表示システム。
【請求項11】
上記管理値情報が、1日における所定の時分毎に設定されていることを特徴とする請求項9または10記載の電力量表示システム。
【請求項12】
上記管理値設定手段が、上記参照期間のうち、ユーザによって指定された特定の種別の日の消費電力量データに対して所定の演算を行い、上記特定の種別の日として、特定の曜日、生産設備稼働日、および、生産設備非稼働日の少なくともいずれか1つが指定されることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載の電力量表示システム。
【請求項13】
上記電力量表示装置と、上記データ収集装置とが一体の装置であることを特徴とする請求項5記載の電力量表示システム。
【請求項14】
生産設備の消費電力量を表示する電力量表示方法であって、
上記生産設備の消費電力量を示す消費電力量データ、上記生産設備が供給した生産数を示す生産数データ、および、上記生産設備の環境状態を示す設備物理量を示す設備物理量データをそれぞれ取得するデータ取得ステップと、
上記データ取得ステップにおいて取得された上記消費電力量データ、生産数データおよび設備物理量データが示す消費電力量、生産数および設備物理量の履歴を同一画面上に表示させるとともに、表示内容を所定の周期で更新する表示制御ステップとを含むことを特徴とする電力量表示装置。
【請求項15】
請求項1〜4の何れか1項に記載の電力量表示装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
生産設備の消費電力量を表示する電力量表示装置であって、
上記生産設備の消費電力量を示す消費電力量データ、上記生産設備が供給した生産数を示す生産数データ、および、上記生産設備の環境状態を示す設備物理量を示す設備物理量データをそれぞれ取得するデータ取得手段と、
上記データ取得手段が取得した上記消費電力量データ、生産数データおよび設備物理量データが示す消費電力量、生産数および設備物理量の履歴を同一画面上に表示させるとともに、表示内容を所定の周期で更新する表示制御手段とを備えることを特徴とする電力量表示装置。
【請求項2】
上記表示制御手段が表示を更新する更新周期は、上記生産設備が実行する一工程にかかる時間である工程時間の自然数倍の時間であることを特徴とする請求項1に記載の電力量表示装置。
【請求項3】
上記データ取得手段は、消費電力量の目標値および設備物理量の適正範囲が規定されている管理値情報を取得し、
上記表示制御手段は、上記データ取得手段が取得した上記管理値情報に基づいて、上記消費電力量、生産数および設備物理量と共に、消費電力量の目標値および設備物理量の適正範囲を同一画面上に表示することを特徴とする請求項1または2に記載の電力量表示装置。
【請求項4】
上記生産設備は、生産施設内に複数設置されており、
ユーザからの操作指示を受け付ける入力手段と、
上記表示制御手段は、上記入力手段に入力されたユーザの指示信号に基づいて、或る生産設備の消費電力量、生産数および設備物理量と、1または複数の生産設備から成るラインの消費電力量、生産数および設備物理量と、上記生産施設内の全生産設備の消費電力量、生産数および設備物理量とを切り替えて表示することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電力量表示装置。
【請求項5】
生産設備の消費電力量を表示する電力量表示システムであって、
請求項3に記載の電力量表示装置と、
上記消費電力量データ、生産数データおよび設備物理量データを収集して、上記電力量表示装置に送信するデータ収集装置とを含み、
上記データ収集装置は、上記管理値情報を設定する管理値設定手段と、上記管理値設定手段が設定した上記管理値情報を上記電力量表示装置に送信するデータ送信手段とを備えることを特徴とする電力量表示システム。
【請求項6】
上記データ収集装置は、さらに、上記生産設備が供給した生産物の品質の程度を示す品質レベルを示す品質データを収集し、
上記管理値設定手段は、過去に収集した消費電力量データ、設備物理量データおよび品質データに基づいて、上記管理値情報を生成することを特徴とする請求項5に記載の電力量表示システム。
【請求項7】
上記電力量表示装置は、ユーザからの操作指示を受け付ける入力手段と、上記入力手段に入力されたユーザの指示信号を送信する信号送信手段とをさらに備え、
上記データ収集装置の上記管理値設定手段は、受信したユーザの指示信号に従って、上記管理値情報を設定することを特徴とする請求項5に記載の電力量表示システム。
【請求項8】
上記管理値設定手段は、現在設定されている管理値情報に基づいて、新たな管理値情報を設定することを特徴とする請求項5に記載の電力量表示システム。
【請求項9】
上記管理値設定手段が、過去に収集した消費電力量データのうち所定の参照期間の消費電力量データに対して所定の演算を行うことによって上記管理値情報を生成することを特徴とする請求項5記載の電力量表示システム。
【請求項10】
上記参照期間が、ユーザによって選択された期間であることを特徴とする請求項9記載の電力量表示システム。
【請求項11】
上記管理値情報が、1日における所定の時分毎に設定されていることを特徴とする請求項9または10記載の電力量表示システム。
【請求項12】
上記管理値設定手段が、上記参照期間のうち、ユーザによって指定された特定の種別の日の消費電力量データに対して所定の演算を行い、上記特定の種別の日として、特定の曜日、生産設備稼働日、および、生産設備非稼働日の少なくともいずれか1つが指定されることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載の電力量表示システム。
【請求項13】
上記電力量表示装置と、上記データ収集装置とが一体の装置であることを特徴とする請求項5記載の電力量表示システム。
【請求項14】
生産設備の消費電力量を表示する電力量表示方法であって、
上記生産設備の消費電力量を示す消費電力量データ、上記生産設備が供給した生産数を示す生産数データ、および、上記生産設備の環境状態を示す設備物理量を示す設備物理量データをそれぞれ取得するデータ取得ステップと、
上記データ取得ステップにおいて取得された上記消費電力量データ、生産数データおよび設備物理量データが示す消費電力量、生産数および設備物理量の履歴を同一画面上に表示させるとともに、表示内容を所定の周期で更新する表示制御ステップとを含むことを特徴とする電力量表示装置。
【請求項15】
請求項1〜4の何れか1項に記載の電力量表示装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2013−65286(P2013−65286A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−185702(P2012−185702)
【出願日】平成24年8月24日(2012.8.24)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年8月24日(2012.8.24)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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