説明

電動アシスト自転車

【課題】駐輪場所が暗くても発進準備を行うのに支障が少ない電動アシスト自転車を提供する。
【解決手段】電動アシスト自転車1は、電池41を電源として駆動されるモータ40によりペダル23を踏み込む力をアシストする。駐輪状態のときにブレーキレバー32を握りしめると、ブレーキレバー32に組み合わせられたブレーキ検出部54から制御装置50に信号が伝わり、制御装置50は、手元操作部51自体の操作を待たず、手元操作部51の中の電池残量部63を点灯させる。使用者は、点灯した電池残量部63を手がかりとして、電源スイッチ60の位置を知ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電動アシスト自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
電池駆動のモータでペダルを踏み込む力(以下「ペダル踏力」と称する)をアシストする電動アシスト自転車は、重い荷物を載せていたり、坂道を登ったりするときに楽であることから、それを選択して購入する消費者が多くなっている。特許文献1に電動アシスト自転車の例を見ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−119993号公報(国際特許分類:B62J99/00、B60R16/04)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
夜間に自転車に乗ろうとする場合、駐輪場所が暗いと、車輪をロックした錠前の鍵穴に鍵を差し込むのが困難であることが多い。電動アシスト自転車の場合、電源をONにする操作もしなければならず、そのスイッチを探すのにも苦労する。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、駐輪場所が暗くても発進準備を行うのに支障が少ない電動アシスト自転車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の好ましい実施形態によれば、電動アシスト自転車は、電池駆動のモータでペダル踏力をアシストするものであって、駐輪状態のとき当該電動アシスト自転車の車体に力が加わることにより、車体に設けられた照明部が、手元操作部の操作を要することなく、前記電池からの電力で点灯する。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の電動アシスト自転車において、前記車体に加わる力は当該電動アシスト自転車のブレーキレバーに加えられる握力であり、前記ブレーキレバーには、握力が加えられたことを検出して前記照明部を点灯状態とさせるブレーキ検出部が組み合わせられる。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の電動アシスト自転車において、前記車体に加わる力は前記車体に加えられる振動であり、前記車体には、振動が加えられたことを検出して前記照明部を点灯状態とさせる振動検出部が設けられている。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の電動アシスト自転車において、前記照明部は、前記手元操作部に設けられる。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の電動アシスト自転車において、前記手元操作部に配置されたスイッチに関連付けられる表示灯が前記照明部に兼用される。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の電動アシスト自転車において、前記表示灯の光源に、前記スイッチの存在を明示する導光部材が組み合わせられる。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の電動アシスト自転車において、前記電動アシスト操作部に、そこに配置されたスイッチに関連付けられることなく前記照明部が配置される。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の電動アシスト自転車において、前記スイッチのバックライトが前記照明部となる。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の電動アシスト自転車において、前記照明部は、当該電動アシスト自転車の車輪をロックする錠前の鍵穴部に光を照射するものである。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の電動アシスト自転車において、前記錠前は後輪に対して設けられるものであり、シートステーに取り付けられるブレーキランプに前記照明部が設けられている。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の電動アシスト自転車において、前記ブレーキランプは、前記電池からの電力で点灯して当該電動アシスト自転車の搭乗者に光を照射するライトアップ照明部を備え、前記ライトアップ照明部は、当該電動アシスト自転車が走行している間、点灯を続ける。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、駐輪場所が暗くても、手探りで電動アシスト自転車を探し当てられさえすれば、照明部を点灯させることができ、発進準備を容易に整えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電動アシスト自転車の側面図である。
【図2】前記電動アシスト自転車のハンドルの一部の拡大図である。
【図3】前記電動アシスト自転車の手元操作部の平面図である。
【図4】前記電動アシスト自転車のブロック構成図である。
【図5】前記電動アシスト自転車の動作を説明するフローチャートである。
【図6】手元操作部の変形態様を示す平面図で、一部破断状態として内部構造を示すものである。
【図7】手元操作部の他の変形態様を示す平面図で、一部破断状態として内部構造を示すものである。
【図8】本発明の第2実施形態に係る電動アシスト自転車のブロック構成図である。
【図9】第2実施形態に係る電動アシスト自転車の動作を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の第3実施形態に係る電動アシスト自転車の要部側面図である。
【図11】第3実施形態に係る電動アシスト自転車のブロック構成図である。
【図12】第3実施形態に係る電動アシスト自転車の動作を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の第4実施形態に係る電動アシスト自転車のブロック構成図である。
【図14】第4実施形態に係る電動アシスト自転車の動作を説明するフローチャートである。
【図15】本発明の第5実施形態に係る電動アシスト自転車の要部側面図である。
【図16】第5実施形態に係る電動アシスト自転車の動作を説明するフローチャートである。
【図17】本発明の第6実施形態に係る電動アシスト自転車の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図1から図4までの図に基づき本発明の実施形態に係る電動アシスト自転車の構造を説明する。
電動アシスト自転車1のフレーム10は、前端のヘッドチューブ11と、搭乗者の騎乗位置に配置されるシートチューブ12をダウンチューブ13で連結した構造を有する。シートチューブ12には上端にサドル14を有するシートポスト15が上下位置調整可能に挿入される。ヘッドチューブ11はハンドル16のハンドルステム17を回転自在に保持する。
前輪18は、ハンドルステム17に回転不能に連結するフロントフォーク19に支持される。後輪20は、シートチューブ12の上端から後方に延び出すシートステー21と、シートチューブ12の下端から後方に延び出すチェーンステー22によって支持される。
シートチューブ12、ダウンチューブ13、及びチェーンステー22が集合する箇所に、ペダル23を備えたクランク24が配置される。クランク24の回転力はチェーン25により後輪20に伝達される。
前輪18に対しては、そのリムに制動をかける前ブレーキ26が設けられる。前ブレーキ26はフロントフォーク19に支持されている。後輪20に対しては、そのハブに対し制動をかける後ブレーキ(図示せず)が設けられる。
フロントフォーク19にはヘッドランプ27が取り付けられ、シートステー21にはブレーキランプ28が取り付けられる。フロントフォーク19には前かご29も取り付けられる。シートステー21とチェーンステー22は荷台30を支持する。チェーンステー22にはスタンド31が取り付けられる。
電動アシスト自転車1の要であるモータ40(図4参照)は、前輪18のハブの中にダイレクトドライブ方式のものが組み込まれている。モータ40に電力を供給する電池41は、シートチューブ12の後面に着脱可能に取り付けられる電池ケース42に収納されている。電池41は充電可能な二次電池である。
図4には電動アシスト自転車1の制御システムが示されている。電動アシスト自転車1の適所に配置された制御装置50には、ハンドル16に取り付けられた手元操作部51より操作指示が伝えられる。制御装置50はマイクロコンピュータを主要な構成要素とするものであり、速度検出部52、トルク検出部53、及びブレーキ検出部54からデータを収集し、電池41からの電力で動作する構成要素であるモータ40、ヘッドランプ27、及びブレーキランプ28を制御する。
速度検出部52は電動アシスト自転車1の速度を検出する。トルク検出部53はペダル踏力をトルクの形で検出する。ブレーキ検出部54は後ブレーキがかかったかどうかを検出する。
モータ40は回生制動を行うものであり、その時に発生する電力は電池41の補助充電に利用される。
後ブレーキをかけるのはハンドル16に設けられた左手用のブレーキレバー32である。ブレーキレバー32に、スイッチからなるブレーキ検出部54が組み合わせられており、ブレーキレバー32を握りしめると後ブレーキがかかると共にブレーキランプ28が点灯する。
手元操作部51には、図3に示す次の構成要素が配置される。すなわち、電動アシスト走行を選択する電源スイッチ60、電動アシスト走行の際の走行モードを選択するモードスイッチ61、ヘッドランプ27の点灯/消灯を選択するヘッドランプスイッチ62、電池41の充電残量を表示する電池残量表示部63、及び走行モードを表示するモード表示部64である。電源スイッチ60、モードスイッチ61、及びヘッドランプスイッチ62はいずれもメンブレンスイッチである。
電池残量表示部63は3個が横並びで配置された表示灯63a、63b、63cにより構成され、モード表示部64も3個が横並びで配置された表示灯64a、64b、64cにより構成される。これらの表示灯は、手元操作部51の上面に貼り付けられる外装シートに透光部を形成し、その透光部の下に光源となる発光ダイオード(LED)を配置することにより構成される。
電池残量表示部63は、表示灯63a、63b、63dの点灯の仕方で電池残量を表示する。表示灯63a、63b、63cが全て点灯すれば電池残量が80%以上あることを表す。表示灯63aと63bが点灯し、表示灯63cは消灯している状態は電池残量が70〜79%となったことを表す。表示灯63aのみが点灯し、表示灯63bと63cは消灯している状態は電池残量が60〜69%となったことを表す。表示灯63aがゆっくり点滅し、表示灯63bと63cは消灯している状態は電池残量が50〜59%となったことを表す。表示灯63aが急速に点滅し、表示灯63bと63cは消灯している状態は電池残量が50%未満となったことを表す。なお、上記の表示灯の点灯/消灯の組み合わせと、それが表す電池残量の値は単なる例示であり、限定的な意味を持つものではない。
モード表示部64の表示灯64aはオートモードであることを表し、表示灯64bは標準モードであることを表し、表示灯64cはパワーアップモードであることを表す。電源スイッチ60をONにすると、初期設定である標準モードの表示灯64bが点灯する。以後、モードスイッチ61を押すたびに標準モードからパワーアップモードへ、パワーアップモードからオートモードへ、オートモードから再び標準モードへと切り替わり、点灯する表示灯も順次移って行く。なお上記のモード設定は単なる例示であり、限定的な意味を持つものではない。
電動アシスト自転車1は、駐輪状態のとき車体に力が加わることにより、車体に設けられた照明部が、手元操作部51の操作を要することなく、電池41からの電力で点灯する。第1実施形態では、車体に加わる力はブレーキレバー32に加えられる握力であり、手元操作部51の表示灯、ここでは電池残量表示部63の表示灯63aが照明部となる。その動作フローを図5に基づき説明する。
図5のステップ#101では、電源スイッチ60がON状態であるかどうかがチェックされる。OFF状態であればステップ#102に進み、ON状態であればステップ#106に進む。ステップ#106に進んだ場合は通常の制御が行われる。
ステップ#102に進んだ場合は、ブレーキ検出部54がON状態になったかどうか、すなわちブレーキレバー32が握りしめられたかどうかをチェックする。ブレーキ検出部54がOFF状態であればステップ#101に戻る。ブレーキ検出部54がON状態になったらステップ#103に進む。
ステップ#103では、制御装置50が電池残量表示部63の表示灯63aを点灯する。これにより、電動アシスト自転車1に乗ろうとする使用者は、電源スイッチ60を容易に探し当て、それを押すことができる。
ステップ#103からステップ#104に進む。ステップ#104では、表示灯63aが点灯してから所定時間(例えば30秒)が経過したかどうかをチェックする。所定時間が経過したらステップ#105に進む。
ステップ#105では表示灯63aが消灯される。そしてステップ#101に戻る。
第1実施形態の構成によれば、駐輪場所が暗くて手元表示部51が見えないときでも、手探りでハンドル16を探し、ブレーキレバー32を握りしめれば表示灯63aが点灯するから、それを手がかりに電源スイッチ60の位置を知り、押すことができる。従って、暗闇に近い状態でもそれほど支障なく電源スイッチ60を入れることができる。なおここでは表示灯63aを照明部として用いたが、それ以外の表示灯、例えば表示灯63bや63cを照明部としても構わない。複数の表示灯を同時に点灯することとしてもよい。
図6に示すのは手元操作部51の改良形態である。この改良形態は、導光部材64を使って表示灯63aのLEDから電源スイッチ60の本体部へと光を送り、電源スイッチ60の位置を目立たせるようにしている。導光部材65は透明な合成樹脂からなり、表示灯63aのLEDを囲む直径の小さいリング65aと、電源スイッチ60の本体部を囲む直径の大きいリング65bを、直線状のブリッジ部65cで連結した形状である。表示灯63aが点灯するとリング65bが光る。これにより、電源スイッチ60の位置が明示される。言うまでもないが、手元操作部51の外装シートの中で、リング65bに相当する箇所は透光部としておく。
図7に示すのは手元操作部51の他の改良形態である。ここでは、電源スイッチ60に関連付けられている電池残量表示部63の表示灯や、モードスイッチ61に関連付けられているモード表示部64の表示灯とは別個に照明部66が設けられる。照明部66は、LEDからなる光源67と、光源67の放つ光で電源スイッチ60の本体部の周囲を光らせる導光部材68により構成される。照明部66は電源スイッチ60のバックライトとして機能する。
ブレーキレバー32に加えられる握力以外の力を、駐輪状態のとき車体に加わる力として設定することもできる。以下それを、電動アシスト自転車1の第2実施形態として図8及び図9に基づき説明する。
第2実施形態は、振動検出部70を備えることを特徴とする。振動検出部70は、例えば三次元加速度センサで構成され、手元操作部51の中など、電動アシスト自転車1を揺すったとき大きく揺れやすい箇所に配置される。
第2実施形態の動作フローを図9に基づき説明する。図9のステップ#111では、電源スイッチ60がON状態であるかどうかがチェックされる。OFF状態であればステップ#112に進み、ON状態であればステップ#116に進む。ステップ#116に進んだ場合は通常の制御が行われる。
ステップ#112に進んだ場合は、振動検出部7054が振動を検出したかどうかをチェックする。振動が検出されていなければステップ#111に戻る。振動が検出されたらステップ#113に進む。
ステップ#113では、制御装置50が電池残量表示部63の表示灯63aを点灯する。これにより、電動アシスト自転車1に乗ろうとする使用者は、電源スイッチ60を容易に探し当て、それを押すことができる。
ステップ#113からステップ#114に進む。ステップ#114では、表示灯63aが点灯してから所定時間(例えば30秒)が経過したかどうかをチェックする。所定時間が経過したらステップ#115に進む。
ステップ#115では表示灯63aが消灯される。そしてステップ#111に戻る。
第2実施形態の構成によれば、駐輪場所が暗くて手元表示部51が見えないときでも、手探りで電動アシスト自転車1を探し、ハンドル16を持って揺するなど、振動検出部70が検出できる程度の振動を与えれば、表示灯63aが点灯するから、それを手がかりに電源スイッチ60の位置を知り、押すことができる。従って、暗闇に近い状態でもそれほど支障なく電源スイッチ60を入れることができる。表示灯63a以外の表示灯を照明部として良いことは第1実施形態と同様である。
手元操作部51以外の場所に照明部を設けることもできる。例えば、車輪をロックする錠前の鍵穴部に光を照射する位置に照明部を設けることができる。以下それを、電動アシスト自転車1の第3実施形態として、図10から図12に基づき説明する。
図10には、後輪20をロックする錠前80がシートステー21に取り付けられている状態が描かれている。錠前80はリング錠であり、施錠状態にするための操作部80aと、解錠のための鍵穴部80bを有している。錠前80の後方に位置するブレーキランプ28は、筐体28aと、筐体28aの後面に設けられたレンズ28bと、レンズ28bを内部から照射して後続車両にブレーキがかかったことを報知するLED28cを備えるが、錠前80の方に向いた部分が、鍵穴部80bに光を照射する鍵穴照明ランプ81として構成されているものでもある。鍵穴照明ランプ81は、鍵穴部80bの方に向けられたレンズ81aと、レンズ81aを内面から照明するLED81bを備える。
第3実施形態の動作フローを図12に基づき説明する。図12のステップ#121では、電源スイッチ60がON状態であるかどうかがチェックされる。OFF状態であればステップ#122に進み、ON状態であればステップ#126に進む。ステップ#126に進んだ場合は通常の制御が行われる。
ステップ#122に進んだ場合は、ブレーキ検出部54がON状態になったかどうか、すなわちブレーキレバー32が握りしめられたかどうかをチェックする。ブレーキ検出部54がOFF状態であればステップ#121に戻る。ブレーキ検出部54がON状態になったらステップ#123に進む。
ステップ#123では、制御装置50が鍵穴照明ランプ81を点灯する。これにより、電動アシスト自転車1に乗ろうとする使用者は、錠前80の鍵穴部80bを容易に探し当て、鍵を差し込んで解錠することができる。
ステップ#123からステップ#124に進む。ステップ#124では、鍵穴照明ランプ81が点灯してから所定時間(例えば30秒)が経過したかどうかをチェックする。所定時間が経過したらステップ#125に進む。
ステップ#125では鍵穴照明ランプ81が消灯される。そしてステップ#121に戻る。
第3実施形態の構成によれば、駐輪場所が暗くて錠前80が見えないときでも、手探りでハンドル16を探し、ブレーキレバー32を握りしめれば鍵穴照明ランプ81が点灯するから、容易に錠前80を解錠し、発進準備を整えることができる。
第2実施形態と同様、振動検出部70が検出した振動によって鍵穴照明ランプ81が点灯するようにすることもできる。それを電動アシスト自転車1の第4実施形態として図13のブロック構成図に示し、図14のフローチャートで動作フローを説明する。
図14のステップ#131では、電源スイッチ60がON状態であるかどうかがチェックされる。OFF状態であればステップ#132に進み、ON状態であればステップ#136に進む。ステップ#136に進んだ場合は通常の制御が行われる。
ステップ#132に進んだ場合は、振動検出部70が振動を検出したかどうかをチェックする。振動が検出されていなければステップ#131に戻る。振動が検出されたらステップ#133に進む。
ステップ#133では、制御装置50が鍵穴照明ランプ81を点灯する。これにより、電動アシスト自転車1に乗ろうとする使用者は、錠前80の鍵穴部80bを容易に探し当て、鍵を差し込んで解錠することができる。
ステップ#133からステップ#134に進む。ステップ#134では、鍵穴照明ランプ81が点灯してから所定時間(例えば30秒)が経過したかどうかをチェックする。所定時間が経過したらステップ#135に進む。
ステップ#135では鍵穴照明ランプ81が消灯される。そしてステップ#131に戻る。
第4実施形態の構成によれば、駐輪場所が暗くて手元表示部51が見えないときでも、手探りで電動アシスト自転車1を探し、ハンドル16を持って揺するなど、振動検出部70が検出できる程度の振動を与えれば、鍵穴照明ランプ81が点灯するから、容易に錠前80を解錠し、発進準備を整えることができる。
第3実施形態または第4実施形態のブレーキランプ28の鍵穴照明ランプ81を、電動アシスト自転車1の搭乗者に光を照射するライトアップ照明部として利用することもできる。以下それを、第5実施形態として図15及び図16に基づき説明する。
図15に示すブレーキランプ28は、筐体28aの中で、レンズ28bに隣接する箇所から上面にかけての箇所にレンズがはめ込まれ、LED28cの放つ光が斜め上方に出射されるようになっている。このレンズがライトアップ照明部82となる。ブロック構成は図11に示す第3実施形態のブロック構成そのままである。
第5実施形態の動作フローを図16に基づき説明する。図16のステップ#141では、電源スイッチ60がON状態であるかどうかがチェックされる。OFF状態であればステップ#142に進み、ON状態であればステップ#146とステップ147に進む。
ステップ#142に進んだ場合は、ブレーキ検出部54がON状態になったかどうか、すなわちブレーキレバー32が握りしめられたかどうかをチェックする。ブレーキ検出部54がOFF状態であればステップ#141に戻る。ブレーキ検出部54がON状態になったらステップ#143に進む。
ステップ#143では、制御装置50が鍵穴照明ランプ81を点灯する。これにより、自転車1に乗ろうとする使用者は、錠前80の鍵穴部80bを容易に探し当て、鍵を差し込んで解錠することができる。
ステップ#143からステップ#144に進む。ステップ#144では、鍵穴照明ランプ81が点灯してから所定時間(例えば30秒)が経過したかどうかをチェックする。所定時間が経過したらステップ#145に進む。
ステップ#145では鍵穴照明ランプ81が消灯される。そしてステップ#141に戻る。
第5実施形態の構成によれば、駐輪場所が暗くて錠前80が見えないときでも、手探りでハンドル16を探し、ブレーキレバー32を握りしめれば鍵穴照明ランプ81が点灯するから、容易に錠前80を解錠し、発進準備を整えることができる。
ステップ#141で電源スイッチ60がONにされ、ステップ#146に進んだときは、通常の制御が行われる。またステップ#147も実行される。すなわち鍵穴照明ランプ81は、電源スイッチ60がONであるかぎり点灯する。これにより、ライトアップ照明部82から出射する光が搭乗者をライトアップし、暗い中でも搭乗者の存在が明瞭に認識されるから、自動車に追突されたりする危険を低減することができる。
図15のブレーキランプ28を、図13に示す第4実施形態のブロック構成に組み合わせることもできる。それを第6実施形態とし、図17に基づき動作フローを説明する。
図17のステップ#151では、電源スイッチ60がON状態であるかどうかがチェックされる。OFF状態であればステップ#152に進み、ON状態であればステップ#156とステップ#157に進む。
ステップ#152に進んだ場合は、振動検出部70が振動を検出したかどうかをチェックする。振動が検出されていなければステップ#151に戻る。振動が検出されたらステップ#153に進む。
ステップ#153では、制御装置50が鍵穴照明ランプ81を点灯する。これにより、自転車1に乗ろうとする使用者は、錠前80の鍵穴部80bを容易に探し当て、鍵を差し込んで解錠することができる。
ステップ#153からステップ#154に進む。ステップ#154では、鍵穴照明ランプ81が点灯してから所定時間(例えば30秒)が経過したかどうかをチェックする。所定時間が経過したらステップ#155に進む。
ステップ#155では鍵穴照明ランプ81が消灯される。そしてステップ#151に戻る。
ステップ#151で電源スイッチ60がONにされ、ステップ#156に進んだときは、通常の制御が行われる。またステップ#157も実行される。すなわち鍵穴照明ランプ81は、電源スイッチ60がONであるかぎり点灯する。これにより、ライトアップ照明部82から出射する光が搭乗者をライトアップし、暗い中でも搭乗者の存在が明瞭に認識されるから、自動車に追突されたりする危険を低減することができる。
第5実施形態と第6実施形態では、電動アシスト自転車1に周囲の明るさを測定するセンサを設け、周囲が一定以下の明るさになったときのみライトアップ照明が実施されるように構成してもよい。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0009】
本発明は電動アシスト自転車に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0010】
1 電動アシスト自転車
10 フレーム
16 ハンドル
18 前輪
20 後輪
27 ヘッドランプ
28 ブレーキランプ
32 ブレーキレバー
41 電池
51 手元操作部
54 ブレーキ検出部
60 電源スイッチ
63 電池残量表示部(照明部)
70 振動検出部
80 錠前
80b 鍵穴部
81 鍵穴照明部
82 ライトアップ照明部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池駆動のモータでペダル踏力をアシストする電動アシスト自転車において、
駐輪状態のとき当該電動アシスト自転車の車体に力が加わることにより、車体に設けられた照明部が、手元操作部の操作を要することなく、前記電池からの電力で点灯することを特徴とする電動アシスト自転車。
【請求項2】
前記車体に加わる力は当該電動アシスト自転車のブレーキレバーに加えられる握力であり、前記ブレーキレバーには、握力が加えられたことを検出して前記照明部を点灯状態とさせるブレーキ検出部が組み合わせられることを特徴とする請求項1に記載の電動アシスト自転車。
【請求項3】
前記車体に加わる力は前記車体に加えられる振動であり、前記車体には、振動が加えられたことを検出して前記照明部を点灯状態とさせる振動検出部が設けられていることを特徴とする電動アシスト自転車。
【請求項4】
前記照明部は、前記手元操作部に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電動アシスト自転車。
【請求項5】
前記手元操作部に配置されたスイッチに関連付けられる表示灯が前記照明部に兼用されることを特徴とする請求項4に記載の電動アシスト自転車。
【請求項6】
前記表示灯の光源に、前記スイッチの存在を明示する導光部材が組み合わせられることを特徴とする請求項5に記載の電動アシスト自転車。
【請求項7】
前記電動アシスト操作部に、そこに配置されたスイッチに関連付けられることなく前記照明部が配置されることを特徴とする請求項4に記載の電動アシスト自転車。
【請求項8】
前記スイッチのバックライトが前記照明部となることを特徴とする請求項4に記載の電動アシスト自転車。
【請求項9】
前記照明部は、当該電動アシスト自転車の車輪をロックする錠前の鍵穴部に光を照射するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電動アシスト自転車。
【請求項10】
前記錠前は後輪に対して設けられるものであり、シートステーに取り付けられるブレーキランプに前記照明部が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の電動アシスト自転車。
【請求項11】
前記ブレーキランプは、前記電池からの電力で点灯して当該電動アシスト自転車の搭乗者に光を照射するライトアップ照明部を備え、前記ライトアップ照明部は、当該電動アシスト自転車が走行している間、点灯を続けることを特徴とする請求項10に記載の電動アシスト自転車。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2011−230665(P2011−230665A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103172(P2010−103172)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)