説明

電動ガンにおける発射回数制御装置

【課題】 電動ガンにおいて連続発射回数即ち点射数の制御を正確に行えるようにする。
【解決手段】 モーターによって駆動されるセクターギアを介してピストンシリンダー装置を駆動する構成を持つ電動ガンにおいて、セクターギア20とともに回転する回転部21と係合して所要量移動可能なカウンターレバー33と、モーターへの通電を制御するスイッチング部22の部材と係合可能なカウンターストッパー34と、カウンターレバー33とカウンターストッパー34との間にてそれらと同方向へ移動可能かつそれらと接触可能な方向へ移動可能に設けられ、カウンターレバー33と係合する一方の係合部37並びにカウンターストッパー34と係合する他方の係合部38を有するカウンター30とを具備し、発射操作が行われ、係合部38にカウンターストッパー34が係合しない状態ではスイッチング部22がオフとなるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストンシリンダー装置の、可動部に設けられているラックと噛み合うセクターギアにより上記装置を駆動し、セクターギアを駆動するモーターへの通電をスイッチング部によって制御する電動ガンにおいて、連続発射回数を制御する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば特開平3−221793号等に開示されているように、電動式エアガンと通称される銃があり、それはピストンシリンダー装置のピストンをモーター駆動のギアによって駆動し、圧縮空気を生成して、弾丸を発射する方式である。このようなエアガンでは、引き金操作中は弾丸が発射され続けるので、あっという間に撃ち尽くしてしまうということになる。そこで、引き金を引き続けても、予めセットされた弾数しか発射されないように制御することが試みられている。
【0003】
しかし、従来の制御方式を搭載したものは、FET(電界効果型トランジスタ)を使用した駆動回路やタイマーを使用しており、これらは銃のコストを高くするという問題がある。またタイマーを使用する場合、バッテリーの状態によっては同じ時間設定であっても4連射となったり、2連射にとどまったりするという事態が起こり得る。
【0004】
一方出願された発明、考案の中には、例えば実開平6−30695号のものがあり、同考案は電動式エアガンや、電動式玩具銃において、引き金を引いた際に流れる電流を検出し、電流の流れる時間を制御することにより発射時に任意の点射数で点射(バースト)することが可能になる装置を提案している。しかし、この装置は引き金から指が離れ、スイッチが開いた場合に通電が休止されるものであり、それ以上の事柄を示唆するものではなく、また連射を制限する構成も持っていない。
【0005】
【特許文献1】特開平3−221793号
【特許文献2】実開平6−30695号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、電動ガンにおいて連続発射回数即ち点射数の制御を正確に行えるようにすることである。また本発明の他の課題は、コスト上昇を招かずに連続発射回数の制御を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するため、本発明は、ピストンシリンダー装置の、可動部に設けられているラックと噛み合うセクターギアにより上記装置を駆動し、セクターギアを駆動するモーターへの通電をスイッチング部によって制御する電動ガンにおいて、セクターギアとともに回転する回転部との係合により所要量移動可能なカウンターレバーと、スイッチング部の部材と係合可能なカウンターストッパーと、カウンターレバーとカウンターストッパーとの間においてそれらとほぼ平行な方向へ移動可能かつそれらと接触可能な方向へ移動可能に設けられ、カウンターレバーと係合可能な一方の係合部並びにカウンターストッパーと係合可能な他方の係合部を有するカウンターとを具備し、一方の係合部の位置をカウンターにおいてセットし、発射操作を行ないセクターギアとともに回転する回転部の動きに伴ってカウンターレバーが移動し、それと一方の係合部にて係合するカウンターを移動させ、他方の係合部にカウンターストッパーが係合して発射動作を行ない、他方の係合部にカウンターストッパーが係合しない状態ではスイッチングがオフとなるように構成するという手段を講じたものである。
【0008】
本発明において、ピストンシリンダー装置は圧縮エアを生成するものであるが、ピストンシリンダー装置では、通常、ピストンが往復する可動部であるのに対して、ピストンを固定しシリンダーを往復動作させることも可能である。また本発明は、ピストンとシリンダーのどちらを可動部としても成立するので、ピストンシリンダー装置の可動部とはピストンとシリンダーのどちらでも良い。
【0009】
可動部には、その往復動作方向に沿うラックが設けられ、ラックと噛み合うセクターギアによりピストンシリンダー装置の可動部を駆動する。セクターギアは、可動部を駆動するためにラックと噛み合う有歯部を持つとともに、可動部を往方向の限界位置まで駆動したのち、急速に圧縮動作させるために噛み合いのない状態とする無歯部を持つ。可動部は往復動作により圧縮エアを生成するために、往方向動作でのセクターギアとラックの噛み合いにより、例えばコイルばねのような付勢部材をその付勢力に抗して蓄圧する構成を取り、かつ復方向動作で付勢部材の付勢力により圧縮動作を行うことが好都合である。
【0010】
スイッチング部は、モーターへの通電を制御する手段である。電力のモーターへの供給を制御するために、スイッチ接点と、その接点を開閉操作する操作子を有している。また操作子による操作を受けて、連絡部材を動かし、スイッチ接点を開閉する方式を取ることができる。このようにスイッチング部は、操作子としてのトリガー即ち引き金、連絡部材及びスイッチ接点の例えば3部分から構成される。このスイッチング部は、トリガーを引くと連絡部材を介してスイッチ接点がオンとなり、トリガーを引くことを止めるとスイッチ接点がオフとなる。
【0011】
よって本発明の対象である電動ガンは、スイッチング部を操作すると、モーターが始動し、セクターギアの回転に伴い、その有歯部と噛み合うラックを設けた可動部が往方向動作を行い、可動部を往方向動作の限界位置まで駆動する。この駆動時に付勢部材の蓄圧が行われ、蓄圧の解放に伴い、可動部の復方向動作により、可動部によって固定部との間で空気の圧縮が行われ、圧縮エアが生成され、圧縮エアを固定部側の噴出ノズルから噴出させることができるものである。しかし、付勢部材を使用しなくても可動部の往復動作による圧縮エアの生成は可能であり、そのようなものも本発明の対象である。
【0012】
このような電動ガンにおいて、カウンターストッパーと、カウンターレバー、カウンターの3部分が、スイッチング部とセクターギアとの間に介装され、連続発射回数(点射数)の制御を行う。本発明の目的とする連続発射回数とは1回のトリガー操作で行われる発射動作の回数のことで、既に一部触れたように点射或いは○点バーストとも称し、例えば2回、3回等少ない回数の任意の数である。弾丸が装填されていれば1回のトリガー操作ごとに2発、3発等の連続発射が行なわれ、2発、3発等の連発ののち停止する。
【0013】
カウンターレバーは、セクターギアとともに回転する回転部と係合して所要量(距離)移動可能である。カウンターストッパーは、スイッチング部の部材と係合可能であり、そのスイッチング部の部材の動作により所要量(距離)移動可能に設けられている。カウンターは、カウンターストッパーとカウンターカバーとの間に配置され、それらとほぼ平行な方向へ移動可能かつ位置調節可能に設けられている。
【0014】
前記のように、スイッチング部はモーターへの通電を制御する手段であり、スイッチング部とモーター駆動のセクターギアとの間に介装されている、上記のカウンターストッパーと、カウンターレバーによりカウンターの位置を制御し、カウンターに設けられている係合突部の数によって発射回数(点射数)が制御される。カウンターには、カウンターレバーに係合可能な一方の係合部と、カウンターストッパーに係合可能な他方の係合部の2種類の係合部が設けられ、夫々複数個の係合凹部を有しており、カウンターレバーはセクターギアとともに回転する回転部により所要距離後方へ移動して、他方の係合部と係合するカウンターを後退させ、カウンターは1回後退するごとに他方の係合部とカウンターストッパーと係合する位置が後方へずれ、係合しない常態になるとスイッチング部がオフとなるように構成されている。
【0015】
カウンターレバーは、回転部が回転するごとに所定距離後方へ移動したあと、次の後方移動までの間に前方の位置へ戻る必要があり、そのために、常時、任意の力で前方へ付勢されていることが望ましい。またカウンターも一方の係合部により後退させられるので、後退方向への力に対抗するために、常時、任意の力で前方へ付勢されていることが望ましい。またスイッチング部はトリガーを引くとスイッチ接点がオンとなり、引くことを止めるとオフとなるようにしているので、この場合もスイッチ接点を有する部材を付勢部材により付勢しておくことが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上記のように構成されかつ作用するものであるから、いわゆる電動ガンにおいて、連続発射回数若しくは連続発射弾数の制御を正確に行えるものであり、特にスイッチング部によって通電を制御するとともに、カウンターストッパーとカウンターレバーによりカウンターの位置を調節し、機械的に連続発射回数若しくは連続発射強弾数を制御するようにしたので、バッテリー容量の多少に拘らず正確な点射(バースト)が可能になり、電気的制御によるコスト上昇の問題も招かないという顕著な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下図示の実施形態を参照して、本発明をより詳細に説明する。図1は、本発明を適用した電動ガンの側面説明図、図2は本発明に係る発射回数制御装置の全体を示しており、Aは側面図、Bは正面図である。
【0018】
図において、11はピストンシリンダー装置であり、例示の場合、シリンダー12が固定され、ピストン13が可動部となったオーソドックスなタイプであり、シリンダー前部にはノズル14が設けられていて、圧縮エアを噴射する構成である。弾丸Bはノズル14の直前に設定された装弾部15に供給され、ピストン13の後退により蓄圧された付勢部材16の蓄圧力解放で生成される圧縮エアの噴射により発射される。なお、弾丸Bは、発射動作に連動して、ノズル部14が一時的に後退することにより、装弾部15に供給される。
【0019】
ピストンシリンダー装置11の可動部であるピストン13にはその可動方向に沿ってラック17が設けられており、シリンダー12より出ているピストン後端部付近の本体に、ラック17と噛み合うセクターギア20が軸支されている。セクターギア20はラック17と噛み合う歯列を有する有歯部18と、ラック17と噛み合わない状態としてピストン13を急速に圧縮動作させるための無歯部19とを持っており、図示しない電動モーターの駆動により、1回転でピストン13の往方向の限界位置までの後退駆動と、蓄圧された付勢部材16の復方向動作による圧縮エアの生成とを行なう。セクターギア20は、それとともに回転する回転部21を有しており、後述するカウンターレバー33を係合駆動する。
【0020】
モーターへの通電を制御するためにスイッチング部22が設けられており、例示のものは電力のモーターへの供給を制御するために、スイッチ接点23、24と、スイッチ接点23、24を開閉するための操作子25としてのトリガー即ち引き金と、スイッチ接点23、24と操作子25とを連絡する連絡部材26の3部分から構成される。スイッチ接点23、24は、トリガーとともに本体に軸支されている連絡部材26の自由端と係合可能に設けられており、かつ係合により押し上げられると一方の接点23が移動しながら他方の接点24を摺動することにより良導接触状態を保つ、セルフクリーニング機能を有している。連絡部材26は軸支部を中心にトリガーを押し戻す方向へ弾性体27にて付勢されており、スイッチ接点23、24も弾性体28にて、接点を開く方向へ付勢されており、その付勢力は連絡部材26の弾性体27と同様に、図2では反時計方向に作用する。一方の接点23は、他方の固定接点24側に設けた長孔29aに軸支されていることにより、上下動可能かつ縦位置から後方へ回転可能になっている。29bは支軸、31は係合子であり、後述するカウンター30の相手係合子32と係合可能になっている。
【0021】
セクターギア20とスイッチング部22との間には、上記カウンター30と、カウンター30を制御するためのカウンターレバー33及びカウンターストッパー34が設けられている。カウンター30は、セクターギア20とスイッチング部連絡部材26との間に位置して、その前部にて前後方向へ移動可能かつ後部が上下に回転可能に本体側の長孔35へ支軸36により取り付けられている。またカウンター30は、カウンターレバー33と係合可能な一方の係合部37とカウンターストッパー34と係合可能な他方の係合部38とを有しており、一方の係合部37は等間隔に設けられた例えば3個の係合凹部A、B、Cを有し、他方の係合部38も同様の態様の係合凹部D、E、Fを有しているが、一方の係合部37と他方の係合部38の各凹部の位置は凹部間隔の2分の1だけずれて前後方向に並んでいる。前記の係合部32はカウンター30の前部に設けられており、また、カウンター自体前方へ弾性体39によって付勢されている。
【0022】
カウンターレバー33は、カウンター30の一方の係合部37と係合する突部40を有しており、本体側上部の長孔41に支軸42によって前後方向へ移動可能かつ上下に回転可能に設けられており、セクターギア20とともに回転する回転部21との係合により後方へ所要量(距離)移動可能である。また、カウンターレバー33は弾性体39′によって復帰方向に付勢されている(図17参照)。カウンターストッパー34は、連絡部材26とほぼ同高かつ前方の位置にて本体側の下部に支軸43により回転可能に軸支されており、カウンター30の他方の係合部38と係合する突部44を有していて、この突部44がカウンター30から離れる方向へ弾性体45によって付勢されている。カウンターストッパー34は連絡部材26に設けられた中間突部46と係合可能な相手突部47を有している。また連絡部材26の先端には先端係合部48が設けられており、スイッチ接点側の相手係合部49と係合してスイッチ接点部分を押し上げ可能とされている。
【0023】
カウンター30を取り付けている長孔35は、係合部37、38の長さ以上に長く形成されており、最も前方へ移動させたときにはカウンター30はカウンターストッパー34によって操作されない状態となり、また最も後方へ移動させたときにはカウンター30の相手係合部32がスイッチ接点側の係合子31と係合しない状態となる。なお操作子25である引き金は、連絡部材26と端点25a、26aで接触可能であり、戻し方向への付勢力を受けている。
【0024】
このように構成された本発明の発射回数制御装置10の作動を次に説明する。図3ないし図14は3発に連続発射回数を制御する例であり、3点射或いは3点バーストなどと呼ばれるもので、図示の場合は最多連続発射となる。本発明の電動ガンGについて何も操作されていない状態は図1に示されており、引き金を引いて発射操作を行うと、図3の状態となる。
【0025】
即ち、操作子25が操作されることにより端点25a、26aにて操作力が伝えられ、連絡部材26を反時計回りに回転させ、連絡部材26の中間突部46が相手突部47と接して、カウンターストッパー34を時計回りに回転させることになり、カウンターストッパー先端の突部44がカウンター30を最後部の係合凹部Dに接して押し上げ、時計回りに回転させる。このとき、カウンター30の一方の係合部37において、最初の係合凹部Aにカウンターレバー33の先端の突部40が係合した状態となり、また連絡部材26の先端係合部48がスイッチング部22の相手係合部49と接して可動スイッチ接点23を押し上げ、接点24と摺接するので通電状態となる(図4A、B)。
【0026】
モーターが起動してセクターギア20が回転を開始すると、有歯部18がピストンシリンダー装置11のラック17と噛み合い、ピストン13を後退させ、それに伴い付勢部材16を蓄圧状態とする(図5)。セクターギア20が有歯部18によるラック17との噛み合いを脱しようとする直前になると、セクターギア側の回転部21がカウンターレバー33の係合端33aと係合し、カウンターレバー33を後退させることになる。従ってカウンターレバー33の先端の突部40が一方の係合部37の係合凹部Aと噛み合っているカウンター30を後退させ、その過程で他方の係合部38の係合凹部Dにあったカウンターストッパー34の先端の突部44が山を乗り越えて次の係合凹部Eへ移動し、カウンター30の移動を止める。これによりカウンター30は係合凹部DからEへと1山移動したことになる。
【0027】
この間にセクターギア20は有歯部18から無歯部19へと回転し、蓄圧状態にあった付勢部材16が一気に解放されるので、ピストン13により圧縮エアが生成され、ノズルから噴出し、第1発目の弾丸Bを発射することができるものである。ピストン13の前進は、セクターギア20の無歯部19にて行われ、カウンターレバー33は回転部21から脱して、次に有歯部18がラック17と噛み合うまでの間に、図示しない付勢手段により前進して定位置に戻り、カウンター30の2番目の係合凹部Bと噛み合う(図6)。
【0028】
さらにセクターギア20が回転して2回目の回転が始まると、有歯部18とラック17の噛み合いによりピストン13が後退して付勢部材16の蓄圧が進行し、無歯部19においてピストン13が前進を始める直前から、回転部21が再びカウンターレバー33の係合端33aと係合してカウンターレバー33を1山分後退させることになり、カウンターレバー33の先端の突部40が一方の係合部37の係合凹部Bと噛み合った状態でカウンター30を後退させ、その過程で他方の係合部38の係合凹部Eにあったカウンターストッパー34の突部44が1山乗り越えて次の凹部Fへ移動し、カウンター30の移動を止める。図7の直後の状態である。セクターギア20が有歯部18から無歯部19へと回転すると、蓄圧状態にあった付勢部材16によりピストン13が一気に前進し、圧縮エアが生成され、第2発目の弾丸を発射し得ることとなる。第2発目を発射した後において、カウンターレバー33は回転部21から脱して、次に有歯部18がラック17と噛み合うまでの間に、図示しない付勢手段により前進して定位置に戻り、カウンター30の2番目の係合凹部Cと噛み合う(図8)。
【0029】
さらにセクターギア20が3回目の回転に入ると、これまでと同様に、有歯部18とラック17が噛み合うにつれてピストン13が後退し、付勢部材16の蓄圧が進行し、さらに、無歯部19へ到ってピストン13が前進を始める直前から、回転部21が三度目のカウンターレバー33との係合に入り、カウンターレバー33を長孔35に沿って1山分後退させ、先端の突部40が一方の係合部37の凹部Cと噛み合った状態でカウンター30を後退させる(図9)。その過程で他方の係合部38の凹部Fにあったカウンターストッパー34の突部44が凹部より先へ移動し、一方、セクターギア20は有歯部18から無歯部19へと回転し、蓄圧状態にあった付勢部材16の蓄力が解放されてピストン13が一気に前進し、生成された圧縮エアにより第3発目の弾丸の発射が行なわれる。
【0030】
設定した3点射が終了する間、カウンター30はカウンターレバー先端の突部40と係合凹部Cにおける噛み合いにより後退させられ、後退時にカウンター30の相手係合部32が係合しているスイッチング部22の可動側端子23に設けられている係合子31を係合により時計方向に回転させる(図10A、B)。スイッチング22のスイッチ端子23は回転により連絡部材26の先端係合部48からも解放されて弾性体28に引っ張られ、固定側のスイッチ端子24から離れるので、電流が遮断される(図11)。次いで、弾性体28によりスイッチ端子23が元の位置に戻り、非通電状態となる(図12)。
【0031】
操作子25を引くことを止めると、連絡部材26は弾性体27によって元の位置に戻り、連絡部材26が戻ることによってカウンターストッパー34も弾性体45によって元の位置へ戻る(図13)。さらにカウンターストッパー34の元位置復帰によりカウンター30が反時計回りに回転し、カウンターレバー33の先端の空部40からカウンター30の係合凹部Cが解放され、カウンター30は長孔35に沿って右方へ移動し元の位置に戻る(図14)。
【0032】
図15は2点バースト(2発の点射)を示しており、これはカウンター30の位置を1山分ずらせ、係合凹部Bの位置へカウンターレバー33の突部40をセットした状態とすることによって可能になる。したがって、外部操作によってカウンター30の位置を移動させるものであり、そのための構成は図17に示されている。なお、3点バーストの場合は、図17の数字3の位置にインデックス51の位置を合わせるものとし、単発また多数連発の場合も夫々の設定位置に合わせれば良いものである。例示されているインデックス51はカウンターレバー33の支軸42を利用しており、それを本体に対して前後移動可能に設けたスライド板50の長孔52に配置し、スライド板下部に設けた掛止部53によってカウンター30の前進位置を決めることで発射回数を制御する構成である。
【0033】
2点バーストに関する図15では、図6のようにカウンター30の2番目の係合凹部Bにカウンターレバー33の先端の突部40を移動させた状態にする。従って2点バーストの場合に引き金を引くと、3点バーストにおける図6の段階から図13の段階が実施されることになり、作動の説明も3点バーストにおける2発目からの説明と全く変わるところはないので、その説明を援用し詳細な説明は繰り返さない。図16は、2点バースト開始時のもので図2と同じ状態であるが、2点バースト開始の段階ではスイッチング部22もこの段階から始まることを表すために、図16を示しているものである。
【0034】
図18はセミオート、即ち1点射、1点バーストの状態を示しており、これはカウンター30の位置を2山分ずらせて係合凹部Cの位置へカウンターレバー33の先端の突部40をセットした状態とすることによって可能となる。この場合のカウンター30の位置設定は、図17に示すようにインデックス51を1の指数に合わせることによって行なう。この設定により、スライド板下部の掛止部53によってカウンター30が後退させられるため、カウンターレバー33の先端の突部40がカウンター30の一方の係合部37の係合凹部Cの位置に置かれることになり、これは3点バーストの動作において第3発目の弾丸を発射する段階に相当する。従ってセミオートモードにすると、1回引き金をひくたびにスイッチング部22が通電状態となり、1回の発射動作が行われることになるので最も節弾になる。図19はセミオートモードに対応するスイッチング部22の状態を示している。
【0035】
図20以下は、フルオート、即ち連射の状態を示しており、カウンター30をカウンターストッパー34によって押し上げられない位置に移動させておくことによって可能となる。カウンター30は前方へずらしても、後方へずらしても良いが、図20は前方へずらす形態であるので、図17のインデックス51は数字4の位置に合わせることになる。このフルオートモードでは、操作子25の引き金を引くと、端点25a、26aの押圧により連絡部材先端の係合部48がスイッチ接点23の相手係合部49と接してこれを押し上げ、スイッチ接点23、24が摺接して導通状態になり、モーターが起動してセクターギア22を回転させ、ピストン13を後退させるとともに、蓄圧した付勢部材16の蓄圧力解放によりピストン13を前進させ、装弾部に圧縮エアを噴射して弾丸を発射させる動作が繰り返される。
【0036】
図22は、カウンター30を後方へずらしてカウンターストッパー34により押し上げられないようにした例を示しており、フルオートモードである。この場合図17におけるインデックス51は、1よりも前に長孔52を延長して設ける0の数字に合わせることになる。このフルオートモードでも操作子25を引く操作により端点25a、26aの接触を介して、連絡部材26の先端係合部48がスイッチ接点23の相手係合部49と接して
これを押し上げ、スイッチ接点23、24を導通状態にするので、前記フルオートモード同様に弾丸を発射させる動作が引き金を引き続けている間中接続するものとなる。
【0037】
このように本発明によれば、電動ガンの連続発射回数を制限するようにも制限しないようにも制御することが可能になる。特に本発明の装置では、カウンター30の位置の設定により、点射数の調節及び連発の選択が可能であり、カウンター30の位置を発射動作に連動して移動させ、発射回数の制御を行うという機械的かつ確実な方式で実現することが可能になった。
【産業上の利用可能性】
【0038】
(何かございましたらご記入下さい。)
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る電動ガンにおける発射回数制御装置の1例を示す側面図。
【図2】スイッチ部との関係を説明するため同上の装置を示すもので、Aは側面図、Bは正面図。
【図3】3点バーストにおいて引き金を引いた状態を示す側面図。
【図4】図3に対応するもので、Aは側面図、Bは正面図。
【図5】ピストンが後退した状態を示す側面図。
【図6】1発目が発射された状態を示す側面図。
【図7】2発目のために引き金を引いた状態を示す側面図。
【図8】2発目が発射された状態を示す側面図。
【図9】3発目のために引き金を引いた状態を示す側面図。
【図10】図9に対応するもので、Aは側面図、Bは正面図。
【図11】3発目が発射された状態を示す側面図。
【図12】図11に対応するもので、Aは側面図、Bは正面図。
【図13】3点バースト終了時の状態を示す側面図。
【図14】図13に対応するもので、Aは側面図、Bは正面図。
【図15】2点バーストの説明のための側面図。
【図16】図15に対応するもので、Aは側面図、Bは正面図。
【図17】点射数設定のためのスライド板を示す側面図。
【図18】セミオートモードの説明のための側面図。
【図19】図18に対応するもので、Aは側面図、Bは正面図。
【図20】フルオートモードの例1の説明のためのもので、Aは操作前の側面図、Bはスイッチ操作を示す側面図。
【図21】図20に関係するもので、Aは操作中の側面図、Bはスイッチ操作を示す正面図。
【図22】フルオートモードの例2の説明のためのもので、Aは操作前の側面図、Bはスイッチ操作を示す側面図。
【図23】図22に関係するもので、Aは操作中の側面図、Bはスイッチ操作を示す側面図。
【符号の説明】
【0040】
10 制御装置
11 ピストンシリンダー装置
13 ピストン
15 装弾部
16 付勢部材
17 ラック
18 有歯部
19 無歯部
20 セクターギア
21 回転部
22 スイッチング部
23、24 スイッチ接点
25 操作子
25a、26a 端点
26 連絡部材
27、28 弾性体
29a 長孔
30 カウンター
31 係合子
32 相手係合子
33 カウンターレバー
34 カウンターストッパー
35 長孔
36 支軸
37 一方の係合部
38 他方の係合部
39 弾性体
40 突部
41 長孔
42、43 支軸
44 突部
45 弾性体
46 中間突部
47 相手突部
48 先端係合部
49 相手係合部
50 スライド板
51 インデックス
52 長孔
53 掛止部






【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストンシリンダー装置の、可動部に設けられているラックと噛み合うセクターギアにより上記装置を駆動し、セクターギアを駆動するモーターへの通電をスイッチング部によって制御する電動ガンにおいて、セクターギアとともに回転する回転部との係合により所要量移動可能なカウンターレバーと、スイッチング部の部材と係合可能なカウンターストッパーと、カウンターレバーとカウンターストッパーとの間においてそれらとほぼ平行な方向へ移動可能かつそれらと接触可能な方向へ移動可能に設けられ、カウンターレバーと係合可能な一方の係合部並びにカウンターストッパーと係合可能な他方の係合部を有するカウンターとを具備し、一方の係合部の位置をカウンターにおいてセットし、発射操作を行ないセクターギアとともに回転する回転部の動きに伴ってカウンターレバーが移動し、それと一方の係合部にて係合するカウンターを移動させ、他方の係合部にカウンターストッパーが係合して発射動作を行ない、他方の係合部にカウンターストッパーが係合しない状態ではスイッチング部がオフとなるように構成された発射回数制御装置。
【請求項2】
カウンターは、カウンターレバー及びカウンターストッパーと平行な移動方向へ細長く伸びた形状を有し、その前部にて、前後方向へ移動可能かつ後部が上下に回転可能に、長孔に支軸により取り付けられ、後部がカウンターレバー及びカウンターストッパーと接触可能な方向へ移動可能にされている請求項1記載の電動ガンにおける発射回数制御装置。
【請求項3】
カウンターは、一方の係合部と他方の係合部を長手方向の両側部に、夫々複数個有し、一方の係合部と他方の係合部は、等間隔に設けられた凹部で構成され、一方の係合部と他方の係合部の各凹部の位置は凹部間隔の2分の1だけずれて前後方向に並んだ構成を有している請求項1記載の電動ガンにおける発射回数制御装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2007−101015(P2007−101015A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−288950(P2005−288950)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(592153584)株式会社東京マルイ (29)