説明

電動パワーステアリング装置のコントロールユニット

【課題】小型でありながら放熱能力があり、輻射ノイズも発生しない電動パワーステアリング装置のコントロールユニットを提供する。
【解決手段】パワー基板60及び制御基板70、トルクセンサアンプ基板80は鉛直方向に階層されケース20内に配置され、パワー基板60はケース20の底部近傍に配置され、ケース20内にアルミニウム製のGNDプレーン50を備え、GNDプレーン50はパワー基板60及び制御基板70、トルクセンサアンプ基板80の階層方向と同方向に側面部54を有し、パワー基板60及び制御基板70、トルクセンサアンプ基板80は側面部54に形成した接続部58a,58b,58cと電気的に接続している。また、ケース20の上部にカバー10を配置し、パワー基板60及び制御基板70、トルクセンサアンプ基板80は周囲をGNDプレーン50及びカバー10、ヒートシンク40で遮蔽している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のステアリングの操舵力をモータでアシストする電動パワーステアリング装置のコントロールユニットの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両のステアリングの操舵力をモータでアシストする電動パワーステアリング装置において、モータ電流値はモータの出力の上昇に応じて大きくなり、モータ電流値が大きくなればモータを駆動させるパワー基板に備えられた半導体モジュールも大型化するため、半導体モジュールの発熱を抑制する必要がある。また、市場では電動パワーステアリング装置の小型化が求められているが、半導体モジュールの発熱を抑制するためにヒートシンクを大型化すると電動パワーステアリング装置の小型化が困難になる問題が生じた。
【0003】
このような問題を解決するために、従来の電動パワーステアリング装置では、部品を実装する基板を小電流部品を実装する基板と大電流部品を実装する基板との2つの基板に分離して小型化を達成する構成が提案されており、例えば特許第3644835号公報(以下「特許文献1」)が知られている。
【0004】
上記特許文献1において、車両のハンドルに対して補助トルクを出力するモータと、このモータを駆動するためのモータ電流を供給するバッテリと、上記ハンドルの操舵トルクを検出するトルクセンサと、上記車両の車速を検出する車速センサと、上記モータ電流を上記補助トルクに応じて切り換えるための複数の半導体スイッチング素子からなるブリッジ回路が搭載されたパワー基板と、導電板が配線パターンを構成するように絶縁性樹脂にインサート成型され、かつ、上記モータおよび上記バッテリと電気的に接続されるコネクタが一体に形成されてなり、上記モータ電流のリップル成分を吸収するコンデンサ、上記ブリッジ回路のスイッチング動作時に発生するノイズの外部放出を防止するコイル、上記バッテリから上記ブリッジ回路に供給される上記モータ電流を開閉する電源用リレーおよび上記ブリッジ回路から上記モータに供給される上記モータ電流を開閉するモータ用リレーが搭載されてなるハウジングと、上記ハンドルの操舵トルクおよび上記車両の車速に基づいて上記ブリッジ回路を制御するための駆動信号を生成するマイクロコンピュータおよび周辺回路素子が搭載された制御基板と、上記パワー基板に立設され、該パワー基板と上記ハウジングおよび上記制御基板とを電気的に接続する複数の端子が組み込まれた接続部材と、ヒートシンクとを備え、上記パワー基板が上記ヒートシンク上に密接状態で固定され、上記ハウジングが上記パワー基板を覆うように上記ヒートシンク上に固定され、さらに上記制御基板が上記パワー基板に対して上下方向で重なるように上記ハウジング上に固定されてなる積層構造を採り、さらに上記接続部材に嵌合して上記パワー基板に対して上記ハウジングを位置決めするガイド部が上記ハウジングに形成されている電動パワーステアリング装置が提案されている。
【0005】
また、電動パワーステアリング装置を小型化するとヒートシンクの面積が狭くなるため、ノイズ対策の安定化を図るために電磁ノイズを遮断するシールドカバーをヒートシンクと電気的に接続する構成が提案されており、例えば特許第3716231号公報(以下「特許文献2」)が知られている。
【0006】
特許文献2の電動パワーステアリング装置の分解斜視図を図10に示す。図10において、車両のハンドルに対して補助トルクを出力するモータと、上記モータに駆動電流を供給するバッテリと、上記ハンドルの操舵トルクを検出するトルクセンサと、上記ハンドルに対する上記補助トルクに応じて上記モータの上記駆動電流を切り換える複数の半導体スイッチング素子342からなるブリッジ回路と、上記駆動電流のリップルを吸収するコンデンサと、上記バッテリから上記モータに供給される上記駆動電流を開閉するリレーと、上記ブリッジ回路のスイッチング動作時に発生するノイズの外部流出を防止するコイルと、上記駆動電流が流れる配線パターンが形成されたパワー基板340と、上記ハンドルの操舵トルクに基づいて上記ブリッジ回路を制御する駆動信号を生成するマイクロコンピュータおよびその周辺回路素子を搭載する制御基板350と、上記バッテリ、上記モータおよび上記トルクセンサと電気的に接続されるコネクタ322a,322b,322cと、上記パワー基板340および上記制御基板350を保持すると共に、上記コネクタ322a,322b,322cと絶縁性樹脂で一体に成型されたケース320とを備えた電動パワーステアリング装置において、上記ケース320には、対向する2辺を接続してケース320内を2区画に分割する接続部材324が一体に形成され、上記接続部材324には、上記パワー基板340と上記制御基板350を電気的に接続する導電性の接続線330がインサート成型されると共に、上記パワー基板340には、少なくとも上記ブリッジ回路、上記コンデンサ、上記リレーおよび上記コイルが搭載されている。
【0007】
また、上記ケース320が車両に取り付けられる取り付け部326を形成し、上記バッテリのグランド側に接続されるコネクタ322aの端子が上記取り付け部326に延長された端子延長部328を形成すると共に、シールドカバー310の一部が上記取り付け部326に位置し得るシールドカバー延長部312を形成したものである。さらに、上記端子延長部328が、上記シールドカバー延長部312および車両のグランドと、上記ケース320を車両に取り付ける固定手段により互いに電気的に接続された電動パワーステアリング装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3644835号公報
【特許文献2】特許第3716231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の電動パワーステアリング装置では次のような問題が生じている。即ち、特許文献1において、部品を実装する基板が小電流部品を実装する制御基板と大電流部品を実装するパワー基板との2つの基板に分離され、小型化を達成できるとともに、2つの基板を大型部品を実装するハウジングを挟んで上下に配置し、ハウジングがガイド部によりパワー基板に位置決めされ、組立性を向上できる電動パワーステアリング装置を得ることができるが、小型化した電動パワーステアリング装置ではヒートシンクの表面積が小さくなるため半導体スイッチング素子の放熱能力が低下する。また、2つの基板をハウジングで保持する構造では、ハウジングの構造が複雑になり重量も増加する。
【0010】
また、特許文献2において、ケースが車両に取り付けられる取り付け部を形成し、バッテリのグランド側に接続されるコネクタの端子が取り付け部に延長された端子延長部を形成すると共に,
シールドカバーの一部が取り付け部に位置し得るシールドカバー延長部を形成している。また、端子延長部がシールドカバー延長部および車両のグランドと、ケースを車両に取り付ける固定手段により互いに電気的に接続されているため、ケースグランド接続のために回路装置側で何かを接続するといった工程が不要になり、製造工程を簡略化できるが、パワー基板及び制御基板とグランドの接続構成が記載されていない。また、パワー基板及び制御基板を共通の端子を用いてグランドと接続すると電位変動による輻射ノイズが発生し、回路装置が誤動作する恐れがある。
【0011】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、電動パワーステアリングのコントロールユニットの放熱性を向上させるとともに小型化及び軽量化を図り、ノイズによる誤動作を防ぐことのできる電動パワーステアリングのコントロールユニットを提供することを目標とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明は次のような構成とする。即ち、請求項1の発明においては、ステアリングの入力に対して補助トルクを出力するモータを駆動させるパワー基板と、当該パワー基板を制御する制御基板と、ヒートシンクと、当該パワー基板及び当該制御基板、当該ヒートシンクを収容するケースからなる電動パワーステアリングコントロールユニットにおいて、前記パワー基板及び前記制御基板は鉛直方向に階層して前記ケース内に配置され、前記パワー基板は前記ケースの底部に配置され、前記ケース内に金属製のGNDプレーンを備え、当該GNDプレーンは前記パワー基板及び前記制御基板の階層方向と同方向に側面部を有し、前記パワー基板は当該GNDプレーンに形成したパワー基板接続部と電気的に接続し、前記制御基板は当該GNDプレーンに形成した制御基板接続部と電気的に接続し、前記ヒートシンクと当該GNDプレーンは電気的に接続されていることを特徴とする電動パワーステアリングコントロールユニットとする。
【0013】
上記構成においては、前記パワー基板接続部及び前記制御基板接続部は前記側面部から切り起して水平方向に屈曲させ、さらに前記ケースの上面方向へ屈曲させて形成してもよい。また、前記パワー基板接続部及び前記制御基板接続部は前記パワー基板及び前記制御基板に形成したスルーホールに挿入され半田付けで接続してもよい。さらに、前記GNDプレーンは前記ケースの底面に位置する底面部と前記ケースの側面に位置する前記側面部を有し、前記GNDプレーンの当該底面部は前記パワー基板の半導体モジュールの配置部分と対向する部分と面接触し、前記GNDプレーンの前記パワー基板接触面と対向する面が前記ヒートシンクと接触させてもよい。
【0014】
また、前記ケースの上部に金属製のカバーを配置してもよいし、前記カバー及び前記GNDプレーン、前記ヒートシンクは電気的に接続され、前記パワー基板及び前記制御基板は周囲を前記GNDプレーン及び前記カバー、前記ヒートシンクで遮蔽させてもよい。さらに、前記GNDプレーンはアルミニウムから成形してもよい。
【0015】
また、請求項8の発明においては、ステアリングの入力に対して補助トルクを出力するモータを駆動させるパワー基板と、当該パワー基板を制御する制御基板と、ヒートシンクと、当該パワー基板及び当該制御基板、当該ヒートシンクを収容するケースからなる電動パワーステアリングコントロールユニットにおいて、前記ケース内に金属製のGNDプレーンを備え、当該GNDプレーンは前記ケースの底面に位置する底面部と前記ケースの側面に位置する側面部を有し、前記ケース内の底面から前記ヒートシンク、当該GNDプレーン、前記パワー基板、前記制御基板の順番に配置され、前記パワー基板は当該GNDプレーンに形成したパワー基板接続部と電気的に接続し、前記制御基板は当該GNDプレーンに形成した制御基板接続部と電気的に接続し、前記ヒートシンクと当該GNDプレーンは電気的に接続されていることを特徴とする電動パワーステアリングコントロールユニットとする。
【発明の効果】
【0016】
上記の通り、パワー基板及び制御基板は鉛直方向に階層してケース内に配置されることで、電動パワーステアリングコントロールユニットの小型化が実現できる。また、パワー基板はケースの底部に配置され、ケース内に金属製のGNDプレーンを備え、GNDプレーンはパワー基板及び制御基板の階層方向と同方向に側面部を有することで、ケース側面方向からのノイズを遮蔽することができる。さらに、パワー基板はGNDプレーンに形成したパワー基板接続部と電気的に接続し、制御基板はGNDプレーンに形成した制御基板接続部と電気的に接続し、ヒートシンクとGNDプレーンは電気的に接続することで、広いGNDプレーンで安定化させ、電位変動による輻射ノイズから発生する電動パワーステアリング装置の誤動作を防ぐことができるとともに、基板を換装させるだけで電動パワーステアリングコントロールユニットの仕様を変更することができる。
【0017】
また、パワー基板接続部及び制御基板接続部は側面部から切り起して水平方向に屈曲させ、さらに前記ケースの上面方向へ屈曲させて形成し、パワー基板接続部及び制御基板接続部はパワー基板及び制御基板に形成したスルーホールに挿入され半田付けで接続することで、基板を保持する効果が生じるため、ケースに基板を保持する保持部を形成する必要がなくなり、電動パワーステアリングコントロールユニットの小型化及び軽量化が実現できる。さらに、GNDプレーンはケースの底面に位置する底面部とケースの側面に位置する側面部を有し、GNDプレーンの底面部はパワー基板の半導体モジュールの配置部分と対向する部分と面接触し、GNDプレーンのパワー基板接触面と対向する面がヒートシンクと接触させることで、GNDプレーンも放熱効果を有し、半導体モジュールの放熱性がより一層向上する。
【0018】
また、ケースの上部に金属製のカバーを配置し、カバー及びGNDプレーン、ヒートシンクは電気的に接続され、パワー基板及び制御基板は周囲をGNDプレーン及びカバー、ヒートシンクで遮蔽させることで、更なるGNDプレーンの安定化が図れるとともに、3次元方向からのノイズを遮断することができる。さらに、GNDプレーンをアルミニウムから成形することで、電動パワーステアリングコントロールユニットの更なる軽量化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施例とする電動パワーステアリングコントロールユニットの斜視図である。
【図2】図1の矢印(A)方向から見た電動パワーステアリングコントロールユニットの斜視図である。
【図3】第1の実施例とする電動パワーステアリングコントロールユニットの分解斜視図である。
【図4】第1の実施例とする電動パワーステアリングコントロールユニットのGNDプレーンの斜視図である。
【図5】図1の矢印(B)方向から見たC−C断面図である。
【図6】第1の実施例とするカバー装着前の電動パワーステアリングコントロールユニットの斜視図である。
【図7】図6のD部拡大図である。
【図8】第1の実施例とする電動パワーステアリングコントロールユニットを用いた電動パワーステアリング装置の一例を示す模式図である。
【図9】第2の実施例とする電動パワーステアリングコントロールユニットのGNDプレーンの斜視図である。
【図10】特許文献2の電動パワーステアリング装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態を示す実施例を図1乃至図9に基づいて説明する。
【実施例1】
【0021】
本発明の第1の実施例とする電動パワーステアリングコントロールユニットの斜視図を図1に、図1の矢印(A)方向から見た電動パワーステアリングコントロールユニットの斜視図を図2に、第1の実施例とする電動パワーステアリングコントロールユニットの分解斜視図を図3に、第1の実施例とする電動パワーステアリングコントロールユニットのGNDプレーンの斜視図を図4に、図1の矢印(B)方向から見たC−C断面図を図5に、第1の実施例とするカバー装着前の電動パワーステアリングコントロールユニットの斜視図を図6に、図6のD部拡大図を図7に、第1の実施例とする電動パワーステアリングコントロールユニットを用いた電動パワーステアリング装置の一例を示す模式図を図8にそれぞれ示す。
【0022】
図1乃至図7において、電動パワーステアリングコントロールユニット100は、自動車のステアリング112の入力に対して補助トルクを出力するブラシレスモータ110に駆動電流を供給する6個の半導体モジュール62を備えたパワー基板60と、当該パワー基板60を制御する制御基板70と、当該ステアリング112から伝達される操舵トルクを演算するトルクセンサアンプ基板80から構成され、当該パワー基板60及び当該制御基板70、当該トルクセンサアンプ基板80はガラスエポキシ基板を用いて形成されている。また、当該電動パワーステアリングコントロールユニット100の外形を構成する樹脂製のケース20は上面及び底面を開口して成型されており、当該ケース20のケース側面部22に当該制御基板70を介して当該ブラシレスモータ110に駆動電流を供給するバッテリを電気的に接続するためのパワー基板側コネクタ26及び当該トルクセンサアンプ基板80とトルクセンサ116を電気的に接続するためのトルクセンサアンプ基板側コネクタ28を形成している。さらに、当該ケース側面部22には当該パワー基板60と当該ブラシレスモータ110を電気的に接続するモータ接続端子30を備え、当該モータ接続端子30はU相及びV相、W相をそれぞれ割り当てられている。
【0023】
また、前記パワー基板側コネクタ26と前記バッテリはハーネス及び前記トルクセンサアンプ基板側コネクタ28と前記トルクセンサ116はハーネスを用いて接続されている。さらに、前記モータ接続端子30は前記ブラシレスモータ110側に備えられた接続端子とボルトで接続固定されている。
【0024】
また、前記ケース20には車両に前記電動パワーステアリングコントロールユニット100をボルトで固定するための2個のケース固定部32a,32b及び前記電動パワーステアリングコントロールユニット100が取り付け箇所に対して回転することを防ぐためのボルト穴を有した回り止め部34が形成されている。さらに、前記ケース20には前記電動パワーステアリングコントロールユニット100と前記トルクセンサ116を接続固定するためのトルクセンサ接合部36が形成されている。
【0025】
また、前記ケース20の上面には前記ケース20の上面方向及び側面方向からのノイズを遮断するためのアルミニウム製のカバー10を備えている。さらに、当該カバー10は前記ケース20の上面に位置するカバー上面部12及び前記ケース側面部22に位置するカバー側面部14から構成されている。
【0026】
また、前記ケース20内に1枚のアルミニウム板を折り曲げて形成したGNDプレーン50を備え、当該GNDプレーン50は前記ケース20の底面に位置するGNDプレーン底面部52及び前記パワー基板側コネクタ26と前記トルクセンサアンプ基板側コネクタ28と前記モータ接続端子30の配置面を除く前記ケース側面部22に位置するGNDプレーン側面部54から構成されている。さらに、前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80は当該GNDプレーン底面部52から前記パワー基板60、前記トルクセンサアンプ基板80、前記制御基板70の順番で鉛直方向に階層して配置され、前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80はそれぞれの基板間にフレキシブル基板を用いて電気的に接続を行っている。
【0027】
また、前記GNDプレーン50には前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80と電気的に接続するためのパワー基板接続部58a及び制御基板接続部58b、トルクセンサアンプ基板接続部58cが形成されている。さらに、当該パワー基板接続部58aは前記GNDプレーン底面部52から鉛直方向に切り起し屈曲させて4個形成している。
【0028】
また、前記制御基板接続部58bは前記GNDプレーン側面部54から水平方向に切り起し屈曲させ、さらに鉛直方向に屈曲させて両側の前記GNDプレーン側面部54に合計7個形成している。さらに、前記トルクセンサアンプ基板接続部58cは前記GNDプレーン側面部54から水平方向に切り起し屈曲させ、さらに鉛直方向に屈曲させて左右の前記GNDプレーン側面部54にそれぞれ2個ずつ、合計4個形成している。
【0029】
また、前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80はGND配線上にスルーホール90a,90b,90cを形成し、前記パワー基板接続部58a及び前記制御基板接続部58b、前記トルクセンサアンプ基板接続部58cに対してそれぞれ垂直上方向から挿入し、超音波接合によって半田で電気的に接続されている。
【0030】
また、前記GNDプレーン側面部54の上端部には前記ケース側面部22に固定するための掛部56が形成され、前記ケース側面部22の上端部に形成されたケース溝部24に当該掛部56を引掛けることで位置決めしている。さらに、前記GNDプレーン底面部52には前記パワー基板60の6個の前記半導体モジュール62配置部分と対向する部分と面接触するためのGNDプレーン接触部52aが形成され、当該GNDプレーン接触部52aは前記GNDプレーン底面部52から前記ケース20の上面方向に切り起し屈曲させ、さらに前記GNDプレーン底面部52と水平方向に屈曲させて形成している。
【0031】
また、前記ケース20の底部には前記半導体モジュール62の放熱を行うアルミニウム製のヒートシンク40が嵌合されている。さらに、当該ヒートシンク40と前記GNDプレーン50は前記GNDプレーン底面部52を当該ヒートシンク40に面接触させ、前記カバー10と前記GNDプレーン50は前記掛部56が前記カバー上面部12と接触することで当該ヒートシンク40及び前記GNDプレーン50、前記カバー10は電気的に接続されている。
【0032】
また、前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80は前記カバー10及び前記ヒートシンク40、前記GNDプレーン50に周囲を囲まれている。
【0033】
上記構成により、前記ケース20内に前記GNDプレーン50を備え、前記GNDプレーン50に前記GNDプレーン側面部54を形成することで、前記ケース側面部22方向からのノイズを遮断することができる。また、前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80は前記GNDプレーン底面部52から前記パワー基板60、前記トルクセンサアンプ基板80、前記制御基板70の順番で鉛直方向に階層して配置することで、前記電動パワーステアリングコントロールユニット100を小型化することができる。さらに、前記GNDプレーン50に前記パワー基板接続部58a及び前記制御基板接続部58b、前記トルクセンサアンプ基板接続部58cを形成し、前記GNDプレーン50と前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80のそれぞれと電気的に接続し、前記ヒートシンク40と前記GNDプレーン50を前記GNDプレーン底面部52で面接触させることで、広い接地で安定させ、電位変動による輻射ノイズを防ぐことができるとともに、基板を換装させるだけで前記電動パワーステアリングコントロールユニット100の仕様を変更することができる。
【0034】
また、前記パワー基板接続部58aは前記GNDプレーン底面部52から前記ケース20の上面方向に切り起し屈曲させて形成し、前記制御基板接続部58b及び前記トルクセンサアンプ基板接続部58cは前記GNDプレーン側面部54から水平方向に切り起し屈曲させ、さらに前記ケース20の上面方向に屈曲させて形成し、前記パワー基板接続部58a及び前記制御基板接続部58b、前記トルクセンサアンプ基板接続部58cは前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80のGND配線上に形成された前記スルーホール90a,90b,90cのそれぞれに挿入され、超音波接合によって半田で電気的に接続することで、基板を保持する効果も生じるため、前記ケース20に基板を保持する保持部を形成する必要がなくなり、前記電動パワーステアリングコントロールユニット100を小型化及び軽量化することができる。さらに、前記GNDプレーン底面部52に前記GNDプレーン接触部52aを形成し、前記ヒートシンク40と前記GNDプレーン50は前記GNDプレーン底面部52を前記ヒートシンク40に面接触させて接続させることで、前記GNDプレーン50も放熱効果を有し、前記半導体モジュール62の放熱性がより一層向上する。
【0035】
また、前記ケース20の上面に前記カバー10を備え、前記ヒートシンク40及び前記GNDプレーン50、前記カバー10を電気的に接続させ、前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80は前記カバー10及び前記ヒートシンク40、前記GNDプレーン50に周囲を囲むことで、更なる前記GNDプレーン50の安定化及び前記半導体モジュール62の放熱性の向上が図れるとともに、3次元方向からのノイズを遮断することができる。さらに、前記カバー10及び前記ヒートシンク40、前記GNDプレーン50をアルミニウムから成型することで、前記電動パワーステアリングコントロールユニット100の更なる軽量化が実現できる。
【0036】
次に、前記電動パワーステアリングコントロールユニット100を電動パワーステアリング装置に用いた構成を図8に基づいて説明する。
【0037】
図8において、電動パワーステアリング装置200は、前記ステアリング112に接続されるステアリング軸114とピニオン軸120を繋ぐトーションバーのねじれを検出する前記トルクセンサ116と、前記ステアリング112の入力に対して補助トルクを出力する前記ブラシレスモータ110と、前記ブラシレスモータ110による補助トルクを当該ピニオン軸120に伝達する減速機構を含む動力伝達機構118と、前記トルクセンサ116が検出した当該トーションバーのねじれから前記ブラシレスモータ110が出力する補助トルクを算出する前記電動パワーステアリングコントロールユニット100から構成されている。また、当該動力伝達機構118は前記ブラシレスモータ110と接続され、前記ブラシレスモータ110の回転動力が当該動力伝達機構118に伝達されている。さらに、当該ピニオン軸120はピニオンラック機構122に接続され、当該ピニオンラック機構122はタイロッド124に接続され、当該タイロッド124は両端を操向輪126と接続されている。
【0038】
上記構成より、前記電動パワーステアリング装置200の動作は運転者が前記ステアリング112を左右どちらかに操舵すると前記トルクセンサ116が前記トーションバーのねじれを検出し、前記トーションバーのねじれに基づいて前記トルクセンサアンプ基板80が前記ステアリング112に入力された操舵トルクを算出する。また、前記トルクセンサアンプ基板80が算出した操舵トルクに基づいて、前記制御基板70が必要な補助トルクを算出し、算出された補助トルクに基づいて、前記パワー基板60が前記ブラシレスモータ110に駆動電流を供給する。さらに、前記ブラシレスモータ110からの補助トルクは前記動力伝達機構118を介して前記ピニオン軸120に伝達される。
【0039】
また、補助トルクは前記ピニオン軸120を介して前記ピニオンラック機構122に伝達され、回転運動を左右の操舵運動に変換して、前記タイロッド124に伝達され、前記操向輪126は前記ステアリング112が操舵された方向へ切られる。
【0040】
なお上記実施例1の変形例として、前記パワー基板60に備えられる前記半導体モジュール62の個数は前記パワー基板60に要求される仕様に応じて適宜変更してもよいし、前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80の回路構成は前記電動パワーステアリングコントロールユニット100に要求される仕様に応じて適宜変更してもよい。また、前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80はセラミック基板等のガラスエポキシ基板以外を用いて形成してもよい。さらに、前記ケース20の形状及び前記パワー基板側コネクタ26、前記トルクセンサアンプ基板側コネクタ28の形成位置は設計事情によって任意の位置に変更してもよいし、前記モータ接続端子30は前記ケース20にインサート成型してもよい。
【0041】
また、前記電動パワーステアリングコントロールユニット100と前記ブラシレスモータ110及び前記トルクセンサ116、前記バッテリの接続方法は上記に限らず、設計事情によって任意に変更してもよい。さらに、前記カバー10及び前記GNDプレーン50の形状は設計事情によって任意に変更してもよい。
【0042】
また、前記GNDプレーン50は前記ケース側面部22の全域に前記GNDプレーン側面部54を形成して、前記ケース側面部22からのノイズをより一層遮断する構成としてもよい。さらに、前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80間の電気的接続はフレキシブル基板で行うことに限らず、設計事情によって任意に変更してもよい。
【0043】
また、前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80の階層の順番は前記ケース20の底面に前記パワー基板60から配置されていれば、設計事情によって任意の順番で階層させてよい。さらに、前記パワー基板接続部58a及び前記制御基板接続部58b、前記トルクセンサ基板接続部58cの形状及び個数、形成位置は設計事情によって適宜変更してもよい。
【0044】
また、前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80と前記パワー基板接続部58a及び前記制御基板接続部58b、前記トルクセンサアンプ基板接続部58cの電気的接続は、前記パワー基板接続部58a及び前記制御基板接続部58b、前記トルクセンサアンプ基板接続部58cの表面にスズメッキを施して半田付けしてもよい。さらに、前記掛部56及び前記ケース溝部24の構成は設計事情によって任意に変更してもよいし、前記GNDプレーン底面部52の形状は設計事情によって任意に変更してもよい。
【0045】
また、前記ヒートシンク40の形状及び前記ケース20との接続構成は設計事情によって任意に変更してもよい。さらに、前記カバー10及び前記ヒートシンク40、前記GNDプレーン50の材質はアルミニウム以外の金属で成形してもよい。
【0046】
また、前記カバー10と前記GNDプレーン50及び前記ヒートシンク40と前記GNDプレーン50の電気的接続を行う構成は設計事情によって任意の構成に変更してもよいし、前記ヒートシンク40と前記GNDプレーン50を圧着して一体化してもよい。さらに、前記カバー10及び前記ヒートシンク40、前記GNDプレーン50は外部から前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80へのノイズを遮断できる構成であれば上記の構成に限らず、最適な構成へ適宜変更してもよい。
【0047】
また、前記電動パワーステアリングコントロールユニット100を用いた前記電動パワーステアリング装置200の構成はコラムアシスト型又はピニオンアシスト型、ラックアシスト型等、適宜変更してもよい。
【実施例2】
【0048】
次に、第2の実施例とする電動パワーステアリングコントロールユニットのGNDプレーンの斜視図を図9に示す。
【0049】
当該第2の実施例においては前記第1の実施例で説明した前記GNDプレーン50は前記ケース20の底面に位置する前記GNDプレーン底面部52及び前記パワー基板側コネクタ26と前記トルクセンサアンプ基板側コネクタ28と前記モータ接続端子30の配置面を除く前記ケース側面部22に位置する前記GNDプレーン側面部54から構成される点を除いた他の構成は前記第1の実施例と同一であるため説明は省略する。
【0050】
図9において、前記ケース20内に1枚のアルミニウム板を折り曲げることで形成したGNDプレーン50を備え、当該GNDプレーン50は前記ケース側面部22内周を一周する如く配置されたGNDプレーン側面部54から構成した筒状に形成されている。また、前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80は前記ケース20の底部から前記パワー基板60、前記トルクセンサアンプ基板80、前記制御基板70の順番で鉛直方向に階層して配置され、前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80はそれぞれの基板間にフレキシブル基板を用いて電気的に接続を行っている。さらに、前記GNDプレーン50には前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80と電気的に接続するためのパワー基板接続部58a及び制御基板接続部58b、トルクセンサアンプ基板接続部58cが形成されている。
【0051】
また、前記パワー基板接続部58a及び前記制御基板接続部58b、前記トルクセンサアンプ基板接続部58cは前記GNDプレーン側面部54から水平方向に切り起し屈曲させ、さらに鉛直方向に屈曲させて形成している。さらに、前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80はGND配線上に形成されたスルーホール90a,90b,90cを形成し、前記パワー基板接続部58a及び前記制御基板接続部58b、前記トルクセンサアンプ基板接続部58cに対してそれぞれ垂直方向から挿入され、超音波接合によって半田で電気的に接続されている。
【0052】
また、前記ケース20の底部には前記半導体モジュール62の放熱を行うアルミニウム製のヒートシンク40が嵌合されている。さらに、当該ヒートシンク40は前記パワー基板60の6個の前記半導体モジュール62配置部分と対向する部分と面接触している。
【0053】
また、前記ヒートシンク40と前記GNDプレーン側面部54は接触し、前記カバー10と前記GNDプレーン50は前記掛部56が前記カバー上面部12と接触することで前記ヒートシンク40及び前記GNDプレーン50、前記カバー10は電気的に接続されている。
【0054】
また、前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80は前記カバー10及び前記ヒートシンク40、前記GNDプレーン50に周囲を囲まれている。
【0055】
上記構成により、前記ケース20内に前記GNDプレーン50を備え、前記GNDプレーン50に前記GNDプレーン側面部54を形成することで、前記ケース側面部22方向からのノイズを遮断することができる。また、前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80は前記ケース20の底部から前記パワー基板60、前記トルクセンサアンプ基板80、前記制御基板70の順番で鉛直方向に階層して配置することで、前記電動パワーステアリングコントロールユニット100を小型化することができる。さらに、前記GNDプレーン50に前記パワー基板接続部58a及び前記制御基板接続部58b、前記トルクセンサアンプ基板接続部58cを形成し、前記GNDプレーン50と前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80のそれぞれと電気的に接続し、前記ヒートシンク40と前記GNDプレーン側面部54は接触させることで、広い接地で安定させ、電位変動による輻射ノイズを防ぐことができるとともに、基板を換装させるだけで前記電動パワーステアリングコントロールユニット100の仕様に応じることができる。
【0056】
また、前記パワー基板接続部58a及び前記制御基板接続部58b、前記トルクセンサアンプ基板接続部58cは前記GNDプレーン側面部54から水平方向に切り起し屈曲させ、さらに前記ケース20の上面方向に屈曲させて形成し、前記パワー基板接続部58a及び前記制御基板接続部58b、前記トルクセンサアンプ基板接続部58cは前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80のGND配線上に形成された前記スルーホール90a,90b,90cのそれぞれに挿入され、超音波接合によって半田で電気的に接続することで、基板を保持する効果も生じるため、前記ケース20に基板を保持する保持部を形成する必要がなくなり、前記電動パワーステアリングコントロールユニット100を小型化及び軽量化することができる。さらに、前記ヒートシンク40は前記パワー基板60の6個の前記半導体モジュール62配置部分と対向する部分と面接触し、前記ヒートシンク40と前記GNDプレーン側面部54は接触させることで、前記GNDプレーン50も放熱効果を有し、前記半導体モジュール62の放熱性がより一層向上する。
【0057】
また、前記ケース20の上面に前記カバー10を備え、前記ヒートシンク40及び前記GNDプレーン50、前記カバー10を電気的に接続させ、前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80は前記カバー10及び前記ヒートシンク40、前記GNDプレーン50に周囲を囲むことで、更なる前記GNDプレーン50の安定化及び前記半導体モジュール62の放熱性の向上が図れるとともに、3次元方向からのノイズを遮断することができる。さらに、前記カバー10及び前記ヒートシンク40、前記GNDプレーン50をアルミニウムから成型することで、前記電動パワーステアリングコントロールユニット100の更なる軽量化が実現できる。
【0058】
なお上記実施例2の変形例として、前記パワー基板60に備えられる前記半導体モジュール62の個数は前記パワー基板60に要求される仕様に応じて適宜変更してもよいし、前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80の回路構成は前記電動パワーステアリングコントロールユニット100に要求される仕様に応じて適宜変更してもよい。また、前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80はセラミック基板等のガラスエポキシ基板以外を用いて形成してもよい。さらに、前記ケース20の形状及び前記パワー基板側コネクタ26、前記トルクセンサアンプ基板側コネクタ28の形成位置は設計事情によって任意の位置に変更してもよいし、前記モータ接続端子30は前記ケース20にインサート成型してもよい。
【0059】
また、前記電動パワーステアリングコントロールユニット100と前記ブラシレスモータ110及び前記トルクセンサ116、前記バッテリの接続方法は上記に限らず、設計事情によって任意に変更してもよい。さらに、前記カバー10及び前記GNDプレーン50の形状は設計事情によって任意に変更してもよい。
【0060】
また、前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80間の電気的接続はフレキシブル基板で行うことに限らず、設計事情によって任意の変更してもよい。さらに、前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80の階層の順番は前記ケース20の底面に前記パワー基板60から配置されていれば、設計事情によって任意の順番で階層させてよい。
【0061】
また、前記パワー基板接続部58a及び前記制御基板接続部58b、前記トルクセンサ基板接続部58cの形状及び個数、形成位置は設計事情によって適宜変更してもよい。さらに、前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80と前記パワー基板接続部58a及び前記制御基板接続部58b、前記トルクセンサアンプ基板接続部58cの電気的接続は、前記パワー基板接続部58a及び前記制御基板接続部58b、前記トルクセンサアンプ基板接続部58cの表面にスズメッキを施して半田付けしてもよい。
【0062】
また、前記掛部56及び前記ケース溝部24の構成は設計事情によって任意に変更してもよい。さらに、前記ヒートシンク40の形状及び前記ケース20との接続構成は設計事情によって任意に変更してもよい。
【0063】
また、前記カバー10及び前記ヒートシンク40、前記GNDプレーン50の材質はアルミニウム以外の金属で成形してもよい。さらに、前記カバー10と前記GNDプレーン50及び前記ヒートシンク40と前記GNDプレーン50の電気的接続を行う構成は設計事情によって任意の構成に変更してもよい。
【0064】
また、前記カバー10及び前記ヒートシンク40、前記GNDプレーン50は外部から前記パワー基板60及び前記制御基板70、前記トルクセンサアンプ基板80へのノイズを遮断できる構成であれば上記の構成に限らず、最適な構成へ適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0065】
10:カバー
12:カバー上面部
14:カバー側面部
20:ケース
22:ケース側面部
24:ケース溝部
26:パワー基板側コネクタ
28:トルクセンサアンプ基板側コネクタ
30:モータ接続端子
32a,32b:ケース固定部
34:回り止め部
36:トルクセンサ接合部
40:ヒートシンク
50:GNDプレーン
52:GNDプレーン底面部
52a:GNDプレーン接触部
54:GNDプレーン側面部
56:掛部
58a:パワー基板接続部
58b:制御基板接続部
58c:トルクセンサアンプ基板接続部
60:パワー基板
62:半導体モジュール
70:制御基板
80:トルクセンサアンプ基板
90a,90b,90c:スルーホール
100:電動パワーステアリングコントロールユニット
110:ブラシレスモータ
112:ステアリング
114:ステアリング軸
116:トルクセンサ
118:動力伝達機構
120:ピニオン軸
122:ピニオンラック機構
124:タイロッド
126:操向輪
200:電動パワーステアリング装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングの入力に対して補助トルクを出力するモータを駆動させるパワー基板と、当該パワー基板を制御する制御基板と、ヒートシンクと、当該パワー基板及び当該制御基板、当該ヒートシンクを収容するケースからなる電動パワーステアリングコントロールユニットにおいて、
前記パワー基板及び前記制御基板は鉛直方向に階層して前記ケース内に配置され、
前記パワー基板は前記ケースの底部に配置され、
前記ケース内に金属製のGNDプレーンを備え、
当該GNDプレーンは前記パワー基板及び前記制御基板の階層方向と同方向に側面部を有し、
前記パワー基板は当該GNDプレーンに形成したパワー基板接続部と電気的に接続し、
前記制御基板は当該GNDプレーンに形成した制御基板接続部と電気的に接続し、
前記ヒートシンクと当該GNDプレーンは電気的に接続されていることを特徴とする電動パワーステアリングコントロールユニット。
【請求項2】
前記パワー基板接続部及び前記制御基板接続部は前記側面部から切り起して水平方向に屈曲させ、さらに前記ケースの上面方向へ屈曲させて形成していることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリングコントロールユニット。
【請求項3】
前記パワー基板接続部及び前記制御基板接続部は前記パワー基板及び前記制御基板に形成したスルーホールに挿入され半田付けで接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリングコントロールユニット。
【請求項4】
前記GNDプレーンは前記ケースの底面に位置する底面部と前記ケースの側面に位置する前記側面部を有し、
前記GNDプレーンの当該底面部は前記パワー基板の半導体モジュールの配置部分と対向する部分と面接触し、
前記GNDプレーンの前記パワー基板接触面と対向する面が前記ヒートシンクと接触していることを特徴とする請求項1乃至3に記載の電動パワーステアリングコントロールユニット。
【請求項5】
前記ケースの上部に金属製のカバーを配置していることを特徴とする請求項1乃至4に記載の電動パワーステアリングコントロールユニット。
【請求項6】
前記カバー及び前記GNDプレーン、前記ヒートシンクは電気的に接続され、
前記パワー基板及び前記制御基板は周囲を前記GNDプレーン及び前記カバー、前記ヒートシンクで遮蔽されていることを特徴とする請求項5に記載の電動パワーステアリングコントロールユニット。
【請求項7】
前記GNDプレーンはアルミニウムから成形されていることを特徴とする請求項1乃至6に記載の電動パワーステアリングコントロールユニット。
【請求項8】
ステアリングの入力に対して補助トルクを出力するモータを駆動させるパワー基板と、当該パワー基板を制御する制御基板と、ヒートシンクと、当該パワー基板及び当該制御基板、当該ヒートシンクを収容するケースからなる電動パワーステアリングコントロールユニットにおいて、
前記ケース内に金属製のGNDプレーンを備え、
当該GNDプレーンは前記ケースの底面に位置する底面部と前記ケースの側面に位置する側面部を有し、
前記ケース内の底面から前記ヒートシンク、当該GNDプレーン、前記パワー基板、前記制御基板の順番に配置され、
前記パワー基板は当該GNDプレーンに形成したパワー基板接続部と電気的に接続し、
前記制御基板は当該GNDプレーンに形成した制御基板接続部と電気的に接続し、
前記ヒートシンクと当該GNDプレーンは電気的に接続されていることを特徴とする電動パワーステアリングコントロールユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−63712(P2013−63712A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204001(P2011−204001)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000109093)ダイヤモンド電機株式会社 (387)
【Fターム(参考)】