説明

電動マスカラ

【課題】電池などが内蔵された本体部を交換することなく、違うマスカラ剤を使用可能にする。また、携帯に便利な長さにする。市販のマスカラを使用可能にする。まつ毛に塗り残し無くマスカラ剤を塗布する。
【解決手段】本体部1とマスカラ剤容器12をキャップ部6を介して連結する。本体部1は、電池2、電池2からの電力を受け回転するギヤードモータ3を内蔵し、ギヤードモータ3の回転を受け回転する回転部材4を先端に備える。マスカラ剤容器12は上部13が開口した円筒状の容器であり、内部にマスカラ剤14を収容する。キャップ部6は、マスカラ剤容器12のキャップであり、上面部中央にブラシ部10を固定し、底面部に上記回転部材と連結する連結部材8a、8bを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラシが電動で回転する電動マスカラの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
電動マスカラは、電池やモータなどを内蔵する本体部と、これに連結するブラシから構成され、ブラシがゆっくりと回転してマスカラ剤を手際よく塗布できるなどの利点がある(特許文献1,2)。
しかし、本体部に対しブラシが一体的に連結されているため、種類の違うマスカラ剤を使用する場合、全体を交換しなければならなかった。本体部には電池やモータのほか減速機構などが内蔵され高価なため、全体を交換するのは不経済であった。
また、本体部とブラシを合わせると全長が携帯に不便な長さになり、またブラシが専用なため市販のマスカラが気に入っても使えないという不都合があった。
さらに、通常まつ毛の下側にブラシを接触させてマスカラ剤を塗布するので、まつ毛の上側にマスカラ剤を塗布できなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−95531号公報
【特許文献2】特開2007−215987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする課題は、電池などが内蔵された本体部を交換することなく、違うマスカラ剤を使用可能にすること、携帯に便利な長さにすること、市販のマスカラを使用可能にすること及びまつ毛に塗り残し無くマスカラ剤を塗布することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、本体部とマスカラ剤容器をキャップ部を介して連結してなり、
上記本体部は、電池、電池からの電力を受け回転するモータを内蔵し、モータの回転を減速機構で減速して受け回転する回転部材を先端に備え、
上記マスカラ剤容器は上部が開口した円筒状の容器であり、内部にマスカラ剤を収容し、
上記キャップ部は、上面部に凹部を形成してマスカラ剤容器のキャップとすると共に、上面部中央にブラシ部を固定し、さらに底面部に上記回転部材と連結する連結部材を備え、
ブラシ部は、キャップ部から延設された棒状部材と、棒状部材の先端部の周縁に円筒状に植毛されたブラシからなり、
マスカラ剤容器は、上部にキャップ部を上下反転して連結すると、その内部にブラシ部が収容されることを特徴とする。
請求項2の発明は、前記キャップ部がコレット、コレットチャックカバー及び市販のマスカラのキャップからなり、
コレットは先端部に放射状の切り込みを有し、底部に上記本体部と連結する部材を、先端部に市販のマスカラのキャップを挟持する部材をそれぞれ備え、
コレットチャックカバーは、コレットの先端部に着脱自在で、コレットに装着して、コレットに挟持した市販のマスカラのキャップを固定することを特徴とする。
請求項3の発明は、前記回転部材の先端部に嵌合凹部を、連結部材に嵌合凸部を設け、両者を嵌合することにより連結し、
前記キャップ部とマスカラ剤容器との連結が螺合であることを特徴とする。
請求項4の発明は、前記本体部が振動モータを内蔵することを特徴とする。
請求項5の発明は、前記ブラシ部の棒状部材を熱伝導性の高い素材で形成すると共に、内部に電熱ヒータを内蔵し、当該電熱ヒータを本体部に内蔵した電池と電気的に接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明は、ブラシ部を固定したキャップ部と、マスカラ剤容器が本体部に着脱自在であるので、キャップ部と、マスカラ剤容器を本体部から外し別の物と交換することにより、違うマスカラ剤を使用できる。よって、違うマスカラ剤を使用する場合も本体部を交換する必要がない。また、マスカラ剤容器及びキャップ部と本体部とが分離できるので、連結した際の約1/2の長さになり携帯に便利である。
請求項2の発明では、キャップ部がコレットとコレットチャックカバーからなり、これにより市販のマスカラのキャップを着脱自在に固定するので、市販のマスカラを使用可能である。
請求項3の発明では、前記回転部材の先端部に嵌合凹部を、連結部材に嵌合凸部を設け、両者を嵌合することにより連結し、
前記キャップ部とマスカラ剤容器との連結が螺合であるので、マスカラ剤容器を取り外すときの方向が、回転部材と連結部材との取り外し方向と異なり、マスカラ剤容器を円滑に取り外せる。
請求項4の発明では、本体部の振動がブラシに伝わり、まつ毛の下側にブラシを当ててもまつ毛の全周に亘りマスカラ剤を塗布することができる。
請求項5の発明では、棒状部材が電熱ヒータにより加熱し、まつ毛パーマができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】電動マスカラの正面図である。
【図2】マスカラ剤容器を外し、倒立した状態の電動マスカラの正面図である。
【図3】さらにブラシを外した状態の電動マスカラの正面図である。
【図4】別売りマスカラの正面図である。
【図5】キャップ部の平面図である。
【図6】回転部材とキャップ部との結合前の拡大断面図である。
【図7】別の実施形態の電動マスカラの正面図である。
【図8】図7の要部拡大断面図である。
【図9】本体部に振動モータを内蔵した電動マスカラの側面図である。
【図10】振動モータを内蔵した電動マスカラの作用を説明する図である。
【図11】棒状部材に電熱ヒータを内蔵させたキャップ部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る電動マスカラの実施形態について図を参照して説明する。
図1は電動マスカラの正面図、図2はマスカラ剤容器を外し、倒立した状態の電動マスカラの正面図、図3はさらにブラシを外した状態の電動マスカラの正面図である。
【0009】
電動マスカラ11は、本体部1、キャップ部6、ブラシ部10、マスカラ剤容器12からなる。
本体部1は円筒状で、電池2と、電池2からの電力を受け回転するギヤードモータ3を内蔵し、ギヤードモータ3の回転を受け回転する回転部材4を先端部に突設する。この回転部材4は円柱状で、上面部に嵌合凹部5を設ける。
キャップ部6は円柱状で、上面部および底面部にそれぞれ凹部7,8を有し、この上面部側の凹部7の内周にネジ9を設けマスカラ剤容器のキャップにする。
凹部8には、回転部材の側面部と嵌合する嵌合壁8aと、嵌合凹部5と嵌合する嵌合凸部8bを設ける(図5参照)。この嵌合壁8a、嵌合凸部8bが連結部材である。
ブラシ部10は、従前のマスカラのブラシと同様に、棒状部材10aと、棒状部材10aの先端部の周縁に円筒状に植毛されたブラシ10bからなり、キャップ部6の上面部中央に固着する。
マスカラ剤容器12は、上部13が開口した円筒状の容器であり、内部にマスカラ剤14を収容する。この上部13の外周に、前記凹部7の内周のネジ9と螺合するネジを設ける。
また、上記嵌合壁8a、嵌合凸部8bまたは回転部材4を弾性部材で形成する。
【0010】
本体部1とキャップ部6は、回転部材4及び嵌合凹部5にキャップ部6の嵌合壁8a及び嵌合凸部8bを嵌合して連結する(図6参照)。また、キャップ部6の先端部側の凹部7にマスカラ剤容器12の上部13を螺合して連結して、本体部1、キャップ部6、ブラシ部10、マスカラ剤容器12を一体にし、電動マスカラ11にする。
この電動マスカラ11は、回転部材4の回転に伴いキャップ部6を介しブラシ部10が回転する。
また、別売りマスカラ16は、キャップ部6、ブラシ部10、マスカラ剤容器12が一体になったものである。このマスカラ剤容器12には、上記マスカラ剤14とは異なるマスカラ剤15を収容する(図4参照)。別売りマスカラ16は、購入者の多様な希望に対応できるよう複数種類用意する。
なお、17はスイッチであり、これを押すと電源がオン、離すと電源がオフになり、ブラシが回転、停止する。スイッチ17の矢印は回転方向である。
【0011】
電動マスカラ11を使用する際は、本体部1を握りマスカラ剤容器12を回して取り外し、スイッチ17を入れ、回転するブラシ10bをまつ毛に当てる。
また、別のマスカラ剤15を使用する場合は、本体部1からキャップ部6、ブラシ部10、マスカラ剤容器12を外し所望の別売りマスカラ16を取り付ける。
【0012】
次に別の実施形態について説明する。
本体部1は上記実施形態と同じであり、キャップ部などが異なる。
図7は、マスカラ剤容器を外した状態の電動マスカラの正面図、図8は要部拡大図である。
18は、先端部に放射状の切り込み19aを有するコレット(筒状部材)であり、基端部の外周にネジ19bを有する。また、コレット18の底面部中央に凹部20を設け、ここに嵌合壁8aと、嵌合凸部8bを設ける。
21は内周にネジを有する管状のコレットチャックカバーであり、コレット18のネジ19bと螺合させて連結する。
このコレット18、コレットチャックカバー21及び市販のマスカラのキャップ22が、上記実施形態のキャップ部6に相当する。
【0013】
使用する際は、回転部材4及び嵌合凹部5にコレット18の嵌合壁8a及び嵌合凸部8bを嵌合してコレット18を本体部1に連結する。
次に、コレット18の先端部で市販のマスカラのキャップ22を挟持する。次に、コレット18にコレットカバー21を螺合してキャップ22を固定する。その後、市販のマスカラの容器23を外して電池を入れ、回転するブラシ24をまつ毛に当てる。
【0014】
次にさらに別の実施形態について説明する。
本体部1に振動モータ26を内蔵する点が前記各実施形態と異なる。
図9は、電動マスカラの本体部1の側面図であり、本体部1内の電池2とギヤードモータ3間に振動モータ26を配置する。
この振動モータ26は電池2からの電力を受け本体部1を振動させ、この振動がブラシ部10に伝わる。
前記各実施実施形態のように、ブラシ部10が振動しない場合は、図10(a)に示すようにブラシ10bはまつ毛27の下半分のみに接触し、棒状部材10aを中心に回転する。よって、マスカラ剤はまつ毛27の下半分だけ塗布される。
これに対しブラシ部10が振動する場合は、図10(b)に示すとおり、ブラシ10bがまつ毛27の全周と接触する。よって、まつ毛27の全周に亘りマスカラ剤を塗り残しなく塗布できる。
【0015】
次にさらに別の実施形態について説明する。
棒状部材10aが電熱ヒータ28を内蔵する点が前記各実施形態との大きな違いである。
すなわち、棒状部材10aの先端部が電熱ヒータ28を内蔵し、この電熱ヒータ28にリード線29,29の一端を接続し、リード線29,29の他端をキャップ部に内蔵した電池30に接続して電力を供給する。
以上の構成により、この棒状部材10aに電熱ヒータ28を内蔵したキャップ部6を本体部1に取り付けることにより、まつ毛パーマを行うことができる。
【0016】
前記各実施形態で電池2は乾電池、充電池のいずれであってもよい。乾電池の場合には、本体部1の底部25を開閉自在にし、ここから乾電池を交換可能にする。
また、ギヤードモータ3の代わりに、モータとモータの回転を減速して回転部材4に伝える歯車などの減速機構を使用してもよい。ただし、ギヤードモータ3を使用すると装置を小型化できる。
また、前記実施形態では、回転部材4とキャップ部6を嵌合して連結しているがこれに限るものではなく、螺合などの公知の方法で連結してもよい。ただし嵌合にすると連結しやすく、また、マスカラ剤容器12を外しやすい。
【符号の説明】
【0017】
1 本体部
2 電池
3 ギヤードモータ
4 回転部材
5 嵌合凹部
6 キャップ部
8a 嵌合壁
8b 嵌合凸部
10 ブラシ部
11 電動マスカラ
12 マスカラ剤容器
14,15 マスカラ剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部とマスカラ剤容器をキャップ部を介して連結してなり、
上記本体部は、電池、電池からの電力を受け回転するモータを内蔵し、モータの回転を減速機構で減速して受け回転する回転部材を先端に備え、
上記マスカラ剤容器は上部が開口した円筒状の容器であり、内部にマスカラ剤を収容し、
上記キャップ部は、上面部に凹部を形成してマスカラ剤容器のキャップとすると共に、上面部中央にブラシ部を固定し、さらに底面部に上記回転部材と連結する連結部材を備え、
ブラシ部は、キャップ部から延設された棒状部材と、棒状部材の先端部の周縁に円筒状に植毛されたブラシからなり、
マスカラ剤容器は、上部にキャップ部を上下反転して連結すると、その内部にブラシ部が収容されることを特徴とする電動マスカラ。
【請求項2】
前記キャップ部がコレットとコレットチャックカバーからなり、
コレットは先端部に放射状の切り込みを有し、底部に上記本体部と連結する部材を、先端部にマスカラ剤容器と連結する部材をそれぞれ備え、
コレットチャックカバーは、コレットの先端部に着脱自在で、コレットに装着して、コレットに挟持したものを固定することを特徴とする請求項1に記載の電動マスカラ。
【請求項3】
前記回転部材の先端部に嵌合凹部を、連結部材に嵌合凸部を設け、両者を嵌合することにより連結し、
前記キャップ部とマスカラ剤容器との連結が螺合であることを特徴とする請求項1に記載の電動マスカラ。
【請求項4】
前記本体部が振動モータを内蔵することを特徴とする請求項1に記載の電動マスカラ。
【請求項5】
前記ブラシ部の棒状部材を熱伝導性の高い素材で形成すると共に、内部に電熱ヒータを内蔵し、当該電熱ヒータを本体部に内蔵した電池と電気的に接続することを特徴とする請求項1に記載の電動マスカラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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