説明

電動二輪車

【課題】前輪ステアリングチューブ(6)を支える上端から下端(10b)まで延伸する第1フレーム部(10)と、シート部(9)を受ける上端から、前記第1フレーム部に強固に固定された下端(20b)まで延伸する第2フレーム部(20)と、回転配置でバッテリ収納スペース(60)内に配置されたバッテリケース(52)と、電動駆動モータとを備える電動二輪車において、バッテリを容易かつ的確に統合可能とする。
【解決手段】本発明において、バッテリ収納スペースは、第1フレーム部(10)の下部(12)と、第2フレーム部(20)の下部(22)と、ペダル部(61)とによって少なくとも垂直面に区切られる。これらの下部(12,22)は、互いに接合された最下部(14,20b)と、ペダル部が回転配置でその間を延伸する上端部(13,23)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動二輪車に関するものであり、特に、二輪型電動アシストバイクまたは都市での利用にますます成功を収めている自転車の種類に関するものである。
より具体的には、
前輪のステアリングチューブを支える上端から下端まで延伸する第1フレーム部と、
シート部を受ける上端から、前記第1フレーム部に強固に固定された下端まで延伸する第2フレーム部と、
バッテリ収納スペース内に回転配置で配置されたバッテリケースと、
車輪のうちの一方を駆動する電気モータと、
を備えた二輪車である。
【背景技術】
【0002】
自転車のフレームの専門家は、第1フレーム部がダウンチューブに、第2フレーム部がシートチューブに、そして後輪の支持部材がチェーンに相当することが、通常の用語であることを当然理解するであろう。しかし、保護範囲の解釈における過剰制限を防ぐため、これらの用語は使用されない。実際、それらは一定部分を有する中空チューブであるが、非中空もしくは可変部を有する部材、または溶接もしくは他の任意の技術により組み立てられた数個の部品でもあっても良い。
【0003】
自転車フレームが経た長い進化は、その使用に従って比較的基本的なフォームをもたらし、いくつかの基準の間で満足な妥協を提供する。これらの基準の間では、自転車の動的性質に重要な効果を与える、フレームの剛性、軽量性、問題となる使用における実用性に関して特に言及することができる。
【0004】
単純にペダリングを支援するため、または推進させる主要な手段として、電気モータを有する最近出ている二輪車は、当然バッテリの持ち運びを必要とするが、これは特に重量のある部品であり衝撃に対する一定の感度を有する。自転車の通常の構成の1つを有するフレーム内におけるバッテリの統合は、問題を引き起こす。
【0005】
最近保持されている解決法の中では、伸長型バッテリをシートチューブの裏側に配置することが知られている。この解決法は、特に、重力の中心をずらし、シートステーの相当な変更を必要とするため、完全に充分であるというわけではなく、したがって、このレベルにおけるフレームの構造的な脆弱性の危険がある。また、容易に取り外し可能なバッテリシステムを作成するためにも、完全に満足のいくものではない。
【0006】
他の解決法は、車輪の1つまたは両方の拡大ハブにバッテリを収納することである。そのため、自転車の動作がかなり変化することはなく、その構成は通常の自転車の構成とほとんど同一であり、十分な強さと動作を保証する。しかし、この解決策は、バッテリのデザインおよびその接続を必要とするため、バッテリを実質的により高価にする。さらに、この場合、ユーザが容易に取り外しおよび交換できる取り外し可能なアセンブリを製造することはほとんど不可能となる。都市のユーザは、駐輪スペースで自転車を充電する電源手段をもっていないことが非常に多い。そのため、自宅でバッテリを取り外して交換することを余儀なくする。
【0007】
従って、本発明は、上記問題のどちらかに関連する既存のシステムを改善する目的を有し、電動二輪車へのバッテリの統合を改善することを目的とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明の主題は、上記の種類の二輪車であって、第1フレーム部の下部と、第2フレーム部の下部と、ペダル部とによって少なくとも垂直面でバッテリ収納スペースが区画され、前記下部は互いに接続された下端部と、その間でペダル部が回転配置で延伸する上端部とを有し、ペダル部はペダル部を下部の一方に旋回可能に接続するヒンジを一端に有する。
【0009】
従って、下記の好ましい配置のいくつかを採用することにより、通常の自転車のフレームよりも低い位置であるフレームの底部にバッテリが配置される。そのため、実際のバッテリとそのケースは、ペダルが上側を保護する一方で、下を通るフレームに保護される。バッテリケースは、フレーム部材により各側面を囲まれていないため、手が届きやすいままとなる。ペダルを正しく位置付けすることにより、特にチェーンの反対側から側方方向に取り出すことが可能となる。しかし、側方方向の保護を提供することも可能であり、下記の配置のいくつかを用いることによって、可触性をさらに改善することができる。
【0010】
好ましい実施例によると、下記の配置のうちのどちらかを利用することができる。
【0011】
第1フレーム部の下部は、ほぼシート部に向いた凹曲面形状を有する。第2フレーム部の下部もまたは、ほぼ前方に向いた凹面を有する湾曲を有する。これは、フレームの底部の空きスペースを増やすためである。
【0012】
ペダル部は、車輪の軸の高さと45センチメートルの間の高さに位置する上面とほぼ水平に延伸する。ペダルがこの高さの範囲内で構成されることにより、町での使用が慣習的なオープンフレームと同じくらい実用的であると判断され、静止中にペダルは快適な要素をも提供した。
【0013】
第2フレーム部の下部はクランクセット収納を有し、この収納は下部の下端部から離れて位置する。このような、クランクセット収納の独特な配置は、第1フレーム部の下部が低くなるようにし、これによりバッテリ収納スペースを増やす。
【0014】
ペダル部は、ヒンジの反対端に、ペダル部を他方の下部に固定不能に接続する固定装置を有する。この配置により、上部からバッテリに届くこと、または取外し配置でバッテリを取り出すことができるようになる。
【0015】
ペダル部は外部電気接続部材を有し、この接続部材はペダル部のヒンジの近隣に配置される。この配置は、短いケーブルで簡単な電気接続が可能になるという利点がある。
【0016】
バッテリケースは、ヒンジで連結されたペダル部に取り外し可能に取り付けられる。従って、ペダルをフレームから離し、次に、より実用的位置にあるバッテリケースを取り外すことが可能となる。
【0017】
ペダル部のヒンジは、第2フレーム部に接続されることが望ましく、ペダル部が回転配置から「取外し配置」と呼ばれるほぼ垂直構造まで通過できるように、横断水平軸を中心に旋回させる。この配置により、ユーザはバッテリケースを取り外すためにあまりかがむ必要がなくなる。
【0018】
固定装置は、ペダル部を取外し配置で固定することが望ましい。従って、取外し配置は安定しており、バッテリケースの取り外しや交換作業を容易にし、この作業は片手でも行える。
【0019】
固定装置は、ペダル部に装着された可動部材と、フレーム部の一方に固定して取り付けられた第1ストライク部材と、他方のフレーム部に固定して取り付けられた第2ストライク部材とを備えており、可動部材は固定位置に向かってバイアスされ、第1および第2ストライク部材は、ペダル部が回転配置と取外し配置のいずれか一方に届いたときに固定を自動的に確実にするよう構成される。従って、このシステムはさらに実用的で信頼性がある。
【0020】
バッテリケースとペダル部は、トラックのセットによって、取り外し可能に取り付けられており、ペダル部とほぼ平行な解放方向で、そのヒンジと反対方向の並進運動に従って開放できるようにする。その結果、単純に引くことでバッテリを取り外すことができる。
【0021】
他の特長や利点は、以下の図を参照して、好ましい実施例の非制限的を例示する目的で 与えられた下記説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による取外し配置のバッテリケースの収納スペースを有する自転車の斜視図である。
【図2】回転配置のバッテリ収納スペースの拡大側面図である。
【図3】図2の上面図である。
【図4】バッテリケースが取外し配置にある図2に類似した図である。
【図5】バッテリ収納スペースの範囲を定めるペダル部と、そこから外されたバッテリケースの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
異なる図面において、同じ符号は、同一もしくは類似する部品を示す。
【0024】
図1は、オープンフレーム2を有するタウンユース用の自転車1を示す。
【0025】
自転車1は、周知の方法で、ハンドルバー5に強固に固定されたフォーク4に支えられた前輪3を備える。フォーク4は、フレーム2に強固に固定されたステアリングチューブ6またはステアリングボックスを介して旋回可能に取り付けられる。自転車1はまた、フレーム2に強固に固定されたリヤフォーク8に支えられた後輪7と、シート部9とを備える。
【0026】
自転車1は、電動アシスト自転車である。しかし、フレーム2の特定の性質が保持されるのであれば、例えばスクーターまたは軽量電動オートバイ型等の多少異なるタイプの二輪車でもよいことが、下記説明によって理解されるだろう。
【0027】
フレーム2は、ステアリングチューブ6に強固に固定された上端10aから図4に示す下端10bまで延伸する第1フレーム部10を備える。第1フレーム部10は、当業者間で「ダウンチューブ」と呼ばれる部分に実質的に相当する。これは実際にはチューブから形成されるが、多様な断面とほぼ湾曲部を有するよう補正される。追加的部分も、溶接により取り付けられる。しかし、この第1フレーム部10は、いくつかの組み立て部から作られ、あるいは非中空部分も備える。
【0028】
第1フレーム部10の上で、下部12は、図2と図4に破線で示す上端13と最下部14の間で延伸し、下記で定義する位置が考慮される。従って、第1フレーム部は、上部13と上端10aとの間の上部15を備える。図示された実施例によると、最下部14と下端10bとの間を追加部分18が延伸する。しかし、最下部14と下端10bが併合し、追加部分18がなくてもよい。
【0029】
フレーム2は、シートチューブと、調節手段と実際のシートとを含むシート部9が装着される上端20aから、第1フレーム部10に強固に固定された下端20bまで延伸する第2フレーム部20を備える。同様に、上端23から、下端20bに結合する底部まで延伸する下部22は、第2フレーム部20に定義することができる。従って、第2フレーム部20は、ここでは直管で形成される上部25を有する。一方、下部22は、フレーム2の残りの部分を有する移動不可能な堅いアセンブリを形成する2つの比較的複雑な部品(26,27)から形成される。
【0030】
リヤフォーク8は通常、後輪7の両側で、第1フレーム部の下部10bから後輪スピンドルサポートまで延伸する、一対のベース部32を備える。後方フォーク8はまた、スピンドルサポートから第2フレーム部20へ、より具体的にはその上端20a付近に延伸する一対のシートステー36を備える。従って、リヤフォーク8は、後輪7をフレーム2の垂直面と並んで垂直面に維持する硬く軽いユニットを形成する。
【0031】
自転車の後部はまた、ここではフレームに堅く固定された一対の追加ステー37に支持される泥除け39を備えるが、取り付け部材であってももちろん構わない。
【0032】
自転車の場合、その後部は、図2に示すようにハウジング42に支持されたクランクセット41、チェーンまたはベルト等の、図中ではカバー43に覆われたトランスミッション部材、および1つ以上のリアスプロケットホイールを含むトランスミッションアセンブリを備える。
【0033】
自転車はまた、電動推進システムを備える。図示した実施例においては、電動アシストシステム、すなわち特にペダリング力が発揮される機能として自動的に機能する。しかし、ユーザに直接制御される電動推進システムであってもよい。
【0034】
推進システムは、後輪7のハブに収納された電気モータ50、バッテリケース52に収納されたバッテリ、バッテリとモータ間を接続するケーブル53を備える。制御表示モジュール(図示せず)も、ハンドレバー部5に取り付けられて、電気モータ50とバッテリケース52に接続される。これにより、異なるモードと操作パラメータまたは、表示されるバッテリ残量に従って電動アシストが作動する。
【0035】
バッテリケース52は、実際のバッテリ部の他に、特にバッテリ残量等の決定や、速度センサやペダルトルクセンサ等のセンサから受信した制御信号をモータ50に送る、異なる機能を果たす電気回路を備えることができる。ケース52は、一方で電力を伝送し、他方で信号を送信する電気コネクタを備えた硬いアウターボディシェルの形状をしている。
【0036】
ケース52はまた、破線で示す凹所の形状に製造することができるグリップ部材54を備える。当然、グリップ部材は、例えば突出部またはバッテリ取外し配置のケースから突出して回転配置にケースの表面に折ることができる可動部など、異なって製造することができる。
【0037】
バッテリケース52はまた、トラック56によって有利に形成された取付け手段を備える。バッテリケース52はまた、バッテリの防犯システムを作動するキーロック58を有することができる。バッテリケース52は、標準部品である。しかし、延伸主軸59を有し、取り付けトラックは延伸主軸59とほぼ平行な方向に向けられることが好ましい。
【0038】
自転車1へのバッテリの固定を最適化するために、バッテリ収納スペース60は、第1フレーム部10の下部12と、第2フレーム部20の下部22と、第1フレーム部10のゾーンと第2フレーム部20のゾーンの間を延伸するペダル部61とにより、フレーム2の中で定義される。下部(12,22)の最下部14と20bは隣接しているため、バッテリ収納スペース60はフレーム2の面、つまり垂直面の継続的ループに囲まれる。
【0039】
フレーム2の一部を形成する下部(12,22)は、著しい衝撃に耐えられる堅固な部材である必要がある。従って、バッテリケース52は、自転車駐輪スタンドまたは舗装等、地面から突出した要素からの衝撃から保護される。
【0040】
ペダル部61は、ここでは側面金属チューブ62から形成されて、実際のペダルを形成するプレート64に上面を覆われた頑丈なユニットでもあることが好ましい。ペダル部61は堅固であるため、バッテリケース52を保護するが、バッテリを取り付けるための支持部材を有利に提供する。図5からわかるように、この部材は、ここでは、ケースのトラック56を補完し、側面チューブ62に接続されたトラック66により作成される。
【0041】
バッテリ収納スペース60はまた、固定または可動保護部材により、水平方向に区切られることができる。例えば、バッテリケース52の側面の一部を覆うプラスチック板の形状をした水平カバープレート67を図示する。実際は、水平カバー板67を、ペダル部61に恒久的にぶらさがり、中のバッテリケース52を閉じるジップファスナーを備えた柔軟性のあるバッグに置き換えることが好ましい。そのような柔軟性のあるバッグは、例えば合成繊維から作られ、雨天時でもバッテリケース52が完全に清潔に保たれるようにするが、特にクランクセット41の反対側からバッテリを水平に取り外すことが予測される場合、いかなる側面保護も提供しないことが完全に考えられる。実際、バッテリケースを損傷する水平な衝撃が限定されたままであることが実験で示されている。なお、バッテリ収納スペース60は、リヤフォーク8等の構造要素により側面が囲まれていないフレーム2のゾーン内に配置され、左ペダルを容易かつ的確に位置決めできる。従って、コスト上の理由により、特にペダル部61が例えば溶接により恒久的に固定される場合、バッテリケース52への容易な側面アクセスが完全に可能となる。
【0042】
ペダル部61はまた、モータ50の供給ケーブル53が接続された電気コネクタ68を支持する。このコネクタのピンは、移行中のトラックのセット(56,66)の係合が、バッテリケースの補助コネクタを有するフレーム2に接続されたコネクタ68の係合をガイドするよう、トラック66の軸に沿って配向され、バッテリケース52の補助コネクタと相対的に配置される。
【0043】
また、第1フレーム部10の下部12は、通常のダウンチューブのように、一直線ではなく、上方と後ろ側に向いた空洞を有するほぼシート部9の方向に湾曲した形である。実際、図4に破線13,14で示すように、この部分の上部と底部の間の湾曲における平均半径は、第2フレーム部の上端20に大体位置する回転の中心を有する。より具体的には、下部12は比較的顕著な湾曲と一直線の底部とを有する。従って、下部12は、通常のダウンチューブの対応位置と比較してさらに前方に位置する。
【0044】
第2フレーム20の下部22はまた、その上端と底端(23,24)との間に湾曲を有することで、この部分が前方に向いた湾曲を有するようにする。これらの湾曲は、バッテリ収納スペース60を増やす。この下部22は筒状のクランクセットハウジング42に溶接された2つの短い部分(26,27)から形成され、これにより完全に十分な堅実性を得ることができ、これはさらに第2フレーム部20がシートステー36の存在による曲げ応力を制限するため、そのようになる。
【0045】
一方、図示された実施例のように、特にオープンフレーム2の場合は、第1フレーム部10では、単一の部品から顕著な角度のないよう製造することが望ましい。
【0046】
第2フレーム部20の下部22の上で、第1フレーム部10との接合部ではない位置にクランクセット収納42を置くことで、第1フレーム10の下部12を低くし、バッテリケースを収納するスペース60をさらに広げることが可能になる。実際、クランクセット収納42の位置は、約27センチメートルの高さの前後で数センチメートルだけ水平に変更することができ、これはペダリングの快適さとターン時にペダルが地面に接触するリスクとの間で最適であることを考慮している。ここでは、クランクセット41の軸は、第2フレーム部20の下部22のほぼ中央に配置される。この要素の下端20bと比較して高い位置も可能である。しかし、他の制限を考慮する必要がある。特に、町中で遭遇する通常の障害物を避けるために、第1フレーム部10が12センチ以下の高さにあるゾーンを持たないことが望ましい。
【0047】
一方、ペダル部61、さらに具体的にはその上面64がクランクセット41の軸よりも高い位置にあるという事実もまた、バッテリ収納スペース60を広げる。特に、約35センチの高さは、特に足がフレーム2を通過するために、非常に容易に使えるようにするということがわかる。ペダル部の上面64をより高く合わせることが可能であるが、それ以上は快適さが減少する高さである45センチを越えないことが望ましい。
【0048】
図3においてより明確にわかるように、上面64はフレーム部10,20よりも水平に幅広くなっている。全面に向かって若干増すこの幅は、実際は靴の幅と一致し、この上面はユーザの足を受け止めるよう構成される。自転車にペダルの使用はほとんど興味のない先験的なものであるように見えるが、早期のテストにより、ペダル部61はその上で足を快適に休ませてユーザに非常に評価されることが推測・確認されている。実際、町での使用中、ユーザは何度も止まらなければならず、ペダル部61のこのフットレスト機能が、かなり快適さを改善するはずである。この上面64は、ペダリングに干渉するリスクを冒して相当幅広くしてはならない。もちろん、電動自転車にバッテリを取り付けるために、このフットレスト機能は、「ペダル部」と呼ばれる部材61によって必ずしも実施されなければならないわけではないことを理解するべきである。
【0049】
特に有利な追加的特徴によると、ペダル部61は、ヒンジ70によりフレーム2と相対的に可動である。図示した実施例では、図2に示す回転配置から図1,4に示す取外し配置まで通るよう、ヒンジ70はペダル部61とバッテリケース52が取り外し可能に装着されるようにする。この取外し配置は、バッテリケース52をフレーム2からさらに簡単に取り外せるように設計される。この機能を行うために異なるヒンジを使用することも可能である。
【0050】
好ましい実施例では、ヒンジ70はフレーム2の長手方向に直交する水平軸71を有するピン接続である。これは、ペダル部61と第2フレーム部20の間の接続に配置される。ヒンジ70は、側面チューブ62の後端と一体となった突起72により形成され、下部22の上端24に位置するスラグを旋回して装着される。図2の使用構成では、側面チューブ62の先端部は、上端13の高さで第1フレーム部10に溶接されたストップ75上で停止する。
【0051】
固定装置80は、ペダル部61がこの回転配置で固定するようにする。固定装置80は、右側面チューブ62内を並進中に移動可能であって、図5からよくわかるように、図3に破線で示すスプリング82によって突出位置で圧力を加えられるスライディングボルト81を備える。ハンドル84は、スライディングボルト81がスプリング82を押し付けることにより引っ込むようにする。従って、ボルトの可動部材を形成するスライディングボルト81は、右側面ストップ75のわずか上方に位置する第1ストライク部材87を形成する凹所から外れることができる。
【0052】
なお、ストライク部材87は、滑らかで円形の外面を有し、その上をスライディングボルト81の端部が、その退避位置により押し返されてスライドする。
【0053】
ヒンジ70と固定装置80を反対に配置することも、当然可能である。しかし、第2フレーム部20上のヒンジ70の位置はより人間工学的であることが証明されており、ユーザはより自然にシート部9の片側に位置する傾向がある。
【0054】
図4に示すように、第2ストライク部材88は、第2フレーム部の上端20aの近隣に配置される。第2ストライク部材88は、ペダル部61が取外し配置に置かれた時にスライディングボルト81がそれと連携するように配置される。第2ストライク部材88は、スライディングボルトを受け取る凹所の周りに円形の表面を有し、後者がスプリング82の動作のもとでこの部材の凹所に自動的に係合する前に、その表面により押し戻されるようにする。
【0055】
バッテリを収納スペース60にフィットさせることは、その低位置により、自転車の動作を顕著に変更することにならない。リヤフォーク8の構成と、特に強度は、影響を受けない。バッテリケース52は比較的手の届きやすい領域に位置するため、取り外しと交換が容易になる。
【0056】
図示された実施例では、特に、バッテリケース52の取り外しは特に容易で直観的である。図2に示す回転配置から、ユーザはハンドル84を後方に引くことで固定装置80を解除する。この動作には上方への移動が必然的に続き、ユーザは一般的にシートの脇に位置し、ペダル部61がバッテリケース52と上方に旋回する。このスライディングボルト81は、第2固定部材88の方へガイドされ、固定装置80が第2ストライク部材88に自動的に係合するよう、その円形外面と自動的に連携する。これにより、図4に示す取外し配置が達成され、その後安定する。
【0057】
なお、バッテリケース62は実質的に高い位置に配置され、ヒンジ70と反対側に配置されたグリップ部材またはハンドル54がユーザの方に向けられる。しかし、柔軟性のあるバッグに囲まれているためにバッテリケース52が見えない場合、例えばジップファスナーのスライダー等、このバッグを空けるシステムをハンドル54の反対側に配置することが賢明である。
【0058】
次に、ユーザはハンドル54を上方に引き、これにより、コネクタ68をケース52の補助コネクタから外す一方、取り外し可能な取り付けシステムのトラック56,66が外される。トラックを解除するための並進移動は、締め金とトラック(55,56)のノッチとを備えることにより、短い距離で、かならずしもその長さ全体にわたらず行うことができる。
【0059】
バッテリの交換と回転配置への回復は、概ね逆の手順を踏むことで行われる。バッテリケース52がペダル部61の装着手段66と一旦再係合すると、ハンドル84への下に向かう作用により、ペダル部は取り外し位置から解放される。ペダル部61とバッテリケース52は、ストップ75と接触するよう下方へ旋回する。この旋回移動の間、固定装置80は、その滑らかで湾曲した外面により、自動的に第1ストライク部材87と係止する。
【0060】
なお、ペダル部61に接続したコネクタ68は、非常に長い自由長のケーブル53を提供する必要がないよう、ヒンジ70に近接して配置される。
【0061】
上記の実施例は、制限的なものではない。垂直面での収納スペース60の区切りは、フレーム部材(10,20)の下部(12,22)の形状と、必ずしもまっすぐではないペダル部61の形状に従って、実質的に異なっても良いことを理解するべきである。しかし、この形状がバッテリケース52の外形とほぼ一致することが好ましい。既に言及したように、ペダル部61のヒンジによる装着は1つの選択であり、バッテリケース52は側方への運動中に容易に取り外し可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動二輪車は、
前輪のステアリングチューブ(6)を支える上端から下端(10b)まで延伸する第1フレーム部(10)と、
シート部(9)を受ける上端から、前記第1フレーム部に強固に固定された下端(20b)まで延伸する第2フレーム部(20)と、
回転配置内でバッテリ収納スペース(60)内に配置されたバッテリケース(52)と、
車輪のうちの一方を駆動する電気モータ(50)と、
を備え、
前記バッテリ収納スペースは、前記第1フレーム部(10)の下部(12)と、前記第2フレーム部(20)の下部(22)と、ペダル部(61)とによって少なくとも垂直面に区切られ、前記下部は、互いに接合された最下部(14,20b)と、前記ペダル部が前記回転配置でその間を延伸する上端部(13,23)とを有し、
前記ペダル部(61)は、その一端に、前記ペダル部を前記下部(22;12)の一方に旋回可能に接続するヒンジ(70)を有する。
【請求項2】
前記第1フレーム部(10)の前記下部(12)は、前記シート部(9)にほぼ向けられた凹曲面を有することを特徴とする、請求項1に記載の二輪車。
【請求項3】
前記第2フレーム部(20)の前記下部(22)は、ほぼ前方に向けられた凹曲面を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の二輪車。
【請求項4】
前記ペダル部(61)は、前記車輪の軸の高さと45センチとの間の高さに位置する上面(64)にほぼ水平に延伸することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の二輪車。
【請求項5】
前記第2フレーム部(20)の前記下部(22)は、クランクセット収納(42)を備え、前記収納は前記下部の前記下端部(20b)から離れて配置されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の二輪車。
【請求項6】
前記ペダル部(61)は、前記ヒンジ(70)の反対側で、前記ペダル部を他方の下部(12;22)に固定不能に接続する固定装置(68)を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の二輪車。
【請求項7】
前記ペダル部(61)は、外部電気接続部材(68)を有し、前記接続部材は前記ヒンジ(70)の近隣に配置されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の二輪車。
【請求項8】
前記バッテリケース(52)は、前記ペダル部(61)に取り外し可能に取り付けられることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の二輪車。
【請求項9】
前記ペダル部(61)の前記ヒンジ(70)は、好ましくは前記第2フレーム部(20)に接続されており、前記ペダル部を、前記回転配置から「取外し配置」と呼ばれるほぼ水平配置まで通過させるよう横断水平軸(71)を中心に旋回させることを特徴とする、請求項6から8のいずれか1項に記載の二輪車。
【請求項10】
前記固定装置(80)は、前記取外し配置での前記ペダル部の固定に適していることを特徴とする、請求項9に記載の二輪車。
【請求項11】
前記固定装置(80)は、前記ペダル部(61)に装着された可動部材(81)と、前記フレーム部(10;20)の一方に固定して取り付けられた第1ストライク部材(87)と、前記フレーム部(10;20)の他方に固定して取り付けられた第2ストライク部材(88)とを備え、前記可動部材(81)は固定位置に向かってバイアスされており、前記第1および第2ストライク部材(87、88)は、前記ペダル部(61)が前記回転配置と前記取外し配置のいずれかに達した時に、自動的に固定を確保するよう構成されることを特徴とする、請求項10に記載の二輪車。
【請求項12】
前記バッテリケース(52)と前記ペダル部(61)は、トラック(56,66)のセットにより取り外し可能に取り付けられており、前記ペダル部(61)とほぼ平行な解放方向と、そのヒンジ(70)と反対方向の並進移動中に開放することを特徴とする、請求項8から11のいずれか1項に記載の二輪車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−213345(P2011−213345A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−78168(P2011−78168)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(511082171)
【氏名又は名称原語表記】MATRA MANUFACTURING & SERVICES