説明

電動切断機、ソーカバー及びベース組

【課題】 本発明の目的は、際切り切断作業を行うことができる電動切断機を安価に提供することである。
【解決手段】
電動機、電動機を内蔵する把持部11、電動機により回転駆動されるスピンドル12を有する電動グラインダと、スピンドル12に取付けられる刃物20と、電動グラインダに着脱可能なアーム14と、アーム14を揺動軸50を支点として揺動可能に支持し、刃物20の少なくとも一部を覆う形状をしたソーカバー30と、ソーカバー30に連結され、被切断材上を摺動可能な底面40a、底面40aに直交する側面40bを有するベース40とを有し、電動グラインダを揺動軸50を支点として揺動させた際に、ベース40の底面40aを含む仮想面と側面40bを含む仮想面の交差部付近から刃物20を突出させることができる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動グラインダを用いて際切り切断を可能とした電動切断機及び電動グラインダに着脱可能としたソーカバー及びベース組に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電動切断機の一例を、丸鋸を例に取り図16〜図18を用いて説明する。
被切断材上を摺動しながら切断を行うことができる電動切断機としては、図16に示すような形をした丸鋸が最も一般的であった。
図16に示す丸鋸は、図示しない電動機により回転駆動される鋸刃20と、鋸刃20の一部を覆うソーカバー30と、被切断材上を摺動可能な底面40aを有し、切断作業時に作業の安定化を図るベース40とを有する構成をしている。
【0003】
以下に上記した形をした丸鋸を例えば家屋の床の張り替え作業時に使用した場合の状況を述べる。
一般的な日本家屋の床周りの構造は、図17に示すように、最下部には複数の根太60そして端側にはこれらより一回り太い土台61が通してあり、土台61の上に、図中奥行方向に複数の柱62が立設されている。そして根太60上には、柱62に突き当てる様に下地63、その上に床板材64が設置されている。そして複数の柱62に対し、壁の下地となるボード65が張り付けられており、ボード65と床板材64との境目には、隙間66の目隠しとして巾木67がボード65に接着されている。ボード65表面には装飾として壁紙68が貼られている。
床の張り替えを行なう際には、まず床板材64を、巾木67際に沿った位置69上で切断して、下地63から剥がす必要がある。
【0004】
しかし上述した図16に示すタイプの丸鋸では、構造上、ベース40や鋸刃20を固定するためのフランジボルト29等が邪魔になり、実際の切断位置70は、巾木67際の位置69よりも離れた位置となり、巾木67際の位置69で切断を行うのが不可能であった。
そこでこの問題を解決すべく、図18に示すように、鋸刃20下端部を壁側に振る方向に傾斜させ、この傾斜状態のままベース40側面40bを巾木67に当接させながら移動することにより床板材64の壁際切断加工を可能とした丸鋸(際切り丸鋸)が考案されている。(例えば、特許文献1〜特許文献3参照。)
【0005】
具体的には、上記方法で巾木67際の切断を行ない、床板材64を剥がした後、この巾木67や床板材切り残し部71も除去して、完全に露出した下地63の上に新床材を設置し、改めて隙間66の目隠しとして、新巾木をボード65に接着する。この際新巾木は、ボード65の壁紙68が貼られていない部分が見えない様、旧巾木よりも幅広なものを使用する場合が多い。
【0006】
しかし実際の作業においては、巾木67をバール等で引き剥がす際に、ボード65に貼られた壁紙68に傷がつく可能性が高く、傷を付けた場合には結局この壁紙68まで交換する必要性が生じることがある。
【0007】
そのため、時間や予算に制限がある場合には、巾木67を剥がさずに新しい床板材を張り付けるようにした施工をすることもある。
この方法は、図19に示すように、現在ある床板材64をそのまま残し、巾木67に床板材64に対し平行な切り込み73を入れ、巾木67下端部を除去し、床板材64と残された巾木67との間に出来た空間74に新しい床板材72をはめ込むというものである。
【0008】
【特許文献1】特許第2933196号公報
【特許文献2】特開2001−315101号公報
【特許文献3】特開2003−71803号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記した際切り切断作業を可能とした従来の電動切断機は、際切り切断作業専用の工具であるか、一般的な丸鋸に際切り切断作業を可能とする機能を付加したものであり、いずれも比較的高価な工具であった。
また、上記した従来の電動切断機では、例えば旧床板材の上に新しい床板材を張り直す際、巾木67下端部に新しい床板材の差し込みスペースを設けるために、床面64に対し平行な切り込みを入れる等のように、床面64に対して平行な切断作業を行う場合、図17に示すような丸鋸ではベース側面40bを床面64上で摺動させながら切断しようとした場合、ベース側面40bがそのような使用形態を想定して形成されておらず、床面64に対して鋸刃20側面が平行となるように丸鋸本体を安定させながら切断作業を行うことが困難で、精度の良い切断作業を行うことができないものであった。
【0010】
本発明の目的は、上記の問題を解消し、際切り切断作業を行うことができる電動切断機を安価に提供することである。
また、他の目的は、床面に対して平行な切断を、容易かつ精度良く行うことができる作業性の良い電動切断機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は、電動機、該電動機を内蔵する把持部、前記電動機により回転駆動されるスピンドルを有する電動グラインダと、前記スピンドルに取付けられる刃物と、前記電動グラインダに着脱可能なアームと、該アームを揺動軸を支点として揺動可能に支持し、前記刃物の少なくとも一部を覆う形状をしたソーカバーと、該ソーカバーに連結され、被切断材上を摺動可能な底面、該底面に直交する側面を有するベースとを有し、前記電動グラインダを前記揺動軸を支点として揺動させた際に、前記ベースの底面を含む仮想面と側面を含む仮想面の交差部付近から前記刃物を突出させることができる構成とすることにより、達成することができる。
または、電動機、該電動機を内蔵する把持部、前記電動機により回転駆動されるスピンドルを有する電動グラインダに着脱可能なアームと、該アームを揺動軸を支点として揺動可能に支持し、前記スピンドルに取付けられる刃物の少なくとも一部を覆う形状をしたソーカバーと、該ソーカバーに連結され、被切断材上を摺動可能な底面、該底面に直交する側面を有するベースとを有し、前記アームを前記揺動軸を支点として揺動させた際に、前記ベースの底面を含む仮想面と側面を含む仮想面の交差部付近から前記刃物を突出させることができるソーカバー及びベース組を提供することにより達成することができる。
【0012】
上記他の目的は、ソーカバーの反本体側面に揺動軸に対して略直交する面を有する支持部を設けると共に、他の構成部位を前記支持部の前記面より本体側に配置することにより達成することができる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1あるいは請求項13記載の発明によれば、既存の電動グラインダを用いる、あるいは取外せば電動グラインダとしても使用することができる電動切断機であり、際切り切断作業を行うことができる電動切断機を安価に提供することができるようになる。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、被切断材に床面と平行な切断作業を行う作業を行う際にはソーカバーに設けられた支持部を床面に載置すれば、床面の上で本体を安定させた状態で切断作業を容易にかつ精度良く行うことができるようになる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、刃物がベース底面から突出する突出位置を調整することができ、また請求項2記載の発明に加えた構成とすれば、支持部を床面に載置し被切断材の切断作業を行う際に、床面から切断個所の距離を調整することができ、図19に示すような作業を行う際に新たな床板材64の厚さ寸法に併せて切断位置Hを調整することができる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、前記支持部をソーカバーと一体に設けた構成としたことにより、部品点数の増加及び組立性の悪化を招くことなく、請求項1記載の発明による作用効果を奏し得る電動切断機を安価に提供することができるようになる。また、部品点数の増加を招くことがないため、寸法誤差が増えることによる精度の低下などを抑制することができる。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、支持部をソーカバーに設けられた複数の突起から構成したことにより、例えば突起によって刃物の回転方向を表すなど、他の機能と兼用させることができるようになる。また、例えばソーカバーに、集塵機に接続されたホースを接続可能とした断面円形の排出口を設けた構成とした場合などには、複数の突起のみを前記排出口よりも反本体側に突出させた構成とすれば、ソーカバーひいては製品全体の大型化を抑制することができる。また、ソーカバー内部の面積が大きくなることによる、集塵率の低下等を抑制することができる。
【0018】
請求項6記載の発明によれば、刃物をベースの底面から突出しない位置に退避可能としたため、切断開始前に、支持部を床面等の上に当接させると共にベース底面を被切断材に当接させ電動切断機本体を安定させた後に、電動グラインダをベースに対して揺動させ切断作業を開始するようにすることができ、切断開始前における電動切断機本体位置の微調整時に刃物によって被切断材の意図しない個所が傷ついてしまうようなことを抑制することができる。
【0019】
請求項7記載の発明によれば、スピンドルと一体回転可能に設けられ、刃物に対して電動機側に位置する第1ワッシャと、該第1ワッシャの外周上に形成された雄ねじ部と螺合可能な雌ねじ部を有する第2ワッシャと、スピンドル外周上に形成された雄ねじ部と螺合可能な雌ねじ部を有し、刃物に対して反電動機側に位置する第3ワッシャとを設けた構成とし、第2ワッシャと第3ワッシャとでスピンドル上に刃物を挟持固定するようにしたことにより、刃物の固定前に第2ワッシャを回転させスピンドル上での位置を調整すれば結果として刃物の固定位置を調整することができ、刃物の固定位置を調整するために複数の厚さ寸法の異なるワッシャを用意するような必要がないと共に、支持部の面からの鋸刃の距離を微調整することができる。
【0020】
請求項8記載の発明によれば、揺動軸を支点として電動グラインダ及びベースが離間する方向に揺動するよう付勢する付勢手段を設けると共に、電動グラインダ及びベースが最も離間する方向に揺動した状態でソーカバー内壁に刃物が接触しないように揺動を規制する揺動規制手段を設けたことにより、切断開始前に、支持部を床面等の上に当接させると共にベース底面を被切断材に当接させ電動切断機本体を安定させた後に、電動グラインダをベースに対して揺動させ切断を行う際の作業性の向上を図ることができる。すなわち、電動グラインダが常にベースと離間する方向に揺動するよう付勢されているため、ベース底面を被切断材上で摺動させながら切断する際に電動グラインダに加える押し付け力が不安定となったとしても付勢手段の付勢力により安定してベース底面を被切断材上に当接させた状態を維持することができる。また、請求項6記載の発明のように、電動グラインダ及びベースが最も離間する方向に揺動した状態で刃物がベース底面から突出しないようにすれば、ベース底面を被切断材に当接させ、その後電動グラインダを押し付けて切断を行う作業の際に、ベース底面を被切断材に当接させたとしても、付勢手段の付勢力に打ち勝つ押付け力が働かなければベース底面から刃物が突出しないため不意に切断が行われてしまうことを抑制することができると共に、作業終了時に電動機の停止作業を行わずとも電動グラインダに加えていた押し付け力を解除することにより、すぐさま作業を終了することができ、作業性を向上させることができる。
【0021】
請求項9記載の発明によれば、揺動規制手段を、ソーカバーあるいはアームに回動可能に設けられたロックレバーと、アームあるいはソーカバーに設けられロックレバーと係合可能なフックを有する構成とし、ロックレバーとフックとが係合することにより電動グラインダがベースに近接する方向に揺動することを規制し、規制状態でロックレバーを回動操作することにより規制状態を解除することができるようにすることにより、請求項8記載の発明による作用効果に加え、作業開始前に、電動グラインダがベースに近接するように揺動する方向の押付力を不意に本体に加えてしまったとしても被切断材などに傷を付けてしまうことを防止することができる。
【0022】
請求項10記載の発明によれば、ソーカバーに、揺動軸に直交して延びる壁面を有し、揺動軸を支点とした略円弧形状をしたレールを設けると共に、アームにレールの壁面を摺動可能な摺動部を設けた構成としたことにより、ソーカバーに対する電動グラインダの位置を揺動軸とレール及び摺動部とで支持することができ、ソーカバーに対する電動グラインダの位置を安定させることができる。なお、揺動軸付近のみでアーム及び電動グラインダを支持する構成の場合には、揺動軸、アームなどの部材をガタがないよう強度の高い部品により形成するなどの工夫が必要であるが、上記した構成とすることにより安価で精度の良い電動切断機を提供することができる。
【0023】
請求項11記載の発明によれば、ベース底面に直交する方向に刃物が突出可能となるようベースをソーカバーに取付可能としたことにより、ベース底面を被切断材上に載置した際に、被切断材に上面と直交する方向の切断を行うことができる。
【0024】
請求項12記載の発明によれば、ベースに刃物と平行に延びる側面を有するガイドを着脱可能に設けたことにより、ベース底面が刃物に対して傾斜して配置されている状態にあっても、ガイドの側面を床面上等に載置し、床面等に平行に被切断材を切断することができるようになる。また、ガイドをベースに対して任意の位置に固定可能とすれば、容易に床面からの被切断材の切断位置を調整することが可能となり、操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明による電動切断機の一実施形態を、図1〜図13を用いて説明する。
本発明電動切断機は、図1に示すように、図示しない電動機を内蔵する本体10と、電動機により回転駆動される本発明の刃物である鋸刃20と、鋸刃20の少なくとも一部を覆うソーカバー30と、ソーカバー30に連結され被切断材上を摺動可能な底面40aを持つベース40と、鋸刃20の回転軸に略平行な揺動軸50とを有し、揺動軸50を支点としてベース40に対して本体10が揺動可能で、鋸刃20をベース40底面40aから突出可能な構成をしている。
【0026】
本体10は、筒形状をし、内部に図示しない電動機を内蔵し、電動機の回転軸方向に延びた形状をした把持部11を有する。把持部11は手によって把持可能な寸法で設計されており、作業時には把持部11を把持することにより作業が行われる。
【0027】
また、本体10は、特に図10に示されるように電動機(不図示)により回転駆動するスピンドル12、電動機とスピンドル12間のギヤ部を覆うギヤハウジング13、ギヤハウジング13に回転不能に取付けられるアーム14、アーム14の把持部11側端部に設けられた摺動部15とを有する構成をしている。なお、図示を省略したが、本体10には、電動機の駆動を制御する起動スイッチ、商用電源と接続される電源コードが設けられている(電源コードではなく、電池を駆動源とし、電池を着脱可能な構成であっても良い)。
【0028】
スピンドル12は、図示しない電動機の出力軸と略直交する方向に延びており、ギヤハウジング13から突出している個所のギヤハウジング13側の部分に二面幅部12a、先端に雄ねじ部12bを設けた構成をしている。
【0029】
アーム14は、図10の右下部分に後述する揺動軸50を取付ける揺動軸取付部14a、中央部分にスピンドル12を回転可能に支持する円形形状をしたスピンドル支持部14b、ギヤハウジング13と当接するフランジ部14c、フランジ部14cに設けられたギヤハウジング13に螺合する複数ネジ13a(本実施形態では4個)が貫通する複数のネジ貫通穴14d、揺動軸取付部14aからスピンドル支持部14bにかけて延びた第1アーム部14e、スピンドル支持部14bから反揺動軸取付部14a側に延び、第1アーム部14eと略平行に延びる形状をした第2アーム14fとを有する構成をしている。アーム14は、上記のようにフランジ部14cを介してネジ13aによってギヤハウジング13に固定されているため、アーム14はギヤハウジング13、把持部11に対して回転不能に固定されている。また、アーム14の揺動軸取付部14aには後述する揺動軸50が挿入されると共に揺動軸50外周に配置される本発明の付勢手段であるコイルスプリング51が挿入される。
【0030】
また、アーム14の第2アーム部14fの先端には、アーム14と一体に形成された摺動部15が設けられており、摺動部15には、回転可能な2つのメタル15a、15b、摺動部15を通過して図10の下方に突出するボルト15c及び、ボルト15cの回転止め用としてボルト15c軸に対し略直角方向に配置され、先端がボルト15cに当接可能な回り止め用ボルト15dが設けられている。ボルト15cは下方への突出量を調整可能で後述するソーカバー30の突当部31lに当接可能となっている。
【0031】
また、アーム14の第1アーム部14eには、後述するソーカバー30に取付けられたロックレバー33の係合部33aと係合可能なフック14gが揺動軸50の軸方向に略直交する方向に立設してる。
【0032】
本体10は、図11に示す電動グラインダにアーム14及び摺動部15を取り付けることにより構成されるものであり、スピンドル12を回転支持する回転支持部13bをギヤハウジング13から取外し、回転支持部13bの代わりにギヤハウジング13にアーム14を取付けることで構成される。
【0033】
本発明の刃物である鋸刃20は、上記したスピンドル12上に固定されるものであるが、この鋸刃20の固定構造について詳述する。
【0034】
図5及び図6に示すように、スピンドル12上には第1ワッシャ21、第2ワッシャ22、第3ワッシャ23が設けられ、第2ワッシャ22と第3ワッシャ23との間に鋸刃20が配置されるようになっている。
【0035】
第1ワッシャ21は、スピンドル12の二面幅部12aと略同形状をした二面幅内形部21aを有し、図5及び図6に示す状態では、二面幅部12aと二面幅内形部21aとが係合し、スピンドル12上で第1ワッシャ21が回転不能に、すなわち第1ワッシャ21がスピンドル12と一体回転可能に設けられている。また、第1ワッシャ21の外周の一部には雄ねじ部21bが設けられ、雄ねじ部21bの本体10側の位置には半径方向外側に突出したフランジ部21cが設けられている。また、第1ワッシャ21の雄ねじ部21bが設けられていない外周部は鋸刃20の内周部と略同径に形成されている。
【0036】
第1ワッシャ21の外周には、雄ねじ部21bと螺合可能な雌ねじ部22aを有する第2ワッシャ22が設けられている。第2ワッシャ22は、雄ねじ部21bと雌ねじ部22aとが螺合していることによって、第2ワッシャ22が第1ワッシャ21に対して回転することでスピンドル12の回転軸方向、すなわち鋸刃20の回転軸方向に移動可能となっている。
【0037】
第3ワッシャ23はスピンドル12の雄ねじ部12bと螺合可能な雌ねじ部23aを有する形状をしており、第3ワッシャ23が第1ワッシャ21に対して回転することによってスピンドル12の回転軸方向、すなわち鋸刃20の回転軸方向に移動可能となっている。
【0038】
第2ワッシャ22と第3ワッシャ23との間であって第1ワッシャ21の外周上に鋸刃20を配置し、第3ワッシャ23をスピンドル12に対して回転させ、第3ワッシャ23を鋸刃20側に移動させることによって、鋸刃20を図5及び図6に示すように第2ワッシャ22と第3ワッシャ23とでスピンドル12上に挟持固定することができる。
【0039】
鋸刃20を挟持固定した状態において、鋸刃20の回転時に第2ワッシャ22及び第3ワッシャ23が回転して緩んでしまうことがないよう、第2ワッシャ22及び第1ワッシャ21のねじ部の形状は、第2ワッシャ22が鋸刃20の回転方向に進むに従って鋸刃20に近づく方向に形成されており、第3ワッシャ23とスピンドル12のねじ部の形状は、第3ワッシャ23が鋸刃20の回転方向に進むに従って鋸刃20に近づく方向に形成されている。
【0040】
鋸刃20を挟持固定する前に、第2ワッシャ22を第1ワッシャ21に対して回転させ、任意の位置に第2ワッシャ22を移動させることによって、スピンドル12の軸方向における鋸刃20の挟持位置を調整することができる構成となっている。
【0041】
なお、第1ワッシャ21のフランジ部21cが第2ワッシャ22に当接することによって、第2ワッシャ22の本体10側への移動を規制していると共に、反本体10側の移動については鋸刃20がソーカバー30内壁に当接することがない又は鋸刃20の取付ができなくなることがないよう所定の位置を過ぎると雄ねじ部21bと雌ねじ部22aの螺合が解除されるようになっている。
【0042】
ベース40は、鉄製の板材を加工したものからなり、被切断材上を摺動可能な底面40a、底面40aと略直交する側面40b、底面40aと側面40bとの間に開口部40cを有する構成をしている。開口部40cは、取付け可能な最大径の鋸刃20の直径よりもベース40の長手方向に延びた形状をし、鋸刃20が開口部40cを介して図5及び図6に示すように底面40aよりも下方に突出可能な構成をしている。開口部40cは、図5に示すように、底面40aよりも鋸刃20の回転軸側(図示上方)に開口し、側面40bよりも本体10側(図示右側)に開口した断面L字形の形状をしている。
【0043】
ソーカバー30は、特に図9に示されるように、本体10側に位置する本体側カバー部31、反本体側面を有する反本体側カバー部32、本体側カバー部31に取付けられるロックレバー33とを有する構成をしている。
【0044】
本体側カバー部31は、ベース40上面と当接可能な下端を有する2つの取付部31aを有しており、取付部31a内部にベース40のボス部40dを収納可能であると共に、ボス部40dに設けられた長穴40eを貫通するネジ40fが螺合可能な第1ネジ穴31b、第2ネジ穴31cを夫々の取付部31aに設けた構成をしている。第1ネジ穴31b、第2ネジ穴31cは図13に示すように、その軸方向が傾斜した関係となっており、第2ネジ穴31cは揺動軸50の軸方向に対して直交した方向に延び、第1ネジ穴31bは揺動軸50の軸方向に対して所定の角度傾斜して延びている。
【0045】
図1〜図8、図12に示すソーカバー30とベース40の関係は、ネジ40fが第1ネジ穴31bに螺合して本体側カバー31がベース40に固定されており、図13に示す関係は、ネジ40fが第2ネジ穴31cに螺合して本体側カバー31がベース40に固定されている。
【0046】
本体側カバー部31の取付部31aは図7に示すように電動切断機の切断方向(図1の左から右の方向)に離間して配置されており、その間には、取付部31aの下端と略平行な下端を有する下端部31dが設けられ、下端部31dは図5及び図6に示すようにその下端がベース40の上面に当接されている。
【0047】
このように、取付部31a及び下端部31dがベース40の上面に当接することによって、図1に示すようにベース40の底面40aに対して本体側カバー31が傾斜して設けられていることに起因して本体側カバー31をより傾斜させようと働く荷重に耐えられるようにしている。
【0048】
本体側カバー31の切断方向前方側端部(図1の右側)には、揺動軸50を回転可能に支持する支持部31eが設けられ、支持部31e内と前述したアーム14の揺動軸取付部14aとで区画される空間には揺動軸50と揺動軸50外周に設けられた本発明の付勢手段であるコイルスプリング51が挿入され、アーム14は揺動軸50を支点として揺動可能となっている。すなわち、アーム14を介して本体10が揺動軸50を支点としてソーカバー30及びベース40に対して揺動可能となっている。なお、揺動軸50の先端とアーム14の揺動軸取付部14aには、図示しないねじ部が形成されており、例えばねじ部間に接着剤を塗布して揺動軸取付部14aに対して揺動軸50が回転しないような工夫がされている。
【0049】
コイルスプリング51の一端は本体側カバー部31の一部に当接し、他端はアーム14の一部に当接し、コイルスプリング51によって揺動軸50を支点としてアーム14の切断方向後方側端部(図1の左側)がベース40から離れるように、すなわち本体10がベース40から離間する方向に揺動するよう付勢されている。
【0050】
本体側カバー部31の壁部31fは、揺動軸50の軸方向に対して略直交するよう延びた形状をしており、その壁部31fの略中央部には揺動軸50を支点とした略円弧形状をした円弧状穴31gが設けられている。
【0051】
この円弧状穴31gには、図5及び図6に示すようにスピンドル12が貫通して配置され、揺動軸50を支点として本体10が揺動した際にスピンドル12が円弧状穴31g内壁に接触することがないよう形成されている。なお、円弧状穴31gは、切断作業時に発生しソーカバー30内に流入した粉塵などが円弧状穴31gを介して外部に飛散しないよう、スピンドル12が接触しない必要最低限程度の空間に形成されている。
【0052】
本体側カバー部31の壁部31fには、本体10側に突出するロックレバー取付部31h、回動規制部31iが設けられている。ロックレバー取付部31hには、ロックレバー33がロックレバー取付部31h上で回動可能なよう取付けられる。なお、ロックレバー取付部31hの突出方向及びロックレバー33の回動軸は、揺動軸50の軸方向と略平行な関係となっている。
【0053】
ロックレバー33は、壁部31fとロックレバー33との間にコイルスプリング33cを介在させた状態でねじ33dによってソーカバー30に取付けられる。
【0054】
ロックレバー33は、一端に係合部33a、他端に操作部33bを有した略L字形をした形状をしており、コイルスプリング33cによって図3に示すように操作部33bが壁部31fに設けられた回動規制部31iに当接するよう付勢されている。
【0055】
このロックレバー33の係合部33aとアーム14に設けられたフック14gは、付勢手段であるコイルスプリング51の付勢力により本体10及びベース40が最も離間する方向に揺動した状態で係合するものであり、係合時にはソーカバー30及びベース40に対して本体10が近接する方向に揺動することを規制するよう働く。図3に示すように係合部33aとフック14gとが係合した揺動規制状態から、ロックレバー33の操作部33bを、コイルスプリング33cの付勢力に抗してベース40側に回動させ、係合部33aとフック14gとの係合を解除することにより、揺動規制状態を解除することができ、これによって本体10をベース40に近接する方向に揺動させることができる。
【0056】
本発明の付勢手段であるコイルスプリング51は、上述したように本体10をベース40から離間する方向に揺動するよう付勢しているものであるが、この付勢力は、ベース40の底面40aを床面等に載置した状態で本体10が重力によって下方に揺動してしまうことがないよう設計されており、本体10に下方へ揺動させるよう押付力が加わっていない状態では、コイルスプリング51の付勢力によって本体10が上方(本体10がベース40から離間する方向)に位置し、その結果、ロックレバー33の係合部33aとアーム14のフック14gとが係合する。
【0057】
本体10がコイルスプリング51の付勢力によって上方に揺動した際には、回動規制部31iに当接した状態にあるロックレバー33の係合部33aにフック14gが当接し、互いの当接面が傾斜した形状になっていることから、フック14gがコイルスプリング31gの付勢力に抗する方向にロックレバー33を若干回動させ、その後に係合部33aとフック14gとが係合する。
【0058】
また、本体側カバー部31には、略半円形状をした排出部31jが設けられ、この排出部31jは後述する反本体側カバー部32の排出部32fと共に排出口34を形成し、この排出口34は切断作業時に発生しソーカバー30内に流出した切粉をソーカバー30外部に排出し易いよう、ソーカバー30の内壁に沿って形成され、鋸刃20外周の一部の個所から接線方向に延びた形状をしている。この排出口34には集じん機に接続されたホースや集じんバッグの一端が接続可能となっている。
【0059】
更に、本体側カバー部31には、レール31k、下方突当部31l、上方突起部31mが設けられている。レール31kは揺動軸50の軸方向に略直交する一対の壁面を有し、揺動軸50を支点とした略円弧形状に形成されている。レール31kの揺動軸50の軸方向に直交する方向の厚さ寸法は、全域に渡って略同一に形成されており、上述したアーム14の摺動部15に設けられたメタル15a、15bがレール31kを挟むように配置され、本体10の揺動時にメタル15a、15bがレール31k上を摺動する。
【0060】
このように本体10の揺動時に、レール31k上をアーム14の摺動部15が摺動するよう構成したことにより、本体10はソーカバー30に対して揺動軸50とレール31kとの2点で連結されることとなり、ソーカバー30に対する本体10の位置を揺動軸50とレール31k及び摺動部15とで支持し、ソーカバー30に対する本体10の位置を安定させることができる。この結果、鋸刃20の側面とベース40側面40bとの平行度を保つことができるよう構成されている。例えば、揺動軸50付近のみで本体10をソーカバー50に連結した構成とした場合には、アーム14が変形する、揺動軸50とアーム14との間にガタがあるなどして上記平行度が狂ってしまう恐れがあり、変形等が起こらないようアーム14を高強度な部品により形成すると製品全体の重量が増してしまうと共に高コストとなってしまうものであるが、上記したようにレール31k及びレール31k上を摺動可能な摺動部15を設けた構成とすることにより、重量を増すことなく、かつ安価に、鋸刃20の側面とベース40側面40bとの平行度を保つことができる構成を提供することができる。
【0061】
レール31kの下方、即ちベース40側の位置には、鋸刃20から離間する方向に突出すると共に本体10側に突出した下方突出部31lが形成されている。この突出部31lには、摺動部15のボルト15cの下端が当接可能となっており、ボルト15cの下端が突出部31lに当接することによって、本体10がベース40に近接する方向に揺動する範囲を規制している。このボルト15cは摺動部15に螺合されており、摺動部15に対するボルト15cの突出量、即ちアーム14に対するボルト15cの突出量を調整可能となっているが、この突出量を調整することによって、本体10の下方への揺動規制範囲を調整し、ベース40底面40aからの鋸刃20の突出量、即ち切込み量が調整可能となっている。
【0062】
レール31kの上方、即ちベース40から離間した位置には、レール31kより外方に突出した上方突起部31mが設けられおり、この上方突起部31mに図1及び図2に示すように摺動部15上方が当接するよう構成されている。上方突起部31に摺動部15が当接することで、摺動部15即ち本体10がコイルスプリング51の付勢力によって上方に揺動する範囲が規制されており、この上方突起部31mが本発明の揺動規制手段を構成している。更に、揺動規制手段によって、本体10の上方への揺動が規制された際に、鋸刃20がベース40の底面40aから突出しないと共に、鋸刃20がソーカバー30内壁に接触しない、かつ円弧状穴31g内壁にスピンドル12が接触しないよう構成されている。
【0063】
このように、本体10を上方へ揺動するよう付勢する付勢手段を設けると共に、ソーカバー30内壁に鋸刃20が接触しないように本体10の上方への揺動を規制する揺動規制手段を設けた構成とすることにより、切断開始前に、ベース40の底面40aを被切断材に当接させ電動切断機本体を安定させた状態にした後に、本体10をベース40に対して揺動させ切断作業を行うことを可能とし、作業性の向上を図ることができるようにしている。すなわち、本体10が常にベースと離間する方向に揺動するよう付勢されているため、ベース40の底面40aを被切断材上で摺動させながら切断する際に本体10に加える押し付け力が不安定となったとしても付勢手段の付勢力により安定してベース40の底面40aを被切断材上に当接させた状態を維持することができる。また、本体10及びベース40が最も離間する方向に揺動した状態で鋸刃20がベース40の底面40aから突出しないようにしていることにより、ベース40の底面40aを被切断材に当接させ、その後本体10を押し付けて切断を行う作業の際に、ベース40の底面40aを被切断材に当接させたとしても、付勢手段の付勢力に打ち勝つだけの押付力が働かなければ底面40aから鋸刃20が突出しないため不意に切断が行われてしまうことを抑制することができると共に、作業終了時に電動機の停止作業を行わずとも本体10に加えていた押付力を解除することにより、すぐさま作業を終了することができ、作業性を向上させることができるようにしている。更に、揺動規制手段を設けた構成とすると共に、ロックレバー33とフック14gとが係合することにより本体10がベース40に近接する方向に揺動することを規制し、規制状態でロックレバー33を回動操作することにより規制状態を解除することができるようにすることにより、作業開始前に、本体10がベース40に近接するように揺動する方向の押付力を不意に本体10に加えてしまったとしても被切断材などに傷を付けてしまうことを防止することができるようにしている。
【0064】
なお、本実施形態では、ロックレバー33をソーカバー30に設け、フック14gを本体10のアーム14に設けた構成としたが、ソーカバー30にフック、本体10にロックレバーを設けた構成としてもよいものである。
【0065】
図9に示すように、反本体側カバー部32が複数のねじ32h(本実施形態では3個)によって本体側カバー部31に取付けられる。
【0066】
反本体側カバー部32の本発明の本体反対側面には、本発明の支持部を構成する突起32a〜32eが反本体側カバー部32と一体に形成されている。
【0067】
突起32a〜32cは、鋸刃20の回転方向を表す形状をしており、突起32dは製品の形名や名称などを表す台座を構成するよう形成されている。突起32eは、上述した本体側カバー部31の排出部31jと共に排出口34を形成する略半円形状をした排出部32f上に形成されている。
【0068】
突起32a〜32eは、同一の平面を有する形状をしており、その平面は揺動軸50に略直交する面となっている。
【0069】
また、反本体側カバー部32には揺動軸50を支点とした略円弧形状をした長穴32gが形成され、長穴32gは、本体10が揺動した際にも鋸刃20の固定部材である第3ワッシャ23に接触することがないよう構成されている。長穴32gが形成されていることにより、第3ワッシャ23を露出するようにしているため、反本体側カバー部32を本体側カバー部31に取付けた状態で鋸刃20の交換作業を可能としている。なお、第3ワッシャ23を露出可能とする長穴32gの形状を、第3ワッシャと23と接触することがないような必要最低限程度の形状とすることによって、切断作業時に発生しソーカバー30内に流出した切粉が長穴32gから外部に排出されることを抑制するようにしている。
【0070】
突起32a〜32cは、長穴32gから見てソーカバー30の切断方向後方側(図1の左側)に配置され、突起32dは、長穴32gから見てソーカバー30の中央上方から切断方向前方側(図1の右側)にかけて配置されており、少なくとも突起32aと突起32dの一部とは切断方向に沿って鋸刃20の回転軸を挟むように配置されている。
【0071】
図1〜図8、図12に示すソーカバー30とベース40の関係は、上述したように、ネジ40fが第1ネジ穴31bに螺合して本体側カバー31がベース40に固定されている状態であるが、この状態にあっては、突起32a〜突起32eの反鋸刃20側の面よりも、他の構成部品が反鋸刃20側に突出しないよう構成されている。
【0072】
次に、上記構成をした電動切断機の切断作業の一例について説明する。
従来の図18を用いて説明したような床板材の壁際切断作業(一般的にいう際切り作業)を行う際には、まず、図1〜図4に示すように本体10が最も上方に揺動しロックレバー33とフック14gとが係合した状態にある電動切断機を、ベース40の底面40aを床板材64上に載置させ、ベース40の側面40bを巾木67に当接させる。
【0073】
その後、本体10の図示しない起動スイッチを操作し電動機を駆動させた後に、ロックレバー33の操作部33bを操作して、ロックレバー33の係合部33aとアーム14のフック14gとの係合を解除させ、本体10の把持部11を把持しながら本体10にベース40に近接する方向に揺動するよう押付力を加える。
【0074】
この結果、図5に示すように、床板材64に巾木67に沿った切断を行うことができ、この状態のままで、床板材64上でベース40を摺動させることで、広範囲に渡って床板材64の際切り切断作業を行うことができる。
【0075】
上述したように、図1〜図4に示す状態においては、鋸刃20がベース40の底面40aから突出しないよう構成されているため、切断作業開始前に床板材64上に電動切断機を載置する際に、安定した状態で載置することができると共に、床板材64に傷を付けることがない。このため、電動機を起動させた状態で床板材64上に電動切断機を載置することも可能である。
【0076】
また、作業終了時には、本体10に加えていた押付力を解除することにより、コイルスプリング51の付勢力によって本体10が上方に揺動し、鋸刃20がベース40の底面40aから突出しないよう退避するため、すぐさま切断作業を終了することができ、その後起動スイッチを操作し、電動機を停止させる。
【0077】
なお、上述したように、ベース40をソーカバー30に固定するねじ40fがベース40の長穴40eを介して取付けられているため、鋸刃20の側面とベース40の側面40bとが平行となるように、ベース40に対するソーカバー30の取付位置を調整することができるようになっていると共に、鋸刃20がベース40の底面40aを含む仮想面と側面40bを含む仮想面との交点部付近から突出するよう調整することができるようになっており、上記した際切り作業を精度良く行うことができる。
【0078】
また、鋸刃20の固定部材を構成する第2ワッシャ22の位置を調整することによっても、鋸刃20のベース40の底面40aからの突出位置を調整することができ、作業状況に応じた切断位置の調整を容易に行うことができる。
【0079】
次に、図19を用いて説明したような巾木67に対して床板材64と平行な切断を行う場合について説明する。
まず、図1〜図4に示すように本体10が最も上方に揺動しロックレバー33とフック14gとが係合した状態にある電動切断機を、本発明の支持部を構成するソーカバー30の突起32a〜32eを床板材64上に載置させ、ベース40の底面40aの一部を巾木67に当接させる。
【0080】
その後、本体10の図示しない起動スイッチを操作し電動機を駆動させた後に、ロックレバー33の操作部33bを操作して、ロックレバー33の係合部33aとアーム14のフック14gとの係合を解除させ、本体10の把持部11を把持しながら本体10にベース40に近接する方向に揺動するよう押付力を加える。
【0081】
この結果、図6に示すように、巾木67に床板材64に沿った切断を行うことができ、この状態のままで、床板材64上でソーカバー30の支持部を摺動させることで、広範囲に渡って巾木67に対して床板材64と平行な切断を行う作業を行うことができる。
【0082】
ソーカバー30の支持部が床板材64と平行な面を有するため、床板材64上に電動切断機を安定させた状態で載置させることができ、容易にかつ精度の良い切断作業を行うできるものである。
【0083】
また、上述したように、ソーカバー30が揺動軸50を支持し、ソーカバー30がベース40に対して揺動方向に移動しない構成であるため、本体10を揺動させ切断を行う際に、ソーカバー30が移動しない構成であるため、本体10の揺動時においても床板材64上に電動切断機を安定して載置させた状態を維持することができ、精度の良い切断作業を行うことができるものである。
【0084】
また、上述したように、支持部をソーカバー30と一体に設けた構成としたことにより、部品点数の増加及び組立性の悪化を招くことなく、電動切断機を安価に提供することができるようになる。また、部品点数の増加を招くことがないため、寸法誤差が増えることによる精度の低下などを抑制することができる。
【0085】
また、支持部をソーカバー30に設けた複数の突起32a〜32eから構成したことにより、突起32a〜32cによって鋸刃20の回転方向を表すなど、他の機能と兼用させることができる。更に、ソーカバー30に、集塵機に接続されたホースを接続可能とした断面略円形の排出口34を設けた構成とした場合には、ソーカバー30の反鋸刃20側の面全体を排出口34よりも突出させた構成とした場合に比べ、ソーカバー30ひいては製品全体の大型化を抑制することができ、更にソーカバー30内部の面積が大きくなることによる、集塵率の低下等を抑制することができる。
【0086】
また、ソーカバー30の支持部を、切断方向に沿って鋸刃20の回転軸を挟むように配置したことにより、支持部を床板材64上で摺動させながら切断作業を行う際に、安定した状態を保つことができ、精度の良い切断作業を行うことができる。
【0087】
また、上述した鋸刃20の固定部材を構成する第2ワッシャ22の位置を調整することによって、ソーカバー30の支持部と鋸刃20との距離を調整することができ、床板材64からの巾木67の切断位置Hの調整を容易に行うことができる。
【0088】
なお、図12に示すように、上記した鋸刃20の固定部材を第1ワッシャ21と第3ワッシャ23のみで構成し、第1ワッシャ21と第3ワッシャ23によって鋸刃20を挟持固定する構成とすると共に、スピンドル12と第1ワッシャ21との間にスリーブ24等の介在部品を配置する構成としても、床板材64からの巾木67の切断位置Hの調整を行うことができるものである。
【0089】
図13に示す状態は、ねじ40fをねじ穴31cに螺合させることにより、ソーカバー30とベース40とを固定した状態であるが、この状態においては、ベース40の底面40aに対して鋸刃20が直角に突出することとなり、ベース40を被切断材上に載置した際に被切断材上面に対して直角な切断を行うことができる。
【0090】
次に、本発明電動切断機の他の実施形態を図14を用いて説明する。
本実施形態は、上記実施形態のソーカバー30の支持部の代わりに、ベース40の側面40bの突出長さを長くしたものであり、このような構成とすることにより、上記実施形態と同様に際切り切断作業を行うことができると共に、図に示すように、側面40bを床板材64に載置させることによって、巾木67に対して床板材64上と平行な切断を行うことができ、しかも、ねじ40fによるベース40とソーカバー30との固定位置を調整することによって、床板材64からの巾木67の切断位置Hの調整を行うことができるものである。
【0091】
次に、本発明電動切断機の他の実施形態を図15を用いて説明する。
本実施形態は、上記実施形態のソーカバー30の支持部の代わりに、ベース40が第1ネジ穴31bを介してねじ40fによって固定されている状態において、ベース40の底面40aと鋸刃20側面との角度と同角度傾斜し、ベース40の側面40bよりも突出長さの長い側面41aを有するガイド41をベース40に固定可能にした構成である。
【0092】
ガイド41は、固定ボルト42によってベース40上面に固定され、ベース40上面に摺動可能で任意の位置で固定可能となっている。
【0093】
このような構成とすることにより、上記実施形態と同様に際切り切断作業を行うことができると共に、図に示すように、ガイド41の側面41aを床板材64に載置させることによって、巾木67に対して床板材64上と平行な切断を行うことができ、しかも、ガイド41のベース40への固定位置を調整することによって、床板材64からの巾木67の切断位置Hの調整を行うことができるものである。
【0094】
上記したように本発明によれば、既存の電動グラインダに、アーム14、ベース40及びソーカバー30を取付けることにより、際切り切断作業及び被切断材に対して床面と平行な切断作業を精度良く行う電動切断機を安価に提供することができるものである。
【0095】
なお、本発明は上記した実施形態の構成に限られるものではなく、同様の作用効果を奏し得る範囲内において、種々の変更が可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明電動切断機の一実施形態を示す正面右側斜視図。
【図2】図1に示す電動切断機の正面左側斜視図。
【図3】図1に示す電動切断機の一部断面背面左側斜視図。
【図4】図1に示す電動切断機の平面図。
【図5】図1に示す電動切断機の一動作状態を示す要部断面右側面図。
【図6】図1に示す電動切断機の他の動作状態を示す要部断面右側面図。
【図7】本発明電動切断機を構成するソーカバー及びベースの一実施形態を示す背面左側斜視図。
【図8】図7に示すソーカバー及びベースの背面右側斜視図。
【図9】図7に示すソーカバー及びベースの展開図。
【図10】本発明電動切断機を構成する本体の一実施形態を示す正面右側斜視図。
【図11】本発明電動切断機の本体を構成する電動グラインダの一実施形態を示す正面右側斜視図。
【図12】図1に示す電動切断機の他の動作状態を示す要部断面右側面図。
【図13】図1に示す電動切断機の他の動作状態を示す要部断面右側面図。
【図14】本発明電動切断機の他の実施形態を示す要部断面右側面図。
【図15】本発明電動切断機の他の実施形態を示す要部断面右側面図。
【図16】従来の丸鋸の一例を示す正面側斜視図。
【図17】従来の丸鋸の一例による一動作状態を示す側面断面図。
【図18】従来の丸鋸の他の例による一動作状態を示す側面断面図。
【図19】一切断作業を説明する断面図。
【符号の説明】
【0097】
10は本体、11は把持部、12はスピンドル、12aは二面幅部、12bは雄ねじ部、13はギヤハウジング、13aはネジ、13bは回転支持部、14はアーム、14aは揺動軸取付部、14bはスピンドル支持部、14cはフランジ部、14dはネジ貫通穴部、14eは第1アーム部、14fは第2アーム部、14gはフック、15は摺動部、15a、15bはメタル、15cはボルト、20は鋸刃、21は第1ワッシャ、22は第2ワッシャ、23は第3ワッシャ、24はスリーブ、30はソーカバー、31は本体側カバー部、32は反本体側カバー部、33はロックレバー、34は排出口、40はベース、41はガイド、42は固定ボルト、50は揺動軸、51はコイルスプリングである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機、該電動機を内蔵する把持部、前記電動機により回転駆動されるスピンドルを有する電動グラインダと、前記スピンドルに取付けられる刃物と、前記電動グラインダに着脱可能なアームと、該アームを揺動軸を支点として揺動可能に支持し、前記刃物の少なくとも一部を覆う形状をしたソーカバーと、該ソーカバーに連結され、被切断材上を摺動可能な底面、該底面に直交する側面を有するベースとを有し、前記電動グラインダを前記揺動軸を支点として揺動させた際に、前記ベースの底面を含む仮想面と側面を含む仮想面の交差部付近から前記刃物を突出させることができることを特徴とする電動切断機。
【請求項2】
前記ソーカバーの反本体側面に揺動軸に対して略直交する面を有する支持部を設けると共に、他の構成部位を前記支持部の前記面より前記本体側に配置したことを特徴とする請求項1記載の電動切断機。
【請求項3】
前記スピンドル上での前記刃物の取付け位置を調整可能としたことを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の電動切断機。
【請求項4】
前記支持部は、前記ソーカバーと一体に設けられていることを特徴とする請求項2あるいは請求項3記載の電動切断機。
【請求項5】
前記支持部は、前記ソーカバーに設けられた複数の突起から構成されることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項記載の電動切断機。
【請求項6】
前記刃物は、前記ベースの底面から突出しない位置に退避可能であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の電動切断機。
【請求項7】
前記スピンドルと一体回転可能に設けられ、前記刃物に対して前記電動機側に位置する第1ワッシャと、該第1ワッシャの外周上に形成された雄ねじ部と螺合可能な雌ねじ部を有する第2ワッシャと、前記スピンドル外周上に形成された雄ねじ部と螺合可能な雌ねじ部を有し、前記刃物に対して反電動機側に位置する第3ワッシャとを設けた構成とし、前記第2ワッシャと前記第3ワッシャとで前記スピンドル上に前記刃物を挟持固定するようにしたことを特徴とする請求項3記載の電動切断機。
【請求項8】
前記揺動軸を支点として前記電動グラインダ及び前記ベースが離間する方向に揺動するよう付勢する付勢手段を設けると共に、前記電動グラインダ及び前記ベースが最も離間する方向に揺動した状態で前記ソーカバー内壁に前記刃物が接触しないように揺動を規制する揺動規制手段を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の電動切断機。
【請求項9】
前記揺動規制手段は、前記ソーカバーあるいは前記アームに回動可能に設けられたロックレバーと、前記アームあるいは前記ソーカバーに設けられ前記ロックレバーと係合可能なフックを有し、前記ロックレバーと前記フックとが係合することにより前記電動グラインダが前記ベースに近接する方向に揺動することを規制し、該規制状態で前記ロックレバーを回動操作することにより該規制状態を解除することができることを特徴とする請求項8記載の電動切断機。
【請求項10】
前記ソーカバーに、前記揺動軸に直交して延びる壁面を有し、前記揺動軸を支点とした略円弧形状をしたレールを設けると共に、前記アームに前記レールの前記壁面を摺動可能な摺動部を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項記載の電動切断機。
【請求項11】
前記ベース底面に直交する方向に前記刃物が突出可能となるよう前記ベースを前記ソーカバーに取付可能としたことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項記載の電動切断機。
【請求項12】
前記ベースに前記刃物と平行に延びる側面を有するガイドを着脱可能に設けたことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項記載の電動切断機。
【請求項13】
電動機、該電動機を内蔵する把持部、前記電動機により回転駆動されるスピンドルを有する電動グラインダに着脱可能なアームと、該アームを揺動軸を支点として揺動可能に支持し、前記スピンドルに取付けられる刃物の少なくとも一部を覆う形状をしたソーカバーと、該ソーカバーに連結され、被切断材上を摺動可能な底面、該底面に直交する側面を有するベースとを有し、前記アームを前記揺動軸を支点として揺動させた際に、前記ベースの底面を含む仮想面と側面を含む仮想面の交差部付近から前記刃物を突出させることができることを特徴とするソーカバー及びベース組。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−335034(P2006−335034A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−165565(P2005−165565)
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【出願人】(594069742)株式会社斎藤商会 (9)
【出願人】(593087411)株式会社ナカヤ (10)