説明

電動工具

【課題】 改良された使い勝手を提供する少なくとも1つのスイッチングエレメントを有する改良された電動工具を提供する。
【解決手段】 本発明は、工具を駆動するためのモーター(36)と、信号回路(42、44、46、48)に置かれていて少なくとも1つの出力スイッチエレメントを用いて負荷回路(40)に連結されている少なくとも1つのスイッチエレメント(20、22、24、26)を含む電動工具に関する。スイッチエレメント(20−26)は、弾性接触表面を用いて作動されることが可能であり、これは電動工具のハウジング内に一体化され、及び2つ又はそれより多いスイッチエレメントが電動工具(36)のモーターを制御するために選択的に使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動工具を駆動するためのモーターと少なくとも1つのスイッチングエレメントを有する電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
電動工具は、もし追加の制御機能を行うために必要な場合、モーターをスイッチオン及びオフするための種々のスイッチを必要とする。通常、この目的のため、各操作電圧のための寸法にされ及びかなり高い負荷電流10アンペア以上まで又はこれを越える範囲でスイッチすることができる、十分な負荷容量を提供するスイッチを使用する。スイッチは、長いサービス期間及び多くのスイッチング操作が行われる専門家の使用においても、十分堅固でそれらが故障しないことを十分に保証されなければならないことが理解される。
【0003】
一般に、それゆえ単一のオン/オフスイッチのみ、又は少なくとも2つのオン/オフスイッチがモーターの作動を制御するのに使用される。いわゆる「両手用の」アングルサンダーとして構成される強力なアングルサンダーに関して、例えば、押ボタンを介して作動され得るオン/オフスイッチを備えたハンドルとして、ハウジングの後方端部を構成する。操作時において、アングルサンダーは、一方の手がハウジングの側に設けられた握りをグリップし、他方の手が後方ハンドルをグリップすることにより保持され、その間同時にハンドル押ボタンを作動させている。後方ハンドルが開放されるとき、モーターへの出力供給は中断され、もし望まれるなら、アングルサンダーのブレーキが開始される。
【0004】
構造の使い勝手を改良する観点で、原則として電動工具のいずれの位置においてもスイッチを提供する可能性を有し、もし可能なら、このようなスイッチが省力方式で非常に容易に作動されるのを可能にするのが望ましい。しかしながら、このような柔軟性は、スイッチが十分な寸法にされ、スイッチがかなりの外形寸法を有し、特定の点でのみハウジング内に一体化され得るという要求のため、従来の電動工具には存在しない。加えて、多くの安全ルールがこの点に関して尊守されなければならず、モーターハウジングを通って供給ラインを幹線スイッチにガイドすることは、例えばもしある特定の保護手段が認められる場合にのみ可能であり、これはこのような配置のコストをかなり増大させ、又はその実現を不可能にさえする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、改良された使い勝手を提供する少なくとも1つのスイッチングエレメントを有する改良された電動工具を提供することである。同時に、スイッチングエレメントの作動を可能な限り単純にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決手段を例示すれば、特許請求の範囲に記載のとおりである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
この目的は、本発明の第1の態様によれば、工具を駆動するためのモーターと、少なくとも1つのスイッチングエレメントを有し、これは少なくとも1つの出力スイッチングエレメントを介して信号回路に接続されているとともに負荷回路に連結されていて、スイッチングエレメントがハウジングに包含された弾性接触領域を介して作動され得るように配置がなされている電動工具により達成される。
【0008】
単に信号回路に接続されるスイッチングエレメントを有することにより、本発明は、スイッチングエレメントの寸法を信号機能のためのみにする可能性を提供する。これは、スイッチングエレメントの外形寸法がかなり減少されることにつながる。結果として、スイッチングエレメントは、電動工具のハウジングに一体化された弾性接触領域を介して作動され得る。
【0009】
本発明はこれにより、明確に改良された使い勝手を達成する。これは、電動工具の減少された外形寸法及び多くの地点での容易な作動ゆえに、スイッチングエレメントがとくに望ましい位置に位置付けられることが可能であり、弾性接触領域を介して容易に作動されることが可能だからである。スイッチングエレメントが信号回路のみに接続され、更に出力回路からガルバニ的に分離されて良いことから、もし望まれるなら、電気衝撃要因からの保護を保証する目的で要求され得るいずれの保護手段もかなり単純化される。
【0010】
本発明の代替的な態様によれば、この目的は、工具を駆動するためのモーターと少なくとも2つのスイッチングエレメントを有し、各々が少なくとも1つの出力スイッチングエレメントを介して信号回路において接続されているとともに負荷回路に連結されていて、これを通ってモーターが制御され得る電動工具により達成される。
【0011】
これは同様に電動工具のかなり改良された使い勝手を保証する。更に、このようにして例えばよりスリムな構造を達成できる。
【0012】
これはなぜなら、このようにして複数のスイッチングエレメントを一体化することが可能であり、これらは、電動工具のハウジング、例えばハンドルの異なる地点で、信号回路のみに接続されるからである。スイッチングエレメントが信号回路のみで操作され、こうして単に信号機能を行うことから、その結果として減少された寸法は、ハウジング又は例えばハンドルにおけるそれらの一体化について明確に改良された柔軟性を提供する。スイッチングエレメントが、信号機能のみを行い、それゆえ幹線電圧には接続されないことから、スイッチングエレメントは、もしガルバニ的に回路から分離される方式で要求されるなら、低電圧でも作動され得る。先に述べられたように、これは電気衝撃要因から必要な保護を提供するための保護手段を明確に単純化する。
【0013】
有利には、少なくとも1つの出力スイッチングエレメントを介して信号回路に接続されるとともに負荷回路に連結される複数のスイッチングエレメントを、電動工具のハウジングの弾性接触領域を介して作動させる可能性もある。
【0014】
先に述べられたように、出力スイッチングエレメントが、信号回路又は複数の信号回路から負荷回路のガルバニ分離を保証するとき、追加的な利点が達成される。
【0015】
出力スイッチングエレメントは、例えばリレー又は出力半導体の形をとってもよい。低摩滅スイッチングと、同時に出力回路及び信号回路の間のガルバニ分離を保証する目的で、出力半導体装置を備えた光カプラのような構成がとくに有利である。
【0016】
好ましく用いられるスイッチングエレメントは、可能な限り小さい外形寸法を有し、有利には、マイクロスイッチとして構成される。マイクロスイッチの用語は、この文脈において異なるスイッチング状態の間の接点ギャップが≦3mmのスイッチングエレメントを意味する。
【0017】
小さい外形寸法の結果として、このようなマイクロギャップ構造は、工具のとくに使い勝手の良い取り扱いを保証する点で、複数のスイッチングエレメントが電動工具の異なる地点に位置付けられることを可能にする。このようにして、例えば、電動工具のハンドル領域の異なる地点に、2、3又はそれより多いスイッチングエレメントを備えることが可能であり、これらのスイッチングエレメントは、好ましくは電動工具がグリップされているときに弾性接触領域を介して外側から作動され得る。
【0018】
本発明の有利な更なる改良によれば、多少のスイッチングエレメントが例えば押ボタンとして構成されて良い。
【0019】
この構成の助けにより、永続的に作動される間ハンドルが十分にグリップされてハンドルが開放されたときにすぐに出力供給を中断し、もし必要ならブレーキ操作を開始することを要求する電動工具を実施することが可能である。このような構成は、手持ちディスクソー等のような比較的高いリスク可能性を有する電動工具にとってとくに有利である。更に、複数のスイッチングエレメントが設けられて良く、これを通して、スイッチングエレメントの少なくとも1つが閉じられたときにモーターがスイッチオンされ得る。
【0020】
これは、スイッチングエレメントを電動工具の異なる地点に配置する可能性を提供し、これは、もしそれらの少なくとも1つが作動された場合に、モーターがスイッチオンされることを可能にする。
【0021】
本発明の代替的な態様によれば、複数のスイッチングエレメントが、回路に連結されることが可能であり、これを通って、少なくとも2つのスイッチングエレメントが閉じられるときに、モーターがスイッチオンされ得る。
【0022】
これは、操作安全性を改善する。なぜなら、異なるスイッチングエレメントの作動を可能にする規定の地点でモーター又はハウジングがグリップされたときにのみ、モーターがスイッチオンされ得ることが保証されるからである。更に、電動工具が異なる地点において両手でグリップされるときにのみ、電動工具のスイッチオンが可能であることが提供され得る。
【0023】
本発明のもう一つの態様によれば、電動工具が、少なくとも1つの作動部材又は取り付け部品を含み、これがステータス又は位置チェックのためのスイッチングエレメントに関連付けられている。
【0024】
これは、作動部材又は取り付け部品のチェックのための大きな可能性を開く。例えば、作動エレメント、例えばクランピングレバーが予め規定された位置を占めるときにのみ、モーターのスイッチオンが可能となることが保証され得る。更に、所与の取り付けが電動工具の予め規定された設置位置を占めるときにのみ、モーターの開始が可能となることが保証され得る。
【0025】
本発明の更なる態様によれば、電動工具が、例えばアングルサンダー又は手持ちディスクソーとして構成されていて、取り付け部品が保護カバーとして構成されて良く、保護カバーの正確な載置の後にのみ、スイッチングエレメントがモーターの作動を可能にするようにしても良い。
【0026】
更に、この場合、例えばアングルサンダーのための交換可能な保護カバーに関しては、対応するアングルサンダーに設けられた特定の保護カバーが載置されたときにのみ、モーターの開始が可能になることが保証される。
【0027】
本発明の更なる態様によれば、取り付け部材が、スイッチングエレメントがハンドルを介して作動される場合にのみモーターの作動を可能にする関連スイッチングエレメントを備えたハンドルとして構成される。
【0028】
これは、操作安全性が、とくに両手用のアングルサンダーについて、改善されることを可能にする。
【0029】
本発明の更なる態様によれば、電動工具が、工具をクランプするためのクランピングレバーを含み、このレバーがクランピング位置と開放位置の間で移動されることが可能であり、更にクランピングレバーのクランピング位置をチェックするための関連スイッチングエレメントが設けられる。
【0030】
この態様は、工具をクランプするためのクランピングレバーを備えた、工具が含まれないアングルサンダーにとってとくに有利である。この場合、クランピングレバーがそのクランピング位置にあり、それで工具が安全にクランプされるときにのみ、アングルサンダーが操作状態にされ得ることを保証することが単純な手段で可能である。
【0031】
本発明の更なる態様によれば、電動工具のハウジングに保持されたモールドボディが設けられ、そこにスイッチングエレメントのための少なくとも1つのサポートが設けられる。このボディは、例えば、三次元モールドプラスチックエレメントからなっても良い。
【0032】
これは、とくに複数のスイッチングエレメントが電動工具に一体化されることになる場合に、組み立て体が単純化されることを可能にする。
【0033】
モールドボディは、この目的のため、1つのスイッチングエレメント又は複数のスイッチングエレメントに接続されるように適合された多少の電線に設けられて良い。更に、多少のスイッチングエレメントのための適当な載置サポートがモールドボディに設けられて良い。
【0034】
更に、モールドボディが、ハウジングと協力して、モールドボディに載置された少なくとも1つのスイッチングエレメント又は電線を塵埃、湿度等による汚染からシールドして良い。
【0035】
このようにして、モールドボディは、用いられたスイッチングエレメントを塵埃等からシールドするためにとくに使用され得る。これは、操作安全性を改善するのに寄与する。
【0036】
本発明の好都合な更なる改良によれば、モールドボディが、振動減衰及び/又は音響減衰材料からなっても良い。
【0037】
モールドボディが、更に少なくとも1つの電線を電気的に遮蔽するための手段を備えても良い。
【0038】
スイッチングエレメントと、負荷回路が連結される関連する回路の間の全配線が、モールドボディに受容されて良く、例えば三次元形状回路基板として構成されて良い。遮蔽は、もし必要なら、片側に塗布された全表面の銅の層を通じて達成される。
【0039】
上記された本発明の構成と以下に説明される構成は、示されたそれぞれの組み合わせにおいてだけでなく、他の組み合わせ又は単独で、本発明の範囲を離れることなく、使用され得る。
【0040】
本発明によるスイッチングエレメントは、複数の信号回路に接続され、複数の負荷回路を制御するのに役立ち、携帯電動工具に有利に使用され得る。事実、このような工作機械は据付型の工作機械に関して公知であるが、据付型の機械は、電動工具に適用可能なものとは全く異なるため、本発明はそれらから示唆されない。
【0041】
本発明の更なる構成及び利点は、以下に説明される本発明の好ましい実施例から、図面を参照して明らかとなる。
【実施例】
【0042】
図1は、本発明による電動工具を、片手用のアングルサンダーの形で示し、全体的に参照符号10で示されている。
【0043】
電動工具10は、長く延びたハウジング12を含み、その前方端部に支持された保護カバー27を備えている。クランピングレバー28は、研削砥石の形の工具29をクランプするのに役立つ。
【0044】
全部で3つの弾性接触領域が、ハウジング12に形成されていて、すなわち、その頂上の表面にある延在した卵型の接触領域18、及びハウジング12の左右の側壁に設けられた2つ横方向の小さな接触領域14、16がある。接触領域14、16、18は、シリコンのような容易に変形可能な材料からなり、ハウジング12に一体化されていて、そこで耐塵埃性が保証されている。接触領域の下方に、関連スイッチングエレメント20、22又は24、26が、小さい接触領域14、16の領域に又は長く延びた接触領域18のゾーンに、それぞれ設けられている。
【0045】
ここで、スイッチングエレメント20〜26及び接触領域14〜18の配置は、ハウジングが片手で容易にグリップされることが可能であり、同時に、工具を左又は右の手でグリップするとき、スイッチングエレメント24、26の少なくとも1つが頂上にあるより大きな接触領域18の領域で、及び1つのスイッチングエレメント20又は22が横方向接触領域14又は16の領域で、それぞれ作動され得るようになっている。
【0046】
マイクロスイッチとして構成されたスイッチングエレメントは、以後により詳細に説明されるように、このようにしてスイッチングエレメントのとくに使い勝手の良い構成と容易な省力作動を達成することが可能である。この配置は、もし、右手でグリップされているハウジング10で、大きな接触領域18の領域にあるスイッチングエレメント24、26のうちの1つと左の接触領域16の領域のスイッチングエレメント22が作動されるときにのみ、電動工具10のモーターが作動され得ることを保証するために選択されて良い。同時に、もしスイッチングエレメント24、26と右側の接触領域14の領域のスイッチングエレメント20のうちの1つが右手でグリップされている機械で作動されるなら、モーターの作動が可能にされる。
【0047】
図2において、このような電動工具のブロック線図が全体として参照符号30で示されている。
【0048】
負荷回路40は、モーター36を含み、これは電圧源32から負荷スイッチングエレメント38を介して例えばサイリスタの形で電圧供給される。負荷回路40は、ユニットを開始させるためのオン/オフスイッチ34を追加的に含んでも良い。
【0049】
更に、一連のスイッチングエレメント20、22、24、26が設けられていて、各々が信号回路42、44、46、48を介して共通の評価回路50に連結されている。評価回路50は、制御ライン52を介して出力スイッチングエレメント38を駆動する。評価回路50は、出力スイッチングエレメント38がスイッチングエレメント22〜26の特定のスイッチング条件に応答して駆動されることを可能にする。所望の出力特性に応じて、信号回路42〜48における異なる入力信号の組み合わせに応答して異なる出力信号を得ることができる。
【0050】
例えば、出力スイッチングエレメント38のスイッチオンは、スイッチングエレメント20〜26の少なくとも1つがスイッチオンされるときに達成され得る。同様に、出力スイッチングエレメント38のスイッチオンは、異なるスイッチングエレメント20〜26の少なくとも2つ又は3つがスイッチオンされるときに達成され得る。更に、幾つかのスイッチングエレメントの規定されたスイッチオンシーケンスは、出力スイッチングエレメント38をスイッチオンするために要求されて良い。選択された戦略は、いずれの場合もその特定の電動工具の要求に適合され得る。
【0051】
信号回路42〜48におけるスイッチングエレメント20〜26は、負荷電流のスイッチングを可能にする寸法にされる必要はないが、信号回路42〜48の信号機能を達成するようにのみ意図されるため、スイッチングエレメントは対応して小さくすることができ、マイクロスイッチとして構成されて良い。従って、スイッチングエレメントは≦3mmの接点ギャップで使用されて良い。対照的に、出力スイッチングエレメント38は、負荷回路40への電流をスイッチするのに十分な寸法にされる。
【0052】
高負荷時における多くのスイッチング操作の後でさえも、操作の安全な中断に関して必要な要求が満たされ、かつ、要求される操作が保証されるなら、負荷スイッチングエレメント38はどのタイプでも良いことが理解される。サイリスタ、トランジスタ等のような適当な出力半導体に加えて、リレーが基本的にこの目的のために使用されても良い。
【0053】
加えて、例えばもし負荷スイッチングエレメント38がリレーとして構成されるなら、信号回路42〜48及び負荷回路40の間のガルバニ分離を確実にすることももちろん可能である。とくに、出力スイッチングエレメント38が出力半導体として構成されかつオプトカプラを介して駆動されるとき、低損失及び信頼できる回路がガルバニ分離して得られる。
【0054】
全負荷電流の代わりに信号電圧のみをスイッチする必要があるスイッチングエレメントを使用するとき、それらの明らかにより小さい外形寸法と、もし望まれるなら操作電圧からのガルバニ切断ゆえに、スイッチングエレメントが電動工具10の望まれる地点に配置され得る。また、例えばモーターをスイッチオン及びオフ又は特別な信号を送り又は機能をチェックすることを可能にするために、異なる地点にこのような幾つかのスイッチングエレメントを設けることも可能である。
【0055】
図3は、全部で5つのスイッチングエレメント61、62、63、64、65を備えた回路60を示す。スイッチングエレメント61〜65は、弾性接触領域66、67、68、69、70を介して作動されることが可能であり、信号回路71、72、73、74、75を介して適当な評価回路76に接続されている。出力スイッチングエレメント38は、評価回路76を介して再び駆動される。特定の用途に応じて、複数の出力スイッチングエレメントが設けられて良いことが理解される。加えて、評価回路76のような、スイッチングエレメント61〜65と各接続エレメント間の接続ラインは、柔軟なプリント回路基板として構成されて良い。
【0056】
図4は、全体的に参照符号78で示された三次元形状モールドボディを示す。モールドボディ78は、予め定められた地点において、1つのスイッチングエレメント61、62、63、64、65を各々受容するように意図されたサポート81、82、83、84、85を備えている。加えて、モールドボディ78は、例えばスイッチングエレメント61〜65を共通の接続プラグに接続する一体化された電線を備えても良い。更に、遮蔽86は、モールドボディ78と一体化されて良く、これは例えば片側だけの全表面銅箔として構成されて良い。
【0057】
モールドボディ78は、振動減衰及び/又は音響減衰材料からなっても良く、例えば射出モールドされたプラスチック部品として構成されて良い。電線と、もし必要なら遮蔽が、通常の電気めっき法で塗布された電気印刷導体の形で頂上の表面に設けられて良い。
【0058】
モールドボディは、電動工具のハウジングに同時に適合されて、もしあればそれぞれのスイッチングエレメント及びラインの保護を、塵埃や湿度等による汚染から保証する。
【0059】
図5は、本発明によるスイッチングエレメント88の更なる使用を、電動後部10の前方端部における操作ヘッド87の領域において示す。
【0060】
アングルサンダーの形の電動工具10は、工具の巻き込みなく工具29をクランプするためのクランピングレバー28を含む。クランピングレバー28は、クランピング位置と開放位置の間を移動されることが可能であり、後者が図5に示されている。意図されるのは、操作安全性の理由で、工具はクランピングレバー28が閉じられた状態でのみ開始されるべきであり、そこには、クランピングレバー28が閉じられた位置に移動されるときに閉じられるスイッチングエレメント88が設けられている。信号は、接続ライン89を介して更なる処理のために接続評価回路に供給される。
【0061】
図6は、最後に、参照符号90で全体的に示された本発明による電動工具の更なる態様を示す。
【0062】
示された工具は、いわゆる両手用のアングルサンダーである。これは、ハウジング91と、ハウジングの後端の第1ハンドル93と、操作ヘッド92の領域のハウジング91の左側又はその反対の右側に配置されたバットの形の第2ハンドル94を備えたハウジング91を含む。
【0063】
操作時において、アングルサンダーは、両手で、すなわちその後方ハンドル93で及びそのバット94で、保持される。両方のハンドル93、94は、それぞれ関連接触領域96、97及び98、99を備えていて、これらを通って、ハンドルがグリップされているときに、図示されないマイクロスイッチが作動され得る。ハンドル94の領域のスイッチングエレメントとハンドル93の領域のスイッチングエレメントの少なくとも1つが作動されるときにのみ、モーターの開始が可能である。
【0064】
更に、電動工具90は、ハウジング91に離脱可能に載置された保護カバー95を含む。正しいタイプの保護カバーが正しい位置に載置されたかどうかチェックするため、更なるスイッチングエレメント100が設けられていて、これは、保護カバー95が正確に配置されたとき、閉じられる。アングルサンダーの開始は、正確に載置された保護カバー95のみで可能である。
【0065】
本発明によるスイッチングエレメントは、信号回路に接続されていて、多くの変形及び態様で及び電動工具の種々の地点で使用されて、多くの異なるスイッチング及びチェック機能を達成することが可能であることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明による電動工具の第1態様の単純化された斜視図をアングルサンダーの形で示す。
【図2】本発明による電動工具の極めて単純化された回路線図を示し、信号回路と出力スイッチングエレメントを負荷回路内で示す。
【図3】全部で5つのスイッチングエレメントを含む回路のブロック線図を示し、これらは電気接触領域を介して作動されることが可能であり、及びこれらは共通の評価回路を介して接続される。
【図4】三次元形状のモールドボディの斜視図を示し、そこに異なるスイッチングエレメントのためのサポートが設けられ、そこに電気接続ラインが一体化されている。
【図5】クランピングレバーの位置をチェックするための関連スイッチングエレメントを備えた、図1による電動工具の操作ヘッドの領域の拡大図を示す。
【図6】電動工具の斜視図を両手用のアングルサンダーの形で示し、ハウジングの端部における後方ハンドルの領域で、バットの領域で及びハウジングで、関連保護カバーの存在をチェックするためのスイッチングエレメントを備える。
【符号の説明】
【0067】
10 電動工具
12 ハウジング
14、16、18 接触領域
20、22、24、26 スイッチングエレメント
27 保護カバー
28 クランピングレバー
36 モーター
40 負荷回路
38 出力スイッチングエレメント
42、44、46、48 信号回路
50 評価回路
61、62、63、64、65 スイッチングエレメント
66、67、68、69、70 弾性接触領域
71、72、73、74、75 信号回路
76 評価回路
78 モールドボディ
87 操作ヘッド
88 スイッチングエレメント
89 接続ライン
90 電動工具
91 ハウジング
92 操作ヘッド
93、94 ハンドル
95 保護カバー
100 スイッチングエレメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具(29)を駆動するためのモーター(36)と、少なくとも1つのスイッチングエレメント(20、22、24、26、61、62、63、64、65、88、100)を有し、これは少なくとも1つの出力スイッチングエレメント(38)を介して信号回路(42、44、46、48、71、72、73、74、75)に接続されているとともに負荷回路(40)に連結されていて、スイッチングエレメント(20、22、24、26、61、62、63、64、65、88、100)がハウジング(12、87、91)に一体化された弾性接触領域(14、16、18、66、67、68、69、70、96、97、98、99)を介して作動され得るように配置がなされている電動工具。
【請求項2】
工具(29)を駆動するためのモーター(36)と少なくとも2つのスイッチングエレメント(20、22、24、26、61、62、63、64、65、88、100)を有し、各々が少なくとも1つの出力スイッチングエレメント(38)を介して信号回路(42、44、46、48、71、72、73、74、75)において接続されているとともに負荷回路(40)に連結されていて、これを通ってモーター(36)が制御され得る請求項1にとくに記載された電動工具。
【請求項3】
出力スイッチングエレメント(38)が、各信号回路(42、44、46、48、71、72、73、74、75)から負荷回路(40)のガルバニ分離を保証する請求項1又は請求項2に記載された電動工具。
【請求項4】
出力スイッチングエレメント(38)が、リレー又は出力半導体、とくに光カプラの形を有する請求項1〜3のいずれかに記載された電動工具。
【請求項5】
少なくとも1つのスイッチングエレメント(20、22、24、26、61、62、63、64、65、88、100)が、マイクロスイッチとして構成される請求項1〜4のいずれかに記載された電動工具。
【請求項6】
少なくとも1つのスイッチングエレメント(20、22、24、26、61、62、63、64、65、88、100)が、押ボタンとして構成されている請求項1〜5のいずれかに記載された電動工具。
【請求項7】
複数のスイッチングエレメント(20、22、24、26、61、62、63、64、65、88、100)が、回路(50、76)に連結されていて、これを通って、少なくとも1つのスイッチングエレメント(20、22、24、26、61、62、63、64、65、88、100)が閉じられるときに、モーター(36)がスイッチオンされ得る請求項6に記載された電動工具。
【請求項8】
複数のスイッチングエレメント(20、22、24、26、61、62、63、64、65、88、100)が、回路(50、76)に連結されていて、これを通って、少なくとも2つのスイッチングエレメント(20、22、24、26、61、62、63、64、65、88、100)が閉じられるときに、モーター(36)がスイッチオンされ得る請求項6に記載された電動工具。
【請求項9】
少なくとも1つの作動部材又は取り付け部品(28、94、95)が設けられていて、これがステータス又は位置制御のためのスイッチングエレメント(88、100)に関連付けられている請求項1〜8のいずれかに記載された電動工具。
【請求項10】
電動工具が、アングルサンダー又は手持ちディスクソーとして構成されていて、取り付け部品が保護カバー(95)として構成されていて、保護カバー(95)の正確な載置の後にのみ、スイッチングエレメント(100)がモーター(36)の作動を可能にする請求項9に記載された電動工具。
【請求項11】
取り付け部品が、スイッチングエレメントがハンドル(93)を介して作動される場合にのみモーター(36)の作動を可能にする関連スイッチングエレメントを備えたハンドル(93)として構成される請求項1〜10のいずれかに記載された電動工具。
【請求項12】
工具(29)をクランプするためのクランピングレバー(28)を含み、このレバーがクランピング位置と開放位置の間で移動されることが可能であり、更にクランピングレバー(28)に関連付けられていてクランピングレバー(28)のクランピング位置をチェックするための関連スイッチングエレメント(88)が設けられている請求項1〜11のいずれかに記載された電動工具。
【請求項13】
ハウジング(12、91)に保持されたモールドボディ(78)を含み、そこにスイッチングエレメント(61、62、63、64、65)を載置するための少なくとも1つのサポート(81、82、83、84、85)が設けられている請求項1〜12のいずれかに記載された電動工具。
【請求項14】
ハウジング(12、91)に保持されたモールドボディ(78)を含み、そこにスイッチングエレメント(61、62、63、64、65)と接続され得る少なくとも1つの電線が支持されている請求項1〜13のいずれかに記載された電動工具。
【請求項15】
モールドボディ(78)が、ハウジング(12、91)と協働して、モールドボディ(78)に載置された少なくとも1つのスイッチングエレメント(61、63、64、65)又は電線を塵埃、湿度等による汚染からシールドする請求項13又は請求項14に記載された電動工具。
【請求項16】
モールドボディ(78)が、振動減衰及び/又は音響減衰材料からなる請求項13〜15のいずれかに記載された電動工具。
【請求項17】
モールドボディ(78)が、三次元モールドプラスチック部品として構成されている請求項13〜16のいずれかに記載された電動工具。
【請求項18】
モールドボディ(78)が、少なくとも1つの電線を電気的に遮蔽するための手段(86)を含む請求項13〜17のいずれかに記載された電動工具。
【請求項19】
電動工具(10、90)を制御又はチェックするため又は取り付け部品又はアクセサリ(28、93、95)の位置制御又はステータス制御のため、少なくとも1つの出力スイッチングエレメント(38)を介して信号回路(42、44、46、48、71、72、73、74、75)に接続されかつ負荷回路(40)に連結されているスイッチングエレメント(20、22、24、26、61、62、63、64、65、88、100)の使用。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具(29)を駆動するためのモーター(36)と、少なくとも1つのスイッチングエレメント(20、22、24、26、61、62、63、64、65、88、100)を有し、これは少なくとも1つの出力スイッチングエレメント(38)を介して信号回路(42、44、46、48、71、72、73、74、75)に接続されているとともに負荷回路(40)に連結されている電動工具であって、スイッチングエレメント(20、22、24、26、61、62、63、64、65、88、100)がマイクロスイッチとして構成されており、スイッチングエレメント(20、22、24、26、61、62、63、64、65、88、100)がハウジング(12、87、91)に一体化された弾性接触領域(14、16、18、66、67、68、69、70、96、97、98、99)を介して作動され得るように配置されていることを特徴とする電動工具。
【請求項2】
少なくとも2つのスイッチングエレメント(20、22、24、26、61、62、63、64、65、88、100)が設けられていて、各々が少なくとも1つの出力スイッチングエレメント(38)を介して信号回路(42、44、46、48、71、72、73、74、75)において接続されているとともに負荷回路(40)に連結されていて、これを通ってモーター(36)が工具(29)を駆動するために制御され得ることを特徴とする請求項1に記載された電動工具。
【請求項3】
出力スイッチングエレメント(38)が、各信号回路(42、44、46、48、71、72、73、74、75)から負荷回路(40)のガルバニ分離を保証することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された電動工具。
【請求項4】
出力スイッチングエレメント(38)が、リレー又は出力半導体、とくに光カプラの形を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された電動工具。
【請求項5】
少なくとも1つのスイッチングエレメント(20、22、24、26、61、62、63、64、65、88、100)が、押ボタンとして構成されている請求項1〜4のいずれかに記載された電動工具。
【請求項6】
複数のスイッチングエレメント(20、22、24、26、61、62、63、64、65、88、100)が、回路(50、76)に連結されていて、これを通って、少なくとも1つのスイッチングエレメント(20、22、24、26、61、62、63、64、65、88、100)が閉じられるときに、モーター(36)がスイッチオンされ得ることを特徴とする請求項5に記載された電動工具。
【請求項7】
複数のスイッチングエレメント(20、22、24、26、61、62、63、64、65、88、100)が、回路(50、76)に連結されていて、これを通って、少なくとも2つのスイッチングエレメント(20、22、24、26、61、62、63、64、65、88、100)が閉じられるときに、モーター(36)がスイッチオンされ得ることを特徴とする請求項5に記載された電動工具。
【請求項8】
少なくとも1つの作動部材又は取り付け部品(28、94、95)が設けられていて、これがステータス又は位置制御のためのスイッチングエレメント(88、100)に関連付けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載された電動工具。
【請求項9】
電動工具が、アングルサンダー又は手持ちディスクソーとして構成されていて、取り付け部品が保護カバー(95)として構成されていて、保護カバー(95)の正確な載置の後にのみ、スイッチングエレメント(100)がモーター(36)の作動を可能にすることを特徴とする請求項8に記載された電動工具。
【請求項10】
取り付け部品が、スイッチングエレメントがハンドル(93)を介して作動される場合にのみモーター(36)の作動を可能にする関連スイッチングエレメントを備えたハンドル(93)として構成されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載された電動工具。
【請求項11】
工具(29)をクランプするためのクランピングレバー(28)が、クランピング位置と開放位置の間で移動されることが可能であり、スイッチングエレメント(88)がクランピングレバー(28)のクランピング位置をチェックするためのクランピングレバー(28)に関連付けられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載された電動工具。
【請求項12】
ハウジング(12、91)に保持されていてそこにスイッチングエレメント(61、62、63、64、65)を載置するための少なくとも1つのサポート(81、82、83、84、85)が設けられているモールドボディ(78)によって特徴付けられた請求項1〜11のいずれかに記載された電動工具。
【請求項13】
ハウジング(12、91)に保持されていてそこにスイッチングエレメント(61、62、63、64、65)と接続され得る少なくとも1つの電線が支持されているモールドボディ(78)によって特徴付けられた請求項1〜12のいずれかに記載された電動工具。
【請求項14】
モールドボディ(78)が、ハウジング(12、91)と協働して、モールドボディ(78)に載置された少なくとも1つのスイッチングエレメント(61、63、64、65)又は電線を塵埃、湿度等による汚染からシールドすることを特徴とする請求項12又は請求項13に記載された電動工具。
【請求項15】
モールドボディ(78)が、振動減衰及び/又は音響減衰材料からなることを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載された電動工具。
【請求項16】
モールドボディ(78)が、三次元モールドプラスチック部品として構成されていることを特徴とする請求項12〜15のいずれかに記載された電動工具。
【請求項17】
モールドボディ(78)が、少なくとも1つの電線を電気的に遮蔽するための手段(86)を含むことを特徴とする請求項12〜16のいずれかに記載された電動工具。
【請求項18】
少なくとも1つの出力スイッチングエレメント(38)を介して負荷回路(40)に連結されかつ信号回路(42、44、46、48、71、72、73、74、75)に接続されており、電動工具(10、90)を制御又はチェックするために又は電動工具の取り付け部品又はアクセサリ(28、93、95)の位置制御又はステータス制御のために弾性接触領域(14、16、18、66、67、68、69、70、96、97、98、99)を介して作動され得る構成にした、スイッチングエレメント(20、22、24、26、61、62、63、64、65、88、100)の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−513870(P2006−513870A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−568120(P2004−568120)
【出願日】平成15年12月16日(2003.12.16)
【国際出願番号】PCT/EP2003/014277
【国際公開番号】WO2004/073005
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(594106092)ツェー ウント イー フェイン ゲーエムベーハー (11)
【Fターム(参考)】