説明

電動工具

【課題】 小型のリチウムイオン二次電池を用いて、十分な出力特性を有する小型・軽量の電動工具を提供する。
【解決手段】
モータ3の回転によって先端工具を駆動する電動工具1において、14500サイズ(単三サイズ、R6サイズ、AAサイズ)のリチウムイオン二次電池4を駆動源とした。リチウムイオン二次電池4は、電動工具1を駆動するに足りる十分な出力特性を有するように構成される。作業者が電動工具1に設けられたトリガスイッチ7を操作することによって、リチウムイオン二次電池4と、モータ3等から構成される駆動部とが接続され、出力軸10が回転する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン電池二次電池によってモータを駆動するコードレス式の電動工具に関し、特に電動工具のさらなる小型・軽量化を図るものである。
【背景技術】
【0002】
電動工具において、コードレス工具を駆動する電池として更なる高容量化、軽量化が要望されている。この要望に対して、出力密度が高いリチウムイオン電池が用いられるようになってきた。このような製品の一例として、特許文献1のように電動工具の駆動源である複数のセル及び保護回路が電池パックという形で構成され、電動工具本体と着脱可能な構成になっている製品が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−294310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような電動工具の駆動源として用いられるリチウムイオン二次電池セルは、18650サイズと呼ばれる形状のものが主流である。通常、18650サイズのセルを電池電圧や容量に応じて直列又は並列に接続することによって用いている。かかるサイズのリチウムイオン電池セルを用いた電動工具は、従来のニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池と比べると、その大きさ、重量が低減されているものの、例えば、ごく軽作業の用途において子供や女性、年配の方が用いる電動工具を実現することを考えると、その大きさの小型化と重量の更なる軽減を図りたいという要望がある。また、現在市販されている電動工具と同等のモータ出力を保ちつつ、電動工具の更なる小型化、軽量化を図りたいという要望もある。
【0005】
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、小型・軽量な14500サイズのリチウムイオン電池を用いた電動工具を実現することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、14500サイズのリチウムイオン電池をグリップ部の内部に配置することで、重量バランスが良くてグリップ部先端に電池装着部分の出っ張りの無いコンパクトな電動工具を提供することにある。
【0007】
本発明のさらに他の目的は、14500サイズのリチウムイオン電池を複数本用いた電池パックの配置方法を工夫することにより、コンパクトに電池パックを装着することができる電動工具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願において開示される発明のうち代表的なものの特徴を説明すれば次の通りである。
【0009】
本発明の一つの特徴によれば、上記目的を達成するため、リチウムイオン二次電池を電源としてモータを回転させて先端工具を駆動する電動工具において、リチウムイオン二次電池は14500サイズ(単三サイズ、R6サイズ、AAサイズ)のセルにより構成され、先端工具を駆動するために十分なモータ出力で駆動可能であり、作業者が電動工具に設けられたスイッチを操作することによって、リチウムイオン二次電池からモータへの電力が供給されて電動工具が動作する。リチウムイオン二次電池は、14500サイズの1セル以上で構成するのが好ましく、複数本のセルが直列に接続されるか、並列に接続されるか、又は直列に接続さえた複数本のセルが並列に接続される。
【0010】
本発明の他の特徴によれば、リチウムイオン二次電池からモータへ供給される電圧を検出する電池電圧検出手段を設け、検出された電圧が所定値以下に達した場合には、リチウムイオン二次電池からモータへの電力供給を遮断させる。尚、リチウムイオン二次電池が複数のセルを有する場合は、電池電圧検出手段は各セルの電圧も検出し、セルのうち1セルでも電池電圧が所定値以下に達した場合には、リチウムイオン二次電池からモータへの電力供給を遮断させるように構成すると好ましい。
【0011】
本発明のさらに他の特徴によれば、リチウムイオン二次電池を充電するための充電装置を接続する接続端子と、リチウムイオン二次電池の充電時の電圧を検出する電池電圧検出手段を設け、リチウムイオン二次電池の電池電圧が所定値以上に達した場合には、充電を終了させる。尚、リチウムイオン二次電池が複数のセルを有する場合は、電池電圧検出手段は各セルの電圧も検出し、複数セルの中の1セルでも電池電圧が所定値以上に達した場合には、充電を終了させるように構成すると好ましい。
【0012】
本発明のさらに他の特徴によれば、リチウムイオン二次電池からモータへ供給される電流を検出する電流検出手段を設け、電流検出手段は、検出された電流値が所定の値を超えたときには、リチウムイオン二次電池からモータへの接続を遮断させる。また、リチウムイオン二次電池の近傍に温度を検出する電池温度検出手段を設け、電池温度検出手段において検出された電池温度が所定値以上である場合は、リチウムイオン二次電池からモータ又は充電装置への接続を遮断させる。
【0013】
本発明のさらに他の特徴によれば、リチウムイオン二次電池を電源としてモータを回転させて先端工具を駆動する電動工具であって、リチウムイオン二次電池は14500サイズのセルにより構成されて電動工具のハウジングの内部に収容され、リチウムイオン二次電池は先端工具を駆動するために十分なモータ出力で駆動可能であり、作業者がハウジングに設けられたスイッチを操作することによって、リチウムイオン二次電池からモータへの電力が供給されて電動工具が動作するように構成した。ハウジングには作業者が電動工具を把持するためのグリップ部が形成され、リチウムイオン二次電池はグリップ部の内部に配置される。ハウジングの一部には、リチウムイオン二次電池に充電電力を供給する充電装置を接続するための接続端子が設けられる。
【0014】
本発明のさらに他の特徴によれば、リチウムイオン二次電池を電源としてモータを回転させて先端工具を駆動する電動工具であって、リチウムイオン二次電池は14500サイズのセルにより構成され、電動工具のハウジングに装着可能な電池パックにて構成され、電池パックは先端工具を駆動するために十分なモータ出力で駆動可能であり、作業者がハウジングに設けられたスイッチを操作することによって、電池パックからモータへの電力が供給されて電動工具が動作するように構成した。ハウジングには作業者が電動工具を把持するためのグリップ部が形成され、電池パックは、その体積の半分以上又は全部がグリップ部の内部空間に収納されるようにハウジングに装着される。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、リチウムイオン二次電池は14500サイズのセルにより構成され、先端工具を駆動するために十分なモータ出力で駆動可能なので、小型・軽量なリチウムイオン電池を用いた小型・軽量な電動工具をユーザーに提供することができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、リチウムイオン二次電池が14500サイズの1セル以上で構成されるので、小型サイズのセルを用いつつも必要な電圧を得ることができ、必要十分や出力を有する電動工具を実現できる。
【0017】
請求項3の発明によれば、リチウムイオン二次電池は、14500サイズの複数本のセルが、直列又は/及び並列に接続されるので、要求される仕様に合わせて任意の電圧、任意の容量の電源を実現できる。
【0018】
請求項4の発明によれば、電池電圧検出手段を設けて、電圧が所定値以下に達した場合には、リチウムイオン二次電池からモータへの電力供給を遮断させるので、電池の過放電を防止することができ電池寿命の低下を防ぐことができる。
【0019】
請求項5の発明によれば、リチウムイオン二次電池の各セルの電圧を検出し、1セルでも電池電圧が所定値以下に達した場合にはモータへの電力供給を遮断させるので、特定セルの過放電を防止することができ電池寿命の低下を防ぐことができる。
【0020】
請求項6の発明によれば、リチウムイオン二次電池の充電時の電圧を検出する電池電圧検出手段を設け、電池電圧が所定値以上に達した場合には充電を終了させるので、過充電を防止することができ電池寿命の低下を防ぐことができる。
【0021】
請求項7の発明によれば電池電圧検出手段はセル毎の電圧を検出し、複数セルの中の1セルでも電池電圧が所定値以上に達した場合には、充電を終了させるので、特定セルだけが劣化することがなく電池寿命の低下を防ぐことができる。
【0022】
請求項8の発明によれば、電流検出手段は検出された電流値が所定の値を超えたときには、リチウムイオン二次電池からモータへの接続を遮断させるので、過大電流による電池の寿命低下やモータの損傷を防止することができる。
【0023】
請求項9の発明によれば、リチウムイオン二次電池の温度が所定値以上である場合は、リチウムイオン二次電池からモータ又は充電装置への接続を遮断させるので、電池の過温による損傷や寿命低下を効果的に防止することができる。
【0024】
請求項10の発明によれば、リチウムイオン二次電池を電源とする電動工具において、14500サイズの電池をハウジングの内部に収容するので、電池収容部分がハウジングの外部に突出することなく、すっきりとした外観を有して小型で使いやすい電動工具を実現できる。
【0025】
請求項11の発明によれば、リチウムイオン二次電池はグリップ部の内部に配置されるので、比較的重量のある電池を把持部分に集中させることにより重量バランスの良い電動工具を実現できる。
【0026】
請求項12の発明によれば、ハウジングの一部に充電装置を接続するための接続端子を設けたので、容易に電池を充電することができる。
【0027】
請求項13の発明によれば、電動工具を14500サイズのセルによりなる電池パックにて構成されるので、非常にコンパクトな電池パックを有する小型軽量の電動工具を実現することができる。
【0028】
請求項14の発明によれば、電池パックは、その体積の半分以上又は全部がグリップ部の内部空間に収納されるように装着されるので、ハウジングから突出する部分が少なく、コンパクトで使いやすい電動工具を実現できる。
【0029】
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】電動工具に用いられるリチウムイオン電池の寸法を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例を示す電動工具(インパクトドライバ)の構成を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例を示す電動工具(ジグソー)の構成を示す縦断面図である。
【図4】本発明の第3の実施例を示す電動工具(ジグソー)の構成を示す縦断面図である。
【図5】本発明の第4の実施例を示す電動工具(ディスクグラインダ)の構成を示す縦断面図である。
【図6】本発明の第1〜第4の実施例を示す電動工具の回路ブロック図である。
【図7】本発明の第5の実施例を示す電動工具(インパクトドライバ)の構成を示す縦断面図である。
【図8】本発明の第6の実施例を示す電動工具(ジグソー)の構成を示す縦断面図である。
【図9】本発明の第5及び第6の実施例を示す電動工具の回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、本明細書においては、前後、上下の方向は各図に示す方向であるとして説明する。
【0032】
図1は、電動工具に用いられるリチウムイオン電池の寸法を示す図であり、(1)は従来良く用いられていたサイズで、(2)は本発明において用いられるサイズである。リチウムイオン二次電池(以下、「リチウムイオン電池」と称する)は、現在市販されている二次電池のひとつであり、電解質中の含まれるリチウムイオンが電気伝導を担い、一般的なニッケル水素電池に比べて密度あたりの容量が大きいという特徴がある。図1(1)において、従来から広く用いられるリチウムイオン電池は、直径18mm、高さ65mmの円筒形で、これは18650サイズと呼ばれる。尚、数字の最初の2桁“18”は直径を示し、下3桁“650”は長さを示す(0.1mm単位で表示)。図1(2)は、本発明に係る電動工具で用いられるリチウムイオン電池のサイズであり、円筒形であって直径14mm、高さ50mmである。このサイズは、乾電池(1次電池)の“単三サイズ”、“R6サイズ”、又は、“AAサイズ”と呼ばれるものとほぼ同じ大きさである。
【実施例1】
【0033】
図2は本発明の第1の実施例を示す電動工具(インパクトドライバ1)の構成を示す縦断面図である。インパクトドライバ1のハウジング2は円筒形の胴体部2aとグリップ部2bにより構成される。胴体部2aには、モータ3と、ギア部8と、打撃部9が同軸上に収容され、先端の出力軸10に図示しない先端工具が装着される。グリップ部2bは、胴体部2aの下側中央付近から斜め下方に延在するように設けられ、作業者が右手(又は左手)で把持することによりインパクトドライバ1を保持する。グリップ部2bの上方であって、胴体部2aとの付け根付近には、前方側に突出するトリガスイッチ7が設けられる。
【0034】
本実施例のインパクトドライバ1では、グリップ部2bの内部に14500サイズのリチウムイオン電池4が3本と、リチウムイオン電池4の充電及び放電を監視して保護するための保護回路基板5と、保護回路基板5と外部充電装置(図示せず)を接続するためのソケット6が収容される。グリップ部2bの下方には、図示しない外部充電装置から延びる図示しないコネクタをソケット6に装着するための貫通穴2cが設けられる。尚、図示していないが、接続コネクタをソケット6に装着しないときに貫通穴2cを塞ぐためのゴム製のキャップ等を設けても良い。本実施例ではグリップ部2bのリチウムイオン電池4を収容する部分の直径(外径)Bは、約34mmである。グリップ部2bの直径Bは、例えば30mm〜40mm程度とするのが好ましい。グリップ部2bは、矢印Aで示す範囲において作業者が片手で把持するが、リチウムイオン電池4が占める軸方向の長さはA1であり、長さA1は長さAの範囲内に完全に収まるように配置される。従って、グリップ部2bの下端部C付近にはグリップ部2bの直径Bよりも太い部分が存在せずに、すっきりとした外観のインパクトドライバ1が実現できる。
【0035】
ソケット6は例えば5つの端子を有し、この端子のそれぞれはリード線12によって保護回路基板5に接続される。本実施例のリチウムイオン電池4は、14500サイズという小型サイズでありながら、電動工具を十分に駆動することにできる出力特性を有する。例えば、本実施例ではリチウムイオン電池4によって十分なモータ出力を得ることができる。以上のように、本実施例によればモータを必要十分な出力にて駆動することができる小型・軽量なリチウムイオン電池4を用いて電動工具を実現できるので、操作性が良く、小型・軽量の電動工具を実現できる。
【実施例2】
【0036】
図3は、本発明の第2の実施例を示す電動工具(ジグソー21)の構成を示す縦断面図である。ジグソー21は、ハウジング22の内部に駆動源であるモータ23と、モータ23の回転運動を、往復運動機構部29の往復運動に変換する回転運動機構部28を含んで構成される。往復運動機構部29の下端には、図示しないブレード等の先端工具が装着される。ハウジング22は図3のように側面視で略円環状の形状であり、ハウジング22の上側部分は作業者が右手又は左手で把持するためのグリップ部22bとなり、ハウジング22の下側部分は、モータ23を収容するためのモータ収容部22aとなる。ハウジング22のモータ収容部22aとグリップ部22bは、前方側で連結される形となり、その部分に回転運動機構部28が収容される。ハウジング22の前方下方に切断作業時の案内部材となるベース30が取り付けられる。
【0037】
グリップ部22bの前方下側には、作業者が工具の動作を操作するトリガスイッチ27が設けられる。本実施例では、グリップ部22bは長さCの部分となるが、このグリップ部22bの内側と一部がオーバーラップするように、14500サイズの6本のリチウムイオン電池24が設けられる。リチウムイオン電池24は3本ずつ直列接続されたものを並列接続して一つの電池組とされ、小さな電池を用いて電動工具を駆動するために必要十分な出力を得ることができる。
【0038】
リチウムイオン電池24が占める前後方向の長さはC1となる。本実施例では、リチウムイオン電池24の長さC1の大部分(半分以上)が、グリップ部22bの長さCとオーバーラップするように配置される。また、リチウムイオン電池24の電池組の前方側であって、トリガスイッチユニット27aとの間には、リチウムイオン電池24の充電及び放電を監視して保護するための保護回路基板25が配置される。保護回路基板25の近傍には外部充電装置(図示せず)を接続するためのソケット26が設けられる。
【0039】
本実施例のようにジグソーを構成することにより、グリップ部22bの内部に効果的に電池を収容することができ、電池がハウジング22から外部に突出しないので、すっきりとした外見を有し、コンパクトで軽量なジグソー21を実現することができる。
【実施例3】
【0040】
図4は、本発明の第3の実施例を示す電動工具(ジグソー41)の構成を示す縦断面図である。第3の実施例では、基本的な構成は図3で示した構成と同じであるが、使用する電池の本数を少なくして合計3本としたと共に、複数のリチウムイオン電池が離れた位置に設置される。即ち、1本のリチウムイオン電池44aをグリップ部42bの内側に、2本のリチウムイオン電池44bをモータ43の後方側に収容した。リチウムイオン電池44aの前後方向の長さはE1であり、グリップ部42bの長さEの範囲内に収まるように配置される。また、2本のリチウムイオン電池44bは、ハウジング42のモータ収容部42aの後端付近に配置され、そのリチウムイオン電池44bの占める長手方向の長さはE2である。リチウムイオン電池44aとリチウムイオン電池44bの間であってハウジング42の後端付近には、保護回路基板45と図示しない外部充電装置から延びる図示しないコネクタを装着するためのソケット46が配置される。
【0041】
本実施例では複数の電池のすべてを側面視で略円環状又はドーナッツ状のハウジング42の内部に収まるように配置し、その一部たるリチウムイオン電池44aがグリップ部42bに収まるように配置した。さらにリチウムイオン電池44aと44bを上側と下側に分散配置し、それらの間に保護回路基板45を配置した。この際、上下方向で上側の電池(リチウムイオン電池44a)を下側の電池(リチウムイオン電池44b)よりも軽くした(本数を少なくした)。この結果、比較的重い電池をグリップ部42b部分とモータ43に近い部分に分散して配置することができ、軽量化を図りつつ、低重心で使い勝手に良いジグソーを実現することができる。また、要求される電動工具の形状に合わせて、ハウジング42の内部においてリチウムイオン電池44の配置を任意に行うことができる。
【実施例4】
【0042】
次に図5を用いて本発明の第4の実施例を説明する。図5は電動工具として、ディスクグラインダ61の構成を示す縦断面図である。ディスクグラインダ61は、円筒状のハウジング62の内部に6本のリチウムイオン電池64と、回転工具68を回転させるためのモータ63と、モータ63のオンオフするスイッチユニット67aが収容される。ハウジング62の前端には、回転軸方向を90度変換するギア部69が設けられ、スピンドル70の下側先端には砥石等の回転工具68が装着される。作業者がスイッチレバー67を揺動させてオンにするとモータ63が回転し、それにより回転工具68が所定の回転速度で回転する。
【0043】
ハウジング62に収納されるリチウムイオン電池64は、6本の14500サイズの電池であって、ハウジング62のほぼ中央付近であって、モータ63とスイッチユニット67aの間に配置される。本形式のディスクグラインダ61では、ハウジングのほぼ全体がグリップ部であって、その長さはF程度となる。軸方向(長手方向、前後方向)にみて、そのグリップ部に完全に含まれる長さF1の部分にリチウムイオン電池64が配置される。電池の後方側下方であってスイッチユニット67aの下側には、保護回路基板65と図示しない外部充電装置から延びる図示しないコネクタを装着するためのソケット66が配置される。ソケット66は図では2つの端子しか描かれていないが、実際には5つ程度の端子を設けられる。ソケット66の付近のハウジング62には、外部充電装置から延びる図示しないコネクタをソケットに装着するために、貫通穴62cが設けられる。図では、貫通穴62cには蓋等が設けられないが、ゴム製のキャップ等を設けても良い。
【0044】
以上のように配置したディスクグラインダ61とすることにより、全長が短くてコンパクトで、グリップ部分が細くて小型で軽量な扱い易い電動工具を提供することで可能となる。
【0045】
次に、図6を用いて第1〜第4の実施例を示す電動工具の回路ブロック図を説明する。図6には、リチウムイオン電池4を充電するための充電装置82も示す。充電装置82は、電動工具71(インパクトドライバ1、ジグソー21、41等)の本体側と着脱可能な構成になっており、充電が必要な場合は、電動工具71と接続して充電を行い、電動工具71を用いて作業を行う場合や、充電が必要でない場合は充電装置82の図示しないコネクタを電動工具71から取り外すことができる。
【0046】
電動工具71内には、リチウムイオン電池や保護回路等が内蔵される。モータ63は電動工具71の本体内部に内蔵される駆動部である。スイッチユニット67aは作業者が操作することにより、モータ63を回転させる。第4の実施例ではスイッチユニット67aはオン又はオフの揺動スイッチにより構成されるが、第1〜第3の実施例においては、スイッチユニット67aに相当するトリガスイッチ7、27、47が可変抵抗器で構成される。可変抵抗器であるトリガスイッチ7、27、47を用いると、その引き量に応じてモータ63の回転速度が変わることになる。FET74はスイッチユニット67aと電池組64の負極の間に配置され、通常時はオン状態であり、作業者がスイッチユニット67aをオンにした場合には、電池組64がモータ63と接続される。一方、電池組64が過放電、過電流、高温状態である場合はFET74がオフにされ、電池組64とモータ63との接続が遮断される。
【0047】
電池組64は、2つのリチウムイオン電池64a、64bから構成される。本実施例において電池組64は、リチウムイオン電池64a、64bの2つのセルが直列の接続されている構成となっているが、このような形態に限るものではなく、例えば1セル、又は3セル以上のリチウムイオン電池が直列に接続されていてもよい。さらに、直列接続に加えて並列にセルが接続されていてもよい(例えば、2セルの並列接続の組が1ブロック以上直列に接続されている等。)。電池組64の状態は保護IC76によって監視される。保護IC76は、電池組64からモータ63へ供給される電圧を検出する電池電圧検出手段として、電池組64の充電時の電圧を検出する電池電圧検出手段として、電池組64から前記モータ63へ供給される電流を検出する電流検出手段としての複数の機能を果たす集積回路である。
【0048】
モータ63から電池組64に至る配線中には、シャント抵抗77が直列に接続され、シャント抵抗77の両端の電圧は保護IC76に入力されることにより、保護IC76はモータ63に流れる電流を測定することができる。保護IC76は、通常状態においては出力端子76aから電池電圧に相当する電圧を出力し、過放電又は過電流状態にある場合には、信号が出力されなくなるようにする。この信号に対応してFET制御回路81はFET74へのゲート信号を出力して制御を行うことができる。保護IC76は、シャント抵抗77に電流が流れることにより電圧降下(電流と比例した電圧降下)を検出し、電圧降下が所定値以上(流れる電流が所定値以上)に達した場合は、出力端子76aから過電流状態にあることを示す信号(以下、「過電流信号」と称す)をFET制御回路81に出力する。保護IC76は、さらに電池組64のセル毎の電池電圧を検出し、複数のセル(64a、64b)中の1つでも所定電圧以下に達した場合は、出力端子76aから電池電圧に相当する電圧がFET制御回路81に出力されないようにする。
【0049】
充電装置82を用いて電池組64を充電しているときには、保護IC76は充電状態を監視する機能を果たし、電池組64のセル毎の電池電圧を検出し、複数セルのうち1セルでも所定電圧以上に達した場合は、出力端子76bから信号(以下、「過充電信号」と称する)を充電装置82に出力する。この信号を受けた充電装置82は充電を停止させる。サーマルプロテクタ78は温度が所定値以上に達した場合はオフになり、所定値以下である場合はオンになるスイッチである。サーマルプロテクタ78は電池組64の近傍に設置され、放電時又は充電時の電池の温度によってオン又はオフの動作をする。電動工具71の動作時(電池の放電時)に電池温度が高温になったときは、出力端子76bからFET制御回路81に電池電圧相当の電圧が入力されなくなるため、FET74がオフとなる。充電の際に電池組64の温度が上昇して許容値を超えた場合には、サーマルプロテクタ78が作動して、電池組64と充電装置82との接続を遮断する。一方、電池組64の温度が許容値まで上昇していない状態であっても、サーミスタ79を用いてその温度情報が充電装置82にフィードバックされる。サーミスタ79は温度によりその抵抗値が変化するもので、電池組64の近傍に設置される。サーミスタ79の一方の端子は、端子66c、84cを介して充電装置82に接続される。判別抵抗80は、電池組64の電圧(例えば2セル接続であるか、3セル接続であるか等)を判別するために設けられ、その出力は端子66d、84dを介して充電装置82に伝達される。
【0050】
FET制御回路81は、FET74のオンオフを制御するためのもので、保護IC76の出力端子76aから出力される過放電信号が入力され、過放電信号がハイ(過放電状態を示す)の時にFET74をオフさせるように、FET74のゲート信号をローにする。また、FET制御回路81にはサーマルプロテクタ78からの信号(電池電圧に相当)が入力され、電動工具71の稼働時に電池組64が高温になってサーマルプロテクタ78が作動すると、FET制御回路81はFET74のゲート信号をローにすることによりFET74を遮断する。
【0051】
充電装置82は、商用交流電源を用いて電動工具71側に電池の充電用の電力を供給する機器である。電動工具71と充電装置82には、それぞれ端子66a、66b、66c、66d、66e、及び84a、84b、84c、84d、84eが設けられ、これらの端子間が図示しないケーブルによって接続される。端子66aはサーマルプロテクタ78を介して電池組64のプラス端子と接続される。この端子は充電装置82の84aと接続される。端子66bは保護IC76の“過充電信号”が出力される出力端子76bと接続される。充電装置82は、端子84b、66bを介して保護IC76からの信号を検出し、過充電であると判別した場合は、電動工具71への充電用の電力供給を停止させる。端子66cは、サーミスタ79と接続される。充電装置82は、端子84c、66cを介してサーミスタ79の値(すなわち電池の現在温度)を検出し、検出値(電池温度)に基づいて充電電圧や充電電流の調整を行う(例えば、温度が所定値以上に達している場合は、充電を停止する等の制御)。端子66dは、判別抵抗80と接続される。充電装置82は、端子84、66dを介して検出される電圧値から電池組64の種類(リチウムイオン電池の直列接続の本数)を判別し、判別した電池の種類に基づき充電の制御を行う(例えば、2セルの電池組であると判別した場合と、3セルの電池組であると判別した場合とで、充電の際の定電圧設定を変更する)。端子66eは電池組64のマイナス端子と接続される。この端子は充電装置82の84eと接続される。前記したプラス端子66a、84a及びマイナス端子66e、84eを介して充電装置82は電池組64に充電電力を供給する。
【0052】
以上のように、本実施例においては、リチウムイオン電池64a、64b及び電池を保護するための保護回路がインパクトドライバ1の内部に内蔵されるので、安定して動作して信頼性の高い電動工具を実現できる。
【実施例5】
【0053】
次に図7を用いて本発明の第5の実施例を説明する。第1〜第4で説明した電動工具(1、21、41、61)には、ハウジング(2、22,42、62)の内部に、駆動部であるモータ、作業者が工具の動作を操作するためのトリガスイッチ、動力伝達機構が内蔵された。そして、リチウムイオン電池(4、24、44、64)は、ハウジング(2、22、42、62)の内部に収容され、リチウムイオン電池を交換するには、メーカーのサービスセンタにて、ハウジングを分解して行う交換作業が必要なように構成された。第5の実施例においては、リチウムイオン電池をパック形式として、ハウジングに簡単に着脱できるようにしたことに特徴がある。
【0054】
図7は、本発明の第5の実施例を示す電動工具(インパクトドライバ101)の構成を示す縦断面図である。インパクトドライバ101には、ハウジング102(102a、102b)の内部に、駆動部であるモータ103、作業者が工具の動作を操作するためのトリガスイッチ107、ギア部108、打撃部109が内蔵され、打撃部109の先端には図示しない先端工具を装着するための出力軸110が設けられる。そして図7のように側面視で略L字状の形状をした電池パック111の筐体の一部がグリップ部102bの内部空間に入りこむようにして装着される。電池パック111には、グリップ部102bの内部空間に大部分が入り込む4本のリチウムイオン電池114aと、グリップ部102bの下側(グリップ部102bの外部空間)に配置される2本のリチウムイオン電池114bが収容される。
【0055】
リチウムイオン電池114a、114bの各セルは14500サイズであり、電池パック111にはリチウムイオン電池114a、114bの充電及び放電を監視して保護するための保護回路が保護回路基板115上に搭載される。また、電池パック111の筐体の一部であって、インパクトドライバ101のグリップ部102bの内部空間に位置する複数の端子106と対向する位置に、電力をインパクトドライバ101側に供給するための複数の接点116が設けられる。
【0056】
インパクトドライバ101の本体と電池パック111とは着脱できる構造とされ、電池パック111の一部は、インパクトドライバ101のグリップ部102bの内部空間に入り込むような構造となる。電池パック111をハウジング102のグリップ部102bに着脱するためのラッチ機構等の構成は、公知の電動工具で用いられる機構を用いればよいのでここでの詳細な説明は省略する。本実施例では、インパクトドライバ101のグリップ部102bの長さ(作業者によって把持される部分の範囲)がGであるのに対して、円筒形のリチウムイオン電池114aの占める軸方向長さがG1であり、その大部分がグリップ部102bの長さGに含まれるように配置される。また、円筒形のリチウムイオン電池114bの占める軸方向長さがG2であり、リチウムイオン電池114bはグリップ部102bからは完全に外部側に配置される。本実施例では、14500タイプの電池の体積比で半分以上又は全部をグリップ部102b内に収容し、体積比の半分以下をグリップ部102bの外部に配置するようにした。このように構成することにより、グリップ部102bから下方に突出する電池パック111の突出量(突出体積)を少なくすることができ、ハウジング102のグリップ部102b下部の形状がすっきりとしていて使い勝手が良くコンパクトな電動工具を実現することができる。
【実施例6】
【0057】
図8は、本発明の第6の実施例を示す電動工具(ジグソー121)の構成を示す縦断面図である。本実施例では図3で示したジグソー21と違って、電池をハウジング122に内蔵するのではなく、図7で示した電池パック111と同じものを用いて実現した。電池パック111には14500サイズのリチウムイオン電池114a、114b及び保護回路基板115が搭載される。この搭載箇所はハウジング122のグリップ部122bの端部付近であり、電池パック111はハウジング122から着脱可能である。ジグソー121のハウジング122の内部のモータ収容部122aには駆動部であるモータ123が配置され、グリップ部122bには作業者が工具の動作を操作するトリガスイッチ127が設けられ、モータ収容部122aとグリップ部122bを連結するハウジング122の前方側には回転運動機構部128、往復運動機構部129が内蔵される。ハウジングの下部には、ベース130が設けられる。
【0058】
本実施例では電池パック111の一部は、ジグソー121のグリップ部122bの内部空間に入り込むような配置とした。ハウジング122のグリップ部122bの長さ(作業者によって把持される部分の範囲)がHであるのに対して、円筒形のリチウムイオン電池114aの占める軸方向長さがG1であり、その大部分がグリップ部122bの長さHに含まれるように配置される。また、円筒形のリチウムイオン電池114bの占める軸方向長さがG2であり、リチウムイオン電池114bはグリップ部122bからは完全に外部側に配置される。本実施例では、14500タイプの電池の体積比で半分以上又は全部をグリップ部122b内に収容し、電池の体積比で半分以下をグリップ部122bの外部に配置するようにした。このように構成することにより、グリップ部122bから後方に突出する電池パック111の突出量(突出体積)を少なくすることができ、ハウジング122のグリップ部122bの後端付近の形状がすっきりとしていて使い勝手が良くコンパクトな電動工具を実現することができる。
【0059】
次に図9を用いて第5〜第6の実施例を示す電動工具の回路ブロック図を説明する。図9には、電動工具131(インパクトドライバ101、ジグソー121等)とは別に用意され、電池パック111に充電を行うための充電装置162も示している。図9では、充電装置162と電池パック111と電動工具131の3つが同時に接続されたように記載されているが、実際には、充電装置162と電池パック111の接続、あるいは、電池パック111と電動工具131の接続、のいずれの接続形態となり、3つを同時に接続することはできない。
【0060】
充電装置162は、電動工具131から取り外した電池パック111と着脱可能な構成とする。充電が必要な場合は、電動工具131から電池パック111を取り外して、充電装置162に装着することにより充電を行う。電動工具131を使用する場合、及び充電が必要でない場合は充電装置162から電池パック111を取り外す。電池パック111の内部に含まれる保護回路の基本的な構成は図6で示したものと同じであり、保護IC146、FET制御回路151、サーマルプロテクタ148、サーミスタ149、判別抵抗150を含んで構成される。電池パック111には、電池組114が収容される。図では、リチウムイオン電池114a、114bが2セルしかないように図示しているが、実際には2〜8セル程度の直列接続、あるいは、並列接続の任意の組み合わせであって良い。
【0061】
本実施例では、保護IC146やFET制御回路151等により構成される電池の保護回路を電池パック111の内部に収容した。この結果、電動工具131側には電池パック111側からオン又はオフの制御ができるFET134を設けるだけで済むので、電動工具131側の構成をシンプルにすることができる。
【0062】
電池パック111は電動工具131のハウジングに装着されることによって、電池パック111と電動工具131は接点116a、116b、116c、及び端子126a、126b、126cを介して着脱できる。接点116a及び端子126aはモータ133のプラス端子及び電池組114のプラス端子に接続される。接点116b及び端子126bはFET134及びFET制御回路151に接続され、この端子の信号に応じてFET134の制御が行われる。接点116c及び端子126cはFET134のソース及び電池組114のマイナス端子に接続される。前記したプラス接点116a、プラス端子126a及びマイナス接点116c、マイナス端子126cを介して電池組114からモータ133に電力が供給される。
【0063】
充電装置162は、商用交流電源を用いて電池パック111側に電池の充電用の電力を供給する機器である。電池パック111と充電装置162には、それぞれ端子117a〜117e及び162a〜162eが設けられ、これらの端子間は、電池パック111を充電装置162に装着することにより接触して導通状態となる。端子162aはサーマルプロテクタ148を介して電池組114のプラス端子と接続される。端子162bは保護IC146の“過充電信号”が出力される出力端子146bと接続される。充電装置162は、端子162bから保護IC146からの信号を検出し、過充電であると判別した場合は、電池パック111への充電用の電力供給を停止させる。端子162cは、サーミスタ149と接続され、充電装置162はサーミスタ149の値(すなわち電池の現在温度)を検出し、検出値(電池温度)に基づいて充電電圧や充電電流の調整を行う。端子162dは、判別抵抗150と接続され、充電装置162は検出される電圧値から電池組114の種類(リチウムイオン電池の直列接続の本数)を判別し、判別した電池の種類に基づき充電の制御を行う。端子162eは電池組114のマイナス端子と接続される。
【0064】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、本実施例では電動工具の例として、インパクトドライバ、ジグソー、ディスクグラインダの例で説明したが、これだけに限られずにその他のコードレス式の電動工具であれっても良い。
【符号の説明】
【0065】
1 インパクトドライバ 2 ハウジング
2a 胴体部 2b グリップ部
2c 貫通穴 3 モータ
4 リチウムイオン電池 5 保護回路基板
6 ソケット 7 トリガスイッチ
8 ギア部 9 打撃部
10 出力軸 12 リード線
21 ジグソー 22 ハウジング
22a モータ収容部 22b グリップ部
23 モータ 24 リチウムイオン電池
25 保護回路基板 27 トリガスイッチ
27a トリガスイッチユニット 28 回転運動機構部
29 往復運動機構部 30 ベース
41 ジグソー 42 ハウジング
42a モータ収容部 42b グリップ部
43 モータ
44、44a、44b リチウムイオン電池
45 保護回路基板 46 ソケット
47 トリガスイッチ 48 回転運動機構部
49 往復運動機構部 50 ベース
61 ディスクグラインダ 62 ハウジング
62c 貫通穴 63 モータ
64 電池組 64a、64b リチウムイオン電池
65 保護回路基板 66 ソケット
66a プラス端子 66b〜66d 端子
66e マイナス端子 67 スイッチレバー
67a スイッチユニット 68 回転工具
69 ギア部 70 スピンドル
71 電動工具 74 FET
76 保護IC 76a、76b 出力端子
77 シャント抵抗 78 サーマルプロテクタ
79 サーミスタ 80 判別抵抗
81 FET制御回路 82 充電装置
84a〜84d 端子 101 インパクトドライバ
102 ハウジング 102a 胴体部
102b グリップ部 103 モータ
106 端子 107 トリガスイッチ
108 ギア部 109 打撃部
110 出力軸 111 電池パック
114 電池組
114a、114b リチウムイオン電池
115 保護回路基板 116 接点
116a プラス接点 116b〜116d 接点
116e マイナス接点 121 ジグソー
122 ハウジング 122a モータ収容部
122b グリップ部 126 端子
126a プラス端子 126b 端子
126c マイナス端子 127 トリガスイッチ
128 回転運動機構部 129 往復運動機構部
130 ベース 131 電動工具
133 モータ 134 FET
137 トリガスイッチ 146 保護IC
148 サーマルプロテクタ 149 サーミスタ
150 判別抵抗 151 FET制御回路
162 充電装置 162a〜162e 端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウムイオン二次電池を電源としてモータを回転させて先端工具を駆動する電動工具であって、
前記リチウムイオン二次電池は14500サイズのセルにより構成され、前記先端工具を駆動するために十分なモータ出力で駆動可能であり、
作業者が前記電動工具に設けられたスイッチを操作することによって、前記リチウムイオン二次電池から前記モータへの電力が供給されて動作することを特徴とする電動工具。
【請求項2】
前記リチウムイオン二次電池が14500サイズの1セル以上で構成されることを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
【請求項3】
前記リチウムイオン二次電池は、14500サイズの複数本のセルが、直列又は/及び並列に接続されることを特徴とする請求項2に記載の電動工具。
【請求項4】
前記リチウムイオン二次電池から前記モータへ供給される電圧を検出する電池電圧検出手段を設け、
検出された前記電圧が所定値以下に達した場合には、前記リチウムイオン二次電池から前記モータへの電力供給を遮断させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電動工具。
【請求項5】
前記リチウムイオン二次電池が複数のセルを有する場合は、前記電池電圧検出手段は各セルの電圧も検出し、前記セルのうち1セルでも電池電圧が所定値以下に達した場合には、前記リチウムイオン二次電池から前記モータへの電力供給を遮断させることを特徴とする請求項4に記載の電動工具。
【請求項6】
前記リチウムイオン二次電池を充電するための充電装置を接続する接続端子と、前記リチウムイオン二次電池の充電時の電圧を検出する電池電圧検出手段を設け、
前記リチウムイオン二次電池の電池電圧が所定値以上に達した場合には、充電を終了させることを特徴とする請求項5に記載の電動工具。
【請求項7】
前記リチウムイオン二次電池が複数のセルを有する場合は、前記電池電圧検出手段は各セルの電圧も検出し、複数セルの中の1セルでも電池電圧が所定値以上に達した場合には、充電を終了させることを特徴とする請求項6に記載の電動工具。
【請求項8】
前記リチウムイオン二次電池から前記モータへ供給される電流を検出する電流検出手段を設け、
前記電流検出手段は、検出された電流値が所定の値を超えたときには、前記リチウムイオン二次電池から前記モータへの接続を遮断させることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電動工具。
【請求項9】
前記リチウムイオン二次電池の近傍に温度を検出する電池温度検出手段を設け、
前記電池温度検出手段において検出された電池温度が所定値以上である場合は、前記リチウムイオン二次電池から前記モータ又は前記充電装置への接続を遮断させることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の電動工具。
【請求項10】
リチウムイオン二次電池を電源としてモータを回転させて先端工具を駆動する電動工具であって、
前記リチウムイオン二次電池は14500サイズのセルにより構成されて前記電動工具のハウジングの内部に収容され、
前記リチウムイオン二次電池は前記先端工具を駆動するために十分なモータ出力で駆動可能であり、
作業者が前記ハウジングに設けられたスイッチを操作することによって、前記リチウムイオン二次電池から前記モータへの電力が供給されることを特徴とする電動工具。
【請求項11】
前記ハウジングには作業者が前記電動工具を把持するためのグリップ部が形成され、
前記リチウムイオン二次電池は前記グリップ部の内部に配置されることを特徴とする請求項10に記載の電動工具。
【請求項12】
前記ハウジングの一部に、前記リチウムイオン二次電池に充電電力を供給する充電装置を接続するための接続端子を設けたことを特徴とする請求項10又は11に記載の電動工具。
【請求項13】
リチウムイオン二次電池を電源としてモータを回転させて先端工具を駆動する電動工具であって、
前記リチウムイオン二次電池は14500サイズのセルにより構成され、前記電動工具のハウジングに装着可能な電池パックにて構成され、
前記電池パックは前記先端工具を駆動するために十分なモータ出力で駆動可能であり、
作業者が前記ハウジングに設けられたスイッチを操作することによって、前記電池パックから前記モータへの電力が供給されて動作することを特徴とする電動工具。
【請求項14】
前記ハウジングには作業者が前記電動工具を把持するためのグリップ部が形成され、
前記電池パックは、その体積の半分以上又は全部が前記グリップ部の内部空間に収納されるように前記ハウジングに装着されることを特徴とする請求項13に記載の電動工具。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−94877(P2013−94877A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238790(P2011−238790)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005094)日立工機株式会社 (1,861)
【Fターム(参考)】