説明

電動弁開閉テスト装置

【課題】条件設定を行うことなしで、電動弁の開閉テストが行えるようにする。
【解決手段】ポンプ操作スイッチにて励磁され切替リレースイッチ88A−1を切替える補機用遮断機88Aと、切替リレースイッチ88A−1を介して電力が供給され電動弁を開閉する電動弁開閉回転機2と、複数個の接続端子とを有する電動弁開閉回路5と、電動弁開閉回路に対応する接続端子と、手動スイッチの開閉接点とが設けられたテスト回路40とよりなり、テスト回路の接続端子をテストする電動弁開閉回路の対応する接続端子に接続することにより、ポンプ操作スイッチにてON・OFFされる複数個の開閉接点に関係なく、手動スイッチをONすることにより前記手動スイッチの開閉接点を介して前記補機用遮断機を励磁し電動弁開閉回転機を駆動し電動弁のテストをできるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発電所の復水系統のポンプの吐出側にある電動弁の電動弁開閉テスト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発電所の復水系統ではタービンで使用した蒸気を復水器内において海水で冷却し、再び水に戻した復水を脱気器へ送水するためにポンプが用いられている。そのポンプの吐出側には電動弁が設けられており、電動弁はポンプが運転すると全開し復水系統に水を供給し、ポンプの停止命令で全閉し復水系統の水の供給を停止している。
【0003】
ところで電動弁は定期的あるいは必要に応じて分解点検する必要がある。分解点検において、トルクスイッチやリミットスイッチを取替えたり、すり合わせ等の作業をするが、これら作業後テストをする必要がある。
【特許文献1】該当なし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動弁は定期的あるいは必要に応じて分解点検しトルクスイッチやリミットスイッチを取り替えたり、すり合わせ等の作業した後テストをする。しかしポンプの出口にある電動弁はポンプの運転・停止に応じてON・OFFさせるため、中央制御室あるいは現場に電動弁を開閉する操作スイッチが無く、電動弁を単独では開閉することが出来ない。
【0005】
電動弁のテストするにはコントロール回路での通常の動作時と同様な条件の設定し電動弁の開閉をする必要があったので、条件設定に時間が掛り、また異常が発生したときの対応に遅れを生じる恐れがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、条件設定なしで簡単に電動弁の開閉テストが行えるようにするものであり、開閉接点を開放する異常検知スイッチリレーと、ポンプ操作スイッチにてON・OFFされる複数個の開閉接点と、前記複数個の開閉接点がONされることにより励磁され切替リレースイッチを切替える補機用遮断機と、前記切替リレースイッチを介して電力が供給され電動弁を開閉する電動弁開閉回転機と、前記各接点に接続されている複数個の接続端子とを有する電動弁開閉回路と、前記電動弁開閉回路に対応する接続端子と、前記異常検知リレーにて動作されるテスト用スイッチリレーと、手動にてON・OFFされる開閉接点とが設けられたテスト回路とよりなり、前記テスト回路の接続端子をテストする電動弁開閉回路の対応する接続端子に接続することにより、前記ポンプ操作スイッチにてON・OFFされる複数個の開閉接点に関係なく、手動スイッチONすることにより前記手動スイッチの開閉接点を介して前記補機用遮断機を励磁し、前記切替リレースイッチを切替え、電動弁の開閉を行う電動弁開閉回転機を駆動し電動弁のテストをできるようにした電動弁開閉テスト装置を提供する。
【0007】
本発明の前記異常検知スイッチは電動弁開閉回転機が設定温度以上に上昇または設定トルク以上になったときON・OFFする開閉接点を有し、回転機開閉スイッチリレーを励磁・無励磁し、テスト用回転機温度スイッチ補助リレーは前記異常検知スイッチの接点がONすることにより励磁され補機用遮断機への電力の供給を停止する開閉接点を有する電動弁開閉テスト装置を提供する。
【0008】
本発明の前記異常検知スイッチは電動弁開閉回転機が設定温度以上に上昇または設定トルク以上になったときONする開閉接点を有する回転機スイッチであり、テスト用スイッチリレーは前記異常検知スイッチが動作することにより動作し補機用遮断機に電力を供給する開閉接点を有する電動弁開閉テスト装置を提供する。
【0009】
本発明は前記ポンプ操作スイッチにてON・OFFする複数個の開閉接点は前記ポンプ操作スイッチにてON・OFFする操作開閉接点と、ポンプの電動機が正常状態でONするポンプ開閉接点である電動弁開閉テスト装置を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電動弁開閉テスト装置はテスト回路の対応する接続端子に電動弁開閉回路の接続端子とを接続することにより、補機用遮断機を手動スイッチにてON・OFFする開閉接点を介して電源回路に接続されるようにしたので、電動弁開閉回路に設けたポンプ操作スイッチにてON・OFFされる開閉接点に関係なく補機用遮断機を励磁し、切替リレースイッチを切替え電動弁開閉回転機を駆動し電動弁のテストをできる。
【0011】
従って電動弁のテストするにはコントロール回路での通常の動作時と同様な条件の設定し電動弁の開閉をする必要がないので、電動弁は定期的あるいは必要に応じて分解点検しトルクスイッチやリミットスイッチを取替えたり、すり合わせ等の作業した後簡単にテストをすることができる。
【0012】
しかも本発明の電動弁開閉テスト装置は異常を感じたときにはテスト温度開閉接点あるいはトルク開閉接点が動作する以前でも手動スイッチをOFFすれば補機用遮断機を無励磁にできるので、迅速に対応できる。
【0013】
本発明の電動弁開閉テスト装置は電動弁開閉回路およびテスト回路の接続端子をオス型プラグおよびメス型プラグに収納することにより、テスト時の手間が更に簡単となり、且つ誤配線が防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1から図3に従って本発明の電動弁開閉テスト装置を説明する。
【0015】
図1は本発明の電動弁開閉テスト装置でテストする電動弁開閉回路5の回路図である。
【0016】
電動弁1は発電所の復水系統に設置されているポンプの吐出側にある出口弁で、水を供給するときに全開し、停止するときに全閉する。電動弁1は電動弁開閉回転機が正回転すると開動作し、逆回転すると閉動作する。電動弁を開閉させる電動弁開閉回転機の各巻線uvwに電力を供給する端子板2は第1補機遮断機88Aが励磁することによりONされる切替リレースイッチ88A−1または第2補機遮断機88Bが励磁することによりONされる切替リレースイッチ88B−1およびヒューズフリーブレーカFFBを介して母線3に接続されている。母線3には440V、60Hzの3相交流電力が供給されている。
【0017】
電動弁開閉回路5は降圧トランス6およびヒューズフリーブレーカFFBを介して母線3に接続されている。降圧トランス6は母線3のuv相に接続されており、母線3より供給される440Vの電力を105Vの降圧する。
【0018】
異常検知スイッチの1つであるトルクスイッチはトルク開閉接点TLa、TLa、TLb、TLbとを有する。電動弁1の開閉時等に異常なトルクが発生したとき動作し、それまでOFFしているトルク開閉接点TLa、TLaをONし、それまでONしているトルク開閉接点TLb、TLbがOFFする。トルク開閉接点TLaがONすることでトルクスイッチ補助リレー15は励磁され、接点TLXがONする。この他異常検知スイッチには回転機温度スイッチ49、49Yを有する。回転機温度スイッチ49、49Yは通常OFFし、一定温度以上になったことを検出したときにONする。回転機温度スイッチ49YはON時に回転機温度スイッチ補助リレー49Xを励磁し、開閉接点49X1をOFFし、開閉接点49X2、49X2をONさせる。操作開閉接点3TXは復水ポンプ操作スイッチを「運転」位置にするとONし、「停止」位置にするとOFFする。
【0019】
復水ポンプの出口弁の操作補助リレー17は開閉指令用で、励磁したときにONする補助開閉接点3Xaと逆にOFFする補助開閉接点3Xbを有する。第1補機遮断機88Aの一方は温度開閉接点49X1、ポンプ操作スイッチ接点3−ACPにて開閉される操作開閉接点3TX、復水ポンプの状態により開閉する開閉接点51X、ポンプ開閉接点52Z1、52Z2、操作補助リレー17の補助開閉接点3Xaを介して降圧トランス6に接続されている。
【0020】
第1補機遮断機88Aの他方の端子は位置検出スイッチhbおよびトルク開閉接点TLbを介して降圧トランスの他方の端子に接続されている。第2補機遮断機88Bの一方の端子は温度開閉接点49X1および操作補助リレー17の補助開閉接点3Xbを介して降圧トランス6に接続されている。第2補機遮断機88Bの他方の端子は位置検出スイッチ1aおよびトルク接点TLbを介して降圧トランス6の他方の端子に接続されている。
【0021】
補助トランス8に接続されているREDランプRは中央制御室および現地コントロールセンターにあり、電動弁が全開時に、位置検出スイッチがON動作したときに赤色点灯する。補助トランス9に接続されているGREENランプGは中央制御室および現地コントロールセンターにあり、電動弁が全閉時に位置検出スイッチ1bがON動作したときに緑色点灯する。異常時には回転機温度スイッチ49が動作して回転機温度スイッチ補助リレー49Xの開閉接点49X2、49X2がONすることにより、REDランプRとGREENランプGが共に点灯する。
【0022】
電動弁開閉回路5には接続端子T212、T232、T242、T262、T312、T332、T342、T362を有する。接続端子T212には温度開閉接点49X1が接続され、接続端子T232、T262は温度開閉スイッチ49X2が接続されている。
接続端子T332は回転機温度スイッチ開閉リレー49Xの一端に接続され、接続端子T362は回転機温度スイッチ49の開閉接点49Yに接続されている。
【0023】
図2は図1の電動弁開閉回路をテストするテスト開閉装置の回路図である。オス・メス型の対をなす2組の接続プラグ10、11と接続プラグ12、13およびテスト機本体40よりなる。オス型プラグ10には接続端子211、231、241、261を有し、それと対をなすメス型プラグ11には接続端子212、232、242、262を有する。
【0024】
オス型プラグ12には接続端子311、331、341、361を有し、それと対をなすメス型プラグ13には接続端子312、332、342、362を有する。
【0025】
テスト機本体40には電動弁開閉回路5に設けた回転機温度スイッチ49Yの開閉接点がONすると励磁されるテスト用回転機温度スイッチ補助リレー49Zを有する。手動スイッチには接点50X、50Y、55を有し、接点55は手動スイッチを「切」位置にすると、OFFとなり電源を断ち、「切」位置以外はすべてONする。接点50Xは手動スイッチを「開」位置にするとONし、「開」位置以外はすべてOFFする。接点50Yは手動スイッチを「閉」位置にするとONし、「閉」位置以外はすべてOFFする。
【0026】
図1に従って、本発明の電動弁開閉テスト装置でテストする電動弁開閉回路の動作について説明する。復水系統に設置されているポンプの出口側にある電動弁1が正常状態にあるとき、ヒューズフリーブレーカの接点FFB−1および回転機温度スイッチの接点49YがOFFし、またトルクスイッチ補助リレー15は動作せず、トルクスイッチ補助リレースイッチ接点もOFFし、回転機温度スイッチ補助リレー49Xが無励磁状態で、温度開閉接点49X2、49X2はOFFし温度開閉接点49X1がONしている。
【0027】
復水ポンプはタービンで使用した蒸気を復水器内において海水で冷却し、再び水にもどした復水を脱気器へ送水するのに用いられる。ここで使用する復水ポンプの容量は1台当たり560t/hで、定格負荷(発電機出力[MWH])の1/2以下時は復水ポンプ(A機)1台で送水し、定格負荷1/2を超えると2台目の復水ポンプ(B機)を起動する。その他予備の復水ポンプ(C機)を備え、定例的に常用機と予備機の切替を行う。
【0028】
最初A機およびB機の復水ポンプが共に停止しており電動弁は全閉している。A機の復水ポンプを起動するため、ポンプ操作スイッチを「運転」位置にすると、ポンプ遮断機が「入」となり、ポンプ電動機が運転状態となる。
【0029】
ポンプ操作スイッチはスプリングの力により「運転」位置から「自動」位置へ復帰し、操作開閉接点3−A.CPがONする。A機の復水ポンプの電動機が正常状態であれば開閉接点51XがONしており、A機の復水ポンプ遮断機「入」でポンプ開閉接点52Z1がONする。それにより温度開閉接点49X1、操作開閉接点3−A.CP、開閉接点3TX、開閉接点51X、ポンプ開閉接点52Z1を経て降圧トランス6からの電力がA機の復水ポンプの出口弁の操作補助リレー17に供給され、操作補助リレー17が励磁される。
【0030】
操作補助リレー17が励磁されることにより補助開閉接点3XaがONし第1補機遮断機88Aが励磁され、切替リレースイッチ88A−1をON側に切替える。一方このとき操作補助リレー17が励磁されることにより補助開閉接点3XbがOFFし、第2遮断機88Bが励磁されないようにしている。(補助開閉接点3Xaと補助開閉接点3XbとはいずれかがONしているとき他方がOFFするようにして第1補機遮断機88Aと第2補機遮断機88Bとが同時に励磁されることがないようにしている)。
【0031】
切替リレースイッチ88A−1がON側に切替られることにより母線からの電力を各巻線uvwに電力を供給し、電動弁開閉回転機を正回転し電動弁1を開動作する。
【0032】
出口弁が全開になると位置検出スイッチhbがOFFし第1補機遮断機88Aが無励磁されることとなり、切替リレースイッチ88A−1がOFF側に切替られ、電動弁1の電動弁開閉回転機の各巻線uvwに電力の供給を停止し、電動弁開閉回転機が停止する。
【0033】
A機の復水ポンプが停止していてもB機の復水ポンプが運転していれば開閉接点52Z2がONし、操作補助リレー17を励磁し続け電動弁1を全開に保持する。このときREDランプRにはこのときONする位置検出スイッチhaとトルク開閉接点TLbを介して電流が流れ、赤色に点灯し電動弁1が全開していることを表示する。
【0034】
A機の復水ポンプを停止するため、復水ポンプ操作スイッチを「停止」位置にすると、操作開閉接点3TXがOFFし、操作補助リレー17が無励磁となり補助開閉接点3XaがOFFされ、補助開閉接点3XbがONする。それにより第1補機遮断機88Aが無励磁され、第2補機遮断機88Bが励磁される。
【0035】
第2補機遮断機88Bが励磁され、切替リレースイッチ88B−1をON側に切替える。切替リレースイッチ88B−1がON側に切替られることにより母線からの電力を端子板2の各巻線uvwに前述とは逆相で電力を供給し、電動弁開閉回転機を逆回転し電動弁1を閉動作する。位置検出スイッチlaがOFFし第2補機遮断機88Bが無励磁されると、切替リレースイッチ88B−1がOFF側に切替られ、電動弁1の電動弁開閉回転機の各巻線uvwに電力の供給を停止し、電動弁開閉回転機が停止する。
【0036】
このときGREENランプGには位置検出スイッチlbとトルク開閉接点TLbを介して電流が流れ、緑色に点灯し電動弁1が全閉していることを表示する。
【0037】
ところで負荷が重く定格以上の電流が流れたとき、電動弁の前後で差圧があるとき、グランド部の増し締めが過大で開閉動作に力がかかったとき、あるいは弁体やアクチュエーターに引っかかりがあると開閉動作しないため過剰な電流が流れ、第1補機遮断機88Aの下に設置してあり、電動弁開閉回転機に過剰な電流が流れると、ジュール熱により温度上昇を検出し、設定値以上となると動作して異常検知スイッチの1つである回転機温度スイッチ49が動作し、接点49YがONし、回転機温度スイッチ補助リレー49Xを励磁し、開閉接点49X1をOFFしそのとき励磁されている第1補機遮断機88Aまたは第2補機遮断機88Bを直ちに無励磁にし保護する。
【0038】
回転機温度スイッチ補助リレー49Xの開閉接点49X2、49X2がONすると、REDランプRおよびGREENランプGが共に点灯して異常状態を知らせる。
【0039】
電動弁1の全開位置、全閉位置あるいは中間位置で、回転機温度スイッチ49と同様に、負荷が重く定格以上の電流が流れたとき、電動弁の前後で差圧があるとき、グランド部の増し締めが過大で開閉動作に力がかかったとき、あるいは弁体やアクチュエーターに引っかかりがあるときに、異常トルクが発生すると、もう1つの異常検知スイッチリレーである電動弁開閉回転機のコイルの温度が異常に上昇する前にトルクスイッチTLa、TLa、TLb、TLbが動作する。それによりそれまでONしていたトルク開閉接点TLbをOFFし、OFFしていたトルク開閉接点TLaをONし、トルクスイッチ補助リレー15が励磁する。
【0040】
そのとき励磁されている第1補機遮断機88Aまたは第2補機遮断機88Bを直ちに無励磁にし保護する。
【0041】
電動弁1を定期的あるいは必要に応じて分解点検しトルクスイッチやリミットスイッチを取替えたり、すり合わせ等の作業した後テストをする必要がある。
【0042】
テストを行うには電動弁開閉回路5にあるオス型プラグとメス型プラグとを切り離し、切り離したオス型プラグとメス型プラグにテスト回路のメス型プラグとオス型プラグとをそれぞれ結合する。第1補機遮断機88Aはテスト用回転機温度スイッチ補助リレー開閉接点49Z1、手動スイッチでON・OFFされる開閉接点55、手動スイッチで切替えられる開閉接点50Xおよび位置検出スイッチhbとトルク開閉接点TLbを介して降圧トランス6に接続される。従って操作開閉接点3−A.CP、操作開閉接点3TX、開閉接点51X、ポンプ開閉接点52Z1および補助開閉スイッチ3Xa等に関係が無く、第1補機遮断機88Aは電源回路に接続される。
【0043】
また第2補機遮断機88Bもテスト用回転機温度スイッチ補助リレー開閉接点49Z1、開閉接点55、開閉接点50Yおよび位置検出スイッチ1aとトルク開閉接点TLbを介して降圧トランス6に接続される。
【0044】
電動弁1の開動作のテストを行うには、手動スイッチを開に位置にし、開閉接点50XをONさせると、テスト用回転機温度スイッチ補助リレー開閉接点、開閉接点55、開閉接点50Xを介して第1補機遮断機88Aに電力が供給され、第1補機遮断機88Aが励磁され、切替リレースイッチ88A−1をON側に切替える。切替リレースイッチ88A−1がON側に切替られることにより母線からの電力を端子板2の各巻線uvwに電力を供給し、電動弁開閉回転機を正回転し電動弁1を開動作する。
【0045】
正常状態なら出口弁が全開になると、位置検出スイッチhbが開放し第1補機遮断機88Aが無励磁されるとなり、切替リレースイッチ88A−1がOFF側に切替られ、電動弁1の電動弁開閉回転機の各巻線uvwに電力の供給を停止し、電動弁開閉回転機が停止する。
【0046】
電動弁1の閉動作のテストを行うには、手動スイッチを閉の位置にし、開閉接点50XをOFFし、開閉接点50YをONさせる。それにより第1補機遮断機88Aが無励磁され、テスト用回転機温度スイッチ補助リレー開閉接点49Z1、開閉接点55、開閉接点50Yを介して第2補機遮断機88Bに電力が供給され、第2補機遮断機88Bが励磁される。
【0047】
第2補機遮断機88Bが励磁され、切替リレースイッチ88B−1をON側に切替える。切替リレースイッチ88B−1がON側に切替られることにより母線からの電力を各巻線uvwに前述とは逆相で電力を供給し、電動弁開閉回転機を逆回転し電動弁1を閉動作する。出口弁が全閉になると位置検出スイッチ1aがOFFし第2補機遮断機88Bが無励磁されるとなり、切替リレースイッチ88B−1がOFF側に切替られ、電動弁1の電動弁開閉回転機の各巻線uvwに電力の供給を停止し、電動弁開閉回転機が停止する。このときGREENランプGには位置検出リレー1b、トルクスイッチTLbを介して電流が流れ、緑色に点灯し電動弁1が全閉していることを表示する。
【0048】
開閉動作中(中間開度)にトルクスイッチを強制的に動作させ、電動機の停止、ランプ表示の確認および警報の出力を確認する。また、全開および全閉用の位置検出スイッチを強制動作させ、電動機の停止およびランプ表示の確認を行う。
【0049】
ところでテストを行っているとき、負荷が重く定格以上の電流が流れたとき、電動弁が前後で差圧がありグランド部の増し締めが過大で開閉動作に力がかかったとき、あるいは弁体やアクチュエーターに引っかかりがあると開閉動作しないため過剰な電流が流れ、電動弁開閉回転機に過剰な電流が流れると、ジュール熱により温度上昇を検出し、設定値以上となると回転機温度スイッチ49が動作し、接点49YをONし、それによりテスト用回転機温度スイッチ補助リレー49Zが励磁し、テスト用回転機温度スイッチ補助リレー開閉接点49Z1をOFFし、回転機温度スイッチ49Z2をONする。そのとき励磁されている第1補機遮断機88Aまたは第2補機遮断機88Bを直ちに無励磁にし保護する。これにより電動弁開閉回路等に異常があることが検知される。
【0050】
電動弁1の全開位置、全閉位置あるいは中間位置で、回転機温度スイッチ49と同様に、負荷が重く定格以上の電流が流れたとき、電動弁の前後で差圧があるとき、グランド部の増し締めが過大で開閉動作に力がかかったとき、あるいは弁体やアクチュエーターに引っかかりがあるときに、異常トルクが発生し電動弁開閉回転機コイルの温度が異常に上昇する前にトルクスイッチTLa、TLa、TLb、TLbが動作する。
【0051】
それによりそれまでONしていたトルク開閉接点TLbをOFFし、OFFしていた開閉接点TLaをONし、トルクスイッチ補助リレー15が励磁する。そのとき励磁されている第1補機遮断機88Aまたは第2補機遮断機88Bを直ちに無励磁にする。
【0052】
尚、テストを行っている電動弁開閉回路5に異常が発見されたとき、テスト用回転機温度スイッチ補助リレー49Zあるいはトルクスイッチ補助リレー15が異常を検知する前でも開閉接点55を手動でOFFさせることにより、第1補機遮断機88Aまたは第2補機遮断機88Bを直ちに無励磁にし迅速に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の電動弁開閉テスト装置でテストを行う電動弁開閉回路図である。
【図2】本発明の電動弁開閉テスト装置の回路図である。
【図3】本発明の電動弁開閉テスト装置を電動弁開閉回路に接続した回路図である。
【符号の説明】
【0054】
1 電動弁
3 母線
5 電動弁開閉回路
6 降圧トランス
8 補助トランス
15 トルクスイッチ補助リレー
40 テスト機本体
49 回転機温度スイッチ
49Z テスト用回転機温度スイッチ補助リレー
49Z1 テスト用回転機温度スイッチ補助リレー開閉接点
55 開閉スイッチ
88A 第1補機遮断機
88B 第2補機遮断機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉接点を開放する異常検知スイッチリレーと、ポンプ操作スイッチにてON・OFFされる複数個の開閉接点と、前記複数個の開閉接点がONされることにより励磁され補機用遮断機の接点を切替える補機用遮断機と、前記切替リレースイッチを介して電力が供給され電動弁を開閉する電動弁開閉回転機と、前記各接点に接続されている複数個の接続端子とを有する電動弁開閉回路と、
前記電動弁開閉回路に対応する接続端子と、前記異常検知リレーにて動作されるテスト用スイッチリレーと、手動にてON・OFFされる開閉接点とが設けられたテスト回路とよりなり、
前記テスト回路の接続端子をテストする電動弁開閉回路の対応する接続端子に接続することにより、前記ポンプ操作スイッチにてON・OFFされる複数個の開閉接点に関係なく、手動スイッチをONすることにより前記手動スイッチの開閉接点を介して前記補機用遮断機を励磁し、前記切替リレースイッチを切替え、電動弁の開閉を行う電動弁開閉回転機を駆動し電動弁のテストをできるようにしたことを特徴とする電動弁開閉テスト装置。
【請求項2】
前記異常検知スイッチは電動弁開閉回転機が設定温度以上に上昇または設定トルク以上になったときON・OFFする開閉接点を有し、開閉スイッチリレーを励磁・無励磁し、テスト用回転機温度スイッチ補助リレーは前記異常検知スイッチの接点がONすることにより励磁され補機用遮断機への電力の供給を停止する開閉接点を有することを特徴とする請求項1記載の電動弁開閉テスト装置。
【請求項3】
前記ポンプ操作スイッチにてON・OFFする複数個の開閉接点は前記ポンプ操作スイッチにてON・OFFする操作開閉接点と、ポンプの電動機が正常状態でONするポンプ開閉接点であることを特徴とする請求項1記載の電動弁開閉テスト装置。
【請求項4】
前記電動弁開閉回路に有する接続端子をメス型プラグに収納し、テスト回路に有する接続端子をオス型プラグに接続し、テスト時に前記メス型プラグとオス型プラグとを結合することを特徴とした請求項1記載の電動弁開閉テスト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−64259(P2008−64259A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−244940(P2006−244940)
【出願日】平成18年9月11日(2006.9.11)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】