説明

電動式ブラシ装置

【課題】頭皮のあらゆる箇所に、ブラシ部を正対させることができるようにする。
【解決手段】駆動部としての電動式ブラシ装置本体2と、この電動式ブラシ装置本体2により動作するブラシ部3とを有する。このブラシ部3は、可撓性を有する材質から成る基板4と、この基板4の表面4Sに突出して設けられた複数の突起5を有して構成される。前記電動式ブラシ装置本体2に、前記基板4の周縁を保持する枠体6を設ける。そして、前記枠体6を前記電動式ブラシ装置本体2に対して支持手段7を介して揺動可能に設ける。これによって、前記ブラシ部3が頭皮Sに正対していない状態で当接したとしても、前記突起5の当接状態に応じて前記ブラシ部3が前記電動式ブラシ装置本体2に対し揺動するので、前記ブラシ部3が頭皮Sに正対する状態に自動修正できる。
【選択図】 図

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動式ブラシ装置に関するものであり、特に、頭皮の洗浄やマッサージ等に使用することができる電動式ブラシ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電動式ブラシ装置として、駆動部と、この駆動部によって動作する施療部(本願発明のブラシ部に相当する)とを有し、前記駆動部に、前記施療部の基板の周縁を前記駆動部に対する位置関係が固定された状態で着脱自在に保持する枠体を設けると共に、前記基板の中心に接続して該基板の面と交差する方向にこの基板を撓ませる往復駆動手段を設け、前記施療部が、可撓性を有する材質から成る前記基板と、この基板に突出して設けられた複数の突起とで構成されるマッサージ装置が知られている。そして、このマッサージ装置では、使用者は、駆動部を把持し、突起の先端部を頭皮に押し当てて手で保持し、前記往復駆動手段によって前記施療部の基板を撓ませることで、この基板の撓みに伴って、この基板に設けられた複数の前記突起を繰り返し倒したり起こしたりさせることで相互に開閉させ、これらの相互に開閉する突起によって、揉んだり擦ったり叩いたりするように、頭皮を複雑にマッサージすることができるものである。これは、図7及び図8に示すように、駆動部101により駆動される施療部102における基板103が下に撓んだ湾曲凸状態と上に撓んだ湾曲凹状態との間で変形を繰り返す際、中心側から周辺側に配置された複数種類の突起104,105,106,107が、前記基板103の撓みに伴って動くことで、頭皮Sに押し当てられた前記突起104,105,106,107によって頭皮Sを指先で行うようにマッサージすることができるというものである(例えば特許文献1,2)。
【0003】
また、このような電動式ブラシ装置において、駆動部の枠体に対して基板の縁を摺動自在に設けたものも知られている(例えば特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−229159号公報
【特許文献2】特開2008−206902号公報
【特許文献3】特開2006−187544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術にあっては、使用者は、複数の突起104,105,106,107を頭皮Sに数多くほぼ均等に当てるためには、前記施療部102が頭皮Sに対して正対するように前記駆動部101を保持する必要がある。
【0006】
しかしながら、頭皮は頭頂部では上向き、頭側部では横向きとなっており、このような頭皮に前記施療部が正対するように前記マッサージ装置本体を保持するには、頭皮の位置によって前記施療部の向きを変えるようにする必要があるが、手首をひねったり前記駆動部を持ち直したりしなければ、前記施療部を頭皮に正対させることができないという虞があった。また、人間の頭部は単純な形状ではないため、従来のマッサージ装置では、頭部の表面、即ち頭皮を良好にマッサージ或いは洗浄することができないという虞があった。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、駆動装置にブラシ部を接続して、このブラシ部の突起を頭皮に押し当てて頭皮を指先で行うように洗浄又はマッサージする電動式ブラシ装置において、頭部のいかなる箇所の頭皮に対しても、前記ブラシ部の突起を正対できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、駆動部と、この駆動部によって動作するブラシ部とを有し、このブラシ部が、可撓性を有する材質から成る基板と、この基板の表面に突出して設けられた複数の突起とで構成され、前記駆動部に、前記基板の周縁を保持する枠体を設けた電動式ブラシ装置において、前記枠体が前記駆動部に対し支持手段を介して可動に設けられていることを特徴とする電動式ブラシ装置である。
【0009】
また、請求項2の発明は、前記支持手段が、軸及びこの軸と接続される軸受部とから構成されると共に、前記軸の揺動中心軸線が、前記基板の中心軸線に対して交差することを特徴とする請求項1記載の電動式ブラシ装置である。
【0010】
更に、請求項3の発明は、前記枠体が弾性変形可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電動式ブラシ装置である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、前記突起の当接状態に起因して、前記ブラシ部を支持する枠体が前記支持手段によって前記駆動部に対して動くので、前記ブラシ部が頭皮に正対する状態に自動修正できる。
【0012】
また、前記支持手段を、軸及びこの軸と接続される軸受部とで構成し、前記軸の揺動中心軸線を、前記基板の中心軸線に対して交差させたことで、前記軸を中心に、前記枠体に保持された前記ブラシ部を頭皮に対し自動的に正対させることができる。
【0013】
更に、前記枠体を弾性変形可能に構成したことで、頭皮の形状に合わせて前記枠体が弾性変形するので、前記ブラシ部の突起を頭皮に対して良好に接触させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例1を示す斜視図である。
【図2】同、全体断面図である。
【図3】同、全体の分解斜視図である。
【図4】同、枠体の外観図であり、(a)は自然状態、(b)及び(c)は撓んだ状態を示すものである。
【図5】同、要部の断面図である。
【図6】本発明の実施例2を示す断面図である。
【図7】従来例を示す湾曲凸状態のブラシ部周りの断面図である。
【図8】従来例を示す湾曲凹状態のブラシ部周りの断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0016】
図1〜図5は実施例1を示している。なお、本例においては、図2の姿勢を基準として上下を規定する。1は本発明の電動式ブラシ装置である。この電動式ブラシ装置1は、駆動部としての電動式ブラシ装置本体2と、この電動式ブラシ装置本体2の下部側に着脱自在に保持されるブラシ部3とを有して構成されている。
【0017】
そして、前記ブラシ部3は、基板4と、この基板4の表面4Sと交差する方向である下方側に突出して一体に設けられた突起5とで構成されている。また、前記基板4は、平面視で楕円状であって、可撓性及び弾性を有するエラストマーによって形成されている。そして、前記基板4の縁4Aは、前記電動式ブラシ装置本体2の底面部2B側に設けられた枠体6に固定されている。なお、ここで言う「固定」とは、多少の動きを許容して接続される状態を含むものであり、本実施例では、前記基板4の縁4Aを前記枠体6に嵌合させることで、両者を全周に亘って着脱自在に接続している。なお、図中4Hは、前記基板4の長径方向の一端に、一体に設けられた摘みである。
【0018】
前記枠体6は、弾性変形可能な合成樹脂製であって、平面視で楕円環状に形成されている。そして、前記枠体6は、前記電動式ブラシ装置本体2の底面部2Bより隙間Lを隔ててやや下方に設けられている。また、前記枠体6は、前記電動式ブラシ装置本体2に対して揺動自在に設けられている。また、前記枠体6の上面には、傾斜面6Aが形成されている。この傾斜面6Aは、自然状態において、内側(後述する中心線軸X側)から外側に向けて次第に低くなるように形成されている。一方、前記枠体6の下面6Bは、自然状態において、水平に形成されている。そして、前記ブラシ部3の基板4の、内側に倒U字状或いは倒コ字状に折り返された縁4Aが、前記枠体6の外縁6Cに嵌合している。この際、前記枠体6に傾斜面6Aが形成されていることで、前記外縁6Cが薄くなっているので、前記縁4Aを、前記枠体6の外縁6Cに嵌合させ易くなっている。なお、前記枠体6の内側に形成された窓孔6Dには、エラストマー等の可撓性及び弾性を有する材質から成るシート6Eが張設されている。そして、このシート6Eの中央には、後述する接続中継部材17及びフック17Aが設けられている。更に、楕円環状の前記枠体6における短径上には、一対の支柱状の吊下部材6Fが対称に立設されている。なお、前記吊下部材6Fは、前記隙間Lの寸法よりも長く形成されている。
【0019】
前記枠体6は、前記電動式ブラシ装置本体2に対して、支持手段7によって揺動自在に支持されている。この支持手段7は、軸8と、軸受部8Aとで構成されている。そして、前記軸受部8Aは、前記電動式ブラシ装置本体2の底面部2Bに形成された一対の凹部2Cに設けられており、これらの凹部2Cに、前記吊下部材6Fの上部がそれぞれ挿入される。そして、前記吊下部材6Fは、前記軸受部8Aに対し、前記軸8によって回動自在に接続されている。また、前記軸8の回動中心軸線Yは、後述する中心線軸Xに対して直交している。
【0020】
前記電動式ブラシ装置本体2は、底面側が開口すると共に片手で把握可能な大きさを有するケース本体2Aと、このケース本体2Aの開口した底面側を閉塞する前記底面部2Bとを有して構成されている。この底面部2Bは、底板9と覆い体11とを有する。そして、前記底板9は、平面視で楕円状に形成されており、前記ケース本体2Aの底縁にその外周が固定されていると共に、前記底板9の中央部には上下方向に貫通する円形の窓孔10が形成されており、この窓孔10を覆って伸縮可能な前記覆い体11が設けられている。この覆い体11は、例えばゴム或いは合成ゴムやエラストマー等の可撓性を有する材質から成る蛇腹状の膜によって、前記窓孔10を水密に封ずるように設けられている。そして、前記電動式ブラシ装置本体2の内部には、前記基板4の中央部を上下方向に往復動させる往復駆動手段12が設けられている。この往復駆動手段12は、駆動源としてのモータ13と、このモータ13のモータ軸13Aに減速歯車機構14を介して接続されるクランク15と、このクランク15の偏心軸15Aと結合したヨーク16と、このヨーク16と一体に形成されたロッド16Aを備えている。このように、本実施例では、所謂スコッチ・ヨーク機構を採用したが、クランク機構を採用しても良い。なお、前記覆い体11のほぼ中央には、接続中継部材17が一体的に取り付けられている。この接続中継部材17は、その上面側と前記ロッド16Aの下端とで前記覆い体11を挟持して固定すると共に、その下面側にフック17Aが設けられており、このフック17Aに、前記基板4中央の上面に設けられたフック受け部4Bが着脱自在に接続されている。従って、前記接続中継部材17は、前記モータ13の回転運動が前記クランク15とヨーク16とで往復運動に変換されることで、上下方向に往復運動するようになっている。これにより、前記フック受け部4Bが設けられた位置が、前記基板4における最大振幅部となり、その振幅は、前記クランク15の中心軸から前記偏心軸15Aまでの偏心距離Fの2倍(2F)となる。また、前記フック受け部4B及び接続中継部材17を通って上下方向に仮想的な中心軸線Xが形成される。また、前記電動式ブラシ装置本体2の内部には、前記モータ13に電力を供給するための電池18が設けられていると共に、前記電動式ブラシ装置本体2の上面側表面には、前記モータ13を操作するためのスイッチ19が設けられている。
【0021】
更に、前記基板4には、前記枠体6とシート6Eとブラシ部3とで囲まれる領域の内外を連通する小貫通孔状の第一連通部21及び第二連通部22が設けられる。そして、前記領域には、前記連通部21,22に連通すると共に前記基板4の撓みに応動するシャンプーの収容体26が設けられる。また、前記中心軸線Xを中心として、複数の小突起27が環状に並べて設けられていると共に、これらの小突起27同士を接続するように、環状壁28が設けられている。また、前記基板4の表面4Sからの前記環状壁28の突出寸法は、前記小突起27の突出寸法より小さくなっている。なお、前記小突起27と環状壁28によって、前記基板4が内外に区画される。そして、前記第二連通部22は、前記小突起27と環状壁28によって囲まれた区域に形成されている。一方、前記第一連通部21は、前記小突起27と環状壁28の外側の区域に形成されている。
【0022】
前記収容体26は、前記基板4の撓みに応動して、圧縮及び復元を繰り返すことで、前記シャンプーを前記各連通部21,22から吸引したり吐出したりさせるようになっている。なお、前記収容体26は、実施例では弾性体である連続気泡型の発泡ポリウレタンや発泡ゴム等から成る合成スポンジ或いは海綿(天然スポンジ)等によって形成されており、図2に示すように、前記基板4が下に撓んだ湾曲凸状態のときに、前記収容体26はほぼ非圧縮状態或いはやや圧縮状態となって、前記枠体6とシート6Eと基板4の上面との間に介在している。即ち、前記基板4が下に撓んだ湾曲凸状態のときに、前記収容体26の上面26Aは前記枠体6の下面6B及びシート6Eに接するか或いは近接し、前記収容体26の下面26Bは前記基板4の上面に接するか或いは近接し、更に前記収容体26の外周26Cは前記基板4の縁4Aに接するか或いは近接している。一方、前記収容体26の中心部には、前記中心軸線Xに沿って貫通孔26Dが形成されている。そして、この貫通孔26Dを通して、前記フック受け部4Bと前記フック17Aが接続できるように構成されている。
【0023】
次に、前記構成について、その作用を説明する。頭皮Sを洗浄したりマッサージしたりする場合、まず使用者は、予め前記収容体26に適量の水を含ませておく。なお、水は前記電動式ブラシ装置1を水に浸けることで、前記各連通部21,22を介して前記収容体26に吸収される。そして、前記基板4の表面4Sを上向きとし、前記小突起27と環状壁28に囲まれた区域に適量のシャンプーを乗せる。この際、前記小突起27と環状壁28で囲まれた区域に乗せられた前記シャンプーは、過剰に乗せない限り、前記小突起27と環状壁28の外側の区域に流れ出すことはない。そして、少量のシャンプーは、前記第二連通部22から前記収容体26側に染み込む。
【0024】
次に、前記スイッチ19を操作すると、前記電池18から電力が給電されることで、前記モータ13が作動して前記モータ軸13Aが回転する。この回転に伴い、前記モータ軸13Aに前記減速歯車機構14を介して接続された前記クランク15が回転し、このクランク15及びこのクランク15の偏心軸15Aと結合した前記ヨーク16によって、前記モータ軸13Aの回転運動が往復運動に変換され、前記ヨーク16と一体に形成されたロッド16Aの下端に取り付けられた前記接続中継部材17が上下に往復動する。そして、前記基板4は、前記接続中継部材17に設けられた前記フック17Aに接続された前記フック受け部4B、即ち、前記基板4の中央が最大振幅箇所となるように、従来技術と同様に下に撓んだ湾曲凸状態と上に撓んだ湾曲凹状態との間で変形を繰り返し、その前記最大振幅個所における振幅は、前記クランク15の中心軸から偏心軸15Aまでの偏心距離Fの2倍(2F)となる。
【0025】
このように、前記基板4が下に撓んだ湾曲凸状態と上に撓んだ湾曲凹状態との間で変形を繰り返すことで、前記基板4と枠体6の下面6Bとシート6Eの間の空間が圧縮、復元を繰り返すことになり、この結果、前記収容体26は前記基板4の撓みに応動して圧縮、復元を繰り返す。そして、前記収容体26が圧縮状態から復元する際に、前記基板4と枠体6の下面6Bとシート6Eの間の空間が減圧状態となることで、前記環状小突起27と環状壁28の内側区域に乗せられた前記シャンプーが前記第二連通部22から吸引されて前記空間内に流入し、前記収容体26に収容される。逆に、前記収容体26が圧縮される際に、この収容体26に収容された前記シャンプーは、前記第二連通部22より噴出されることとなる。なお、前記シャンプーは、前記第二連通部22を通して押し出される際に空気と混じり合うことで泡立つ。そして、このように前記収容体26の変形が繰り返されることで、前記シャンプーが徐々に前記収容体26の中央から外周側に広がってゆき、これによって、前記第一連通部21からも、泡立てられた前記シャンプーが押し出されることになる。このように、湾曲凸状態と湾曲凹状態との間で繰り返される前記基板4の変形に応動して前記収容体26が圧縮、復元を繰り返すことで、前記小突起27及び環状壁28の内側区域に乗せられた前記シャンプーは、泡立てられて、前記ブラシ部3全体から外部に供給される。なお、前記シャンプーは、前記連通部21,22を通過する際に細かく泡立てられることになる。そして、前記シャンプーは、前記連通部21,22の孔の径が小さい程、細かく泡立てられることになる。
【0026】
このように、前記シャンプーが泡立てられた状態で、使用者は、前記電動式ブラシ装置本体2を把持し、前記突起5の先端部を前記頭皮Sに押し当てて手で保持する。これにより、主として前記突起5は、前記中心軸線Xを中心としてその内側方向に傾斜したり、或いはその後起立したりすることを繰り返すことで、前記頭皮Sを擦って洗浄したり、刺激を与えてマッサージしたりすることができる。
【0027】
この際、頭皮Sに前記ブラシ部3を正対させることにより複数の前記突起5を頭皮Sに均等に当接させる必要があるが、使用者はこの状態を正確に視認できないので、前記電動式ブラシ装置本体2を把持した状態では、前記ブラシ部3は頭皮Sに対して大まかに対向する状態となる。しかしながら、前記ブラシ部3が頭皮Sに正対していない(前記中心軸線Xが頭皮Sに対して傾斜している)状態にあっては、図2の矢印Zに示すように、前記ブラシ部3が前記電動式ブラシ装置本体2に対して前記軸8の揺動中心軸線Yを中心に揺動することで、前記ブラシ部3が自動的に頭皮Sに正対した状態で当接できるようになるので、複数の前記突起5によって、頭皮Sを均一に洗浄したりマッサージしたりすることができる。
【0028】
なお、人間の頭部は、実際には単純な形状ではないので、前記ブラシ部3が頭部表面、即ち頭皮Sに正対しただけでは、必ずしも突起5によって頭皮Sが良好に洗浄されたりマッサージされたりするとは限らない。しかしながら、前述したように、前記枠体6が弾性変形可能に構成されているので、前記ブラシ部3を頭皮Sに押しつけることで、頭皮Sの形状に応じて前記ブラシ部3の基部4が撓み、この基部4の撓みに応じて、前記ブラシ部3を固定している前記枠体6も撓むことになる。なお、前記枠体6は、その両端が湾曲するように変形したり(図4(b))、捻れるように変形したり(図4(c))することができる。このように、前記ブラシ部3の基部4を頭皮Sの形状に応じて変形させることができるので、前記突起5によって、頭皮Sをより良好に洗浄したりマッサージしたりすることができる。
【0029】
以上のように、前記実施例では、電動式ブラシ装置本体2と、この電動式ブラシ装置本体2によって動作するブラシ部3とを有し、このブラシ部3が、可撓性を有する材質から成る基板4と、この基板4の表面4Sに突出して設けられた複数の突起5とで構成され、前記電動式ブラシ装置本体2に、前記基板4の周縁を着脱自在に保持する枠体6を設け、前記枠体6を、前記電動式ブラシ装置本体2に対し支持手段7を介して揺動可能に設けたことにより、前記ブラシ部3が頭皮Sに正対していない状態で突起5が当接したとしても、前記突起5の当接状態に応じて前記ブラシ部3が前記電動式ブラシ装置本体2に対して揺動するので、前記ブラシ部3が頭皮Sに正対するように自動修正でき、前記ブラシ部3の複数の突起5を頭皮Sに均一に当接させて、頭皮Sを良好に洗浄或いはマッサージすることができる。
【0030】
また、前記枠体6が、軸8及び軸受部8Aから構成される前記支持手段7によって接続されると共に、前記軸8の揺動中心軸線Yを、前記基板4の中心軸線Xに対して直交させることで、前記軸8を揺動中心軸線Yとして、前記枠体6に保持された前記ブラシ部3を頭皮Sに対し自動的に正対させることができる。
【0031】
更に、前記枠体6を弾性変形可能に構成したことで、頭皮Sの形状に応じて前記枠体6、ひいては前記枠体6に取り付けられた前記ブラシ部3が弾性変形するので、前記ブラシ部3の突起5を頭皮Sに対して良好に接触させることができる。
【実施例2】
【0032】
図6は実施例2を示しており、前記実施例1と同一部分には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。実施例2の支持手段7´においては、電動式ブラシ装置本体2の底面部2Bから、一対の支柱状の吊下部材7´Aをそれぞれ下向きに設け、この吊下部材7´Aの下部に、軸8´を介して枠体6の上面に形成された軸受部6´Fを回動自在に接続したものであり、前記軸8´の揺動中心軸線(図示せず)は中心軸線(図示せず)に対して直交している。
【0033】
従って、前記突起5の当接状態に応じて前記ブラシ部3が前記電動式ブラシ装置本体2に対して軸8´を揺動中心として揺動するので、前記ブラシ部3が頭皮Sに正対するように自動修正できる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上のように本発明に係る電動式ブラシ装置は、以上の実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施例では、頭皮等の洗浄及びマッサージに使用可能な電動式ブラシ装置について述べたが、人体のあらゆる箇所に対して使用可能なマッサージ装置に適用しても良い。
【符号の説明】
【0035】
1 電動式ブラシ装置
2 電動式ブラシ装置本体(駆動部)
3 ブラシ部
4 基板
4S 表面
5 突起
6 枠体
7,7´ 支持手段
8,8´ 軸
8A,8´A 軸受部
X 中心軸線
Y 揺動中心軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部と、この駆動部によって動作するブラシ部とを有し、このブラシ部が、可撓性を有する材質から成る基板と、この基板の表面に突出して設けられた複数の突起とで構成され、前記駆動部に、前記基板の周縁を保持する枠体を設けた電動式ブラシ装置において、
前記枠体が前記駆動部に対し支持手段を介して可動に設けられていることを特徴とする電動式ブラシ装置。
【請求項2】
前記支持手段が、軸及びこの軸と接続される軸受部とから構成されると共に、前記軸の揺動中心軸線が、前記基板の中心軸線に対して交差することを特徴とする請求項1記載の電動式ブラシ装置。
【請求項3】
前記枠体が弾性変形可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電動式ブラシ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−166980(P2010−166980A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−10335(P2009−10335)
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【出願人】(000109325)ツインバード工業株式会社 (176)
【Fターム(参考)】