説明

電動機の冷却装置

【課題】ステータの放熱性を高め、かつ、電動機全体の軸長を短くする。
【解決手段】ステータコイル7のコイルエンド7aの軸方向の端面とカバー5との間に、電気絶縁性と伝熱性と弾力性を備えたシート体である伝熱シート13を、コイルエンド7a及びカバー5に対し面接触状態で弾性的に密着する状態で介装し、ステータ熱を、伝熱層11,12を介してケーシング4に伝わる第1経路と、伝熱シート13からカバー5を経由してケーシング4に伝達されかつ外気に放出される第2経路によって放出するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はショベルの旋回駆動源等として使用される電動機のステータに発生した熱を放出する放熱構造を改良した電動機の冷却装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電動機は、電動機シャフトを中心として回転するロータの外周にステータを配置し、これらをカバー付きのケーシングに収容して構成される。
【0003】
この場合、ショベルの旋回電動機にあっては、電動機シャフトが鉛直となる縦置き姿勢で上部旋回体に設置される。
【0004】
電動機は、運転中にステータコアの鉄損及びステータコイルの銅損によって発熱するため、このステータ熱をケーシングまたは外気に放出するための冷却装置が設けられる。
【0005】
なお、この明細書において「電動機」とは、電動機と同一原理の発電機及び発電電動機を含むものとする。
【0006】
従来の冷却装置(放熱構造)として特許文献1に示されるものが公知である。
【0007】
この公知技術においては、ステータを構成するステータコイルのコイルエンドの軸方向端面と、ケーシングの軸方向端部壁の隙間に、波形断面によって弾力性を付与した金属製の伝熱スペーサを挿入し、ステータ熱(コア熱及びコイル熱)をこの伝熱スペーサを介してケーシングに伝える構成をとっている。
【0008】
また、コイルエンド及び伝熱スペーサと、ケーシング直径方向の周壁との隙間に、熱伝導性と電気絶縁性を備えた合成樹脂を充填し、ステータ熱をこの樹脂層(伝熱層)からもケーシングに伝えるようにしている。
【0009】
なお、ケーシングに水等の冷媒が通される冷却通路を設け、この冷却通路によって放熱効果を高めるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平10−290543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
公知技術によると、放熱性及び電動機軸長に関して次の欠点があった。
【0012】
(I) 放熱性に関して
ステータ熱を伝熱スペーサと樹脂層によって直接ケーシングに伝える構成であって、伝熱経路はステータ→ケーシングの一種類だけであるため、全体の伝熱面積(放熱面積)は限られてしまう。また、外気への放熱効率も低い。
【0013】
さらに、波形断面の伝熱スペーサとケーシングとは基本的には線接触または点接触となるため、伝熱効率が低い。
【0014】
しかも、伝熱スペーサの直径方向の側面とケーシングとの間にも樹脂層を形成することで伝熱スペーサの弾力性が殺がれるため、伝熱スペーサのケーシングに対する密着性が低下して伝熱効果がより低くなる。
【0015】
(II) 電動機の軸長に関して
伝熱スペーサを、ケーシングの軸方向端部壁とコイルエンドとの間に挿入する構成であるため、いいかえれば、ケーシング軸方向の端部に一定厚みの伝熱壁を確保する必要があるため、この伝熱壁の分、電動機全体の軸方向寸法(軸長)が大きくなる。
【0016】
しかも、伝熱スペーサが挿入される軸方向隙間寸法のばらつきを吸収できるように伝熱スペーサを厚く形成しなければならないため、益々、電動機の軸長が益々長くなる。
【0017】
このため、とくにショベルの旋回電動機のように上下方向のスペースが制限される状況で縦置きされる電動機の場合に組み付け性が悪くなる。
【0018】
そこで本発明は、ステータの放熱性を高め、かつ、電動機全体の軸長を短くすることができる電動機の冷却装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決する手段として、本発明においては、電動機シャフトを中心として回転するロータと、このロータの外周に配置されたステータと、上記ロータ及びステータが収容されたケーシングと、上記電動機シャフトの一端側を支持する状態で上記ステータを軸方向の端面を覆うカバーとから成り、上記ステータの熱を電気絶縁性を有する伝熱層を介して上記ケーシングに伝達するように構成された電動機の冷却装置において、上記ステータの軸方向の端面と上記カバーとの間に、電気絶縁性と伝熱性を備えたシート体である伝熱シートを、上記ステータ及びカバーに接触する状態で介装したものである。
【0020】
この構成によれば、ステータからの放熱経路として、ステータ→伝熱層→ケーシングの第1経路に加えて、ステータ→伝熱シート→カバー→ケーシング及び外気の第2経路が形成され、この二つの経路によって放熱することができるため、全体の放熱面積を増加させ得ること、及び外気への放熱が盛んになることにより、公知技術と比較してステータの放熱効率を高めることができる。
【0021】
また、シート体(伝熱シート)をステータの軸方向端面とカバーとの間に挟み込むため、公知技術のように伝熱スペーサをケーシングの軸方向端部壁とコイルエンドとの間に挿入する構成(伝熱スペーサとカバーとが直接接触せず、間にケーシング端部壁が介在する構成)と比較して、電動機全体の軸方向の長さを短くすることができる。
【0022】
このため、とくに建設機械の旋回電動機のように軸長が制限される電動機の組み付け性を向上させることができる。
【0023】
しかも、カバー装着時にステータとカバーの間に伝熱シートを挟み込むだけでよく、ステータ側及びカバー側に複雑な加工も組み付け操作も加える必要がないため、構造が簡単で低コストですみ、組立性も良い。
【0024】
本発明において、上記伝熱シートを弾力性を有するシート体として形成し、弾力により上記ステータ及びカバーに面接触状態で密着させるのが望ましい(請求項2)。
【0025】
この構成によれば、伝熱シートをステータ及びカバー両者に対して弾性的に面接触させるため、第2経路の伝熱効果が高い。
【0026】
また、公知技術では、上記のように伝熱スペーサをケーシングの軸方向端部壁とステータ(コイルエンド)の隙間に挿入する構成をとる関係上、上記隙間のばらつきを吸収できるように伝熱スペーサを厚く形成しなければならないため、電動機の軸長が益々長くなる。これに対し本発明では、伝熱シートを、同シートの弾力とステータに対するカバーの締結力を利用して挟み込むため、伝熱シートの厚みを最小限に小さくすることができる。このため、電動機の軸長を一層短くすることができる。
【0027】
また本発明においては、上記ステータを構成するステータコイルのコイルエンドと上記カバーとの間に上記伝熱シートを介装するのが望ましい(請求項3)。
【0028】
こうすれば、とくに発熱が激しいコイルの熱を両経路でケーシングに伝熱しかつ外気に放出するため、放熱効果が高くなる。
【0029】
本発明においては、上記カバーの内面に、上記ステータコアの軸方向端面に向かって突出する凸部を設け、上記コイルエンドの端面とカバーとの間、上記コイルエンドの側面と凸部の側面との間、及び上記ステータコアの軸方向端面と上記凸部の端面との間にそれぞれ上記伝熱シートを介装するのが望ましい(請求項4)。
【0030】
この構成によれば、ステータのコアを含めた広い面積範囲でカバーに放熱するため、放熱効率をさらに高めることができる。
【0031】
さらに本発明においては、上記ステータを構成するステータコイルのコイルエンドの側面と上記ケーシングとの間の隙間に、伝熱性を有する合成樹脂を充填して上記伝熱層を形成するのが望ましい(請求項5)。
【0032】
こうすれば、コイルエンドとケーシングの密着性を高め、第1経路の放熱効果を高めることができる。
【0033】
あるいは、上記ステータを構成するステータコイルのコイルエンドの側面と上記ケーシングとの間に、上記伝熱層としての空気層を設けてもよい(請求項6)。
【0034】
こうすれば、樹脂充填作業を省略して第1経路を簡単に形成することができる。
【0035】
一方、本発明において、上記ケーシングに、水等の冷媒が通される冷却通路を設けるのが望ましい(請求項7)。
【0036】
この構成により、ケーシングに伝えられたステータ熱を効率良く吸収することができる。
【0037】
また、ショベル等の建設機械に用いられる電動機のように、周りに配置されたエンジンや油圧ポンプ等からの熱によってケーシングそのものが外部から暖められる電動機において、ケーシングを低温に保ち、ステータ熱の吸収効率を上げることができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によると、放熱性を高め、かつ、電動機全体の軸長を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電動機の半部断面図である。
【図2】図1A部の一部拡大図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る電動機の半部断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る電動機の半部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の第1〜第3実施形態を説明する。
【0041】
各実施形態の電動機は、電動機シャフト1を中心として回転するロータ2と、このロータ2の外周に配置されたステータ3がケーシング4に収容され、このケーシング4の軸方向の一端にカバー5が装着されて構成される。
【0042】
各実施形態は、ショベルの旋回電動機のように電動機シャフト1が鉛直となる縦置き姿勢で設置される電動機を例にとっている。
【0043】
以下、これを前提として、この電動機の軸方向を上下方向、直径方向を左右方向として説明する。また、図の上側、下側、左側、右側をそのまま電動機の「上部(または上側)」、「下部(または下側)」、「左側」、「右側」として表記する。
【0044】
各実施形態に共通の構成として、カバー5は、ケーシング4の上端面に図示しないボルトによって取付けられ、電動機シャフト1の上部がこのカバー5に、下部がケーシング4の下部にそれぞれ図示しない軸受を介して回転自在に支持される。
【0045】
ステータ3は、周知のようにステータコア6と、このステータコア6に上下方向に巻装されたステータコイル7とから成り、ステータコイル7の上下両端部、すなわち両側コイルエンド7a,7bがステータコア6から上下方向に突出して、ケーシング4のコイルエンド収容部8,9に嵌まり込む。
【0046】
また、ケーシング4には、水等の冷媒が通される冷却通路10が外周側に設けられ、この冷却通路10によってケーシング4が冷却される。
【0047】
冷却通路10は、図示しないポンプによって冷媒がタンク経由で循環する循環流路として構成されている。
【0048】
第1実施形態(図1,2参照)
第1実施形態においては、上側コイルエンド7aの左右両側面と、これに対向するケーシング面との間(上側隙間)、及び下側コイルエンド7bの左右両側面及び下端面とこれに対向するケーシング面との間(下側隙間)にそれぞれ電気絶縁性と伝熱性を備えた合成樹脂(たとえば不飽和ポリエステル)が充填されている。
【0049】
これにより、上下両側のコイルエンドまわりに伝熱層としての樹脂層11,12が形成され、コイル熱がこの樹脂層11,12を介してケーシング4に伝えられる。
【0050】
また、ステータコア6の上下両端面及び側面はケーシング4に直接接触しているため、コア熱がこの接触面を介してケーシング4に伝達される。
【0051】
すなわち、伝熱経路として、図2中の破線矢印で示すようにステータ熱を直接ケーシング4に伝える第1経路が形成されている。
【0052】
一方、上側コイルエンド7aの端面とカバー5との間に、電気絶縁性と伝熱性、それに弾力性を備えた素材(たとえばシリコーンゴム)によって薄いリング状のシート体として形成された伝熱シート13が設けられている。
【0053】
この伝熱シート13は、ボルトによるカバー取付時の締結力とシートそのものの弾力により、コイルエンド端面とカバー5の間に、両者に対して面接触かつ弾性的に密着する状態で介装され、コイル熱がこの伝熱シート13を介してカバー5に伝えられる。
【0054】
すなわち、ステータ熱のもう一つの伝熱経路として、図2中に実線矢印で示すように伝熱シート13からカバー5を経由してケーシング5に伝熱され、かつ、外気に放熱される第2経路が形成される。
【0055】
この第1実施形態の構成によると、ステータ3からの放熱経路として、上記のようにステータ3→樹脂層11,12→ケーシング4の第1経路に加えて、ステータ3→伝熱シート13→カバー5→ケーシング4及び外気の第2経路が形成され、ステータ熱をこの二つの経路によって放熱することができる。
【0056】
このため、電動機全体の放熱面積を増加させ得ること、及び外気への放熱が盛んになることにより、公知技術と比較してステータ3の放熱効率を高めることができる。
【0057】
また、シート体(伝熱シート13)をステータ3(コイルエンド7a)の軸方向端面とカバー5との間に挟み込むため、公知技術のように伝熱スペーサをケーシングの軸方向端部壁とコイルエンドとの間に挿入する構成(伝熱スペーサとカバーとが直接接触せず、間にケーシング端部壁が介在する構成)と比較して、電動機全体の軸方向の長さを短くすることができる。
【0058】
このため、とくにショベルの旋回電動機のように軸長が制限される電動機の組み付け性を向上させることができる。
【0059】
しかも、カバー装着時にステータ3(コイルエンド7a)とカバー5の間に伝熱シート13を挟み込むだけでよく、ステータ側及びカバー側に複雑な加工も組み付け操作も加える必要がないため、構造が簡単で低コストですみ、組立性も良い。
【0060】
さらに、実施形態によると次の効果を得ることができる。
【0061】
(i) 伝熱シート13を弾力性を有するシート体として形成し、その弾力によってステータ3(コイルエンド7a)及びカバー5の双方に対し面接触状態で弾性的に密着させるため、第2経路の伝熱効果が高い。
【0062】
(ii) 伝熱シート13を、同シート13の弾力とステータ3に対するカバー5の締結力を利用して挟み込むため、カバー締結力を伝熱スペーサの押え込みに利用できない公知技術と比較して、伝熱シート13の厚みを最小限に小さくすることができる。このため、電動機全体の軸長を一層短くすることができる。
【0063】
(iii) コイルエンド7aとカバー5との間に伝熱シート13を介装し、とくに発熱が激しいコイル7の熱を第1及び第2両経路でケーシングに伝熱しかつ外気に放出するため、放熱効果が一層高くなる。
【0064】
(iv) ケーシング4に、水等の冷媒が通される冷却通路10を設けているため、二つの経路でケーシング4に伝えられたステータ熱を効率良く吸収することができる。
【0065】
また、ショベル等の建設機械に用いられる電動機のように、周りに配置されたエンジンや油圧ポンプ等からの熱によってケーシング4そのものが外部から暖められる電動機において、ケーシング4を低温に保ち、ステータ熱の吸収効率を上げることができる。
【0066】
第2実施形態(図3参照)
第2、第3両実施形態については、第1実施形態との相違点のみを説明する。
【0067】
第1実施形態においては、上側コイルエンド7aの左右両側面とこれに対向するケーシング面との隙間(上側隙間)、及び下側コイルエンド7bの下端面及び左右両側面とこれに対向するケーシング面との隙間(下側隙間)にそれぞれ伝熱層としての樹脂層11,12が形成されたのに対し、第2実施形態においては、上下両側隙間に合成樹脂を充填せず、隙間のまま残すことによって伝熱層としての空気層14,15が形成されている。
【0068】
また、上側コイルエンド7aの上端面とカバー5の間に伝熱シート13が介装されるとともに、下側コイルエンド7bの下端面とケーシング3の間にも、上側伝熱シート13と同じ特性 (電気絶縁性、伝熱性、弾力性)を備えた伝熱シート16が介装されている。
【0069】
この第2実施形態の構成によっても、第1実施形態と同様に、ステータ熱の放熱経路として第1及び第2両経路を形成し、この二つの経路によって効率良く放熱できる点、及び電動機軸長を短くできる点等の基本的作用効果を得ることができる。
【0070】
また、下側伝熱シート16についても、シートそのものの弾力と、コイル7を通じて上から伝えられるカバー5の締結力とによってケーシング面に面接触状態で弾性的に密着させることができる。
【0071】
さらに、第2実施形態によると、樹脂充填作業を省略して第1経路を簡単に形成することができるため、コストが安くてすむ。
【0072】
第3実施形態(図4参照)
第3実施形態においては、第2実施形態の構成を前提として、カバー5の内面(下面)にステータコア6の上端面に向かう下向きの凸部17が設けられる一方、上側伝熱シート13が、上側水平部13aと垂直部13bと下側水平部13cとから成る断面クランク状に形成され、上側水平部13aがコイルエンド端面とカバー5との間に、垂直部13bがコイルエンド左側面と凸部17の右側面と間に、下側水平部13cがステータコア6の上端面と凸部17の下端面との間にそれぞれ介装されている。
【0073】
この構成によると、ステータ3のコア6を含めた広い面積範囲でカバー5に放熱するため、放熱効果をさらに高めることができる。
【0074】
なお、コイルエンド7aの右側面とこれに対向するケーシング面との間には伝熱層としての空気層14が設けられている。
【0075】
他の実施形態
(1) 図4に示す第3実施形態において、空気層14を樹脂層に代えてもよい。
【0076】
(2) 第2、第3両実施形態において、下側伝熱シート16を省略し、伝熱層として下側コイルエンド7bとこれに対向するケーシング面との間に空気層または樹脂層を形成してもよい。
【0077】
(3) 上記各実施形態では、ケーシング4の上端面のみにカバー5が装着される電動機を例示したが、本発明は上下両端面にカバー5が装着される電動機にも適用することができる。
【0078】
この場合、上下両側のカバーとステータとの間に伝熱シートを設けてもよいし、いずれか一方のみに伝熱シートを設けてもよい。
【0079】
(4) 本発明は、縦置き配置される電動機に限らず、横置き配置される電動機にも、また前記のように同一原理の発電機及び発電電動機にも上記同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0080】
1 電動機シャフト
2 ロータ
3 ステータ
4 ケーシング
5 カバー
6 ステータコア
7 ステータコイル
7a 上側コイルエンド
7b 下側コイルエンド
8,9 コイルエンド収容部
10 冷却通路
11,12 伝熱層としての樹脂層
13 上側伝熱シート
13a 伝熱シートの上側水平部
13b 同、垂直部
13c 同、下側水平部
14,15 伝熱層としての空気層
16 下側伝熱シート
17 カバーの凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機シャフトを中心として回転するロータと、このロータの外周に配置されたステータと、上記ロータ及びステータが収容されたケーシングと、上記電動機シャフトの一端側を支持する状態で上記ステータを軸方向の端面を覆うカバーとから成り、上記ステータの熱を電気絶縁性を有する伝熱層を介して上記ケーシングに伝達するように構成された電動機の冷却装置において、上記ステータの軸方向の端面と上記カバーとの間に、電気絶縁性と伝熱性を備えたシート体である伝熱シートを、上記ステータ及びカバーに接触する状態で介装したことを特徴とする電動機の冷却装置。
【請求項2】
上記伝熱シートを弾力性を有するシート体として形成し、弾力により上記ステータ及びカバーに面接触状態で密着させたことを特徴とする請求項1記載の電動機の冷却装置。
【請求項3】
上記ステータを構成するステータコイルのコイルエンドと上記カバーとの間に上記伝熱シートを介装したことを特徴とする請求項1または2記載の電動機の冷却装置。
【請求項4】
上記カバーの内面に、上記ステータコアの軸方向端面に向かって突出する凸部を設け、上記コイルエンドの端面とカバーとの間、上記コイルエンドの側面と凸部の側面との間、及び上記ステータコアの軸方向端面と上記凸部の端面との間にそれぞれ上記伝熱シートを介装したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動機の冷却装置。
【請求項5】
上記ステータを構成するステータコイルのコイルエンドの側面と上記ケーシングとの間の隙間に、伝熱性を有する合成樹脂を充填して上記伝熱層を形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動機の冷却装置。
【請求項6】
上記ステータを構成するステータコイルのコイルエンドの側面と上記ケーシングとの間に、上記伝熱層としての空気層を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動機の冷却装置。
【請求項7】
上記ケーシングに、水等の冷媒が通される冷却通路を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電動機の冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−94010(P2013−94010A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235853(P2011−235853)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000246273)コベルコ建機株式会社 (644)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】